JP2001105735A - 可逆性感熱記録媒体 - Google Patents

可逆性感熱記録媒体

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JP2001105735A
JP2001105735A JP29054799A JP29054799A JP2001105735A JP 2001105735 A JP2001105735 A JP 2001105735A JP 29054799 A JP29054799 A JP 29054799A JP 29054799 A JP29054799 A JP 29054799A JP 2001105735 A JP2001105735 A JP 2001105735A
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acid
reversible thermosensitive
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thermosensitive recording
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JP29054799A
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Hiromi Furuya
浩美 古屋
Tadafumi Tatewaki
忠文 立脇
Fumio Kawamura
史生 河村
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録媒体へのほこりの付着が少なく走行不良
による、印字および消去不良の発生のない可逆性感熱記
録媒体を提供することであり、耐久性に優れた可逆性感
熱記録媒体を提供すること。 【解決手段】 支持体上に、少なくとも電子供与性呈色
性化合物と電子受容性化合物を用いて加熱温度および/
または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した
状態と消色した状態を繰り返し形成し得る可逆性熱発色
組成物を含む記録層を少なくとも有する可逆性感熱記録
媒体において、該記録層または他の層に体積抵抗が10
0〜105Ω・cmの金属酸化物からなる導電性微粒子を
含有することを特徴とする可逆性感熱記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子供与性呈色性
化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した
可逆性感熱発色組成物を用い、印加する熱エネルギーを
制御することにより発色画像の形成と消去が繰り返し可
能な可逆性感熱記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子供与性呈色性化合物(以下、
発色剤またはロイコ染料ともいう)と電子受容性化合物
(以下、顕色剤ともいう)との間の発色反応を利用した
感熱記録媒体は広く知られており、OA化の進展と共に
ファクシミリ、ワードプロセッサー、科学計測機などの
プリンターに使用されている。しかし、これらの実用化
されている従来の記録媒体はいずれも不可逆的な発色で
あり、一度記録した画像を消去して繰り返して使用する
ことはできない。
【0003】一方、特許公報によれば発色と消色を可逆
的に行なうことができる記録媒体も提案されており、た
とえば、顕色剤として没食子酸とフロログルシノールを
組み合わせを用いたもの(特開昭60−193691号
公報)、顕色剤にフェノールフタレインやチモールフタ
レインなどの化合物を用いたもの(特開昭61−237
684号公報)、発色剤と顕色剤とカルボン酸エステル
の均質相溶体を記録層に含有するもの(特開昭62−1
38556号公報、特開昭62−138568号公報お
よび特開昭62−140881号公報)、顕色剤にアス
コルビン酸誘電体を用いたもの(特開昭63−1736
84号公報)、顕色剤にビス(ヒドロキシフェニル)酢
酸または没食子酸と高級脂肪族アミンとの塩を用いたも
の(特開平2−188293号公報および特開平2−1
88294号公報)などが開示されている。
【0004】さらに本発明者らは、先に特開平5−12
4360号公報において顕色剤として長鎖脂肪族炭化水
素基をもつ有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物
またはフェノール化合物を用い、これと発色剤であるロ
イコ染料と組み合わせることによって、発色と消色を加
熱冷却条件により容易に行なわせることができ、しかも
その発色状態と消色状態を常温において安定に保持させ
ることが可能であり、しかも発色と消色を繰り返すこと
が可能な可逆性感熱発色組成物およびこれを記録層に用
いた可逆性感熱記録媒体を提案した。またその後、長鎖
脂肪族炭化水素基をもつフェノール化合物について特定
の構造のものを使用することが提案されている(特開平
6−210954号公報)。
【0005】このように発色・消色を繰り返すことが可
能な可逆性感熱記録媒体が提案されてきたが、繰り返し
使用によって打こん(印字部分の変形)などの問題が生
じ、顕色剤とロイコ染料の組成物が持つ発色・消色特性
を十分に発揮できる可逆性感熱記録媒体は得られていな
かった。これは、サーマルヘッドによる印字が、高温へ
の加熱と同時に記録媒体への機械的な力を加えながら行
なわれるため、記録層や保護層など記録媒体を構成する
層の構造が変化し、繰り返しにより破壊されていくこと
によるものである。
【0006】このような記録媒体の問題に対し、特開平
6−340171号公報には記録層厚の1.1倍以上の
平均粒子径を有する粒子の添加による繰り返し耐久性を
向上させることが提案され、また、特開平8−1564
10号公報には特性の光沢度及び表面粗さの保護層を設
けることによりヘッドマッチング性を向上させることに
より繰り返し耐久性を向上させることが提案されてい
る。また、耐久性を向上させるために保護層や可逆感熱
層を架橋状態にある樹脂で構成することが行なわれてい
る。
【0007】打こんは架橋でかなり改善されてきたが、
今度は繰り返し走行のため、実使用条件下では繰り返し
て印字・消去を行なうと、記録媒体表面に付着したゴミ
などによる印字・消去不良が発生する問題がわかってき
た。架橋により硬化させているために、特に静電気によ
るほこりの付着が発生し易くなっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、記録
媒体へのほこりの付着が少なく走行不良による、印字お
よび消去不良の発生のない可逆性感熱記録媒体を提供す
ることであり、耐久性に優れた可逆性感熱記録媒体を提
供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この課題
を解決するための検討を行なった結果、支持体上に、少
なくとも電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を
用いて加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違い
により相対的に発色した状態と消色した状態を形成しう
る可逆性熱発色組成物を含む記録層を設けてなる可逆性
感熱記録媒体において、100〜105Ωcmの金属酸化
物からなる導電性微粒子を含有することを特徴とする可
逆性感熱記録媒体によって、ほこり、チリ、ゴミの付着
が回避できる媒体を実現することに成功した。また、該
金属酸化物からなる導電性微粒子を含有する層が記録媒
体最外層に形成されることを特徴とする。また、該金属
酸化物からなる導電性微粒子を含有する層が架橋された
状態にあることを特徴とする。
【0010】本発明で用いられる金属酸化物からなる導
電性微粒子としては、体積抵抗が100〜105Ωcmの
TiO2、ZnO、SnO2、Al23、In23、Si
2、MgO、BaO、MoO3から選ばれる結晶性金属
酸化物の少なくとも1種が用いられ、特に好ましくはS
nO2あるいはIn23が用いられる。
【0011】これらの微粒子は可逆性感熱記録媒体の最
外層、例えば保護層やバック層に含有させることが本発
明の目的の上では好ましい。ホコリ、チリ、ゴミの付着
は、媒体がヘッドの加圧下での繰り返し走行、摩擦によ
って表面が帯電(静電荷が蓄積)され、これが大気中の
ホコリ、チリ、ゴミを吸着するためと考えられる。硬化
性の樹脂の使用に応じて帯電し易くなることもこの予測
に符合する。
【0012】最外層に導電性微粒子を含有させることに
より、層の電気抵抗を下げ、電荷を逃がすことにより、
媒体の帯電を防止し、本発明が達成される。よって最外
層が好ましいことになる。最も、該媒体上には、全面ま
たは部分的に印刷層、他の層が積層されることがある。
導電性微粒子層は最外側ではなくなるが、上に積層され
る層の厚み、抵抗に依るが、数10μmの層であれば導
電性層の効果が残存して発揮され、依然電荷を逃がす効
果は(減少し乍ら)ある。更に、記録層と保護層の間の
中間層に含有させても程度は劣るが効果はある。本発明
の媒体は記録層の上に保護層を有したり、裏面にバック
層等を有したりしてもよく、何もない場合は最外層は記
録層自身、保護層、バック層を有する場合は保護層、バ
ック層となる。
【0013】保護層に用いた場合は記録媒体へのほこり
などの付着防止の効果と印字・消去時の搬送性が特に良
好となる。また、バック層に用いた場合には、裏面への
ほこりなどの付着防止のほか巻装または積み重ねる場
合、記録媒体同士の貼り付きがなくなり取り扱いが容易
になる等の効果も発現する。また、記録層もしくは中間
層・保護層中に本発明で用いられる金属酸化物からなる
導電性微粒子を用いることにより、サーマルヘッド等か
らの熱伝導性が向上し発色感度が向上する。
【0014】また、本発明においては金属酸化物からな
る導電性微粒子を含有する層に架橋状態にある樹脂を用
いることにより、熱的・機械的強度が向上して繰り返し
印字・消去を行なった時に打こんの発生がなく、良好な
印字・消去を行なうことができる。架橋状態にある樹脂
としては熱硬化性樹脂・紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹
脂が好ましく用いられる。
【0015】本発明で用いられる金属酸化物からなる導
電性微粒子は従来公知の方法によって製造される。その
方法としては、金属酸化粒子を焼成によって作製すると
きに異原子を共存させて導電性を向上させる方法や、焼
成によって得た金属酸化物を異原子と共存させてさらに
熱処理する方法、さらに焼成によって金属酸化物を製造
する際に酸素欠陥を導入させる方法などがあげられる。
【0016】熱架橋で用いられる樹脂としては、架橋剤
およびこの架橋剤と反応する活性基を有する樹脂の組み
合わせであり、熱により架橋硬化できる樹脂である。こ
こで用いられる樹脂は、たとえばフェノキシ樹脂、ポリ
ビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオ
ネート、セルロースアセテートブチレートなど、水酸
基、カルボキシル基など架橋剤と反応する基を持つ樹
脂、または水酸基、カルボキシル基などを持つモノマー
とそれ以外のモノマーを共重合した樹脂がある。共重合
樹脂には、例えば塩ビ系、アクリル系、スチレン系など
の樹脂があり、具体的には塩化ビニル−酢酸ビニル−ビ
ニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒ
ドロキシプロピルアクリレート共重合体、塩化ビニル−
酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等が例示できる。
【0017】熱架橋の架橋剤としては例えば、イソシア
ネート類、アミノ樹脂、フェノール樹脂、アミン類、エ
ポキシ化合物等が挙げられる。例えばイソシアネート類
としては、イソシアネート基を複数持つポリイソシネー
ト化合物であり、具体的にはヘキサメチレンジイソシア
ネート(HDI)、トルエンジイソシアネート(TD
I)、キシリレンジイソシアネート(XDI)等、およ
びこれらのトリメチロールプロパンなどによるアダクト
タイプ、ビュレットタイプ、イソシアヌレートタイプ及
びブロック化イソシネート類等が挙げられる。架橋剤の
樹脂に対する添加量としては、樹脂中に含まれる活性基
の数に対する架橋剤の官能基の比が0.01〜1が好ま
しく、これ以下では熱強度が不足してしまい、またこれ
以上添加すると発色・消色特性に悪影響を及ぼす。また
更に、架橋促進剤としてこの種の反応に用いられる触媒
を用いてもよい。架橋促進剤としては、例えば1,4−
ジアザ−ビシクロ[2,2,2]オクタンなどの3級ア
ミン類、有機すず化合物などの金属化合物などが挙げら
れる。
【0018】次に電子線及び紫外線硬化の際に用いられ
るモノマーとしては、例えば以下のものが挙げられる。 単官能性モノマーの例 メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸
t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタク
リル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル
酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリ
ル酸ベンジル、メタクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロ
キシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メ
タクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチルメチルクロライド塩、メタクリル酸ジエ
チルアミノエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリ
ル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸アリル、ジ
メタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸トリ
エチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレング
リコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコー
ル、ジメタクリル酸1,6−ヘキサンジオール、トリメ
タクリル酸トリメチロールプロパン、メタクリル酸2−
エトキシエチル、2−エチルヘキシルアクリレート、2
−エトキシエチルアクリレート、2−エトキシエトキシ
エチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジシクロペ
ンテニルエチルアクリレート、N−ビニルピロリドン、
酢酸ビニル等。
【0019】2官能性モノマーの例 1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキ
サンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオール
ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリプ
ロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレング
リコールジアクリレート、ビスフェノールAエチレンオ
キサイド付加物ジアクリレート、グリセリンメタクリレ
ートアクリレート、ネオペンチルグリコールのプロピレ
ンオキサイド2モル付加物のジアクリレート、ジエチレ
ングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール
(400)ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸とネ
オペンチルグリコールのエステルのジアクリレート、
2,2−ビス(4−アクロリキシジエトキシフェニル)
プロパン、ネオペンチルグリコールジアジペートのジア
クリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコ
ールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレート、2
−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−
ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサンジ
アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリ
レート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート
のε−カプロラクトン付加物、1,6−ヘキサンジオー
ルのグリシジルエーテルのジアクリレート等。
【0020】多官能性モノマーの例 トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセリン
プロピレンオキサイド付加アクリレート、トリスアクリ
ロイルオキシエチルフォスフェート、ペンタエリスリト
ールアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレ
ンオキサイド3モル付加物のトリアクリレート、ジペン
タエリスリトール・ポリアクリレート、ジペンタエリス
リトールのカプロラクトン付加物のポリアクリレート、
プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロ
ピントリアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリ
トールのテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパ
ンテトラアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリ
トールのペンタアクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレートのε−カプロラクトン付加物等。
【0021】オリゴマーの例 ビスフェノールA−ジエポキシアクリル酸付加物等。
【0022】また、紫外線を用いて架橋させる場合には
次のような光重合開始剤、光重合促進剤を用いる。その
例としては、イソブチルベンゾインエーテル、イソプロ
ピルベンゾインエーテル、ベンゾインエチルエーテル、
ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類。
1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エ
トキシカルボニル)オキシム等のα−アシロキシムエス
テル。2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノ
ン、ベンジル、ヒドロキシシクロヘキシルフェノルケト
ン等のベンジルケタール類。ジエトキシアセトフェノ
ン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパ
ン−1−オン等のアセトフェノン誘電体。ベンゾフェノ
ン、1−クロロチオキサントン、2−クロロチオキサン
トン、イソプロピルチオキサントン、2−メチルチオキ
サントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロベン
ゾフェノン等のケトン類が挙げられる。これらの光重合
開始剤は、単独でまたは2種類以上併用して使用され
る。添加量としては架橋剤1重量部に対して0.005
〜1.0重量部が好ましく、更に好ましくは0.01〜
0.5重量部である。
【0023】光重合促進剤としては芳香族系の第3アミ
ンや脂肪族系アミンがある。具体的にはp−ジメチルア
ミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ
安息香酸エチルエステル等が挙げられる。これらの光重
合促進剤は、単独でまたは2種類以上併用して使用され
る。添加量としては光重合開始剤1重量部に対して0.
1〜5重量部が好ましく、更に好ましくは0.3〜3重
量部である。
【0024】本発明に用いる紫外線照射の際の光源とし
ては水銀ランプ、メタルハライドランプ、ガリウムラン
プ、水銀キセノンランプ、フラッシュランプなどがある
が、前記した光重合開始剤および光重合促進剤の紫外線
吸収波長に対応した発光スペクトルを有する光源を使用
すればよい。また、紫外線照射条件としては、樹脂を架
橋させるために必要な照射エネルギーに応じてランプ出
力、搬送速度を決めればよい。また、電子線照射装置と
しては照射面積、照射線量、などの目的の応じて走査
形、非走査形いずれかを選べば良く、照射条件としては
樹脂を架橋するのに必要な線量に応じて、電子流、照射
幅、搬送速度を決めれば良い。
【0025】また、本発明の導電性微粒子と共に保護層
中に用いられる無機および有機フィラーとしては以下の
ものを用いることにより、サーマルヘッドとのマッチン
グ性が向上し、耐久性の良好なものとなる。
【0026】本発明で用いられる無機フィラーとして
は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩;
無水ケイ酸、含水ケイ酸、含水ケイ酸アルミニウム、含
水ケイ酸カルシウムなどのケイ酸塩;アルミナ、酸化鉄
などの水酸化物;酸化亜鉛、酸化インジウム、アルミ
ナ、シリカ、酸化ジルコニア、酸化スズ、酸化セリウ
ム、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化バリウム、酸化カル
シウム、酸化バリウム、酸化ビスマス、酸化ニッケル、
酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化タ
ンタル、酸化ニオブ、酸化トリウム、酸化ハフニウム、
酸化モリブデン、鉄フェライト、ニッケルフェライト、
コバルトフェライト、チタン酸バリウム、チタン酸カリ
ウムのような金属酸化物;硫化亜鉛、硫酸バリウムのよ
うな金属硫化物あるいは硫酸化合物;チタンカーバイ
ド、シリコンカーバイド、モリブデンカーバイド、タン
グステンカーバイド、タンタルカーバイドのような金属
炭化物;窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素、窒
化ジルコニウム、窒化バナジウム、窒化チタニウム、窒
化ニオブ、窒化ガリウムのような金属窒化物等が挙げら
れる。通常これらの微粒子は前記導電性微粒子より抵抗
が高い。(>105Ωcm)
【0027】有機フィラーとしては、シリコーン樹脂、
セルロース樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、フェノ
ール樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレ
ン、ポリスチレン、ポリスチレン・イソプレン、スチレ
ンビニルベンゼンなどのスチレン系樹脂、塩化ビニリデ
ンアクリル、アクリルウレタン、エチレンアクリルなど
のアクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ベンゾグアナミ
ンホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒドなどの
ホルムアルデヒド系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹
脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられる。本発明では有機フ
ィラーを単独で用いることもできるが、2種類以上含ま
れてもよく、複合粒子であってもよい。また、形状とし
ては球状、粒状、板状、針状等が挙げられる。
【0028】また、層中のフィラーの含有量は体積分率
で1〜95%、より好ましくは5〜75%である。
【0029】また本発明では顕色剤として加熱温度およ
び/または冷却速度によって可逆発色するものが使用で
きるが、特に好ましくは炭素数8以上のアルキル鎖を有
するフェノール化合物を用いることにより、地肌濃度と
発色濃度のコントラストの良好な可逆性感熱記録媒体を
得ることができる。好ましく用いられる顕色剤としては
下記一般式(1)の化合物が挙げられる。
【0030】
【化1】 式中、X1は直接結合手または会合性の基を、X2は会合
性の基を示し、ここで、会合性の基は−O−、−S−、
−NH−、−CO−、−SO2−、−CS−等を有して
分子内または2分子間で水素結合により会合性を有する
ことが可能な基であり、例えば以下の表1に示された基
が挙げられる。
【0031】
【表1】 また、R1およびR2は炭化水素基を示す。ただし、R1
またはR2は炭素数8以上の直鎖アルキル基を有する。
このとき、R1およびR2は芳香族基を有していても良
く、不飽和結合があってもよい炭化水素基を示す。ま
た、R1およびR2は分岐してもよい。また、Yは低級ア
ルキル基、低級アルコシキシ基、ハロゲン原子を示す。
さらに、nは1〜3を、lは0〜3を示し、lが2以上
のときYは同一であっても複数種類でもよく、mは0〜
4の整数を示し、mが2以上のときに繰り返される
2、R2は同一であっても異なっていてもよい。表2に
本発明で用いられる好ましい顕色剤の例を挙げるが、本
発明はこれらに限定されるわけではない。
【0032】
【表2−1】
【0033】
【表2−2】
【0034】等。さらに本発明では、フェノール性化合
物以外の顕色剤化合物、例えば、チオ尿素類、スルホン
アミド類等の可逆性を有する顕色剤を用いてもよい。ま
た、可逆性を有する顕色剤として酸と塩基の塩による発
色/消色を制御した顕色剤を用いてもよい。
【0035】本発明において用いられる上記のフェノー
ル以外の顕色剤を例示する。有機リン酸系の顕色剤とし
ては以下のような化合物が例示できる。ドデシルホスホ
ン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン
酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホスホン酸、
ドコシルホスホン酸、テトラコシルホスホン酸、リン酸
ジテトラデシルエステル、リン酸ジヘキサデシルエステ
ル、リン酸ジオクタデシルエステル、リン酸ジエイコシ
ルエステル、リン酸ジベヘニルエステルなど。
【0036】脂肪族カルボン化合物としては以下のよう
な化合物が例示できる。2−ヒドロキシテトラデカン
酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、2−ヒドロキシオ
クタデカン酸、2−ヒドロキシエイコサン酸、2−ヒド
ロキシドコサン酸、2−ブロモヘキサデカン酸、2−ブ
ロモオクタデカン酸、2−ブロモエイコサン酸、2−ブ
ロモドコサン酸、3−ブロモオクタデカン酸、3−ブロ
モドコサン酸、2,3−ジブロモオクタデカン酸、2−
フルオロドデカン酸、2−フルオロテトラデカン酸、2
−フルオロヘキサデカン酸、2−フルオロオクタデカン
酸、2−フルオロエイコサン酸、2−フルオロドコサン
酸、2−ヨードヘキサデカン酸、2−ヨードオクタデカ
ン酸、3−ヨードヘキサデカン酸、3−ヨードオクタデ
カン酸、パーフルオロオクタデカン酸など。
【0037】脂肪族ジカルボン酸およびトリカルボン酸
化合物としては以下のような化合物が例示できる。2−
ドデシルオキシこはく酸、2−テトラデシルオキシこは
く酸、2−ヘキサデシルオキシこはく酸、2−オクタデ
シルオキシこはく酸、2−エイコシルオキシこはく酸、
2−ドデシルチオこはく酸、2−テトラデシルチオこは
く酸、2−ヘキサデシルチオこはく酸、2−オクタデシ
ルチオこはく酸、2−エイコシルチオこはく酸、2−ド
コシルチオこはく酸、2−テトラコシルチオこはく酸、
2−ヘキサデシルジチオこはく酸、2−オクタデシルジ
チオこはく酸、2−エイコシルジチオこはく酸、ドデシ
ルこはく酸、テトラデシルこはく酸、ペンタデシルこは
く酸、ヘキサデシルこはく酸、オクタデシルこはく酸、
エイコシルこはく酸、ドコシルこはく酸、2,3−ジヘ
キサデシルこはく酸、2,3−ジオクタデシルこはく
酸、2−メチル−3−ヘキサデシルこはく酸、2−メチ
ル−3−オクタデシルこはく酸、2−オクタデシル−3
−ヘキサデシルこはく酸、ヘキサデシルマロン酸、オク
タデシルマロン酸、エイコシルマロン酸、ドコシルマロ
ン酸、ジヘキサデシルマロン酸、ジオクタデシルマロン
酸、ジドコシルマロン酸、メチルオクタデシルマロン
酸、2−ヘキサデシルグルタル酸、2−オクタデシルグ
ルタル酸、2−エイコシルグルタル酸、ドコシルグルタ
ル酸、2−ペンタデシルアジピン酸、2−オクタデシル
アジピン酸、2−エイコシルアジピン酸、2−ドコシル
アジピン酸、2−ヘキサデカノイルオキシプロパン−
1,2,3−トリカルボン酸、2−オクタデカノイルオ
キシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸など。
【0038】また、本発明においては、発色濃度または
感度を高めると共に、消色濃度を低めまたは消色感度を
高める発色消色制御剤としてヘテロ原子を含む2価の基
と炭素数6以上の直鎖アルキル基を有する化合物を用い
ることにより、発色部の安定性が良好で、高速消去性に
優れたものとなる。本発明では発色消色制御剤として下
記式一般式(2)から(4)で表わされる化合物を用い
ることができる。
【0039】
【化2】
【0040】
【化3】
【0041】
【化4】 式中、X3からX6は会合性の基を示す。ここで−O−、
−S−、−NH−、−CO−、−SO2−、−CS−等
を有して分子内または2分子間以上で水素結合により会
合性を有することが可能であり、X3およびX4について
は前記表1と同様な基が挙げられる。X5およびX6につ
いては下記表3に示した基が好ましい例として挙げられ
る。
【0042】
【表3】 式中R3からR6は炭化水素基を示し、分子内に1つ以上
の炭素数6以上の直鎖アルキル鎖を有する。このとき、
3からR6は芳香族基を有していてもよく、不飽和結合
があってもよい炭化水素基を示す。また、R3からR6
分岐してもよい。またpは0から4の整数を示し、pが
2以上の時に繰り返されるX4およびR5は同一でもよ
く、また異なっていてもよい。
【0043】表4に本発明で好ましく用いられる発色消
色制御剤の例を挙げるが、本発明はこれらに限られるも
のではない。
【表4】
【0044】また本発明においては消色機能を高める消
色促進剤としてN,N−2置換のアミド基を有する化合
物を用いることにより、高速消去性に優れることが見出
された。さらに、N,N−2置換のアミド基と炭素数6
以上のアルキル鎖および/または会合性の基を有するこ
とにより、さらに優れたものになることが見出された。
このときN,N−2置換のアミド基としては、下記式
(5)から(7)で表わされる基が挙げられる。
【0045】
【化5】
【0046】
【化6】
【0047】
【化7】 式中、R7からR11は置換基を有してもよい飽和もしく
は不飽和の炭化水素基を表わし、R7とR8は環を形成し
ていてもよく、形成される環は窒素原子、酸素原子また
は硫黄原子を介していてもよい。さらに、R7からR11
で好ましく用いられる置換基を有してもよい炭化水素基
の例としては、直鎖のみでも分岐していてもよく、−O
−、−S−、−CO−、−COO−を介していてもよ
い。また、芳香族環、脂肪族環を有していてもよい。ま
た、これらの基は水酸基、ハロゲン原子等で置換されて
いてもよい。
【0048】ここで、会合性の基は−O−、−S−、−
NH−、−CO−、−SO2−、−CS−等を有して分
子内または2分子間で以上で水素結合により会合性を有
することが可能な基であり、例えば下記表5に示した基
が好ましい例として挙げられる。
【0049】
【表5】
【0050】表6に本発明で用いられる消色促進剤の好
ましい例を挙げる。しかし、本発明で用いられる消色促
進剤はこれらの化合物に限られるものではない。
【0051】
【表6−1】
【0052】
【表6−2】
【0053】また本発明によれば、無機および/または
有機の紫外線吸収剤を用いることにより、光照射による
変色、退色等のないものとなる。紫外線吸収剤は、記録
層・保護層・下引き層等に用いられるが、記録層および
記録層よりも上層に含有することが好ましく、保護層と
記録層との間に設けた中間層中に含有することも好まし
い。紫外線吸収剤としては無機および/または有機の紫
外線吸収剤が広く用いられ、その例としては、酸化亜
鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化スズ、酸化モリブ
デン、窒化ガリウム、シリカ、アルミナ、酸化アンチモ
ン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化バリウ
ム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、窒化珪素、
窒化アルミニウム、窒化ホウ素、硫酸バリウム等が無機
の紫外線吸収剤として挙げられ、
【0054】有機紫外線吸収剤としては、2−(2’−
ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−
5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−オクトキシフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’
−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−
5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−エトキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外
線吸収剤、
【0055】2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’
−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,
2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェ
ノン、2,2’、4,4’−テトラヒドロキシベンゾフ
ェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボ
キシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オキシベン
ジルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−クロロベン
ゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,2’
−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン
−スルホン酸ナトリウム等のベンゾフェノン系紫外線吸
収剤、
【0056】フェニルサリシレート、p−オクチルフェ
ニルサリシレート、 p−t−ブチルフェニルサリシレ
ート、カルボキシフェニルサリシレート、メチルフェニ
ルサリシレート、ドデシルフェニルサリシレート、2−
エチルヘキシルフェニルサリシレート、ホモメンチルフ
ェニルサリシレート等のサリチル酸エステル系紫外線吸
収剤、
【0057】2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,
3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−
3,3’−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレ
ート系紫外線吸収剤、p−アミノ安息香酸、p−アミノ
安息香酸グリセリル、p−ジメチルアミノ安息香酸アミ
ル、p−ジヒドロキシプロピル安息香酸エチル等のp−
アミノ安息香酸系紫外線吸収剤、
【0058】p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシ
ル、p−メトキシケイ皮酸−2−エトキシエチル等のケ
イ皮酸系紫外線吸収剤、4−t−ブチル−4’−メトキ
シ−ジベンゾイルメタン、ウロカニン酸、ウロカニン酸
エチル等が挙げられる。
【0059】また、本発明に用いられるロイコ染料とし
ては、従来公知のロイコ染料を任意に用いることがで
き、特に好ましくは以下の化合物が単独もしくは混合し
て用いられる。
【0060】
【化8】 (式中、R12、R13は低級アルキル基、置換されてもよ
いアリール基、水素原子を示し、さらにR12、R13は互
いに結合し環を形成していてもよい。R14は低級アルキ
ル基、ハロゲン原子または水素原子を表わし、また、R
15は低級アルキル、ハロゲン原子、水素原子または式
(9)で表わされる置換アニリノ基を示す。)
【0061】
【化9】 (式中、R16は低級アルキル基または水素原子を示し、
Aはアルキル基またはハロゲン原子を示す。zは0から
3の整数を表わす。)
【0062】
【化10】 (式中、R17からR20はアルキル基または水素原子を表
わし、R21はアルキル基、アルコキシル基または水素原
子を表わす。)
【0063】
【化11】 (式中、R22からR25は低級アルキル基または水素原子
を表わし、R26、R27はアルキル基、アルコキシル基ま
たは水素原子を表わす。)
【0064】以下に本発明で用いられるロイコ染料の例
を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフ
ルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ(n−ブ
チルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−
6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピ
ル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3
−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)
フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n
−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリ
ノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−メチ
ルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6
−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル
−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−
メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルア
ミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p
−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル
−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2
−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6
−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメ
チルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフル
オラン、2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−
メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミ
ノ)フルオラン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−
3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N
−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−
エチルアニリノ)フルオラン、2−(N−エチル−p−
トルイジノ)−3−メチル−6−(N−プロピル−p−
トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−6−(N−n
−ヘキシル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(o
−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(o−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフル
オラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−6−
ジエチルアミノフルオラン、2,3−ジメチル−6−ジ
メチルアミノフルオラン、3−メチル−6−(N−エチ
ル−p−トルイジノ)フルオラン、2−クロロ−6−ジ
エチルアミノフルオラン、2−ブロモ−6−ジエチルア
ミノフルオラン、2−クロロ−6−ジプロピルアミノフ
ルオラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフル
オラン、3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオ
ラン、2−クロロ−6−(N−エチル−N−イソアミル
アミノ)フルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジ
エチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−
6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニ
リノ)−3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオ
ラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−ク
ロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2,3−
ジクロロアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノ
フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフル
オラン、3−ジエチルアミノ−6−(m−トリフロロメ
チルアニリノ)フルオラン、3−(1−エチル−2−メ
チルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4
−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−
(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3
−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7
−アザフタリド、3−(1−オクチル−2−メチルイン
ドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチ
ルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エ
チル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−
メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタ
リド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−
イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニ
ル)−7−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチ
ルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ
フェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2
−メチルインドール−3−イル)−3−(4−N−n−
アミル−N−メチルアミノフェニル)−4−アザフタリ
ド−(3−1−メチル−2−メチルインドール−3−イ
ル)−3−(2−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノ
フェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(2−エ
トキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタ
リド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミ
ノフェニル)−7−アザフタリド。
【0065】本発明で用いる発色剤は前記のフルオラン
化合物、アザフタリド化合物の他に、従来公知のロイコ
染料を単独または混合して使用することができる。その
発色剤を以下に示す。2−(p−アセチルアニリノ)−
6−(N−n−アミル−N−n−ブチルアミノ)フルオ
ラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−ト
ルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N
−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2
−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチ
ルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−
(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベン
ジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フル
オラン、2−(ジ−p−メチルベンジルアミノ)−6−
(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α
−フェニルエチルアミノ)−6−(N−エチル−p−ト
ルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−
メチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−
(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ
−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、2−エチ
ルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオ
ラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチル−2,4−
ジメチルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6
−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラ
ン、2−ジメチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)
フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−エチルア
ニリノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−
メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジエチルア
ミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラ
ン、2−ジプロピルアミノ−6−(N−メチルアニリ
ノ)フルオラン、2−ジプロピルアミノ−6−(N−エ
チルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メ
チルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エ
チルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プ
ロピルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−
メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6
−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ア
ミノ−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラ
ン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−エチルアニリ
ノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−
エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−
プロピル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミ
ノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フ
ルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−2,4−ジ
メチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−
プロピル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2
−アミノ−6−(N−メチル−p−クロロアニリノ)フ
ルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−クロロ
アニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピ
ル−p−クロロアニリノ)フルオラン、1,2−ベンゾ
−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラ
ン、1,2−ベンゾ−6−ジブチルアミノフルオラン、
1,2−ベンゾ−6−(N−メチル−N−シクロヘキシ
ルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エ
チル−N−トルイジノ)フルオラン、その他。
【0066】本発明において好ましく用いられる他の発
色剤の具体例を示すと以下の通りである。2−アニリノ
−3−メチル−6−(N−2−エトキシプロピル−N−
エチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリ
ノ)−6−(N−n−オクチルアミノ)フルオラン、2
−(p−クロロアニリノ)−6−(N−n−パルミチル
アミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリノ)−6
−(ジ−n−オクチルアミノ)フルオラン、2−ベンゾ
イルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フル
オラン、2−(o−メトキシベンゾイルアミノ)−6−
(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベ
ンジルアミノ−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、2−ジベンジルアミノ−4−メトキシ−6−(N
−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(ジベン
ジルアミノ−4−メチル−6−(N−エチル−p−トル
イジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミ
ノ)−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2
−(p−トルイジノ)−3−(t−ブチル)−6−(N
−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(o−メ
トキシカルボニルアミノ)−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、2−アセチルアミノ−6−(N−メチル−p−ト
ルイジノ)フルオラン、4−メトキシ−6−(N−エチ
ル−p−トルイジノ)フルオラン、2−エトキシエチル
アミノ−3−クロロ−6−ジブチルアミノフルオラン、
2−ジベンジルアミノ−4−クロロ−6−(N−エチル
−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエ
チルアミノ)−4−クロロ−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、2−(N−ベンジル−p−トリフロロメチルアニ
リノ)−4−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−ピロリジノフルオラ
ン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ピロリジノフルオ
ラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−
N−テトラヒドロフルフリルアミノ)フルオラン、2−
メシジノ−4’,5’−ベンゾ−6−ジエチルアミノフ
ルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3
−メチル−6−ピロリジノフルオラン、2−(α−ナフ
チルアミノ)−3,4ベンゾ−4’−ブロモ−6−(N
−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、
2−ピペリジノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
(N−n−プロピル−p−トリフロロメチルアニリノ)
−6−モルフォリノフルオラン、2−(ジ−N−p−ク
ロロフェニル−メチルアミノ)−6−ピロリジノフルオ
ラン、2−(N−n−プロピル−m−トリフロロメチル
アニリノ)−6−モルフォリノフルオラン、1,2−ベ
ンゾ−6−(N−エチル−N−n−オクチルアミノ)フ
ルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジアリルアミノフルオ
ラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エトキシエチル−N
−エチルアミノ)フルオラン、ベンゾロイコメチレンブ
ルー、2−[3,6−ビス(ジエチルアミノ)−7−
(o−クロロアニリノ)キサンチル]安息香酸ラクタ
ム、2−[3,6−(ジエチルアミノ)−9−(o−ク
ロロアニリノ)キサンチル]安息香酸ラクタム、3,3
−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラ
クトン)、3,3−ビス−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス−
(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロロフタリ
ド、3,3−ビス−(p−ジブチルアミノフェニル)フ
タリド、3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェ
ニル)−3−(2−ヒドロキシ−4,5−ジクロロフェ
ニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメチル
アミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−クロロフ
ェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメト
キシアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−クロ
ロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジ
メチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−ニ
トロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−
ジエチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−
メチルフェニル)フタリド、3−(2−メトキシ−4−
ジメチルアミノフェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4
−クロロ−5−メトキシフェニル)フタリド、3,6−
ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)
−6’−ジメチルアミノフタリド、6’−クロロ−8’
−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、6’−
ブロモ−2’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピ
ラン、その他。
【0067】本発明の可逆性感熱記録媒体は、加熱温度
および/または加熱後の冷却速度により、相対的に発色
した状態と消色した状態を形成しうるものである。この
本発明に用いられる発色剤と顕色剤からなる組成物の基
本的な発色・消色現象を説明する。図1はこの記録媒体
の発色濃度と温度との関係を示したものである。はじめ
消色状態(A)にある記録媒体を昇温していくと、溶融
し始める温度T1で発色が起こり溶融発色状態(B)と
なる。溶融発色状態(B)から急冷すると発色状態のま
ま室温に下げることができ、固まった発色状態(C)と
なる。この発色状態が得られるかどうかは、溶融状態か
らの降温の速度に依存しており、徐冷では降温の過程で
消色が起き、はじめと同じ消色状態(A)あるいは急冷
発色状態(C)より相対的に濃度の低い状態が形成され
る。一方、急冷発色状態(C)をふたたび昇温していく
と発色温度より低い温度T2で消色が起き(Dから
E)、ここから降温するとはじめと同じ消色状態(A)
に戻る。実際の発色温度、消色温度は、用いる顕色剤と
発色剤の組み合わせにより変化するので目的に合わせて
選択できる。また溶融発色状態の濃度と急冷したときの
発色濃度は、必ずしも一致するものではなく、異なる場
合もある。
【0068】本発明の記録媒体では、溶融状態から急冷
して得た発色状態(C)は顕色剤と発色剤が分子どうし
で接触反応しうる状態で混合された状態であり、これは
固体状態を形成していることが多い。この状態は顕色剤
と発色剤が凝集して発色を保持した状態であり、この凝
集構造の形成により発色が安定化していると考えられ
る。一方、消色状態は両者が相分離した状態である。こ
の状態は少なくとも一方の化合物の分子が集合してドメ
インを形成したり結晶化した状態であり、凝集あるいは
結晶化することにより発色剤と顕色剤が分離して安定化
した状態であると考えられる。本発明では多くの場合、
両者が相分離し顕色剤が結晶化することによってより完
全な消色が起きる。図1に示した溶融状態から徐冷によ
る消色および発色状態からの昇温による消色は、いずれ
もこの温度で凝集構造が変化し、相分離や顕色剤の結晶
化が起きている。
【0069】本発明の可逆性感熱記録媒体の発色記録の
形成はサーマルヘッドなどによりいったん溶融混合する
温度に加熱し、急冷すればよい。また、消色は加熱状態
から徐冷する方法と発色温度よりやや低い温度に加熱す
る方法の二つである。しかし、これらは両者が相分離し
たり、少なくとも一方が結晶化する温度に一時的に保持
するという意味で同じである。発色状態の形成で急冷す
るのは、この相分離温度または結晶化温度に保持しない
ようにするためである。ここにおける急冷と徐冷はひと
つの組成物に対して相対的なものであり、その境界は発
色剤と顕色剤の組み合わせにより変化する。
【0070】発色剤と顕色剤の割合は、使用する化合物
の組み合わせにより適切な範囲が変化するが、おおむね
モル比で発色剤1に対し顕色剤が0.1から20の範囲
であり、好ましくは0.2から10の範囲である。この
範囲より顕色剤が少なくても多くても発色状態の濃度が
低下し問題となる。また、消色促進剤、発色消色制御剤
の割合は顕色剤に対し0.1重量%から300重量%が
好ましく、より好ましくは3重量%から100重量%が
好ましい。また、発色剤と顕色剤はマイクロカプセル中
に内包して用いることもできる。
【0071】記録層中の発色成分と樹脂の割合は、発色
成分1に対して0.1から10が好ましく、これより少
ないと記録層の熱強度が不足し、これより多い場合には
発色濃度が低下して問題となる。記録層の形成には、前
記の顕色剤、発色剤、消色促進剤、発色消色制御剤、硬
化剤および架橋状態にある樹脂ならびに塗液溶媒よりな
る混合物を均一に混合分散させて調製した塗液を用い
る。塗液調製に用いられる溶媒の具体例としては、水;
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタ
ノール、メチルイソカルビノールなどのアルコール類;
アセトン、2−ブタノン、エチルアミルケトン、ジアセ
トンアルコール、イソホロン、シクロヘキサノンなどの
ケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミドなどのアミド類;ジエチルエーテ
ル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,
4−ジオキサン、3,4−ジヒドロ−2H−ピランなど
のエーテル類;2−メトキシエタノール、2−エトキシ
エタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコ
ールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;2
−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセ
テート、2−ブトキシエチルアセテートなどのグリコー
ルエーテルアセテート類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、エチレンカー
ボネートなどのエステル類;ベンゼン、トルエン、キシ
レンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、i
so−オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素
類;塩化メチレン、1,2−ジクロルエタン、ジクロロ
プロパン、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素
類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;N−
メチル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリド
ンなどのピロリドン類等を例示することができる。
【0072】塗液調製はペイントシェーカー、ボールミ
ル、アトライター、三本ロールミル、ケディーミル、サ
ンドミル、ダイノミル、コロイドミル等公知の塗液分散
装置を用いて行なうことができる。また、上記塗液分散
装置を用いて各材料を溶媒中に分散しても良いし、各々
単独で溶媒中に分散して混ぜ合わせても良い。更に加熱
溶解して急冷または徐冷によって析出させても良い。
【0073】記録層を設ける塗工方法については特に制
限はなく、ブレード塗工、ワイヤーバー塗工、スプレー
塗工、エアナイフ塗工、ビード塗工、カーテン塗工、グ
ラビア塗工、キス塗工、リバースロール塗工、ディップ
塗工、ダイ塗工等公知の方法を用いることができる。
【0074】記録層の乾燥・硬化方法は塗布・乾燥後、
必要に応じて硬化処理を行なう。熱で架橋するものであ
れば高温槽等を用いて比較的高温で短時間でもよく、ま
た比較的低温で長時間かけて熱処理してもよい。また、
紫外線硬化・電子線硬化であれば、それぞれ公知の硬化
装置を用いればよい。例えば、紫外線照射の際の光源と
しては水銀ランプ、メタルハライドランプ、ガリウムラ
ンプ、水銀キセノンランプ、フラッシュランプなどがあ
るが、前記した光重合開始剤および光重合促進剤の紫外
線吸収波長に対応した発光スペクトルを有する光源を使
用すればよい。また、紫外線照射条件としては、樹脂を
架橋させるために必要な照射エネルギーに応じてランプ
出力、搬送速度を決めればよい。また、電子線照射装置
としては照射面積、照射線量、などの目的の応じて走査
形、非走査形いずれかを選べば良く、照射条件としては
樹脂を架橋するのに必要な線量に応じて、電子流、照射
幅、搬送速度を決めれば良い。
【0075】記録層の膜厚は1〜20μmの範囲が好ま
しく、より好ましくは3〜10μmである。
【0076】本発明の可逆性感熱記録媒体の支持体とし
ては紙、樹脂フィルム、合成紙、金属箔、ガラスまたは
これらの複合体などであり、記録層を保持できるもので
あればよい。
【0077】本発明の可逆性感熱記録媒体には、必要に
応じて記録層の塗布特性や発色消色特性を改善したり制
御するための添加剤を用いることができる。これらの添
加剤には、例えば界面活性剤、導電剤、充填剤、酸化防
止剤、光安定化剤、発色安定化剤などがある。
【0078】本発明の可逆性感熱記録媒体は、基本的に
支持体上に上記の架橋状態にある樹脂を含む記録層、お
よび必要に応じ架橋状態にある樹脂を含む記録層、およ
び必要に応じ架橋状態にある樹脂を含む保護層が設けら
れたものであるが、記録媒体としての特性を向上するた
め、各層の間の接着層、中間層、支持体と記録層の間の
アンダーコート層、バックコート層などを設けることが
できる。さらに、磁気記録層を設けていてもよい。ま
た、前記の各層、支持体は着色剤により着色されていて
もよい。これは記録媒体の一部あるいは全面が例えば印
刷により着色されていてもよい。また、着色した印刷層
上に樹脂を主成分とする無色あるいは淡色の印刷保護層
を設けてもよい。
【0079】保護層に用いる樹脂としては、前記の架橋
状態にある樹脂の他にポリビニルアルコール、スチレン
無水マレイン酸共重合体、カルボキシ変性ポリエチレ
ン、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムア
ルデヒド樹脂などが挙げられる。保護層の膜厚は0.1
〜20μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜
10μmである。
【0080】中間層は、記録層と保護層の接着性向上、
保護層の塗布による記録層の変質防止、保護層中の添加
剤の記録層への移行を防止する目的で、両者の間に中間
層を設けることも好ましい。
【0081】アンダーコート層は、印加した熱を有効に
利用するため支持体と記録層の間に断熱性のアンダーコ
ート層を設けることができる。断熱層は有機または無機
の微小中空体粒子をバインダー樹脂を用いて塗布するこ
とにより形成できる。また、支持体と記録層の接着性の
改善や支持体への記録層材料の浸透防止を目的としたア
ンダーコート層を設けることもできる。中間層、アンダ
ーコート層には、前記の記録層用および保護層の樹脂と
同様の樹脂を用いることができる。
【0082】また、アンダーコート層、記録層、中間
層、保護層に滑剤を添加してもよく、滑剤の具体例とし
ては、エステルワックス、パラフィンワックス、ポリエ
チレンワックス等の合成ワックス類:硬化ひまし油等の
植物性ワックス類:牛脂硬化油等の動物性ワックス類:
ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級ア
ルコール類:マルガリン酸、ラウリン酸、ミスチレン
酸、パルミチル酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、フロメ
ン酸等の高級脂肪酸類:ソルビタンの脂肪酸エステルな
どの高級脂肪酸エステル類:ステアリン酸アミド、オレ
イン酸アミド、ラウリン酸アミド、エチレンビスステア
リン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチ
ロールステアリン酸アミド等のアミド類などが挙げられ
る。
【0083】層中の滑剤の含有量は体積分率で0.1〜
95%、より好ましくは1〜75%である。
【0084】中間層、保護層の塗液に用いられる溶媒、
塗液の分散装置、塗工方法、乾燥・硬化方法等は記録層
で用いられた公知の方法を用いることができる。
【0085】本発明の可逆性感熱記録媒体を用いて発色
画像を形成させるためには、いったん発色温度以上に加
熱したのち急冷されるようにすればよい。具体的には、
例えばサーマルヘッドやレーザー光で短時間加熱すると
記録層が局部的に加熱されるため、直ちに熱が拡散し急
激な冷却が起こり、発色状態が固定できる。一方、消色
させるためには適当な熱源を用いて比較的長時間加熱し
冷却するか、発色温度よりやや低い温度に一時的に加熱
すればよい。長時間加熱すると記録媒体の広い範囲が昇
温し、その後の冷却は遅くなるため、その過程で消色が
起きる。この場合の加熱方法には、熱ローラー、熱スタ
ンプ、熱風などを用いてもよいし、サーマルヘッドを用
いて長時間加熱してもよい。記録層を消色温度域に加熱
するためには、例えばサーマルヘッドへの印加電圧やパ
ルス幅を調節することによって、印加エネルギーを記録
時よりやや低下させればよい。この方法を用いれば、サ
ーマルヘッドだけで記録・消去ができ、いわゆるオーバ
ーライトが可能になる。もちろん、熱ローラー、熱スタ
ンプによって消色温度域に加熱して消去することもでき
る。
【0086】また本発明の可逆性感熱記録媒体は前記に
例示される支持体に記録層を保持して形成されるが、こ
のとき使用される必要に応じた厚みのものが単独あるい
は貼り合わす等して用いることができる。すなわち、数
μm程度から数mm程度まで任意の厚みの支持体が用い
られる。また、これらの支持体は可逆性感熱記録層と同
一面および/または反対面に磁気記録層を有していても
よい。
【0087】また、本発明の可逆性感熱記録媒体は粘着
層を介して、他の媒体へ貼り付けてもよい。本発明の可
逆性感熱記録媒体は、シート状あるいはカード状に加工
されていてもよく、その形状は任意の形状に加工するこ
とができ、また、媒体表面への印刷加工を施すことがで
きる。また、本発明の可逆性感熱記録媒体は、非可逆の
感熱記録層を併設していても良く、このときそれぞれの
記録層の発色色調は同じでも異なっても良い。
【0088】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳しく説
明する。なお、実施例中の「部」及び「%」はいずれも
重量を基準とするものである。 (実施例1) 1)2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン 2部 2)下記の構造の顕色剤 8部
【0089】
【化12】 3)アクリルポリオール樹脂の15%テトラヒドロフラン (THF)溶液 70部 上記組成物をボールミルを用いて平均粒径0.1〜3μ
mまで粉砕分散した。得られた分散液にエステル結合を
有したヘキサメチレンジイソシアネート系架橋剤10部
を加え、よく攪拌し記録層塗布液を調製した。上記組成
の記録層塗布液を、厚さ188μmのポリエステルフィ
ルム上にワイヤーバーを用い塗布し、100℃、2分で
乾燥した後、60℃、24時間加熱して、膜厚約8.0
μmの記録層を設けた。次に、作製した記録層上に下記
の組成の保護層を設け、可逆性感熱記録媒体を作製し
た。
【0090】 [保護層液] アクリルポリオール樹脂の15%メチルエチルケトン (MEK)溶液 150部 導電性のIn23(体積抵抗3×102Ω・cm) 0.15部 コロネートHL 4部 上記の液をワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で2
分間乾燥した後、60℃、24時間加熱して膜厚約3μ
mの保護層を設けた。
【0091】上記のように作製した可逆性感熱記録媒体
を、大倉電機社製感熱印字装置にて、電圧13.3V、
パルス1.2msecで印字した。次にこのサンプルを
幅約2mmのセラミックヒーター(表面温度120℃)
の表面を10mm/secの速さで接触させ消色した。
この発色・消色をいずれもほこりの多い環境で10回繰
り返して行なった。その結果、発色や消去の不良はなく
表面へのゴミの付着のないものであった。また、繰り返
した後の記録媒体は打こんのない良好な状態であった。
【0092】(実施例2)実施例1で得られた可逆性感
熱記録媒体の裏面に下記の組成のバック層を設け、可逆
性感熱記録媒体を作製した。 [バック層液] 1)ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂 (大日本インキ社製C7−157) 15部 2)導電性のSnO2(体積抵抗3×103Ω・cm) 0.1部 3)酢酸エチル 85部 上記組成物を、よく溶解攪拌しバック層塗布液を調製し
た。上記組成のバック層塗布液を、上記記録層上にワイ
ヤーバーを用いて塗工し、90℃、1分で乾燥した後、
照射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下を9m/
分の搬送速度で通して硬化して膜厚3μmの保護層を設
け、本発明の可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0093】得られた記録媒体を実施例1と同様に印字
および消去を行なった。その結果、実施例1と同様に発
色および消去の不良のない良好な状態であり、ゴミの付
着も見られなかった。また、10回繰り返した後の記録
媒体表面の状態も良好であった。
【0094】(実施例3)実施例1の保護層の代わりに
下記の保護層液を使用した他は実施例1と同様にして可
逆性感熱記録媒体を作製した。 [保護層液] アクリルポリオール樹脂の15%メチルエチルケトン (MEK)溶液 30部 導電性のIn23(体積抵抗3×102Ω・cm) 0.2部 水酸化アルミ 3部 コロネートHL 4部 上記の液をワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で2
分間乾燥した後、60℃、24時間加熱して膜厚約3μ
mの保護層を設けた。
【0095】得られた記録媒体を実施例1と同様に印字
および消去を行なった。その結果、実施例1と同様に発
色および消去の不良のない良好な状態であり、ゴミの付
着も見られなかった。また、50回繰り返した後の記録
媒体表面の状態も良好であった。
【0096】(比較例)実施例1中の導電性In23
用いなかった他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録
媒体を作製した。作製した記録媒体を実施例1と同様に
ほこりの多い環境で印字および消去を行なった結果、ゴ
ミによる印字・消去不良が発生し、記録媒体表面にもゴ
ミが付着していた。
【0097】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明から明らか
なように、本発明の可逆性感熱記録媒体は記録媒体表面
にゴミの付着のないもので、ゴミ付着による印字および
消去不良のないもので、さらに耐久性の良好なものであ
るという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆性感熱記録媒体の発色・消色特性
を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河村 史生 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H026 AA07 AA09 AA28 BB01 BB25 DD07 DD09 DD12 DD32 DD48 DD53 DD55 DD58 FF11 FF17 GG01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、少なくとも電子供与性呈色
    性化合物と電子受容性化合物を用いて加熱温度および/
    または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した
    状態と消色した状態を繰り返し形成し得る可逆性熱発色
    組成物を含む記録層を少なくとも有する可逆性感熱記録
    媒体において、該記録層または他の層に体積抵抗が10
    0〜105Ω・cmの金属酸化物からなる導電性微粒子を
    含有することを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
  2. 【請求項2】 導電性微粒子が、TiO2、ZnO、S
    nO2、Al23、In23、SiO2、MgO、Ba
    O、MoO3から選ばれる結晶性金属酸化物の少なくと
    も1種であることを特徴とする請求項1に記載の可逆性
    感熱記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記導電性微粒子を含有する層が可逆性
    感熱記録媒体の記録層側および/または裏面の最外層で
    あることを特徴とする請求項1または2に記載の可逆性
    感熱記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記導電性微粒子を含有した層が、更に
    架橋状態にある樹脂を含んでいることを特徴とする請求
    項1乃至3の何れか1に記載の可逆性感熱記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記架橋状態にある樹脂が熱によって架
    橋されたことを特徴とする請求項4に記載の可逆性感熱
    記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記架橋状態にある樹脂が紫外線によっ
    て架橋されたことを特徴とする請求項4に記載の可逆性
    感熱記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記導電性微粒子を含有した層が更に有
    機および/または無機フィラーを含んでいることを特徴
    とする請求項1乃至6の何れか1に記載の可逆性感熱記
    録媒体。
  8. 【請求項8】 電子受容性化合物として、炭素数8以上
    のアルキル基を有するフェノール性化合物を用いること
    を特徴とする請求項1乃至7の何れか1に記載の可逆性
    感熱記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記記録媒体がカード状またはシート状
    に加工されていることを特徴とする請求項1乃至8の何
    れか1に記載の可逆性感熱記録媒体。
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