JP2013212705A - 感熱記録体 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐汚性、耐擦過性、耐水摩擦性、耐薬品性、耐光性などに優れた感熱記録体を提供する。
【解決手段】基材1上に形成された感熱層2の上にバリアー層3が設けられ、バリアー層の上に接着剤層4を介して合成樹脂フィルム5が積層貼着されてなる感熱記録体である。バリアー層はPVA樹脂を50%以上含有すると共に紫外線吸収剤として酸化亜鉛を含み、接着剤層には紫外線吸収剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールが含有される。この感熱記録体は、キセノンロングライフフェードメーター試験機で光照射を100時間行っても変退色しない耐光性を有する。好適には、接着剤層の塗工量は6.0〜10.0g/mであり、合成樹脂フィルムは耐熱滑性層表面処理した2.5〜6.0μm厚のPETフィルムである。
【選択図】図1

Description

本発明は、感熱プリンタのサーマルヘッドからの熱エネルギーを受けて発色する感熱層を備えた感熱記録体(感熱レセプター)に関する。
感熱プリンタは、駆動部品数が少ない、小型化が可能である、駆動音が小さい、消費電力が少なくて済む、インクリボンを使用しないため消耗品コストが小さいなどの長所を有することから、家庭用や小規模オフィス用のファックスや店舗のレジ、ラベルライターなどに利用されている。一方、感熱プリンタの記録媒体として使用される感熱記録体は、紙やフィルムなどの基材の上に感熱層を積層形成したものであるため、表面強度や耐水摩擦性が弱い、表面が汚れやすい、アルコールなどを含む溶剤が付着すると変色してしまう、耐光性が悪い(長時間光に晒されると変退色してしまう)などの欠点があり、その利用分野ないし用途が限られていた。
このような欠点を解消するため、感熱層を感熱記録体の最外層とせず、これを合成樹脂フィルムなどの保護層で覆う構成とすることが、下記特許文献1,2において提案されている。
特開2001−260533号公報 特開2005−289401号公報
すなわち、特許文献1には、感熱層に粘着剤を含有させておき、該粘着剤の作用により感熱層を合成樹脂フィルムで覆うことで、耐擦過性などを向上させることが記載されている。また、特許文献2には、感熱層の表面に接着剤を介して最外層透明フィルムを貼着した構成の感熱記録可能な包装材料が記載されている。
上記従来技術によると、感熱層の表面が合成樹脂フィルムで被覆されているので、耐汚性、耐擦過性、耐水摩擦性、耐薬品性、耐光性などを向上させることができるが、反面、感熱層における感熱発色性を低下させてしまうという問題が生ずる。すなわち、特許文献1では感熱層に含有される粘着剤成分が、また特許文献2では透明フィルムを貼着するための接着剤成分が、感熱層の感熱発色成分に直接接触することとなるため、鮮明な印字画像が得られなかったり、印字直後または経時で部分発色、変退色などの弊害が発生する恐れがある。
本発明が解決しようとする課題は、このような従来技術の不利欠点を解消し、感熱層の表面に保護層を設けることによって耐汚性、耐擦過性、耐水摩擦性、耐薬品性、耐光性などを向上させると共に、感熱発色性を高次元に維持して記録画像を長期に亘って維持することができる性能を有する新規な構成の感熱記録体を提供することである。
この課題を解決するため、請求項1に係る本発明は、基材上に形成された感熱層の上にバリアー層が設けられ、バリアー層の上に接着剤層を介して合成樹脂フィルムが積層貼着されてなる感熱記録体であって、バリアー層がPVA樹脂を50%以上含有すると共に紫外線吸収剤として酸化亜鉛を含み、接着剤層に紫外線吸収剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールが含有されキセノンロングライフフェードメーター試験機で光照射を100時間行っても変退色しないことを特徴とする感熱記録体である。一実施形態において、接着剤層の塗工量は6.0〜10.0g/m であり、合成樹脂フィルムは耐熱滑性層表面処理した2.5〜6.0μm厚のPETフィルムである(請求項2)。
請求項に係る本発明は、請求項1または2記載の感熱記録体において、基材の裏面に粘着層が設けられ、粘着ラベルとして使用されることを特徴とする。
本発明によれば、感熱記録体の最外層に合成樹脂フィルムが設けられて感熱層を保護しているので、耐汚性、耐擦過性、耐水摩擦性、耐薬品性、耐光性などが向上される。さらに、合成樹脂フィルムがバリアー層を介して感熱層上に形成されているので、合成樹脂フィルムを貼着するために用いられる接着剤成分が感熱層の感熱発色成分と直接接触することがなく、感熱発色性を阻害しないため、鮮明な記録画像を長期に亘って保存可能である。バリアー層および接着剤層の両方に紫外線吸収剤を含有させることによりさらに耐光性を向上させることができ、キセノンロングライフフェードメーター試験機で光照射を100時間行っても変退色しないものとすることができる。
図1は本発明の好適な一実施形態による感熱記録体の断面図である。
基材1は感熱記録体の基材として常用されているものから用途などに応じて任意に選択して使用可能であり、上質紙、アート/コート紙、合成紙、PETフィルムなどを例示することができる。
基材1上に感熱層2が形成される。感熱層2は、少なくともロイコ染料および顕色剤を含有しており、バインダー樹脂やさらに必要に応じてその他の成分を配合してなる。
ロイコ染料としては、感熱記録材料に普通に用いられているものの中から目的に応じて適宜選択することができ、たとえば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フエノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系などが挙げられる。
ロイコ染料の具体例としては、たとえば、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジペンチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−[エチル(4−メチルフェニル)アミノ]フルオラン、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名:クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−(N−メチル−N−イソブチル)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−{N−(3′−トリフルオルメチルフェニル)アミノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−アミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2′,4′−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、6′−クロロ−8′−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、6′−ブロモ−3′−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−メトキシ−5′−クロルフェニル)フタリド、3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−メトキシ−5′−ニトロフェニル)フタリド、3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジエチルアミノフェニル)−3−(2′−メトキシ−5′−メチルフェニル)フタリド、3−(2′−メトキシ−4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−ヒドロキシ−4′−クロル−5′−メチルフェニル)フタリド、3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−イソプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3′)−6′−ジメチルアミノフタリド、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4′−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、3−{N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ}−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−{N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ}−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4′,5′−ベンゾフルオラン、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}−6−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−フェニルエチレン−2−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−p−クロロフェニルエチレン−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4′−ジメチルアミノ−2′−メトキシ)−3−(1″−p−ジメチルアミノフェニル−1″−p−クロロフェニル−1″,3″−ブタジエン−4″−イル)ベンゾフタリド、3−(4′−ジメチルアミノ−2′−ベンジルオキシ)−3−(1″−p−ジメチルアミノフェニル−1″−フェニル−1″,3″−ブタジエン−4″−イル)ベンゾフタリド、3−ジメチルアミノ−6−ジメチルアミノ−フルオレン−9−スピロ−3′(6′−ジメチルアミノ)フタリド、3,3−ビス{2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル}−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−ビス{1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル}−5,6−ジクロロ−4,7−ジブロモフタリド、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−ナフタレンスルホニルメタン、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−p−トリルスルホニルメタンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
顕色剤としては、公知の電子受容性の化合物の中から目的に応じて適宜選択することができ、たとえば、フェノール性化合物、チオフェノール性化合物、チオ尿素誘導体、有機酸又はその金属塩等が挙げられる。より具体的には、たとえば、4,4′−イソプロピリデンビスフェノール、3,4′−イソプロピリデンビスフェノール、4,4′−イソプロピリデンビス(o−メチルフェノール)、4,4′−セカンダリーブチリデンビスフェノール、4,4′−イソプロピリデンビス(o−ターシャリーブチルフェノール)、4,4′−シクロヘキシリデンジフェノール、4,4′−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(6−ターシャリーブチル−2−メチル)フェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ターシャリーブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4′−チオビス(6−ターシャリーブチル−2−メチル)フェノール、4,4′−ジフェノールスルホン、4,2′−ジフェノールスルホン、4−イソプロポキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−アリルオキシジフェニルスルホン、4−ベンジロキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジフェノールスルホキシド、P−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、P−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、プロトカテキュ酸ベンジル、没食子酸ステアリル、没食子酸ラウリル、没食子酸オクチル、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサヘプタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−プロパン、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2−ヒドロキシプロパン、N,N′−ジフェニルチオ尿素、N,N′−ジ(m−クロロフェニル)チオ尿素、サリチルアニリド、5−クロロ−サリチルアニリド、サリチル−o−クロロアニリド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、2−アセチルオキシ−3−ナフトエ酸の亜鉛塩、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ヒドロキシナフトエ酸の亜鉛、アルミニウム、カルシウム等の金属塩、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチルエステル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル、4−{β−(p−メトキシフェノキシ)エトキシ}サリチル酸、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、2,4′−ジフェノールスルホン、3,3′−ジアリル−4,4′−ジフェノールスルホン、α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−α−メチルトルエンチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS、4,4′−チオビス(2−メチルフェノール)、3,4−ヒドロキシ−4′−メチル−ジフェニルスルホン、4,4′−チオビス(2−クロロフェノール)、N−p−トリルスルホニル−N’−フェニルウレア、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、下記式(i)で表されるジフェニルスルホン誘導体、下記式(ii)で表されるウレアウレタン化合物誘導体等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
バインダー樹脂としては、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、たとえば、ポリビニルアルコール、澱粉又はその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸三元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子の他、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリブチルメタクリレート、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエマルジョンやスチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体等のラテックス類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、感度向上剤として、たとえば、ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸類、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アミド類、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類、p−ベンジルビフェニル、ターフェニル、トリフェニルメタン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、β−ベンジルオキシナフタレン、β−ナフトエ酸フェニルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステルなど種々の熱可融性物質を使用することができる。
さらに、必要に応じて、界面活性剤や、高級脂肪酸又はその金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、動物性ワックス、植物性ワックス、鉱物性ワックス、石油系ワックス等の滑剤や、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、カオリン、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカなどの無機系微粉末の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂、塩化ビニリデン樹脂などの有機系の微粉末である充填材等の補助添加成分を併用することができる。
感熱層2上にはバリアー層3が形成される。バリアー層3の形成に際して、ウレタン系、エポキシ系などの合成樹脂を溶剤に溶解させた溶剤系合成樹脂を使用すると、感熱層2に接触して感熱発色性を阻害する恐れがあるので、好ましくない。
バリアー層3を形成する樹脂としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエステル、ポリウレタン、澱粉又はその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸三元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン−無水マレイン共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子を用いることが考えられるが、本発明では、後に試験結果から実証されるように、ポリビニルアルコール(PVA)を用いたときに特に耐光性を向上させる効果が大きく発揮されるので、ポリビニルアルコール(PVA)を用いてバリアー層3を形成する。
また、フィラーを併用することも可能である。含有される白色の顔料(フィラー)としては、たとえば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン、水酸化アルミニウム、クレー、焼成クレー、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、ホワイトカーボン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、表面処理された炭酸カルシウムやシリカ、尿素―ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン等の微粉末等が使用可能であり、これらの単独または2種以上混合して使用してもよい。
バリアー層3の厚さは10μm以下であることが好ましい。バリアー層3の厚さが10μmを超えると感熱プリンタのサーマルヘッドからの熱エネルギーを感熱層に伝達する際の減衰が大きくなって印字が不鮮明となり、この観点からより好ましくはバリアー層3の厚さは6μm以下である。
なお、バリアー層3を形成する塗料に紫外線吸収剤を含有させると、バリアー層3が紫外線吸収作用を果たし、感熱記録体の耐光性をさらに向上させる。紫外線吸収剤としては後述するように各種のものが知られているが、後に試験結果から実証されるように、紫外線吸収剤として酸化亜鉛を用いてバリアー層3に含有させたときに特に耐光性を向上させる効果が大きく発揮されるので、本発明ではバリアー層3が紫外線吸収剤として酸化亜鉛を含有するものとする。
バリアー層3上に保護層としての合成樹脂フィルム5が接着剤(ないし粘着剤)層4を介して形成される。合成樹脂フィルム5はこの感熱記録体の最外層となってサーマルヘッドからの熱エネルギーを直接受けることになるので、耐熱性を有することが要求され、また、該熱エネルギーを極力減衰させずに感熱層2に伝達する必要があるので熱伝導特性が良好であることが要求される。これらの観点から、本発明では合成樹脂フィルム5としてPETフィルムを使用する。
合成樹脂フィルム5の厚さは10μm以下であることが好ましい、合成樹脂フィルム5の厚さが10μmを超えると感熱プリンタのサーマルヘッドからの熱エネルギーを感熱層に伝達する際の減衰が大きくなって印字が不鮮明となり、この観点からより好ましくは合成樹脂フィルム5の厚さは6μm以下である。
合成樹脂フィルム5は、表面にサーマルヘッドの熱によるスティッキングや印字しわ等の悪影響を防止するため、耐熱滑性層を設けたものが好ましい。この耐熱滑性層としては、アクリル変成シリコン樹脂やウレタン変成シリコン樹脂などのシリコン樹脂や、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアクリレート樹脂、などのバインダー樹脂にリン酸エステル、シリコーンオイル、グラファイトパウダー、シリコン系グラフトポリマー、アクリロシロキサン、アリールシロキサン等のシリコン重合体などを添加したものを使用することができる。
合成樹脂フィルム5を接着するために用いられる接着剤層4にはアクリル系、ウレタン系などの任意の接着剤を用いることができる。感熱層2上にはバリアー層3が設けられていて、接着剤層4は直接感熱層2に接触しないので、溶剤系の合成樹脂からなる接着剤も使用可能である。
接着剤層4の塗工量は20g/m以下であることが好ましい。接着剤層4の塗工量が20g/mを超えると感熱プリンタのサーマルヘッドからの熱エネルギーを感熱層に伝達する際の減衰が大きくなって印字が不鮮明となる。
なお、接着剤層4に紫外線吸収剤を含有させると、接着剤層4が紫外線吸収作用を果たし、感熱記録体の耐光性をさらに向上させるので、好ましい実施形態である。バリアー層3と接着剤層4の両方に紫外線吸収剤を含有させる実施形態によれば、感熱記録体の耐光性をさらに向上させることができる。
紫外線吸収剤としては、たとえば、桂皮酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、トリアゾール誘導体、サリチル酸誘導体、シアノアクリレート誘導体、ヒンダードアミン誘導体などが挙げられるが、本発明では、後に試験結果から実証されるように、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ドデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール)を接着剤層4に含有させたときに特に耐光性を向上させる効果が大きく発揮されるので、これを紫外線吸収剤として用いて接着剤層4に含有させるものとする。
図1の感熱記録体はラベルとして使用されるものであるため、基材1の裏面側には、セパレータ7(剥離紙、剥離フィルムなど)で裏面被覆された粘着剤層6が設けられる。このような感熱記録体はロール形状などにしてラベルプリンタのカセットに収容して所望の印字を行った後、印字部分をカットし、セパレータ7を剥がして粘着剤層6を介して所望の箇所に添付してラベルとして使用される。
以下に試験例を挙げて本発明について更に詳述する。
試験例1
上質紙(74g/m)からなる基材1上に、日本化薬(株)製不透明グレード感熱発色塗料を6.0g/m塗工して感熱層2を設けた上に、日本化薬(株)製アクリル酸エステル樹脂のエマルジョン塗料を4.0μ塗工してバリアー層3を形成した。この表面に、6.0μmの耐熱滑性層表面処理済みのPETフィルム(東レ(株)製:6CF531)をその処理面を表面側にしてドライラミネートして保護層5として、実施例1の感熱記録体を得た。ドライラミネートに使用したアクリル樹脂系接着剤(東洋インキ(株)製:BPS5896)には、紫外線吸収剤(チバ・スペシャリティーケミカルズ(株)製:TINUVIN(登録商標)571)を6.0%(対接着剤液)添加したものを使用し、6.0g/m塗工して接着剤層4とした。
試験例2
A−2コート紙(64g/m)からなる基材1上に、日本化薬(株)製透明グレード感熱発色塗料を6.0g/m塗工して感熱層2を設けた上に、酸化亜鉛をPVAに対する固形分重量比で20%含むPVA溶液((株)クラレ製:PVA205)を4.0μm塗工してバリアー層3を形成した。その後、試験例1と同一のフィルムを同一の接着剤で同様にドライラミネートして接着剤層4および保護層5を形成して、試験例2の感熱記録体を得た。
試験例3
38μm透明PETフィルム(三菱樹脂(株)製:T100E)を基材1とした以外は試験例2と同様にして、試験例3の感熱記録体を得た。
試験例4
合成紙(ユポコーポレイト(株)製:FPG)からなる基材1上に、日本化薬(株)製半透明グレード感熱発色塗料を6.0g/m塗工して感熱層2を設けた上に、日本化薬(株)製アクリル酸エステル樹脂のエマルジョンを4.0μm塗工してバリアー層3を形成した。その後、試験例1と同一のフィルムを同一の接着剤で同様にドライラミネートして接着剤層4および保護層5を形成して、試験例4の感熱記録体を得た。
試験例5
38μm透明PETフィルム(三菱樹脂(株)製:T100E)からなる基材1上に、日本化薬(株)製透明グレード感熱発色塗料を6.0g/m 塗工して感熱層2を設けた上に、第一工業製薬(株)製水系ポリウレタン樹脂を4.0μm塗工してバリアー層3を形成した。その後、試験例1と同一のフィルムを同一の接着剤で同様にドライラミネートして接着剤層4および保護層5を形成して、試験例5の感熱記録体を得た。
試験例6
38μm透明PETフィルム(三菱樹脂(株)製:T100E)からなる基材1上に、日本化薬(株)製透明グレード感熱発色塗料を6.0g/m 塗工して感熱層2を設けた上に、日本化薬(株)製アクリル酸エステル樹脂のエマルジョンを4.0μm塗工してバリアー層3を形成した。その後、試験例1と同一のフィルムを同一の接着剤で同様にドライラミネートして接着剤層4および保護層5を形成して、試験例6の感熱記録体を得た。
試験例7
38μm透明PETフィルム(三菱樹脂(株)製:T100E)からなる基材1上に、日本化薬(株)製透明グレード感熱発色塗料を6.0g/m 塗工して感熱層2を設けた上に、水系ポリエステル樹脂溶液(互応化学(株)製:プラスコート(登録商標)Z−570)を4.0μm塗工してバリアー層3を形成した。その後、試験例1と同一のフィルムを同一の接着剤で同様にドライラミネートして接着剤層4および保護層5を形成して、試験例7の感熱記録体を得た。
試験例8
38μm透明PETフィルム(三菱樹脂(株)製:T100E)からなる基材1上に、日本化薬(株)製透明グレード感熱発色塗料を6.0g/m 塗工して感熱層2を設けた上に、PVA溶液((株)クラレ製:PVA205)を4.0μm塗工してバリアー層3を形成した。その後、試験例1と同一のフィルムをその処理面を表面側にしてドライラミネートして保護層5として、試験例8の感熱記録体を得た。ドライラミネートに使用したポリウレタン系接着剤(武田薬品工業(株)製:タケラック(登録商標)A515)を使用し、6.0g/m 塗工して接着剤層4とした。
試験例9
38μm透明PETフィルム(三菱樹脂(株)製:T100E)からなる基材1上に、日本化薬(株)製透明グレード感熱発色塗料を6.0g/m 塗工して感熱層2を設けた上に、PVA溶液((株)クラレ製:PVA205)を1.0μm塗工してバリアー層3を形成した。その後、試験例1と同一のフィルムをドライラミネートして接着剤層4および保護層5を形成して、試験例9の感熱記録体を得た。ドライラミネートにはポリウレタン系接着剤(武田薬品工業(株)製:タケラック(登録商標)A515)に紫外線吸収剤(チバ・スペシャリティーケミカルズ(株)製:TINUVIN(登録商標)571)を6.0%(対接着剤液)添加したものを使用し6.0g/m 塗工して接着剤層4とした。
試験例10
38μm透明PETフィルム(三菱樹脂(株)製:T100E)からなる基材1上に、日本化薬(株)製透明グレード感熱発色塗料を6.0g/m 塗工して感熱層2を設けた上に、酸化亜鉛をPVAに対する固形分重量比で20%含むPVA溶液((株)クラレ製:PVA205)を4.0μm塗工してバリアー層3を形成した。その後、試験例8と同一のフィルムを同一の接着剤で同様にドライラミネートして接着剤層4および保護層5を形成して、試験例10の感熱記録体を得た
試験例11
38μm透明PETフィルム(三菱樹脂(株)製:T100E)からなる基材1上に、日本化薬(株)製透明グレード感熱発色塗料を6.0g/m 塗工して感熱層2を設けた上に、酸化亜鉛をPVAに対する固形分重量比で20%含むPVA溶液((株)クラレ製:PVA205)を4.0μm塗工してバリアー層3を形成した。この表面に耐熱滑性層としてアクリル変成シリコン樹脂を0.1μm塗工して表面処理を行った2.5μmのPETフィルムをその処理面を表面側にしてドライラミネートして保護層5として、試験例11の感熱記録体を得た。ドライラミネートにはポリウレタン系接着剤(武田薬品工業(株)製:タケラック(登録商標)A515)に紫外線吸収剤(チバ・スペシャリティーケミカルズ(株)製:TINUVIN(登録商標)571)を6.0%(対接着剤液)添加したものを使用し6.0g/m 塗工して接着剤層4とした。
試験例12
上質紙(74g/m )からなる基材1上に、日本化薬(株)製不透明グレード感熱発色塗料を6.0g/m 塗工して感熱層2を設けた上に、日本化薬(株)製アクリル酸エステル樹脂のエマルジョン塗料を4.0μm塗工して、試験例1におけるバリアー層3と同様の層を最外層の保護層として形成して、試験例12の感熱記録体を得た。試験例12の感熱記録体は、最外層に合成樹脂フィルムが存在しない。
試験例13
38μm透明PETフィルム(同上)からなる基材1上に、試験例2と同じ感熱層2を設け、これに試験例1と同一のフィルムを同一の接着剤で同様にドライラミネートして接着剤層4および保護層5を形成して、試験例13の感熱記録体を得た。試験例13の感熱記録体はバリアー層3が存在しない。
試験例14
保護層5となるPETフィルムとして耐熱滑性層としてアクリル変成シリコン樹脂を0.1μm塗工した厚さ12μmのものを使用した他は、試験例1と同様にして、試験例14の感熱記録体を得た。試験例14の感熱記録体は保護層となるPETフィルムの厚さが本発明の上限値である6μmを超えている。
試験例15
12.0μm塗工してバリアー層3を形成した他は、試験例10と同様にして、試験例15の感熱記録体を得た。試験例15の感熱記録体はバリアー層の厚さが本発明の上限値である6μmを超えている。
試験例16
38μm透明PETフィルム(三菱樹脂(株)製:T100E)からなる基材1上に、日本化薬(株)製透明グレード感熱発色塗料を6.0g/m 塗工して感熱層2を設けた上に、PVA溶液((株)クラレ製:PVA205)を4.0μm塗工してバリアー層3を形成した。その後、試験例1と同一のフィルムをその処理面を表面側にしてドライラミネートして保護層5として、試験例16の感熱記録体を得た。ドライラミネートにはポリウレタン系接着剤(武田薬品工業(株)製:タケラック(登録商標)A515)に紫外線吸収剤(チバ・スペシャリティーケミカルズ(株)製:TINUVIN(登録商標)571)を6.0%(対接着剤液)添加したものを使用し22g/m 塗工して接着剤層4とした。試験例16の感熱記録体は接着剤層の塗工量が本発明の上限値である10g/m を超えている。
以上のようにして作製した試験例1〜16の各感熱記録体について、次の試験条件により印字画像品質、すなわち印字画像外観、耐擦過性、耐薬品性および耐光性の評価を行った。その結果を表1に示す。
<印字画像外観>
プリンタ:(株)キングジム製 TEPRA(登録商標) PRO SR520X
評価基準:
○:ボイド・カスレが無く均一な画像で感熱発色しており、印字後1週間室内放置しても問題なく画像が読み取れる。
△:感熱発色はしているがボイド・カスレがあり濃度のバラツキはあるが、印字後1週間室内放置しても問題なく画像が読み取れる。
×:感熱発色をせず、画像が読み取れない。もしくは、印字直後は感熱発色しているが1週間室内放置で画像が読み取れなくなる。
<耐擦過性試験>
試験機:学振型試験機(JIS L0849の摩擦試験機II形)
条件:荷重500g・摩擦回数50往復
摩擦体:上質紙
評価基準:
○:画像部の損傷、白地部の汚れがない。
×:画像部の損傷、白地部の汚れにより画像が判読できない。
<耐薬品性試験>
IPA(イソプロピルアルコール)をプリンタで印字後の感熱記録体表面に滴下し、目視にて評価した。
評価基準:
○:画像部の損傷、白地部の発色がない。
△:画像部の損傷、白地部の発色がある。
×:薬品により最外層のフィルムが溶出。
<耐光性試験>
試験機:キセノン ロングライフ フェードメーター試験機
◎:光照射を100時間行っても変退色しない。
○:光照射を24時間行っても変退色しない。
×:光照射を24時間行うと変退色する。
この表に示す結果から分かるように、最外層が合成樹脂フィルムで形成されていない試験例12は、耐擦過性、耐薬品性、耐光性などの物性が劣り、最外層に合成樹脂フィルムを有するもののバリアー層が設けられていないために接着剤層が感熱層に直接接している試験例13は、耐擦過性、耐薬品性、耐光性などの物性は優れているものの印字画像が経時的に変退色を起こすために外観が悪く、本発明と同様の積層構造でありながらPETフィルムの厚さが12μmと厚い試験例14も印字画像外観が悪く、本発明と同様の積層構造でありながらバリアー層の厚さが12μmと厚い試験例15も印字画像外観が悪く、本発明と同様の積層構造でありながら接着剤層の塗工量が22g/mと多い試験例16も印字画像外観が悪いのに対し、試験例1〜11は印字画像外観と物性が高次元で両立しており、感熱記録体としての要求性能を満たすことが確認された。さらに、バリアー層3がPVA樹脂を50%以上含有すると共に紫外線吸収剤として酸化亜鉛を含有すること、接着剤層4が紫外線吸収剤として2−(2′−ヒドロキシ−3′−ドデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール)を含有することの条件をすべて満たす試験例2,3及び11(本発明実施例)は、光照射を100時間行っても変退色が生じないというきわめて良好な耐光性を示すことが確認された。
本発明による感熱記録体は、耐汚性、耐擦過性、耐水摩擦性、耐薬品性、耐光性などが向上されると共に、感熱発色性を高次元に維持して記録画像を長期に亘って維持することができる性能を有するので、感熱記録の利用分野ないし用途を大きく拡大することができるものと期待される。たとえば、感熱記録ラベルは従来より感熱ラベルライター(プリンタ)用のメディアとして使用されているが、長期保存性および耐汚性、耐擦過性、耐水摩擦性、耐薬品性、耐光性などが向上されるので、屋外での使用が想定される分野などにも感熱記録ラベルとしての利用が可能となる。また、特に耐薬品性が要求される医療用ラベルとしての用途も見込まれるなど、産業上の利用可能性がきわめて大きいものである。
本発明の好適な一実施形態による感熱記録体の断面図である。
1 基材
2 感熱層
3 バリアー層
4 接着剤(粘着剤)層
5 合成樹脂フィルム(保護層)
6 粘着剤層
7 セパレータ

Claims (3)

  1. 基材上に形成された感熱層の上にバリアー層が設けられ、バリアー層の上に接着剤層を介して合成樹脂フィルムが積層貼着されてなる感熱記録体であって、バリアー層がPVA樹脂を50%以上含有すると共に紫外線吸収剤として酸化亜鉛を含み、接着剤層に紫外線吸収剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールが含有されキセノンロングライフフェードメーター試験機で光照射を100時間行っても変退色しないことを特徴とする感熱記録体。
  2. 接着剤層の塗工量が6.0〜10.0g/m であって、合成樹脂フィルムが耐熱滑性層表面処理した2.5〜6.0μm厚のPETフィルムであることを特徴とする請求項1記載の感熱記録体。
  3. 基材の裏面に粘着層が設けられ、粘着ラベルとして使用されることを特徴とする請求項1または2記載の感熱記録体。
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