JPH10315623A - 可逆性感熱記録媒体 - Google Patents

可逆性感熱記録媒体

Info

Publication number
JPH10315623A
JPH10315623A JP9145731A JP14573197A JPH10315623A JP H10315623 A JPH10315623 A JP H10315623A JP 9145731 A JP9145731 A JP 9145731A JP 14573197 A JP14573197 A JP 14573197A JP H10315623 A JPH10315623 A JP H10315623A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reversible thermosensitive
thermosensitive recording
recording medium
resin
recording layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9145731A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromi Furuya
浩美 古屋
Tadafumi Tatewaki
忠文 立脇
Fumio Kawamura
史生 河村
Kyoji Tsutsui
恭治 筒井
Hiroaki Matsui
宏明 松井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP9145731A priority Critical patent/JPH10315623A/ja
Publication of JPH10315623A publication Critical patent/JPH10315623A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発色性と消色性が良好で、繰り返し使用によ
っても記録媒体に打痕の発生することのない、繰り返し
耐久性に優れた可逆性感熱記録媒体を提供する。 【解決手段】 支持体上に、電子供与性呈色性化合物と
電子受容性化合物を用い、加熱温度および/または加熱
後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消色
した状態を形成しうる可逆性熱発色組成物を含有する可
逆性感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体において、
該可逆性感熱記録層が架橋状態の樹脂と有機顔料および
/または無機顔料とを含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子供与性呈色性
化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した
可逆性熱発色組成物を用い、熱エネルギーを制御するこ
とにより発色画像の形成と画像の消去が可能な可逆性感
熱記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子供与性呈色性化合物(発色剤
またはロイコ染料ともいう)と電子受容性化合物(顕色
剤ともいう)との間の発色反応を利用した感熱記録媒体
は広く知られており、ファクシミリ、ワードプロセッサ
ー、科学計測機などのプリンターに使用されている。し
かし、これらの実用化されている従来の感熱記録媒体は
いずれも不可逆的な発色であり、一度記録した画像を消
去して繰り返して使用することはできない。一方、特許
公報によれば発色と消色を可逆的に行うことかできる記
録媒体も提案されており、例えば、顕色剤として没食子
酸とフロログルシノールを組合せて用いる特開昭60−
193691号公報、顕色剤にフェノールフ夕レインや
チモールフタレインなどの化合物を用いる特開昭61−
237684号公報、発色剤と顕色剤とカルボン酸エス
テルの均質相溶体を記録層に含有する特開昭62−13
8556号、特開昭62−138568号および特開昭
62−140881号公報、顕色剤にアスコルビン酸誘
導体を用いた特開昭63−173684号公報、顕色剤
にビス(ヒドロキシフェニル)酢酸または没食子酸と高
級脂肪族アミンとの塩を用いる特開平2−188293
号公報および特開平2−188294号公報などが知ら
れている。
【0003】さらに本発明者らは、先に特開平5−12
4360号公報において顕色剤として長鎖脂肪族炭化水
素基をもつ有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物
またはフェノール化合物を用い、これと発色剤であるロ
イコ染料と組み合わせることによって、発色と消色を加
熱冷却条件により容易に行わせることができ、しかもそ
の発色状態と消色状態を常温において安定に保持させる
ことが可能であり、且つ発色と消色を繰り返すことが可
能な可逆性感熱発色組成物およびこれを記録層に用いた
可逆性感熱記録媒体を提案した。またその後、長鎖脂肪
族炭化水素基をもつフェノール化合物について特定の構
造を有する化合物を使用することが提案されている(特
開平6−210954号公報)。
【0004】このように発色、消色を繰り返すことが可
能な可逆性感熱記録媒体が提案されてきたが、実使用条
件下では繰り返し印字による発色、消色を行うと画像濃
度の低下や打痕(印字部分の変形)などの問題が生じ、
顕色剤とロイコ染料の組成物がもつ発色消色特性を十分
に発揮できる可逆性感熱記録媒体は得られていなかっ
た。これは、サーマルヘッドによる印字が、高温への加
熱と同時に記録媒体への機械的な力を加えながら行われ
るため、記録層や保護層など記録媒体を構成する層の構
造が変化し、繰り返しにより破壊されていくことによる
ものである。
【0005】このような記録媒体の問題に対し、特開平
6−340171号公報には記録層厚の1.1倍以上の
平均粒子径を有する粒子を記録層に添加することにより
繰り返し耐久性を向上させることが提案され、また特開
平8−156410号公報には特定の光沢度及び表面粗
さを有する保護層を設けることによりへッドマッチング
性を向上させ繰り返し耐久性を向上させることが提案さ
れている。しかしながら、これらの記録層、保護層を用
いても、印字による発色、消色を繰り返し行った際の塗
工層の破壊を完全には防止することができず、多数回の
使用により記録媒体表面に打痕が発生してしまうために
印字不良などが起こり、実質的には繰り返し使用が少な
い回数に制限されてしまうという問題を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題は
このような問題点を解決し、発色性と消色性が良好で、
繰り返し使用によっても記録媒体に打痕の発生すること
のない、繰り返し耐久性に優れた可逆性感熱記録媒体を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、支
持体上に、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物
を用い、加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違
いにより相対的に発色した状態と消色した状態を形成し
うる可逆性熱発色組成物を含有する可逆性感熱記録層を
有する可逆性感熱記録媒体において、該可逆性感熱記録
層が架橋状態の樹脂と有機顔料および/または無機顔料
とを含有することを特徴とする可逆性感熱記録媒体によ
って達成される。
【0008】本発明者らは、多数回の印字、消去による
塗工膜の破壊は可逆性感熱記録層が最も大きく、可逆性
感熱記録層に架橋状態の樹脂と有機顔料および/または
無機顔料とを含有させることにより、記録層の耐熱強度
が向上し、またサーマルヘッドとのヘッドマッチング性
が向上することにより可逆性感熱記録媒体の繰り返し耐
久性が向上することを見いだした。
【0009】可逆性感熱記録層に架橋状態の樹脂を含有
させるには、熱エネルギー、光エネルギー、電子線エネ
ルギー等の各種エネルギーの作用のもとで架橋硬化反応
を行なうモノマー、オリゴマー及び/又は高分子化合物
を用いることができる。このようなものとしては、例え
ば架橋剤およびこの架橋剤と反応する活性基を有する樹
脂の組合せであり、熱により架橋硬化できる樹脂が挙げ
られる。
【0010】架橋剤と反応する活性基を有する樹脂とし
ては、例えばフェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロース
アセテートブチレートなどの水酸基やカルボキシル基な
ど架橋剤と反応する基を有する樹脂、または水酸基やカ
ルボシキル基などを有するモノマーとそれ以外のモノマ
ーを共重合した樹脂などが例示できる。共重合樹脂とし
ては、例えば塩ビ系、アクリル系、スチレン系などの樹
脂、具体的には塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコ
ール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル
−無水マレイン酸共重合体、熱硬化性アクリル樹脂など
が例示できる。
【0011】熱架橋の架橋剤としては、例えばイソシア
ネート類、アミノ樹脂、フェノール樹脂、アミン類、エ
ポキシ化合物などが挙げられ、例えばイソシアネート類
としてはイソシアネート基を複数もつポリイソシアネー
ト化合物、具体的にはへキサメチレンジイソシアネート
(HDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、キ
シリレンジイソシアネート(XDI)等、およびこれら
のトリメチロールプロパンなどによるアダクトタイプ、
ビュレットタイプ、イソシアヌレートタイプ及びブロッ
ク化イソシネート類などが挙げられる。
【0012】架橋剤の樹脂に対する添加量としては、樹
脂中の含まれる活性基の数に対する架橋剤の官能基の数
の比が0.01〜2が好ましく、これ以下では可逆性感
熱記録層の熱強度が不足し、またこれ以上添加すると発
色消色特性に悪影響を及ぼすようになる。更に、架橋反
応を促進するために架橋促進剤を用いてもよく、架橋促
進剤としては、例えば1,4−ジアザ−ビシクロ[2,
2,2]オクタンなどの3級アミン類、有機すず化合物
等の金属化合物などが挙げられる。
【0013】また、電子線または紫外線硬化用のモノマ
ーまたはオリゴマーとしては、例えば以下のものが挙げ
られる。すなわち、単官能性モノマーの例としては、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t
−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリ
ル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸
ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル
酸ベンジル、メタクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキ
シエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタ
クリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチル
アミノエチルメチルクロライド塩、メタクリル酸ジエチ
ルアミノエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル
酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸アリル、ジメ
タクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸トリエ
チレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレングリ
コール、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコール、
ジメタクリル酸1,6−へキサンジオール、トリメタク
リル酸トリメチロールプロパン、メタクリル酸2−エト
キシエチル、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エ
トキシエチルアクリレート、2−エトキシエトキシエチ
ルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、
2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジシクロペンテ
ニルエチルアクリレート、N−ビニルピロリドンまたは
酢酸ビニルなどが挙げられ、2官能性モノマーの例とし
ては、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6
−へキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジ
オールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアク
リレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、
トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピ
レングリコールジアクリレート、ビスフェノールAエチ
レンオキサイド付加物ジアクリレート、グリセリンメタ
クリレートアクリレート、ネオペンチルグリコールのプ
ロピレンオキサイド2モル付加物のジアクリレート、ジ
エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリ
コール(400)ジアクリレート、ヒドロキシピバリン
酸とネオペンチルグリコールのエステルのジアクリレー
ト、2,2−ビス(4−アクロリキシジエトキシフェニ
ル)プロパン、ネオペンチルグリコールジアジペ−トの
ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグ
リコールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレー
ト、2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)
−5−ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキ
サンジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ
アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリ
レートのε−カプロラクトン付加物、1,6−へキサン
ジオールのグリシジルエーテルのジアクリレートなどが
挙げられる。
【0014】また、多官能性モノマーの例としては、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、グリセリンプ
ロピレンオキサイド付加アクリレート、トリスアクリロ
イルオキシエチルフオスフエート、ペンタエリスリトー
ルアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレン
オキサイド3モル付加物のトリアクリレート、ジペンタ
エリスリトールポリアクリレ−ト、ジペンタエリスリト
ールのカプロラクトン付加物のポリアクリレート、プロ
ピオン酸ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ヒ
ドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロピント
リアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトール
のテトラアクリレ−ト、ジトリメチロールプロパンテト
ラアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトール
のペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレ
ートのε−カプロラクトン付加物などが挙げられ、オリ
ゴマーの例としては、ビスフェノールA−ジエポキシア
クリル酸付加物などが挙げられる。
【0015】このようなモノマーまたはオリゴマーを紫
外線を用いて架橋させる場合には次のような光重合開始
剤、光重合促進剤が使用される。光重合開始剤の例とし
ては、イソブチルベンゾインエーテル、イソプロピルベ
ンゾインエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾ
インメチルエーテル等のペンゾインエーテル類、1−フ
ェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシ
カルボニル)オキシム等のα−アシロキシムエステル、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベ
ンジル、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等の
ベンジルケタール類、ジエトキシアセトフェノン、2−
ヒドロキン−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−
オン等のアセトフェノン誘導体、ベンゾフェノン、1−
クロロチオキサントン、2−クロロチオキサントン、イ
ソプロピルチオキサントン、2−メチルチオキサント
ン、2−エチルチオキサントン、2−クロロベンゾフェ
ノン等のケトン類などが挙げられる。これらの光重合開
始剤は、単独でまたは2種類以上併用して使用される。
添加量としてはモノマーまたはオリゴマー1重量部に対
して0.005〜1.0重量部が好ましく、特に0.0
1〜0.5重量部が好ましい。
【0016】光重合促進剤としては芳香族系の第3アミ
ンや脂肪族系アミンが挙げられ、具体的にはp−ジメチ
ルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルア
ミノ安息香酸エチルエステルなどが挙げられる。これら
の光重合促進剤は、単独でまたは2種類以上併用して使
用される。添加量としては光重合間始剤1重量部に対し
て0.1〜5重量部が好ましく、特に0.3〜3重量部
が好ましい。
【0017】架橋硬化反応を行なうには、例えば熱で架
橋するものであれば高温槽等を用いて熱処理すればよ
く、また、紫外線照射や電子線照射による硬化であれ
ば、それぞれ公知の硬化装置を用いればよい。例えば、
熱硬化性樹脂の硬化条件としては、比較的高温で短時間
でもよく、また比較的低温で長時間かけて硬化させても
よい。紫外線硬化樹脂の場合の紫外線照射光源としては
水銀ランプ、メタルハライドランプ、ガリウムランプ、
水銀キセノンランプ、フラッンュランプなどがあるが、
前記した光重合開始剤及び光重合促進剤の紫外線吸収波
長に対応した発光スペクトルを有する光源を使用すれば
よい。紫外線照射条件としては、樹脂を架橋させるため
に必要な照射エネルギーに応じてランプ出力、搬送速度
を決めればよい。また、電子線硬化樹脂の場合の電子線
照射装置としては照射面積、照射線量などの目的に応じ
て走査形、非走査形いずれかを選べばよく、照射条件と
しては樹脂を架橋するのに必要な線量に応じて、電子
流、照射幅、搬送速度を決めればよい。
【0018】また、本発明の可逆性感熱記録媒体におけ
る可逆性感熱記録層に含有させる有機顔料または無機顔
料としては、例えばシリカ、炭酸カルシウム、水酸化ア
ルミニウム、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、カ
オリン、焼成カオリン、タルク、炭酸マグネシウム、硫
酸バリウム、酸化亜鉛等の無機顔料、またはポリスチレ
ン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、尿素
ホルマリン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹
脂、ベンゾグアナミン・メラミン樹脂、ポリアクリル樹
脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂などの微粒子からなる有
機顔料が挙げられ、これらを単独もしくは2種以上を混
合して用いることができる。
【0019】また、含有させる有機顔料や無機顔料の平
均粒子径は可逆性感熱記録層の厚さの0.8乃至1.5
であることが好ましく、それににより、印字、消去時に
おける記録層の変形が少なく、また顔料の添加によって
可逆性感熱記録媒体の表面に凹凸ができることにより、
サーマルヘッドとのヘッドマッチング性が優れたものと
なり、繰り返し耐久性がさらに向上する。ヘッドマッチ
ング性からは顔料の形状は球形であることがより好まし
い。
【0020】また、針状の顔料を用いることにより繰り
返し耐久性が向上する。これは記録層の水平方向の強度
が増すためと考えられる。針状顔料の大きさとしては長
辺が0.5〜20μmであることが好ましく、特に1〜
10μmであることが好ましい。
【0021】顔料の添加量としては、電子供与性呈色性
化合物に対して10〜1000重量%が好ましく、これ
よりも少ない場合には耐久性向上の効果は見られなくな
り、これを越える場合には発色消色特性を阻害すること
がある。
【0022】次に可逆性感熱記録層における可逆性熱発
色組成物について説明する。可逆性熱発色組成物は電子
供与性呈色性化合物と電子受容性化合物とからなり、電
子供与性呈色性化合物は、それ自体無色あるいは淡色の
染料前駆体(ロイコ染料)であり、従来公知のもの、例
えばフタリド系化合物、アザフタリド系化合物、フルオ
ラン系化合物、フェノチアジン系化合物、ロイコオーラ
ミン系化合物などのいずれも用いることができる。
【0023】このような電子供与性呈色性化合物具体例
としては、たとえば次の化合物が挙げられる。すなわ
ち、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフ
ルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ(n−ブ
チルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−
6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル
−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−
メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フ
ルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−se
c−ブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニ
リノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチル
アミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピ
ル−N−イソプロピルアミノ)フルオフン、2−アニリ
ノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチ
ルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6
−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ア
ニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジ
ノ)フルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニリ
ノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2
−(m−トリフルロロメチルアニリノ)−3−メチル−
6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリクロロ
メチルアニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキ
シル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−(2,4−
ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルフミノ
フルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3
−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2
−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−
(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ア
ニリノ−6−(N−n−へキシル−N−エチルアミノ)
フルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチ
ルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6
−ジブチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメ
チルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
(p−アセチルアニリノ)−6−(N−n−アミル−N
−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ
−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2
−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチ
ルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−
(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラ
ン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−p−トル
イジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−
エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(ジーp−
メチルベンジルアミノ)−6−(N−エチル−p−トル
イジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミ
ノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラ
ン、2−メチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フ
ルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−エチルアニリ
ノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−プロピ
ルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N
−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルア
ミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)
フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−エチル−
2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチル
アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−
ジメチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラ
ン、2−ジエチルアミノ−6−(N−メチル−p−トル
イジノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−
エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジプロピル
アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−
ジプロピルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオ
ラン、2−アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオ
ラン、2−アミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオ
ラン、2−アミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フル
オラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−トルイジ
ノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−
トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロ
ピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−
(N−メチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−
アミノ−6−(N−エチル−p−エチルアニリノ)フル
オラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−エチル
アニリノ)フルオフノ、2−アミノ−6−(N−メチル
−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ
−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フル
オラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−2,4−ジ
メチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−
メチル−p−クロロアニリノ)フルオラン、2−アミノ
−6−(N−エチル−p−クロロアニリノ)フルオラ
ン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−クロロアニ
リノ)フルオラン、2,3−ジメチル−6−ジメチルア
ミノフルオラン、3−メチル−6−(N−エチル−p−
トルイジノ)フルオラン、2−クロロ−6−ジエチルア
ミノフルオラン、2−ブロモ−6−ジエチルアミノフル
オラン、2−クロロ−6−ジプロピルアミノフルオラ
ン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラ
ン、3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラ
ン、2−クロロ−6−(N−エチル−N−イソアミルア
ミノ)フルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジエ
チルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6
−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリ
ノ)−3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラ
ン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−クロ
ロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2,3−ジ
クロロアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフ
ルオラン、1,2−ペンゾ−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、1,2−ペンゾ−6−(N−エチル−N−イソア
ミルアミノ)フルオラン、1,2−ペンゾ−6−ジブチ
ルアミノフルオラン、1,2−ペンゾ−6−(N−メチ
ル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、1,2−
ペンゾ−6−(N−エチル−N−トルイジノ)フルオラ
ンなどが挙げられ、特に好ましく用いられるものとして
は、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−2−エトキ
シプロピル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(p
−クロロアニリノ)−6−(N−n−オクチルアミノ)
フルオラン、2−(p−クロロアニリノ)−6−(N−
n−パルミチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロロ
フニリノ)−6−(ジ−n−オクチルアミノ)フルオラ
ン、2−ペンゾイルフミノ−6−(N−エチル−p−ト
ルイジノ)フルオラン、2−(o−メトキシベンゾイル
アミノ)−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオ
ラン、2−ジベンジルアミノ−4−メチル−6−ジエチ
ルアミノフルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−メト
キシ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラ
ン、2−ジベンジルアミノ−4−メチル−6−(N−エ
チル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニ
ルエチルアミノ)−4−メチル−6−ジエチルアミノフ
ルオラン、2−(p−トルイジノ)−3−(t−ブチ
ル)−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラ
ン、2−(o−メトキシカルボニルアミノ)−6−ジエ
チルアミノフルオラン、2−アセチルアミノ−6−(N
−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、3−ジエチル
アミノ−6−(m−トリフロロメチルアニリノ)フルオ
ラン、4−メトキシ−6−(N−エチル−p−トルイジ
ノ)フルオラン、2−エトキシエチルアミノ−3−クロ
ロ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−ジベンジルア
ミノ−4−クロロ−6−(N−エチル−p−トルイジ
ノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−
4−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N
−ベンジル−p−トリフロロメチルアニリノ)−4−ク
ロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−ピロリジノフルオラン、2−アニリノ
−3−クロロ−6−ピロリジノフルオラン、2−アニリ
ノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−テトラヒドロ
フルフリルアミノ)フルオラン、2−メシジノ−4’,
5’−ペンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−
ピロリジノフルオラン、2−(α−ナフチルアミノ)−
3,4ペンゾ−4’−ブロモ−6−(N−ベンジル−N
−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、2−ピペリジノ
−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−n−プロ
ピル−p−トリフロロメチルアニリノ)−6−モルフォ
リノフルオラン、2−(ジ−N−p−クロロフェニル−
メチルアミノ)−6−ピロリジノフルオラン、2−(N
−n−プロピル−m−トリフロロメチルアニリノ)−6
−モルフォリノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N
−エチル−N−n−オクチルアミノ)フルオラン、1,
2−ベンゾ−6−ジアリルアミノフルオラン、1,2−
ベンゾ−6−(N−エトキシエチル−N−エチルアミ
ノ)フルオラン、ベンゾロイコメチレンブルー、2−
[3,6−ビス(ジエチルアミノ)]−6−(o−クロ
ロアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム、2−[3,
6−ビス(ジエチルアミノ)]−9−(o−クロロアニ
リノ)キサンチル安息香酸ラクタム、3,3−ビス(p
−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3、3−ビス
(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノ
フタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、
3,3−ビス−(p−ジメチルアミノフェニル)−6−
ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス−(p−ジメチ
ルアミノフェニル)−6−クロロフタリド、3,3−ビ
ス−(p−ジブチルアミノフェニル)フ夕リド、3−
(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−
(2−ヒドロキシ−4,5−ジクロロフェニル)フ夕リ
ド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−(2−メトキシ−5−クロロフェニル)フタ
リド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメトキシアミノフ
ェニル)−3−(2−メトキシ−5−クロロフェニル)
フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメチルアミノ
フェニル)−3−(2−メトキシ−5−ニトロフェニ
ル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジエチルア
ミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−メチルフェ
ニル)フタリド、3−(2−メトキシ−4−ジメチルア
ミノフェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4−クロロ−
5−メトキシフェニル)フタリド、3,6−ビス(ジメ
チルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジ
メチルアミノフタリド、3−(1−エチル−2−メチル
インドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジ
エチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1
−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−
(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−
アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドー
ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルア
ミノフェニル)−7−アザフタリド、3,3−ビス(2
−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザ
フタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチル
アミノフェニル)−7−アザフタリド、6’−クロロ−
8’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、
6’−ブロモ−2’−メトキシ−ベンゾインドリノ−ス
ピロピランなどが挙げられる。
【0024】電子供与性呈色性化合物としては、下記の
一般式(1)または(2)で表される化合物が特に好ま
しい。
【化1】 (式中、R1は水素原子または炭素数1〜4のアルキル
基を、R2は炭素数1〜6アルキル基、シクロアキル基
または置換されていてもよいフェニル基を、R3は水素
原子、炭素数1〜2のアルキル基、アルコキシ基または
ハロゲンを、R4は水素原子、メチル基、ハロゲン原子
または置換されていても良いアミノ基を表す。) フェニル基における置換基としては、例えばメチル基、
エチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基な
どのアルコキシ基または塩素原子、臭素原子などのハロ
ゲン原子が挙げられる。またアミノ基における置換基と
しては、例えばアルキル基、置換されていても良いアリ
ール基、置換されていても良いアラルキル基が挙げら
れ、アリール基またはアラルキル基における置換基とし
てはアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基などが挙
げられる。
【0025】また、可逆性感熱記録層において用いる電
子受容性化合物としては、すでに特開平5−12436
0号公報に長鎖炭化水素基をもつリン酸化合物、脂肪族
カルボン酸化合物およびフェノール化合物の代表例とと
もに開示されているように、分子内に電子供与性呈色性
化合物を発色させることができる顕色能をもつ構造と、
分子間の凝集力をコントロ−ルする構造を併せ持つ化合
物が好ましい。
【0026】顕色能をもつ構造としては、一般の感熱記
録媒体と同様に、たとえばフェノール性水酸基、カルボ
キシル基、リン酸基などの酸性の基が用いられるが、こ
れらに限らず電子供与性呈色性化合物を発色できる基で
あればよく、これらには、例えばチオ尿素基、カルボン
酸金属塩などがある。分子間の凝集力をコントロールす
る代表的な構造としては長鎖アルキル基などの炭化水素
基があり、この炭化水素基の炭素数は、一般的には8以
上であることが良好な発色消色特性を得る上で好まし
い。また、この炭化水素基には不飽和結合が含まれてい
てもよく、また分枝状の炭化水素基でもよい。分枝状の
炭化水素基の場合も、主鎖部分は炭素数8以上であるこ
とが好ましい。また、炭化水素基は、例えばハロゲン原
子、水酸基、アルコキシ基なとの基で置換されていても
よい。
【0027】このように電子受容性化合物としては、顕
色能を持つ構造と炭化水素基で代表される凝集力を制御
する構造とが連結した構造を有する化合物が好ましく、
顕色能を持つ構造と凝集力を制御する構造とが下記に示
すようなへテロ原子を含む2価の基、又はこれらの基が
複数個組合わされた基をはさんで結合していてもよい。
また、フェニレン基、ナフチレン基などの芳香環または
複素環などをはさんで結合していてもよいし、これら両
方をはさんで結合していてもよい。炭化水素基は、その
鎖状構造中に上記と同様な2価の基、すなわち芳香環や
へテロ原子を含む2価の基を有するものであってもよ
い。
【0028】以下に、電子受容性化合物の具体例を示
す。有機リン酸系の電子受容性化合物としては、ドデシ
ルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシル
ホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホス
ホン酸、ドコシルホスホン酸、テトラコシルホスホン
酸、リン酸ジテトラデシルエステル、リン酸ジヘキサデ
シルエステル、リン酸ジオクタデシルエステル、リン酸
ジエイコシルエステル、リン酸ジべへニルエステルなど
が挙げられる。脂肪族カルボン酸化合物としては、2−
ヒドロキシテトラデカン酸、2−ヒドロキシヘキサデカ
ン酸、2−ヒドロキシオクタデカン酸、2−ヒドロキシ
エイコサン酸、2−ヒドロキシドコサン酸、2−ブロモ
ヘキサデカン酸、2−ブロモオクタデカン酸、2−ブロ
モエイコサン酸、2−ブロモドコサン酸、3−ブロモオ
クタデカン酸、3−ブロモドコサン酸、2,3−ジブロ
モオクタデカン酸、2−フルオロドデカン酸、2−フル
オロテトラデカン酸、2−フルオロヘキサデカン酸、2
−フルオロオクタデカン酸、2−フルオロ5エイコサン
酸、2−フルオロドコサン酸、2−ヨードヘキサデカン
酸、2−ヨードオクタデカン酸、3−ヨードヘキサデカ
ン酸、3−ヨードオクタデカン酸、パーフルオロオクタ
デカン酸などが挙げられる。
【0029】脂肪族ジカルボン酸化合物およびトリカル
ボン酸化合物としては、2−ドデシルオキシ琥珀酸、2
−テトラデシルオキシ琥珀酸、2−へキサデシルオキシ
琥珀酸、2−オクタデシルオキシ琥珀酸、2−エイコシ
ルオキシ琥珀酸、2−ドデシルオキシ琥珀酸、2−ドテ
シルチオ琥珀酸、2−テトラデシルチオ琥珀酸、2−へ
キサデシルチオ琥珀酸、2−オクタデシルチオ琥珀酸、
2−エイコシルチオ琥珀酸、2−ドコシルチオ琥珀酸、
2−テトラコシルチオ琥珀酸、2−へキサデシルシチオ
琥珀酸、2−オクタデシルジチオ琥珀酸、2−エイコシ
ルジチオ琥珀酸、ドデシル琥珀酸、テトラデシル琥珀
酸、ペンタデシル琥珀酸、ヘキサデシル琥珀酸、オクタ
デシル琥珀酸、エイコシル琥珀酸、ドコシル琥珀酸、
2,3−ジヘキサデシル琥珀酸、2,3−ジオクタデシ
ル琥珀酸、2−メチル−3−へキサデシル琥珀酸、2−
メチル−3−オクタデシル琥珀酸、2−オクタデシル−
3−へキサデシル琥珀酸、ヘキサデシルマロン酸、オク
タデシルマロン酸、エイコシルマロン酸、ドコシルマロ
ン酸、ジヘキサデシルマロン酸、ジオクタデシルマロン
酸、ジドコシルマロン酸、メチルオクタデシルマロン
酸、2−へキサデシルグルタル酸、2−オクタデシルグ
ルタル酸、2−エイコシルグルタル酸、ドコシルグルタ
ル酸、2−ペンタデシルアジピン酸、2−オクタデシル
アジピン酸、2−エイコシルアジピン酸、2−ドコシル
アジピン酸、2−へキサデカノイルオキシプロパン−
1,2,3−トリカルボン酸、2−オクタデカノイルオ
キシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸などが挙げ
られる。
【0030】また、下記一般式(3)で表されるカルボ
ン酸化合物も用いることができる。
【化2】
【0031】一般式(3)で表されるカルボン酸化合物
の具体例を下記表1にp、q、r、sの数、およびA、
B、X、Yの構造により示す。
【0032】
【表1−1】
【0033】
【表1−2】
【0034】
【表1−3】
【0035】
【表1−4】
【0036】
【表1−5】
【0037】
【表1−6】
【0038】
【表1−7】
【0039】
【表1−8】
【0040】
【表1−9】
【0041】
【表1−10】
【0042】また、電子受容性化合物として下記一般式
(4)で表されるカルボン酸化合物も用いることができ
る。
【化3】
【0043】一般式(4)で表されるカルボン酸化合物
の具体例を下記表2にn、p、q、rの数、およびR、
X、Yの構造により示す。
【0044】
【表2−1】
【0045】
【表2−2】
【0046】
【表2−3】
【0047】
【表2−4】
【0048】
【表2−5】
【0049】また、電子受容性化合物として分子間凝集
力を制御する構造をもつフェノール化合物も好ましく用
いられる。これには、例えば下記の一般式(5)で表さ
れるフェノール化合物が挙げられる。
【化4】
【0050】一般式(5)で表されるフェノール化合物
の具体例を下記表3にp、q、r、sの数、およびX、
A、Y、Zの構造により示す。ただし、これらのそれぞ
れの具体例においてフェノール部のnは1から3であ
り、たとえば4−ヒドロキシフェニル、3−ヒドロキシ
フェニル、2−ヒドロキシフェニル、2,4−ジヒドロ
キシフェニル、3,4−ジヒドロキシフェニルまたは
3,4,5−トリヒドロキシフェニルなどの水酸基を少
なくとも一つ以上有するフェニル基である。このフェニ
ル基には、水酸基以外の置換基を有していてもよい。ま
た、フェノール性水酸基を有するものであれば、他の芳
香環であってもよい。
【0051】
【表3−1】
【0052】
【表3−2】
【0053】
【表3−3】
【0054】
【表3−4】
【0055】
【表3−5】
【0056】
【表3−6】
【0057】
【表3−7】
【0058】可逆性感熱記録層における電子供与性呈色
性化合物と電子受容性化合物との割合としては、使用す
る化合物の組合せにより適切な範囲が変化するが、おお
むねモル比で電子供与性呈色性化合物1に対して電子受
容性化合物が0.1から20の範囲が好ましく、特に
0.2から10の範囲が好ましい。この範囲より電子受
容性化合物が少なくても多くても発色状態の濃度が低下
するようになる。
【0059】電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合
物(可逆性熱発色組成物)に対する架橋状態の樹脂の割
合としては、使用するこれら化合物の組合せにより適切
な範囲が変化するが、重量比で可逆性感熱発色組成物1
に対し架橋状態の樹脂0.1から10の範囲が好まし
い。これより少ないと可逆性感熱記録層の熱強度が不足
するようになり、またこれより多い場合には発色濃度が
低下するようになる。可逆性感熱記録層の膜厚としては
1μmから20μmの範囲が好ましく、特に3μmから
10μmの範囲が好ましい。
【0060】可逆性感熱記録層には前記の架橋硬化反応
を行なう樹脂、架橋剤、モノマー、オリゴマー及び/又
は高分子化合物などの成分と共に各種熱可塑性樹脂を併
用しても良く、例えばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニ
ル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ス
チレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳
香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネ−ト、
ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、
アクリル酸系共重合体、マレイン酸系共重合体などを用
いることができる。また、可逆性感熱記録層には、必要
に応じて記録層の塗布特性や発色消色特性を改善したり
制御するための添加剤を用いることができ、これらの添
加剤としては、例えば分散剤、界面活性剤、導電剤、充
填剤、滑剤、酸化防止剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、
発色安定化剤、消色促進剤などが挙げられる。
【0061】上記のような可逆性感熱記録層は、架橋状
態の樹脂および顔料と共に電子供与性呈色性化合物と電
子受容性化合物が存在していればどのようなものでもよ
いが、一般的には架橋状態の樹脂中に電子供与性呈色性
化合物と電子受容性化合物が細かく均一に分散された状
態となっている。電子供与性呈色性化合物と電子受容性
化合物はそれぞれが別々に粒子を形成していてもよい
が、両者が複合された粒子状態を形成していることがよ
り好ましい。
【0062】電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合
物とが複合された粒子状態とするには、電子供与性呈色
性化合物と電子受容性化合物を一緒に一旦溶融したり溶
解した後、それを架橋硬化反応を行なうモノマー、オリ
ゴマー及び/又は高分子化合物などと共に適当な溶媒に
均一に分散させて記録層用塗布液を調製すればよい。ま
た、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物とが内
包されたマイクロカプセルを用いることもできる。
【0063】本発明の可逆性感熱記録媒体においては、
可逆性感熱記録層上に硬化性樹脂を主成分とする保護層
を設けることによって、印字時のヘッドマッチング性が
向上し、さらに繰り返し耐久性を高めることができる。
保護層における硬化性樹脂としては、可逆性感熱記録層
に含有させる架橋状態の樹脂として例示した熱硬化性樹
脂、電子線硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂を用いる
ことができる。保護層には、上記の硬化性樹脂と共にポ
リビニルアルコール、スチレン無水マレイン酸共重合
体、カルボキシ変性ポリエチレン、メラミン−ホルムア
ルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂などを用い
ることができる。さらに、保護層には、紫外線吸収剤、
有機顔料および/または無機顔料、滑剤などの添加剤を
含有させることができる。
【0064】また、可逆性感熱記録層と保護層との接着
性向上、保護層の塗布による記録層の変質防止、保護層
中の添加剤の記録層への移行防止などの目的で、可逆性
感熱記録層と保護層との間に樹脂を主成分とする中間層
を設けることも好ましい。可逆性感熱記録層上に形成さ
れる保護層や中間層には酸素透過性の低い樹脂を用いる
ことが好ましく、それにより耐光性を向上させることが
できる。また、それにより可逆性感熱記録層中の電子供
与性呈色性化合物と電子受容性化合物の酸化を防止また
は低減することができる。
【0065】また、印加した熱を有効に利用するために
支持体と可逆性感熱記録層との間に断熱性のアンダーコ
ート層を設けることができる。断熱性のアンダーコート
層は有機または無機の微小中空体粒子がバインダー樹脂
中に分散された塗液を塗布し乾燥させることにより形成
することができる。また、支持体と可逆性感熱記録層と
の接着性の改善や支持体への記録層材料の浸透防止を目
的としたアンダーコート層を設けることもできる。中間
層やアンダーコート層には、前記の可逆性感熱記録層用
の樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
【0066】また、保護層、中間層およびアンダーコー
ト層にも可逆性感熱記録層におけると同様な有機顔料ま
たは無機顔料を含有させることができ、さらに滑剤、界
面活性剤、分散剤などを含有させることもできる。さら
に、支持体裏面にバックコート層などを設けてもよく、
支持体表面または裏面に磁気層を設けていてもよい。ま
た、上記の各層、支持体は着色していてもよい。本発明
の可逆性感熱記録媒体における支持体としては、任意の
ものが使用でき、紙、樹脂フィルム、合成紙、金属箔、
ガラスまたはこれらの複合体など、可逆性感熱記録層な
どを保持できるものであればよい。
【0067】
【作用】本発明の可逆性感熱記録媒体によれば、発色性
と消色性が良好で、繰り返し印字・消去を行っても記録
媒体に打こんなど機械的損傷の発生することが少なく、
繰り返し耐久性に優れた記録を行うことができる。多数
回の印字、消去の繰り返しによる可逆性感熱記録媒体の
塗工膜の破壊は可逆性感熱記録層が最も大きいが、可逆
性感熱記録層に架橋状態の樹脂と有機顔料および/また
は無機顔料とを含有させることによって、記録層の耐熱
強度が向上し、またサーマルヘッドとのヘッドマッチン
グ性が向上することにより可逆性感熱記録媒体の繰り返
し耐久性が向上する。
【0068】また、本発明の可逆性感熱記録媒体は、加
熱温度およびまたは加熱後の冷却速度により相対的に発
色した状態と消色した状態を形成しうるものであり、こ
の基本的な発色消色現象を以下に説明する。図1は本発
明の可逆性感熱記録媒体の発色濃度と温度との関係を示
したものである。初期状態が消色状態(A)にある記録
媒体を昇温していくと、溶融し始める温度T1で発色が
起こり溶融発色状態(B)となる。中間層溶融発色状態
(B)から急冷すると発色状態のまま室温に下げること
ができ、固まった発色状態(C)となる。この発色状態
が得られるかどうかは、溶融状態からの降温の速度に依
存しており、徐冷では降温の過程で消色が起き、初期状
態と同じ消色状態(A)あるいは急冷発色状態(C)よ
り相対的に濃度の低い状態が形成される。
【0069】一方、急冷発色状態(C)を再び昇温して
いくと発色温度より低い温度T2で消色が起き(Dから
E)、ここから降温すると初期状態と同じ消色状態
(A)に戻る。実際の発色温度および消色温度は、用い
る電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との組合
せにより変化するので目的に合わせて選択することがで
きる。また溶融発色状態の濃度と急冷したときの発色濃
度は、必ずしも一致するものではなく、異なる場合もあ
る。
【0070】本発明の可逆性感熱記録媒体では、溶融発
色状態(B)から急冷して得られた発色状態(C)は電
子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物とが凝集して
分子同士で接触反応した状態で固定され発色を保持した
状態である。一方、消色状態は両者が相分離した状態で
ある。この状態は少なくとも一方の化合物の分子が集合
してドメインを形成したり結晶化した状態であり、これ
によって電子供与性呈色性化合物分子と電子受容性化合
物分子とが分離した構造が形成されていると考えられ
る。図1に示した溶融状態から徐冷による消色および発
色状態からの昇温による消色は、いずれもこの温度で凝
集構造が変化し相分離や電子受容性化合物の結晶化が起
きているものと考えられる。
【0071】本発明の可逆性感熱記録媒体を用いて発色
画像を形成するには、一旦発色温度以上に加熱し、つい
で急冷すればよい。具体的には、例えばサーマルヘッド
やレーザー光で短時間加熱すると記録層が局部的に加熱
されるため、直ちに熱が拡散し急激な冷却が起こり、発
色状態が固定できる。一方、消色させるためには適当な
熱源を用いて比較的長時間加熱し冷却するか、発色温度
よりやや低い温度に一時的に加熱すればよい。長時間加
熱すると記録媒体の広い範囲が昇温し、その後の冷却は
遅くなるため、その過程で消色が起きる。長時間加熱す
る方法としては、熱ローラー、熱スタンプ、熱風などを
用いてもよいし、サーマルヘッドを用いてもよい。
【0072】また、記録層を消色温度域に加熱するため
には、例えばサーマルヘッドへの印刷加電圧やパルス幅
を調節することによって、印加エネルギーを記録時より
やや低下させればよい。この方法を用いれば、サーマル
ヘッドだけで記録および消去ができ、いわゆるオーバー
ライトが可能になる。もちろん、熱ローラー、熱スタン
プによって消色温度域に加熱して消去することもでき
る。
【0073】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳しく
説明する。なお、実施例中の「部」および「%」はいず
れも重量を基準とするものである。
【0074】実施例1 下記組成物をボールミルを用いて粒径1〜4μm以下に
なるまで粉砕分散した。 2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン 2部 下記構造式(A)の電子受容性化合物 8部
【化5】 水酸化アルミニウム微粉末(ハイジライトH43M、 平均粒子径0.6μm、昭和電工社製) 10部 フェノキシ樹脂(PKHH、ユニオンカーバイド社製) の15%テトラヒドロフラン溶液 150部 得られた分散液に日本ポリウレタン社製コロネートHL
(アダクト型へキサメチレンジイソシアネート75%酢
酸エチル溶液)20部を加え、良く攪拌し記録層用塗布
液を調製した。この記録層用塗布液を厚さ100μmの
ポリエステルフィルム上にワイヤーバーを用いて塗布し
80℃で乾燥させた後、100℃で10分間および60
℃で24時間加熱して硬化させ、膜厚約6.0μmの可
逆性感熱記録層を形成した。ついで、この記録層上に下
記組成よりなる保護層用塗布液をワイヤーバーを用いて
塗工した後、照射エネルギー80W/cmの紫外線ラン
プ下を9m/分の搬送速度で通して硬化させ膜厚3μm
の保護層を形成し、本発明の可逆性感熱記録媒体を作製
した。 ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂 (C7−157、大日本インキ社製) 10部 酢酸エチル 90部 作製した可逆性感熱記録媒体に、感熱印字装置(大倉電
機社製)を用いて電圧13.3V、パルス幅1.2ms
ecで印字した。印字部の濃度をマクベス濃度計RD9
14にて測定したところ、印字部濃度は0.91であっ
た。次にこの印字サンプルを100℃の恒温槽中で10
秒間加熱して画像を消去した。消去部の濃度を同様に測
定したところ消去部濃度は0.08であった。更に上記
の印字および消去を50回繰り返したところ、印字部に
打痕のない良好な状態を保っていた。
【0075】実施例2 実施例1の記録層用塗布液において水酸化アルミニウム
微粉末に代えてカオリン微粉末(UW90、平均粒子径
0.5μm、ENGELHARD社製)を用いた以外は
実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
作製した可逆性感熱記録媒体について、実施例1と同様
な測定を行ったところ、印字部濃度は0.96、消去部
濃度は0.08であった。また、印字および消去を50
回繰り返したところ、印字部に打痕のない良好な状態を
保っていた。
【0076】実施例3 実施例1の記録層用塗布液において水酸化アルミニウム
微粉末に代えてシリカ微粉末(P527、平均粒子径
1.5〜2.1μm、水沢化学社製)を用いた以外は実
施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。作
製した可逆性感熱記録媒体について、実施例1と同様な
測定を行ったところ、印字部濃度は1.01、消去部濃
度は0.08であった。また、印字および消去を50回
繰り返したところ、印字部に打痕のない良好な状態を保
っていた。
【0077】実施例4 実施例1の記録層用塗布液において水酸化アルミニウム
微粉末に代えてポリメチルメタクリレート樹脂微粉末
(MA1006、平均粒子径5〜7μm、日本触媒社
製)を用いた以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記
録媒体を作製した。作製した可逆性感熱記録媒体につい
て、実施例1と同様な測定を行ったところ、印字部濃度
は0.98、消去部濃度は0.08であった。また、印
字および消去を50回繰り返したところ、印字部に打痕
のない良好な状態を保っていた。
【0078】実施例5 実施例1の記録層用塗布液において水酸化アルミニウム
微粉末に代えてシリコーン樹脂微粉末(トスパール14
5、平均粒子径4.5μm、東芝シリコーン社製)を用
いた以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を
作製した。作製した可逆性感熱記録媒体について、実施
例1と同様な測定を行ったところ、印字部濃度は0.9
7、消去部濃度は0.09であった。また、印字および
消去を50回繰り返したところ、印字部に打痕のない良
好な状態を保っていた。
【0079】実施例6 実施例1の記録層用塗布液において水酸化アルミニウム
微粉末に代えて針状酸化チタン微粉末(FTL−20
0、繊維長2.86μm、繊維径0.21μm、石原産
業社製)を用いた以外は実施例1と同様にして可逆性感
熱記録媒体を作製した。作製した可逆性感熱記録媒体に
ついて、実施例1と同様な測定を行ったところ、印字部
濃度は0.98、消去部濃度は0.09であった。ま
た、印字および消去を50回繰り返したところ、印字部
に打痕のない良好な状態を保っていた。
【0080】実施例7 実施例1の記録層用塗布液において2−アニリノ−3−
メチル−6−ジブチルアミノフルオランに代えて2−ア
ニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−p−トリル
アミノフルオランを用い、構造式(A)の電子受容性化
合物に代えて下記構造式(B)の電子受容性化合物を用
いた以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を
作製した。
【化6】 作製した可逆性感熱記録媒体について、実施例1と同様
な測定を行ったところ、印字部濃度は0.86、消去部
濃度は0.11であった。また、印字および消去を50
回繰り返したところ、印字部に打痕のない良好な状態を
保っていた。
【0081】実施例8 実施例1の記録層用塗布液において2−アニリノ−3−
メチル−6−ジブチルアミノフルオランに代えて2−ア
ニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオランを
用い、構造式(A)の電子受容性化合物に代えて下記構
造式(C)の電子受容性化合物を用い、更に80℃で乾
燥させた後の加熱条件を130℃で10分間および60
℃で24時間とした以外は実施例1と同様にして可逆性
感熱記録媒体を作製した。
【化7】 作製した可逆性感熱記録媒体について、実施例1と同様
に印字したところ、印字部濃度は0.94であった。次
にこの印字サンプルを130℃の恒温槽中で10秒間加
熱して画像を消去したところ、消去部濃度は0.08で
あった。また、印字および消去を50回繰り返したとこ
ろ、印字部に打痕のない良好な状態を保っていた。
【0082】実施例9 実施例1の記録層用塗布液において構造式(A)の電子
受容性化合物に代えて下記構造式(D)の電子受容性化
合物を用い、更に80℃で乾燥させた後の加熱条件を1
30℃で10分間および60℃で24時間とした以外は
実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【化8】 作製した可逆性感熱記録媒体について、実施例8と同様
な測定を行ったところ、印字部濃度は0.91、消去部
濃度は0.08であった。また、印字および消去を50
回繰り返したところ、印字部に打痕のない良好な状態を
保っていた。
【0083】実施例10 実施例1の記録層用塗布液において2−アニリノ−3−
メチル−6−ジブチルアミノフルオランに代えて3−
(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−
(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4
−アザフタリドを用い、構造式(A)の電子受容性化合
物に代えて下記構造式(E)の電子受容性化合物を用
い、更に80℃で乾燥させた後の加熱条件を130℃で
10分間および60℃で24時間とした以外は実施例1
と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【化9】 作製した可逆性感熱記録媒体について、実施例8と同様
な測定を行ったところ、印字部濃度は0.95、消去部
濃度は0.10であった。また、印字および消去を50
回繰り返したところ、印字部に打痕のない良好な状態を
保っていた。
【0084】実施例11 実施例1において保護層を形成しなかった以外は実施例
1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。作製し
た可逆性感熱記録媒体について、実施例1と同様な測定
を行ったところ、印字部濃度は0.92、消去部濃度は
0.08であった。また、印字および消去を50回繰り
返したところ、印字部に打痕のない良好な状態を保って
いた。
【0085】比較例1 実施例1の記録層用塗布液においてフェノキシ樹脂溶液
に代えて塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(VYHH、
ユニオンカーバイド社製)の15%メチルエチルケトン
溶液を用い、コロネートHLを使用しなかった以外は実
施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。作
製した可逆性感熱記録媒体について、実施例1と同様な
測定を行ったところ、印字部濃度は0.85、消去部濃
度は0.08であった。また、印字および消去を50回
繰り返したところ、1回目から打痕が発生し、50回目
では打痕のため均一な印字ができなかった。
【0086】比較例2 実施例1の記録層用塗布液においてフェノキシ樹脂溶液
に代えて塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(VYHH、
ユニオンカーバイド社製)の15%メチルエチルケトン
溶液を用い、水酸化アルミニウム微粉末とコロネートH
Lを使用しなかった以外は実施例1と同様にして可逆性
感熱記録媒体を作製した。作製した可逆性感熱記録媒体
について、実施例1と同様な測定を行ったところ、印字
部濃度は0.88、消去部濃度は0.08であった。ま
た、印字および消去を50回繰り返したところ、1回目
から打痕が発生し、50回目では打痕のため均一な印字
ができなかった。
【0087】
【発明の効果】本発明の可逆性感熱記録媒体によれば、
発色性と消色性が良好で、繰り返し印字・消去を行って
も記録媒体に打痕など機械的損傷の発生することが少な
く、繰り返し耐久性に優れた記録を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆性感熱記録媒体における発色消色
特性を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 筒井 恭治 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 松井 宏明 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、電子供与性呈色性化合物と
    電子受容性化合物を用い、加熱温度および/または加熱
    後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消色
    した状態を形成しうる可逆性熱発色組成物を含有する可
    逆性感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体において、
    該可逆性感熱記録層が架橋状態の樹脂と有機顔料および
    /または無機顔料とを含有することを特徴とする可逆性
    感熱記録媒体。
  2. 【請求項2】 有機顔料および/または無機顔料の平均
    粒子径が可逆性感熱記録層の厚さの0.8乃至1.5倍
    であることを特徴とする請求項1記載の可逆性感熱記録
    媒体。
  3. 【請求項3】 有機顔料および/または無機顔料が球形
    粒子であることを特徴とする請求項1または2記載の可
    逆性感熱記録媒体。
  4. 【請求項4】 有機顔料および/または無機顔料の形状
    が針状であることを特徴とする請求項1記載の可逆性感
    熱記録媒体。
  5. 【請求項5】 有機顔料および/または無機顔料の含有
    量が電子供与性呈色性化合物に対し、10乃至1000
    重量であることを特徴とする請求項1、2、3または4
    記載の可逆性感熱記録媒体。
  6. 【請求項6】 表面に硬化性樹脂を含有する保護層を有
    することを特徴とする請求項1、2、3、4または5記
    載の可逆性感熱記録媒体。
JP9145731A 1997-05-20 1997-05-20 可逆性感熱記録媒体 Pending JPH10315623A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9145731A JPH10315623A (ja) 1997-05-20 1997-05-20 可逆性感熱記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9145731A JPH10315623A (ja) 1997-05-20 1997-05-20 可逆性感熱記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10315623A true JPH10315623A (ja) 1998-12-02

Family

ID=15391846

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9145731A Pending JPH10315623A (ja) 1997-05-20 1997-05-20 可逆性感熱記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10315623A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004082955A1 (ja) * 2003-03-20 2004-09-30 Ricoh Company, Ltd. 可逆性感熱記録媒体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004082955A1 (ja) * 2003-03-20 2004-09-30 Ricoh Company, Ltd. 可逆性感熱記録媒体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3557076B2 (ja) 可逆性感熱発色組成物およびそれを用いた可逆性感熱記録媒体
JP3760431B2 (ja) 可逆性感熱記録媒体
JP3735762B2 (ja) 可逆性感熱記録媒体
JP2002248863A (ja) 可逆性感熱記録媒体及びその画像処理方法
JP3557077B2 (ja) 可逆性感熱発色組成物およびそれを用いた可逆性感熱記録媒体
JP2002166649A (ja) 可逆性感熱記録媒体及びこれの画像形成・消去方法
JPH10119440A (ja) 可逆性感熱発色組成物およびそれを用いた可逆性感熱記録媒体
JPH11188969A (ja) 可逆性感熱発色組成物およびそれを用いた可逆性感熱記録媒体
JP3824257B2 (ja) 可逆性感熱記録媒体及びそれを用いた表示装置並びに画像形成・消去方法
JP3300835B2 (ja) 可逆性感熱発色組成物およびそれを用いた可逆性感熱記録媒体
JP4132464B2 (ja) 可逆性感熱記録媒体
JPH10315623A (ja) 可逆性感熱記録媒体
JP2002248862A (ja) 可逆性感熱記録媒体及びその画像処理方法
JP3592554B2 (ja) 可逆性感熱記録媒体
JP2000185470A (ja) 可逆性感熱記録媒体
JP3592551B2 (ja) 可逆性感熱記録媒体
JPH10291371A (ja) 可逆性感熱記録媒体
JP2000203161A (ja) 可逆性感熱記録媒体
JP4132453B2 (ja) 可逆性感熱記録媒体
JP3557089B2 (ja) 可逆性感熱発色組成物およびそれを用いた可逆性感熱記録媒体
JPH10315626A (ja) 可逆性感熱記録媒体
JPH10291372A (ja) 可逆性感熱記録媒体
JP2001105735A (ja) 可逆性感熱記録媒体
JPH11198530A (ja) 可逆性感熱記録媒体
JPH10315627A (ja) 可逆性感熱記録媒体