JP2005096463A - 可逆性感熱記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定な発色性と消色性を保持し、広範囲な使用条件、環境条件に対応でき特に耐光保存性及び耐湿保存性の改良された可逆性感熱記録媒体を提供する。
【解決手段】支持体上の電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を主成分として含有し、加熱温度およびまたは加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうる組成物を含有する記録層、中間層並びに保護層を順次設けてなる可逆性感熱記録媒体において、少なくとも該中間層に紫外線UV−A領域に吸収端を有する酸化亜鉛(A)を含有することを特徴とする可逆性感熱記録媒体である。この酸化亜鉛(A)は、平均粒径0.1μm以下で、紫外線UV−A領域に吸収端を有するものが良い。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した可逆性感熱記録媒体に関し、更に詳しくは、熱エネルギーを制御することにより発色画像の形成と消去が可能な可逆性感熱記録媒体に関する。
従来、電子供与性呈色性化合物(以下、発色剤またはロイコ染料ともいう)と電子受容性化合物(以下、顕色剤ともいう)との間の発色反応を利用した可逆性感熱記録媒体は広く知られており、ファクシミリ、ワードプロセッサー、科学計測機などのプリンターに使用されている。しかし、これらの実用化されている従来の記録媒体はいずれも不可逆的な発色であり、一度記録した画像を消去して繰り返して使用することはできない。
一方、特許公報によれば発色と消色を可逆的に行うことができる記録媒体も提案されており、例えば顕色剤としては没食子酸とフロログルシノールを組合せて用いる引用文献1、顕色剤にフェノールフタレインやチモールフタレインなどの化合物を用いる引用文献2、染色剤と顕色剤とカルボン酸エステルの均質相溶体を記録層に含有する引用文献3、引用文献4、引用文献5、顕色剤にアスコルビン酸誘導体を用いた引用文献6、顕色剤にビス(ヒドロキシフェニル)酢酸または没食子酸と高級脂肪族アミンとの塩を用いる引用文献7および引用文献8などが開示されている。しかしながら、以上に示した従来の可逆性感熱記録媒体は、発色の安定性と消色性の両立という点、あるいは発色の濃度や繰り返しにおける安定性という点で問題を残しており、実用的な記録媒体として満足し得るものではない。
本出願人は、先に引用文献9において顕色剤として長鎖脂肪族炭化水素基をもつ有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物又はフェノール化合物を用い、これと発色剤であるロイコ染料と組み合わせることによって、発色と消色を加熱冷却条件により容易に行わせることができ、しかもその発色状態と消色状態を常温において安定に保持させることが可能であり、しかも発色と消色を安定して繰り返すことが可能な可逆性発色組成物及びこれを記録層に用いた可逆性感熱記録媒体を提案した。これは発色の安定性と消色性のバランスや発色温度の点で実用レベルの性能を持つものであるが、さらに広範囲な使用環境への対応や発色消色条件の適用範囲の面で改良すべき余地があった。
特に印字画像部及び地肌部に太陽光あるいは蛍光灯などの光が長時間あたると印字画像部及び地肌部が変色し、特に印字画像部は画像消去の操作を行っても完全には消色せず残像が発生するという問題を有していた。さらに印字画像部を高湿下に保持すると画像濃度が低下するという耐湿保存性にも改良すべき課題が残されていた。このような耐光保存性及び耐湿保存性の問題はその後提案された長鎖脂肪族炭化水素基をもつフェノール化合物(引用文献10)を用いても、必ずしも満足できる結果をもたらすものではなかった。
さらに引用文献11においては、可逆性感熱記録層上に波長350nmの紫外線反射率が50%未満の保護層を設け、上記耐光保存性を改良する技術が提案されている。この提案においては、有機紫外線吸収剤を内包するマイクロカプセルを含有する保護層の技術が実施例で紹介されている。しかしながらこの技術によっても、上記耐光保存性の課題は十分に満足できる結果を与えるものではなかった。
特開昭60−193691号公報 特開昭61−237684号公報 特開昭62−138556号公報 特開昭62−138568号公報 特開昭62−140881号公報 特開昭63−173684号公報 特開平2−188293号公報 特開平2−188294号公報 特開平5−124360号公報 特開平6−210954号公報 特開平7−205547号公報
本発明の課題は、安定な発色性と消色性を保持し、広範囲な使用条件、環境条件に対応でき特に耐光保存性及び耐湿保存性の改良された可逆性感熱記録媒体を提供することである。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記の発明に到達した。
(1)支持体上の電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を主成分として含有し、加熱温度およびまたは加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうる組成物を含有する記録層、中間層並びに保護層を順次設けてなる可逆性感熱記録媒体において、該少なくとも中間層に酸化亜鉛(無機顔料A)を含有することを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
(2)前記酸化亜鉛の平均粒径が0.1μm以下である前記(1)に記載の可逆性感熱記録媒体。
(3)前記酸化亜鉛が紫外線UV−A領域に吸収端を有するものである前記(1)又は(2)に記載の可逆性感熱記録媒体。
(4)前記酸化亜鉛と紫外線UV−A領域より短波長側に吸収端を有する無機顔料(B)との併用である請求項1又は2に記載の可逆性感熱記録媒体。
(5)前記酸化亜鉛が中間層に含まれ、かつ、無機顔料(B)が保護層に含まれることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録媒体。
(6)無機顔料(B)が金属酸化物である前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録媒体。
(7)中間層あるいは/および保護層がさらに有機紫外線吸収剤を含有することを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録媒体。
(8)保護層に紫外線硬化バインダを用いることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録媒体。
(9)支持体上に電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を主成分として含有し、加熱温度およびまたは加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうる組成物を含有する記録層、中間層並びに保護層を順次設けてなる可逆性感熱記録媒体の製造方法において、少なくとも該中間層に酸化亜鉛(無機顔料A)を含有し、保護層に紫外線硬化バインダーを用いて該保護層に紫外線照射して硬化させることを特徴とする可逆性感熱記録媒体の製造方法。
以下本発明の可逆性感熱記録媒体について説明する。
本発明の可逆性感熱記録媒体の感熱記録層をサーマルヘッドを用いて印字する場合、熱と圧力のため記録層の表面が変形し、いわゆる打痕ができる場合がある。これを防止するため感熱記録媒体最表面に保護層を設ける。さらに本発明では、記録層と保護層の接着性向上、保護層の塗布による記録層の変質防止、保護層中の添加剤の記録層への移行を防止する目的で、両者の間に中間層を設ける。
本発明の可逆性感熱記録媒体は耐光保存性及び/あるいは耐湿保存性の向上のため、上記少なくとも中間層に酸化亜鉛(顔料A)を含有することを特徴とする。該酸化亜鉛平均粒径が0.1μm以下で波長領域に吸収端を有するものが好適である。
本発明では上記酸化亜鉛の他に、紫外線UV−A領域より短波長側に吸収端を有する無機顔料(B)を併用することを妨げない。無機顔料(B)は、酸化亜鉛(A)と併用する事により本発明の効果がより顕著になる。また酸化亜鉛(A)と無機顔料(B)を併用する場合には顔料(B)を中間層あるいは保護層に含有させることができる。この場合酸化亜鉛(A)を中間層に含有させ、無機顔料(B)を保護層に含有させることにより、本発明の効果が一層顕著に発揮される。
また無機顔料(B)の具体例としてはシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、硫酸バリウム等が挙げられる。その粒径は0.1μm以下が好適である。
0.1μm以下の平均粒径を有する顔料を生成する方法としては、気相反応法、あるいは液相反応法等従来の技術を用いて調製することができる。
さらに、本発明においては中間層あるいは/および保護層には有機紫外線吸収剤を加えることにより発明の効果がさらに顕著になる。このような有機紫外線吸収剤としては例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−エトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2,4−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オキシベンジルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−クロロベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン−スルホン酸ナトリウム等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、フェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、カルボキシフェニルサリシレート、メチルフェニルサリシレート、ドデシルフェニルサリシレート、2−エチルヘキシルフェニルサリシレート、ホモメンチルフェニルサリシレート等のサリチル酸エステル系紫外線吸収剤、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤、p−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸グリセリル、p−ジメチルアミノ安息香酸アミル、p−ジヒドロキシプロピル安息香酸エチル等のp−アミノ安息香酸系紫外線吸収剤、p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、p−メトキシケイ皮酸−2−エトキシエチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、4−t−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル等がある。
次に中間層又は保護層皮膜形成に用いられるバインダーについて述べる。かかるバインダーとしては皮膜形成性を有する公知材料がそのまま用いられる。
これらの具体例としてはたとえばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリイミド、フッソ樹脂、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリスチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸系共重合体、マレイン酸系共重合体、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、ゼラチン、カゼイン類等を挙げることができる。
また中間層又は保護層皮膜の強度を挙げることを目的に、各種硬化剤、架橋剤を添加することもできる。このような硬化剤、架橋剤の例としてイソシアネート基をもつ化合物、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、エポキシ基をもつ化合物、グリオキザール、ジルコニウム化合物等を挙げることができる。
さらに電子線硬化性あるいは紫外線硬化性バインダーを用いて中間層又は保護層を設けることもできる。特に保護層に紫外線硬化樹脂を用いる場合には、紫外線硬化に用いる紫外線照射エネルギーが中間層に存在する酸化亜鉛によって吸収されてしまい、硬化しづらくなる。したがって、保護層に紫外線硬化バインダーを用いると良い。かかるバインダーとしてはエチレン性不飽和結合を有する化合物が挙げられる。
これらの具体例としては、
1.脂肪族、脂環族、芳香族の多価アルコール及びポリアルキレングリコールのポリ(メタ)アクリレート
2.脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族の多価アルコールにポリアルキレンオキサイドを付加させた多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート
3.ポリエステルポリ(メタ)アクリレート
4.ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート
5.エポキシポリ(メタ)アクリレート
6.ポリアミドポリ(メタ)アクリレート
7.ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸エステル
8.(メタ)アクリロイル基を側鎖、または末端に有するビニル系またはジエン系化合物9.単官能(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、(メタ)アクリロイル化合物
10.エチレン性不飽和結合を有するシアノ化合物
11.エチレン性不飽和結合を有するモノあるいはポリカルボン酸、およびそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等
12.エチレン性不飽和(メタ)アクリルアミドまたはアルキル置換(メタ)アクリルアミドおよびその多量体
13.ビニルラクタムおよびポリビニルラクタム化合物
14.エチレン性不飽和結合を有するモノあるいはポリエーテルおよびそのエステル
15.エチレン性不飽和結合を有するアルコールのエステル
16.エチレン性不飽和結合を有するポリアルコールおよびそのエステル
17.スチレン、ジビニルベンゼン等1個以上のエチレン性不飽和結合を有する芳香族化合物
18.(メタ)アクリロイルオキシ基を側鎖、または末端に有するポリオルガノシロキサン系化合物
19.エチレン性不飽和結合を有するシリコーン化合物
20.上記1〜19記載の化合物の多量体あるいはオリゴエステル(メタ)アクリレート変成物
が挙げられる。
中間層又は保護層の形成には、上記した無機顔料、バインダー樹脂、必要に応じて光重合開始剤および有機紫外線吸収剤、ならびに塗液溶媒よりなる混合物を均一に混合分散させて調製した塗液を用いる。
塗液調製に用いられる溶媒の具体例を以下に示す。
水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メチルイソカルビノールなどのアルコール類;アセトン、2−ブタノン、エチルアミルケトン、ジアセトンアルコール、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、3,4−ジヒドロ−2H−ピランなどのエーテル類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテートなどのグリコールエーテルアセテート類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、エチレンカーボネートなどのエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、iso−オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;塩化メチレン、1,2−ジクロルエタン、ジクロロプロパン、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;N−メチル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドンなどのピロリドン類等を例示することができる。
塗液調製はペイントシェーカー、ボールミル、アトライター、三本ロールミル、ケディーミル、サンドミル、ダイノミル、コロイドミル等公知の塗液分散装置を用いて行うことができる。
中間層又は保護層を設ける塗工方法については特に制限はなく、ブレード塗工、マイヤーバー塗工、スプレー塗工、エアナイフ塗工、ビード塗工、カーテン塗工、グラビア塗工、キス塗工、リバースロール塗工、ディップ塗工、ダイ塗工等公知の方法を用いることができる。
中間層又は保護層の膜厚は0.1〜20μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜10μmである。また中間層又は保護層中の無機顔料の含有量は体積分率で1〜95%、より好ましくは5〜75%である。中間層又は保護層中の有機紫外線吸収剤含有量はバインダー100重量部に対して0.5〜10重量部の範囲が好ましい。
なお、保護層は必要に応じて二層以上にしてもよい。この場合無機顔料あるいは/および有機紫外線吸収剤は一方の層あるいは二つの層に含有させてよい。
本発明の可逆性感熱記録層は、基本的に下記の顕色剤、発色剤、及びバインダー樹脂からなる組成物を含有する。
次に本発明の可逆的感熱記録媒体に用いられる顕色剤について説明する。
本発明の可逆性感熱記録媒体において発色剤と組み合わせて用いられる顕色剤は、分子内に発色剤を発色させることができる顕色能を示す構造と、分子間の凝集力をコントロールする長鎖構造部分を併せ持つ化合物であり、炭素数12以上の脂肪族基を持つ有機リン酸化合物、炭素数12以上の脂肪族基を持つ脂肪族カルボン酸化合物、炭素数12以上の脂肪族基を持つフェノール化合物等である。また、脂肪族基には直鎖状又は分枝状のアルキル基、アルケニル基が包含され、ハロゲン、アルコキシ基、エステル基等の置換基を持っていてもよい。以下、顕色剤について具体的に例示する。
(a)有機リン酸化合物、下記一般式(1)で表わされる化合物が用いられる。
1−PO(OH)2 (1)
(但し、R1は炭素数12以上の脂肪族基を表わす)
一般式(1)で表わされる有機リン酸化合物の具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。
ドデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホスホン酸、ドコシルホスホン酸、テトラコシルホスホン酸、ヘキサコシルホスホン酸、オクタコシルホスホン酸等。
(b)脂肪族カルボン酸化合物下記一般式(2)で表わされるα−ヒドロキシ脂肪酸が好ましく用いられる。
2−CH(OH)−COOH (2)
(但し、R2は炭素数12以上の脂肪族基を表わす)
一般式(2)で表わされるα−ヒドロキシ脂肪族カルボン酸化合物としては、例えば以下のものが挙げられる。
α−ヒドロキシドデカン酸、α−ヒドロキシテトラデカン酸、α−ヒドロキシヘキサデカン酸、α−ヒドロキシオクタデカン酸、α−ヒドロキシペンタデカン酸、α−ヒドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン酸、α−ヒドロキシテトラコサン酸、α−ヒドロキシヘキサコサン酸、α−ヒドロキシオクタコサン酸等。
脂肪族カルボン酸化合物としては、ハロゲン元素で置換された炭素数12以上の脂肪族基を備えた脂肪族カルボン酸化合物で、その少なくともα位またはβ位の炭素にハロゲン元素を持つものも好ましく用いられる。このような化合物の具体的例としては、例えば以下のものを挙げることができる。
2−プロモヘキサデカン酸、2−プロモヘプタデカン酸、2−ブロモオクタデカン酸、2−プロモエイコサン酸、2−プロモドコサン酸、2−ブロモテトラコサン酸、3−プロモオクタデカン酸、3−プロモエイコサン酸、2,3−ジブロモオクタデカン酸、2−フルオロドデカン酸、2−フルオロテトラデカン酸、2−フルオロヘキサデカン酸、2−フルオロオクタデカン酸、2−フルオロエイコサン酸、2−フルオロドコサン酸、2−ヨードヘキサデカン酸、2−ヨードオクタデカン酸、3−ヨードヘキサデカン酸、3−ヨードオクタデカン酸、パーフロルオクタデカン酸等。
脂肪族カルボン酸化合物としては、炭素鎖中にオキソ基を持つ炭素数12以上の脂肪族基をもつ脂肪族カルボン酸化合物で、その少なくともα位、β位またはγ位の炭素がオキソ基となっているものも用いられる。このような化合物の具体例としては、例えば以下のものを挙げることができる。
2−オキソドデカン酸、2−オキソテトラデカン酸、2−オキソヘキサデカン酸、2−オキソオクタデカン酸、2−オキソエイコサン酸、2−オキソテトラコサン酸、3−オキソドデカン酸、3−オキソテトラデカン酸、3−オキソヘキサンデカン酸、3−オキソオクタデカン酸、3−オキソエイコサン酸、3−オキソテトラトラコサン酸、4−オキソヘキサデカン酸、4−オキソヘプタデカン酸、4−オキソオクタデカン酸、4−オキソドコサン酸等。
脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一般式(3)で表わされる二塩基酸も好ましく用いられる。
Figure 2005096463
(但し、R3は炭素数12以上の脂肪族基を表わし、Xは酸素原子又はイオウ原子を表わし、nは1又は2を表わす)
一般式(3)で表わされる二塩基酸の具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。
ドデシルリンゴ酸、テトラデシルリンゴ酸、ヘキサデシルリンゴ酸、オクタデシルリンゴ酸、エイコシルリンゴ酸、ドコシルリンゴ酸、テトラコシルリンゴ酸、ドデシルチオリンゴ酸、テトラデシルチオリンゴ酸、ヘキサデシルチオリンゴ酸、オクタデシルチオリンゴ酸、エイコシルチオリンゴ酸、ドコシルチオリンゴ酸、テトラコシルチオリンゴ酸、ドデシルジチオリンゴ酸、テトラデシルジチオリンゴ酸、ヘキサデシルジチオリンゴ酸、オクタデシルジチオリンゴ酸、エイコシルジチオリンゴ酸、ドコシルジチオリンゴ酸、テトラコシルジチオリンゴ酸等。
脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一般式(4)で表わされる二塩基酸も用いられる。
Figure 2005096463
(但し、R4、R5、R6は水素原子又は脂肪族基を表わし、このうち少なくとも一つは炭素数12以上の脂肪族基である)
一般式(4)で表わされる二塩基酸の具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。
ドデシルブタン二酸、トリデシルブタン二酸、テトラデシルブタン二酸、ペンタデシルブタン二酸、オクタデシルブタン二酸、エイコシルブタン二酸、ドコシルブタン二酸、2,3−ジヘキサデシルブタン二酸、2,3−ジオクタデシルブタン二酸、2−メチル−3−ドデシルブタン二酸、2−メチル−3−テトラデシルブタン二酸、2−メチル−3−ヘキサデシルブタン二酸、2−メチル−3−ドデシルブタン二酸、2−プロピル−3−ドデシルブタン二酸、2−オクチル−3−ヘキサデシルブタン二酸、2−テトラデシル−3−オクタデシルブタン二酸等。
脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一般式(5)で表わされる二塩基酸も用いられる。
Figure 2005096463
(但し、R7、R8は水素原子又は脂肪族基を表わし、このうち少なくとも一つは炭素数12以上の脂肪族基である)
一般式(5)で表わされる二塩基酸の具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。
ドデシルマロン酸、テトラデシルマロン酸、ヘキサデシルマロン酸、オクタデシルマロン酸、エイコシルマロン酸、ドコシルマロン酸、テトラコシルマロン酸、ドデシルマロン酸、ジヘキサデシルマロン酸、ジオクタデシルマロン酸、ジエイコシルマロン酸、ジドコシルマロン酸、メチルオクタデシルマロン酸、メチルエイコシルマロン酸、メチルドコシルマロン酸、メチルテトラドコシルマロン酸、エチルオクタデシルマロン酸、エチルエイコシルマロン酸、エチルドコシルマロン酸、エチルテトラコシルマロン酸等。
脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一般式(6)で表わされる二塩基酸も用いられる。
Figure 2005096463
(但し、R9は炭素数12以上の脂肪族基を表わし、nは0または1を表わし、mは1、2または3を表わし、nが0の場合、mは2または3であり、nが1の場合はmは1又は2を表わす)
一般式(6)で表わされる二塩基酸の具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。
2−ドデシル−ペンタン二酸、2−ヘキサデシル−ペンタン二酸、2−オクタデシル−ペンタン二酸、2−エイコシル−ペンタン二酸、2−ドコシル−ペンタン二酸、2−ドデシル−ヘキサン二酸、2−ペンタデシル−ヘキサン二酸、2−オクタデシル−ヘキサン二酸、2−エイコシル−ヘキサン二酸、2−ドコシル−ヘキサン二酸等。
脂肪族カルボン酸化合物としては、長鎖脂肪酸によりアシル化されたクエン酸などの三塩基酸も用いられる。その具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2005096463
フェノール化合物としては、下記一般式(7)で表わされる化合物が用いられる。
Figure 2005096463
(但し、Yは−S−、−O−、−CONH−、−NHCONH−、−NHSO2−、−CH=CH−CONH−又は−COO−を表わし、R10は炭素数12以上の脂肪族基を表わし、nは1、2または3の整数である)
一般式(7)で表わされるフェノール化合物の具体例としては、以下のものが挙げられる。
p−(ドデシルチオ)フェノール、p−(テトラデシルチオ)フェノール、p−(ヘキサデシルチオ)フェノール、p−(オクタデシルチオ)フェノール、p−(エイコシルチオ)フェノール、p−(ドコシルチオ)フェノール、p−(テトラコシルチオ)フェノール、p−(ドデシルオキシ)フェノール、p−(テトラデシルオキシ)フェノール、p−(ヘキサデシルオキシ)フェノール、p−(オクタデシルオキシ)フェノール、p−(エイコシルオキシ)フェノール、p−(ドコシルオキシ)フェノール、p−(テトラコシルオキシ)フェノール、p−ドデシルカルバモイルフェノール、p−テトラデシルカルバモイルフェノール、p−ヘキサデシルカルバモイルフェノール、p−オクタデシルカルバモイルフェノール、p−エイコシルカルバモイルフェノール、p−ドコシルカルバモイルフェノール、p−テトラコシルカルバモイルフェノール、没食子酸ヘキサデシルエステル、没食子酸オクタデシルエステル、没食子酸エイコシルエステル、没食子酸ドコシルエステル、没食子酸テトラコシルエステル、N−ドデシル−p−ヒドロキシ桂皮酸アミド、N−テトラデシル−p−ヒドロキシ桂皮酸アミド、N−オクタデシル−p−ヒドロキシ桂皮酸アミド、N−ドコシル−p−ヒドロキシ桂皮酸アミド、N−オクタコシル−p−ヒドロキシ桂皮酸アミド、4−ヒドロキシドコサノイルアニリン、4−ヒドロキシヘプタデカノイルアニリン、4−ヒドロキシノナデカノイルアニリン、3−ヒドロキシノナデカノイルアニリン、3−ヒドロキシドコサノイルアニリン、4−N−オクタデシルスルホニルアミノフェノール、4−N−ドデシルスルホニルアミノフェノール、N−4−ヒドロキシフェニル−N´−ドデシル尿素、N−4−ヒドロキシフェニル−N´−オクタデシル尿素、N−4−ヒドロキシフェニル−N´−ドコシル尿素等。
本発明で用いられる発色剤は電子供与性を示す化合物であり、それ自体無色あるいは淡色の染料前駆体(ロイコ染料)であり、特に限定されず従来公知のもの、例えばトリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチジアン系化合物、ロイコオーラミン系化合物、インドリノフタリド系化合物などから選択できる。その発色剤を以下に示す。
本発明で用いられる発色剤は電子供与性を示す化合物であり、それ自体無色あるいは淡色の染料前駆体(ロイコ染料)であり、特に限定されず従来公知のもの、例えばトリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチジアン系化合物、ロイコオーラミン系化合物、インドリノフタリド系化合物などから選択できる。その発色剤を以下に示す。
本発明に用いる好ましい発色剤として下記一般式(a)または(b)の化合物がある。
Figure 2005096463
(ただし、R1は水素又は炭素数1〜4のアルキル基、R2は炭素数1〜6のアルキル基、シクロヘキシル基又は置換されていてもよいフェニル基を示す。フェニル基に対する置換基としては、メチル基、エチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基またはハロゲン等が示される。R3は水素、炭素数1〜2のアルキル基、アルコキシ基またはハロゲンを表わす。R4は水素、メチル基、ハロゲンまたは置換されていてもよいアミノ基を表わす。アミノ基に対する置換基としては、例えばアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基を示す。ここでの置換基はアルキル基、ハロゲン、アルコキシ基などである。)
以下に、このような発色剤の具体例を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−6−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(p−アセチルアニリノ)−6−(N−n−アミル−N−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジベンジルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(ジ−p−メチルベンジルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジプロピルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−ジプロピルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−クロルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−クロルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−クロルアニリノ)フルオラン、2,3−ジメチル−6−ジメチルアミノフルオラン、3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−ブロモ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロロ−6−ジプロピルアミノフルオラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−クロロ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2,3−ジクロロアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジブチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−トルイジノ)フルオラン、その他。
本発明において好ましく用いられる他の発色剤の具体例を示すと以下のとおりである。
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−2−エトキシプロピル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリノ)−6−(N−n−オクチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリノ)−6−(N−n−パルチミルアミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリノ)−6−(ジ−n−オクチルアミノ)フルオラン、2−ベンゾイルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(o−メトキシベンゾイルアミノ)−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−メトキシ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(p−トルイジノ)−3−(t−ブチル)−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(o−メトキシカルボニルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アセチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−(m−トリフロロメチルアニリノ)フルオラン、4−メトキシ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−エトキシエチルアミノ−3−クロロ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−シベンジルアミノ−4−クロロ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−4−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−ベンジル−p−トリフロロメチルアミノ)−4−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ピロリジノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ピロリジノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)フルオラン、2−メシジノ−4’,5’−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ピロリジノフルオラン、2−(α−ナフチルアミノ)−3,4−ベンゾ−4’−ブロモ−6−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、2−ピペリジノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−n−プロピル−p−トリフロロメチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオラン、2−(ジ−N−p−クロロフェニル−メチルアミノ)−6−ピロリジノフルオラン、2−(N−n−プロピル−m−トリフロロメチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−n−オクチルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジアリルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エトキシエチル−N−エチルアミノ)フルオラン、ベンゾロイコメチレンブルー、2−[3,6−ビス(ジエチルアミノ)]−6−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム、2−[3,6−ビス(ジエチルアミノ)]−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4,5−ジクロルフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−クロルフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジトキシアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−クロルフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−ニトロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)フタリド、3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4−クロロ−5−メトキシフェニル)フタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、6’−ブロモ−2’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、その他。
記録層中の発色剤と顕色剤の割合は、使用する化合物の組合せにより適切な範囲が変化するが、おおむねモル比で発色剤1に対し顕色剤が1から20の範囲であり、好ましくは2から10の範囲である、この範囲より顕色剤が少なくても多くても発色状態の濃度が低下し問題となる。また記録層中でのバインダー樹脂に対する発色剤と顕色剤の割合は重量換算でバインダー樹脂1に対して発色剤と顕色剤0.1〜10の範囲が好ましい。
記録層の形成に用いられるバインダー樹脂の具体例としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、フッソ樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリスチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、マレイン酸系共重合体、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、ゼラチン、カゼイン類等を挙げることができる。
また記録層皮膜の強度を挙げることを目的に、各種硬化剤、架橋剤を添加することもできる。このような硬化剤、架橋剤の例としてイソシアネート基をもつ化合物、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、エポキシ基をもつ化合物、グリオキザール、ジルコニウム化合物等を挙げることができる。
さらに電子線硬化性あるいは紫外線硬化性バインダーを用いて記録層を設けることもできる。かかるバインダーとしてはエチレン性不飽和結合を有する化合物が挙げられる。
これらの具体例としては、
1.脂肪族、脂環族、芳香族の多価アルコール及びポリアルキレングリコールのポリ(メタ)アクリレート
2.脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族の多価アルコールにポリアルキレンオキサイドを付加させた多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート
3.ポリエステルポリ(メタ)アクリレート
4.ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート
5.エポキシポリ(メタ)アクリレート
6.ポリアミドポリ(メタ)アクリレート
7.ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸エステル
8.(メタ)アクリロイル基を側鎖、または末端に有するビニル系またはジエン系化合物
9.単官能(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、(メタ)アクリロイル化合物
10.エチレン性不飽和結合を有するシアノ化合物
11.エチレン性不飽和結合を有するモノあるいはポリカルボン酸、およびそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等
12.エチレン性不飽和(メタ)アクリルアミドまたはアルキル置換(メタ)アクリルアミドおよびその多量体
13.ビニルラクタムおよびポリビニルラクタム化合物
14.エチレン性不飽和結合を有するモノあるいはポリエーテルおよびそのエステル
15.エチレン性不飽和結合を有するアルコールのエステル
16.エチレン性不飽和結合を有するポリアルコールおよびそのエステル
17.スチレン、ジビニルベンゼン等1個以上のエチレン性不飽和結合を有する芳香族化合物
18.(メタ)アクリロイルオキシ基を側鎖、または末端に有するポリオルガノシロキサン系化合物
19.エチレン性不飽和結合を有するシリコーン化合物
20.上記1〜19記載の化合物の多量体あるいはオリゴエステル(メタ)アクリレート変成物
等が挙げられる。
紫外線硬化性バインダーを用いて記録層を形成する場合には、光重合開始剤を混合して用いる。光重合開始剤としてはジあるいはトリクロロアセトフェノンのようなアセトフェノン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類、アゾ化合物、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルフォニウム塩、ビス(トリクロロメチル)トリアジン化合物等が挙げられる。
記録層の形成には、前記の顕色剤、発色剤、及びバインダー樹脂ならびに塗液溶媒よりなる混合物を均一に混合分散させて調製した塗液を用いる。
塗液調製に用いられる溶媒の具体例を以下に示す。
水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブチノール、メチルイソカルビノールなどのアルコール類;アセトン、2−ブタノン、エチルアミルケトン、ジアセトンアルコール、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、3,4−ジヒドロ−2H−ピランなどのエーテル類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテートなどのグリコールエーテルアセテート類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、エチレンカーボネートなどのエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、iso−オクタンシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;塩化メチレン、1,2−ジクロルエタン、ジクロロプロパン、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;N−メチル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドンなどのピロリドン類等を例示することができる。
塗液調製はペイントシェーカー、ボールミル、アトライター、三本ロールミル、ケディーミル、サンドミル、ダイノミル、コロイドミル等公知の塗液分散装置を用いて行うことができる。
本発明の可逆性感熱記録層は、支持体上に前記の組成物を主成分として含む層を設けたものである。支持体の種類は任意のものが使用でき、紙の他、合成紙、ポリエステルのようなプラスチックフィルム、金属フィルム、及びこれらを貼り合わせた複合フィルム等を挙げることができる。
記録層を設ける塗工方法については特に制限はなく、ブレード塗工、マイヤーバー塗工、スプレー塗工、エアナイフ塗工、ビード塗工、カーテン塗工、グラビア塗工、キス塗工、リバースロール塗工、ディップ塗工、ダイ塗工等公知の方法を用いることができる。記録層の膜厚は1μmから20μmの範囲が好ましく、より好ましい範囲は3μmから10μmである。
本発明の可逆性感熱記録層は、加熱温度および/または加熱後の冷却速度によって相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうるものである。この基本的な発色・消色現象を説明する。
図1はこの組成物の発色濃度と温度との関係を示したものである。はじめ消色状態(A)にある組成物を昇温していくと、溶融し始める温度T1で発色が起こり、溶融発色状態(B)となる。溶融発色状態(B)から急冷すると発色状態のまま室温に下げることができ、固まった発色状態(C)となる、この発色状態が得られるかどうかは、溶融状態からの降温の速度に依存しており、徐冷では降温の過程で消色が起き、はじめと同じ消色状態(A)あるいは急冷発色状態(C)より相対的に濃度の低い状態が形成される。一方、急冷発色状態(C)をふたたび昇温していくと発色温度より低い温度T2で消色が起き(DからE)、ここから降温するとはじめと同じ消色状態(A)に戻る。実際の発色温度、消色温度は、用いる顕色剤と発色剤の組合せにより変化するので目的に合わせて選択できる。また溶融発色状態の濃度と急冷したときの発色濃度は、必ずしも一致するものではなく、異なる場合もある。
本発明の記録層に含まれる顕色剤と発色剤からなる組成物は、溶融状態から急冷して得た発色状態(C)では、顕色剤と発色剤が分子どうしで接触反応しうる状態で混合された状態にあり、これは固体状態を形成していることが多い。この状態は顕色剤と発色剤が凝集して発色を保持した状態であり、この凝集構造の形成により発色が安定化していると考えられる。一方、消色状態は両者が相分離した状態である。この状態は少なくとも一方の化合物の分子が集合してドメインを形成したり結晶化した状態であり、凝集あるいは結晶化することにより発色剤と顕色剤が分離して安定化した状態であると考えられる。本発明では多くの場合、両者が相分離し顕色剤が結晶化することによってより完全な消色が起きる。
図1に示した溶融状態から徐冷による消色および発色状態からの昇温による消色は、いずれもこの温度で凝集構造が変化し、相分離や顕色剤の結晶化が起きている。本発明の可逆性感熱記録媒体における発色記録の形成は、サーマルヘッドなどを用いていったん溶融混合する温度に加熱し、急冷することによって行われる。また、消色は加熱状態から徐冷する方法と発色温度よりやや低い温度に加熱する方法の二つがある。しかし、これらは両者が相分離したり少なくとも一方が結晶化する温度に一時的に保持するという意味で同じである、発色状態の形成で急冷するのは、この相分離または結晶化温度に保持しないようにするためである。ここにおける急冷と徐冷はひとつの組成物に対して相対的なものであり、その境界は発色剤と顕色剤の組合せにより変化する。
本発明の可逆性感熱記録媒体を用いて発色画像を形成させるためには、いったん発色温度以上に加熱したのち急冷されるようにすればよい。具体的には、たとえば、サーマルヘッドやレーザー光で短時間加熱すると記録層が局部的に加熱されるため、直ちに熱が拡散し急激な冷却が起こり、発色状態が固定できる。一方、消色させるためには適当な熱源を用いて比較的長時間加熱し冷却するか、発色温度よりやや低い温度に一時的に加熱すればよい。長時間加熱すると記録媒体の広い範囲が昇温し、その後の冷却は遅くなるため、その過程で消色が起きる。この場合の加熱方法には、熱ローラー、熱スタンプ、熱風などを用いてもよいし、サーマルヘッドを用いて長時間加熱してもよい。記録層を消色温度域に加熱するためには、例えばサーマルヘッドへの印加電圧やパルス幅を調節することによって、印加エネルギーを記録時よりやや低下させればよい。この方法を用いれば、サーマルヘッドだけで記録・消去ができ、いわゆるオーバーライトが可能になる。もちろん、熱ローラー、熱スタンプによって消色温度域に加熱して消去することもできる。
本発明の可逆性感熱記録媒体では、記録層上の中間層が平均粒径20〜50nmの酸化亜鉛を含有する層であるため、消色部及び地肌部の耐光保存性に優れ、さらに発色画像の耐湿保存性にも優れており、実用性の高い記録媒体が得られる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明する。なお、実施例中の「部」及び「%」はいずれも重量を基準とするものである。
実施例1
(記録層の作成)
A)N−4−ヒドロキシフェニル−N’−オクタデシル尿素 1.6部
B)2−アニリノ−3−メチル−6−(N,N−ジエチルアミノ)フルオラン 0.9部
C)塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(VYHH、米国ユニオンカーバイト社製) 5部
D)トルエン 25部
E)2−ブタノン 15部
上記DとEよりなる混合溶媒にCおよびBを加えて完全に溶解させる。この溶液にAを加えた混合物をペイントシェーカーで96時間粉砕分散し、記録層塗液を得た。
次に上記塗液を厚さ100μmの白色ポリエステルフィルム上にワイヤーバーを用いて塗工し、加熱乾燥して膜厚約7μmの記録層を設けた。
(中間層の作成)
A)ポリビニルアルコール(PVA−117、クラレ社製) 10部
B)超微粒子酸化亜鉛(平均粒径50nm) 10部
C)イオン交換水 90部
上記AをCに加えて完全に溶解させる。この溶液にBを加え、この混合物をペイントシェーカーを用いて96時間粉砕分散し中間層塗液を得た。次にこの塗液を前記作成した記録層上にワイヤーバーを用いて塗工し、加熱乾燥して膜厚約2μmの中間層を設けた。
(保護層の作成)
A)ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂(C7−157、大日本インキ社製)
50部
B)酢酸エチル 50部
AおよびBを溶解させた保護層塗液を前記中間層上にワイヤーバーを用いて塗工した後、照射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下を9m/分の搬送速度で通して硬化させ、膜厚3μmの保護層を設けた。
このようにして本実施例の可逆性感熱記録媒体を作成した。
実施例2
中間層塗液として下記配合を用いた他は実施例1と同様の手順で本実施例の可逆性感熱記録媒体を作成した。
(中間層塗液配合)
A)エチレン/ビニルアルコール共重合体 10部
B)超微粒子酸化亜鉛(平均粒径20nm)(顔料A) 10部
C)超微粒子シリカ(平均粒径20nm)(顔料B) 10部
D)イオン交換水 90部
E)n−プロパノール 90部
実施例3
中間層作成に下記塗液(1)を用い、また保護層作成に下記塗液(2)を用いた他は実施例2と同様の手順で本実施例の可逆性感熱記録媒体を作成した。
(中間層塗液(1))
A)エチレン/ビニルアルコール共重合体 10部
B)超微粒子酸化亜鉛(平均粒径20nm)(顔料A) 10部
C)イオン交換水 90部
D)n−プロパノール 90部
(保護層塗液(2))
A)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、日本化薬社製) 10部
B)1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
(イルガキュア184、チバガイギー社製) 0.1部
C)超微粒子酸化アンチモン(平均粒径20nm)(顔料B) 1部
D)2−ブタノン 45部
上記AおよびBをDに加えて完全に溶解させる。この溶液にCを加え、この混合物をペイントシェーカーを用いて96時間粉砕分散し塗液(2)を調製する。
実施例4
保護層作成に下記塗液を用いた他は実施例3と同様の手順で本実施例の可逆性感熱記録媒体を作成した。
(保護層塗液)
A)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、日本化薬社製) 10部
B)1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
(イルガキュア184、チバガイギー社製) 0.1部
C)超微粒子酸化アンチモン(平均粒径20nm)(顔料B) 2部
D)2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール
(チヌビンPS、チバガイギー社製有機紫外線吸収剤) 1部
E)2−ブタノン 45部
上記A、BおよびDをEに加えて完全に溶解させる。この溶液にCを加え、この混合物をペイントシェーカーを用いて96時間粉砕分散し塗液(2)を調製する。
比較例1
中間層作成に下記塗液(1)を用い、また保護層作成に下記塗液(2)を用いた他は実施例1と同様の手順で本実施例の可逆性感熱記録媒体を作成した。
(中間層塗液(1))
A)ポリビニルアルコール 10部
B)イオン交換水 90部
(保護層塗液(2))
A)ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂(C7−157、大日本インキ社製)
50部
B)酢酸エチル 50部
C)超微粒子酸化亜鉛(平均粒径20nm)(顔料A) 2.5部
上記AをBに加えて完全に溶解させる。この溶液にCを加え、この混合物をペイントシェーカーを用いて96時間粉砕分散し塗液(2)を調製する。
比較例2
中間層塗液として下記配合を用いた他は比較例1と同様の手順で本比較例の可逆性感熱記録媒体を作成した。
(中間層塗液配合)
A)ポリビニルアルコール 10部
B)2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン −スルホン酸ナトリウム(ユビナールDS−49、BASF社製有機紫外線吸収剤) 3部
C)イオン交換水 90部
上記AおよびBをCに加えて完全に溶解させ中間層塗液を得る。
比較例3
比較例中間層の作成に下記配合の塗液を用いた他は実施例1と同様の手順で本比較例の可逆性感熱記録媒体を作成した。
(中間層の塗液配合)
A)ポリビニルアルコール 10部
B)イオン交換水 90部
上記AをBに加えて完全に溶解させて中間層塗液とする。
以上実施例1〜6及び比較例1〜3で作成した可逆性感熱記録媒体について、以下の手順で耐光保存性および耐湿保存性の評価を行い、表1に示す結果を得た。
評価方法:
市販の感熱ファクシミリ印字試験機(大倉電気社製、TH−PMD)を用いてドット密度:8ドット/mm、印加電圧:13.3V、パルス幅:0.8ミリ秒の設定条件で画像書き込みを行い、その反射濃度及び地肌濃度を反射濃度計(RD918、マクベス社製)を用いて測定した。次いで熱スタンプを用い140℃1秒の条件で消色操作を行い、画像部の消色濃度及び地肌部の濃度を測定した。
耐光保存性の評価:
上記書き込み画像を蛍光灯光源下、5000ルックスの光で100時間照射した。次いで熱スタンプを用いて140℃1秒の条件で消色操作を行い、画像部の消色濃度及び地肌部の濃度を測定した。そしてこれらの濃度と照射前の地肌濃度との差を耐光保存性の目安とした。
耐湿保存性の評価:
上記書き込み画像を温度40℃湿度90%RH下に24時間保存し、保存前後の画像濃度コントラストの比を耐湿保存性の目安とした。なお画像濃度コントラストは画像濃度から地肌濃度を差し引いた正味の濃度である。
Figure 2005096463
本発明の可逆性感熱発色組成物の発色・消色特性を示す図である。

Claims (9)

  1. 支持体上に電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を主成分として含有し、加熱温度およびまたは加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうる組成物を含有する記録層、中間層並びに保護層を順次設けてなる可逆性感熱記録媒体において、少なくとも該中間層に酸化亜鉛(無機顔料A)を含有することを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
  2. 前記酸化亜鉛の平均粒径が0.1μm以下である請求項1に記載の可逆性感熱記録媒体。
  3. 前記酸化亜鉛が紫外線UV−A領域に吸収端を有するものである請求項1又は2に記載の可逆性感熱記録媒体。
  4. 前記酸化亜鉛と紫外線UV−A領域より短波長側に吸収端を有する無機顔料(B)との併用する請求項1又は2に記載の可逆性感熱記録媒体。
  5. 前記酸化亜鉛が中間層に含まれ、かつ、無機顔料(B)が保護層に含まれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録媒体。
  6. 無機顔料(B)が金属酸化物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録媒体。
  7. 中間層あるいは/および保護層がさらに有機紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録媒体。
  8. 保護層に紫外線硬化バインダーを用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録媒体。
  9. 支持体上に電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を主成分として含有し、加熱温度およびまたは加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうる組成物を含有する記録層、中間層並びに保護層を順次設けてなる可逆性感熱記録媒体の製造方法において、少なくとも該中間層に酸化亜鉛(無機顔料A)を含有し、保護層に紫外線硬化バインダーを用いて該保護層に紫外線照射して硬化させることを特徴とする可逆性感熱記録媒体の製造方法。
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