JP2000177247A - 可逆性感熱記録媒体及びそれを用いた可逆性感熱記録方法 - Google Patents

可逆性感熱記録媒体及びそれを用いた可逆性感熱記録方法

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JP2000177247A
JP2000177247A JP10361438A JP36143898A JP2000177247A JP 2000177247 A JP2000177247 A JP 2000177247A JP 10361438 A JP10361438 A JP 10361438A JP 36143898 A JP36143898 A JP 36143898A JP 2000177247 A JP2000177247 A JP 2000177247A
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reversible thermosensitive
thermosensitive recording
energy
recording medium
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JP10361438A
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English (en)
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Atsushi Kutami
篤 久田見
Tetsuya Amano
哲也 天野
Kazumi Suzuki
一己 鈴木
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偽造を防止することが可能な可逆性感熱記録
媒体、特にそのカード形状の応用製品を提供すること。 【解決手段】 支持体上に可逆性感熱記録層を有する可
逆性感熱記録媒体において、該媒体の面方向の一部に、
主体的に支持体層、可逆性感熱記録層、画像印刷層から
なり、順に支持体層、可逆性感熱記録層、画像印刷層が
積層され、可逆性感熱記録層に面方向で重なった状態で
画像印刷層が設けられた部分であって、該部分以外の可
逆性感熱記録層に記録する記録エネルギーでは記録でき
ず、より高いエネルギーでないと記録できない部分を有
するものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子供与性呈色性
化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した
可逆性感熱発色組成物を用い、熱エネルギーを制御する
ことにより発色画像の形成と消去が可能な可逆性感熱記
録媒体ならびにこれを用いた可逆性感熱記録方法、特に
偽造防止機能を施した媒体および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】サーマルヘッドにより感熱紙を加熱記録
する感熱記録方法は、広く用いられている。一方、該感
熱記録方法を可逆的にした可逆性感熱記録方法も知られ
ている(特開平5−124360号公報等)。本方法
は、支持体上に電子供与性呈色性化合物と電子受容性化
合物を主成分として含有し、加熱温度および/または加
熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消
色した状態を形成し得る可逆性感熱発色組成物を含有す
る可逆性感熱記録層を少なくとも有する可逆性感熱記録
媒体を用いて記録、消去する方法である。
【0003】本方法の媒体は、通常カードの支持体上に
付設され使用されることが多い。このカード形態の媒体
は多方面で用いられ、中には金券に代わるものとして用
いられることも多い。カードとしての使用は比較的簡便
に用いられ、かつ金券でもあるため、偽造されることが
危惧される。偽造された場合、使用業者は甚大な被害を
こうむるので、偽造が容易であるということは大きな問
題である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明はこの
ような事情に鑑みなされたものであり、その課題は偽造
を防止することが可能な該記録媒体、特にカード形状の
応用製品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第一に
支持体上に電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物
を主成分として含有し、加熱温度および/または加熱後
の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消色し
た状態を形成し得る可逆性感熱発色組成物を含有する可
逆性感熱記録層を少なくとも有する可逆性感熱記録媒体
において、該媒体の面方向の一部に、主体的に支持体
層、可逆性感熱記録層、画像印刷層からなり、順に支持
体層、可逆性感熱記録層、画像印刷層が積層され、可逆
性感熱記録層に面方向で重なった状態で画像印刷層が設
けられた部分であって、該部分以外の可逆性感熱記録層
に記録する記録エネルギーでは記録できず、より高いエ
ネルギーでないと記録できない部分を有することを特徴
とする可逆性感熱記録媒体が提供される。第二に、前記
のより高いエネルギーでないと記録できない部分の可逆
性感熱記録層および/または画像印刷層が耐熱性樹脂ま
たは硬化性樹脂を含有する保護層を有することを特徴と
する上記第一に記載した可逆性感熱記録媒体が提供され
る。第三に、前記の通常エネルギーで記録できる部分と
より高いエネルギーでないと記録できない部分の支持体
層上の前記すべての層の厚みの差が5μm以上であるこ
とを特徴とする上記第一または第二に記載した可逆性感
熱記録媒体が提供される。第四に、前記のより高いエネ
ルギーでないと記録できない部分が、画像印刷層上の保
護層が感熱ヘッドの熱伝導性を低下させるため、その表
面がその他の可逆性感熱記録層部分の表面に比べ荒らさ
れているか、または感熱ヘッドが画像印刷層に直接接触
しない微細な空隙層を有することにより達成されている
ことを特徴とする上記第二に記載した可逆性感熱記録媒
体が提供される。第五に、前記媒体がカード形状をなし
ていることを特徴とする上記第一〜第四のいずれかに記
載した可逆性感熱記録媒体が提供される。第六に、上記
第一〜第四のいずれかに記載した可逆性感熱記録媒体を
用い、前記のより高いエネルギーでないと記録できない
部分に前記の他の部分の記録エネルギーより高いエネル
ギーで記録することを特徴とする可逆性感熱記録方法が
提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、さらに詳
しく説明する。本発明の可逆性感熱記録媒体は、支持体
上に可逆性感熱発色組成物を含有する可逆性感熱記録層
を少なくとも有する可逆性感熱記録媒体において、該媒
体の面方向の一部に、主体的に支持体層、可逆性感熱記
録層、画像印刷層からなり、順に支持体層、可逆性感熱
記録層、画像印刷層が積層され、可逆性感熱記録層に面
方向で重なった状態で画像印刷層が設けられた部分であ
って、該部分以外の可逆性感熱記録層に記録する記録エ
ネルギーでは記録できず、より高いエネルギーでないと
記録できない部分を有することを特徴とする。すなわ
ち、本媒体の概略は、たとえば図2で示される。図2に
おいて、1は可逆性感熱記録媒体を、また2はより高い
エネルギーでないと記録できない部分を示す。このより
高いエネルギーで記録できない部分2には、たとえば氏
名、登録No.等、通常記載変更されない項目が記録さ
れる。
【0007】本発明の可逆性感熱記録媒体において、高
エネルギー記録部分を作成する手段としては、可逆性感
熱記録層上に画像印刷層が積層されていることから、以
下のようなことが考えられる。
【0008】可逆性感熱記録層自身の記録感度を下げ
る。 厚目の画像印刷層または保護層を設ける。 このことによって記録層が遮光され、通常のエネルギー
で加熱走査されたとしても、発色しない。そのためには
画像印刷層は5μm以上の厚み差が必要である。すなわ
ち、この場合の媒体の模式断面は図3で示される。図3
において、3は支持体、4は可逆性感熱記録層、5は保
護層、6は画像印刷層、7は保護層を示す。図3−
(a)では画像印刷層6の一部6’(より高いエネルギ
ーでないと記録できない部分)のみ5μm以上の厚みを
有するものとなっているが、図3−(b)のように保護
層の厚み差でも、また図3−(c)のように画像印刷層
と保護層の両方の厚み差でも、可能である。なお、画像
印刷層の設置は、通常のエネルギーで記録できる部分に
おいては、任意であり、その全域ないしその一部域に設
けてもよいし、設けなくてもよい。画像印刷層6、保護
層7は厚み差の加工が容易であり、外観上、厚み差があ
る見分けがつかない特徴がある。
【0009】画像印刷層上に保護層を設け、該保護層
の表面が荒れているようにする(このことから感熱ヘッ
ドの熱伝導が低下し、発色しないようになる)か、ある
いは図4−(a)に示されるように保護層に3μm以上
の厚みムラをつくるか、または図4−(b)に示される
ように保護層に微細な空隙層を層方向有するようにする
(このことから感熱ヘッドが画像印刷層に直接接触しな
いようになり、熱伝導が悪くなって、発色しないように
なる)。図4において、7’は3μm以上の厚みムラを
有する保護層を、7”は微細な空隙層を層方向に有する
保護層を示し、8は感熱ヘッドを示す。
【0010】本発明においては、可逆性感熱記録媒体を
前記のような構成としたことから、該媒体を用い、その
より高いエネルギーでないと記録できない部分にその他
の部分の記録エネルギーより高いエネルギーで記録する
ことにより、偽造を防止することが可能なものとなる。
【0011】以下、本媒体を用いた偽造防止方法につい
て説明する。 より高いエネルギーでないと記録できない部分に、当
初から高いエネルギーをかけて印字(記録)しておき、
通常の記録エネルギーで稼動する市販の機械の下で記
録、消去を行う。市販機械下では、例え高エネルギー記
録部分が記録されても発色はせず、また消色しようとし
ても消色されにくい。一方、偽造品の方は、通常記録部
分のみしかマネできないため、高エネルギー記録部は持
たないと考えられ、該記録部と記録部に記録された画像
文字情報を持たない。これにより偽造品を弁別できる。
【0012】高エネルギー記録部分を設けたカードと
しておき、これを市販し、上記通常の記録エネルギーで
記録するプリンターにかけて通常に流通、使用させる。
一旦偽造の可能性が判明し、弁別する必要が生じた場合
に、メーカーまたは販売会社に持って行き、より高いエ
ネルギーで記録できる特別なプリンターで該高エネルギ
ー部分に印字し、真偽を弁別する。この場合、高エネル
ギー部分が高エネルギーで消去も可能に設計してある場
合は、特別なプリンターに消去機能も付与することによ
り、判別の結果を元に戻し、再び流通させることによ
り、偽造の疑いが判明しなくとも、毎回チェックするこ
とが可能になる。より高いエネルギーとは、いかにも相
対的な表現であるが、各社で記録エネルギーはそれほど
変るものではなく、ある範囲におさまる。それ以上のレ
ベルを意味する。
【0013】次に、本発明の可逆性感熱記録媒体の構成
について、詳しく説明する。本発明の可逆性感熱記録媒
体は、前述したように、支持体上に可逆性感熱記録層を
設けてなる可逆性感熱記録媒体において、その面方向の
一部に、支持体上に可逆性感熱記録層および画像印刷層
がその順に積層された構成からなる、より高エネルギー
でないと記録できない部分を有するものである。さらに
好ましくは、該部分において可逆性感熱記録層および/
または画像印刷層上に保護層が設けられる。
【0014】一方、通常のエネルギーで記録される部分
については、前記画像印刷層の設置は任意であり、その
全域にもしくは一部域に画像印刷層が設置されていても
よいし、その全域に画像印刷層が無くてもよい。ただ
し、この場合も可逆性感熱記録層(画像印刷層が存在す
る部分については画像印刷層)上に保護層を設けること
は非常に好ましい。
【0015】本発明において、支持体としては紙、樹脂
フィルム、合成紙、金属箔、ガラスまたはこれらの複合
体などであり、記録層を保持できるものであればよい。
【0016】本発明の可逆性感熱記録層において用いら
れる可逆性感熱発色組成物は、電子供与性呈色性化合物
(すなわち発色剤)と電子受容性化合物(すなわち顕色
剤)を主成分とする。
【0017】ここで用いられる顕色剤には、すでに特開
平5−124360号公報に、長鎖炭化水素基を持つリ
ン酸化合物、脂肪酸化合物、フェノール化合物の代表例
とともに開示されているように、顕色剤と発色剤が凝集
構造を形成することにより発色が安定化し、また両者の
うち少なくとも一方の化合物の分子が凝集あるいは結晶
化することにより、発色剤と顕色剤が相分離して消色す
るため、分子内に発色剤を発色させることができる顕色
能を持つ構造と、分子間の凝集力をコントロールする構
造を併せ持つ化合物が使用される。顕色能を持つ構造と
しては、一般の感熱記録媒体と同様に、例えば、フェノ
ール性水酸基、カルボキシル基、リン酸基などの酸性の
基が用いられるが、これらに限らず発色剤を発色できる
基を持てばよい。これらには、例えばチオ尿素基、カル
ボン酸金属塩などがある。分子間の凝集力をコントロー
ルする代表的な構造としては、長鎖アルキル基などの炭
化水素基がある。この炭化水素基の炭素数は、一般的に
は8以上であることが良好な発色・消色特性を得る上で
好ましい。また、この炭化水素基には不飽和結合が含ま
れていてもよく、また分枝状の炭化水素基も包含され
る。この場合も、主鎖部分は炭素数8以上であることが
好ましい。また、この炭化水素基は、たとえばハロゲン
原子、水酸基、アルコキシ基などの基で置換されていて
もよい。
【0018】上記のように顕色剤は、顕色能を持つ構造
と炭化水素基で代表される凝集力を制御する構造が連結
した構造を持つ。この連結部分には下記に示すようなヘ
テロ原子を含む2価の基、またはこれらの基が複数個組
合わせた基をはさんで結合していてもよい。また、フェ
ニレン、ナフチレンなどの芳香環または複素環などをは
さんで結合していてもよいし、これら両方をはさんでい
てもよい。炭化水素基は、その鎖状構造中に上記と同様
な2価の基、すなわち芳香環やヘテロ原子を含む2価の
基を有するものであってもよい。以下、本発明で併用さ
れる顕色剤について具体的に例示する。
【0019】有機リン酸系の顕色剤としては、以下のよ
うな化合物が例示できる。ドデシルホスホン酸、テトラ
デシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデ
シルホスホン酸、エイコシルホスホン酸、ドコシルホス
ホン酸、テトラコシルホスホン酸、リン酸ジテトラデシ
ルエステル、リン酸ジヘキサデシルエステル、リン酸ジ
オクタデシルエステル、リン酸ジエイコシルエステル、
リン酸ジベヘニルエステルなど。
【0020】脂肪族カルボン化合物としては、以下のよ
うな化合物が例示できる。2−ヒドロキシテトラデカン
酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、2−ヒドロキシオ
クタデカン酸、2−ヒドロキシエイコサン酸、2−ヒド
ロキシドコサン酸、2−ブロモヘキサデカン酸、2−ブ
ロモオクタデカン酸、2−ブロモエイコサン酸、2−ブ
ロモドコサン酸、3−ブロモオクタデカン酸、3−ブロ
モドコサン酸、2,3−ジブロモオクタデカン酸、2−
フルオロドデカン酸、2−フルオロテトラデカン酸、2
−フルオロヘキサデカン酸、2−フルオロオクタデカン
酸、2−フルオロエイコサン酸、2−フルオロドコサン
酸、2−ヨードヘキサデカン酸、2−ヨードオクタデカ
ン酸、3−ヨードヘキサデカン酸、3−ヨードオクタデ
カン酸、パーフルオロオクタデカン酸など。
【0021】脂肪族ジカルボン酸およびトリカルボン酸
化合物としては、以下のような化合物が例示できる。2
−ドデシルオキシこはく酸、2−テトラデシルオキシこ
はく酸、2−ヘキサデシルオキシこはく酸、2−オクタ
デシルオキシこはく酸、2−エイコシルオキシこはく
酸、2−ドデシルオキシこはく酸、2−ドデシルチオこ
はく酸、2−テトラデシルチオこはく酸、2−ヘキサデ
シルチオこはく酸、2−オクタデシルチオこはく酸、2
−エイコシルチオこはく酸、2−ドコシルチオこはく
酸、2−テトラコシルチオこはく酸、2−ヘキサデシル
ジチオこはく酸、2−オクタデシルジチオこはく酸、2
−エイコシルジチオこはく酸、ドデシルこはく酸、テト
ラデシルこはく酸、ペンタデシルこはく酸、ヘキサデシ
ルこはく酸、オクタデシルこはく酸、エイコシルこはく
酸、ドコシルこはく酸、2,3−ジヘキサデシルこはく
酸、2,3−ジオクタデシルこはく酸、2−メチル−3
−ヘキサデシルこはく酸、2−メチル−3−オクタデシ
ルこはく酸、2−オクタデシル−3−ヘキサデシルこは
く酸、ヘキサデシルマロン酸、オクタデシルマロン酸、
エイコシルマロン酸、ドコシルマロン酸、ジヘキサデシ
ルマロン酸、ジオクタデシルマロン酸、ジドコシルマロ
ン酸、メチルオクタデシルマロン酸、2−ヘキサデシル
グルタル酸、2−オクタデシルグルタル酸、2−エイコ
シルグルタル酸、ドコシルグルタル酸、2−ペンタデシ
ルアジピン酸、2−オクタデシルアジピン酸、2−エイ
コシルアジピン酸、2−ドコシルアジピン酸、2−ヘキ
サデカノイルオキシプロパン−1,2,3−トリカルボ
ン酸、2−オクタデカノイルオキシプロパン−1,2,
3−トリカルボン酸など。
【0022】カルボン酸化合物としては、下記一般式
(1)で表される化合物も用いることができる。
【化1】
【0023】一般式(1)で表されるカルボン酸化合物
の具体例を、下記表1〜13にp、q、r、s、A、
B、X、Yの数または構造で示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】
【表7】
【0031】
【表8】
【0032】
【表9】
【0033】
【表10】
【0034】
【表11】
【0035】
【表12】
【0036】
【表13】
【0037】また、顕色剤に用いるカルボン酸化合物と
しては、下記一般式(2)で表される化合物が例示でき
る。
【化2】
【0038】一般式(2)で表されるカルボン酸化合物
の具体例を、下記表14〜18にn、p、q、r、R、
X、Yの数または構造で示す。
【0039】
【表14】
【0040】
【表15】
【0041】
【表16】
【0042】
【表17】
【0043】
【表18】
【0044】顕色剤には、分子間凝集力を制御する構造
を持つフェノール化合物も好ましく用いられる。これに
は、例えば下記一般式(3)で表されるフェノール化合
物が例示できる。
【化3】
【0045】一般式(3)で表されるフェノール化合物
の具体例を下記表19〜25にp、q、r、s、X、
A、Y、Zの数または構造で示す。但し、これらのそれ
ぞれの具体例においてフェノール部のnは1〜3であ
り、例えば、4−ヒドロキシフェニル、3−ヒドロキシ
フェニル、2−ヒドロキシフェニル、2,4−ジヒドロ
キシフェニル、3,4−ジヒドロキシフェニルまたは
3,4,5−トリヒドロキシフェニルなどの水酸基を少
なくとも一つ以上有するフェニル基である。このフェニ
ル基には、水酸基以外の置換基を有していてもよい。ま
た、フェノール性水酸基を有するものであれば、他の芳
香環であってもよい。
【0046】
【表19】
【0047】
【表20】
【0048】
【表21】
【0049】
【表22】
【0050】
【表23】
【0051】
【表24】
【0052】
【表25】
【0053】本発明で用いる発色剤は電子供与性を示す
ものであり、それ自体無色あるいは淡色の染料前駆体
(ロイコ染料)であり、とくに限定されず、従来公知の
もの、たとえばフタリド系化合物、アザフタリド系化合
物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、ロ
イコオーラミン系化合物などから選択できる。その発色
剤を以下に示す。
【0054】本発明に用いる好ましい発色剤として下記
の一般式の化合物がある。
【化4】
【化5】 (ただし、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル
基、R2は炭素数1〜6アルキル基、シクロアキル基ま
たは置換されていてもよいフェニル基を示す。フェニル
基に対する置換基としては、メチル基、エチル基などの
アルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ
基またはハロゲン原子等が示される。R3は水素原子、
炭素数1〜2のアルキル基、アルコキシ基またはハロゲ
ン原子を表す。R4は水素原子、メチル基、ハロゲン原
子または置換されていても良いアミノ基を表す。アミノ
基に対する置換基としては、例えば、アルキル基、置換
されていても良いアリール基、置換されていても良いア
ラルキル基を示す。ここでの置換基はアルキル基、ハロ
ゲン原子、アルコキシ基などである。)
【0055】このような発色剤の具体例としては、例え
ば次の化合物が挙げられる。2−アニリノ−3−メチル
−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−
メチル−6−ジ(n−ブチルアミノ)フルオラン、2−
アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−
メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル
−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオ
ラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチ
ル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3
−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)
フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−s
ec−ブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−ア
ニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチ
ルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6
−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピ
ル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、2−アニリ
ノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチ
ルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6
−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ア
ニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジ
ノ)フルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニリ
ノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2
−(m−トリフルロロメチルアニリノ)−3−メチル−
6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリクロロ
メチルアニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキ
シル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−(2,4−
ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノ
フルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3
−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2
−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−
(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ア
ニリノ−6−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)
フルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチ
ルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6
−ジブチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメ
チルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
(p−アセチルアニリノ)−6−(N−n−アミル−N
−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ
−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2
−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチ
ルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−
(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラ
ン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−p−トル
イジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−
エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(ジ−p−
メチルベンジルアミノ)−6−(N−エチル−p−トル
イジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミ
ノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラ
ン、2−メチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フ
ルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−エチルアニリ
ノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−プロピ
ルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N
−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルア
ミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)
フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−エチル−
2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチル
アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−
ジメチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラ
ン、2−ジエチルアミノ−6−(N−メチル−p−トル
イジノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−
エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジプロピル
アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−
ジプロピルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオ
ラン、2−アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオ
ラン、2−アミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオ
ラン、2−アミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フル
オラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−トルイジ
ノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−
トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロ
ピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−
(N−メチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−
アミノ−6−(N−エチル−p−エチルアニリノ)フル
オラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−エチル
アニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル
−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ
−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フル
オラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−2,4−ジ
メチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−
メチル−p−クロロアニリノ)フルオラン、2−アミノ
−6−(N−エチル−p−クロロアニリノ)フルオラ
ン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−クロロアニ
リノ)フルオラン、2,3−ジメチル−6−ジメトルア
ミノフルオラン、3−メチル−6−(N−エチル−p−
トルイジノ)フルオラン、2−クロロ−6−ジエチルア
ミノフルオラン、2−ブロモ−6−ジエチルアミノフル
オラン、2−クロロ−6−ジプロピルアミノフルオラ
ン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラ
ン、3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラ
ン、2−クロロ−6−(N−エチル−N−イソアミルア
ミノ)フルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジエ
チルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6
−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリ
ノ)−3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラ
ン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−クロ
ロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2,3−ジ
クロロアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフ
ルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−イソア
ミルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジブチ
ルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−メチ
ル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、1,2−
ベンゾ−6−(N−エチル−N−トルイジノ)フルオラ
ン、その他。
【0056】本発明において好ましく用いられる他の発
色剤の具体例を示すと、以下の通りである。2−アニリ
ノ−3−メチル−6−(N−2−エトキシプロピル−N
−エチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリ
ノ)−6−(N−n−オクチルアミノ)フルオラン、2
−(p−クロロアニリノ)−6−(N−n−パルミチル
アミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリノ)−6
−(ジ−n−オクチルアミノ)フルオラン、2−ベンゾ
イルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フル
オラン、2−(o−メトキシベンゾイルアミノ)−6−
(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベ
ンジルアミノ−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、2−ジベンジルアミノ−4−メトキシ−6−(N
−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベンジ
ルアミノ−4−メチル−6−(N−エチル−p−トルイ
ジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)
−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
(p−トルイジノ)−3−(t−ブチル)−6−(N−
メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(o−メト
キシカルボニルアミノ)−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−アセチルアミノ−6−(N−メチル−p−トル
イジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−(m−
トリフロロメチルアニリノ)フルオラン、4−メトキシ
−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2
−エトキシエチルアミノ−3−クロロ−6−ジブチルア
ミノフルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−クロロ−
6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−
(α−フェニルエチルアミノ)−4−クロロ−6−ジエ
チルアミノフルオラン、2−(N−ベンジル−p−トリ
フロロメチルアニリノ)−4−クロロ−6−ジエチルア
ミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ピロ
リジノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ピ
ロリジノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)フ
ルオラン、2−メシジノ−4’,5’−ベンゾ−6−ジ
エチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチル
アニリノ)−3−メチル−6−ピロリジノフルオラン、
2−(α−ナフチルアミノ)−3,4ベンゾ−4’−ブ
ロモ−6−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミ
ノ)フルオラン、2−ピペリジノ−6−ジエチルアミノ
フルオラン、2−(N−n−プロピル−p−トリフロロ
メチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオラン、2−
(ジ−N−p−クロロフェニル−メチルアミノ)−6−
ピロリジノフルオラン、2−(N−n−プロピル−m−
トリフロロメチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオ
ラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−n−オ
クチルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジア
リルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エ
トキシエチル−N−エチルアミノ)フルオラン、ベンゾ
ロイコメチレンブルー、2−[3,6−ビス(ジエチル
アミノ)]−6−(o−クロロアニリノ)キサンチル安
息香酸ラクタム、2−[3,6−ジエチルアミノ)]−
9−(o−クロロアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタ
ム、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フ
タリド、3、3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)
−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオ
レットラクトン)、3,3−ビス−(p−ジメチルアミ
ノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−
ビス−(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロロフ
タリド、3,3−ビス−(p−ジブチルアミノフェニ
ル)フタリド、3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミ
ノフェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4,5−ジクロ
ロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジ
メチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−ク
ロロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−
ジメトキシアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5
−クロロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−
4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−
5−ニトロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ
−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ
−5−メチルフェニル)フタリド、3−(2−メトキシ
−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−ヒドロキ
シ−4−クロロ−5−メトキシフェニル)フタリド、
3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ
(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3−
(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3
−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4
−アザフタリド、3−(1−オクチル−2−メチルイン
ドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチ
ルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エ
チル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−
エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフ
タリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルア
ミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(2
−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザ
フタリド、6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾイン
ドリノ−スピロピラン、6’−ブロモ−2’−メトキシ
−ベンゾインドリノ−スピロピラン、その他。
【0057】本発明の可逆性感熱記録媒体は、加熱温度
および/または加熱後の冷却速度の違いにより、相対的
に発色した状態と消色した状態を形成し得るものであ
る。この基本的な発色・消色現象を説明する。図1はこ
の組成物の発色濃度と温度との関係を示したものであ
る。はじめ消色状態(A)にある組成物を昇温していく
と、溶融し始める温度T1で発色が起こり、溶融発色状
態(B)となる。溶融発色状態(B)から急冷すると、
発色状態のまま室温に下げることができ、固まった発色
状態(C)となる。この発色状態が得られるかどうか
は、溶融状態からの降温の速度に依存しており、徐冷で
は降温の過程で消色が起き、はじめと同じ消色状態
(A)あるいは急冷発色状態(C)より相対的に濃度の
低い状態が形成される。一方、急冷発色状態(C)をふ
たたび昇温していくと、発色温度より低い温度T2で消
色が起き(DからE)、ここから降温するとはじめと同
じ消色状態(A)に戻る。実際の発色温度、消色温度
は、用いる顕色剤と発色剤の組合せにより変化するの
で、目的に合わせて選択できる。また、溶融発色状態の
濃度と急冷したときの発色濃度は、必ずしも一致するも
のではなく、異なる場合もある。
【0058】本発明の可逆性感熱記録媒体では、溶融発
色状態(B)から急冷して得られた発色状態(C)は顕
色剤と発色剤が分子同士で接触反応し得る状態で混合さ
れた状態であり、これは固体状態を形成していることが
多い。この状態は顕色剤と発色剤が凝集して発色を保持
した状態であり、この凝集構造の形成により発色が安定
化していると考えられる。一方、消色状態は両者が相分
離した状態である。この状態は少なくとも一方の化合物
の分子が集合してドメインを形成したり結晶化した状態
であり、凝集あるいは結晶化することにより発色剤と顕
色剤が分離して安定化した状態であると考えられる。本
発明では多くの場合、両者が相分離し顕色剤が結晶化す
ることによってより完全な消色が起きる。図1に示した
溶融状態から徐冷による消色および発色状態からの昇温
による消色は、いずれもこの温度で凝集構造が変化し相
分離や顕色剤の結晶化が起きているものと考えられる。
【0059】本発明の可逆性感熱記録媒体の発色記録の
形成は、サーマルヘッドなどによりいったん溶融混合す
る温度に加熱し、急冷すればよい。また、消色は加熱状
態から徐冷する方法と発色温度よりやや低い温度に加熱
する方法の二つである。しかし、これらは両者が相分離
したり、少なくとも一方が結晶化する温度に一時的に保
持するという意味で同じである。発色状態の形成で急冷
するのは、この相分離温度または結晶化温度に保持しな
いようにするためである。ここにおける急冷と徐冷はひ
とつの組成物に対して相対的なものであり、その境界は
発色剤と顕色剤の組合せにより変化する。
【0060】可逆性感熱記録層中の発色剤と顕色剤の割
合は、使用する化合物の組合せにより適切な範囲が変化
するが、おおむねモル比で発色剤1に対し顕色剤が0.
1〜20の範囲であり、好ましくは0.2から10の範
囲である。この範囲より顕色剤が少なくても多くても発
色状態の濃度が低下し、問題となる。
【0061】記録層は発色剤と顕色剤が存在していれば
どのようなものでもよいが、一般的にはバインダー樹脂
中に発色剤と顕色剤が細かく均一に分散した状態が用い
られる。発色剤と顕色剤は個々に粒子を形成していても
よいが、より好ましくは複合された粒子として分散され
た状態を形成するのが好ましい。これは発色剤と顕色剤
をいったん溶融したり溶解することによつて達成でき
る。このような記録層の形成は、各材料をそれぞれ溶剤
中で分散溶解したのち混合した液、あるいは各材料を混
合して溶剤中で分散または溶解した液を支持体上に塗布
し、乾燥することによって行なわれる。発色剤と顕色剤
はマイクロカプセル中に内包して用いることもできる。
【0062】本発明の可逆性感熱記録媒体には、必要に
応じて記録層の塗布特性を改善したり制御するための添
加剤を用いることができる。これらの添加剤には、たと
えば分散剤、界面活性剤、導電剤、充填剤、滑剤、酸化
防止剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、発色安定化剤、他
の消色促進剤などがある。
【0063】記録層の形成に用いられるバインダー樹脂
としては、たとえばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、エチルセルロース、ポ
リスチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポ
リエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリ
カーボネート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリ
ル酸エステル、アクリル酸系共重合体、マレイン酸系共
重合体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコ
ール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース、デンプン類などがある。これらのバインダ
ー樹脂の役割は、組成物の各材料が記録消去の熱印加に
よって片寄ることなく均一に分散した状態を保つことに
ある。したがって、バインダー樹脂には耐熱性の高い樹
脂を用いることが好ましい。また、硬化性樹脂を用いて
もよい。
【0064】硬化性樹脂としては、たとえば架橋剤およ
びこの架橋剤と反応する活性基を有する樹脂の組み合わ
せであり、熱、電子線、紫外線等により架橋硬化される
樹脂である。熱硬化で用いられる樹脂は、たとえばフェ
ノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースア
セテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレ
ートなど、水酸基、カルボキシル基など架橋剤と反応す
る基を持つ樹脂、または水酸基、カルボキシル基などを
持つモノマーとそれ以外のモノマーを共重合した樹脂が
ある。共重合樹脂には、たとえば塩ビ系、アクリル系、
スチレン系などの樹脂があり、具体的には塩化ビニル−
酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−
酢酸ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体
等が例示できる。
【0065】熱架橋の架橋剤としては、たとえばイソシ
アネート類、アミン類、フェノール類、エポキシ化合物
等が挙げられる。たとえば、イソシアネート類として
は、イソシアネート基を複数持つポリイソシアネート化
合物であり、具体的にはヘキサメチレンジイソシアネー
ト(HDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、
キシリレンジイソシアネート(XDI)等、およびこれ
らのトリメチロールプロパンなどによるアダクトタイ
プ、ビュレットタイプ、イソシアヌレートタイプおよび
ブロック化イソシアネート類等が挙げられる。架橋剤の
樹脂に対する添加量としては、樹脂中の含まれる活性基
の数に対する架橋剤の官能基の比が0.01〜2.0が
好ましく、これ以下では熱強度が不足してしまい、また
これ以上添加すると発色・消色特性に悪影響をおよぼ
す。またさらに、架橋促進剤としてこの種の反応に用い
られる触媒を用いてもよい。架橋促進剤としては、たと
えば1,4−ジアザービシクロ〔2,2,2〕オクタン
などの3級アミン類、有機すず化合物などの金属化合物
などが挙げられる。
【0066】次に、電子線および紫外線硬化の際に用い
られるモノマーとしては、たとえば以下のものが挙げら
れる。 単官能性モノマーの例 メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸
t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタク
リル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル
酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリ
ル酸ベンジル、メタクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロ
キシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メ
タクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチルメチルクロライド塩、メタクリル酸ジエ
チルアミノエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリ
ル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸アリル、ジ
メタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸トリ
エチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレング
リコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコー
ル、ジメタクリル酸1,6−ヘキサンジオール、トリメ
タクリル酸トリメチロールプロパン、メタクリル酸2−
エトキシエチル、2−エチルヘキシルアクリレート、2
−エトキシエチルアクリレート、2−エトキシエトキシ
エチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジシクロペ
ンテニルエチルアクリレート、N−ビニルピロリドン、
酢酸ビニル等。
【0067】2官能性モノマーの例 1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキ
サンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオール
ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリプ
ロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレング
リコールジアクリレート、ビスフェノールAエチレンオ
キサイド付加物ジアクリレート、グリセリンメタクリレ
ートアクリレート、ネオペンチルグリコールのプロピレ
ンオキサイド2モル付加物のジアクリレート、ジエチレ
ングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール
(400)ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸とネ
オペンチルグリコールのエステルのジアクリレート、
2,2−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)
プロパン、ネオペンチルグリコールジアジペートのジア
クリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコ
ールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレート、2
−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−
ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサンジ
アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリ
レート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート
のε−カプロラクトン付加物、1,6−ヘキサンジオー
ルのグリシジルエーテルのジアクリレート等。
【0068】多官能性モノマーの例 トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセリン
プロピレンオキサイド付加アクリレート、トリスアクリ
ロイルオキシエチルフォスフェート、ペンタエリスリト
ールアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレ
ンオキサイド3モル付加物のトリアクリレート、ジペン
タエリスリトール・ポリアクリレート、ジペンタエリス
リトールのカプロラクトン付加物のポリアクリレート、
プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロ
パントリアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリ
トールのテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパ
ンテトラアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリ
トールのペンタアクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレートのε−カプロラクトン付加物等。
【0069】オリゴマーの例 ビスフェノールA−ジエポキシアクリル酸付加物等。
【0070】また、紫外線を用いて架橋させる場合に
は、次のような光重合開始剤、光重合促進剤を用いる。
光重合開始剤の例としては、イソブチルベンゾインエー
テル、イソプロピルベンゾインエーテル、ベンゾインエ
チルエーテル、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾイ
ンエーテル類;1−フェニル−1,2−プロパンジオン
−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のα−ア
シロキシムエステル;2,2−ジメトキシ−2−フェニ
ルアセトフェノン、ベンジル、ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン等のベンジルケタール類;ジエトキシ
アセトンフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−
フェニルプロパン−1−オン等のアセトフェノン誘導
体;ベンゾフェノン、1−クロロチオキサントン、2−
クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、
2−メチルチオキサントン、2−クロロベンゾフェノン
等のケトン類が挙げられる。これらの光重合開始剤は、
単独でまたは2種類以上併用して使用される。添加量と
してはモノマーまたはオリゴマー1重量部に対して0.
005〜1.0重量部が好ましく、さらに好ましくは
0.01〜0.5重量部である。
【0071】光重合促進剤としては、芳香族系の第3ア
ミンや脂肪族系アミンがある。具体的には、p−ジメチ
ルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルア
ミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。これらの
光重合促進剤は、単独でまたは2種類以上併用して使用
される。添加量としては光重合開始剤1重量部に対して
0.1〜5重量部が好ましく、さらに好ましくは0.3
〜3重量部である。
【0072】紫外線照射の際の光源としては、水銀ラン
プ、メタルハライドランプ、ガリウムランプ、水銀キセ
ノンランプ、フラッシュランプなどがあるが、前記した
光重合開始剤および光重合促進剤の紫外線吸収波長に対
応した発光スペクトルを有する光源を使用すればよい。
また、紫外線照射条件としては、樹脂を架橋させるため
に必要な照射エネルギーに応じてランプ出力、搬送速度
を決めればよい。
【0073】また、電子線照射装置としては、照射面
積、照射線量などの条件に応じて走査形、非走査形いず
れかを選べは良く、照射条件としては樹脂を架橋するの
に必要な線量に応じて、電子流、照射幅、搬送速度を決
めれば良い。
【0074】本発明の可逆性感熱記録媒体は、基本的に
は支持体上に上記の記録層が設けられたものであるが、
前記の高いエネルギーでないと記録できない部分には記
録層上にさらに画像印刷層が設けられ、また前記の高い
エネルギーでないと記録できない部分の機能向上のため
に、あるいは印字時のヘッドマッチング性や繰り返し耐
久性の向上のために、保護層を可逆性感熱記録層および
/または画像印刷層上に設けることが好ましい。
【0075】本発明における画像印刷層6は、顔料、染
料を含んだ印刷インキをオフセット、グラビア、スクリ
ーン印刷等で設けることができ、積層を含んで高いエネ
ルギーでない部分との厚み差を5μm以上に印刷する。
また、保護層7も同じ方法で設け、同じような厚み差を
印刷する。なお、印刷インキのビヒクルには、熱硬化性
樹脂、UV硬化性樹脂、EB硬化性樹脂を用いて硬化す
るのが好ましい。
【0076】なお、前記したように、画像印刷層及び保
護層の厚みの差については、より高いエネルギーでない
と記録できない部分については5μm以上、特に5〜1
0μmの範囲とすることが好ましい。通常のエネルギー
で記録できる部分の厚みは0〜5μm、特に0〜3μm
とするのが好ましい。
【0077】保護層には、耐熱性樹脂ないし硬化性樹脂
を用いることが好ましい。耐熱性樹脂としては、ポリイ
ミド、ポリアミドイミドが挙げられる。
【0078】硬化性樹脂は前記したように、たとえば架
橋剤およびこの架橋剤と反応する活性基を有する樹脂の
組み合わせであり、熱、電子線、紫外線等により架橋さ
れる樹脂であって、前記記録層で述べられている硬化性
樹脂と同様熱硬化性樹脂、紫外線硬化樹脂、電子硬化樹
脂などが用いられる。
【0079】画像印刷層上に保護層を設けた場合、前述
したように、より高いエネルギーでないと記録できない
部分の保護層が感熱ヘッドの熱伝導率を低下させるため
に、その表面がその他の可逆性感熱記録層部分の表面と
比べ、荒らされていることが非常に好ましいし、あるい
は感熱ヘッドが画像印刷層に直接接触しない微細な空隙
層を層方向に有するようにすることは、非常に好まし
い。
【0080】また、可逆性感熱記録層および/または画
像印刷層の上に保護層を設けることにより、印字時のヘ
ッドマッチング性が向上したものとなり、さらに繰り返
し耐久性の向上したものとなる。また、保護層中には紫
外線吸収剤、無機または/および有機フィラー、滑剤な
どの添加剤を含有させることができる。なお、保護層に
用いる樹脂としては、前記の硬化性樹脂などの他に、ポ
リビニルアルコール、スチレン無水マレイン酸共重合
体、カルボキシ変性ポリエチレン、メラミン−ホルムア
ルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂が挙げられ
る。
【0081】記録層、画像印刷層と保護層の接着性向
上、保護層の塗布による記録層の変質防止、保護層中の
添加剤の記録層への移行を防止する目的で、両者の間に
中間層を設けることも好ましい。また、記録層の上に設
置される保護層、中間層には酸素透過性の低い樹脂を用
いることが好ましい。記録層中の発色剤および顕色剤の
酸化を防止または低減することが可能になる。
【0082】また、印加した熱を有効に利用するため、
支持体と記録層の間に断熱性のアンダーコート層を設け
ることができる。断熱層は、有機または無機の微小中空
体粒子をバインダー樹脂を用いて塗布することにより形
成できる。支持体と記録層の接着性の改善や支持体への
記録層材料の浸透防止を目的としたアンダーコート層を
設けることもできる。
【0083】中間層、アンダーコート層には、前記の記
録層用の樹脂と同様の樹脂を用いることができる。ま
た、保護層、中間層、記録層およびアンダーコート層に
は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、
酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、カオリン、タルクな
どの無機フィラーおよび/または各種有機フィラーを含
有させることができる。その他、滑剤、界面活性剤、分
散剤などを含有させることもできる。
【0084】本発明の記録媒体の最終形態としては、
紙、フィルム等を支持体とし、この上に可逆性感熱記録
層および画像印刷層、さらに必要に応じ保護層を設けた
ものであるが、該支持体に粘着剤を貼着させ、別の支持
体に貼着して使用してもよいし、特にカード状の支持体
に可逆性感熱記録層、画像印刷層その他を設け、カード
として使用してもよい。なお、本発明の可逆性感熱記録
媒体は、他に光磁気録層、光記録層、IC記録部、磁気
記録層を設けてもよく、画像表示情報と組み合わせて運
用される。
【0085】本発明の可逆性感熱記録媒体を用いて発色
画像を形成させるためには、いったん発色温度以上に加
熱したのち急冷されるようにすればよい。具体的には、
例えばサーマルヘッドやレーザー光で短時間加熱すると
記録層が局部的に加熱されるため、直ちに熱が拡散し急
激な冷却が起こり、発色状態が固定できる。一方、消色
させるためには適当な熱源を用いて比較的長時間加熱し
冷却するか、発色温度よりやや低い温度に一時的に加熱
すればよい。長時間加熱すると記録媒体の広い範囲が昇
温し、その後の冷却は遅くなるため、その過程で消色が
起きる。この場合の加熱方法には、熱ローラー、熱スタ
ンプ、熱風などを用いてもよいし、サーマルヘッドを用
いて長時間加熱してもよい。記録層を消色温度域に加熱
するためには、例えばサーマルヘッドへの印加電圧やパ
ルス幅を調節することによって、印加エネルギーを記録
時よりやや低下させればよい。この方法を用いれば、サ
ーマルヘッドだけで記録・消去ができ、いわゆるオーバ
ーライトが可能になる。もちろん、熱ローラー、熱スタ
ンプによって消色温度域に加熱して消去することもでき
る。
【0086】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳しく
説明する。なお、実施例中の「部」および「%」はいず
れも重量を基準とするものである。
【0087】 実施例1 〈記録層の作成〉 1)2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン 2部 2)下記の構造の顕色剤 8部
【化6】 3)フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製PKHH) の15%テトラヒドロフラン(THF)溶液 150部 上記組成物をボールミルを用いて粒径1〜4μmまで粉
砕分散した。得られた分散液に日本ポリウレタン社製コ
ロネートHL(アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネ
ート 75%酢酸エチル溶液)20部を加え、良く撹拌
し記録層塗布液を調製した。上記組成の記録層塗布液
を、厚さ100μmのポリエステルフィルム上にワイヤ
ーバーを用い塗布し、80℃で乾燥した後、100℃1
0分、60℃24時間加熱して、膜厚約6.0μmの記
録層を設けた。
【0088】 〈保護層の作成〉 1)ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂 10部 (大日本インキ社製C7−157) 2)酢酸エチル 90部 上記組成の保護層液を、上記記録層上にワイヤーバーを
用いて塗工した後、照射エネルギー80W/cmの紫外
線ランプ下を9m/分の搬送速度で通して硬化して膜厚
3μmの保護層を設け、可逆性感熱記録媒体を作製し
た。
【0089】作製した記録媒体に対して、図3−(a)
にその模式断面が示されるように、保護層5上にオフセ
ット印刷機(KOMORI社製)を用いて、東洋インキ
社製UVインキで全面又は一部多色印刷して画像印刷層
6を設けた(厚い部分の厚味を6μmとし、うすい部分
と厚い部分の差が、5μmとなるように付着調整す
る。)。さらに、JSR社製OPインキで保護層7を設
け、九州松下電器社製R3000プリンターにて、印字
エネルギー0.85mj/dotで印字したところ、印
字濃度は、マクベス濃度計で0.6〜0.8の値を示し
た。しかし、印字エネルギー0.65mj/dotで印
字したところ、画像印刷層の厚い部分には追記すること
ができなかった。
【0090】実施例2 実施例1で作製された画像印刷層設置前の記録媒体に、
実施例1と同様にして厚さ0〜2μmの画像印刷層6を
設けた。さらに、印刷層6上にJSR社製OPインキを
オフセット印刷機で網目印刷して、部分的に厚み3μm
の保護層7”を設け、図4−(b)に示されるような断
面構造とした。得られた記録媒体を実施例1と同様にし
て印字したところ、エネルギーによって印字されない部
分が生じた。
【0091】
【発明の効果】可逆性感熱記録媒体の面方向の一部に、
支持体層、可逆性感熱記録層および画像印刷層がその順
に積層された部分であって、該部分以外の可逆性感熱記
録層に記録する記録エネルギーでは記録できず、より高
いエネルギーでないと記録できない部分を有するものと
したことから、本媒体によると偽造を防止することが可
能となり、特にそのカード形状の応用製品に有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆性感熱記録媒体の発色・消色特性
を示す図である。
【図2】本発明の可逆性感熱記録媒体の1例の概略斜視
図である。
【図3】本発明の可逆性感熱記録媒体の1例の模式断面
図であり、(a)は画像印刷層に、(b)は保護層に、
(c)は画像印刷層と保護層の両方に、厚い部分を有す
るものである。
【図4】本発明の可逆性感熱記録媒体の別の1例で感熱
ヘッドと接した場合の模式断面図であり、(a)は保護
層に3μm以上の厚みムラをつくった場合、(b)は保
護層に微細な空隙層を層方向に有する場合を示す。
【符号の説明】
1 可逆性感熱記録媒体 2 より高いエネルギーでないと記録できない部分 3 支持体 4 可逆性感熱記録層 5 保護層 6 画像印刷層 6’ 画像印刷層のより高いエネルギーでないと記録で
きない部分 7 保護層 7’ 3μm以上の厚みムラを有する保護層 7” 微細な空隙層を層方向に有する保護層 8 感熱ヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 一己 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H026 AA07 AA09 AA28 BB02 BB24 DD48 DD55 FF11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に電子供与性呈色性化合物と電
    子受容性化合物を主成分として含有し、加熱温度および
    /または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色し
    た状態と消色した状態を形成し得る可逆性感熱発色組成
    物を含有する可逆性感熱記録層を少なくとも有する可逆
    性感熱記録媒体において、該媒体の面方向の一部に、主
    体的に支持体層、可逆性感熱記録層、画像印刷層からな
    り、順に支持体層、可逆性感熱記録層、画像印刷層が積
    層され、可逆性感熱記録層に面方向で重なった状態で画
    像印刷層が設けられた部分であって、該部分以外の可逆
    性感熱記録層に記録する記録エネルギーでは記録でき
    ず、より高いエネルギーでないと記録できない部分を有
    することを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記のより高いエネルギーでないと記録
    できない部分の可逆性感熱記録層および/または画像印
    刷層が耐熱性樹脂又は硬化性樹脂を含有する保護層を有
    することを特徴とする請求項1記載の可逆性感熱記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 前記の通常エネルギーで記録できる部分
    とより高いエネルギーでないと記録できない部分の支持
    体層上の前記すべての層の厚みの差が5μm以上である
    ことを特徴とする請求項1または2記載の可逆性感熱記
    録媒体。
  4. 【請求項4】 前記のより高いエネルギーでないと記録
    できない部分が、画像印刷層上の保護層が感熱ヘッドの
    熱伝導性を低下させるため、その表面がその他の可逆性
    感熱記録層部分の表面に比べ荒らされているか、または
    感熱ヘッドが画像印刷層に直接接触しない微細な空隙層
    を有することにより達成されていることを特徴とする請
    求項2記載の可逆性感熱記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記媒体がカード形状をなしていること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の可逆性感
    熱記録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の可逆性
    感熱記録媒体を用い、前記のより高いエネルギーでない
    と記録できない部分に前記の他の部分の記録エネルギー
    より高いエネルギーで記録することを特徴とする可逆性
    感熱記録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115107391A (zh) * 2021-03-23 2022-09-27 株式会社理光 热敏记录介质、激光印刷方法和激光印刷设备
CN115107391B (zh) * 2021-03-23 2024-04-19 株式会社理光 热敏记录介质、激光印刷方法和激光印刷设备

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