JP2003047678A

JP2003047678A - ゴルフクラブヘッド

Info

Publication number: JP2003047678A
Application number: JP2001237053A
Authority: JP
Inventors: Yasunori Imamoto; 泰範今本
Original assignee: Bridgestone Sports Co Ltd
Current assignee: Bridgestone Sports Co Ltd
Priority date: 2001-08-03
Filing date: 2001-08-03
Publication date: 2003-02-18

Abstract

(57)【要約】【課題】簡単かつ効果的に重心位置を深くすることが
でき、特に、ソール幅の狭いアイアン型ゴルフクラブヘ
ッドやユーティリティ型ゴルフクラブヘッドに好適なゴ
ルフクラブヘッドを提供する。【解決手段】ヘッド本体１よりも比重の大きいウエイ
ト部材２を有する金属製のゴルフクラブヘッドであっ
て、少なくともウエイト部材２の一部がヘッド本体１の
バック面１Ａよりも突出して配置されているゴルフクラ
ブヘッド。好ましくは、ウエイト部材２がヘッド本体１
のバック面１Ａよりも後方に延びたソール部１Ｂ上に配
置され、ヘッド本体１のバック面１Ａに形成された凹部
に嵌め合わされている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ウエイト部材を有
する金属製のゴルフクラブヘッドに関するものであり、
特に、ソール幅の狭いアイアン型ゴルフクラブヘッドや
ユーティリティ型ゴルフクラブヘッドに好適なものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来から、ゴルフクラブヘッドの重心位
置を深くして弾道安定性等を高める試みがなされてお
り、例えば、ヘッド本体よりも比重の大きいウエイト部
材を配置することで、重心深度を改善する方法が知られ
ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フェー
ス面とバック面及びソール部で構成されるヘッド本体の
限られた大きさの中でウエイト部材を配置しても、十分
に重心位置を深くすることができないという問題があっ
た。即ち、重心深度の改善にはフェース面からなるべく
離してウエイト部材を配置することが効果的であるが、
せいぜいバック面と一致するように成形、加工すること
しか行なわれていなかったのである。

【０００４】そこで本発明は、バック面までの範囲内で
ウエイト部材を配置するという既成概念に捕らわれるこ
となく、簡単かつ効果的に重心位置を深くすることがで
きるゴルフクラブヘッドを提供することを目的とするも
のである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、以上の課題を
解決するためになされたものであって、その要旨は、ヘ
ッド本体よりも比重の大きいウエイト部材を有する金属
製のゴルフクラブヘッドであって、少なくともウエイト
部材の一部がヘッド本体のバック面よりも突出して配置
されているゴルフクラブヘッドに係るものである。

【０００６】そして好ましくは、ウエイト部材が、ヘッ
ド本体のバック面よりも後方に延びたソール部上であっ
て、ヘッド本体のバック面に形成された凹部に嵌め合わ
されているゴルフクラブヘッドに係るものである。

【０００７】なお、ヘッド本体のバック面とフェース面
との間は離間しているか又は中空部になっていることが
好ましく、また、ヘッド本体よりも比重の小さいフェー
ス部材がフェース面に嵌め合わされていることが好まし
い。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明のゴルフクラブヘッドは、
ヘッド本体よりも比重の大きいウエイト部材を有する。
即ち、ウエイト部材を配置することによって、金属製の
ゴルフクラブヘッドの重心深度を改善するものである。

【０００９】ここで、ヘッド本体は一般的にアルミニウ
ム合金、チタニウム合金、ステンレス鋼、炭素鋼、マル
エージング鋼等の金属製である。従って、ウエイト部材
としては、真鍮、ベリリウム銅等の銅合金や、より比重
の大きいタングステンカッパー、タングステンニッケル
等のタングステン合金及びタングステンの焼結体等とい
った、ヘッド本体よりも０．６以上比重の大きい素材、
好ましくは２以上、更に好ましくは３以上大きいものを
使用するのがよい。比重差が０．６よりも少ないと、ウ
エイト部材の取付位置にもよるが、重心深度の改善効果
が小さくなってしまうからである。

【００１０】なお、本発明で特に好適な、ソール幅の狭
いアイアン型ゴルフクラブヘッドやユーティリティ型ゴ
ルフクラブヘッドを考慮すると、ウエイト部材の取付位
置の制約上、ヘッド本体とウエイト部材との比重差は、
８．４以上２０以下、好ましくは１０以上１９以下、更
に好ましくは１４以上１８以下がよい。

【００１１】そして、本発明は特徴的に、少なくともウ
エイト部材の一部がヘッド本体のバック面よりも突出し
て配置されている。即ち、バック面よりも背後に突出さ
せることで、バック面に揃えてウエイト部材を取り付け
た場合と比べ、より重心位置が深くなるのである。ま
た、取付位置によっては、ソール部を幅広にさせること
がないので、アイアン型ゴルフクラブヘッドやユーティ
リティ型ゴルフクラブヘッドにとって好ましいものとな
る。

【００１２】ここで、アイアン型ゴルフクラブヘッドを
例に説明すると、アイアン型ヘッドを取り付けたゴルフ
クラブはライの悪い状況（傾斜面）やラフ（芝が伸びて
いる状況）等でも使用するため、ソール幅は狭い方が好
ましい。具体的には、ソールセンター幅が５０ｍｍ以
下、好ましくは３０ｍｍ以下、更に好ましくは２５ｍｍ
以下である。従って、ウエイト部材の突出がソールセン
ター幅を大きく増加させてしまうのであれば、アイアン
型ゴルフクラブヘッドに適用することは難しい。なお、
あまり幅が狭いとダフったときにソール面が地面上を滑
らず好ましくないので、下限は１５ｍｍ以上である。

【００１３】そこで、特にアイアン型ゴルフクラブヘッ
ドにおけるウエイト部材の取付位置として、ヘッド本体
のバック面よりも後方に延ばしたソール部上に配置する
ことが好ましい。即ち、フェース面と別にソール部を延
ばした後端にウエイト部材を配置して重心を深くするの
である。なお、この場合のバック面は、ゴルフクラブヘ
ッドを計測用にセットした際、グランドラインに対して
７５°〜１０５°、好ましくは８０°〜９０°の範囲に
あるのがよい。

【００１４】このように、本発明のゴルフクラブヘッド
は、ヘッド本体のバック面とフェース面との間が中空部
になっているアイアン型ゴルフクラブヘッドに特に好適
なものであるが、アイアン型に限られず、ユーティリテ
ィ型のゴルフクラブヘッドやウッド型のゴルフクラブヘ
ッドに応用できることは当然である。

【００１５】次に、ウエイト部材の取付方法としては、
ヘッド本体のバック面に凹部を形成し、その凹部にウエ
イト部材の一部を嵌め合わせて固定することが好まし
い。それにより、ウエイト部材がしっかりと固定され、
ウエイト部材の位置とゴルフクラブヘッドの重量調整が
し易くなるからである。ウエイト部材の固定は、ビスを
使用することが簡単かつ確実に固定できる点で好まし
い。この場合、フェース部に開口部を設けておき、ウエ
イト部材の固定後にフェース部材を溶接、かしめ等で一
体化するとよい。

【００１６】また、重心位置をより深くするためには、
フェース面にヘッド本体よりも比重の小さいフェース部
材を嵌め合わせることが効果的であるが、フェース部の
開口部に後加工でフェース部材を一体化するのであれ
ば、容易に実現することができる。なお、ヘッド本体と
フェース部材との比重差は０．５以上、好ましくは２．
５以上あるのがよい。０．５以上としたのは、重心位置
が深くなる効果を発揮しつつ、主要金属がヘッド本体と
同一の金属素材をフェース部材に使用でき、両者の溶接
が容易になるからである。また、好ましくは２．５以上
としたのは、比重差が大きいほど重心位置が深くなるか
らであり、異種金属を使用すれば実現できる。

【００１７】更に、ヘッド本体のバック面とフェース面
との間を離間させ溝を設けたり、中空部を設けることに
より、より重心を深くすることができる。

【００１８】ところで、本発明のゴルフクラブヘッドを
用いてゴルフクラブセットとすることもできる。この場
合、同質の材料で比重の異なるウエイト部材を必要な種
類（例えば２〜４種類）だけ準備しておき、ヘッド重量
やデザイン上のウエイト部材の大きさ等を適宜変化させ
ることにより、ゴルフクラブセット全体で統一感のある
ものとし、重心深度の改善効果と同時にセットとしての
デザイン効果を得ることができる。

【００１９】

【実施例】以下、本発明の好ましい実施の形態の具体例
を図面により説明する。図１は、本発明のゴルフクラブ
ヘッドの実施例を示す正面図、図２は図１の背面図、図
３は図１のＢ−Ｂ線での断面図、図４は図１のＣ−Ｃ線
での断面図、図５は図１のＤ−Ｄ線での断面図である。

【００２０】図１〜図５において、ヘッド本体１は、５
番アイアン用のゴルフクラブヘッドを想定して低炭素鋼
（Ｓ２０Ｃ）を機械加工したものであり、フェース面１
Ｃにはチタニウム合金を嵌合固定した。そして、重心が
深くなるように、ヘッドのフェース面１Ｃとバック面１
Ａとが離間するように溝１Ｄを設けてある。なお、溝１
Ｄの溝幅ＳＷは６〜１０ｍｍであり、ソールセンター幅
ＣＷに対してヒール側が狭くなるようにしてある。

【００２１】ウエイト部材２は比重１７のタングステン
ニッケル合金（３５ｇ）であり、ヘッド本体１のバック
面１Ａに形成した深さ５ｍｍの凹部に嵌め合わせ、２本
のステンレス製のビス３で固定してある。なお、ウエイ
ト部材２の背面側はバック面１Ａよりも３ｍｍほど突出
している。

【００２２】次に、実施例と同じ低炭素鋼（Ｓ２０Ｃ）
を使用し、５番アイアン用のゴルフクラブヘッドを鍛造
にて成形した比較例を用意した。そして、実施例と比較
例のヘッドをゴルフクラブに組み立てて実打評価を行な
った。その結果、実施例のゴルフクラブヘッドを使用し
たものは、ソールセンター幅ＣＷが極端に狭くなく、扱
い易く、更に重心が深いために弾道が安定し、好ましい
ものであった。なお、実施例と比較例のゴルフクラブヘ
ッドの主要諸元は表１の通りである。

【００２３】

【表１】

【００２４】なお、本発明のゴルフクラブヘッドを使用
してアイアンセットとする場合は、ヘッド重量が各番手
によって異なることから、同一の合金で比重が異なるも
のによって各ウエイト部材を作製し、ウエイト部材の体
積が大きく変わらないように配慮することが好ましい。
例えば、実施例（５番アイアン用のゴルフクラブヘッ
ド）では比重１７のタングステンニッケル合金を使用し
ているが、番手の小さいアイアンについては比重１４の
タングステンニッケル合金が適当である。

【００２５】

【発明の効果】本発明のゴルフクラブヘッドは、特徴的
に、少なくともウエイト部材の一部がヘッド本体のバッ
ク面よりも突出して配置されているので、簡単かつ効果
的に重心位置を深くすることができ、特に、ソール幅の
狭いアイアン型ゴルフクラブヘッドやユーティリティ型
ゴルフクラブヘッドに好適なものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明のゴルフクラブヘッドの実施例
を示す正面図である。

【図２】図２は、図１に示すゴルフクラブヘッドの背面
図である。

【図３】図３は、図１に示すゴルフクラブヘッドのＢ−
Ｂ線での断面図である。

【図４】図４は、図１に示すゴルフクラブヘッドのＣ−
Ｃ線での断面図である。

【図５】図５は、図１に示すゴルフクラブヘッドのＤ−
Ｄ線での断面図である。

【符号の説明】

１‥ヘッド本体１Ａ‥バック面１Ｂ‥ソール部１Ｃ‥フェース面１Ｄ‥溝２‥ウエイト部材３‥ビスＳＷ‥溝幅ＣＷ‥ソールセンター幅

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ヘッド本体（１）よりも比重の大きいウ
エイト部材（２）を有する金属製のゴルフクラブヘッド
であって、少なくともウエイト部材（２）の一部が、ヘ
ッド本体（１）のバック面（１Ａ）よりも突出して配置
されていることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項２】ウエイト部材（２）が、ヘッド本体
（１）のバック面（１Ａ）よりも後方に延びたソール部
（１Ｂ）上に配置されていることを特徴とする請求項１
に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項３】ウエイト部材（２）が、ヘッド本体
（１）のバック面（１Ａ）に形成された凹部に嵌め合わ
されていることを特徴とする請求項１又は２に記載のゴ
ルフクラブヘッド。
【請求項４】ヘッド本体（１）のバック面（１Ａ）と
フェース面（１Ｃ）との間が、離間しているか又は中空
部になっていることを特徴とする請求項１〜３のいずれ
か１項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項５】ヘッド本体（１）よりも比重の小さいフ
ェース部材が、フェース面（１Ｃ）に嵌め合わされてい
ることを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載
のゴルフクラブヘッド。