JP3909797B2 - 可逆性感熱記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した可逆性感熱発色組成物を用い、熱エネルギーを制御することにより発色画像の形成と消去が可能な可逆性感熱記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子供与性呈色性化合物(以下、発色剤またはロイコ染料ともいう)と電子受容性化合物(以下、顕色剤ともいう)との間の発色反応を利用した感熱記録媒体は広く知られており、OA化の進展と共にファクシミリ、ワードプロセッサー、科学計測機などの出力用紙として、また最近ではプリペイドカードやポイントカードなどの磁気感熱カードとしても広く使用されている。しかし、これら実用化されている従来の記録媒体は環境問題上、リサイクルや使用量の減量化などの見直しが迫られているが、不可逆的な発色であるため、一度記録した画像を消去して繰り返し使用することはできないし、新しい情報は画像が記録されていない部分に追記されるぐらいで記録可能な部分の面積は限られている。そのため、記録する情報量を減らしたり、記録エリアがなくなった時点でカードを作り直しているのが実状である。そこで、近年盛んに論じられているゴミ問題や森林破壊問題を背景に、何度でも書き換え可能な可逆性感熱記録媒体の開発が望まれている。
【0003】
これらの要求から様々な可逆性感熱記録媒体が提案されてきた。例えば、透明・白濁という物理的変化を利用した高分子タイプの可逆性感熱記録媒体が特開昭63−107584号公報、特開平4−78573号公報などに開示されている。しかし、透明地に白濁させる方式なため、発色部と消色部のコントラストが十分でなく、暗い場所・光が強く当たる場所・角度により視認性が悪いという問題を有している。
【0004】
そこで上記問題を解決する方法として、化学的変化を利用した染料タイプの可逆性感熱記録媒体が提案されている。これは、白地に染料を発色させる方式なため、発色部と消色部のコントラストが高く、視認性に優れるという利点がある。具体的な可逆性感熱記録媒体として、例えば顕色剤として没食子酸とフロログルシノールを組み合わせを用いるもの(特開昭60−193691号公報)、顕色剤にフェノールフタレインやチモールフタレインなどの化合物を用いるもの(特開昭61−237684号公報)、発色剤と顕色剤とカルボン酸エステルの均質相溶体を記録層に含有するもの(特開昭62−138556号公報、特開昭62−138568号公報および特開昭62−140881号公報)、顕色剤にアスコールビン酸誘導体を用いたもの(特開昭63−173684号公報)、顕色剤にビス(ヒドロキシフェニル)酢酸または没食子酸と高級脂肪族アミンとの塩を用いるもの(特開平2−188293号公報および特開平2−188294号公報)などが開示されている。
【0005】
さらに本発明者らは、先に特開平5−124360号公報において顕色剤として長鎖脂肪族炭化水素基をもつ有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物またはフェノール化合物を用い、これと発色剤であるロイコ染料とを組み合わせることによって、発色と消色を加熱冷却条件により容易に行なわせることができ、しかもその発色状態と消色状態を常温において安定に保持させることが可能であり、しかも発色と消色を繰り返すことが可能な可逆性感熱発色組成物、およびこれを記録層に用いた可逆性感熱記録媒体を提案した。またその後、長鎖脂肪族炭化水素基をもつフェノール化合物について特定の構造のものを使用することが提案されている(特開平6−210954公報)。
【0006】
しかし、実使用条件下では繰り返して印字・消去を行なうと画像濃度の低下や打こん(印字部分の変形)などの問題が生じ、顕色剤とロイコ染料の組成物がもつ発色・消色特性を十分に発揮できる可逆性感熱記録媒体は得られていなかった。これは、サーマルヘッドによる印字が、高温への加熱と同時に記録媒体への機械的な力を加えながら行なわれるため、記録層や保護層など記録媒体を構成する層の構造が変化し、繰り返しにより破壊されていくことによるものである。
【0007】
このような記録媒体の問題に対し、特開平6−340171号公報には記録層厚の1.1倍以上の平均粒子径を有する粒子の添加による繰り返し耐久性の向上が提案され、また特開平8−156410号公報には特性の光沢度及び表面粗さの保護層を設けることによりヘッドマッチング性を向上させることにより繰り返し耐久性の向上が提案されている。
【0008】
しかしながら、これらの記録層、保護層を用いても繰り返し印字・消去の際の塗工層の破壊を完全に防止することはできず、多数回の使用により記録媒体表面に打こんが発生してしまうために印字の不良などが起こり、実質的には繰り返し使用が少ない回数に制限されてしまうという問題を有していた。
【0009】
また、特開平7−52542号公報、特開平7−68933号公報、特開平8−132735号公報、特開平8−310128号公報、特開平9−272262号公報、特開平9−300817号公報、特開平9−300820号公報などにおいて特定の消色促進剤を添加することにより、高速消去特性が提案されているが、可逆的な色調変化を生じさせる電子受容性化合物およびバインダーが変わることによって、消色時の画像濃度が高かったり、消色開始温度及び消色温度範囲等に改善が見られないという問題を有していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、消去バーやサーマルヘッドなどの消去デバイスを用いて高速消去が可能な可逆性感熱記録媒体を提供することにあり、更に繰り返し使用によっても記録媒体への打こんの発生のない、耐久性が良好な可逆性感熱記録媒体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、この課題を解決するため鋭意検討を行なった結果、特定の結晶性ポリエステル樹脂を使用することにより、かかる目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、支持体上に、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を用い、加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより、相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうる可逆性熱発色組成物を含有する可逆性感熱記録層を少なくとも有する可逆性感熱記録媒体に於いて、該可逆性感熱記録層中に(a)構造式HO−(CH2)n−OH(n=2〜7)で表わされるグリコールおよび水素化ビスフェノールAから選ばれるいずれか1種の多アルコール成分と、(b)テレフタル酸、イソフタル酸およびイタコン酸から選ばれるいずれか1種の多価カルボン酸成分から得られる結晶性ポリエステル樹脂を含有することで、高速消去特性が得られることを見いだした。
【0012】
また、結晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度が60℃以上であったり、重量平均分子量が8000以上であったり、更に該樹脂がイソシアネート系などの硬化剤によって架橋状態にあることで、記録層の力学的強度が向上し記録媒体の繰り返し耐久性が向上することを見いだした。
【0013】
以下、本発明の可逆性感熱記録媒体について詳しく説明する。
本発明の結晶性ポリエステル樹脂は、(a)構造式HO−(CH2)n−OH(n=2〜7)で表わされるグリコールおよび水素化ビスフェノールAから選ばれるいずれか1種の多アルコール成分と、(b)テレフタル酸、イソフタル酸およびイタコン酸から選ばれるいずれか1種の多価カルボン酸成分から得られることが必要であり、これら範囲をはずれると、消去デバイスを用いての高速消去が劣るという問題が発生する。
【0014】
本発明の構造式HO−(CH2)n−OH(n=2〜7)で表わされるグリコールとしては、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオールである。主体的成分でないこれら以外のグリコールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
【0015】
また、テレフタル酸、イソフタル酸、イタコン酸以外の主体的成分でない、併用可能な酸成分としては、無水マレイン酸、フマル酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、オルトフタル酸、スルホイソフタル酸ナトリウム、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
【0016】
本発明においては消色速度の向上の他に、以下に示すようにガラス転移温度としては60℃以上、重量平均分子量が8000以上、水酸基価としては5(KOHmg/g)以上であり架橋されていることにより、繰り返し使用によっても記録媒体への打こんの発生がなく、耐久性が優れる効果を有する。
ガラス転移温度としては60℃以上が好ましく、特に好ましくは70℃以上であるほうがよい。ガラス転移温度が60℃以上では上記打こん、耐久性の他、硬化乾燥時間が短くて済み、発色特性および保存特性が向上し、60℃未満では耐久性が劣るという問題が発生する。
【0017】
本発明の結晶性ポリエステル樹脂は、分子量としてはゲルパーミエーションクロマトグラフィー法で決定した重量平均分子量が8000以上が好ましく、特に好ましくは10000以上であるほうがよい。分子量が8000以上では上記打こん、耐久性の他、乾燥性が向上するためキュアー時間の短縮など生産面でメリットがある。しかし、分子量が8000未満では塗膜表面硬度が弱いため耐久性が劣るという問題が発生する。
【0018】
水酸基価としては5(KOHmg/g)以上が好ましく、特に好ましくは10(KOHmg/g)以上であるほうがよい。水酸基価の大小は架橋密度に影響し、水酸基価が高いほど架橋密度が高く、高耐久となるため塗膜の耐化学薬品性、物性などを左右する。本発明者らは、水酸基価が5(KOHmg/g)以上で耐久性、塗膜表面硬度、ワレ抵抗性が向上することを見いだした。
【0019】
また、硬化剤の樹脂に対する添加量としては、樹脂中に含まれる水酸基の数に対する硬化剤の活性基の数のモル比で0.5〜15が、耐久性上即ち架橋密度上好ましく、特に好ましくは0.8〜10である。0.5未満では熱強度が不足してしまい耐久性が低下し、また15を越えて添加すると発色濃度の低下・消色特性の低下が発生する。本発明における硬化剤としてはイソシアネート系硬化剤が耐久性上好ましい。
【0020】
本発明に用いられるイソシアネート系硬化剤としては、イソシアネート基を複数もつポリイソシアネート化合物であり、具体的にはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)等、およびこれらのトリメチロールプロパンなどによるアダクトタイプ、ビュレットタイプ、イソシアヌレートタイプ及びブロック化イソシネート類等が挙げられる。中でも特にヘキサメチレンジイソシアネートが好ましく、このアダクトタイプ、ビュレットタイプ、イソシアヌレートタイプが好ましく用いられる。
【0021】
更に、架橋促進剤としてこの種の反応に用いられる触媒を用いてもよい。
架橋促進剤としては、例えば1,4−ジアザ−ビシクロ[2,2,2]オクタンなどの3級アミン類、有機すず化合物などの金属化合物などが挙げられる。また、硬化剤は添加した全量が架橋反応をしていてもしていなくてもよい。すなわち、未反応硬化剤が存在していてもよい。この種の架橋反応は経時的に進行するため、未反応の硬化剤が存在していることは架橋反応が全く進行していないことを示すのではなく、未反応の硬化剤が検出されることにより架橋状態にある樹脂が存在することが示唆されるからである。
【0022】
本発明で用いられるロイコ染料の例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、ロイコ染料を単独または混合して用いることもできる。
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ(n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−6−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2,3−ジメチル−6−ジメトルアミノフルオラン、3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−ブロモ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロロ−6−ジプロピルアミノフルオラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−クロロ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2,3−ジクロロアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−(m−トリフロロメチルアニリノ)フルオラン、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−N−n−アミル−N−メチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド。
【0023】
本発明で用いる発色剤は前記のフルオラン化合物、アザフタリド化合物の他に、従来公知のロイコ染料を単独または混合して使用することができる。その発色剤を以下に示す。
2−(p−アセチルアニリノ)−6−(N−n−アミル−N−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(ジ−p−メチルベンジルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジプロピルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−ジプロピルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−クロロアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−クロロアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−クロロアニリノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジブチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−トルイジノ)フルオラン、その他。
【0024】
本発明において好ましく用いられる他の発色剤の具体例を示すと以下の通りである。
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−2−エトキシプロピル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリノ)−6−(N−n−オクチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリノ)−6−(N−n−パルミチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリノ)−6−(ジ−n−オクチルアミノ)フルオラン、2−ベンゾイルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(o−メトキシベンゾイルアミノ)−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−メトキシ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(p−トルイジノ)−3−(t−ブチル)−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(o−メトキシカルボニルアミノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アセチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、4−メトキシ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−エトキシエチルアミノ−3−クロロ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−クロロ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−4−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−ベンジル−p−トリフロロメチルアニリノ)−4−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ピロリジノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ピロリジノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)フルオラン、2−メシジノ−4’,5’−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ピロリジノフルオラン、2−(α−ナフチルアミノ)−3,4ベンゾ−4’−ブロモ−6−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、2−ピペリジノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−n−プロピル−p−トリフロロメチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオラン、2−(ジ−N−p−クロロフェニル−メチルアミノ)−6−ピロリジノフルオラン、2−(N−n−プロピル−m−トリフロロメチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−n−オクチルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジアリルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エトキシエチル−N−エチルアミノ)フルオラン、ベンゾロイコメチレンブルー、2−[3,6−ビス(ジエチルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)キサンチル]安息香酸ラクタム、2−[3,6−ジエチルアミノ)−9−(o−クロロアニリノ)キサンチル]安息香酸ラクタム、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス−(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス−(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロロフタリド、3,3−ビス−(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4,5−ジクロロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−クロロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメトキシアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−クロロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−ニトロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)フタリド、3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4−クロロ−5−メトキシフェニル)フタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、6’−ブロモ−2’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、その他。
【0025】
次に発色剤と組み合わせて用いられる顕色剤について説明する。顕色剤は先に特開平5−124360号公報に長鎖脂肪族炭化水素基をもつ有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物またはフェノール化合物の代表例と共に開示されているように、分子内に発色剤を発色させることができる顕色能をもつ構造と分子間の凝集力をコントロールする構造を併せ持つ化合物が使用される。顕色能をもつ構造としては、フェノール性水酸基、カルボキシル基、リン酸基などの酸性の基が用いられるが、これらに限らず、チオ尿素基、カルボン酸金属基など発色剤を発色できる基を持てばよい。分子間の凝集力をコントロールする構造の代表例としては長鎖アルキル基等の炭化水素基などがある。この炭化水素基の炭素数は8以上であることが良好な発色・消色特性を得る上で好ましい。また、この炭化水素基には不飽和結合が含まれてもよく、また分枝状の炭化水素基も包含される。この場合も主鎖部分は炭素数8以上であることが好ましい。上記のように顕色剤は、顕色能をもつ構造と炭化水素基のような分子間の凝集力をコントロールする構造が連結した構造を持つ。この連結部分にはヘテロ原子を含む2価の基、または、これらの基を複数個組み合わせた基をはさんで結合していてもよい。
以下、本発明に用いられる顕色剤について具体的に例示する。なお、顕色剤は単独で用いてもよいし2種類以上を混合して用いてもよい。
【0026】
【化2】
式中、X1はヘテロ原子を含む2価の基または直接結合手を示し、X2はヘテロ原子を含む2価の基を示す。R1は2価の炭化水素基を表わし、R2は炭素数1から22の炭化水素基を表わし、R 1 及びR 2 の炭素数の和が8以上であることが好ましい。また、pは0から4の整数を表わし、pが2から4の時繰り返されるR1およびX2は同一でも、異なっていてもよい。また、qは1から3を表わす。
【0027】
具体的には、R1およびR2は置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、これらは脂肪族炭化水素基でも芳香族炭化水素基でもよく、また、これらの両方から構成される炭化水素基でもよい。また脂肪族炭化水素基は直鎖でも分枝していてもよく、不飽和結合を有していてもよい。炭化水素基につく置換基としては、水酸基、ハロゲン、アルコキシ基等がある。なお、R1は直接結合手でもよい。
またR1及びR2の炭素数の和が7以下では発色の安定性や消色性が低下するため、炭素数は8以上が好ましく、11以上であることがより好ましい。X1及びX2はヘテロ原子を含む2価の基を示し、好ましくは表1で表わされる基を少なくとも1個以上有する2価の基を表わす。
その具体例としては、下記のものが挙げられる。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
本発明におけるフェノール化合物の具体的な例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、フェノール化合物を単独または混合して用いることもできる。
【0030】
【表3】
また、さらに具体的なフェノール化合物としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0031】
【表4】
【0032】
有機リン酸系の顕色剤としては以下のような化合物が例示できる。
ドデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホスホン酸、ドコシルホスホン酸、テトラコシルホスホン酸、リン酸ジテトラデシルエステル、リン酸ジヘキサデシルエステル、リン酸ジオクタデシルエステル、リン酸ジエイコシルエステル、リン酸ジベヘニルエステルなど。
【0033】
脂肪族カルボン化合物としては以下のような化合物が例示できる。
2−ヒドロキシテトラデカン酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、2−ヒドロキシオクタデカン酸、2−ヒドロキシエイコサン酸、2−ヒドロキシドコサン酸、2−ブロモヘキサデカン酸、2−ブロモオクタデカン酸、2−ブロモエイコサン酸、2−ブロモドコサン酸、3−ブロモオクタデカン酸、3−ブロモドコサン酸、2,3−ジブロモオクタデカン酸、2−フルオロドデカン酸、2−フルオロテトラデカン酸、2−フルオロヘキサデカン酸、2−フルオロオクタデカン酸、2−フルオロエイコサン酸、2−フルオロドコサン酸、2−ヨードヘキサデカン酸、2−ヨードオクタデカン酸、3−ヨードヘキサデカン酸、3−ヨードオクタデカン酸、パーフルオロオクタデカン酸など。
【0034】
脂肪族ジカルボン酸およびトリカルボン酸化合物としては以下のような化合物が例示できる。
2−ドデシルオキシこはく酸、2−テトラデシルオキシこはく酸、2−ヘキサデシルオキシこはく酸、2−オクタデシルオキシこはく酸、2−エイコシルオキシこはく酸、2−ドデシルオキシこはく酸、2−ドテシルチオこはく酸、2−テトラデシルチオこはく酸、2−ヘキサデシルチオこはく酸、2−オクタデシルチオこはく酸、2−エイコシルチオこはく酸、2−ドコシルチオこはく酸、2−テトラコシルチオこはく酸、2−ヘキサデシルジチオこはく酸、2−オクタデシルジチオこはく酸、2−エイコシルジチオこはく酸、ドデシルこはく酸、テトラデシルこはく酸、ペンタデシルこはく酸、ヘキサデシルこはく酸、オクタデシルこはく酸、エイコシルこはく酸、ドコシルこはく酸、2,3−ジヘキサデシルこはく酸、2,3−ジオクタデシルこはく酸、2−メチル−3−ヘキサデシルこはく酸、2−メチル−3−オクタデシルこはく酸、2−オクタデシル−3−ヘキサデシルこはく酸、ヘキサデシルマロン酸、オクタデシルマロン酸、エイコシルマロン酸、ドコシルマロン酸、ジヘキサデシルマロン酸、ジオクタデシルマロン酸、ジドコシルマロン酸、メチルオクタデシルマロン酸、2−ヘキサデシルグルタル酸、2−オクタデシルグルタル酸、2−エイコシルグルタル酸、ドコシルグルタル酸、2−ペンタデシルアジピン酸、2−オクタデシルアジピン酸、2−エイコシルアジピン酸、2−ドコシルアジピン酸、2−ヘキサデカノイルオキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸、2−オクタデカノイルオキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸など。
【0035】
本発明の可逆性感熱記録媒体には、必要に応じて記録層の塗布特性や発色消色特性を改善したり制御するための添加剤を用いることができる。これらの添加剤には、例えば界面活性剤、導電剤、充填剤、酸化防止剤、光安定化剤、発色安定化剤、消色促進剤などがある。消色促進剤として好ましくは、ヘテロ原子を含む2価の基と炭素数8以上のアルキル鎖を有する化合物であったり、N,N’−2置換基を有する化合物であったりするが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
【0036】
本発明の可逆性感熱記録媒体は、加熱温度およびまたは加熱後の冷却速度により相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうるものである。この本発明に用いられる発色剤と顕色剤からなる組成物の基本的な発色・消色現象を説明する。図1はこの記録媒体の発色濃度と温度との関係を示したものである。はじめ消色状態(A)にある記録媒体を昇温していくと、溶融し始める温度T1で発色が起こり溶融発色状態(B)となる。溶融発色状態(B)から急冷すると発色状態のまま室温に下げることができ、固まった発色状態(C)となる。この発色状態が得られるかどうかは、溶融状態からの降温の速度に依存しており、徐冷では降温の過程で消色が起き、はじめと同じ消色状態(A)あるいは急冷発色状態(C)より相対的に濃度の低い状態が形成される。一方、急冷発色状態(C)をふたたび昇温していくと発色温度より低い温度T2で消色が起き(DからE)、ここから降温するとはじめと同じ消色状態(A)に戻る。実際の発色温度、消色温度は、用いる顕色剤と発色剤の組み合わせにより変化するので目的に合わせて選択できる。また溶融発色状態の濃度と急冷したときの発色濃度は、必ずしも一致するものではなく、異なる場合もある。
【0037】
本発明の記録媒体では、溶融状態から急冷して得た発色状態(C)は顕色剤と発色剤が分子どうしで接触反応しうる状態で混合された状態であり、これは固体状態を形成していることが多い。この状態は顕色剤と発色剤が凝集して発色を保持した状態であり、この凝集構造の形成により発色が安定化していると考えられる。一方、消色状態は両者が相分離した状態である。この状態は少なくとも一方の化合物の分子が集合してドメインを形成したり結晶化した状態であり、凝集あるいは結晶化することにより発色剤と顕色剤が分離して安定化した状態であると考えられる。本発明では多くの場合、両者が相分離し顕色剤が結晶化することによってより完全な消色が起きる。図1に示した溶融状態から徐冷による消色および発色状態からの昇温による消色は、いずれもこの温度で凝集構造が変化し、相分離や顕色剤の結晶化が起きている。
【0038】
本発明の可逆性感熱記録媒体の発色記録の形成はサーマルヘッドなどによりいったん溶融混合する温度に加熱し、急冷すればよい。また、消色は加熱状態から徐冷する方法と発色温度よりやや低い温度に加熱する方法の二つである。しかし、これらは両者が相分離したり、少なくとも一方が結晶化する温度に一時的に保持するという意味で同じである。発色状態の形成で急冷するのは、この相分離温度または結晶化温度に保持しないようにするためである。ここにおける急冷と徐冷はひとつの組成物に対して相対的なものであり、その境界は発色剤と顕色剤の組み合わせにより変化する。
【0039】
発色剤と顕色剤の割合は、使用する化合物の組み合わせにより適切な範囲が変化するが、おおむねモル比で発色剤1に対し顕色剤が0.1から20の範囲であり、好ましくは0.2から10の範囲である。この範囲より顕色剤が少なくても多くても発色状態の濃度が低下し問題となる。また、消色促進剤、発色消色制御剤の割合は顕色剤に対し0.1重量%から300重量%が好ましく、より好ましくは3重量%から100重量%が好ましい。又、発色剤と顕色剤はマイクロカプセル中に内包して用いることもできる。
【0040】
記録層中の発色成分と樹脂の割合は、発色成分1に対して0.1から10が好ましく、これより少ないと記録層の熱強度が不足し、これより多い場合には発色濃度が低下して問題となる。
【0041】
記録層の形成には、前記の顕色剤、発色剤、種々の添加剤、硬化剤及び架橋状態にある樹脂ならびに塗液溶媒よりなる混合物を均一に混合分散させて調製した塗液を用いる。塗液調製に用いられる溶媒の具体例としては、
水;メタノール、エタノール、イソプロパノール,n−ブタノール、メチルイソカルビノールなどのアルコール類;アセトン、2−ブタノン、エチルアミルケトン、ジアセトンアルコール、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、3,4−ジヒドロ−2H−ピランなどのエーテル類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテートなどのグリコールエーテルアセテート類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、エチレンカーボネートなどのエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、iso−オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロプロパン、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;N−メチル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドンなどのピロリドン類等を例示することができる。
【0042】
塗液調製はペイントシェーカー、ボールミル、アトライター、三本ロールミル、ケディーミル、サンドミル、ダイノミル、コロイドミル等公知の塗液分散装置を用いて行なうことができる。又、上記塗液分散装置を用いて各材料を溶媒中に分散してもよいし、各々単独で溶媒中に分散して混ぜ合わせてもよい。更に加熱溶解して急冷または除冷によって析出させてもよい。
【0043】
記録層を設ける塗工方法については特に制限はなく、ブレード塗工、ワイヤーバー塗工、スプレー塗工、エアナイフ塗工、ビード塗工、カーテン塗工、グラビア塗工、キス塗工、リバースロール塗工、ディップ塗工、ダイ塗工等公知の方法を用いることができる。
【0044】
記録層の乾燥・硬化方法は塗布・乾燥後、必要に応じて硬化処理を行なう。高温槽等を用いて比較的高温で短時間でもよく、又比較的低温で長時間かけて熱処理してもよい。架橋反応の具体的な条件としては反応性の面から30℃〜130℃程度の温度条件で1分から150時間程度加温することが好ましい。より好ましくは40℃〜100℃の温度条件で2分から120時間程度加温することが好ましい。また、支持体としてPETフィルムを用いることが多いが、PETフィルムの耐熱性から130℃以上での乾燥は困難であることから、乾燥条件程度では架橋時間が短いため十分な架橋ではない。したがって、乾燥過程とは別に架橋工程を設ける必要がある。さらに、架橋温度を非常に高温にした場合、架橋が急速に進行するが、これにより層表面の塗れ性が極端に劣化し、塗工不良が起きたり、積層した層間の接着性が悪化する問題が生じる。そこで、架橋温度としては40℃〜100℃の温度条件で2分から120時間程度加温することが好ましい。記録層の膜厚は1〜20μmの範囲が好ましく、より好ましくは3〜10μmである。
【0045】
本発明の可逆性感熱記録媒体の支持体としては紙、樹脂フィルム、PETフィルム、合成紙、金属箔、ガラスまたはこれらの複合体などであり、記録層を保持できるものであればよい。また、必要に応じた厚みのものが単独あるいは貼り合わす等して用いることができる。すなわち、数μm程度から数mm程度まで任意の厚みの支持体が用いられる。また、これらの支持体は可逆性感熱記録層と同一面および/または反対面に磁気記録層を有していてもよい。また、本発明の可逆性感熱記録媒体は粘着層等を介して、他の媒体へ貼り付けてもよい。あるいは、PETフィルムなどの支持体の片面にバックコート層を設け、該バックコート層の反対面に熱転写リボンに用いられる剥離層、剥離層上に本発明の感熱記録層、更に表面上に紙、樹脂フィルム、PETフィルムなどに転写できる樹脂層を設け熱転写プリンターを用いて転写させてもよい。本発明の可逆性感熱記録媒体は、シート状あるいはカード状に加工されていてもよく、その形状は任意の形状に加工することができ、また、媒体表面への印刷加工を施すことができる。また、本発明の可逆性感熱記録媒体は、非可逆の感熱記録層を併用してもよく、このときそれぞれの記録層の発色色調は同じでも異なってもよい。
【0046】
また本発明によれば従来公知の熱硬化性樹脂、紫外線硬化樹脂、電子硬化樹脂を用いた保護層を有していてもよい。これにより、印字時のヘッドマッチング性が向上したものとなり、さらに繰り返し耐久性の向上したものとなる。
【0047】
また、紫外線を用いて架橋させる場合には次のような光重合開始剤、光重合促進剤を用いてもよい。その例としては、イソブチルベンゾインエーテル、イソプロピルベンゾインエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類。
1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のα−アシロキシムエステル。
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンジル、ヒドロキシシクロヘキシルフェノールケトン等のベンジルケタール類。
ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のアセトフェノン誘導体。
ベンゾフェノン、1−クロロチオキサントン、2−クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロベンゾフェノン等のケトン類が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独でまたは2種類以上併用して使用される。添加量としては架橋剤1重量部に対して0.005〜1.0重量部が好ましく、更に好ましくは0.01〜0.5重量部である。
【0048】
光重合促進剤としては芳香族系の第3アミンや脂肪族系アミンがある。具体的にはp−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。これらの光重合促進剤は、単独でまたは2種類以上併用して使用される。添加量としては光重合開始剤1重量部に対して0.1〜5重量部が好ましく、更に好ましくは0.3〜3重量部である。
【0049】
本発明に用いる紫外線照射の際の光源としては水銀ランプ、メタルハライドランプ、ガリウムランプ、水銀キセノンランプ、フラッシュランプなどがあるが、前記した光重合開始剤及び光重合促進剤の紫外線吸収波長に対応した発光スペクトルを有する光源を使用すればよい。また、紫外線照射条件としては、樹脂を架橋させるために必要な照射エネルギーに応じてランプ出力、搬送速度を決めればよい。
【0050】
また、電子線照射装置としては照射面積、照射線量などの目的に応じて走査形、非走査形いずれかを選べばよく、照射条件としては樹脂を架橋するのに必要な線量に応じて、電子流、照射幅、搬送速度を決めればよい。
【0051】
保護層の膜厚は0.1〜20μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜10μmである。
記録層と保護層の接着性向上、保護層の塗布による記録層の変質防止、保護層中の添加剤の記録層への移行を防止する目的で、両者の間に中間層を設けることも好ましい。
【0052】
また、印加した熱を有効に利用するため支持体と記録層の間に断熱性のアンダーコート層を設けることができる。断熱層は有機または無機の微小中空体粒子をバインダー樹脂を用いて塗布することにより形成できる。支持体と記録層の接着性の改善や支持体への記録層材料の浸透防止を目的としたアンダーコート層を設けることもできる。
中間層、アンダーコート層には、前記の記録層用の樹脂と同様の樹脂の他に、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などを用いることができる。
【0053】
また、アンダーコート層、記録層、中間層、保護層にフィラーを添加してもよく、フィラーとしては無機フィラーと有機フィラーに分けることができる。
無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩;無水ケイ酸、含水ケイ酸、含水ケイ酸アルミ二ウム、含水ケイ酸カルシウムなどのケイ酸塩;アルミナ、酸化鉄などの水酸化物;酸化亜鉛、酸化インジウム、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニア、酸化スズ、酸化セリウム、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ビスマス、酸化ニッケル、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化トリウム、酸化ハフニウム、酸化モリブデン、鉄フェライト、ニッケルフェライト、コバルトフェライト、チタン酸バリウム、チタン酸カリウムのような金属酸化物;硫化亜鉛、硫酸バリウムのような金属硫化物あるいは硫酸化合物;チタンカ−バイド、シリコンカーバイド、モリブデンカーバイド、タングステンカーバイド、タンタルカーバイドのような金属炭化物;窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素、窒化ジルコニウム、窒化バナジウム、窒化チタニウム、窒化ニオブ、窒化ガリウムのような金属窒化物等が挙げられる。
【0054】
有機フィラーとしては、シリコーン樹脂、セルロース樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン、ポリスチレン、ポリスチレン・イソプレン、スチレンビニルベンゼンなどのスチレン系樹脂、塩化ビニリデンアクリル、アクリルウレタン、エチレンアクリルなどのアクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒドなどのホルムアルデヒド系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられる。本発明では有機フィラーを単独で用いることもできるが、2種類以上含まれてもよく、複合粒子であってもよい。また、形状としては球状、粒状、板状、針状等が挙げられる。
また層中のフィラーの含有量は体積分率で1〜95%、より好ましくは5〜75%である。
【0055】
また、アンダーコート層、記録層、中間層、保護層に滑剤を添加してもよく、滑剤の具体例としては、エステルワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワックス類:硬化ひまし油等の植物性ワックス類:牛脂硬化油等の動物性ワックス類:ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類:マルガリン酸、ラウリン酸、ミスチレン酸、パルミチル酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、フロメン酸等の高級脂肪酸類:ソルビタンの脂肪酸エステルなどの高級脂肪酸エステル類:ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド等のアミド類などが挙げられる。
層中の滑剤の含有量は体積分率で0.1〜95%、より好ましくは1〜75%である。
【0056】
また、中間層、保護層中に無機または有機紫外線吸収剤を含有してもよく、その含有量はバインダ−100重量部に対して0.5〜10重量部の範囲が好ましい。
【0057】
有機紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−エトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オキシベンジルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−クロロベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2、2’−ジヒドロキシ−4、4’−ジメトキシベンゾフェノン−スルホン酸ナトリウム等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、フェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、カルボキシフェニルサリシレート、メチルフェニルサリシレート、ドデシルフェニルサリシレート、2−エチルヘキシルフェニルサリシレート、ホモメンチルフェニルサリシレート等のサリチル酸エステル系紫外線吸収剤、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤、p−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸グリセリル、p−ジメチルアミノ安息香酸アミル、p−ジヒドロキシプロピル安息香酸エチル等のp−アミノ安息香酸系紫外線吸収剤、p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、p−メトキシケイ皮酸−2−エトキシエチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、4−t−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル等が挙げられる。
【0058】
無機紫外線吸収剤としては、硫化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化スズ、酸化モリブデン、酸化亜鉛、窒化バリウム、シリカ、アルミナ、酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、硫酸バリウム等が挙げられる。
【0059】
中間層、保護層の塗液に用いられる溶媒、塗液の分散装置、塗工方法、乾燥・硬化方法等は上記記録層で用いられた公知の方法を用いることができる。
【0060】
本発明の可逆性感熱記録媒体を用いて発色画像を形成させるためには、いったん発色温度以上に加熱したのち急冷されるようにすればよい。具体的には、例えばサーマルヘッドやレーザー光で短時間加熱すると記録層が局部的に加熱されるため、直ちに熱が拡散し急激な冷却が起こり、発色状態が固定できる。一方、消色させるためには適当な熱源を用いて比較的長時間加熱し冷却するか、発色温度よりやや低い温度に一時的に加熱すればよい。長時間加熱すると記録媒体の広い範囲が昇温し、その後の冷却は遅くなるため、その過程で消色が起きる。この場合の加熱方法には、熱ローラー、熱スタンプ、熱風などを用いてもよいし、サーマルヘッドを用いて長時間加熱してもよい。記録層を消色温度域に加熱するためには、例えばサーマルヘッドへの印加電圧やパルス幅を調節することによって、印加エネルギーを記録時よりやや低下させればよい。この方法を用いれば、サーマルヘッドだけで記録・消去ができ、いわゆるオーバーライトが可能になる。記録装置としては、通常用いられるプリンター以外にインクジェットプリンター、熱転写プリンター、昇華型プリンターなどを用いてもよい。また、熱ローラー、熱スタンプによって消色温度域に加熱して消去することもできる。
【0061】
また、本発明の可逆性感熱記録媒体の一部分もしくは全面に、オフセット印刷、グラビア印刷などの印刷、またはインクジェットプリンター、熱転写プリンター、昇華型プリンターなどによって任意の絵柄などを施した着色層を設けてもよく、さらに着色層上の一部分もしくは全面に硬化性樹脂を主成分とするOPニス層を設けてもよい。
【0062】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明する。なお、実施例中の「部」および「%」はいずれも重量を基準とするものである。
(実施例1)
−記録層の作製−
1)2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン 2部
2)下記の構造の顕色剤 8部
【0063】
【化3】
3)ポリエステル樹脂の15%テトラヒドロフラン
(THF)溶液 150部
・多価アルコール成分:1,6−ヘキサンジオール
・多価カルボン酸成分:イタコン酸
上記組成物をボールミルを用いて平均粒径0.1〜3μmまでなるように粉砕分散し、記録層塗布液を調製した。
上記組成の記録層塗布液を、厚さ188μmのポリエステルフィルム上にワイヤーバーを用いて塗布し、100℃2分で乾燥した後、60℃24時間加熱して、膜厚約10μmの記録層を設け、本発明の可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0064】
(実施例2)
実施例1中の記録層で用いたポリエステル樹脂を下記のポリエステル樹脂にした以外は、実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
ポリエステル樹脂
・多価アルコール成分:水素化ビスフェノールA
・多価カルボン酸成分:テレフタル酸
【0065】
(実施例3)
実施例1中の記録層で用いたポリエステル樹脂を下記のポリエステル樹脂にした以外は、実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
ポリエステル樹脂
・多価アルコール成分:1,2−エタンジオール
・多価カルボン酸成分:イソフタル酸
【0066】
(実施例4)
実施例1中の記録層で用いたポリエステル樹脂を下記のポリエステル樹脂にした以外は、実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
ポリエステル樹脂
・多価アルコール成分:1,3−プロパンジオール
・多価カルボン酸成分:イソフタル酸
・ガラス転移点:65℃
・重量平均分子量: 7000
・水酸基価:4
【0067】
(実施例5)
実施例1中の記録層で用いたポリエステル樹脂を下記のポリエステル樹脂にした以外は、実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
ポリエステル樹脂
・多価アルコール成分:1,2−エタンジオール
・多価カルボン酸成分:イソフタル酸
・ガラス転移点:35℃
・重量平均分子量:30000
・水酸基価:4
【0068】
(実施例6)
実施例1中の記録層で用いたポリエステル樹脂を下記のポリエステル樹脂にし、得られた分散液に、架橋させるための硬化剤として、日本ポリウレタン社製コロネートHL(アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート 75%酢酸エチル溶液)を樹脂中に含まれる活性基の数に対する硬化剤の官能基のモル比で0.8モルになるように加え、よく攪拌し記録層塗布液を調製した以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0069】
ポリエステル樹脂
・多価アルコール成分:1,2−エタンジオール
・多価カルボン酸成分:イソフタル酸
・ガラス転移点:55℃
・重量平均分子量:5000
・水酸基価:25
【0070】
(実施例7)
実施例6中で得られた分散液に、架橋させるための硬化剤として、日本ポリウレタン社製コロネートHL(アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート 75%酢酸エチル溶液)を樹脂中に含まれる活性基の数に対する硬化剤の官能基のモル比で5モルになるように加えた以外は、実施例6と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0071】
−保護層の作製−
上記組成物を、よく溶解攪拌し保護層塗布液を調製した。上記組成の保護層塗布液を、記録層上にワイヤーバーを用いて塗工し90℃1分で乾燥した後、照射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下を9m/分の搬送速度で通して硬化して膜厚3μmの保護層を設け、本発明の可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0072】
(実施例8)
実施例7で作製した記録層と保護層の間に下記の組成の中間層を膜厚1μmとなるように塗工して中間層を設けた以外は、実施例7と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0073】
(比較例1)
実施例3中の記録層で用いたポリエステル樹脂を下記のポリエステル樹脂にした以外は、実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
ポリエステル樹脂
・多価アルコール成分:ペンタエリスリトール
・多価カルボン酸成分:イタコン酸
【0074】
(比較例2)
実施例3中の記録層で用いたポリエステル樹脂をガラス転移点が72℃、重量平均分子量が22000の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体にした以外は、実施例3と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0075】
(比較例3)
実施例3中の記録層で用いたポリエステル樹脂をガラス転移点が55℃、重量平均分子量が7000、水酸基価が4.5のポリウレタン樹脂にした以外は、実施例3と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0076】
〈試験1 発色濃度〉
作製した記録媒体をサーマルヘッドを備えた八城社製感熱印字装置にて、電圧10〜20V、パルス幅5msecで印字し、得られた画像をマクベス濃度計RD−914で測定した。そして、最大発色濃度値をこの画像の発色濃度値とした。
〈試験2 消去濃度〉
試験1で得られた発色画像上に、サーマルヘッドを備えた八城社製感熱印字装置にて、電圧5〜15V、パルス幅5msecで印字し、得られた消去画像をマクベス濃度計RD−914で測定した。そして、最大消去濃度値をこの画像の消色濃度値とした。
〈試験3 耐久性〉
最大発色濃度値となる試験1の条件の印字と最大消去濃度値となる試験2の条件の消去を50回繰り返し、記録媒体表面の状態を目視で観察して下記のランクで評価した。
ランク1:打こんの発生なし。
ランク2:やや打こんがみられた。
ランク3:打こんが発生した。
以上の結果を下記表に示した。
【0077】
【表5】
【0078】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明の可逆性感熱記録媒体は高速消去が可能である。更に、好ましい態様では打こんの発生のない、耐久性に優れるものであるという極めて優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆性感熱記録媒体の発色・消色特性を示す図である。
Claims (4)
- 支持体上に電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を用い、加熱温度及び/又は加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態を形成しうる可逆性感熱組成物を含有する、可逆性感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体において、該可逆性感熱記録層が(a)構造式HO−(CH2)n−OH(n=2〜7)で表わされるグリコールおよび水素化ビスフェノールAから選ばれるいずれか1種の多アルコール成分と、(b)テレフタル酸、イソフタル酸およびイタコン酸から選ばれるいずれか1種の多価カルボン酸成分から得られる結晶性ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
- 結晶性ポリエステル樹脂がイソシアネート系硬化剤によって架橋状態にあることを特徴とする請求項1に記載の可逆性感熱記録媒体。
- 可逆性感熱記録層中に含有される結晶性ポリエステル樹脂中に含まれる水酸基の数に対する硬化剤の活性基の数のモル比が、0.5〜15であることを特徴とする請求項2に記載の可逆性感熱記録媒体。
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