JP2001039027A - 可逆性感熱記録媒体 - Google Patents

可逆性感熱記録媒体

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JP2001039027A
JP2001039027A JP11212828A JP21282899A JP2001039027A JP 2001039027 A JP2001039027 A JP 2001039027A JP 11212828 A JP11212828 A JP 11212828A JP 21282899 A JP21282899 A JP 21282899A JP 2001039027 A JP2001039027 A JP 2001039027A
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Japan
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reversible thermosensitive
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resin
recording layer
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JP11212828A
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Tadafumi Tatewaki
忠文 立脇
Hiromi Furuya
浩美 古屋
Fumio Kawamura
史生 河村
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、繰り返し使用によっても記
録媒体への打痕の発生のない、耐久性が良好な可逆性感
熱記録媒体を提供することにあり、消去バーやサーマル
ヘッドなどの消去デバイスを用いて高速消去が可能で、
さらに発色特性、および保存特性が良好な可逆性感熱記
録媒体を提供すること。 【解決手段】 支持体上に少なくとも電子供与性呈色性
化合物と電子受容性化合物から成り、加熱温度及び/又
は加熱後の冷却速度を制御することにより、発色・消色
状態を繰り返し取り得る可逆性感熱組成物を含有する可
逆性感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体において、
該可逆性感熱記録層中に水酸基価70(KOHmg/
g)以上の樹脂を含有し、更に該樹脂が硬化剤によって
架橋状態にあることを特徴とする可逆性感熱記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子供与性呈色性
化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した
可逆性感熱発色組成物を用い、熱エネルギーを制御する
ことにより発色画像の形成と消去が繰り返し可能な可逆
性感熱記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子供与性呈色性化合物(以下、
発色剤またはロイコ染料ともいう)と電子受容性化合物
(以下、顕色剤ともいう)との間の発色反応を利用した
感熱記録媒体は広く知られており、OA化の進展と共に
ファクシミリ、ワードプロセッサー、科学計測機などの
プリンターに広く使用されている。しかし、これらの実
用化されている従来の記録媒体は環境問題上、リサイク
ルや使用量の減量化などの見直しが迫られているが、い
ずれも不可逆的な発色であり、一度記録した画像を消去
して繰り返して使用することはできない。
【0003】一方、特許公報によれば発色と消色を可逆
的に行なうことができる記録媒体も提案されており、例
えば、顕色剤として没食子酸とフロログルシノールを組
み合わせを用いる特開昭60−193691号公報、顕
色剤にフェノールフタレインやチモールフタレインなど
の化合物を用いる特開昭61−237684号公報、発
色剤と顕色剤とカルボン酸エステルの均質相溶体を記録
層に含有する特開昭62−138556号公報、特開昭
62−138568号公報および特開昭62−1408
81号公報、顕色剤にアスコルビン酸誘電体を用いた特
開昭63−173684号公報、顕色剤にビス(ヒドロ
キシフェニル)酢酸または没食子酸と高級脂肪族アミン
との塩を用いる特開平2−188293号公報および特
開平2−188294号公報記載のものなどが開示され
ている。
【0004】さらに本発明者らは、先に特開平5−12
4360号公報において顕色剤として長鎖脂肪族炭化水
素基をもつ有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物
またはフェノール化合物を用い、これと発色剤であるロ
イコ染料と組み合わせることによって、発色と消色を加
熱冷却条件により容易に行なわせることができ、しかも
その発色状態と消色状態を常温において安定に保持させ
ることが可能であり、しかも発色と消色を繰り返すこと
が可能な可逆性感熱発色組成物およびこれを記録層に用
いた可逆性感熱記録媒体を提案した。またその後、長鎖
脂肪族炭化水素基をもつフェノール化合物について特定
の構造のものを使用することが提案されている(特開平
6−210954号公報)。
【0005】しかし、実使用条件下では繰り返して印字
・消去を行なうと画像濃度の低下や打こん(印字部分の
変形)などの問題が生じ、顕色剤とロイコ染料の組成物
がもつ発色・消色特性を十分に発揮できる可逆性感熱記
録媒体は得られていなかった。これは、サーマルヘッド
による印字が、高温への加熱と同時に記録媒体への機械
的な力を加えながら行なわれるため、記録層や保護層な
ど記録媒体を構成する層の構造が変化し、繰り返しによ
り破壊されていくことによるものである。
【0006】このような記録媒体の問題に対し、特開平
6−340171号公報には記録層厚の1.1倍以上の
平均粒子径を有する粒子の添加による繰り返し耐久性の
向上が提案され、また、特開平8−156410号公報
には特性の光沢度及び表面粗さの保護層を設けることに
よりヘッドマッチング性を向上させることにより繰り返
し耐久性の向上が提案されている。
【0007】しかしながら、これらの記録層、保護層を
用いても繰り返し印字・消去の際の塗工層の破壊を完全
に防止することはできず、多数回の使用により記録媒体
表面に打こんが発生してしまうために印字の不良などが
起こり、実質的には繰り返し使用が少ない回数に制限さ
れてしまうという問題を有していた。
【0008】さらに、実際の使用においては光照射下で
保存されることが多いため、耐光性が高く、光によって
発色・消色特性が劣化しないものでなければならない。
しかし、実用上印字画像部および地肌部に蛍光灯及び太
陽光等の光が長時間当たると印字画像部および地肌部が
変色し、特に印字画像部は画像消去を行なっても完全に
は消色せず残像が発生するという問題を有していた。こ
のような耐光性の問題はその後提案された長鎖脂肪族炭
化水素基をもつフェノール化合物(特開平6−2109
54号公報)を用いても、必ずしも満足できる結果をも
たらすものではなかった。
【0009】さらに、特開平8−310128号公報、
特開平9−272262号公報、特開平9−27056
3号公報、特開平9−300817号公報、特開平9−
300820号公報には、特定の消色促進剤を添加する
ことにより、高速消去特性を付与することが提案されて
いるが、可逆的な色調変化を生じさせる電子受容性化合
物およびバインダーが変わることによって、実用上消色
時の画像濃度が高かったり、消色開始温度及び消色温度
範囲等に改善が見られないという問題を有していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、繰り
返し使用によっても記録媒体への打痕の発生のない、耐
久性が良好な可逆性感熱記録媒体を提供することにあ
り、消去バーやサーマルヘッドなどの消去デバイスを用
いて高速消去が可能で、さらに発色特性、および保存特
性が良好な可逆性感熱記録媒体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この課題
を解決するための検討を行なった結果、多数回の印字、
消去による塗工膜の破壊は記録層が最も大きく、記録層
の耐熱温度が向上することにより記録層の力学的強度が
向上し記録媒体の繰り返し耐久性が向上することを見い
だした。
【0012】すなわち本発明は、支持体上に、電子供与
性呈色性化合物と電子受容性化合物を用い、加熱温度お
よび/または加熱後の冷却温度の違いにより相対的に発
色した状態と消色した状態を形成しうる可逆性熱発色組
成物を含有する可逆性感熱記録層を少なくとも有する可
逆性感熱記録媒体において、該可逆性感熱記録層中に水
酸基価70(KOHmg/g)以上の樹脂を含有し、更
に該樹脂がイソシアネート系などの硬化剤によって、樹
脂中に含まれる水酸基の数に対する硬化剤の活性基の数
のモル比が0.5〜2で架橋状態にあることを特徴とす
るものである。また、ヘテロ原子を含む2価の基と炭素
数6以上のアルキル鎖を有する発色消色制御剤を用いる
ことにより、消去特性、発色特性および保存特性の向上
が得られ、更に第2アミド基を有する構造の消色促進剤
を用いることにより、高速消去特性が得られることを見
い出した。
【0013】以下、本発明の可逆性感熱記録媒体につい
て詳しく説明する。本発明に用いられるイソシアネート
系硬化剤としては、イソシアネート基を複数持つポリイ
ソシアネート化合物であり、具体的にはヘキサメチレン
ジイソシアネート(HDI)、トリレンジイソシアネー
ト(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XD
I)、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)等、
およびこれらのトリメチロールプロパンなどによるアダ
クトタイプ、ビュレットタイプ、イソシアヌレートタイ
プ及びブロック化イソシアネート類等が挙げられる。中
でも特にヘキサメチレンジイソシアネートが好ましく、
このアダクトタイプ、ビュレットタイプ、イソシアヌレ
ートタイプが好ましく用いられる。
【0014】また本発明に用いられる水酸基価70(K
OHmg/g)以上の樹脂としては、アクリルポリオー
ル樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポ
リオール樹脂などが挙げられるが、特に発色の安定性が
良好で、消色性が良好であることから、アクリルポリオ
ール樹脂が好ましく用いられる。水酸基価としては70
(KOHmg/g)以上であり、特に好ましくは90
(KOHmg/g)以上である方がよい。水酸基価の大
小は架橋密度に影響し、水酸基価が高い程、架橋密度が
高く、高耐久性となるため塗膜の耐化学薬品性、物性な
どを左右する。本発明者らは、水酸基価が70(KOH
mg/g)以上で耐久性、塗膜表面硬度、ワレ抵抗性が
向上することを見い出した。またアクリルポリオール樹
脂においては構成の違いによってその特性に抵抗があ
り、水酸基モノマーとしてヒドロキシエチルアクリレー
ト(HEA)、ヒドロキシプロピルアクリレート(HP
A)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEM
A)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPM
A)、2−ヒドロキシブチルモノアクリレート(2−H
BA)、1,4−ヒドロキシブチルモノアクリレート
(1−HBA)などが用いられるが、特に第1級水酸基
をもつモノマーを使用した方が、塗膜のワレ抵抗性や耐
久性が良いことから、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ートが好ましく用いられる。また、酸価としては7(K
OHmg/g)以下であり、特に好ましくは6(KOH
mg/g)以下であるほうがよい。酸価が7(KOHm
g/g)以下では地肌濃度が白いが、酸価が7(KOH
mg/g)を超えると塗膜乾燥後、酸性分がロイコ染料
と反応して発色してしまい、目視で判るほど地肌濃度が
上がってしまう。
【0015】次に分子量としてはゲルパーミエーション
クロマトグラフィー法で決定した重量平均分子量として
20000以上であり、特に好ましくは30000以上
であるほうがよい。分子量が20000以上では乾燥性
が向上するためキュアー時間の短縮など生産面でメリッ
トがあり、また塗膜表面硬度も向上する。しかし、分子
量が20000未満では塗膜表面硬度が弱いため耐久性
が劣るという問題が発生する。またガラス転移温度とし
ては60℃以上であり、特に好ましくは70℃以上であ
るほうがよい。ガラス転移温度が60℃以上では硬化乾
燥時間が短くて済み、更に耐久性、発色特性および保存
特性が向上する。
【0016】硬化剤の樹脂に対する添加量としては、樹
脂中に含まれる水酸基の数に対する硬化剤の活性基の数
のモル比で0.5〜2であり、特に好ましくは0.8〜
1.5であるほうがよい。0.5未満では熱強度が不足
してしまい耐久性が低下し、また2を越えて添加すると
発色・消色特性に悪影響を及ぼす。また更に、架橋促進
剤としてこの種の反応に用いられる触媒を用いてもよ
い。
【0017】架橋促進剤としては、例えば1,4−ジア
ザ−ビシクロ[2,2,2]オクタンなどの3級アミ
ン、有機すず化合物などの金属化合物などが用いられ
る。また、硬化剤は添加した全量が架橋反応していて
も、していなくてもよい。すなわち、未反応硬化剤が存
在していてもよい。この種の架橋反応は経時的に進行す
るため、未反応の硬化剤が存在していることは架橋反応
が全く進行していないことを示すのではなく、未反応の
硬化剤が検出されることにより架橋状態にある樹脂が存
在することが示唆されるからである。
【0018】本発明に用いられるロイコ染料としては、
従来公知のロイコ染料を任意に用いることができ、特に
好ましくは以下の化合物が単独もしくは混合して用いら
れる。
【0019】
【化1】 (式中、R14、R15は低級アルキル基、置換されてもよ
いアリール基、水素原子を示し、さらにR14、R15は互
いに結合し環を形成してもよい。R16は低級アルキル
基、ハロゲン原子または水素原子を表わし、またR17
低級アルキル、ハロゲン原子、水素原子または式(2)
で表わされる置換アニリノ基を示す。)
【0020】
【化2】 (式中、R18は低級アルキル基を示し、X1はアルキル
基またはハロゲン原子を示す。nは0から3の整数を表
わす。)
【0021】
【化3】 (式中、R19からR22はアルキル基または水素原子を表
わし、R23はアルキル基、アルコキシル基または水素原
子を表わす。)
【0022】
【化4】 (式中、R24からR27は低級アルキル基または水素原子
を表わし、R28、R29はアルキル基、アルコキシル基ま
たは水素原子を表わす。)
【0023】以下に本発明で用いられるロイコ染料の例
を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフ
ルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ(n−ブ
チルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−
6(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピ
ル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3
−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)
フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n
−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリ
ノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−メチ
ルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6
−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル
−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−
メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルア
ミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p
−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル
−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2
−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6
−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメ
チルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフル
オラン、2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−
メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミ
ノ)フルオラン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−
3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N
−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−
エチルアニリノ)フルオラン、2−(N−エチル−p−
トルイジノ)−3−メチル−6−(N−プロピル−p−
トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−6−(N−n
−ヘキシル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(o
−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(o−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフル
オラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−6−
ジエチルアミノフルオラン、2,3−ジメチル−6−ジ
メチルアミノフルオラン、3−メチル−6−(N−エチ
ル−p−トルイジノ)フルオラン、2−クロロ−6−ジ
エチルアミノフルオラン、2−ブロモ−6−ジエチルア
ミノフルオラン、2−クロロ−6−ジプロピルアミノフ
ルオラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフル
オラン、3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオ
ラン、2−クロロ−6−(N−エチル−N−イソアミル
アミノ)フルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジ
エチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−
6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニ
リノ)−3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオ
ラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−ク
ロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2,3−
ジクロロアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノ
フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフル
オラン、3−ジエチルアミノ−6−(m−トリフロロメ
チルアニリノ)フルオラン、3−(1−エチル−2−メ
チルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4
−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−
(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3
−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7
−アザフタリド、3−(1−オクチル−2−メチルイン
ドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチ
ルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エ
チル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−
メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタ
リド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−
イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニ
ル)−7−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチ
ルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ
フェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2
−メチルインドール−3−イル)−3−(4−N−n−
アミル−N−メチルアミノフェニル)−4−アザフタリ
ド−(3−1−メチル−2−メチルインドール−3−イ
ル)−3−(2−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノ
フェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(2−エ
トキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタ
リド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミ
ノフェニル)−7−アザフタリド。
【0024】本発明で用いる発色剤は前記のフルオラン
化合物、アザフタリド化合物の他に、従来公知のロイコ
染料を単独または混合して使用することができる。その
発色剤を以下に示す。2−(p−アセチルアニリノ)−
6−(N−n−アミル−N−n−ブチルアミノ)フルオ
ラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−ト
ルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N
−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2
−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチ
ルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−
(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベン
ジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フル
オラン、2−(ジ−p−メチルベンジルアミノ)−6−
(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α
−フェニルエチルアミノ)−6−(N−エチル−p−ト
ルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−
メチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−
(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ
−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、2−エチ
ルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオ
ラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチル−2,4−
ジメチルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6
−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラ
ン、2−ジメチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)
フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−エチルア
ニリノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−
メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジエチルア
ミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラ
ン、2−ジプロピルアミノ−6−(N−メチルアニリ
ノ)フルオラン、2−ジプロピルアミノ−6−(N−エ
チルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メ
チルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エ
チルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プ
ロピルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−
メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6
−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ア
ミノ−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラ
ン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−エチルアニリ
ノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−
エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−
プロピル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミ
ノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フ
ルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−2,4−ジ
メチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−
プロピル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2
−アミノ−6−(N−メチル−p−クロロアニリノ)フ
ルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−クロロ
アニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピ
ル−p−クロロアニリノ)フルオラン、1,2−ベンゾ
−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラ
ン、1,2−ベンゾ−6−ジブチルアミノフルオラン、
1,2−ベンゾ−6−(N−メチル−N−シクロヘキシ
ルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エ
チル−N−トルイジノ)フルオラン、その他。
【0025】本発明において好ましく用いられる他の発
色剤の具体例を示すと以下の通りである。2−アニリノ
−3−メチル−6−(N−2−エトキシプロピル−N−
エチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリ
ノ)−6−(N−n−オクチルアミノ)フルオラン、2
−(p−クロロアニリノ)−6−(N−n−パルミチル
アミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリノ)−6
−(ジ−n−オクチルアミノ)フルオラン、2−ベンゾ
イルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フル
オラン、2−(o−メトキシベンゾイルアミノ)−6−
(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベ
ンジルアミノ−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、2−ジベンジルアミノ−4−メトキシ−6−(N
−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(ジベン
ジルアミノ−4−メチル−6−(N−エチル−p−トル
イジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミ
ノ)−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2
−(p−トルイジノ)−3−(t−ブチル)−6−(N
−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(o−メ
トキシカルボニルアミノ)−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、2−アセチルアミノ−6−(N−メチル−p−ト
ルイジノ)フルオラン、4−メトキシ−6−(N−エチ
ル−p−トルイジノ)フルオラン、2−エトキシエチル
アミノ−3−クロロ−6−ジブチルアミノフルオラン、
2−ジベンジルアミノ−4−クロロ−6−(N−エチル
−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエ
チルアミノ)−4−クロロ−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、2−(N−ベンジル−p−トリフロロメチルアニ
リノ)−4−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−ピロリジノフルオラ
ン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ピロリジノフルオ
ラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−
N−テトラヒドロフルフリルアミノ)フルオラン、2−
メシジノ−4’,5’−ベンゾ−6−ジエチルアミノフ
ルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3
−メチル−6−ピロリジノフルオラン、2−(α−ナフ
チルアミノ)−3,4ベンゾ−4’−ブロモ−6−(N
−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、
2−ピペリジノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
(N−n−プロピル−p−トリフロロメチルアニリノ)
−6−モルフォリノフルオラン、2−(ジ−N−p−ク
ロロフェニル−メチルアミノ)−6−ピロリジノフルオ
ラン、2−(N−n−プロピル−m−トリフロロメチル
アニリノ)−6−モルフォリノフルオラン、1,2−ベ
ンゾ−6−(N−エチル−N−n−オクチルアミノ)フ
ルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジアリルアミノフルオ
ラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エトキシエチル−N
−エチルアミノ)フルオラン、ベンゾロイコメチレンブ
ルー、2−[3,6−ビス(ジエチルアミノ)−7−
(o−クロロアニリノ)キサンチル]安息香酸ラクタ
ム、2−[3,6−(ジエチルアミノ)−9−(o−ク
ロロアニリノ)キサンチル]安息香酸ラクタム、3,3
−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラ
クトン)、3,3−ビス−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス−
(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロロフタリ
ド、3,3−ビス−(p−ジブチルアミノフェニル)フ
タリド、3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェ
ニル)−3−(2−ヒドロキシ−4,5−ジクロロフェ
ニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメチル
アミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−クロロフ
ェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメト
キシアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−クロ
ロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジ
メチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−ニ
トロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−
ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−
メチルフェニル)フタリド、3−(2−メトキシ−4−
ジメチルアミノフェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4
−クロロ−5−メトキシフェニル)フタリド、3,6−
ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)
−6’−ジメチルアミノフタリド、6’−クロロ−8’
−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、6’−
ブロモ−2’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピ
ラン、その他。
【0026】次に発色剤と組み合わせて用いられる顕色
剤について説明する。顕色剤は先に特開平5−1243
60号公報に長鎖脂肪族炭化水素基をもつ有機リン酸化
合物、脂肪族カルボン酸化合物、またはフェノール化合
物の代表例と共に開示されているように、分子内に発色
剤を発色させることができる顕色能をもつ構造と分子間
の凝集力をコントロールする構造を併せ持つ化合物が使
用される。顕色能を持つ構造としては、フェノール性水
酸基、カルボキシル基、リン酸基などの酸性の基が用い
られるが、これに限らず、チオ尿素基、カルボン酸金属
基など発色剤を発色できる基を持てばよい。分子間の凝
集力をコントロールする構造の代表例としては長鎖アル
キル基等の炭化水素基などがある。この炭化水素基の炭
素数は6以上であることが良好な発色・消色特性を得る
上で好ましい。また、この炭化水素基には不飽和結合が
含まれていてもよく、また分岐状の炭化水素基も包含さ
れる。この場合も主鎖部分は炭素数6以上であることが
好ましい。上記のように顕色剤は、顕色能をもつ構造と
炭化水素基のような分子間の凝集力をコントロールする
構造が連結した構造を持つ。この連結部分にはヘテロ原
子を含む2価の基、または、これらの基が複数個組み合
わせた基をはさんで結合していてもよい。以下、本発明
に用いられる顕色剤について具体的に例示する。なお、
顕色剤は単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して
用いてもよい。
【0027】
【化5】 式中、X2はヘテロ原子を含む2価の基または直接結合
手を示し、X3はヘテロ原子を含む2価の基を示す。R
30は2価の炭化水素基を表わし、R31は炭素数1から2
2の炭化水素基を表わす。また、pは0から4の整数を
表わし、pが2から4のとき繰り返されるR18およびX
3は同一でも、異なってもよい。また、qは1から3を
表わす。
【0028】具体的には、R30およびR31は置換基を有
していてもよい炭化水素基を示し、これらは脂肪族炭化
水素基でも芳香族炭化水素基でもよく、また、これらの
両方から構成される炭化水素基でもよい。また脂肪族炭
化水素基は直鎖でも分岐していてもよく、不飽和結合を
有していてもよい。炭化水素基につく置換基としては、
水酸基、ハロゲン、アルコキシ基等がある。なお、R30
は直接結合手でもよい。またR30およびR31炭素数の和
が7以下では発色の安定性や消色性が低下するため、炭
素数は8以上が好ましく、11以上であることがより好
ましい。R30の好ましい例としては、直接結合手の他に
表1に示されるものが挙げられる。
【0029】
【表1】
【0030】また、R31の好ましい例としては表2のも
のが挙げられる。
【0031】
【表2】 なお、式中のq、q'、q"、q"'はそれぞれ前記R30
31の炭素数を満足する整数を表わす。
【0032】また、X2及びX3は、ヘテロ原子を含む2
価の基を示し、好ましくは表3で表わされる基を少なく
とも1個以上有する2価の基を表わす。
【0033】
【表3】
【0034】その例としては、表4のものが挙げられ
る。
【0035】
【表4】
【0036】本発明で用いられるフェノール化合物の特
に好ましい例としては、下記式で表わされる化合物が挙
げられる。
【0037】
【化6】
【0038】
【化7】
【0039】
【化8】
【0040】
【化9】
【0041】
【化10】
【0042】
【化11】
【0043】
【化12】
【0044】
【化13】 式中のr、r'、sはそれぞれ独立にR30またはR31
炭素数を満足する整数を示す。
【0045】本発明におけるフェノール化合物のさらに
具体的な例としては、例えば式(7)の例として以下の
表5に示した化合物が挙げられる。また、他の式(6)
および(8)〜(13)で表わされる化合物もこれらと
同様なものが具体例として挙げられる。しかし、本発明
は何等これらに限定されるものではない。
【0046】
【表5−1】
【0047】
【表5−2】
【0048】
【表5−3】
【0049】
【表5−4】
【0050】また、さらに具体的なフェノール化合物と
しては例えば以下のものが挙げられる。その例として表
5中の下記式で表わされる化合物の具体的な例を表6に
挙げる。なお、表5中の他の式で表わされる化合物につ
いても同様なものが挙げられる。ただし、本発明はこれ
らに限定されるものではない。
【0051】
【化14】
【0052】
【表6】
【0053】有機リン酸系の顕色剤としては以下のよう
な化合物が例示できる。ドデシルホスホン酸、テトラデ
シルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシ
ルホスホン酸、エイコシルホスホン酸、ドコシルホスホ
ン酸、テトラコシルホスホン酸、リン酸ジテトラデシル
エステル、リン酸ジヘキサデシルエステル、リン酸ジオ
クタデシルエステル、リン酸ジエイコシルエステル、リ
ン酸ジベヘニルエステルなど。
【0054】脂肪族カルボン化合物としては以下のよう
な化合物が例示できる。2−ヒドロキシテトラデカン
酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、2−ヒドロキシオ
クタデカン酸、2−ヒドロキシエイコサン酸、2−ヒド
ロキシドコサン酸、2−ブロモヘキサデカン酸、2−ブ
ロモオクタデカン酸、2−ブロモエイコサン酸、2−ブ
ロモドコサン酸、3−ブロモオクタデカン酸、3−ブロ
モドコサン酸、2,3−ジブロモオクタデカン酸、2−
フルオロドデカン酸、2−フルオロテトラデカン酸、2
−フルオロヘキサデカン酸、2−フルオロオクタデカン
酸、2−フルオロエイコサン酸、2−フルオロドコサン
酸、2−ヨードヘキサデカン酸、2−ヨードオクタデカ
ン酸、3−ヨードヘキサデカン酸、3−ヨードオクタデ
カン酸、パーフルオロオクタデカン酸など。
【0055】脂肪族ジカルボン酸およびトリカルボン酸
化合物としては以下のような化合物が例示できる。2−
ドデシルオキシこはく酸、2−テトラデシルオキシこは
く酸、2−ヘキサデシルオキシこはく酸、2−オクタデ
シルオキシこはく酸、2−エイコシルオキシこはく酸、
2−ドデシルチオこはく酸、2−テトラデシルチオこは
く酸、2−ヘキサデシルチオこはく酸、2−オクタデシ
ルチオこはく酸、2−エイコシルチオこはく酸、2−ド
コシルチオこはく酸、2−テトラコシルチオこはく酸、
2−ヘキサデシルジチオこはく酸、2−オクタデシルジ
チオこはく酸、2−エイコシルジチオこはく酸、ドデシ
ルこはく酸、テトラデシルこはく酸、ペンタデシルこは
く酸、ヘキサデシルこはく酸、オクタデシルこはく酸、
エイコシルこはく酸、ドコシルこはく酸、2,3−ジヘ
キサデシルこはく酸、2,3−ジオクタデシルこはく
酸、2−メチル−3−ヘキサデシルこはく酸、2−メチ
ル−3−オクタデシルこはく酸、2−オクタデシル−3
−ヘキサデシルこはく酸、ヘキサデシルマロン酸、オク
タデシルマロン酸、エイコシルマロン酸、ドコシルマロ
ン酸、ジヘキサデシルマロン酸、ジオクタデシルマロン
酸、ジドコシルマロン酸、メチルオクタデシルマロン
酸、2−ヘキサデシルグルタル酸、2−オクタデシルグ
ルタル酸、2−エイコシルグルタル酸、ドコシルグルタ
ル酸、2−ペンタデシルアジピン酸、2−オクタデシル
アジピン酸、2−エイコシルアジピン酸、2−ドコシル
アジピン酸、2−ヘキサデカノイルオキシプロパン−
1,2,3−トリカルボン酸、2−オクタデカノイルオ
キシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸など。
【0056】また、本発明で用いられる発色消色制御剤
として、下記一般式(14)で表わされる化合物を用い
ることにより保存特性、高速消去特性に優れたものとな
る。発色消色制御剤としては、下記式の構造のものが挙
げられる。
【0057】
【化15】
【0058】式中、X4、X5及びX6はヘテロ原子を含
む基を示し、また、R32、R33及びR34は炭素数1〜2
2の基を表わす。また、l、m及びoはそれぞれ独立に
0または1を表わし、nは0〜4の整数を示す。ただ
し、l、m、n及びoが同時に0であることはない。さ
らに、nが2以上のとき繰り返されるR34およびX2
同一であっても異なっていてもよい。また、R32
33、R34およびR35は複素環を含んでいてもよい。よ
り好ましくは、R32、R33及びR34の炭素数の和は8以
上であることが好ましい。R32、R33、R34およびR35
の炭素数の和が7以下では発色の安定性や消色性が低下
するため、炭素数は8以上が好ましく、11以上である
ことがより好ましい。 R32、R33及びR34は置換基を
有していてもよい炭化水素基を示し、これらは脂肪族炭
化水素基でも芳香族炭化水素基でもよく、また、これら
の両方から構成される炭化水素基でもよい。また脂肪族
炭化水素基は直鎖でも分枝していてもよく、不飽和結合
を有していてもよい。炭化水素基につく置換基として
は、水酸基、ハロゲン、アルコキシ基等がある。R32
34の好ましい例としては表7に示されるものが挙げら
れる。
【0059】
【表7】
【0060】また、R33、R34およびR35の好ましい例
としては表8のものが挙げられる。
【0061】
【表8】 なお、式中のq、q'、q"、q"'はそれぞれ前記R32
33およびR34の炭素数を満足する整数を表わす。
【0062】また、X4及びX6の例として構造式の末端
位にある場合には、好ましくは表9で表わされる基を少
なくとも1個以上有する基を表わす。
【0063】
【表9】
【0064】その例としては、表10のものが挙げられ
る。
【0065】
【表10】
【0066】また、X4及びX6はヘテロ原子を含む2価
の基を示し、好ましくは表11で表わされる基を少なく
とも1個以上有する2価の基を表わす。
【0067】
【表11】
【0068】その例としては、表12ものが挙げられ
る。
【0069】
【表12】
【0070】以下に本発明で用いられる発色消色制御剤
の好ましい構造を例示するが、本発明はこれらの化合物
に限定されるものではない。
【0071】
【化16】
【0072】
【化17】
【0073】
【化18】 上記のR32、R33、R34、R35、X4、X5およびX6
それぞれ前記と同様の基を表わす。また、nは0から4
の整数であり、nが2以上のときに繰り返されるR34
5は同一であっても、異なっていても良い。さらに、
mは0あるいは1を示す。ただしnとmが同時に0であ
ることはない。さらに、特に好ましい構造としては以下
のものが挙げられる。
【0074】
【化19】
【0075】
【化20】
【0076】
【化21】
【0077】
【化22】
【0078】
【化23】
【0079】
【化24】
【0080】本発明で用いられる発色消色制御剤の具体
的な例としては、例えば式(22)の例としては表13
の化合物が挙げられる。また、式(23)についても同
様な化合物が挙げられる。
【0081】
【表13−1】
【0082】
【表13−2】
【0083】さらに具体例としては例えば、表13中
の、
【0084】
【化25】 および
【0085】
【化26】 で表わされる化合物の例として表14記載の化合物が挙
げられる。
【0086】
【表14】
【0087】本発明で用いられる消色促進剤としては、
下記一般式で示されるような2級アミド基を用いること
により高速消去特性に優れたものとなる。
【0088】
【化27】
【0089】
【化28】
【0090】
【化29】 式中、R36からR40は置換基を有しても良い飽和もしく
は不飽和の炭化水素基を表わし、R36とR37は環を形成
していても良く、形成される環は窒素原子、酸素原子ま
たは硫黄原子を介していても良い。さらに、R36からR
40で好ましく用いられる置換基を有して良い炭化水素基
の例としては、直鎖のみでも分岐していても良く、−O
−、−S−、−CO−、−COO−基を有していてもよ
い。また芳香族環、脂肪族環を有していても良い。また
これらの基は水酸基、ハロゲン原子等で置換されていて
も良い。表15に好ましく用いられる構造を挙げる。
n、n’、n”、n"'、n""、nは0から22の整数を
表わす。
【0091】
【表15−1】
【0092】
【表15−2】
【0093】R36とR37が環状の構造を形成する場合は
表16の構造が好ましく用いられる。
【0094】
【表16】 以上の基にさらに水酸基、ハロゲン原子が置換していて
も良い。
【0095】以下に本発明で用いられる消色促進剤の好
ましい具体例を表17に挙げる。しかし、本発明で用い
られる消色促進剤化合物はこれらに限定するものではな
い。
【0096】
【表17】 n、n’、n”、n"'、n""、nは0から21の整数を
示す。ただし全てが5以下であることはない。
【0097】さらに本発明で用いられる消色促進剤は会
合性の基を有することにより画像保存性に優れたものと
なる。
【0098】本発明で用いられる会合性の基としては表
18の基が挙げられる。
【0099】
【表18】
【0100】なお、会合性の基としては上記の基を1つ
以上有していれば良いが、本発明で用いられる消色促進
剤に好ましく用いられる会合性基の例としては表19の
基が挙げられる。
【0101】
【表19】
【0102】これらの会合性の基を有する消色促進剤と
しては表20のものが挙げられる。Xは上記の会合性の
基を示し、n−n"'は0から21の整数を示すが、全て
が5以下であることはない。表20に本発明で用いられ
る消色促進剤の好ましい例を挙げる。しかし、本発明で
用いられる消色促進剤はこれらの化合物に限られるもの
ではない。
【0103】
【表20−1】
【0104】
【表20−2】
【0105】また、会合性の基を2個以上有することに
よりさらに画像安定性の良好な感熱記録媒体を得ること
ができる。その例としては表20中の下記式(27)の
構造の場合、式(28)で示される構造が挙げられる。
表20中のその他の構造の場合にも同様に2個以上会合
性基を有する構造がある。
【0106】
【化30】
【0107】
【化31】 このときX’は前記Xと同様に会合性の基を示し、n""
は前記と同様に0から22を示す。pは1〜4の整数を
示し、mが2以上の時繰り返されるX’およびn""は同
一であっても、異なっていても良い。
【0108】表21に式(27)および(28)で示さ
れる消色促進剤の具体的な例を示すが本発明はこれらの
化合物に限られるわけではない。また、表17および表
20に示された構造の化合物にも同様な具体例が挙げら
れる。
【0109】
【表21−1】
【0110】
【表21−2】
【0111】本発明の可逆性感熱記録媒体は、加熱温度
および/または加熱後の冷却速度により、相対的に発色
した状態と消色した状態を形成しうるものである。この
本発明に用いられる発色剤と顕色剤からなる組成物の基
本的な発色・消色現象を説明する。図1はこの記録媒体
の発色濃度と温度との関係を示したものである。はじめ
消色状態(A)にある記録媒体を昇温していくと、溶融
し始める温度T1で発色が起こり溶融発色状態(B)と
なる。溶融発色状態(B)から急冷すると発色状態のま
ま室温に下げることができ、固まった発色状態(C)と
なる。この発色状態が得られるかどうかは、溶融状態か
らの降温の速度に依存しており、徐冷では降温の過程で
消色が起き、はじめと同じ消色状態(A)あるいは急冷
発色状態(C)より相対的に濃度の低い状態が形成され
る。一方、急冷発色状態(C)をふたたび昇温していく
と発色温度より低い温度T2で消色が起き(Dから
E)、ここから降温するとはじめと同じ消色状態(A)
に戻る。実際の発色温度、消色温度は、用いる顕色剤と
発色剤の組み合わせにより変化するので目的に合わせて
選択できる。また溶融発色状態の濃度と急冷したときの
発色濃度は、必ずしも一致するものではなく、異なる場
合もある。
【0112】本発明の記録媒体では、溶融状態から急冷
して得た発色状態(C)は顕色剤と発色剤が分子どうし
で接触反応しうる状態で混合された状態であり、これは
固体状態を形成していることが多い。この状態は顕色剤
と発色剤が凝集して発色を保持した状態であり、この凝
集構造の形成により発色が安定化していると考えられ
る。一方、消色状態は両者が相分離した状態である。こ
の状態は少なくとも一方の化合物の分子が集合してドメ
インを形成したり結晶化した状態であり、凝集あるいは
結晶化することにより発色剤と顕色剤が分離して安定化
した状態であると考えられる。本発明では多くの場合、
両者が相分離し顕色剤が結晶化することによってより完
全な消色が起きる。図1に示した溶融状態から徐冷によ
る消色および発色状態からの昇温による消色は、いずれ
もこの温度で凝集構造が変化し、相分離や顕色剤の結晶
化が起きている。
【0113】本発明の可逆性感熱記録媒体の発色記録の
形成はサーマルヘッドなどによりいったん溶融混合する
温度に加熱し、急冷すればよい。また、消色は加熱状態
から徐冷する方法と発色温度よりやや低い温度に加熱す
る方法の二つである。しかし、これらは両者が相分離し
たり、少なくとも一方が結晶化する温度に一時的に保持
するという意味で同じである。発色状態の形成で急冷す
るのは、この相分離温度または結晶化温度に保持しない
ようにするためである。ここにおける急冷と徐冷はひと
つの組成物に対して相対的なものであり、その境界は発
色剤と顕色剤の組み合わせにより変化する。
【0114】発色剤と顕色剤の割合は、使用する化合物
の組み合わせにより適切な範囲が変化するが、おおむね
モル比で発色剤1に対し顕色剤が0.1から20の範囲
であり、好ましくは0.2から10の範囲である。この
範囲より顕色剤が少なくても多くても発色状態の濃度が
低下し問題となる。また、消色促進剤、発色消色制御剤
の割合は顕色剤に対し0.1重量%から300重量%が
好ましく、より好ましくは3重量%から100重量%が
好ましい。また、発色剤と顕色剤はマイクロカプセル中
に内包して用いることもできる。
【0115】記録層中の発色成分と樹脂の割合は、発色
成分1に対して0.1から10が好ましく、これより少
ないと記録層の強度が不足し、これより多い場合には発
色濃度が低下して問題となる。記録層の形成には、前記
の顕色剤、発色剤、消色促進剤、発色消色制御剤、硬化
剤および架橋状態にある樹脂ならびに塗液溶媒よりなる
混合物を均一に混合させて調製した塗液を用いる。塗液
調製に用いられる溶媒の具体例としては、水;メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、
メチルイソカルビノールなどのアルコール類;アセト
ン、2−ブタノン、エチルアミルケトン、ジアセトンア
ルコール、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトン
類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミドなどのアミド類;ジエチルエーテル、イソ
プロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオ
キサン、3,4−ジヒドロ−2H−ピランなどのエーテ
ル類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノー
ル、2−ブトキシエタノール、エチレングリコールジメ
チルエーテルなどのグリコールエーテル類;2−メトキ
シエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、
2−ブトキシエチルアセテートなどのグリコールエーテ
ルアセテート類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブ
チル、酢酸アミル、乳酸エチル、エチレンカーボネート
などのエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなど
の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、iso−オ
クタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;塩化
メチレン、1,2−ジクロルエタン、ジクロロプロパ
ン、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;ジメ
チルスルホキシドなどのスルホキシド類;N−メチル−
2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドンなどの
ピロリドン類等を例示することができる。
【0116】塗液調製はペイントシェーカー、ボールミ
ル、アトライター、三本ロールミル、ケディーミル、サ
ンドミル、ダイノミル、コロイドミル等公知の塗液分散
装置を用いて行なうことができる。また、上記塗液分散
装置を用いて各材料を溶媒中に分散しても良いし、各々
単独で溶媒中に分散して混ぜ合わせても良い。更に加熱
溶解して急冷または徐冷によって析出させても良い。
【0117】記録層を設ける塗工方法については特に制
限はなく、ブレード塗工、ワイヤーバー塗工、スプレー
塗工、エアナイフ塗工、ビード塗工、カーテン塗工、グ
ラビア塗工、キス塗工、リバースロール塗工、ディップ
塗工、ダイ塗工等公知の方法を用いることができる。
【0118】記録層の乾燥・硬化方法は塗布・乾燥後、
必要に応じて硬化処理を行なう。熱で架橋するものであ
れば高温槽等を用いて比較的高温で短時間でもよく、ま
た比較的低温で長時間かけて熱処理しても良い。架橋反
応の具体的な条件としては反応性の面から30℃〜13
0℃程度の温度条件で1分から150時間程度加温する
ことが好ましい。より好ましくは40℃〜100℃の温
度条件で2分から120時間程度加温することが好まし
い。また支持体としてPETフィルムを用いることが多
いが、PETフィルムの耐熱性から130℃以上の乾燥
は困難であることから、乾燥条件程度では架橋時間が短
いため十分な架橋ではない。したがって、乾燥過程とは
別に架橋工程を設ける必要がある。さらに、架橋温度を
非常に高温にした場合、架橋が急速に進行するが、これ
により層表面の塗れ性が極端に劣化し、塗工不良が起き
たり、積層した層間の接着性が悪化する問題が生じる。
そこで、架橋温度としては40℃から100℃の温度条
件で2分から120時間程度加温することが好ましい。
記録層の膜厚は1〜20μmの範囲が好ましく、より好
ましくは3〜10μm程度である。
【0119】本発明の可逆性感熱記録媒体の支持体とし
ては紙、樹脂フィルム、PETフィルム、合成紙、金属
箔、ガラスまたはこれらの複合体などであり、記録層を
保持できるものであればよい。また、必要に応じた厚み
のものが単独あるいは貼り合わす等して用いることがで
きる。すなわち、数μm程度から数mm程度まで任意の
厚みの支持体が用いられる。また、これらの支持体は可
逆性感熱記録層と同一面および/または反対面に磁気記
録層を有していてもよい。また、本発明の可逆性感熱記
録媒体は粘着層等を介して、他の媒体へ貼り付けても良
い。あるいは、PETフィルムなどの支持体の片面にバ
ックコート層を設け、該バックコート層の反対面に熱転
写リボンに用いられる剥離層、剥離層上に本発明の感熱
記録層、更に表面上に紙、樹脂フィルム、PETフィル
ムなどに転写できる樹脂層を設け熱転写プリンターを用
いて転写させても良い。本発明の可逆性感熱記録媒体
は、シート状あるいはカード状に加工されていてもよ
く、その形状は任意の形状に加工することができ、ま
た、媒体表面への印刷加工を施すことができる。また、
本発明の可逆性感熱記録媒体は、非可逆の感熱記録層を
併用しても良く、このときそれぞれの記録層の発色色調
は同じも異なっても良い。
【0120】本発明の可逆性感熱記録媒体には、必要に
応じて記録層の塗布特性や発色消色特性を改善したり制
御するための添加剤を用いることができる。これらの添
加剤には、例えば界面活性剤、導電剤、充填剤、酸化防
止剤、光安定化剤、発色安定化剤などがある。
【0121】また本発明によれば記録層上に架橋状態に
ある樹脂を用いた保護層を有していても良く、架橋状態
にある樹脂としては前記の熱硬化性樹脂、紫外線硬化樹
脂、電子硬化樹脂などが用いられる。これにより、印字
時のヘッドマッチング性が向上したものとなり、さらに
繰り返し耐久性の向上したものとなる。また、保護層中
には紫外線吸収剤、無機または/及び有機フィラー、滑
剤などの添加剤を含有させることができる。
【0122】次に電子線及び紫外線硬化の際に用いられ
るモノマーとしては、例えば以下のものが挙げられる。 単官能性モノマーの例 メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸
t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタク
リル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル
酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリ
ル酸ベンジル、メタクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロ
キシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メ
タクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチルメチルクロライド塩、メタクリル酸ジエ
チルアミノエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリ
ル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸アリル、ジ
メタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸トリ
エチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレング
リコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコー
ル、ジメタクリル酸1,6−ヘキサンジオール、トリメ
タクリル酸トリメチロールプロパン、メタクリル酸2−
エトキシエチル、2−エチルヘキシルアクリレート、2
−エトキシエチルアクリレート、2−エトキシエトキシ
エチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジシクロペ
ンテニルエチルアクリレート、N−ビニルピロリドン、
酢酸ビニル等。
【0123】2官能性モノマーの例 1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキ
サンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオール
ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリプ
ロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレング
リコールジアクリレート、ビスフェノールAエチレンオ
キサイド付加物ジアクリレート、グリセリンメタクリレ
ートアクリレート、ネオペンチルグリコールのプロピレ
ンオキサイド2モル付加物のジアクリレート、ジエチレ
ングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール
(400)ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸とネ
オペンチルグリコールのエステルのジアクリレート、
2,2−ビス(4−アクロリキシジエトキシフェニル)
プロパン、ネオペンチルグリコールジアジペートのジア
クリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコ
ールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレート、2
−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−
ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサンジ
アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリ
レート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート
のε−カプロラクトン付加物、1,6−ヘキサンジオー
ルのグリシジルエーテルのジアクリレート等。
【0124】多官能性モノマーの例 トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセリン
プロピレンオキサイド付加アクリレート、トリスアクリ
ロイルオキシエチルフォスフェート、ペンタエリスリト
ールアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレ
ンオキサイド3モル付加物のトリアクリレート、ジペン
タエリスリトール・ポリアクリレート、ジペンタエリス
リトールのカプロラクトン付加物のポリアクリレート、
プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロ
ピントリアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリ
トールのテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパ
ンテトラアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリ
トールのペンタアクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレートのε−カプロラクトン付加物等。
【0125】オリゴマーの例 ビスフェノールA−ジエポキシアクリル酸付加物等。
【0126】また、紫外線を用いて架橋させる場合には
次のような光重合開始剤、光重合促進剤を用いる。その
例としては、イソブチルベンゾインエーテル、イソプロ
ピルベンゾインエーテル、ベンゾインエチルエーテル、
ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類。
1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エ
トキシカルボニル)オキシム等のα−アシロキシムエス
テル。2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノ
ン、ベンジル、ヒドロキシシクロヘキシルフェノルケト
ン等のベンジルケタール類。ジエトキシアセトフェノ
ン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパ
ン−1−オン等のアセトフェノン誘電体。ベンゾフェノ
ン、1−クロロチオキサントン、2−クロロチオキサン
トン、イソプロピルチオキサントン、2−メチルチオキ
サントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロベン
ゾフェノン等のケトン類が挙げられる。これらの光重合
開始剤は、単独でまたは2種類以上併用して使用され
る。添加量としては架橋剤1重量部に対して0.005
〜1.0重量部が好ましく、更に好ましくは0.01〜
0.5重量部である。
【0127】光重合促進剤としては芳香族系の第3アミ
ンや脂肪族系アミンがある。具体的にはp−ジメチルア
ミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ
安息香酸エチルエステル等が挙げられる。これらの光重
合促進剤は、単独でまたは2種類以上併用して使用され
る。添加量としては光重合開始剤1重量部に対して0.
1〜5重量部が好ましく、更に好ましくは0.3〜3重
量部である。
【0128】本発明に用いる紫外線照射の際の光源とし
ては水銀ランプ、メタルハライドランプ、ガリウムラン
プ、水銀キセノンランプ、フラッシュランプなどがある
が、前記した光重合開始剤および光重合促進剤の紫外線
吸収波長に対応した発光スペクトルを有する光源を使用
すればよい。また、紫外線照射条件としては、樹脂を架
橋させるために必要な照射エネルギーに応じてランプ出
力、搬送速度を決めればよい。また、電子線照射装置と
しては照射面積、照射線量、などの目的の応じて走査
形、非走査形いずれかを選べば良く、照射条件としては
樹脂を架橋するのに必要な線量に応じて、電子流、照射
幅、搬送速度を決めれば良い。
【0129】保護層に用いる樹脂としては、前記の架橋
状態にある樹脂の他にポリビニルアルコール、スチレン
無水マレイン酸共重合体、カルボキシ変性ポリエチレ
ン、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムア
ルデヒド樹脂などが挙げられる。保護層の膜厚は0.1
〜20μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜
10μmである。記録層と保護層の接着性向上、保護層
の塗布による記録層の変質防止、保護層中の添加剤の記
録層への移行を防止する目的で、両者の間に中間層を設
けることも好ましい。
【0130】また、印加した熱を有効に利用するため支
持体と記録層の間に断熱性のアンダーコート層を設ける
ことができる。断熱層は有機または無機の微小中空体粒
子をバインダー樹脂を用いて塗布することにより形成で
きる。支持体と記録層の接着性の改善や支持体への記録
層材料の浸透防止を目的としたアンダーコート層を設け
ることもできる。中間層、アンダーコート層には、前記
の記録層用の樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
【0131】また、アンダーコート層、記録層、中間
層、保護層にフィラーを添加してもよく、フィラーとし
ては無機フィラーと有機フィラーに分けることができ
る。無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウムなどの炭酸塩;無水ケイ酸、含水ケイ酸、含水
ケイ酸アルミニウム、含水ケイ酸カルシウムなどのケイ
酸塩;アルミナ、酸化鉄などの水酸化物;酸化亜鉛、酸
化インジウム、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニア、酸
化スズ、酸化セリウム、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化
バリウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ビスマ
ス、酸化ニッケル、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸
化マンガン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化トリウ
ム、酸化ハフニウム、酸化モリブデン、鉄フェライト、
ニッケルフェライト、コバルトフェライト、チタン酸バ
リウム、チタン酸カリウムのような金属酸化物;硫化亜
鉛、硫酸バリウムのような金属硫化物あるいは硫酸化合
物;チタンカーバイド、シリコンカーバイド、モリブデ
ンカーバイド、タングステンカーバイド、タンタルカー
バイドのような金属炭化物;窒化アルミニウム、窒化珪
素、窒化ホウ素、窒化ジルコニウム、窒化バナジウム、
窒化チタニウム、窒化ニオブ、窒化ガリウムのような金
属窒化物等が挙げられる。
【0132】有機フィラーとしては、シリコーン樹脂、
セルロース樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、フェノ
ール樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレ
ン、ポリスチレン、ポリスチレン・イソプレン、スチレ
ンビニルベンゼンなどのスチレン系樹脂、塩化ビニリデ
ンアクリル、アクリルウレタン、エチレンアクリルなど
のアクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ベンゾグアナミ
ンホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒドなどの
ホルムアルデヒド系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹
脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられる。本発明では有機フ
ィラーを単独で用いることもできるが、2種類以上含ま
れてもよく、複合粒子であってもよい。また、形状とし
ては球状、粒状、板状、針状等が挙げられる。
【0133】また、層中のフィラーの含有量は体積分率
で1〜95%、より好ましくは5〜75%である。
【0134】また、アンダーコート層、記録層、中間
層、保護層に滑剤を添加してもよく、滑剤の具体例とし
ては、エステルワックス、パラフィンワックス、ポリエ
チレンワックス等の合成ワックス類:硬化ひまし油等の
植物性ワックス類:牛脂硬化油等の動物性ワックス類:
ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級ア
ルコール類:マルガリン酸、ラウリン酸、ミスチレン
酸、パルミチル酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、フロメ
ン酸等の高級脂肪酸類:ソルビタンの脂肪酸エステルな
どの高級脂肪酸エステル類:ステアリン酸アミド、オレ
イン酸アミド、ラウリン酸アミド、エチレンビスステア
リン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチ
ロールステアリン酸アミド等のアミド類などが挙げられ
る。
【0135】層中の滑剤の含有量は体積分率で0.1〜
95%、より好ましくは1〜75%である。また、中間
層、保護層中に樹脂(バインダー)と共に無機または有
機紫外線吸収剤を含有してもよく、その含有量はバイン
ダー100重量部に対して0.5〜10重量部の範囲が
好ましい。
【0136】有機紫外線吸収剤としては、2−(2’−
ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−
5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−オクトキシフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’
−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−
5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−エトキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外
線吸収剤、
【0137】2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’
−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,
2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェ
ノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフ
ェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボ
キシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オキシベン
ジルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−クロロベン
ゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,2’
−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン
−スルホン酸ナトリウム等のベンゾフェノン系紫外線吸
収剤、
【0138】フェニルサリシレート、p−オクチルフェ
ニルサリシレート、 p−t−ブチルフェニルサリシレ
ート、カルボキシフェニルサリシレート、メチルフェニ
ルサリシレート、ドデシルフェニルサリシレート、2−
エチルヘキシルフェニルサリシレート、 ホモメンチル
フェニルサリシレート等のサリチル酸エステル系紫外線
吸収剤、
【0139】2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,
3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−
3,3’−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレ
ート系紫外線吸収剤、p−アミノ安息香酸、p−アミノ
安息香酸グリセリル、p−ジメチルアミノ安息香酸アミ
ル、p−ジヒドロキシプロピル安息香酸エチル等のp−
アミノ安息香酸系紫外線吸収剤、
【0140】p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシ
ル、p−メトキシケイ皮酸−2−エトキシエチル等のケ
イ皮酸系紫外線吸収剤、4−t−ブチル−4’−メトキ
シ−ジベンゾイルメタン、ウロカニン酸、ウロカニン酸
エチル等が挙げられる。
【0141】無機紫外線吸収剤としては、硫化亜鉛、酸
化チタン、酸化セリウム、酸化スズ、酸化モリブデン、
酸化亜鉛、窒化バリウム、シリカ、アルミナ、酸化アン
チモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化バ
リウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、窒化珪
素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、硫酸バリウム等が
挙げられる。
【0142】中間層、保護層の塗液に用いられる溶媒、
塗液の分散装置、塗工方法、乾燥・硬化方法等は上記記
録層で用いられた公知の方法を用いることができる。
【0143】本発明の可逆性感熱記録媒体を用いて発色
画像を形成させるためには、いったん発色温度以上に加
熱したのち急冷されるようにすればよい。具体的には、
例えばサーマルヘッドやレーザー光で短時間加熱すると
記録層が局部的に加熱されるため、直ちに熱が拡散し急
激な冷却が起こり、発色状態が固定できる。一方、消色
させるためには適当な熱源を用いて比較的長時間加熱し
冷却するか、発色温度よりやや低い温度に一時的に加熱
すればよい。長時間加熱すると記録媒体の広い範囲が昇
温し、その後の冷却は遅くなるため、その過程で消色が
起きる。この場合の加熱方法には、熱ローラー、熱スタ
ンプ、熱風などを用いてもよいし、サーマルヘッドを用
いて長時間加熱してもよい。記録層を消色温度域に加熱
するためには、例えばサーマルヘッドへの印加電圧やパ
ルス幅を調節することによって、印加エネルギーを記録
時よりやや低下させればよい。この方法を用いれば、サ
ーマルヘッドだけで記録・消去ができ、いわゆるオーバ
ーライトが可能になる。記録装置としては、通常用いら
れるプリンター以外にインクジェットプリンター、熱転
写プリンター、昇華型プリンターなどを用いても良い。
また、熱ローラー、熱スタンプによって消色温度域に加
熱して消去することもできる。
【0144】また、本発明の可逆性感熱記録媒体の一部
分もしくは前面に、オフセット印刷、グラビア印刷など
の印刷、またはインクジェットプリンター、熱転写プリ
ンター、昇華型プリンターなどによって任意の絵柄など
を施した着色層を設けても良く、さらに着色層上の一部
分もしくは前面に硬化性樹脂を主成分とするOPニス層
を設けても良い。
【0145】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳しく説
明する。なお、実施例中の「部」及び「%」はいずれも
重量を基準とするものである。 (実施例1) ・記録層の作成 1)2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン 2部 2) 下記構造の顕色剤 8部
【0146】
【化32】 3)ポリエステル樹脂の15%テトラヒドロフラン (THF)溶液 150部 水酸価基価166 酸価2.2 上記組成物をボールミルを用いて平均粒径0.1〜3μ
mまで粉砕分散した。得られた分散液に日本ポリウレタ
ン社製コロネートHL(アダクト型ヘキサメチレンジイ
ソシアネートの75%酢酸エチル溶液)を樹脂中に含ま
れる活性基の数に対する硬化剤の官能基のモル比で0.
7モルになるように加え、良く攪拌し記録層塗布液を調
製した。上記組成の記録層塗布液を、厚さ188μmの
ポリエステルフィルム上にワイヤーバーを用いて塗布
し、100℃、2分で乾燥した後、60℃、24時間乾
燥して、膜厚約8.0μmの記録層を設け、本発明の可
逆性感熱記録媒体を作製した。
【0147】 (実施例2) ・保護層の作製 1)ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂 15部 (大日本インキ社製、C7−157) 2)酢酸エチル 85部 上記組成物を、よく溶解撹拌し、保護層塗布液を調製し
た。上記組成の保護層塗布液を、実施例1で作製した記
録層上にワイヤーバーを用いて塗工し、90℃、1分で
乾燥した後、照射エネルギー80W/cmの紫外線ラン
プ下を9m/分の搬送速度で通して硬化して膜厚3μm
の保護層を設け、本発明の可逆性感熱記録媒体を作製し
た。
【0148】 (実施例3) 1)3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル) −3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル) −4−アザフタリド 2部 2)下記構造の顕色剤 8部
【0149】
【化33】 3)アクリルポリオール樹脂の15%メチルエチルケトン (MEK)溶液 150部 水酸基価133 酸価6.5 分子量7000 ガラス転移温度34℃ 上記組成物をボールミルを用いて平均粒径0.1〜3μ
mまでなるように粉砕分散し、樹脂中に含まれる活性基
の数に対する硬化剤の官能基のモル比を1.0モルにし
た以外は実施例2と同様にして可逆性感熱記録媒体を作
製した。
【0150】 (実施例4) 1)2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N− p−トリルアミノフルオラン 2部 2)下記構造の顕色剤 8部
【0151】
【化34】 3)アクリルポリオール樹脂の15%テトロヒドロフラン (THF)溶液 150部 酸基価70 酸価1.0未満 分子量35000 ガラス転移温度52℃ 水酸基価モノマー:2−ヒドロキシエチルメタクリレート 上記組成物をボールミルを用いて平均粒径0.1〜3μ
mまでなるように粉砕分散し、樹脂中に含まれる活性基
の数に対する硬化剤の官能基のモル比を1.2モルにし
た以外は実施例2と同様にして可逆性感熱記録媒体を作
製した。
【0152】 (実施例5) 1)3,3’−ビス(2−エトキシ−4− ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド 2部 2)下記構造の顕色剤 8部
【0153】
【化35】 3)アクリルポリオール樹脂の15%メチルエチルケトン (MFK)溶液 150部 水酸基価108 酸価1.0未満 分子量107800 ガラス転移温度80℃ 水酸基価モノマー:2−ヒドロキシエチルメタクリレート 上記組成物をボールミルを用いて平均粒径0.1〜3μ
mまでなるように粉砕分散し、樹脂中に含まれる活性基
の数に対する硬化剤に官能基のモル比を1.5モルにし
た以外は実施例2と同様にして可逆性感熱記録媒体を作
製した。
【0154】 (実施例6) ・記録層の作成 1)3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル) −3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル) −4−アザフタリド 2部 2)下記構造の顕色剤 8部
【0155】
【化36】 3)下記構造の発色消色制御剤 4部
【0156】
【化37】 4)アクリルポリオール樹脂の15%メチルエチルケトン (MEK)溶液 150部 水酸基価108 酸価1.0未満 分子量107800 ガラス転移温度80℃ 水酸基価モノマー:2−ヒドロキシエチルメタクリレート 上記組成物をボールミルを用いて平均粒径0.1〜3μ
mまでなるように粉砕分散した以外は実施例2と同様に
して可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0157】 (実施例7) ・記録層の作成 1)3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル) −3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル) −4−アザフタリド 2部 2)下記構造の顕色剤 8部
【0158】
【化38】 3)下記構造の発色消色制御剤 4部
【0159】
【化39】 4)下記構造の消色促進剤 4部
【0160】
【化40】 5)アクリルポリオール樹脂の15%メチルエチルケトン (MEK)溶液 150部 水酸基価108 酸価1.0未満 分子量107800 ガラス転移温度80℃ 水酸基価モノマー 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 上記組成物をボールミルを用いて平均粒径0.1〜3μ
mまでなるように粉砕分散した以外は実施例2と同様に
して可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0161】(実施例8)実施例7で作製した記録層上
に下記の組成の中間層を膜厚1μmとなるように塗工し
て中間層を設けた以外は実施例7と同様にして可逆性感
熱記録媒体を作製した。 1)超微粒子酸化亜鉛(平均粒径20nm) 5部 2)アクリルポリオールの樹脂の15%のメチルエチルケトン (MEK)溶液 25部 3)コロネートHL(日本ポリウレタン社製) 2部
【0162】(比較例1)実施例2中の記録層で用いた
ポリエステル樹脂を水酸基を持たない塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体(ユニオンカーバイト社製VYHH)に
し、コロネートHLの添加をなくした以外は実施例2と
同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0163】(比較例2)実施例2中の記録層で用いた
ポリエステル樹脂を下記のポリウレタン樹脂にした以外
は実施例2と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製し
た。 ポリウレタン樹脂 水酸価基61.6 酸価3.0未満 分子量28000 ガラス転移温度28℃
【0164】発色濃度試験 作製した記録媒体を大倉電機社製感熱印字装置にて、電
圧13.3V、パルス幅1.2msecで印字し、得ら
れた画像をマクベス濃度計RD−914で測定した。
【0165】消去濃度、地肌濃度試験 発色濃度試験で得られた発色画像を、東洋精機社製熱傾
斜試験機で110℃、1秒の条件で消色して、消色後の
画像部の濃度と地肌部濃度を発色濃度試験と同様に測定
した。
【0166】保存特性試験 発色濃度試験で得られた画像部及び地肌部の濃度を測定
し、それぞれ試験前画像濃度、試験前地肌濃度とする。
このサンプルを50℃乾燥条件下で24時間保存し、同
様に画像部及び地肌部の濃度を測定してそれぞれ試験後
画像濃度、試験後画像地肌濃度とする。次に、下記の式
から濃度保持率を算出する。
【0167】
【数1】
【0168】耐久性試験 発色濃度試験の条件による印字と、消去濃度、地肌濃度
の試験の条件の消去を50回繰り返し、画像濃度の状態
と記録媒体表面の状態を目視で観察して下記のランクで
評価した。 ランク1:画像部は良好な発色状態で、打痕も見られな
かった。 ランク2:画像部の状態はないが、やや打痕が見られ
た。 ランク3:画像部の発色が不均一で、打痕も発生した。 ランク4:画像部の発色状態が極めて悪く、激しく打痕
が発生した。 以上の結果を表22に示した。
【0169】
【表22】
【0170】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明から明らか
なように、本発明の可逆性感熱記録媒体は打痕の発生の
ない、耐久性に優れるものであり、さらに高速消去、発
色性および保存特性に優れるものであるという極めて優
れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆性感熱記録媒体の発色・消色特性
を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河村 史生 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H026 AA07 AA09 BB02 BB06 BB25 DD43 DD46 DD48 DD53 DD55 EE05 FF11 FF25

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも電子供与性呈色性
    化合物と電子受容性化合物から成り、加熱温度及び/又
    は加熱後の冷却速度を制御することにより、発色・消色
    状態を繰り返し取り得る可逆性感熱組成物を含有する可
    逆性感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体において、
    該可逆性感熱記録層中に水酸基価70(KOHmg/
    g)以上の樹脂を含有し、更に該樹脂が硬化剤によって
    架橋状態にあることを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
  2. 【請求項2】 可逆性感熱記録層中に含有される水酸基
    価70(KOHmg/g)以上の樹脂の酸価が7(KO
    Hmg/g)以下であることを特徴とする請求項1に記
    載の可逆性感熱記録媒体。
  3. 【請求項3】 可逆性感熱記録層中に含有される水酸基
    価70(KOHmg/g)以上の樹脂の分子量がゲルパ
    ーミエーションクロマトグラフィー法で決定した重量平
    均分子量として20000以上であることを特徴とする
    請求項1に記載の可逆性感熱記録媒体。
  4. 【請求項4】 可逆性感熱記録層中に含有される水酸基
    価70(KOHmg/g)以上の樹脂のガラス転位温度
    が60℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の
    可逆性感熱記録媒体。
  5. 【請求項5】 可逆性感熱記録層中に含有される水酸基
    価70(KOHmg/g)以上の樹脂の水酸基価モノマ
    ーが2−ヒドロキシエチルメタクリレートであることを
    特徴とする請求項1に記載の可逆性感熱記録媒体。
  6. 【請求項6】 可逆性感熱記録層中に含有される水酸基
    価70(KOHmg/g)以上の樹脂がアクリルポリー
    ル樹脂であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか
    1に記載の可逆性感熱記録媒体。
  7. 【請求項7】 可逆性感熱記録層中に含有される硬化剤
    がイソシアネート系硬化剤であることを特徴とする請求
    項1に記載の可逆性感熱記録媒体。
  8. 【請求項8】 可逆性感熱記録層中に含有される水酸基
    価70(KOHmg/g)以上の樹脂中に含まれる水酸
    基の数に対する硬化剤の活性基の数のモル比が0.5〜
    2であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1に
    記載の可逆性感熱記録媒体。
  9. 【請求項9】 可逆性感熱記録層中に含有される電子受
    容性化合物が炭素数6以上のアルキル鎖を有するフェノ
    ール化合物であることを特徴とする請求項1乃至8の何
    れか1に記載の可逆性感熱記録媒体。
  10. 【請求項10】 可逆性感熱記録層中に発色消色制御剤
    を用いることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1に
    記載の可逆性感熱記録媒体。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の発色消色制御剤が
    ヘテロ原子を含む2価の基と炭素数6以上のアルキル鎖
    を有する化合物であることを特徴とする請求項1乃至1
    0の何れか1に記載の可逆性感熱記録媒体。
  12. 【請求項12】 可逆性感熱記録層中に消色促進剤を用
    いることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1に記
    載の可逆性感熱記録媒体。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の消色促進剤が第2
    アミド基を有する化合物であることを特徴とする請求項
    1乃至12の何れか1に記載の可逆性感熱記録媒体。
  14. 【請求項14】 可逆性感熱記録層上に無機または有機
    の紫外線吸収剤を含有する層を設けたことを特徴とする
    請求項1乃至13の何れか1に記載の可逆性感熱記録媒
    体。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の紫外線吸収層が架
    橋状態にある樹脂を用いることを特徴とする請求項1乃
    至14の何れか1に記載の可逆性感熱記録媒体。
  16. 【請求項16】 上記可逆性感熱記録媒体の感熱記録層
    側の最上層が架橋状態にある樹脂を用いることを特徴と
    する請求項1乃至15の何れか1に記載の可逆性感熱記
    録媒体。
  17. 【請求項17】 上記可逆性感熱記録媒体がカード状ま
    たはシート状に加工されていることを特徴とする請求項
    1乃至16の何れか1に記載の可逆性感熱記録媒体。
  18. 【請求項18】 上記可逆性感熱記録媒体が磁気記録層
    を有することを特徴とする請求項1乃至17の何れか1
    に記載の可逆性感熱記録媒体。
  19. 【請求項19】 上記可逆性感熱記録媒体が印刷部分を
    有することを特徴とする請求項1乃至18の何れか1に
    記載の可逆性感熱記録媒体。
  20. 【請求項20】 上記可逆性感熱記録媒体の感熱記録層
    が熱転写可能であることを特徴とする請求項1乃至13
    の何れか1に記載の感熱可逆性記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005263736A (ja) * 2004-03-19 2005-09-29 Ricoh Co Ltd 可逆性感熱記録用顕色剤及び電子受容性化合物の製造方法、並びに可逆性感熱記録媒体及び可逆性感熱記録部材

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005263736A (ja) * 2004-03-19 2005-09-29 Ricoh Co Ltd 可逆性感熱記録用顕色剤及び電子受容性化合物の製造方法、並びに可逆性感熱記録媒体及び可逆性感熱記録部材
JP4527424B2 (ja) * 2004-03-19 2010-08-18 株式会社リコー 電子受容性化合物の製造方法

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