明 細 可逆性感熱記録媒体 技術分野 本発明は、 電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利 用した可逆性感熱発色組成物を用い、 熱エネルギーを制御することにより発色画 像の形成と消去が可能な可逆性感熱記録媒体に関する。 背景技術 従来、 電子供与性呈色性化合物 (以下、 発色剤又はロイコ染料ともいう) と電 子受容性化合物 (以下、 顕色剤ともいう) との間の発色反応を利用した感熱記録 媒体は広く知られており、 O A化の進展と共にファクシミリ、 ワードプロセッサ 一、 科学計測機などの出力用紙として、 また最近ではプリペイドカードゃポイン トカードなどの磁気感熱カードとしても広く使用されている。 しかし、 これら実 用化されている従来の記録媒体は環境問題上、 リサイクルや使用量の減量化など の見直しが迫られているが、 不可逆的な発色であるため、 一度記録した画像を消. 去して繰り返し使用することはできないし、 新しい情報は画像が記録されていな い部分に追記されるぐらいで記録可能な部分の面積は限られている。 そのため、 記録する情報量を減らしたり、 記録エリアがなくなった時点でカードを作り直し ているのが実状である。 そこで、 近年盛んに論じられているゴミ問題や森林破壌 問題を背景に、 何度でも書き換え可能な可逆性感熱記録媒体の開発が望まれてい た。
ところで、 これらの要求から様々な可逆性感熱記録媒体が提案されてきた。 例 えば、 透明 * 白濁という物理的変化を利用した高分子タイプの可逆性感熱記録媒 体が開示されている (特許文献 1、 2参照) 。 また、 新たに化学的変化を利用し た染料タイプの可逆性感熱記録媒体も提案されている。 具体的には、 顕色剤とし
て没食子酸とフロログルシノールの組み合わせを用いるもの (例えば、 特許文献
3参照) 、 顕色剤にフエノールフタレインゃチモールフタレインなどの化合物を 用いるもの (例えば、 特許文献 4参照) 、 発色剤と顕色剤とカルボン酸エステル の均質相溶体を記録層に含有するもの (例えば、 特許文献 5、 6、 7参照) 、 顕 色剤にァスコルビン酸誘導体を用いたもの (例えば、 特許文献 8参照) 、 顕色剤 にビス (ヒドロキシフエニル) 酢酸又は没食子酸と高級脂肪族ァミンとの塩を用 いるもの (例えば、 特許文献 9、 1 0参照) などが開示されている。
さらに本発明者らは、 先に特許文献 1 1において顕色剤として長鎖脂肪族炭化 水素基をもつ有機リン酸化合物、 脂肪族カルボン酸化合物又はフエノール化合物 を用い、 これと発色剤であるロイコ染料とを組み合わせることによって、 発色と 消色を加熱冷却条件により容易に行なわせることができ、 その発色状態と消色状 態を常温において安定に保持させることが可能であり、 しかも発色と消色を繰り 返すことが可能な可逆性感熱発色組成物及びこれを記録層に用いた可逆性感熱記 録媒体を提案した。 またその後、 長鎖脂肪族炭化水素基をもつフエノール化合物 について特定の構造のものを使用することが提案されている (例えば、 特許文献 1 2、 1 3参照) 。
しかし、 実使用では、 低温低湿から高温高湿までの広範囲の環境下において使 用されるが、 低温低湿では消去不良を起こしやすく、 また高温高湿では発色不良 を起こすなどの問題を有しており、 必ずしも満足できる結果をもたらすものでは なかった。
また、 特許文献 1 4では、 中間層又は保護層に、 ある特定の無機顔料を添加す ることで、 耐湿保存性を良くしていることが示されているが、 実使用環境下での 繰り返し消去 ·印字による低温低湿での消去不良や高温高湿での発色不良を改善 するには至っていないのが現状である。
更に、 近年プリンターの高速化、 小型化が叫ばれるようになり、 可逆性感熱記 録材料においても消色をセラミックヒータで行なうタイプからサーマルへッドで 行なうタイプへの変化が顕著になり、 消色の高速化が望まれている。
特許文献 1 : 特開昭 6 3— 1 0 7 5 8 4号公報
特許文献 2 : 特開平 4一 7 8 5 7 3号公報
特許文献 3 特開昭 6 0一 1 9 3 6 9 1号公報
特許文献 4 特開昭 6 1 ― 2 3 7 6 8 4号公報
特許文献 5 特開昭 6 2一 1 3 8 5 5 6号公報
特許文献 6 特開昭 6 2一 1 3 8 5 6 8号公報
特許文献 7 特開昭 6 2 ― 1 4 0 8 8 1号公報
特許文献 8 特開昭 6 3 1 7 3 6 8 4号公報
特許文献 9 特開平 2一 1 8 8 2 9 3号公報
特許文献 1 0 : 特開平 2 ― 1 8 8 2 9 4号公報
特許文献 1 1 : 特開平 5 ― 1 2 4 3 6 0号公報
特許文献 1 2 : 特開平 6 ― 2 1 0 9 5 4号公報
特許文献 1 3 : 特開平 1 0一 9 5 1 7 5号公報
特許文献 1 4 : 特開平 1 0一 1 0 0 5 4 1号公報 そこで、 本発明は従来から問題になっている実使用環境下での繰り返し消去 · 印字による低温低湿での消去不良や高温高湿での発色不良を改良して、 安定な品 質を提供できるようにし、 更に、 高速消色を可能とした選択発明である。
したがって、 本発明の課題は、 発色濃度及び消色濃度が湿度に影響されず、 高 コントラストに優れ、 かつ繰り返し使用によっても記録媒体への打こんの発生や 濃度変化の少ない、 耐久性に優れ、 更に、 サーマルヘッドでの消色が可能な高速 消色に優れた可逆性感熱記録媒体を提供することである。 発明の開示 本発明者らは、 このような発色剤と顕色剤の組成物の可逆的な発色消色現象で は、 長鎖脂肪族基をもっ顕色剤の発色剤を発色させる能力と分子間の凝集力のバ ランスが重要であると考え、 種々の構造の化合物を検討した。 その結果、 特定の 構造をもつフエノール化合物を顕色剤として用い、 更に、 消色促進剤として特定 の官能基を有する化合物を含有することにより、 上記の課題が解決できることを 見出した。
すなわち、 上記課題は、 本発明の (1) 「支持体上に電子供与性呈色性化合物 と電子受容性化合物を用い、 加熱温度及び/又は加熱後の冷却速度の違いにより 相対的に発色した状態を形成しうる可逆性感熱組成物を含有する可逆性感熱記録 層を有する可逆性感熱記録媒体であって、該電子受容性化合物が下記一般式( 1 ) で表わされるフエノール化合物であり、 かつ該可逆性感熱記録媒体を 35°C土 2°C、 相対湿度 70%以上 90%以下の環境で印字したときの発色濃度が 0. 8 0以上で消色濃度が 0. 15以下であることを特徴とする可逆性感熱記録媒体;
NHCO— Rj— X— R2 …
(式中、 nは、 1〜3の整数を示し、 Xは N原子又は O原子を含む 2価の基を表 す。 また、 は、 置換基を有していてもよい炭素数 2以上の脂肪族炭化水素基 を表し、 R2は、 炭素数 1以上 14以下の脂肪族炭化水素基を表す。 ) 」 、 (2)
「前記電子受容性化合物が、 一般式 (1) において、 ェが炭素数 10以上 1 6 以下、 及ぴ1 2が炭素数 8以上 14以下の脂肪族炭化水素基を有するフエノール 化合物であることを特徴とする前記第 (1) 項に記載の可逆性感熱記録媒体」 、
(3) 「前記電子受容性化合物が、 一般式 (1) 中、 Xが尿素基であるフエノー ル化合物であることを特徴とする前記第 (1) 項又は第 (2) 項に記載の可逆性 感熱記録媒体」 、 (4) 「前記可逆性感熱記録層が架橋状態にある樹脂を含有す ることを特徴とする前記第 (1) 項乃至第 (3) 項のいずれかに記載の可逆性感 熱記録媒体」 、 (5) 「前記可逆性感熱記録層中に含有される樹脂が水酸基価 7 0 (KOHmg/g) 以上であることを特徴とする前記第 (4) 項に記載の可逆 性感熱記録媒体」 、 (6) 「前記可逆性感熱記録層中に含有される樹脂がアタリ ルポリオール樹脂であることを特徴とする前記第 (4) 項又は第 (5) 項に記載 の可逆性感熱記録媒体」 、 (7) 「前記樹脂のゲル分率が 30%以上であること を特徴とする前記第 (1) 項乃至第 (3) 項のいずれかに記載の熱可逆性感熱記 録媒体」 、 (8) 「消色促進剤として、 2級アミ ド基を有する化合物を含有する ことを特徴とする前記第 (1) 項乃至第 (7) 項のいずれかに記載の可逆性感熱
記録媒体」 、 (9) 「分子中に一 NHCO—基、 一 OCONH—基を少なくとも ひとつ以上有する消色促進剤を更に含有することを特徴とする前記第 (1) 項乃 至第 (7) 項のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体」 、 (1 0) 「前記分子中 に一 NHCO—基、 一 OCONH—基を少なくともひとつ以上有する消色促進剤 が、 一般式 (2) 〜 (8) で表わされる化合物のいずれかであることを特徴とす る前記第 (9) 項に記載の可逆性感熱記録媒体;
R1-NHCO-R2 … (2)
R1-NHCO-R3-OCNH-R2 … (3)
R1-CONH-R3-HNOC-R2 … (4)
R1-NHOCO-R2 … (5)
R NHOCO— R3— OCOHN— R3 … (6)
Ri-OCO H-Rg-HNOCO-Ra … (7)
Rl -NHOCO一 R5— OCOHN— R3
I -*· (8)
OCONH— R4
(式中、 Ri、 R2、 R4は、 炭素数 7以上 2 2以下の直鎖アルキル基、 分枝アル キル基、 不飽和アルキル基を表し、 R3は、 炭素数 1〜1 0の 2価の官能基を表 し、 R5は、 炭素数 4〜1 0の 3価の官能基を表す。 ) 」 、 (1 1) 「前記可逆 性感熱記録層上に該感熱記録層を保護するための保護層を設け、 該保護層が架橋 状態にある樹脂を含有することを特徴とする前記第 (1 ) 項乃至第 (1 0) 項の いずれかに記載の可逆性感熱記録媒体」 によって解決される。
また、 上記課題は、 本発明の (1 2) 「情報記憶部と可逆表示部を有し、 該可 逆表示部が少なくとも前記第 (1 ) 項乃至第 (1 1 ) 項のいずれかに記載の可逆 性感熱記録媒体からなるものであることを特徴とする情報記録部を有する部材 J、
(1 3) 「前記情報記憶部と可逆表示部を有する部材が、 カード、 ディスク、 デ イスクカートリッジ又はテープカセットのいずれかであることを特徴とする前記 第 (1 2) 項に記載の情報記憶部を有する部材」 によって解決される。
また、 上記課題は、 本発明の (1 4) 「前記第 (1 ) 項乃至第 (1 1 ) 項のい ずれかに記載の可逆性感熱記録媒体を構成する支持体の可逆性感熱記録層を形成
する面とは反対の面に、 接着剤層又は粘着剤層を設けたことを特徴とする可逆性 感熱記録ラベル」 によって解決される。
また、 上記課題は、 本発明の (15) 「前記第 (14) 項に記載の可逆性感熱 記録ラベルを用いた可逆表示部が設けられているものであることを特徴とする前 記第 (12) 又は (13) 項に記載の情報記憶部を有する部材」 によって解決さ れ 。
また、 上記課題は、 本発明の (16) 「前記第 (1) 項乃至第 (1 1) 項のい ずれかに記載の可逆性感熱記録媒体、 前記第 (14) 項に記載の可逆性感熱記録 ラベル、 又は前記第 (12) 、 (13) 、 (1 5) 項のいずれかに記載の情報記 憶部と可逆表示部を有する部材が用いられ、 該可逆表示部の可逆性感熱記録層を 加熱することにより画像の形成及び/又は消去を行なうことを特徴とする画像処 理方法」 、 (1 7) 「サーマルヘッドを用いて前記可逆表示部に画像を形成する ことを特徴とする前記第 (16) 項に記載の画像処理方法」 、 (18) 「サーマ ルへッド又はセラミックヒータを用いて画像を消去することを特徴とする前記第 (16) 項に記載の画像処理方法」 によって解決される。
また、 上記課題は、 本発明の (19) 「前記第 (1) 項乃至第 (1 1) 項のい ずれかに記載の可逆性感熱記録媒体、 前記第 (14) 項に記載の可逆性感熱記録 ラベル又は前記第 (12) 、 (13) 、 (1 5) 項のいずれかに記載の情報記憶 部と可逆表示部を有する部材を搭載し、 画像の形成及びノ又は消去を行なう手段 を具備してなることを特徴とする画像処理装置」 、 (20) 「画像の形成手段が サーマルへッドであることを特徴とする前記第(19)項に記載の画像処理装置」、 (21) 「画像の消去手段がサーマルへッド又はセラミックヒーターであること を特徴とする前記第 (1 9) 項に記載の画像処理装置」 によって解決される。 図面の簡単な説明 図 1は、 本発明の可逆性感熱発色組成物の発色 ·消色特性を示す図である。 図 2は、 可逆性感熱記録ラベルを MDのディスクカートリッジ上に貼った例を 示す図である。
図 3は、 可逆性感熱記録ラベルを CD— RW上に貼った例を示す図である。 図 4は、 ビデオテープカセットの表示ラベルとして用いた例を示す図である 図 5は、 本発明の画像処理装置の例を示す図である。 発明を実施するための最良の形態 従来の顕色剤を用いた可逆性感熱記録媒体では、 高温高湿の環境下において消 去 ·印字を行なうと発色濃度が低下するという問題を有していた。 可逆性感熱記 録媒体は、 加熱温度及び 又は加熱後の冷却速度により相対的に発色状態と消色 状態を形成しうるもので、 冷却速度が急冷の場合に発色状態を形成し、 徐冷の場 合に消色状態を形成しうるものである。 そのため、 高温環境下での画像形成は徐 冷状態にシフトしやすく、 発色濃度が低下しやすい。 また、 高湿環境下では、 過 剰な水分子が可逆性感熱記録媒体内部に入り込み、 顕色剤と水素結合を有するこ とにより、 ロイコ染料の開環を阻害し発色濃度が更に低下する。 そのため、 これ までの可逆性感熱記録媒体は、 常温常湿で発色濃度 0. 8以上、 消色濃度 0. 1 5以下が得られていても、 高温高湿環境下では発色濃度が 0. 8未満となり、 安 定した発色画像を得ることができなかった。
本発明者らは、 検討した結果、 前記一般式 (1) の顕色剤、 更に好ましくは一 般式 (9) で表わされる化合物を用いることにより上記問題点を解決することを 見出した。
… (9)
(式中、 mは、 10以上 16以下、 nは 7以上 13以下を表す。 )
すなわち、 本発明に用いられる一般式 (1) の顕色剤、 更に好ましくは一般式
(9) で表わされる化合物を用いた可逆性感熱記録媒体を温度 35°C又は 35°C 付近、 相対湿度 70%RH以上 90%RH以下の環境下で繰り返し消去 ·印字を 行なっても常温常湿の環境下で行なった発色濃度との差がなく、 かつ消色不良も 起こさないコントラストに優れた可逆性感熱記録媒体を得ることができた。 すな わち、 本発明の可逆性感熱記録媒体は、 35°C±2° (、 相対湿度 70%RH以上
9 0 °/0 R H以下の環境で印字したときの発色濃度は 0 . 8 0以上で、 消色濃度は 0 . 1 5以下の性能を少なくとも有するものである。
一般式 (9 ) で表わされる化合物は尿素基を構造中に有しており、 その水素結 合能力から水分子との相互作用を有している。 また、 一般式 (9 ) の顕色剤は熱 的作用により発色状態と消色状態の状態変化を起こすことにより可逆性機能を発 現しており、 そのときの状態変化は尿素基の水素結合能力を利用した分子集合力 が寄与すると考えられている。 したがって、 相対湿度が高い環境、 即ち周囲に水 分子が多く存在する環境の中では、 顕色剤は自身の尿素基同士の水素結合と水分 子との水素結合が共に起こることになり、 このことが、 発色状態と消色状態のバ ランスを崩す要因となって発色不良を起こすと考えられる。
したがって、 一般式 (9 ) の顕色剤において、 水分子との相互作用を小さくす ることが、 相対湿度が高い環境条件で発色状態を良好にするために必要となる。 そこで、 一般式 (9 ) において、 m、 nの大きさを種々変化させて水との相互作 用の状況を調べたところ、 mが 1 0より小さい場合は水分子との相互作用が大き いが、 mが 1 0を超えると水分子との相互作用が小さくなることを本発明者らは 発見した。 更に、 nが 1 3より大きい場合に水分子との相互作用が大きいが、 n が 1 3以下の場合に水分子との相互作用が小さくなることを本発明者らは発見し た。 つまり、 一般式 (9 ) の顕色剤は m、 nを調整することにより水分子の影響 を調整することが可能であり、 その結果、 温度 3 5 °C、 相対湿度 7 0 % R H以上 9 0 % R H以下の環境下で繰り返し消去 ·印字を行なっても常温常湿の環境下で 行なった発色濃度との差がなく、 かつ消色不良も起こさないコントラストに優れ た可逆性感熱記録媒体を得ることができた。 このことは、 従来の知見の中では見 出されていない現象であり、本発明者らによってはじめて見出された現象である。
—方、 inが 1 6を越えた場合、 及び nが 7より小さい場合は水分子との相互作 用は小さい状態を維持することは可能であつたが、 消色特性が著しく劣化する現 象が確認され、 mの好ましい範囲として 1 0以上 1 6以下、 nの好ましい範囲と して 7以上 1 3以下が選択された。
なお、 この現象の詳細なメカニズムは完全には解明できていないが、 顕色剤化 合物の吸湿特性が影響していることは明らかである。
本発明の可逆性感熱発色組成物は、電子受容性化合物として、前記一般式(1) で表わされるフエノール化合物を用いることを特徴とする。 前記一般式 (1) に おいて、 脂肪族炭化水素基は直鎖でも分枝していてもよく、 不飽和結合を有して いてもよい。 炭化水素基につく置換基としては、 水酸基、 ハロゲン原子、 アルコ キシ基等がある。 R2の炭素の和が 7以下では発色の安定性や消色性が低下 するため、 炭素数は 8以上が好ましく、 1 1以上であることが更に好ましい。
の好ましい例としては以下の表 1に示すものが挙げられる。 表 1
-(CH2)q- -(CH2)q-CH = CH-(CH2)q' -
(CH2)q— CH—(CH2)q'— 一(CH2)q - CH— (CH2)q'
(GH2)q"-GH3 (CH q^-Cl
(CH2)q'"—CH3
— (CH2)q_C— (CH2)q'— -(CH2)q-CH-(CH2)q'- (CH2)q"— CH3 (CH2)q "— OH これらの中でも一 (CH2) q—が特に好ましい。 尚、 式中の q、 q ' 、 q" 、 q ' " はそれぞれ前記 R2の炭素数を満足する整数を表す。
また、 R2の好ましい例としては以下の表 2に示すものが挙げられる。
表 2
-(CN H -(CHz)q-CH=CH-(CH2)q'-CH3
-CCH2 〔CHs)q '— C (CHs)q
(CH2)q— CH— (CHz)qし CH, 一(CH2)q C 1
(CH2)q' CH3
(CH2)q'"-CH3 OSoBi
(CH3)q-C-(CH2)q'-CHa (CH2)q-CH-(CH2)q'- CHS
(CH2)q"-CH3 (CH2)q"_OH これらの中でも一 (CH2) q— CH3が特に好ましい。 なお、式中の q、 q ' 、 q" 、 q' " は前記と同じである。
Xは N原子又は O原子を含む 2価の基を示し、 好ましくは表 3で表される基を 少なくとも 1個以上有する 2価の基を表す。 その例としては、 表 4に示すものが 挙げられる。 これらのうち、 好ましい基は表 5に示すものである。
3
H H H さらに具体的なフヱノール化合物としては、 例えば以下のものが挙げられる。 その例として表 6中の一般式で表される化合物の具体的な例を表 7及び表 8に挙 げる。 なお、 表 6中の他の一般式で表される化合物についても、 同様なものが挙 げられる。 ただし、 本発明はこれらに限定されるものではない。
11 差替え用紙 (規則 2β)
〕( ¾O〇¾5)OfHHMQOMOHla—sITN.
¾5¾) 03リHH¾3)HM8
¾8¾Sリ)H¾HHZ 8—
¾()03iu¾HNG(¾)OUHNS—
¾ ¾1δ)03¾ΗΖ¾3)(οϋΗΝ2—
H303K¾)HN¾3()M03HS—
表 8— 1
- 'NHCO(CH2)5NHCONH(CH2)7CH3
'NHCO(CH2)5NHCONH(CH2)9CH3 NHCO(CH2)5NHCONH(CH2)iiCH3 •NHCO(CH2)5NHCONH(CH2)13CH3 通 CO(CH2)7NHCONH(C¾)5CH3 -丽 CO(CH2)7NHCONH(CH2)7CH3 NHCO(CH2)7NHCONH(CH2)9CH3 -NHCO(CH2)7NHCONH(CH2)iiCH3 -丽 CO(CH2)7NHCONH(CH2)13CH3
表 8— 2
表 7及ぴ 8に示される化合物のうち好ましいものは、 表 6の一般式に対応させ て示すと、 mが 5〜1 1、 n— 1が 8〜1 3に相当する化合物であり、 特に好ま しい化合物としては、 次の化合物を挙げることができる。
HO- -NHCO—— (CH2)u~NHCONH--(CH2)rCH3
HO- NHCO— (CH2)!!— NHCONH— (CH
2)nCH
3
NHCO—— (CH
2)io— NHCO— (CH
2)
8CH
3 上記の特に好ましい化合物として挙げた化合物を顕色剤として使用した場合の 可逆性感熱記録媒体は、 いずれも、 高温高湿 (35°C、 85 %RH) の環境下で 印字したときの発色濃度が 1. 00以上、消色濃度が 0. 14以下であり、また、 この性能は常温常湿の環境下で印字したときとほとんど変わらず、 従来技術には みられない極めて優れた性能を示す。
本発明で用いられる消色促進剤としては、 下記一般式で示されるような 2級ァ ミ ド基を用いることにより消去特性に優れたものとなる。
一 36
7 (24)
式中、 R
36から R
4。は、置換基を有してもよい飽和若しくは不飽和の炭化水素 基を表し、 R
36と R
37は、 環を形成していてもよく、 形成される環は窒素原子、 酸素原子又は硫黄原子を介していてもよい。 さらに、 R
36から R
4。で好ましく用 いられる置換基を有してもよい炭化水素基の例としては、 直鎖のみでも分岐して いてもよく、 _o—、 一 S—、 一 CO_、 一 COO—基を介していてもよい。 ま た、 芳香族環、 脂肪族環を有していてもよい。
以下に本発明で用いられる消色促進剤の好ましい具体例を表 9に挙げる。 しか し、 本発明で用いられる消色促進剤化合物はこれらに限られるものではない。
表 9
O (CH2)n"+i-0-(CH2)n'"CH3
CH
3(CH
2)
n— C - v(CH
2)n"+i -0-(CH
2)n""CH
3
O
GH3(CH2)n-C-N'
表中、 n n n " , n " n " " は 0 2 1の整数を示す。 ただし全て が 5以下であることはない。
さらに本発明で用いられる消色促進剤は、 下記表 1 0に示すような会合性の基 を 1個以上有していてもよい。
表 1 0
oen
表 1 1に、 本発明で用いられる消色促進剤の好ましい例を挙げる。 しかし、 本 発明で用いられる消色促進剤はこれらの化合物に限られるものではない。 表中、
Xは上記の会合性の基を示し、 n, n ' , n" , n, " , n" " は 0〜2 1の整 数を示すが、 全てが 5以下であることはない。
表 1 1
O (CH2)n'+i-0-(CH2)n,"CH3
C H3(C H2)n-X— (C H2)n "一 C-N
、(CH2)n"CH3
O /(CH2)n'+l-0-(CH2)n,"CH3
CH3(CH2)n-X— (CH2)n" '"一 C-N
S(CH2)n"+i-0— (CH2)n""CH3
C H3(C H2)n-X— (C Η2)η·"— C-N
(CH2)n"CH3
O
C H3(C H2)n-X— (C H2)n— C-N 0
表 1 2に、 消色促進剤の具体的な例を示すが、 本発明はこれらの化合物に限ら れるわけではない。
表 12
H3
CH3(CH2) 17— NHCONH— (CH2)5— C-N CH3(CH2)
il ノ (CH )3CH3
CH3(CH2) 17-NHCONH— (CH2)5-C-N
CH3
ί? バ CH2)3CH3
CH3(CH2) 17— NHCONH— (CH2)5— C-N
、CH2CH3
O メ CH2)17CH3
CH
3(CH
2) 17-NHCONH— (CH
2)
2-C-N
更に、 前記の特徴を有する顕色剤と、 消色促進剤として分子中に一 NHCO— 基、 一 OCONH—基を少なくともひとつ以上有する化合物を併用することによ り、 消色状態を形成する過程において消色促進性化合物と顕色剤の間に分子間相 互作用が誘起され消色速度が格段に速くなることが可能であることを見出した。 本発明で用いる分子中に一 NH CO—基、 一 OCONH—基を少なくともひと つ以上有する消色促進剤としては、 下記一般式 (2) 〜 (8) で表される化合物 が好ましい。
R1-NHCO-R2 (2)
R1-NHCO-R3-OCNH-R2 ··· (3)
R1-CONH-R3-HNOC-R2 … (4)
R「 NHOCO_R2 … (5)
R1~NHOCO-R3-OCOHN-R3 ··· (6)
R1-OCONH-Ro-HNOCO-R2 ··· (7)
Rl-NHOCO一 R5— OCOHN— R¾>
… (8)
OCONH-R4
(式中、 Rい R2、 R4は、 炭素数 7以上 22以下の直鎖アルキル基、 分枝アル キル基、 不飽和アルキル基を表し、 R3は、 炭素数 1〜1 0の 2価の官能基を表 し、 R5は、 炭素数 4〜1 0の 3価の官能基を表す。 )
Rい R2、 R4の好ましい例としては、 ヘプチル基、 ォクチル基、 ノニル基、. デシル基、 ゥンデシル基、 ドデシル基、 ステアリル基、 ベへニル基、 ォレイル基 等が挙げられる。 また R3の好ましい例としては、 メチレン基、 エチレン基、 プ ロピレン基、 ブチレン基、 ヘプタメチレン基、 へキサメチレン基、 ォクタメチレ ン基、 — C3H6OC3H6—基、 — C2H4OC2H4—基、 _C2H4OC2H4OC 2H4—基等が挙げられる。 また R5の好ましい例として、 下記表 1 3に示すもの が挙げられる。
表 1 3
CH2C¾— CH2CH2- CH2C¾CH2— CH2CH2C¾— CH2— CH一 CHCH2— CH2CH2— CH2CH2CH2— CH―
CH2CH2— , (! H2CH2
—, d;H
2CH
2CH
2- , C¾CH
2CH
2— i
4H
8— 一般式 (2) 〜 (8) で表される化合物の具体的な例として以下のものが挙げ られる。
C11H23CONHC12H25, C15H31CONHC16H33、 C17H35CON HC18H37、、 C17H35CONHC18H35、 C 2 x H 4 x C O N H C x 8 H 37 , C 1 5H31CONHC18H37、 C17H35CONHCH2HNOCC17H35、 C11H2 sCONHCH^NOCC^Haa, C7H15CONHC2H4HNOCC17H35 C9H19CONHC2H4HNOCC9H19,C11H23CONHC2H4HNOCC
ΝΖ ΤΗ9ΟΝΗΟΟΟΖ ΕΗ8 ΤΟ Ε ΕΗ9 ΤΟΗΝΟΟΟ9 ΐΗ8ΟΟΟΟΗΝΕ ΕΗ 91 Ο Ε ΕΗ9 ΐΟΗΝΟΟΟΖ ΤΗ9ΟΟΟΟΗΝΕ ΕΗ9 ΐΟ Ε ΕΗ9 Χ OHNOOO 8Η^ΟΟΟΟΗΝΕ ΕΗ9 Χ0 Ε ΕΗ9 ΐ ΟΗΝ0009ΗΕΟΟΟΟΗΝΕ ΕΗ9 Ι0 ^SH9 XOHNOOO"HSOOOOHNS SH9 TO I EH8 XOHNOOO^HZO O^HSOO^HSOOOOHNI EH8 I 0 Ζ ΕΗ8 ΐ3ΗΝΟΟΟ^ΗΖ ΤΟΟΟΟ ΗΝΛ ΕΗ8 Χ0 ^ΕΗ8 ΐΟΗΝ0009ΗΕ009ΗΕΟΟΟΟΗΝ£ ΕΗ8 ΐΟ "Ε Η8 Τ ΗΝ030 ΗΖΟΟ Η3ΟΟΟ ΗΝΛ ΕΗ8 ΤΟ Ζ Ε Η 813 Η Ν Ο Ο Ο 9 ΤΗ8ΟΟΟΟΗΝΛ ΕΗ8 ΐΟ Ζ ΕΗ8 ΐΟΗΝΟΟΟ2 ΐΗ9ΟΟΟΟΗΝ'ΕΗ8 ΐΟ Λ ΕΗ8 ΐΟΗΝ0008Η^ΟΟΟΟΗΝΖ ΕΗ8 ΤΟ ' Ε Η 81 Ο ΗΝ Ο Ο Ο 9 Η Ε Ο ΟΟΟΗΝΛ ΕΗ8 ΐ Ο I EH8 XOHNOOO^HSOOOOHNI SH8 I0 Ζ ΕΗ8 Χ0ΗΝΟ0Ο9^ΗΖ Ζ0 'ΕΗ2 ΙΟΗΝΟΟΟΕ^Ηΐ ΖΟ 'ΕΗΖ ΤΟΗΝΟΟΟ ΕΗ8 ΤΟ Ζ ΕΗΖ ΤΟΗΝΟΟΟΕ ΕΗ9 Ι0 Ζ ΕΗΖ ΙΟΗΝΟΟΟΖ ΖΗΕ ΤΟ 、L ΕΗΖ Τ0ΗΝΟ0Ο3 ΖΗΖ Τ0 6 ΖΗ^ΤΟΗΝΟΟΟ9^ΗΖ ΖΟ 6 ZH"XOHNO ΟΟΖ ΕΗ8 ΤΟ 、6 ΖΗ"ΟΗΝΟΟΟΕ ΕΗ9 Τ3 6 ΖΉ^ΤΟΗΝΟΟΟΛ ΖΗΕ ΤΟ 6 SH^TOHNOOOS SHS IO Ε ΕΗ9 ΤΟΗΝΟΟΟΕ^ΗΤ 20 、Ε ΕΗ9 Τ〇Η ΝΟΟΟΖ ΕΗ8 ΐΟ Ε ΕΗ9 ΧΟΗΝΟΟΟΕ ΕΗ9 ΐΟ Ε Ε Η 9 Χ Ο Η Ν Ο Ο Ο Ζ 3 Η Ε ΧΟ Ε ΕΗ9 ΐΟΗΝ00032Η2 ΤΟ Ζ ΕΗ8 ΧΟΗΝΟΟΟΕ^ΗΧ 20 Ζ ΕΗ8 ΤΟΗΝΟΟΟΛ ΕΗ8 ΐΟ 、"Η8 ΐ ΗΝΟΟΟΕ ΕΗ9 Τ Λ ΕΗ8 ΤΟΗΝΟΟΟ Ζ ΖΗΕ Τ Ο Ζ ΕΗ8 Τ ΟΗΝ0003 ΖΗΖ ΐΟ 5 ΕΗ8 ΐ ΟΗΝ009 ΧΗ8ΟΟΟΗ Ν3 ΕΗ8 ΤΟ 、3 ΕΗ8 ΤΟΗΝ0 8Η Ο ΗΝ3 ΕΗ8 ΐΟ Ζ ΕΗ8 ΤΟΗΝΟΟ Ζ ΤΗ9 ΟΟΟΗΝΛ ΕΗ8 ΐ Ο '^Η^ΟΗΝΟΟ^Η^ΟΟΗΝ^Η^Ο "Ε Η8 ΧΟΗΝΟΟ^ΗΖΟΟΟΗΝΖ ΕΗ8 ΤΟ 3 ΖΗΖ ΐΟΗΝΟΟ^ΗΖ003ΗΝ9 ΖΗ"0 '^Η^ΟΗΝΟΟ^Η^ΟΟΗΝ^Η^Ο ^Ε Η 8 Τ ΟΗΝΟΟ^Η ΖΟΟΟΗΝΖ ΤΗ83 Ε 8ΗΖ Τ ΟΟΟΝΗΖ ΐΗ9ΟΗΝΟΟΕ ΕΗΖ Ι 3 ΐ ^ΗΤ 3 ΟΟΟΝΗ^Η^ΗΝΟΟ^Η^Ο Ε Ε Η Ζ Τ 3 Ο Ο ΝΗ Ζ Ο ΗΝ Ο Ο Ε Ε Η Λ Τ Ο Ε ΕΗΛ ΐΟΟΟΝΗ2ΗΟΗΝΟΟΕ ΕΗ Χ0 Ε ^ Η Τ S Ο Ο Ο Ν Η Ζ 1 Η 9 Ο Η ΝΟΟΕ^ΗΤ ΖΟ VS £HI XOOONHS TH9OHN009 £HI X3 、Ε ΐ?ΗΤ Ζ ΟΟ ΝΗ^ΗΖΟΗΝΟΟΕ^Ηΐ ΕΟ Ζ (ΕΗΟ) 3 Ε Η ^ Χ Ο Ο ΟΝΗ S Ο ΗΝ Ο Ο 9 ΕΗ^ΧΟΗΟΖ (ΕΗΟ) S SHI XOOONH^HSOHNOOS SHZ XO 82Ηΐ Χ
9C9CT0/C00Zdf/X3d 請 OAV
HCOOC18H37、 C16H33OCOHNC6H12NHCOOC16H33、
29OCOHNC6H12NHCOOC14H29、 C12H25OCOHNC6H
COOC12H25、 C10H21OCOHNC6H12NHCOOC10H21,
OCOHNC6H12NHC〇OC8H17、
表 14
CH2-OCONHCi8H37 CH2-OCONHC16H33 CH2-OCOMHC14H29
— ic¾-OCONHC18H37 C2¾— CC¾— OCONHC16¾3 C2H5— CCH2-OCONHC14H29
CH2— OCONHC18H37 CH2-OCONHC16H33 CH2-OCONHC14H29
CH2-0CO HC12H25 CH2-OCONHCi8H37 CH2-OCONHC16H33 CH2-OCONHC14H29
— -CCH2-OCONHC12H25 CH-OCO丽 C18H37 CH-OCONHCi0¾3 CH-OCONHC14H29 C¾— OCONHC12H25 CH2-OCONHCiSH37 CH2-OCONHC16H33 CH2-OCONHC14H29
CH2-OCONHC12H25 CH2-OCONHC18H37 CH2-OCONHC16H33 C¾一 OCONHC14H29
CH-OCONHC12H25 CH-OCONHC18H37 CH-OCONHC16H33 CH-OCONHC14H29
CH2-OCONHC12H25 C4H8-OCONHC18H37 C4H8-OCONHC16H33 04H¾8--O cCONHC14H29
CH2-OCONHC12H25
CH-OCONHC12H25
C4H8—OCONHC12H25 以下、 本発明の可逆性感熱記録媒体について更に詳しく説明する。
可逆性感熱記録層の形成に用いられるバインダー樹脂としては、 例えばポリ塩 化ビュル、ポリ酢酸ビュル、塩化ビュル酢酸ビュル共重合体、ェチルセルロース、 ポリスチレン、 スチレン系共重合体、 フエノキシ樹脂、 ポリエステル、 芳香族ポ リエステル、 ポリウレタン、 ポリカーボネート、 ポリアクリル酸エステル、 ポリ メタクリル酸エステル、 アクリル酸系共重合体、 マレイン酸系共重合体、 ポリビ ニルアルコール、 変性ポリ ビエルアルコール、 ヒ ドロキシェチルセルロース、 力 ルポキシメチルセルロース、 デンプン類などがある。
これらのパインダ一樹脂の役割は、 組成物の各材料が記録消去の熱印加によつ て片寄ることなく均一に分散した状態を保つことにある。 したがって、 バインダ 一樹脂には耐熱性の高い樹脂を用いることが好ましい。 例えば、 熱、 紫外線、 電 子線などで、 バインダー樹脂を架橋させてもよい。
本発明に用いられる架橋状態にある樹脂としては、 具体的にはァクリルポリオ ール樹脂、 ポリエステルポリオール樹脂、 ポリウレタンポリオール樹脂、 フエノ
キシ樹脂、 ポリビュルブチラール樹脂、 セルロースアセテートプロピオネート、 セルロースアセテートプチレートなど架橋剤と反応する基を持つ樹脂、 又は架橋 剤と反応する基を持つモノマーとそれ以外のモノマーを共重合した樹脂などが挙 げられるが、 本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
更に、 本発明において好ましくは、 水酸基価 70 (KOHrng/g) 以上の樹 脂が含有される (当初用いられる) 力 水酸基価 70 (KOHmg/g) 以上の 樹脂としては、 アクリルポリオール樹脂、 ポリエステルポリオール樹脂、 ポリウ レタンポリオール樹脂などが用いられるが、 特に発色の安定性が良好で、 消色性 が良好であることから、 アクリルポリオール樹脂が好ましく用いられる。 水酸基 価としては 70 (KOHmg/g) 以上であり、 特に好ましくは 90 (KOHm g/g) 以上である。 水酸基価の大小は架橋密度に影響するため塗膜の耐化学薬 品性、 物性などを左右する。 本発明者らは、 水酸基価が 70 (KOHmg/g) 以上で耐久性、 塗膜表面硬度、 ヮレ抵抗性が向上することを見い出した。 水酸基 価 70 (KOHmg/g) 以上の樹脂が用いられた可逆性感熱記録材料であるか 否かは、 残存水酸基の量やエーテル結合の量を分析すること等により確認するこ とができる。
また、 ァクリルポリオール樹脂においては構成の違いによってその特性に違い があり、 水酸基モノマーとしてヒドロキシェチルアタリレート (HEA) 、 ヒ ド ロキシプロピルアタリ レート (HPA) 、 2—ヒ ドロキシェチルメタタリ レート (HEMA) 、 2—ヒ ドロキシプロピルメタクリ レート (HPMA) 、 2—ヒ ド 口キシブチルモノアクリ レート (2—HBA) 、 1, 4ーヒ ドロキシブチルモノ ァクリレート (1—HBA) などが用いられるが、 特に第 1級水酸基をもつモノ マーを使用した方が塗膜のヮレ抵抗性や耐久性がよいことから、 2—ヒ ドロキシ ェチルメタクリレートが好ましく用いられる。
本発明に用いられる硬化剤としては、従来公知のイソシァネート類、アミン類、 フエノール類、 エポキシ化合物等が挙げられる。 その中でもイソシァネート系硬 化剤が好ましく用いられる。 ここで用いられるイソシァネート系化合物は、 公知 のイソシァネート単量体のウレタン変性体、 ァロファネート変性体、 イソシァヌ レート変性体、 ビュレツト変性体、 カルポジィミ ド変性体、 ブロックドィソシァ
ネートなどの変性体から選択される。 また、 変性体を形成するイソシァネート単 量体としては、 トリレンジイソシァネート (TD I) 、 4, 4, ージフエ-ルメ タンジイソシァネート (MD I) 、 キシリレンジイソシァネート (XD I) 、 ナ フチレンジィソシァネート (ND I ) 、 パラフエ二レンジイソシァネート (P P D I) 、 テトラメチルキシリ レンジイソシァネート (TMXD I) 、 へキサメチ レンジィソシァネート (HD I ) 、ジシクロへキシルメタンジィソシァネート (H MD I ) 、 イソフォロンジイソシァネート ( I PD I ) 、 リジンジイソシァネー ト (LD I ) 、ィソプロピリデンビス (4ーシク口へキシルイソシァネート) ( I PC) 、 シクロへキシルジィソシァネート (CHD I) 、 トリジンジイソシァネ ート (TOD I) 、 等が挙げられるが、 本発明はこれらの化合物に限定されるも のではない。
更に、 架橋促進剤としてこの種の反応に用いられる触媒を用いてもよい。 架橋 促進剤としては、 例えば 1, 4一ジァザ一ビシクロ [2, 2, 2] オクタンなど の 3級ァミン類、 有機すず化合物などの金属化合物などが挙げられる。 また、 硬 化剤は添加した全量が架橋反応をしていても、 していなくてもよい。 すなわち、 未反応硬化剤が存在していてもよい。この種の架橋反応は経時的に進行するため、 未反応の硬化剤が存在していることは架橋反応が全く進行していないことを示す のではなく、 未反応の硬化剤が検出されたとしても、 架橋状態にある樹脂が存在 しないということにはならない。 また、 本発明におけるポリマーが架橋状態にあ るのか非架橋状態にあるのかを区別する方法として、 塗膜を溶解性の高い溶媒中 に浸すことによって区別することができる。 すなわち、 非架橋状態にあるポリマ 一は、 溶媒中に該ポリマーが溶け出し溶質中には残らなくなるため、 溶質のポリ マー構造の有無を分析すればよい。 そこで、 溶質中にポリマー構造の存在が確認 できなければ、 該ポリマーは非架橋状態にあることが言え、 架橋状態のポリマー と区別することができる。 ここでは、 これをゲル分率で表すことができる。
ゲル分率とは、 溶媒中で樹脂溶質が相互作用により独立運動性を喪失して集合 し個化した状態 (ゲル) を生じるときのそのゲルの生成比率をいう。 該樹脂は、 ゲル分率が 30 %以上が好ましく、 50 %以上がより好ましく、 70 %以上がさ らに好ましく、 80%以上がより特に好ましい。 ゲル分率が小さいと繰り返し耐
久性が低下するので、 ゲル分率を向上させるには、 樹脂中に熱、 U V、 E B等に よつて硬化する硬化性樹脂を混合するか、 樹脂自身を架橋すればよい。
ゲル分率測定方法としては、 支持体より膜を剥離してその膜の初期重量を測定 し、 その後に膜を 4 0 0メッシュ金網に挾んで、 架橋前の樹脂が可溶な溶剤中に
2 4時間浸してから真空乾燥して、 乾燥後の重量を測定する。
ゲル分率計算は、 下記式によって行う。
ゲル分率 (%) = [乾燥後重量 ( g ) /初期重量 ( g ) ] X 1 0 0 この計算でゲル分率を算出するときに、 感熱層中の樹脂成分以外の有機低分子 物質粒子等の重量を除いて計算を行なう。 この際、 予め有機低分子物質重量が分 からないときには、 T E M、 S E M等の断面観察により、 単位面積あたりに占め る面積比率と樹脂と有機低分子物質のそれぞれの比重により重量比率を求めて、 有機低分子物質重量を算出して、 ゲル分率値を算出すればよい。
また、 上記測定の際に、 支持体上に可逆性感熱記録層が設けられており、 その 上に保護層等の他の層が積層されている場合や、 支持体と感熱層の間に他の層が ある場合には、 上記したように、 まず上記した T E M、 S E M等の断面観察によ り可逆性感熱記録層及びその他の層の膜厚を調べておき、 その他の層の膜厚分の 表面を削り、 可逆性感熱記録層表面を露出させると共に、 可逆性感熱記録層を剥 離して前記測定方法と同様にゲル分率測定を行なえばよい。
また、 この方法において可逆性感熱記録層上層に紫外線硬化樹脂等からなる保 護層等がある場合には、 この層が混入するのを極力防ぐために、 保護層分の膜厚 分を削ると共に可逆性感熱記録層表面も少し削りゲル分率値への影響を防ぐ必要 がある。
本発明で用いられるロイコ染料の例を以下に挙げるが、 本発明はこれらに限定 されるものではない。また、ロイコ染料を単独又は混合して用いることもできる。
2—ァニリノ一 3—メチルー 6ージェチルァミノフルオラン、 2—ァニリノ一
3—メチル一 6—ジ (n—ブチルァミノ) フルオラン、 2—ァニリノ一 3—メチ ルー 6— (N— n—プロピル一 N—メチルァミノ) フルオラン、 2—ァニリノ一 3—メチルー 6— (N—イソプロピル一 N—メチルァミノ) フルオラン、 2—ァ 二リノ一 3—メチルー 6— (N—イソプチルー N—メチルァミノ) フルオラン、
2—ァニリノ _ 3—メチルー 6— (N—n—アミルー N—メチルァミノ) フルォ ラン、 2—ァニリノ一 3—メチル一 6— (N— s e c—ブチルー N—メチルアミ ノ) フルオラン、 2—ァ-リノー 3—メチル一 6— (N _ n—アミルー N—ェチ ルァミノ) フルオラン、 2—ァニリノ一 3ーメチルー 6 - (N— i s o—ァミル 一 N—ェチルァミノ) フルオラン、 2—ァニリノ一 3—メチルー 6— ( N—n一 プ口ピノレ一 N—イソプロピルァミノ) フノレオラン、 2—ァニリノ一 3—メチノレ一 6— ( N—シク口へキシルー N—メチルァミノ) フルオラン、 2—ァニリノー 3 一メチル一 6— (N—ェチル一 p—トルイジノ) フルオラン、 2—ァ-リノ _ 3 —メチルー 6— ( N—メチルー p -トルイジノ) フルオラン、 2一 (m -トリク 口ロメチルァ二リノ) 一 3—メチル一 6—ジェチルァミノフルオラン、 2— (m —トリフルロロメチルァニリノ)一 3—メチルー 6ージェチルアミノフルオラン、 2— (m—トリクロロメチルァ二リノ) _ 3—メチルー 6 _ (N—シクロへキシ ルー N—メチルァミノ) フルオラン、 2— ( 2, 4 _ジメチルァニリノ) ー 3— メチノレ一 6—ジェチルァミノフルオラン、 2 _ (N—ェチノレ一 p — トノレイジノ) 一 3—メチルー 6一 (N—ェチルァニリノ) フルオラン、 2 - (N—ェチル— p 一トルイジノ) - 3—メチル一 6 - ( N—プロピル一 p -トルィジノ) フルオラ ン、 2—ァ-リノ一 6 _ (N— n—へキシルー N—ェチルァミノ) フルオラン、 2― ( o—クロロア二リノ) 一 6 _ジェチルァミノフルオラン、 2― ( o—クロ ロア-リノ) 一 6 _ジブチルァミノフルオラン、 2— (m—トリフロロメチルァ 二リノ) - 6ージェチルアミノフルオラン、 2, 3 _ジメチルー 6—ジメチルァ ミノフルオラン、 3—メチルー 6 - ( N—ェチルー p -トルイジノ)フルオラン、 2—クロ口一 6—ジェチルァミノフルオラン、 2—ブロモー 6—ジェチノレアミノ フルオラン、 2—クロ口 _ 6—ジプロピルアミノフルオラン、 3—クロロー 6— シク口へキシノレアミノフルオラン、 3—ブロモ一 6—シクロへキシノレアミノフノレ オラン、 2—クロロー 6— ( N—ェチル一 N—ィソアミルァミノ) フルオラン、 2—クロ口一 3—メチルー 6ージェチルァミノフルオラン、 2ーァニリノ一 3— クロ口一 6—ジェチルァミノフルオラン、 2一 ( oーク口ロア二リノ) — 3—ク ロロ一 6—シクロへキシルァミノフルオラン、 2 - (m—トリフロロメチノレア二 リノ) 一 3—クロロー 6—ジェチルァミノフルオラン、 2— ( 2 , 3—ジク口口
ァニリノ) _ 3—クロロー β—ジェチルアミノフノレオラン、 1, 2—べンゾ一 6 ージェチルァミノフルオラン、 3—ジェチルアミノー 6— (m— トリフロロメチ ルァニリノ) フルオラン、 3 - ( 1—ェチル _ 2—メチルインドールー 3—ィル) 一 3— ( 2—ェトキシー 4—ジェチルアミノフエニル) 一 4—ァザフタリ ド、 3 一 ( 1—ェチルー 2 -メチノレインドール一 3—ィル) 一 3— (2—エトキシー 4 一ジェチルァミノフエニル) - 7—ァザフタリ ド、 3一 ( 1—ォクチルー 2—メ チルインドールー 3—ィル) ー 3— (2 _エトキシー 4—ジェチルァミノフエ二 ル) 一 4—ァザフタ リ ド、 3 - ( 1—ェチルー 2—メチルインドール一 3—ィル) 一 3— ( 2—メチル一 4—ジェチルアミノフエニル) 一 4ーァザフタリ ド、 3 -
( 1ーェチル一 2—メチルインドール一 3—ィル) — 3— ( 2—メチルー 4ージ ェチルァミノフエニル) ー 7—ァザフタリ ド、 3— (1ーェチルー 2—メチルイ ンドール一 3—ィル) 一 3— ( 4—ジェチルァミノフエニル) 一 4—ァザフタリ ド、 3— ( 1 _ェチル— 2—メチルインドール一 3 _ィル) _ 3— (4— N— n —アミルー N—メチルァミノフエニル) 一 4—ァザフタリ ド、 3― ( 1一メチル 一 2—メチノレインドール一 3 _ィル) 一 3— ( 2—へキシノレォキシ _ 4ージェチ ルァミノフエニル) 一 4ーァザフタリ ド、 3, 3 _ビス (2—エトキシ一 4—ジ ェチルァミノフエ-ル) ー 4—ァザフタリ ド、 3, 3—ビス (2—エトキシー 4 ージェチルァミノフエニル) 一 7—ァザフタリ ド。
本発明で用いる発色剤は前記のフルオラン化合物、ァザフタリ ド化合物の他に、 従来公知のロイコ染料を単独又は混合して使用することができる。 その発色剤を 以下に示す。
2— (p—ァセチルァニリノ) ー 6— (N _ n—アミルー N _ n—ブチルアミ ノ) フルオラン、 2—ベンジルァミノ一 6— (N—ェチル一 p—トルイジノ) フ ルオラン、 2—ベンジルァミノ _ 6— (N—メチルー 2, 4一ジメチルァニリノ) フルオラン、 2—ベンジルァミノ一 6— (N—ェチル— 2, 4—ジメチルァユリ ノ) フルオラン、 2一ベンジルァミノー 6— (N—メチルー ρ―トルイジノ) フ ルオラン、 2一ベンジルァミノ一 6 _ (N—ェチル一 ρ - トルイジノ) フルオラ ン、 2 - (ジー p—メチノレべンジノレアミノ) - 6 - (N—ェチノレー p— トノレイジ ノ) フルオラン、 2— (α—フエニルェチルァミノ) 一 6— (N—ェチルー p—
トルイジノ) フノレオラン、 2—メチルァミノー 6— (N—メチノレア二リノ) フル オラン、 2—メチルァミノ一 6— (N—ェチルァニリノ) フルオラン、 2—メチ ルァミノ一 6— (N—プロピルァニリノ) フルオラン、 2 —ェチルァミノー 6—
(N—メチル一 p—トルイジノ) フルオラン、 2—メチルァミノ _ 6— (N—メ チルー 2, 4—ジメチルァニリノ) フルオラン、 2—ェチルァミノー 6— (N - ェチル一 2, 4—ジメチルァニリノ) フルオラン、 2—ジメチ レアミノー 6— (N ーメチルァニリノ) フルオラン、 2—ジメチルァミノ一 6— (N—ェチルァニリ ノ) フルオラン、 2—ジェチルアミノー 6— (N—メチル一 p -トルイジノ) フ ルオラン、 2—ジェチルァミノ一 6 _ (N—ェチル一 p—トルイジノ) フルオラ ン、 2—ジプロピルァミノ一 6— (N—メチルァニリノ) フルオラン、 2—ジブ 口ピルァミノ一 6— (N _ェチルァニリノ) フルオラン、 2—アミノー 6— (N —メチルァニリノ) フルオラン、 2 _アミノー 6— (N—ェチルァ-リノ) フル オラン、 2—アミノー 6— (N—プロピルァニリノ) フルオラン、 2—ァミノ— 6 - (N—メチルー p -トノレイジノ) フルオラン、 2—アミノー 6— (N—ェチ ルー p—トルイジノ) フルオラン、 2—アミノー 6— (N—プロピル一 p—トル イジノ) フルオラン、 2—ァミノ— 6— (N—メチルー p—ェチルァニリノ) フ ルオラン、 2—アミノ一 6— (N—ェチルー p—ェチルァニリノ) フルオラン、 2—アミノー 6— (N—プロピノレー p—ェチルァユリノ) フルオラン、 2—アミ ノ一 6— (N—メチル一 2, 4—ジメチルァニリノ) フルオラン、 2—ァミノ— 6一 (N—ェチル一 2, 4一ジメチルァニリノ) フルオラン、 2—ァミノ _ 6—
(N—プロピル一 2, 4ージメチルァ二リノ) フルオラン、 2—アミノー 6— (N 一メチル _ p—クロロア二リノ) フルオラン、 2 _アミノー 6— (N—ェチノレー p—クロロア二リノ) フルオラン、 2—アミノー 6— (N—プロピル一 ρ—クロ ロア二リノ) フノレオラン、 1 , 2—べンゾー 6— (N—ェチノレ一 N—イソアミノレ ァミノ) フルオラン、 1 , 2—ベンゾー 6—ジブチルァミノフルオラン、 1 , 2 一べンゾ一 6— ( N—メチル一N—シクロへキシルァミノ) フルオラン、 1 , 2 一べンゾー 6— (N—ェチルー N—トルイジノ) フルオラン、 その他。
本発明の可逆性感熱記録媒体には、 必要に応じて記録層の塗布特性や発色消色 特性を改善したり制御するための添加剤を用いることができる。 これらの添加剤
には、 例えば界面活性剤、 導電剤、 充填剤、 酸化防止剤、 光安定化剤、 発色安定 化剤などがある。
発色剤と顕色剤の割合は、 使用する化合物の組み合わせにより適切な範囲が変 化するが、おおむねモル比で発色剤 1に対し顕色剤が 0 . 1〜2 0の範囲であり、 好ましくは 0 . 2〜 1 0の範囲である。 この範囲より顕色剤が少なくても多くて も発色状態の濃度が低下し問題となる。 また、 消色促進剤の割合は顕色剤に対し 0 . 1重量%〜 3 0 0重量%が好ましく、より好ましくは 3重量%〜 1 0 0重量% が好ましい。 また、 発色剤と顕色剤はマイクロカプセル中に内包して用いること もできる。 可逆性感熱記録層中の発色成分と樹脂の割合は、 発色成分 1に対して 0 . 1〜 1 0が好ましく、これより少ないと可逆性感熱記録層の熱強度が不足し、 これより多い場合には発色濃度が低下して問題となる。
記録層の形成には、 前記の顕色剤、 発色剤、 種々の添加剤、 硬化剤及び架橋状 態にある樹脂並びに塗液溶媒よりなる混合物を均一に混合分散させて調製した塗 液を用いる。
塗液調製に用いられる溶媒の具体例としては水;メタノール、 エタノール、 ィ ソプロパノール, n—ブタノール、メチルイソカルビノールなどのアルコール類; アセトン、 2—ブタノン、 ェチノレアミルケトン、 ジアセトンアルコール、 イソホ ロン、 シクロへキサノンなどのケトン類; N, N—ジメチルホルムアミ ド、 N , N—ジメチルァセトアミ ドなどのアミ ド類;ジェチルエーテル、 イソプロピルェ 一テル、 テトラヒ ドロフラン、 1, 4一ジォキサン、 3, 4ージヒ ドロー 2 H— ピランなどのエーテル類; 2—メ トキシエタノール、 2—エトキシエタノール、 2—ブトキシエタノーノレ、 エチレングリコ一レジメチノレエーテノレなどのグリコー ルエーテル類; 2—メ トキシェチノレアセテート、 2—ェトキシェチルァセテート、 2—ブトキシェチルァセテートなどのグリコールエーテルァセテ一ト類;酢酸メ チル、 酢酸ェチル、 酢酸イソブチル、 酢酸ァミル、 乳酸ェチル、 エチレンカーボ ネートなどのエステル類;ベンゼン、 トルエン、 キシレンなどの芳香族炭化水素 類;へキサン、 ヘプタン、 i s o—オクタン、 シクロへキサンなどの脂肪族炭化 水素類;塩化メチレン、 1, 2—ジクロルェタン、 ジクロロプロパン、 クロルべ ンゼンなどのハロゲン化炭化水素類; ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド
類; N—メチルー 2—ピロリ ドン、 N—ォクチルー 2—ピロリ ドンなどのピロリ ドン類等を例示することができる。
塗液調製はペイントシエーカー、ポールミル、ァトライター、三本ロールミル、 ケディーミル、 サンドミル、 ダイノ ミル、 コロイドミル等公知の塗液分散装置を 用いて行なうことができる。 また、 上記塗液分散装置を用いて各材料を溶媒中に 分散してもよいし、 各々単独で溶媒中に分散して混ぜ合わせてもよい。 更に加熱 溶解して急冷又は除冷によって析出させてもよい。
記録層を設ける塗工方法については特に制限はなく、 ブレード塗工、 ワイヤー パー塗工、 スプレー塗工、 エアナイフ塗工、 ビード塗工、 カーテン塗工、 グラビ ァ塗工、 キス塗工、 リバースロール塗工、 ディップ塗工、 ダイ塗工等公知の方法 を用いることができる。
本発明の可逆性感熱記録媒体の支持体としては紙、 樹脂フィルム、 P E Tフィ ルム、 合成紙、 金属箔、 ガラス又はこれらの複合体などであり、 記録層を保持で きるものであればよい。 また、 必要に応じた厚みのものを単独あるいは貼り合わ せる等して用いることができる。 すなわち、 数 μ πι程度から数 mm程度まで任意 の厚みの支持体が用いられる。 また、 これらの支持体は可逆性感熱記録層と同一 面及び/又は反対面に磁気記録層を有していてもよい。 また、 本発明の可逆性感 熱記録媒体は粘着層等を介して、 他の媒体へ貼り付けてもよい。 あるいは、 P E Tフィルムなどの支持体の片面にバックコート層を設け、 該バックコート層の反 対面に熱転写リボンに用いられる剥離層、 剥離層上に本発明の感熱記録層、 更に 表面上に紙、 樹脂フィルム、 P E Tフィルムなどに転写できる樹脂層を設け熱転 写プリンターを用いて転写させてもよい。 本発明の可逆性感熱記録媒体は、 シー ト状あるいはカード状に加工されていてもよく、 その形状は任意の形状に加工す ることができ、 また、 媒体表面への印刷加工を施すことができる。 また、 本発明 の可逆性感熱記録媒体は、 非可逆の感熱記録層を併用してもよく、 このときそれ ぞれの記録層の発色色調は同じでも異なってもよい。
記録層の乾燥 ·硬化方法は塗布 *乾燥後、 必要に応じて硬化処理を行なう。 高 温槽等を用いて比較的高温で短時間でもよく、 また、 比較的低温で長時間かけて 熱処理してもよい。 架橋反応の具体的な条件としては反応性の面から 3 0 °C〜 1
3 0 °C程度の温度条件で 1分〜 1 5 0時間程度加温することが好ましい。 より好 ましくは 4 0 °C〜 1 0 0 °Cの温度条件で 2分〜 1 2 0時間程度加温することが好 ましい。 また、 製造では生産性を重視するので、 架橋が充分完了するまで時間を かけるのは困難である。したがって、乾燥過程とは別に架橋工程を設けてもよい。 架橋工程の条件としては 4 0 °C〜 1 0 0 °Cの温度条件で 2分〜 1 2 0時間程度加 温することが好ましい。
可逆性感熱記録層の膜厚は 1〜2 0 /i mの範囲が好ましく、 より好ましくは 3 ~ 1 5 μ mである。
可逆性感熱記録層と保護層の接着性向上、 保護層の塗布による記録層の変質防 止、 保護層に含まれる添加剤が記録層へ移行する、 あるいは、 記録層に含まれる 添加剤が保護層へ移行することを防止する目的で、 両者の間に中間層を設けても よい。 中間層の膜厚は 0 . 1〜2 0 μ πιの範囲が好ましく、 より好ましくは 0 . 3〜1 0 μ πιである。 中間層の塗液に用いられる溶媒、 塗液の分散装置、 バイン ダー、 塗工方法、 乾燥 ·硬化方法等は上記記録層で用いられた公知の方法を用い ることができる。
保護層の形成において、 保護層の膜厚は 0 . 1〜2 0 μ πιの範囲が好ましく、 より好ましくは 0 . 3〜1 0 μ πιである。 保護層の塗液に用いられる溶媒、 塗液 の分散装置、 バインダー、 塗工方法、 乾燥 ·硬化方法等は上記記録層で用いられ た公知の方法を用いることができる。
可逆性感熱記録層、 中間層、 保護層には紫外線吸収性能又は紫外線遮蔽性能を 有しない他のフィラーを添加しても良く、 ブイラ一としては無機フィラーと有機 フィラーに分けることができる。 無機フィラーとしては、 炭酸カルシウム、 炭酸 マグネシウム、 無水ケィ酸、 含水ケィ酸、 含水ケィ酸アルミニウム、 含水ケィ酸 カルシウム、 アルミナ、 酸化鉄、 酸化カルシウム、 酸化マグネシウム、 酸化クロ ム、 酸化マンガン、 シリカ、 タルク、 マイ力、 等が挙げられる。 有機フィラーと しては、 シリコーン樹脂、 セルロース樹脂、 エポキシ樹脂、 ナイロン樹脂、 フヱ ノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、 ポリカーボネート樹旨、 スチレン、 ポリスチレン、 ポリスチレン ·イソプレン、 スチレンビニルベンゼンなどのスチレン系樹脂、 塩化ビニリデンアクリル、 ァク
リルウレタン、 エチレンアクリルなどのアクリル系樹脂、 ポリエチレン樹脂、 ベ ンゾグアナミンホノレムアルデヒ ド、 メラミンホルムアルデヒ ドなどのホルムアル デヒド系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、塩化ビュル樹脂等が挙げられる。 本発明ではフイラ一を単独で用いることもできるが、 2種類以上含まれていても よい。 複数の場合、 無機ブイラ一と有機ブイラ一の組み合わせ方について特に限 定はされない。 また、 形状としては球状、 粒状、 板状、 針状等が挙げられる。 保 護層中のフィラーの含有量は体積分率で 5〜 5 0体積%である。
可逆性感熱記録層、 中間層、 保護層に滑剤を添加しても良く、 滑剤の具体例と しては、 エステルヮッタス、 パラフィンワックス、 ポリエチレンワックス等の合 成ヮックス類:硬化ひまし油等の植物性ヮックス類:牛脂硬化油等の動物性ヮッ タス類:ステアリルアルコール、 ベへニルアルコール等の高級アルコール類:マ ルガリン酸、 ラウリン酸、 ミスチレン酸、 パルミチル酸、 ステアリン酸、 ベへ二 ン酸、 フロメン酸等の高級脂肪酸類: ソルビタンの脂肪酸エステルなどの高級脂 肪酸エステル類:ステアリン酸アミ ド、 ォレイン酸アミ ド、 ラウリン酸アミ ド、 エチレンビスステアリ ン酸アミ ド、 メチレンビスステアリン酸アミ ド、 メチロー ルステアリン酸アミ ド等のアミ ド類などが挙げられる。 層中の滑剤の含有量は体 積分率で 0 . 1〜9 5 %、 より好ましくは 1〜7 5 %である。
本発明の可逆性感熱記録媒体は、 加熱温度及び/又は加熱後の冷却速度により 相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうるものである。 この本発明に用 いられる発色剤と顕色剤からなる組成物の基本的な発色 ·消色現象を説明する。 図 1はこの記録媒体の発色濃度と温度との関係を示したものである。 はじめ消色 状態 (A) にある記録媒体を昇温していくと、 溶融し始める温度 1\で発色が起 こり溶融発色状態 (B ) となる。 溶融発色状態 (B ) から急冷すると発色状態の まま室温に下げることができ、 固まった発色状態 (C ) となる。 この発色状態が 得られるかどうかは、 溶融状態からの降温の速度に依存しており、 徐冷では降温 の過程で消色が起き、 はじめと同じ消色状態 (A) あるいは急冷発色状態 (C ) より相対的に濃度の低い状態が形成される。 一方、 急冷発色状態 (C ) を再び昇 温していくと発色温度より低い温度 T 2で消色が起き (Dから Ε ) 、 ここから降 温するとはじめと同じ消色状態 (Α) に戻る。 実際の発色温度、 消色温度は、 用
いる顕色剤と発色剤の組み合わせにより変化するので目的に合わせて選択できる。 また溶融発色状態の濃度と急冷したときの発色濃度は、 必ずしも一致するもので はなく、 異なる場合もある。
本発明の記録媒体では、 溶融状態から急冷して得た発色状態 (C ) は顕色剤と 発色剤が分子どうしで接触反応しうる状態で混合された状態であり、 これは固体 状態を形成していることが多い。 この状態は顕色剤と発色剤が凝集して発色を保 持した状態であり、 この凝集構造の形成により発色が安定化していると考えられ る。 一方、 消色状態は両者が相分離した状態である。 この状態は少なくとも一方 の化合物の分子が集合してドメィンを形成したり結晶化した状態であり、 凝集あ るいは結晶化することにより発色剤と顕色剤が分離して安定化した状態であると 考えられる。 本発明では多くの場合、 両者が相分離し顕色剤が結晶化することに よってより完全な消色が起きる。 図 1に示した溶融状態から徐冷による消色及び 発色状態からの昇温による消色は、 いずれもこの温度で凝集構造が変化し、 相分 離ゃ顕色剤の結晶化が起きている。
本発明の可逆性感熱記録ラベルは、 上述した可逆性感熱記録媒体を構成する支 持体の感熱層を形成する面と反対の面に、 接着剤層又は粘着剤層を設けたもので ある。この可逆性感熱記録ラベルには、接着剤層又は粘着剤層を形成したもの(無 剥離紙型) と、その接着剤層又は粘着剤層の下に剥離紙をつけるもの (剥離紙型) とがあり、 接着剤層を構成する材料としては、 ホットメルト型のものが通常用い りれる。
接着剤層又は粘着剤層の材料は、 一般的に用いられているものが使用可能であ る。 例えば、 ユリア樹脂、 メラミン樹脂、 フヱノール樹脂、 エポキシ樹脂、 酢ビ 系樹脂、 酢酸ビュル—アクリル系共重合体、 エチレン一酢酸ビュル共重合体、 ァ クリル系樹脂、ポリビュルエーテル系樹脂、塩化ビュル一酢酸ビュル系共重合体、 ポリスチレン系樹脂、 ポリエステル系樹脂、 ポリウレタン系榭脂、 ポリアミ ド系 樹脂、 塩素化ポリオレフイン系樹脂、 ポリビュルプチラール系樹脂、 アクリル酸 エステル系共重合体、 メタクリル酸エステル系共重合体、 天然ゴム、 シァノアク リレート系樹脂、 シリコン系樹脂等が挙げられるが、 これらに限定されるもので はない。
次に、 情報記憶部と可逆表示部を有し、 該可逆表示部として上述の可逆性感熱 記録媒体を構成する感熱層からなる部材について説明する。
この情報記憶部と可逆表示部を有する部材としては、 次の 3つのものに大別で さる。
( 1 ) 情報記録部を有する部材の一部を可逆性感熱記録媒体の支持体として、 感 熱層を直接形成したもの。
( 2 ) 情報記録部を有する部材に、 別途形成された、 支持体上に感熱層を有する 可逆性感熱記録媒体の支持体面を接着したもの。
( 3 ) 情報記録部を有する部材に、 前記可逆性感熱記録ラベルが接着剤層又は粘 着剤層を介して、 接着されたもの。
これら (1 ) ( 2 ) ( 3 ) 場合、 情報記憶部と可逆表示部のそれぞれの機能が 発揮できるよう設定されることが必要であり、 そうであれば情報記憶部の設定位 置は、 熱可逆性記録媒体における支持体の感熱層を設けた面と反対側の面に設け ることも、 支持体と感熱層との間でも、 あるいは感熱層上の一部に設けることも できる。
この情報記録部を有する部材として用いられるものは、 特に限定されないが、 一般的にはカード、ディスク、ディスクカートリッジ又はテープカセットがある。 これらの例として次のようなものを挙げることができる。
I Cカードや光カード等の厚手カード、 フレキシブルディスク、 光磁気記録デ イスク (MD ) や D V D— R AM等の記憶情報が書換可能なディスクを内蔵した ディスクカートリッジ、 C D— RW等のディスクカートリッジを用いないディス ク、 C D— R等の追記型ディスク、相変化形記憶材料を用いた光情報記録媒体(C D - RW) 、 ビデオテープカセット等、 この可逆表示部と情報記憶部の双方を有 する部材は、 例えばカードの場合で説明すると、 情報記憶部に記憶された情報の 一部を可逆性感熱記録層に表示することによって、 カード所有者等は、 特別な装 置がなくてもカードを見るのみで情報を確認することができて、 可逆性感熱記録 媒体を適用しないカードに比べてその利便性が非常に向上することになる。 情報記憶部は、 必要な情報を記憶できるものでありさえすれば特に限定されな いが、 例えば、 磁気記録、 接触型 I C、 非接触型 I Cあるいは光メモリが有用で
ある。 磁気記録層は、 通常用いられる酸化鉄、 バリウムフェライト等のような金 属化合物及び塩ビ系、 ゥレタン系及ぴナイ口ン系のような樹脂等を用いて支持体 に塗工形成するか、 又は樹脂を用いず前記の金属化合物を用いて蒸着、 スパッタ リング等の方法により形成される。 また、 表示に用いる可逆性感熱記録媒体にお ける可逆性感熱記録層をバーコード、 2次元コード等のようなやり方で記憶部と して用いることもできる。
前記 ( 3 ) の可逆性感熱記録ラベルを用いる例として、 磁気ストライプ付塩化 ビニル製カード等のように、 支持体として可逆性感熱記録層の塗布が困難な厚手 のもの場合には、 その全面又は一部に接着剤層又は粘着剤層を設けることができ る。 こうすることによって、 磁気に記憶された情報の一部を表示することができ る等、 この媒体の利便性を向上できる。
この接着剤層又は粘着剤層を設けた可逆性感熱記録ラベルとしては、 上記の磁 気付塩ビカードだけでなく、 I Cカードゃ光力一ド等の厚手カードにも適用でき る。
また、 この可逆性感熱記録ラベルは、 フレキシブルディスク、 MDや D V D— R AM等の記憶情報が書換可能なディスクを内蔵したディスクカートリッジ上の 表示ラベルの代わりとして用いることができる。 図 2に、 可逆性感熱記録ラベル を MDのディスクカートリッジ上に貼った例を示す。 さらに、 C D—RW等のデ イスクカートリッジを用いないディスクの場合には、 直接ディスクに可逆性感熱 記録ラベルを貼ることや、 直接ディスク上に可逆性感熱記録層を設けることもで きる。 こうすることによって、 それらの記憶内容の変更に応じて自動的に表示内 容を変更する等の用途への応用が可能である。
図 3に、 可逆性感熱記録ラベルを C D— RW上に貼った例を示す。
本発明の可逆性感熱記録ラベルは、 C D— Rなどの追記型ディスク上に可逆性 感熱記録ラベルを貼って、 C D— Rに追記した記憶情報の一部を書換え表示する ことも可能である。
さらに、 図 4に示すように、 ビデオテープカセットの表示ラベルとして用いて もよい。
厚手カード、 ディスクカートリッジ、 ディスク上に熱可逆記録機能を設ける方
法としては、 上記の可逆性感熱記録ラベルを貼る方法以外に、 それらの上に可逆 性感熱記録層を直接塗布する方法や、 予め別の支持体上に可逆性感熱記録層を形 成しておき、 厚手カード、 ディスクカートリッジ、 ディスク上に該感熱記録層を 転写する方法等がある。
転写する場合には、 可逆性感熱記録層上にホットメルトタイプ等の接着層や粘 着層を設けておいてもよい。
厚手カード、 ディスク、 ディスクカートリッジ、 テープカセット等のように剛 直なものの上に可逆性感熱記録ラベルを貼着したり、 可逆性感熱記録層を設ける 場合には、 サーマルへッドとの接触性を向上させ、 画像を均一に形成するために 弾力があり、 クッシヨンとなる層又はシートを剛直な基体とラベル又は可逆性感 熱記録層の間に設けることが好ましい。
本発明は、 さらに、 上記可逆性感熱記録媒体、 上記情報記憶部を有する部材又 は上記ラベルを用い、 加熱により画像の形成及び/又は消去を行なうことを特徴 とする画像処理方法及び上記可逆性感熱記録媒体、 上記情報記憶部を有する部材 又は上記ラベルを有し、 加熱により画像の形成及び/又は消去を行なうことを特 徵とする画像処理装置を提供する。
画像の形成は、 サーマルヘッド、 レーザ等、 該媒体を画像上に部分的に加熱可 能である画像記録手段が用いられる。 画像の消去は、 ホットスタンプ、 セラミツ クヒータ、 ヒートローラ、 熱風等ゃサーマルヘッド、 レーザ等の画像消去手段が 用いられる。 この中では、 セラミックヒータが好ましく用いられる。 セラミック ヒータを用いることにより、装置が小型化でき、かつ安定した消去状態が得られ、 コントラストのよい画像が得られる。 セラミックヒータの設定温度は、 1 0 0 °C 以上が好ましく、 1 1 0 °C以上がより好ましく、 1 1 5 °C以上がさらに好ましい。 また、 画像消去手段としてサーマルヘッドを用いることにより、 さらに装置全 体の小型化が可能となり、 また、 消費電力を低減することが可能であり、 バッテ リー駆動のハンディタイプの装置も可能となる。 形成用と消去用を兼ねて一つの サーマルへッドとすれば、 さらに小型化が可能となる。 —つのサーマルヘッドで 形成と消去を行なう場合、 一度前の画像を全部消去した後、 あらためて新しい画 像を形成してもよく、 画像毎にエネルギーを変えて一度に前の画像を消去し、 新
しい画像を形成していくオーバーライト方式も可能である。 オーバーライト方式 では、 形成と消去を合わせた時間が少なくなり、 記録のスピードアップにつなが る。
可逆性感熱記録層と情報記憶部を有するカードを用いる場合、上記の装置には、 情報記憶部の記憶を読み取る手段と書き換える手段も含まれる。
図 5に、 本発明の画像処理装置の例を示す。 図 5は、 本発明により画像の消去 をセラミックヒータで、 画像の形成をサーマルへッドでそれぞれ行なう場合の装 置の概略例を示す。
図 5の画像処理装置においては、 最初、 記録媒体の磁気記録層に記憶された情 報を磁気へッドで読み取り、 次に、 セラミックヒータで可逆性感熱記録層に記録 された画像を加熱消去し、さらに、磁気へッドで読み取られた情報をもとにして、 処理された新たな情報がサーマルヘッドにより、 逆性感熱層に記録される。 その 後、 磁気記録層の情報も新たな情報に書き替えられる。
すなわち、 図 5の画像処理装置においては、 感熱層の反対側に磁気記録層を設 けた熱可逆性記録媒体は往復の矢印で図示されている搬送路に沿って搬送され、 又は搬送路に沿って装置内を逆方向に搬送される。
熱可逆性記録媒体は、 磁気ヘッド (3 4 ) と搬送ローラ (4 0 ) 間で磁気記録 層に磁気記録又は記録消去され、 セラミックヒータ (3 8 ) と搬送ローラ (4 0 ) 間で像消去のため加熱処理され、 サーマルへッド (5 3 ) 及び搬送ローラ (4 7 ) 間で像形成され、その後、装置外に搬出される。ただし、磁気記録の書き替えは、 セラミックヒータによる画像消去の前であっても後であってもよい。 また、 所望 により、 セラミックヒータ (3 8 ) と搬送ローラ (4 0 ) 間を通過後、 又はサー マルヘッド (5 3 ) 及び搬送ローラ (4 7 ) 間を通過後、 搬送路を逆方向に搬送 され、 セラミックヒータ (3 8 ) による再度の熱処理、 サーマルへッド (5 3 ) による再度の印字処理を施すことができる。 実施例
以下、 実施例によって本発明をさらに詳しく説明する。 なお、 実施例中の 「部」 及び 「%」 はいずれも重量を基準とするものである。
実施例 1
く可逆性感熱記録層の作製 >
2—ァニリノー 3—メチルー 6ジプチルァミノフルオラン 2部 下記構造の顕色剤 8部
塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体 20部
(ユニオンカーバイト社製、 VYHH)
N, N, 一ジォクタデシル尿素 0. 4部 メチルェチルケトン 90部 上記組成物をボールミルを用いて平均粒径 0. 1〜 3 mまでなるように粉碎 分散した。 得られた分散液で可逆性感熱記録層塗布液を調製した。
上記組成の該記録層塗布液を、 厚さ約 250 /zmの磁気層付き白色 PETフィ ルム (大日本インキ製) 上にワイヤーバーを用い塗布し、 1 15°C1分で乾燥し た後、 60°C36時間加熱して、 膜厚約 1 1. 0 μπιの可逆性感熱記録層を設け た。 この感熱記録層の樹脂のゲル分率は約 92%であった。 実施例 2
3 - (4ージェチェルアミノー 2—エトキシフエ-ル) 一 3_
( 1ーェチルー 2—メチルインドールー 3 _ィル) 一4—ァザフタリ ド
2部 下記構造の顕色剤 8部
ΗΟ" "NHCO—— (CH2)1— NHCONH— (CH2)QCH3 アタリルポリオール樹脂の 15 %メチルェチルケトン (ME K) 溶液
150部
(水酸基価: 133、 酸価: 6. 5、 分子量: 7000、
ガラス転移温度: 34°C)
上記の可逆性感熱記録層分散液を用いた他は、 実施例 1と同様にして可逆性感 熱記録層を設けた。 この感熱記録層の樹脂のゲル分率は約 89%であった。 実施例 3
2—ァニリノ一 3—メチルー 6—ジェチルァミノフルオラン 2部 下記構造の顕色剤 8部
ァクリルポリオール樹脂の 15%THF溶液 150部
(水酸基価: 70、 酸価: 1. 0未満、 分子量: 35000、
ガラス転移温度: 52°C、
水酸基モノマー: 2—ヒ ドロキシェチルメタクリレート)
コロネート HL 10部 上記の可逆性感熱記録層分散液を用いたほかは、 実施例 1と同様にして可逆性 感熱記録層を設けた。 この感熱記録層の樹脂のゲル分率は約 89%であった。 実施例 4
3— (4ージェチニルァミノ— 2 _エトキシフエニル)
( 1ーェチルー 2—メチルインドール一 3—ィル) 一 下記構造の顕色剤
ポリエステル樹脂の 1 5%THF溶液 150部
(水酸基価: 166、 酸価: 2. 2)
コロネー HL 10部
下記構造の消色促進剤
上記の可逆性感熱記録層分散液を用いたほかは、 実施例 1と同様にして可逆性 感熱記録層を設けた。 この感熱記録層の樹脂のゲル分率は約 8 9 %であった。 さらに、 可逆性感熱記録層上に下記組成からなる保護層塗液をワイヤーバーを 用いて塗工した後、 照射エネルギー 8 O W/ c mの紫外線ランプ下を 1 2 m/分 の搬送速度で通し、 硬化して膜厚 3 μ πιの保護層を設け、 本発明の可逆性感熱記 録媒体を作製した。 く保護層の作製 >
ウレタンアタリレート系紫外線硬化性樹
(大日本インキ社製 C 7—1 5 7 )
シリカ (水沢化学社製、 Ρ— 5 2 7 )
酢酸ェチノレ
実施例 5
2—ァニリノ一 3—メチルー 6—ジェチルァミノフルオラン
下記構造の顕色剤
HO NHCO— rCH2)10— NHCO— (CH2)8CH3 ポリ n—プチルメタクリレート榭脂 (三菱レーヨン社製 B R 1 0 2 )
1 5 0部 コロネート H L 1 0部 下記構造の消色促進剤 8部
o
(CH2)n— NCN— (CH2)17CH3
CH3 H H 上記の可逆性感熱記録層分散液を用いたほかは、 実施例 1と同様にして可逆性 感熱記録層を設けた。 この感熱記録層の樹脂のゲル分率は約 8 9 %であった。 また、 実施例 4と同様にして保護層を設けた。 実施例 6
アクリルポリオール樹脂の 1 5 %メチルェチルケトン (M E K) 溶液
1 5 0部
(水酸基: 1 0 8、 酸価: 1 . 0未満、 分子量: 1 0 7 8 0 0、 ガラス転移温度: 8 0 °C、
水酸基モノマー: 2—ヒ ドロキシェチルメタクリ レート)
コロネート H L 1 0部 上記以外は実施例 1と同様に可逆性感熱記録層を設けた。 この感熱記録層の樹 脂のゲル分率は約 8 9 %であった。
この記録層上に下記組成からなる中間層塗液をワイヤーパーを用いて塗布し、 9 0 °Cで 1分乾燥した後、 6 0 °Cで 1時間加熱して膜厚約 2 μ mの中間層を設け
く中間層の作成 >
ポリエステルポリオール樹脂
(武田薬品工業社製タケラック U— 2 1 ) の
1 0 %メチルェチルケトン (M E K) 溶液 1 0 0咅 β 酸化亜鉛 (住友大阪セメント) 1 0部 コロネート H L 1 5部 さらに、 中間層上に実施例 4と同様にして保護層を設けた c
実施例 7
2—ァニリノ一 3—メチルー 6—ジェチルアミノフルオラン 2部 下記構造の顕色剤 8部 !— HCONH— (CH
2)i
3CH
3
アタリルポリオール樹脂の 15 %メチルェチルケトン (MEK) 溶液
1 50部
(水酸基: 100、 酸価: 1. 0未満、 分子量: 107800、
ガラス転移温度: 80°C、
水酸基モノマー: 2—ヒ ドロキシェチルメタクリレート)
コロネー HL 25部 上記以外は実施例 1と同様に可逆性感熱記録層を設けた。 この感熱記録層の樹 脂のゲル分率は約 89 %であった。 実施例 8
3— (4—ジェチュルアミノー 2—エトキシフエエル) 一 3_
( 1ーェチルー 2—メチルインドールー 3—ィル) 一 4一ァザフタリ ド
2部 下記構造の顕色剤 10部
ポリ n—ブチルメタクリレート樹脂 (三菱レーヨン社製 BR 102)
1 50部 コロネート HL 10部 下記構造の消色促進剤 8部
NC— (CH2)n— NCN— (CH2)17CH3
H H 上記以外は実施例 1と同様に可逆性感熱記録層を設けた。
脂のゲル分率は約 8 9 %であった。
また、 実施例 6と同様にして中間層、 保護層を設けた。 実施例 9
実施例 7の可逆性感熱記録層を用い、 実施例 6と同様にして中間層、 保護層を 設けた。 実施例 1 0
下記構造の顕色剤 8部を用いた以外は、 実施例 1と同様にして可逆性感熱記録 媒体を作製した。
実施例 1 1
下記構造の顕色剤 8部を用いた以外は、 実施例 1と同様にして可逆性感熱記録 媒体を作製した。
実施例 1 2
下記構造の顕色剤 8部を用いた以外は、 実施例 1と同様にして可逆性感熱記録
媒体を作製した
比較例 1
下記構造の顕色剤 8部を用いた以外は、 実施例 1と同様にして可逆性感熱記録 媒体を作製した。
比較例 2
下記構造の顕色剤 8部を用いた以外は、 実施例 1と同様にして可逆性感熱記録 媒体を作製した。
HO NHCO— CH2)n— NHCO— (CH2)17CH3
比較例 3
下記構造の顕色剤 8部を用いた以外は、 実施例 1と同様にして可逆性感熱記録 媒体を作製した。 これら比較例 1〜3の感熱記録層の樹脂のゲル分率は、 いずれ も 8 0 %以上であった。
以上の様に作製した記録媒体を大倉電気社製感熱印字装置にて、 8 ドット Zm
mのサーマルヘッドによって電圧 1 3 . 3 V、 パルス幅 1 . 2 m秒で印字し、 東 洋精機社製熱傾斜試験機で 1 1 0 °C、 1秒の条件で消色して、 この印字部及び消
去部及び地肌部の光学濃度をマクベス濃度計 R D— 9 1 4を使用し測定した。 こ れを常温常湿 (2 2 °C、 6 0 % R H) 及ぴ高温高湿 (3 5 °C、 8 5 % R H) 環境 下において印字と消去を行なった。
また、 前記の印字,消去を常温常湿環境下 5 0回繰り返し、 画像濃度の状態と 記録媒体表面の状態を目視で観察して下記のランクで評価した。
ランク 1 :画像部は良好な発色状態で、 打こんもみられなかった。
ランク 2 :画像部の状態はないが、 やや打こんがみられた。
ランク 3 :画像部の発色が不均一で、 打こんも発生した。
ランク 4 :画像部の発色状態が極めて悪く、 激しく打こんが発生した。 以上の結果を下記表 1 5に示した。
表 1 5
実施例 1 〜 1 2に関しては、 いずれの環境下でも湿度の影響に関係なく、 発色 濃度及び消色濃度が安定している。 また、 耐久性試験に関しても印字濃度の低下 及び消色濃度の上昇がほとんどなく、 打痕もない良好な状態であった。 実施例 1 3
<可逆性感熱記録層の作製 >
下記組成物をポールミルを用いて粒径 1 〜 4 mまで粉砕分散した。
45
差替え甩紙 (規則 2β》
〔A液〕
2—ァニリノ一 3—メチルー 6—ジブチルァミノフルオラン
下記の構造の顕色剤
下記の構造の発色消色制御剤 2部 し 1 7 1
35 O THC
1 8n
35
ァクリルポリオール樹脂の 1 5 %メチルェチルケトン (MEK) 溶液 (水酸基価: 1 3 3、 酸価: 6. 5、 分子量: 7 0 0 0
ガラス転移温度: 3 4°C) 1 5 0部 得られた分散液に日本ポリウレタン社製コロネ ド HL (ァダクト型へキサメ チレンジイソシァネート 7 5 %酢酸ェチル溶液) 1 0部を加え、 良く撹拌し記録 層塗布液を調製した。 上記組成の記録層塗布液を、 厚さ約 2 5 0 μ πιの磁気層付 き白色 P E Tフィルム (大日本インキ製) 上にワイヤーパーを用い塗布し、 1 1 5 °C 1分で乾燥した後、 6 0 °C 3 6時間加熱して、 膜厚約 1 1. 0 μ mの可逆性 感熱記録層を設けた。 この感熱記録層の樹脂のゲル分率は約 9 0 %であった。
この記録層上に下記組成よりなる中間層液をワイヤーバーを用い塗布し、 9 0°C 1分で乾燥した後、 6 0°C 2時間加熱して、 膜厚約 2. Ο μ πιの中間層を設 けた。 更に、 下記組成よりなる保護層液をワイヤーバーを用いて塗工した後、 照 射エネルギー 8 OW/ c mの紫外線ランプ下を 1 2 m/分の搬送速度で通して硬 化して膜厚 3 μ πιの保護層を設け、 本発明の可逆性感熱記録媒体を作製した。 中間層液
ポリエステルポリオール樹脂
(武田薬品工業社製タケラック U— 2 1 ) の
1 0 %メチルェチルケトン (ΜΕΚ) 溶液 1 0 0部 酸化亜鉛 (住友大阪セメント) 1 0部 コロネート HL 1 5部
ウレタンァクリレート系紫外線硬化性樹月
シリカ (水沢化学社製 P— 5 2 7 )
(大日本ィンキ社製 C 7 - 1 5 7 )
酢酸ェチル 実施例 1 4〜 2 5 表 1 6に示す構造の消色促進性化合物を用いた以外は、 実施例 1 3と同様にし て可逆性感熱記録媒体を作成した。
表 1 6
実施例 2 6
下記構造の顕色剤 8部を用いた以外は、 実施例 1 3同様にして可逆性感熱記録 媒体を作製した。
NHCO— (CH2)5— NHCONH— (CH)13CH3
実施例 2 7
下記構造の顕色剤 8部を用いた以外は、 実施例 1 3同様にして可逆性感熱記録 媒体を作製した。 i— HCONH— (CH)
6CH
3
実施例 2 8
下記構造の顕色剤 8部を用いた以外は、 実施例 1 3と同様にして可逆性感熱記 録媒体を作製した。
比較例 4
下記構造の顕色剤 8部を用いた以外は、 実施例 1と同様にして可逆性感熱記録 媒体を作製した。
HO NHCO— (CH2)5— NHCONH— (CH2)17C¾
比較例 5
下記構造の顕色剤 8部を用いた以外は、 実施例 1と同様にして可逆性感熱記録 媒体を作製した。
NHCO—— (CH2)n— NHCO— (CH2)17CH3
比較例 6
下記構造の顕色剤 8部を用いた以外は、 実施例 1と同様にして可逆性感熱記録 媒体を作製した。
以上の様に作製した可逆性感熱記録媒体を松下電子部品社製 E U X— E T 8 A 9 AS 1端面型サーマルへッド (抵抗値 1 1 52オーム) を用いた八城製作所製 感熱印字シュミレーターを用いて、下記の条件で印字及び消去を行ない、印字部、 消去部、 地肌部の光学濃度をマクベス濃度計 RD— 914を用いて測定した。 消し残り濃度 =消去後の画像部の濃度一地肌濃度
評価条件:パルス幅 2ms、 ライン周期 2. 86ms、 印字速度 43. 10 mm / s、 副走查密度 8 d o t /mm
これを常温常湿 (22°C、 60%RH) 及ぴ高温高湿 (35°C、 85%RH) 環境下において印字と消去を行なった。
また、 前記の印字 ·消去を常温常湿環境下 10回繰り返し、 画像濃度の状態と 記録媒体表面の状態を目視で観察して下記のランクで評価した。
ランク 1 :画像部は良好な発色状態で、 打こんもみられなかった。
ランク 2 :画像部の状態はないが、 やや打こんがみられた。
ランク 3 :画像部の発色が不均一で、 打こんも発生した。
ランク 4 :画像部の発色状態が極めて悪く、 激しく打こんが発生した。 以上の結果を下記表 1 7に示した。
表 1 7
産業上の利用可能性 以上、 詳細且つ具体的な説明より明らかなように、 本発明の可逆性感熱記録媒 体は、 発色濃度及び消色濃度が湿度に影響されず、 高コントラストに優れ、 か つ繰り返し使用によつても記録媒体への打こんの発生や濃度変化の少ない、 耐久 性が良好な可逆性感熱記録媒体を提供することができる。 更に、 サーマルヘッド での消色が可能な高速消色に優れた可逆性感熱記録媒体を提供することができる
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差替え甩紙 (規則 2β》