JP2000203161A - 可逆性感熱記録媒体 - Google Patents

可逆性感熱記録媒体

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JP2000203161A
JP2000203161A JP11010276A JP1027699A JP2000203161A JP 2000203161 A JP2000203161 A JP 2000203161A JP 11010276 A JP11010276 A JP 11010276A JP 1027699 A JP1027699 A JP 1027699A JP 2000203161 A JP2000203161 A JP 2000203161A
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JP11010276A
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Atsushi Kutami
篤 久田見
Tetsuya Amano
哲也 天野
Kazumi Suzuki
一己 鈴木
Hiromi Furuya
浩美 古屋
Tadafumi Tatewaki
忠文 立脇
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰り返し使用によっても発色性と消色性が良
好で、しかも記録媒体のカール、搬送不良の発生のな
い、耐久性の良好な可逆性感熱記録媒体を提供するこ
と。 【解決手段】 支持体として厚みが250μm以上であ
り、かつその熱収縮率が150℃30分で0.1〜3.
0%であるものを用いる。さらに、支持体の裏面に体積
抵抗1010Ωcm以上の導電層を設けることが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子供与性呈色性
化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した
可逆性感熱発色組成物を用い、熱エネルギーを制御する
ことにより発色画像の形成と消去が可能な可逆性感熱記
録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子供与性呈色性化合物(以下、
発色剤またはロイコ染料ともいう)と電子受容性化合物
(以下、顕色剤ともいう)との間の発色反応を利用した
感熱記録媒体は広く知られており、ファクシミリ、ワー
ドプロセッサー、科学計測機などのプリンターに使用さ
れている。しかし、これらの実用化されている従来の記
録媒体はいずれも不可逆的な発色であり、一度記録した
画像を消去して繰り返して使用することはできない。
【0003】ただ、特許公報によれば発色と消色を可逆
的に行うことができる記録媒体も提案されており、たと
えば、顕色剤として没食子酸とフロログルシノールを組
合せを用いる特開昭60−193691号公報、顕色剤
にフェノールフタレインやチモールフタレインなどの化
合物を用いる特開昭61−237684号公報、発色剤
と顕色剤とカルボン酸エステルの均質相溶体を記録層に
含有する特開昭62−138556号、特開昭62−1
38568号および特開昭62−140881号各公
報、顕色剤にアスコルビン酸誘導体を用いる特開昭63
−173684号公報、顕色剤にビス(ヒドロキシフェ
ニル)酢酸または没食子酸と高級脂肪族アミンとの塩を
用いる特開平2−188293号公報および特開平2−
188294号公報などが開示されている。
【0004】さらに、本発明者らは、先に特開平5−1
24360号公報において、顕色剤として長鎖脂肪族炭
化水素基を持つ有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化
合物またはフェノール化合物を用い、これと発色剤であ
るロイコ染料と組み合わせることによって、発色と消色
を加熱冷却条件により容易に行わせることができ、しか
もその発色状態と消色状態を常温において安定に保持さ
せることが可能であり、その上発色と消色を安定して繰
り返すことが可能な可逆性感熱発色組成物、およびこれ
を記録層に用いた可逆性感熱記録媒体を提案した。また
その後、長鎖脂肪族炭化水素基を持つフェノール化合物
について特定の構造の使用が提案されている(特開平6
−210954号公報)。
【0005】このように、発色・消色を繰り返すことが
可能な可逆性感熱記録媒体が種々提案されてきたが、実
使用条件下で繰り返して印字・消去を行うと、画像濃度
の低下やカール(そり)や打痕(印字部分の変形)など
の問題が生じ、顕色剤とロイコ染料の組成物が持つ発色
・消色特性を十分に発揮できる可逆性感熱記録媒体は得
られていなかった。これは、サーマルヘッドによる印字
が、高温への加熱と同時に記録媒体への機械的な力を加
えながら行われるため、記録層や保護層など記録媒体を
構成する層の構造が変化し、繰り返しにより破壊されて
いくことによるものである。
【0006】このような記録媒体の問題に対し、特開平
6−340171号公報には、記録層厚の1.1倍以上
の平均粒子径を有する粒子の添加による繰り返し耐久性
の改善が提案され、また、特開平8−156410号公
報には、特定の光沢度及び表面粗さの保護層を設けるこ
とによってヘッドマッチング性を向上させることによる
繰り返し耐久性の改善が提案されている。しかしなが
ら、あまりにも多数回の熱履歴の繰り返しのため、この
方法では十分な繰り返し耐久性の改善を達成することは
できない。さらに、シリコーンオイル、フッ素樹脂、ワ
ックス等の滑剤をコートしても、媒体自身が変形し、平
面の媒体がカールし、プリンターの搬送性、印字性、消
去性に不具合が生じる。しかも、滑剤は多く付けると、
サーマルヘッドカスとなり、印字不良を招く。さらに、
ヘッドの反対側のプラテンロールの熱の影響を受けるた
め、余分な熱エネルギーが取られ、印字性が不安定にな
る。
【0007】
【発明の解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、繰り返し使用によっても発色性と消色性が良好で、
しかも記録媒体のカール、搬送不良の発生のない、印字
性の安定な、かつ耐久性の良好な可逆性感熱記録媒体を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の支持体
等を使用することにより、カールが少なく、安定した搬
送ができ、耐久性が向上した記録媒体が得られることを
見い出し、本発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明によれば、支持体上に、
電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を主成分と
して含有し、加熱温度および/または加熱後の冷却速度
の違いにより相対的に発色した状態と消色した状態を形
成し得る可逆性感熱発色組成物を含有する可逆性感熱記
録層を少なくとも有する可逆性感熱記録媒体において、
上記支持体の厚みが250μm以上であり、かつ該支持
体の熱収縮率が150℃30分で0.1〜3.0である
ことを特徴とする可逆性感熱記録媒体が提供される。第
二に、前記記録媒体の支持体の裏面に体積抵抗1010Ω
cm以上の導電層を有することを特徴とする上記第一に
記載した可逆性感熱記録媒体が提供される。第三に、前
記記録媒体の両面の上層に硬化性樹脂を主成分とする層
を有することを特徴とする上記第一または第二に記載し
た可逆性感熱記録媒体が提供される。第四に、前記記録
媒体の支持体を除くすべての層が、硬化性樹脂を主成分
としていることを特徴とする上記第一〜第三のいずれか
に記載した可逆性感熱記録媒体が提供される。
【0010】なお、本発明でいう支持体の熱収縮率は、
A4サイズにした試料を縦200mm、横150mmの
ところにマークを付け、150℃30分熱処理し、前後
の寸法変化より計算して求めたものである。
【0011】本発明の可逆性感熱記録媒体は、支持体上
に少なくとも可逆性感熱記録層を設けてなる可逆性感熱
記録媒体において、支持体として厚みが250μm以上
で、かつ熱収縮率が150℃30分で0.1〜3.0%
であるものを使用したことから、記録媒体のカール、搬
送不良の発生のない、耐久性の良好なものとなるし、そ
の上厚めの支持体を用いたことから(下側への耐熱効果
により)厚みに応じて消去、印字が容易になるという効
果も加わる。また、支持体は導電性がないため摩擦帯電
しやすく、重送を起しやすい。そこで、サーマルヘッド
の影響を受けない裏面に1010Ωcm以上の導電層を設
けることによって、より搬送性がよくなる。さらに、上
記記録媒体の表裏面の上層に硬化性樹脂を主成分とする
層を設けるか、あるいは上記記録媒体の支持体を除くす
べての層を、硬化性樹脂を主成分とすることによって、
サーマルヘッドの熱、消去装置の熱による表面内部の軟
化によって搬送不良が生じることがなくなり、より耐久
性の優れたものとなる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の可逆性感熱記録媒
体について詳しく説明する。本発明において、支持体と
して厚みが250μm以上で、かつ熱収縮率が150℃
30分で0.1〜3.0%であるものが用いられるが、
この条件を満足するものであれば、その材質としては
紙、樹脂フィルム、合成紙、金属箔、ガラスまたはこれ
らの複合体など、任意のものを使用することができる。
ただ、これらの中で特に記録媒体の発色の色の点から白
色ポリエステルフィルム(表面が白色に印刷されたポリ
エステルフィルムでもよい)が好ましい。上記条件の支
持体を使用することにより、消去のとき片面加熱処理さ
れても片面の収縮に対し変形が小さくなる。なお、外表
面から支持体表面上までの厚さ(すなわち、支持体上の
塗布層の厚さ)は、5〜30μmとするのが適当であ
る。30μm超過では消去と印字の熱エネルギーが高く
なり記録層本体が壊れるおそれがあるし、逆に5μm未
満では発色機能が低下する。また、支持体としては、熱
伝導係数が高いもの、たとえば2〜5×10−4cal
/cm・sec・℃であるものが好ましい。
【0013】上記支持体は基本的に絶縁体であるため、
摩擦による帯電が生じ、支持体同士の重送が生じるが、
本発明においては、裏面に少しの導電性(1010Ωcm
以上)がある層を設けることにより、重送が減少する。
【0014】また、本発明においては、記録媒体の両面
の上層に設けられる層または記録媒体の支持体を除くす
べての層が硬化性樹脂を主成分とするものであることが
好ましい。軟化性樹脂だと片面側の変形を押さえきれな
いし、上下の層の強度を保つことができない。その上、
消去において軟化して搬送不良なる。なお、該樹脂層の
硬化レベルが鉛筆硬度4H以上だと、薄くしないとカー
ルが大きく、薄すぎると逆カールとなる。従って、この
場合該樹脂層の厚みは0.1〜3μmが最適である。ま
た、硬化レベルがH〜3Hだと、該樹脂層の厚みは2〜
10μmとするのが最適である。用いる耐熱性樹脂およ
び硬化性樹脂は、すべて常温25℃で、鉛筆硬度H以上
である必要がある(使用材料については後記する)。硬
度H未満では、消去において硬化して搬送不良となる
し、かつ繰り返し特性が低下する。
【0015】本発明の可逆性感熱記録媒体は、支持体上
に少なくとも可逆性感熱記録層を設けたものであって、
必要に応じて該記録層上に保護層を設けた構成が一般的
である。もちろん、前記した支持体を補強するための樹
脂層を含め、記録媒体としての特性を向上するために、
いわゆる接着層、中間層、アンダーコート層、バックコ
ート層などを設けることができる。また、これらの各層
および支持体は、着色剤により着色されていてもよい。
【0016】可逆性感熱記録層は、電子供与性呈色性化
合物(すなわち発色剤)と電子受容性化合物(すなわち
顕色剤)を主成分とする可逆性感熱発色組成物とバイン
ダー樹脂とからなる。記録層の形成に用いられるバイン
ダー樹脂としては、たとえばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸
ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、エチルセルロ
ース、ポリスチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ
樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタ
ン、ポリカーボネート、ポリアクリル酸エステル、ポリ
メタクリル酸エステル、アクリル酸系共重合体、マレイ
ン酸系共重合体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニ
ルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、デンプン類などがある。これらの
バインダー樹脂の役割は、組成物の各材料が記録消去の
熱印加によって片寄ることなく均一に分散した状態を保
つことにある。したがって、バインダー樹脂には耐熱性
の高い樹脂を用いることが好ましい。また、硬化性樹脂
を用いてもよい。
【0017】硬化性樹脂としては、たとえば架橋剤およ
びこの架橋剤と反応する活性基を有する樹脂の組み合わ
せであり、熱、電子線、紫外線等により架橋硬化される
樹脂である。熱硬化で用いられる樹脂は、たとえばフェ
ノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースア
セテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレ
ートなど、水酸基、カルボキシル基など架橋剤と反応す
る基を持つ樹脂、または水酸基、カルボキシル基などを
持つモノマーとそれ以外のモノマーを共重合した樹脂が
ある。共重合樹脂には、たとえば塩ビ系、アクリル系、
スチレン系などの樹脂があり、具体的には塩化ビニル−
酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−
酢酸ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体
等が例示できる。
【0018】熱架橋の架橋剤としては、たとえばイソシ
アネート類、アミン類、フェノール類、エポキシ化合物
等が挙げられる。たとえば、イソシアネート類として
は、イソシアネート基を複数持つポリイソシアネート化
合物であり、具体的にはヘキサメチレンジイソシアネー
ト(HDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、
キシリレンジイソシアネート(XDI)等、およびこれ
らのトリメチロールプロパンなどによるアダクトタイ
プ、ビュレットタイプ、イソシアヌレートタイプおよび
ブロック化イソシアネート類等が挙げられる。架橋剤の
樹脂に対する添加量としては、樹脂中の含まれる活性基
の数に対する架橋剤の官能基の比が0.01〜2.0が
好ましく、これ以下では熱強度が不足してしまい、また
これ以上添加すると発色・消色特性に悪影響をおよぼ
す。またさらに、架橋促進剤としてこの種の反応に用い
られる触媒を用いてもよい。架橋促進剤としては、たと
えば1,4−ジアザービシクロ〔2,2,2〕オクタン
などの3級アミン類、有機すず化合物などの金属化合物
などが挙げられる。
【0019】次に、電子線および紫外線硬化の際に用い
られるモノマーとしては、たとえば以下のものが挙げら
れる。 単官能性モノマーの例 メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸
t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタク
リル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル
酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリ
ル酸ベンジル、メタクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロ
キシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メ
タクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチルメチルクロライド塩、メタクリル酸ジエ
チルアミノエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリ
ル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸アリル、ジ
メタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸トリ
エチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレング
リコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコー
ル、ジメタクリル酸1,6−ヘキサンジオール、トリメ
タクリル酸トリメチロールプロパン、メタクリル酸2−
エトキシエチル、2−エチルヘキシルアクリレート、2
−エトキシエチルアクリレート、2−エトキシエトキシ
エチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジシクロペ
ンテニルエチルアクリレート、N−ビニルピロリドン、
酢酸ビニル等。
【0020】2官能性モノマーの例 1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキ
サンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオール
ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリプ
ロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレング
リコールジアクリレート、ビスフェノールAエチレンオ
キサイド付加物ジアクリレート、グリセリンメタクリレ
ートアクリレート、ネオペンチルグリコールのプロピレ
ンオキサイド2モル付加物のジアクリレート、ジエチレ
ングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール
(400)ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸とネ
オペンチルグリコールのエステルのジアクリレート、
2,2−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)
プロパン、ネオペンチルグリコールジアジペートのジア
クリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコ
ールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレート、2
−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−
ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサンジ
アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリ
レート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート
のε−カプロラクトン付加物、1,6−ヘキサンジオー
ルのグリシジルエーテルのジアクリレート等。
【0021】多官能性モノマーの例 トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセリン
プロピレンオキサイド付加アクリレート、トリスアクリ
ロイルオキシエチルフォスフェート、ペンタエリスリト
ールアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレ
ンオキサイド3モル付加物のトリアクリレート、ジペン
タエリスリトール・ポリアクリレート、ジペンタエリス
リトールのカプロラクトン付加物のポリアクリレート、
プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロ
パントリアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリ
トールのテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパ
ンテトラアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリ
トールのペンタアクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレートのε−カプロラクトン付加物等。
【0022】オリゴマーの例 ビスフェノールA−ジエポキシアクリル酸付加物等。
【0023】また、紫外線を用いて架橋させる場合に
は、次のような光重合開始剤、光重合促進剤を用いる。
光重合開始剤の例としては、イソブチルベンゾインエー
テル、イソプロピルベンゾインエーテル、ベンゾインエ
チルエーテル、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾイ
ンエーテル類;1−フェニル−1,2−プロパンジオン
−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のα−ア
シロキシムエステル;2,2−ジメトキシ−2−フェニ
ルアセトフェノン、ベンジル、ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン等のベンジルケタール類;ジエトキシ
アセトンフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−
フェニルプロパン−1−オン等のアセトフェノン誘導
体;ベンゾフェノン、1−クロロチオキサントン、2−
クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、
2−メチルチオキサントン、2−クロロベンゾフェノン
等のケトン類が挙げられる。これらの光重合開始剤は、
単独でまたは2種類以上併用して使用される。添加量と
してはモノマーまたはオリゴマー1重量部に対して0.
005〜1.0重量部が好ましく、さらに好ましくは
0.01〜0.5重量部である。
【0024】光重合促進剤としては、芳香族系の第3ア
ミンや脂肪族系アミンがある。具体的には、p−ジメチ
ルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルア
ミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。これらの
光重合促進剤は、単独でまたは2種類以上併用して使用
される。添加量としては光重合開始剤1重量部に対して
0.1〜5重量部が好ましく、さらに好ましくは0.3
〜3重量部である。
【0025】紫外線照射の際の光源としては、水銀ラン
プ、メタルハライドランプ、ガリウムランプ、水銀キセ
ノンランプ、フラッシュランプなどがあるが、前記した
光重合開始剤および光重合促進剤の紫外線吸収波長に対
応した発光スペクトルを有する光源を使用すればよい。
また、紫外線照射条件としては、樹脂を架橋させるため
に必要な照射エネルギーに応じてランプ出力、搬送速度
を決めればよい。また、電子線照射装置としては、照射
面積、照射線量などの条件に応じて走査形、非走査形い
ずれかを選べは良く、照射条件としては樹脂を架橋する
のに必要な線量に応じて、電子流、照射幅、搬送速度を
決めれば良い。
【0026】また、本発明においては、記録層上に保護
層、特に好ましくは硬化性樹脂を用いた保護層を有して
いてもよく、この場合の硬化性樹脂としては前記の熱硬
化性樹脂、紫外線硬化樹脂、電子硬化樹脂などが用いら
れる。これにより、印字時のヘッドマッチング性が向上
したものとなり、さらに繰り返し耐久性の向上したもの
となる。また、保護層中には紫外線吸収剤、無機または
/および有機フィラー、滑剤などの添加剤を含有させる
ことができる。
【0027】次に、本発明の可逆性感熱記録媒体におい
て発色剤と組み合わせて用いられる顕色剤について説明
する。顕色剤には、すでに特開平5−124360号公
報に、長鎖炭化水素基を持つリン酸化合物、脂肪酸化合
物、フェノール化合物の代表例とともに開示されている
ように、顕色剤と発色剤が凝集構造を形成することによ
り発色が安定化し、また両者のうち少なくとも一方の化
合物の分子が凝集あるいは結晶化することにより、発色
剤と顕色剤が相分離して消色するため、分子内に発色剤
を発色させることができる顕色能を持つ構造と、分子間
の凝集力をコントロールする構造を併せ持つ化合物が使
用される。顕色能を持つ構造としては、一般の感熱記録
媒体と同様に、例えば、フェノール性水酸基、カルボキ
シル基、リン酸基などの酸性の基が用いられるが、これ
らに限らず発色剤を発色できる基を持てばよい。これら
には、例えばチオ尿素基、カルボン酸金属塩などがあ
る。分子間の凝集力をコントロールする代表的な構造と
しては、長鎖アルキル基などの炭化水素基がある。この
炭化水素基の炭素数は、一般的には8以上であることが
良好な発色・消色特性を得る上で好ましい。また、この
炭化水素基には不飽和結合が含まれていてもよく、また
分枝状の炭化水素基も包含される。この場合も、主鎖部
分は炭素数8以上であることが好ましい。また、この炭
化水素基は、たとえばハロゲン原子、水酸基、アルコキ
シ基などの基で置換されていてもよい。
【0028】上記のように顕色剤は、顕色能を持つ構造
と炭化水素基で代表される凝集力を制御する構造が連結
した構造を持つ。この連結部分には下記に示すようなヘ
テロ原子を含む2価の基、またはこれらの基が複数個組
合わせた基をはさんで結合していてもよい。また、フェ
ニレン、ナフチレンなどの芳香環または複素環などをは
さんで結合していてもよいし、これら両方をはさんでい
てもよい。炭化水素基は、その鎖状構造中に上記と同様
な2価の基、すなわち芳香環やヘテロ原子を含む2価の
基を有するものであってもよい。以下、本発明で併用さ
れる顕色剤について具体的に例示する。
【0029】有機リン酸系の顕色剤としては、以下のよ
うな化合物が例示できる。ドデシルホスホン酸、テトラ
デシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデ
シルホスホン酸、エイコシルホスホン酸、ドコシルホス
ホン酸、テトラコシルホスホン酸、リン酸ジテトラデシ
ルエステル、リン酸ジヘキサデシルエステル、リン酸ジ
オクタデシルエステル、リン酸ジエイコシルエステル、
リン酸ジベヘニルエステルなど。
【0030】脂肪族カルボン化合物としては、以下のよ
うな化合物が例示できる。2−ヒドロキシテトラデカン
酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、2−ヒドロキシオ
クタデカン酸、2−ヒドロキシエイコサン酸、2−ヒド
ロキシドコサン酸、2−ブロモヘキサデカン酸、2−ブ
ロモオクタデカン酸、2−ブロモエイコサン酸、2−ブ
ロモドコサン酸、3−ブロモオクタデカン酸、3−ブロ
モドコサン酸、2,3−ジブロモオクタデカン酸、2−
フルオロドデカン酸、2−フルオロテトラデカン酸、2
−フルオロヘキサデカン酸、2−フルオロオクタデカン
酸、2−フルオロエイコサン酸、2−フルオロドコサン
酸、2−ヨードヘキサデカン酸、2−ヨードオクタデカ
ン酸、3−ヨードヘキサデカン酸、3−ヨードオクタデ
カン酸、パーフルオロオクタデカン酸など。
【0031】脂肪族ジカルボン酸およびトリカルボン酸
化合物としては、以下のような化合物が例示できる。2
−ドデシルオキシこはく酸、2−テトラデシルオキシこ
はく酸、2−ヘキサデシルオキシこはく酸、2−オクタ
デシルオキシこはく酸、2−エイコシルオキシこはく
酸、2−ドデシルオキシこはく酸、2−ドデシルチオこ
はく酸、2−テトラデシルチオこはく酸、2−ヘキサデ
シルチオこはく酸、2−オクタデシルチオこはく酸、2
−エイコシルチオこはく酸、2−ドコシルチオこはく
酸、2−テトラコシルチオこはく酸、2−ヘキサデシル
ジチオこはく酸、2−オクタデシルジチオこはく酸、2
−エイコシルジチオこはく酸、ドデシルこはく酸、テト
ラデシルこはく酸、ペンタデシルこはく酸、ヘキサデシ
ルこはく酸、オクタデシルこはく酸、エイコシルこはく
酸、ドコシルこはく酸、2,3−ジヘキサデシルこはく
酸、2,3−ジオクタデシルこはく酸、2−メチル−3
−ヘキサデシルこはく酸、2−メチル−3−オクタデシ
ルこはく酸、2−オクタデシル−3−ヘキサデシルこは
く酸、ヘキサデシルマロン酸、オクタデシルマロン酸、
エイコシルマロン酸、ドコシルマロン酸、ジヘキサデシ
ルマロン酸、ジオクタデシルマロン酸、ジドコシルマロ
ン酸、メチルオクタデシルマロン酸、2−ヘキサデシル
グルタル酸、2−オクタデシルグルタル酸、2−エイコ
シルグルタル酸、ドコシルグルタル酸、2−ペンタデシ
ルアジピン酸、2−オクタデシルアジピン酸、2−エイ
コシルアジピン酸、2−ドコシルアジピン酸、2−ヘキ
サデカノイルオキシプロパン−1,2,3−トリカルボ
ン酸、2−オクタデカノイルオキシプロパン−1,2,
3−トリカルボン酸など。
【0032】カルボン酸化合物としては、下記一般式
(1)で表される化合物も用いることができる。
【化1】
【0033】一般式(1)で表されるカルボン酸化合物
の具体例を、下記表1〜13にp、q、r、s、A、
B、X、Yの数または構造で示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】
【表6】
【0040】
【表7】
【0041】
【表8】
【0042】
【表9】
【0043】
【表10】
【0044】
【表11】
【0045】
【表12】
【0046】
【表13】
【0047】また、顕色剤に用いるカルボン酸化合物と
しては、下記一般式(2)で表される化合物が例示でき
る。
【化2】
【0048】一般式(2)で表されるカルボン酸化合物
の具体例を、下記表14〜18にn、p、q、r、R、
X、Yの数または構造で示す。
【0049】
【表14】
【0050】
【表15】
【0051】
【表16】
【0052】
【表17】
【0053】
【表18】
【0054】顕色剤には、分子間凝集力を制御する構造
を持つフェノール化合物も好ましく用いられる。これに
は、例えば下記一般式(3)で表されるフェノール化合
物が例示できる。
【化3】
【0055】一般式(3)で表されるフェノール化合物
の具体例を下記表19〜25にp、q、r、s、X、
A、Y、Zの数または構造で示す。但し、これらのそれ
ぞれの具体例においてフェノール部のnは1〜3であ
り、例えば、4−ヒドロキシフェニル、3−ヒドロキシ
フェニル、2−ヒドロキシフェニル、2,4−ジヒドロ
キシフェニル、3,4−ジヒドロキシフェニルまたは
3,4,5−トリヒドロキシフェニルなどの水酸基を少
なくとも一つ以上有するフェニル基である。このフェニ
ル基には、水酸基以外の置換基を有していてもよい。ま
た、フェノール性水酸基を有するものであれば、他の芳
香環であってもよい。
【0056】
【表19】
【0057】
【表20】
【0058】
【表21】
【0059】
【表22】
【0060】
【表23】
【0061】
【表24】
【0062】
【表25】
【0063】本発明で用いる発色剤は電子供与性を示す
ものであり、それ自体無色あるいは淡色の染料前駆体
(ロイコ染料)であり、とくに限定されず、従来公知の
もの、たとえばフタリド系化合物、アザフタリド系化合
物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、ロ
イコオーラミン系化合物などから選択できる。その発色
剤を以下に示す。
【0064】本発明に用いる好ましい発色剤として下記
の一般式の化合物がある。
【化4】
【化5】 (ただし、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル
基、R2は炭素数1〜6アルキル基、シクロアキル基ま
たは置換されていてもよいフェニル基を示す。フェニル
基に対する置換基としては、メチル基、エチル基などの
アルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ
基またはハロゲン原子等が示される。R3は水素原子、
炭素数1〜2のアルキル基、アルコキシ基またはハロゲ
ン原子を表す。R4は水素原子、メチル基、ハロゲン原
子または置換されていても良いアミノ基を表す。アミノ
基に対する置換基としては、例えば、アルキル基、置換
されていても良いアリール基、置換されていても良いア
ラルキル基を示す。ここでの置換基はアルキル基、ハロ
ゲン原子、アルコキシ基などである。)
【0065】このような発色剤の具体例としては、例え
ば次の化合物が挙げられる。 2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ(n−ブチル
アミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−
N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メ
チル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フル
オラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−ア
ミル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−メチルア
ミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2
−アニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル−
N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メ
チル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N
−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2
−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トル
イジノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(m
−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエ
チルアミノフルオラン、2−(m−トリフルロロメチル
アニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチ
ル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フ
ルオラン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メ
チル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−エチ
ル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−エチル
アニリノ)フルオラン、2−(N−エチル−p−トルイ
ジノ)−3−メチル−6−(N−プロピル−p−トルイ
ジノ)フルオラン、2−アニリノ−6−(N−n−ヘキ
シル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(o−クロ
ロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
(o−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラ
ン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−6−ジエ
チルアミノフルオラン、2−(p−アセチルアニリノ)
−6−(N−n−アミル−N−n−ブチルアミノ)フル
オラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−
トルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−
(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラ
ン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−2,4−
ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−
6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−
ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)
フルオラン、2−(ジ−p−メチルベンジルアミノ)−
6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−
(α−フェニルエチルアミノ)−6−(N−エチル−p
−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−
(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ
−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−メチル
アミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、2
−エチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)
フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチル−
2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−エチルア
ミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)
フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−メチルア
ニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−
エチルアニリノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6
−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジ
エチルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フ
ルオラン、2−ジプロピルアミノ−6−(N−メチルア
ニリノ)フルオラン、2−ジプロピルアミノ−6−(N
−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N
−メチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N
−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N
−プロピルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−
(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミ
ノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フ
ルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−エチル
アニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル
−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−
(N−プロピル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2
−アミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリ
ノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−2,
4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−
(N−プロピル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラ
ン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−クロロアニリ
ノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−
クロロアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−
プロピル−p−クロロアニリノ)フルオラン、2,3−
ジメチル−6−ジメトルアミノフルオラン、3−メチル
−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2
−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−ブロモ
−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロロ−6−ジ
プロピルアミノフルオラン、3−クロロ−6−シクロヘ
キシルアミノフルオラン、3−ブロモ−6−シクロヘキ
シルアミノフルオラン、2−クロロ−6−(N−エチル
−N−イソアミルアミノ)フルオラン、2−クロロ−3
−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリ
ノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
(o−クロロアニリノ)−3−クロロ−6−シクロヘキ
シルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルア
ニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−(2,3−ジクロロアニリノ)−3−クロロ−
6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−
ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N
−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、1,2
−ベンゾ−6−ジブチルアミノフルオラン、1,2−ベ
ンゾ−6−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)
フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−
トルイジノ)フルオラン、その他。
【0066】本発明において好ましく用いられる他の発
色剤の具体例を示すと、以下の通りである。 2−アニリノ−3−メチル−6−(N−2−エトキシプ
ロピル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(p−ク
ロロアニリノ)−6−(N−n−オクチルアミノ)フル
オラン、2−(p−クロロアニリノ)−6−(N−n−
パルミチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニ
リノ)−6−(ジ−n−オクチルアミノ)フルオラン、
2−ベンゾイルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイ
ジノ)フルオラン、2−(o−メトキシベンゾイルアミ
ノ)−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラ
ン、2−ジベンジルアミノ−4−メチル−6−ジエチル
アミノフルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−メトキ
シ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−ジベンジルアミノ−4−メチル−6−(N−エチル
−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエ
チルアミノ)−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、2−(p−トルイジノ)−3−(t−ブチル)−
6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−
(o−メトキシカルボニルアミノ)−6−ジエチルアミ
ノフルオラン、2−アセチルアミノ−6−(N−メチル
−p−トルイジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−
6−(m−トリフロロメチルアニリノ)フルオラン、4
−メトキシ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フル
オラン、2−エトキシエチルアミノ−3−クロロ−6−
ジブチルアミノフルオラン、2−ジベンジルアミノ−4
−クロロ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオ
ラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−4−クロロ
−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−ベンジル
−p−トリフロロメチルアニリノ)−4−クロロ−6−
ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル
−6−ピロリジノフルオラン、2−アニリノ−3−クロ
ロ−6−ピロリジノフルオラン、2−アニリノ−3−メ
チル−6−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル
アミノ)フルオラン、2−メシジノ−4’,5’−ベン
ゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフ
ロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ピロリジノフ
ルオラン、2−(α−ナフチルアミノ)−3,4ベンゾ
−4’−ブロモ−6−(N−ベンジル−N−シクロヘキ
シルアミノ)フルオラン、2−ピペリジノ−6−ジエチ
ルアミノフルオラン、2−(N−n−プロピル−p−ト
リフロロメチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオラ
ン、2−(ジ−N−p−クロロフェニル−メチルアミ
ノ)−6−ピロリジノフルオラン、2−(N−n−プロ
ピル−m−トリフロロメチルアニリノ)−6−モルフォ
リノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−
N−n−オクチルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ
−6−ジアリルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6
−(N−エトキシエチル−N−エチルアミノ)フルオラ
ン、ベンゾロイコメチレンブルー、2−[3,6−ビス
(ジエチルアミノ)]−6−(o−クロロアニリノ)キ
サンチル安息香酸ラクタム、2−[3,6−ジエチルア
ミノ)]−9−(o−クロロアニリノ)キサンチル安息
香酸ラクタム、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェ
ニル)−フタリド、3、3−ビス(p−ジメチルアミノ
フェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリス
タルバイオレットラクトン)、3,3−ビス−(p−ジ
メチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリ
ド、3,3−ビス−(p−ジメチルアミノフェニル)−
6−クロロフタリド、3,3−ビス−(p−ジブチルア
ミノフェニル)フタリド、3−(2−メトキシ−4−ジ
メチルアミノフェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4,
5−ジクロロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキ
シ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メトキ
シ−5−クロロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロ
キシ−4−ジメトキシアミノフェニル)−3−(2−メ
トキシ−5−クロロフェニル)フタリド、3−(2−ヒ
ドロキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−
メトキシ−5−ニトロフェニル)フタリド、3−(2−
ヒドロキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(2
−メトキシ−5−メチルフェニル)フタリド、3−(2
−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2
−ヒドロキシ−4−クロロ−5−メトキシフェニル)フ
タリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンス
ピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3
−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−
3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−
4−アザフタリド、3−(1−オクチル−2−メチルイ
ンドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエ
チルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−
エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2
−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザ
フタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチル
アミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス
(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−
アザフタリド、6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾ
インドリノ−スピロピラン、6’−ブロモ−2’−メト
キシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、その他。
【0067】本発明の可逆性感熱記録媒体は、加熱温度
および/または加熱後の冷却速度の違いにより、相対的
に発色した状態と消色した状態を形成し得るものであ
る。この基本的な発色・消色現象を説明する。図1はこ
の記録媒体の発色濃度と温度との関係を示したものであ
る。はじめ消色状態(A)にある記録媒体を昇温してい
くと、溶融し始める温度T1で発色が起こり、溶融発色
状態(B)となる。溶融発色状態(B)から急冷する
と、発色状態のまま室温に下げることができ、固まった
発色状態(C)となる。この発色状態が得られるかどう
かは、溶融状態からの降温の速度に依存しており、徐冷
では降温の過程で消色が起き、はじめと同じ消色状態
(A)あるいは急冷発色状態(C)より相対的に濃度の
低い状態が形成される。一方、急冷発色状態(C)をふ
たたび昇温していくと、発色温度より低い温度T2で消
色が起き(DからE)、ここから降温するとはじめと同
じ消色状態(A)に戻る。実際の発色温度、消色温度
は、用いる顕色剤と発色剤の組合せにより変化するの
で、目的に合わせて選択できる。また、溶融発色状態の
濃度と急冷したときの発色濃度は、必ずしも一致するも
のではなく、異なる場合もある。
【0068】本発明の可逆性感熱記録媒体では、溶融発
色状態(B)から急冷して得られた発色状態(C)は顕
色剤と発色剤が分子同子で接触反応し得る状態で混合さ
れた状態であり、これは固体状態を形成してることが多
い。この状態は顕色剤と発色剤が凝集して発色を保持し
た状態であり、この凝集構造の形成により発色が安定化
していると考えられる。一方、消色状態は両者が相分離
した状態である。この状態は少なくとも一方の化合物の
分子が集合してドメインを形成したり結晶化した状態で
あり、凝集あるいは結晶化することにより発色剤と顕色
剤が分離して安定化した状態であると考えられる。本発
明では多くの場合、両者が相分離し顕色剤が結晶化する
ことによってより完全な消色が起きる。図1に示した溶
融状態から徐冷による消色および発色状態からの昇温に
よる消色は、いずれもこの温度で凝集構造が変化し相分
離や顕色剤の結晶化が起きているものと考えられる。
【0069】本発明の可逆性感熱記録媒体の発色記録の
形成は、サーマルヘッドなどによりいったん溶融混合す
る温度に加熱し、急冷すればよい。また、消色は加熱状
態から徐冷する方法と発色温度よりやや低い温度に加熱
する方法の二つである。しかし、これらは両者が相分離
したり、少なくとも一方が結晶化する温度に一時的に保
持するという意味で同じである。発色状態の形成で急冷
するのは、この相分離温度または結晶化温度に保持しな
いようにするためである。ここにおける急冷と徐冷はひ
とつの組成物に対して相対的なものであり、その境界は
発色剤と顕色剤の組合せにより変化する。
【0070】可逆性感熱記録層中の発色剤と顕色剤の割
合は、使用する化合物の組合せにより適切な範囲が変化
するが、おおむねモル比で発色剤1に対し顕色剤が0.
1〜20の範囲であり、好ましくは0.2から10の範
囲である。この範囲より顕色剤が少なくても多くても発
色状態の濃度が低下し、問題となる。
【0071】記録層は発色剤と顕色剤が存在していれば
どのようなものでもよいが、一般的にはバインダー樹脂
中に発色剤と顕色剤が細かく均一に分散した状態が用い
られる。発色剤と顕色剤は個々に粒子を形成していても
よいが、より好ましくは複合された粒子として分散され
た状態を形成するのが好ましい。これは発色剤と顕色剤
をいったん溶融したり溶解することによつて達成でき
る。このような記録層の形成は、各材料をそれぞれ溶剤
中で分散溶解したのち混合した液、あるいは各材料を混
合して溶剤中で分散または溶解した液を支持体上に塗布
し、乾燥することによって行なわれる。顕色剤および発
色剤はマイクロカプセル中に内包して用いることもでき
る。
【0072】本発明の可逆性感熱記録媒体には、必要に
応じて記録層の塗布特性を改善したり制御するための添
加剤を用いることができる。これらの添加剤には、たと
えば分散剤、界面活性剤、導電剤、充填剤、滑剤、酸化
防止剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、発色安定化剤、他
の消色促進剤などがある。
【0073】本発明の導電層は、金、アルミニウム、カ
ーボンなどの導電性微粉の樹脂層(この場合の樹脂とし
ては前記記録層形成用の樹脂と同様なものが用いられ
る)で形成されているか、蒸着、スパッタによる金属膜
で形成されているか、あるいはLB膜で形成されてい
る。
【0074】記録層上に必要に応じて設けられる保護層
は、前述したように硬化性樹脂からなるものが好ましい
が、保護層に用いる樹脂としては、前記の硬化性樹脂な
どの他に、ポリビニルアルコール、スチレン無水マレイ
ン酸共重合体、カルボキシ変性ポリエチレン、メラミン
−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂
が挙げられる。
【0075】記録層と保護層の接着性向上、保護層の塗
布による記録層の変質防止、保護層中の添加剤の記録層
への移行を防止する目的で、両者の間に中間層を設ける
ことも好ましい。また、記録層の上に設置される保護
層、中間層には酸素透過性の低い樹脂を用いることが耐
光性を向上させる上で好ましい。これにより記録層中の
発色剤および顕色剤の酸化を防止または低減することが
可能になる。
【0076】また、印加した熱を有効に利用するため、
支持体と記録層の間に断熱性のアンダーコート層を設け
ることができる。断熱層は、有機または無機の微小中空
体粒子をバインダー樹脂を用いて塗布することにより形
成できる。支持体と記録層の接着性の改善や支持体への
記録層材料の浸透防止を目的としたアンダーコート層を
設けることもできる。
【0077】中間層、アンダーコート層には、前記の記
録層用の樹脂と同様の樹脂を用いることができる。ま
た、保護層、中間層、記録層およびアンダーコート層に
は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、
酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、カオリン、タルクな
どの無機フィラーおよび/または各種有機フィラーを含
有させることができる。その他、滑剤、界面活性剤、分
散剤などを含有させることもできる。
【0078】また、保護層の上に、印刷層を設けること
ができるが、該印刷層も、染料、顔料をふくんだ硬化性
樹脂で形成することが好ましい。このようにすると、印
刷面を保護し、画像表示面も保護する上記硬化性樹脂を
主成分とした保護層が形成されたことになる。また、印
刷層を保護する上記硬化性樹脂からなる保護層をさらに
設けてもよい。
【0079】なお、カール発生抑止の点からは、上記の
すべての層が、上記の硬化性樹脂を主成分にしているこ
とが好ましい。特に、上記支持体の表裏面が、厚み、硬
化条件で硬度2H以上の樹脂を被膜していることが好ま
しい。上記記録媒体の両表面が、ここで定義するうねり
の平均値が周期(微小な凹凸を平均化した後の最大のう
ねり)で50〜200μm、高さ(1/2振幅)で0.
5〜3μmである〔(株)東京精密サーフコム〕ことが好
ましい。
【0080】これらの多数の積層構成は、接着性が悪
く、改善するためには、硬化する前、後の組み合わせが
必要である。すなわち、積層方法として、同系列の樹脂
層を構成する場合、溶剤塗工において、下層は、必ず硬
化処理した後で上層に塗工する方法を採用することが好
ましいし、また異系列の樹脂層を構成する場合、溶剤塗
工において、下層は、必ず硬化処理しないでおいて上層
に塗工し、あとから硬化する方法を採用することが好ま
しい。さらに、支持体の裏面、表面に磁気層などの別の
機能性の層を設けることよって、用途が拡大する。
【0081】本発明の可逆性感熱記録媒体を用いて発色
画像を形成させるためには、いったん発色温度以上に加
熱したのち急冷されるようにすればよい。具体的には、
例えばサーマルヘッドやレーザー光で短時間加熱すると
記録層が局部的に加熱されるため、直ちに熱が拡散し急
激な冷却が起こり、発色状態が固定できる。一方、消色
させるためには適当な熱源を用いて比較的長時間加熱し
冷却するか、発色温度よりやや低い温度に一時的に加熱
すればよい。長時間加熱すると記録媒体の広い範囲が昇
温し、その後の冷却は遅くなるため、その過程で消色が
起きる。この場合の加熱方法には、熱ローラー、熱スタ
ンプ、熱風などを用いてもよいし、サーマルヘッドを用
いて長時間加熱してもよい。記録層を消色温度域に加熱
するためには、例えばサーマルヘッドへの印加電圧やパ
ルス幅を調節することによって、印加エネルギーを記録
時よりやや低下させればよい。この方法を用いれば、サ
ーマルヘッドだけで記録・消去ができ、いわゆるオーバ
ーライトが可能になる。もちろん、熱ローラー、熱スタ
ンプによって消色温度域に加熱して消去することもでき
る。
【0082】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳しく
説明する。なお、実施例中の「部」および「%」はいず
れも重量を基準とするものである。
【0083】実施例1 上記組成物をボールミルを用いて平均粒径0.1〜1μ
m(堀場製作所製LA7000にて測定)まで粉砕分散
した。 2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン 2部 下記の構造の顕色剤 8部
【化6】 熱硬化性樹脂(三菱レイヨン社製LR503) の15%テトラヒドロフラン(THF)溶液 150部 得られた分散液に日本ポリウレタン社製コロネートHL
(アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート 75%
酢酸エチル溶液)20部を加え、良く撹拌し記録層塗布
液を調製した。上記組成の記録層塗布液を、厚さ250
μmの白色ポリエステルフィルム〔U29−250(表
面処理pH4〜6)帝人社製〕上にワイヤーバーを用い
塗布し、80℃で乾燥した後、100℃10分、60℃
24時間加熱して、膜厚約6.0μmの記録層を設け
た。なお、上記白色ポリエステルフィルムの熱収縮率
は、150℃30分で0.5〜1.2%であった。ま
た、その熱伝導係数は、2〜3×10-4cal/cm・
sec・℃であった(ASTM−C117に準拠する方
法で測定)。
【0084】上記記録層上に下記組成よりなる中間層液
をワイヤーバーで塗布し、100℃で乾燥した。 〈中間層液〉 酸化亜鉛(住友大阪セメント社製 ZS303) 4部 熱硬化性樹脂(三菱レイヨン社製 LR503) 2部 コロネートHL 0.5部 MEK 4部
【0085】上記中間層上に、下記組成の保護層液をワ
イヤーバーを用いて塗工した後、照射エネルギー80W
/cmの紫外線ランプ下を9m/分の搬送速度で通して
硬化して膜厚3μmの保護層を設け、60℃24時間加
熱して硬化させた。 〈保護層液〉 ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂 10部 (大日本インキ社製C7−157) 酢酸エチル 90部
【0086】さらに、表面に下記の組成からなるOP印
刷保護層液をRIテスターを用いて塗工した後、照射エ
ネルギー80W/cmの紫外線ランプを9m/分の搬送
速度で通して硬化して膜厚2μm(アンリツ社製厚味計
により測定)、凸凹1周期100μm、高さ1μm(東
京精密社製サーフコムにより測定)のOP印刷保護層を
設け、本発明の可逆性感熱記録媒体を作製した。 〈OP印刷保護層液〉 UVインキ(JSR社製KZ7641)
【0087】作製した記録媒体をカード形状にして、九
州松下社製R3000感熱印字消去装置にて、電圧0.
7mJ/dotで印字し、設定150℃で消去し、繰り
返したところ、発色性と消色性が良好で、しかもカール
のない搬送性の良好な状態を保っていた。その結果を表
26に示す。
【0088】実施例2 実施例1において、支持体の裏面に実施例1の保護層液
に炭酸カルシウムを5%添加し平均粒径1〜5μmに分
散してなる保護層液を用いて、厚さ3μm、凸凹1周期
10μm、高さ1μmの保護層を積層したこと以外は、
実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
作製した記録媒体を、実施例1と同様に印字・消去を繰
り返したところ、実施例1と同様に発色性と消色性が良
好で、しかもカールのない搬送性の良好な状態を保って
いた。その結果を表26に示す。
【0089】実施例3 実施例1において、支持体の裏面に大日本インク化学工
業社製DS1731という1750Oeの磁気層と硬化
タイプ保護層を積層したこと以外は、実施例1と同様に
して可逆性感熱記録媒体を作製した。作製した記録媒体
を、実施例1と同様に印字・消去を繰り返したところ、
実施例1と同様に発色性と消色性が良好で、しかもカー
ルのない搬送性の良好な状態を保っていた。その結果を
表26に示す。
【0090】実施例4 実施例1において、白色ポリエステルフィルム(U29
−250)の裏面にスパッタでハステロイ加工して得ら
れた1010Ωcmの体積抵抗の支持体を用いたこと以外
は、実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製し
た。作製した記録媒体を、実施例1と同様に印字・消去
を繰り返したところ、記録媒体同士重ね合せても、へば
りつかなく、容易にストッカーなどからこの媒体を重送
なく1枚ごと取り出すことができた。その結果を表26
に示す。
【0091】比較例1 実施例1において、支持体として150℃30分で熱収
縮率2.5〜3.5%の厚さ188μmの白色ポリエス
テルフィルム[U29−188(表面処理pH4〜6)
帝人社製]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして
可逆性感熱記録媒体を作製した。作製した記録媒体を、
実施例1と同様に印字・消去を繰り返したところ、カー
ルの発生がみられ、かつ異音の発生もみられた。その結
果を表26に示す。
【0092】なお、評価方法は下記によった。 (イ)カール:巾60mm(長さ80mm)の記録媒体
を長さ方向に搬送したときの両端(搬送方向と直角方
向)のそり工合(mm)を測定する。3mm以下なら合
格とする。 (ロ)搬送性:搬送可否と異音発生有無で判断する。 (ハ)発色:九州松下電器社製プリンターR3000シ
リーズで消去を行って印字までのモードを連続にしたと
きの画像の発色の有無をみる。
【0093】
【表26】
【0094】
【発明の効果】本発明の可逆性感熱記録媒体は、繰り返
し使用によっても発色性と消色性が良好で、しかも記録
媒体のカール、搬送不良の発生のない、耐久性の良好な
ものであり、その上支持体の断熱効果により印字・消去
が容易になり、実用性の高い書換え型記録媒体が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆性感熱記録媒体の発色・消色特性
を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 一己 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 古屋 浩美 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 立脇 忠文 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H026 AA07 AA09 AA21 BB01 BB21 CC00 EE00 FF01 FF11 FF13 FF17

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、電子供与性呈色性化合物と
    電子受容性化合物を主成分として含有し、加熱温度およ
    び/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色
    した状態と消色した状態を形成し得る可逆性感熱発色組
    成物を含有する可逆性感熱記録層を少なくとも有する可
    逆性感熱記録媒体において、上記支持体の厚みが250
    μm以上であり、かつ該支持体の熱収縮率が150℃3
    0分で0.1〜3.0%であることを特徴とする可逆性
    感熱記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記記録媒体の支持体の裏面に体積抵抗
    1010Ωcm以上の導電層を有することを特徴とする請
    求項1記載の可逆性感熱記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記記録媒体の両面の上層に硬化性樹脂
    を主成分とする層を有することを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の可逆性感熱記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記記録媒体の支持体を除くすべての層
    が、硬化性樹脂を主成分としていることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003091041A1 (fr) 2002-04-23 2003-11-06 Ricoh Company, Ltd. Carte d'enregistrement/affichage de donnees, procede de traitement d'image utilisant celle-ci et processeur d'image
JP2004001263A (ja) * 2002-05-31 2004-01-08 Mitsubishi Paper Mills Ltd 可逆性感熱記録材料
US6989349B2 (en) 2002-04-23 2006-01-24 Ricoh Company, Ltd. Information recording-displaying card, image processing method using same, and image processor

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