JPH10315626A - 可逆性感熱記録媒体 - Google Patents

可逆性感熱記録媒体

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JPH10315626A
JPH10315626A JP9147261A JP14726197A JPH10315626A JP H10315626 A JPH10315626 A JP H10315626A JP 9147261 A JP9147261 A JP 9147261A JP 14726197 A JP14726197 A JP 14726197A JP H10315626 A JPH10315626 A JP H10315626A
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JP
Japan
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reversible thermosensitive
thermosensitive recording
recording medium
acid
density
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JP9147261A
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English (en)
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Tadafumi Tatewaki
忠文 立脇
Hiromi Furuya
浩美 古屋
Fumio Kawamura
史生 河村
Kyoji Tsutsui
恭治 筒井
Masaru Shimada
勝 島田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発色性と消色性が良好で、繰り返し使用によ
っても記録媒体に打こんが発生することなく、また搬送
不良が発生することのない繰り返し耐久性に優れ、また
耐光性に優れた可逆性感熱記録媒体を提供する。 【解決手段】 支持体上に電子供与性呈色性化合物と電
子受容性化合物を主成分として含有し、加熱温度および
/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色し
た状態と消色した状態を形成しうる可逆性熱発色組成物
を含有する可逆性感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒
体において、該可逆性感熱記録層が架橋状態の樹脂を含
有し、該可逆性感熱記録層上に硬化性樹脂及び滑剤を含
有する保護層を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子供与性呈色性
化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した
可逆性熱発色組成物を用い、熱エネルギーを制御するこ
とにより発色画像の形成と画像の消去が可能な可逆性感
熱記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子供与性呈色性化合物(発色剤
またはロイコ染料ともいう)と電子受容性化合物(顕色
剤ともいう)との間の発色反応を利用した感熱記録媒体
は広く知られており、ファクシミリ、ワードプロセッサ
ー、科学計測機などのプリンターに使用されている。し
かし、これらの実用化されている従来の感熱記録媒体は
いずれも不可逆的な発色であり、一度記録した画像を消
去して繰り返して使用することはできない。一方、特許
公報によれば発色と消色を可逆的に行うことかできる記
録媒体も提案されており、例えば、顕色剤として没食子
酸とフロログルシノールを組合せて用いる特開昭60−
193691号公報、顕色剤にフェノールフ夕レインや
チモールフタレインなどの化合物を用いる特開昭61−
237684号公報、発色剤と顕色剤とカルボン酸エス
テルの均質相溶体を記録層に含有する特開昭62−13
8556号、特開昭62−138568号および特開昭
62−140881号公報、顕色剤にアスコルビン酸誘
導体を用いた特開昭63−173684号公報、顕色剤
にビス(ヒドロキシフェニル)酢酸または没食子酸と高
級脂肪族アミンとの塩を用いる特開平2−188293
号公報および特開平2−188294号公報などが知ら
れている。
【0003】さらに本発明者らは、先に特開平5−12
4360号公報において顕色剤として長鎖脂肪族炭化水
素基をもつ有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物
またはフェノール化合物を用い、これと発色剤であるロ
イコ染料と組み合わせることによって、発色と消色を加
熱冷却条件により容易に行わせることができ、しかもそ
の発色状態と消色状態を常温において安定に保持させる
ことが可能であり、且つ発色と消色を繰り返すことが可
能な可逆性感熱発色組成物およびこれを記録層に用いた
可逆性感熱記録媒体を提案した。またその後、長鎖脂肪
族炭化水素基をもつフェノール化合物について特定の構
造を有する化合物を使用することが提案されている(特
開平6−210954号公報)。
【0004】このように発色、消色を繰り返すことが可
能な可逆性感熱記録媒体が提案されてきたが、実使用条
件下では繰り返し印字による発色、消色を行うと画像濃
度の低下や打こん(印字部分の変形)などの問題が生
じ、顕色剤とロイコ染料の組成物がもつ発色消色特性を
十分に発揮できる可逆性感熱記録媒体は得られていなか
った。これは、サーマルヘッドによる印字が、高温への
加熱と同時に記録媒体への機械的な力を加えながら行わ
れるため、記録層や保護層など記録媒体を構成する層の
構造が変化し、繰り返しにより破壊されていくことによ
るものである。また、実用的な記録媒体としては記録層
などの層の機械的耐久性が優れていることが必要である
と同時に、搬送不良の発生しない「ヘッドマッチング
性」に優れていることが必要である。さらに、実際の使
用においては、記録媒体は光照射下で保存される事が多
いため、耐光性が高く光によって発色消色特性が劣化し
ないことが必要である。
【0005】このような記録媒体の問題に対し、特開平
6−340171号公報には記録層厚の1.1倍以上の
平均粒子径を有する粒子を記録層に添加することにより
繰り返し耐久性を向上させることが提案され、また特開
平8−156410号公報には特定の光沢度及び表面粗
さを有する保護層を設けることによりへッドマッチング
性を向上させ繰り返し耐久性を向上させることが提案さ
れている。しかしながら、これらの記録層、保護層を用
いても、印字による発色、消色を繰り返し行った際の塗
工層の破壊を完全には防止することができず、多数回の
使用により記録媒体表面に打こんが発生してしまうため
に印字不良などが起こり、実質的には繰り返し使用が少
ない回数に制限されてしまうという問題を有している。
また、印字画像部及び地肌部に太陽光あるいは蛍光灯な
どの光が長時間あたると印字画像部及び地肌部が変色
し、特に印字画像部は画像消去の操作を行っても完全に
は消色せず残像が発生するといういう問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題は
このような問題点を解決し、発色性と消色性が良好で、
繰り返し使用によっても記録媒体に打こんが発生するこ
となく、また搬送不良が発生することのない繰り返し耐
久性に優れた可逆性感熱記録媒体を提供することにあ
る。また、本発明の課題は太陽光あるいは蛍光灯などの
光を長時間当てても印字画像部及び地肌部が変色するこ
となく、また光を長時間当てた後に印字画像部の消去の
操作を行った場合にも消色不良を起こすことのない耐光
性に優れた可逆性感熱記録媒体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、支
持体上に電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を
主成分として含有し、加熱温度および/または加熱後の
冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消色した
状態を形成しうる可逆性熱発色組成物を含有する可逆性
感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体において、該可
逆性感熱記録層が架橋状態の樹脂を含有し、該可逆性感
熱記録層上に硬化性樹脂及び滑剤を含有する保護層を有
することを特徴とする可逆性感熱記録媒体によって達成
される。
【0008】可逆性感熱記録層に架橋状態の樹脂を含有
させるには、熱エネルギー、光エネルギー、電子線エネ
ルギー等の各種エネルギーの作用のもとで架橋硬化反応
を行なうモノマー、オリゴマー及び/又は高分子化合物
を用いることができる。このようなものとしては、例え
ば架橋剤およびこの架橋剤と反応する活性基を有する樹
脂の組合せであり、熱により架橋硬化できる樹脂が挙げ
られる。
【0009】架橋剤と反応する活性基を有する樹脂とし
ては、例えばフェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロース
アセテートブチレートなどの水酸基やカルボキシル基な
ど架橋剤と反応する基を有する樹脂、または水酸基やカ
ルボシキル基などを有するモノマーとそれ以外のモノマ
ーを共重合した樹脂などが例示できる。共重合樹脂とし
ては、例えば塩ビ系、アクリル系、スチレン系などの樹
脂、具体的には塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコ
ール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル
−無水マレイン酸共重合体、熱硬化性アクリル樹脂など
が例示できる。
【0010】熱架橋の架橋剤としては、例えばイソシア
ネート類、アミノ樹脂、フェノール樹脂、アミン類、エ
ポキシ化合物などが挙げられ、例えばイソシアネート類
としてはイソシアネート基を複数もつポリイソシアネー
ト化合物、具体的にはへキサメチレンジイソシアネート
(HDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、キ
シリレンジイソシアネート(XDI)等、およびこれら
のトリメチロールプロパンなどによるアダクトタイプ、
ビュレットタイプ、イソシアヌレートタイプ及びブロッ
ク化イソシネート類などが挙げられる。架橋剤の樹脂に
対する添加量としては、樹脂中の含まれる活性基の数に
対する架橋剤の官能基の数の比が0.01〜2が好まし
く、これ以下では可逆性感熱記録層の繰り返し耐久性が
不足し、またこれ以上添加すると発色消色特性に悪影響
を及ぼすようになる。更に、架橋反応を促進するために
架橋促進剤を用いてもよく、架橋促進剤としては、例え
ば1,4−ジアザ−ビシクロ[2,2,2]オクタンな
どの3級アミン類、有機すず化合物等の金属化合物など
が挙げられる。
【0011】また、電子線または紫外線硬化用のモノマ
ーまたはオリゴマーとしては、例えば以下のものが挙げ
られる。すなわち、単官能性モノマーの例としては、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t
−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリ
ル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸
ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル
酸ベンジル、メタクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキ
シエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタ
クリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチル
アミノエチルメチルクロライド塩、メタクリル酸ジエチ
ルアミノエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル
酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸アリル、ジメ
タクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸トリエ
チレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレングリ
コール、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコール、
ジメタクリル酸1,6−へキサンジオール、トリメタク
リル酸トリメチロールプロパン、メタクリル酸2−エト
キシエチル、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エ
トキシエチルアクリレート、2−エトキシエトキシエチ
ルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、
2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジシクロペンテ
ニルエチルアクリレート、N−ビニルピロリドンまたは
酢酸ビニルなどが挙げられ、2官能性モノマーの例とし
ては、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6
−へキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジ
オールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアク
リレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、
トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピ
レングリコールジアクリレート、ビスフェノールAエチ
レンオキサイド付加物ジアクリレート、グリセリンメタ
クリレートアクリレート、ネオペンチルグリコールのプ
ロピレンオキサイド2モル付加物のジアクリレート、ジ
エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリ
コール(400)ジアクリレート、ヒドロキシピバリン
酸とネオペンチルグリコールのエステルのジアクリレー
ト、2,2−ビス(4−アクロリキシジエトキシフェニ
ル)プロパン、ネオペンチルグリコールジアジペ−トの
ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグ
リコールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレー
ト、2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)
−5−ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキ
サンジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ
アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリ
レートのε−カプロラクトン付加物、1,6−へキサン
ジオールのグリシジルエーテルのジアクリレートなどが
挙げられる。
【0012】また、多官能性モノマーの例としては、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、グリセリンプ
ロピレンオキサイド付加アクリレート、トリスアクリロ
イルオキシエチルフオスフエート、ペンタエリスリトー
ルアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレン
オキサイド3モル付加物のトリアクリレート、ジペンタ
エリスリトールポリアクリレ−ト、ジペンタエリスリト
ールのカプロラクトン付加物のポリアクリレート、プロ
ピオン酸ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ヒ
ドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロピント
リアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトール
のテトラアクリレ−ト、ジトリメチロールプロパンテト
ラアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトール
のペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレ
ートのε−カプロラクトン付加物などが挙げられ、オリ
ゴマーの例としては、ビスフェノールA−ジエポキシア
クリル酸付加物などが挙げられる。
【0013】このようなモノマーまたはオリゴマーを紫
外線を用いて架橋させる場合には次のような光重合開始
剤、光重合促進剤が使用される。光重合開始剤の例とし
ては、イソブチルベンゾインエーテル、イソプロピルベ
ンゾインエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾ
インメチルエーテル等のペンゾインエーテル類、1−フ
ェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシ
カルボニル)オキシム等のα−アシロキシムエステル、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベ
ンジル、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等の
ベンジルケタール類、ジエトキシアセトフェノン、2−
ヒドロキン−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−
オン等のアセトフェノン誘導体、ベンゾフェノン、1−
クロロチオキサントン、2−クロロチオキサントン、イ
ソプロピルチオキサントン、2−メチルチオキサント
ン、2−エチルチオキサントン、2−クロロベンゾフェ
ノン等のケトン類などが挙げられる。これらの光重合開
始剤は、単独でまたは2種類以上併用して使用される。
添加量としてはモノマーまたはオリゴマー1重量部に対
して0.005〜1.0重量部が好ましく、特に0.0
1〜0.5重量部が好ましい。
【0014】光重合促進剤としては芳香族系の第3アミ
ンや脂肪族系アミンが挙げられ、具体的にはp−ジメチ
ルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルア
ミノ安息香酸エチルエステルなどが挙げられる。これら
の光重合促進剤は、単独でまたは2種類以上併用して使
用される。添加量としては光重合間始剤1重量部に対し
て0.1〜5重量部が好ましく、特に0.3〜3重量部
が好ましい。
【0015】次に可逆性感熱記録層における可逆性熱発
色組成物について説明する。可逆性熱発色組成物は電子
供与性呈色性化合物と電子受容性化合物とからなり、電
子供与性呈色性化合物は、それ自体無色あるいは淡色の
染料前駆体(ロイコ染料)であり、従来公知のもの、例
えばフタリド系化合物、アザフタリド系化合物、フルオ
ラン系化合物、フェノチアジン系化合物、ロイコオーラ
ミン系化合物などのいずれも用いることができる。
【0016】このような電子供与性呈色性化合物具体例
としては、たとえば次の化合物が挙げられる。すなわ
ち、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフ
ルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ(n−ブ
チルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−
6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル
−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−
メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フ
ルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−se
c−ブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニ
リノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチル
アミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピ
ル−N−イソプロピルアミノ)フルオフン、2−アニリ
ノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチ
ルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6
−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ア
ニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジ
ノ)フルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニリ
ノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2
−(m−トリフルロロメチルアニリノ)−3−メチル−
6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリクロロ
メチルアニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキ
シル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−(2,4−
ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルフミノ
フルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3
−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2
−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−
(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ア
ニリノ−6−(N−n−へキシル−N−エチルアミノ)
フルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチ
ルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6
−ジブチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメ
チルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
(p−アセチルアニリノ)−6−(N−n−アミル−N
−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ
−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2
−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチ
ルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−
(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラ
ン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−p−トル
イジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−
エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(ジーp−
メチルベンジルアミノ)−6−(N−エチル−p−トル
イジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミ
ノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラ
ン、2−メチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フ
ルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−エチルアニリ
ノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−プロピ
ルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N
−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルア
ミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)
フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−エチル−
2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチル
アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−
ジメチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラ
ン、2−ジエチルアミノ−6−(N−メチル−p−トル
イジノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−
エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジプロピル
アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−
ジプロピルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオ
ラン、2−アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオ
ラン、2−アミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオ
ラン、2−アミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フル
オラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−トルイジ
ノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−
トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロ
ピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−
(N−メチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−
アミノ−6−(N−エチル−p−エチルアニリノ)フル
オラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−エチル
アニリノ)フルオフノ、2−アミノ−6−(N−メチル
−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ
−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フル
オラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−2,4−ジ
メチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−
メチル−p−クロロアニリノ)フルオラン、2−アミノ
−6−(N−エチル−p−クロロアニリノ)フルオラ
ン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−クロロアニ
リノ)フルオラン、2,3−ジメチル−6−ジメチルア
ミノフルオラン、3−メチル−6−(N−エチル−p−
トルイジノ)フルオラン、2−クロロ−6−ジエチルア
ミノフルオラン、2−ブロモ−6−ジエチルアミノフル
オラン、2−クロロ−6−ジプロピルアミノフルオラ
ン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラ
ン、3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラ
ン、2−クロロ−6−(N−エチル−N−イソアミルア
ミノ)フルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジエ
チルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6
−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリ
ノ)−3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラ
ン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−クロ
ロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2,3−ジ
クロロアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフ
ルオラン、1,2−ペンゾ−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、1,2−ペンゾ−6−(N−エチル−N−イソア
ミルアミノ)フルオラン、1,2−ペンゾ−6−ジブチ
ルアミノフルオラン、1,2−ペンゾ−6−(N−メチ
ル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、1,2−
ペンゾ−6−(N−エチル−N−トルイジノ)フルオラ
ンなどが挙げられ、特に好ましく用いられるものとして
は、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−2−エトキ
シプロピル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(p
−クロロアニリノ)−6−(N−n−オクチルアミノ)
フルオラン、2−(p−クロロアニリノ)−6−(N−
n−パルミチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロロ
フニリノ)−6−(ジ−n−オクチルアミノ)フルオラ
ン、2−ペンゾイルフミノ−6−(N−エチル−p−ト
ルイジノ)フルオラン、2−(o−メトキシベンゾイル
アミノ)−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオ
ラン、2−ジベンジルアミノ−4−メチル−6−ジエチ
ルアミノフルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−メト
キシ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラ
ン、2−ジベンジルアミノ−4−メチル−6−(N−エ
チル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニ
ルエチルアミノ)−4−メチル−6−ジエチルアミノフ
ルオラン、2−(p−トルイジノ)−3−(t−ブチ
ル)−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラ
ン、2−(o−メトキシカルボニルアミノ)−6−ジエ
チルアミノフルオラン、2−アセチルアミノ−6−(N
−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、3−ジエチル
アミノ−6−(m−トリフロロメチルアニリノ)フルオ
ラン、4−メトキシ−6−(N−エチル−p−トルイジ
ノ)フルオラン、2−エトキシエチルアミノ−3−クロ
ロ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−ジベンジルア
ミノ−4−クロロ−6−(N−エチル−p−トルイジ
ノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−
4−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N
−ベンジル−p−トリフロロメチルアニリノ)−4−ク
ロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−ピロリジノフルオラン、2−アニリノ
−3−クロロ−6−ピロリジノフルオラン、2−アニリ
ノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−テトラヒドロ
フルフリルアミノ)フルオラン、2−メシジノ−4’,
5’−ペンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−
ピロリジノフルオラン、2−(α−ナフチルアミノ)−
3,4ペンゾ−4’−ブロモ−6−(N−ベンジル−N
−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、2−ピペリジノ
−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−n−プロ
ピル−p−トリフロロメチルアニリノ)−6−モルフォ
リノフルオラン、2−(ジ−N−p−クロロフェニル−
メチルアミノ)−6−ピロリジノフルオラン、2−(N
−n−プロピル−m−トリフロロメチルアニリノ)−6
−モルフォリノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N
−エチル−N−n−オクチルアミノ)フルオラン、1,
2−ベンゾ−6−ジアリルアミノフルオラン、1,2−
ベンゾ−6−(N−エトキシエチル−N−エチルアミ
ノ)フルオラン、ベンゾロイコメチレンブルー、2−
[3,6−ビス(ジエチルアミノ)]−6−(o−クロ
ロアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム、2−[3,
6−ビス(ジエチルアミノ)]−9−(o−クロロアニ
リノ)キサンチル安息香酸ラクタム、3,3−ビス(p
−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3、3−ビス
(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノ
フタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、
3,3−ビス−(p−ジメチルアミノフェニル)−6−
ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス−(p−ジメチ
ルアミノフェニル)−6−クロロフタリド、3,3−ビ
ス−(p−ジブチルアミノフェニル)フ夕リド、3−
(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−
(2−ヒドロキシ−4,5−ジクロロフェニル)フ夕リ
ド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−(2−メトキシ−5−クロロフェニル)フタ
リド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメトキシアミノフ
ェニル)−3−(2−メトキシ−5−クロロフェニル)
フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメチルアミノ
フェニル)−3−(2−メトキシ−5−ニトロフェニ
ル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジエチルア
ミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−メチルフェ
ニル)フタリド、3−(2−メトキシ−4−ジメチルア
ミノフェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4−クロロ−
5−メトキシフェニル)フタリド、3,6−ビス(ジメ
チルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジ
メチルアミノフタリド、3−(1−エチル−2−メチル
インドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジ
エチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1
−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−
(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−
アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドー
ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルア
ミノフェニル)−7−アザフタリド、3,3−ビス(2
−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザ
フタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチル
アミノフェニル)−7−アザフタリド、6’−クロロ−
8’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、
6’−ブロモ−2’−メトキシ−ベンゾインドリノ−ス
ピロピランなどが挙げられる。
【0017】電子供与性呈色性化合物としては、下記の
一般式(1)または(2)で表される化合物が特に好ま
しい。
【化1】 (式中、R1は水素原子または炭素数1〜4のアルキル
基を、R2は炭素数1〜6アルキル基、シクロアキル基
または置換されていてもよいフェニル基を、R3は水素
原子、炭素数1〜2のアルキル基、アルコキシ基または
ハロゲンを、R4は水素原子、メチル基、ハロゲン原子
または置換されていても良いアミノ基を表す。) フェニル基における置換基としては、例えばメチル基、
エチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基な
どのアルコキシ基または塩素原子、臭素原子などのハロ
ゲン原子が挙げられる。またアミノ基における置換基と
しては、例えばアルキル基、置換されていても良いアリ
ール基、置換されていても良いアラルキル基が挙げら
れ、アリール基またはアラルキル基における置換基とし
てはアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基などが挙
げられる。
【0018】また、可逆性感熱記録層において用いる電
子受容性化合物としては、すでに特開平5−12436
0号公報に長鎖炭化水素基をもつリン酸化合物、脂肪族
カルボン酸化合物およびフェノール化合物の代表例とと
もに開示されているように、分子内に電子供与性呈色性
化合物を発色させることができる顕色能をもつ構造と、
分子間の凝集力をコントロ−ルする構造を併せ持つ化合
物が好ましい。
【0019】顕色能をもつ構造としては、一般の感熱記
録媒体と同様に、たとえばフェノール性水酸基、カルボ
キシル基、リン酸基などの酸性の基が用いられるが、こ
れらに限らず電子供与性呈色性化合物を発色できる基で
あればよく、これらには、例えばチオ尿素基、カルボン
酸金属塩などがある。分子間の凝集力をコントロールす
る代表的な構造としては長鎖アルキル基などの炭化水素
基があり、この炭化水素基の炭素数は、一般的には8以
上であることが良好な発色消色特性を得る上で好まし
い。また、この炭化水素基には不飽和結合が含まれてい
てもよく、また分枝状の炭化水素基でもよい。分枝状の
炭化水素基の場合も、主鎖部分は炭素数8以上であるこ
とが好ましい。また、炭化水素基は、例えばハロゲン原
子、水酸基、アルコキシ基なとの基で置換されていても
よい。
【0020】このように電子受容性化合物としては、顕
色能を持つ構造と炭化水素基で代表される凝集力を制御
する構造とが連結した構造を有する化合物が好ましく、
顕色能を持つ構造と凝集力を制御する構造とが下記に示
すようなへテロ原子を含む2価の基、又はこれらの基が
複数個組合わされた基をはさんで結合していてもよい。
また、フェニレン基、ナフチレン基などの芳香環または
複素環などをはさんで結合していてもよいし、これら両
方をはさんで結合していてもよい。炭化水素基は、その
鎖状構造中に上記と同様な2価の基、すなわち芳香環や
へテロ原子を含む2価の基を有するものであってもよ
い。
【0021】以下に、電子受容性化合物の具体例を示
す。有機リン酸系の電子受容性化合物としては、ドデシ
ルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシル
ホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホス
ホン酸、ドコシルホスホン酸、テトラコシルホスホン
酸、リン酸ジテトラデシルエステル、リン酸ジヘキサデ
シルエステル、リン酸ジオクタデシルエステル、リン酸
ジエイコシルエステル、リン酸ジべへニルエステルなど
が挙げられる。
【0022】脂肪族カルボン酸化合物としては、2−ヒ
ドロキシテトラデカン酸、2−ヒドロキシヘキサデカン
酸、2−ヒドロキシオクタデカン酸、2−ヒドロキシエ
イコサン酸、2−ヒドロキシドコサン酸、2−ブロモヘ
キサデカン酸、2−ブロモオクタデカン酸、2−ブロモ
エイコサン酸、2−ブロモドコサン酸、3−ブロモオク
タデカン酸、3−ブロモドコサン酸、2,3−ジブロモ
オクタデカン酸、2−フルオロドデカン酸、2−フルオ
ロテトラデカン酸、2−フルオロヘキサデカン酸、2−
フルオロオクタデカン酸、2−フルオロ5エイコサン
酸、2−フルオロドコサン酸、2−ヨードヘキサデカン
酸、2−ヨードオクタデカン酸、3−ヨードヘキサデカ
ン酸、3−ヨードオクタデカン酸、パーフルオロオクタ
デカン酸などが挙げられる。
【0023】脂肪族ジカルボン酸化合物およびトリカル
ボン酸化合物としては、2−ドデシルオキシ琥珀酸、2
−テトラデシルオキシ琥珀酸、2−へキサデシルオキシ
琥珀酸、2−オクタデシルオキシ琥珀酸、2−エイコシ
ルオキシ琥珀酸、2−ドデシルオキシ琥珀酸、2−ドテ
シルチオ琥珀酸、2−テトラデシルチオ琥珀酸、2−へ
キサデシルチオ琥珀酸、2−オクタデシルチオ琥珀酸、
2−エイコシルチオ琥珀酸、2−ドコシルチオ琥珀酸、
2−テトラコシルチオ琥珀酸、2−へキサデシルシチオ
琥珀酸、2−オクタデシルジチオ琥珀酸、2−エイコシ
ルジチオ琥珀酸、ドデシル琥珀酸、テトラデシル琥珀
酸、ペンタデシル琥珀酸、ヘキサデシル琥珀酸、オクタ
デシル琥珀酸、エイコシル琥珀酸、ドコシル琥珀酸、
2,3−ジヘキサデシル琥珀酸、2,3−ジオクタデシ
ル琥珀酸、2−メチル−3−へキサデシル琥珀酸、2−
メチル−3−オクタデシル琥珀酸、2−オクタデシル−
3−へキサデシル琥珀酸、ヘキサデシルマロン酸、オク
タデシルマロン酸、エイコシルマロン酸、ドコシルマロ
ン酸、ジヘキサデシルマロン酸、ジオクタデシルマロン
酸、ジドコシルマロン酸、メチルオクタデシルマロン
酸、2−へキサデシルグルタル酸、2−オクタデシルグ
ルタル酸、2−エイコシルグルタル酸、ドコシルグルタ
ル酸、2−ペンタデシルアジピン酸、2−オクタデシル
アジピン酸、2−エイコシルアジピン酸、2−ドコシル
アジピン酸、2−へキサデカノイルオキシプロパン−
1,2,3−トリカルボン酸、2−オクタデカノイルオ
キシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸などが挙げ
られる。
【0024】また、下記一般式(3)で表されるカルボ
ン酸化合物も用いることができる。
【化2】
【0025】一般式(3)で表されるカルボン酸化合物
の具体例を下記表1にp、q、r、sの数、およびA、
B、X、Yの構造により示す。
【0026】
【表1−1】
【0027】
【表1−2】
【0028】
【表1−3】
【0029】
【表1−4】
【0030】
【表1−5】
【0031】
【表1−6】
【0032】
【表1−7】
【0033】
【表1−8】
【0034】
【表1−9】
【0035】
【表1−10】
【0036】また、電子受容性化合物として下記一般式
(4)で表されるカルボン酸化合物も用いることができ
る。
【化3】
【0037】一般式(4)で表されるカルボン酸化合物
の具体例を下記表2にn、p、q、rの数、およびR、
X、Yの構造により示す。
【0038】
【表2−1】
【0039】
【表2−2】
【0040】
【表2−3】
【0041】
【表2−4】
【0042】
【表2−5】
【0043】また、電子受容性化合物として分子間凝集
力を制御する構造をもつフェノール化合物も好ましく用
いられる。これには、例えば下記の一般式(5)で表さ
れるフェノール化合物が挙げられる。
【化4】
【0044】一般式(5)で表されるフェノール化合物
の具体例を下記表3にp、q、r、sの数、およびX、
A、Y、Zの構造により示す。ただし、これらのそれぞ
れの具体例においてフェノール部のnは1から3であ
り、たとえば4−ヒドロキシフェニル、3−ヒドロキシ
フェニル、2−ヒドロキシフェニル、2,4−ジヒドロ
キシフェニル、3,4−ジヒドロキシフェニルまたは
3,4,5−トリヒドロキシフェニルなどの水酸基を少
なくとも一つ以上有するフェニル基である。このフェニ
ル基には、水酸基以外の置換基を有していてもよい。ま
た、フェノール性水酸基を有するものであれば、他の芳
香環であってもよい。
【0045】
【表3−1】
【0046】
【表3−2】
【0047】
【表3−3】
【0048】
【表3−4】
【0049】
【表3−5】
【0050】
【表3−6】
【0051】
【表3−7】
【0052】可逆性感熱記録層における電子供与性呈色
性化合物と電子受容性化合物との割合としては、使用す
る化合物の組合せにより適切な範囲が変化するが、おお
むねモル比で電子供与性呈色性化合物1に対して電子受
容性化合物が0.1から20の範囲が好ましく、特に
0.2から10の範囲が好ましい。この範囲より電子受
容性化合物が少なくても多くても発色状態の濃度が低下
するようになる。また、電子供与性呈色性化合物と電子
受容性化合物とはマイクロカプセル中に内包して用いる
こともできる。電子供与性呈色性化合物と電子受容性化
合物の和(可逆性熱発色組成物)に対する架橋状態の樹
脂の割合としては、使用するこれら化合物の組合せによ
り適切な範囲が変化するが、おおむね重量比で可逆性感
熱発色組成物1に対し架橋状態の樹脂0.1から10の
範囲が好ましい。これより少ないと可逆性感熱記録層の
熱強度が不足するようになり、またこれより多い場合に
は発色濃度が低下するようになる。
【0053】可逆性感熱記録層の膜厚としては1μmか
ら20μmの範囲が好ましく、特に3μmから10μm
の範囲が好ましい。可逆性感熱記録層には前記の架橋硬
化反応を行なう樹脂、架橋剤、モノマー、オリゴマー及
び/又は高分子化合物などの成分と共に各種熱可塑性樹
脂を併用しても良く、例えばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸
ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリスチレ
ン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステ
ル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネ
−ト、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エス
テル、アクリル酸系共重合体、マレイン酸系共重合体な
どを用いることができる。
【0054】また、可逆性感熱記録層には、必要に応じ
て記録層の塗布特性や発色消色特性を改善したり制御す
るための添加剤を用いることができ、これらの添加剤と
しては、例えば分散剤、界面活性剤、導電剤、充填剤、
滑剤、酸化防止剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、発色安
定化剤、消色促進剤などが挙げられる。
【0055】次に本発明の可逆性感熱記録媒体におい
て、可逆性感熱記録層上に形成される硬化性樹脂及び滑
剤を含有する保護層について説明する。保護層における
硬化性樹脂としては、可逆性感熱記録層に含有させる架
橋状態の樹脂として例示した熱硬化性樹脂、電子線硬化
性樹脂または紫外線硬化性樹脂を用いることができる。
【0056】また、保護層に用いられる滑剤としては、
ワックスとシリコーンオイルが代表的なものとして挙げ
られる。ワックス類としては、エステルワックス、パラ
フィンワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワック
ス類、硬化ひまし油等の植物性ワックス類、牛脂硬化油
等の動物性ワックス類、ステアリルアルコール、べへニ
ルアルコール等の高級アルコール類、マルガリン酸、ラ
ウリン酸、ミスチレン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、べへニン酸、フロメン酸等の高級脂肪酸類、ソルビ
タンの脂肪酸エステルなどの高級脂肪酸エステル類、ス
テアリン酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミ
ド、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスス
テアリン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド等の
アミド類などが挙げられる。
【0057】また、シリコーンオイル類としては、メチ
ルスチレン、オレフィン、ポリエーテル、アルコール、
フッ素、アミノ、メルカプト、エポキシ、カルボキシ
ル、アルキル、高級脂肪酸等の変性シリコーンオイル
類、カルナバ、高級脂肪酸等の含有シリコーンオイル類
などが挙げられる。保護層中の滑剤の含有量は体積分率
で0.1〜95%が好ましく、特に1〜75%が好まし
い。保護層の膜厚としては0.1〜20μmの範囲が好
ましく、特に0.3〜10μmが好ましい。
【0058】また、保護層中には有機紫外線吸収剤を含
有させても良く、その含有量は硬化性樹脂100重量部
に対して0.5〜10重量部の範囲が好ましい。有機紫
外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−
メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒ
ドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−
ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒ
ドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−
オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’
−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)
−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロ
キシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5
−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ
−5’−エトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等のベ
ンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキ
シベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシゾフ
ェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフ
ェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフ
ェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾ
フェノン、2、2’−ジヒドロキシ−4、4’−ジメト
キシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒド
ロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ
−2’−カルポキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−
4−オキシベンジルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−
4−クロロベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリ
ウム、2,2’−ジヒドロキシ−4、4’−ジメトキシ
ベンゾフェノン−スルホン酸ナトリウム等のベンゾフェ
ノン系紫外線吸収剤、フェニルサリシレート、p−オク
チルフェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサ
リシレート、カルボキシフェニルサリシレート、メチル
フェニルサリシレート、ドデシルフェニルサリシレー
ト、2−エチルヘキシルフェニルサリシレート、ホモメ
ンチルフェニルサリシレート等のサリチル酸エステル系
紫外線吸収剤、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3、
3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−
3,3’−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレ
ート系紫外線吸収剤、p−アミノ安息香酸、p−アミノ
安息香酸グリセリル、p−ジメチルアミノ安息香酸アミ
ル、p−ジヒドロキシプロピル安息香酸エチル等のp−
アミノ安息香酸系紫外線吸収剤、p−メトキシケイ皮酸
−2−エチルヘキシル、p−メトキシケイ皮酸−2−エ
トキシエチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、4−t−ブ
チル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン、ウロカニ
ン酸、ウロカニン酸エチル等が挙げられる。
【0059】さらに、保護層には、上記の硬化性樹脂と
共にポリビニルアルコール、スチレン無水マレイン酸共
重合体、カルボキシ変性ポリエチレン、メラミン−ホル
ムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂などを
用いることができる。
【0060】本発明の可逆性感熱記録媒体において、可
逆性感熱記録層と保護層との接着性向上、保護層の塗布
による記録層の変質防止、保護層中の添加剤の記録層へ
の移行防止などの目的で、可逆性感熱記録層と保護層と
の間に樹脂を主成分とする中間層を設けることが好まし
く、これによって耐久性の向上と同時に発色画像の保存
性やコントラストを向上させることができる。
【0061】中間層に用いられる樹脂としては、ポリ塩
化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラー
ル、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、
ポリイミド、フッソ樹脂、ポリアミド、ポリアミドイミ
ド、ポリベンズイミダゾール、ポリスチレン、スチレン
系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポ
リエステル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、
ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸系共重合体、マ
レイン酸系共重合体、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、
シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコー
ル、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイ
ド、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デン
プン、ゼラチン、カゼイン類など公知材料が用いられる
が、特に前記の記録層や保護層で用いられる硬化性樹脂
を用いることにより可逆性感熱記録媒体の繰り返し耐久
性を更に向上させることができる。
【0062】また、中間層にはフィラー、特に無機フィ
ラを添加することが好ましく、それにより耐光性をさら
に向上させることができる。無機フィラーとしては、炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、無水ケイ
酸、含水ケイ酸、含水ケイ酸アルミニウム、含水ケイ酸
カルシウム等のケイ酸塩、アルミナ、酸化亜鉛、酸化
鉄、酸化カルシウム等の酸化物、水酸化アルミニウム等
の水酸化物などが挙げられる。
【0063】特に平均粒径0.1μm以下のものを用い
ることによって可逆性感熱記録媒体の耐光性をより向上
させることができる。このような無機フィラーとして
は、酸化亜鉛、酸化インジウム、アルミナ、シリカ、酸
化ジルコニア、酸化スズ、酸化セリウム、酸化鉄、酸化
アンチモン、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ビス
マス、酸化ニッケル、酸化マグネシウム、酸化クロム、
酸化マンガン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化トリウ
ム、酸化ハフニウム、酸化モリブデン、鉄フェライト、
ニッケルフェライト、コバルトフェライト、チタン酸バ
リウム、チタン酸カリウムのような金属酸化物及びこれ
らの複合酸化物、硫化亜鉛、硫酸バリウムのような金属
硫化物あるいは硫酸化合物、チタンカーバイド、シリコ
ンカーバイド、モリブデンカーバイド、タングステンカ
ーバイド、タンタルカーバイドのような金属炭化物、窒
化アルミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素、窒化ジルコニ
ウム、窒化バナジウム、窒化チタニウム、窒化ニオブ、
窒化ガリウムのような金属窒化物等が挙げられる。
【0064】更にこの中でも特に好ましいものは400
nm以下の波長領域に吸収端を有するフィラーである。
このようなフィラーは、紫外線UV−A領域、即ち波長
320〜400nmの紫外線UV−A領域に吸収端を有
する無機フィラー(A)および紫外線UV−A領域より
短波長側に吸収端を有する無機フィラー(B)の2群に
分類できる。無機フィラー(A)の具体例としては酸化
亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化セリウム、酸
化スズ、酸化モリブデン、硫化亜鉛、窒化ガリウムなど
が挙げられ、また無機フィラー(B)の具体例としては
シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、酸化アンチモ
ン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化バリウ
ム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、窒化珪素、
窒化アルミニウム、窒化ホウ素、硫酸バリウムなどが挙
げられる。
【0065】中間層中のフィラーの含有量としては、体
積分率で1〜95%が好ましく、特に5〜75%が好ま
しい。また、中間層の膜厚としては0.1〜20μmの
範囲が好ましく、特に0.3〜10μmが好ましい。さ
らに、中間層中は前記保護層中に用いられる有機紫外線
吸収剤を含有してもよく、その含有量は樹脂100重量
部に対して0.5〜10重量部の範囲が好ましい。本発
明の可逆性感熱記録媒体における支持体としては、任意
のものが使用でき、紙、樹脂フィルム、合成紙、金属
箔、ガラスまたはこれらの複合体など、可逆性感熱記録
層などを保持できるものであればよい。
【0066】次に本発明の可逆性感熱記録媒体の製造方
法について説明する。本発明の可逆性感熱記録媒体を製
造するには、先ず、前記電子供与性呈色性化合物と電子
受容性化合物、および前記架橋硬化反応を行なう樹脂、
架橋剤、モノマー、オリゴマー及び/又は高分子化合物
などの成分を、必要に応じて用いられる添加剤と共に、
適当な溶媒に溶解或いは均一に分散させた記録層用塗布
液を支持体上に塗工し、架橋硬化させて可逆性感熱記録
層を形成する。
【0067】記録層用塗布液の溶媒としては、水、また
はメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブ
タノール、メチルイソカルビノールなどのアルコール
類、アセトン、2−ブタノン、エチルアミルケトン、ジ
アセトンアルコール、イソホロン、シクロヘキサノンな
どのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジエチルエー
テル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、
1,4−ジオキサン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン
などのエーテル類、2−メトキシエタノール、2−エト
キシエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレング
リコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル
類、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチ
ルアセテート、2−ブトキシエチルアセテートなどのグ
リコールエーテルアセテート類、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳
酸エチル、エチレンカーボネートなどのエステル類、ベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、
へキサン、ヘプタン、iso−オクタン、シクロヘキサ
ンなどの脂肪族炭化水素類、塩化メチレン、1,2−ジ
クロルエタン、ジクロロプロパン、クロルベンゼンなど
のハロゲン化炭化水素類、ジメチルスルホキシドなどの
スルホキシド類、N−メチル−2−ピロリドン、N−オ
クチル−2−ピロリドンなどのピロリドン類などを例示
することができる。
【0068】記録層用塗布液を調製するには、ペイント
シェーカー、ボールミル、アトライター、三本ロールミ
ル、ケディーミル、サンドミル、ダイノミル、コロイド
ミルなどの公知の塗液分散装置を用い、各材料を溶媒中
に分散してもよいし、あるいは各材料を単独で溶媒中に
分散して混ぜ合わせてもよい。さらに、加熱溶解して急
冷または徐冷によって可逆性熱発色組成物を析出させる
ようにしてもよい。また、記録層用塗布液を支持体上に
塗工するには、プレート塗工、ワイヤーバー塗工、スプ
レー塗工、エアナイフ塗工、ビード塗工、カーテン塗
工、グラビア塗工、キス塗工、リバースロール塗工、デ
ィップ塗工、ダイ塗工など公知の方法を用いることがで
きる。
【0069】記録層用塗布液を塗布し乾燥させた後、必
要に応じて硬化処理を施し、可逆性感熱記録層を形成す
る。硬化処理は、熱で架橋するものであれば高温槽等を
用いて熱処理すればよく、また、紫外線照射や電子線照
射による硬化であれば、それぞれ公知の硬化装置を用い
ればよい。例えば、紫外線照射の際の光源としては水銀
ランプ、メタルハライドランプ、ガリウムランプ、水銀
キセノンランプ、フラッンュランプなどがあるが、前記
した光重合開始剤及び光重合促進剤の紫外線吸収波長に
対応した発光スペクトルを有する光源を使用すればよ
い。また、紫外線照射条件としては、樹脂を架橋させる
ために必要な照射エネルギーに応じてランプ出力、搬送
速度を決めればよい。また、電子線照射装置としては照
射面積、照射線量などの目的に応じて走査形、非走査形
いずれかを選べばよく、照射条件としては樹脂を架橋す
るのに必要な線量に応じて、電子流、照射幅、搬送速度
を決めればよい。
【0070】ついで、上記のようにして形成した可逆性
感熱記録層上に保護層を形成することにより、あるいは
更に可逆性感熱記録層と保護層との間に中間層を形成す
ることにより本発明の可逆性感熱記録媒体を得ることが
できる。保護層を形成するには、前記の硬化性樹脂成分
及び滑剤などを上記記録層用塗布液の溶媒として例示し
た溶媒に分散、溶解させて保護層用塗布液を調製し、そ
れを可逆性感熱記録層または中間層上に塗布し乾燥さ
せ、必要に応じて硬化処理を行えばよい。
【0071】また、中間層を形成するには、前記の中間
層用樹脂およびフィラーなどを上記記録層用塗布液の溶
媒として例示した溶媒に分散、溶解させて中間層用塗布
液を調製し、それを可逆性感熱記録層に塗布し乾燥さ
せ、必要に応じて硬化処理を行えばよい。保護層用塗布
液または中間層用塗布液の分散装置、塗工方法、あるい
は保護層の硬化処理等には、前記可逆性感熱記録層にお
けると同様な装置または方法を用いることができる。
【0072】本発明の可逆性感熱記録媒体は、基本的に
支持体上に可逆性熱発色組成物および架橋状態の樹脂を
含有する可逆性感熱記録層、硬化性樹脂及び滑剤を含有
する保護層および必要により中間層が設けられたもので
あるが、印加した熱を有効に利用するために支持体と可
逆性感熱記録層との間に断熱性のアンダーコート層を設
けることができる。断熱性のアンダーコート層は有機ま
たは無機の微小中空体粒子がバインダー樹脂中に分散さ
れた塗液を塗布し乾燥させることにより形成することが
できる。
【0073】また、支持体と可逆性感熱記録層との接着
性の改善や支持体への記録層材料の浸透防止を目的とし
たアンダーコート層を設けることもできる。アンダーコ
ート層には、前記の可逆性感熱記録層用の樹脂と同様の
樹脂を用いることができる。また、アンダーコート層に
は炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸
化ケイ素、水酸化アルミニウム、カオリン、タルクなど
の無機フィラー及び/または各種有機フィラーを含有さ
せてもよく、その他、滑剤、界面活性剤分散剤などを含
有させてもよい。さらに、支持体裏面にバックコート層
などを設けてもよく、支持体表面または裏面に磁気層を
設けていてもよい。また、上記の各層、支持体は着色し
ていてもよい。
【0074】
【作用】本発明の可逆性感熱記録媒体によれば、発色性
と消色性が良好で、繰り返し使用によっても記録媒体に
打こんが発生することなく、また搬送不良が発生するこ
となく、繰り返し耐久性に優れた記録を行うことができ
る。これは次のような理由によるものである。すなわ
ち、印字による発色、消色を多数回繰り返すことによる
塗工膜の破壊は可逆性感熱記録層において最も大きい
が、記録層に架橋状態の樹脂を含有させ、さらに、その
可逆性感熱記録層上に硬化性樹脂を含む保護層を設ける
ことにより、層構造の機械的強度が向上し、それによっ
て記録媒体に打こんが発生することなく繰り返し耐久性
に優れた記録を行うことができる。また、保護層に滑剤
を含有させることにより離型性が向上し、サーマルヘッ
ドやヒーターなどで加熱した際に保護層表面が付着する
ことがなくなるため、搬送不良を起すことなく繰り返し
耐久性に優れた記録を行うことができる。
【0075】また、本発明の可逆性感熱記録媒体は、太
陽光あるいは蛍光灯などの光を長時間当てても印字画像
部及び地肌部が変色することなく、また光を長時間当て
た後に印字画像部の消去の操作を行った場合にも消色不
良を起こすことがない耐光性に優れた可逆性感熱記録媒
体である。さらに、可逆性感熱記録層と硬化性樹脂およ
び滑剤を含有する保護層との間に中間層を設けることに
よって、発色画像の保存性やコントラストを向上させる
ことができ、またフィラーを添加することによって発色
画像の保存性やコントラストを更に向上させることがで
きる。
【0076】本発明の可逆性感熱記録媒体は、加熱温度
およびまたは加熱後の冷却速度により相対的に発色した
状態と消色した状態を形成しうるものであり、この基本
的な発色消色現象を以下に説明する。図1は本発明の可
逆性感熱記録媒体の発色濃度と温度との関係を示したも
のである。初期状態が消色状態(A)にある記録媒体を
昇温していくと、溶融し始める温度T1で発色が起こり
溶融発色状態(B)となる。中間層溶融発色状態(B)
から急冷すると発色状態のまま室温に下げることがで
き、固まった発色状態(C)となる。この発色状態が得
られるかどうかは、溶融状態からの降温の速度に依存し
ており、徐冷では降温の過程で消色が起き、初期状態と
同じ消色状態(A)あるいは急冷発色状態(C)より相
対的に濃度の低い状態が形成される。
【0077】一方、急冷発色状態(C)を再び昇温して
いくと発色温度より低い温度T2で消色が起き(Dから
E)、ここから降温すると初期状態と同じ消色状態
(A)に戻る。実際の発色温度および消色温度は、用い
る電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との組合
せにより変化するので目的に合わせて選択することがで
きる。また溶融発色状態の濃度と急冷したときの発色濃
度は、必ずしも一致するものではなく、異なる場合もあ
る。
【0078】本発明の可逆性感熱記録媒体では、溶融発
色状態(B)から急冷して得られた発色状態(C)は電
子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物とが凝集して
分子同士で接触反応した状態で固定され発色を保持した
状態である。一方、消色状態は両者が相分離した状態で
ある。この状態は少なくとも一方の化合物の分子が集合
してドメインを形成したり結晶化した状態であり、これ
によって電子供与性呈色性化合物分子と電子受容性化合
物分子とが分離した構造が形成されていると考えられ
る。図1に示した溶融状態から徐冷による消色および発
色状態からの昇温による消色は、いずれもこの温度で凝
集構造が変化し相分離や電子受容性化合物の結晶化が起
きているものと考えられる。
【0079】本発明の可逆性感熱記録媒体を用いて発色
画像を形成するには、一旦発色温度以上に加熱し、つい
で急冷すればよい。具体的には、例えばサーマルヘッド
やレーザー光で短時間加熱すると記録層が局部的に加熱
されるため、直ちに熱が拡散し急激な冷却が起こり、発
色状態が固定できる。一方、消色させるためには適当な
熱源を用いて比較的長時間加熱し冷却するか、発色温度
よりやや低い温度に一時的に加熱すればよい。長時間加
熱すると記録媒体の広い範囲が昇温し、その後の冷却は
遅くなるため、その過程で消色が起きる。長時間加熱す
る方法としては、熱ローラー、熱スタンプ、熱風などを
用いてもよいし、サーマルヘッドを用いてもよい。
【0080】また、記録層を消色温度域に加熱するため
には、例えばサーマルヘッドへの印刷加電圧やパルス幅
を調節することによって、印加エネルギーを記録時より
やや低下させればよい。この方法を用いれば、サーマル
ヘッドだけで記録および消去ができ、いわゆるオーバー
ライトが可能になる。もちろん、熱ローラー、熱スタン
プによって消色温度域に加熱して消去することもでき
る。
【0081】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳しく
説明する。なお、実施例中の「部」および「%」はいず
れも重量を基準とするものである。
【0082】実施例1 下記組成物をボールミルを用いて粒径1〜4μm以下に
なるまで粉砕分散した。 2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン 2部 下記構造式(A)の電子受容性化合物 8部
【化5】 フェノキシ樹脂(PKHH、ユニオンカーバイド社製) の15%テトラヒドロフラン溶液 150部 得られた分散液に日本ポリウレタン社製コロネートHL
(アダクト型へキサメチレンジイソシアネート75%酢
酸エチル溶液)20部を加え、良く攪拌し記録層用塗布
液を調製した。この記録層用塗布液を厚さ100μmの
ポリエステルフィルム上にワイヤーバーを用いて塗布し
80℃で乾燥させた後、100℃で10分間および60
℃で24時間加熱して硬化させ、膜厚約6.0μmの可
逆性感熱記録層を形成した。次に、下記組成物をボール
ミルを用いてよく溶解攪拌して保護層用塗布液を調製
し、それを記録層上にワイヤーバーを用いて塗工した
後、照射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下を9
m/分の搬送速度で通して硬化させ膜厚5μmの保護層
を形成し、本発明の可逆性感熱記録媒体を作製した。 ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂 (C7−157、大日本インキ社製) 15部 シリコーンオイル(BYK344、ワッカーケミカル社製) 2.5部 酢酸エチル 85部 作製した可逆性感熱記録媒体に、感熱印字装置(大倉電
機社製)を用いて電圧13.3V、パルス幅1.2ms
ecで印字した。印字部の濃度をマクベス濃度計RD9
14にて測定したところ、印字部濃度は1.04であっ
た。次にこの印字サンプルを熱スタンプを用いて140
℃で1秒間加熱して画像を消去した。消去部の濃度を同
様に測定したところ消去部濃度は0.10、地肌濃度は
0.10であった。更に上記の印字および消去を50回
繰り返したところ、搬送不良がなく、また印字部に打痕
のない良好な状態を保っていた。印字画像を有する可逆
性感熱記録媒体を40℃Dry環境下に24時間保存し
て、保存後の印字画像部の濃度を測定したところ0.8
6(画像保持率81%)であった。また、印字画像を有
する可逆性感熱記録媒体を蛍光灯光源下、5000ルッ
クスの光で100時間照射後、熱スタンプを用いて14
0℃1秒の条件で画像部の消色操作を行い、消色部の濃
度及び地肌部の濃度を測定したところ、消去部濃度は
0.11、地肌濃度は0.11であった。
【0083】実施例2 下記組成物をボールミルを用いて粒径1〜4μm以下に
なるまで粉砕分散した。 2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N− p−トリルアミノフルオラン 2部 下記構造式(B)の電子受容性化合物 8部
【化6】 ブチラール樹脂の15%メチルエチルケトン溶液 150部 得られた分散液に日本ポリウレタン社製コロネートHL
(アダクト型へキサメチレンジイソシアネート75%酢
酸エチル溶液)20部を加え、良く攪拌し記録層用塗布
液を調製した。この記録層用塗布液を用いた以外は実施
例1と同様にして可逆性感熱記録層を形成した。次に、
フェノキシ樹脂(PKHH、ユニオンカーバイド社製)
15部、シリコーンオイル(BYK344、ワッカーケ
ミカル社製)2.5部および酢酸エチル85部をボール
ミルを用いてよく溶解攪拌し、得られた分散液に日本ポ
リウレタン社製コロネートHL(アダクト型へキサメチ
レンジイソシアネート75%酢酸エチル溶液)20部を
加え、良く攪拌し保護層用塗布液を調製した。この保護
層用塗布液を上記可逆性感熱記録層上にワイヤーバーを
用いて塗布し80℃で乾燥させた後、100℃で10分
間および60℃で24時間加熱して硬化させ、膜厚約5
μmの保護層を形成し、本発明の可逆性感熱記録媒体を
作製した。作製した可逆性感熱記録媒体について、実施
例1と同様な測定を行ったところ、印字部濃度は1.0
1、消去部濃度は0.10、地肌濃度は0.10であっ
た。更に上記の印字および消去を50回繰り返したとこ
ろ、搬送不良がなく、また印字部に打痕のない良好な状
態を保っていた。また、印字画像を有する可逆性感熱記
録媒体を蛍光灯光源下、5000ルックスの光で100
時間照射後の消去部濃度は0.11、地肌濃度は0.1
1であった。
【0084】実施例3 下記組成物をボールミルを用いて粒径1〜4μmになる
まで粉砕分散した。 3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1− エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド 2部 下記構造式(C)の電子受容性化合物 8部
【化7】 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体
(VAGH、 ニオンカーバイド社製)の15%メチルエチルケトン溶
液 150部 得られた分散液に日本ポリウレタン社製コロネートHL
(アダクト型へキサメチレンジイソシアネート75%酢
酸エチル溶液)20部を加え、良く攪拌し記録層用塗布
液を調製した。この記録層用塗布液を用いた以外は実施
例1と同様にして可逆性感熱記録層を形成した。次に、
実施例2の保護層用塗布液においてフェノキシ樹脂の代
わりに塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重
合体(VAGH、ニオンカーバイド社製)を用いた以外
は実施例2と同様にして保護層用塗布液を調製し、その
保護層用塗布液を用い実施例2と同様にして上記可逆性
感熱記録層上に保護層を形成し、本発明の可逆性感熱記
録媒体を作製した。作製した可逆性感熱記録媒体につい
て、実施例1と同様な測定を行ったところ、印字部濃度
は1.01、消去部濃度は0.10、地肌濃度は0.1
0であった。更に上記の印字および消去を50回繰り返
したところ、搬送不良がなく、また印字部に打痕のない
良好な状態を保っていた。また、印字画像を有する可逆
性感熱記録媒体を蛍光灯光源下、5000ルックスの光
で100時間照射後の消去部濃度は0.11、地肌濃度
は0.11であった。
【0085】実施例4 下記組成物をボールミルを用いて粒径1〜4μmになる
まで粉砕分散した。 2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン 2部 下記構造式(D)の電子受容性化合物 8部
【化8】 フェノキシ樹脂(PKHH、ユニオンカーバイド社製) の15%テトラヒドロフラン溶液 150部 得られた分散液に日本ポリウレタン社製コロネートHL
(アダクト型へキサメチレンジイソシアネート75%酢
酸エチル溶液)20部を加え、良く攪拌し記録層用塗布
液を調製した。この記録層用塗布液を用いた以外は実施
例1と同様にして可逆性感熱記録層を形成した。次に、
実施例1の保護層用塗布液においてシリコーンオイルの
代わりにエチレンビスステアリン酸アマイド(カオーワ
ックスEB、花王社製)を用いた以外は実施例1と同様
にして保護層用塗布液を調製し、その保護層用塗布液を
用いた以外は実施例1と同様にして保護層を形成し、本
発明の可逆性感熱記録媒体を作製した。作製した可逆性
感熱記録媒体について、実施例1と同様な測定を行った
ところ、印字部濃度は0.95、消去部濃度は0.1
0、地肌濃度は0.10であった。更に上記の印字およ
び消去を50回繰り返したところ、搬送不良がなく、ま
た印字部に打痕のない良好な状態を保っていた。また、
印字画像を有する可逆性感熱記録媒体を蛍光灯光源下、
5000ルックスの光で100時間照射後の消去部濃度
は0.11、地肌濃度は0.11であった。
【0086】実施例5 下記組成物をボールミルを用いて粒径1〜4μmになる
まで粉砕分散した。 2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N− p−トリルアミノフルオラン 2部 下記構造式(E)の電子受容性化合物 8部
【化9】 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体(VAGH、 ニオンカーバイド社製)の15%メチルエチルケトン溶液 150部 得られた分散液に日本ポリウレタン社製コロネートHL
(アダクト型へキサメチレンジイソシアネート75%酢
酸エチル溶液)20部を加え、良く攪拌し記録層用塗布
液を調製した。この記録層用塗布液を用いた以外は実施
例1と同様にして可逆性感熱記録層を形成した。次に、
ブチラール樹脂15部、エチレンビスステアリン酸アマ
イド(カオーワックスEB、花王社製)2.5部および
酢酸エチル85部をボールミルを用いてよく溶解攪拌
し、得られた分散液に日本ポリウレタン社製コロネート
HL(アダクト型へキサメチレンジイソシアネート75
%酢酸エチル溶液)20部を加え、良く攪拌し保護層用
塗布液を調製した。この保護層用塗布液を上記可逆性感
熱記録層上にワイヤーバーを用いて塗布し80℃で乾燥
させた後、100℃で10分間および60℃で24時間
加熱して硬化させ、膜厚約5μmの保護層を形成し、本
発明の可逆性感熱記録媒体を作製した。作製した可逆性
感熱記録媒体について、実施例1と同様な測定を行った
ところ、印字部濃度は0.91、消去部濃度は0.1
0、地肌濃度は0.10であった。更に上記の印字およ
び消去を50回繰り返したところ、搬送不良がなく、ま
た印字部に打痕のない良好な状態を保っていた。また、
印字画像を有する可逆性感熱記録媒体を蛍光灯光源下、
5000ルックスの光で100時間照射後の消去部濃度
は0.11、地肌濃度は0.11であった。
【0087】実施例6 下記組成物をボールミルを用いて粒径1〜4μmになる
まで粉砕分散した。 3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3− (1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4− アザフタリド 2部 下記構造式(F)の電子受容性化合物 8部
【化10】 ブチラール樹脂の15%メチルエチルケトン溶液 150部 次に、実施例4と同様にして上記記録層上に保護層を形
成し、本発明の可逆性感熱記録媒体を作製した。作製し
た可逆性感熱記録媒体について、実施例1と同様な測定
を行ったところ、印字部濃度は0.90、消去部濃度は
0.10、地肌濃度は0.10であった。更に上記の印
字および消去を50回繰り返したところ、搬送不良がな
く、また印字部に打痕のない良好な状態を保っていた。
また、印字画像を有する可逆性感熱記録媒体を蛍光灯光
源下、5000ルックスの光で100時間照射後の消去
部濃度は0.11、地肌濃度は0.11であった。
【0088】実施例7 実施例1と同様にして可逆性感熱記録層を形成し、テト
ラヒドロフラン85部に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体(VYHH、ユニオンカーバイド社製)15部を溶解
させた中間層用塗布液を上記記録層上にワイヤーバーを
用いて塗工した後、ドライヤーで乾燥して膜厚3μmの
中間層を設け、その中間層上に実施例1と同様にして保
護層を形成し、本発明の可逆性感熱記録媒体を作製し
た。作製した可逆性感熱記録媒体について、実施例1と
同様な測定を行ったところ、印字部濃度は1.02、消
去部濃度は0.08、地肌濃度は0.08であった。更
に上記の印字および消去を50回繰り返したところ、搬
送不良がなく、また印字部に打痕のない良好な状態を保
っていた。印字画像を有する可逆性感熱記録媒体を40
℃Dry環境下に24時間保存して、保存後の印字画像
部の濃度を測定したところ1.00(画像保持率98
%)であった。また、印字画像を有する可逆性感熱記録
媒体を蛍光灯光源下、5000ルックスの光で100時
間照射後の消去部濃度は0.09、地肌濃度は0.09
であった。
【0089】実施例8 実施例7における中間層用塗布液に代えて、テトラヒド
ロフラン85部にフェノキシ樹脂15部を溶解させ、こ
の液に日本ポリウレタン社製コロネートHLを15部加
え良く攪拌して得られた中間層用塗布液を用いた以外は
実施例7と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
作製した可逆性感熱記録媒体について、実施例1と同様
な測定を行ったところ、印字部濃度は1.05、消去部
濃度は0.08、地肌濃度は0.08であった。更に上
記の印字および消去を70回繰り返したところ、搬送不
良がなく、また印字部に打痕のない良好な状態を保って
いた。印字画像を有する可逆性感熱記録媒体を40℃D
ry環境下に24時間保存して、保存後の印字画像部の
濃度を測定したところ1.01(画像保持率96%)で
あった。また、印字画像を有する可逆性感熱記録媒体を
蛍光灯光源下、5000ルックスの光で100時間照射
後の消去部濃度は0.09、地肌濃度は0.09であっ
た。
【0090】実施例9 中間層用塗布液として実施例8の中間層用塗布液にシリ
カ(1.00μm)を1部添加した中間層用塗布液を用
いた以外は実施例8と同様にして可逆性感熱記録媒体を
作製した。作製した可逆性感熱記録媒体について、実施
例1と同様な測定を行ったところ、印字部濃度は0.9
7、消去部濃度は0.08、地肌濃度は0.08であっ
た。更に上記の印字および消去を80回繰り返したとこ
ろ、搬送不良がなく、また印字部に打痕のない良好な状
態を保っていた。印字画像を有する可逆性感熱記録媒体
を40℃Dry環境下に24時間保存して、保存後の印
字画像部の濃度を測定したところ0.96(画像保持率
99%)であった。また、印字画像を有する可逆性感熱
記録媒体を蛍光灯光源下、5000ルックスの光で10
0時間照射後の消去部濃度は0.08、地肌濃度は0.
08であった。
【0091】実施例10 実施例9の中間層用塗布液においてシリカの代わりに酸
化チタン(0.09μm)を用いた以外は実施例9と同
様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。作製した可逆
性感熱記録媒体について、実施例1と同様な測定を行っ
たところ、印字部濃度は0.99、消去部濃度は0.0
8、地肌濃度は0.08であった。更に上記の印字およ
び消去を80回繰り返したところ、搬送不良がなく、ま
た印字部に打痕のない良好な状態を保っていた。また、
印字画像を有する可逆性感熱記録媒体を40℃Dry環
境下に24時間保存して、保存後の印字画像部の濃度を
測定したところ0.95(画像保持率96%)であっ
た。また、印字画像を有する可逆性感熱記録媒体を蛍光
灯光源下、5000ルックスの光で100時間照射後の
消去部濃度は0.09、地肌濃度は0.09であった。
【0092】実施例11 実施例9の中間層用塗布液においてシリカの代わりに酸
化セリウム(0.02μm)を用いた以外は実施例9と
同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。作製した可
逆性感熱記録媒体について、実施例1と同様な測定を行
ったところ、印字部濃度は1.00、消去部濃度は0.
08、地肌濃度は0.08であった。更に上記の印字お
よび消去を80回繰り返したところ、搬送不良がなく、
また印字部に打痕のない良好な状態を保っていた。ま
た、印字画像を有する可逆性感熱記録媒体を40℃Dr
y環境下に24時間保存して、保存後の印字画像部の濃
度を測定したところ0.96(画像保持率96%)であ
った。また、印字画像を有する可逆性感熱記録媒体を蛍
光灯光源下、5000ルックスの光で100時間照射後
の消去部濃度は0.09、地肌濃度は0.09であっ
た。
【0093】比較例1 実施例1の保護層用塗布液においてシリコーンオイルを
使用しなかった以外は実施例1と同様にして可逆性感熱
記録媒体を作製した。作製した可逆性感熱記録媒体につ
いて、実施例1と同様な測定を行ったところ、印字部濃
度は0.99、消去部濃度は0.10、地肌濃度は0.
10であった。更に上記の印字および消去を50回繰り
返したところ、打痕はない状態であったが20回目から
搬送性が悪く、正規の印字画像の長さより短く印字され
るようになった。この印字画像を有する可逆性感熱記録
媒体を蛍光灯光源下、5000ルックスの光で100時
間照射後の消去部濃度は0.11、地肌濃度は0.11
であった。
【0094】比較例2 実施例1の保護層用塗布液においてウレタンアクリレー
ト系紫外線硬化性樹脂に代えて塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体(VYHH、ユニオンカーバイド社製)を用い
た以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作
製した。作製した可逆性感熱記録媒体について、実施例
1と同様な測定を行ったところ、印字部濃度は1.0
1、消去部濃度は0.10、地肌濃度は0.10であっ
た。この印字画像を有する可逆性感熱記録媒体を蛍光灯
光源下、5000ルックスの光で100時間照射した後
の消去部濃度は0.11、地肌濃度は0.11であっ
た。更に上記の印字および消去を50回繰り返したとこ
ろ、1回目から打痕が発生し、50回目では打痕のため
均一な印字ができなかった。
【0095】比較例3 実施例1の記録層用塗布液においてフェノキシ樹脂に代
えて塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(VYHH、ユニ
オンカーバイド社製)を用い、日本ポリウレタン社製コ
ロネートHLを使用しなかった以外は実施例1と同様に
して可逆性感熱記録媒体を作製した。作製した可逆性感
熱記録媒体について、実施例1と同様な測定を行ったと
ころ、印字部濃度は1.04、消去部濃度は0.10、
地肌濃度は0.10であった。この印字画像を有する可
逆性感熱記録媒体を蛍光灯光源下、5000ルックスの
光で100時間照射した後の消去部濃度は0.11、地
肌濃度は0.11であった。更に上記の印字および消去
を50回繰り返したところ、1回目から打痕が発生し、
50回目では打痕のため均一な印字ができなかった。
【0096】比較例4 実施例1の記録層用塗液においてフェノキシ樹脂に代え
て塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(VYHH、ユニオ
ンカーバイド社製)を用い、日本ポリウレタン社製コロ
ネートHLを使用しなかったこと、また保護層用塗布液
においてウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂に代
えて塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(VYHH、ユニ
オンカーバイド社製)を用い、シリコーンオイルを使用
しなかった以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録
媒体を作製した。作製した可逆性感熱記録媒体につい
て、実施例1と同様な測定を行ったところ、印字部濃度
は0.93、消去部濃度は0.10、地肌濃度は0.1
0であった。この印字画像を有する可逆性感熱記録媒体
を蛍光灯光源下、5000ルックスの光で100時間照
射した後の消去部濃度は0.12、地肌濃度は0.12
であった。更に上記の印字および消去を50回繰り返し
たところ、1回目から打痕が発生し、50回目では打痕
のため均一な印字ができなかった。また、可逆性感熱記
録媒体の搬送性が悪く、正規の印字画像の長さより短く
印字されるようになった。
【0097】
【発明の効果】本発明の可逆性感熱記録媒体によれば、
発色性と消色性が良好で、繰り返し使用によっても記録
媒体に打こんが発生することなく、また搬送不良が発生
することなく、繰り返し耐久性に優れた記録を行うこと
ができる。また、本発明の可逆性感熱記録媒体は、太陽
光あるいは蛍光灯などの光を長時間当てても印字画像部
及び地肌部が変色することなく、また光を長時間当てた
後に印字画像部の消去の操作を行った場合にも消色不良
を起こすことがなく、耐光性に優れた可逆性感熱記録媒
体である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆性感熱記録媒体における発色消色
特性を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 筒井 恭治 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 島田 勝 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に電子供与性呈色性化合物と電
    子受容性化合物を主成分として含有し、加熱温度および
    /または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色し
    た状態と消色した状態を形成しうる可逆性熱発色組成物
    を含有する可逆性感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒
    体において、該可逆性感熱記録層が架橋状態の樹脂を含
    有し、該可逆性感熱記録層上に硬化性樹脂及び滑剤を含
    有する保護層を有することを特徴とする可逆性感熱記録
    媒体。
  2. 【請求項2】 可逆性感熱記録層と硬化性樹脂及び滑剤
    を含有する保護層の間に中間層を有することを特徴とす
    る請求項1記載の可逆性感熱記録媒体。
  3. 【請求項3】 中間層が硬化性樹脂を含有することを特
    徴とする請求項2記載の可逆性感熱記録媒体。
  4. 【請求項4】 中間層がフィラーを含有することを特徴
    とする請求項2または3記載の可逆性感熱記録媒体。
  5. 【請求項5】 保護層中に含まれる滑剤がシリコーンオ
    イルであることを特徴とする請求項1、2、3または4
    記載の可逆性感熱記録媒体。
  6. 【請求項6】 保護層中に含まれる滑剤がワックスであ
    ることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の可
    逆性感熱記録媒体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004082955A1 (ja) * 2003-03-20 2004-09-30 Ricoh Company, Ltd. 可逆性感熱記録媒体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004082955A1 (ja) * 2003-03-20 2004-09-30 Ricoh Company, Ltd. 可逆性感熱記録媒体

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