明 細 書
非水電解質二次電池
技術分野
本発明は、 非水電解質二次電池に関する ものである。
背景技術
近年、 V T R、 携帯電話、 モバイ ルコ ンピュータ等の電子 機器の小型、 軽量化に伴い、 それらの電源である二次電池の エネルギー密度を高く する こ と が要望されている。 このよ う なこ とから、 リ チウムを負極とする非水電解質二次電池の研 究が活発におこなわれてお り 、 すでに、 L i C o O 2 を正極 活物質に用いた リ チウムイオン二次電池が実用化されている と ころで、 非水電解質二次電池の負極には、 リ チウム、 リ チウム合金またはリ チウムを吸蔵放出する化合物が用い られ ている。 また、 非水電解質と しては、 非水溶媒に リ チウム塩
(電解質) を溶解したものが多用 されている。 かかる非水溶 媒と しては、 プロ ピ レンカーボネー ト ( P C ) 、 エチレン力 ーポネー ト ( E C ) 、 ェチルメ チルカーボネー ト ( E M C ) ジメ チルカーポネー ト ( D M C ) 、 ジェチルカーポネー ト
( D E C ) 、 1 , 2 —ジメ トキシェタ ン ( D M E ) 、 γ —プ チルラ ク ト ン ( γ - B L ) 、 テ ト ラ ヒ ドロ フ ラ ン ( T H F ) 2 —メ チルテ ト ラ ヒ ドロ フ ラ ン ( 2 — M e T H F ) が知 られ ている。 一方、 リ チウム塩と しては、 L i C 1 04、 L i B F L i A s F 6、 L i P F 6、 L i C F 3 S O 3s L i A 1 C 1 4が知られてレヽる。
一方、 正極活物質と しては、 層状化合物のイ ンターカ レー
ショ ン、 または ドーピング現象を利用 したものが注目 されて いる。
前記層状化合物のィ ンタ一力 レーシ ョ ンを利用 した ものの 中でも、 カルコゲナイ ド化合物が比較的優れた充放電サイ ク ル特性を示している。 しカゝしなが ら、 カルコゲナイ ド化合物 は起電力が低く 、 リ チウム金属を負極と して用いた場合でも 実用的な充電電圧はせいぜい 2 V前後であ り 、 非水電解質二 次電池の特徴である高起電力 とい う点を満足する ものではな い。
層状化合物のィ ンタ一力 レーショ ンを利用 した活物質は、 カルコゲナイ ド化合物の他にも存在する。 かかる活物質の う ちの V 6O 13、 L i C o 〇 2、 L i N i O 2 と、 ドーピング現 象を利用 した L i M n 204 な どの金属酸化物系化合物は、 高起電力とい う 特徴を有する点で注目 されている。 特に、 L i N i 02 を活物質と して含む正極は、 4 V程度の起電力を 有し、 しかも理論的エネルギー密度が正極活物質あた り ほぼ 1 k W h / k g とい う 大きな値を有する。
しかしなが ら、 L i N i O 2 を活物質と して含む正極を備 えた非水電解質二次電池は、 充放電サイ クル寿命が低いとい う 問題点がある。
一方、 特開 B¾ 6 3 - 1 2 1 2 5 8号公開公報には、 層状構 造を有し、 一般式 AxB yC zDw02 で示される複合酸化物を 正極と して用いる非水系二次電池が開示されている。 一般式 中、 Aはアル力 リ金属から選ばれた少なく と も 1 種であ り 、 Bは遷移金属であ り 、 Cは A l 、 I n、 S n の群から選ばれ
た少なく と も 1種であ り 、 Dは ( a ) A以外のアルカ リ 金属 - ( b ) B以外の遷移金属、 ( c ) II a 族元素、 ( d ) A l 、 I n 、 S n 、 炭素、 窒素、 酸素を除く III b族、 IV b 族、 V b 族、 VI b 族の第 2 〜第 6 周期の元素、 の群か ら選ばれた 少な く と も 1種を表わす。 x、 y 、 z 、 wは各々 0 . 0 5 ≤ X ≤ 1 . 1 0、 0 . 8 5 ≤ y ≤ 1 . 0 0、 0 . 0 0 1 ≤ z ≤ 0 . 1 0 、 0 . 0 0 1 ≤ w ≤ 0 . 1 0 の数を表わす。
しかしながら、 前記公開公報に記載された非水系二次電池 は、 十分なサイ クル寿命を得られる ものではなかった。
発明の開示
本発明は、 充放電サイ クル寿命が向上された非水電解質二 次電池を提供する こ と を目 的とする。
本発明によれば、 正極活物質を含む正極と、 負極と、 非水 電解質と を具備する非水電解質二次電池であって、
前記正極活物質は、 下記 (A) 式で表わされる酸化物粒子 及ぴ下記 ( B ) 式で表わされる酸化物粒子を含み、 前記正極 活物質中の前記 (A ) 式で表わされる酸化物粒子の割合は 5 0重量%を超えてお り 、 かつ前記正極活物質は下記 ( 1 ) 〜 ( 5 ) 式を満足する非水電解質二次電池が提供される。
L 1 XN i yC o zMwO 2 ( A )
L i aC o b M c 02 ( B )
但し、 前記 Mは、 M n、 B、 A l 及び S n よ り なる群力 ら 選択される 1種類以上の元素であ り 、 前記モル比 x、 y s z w、 a 、 b 、 c は、 それぞれ、 0 . 9 5 x ≤ l . 0 5 、 0 7 ≤ y ≤ 0 . 9 5、 0 . 0 5 ≤ z ≤ 0 . 3 、 0 ≤ w≤ 0 . 1
0 . 9 5 ≤ y + z + w≤ l . 0 5 、 0 9 5 ≤ a ≤ 1 . 0 5
0 . 9 5 ≤ b ≤ 1 . 0 5 、 0 ≤ c ≤ 0 0 5 、 0 . 9 5 ≤ b + c ≤ 1 . 0 5 を示し、
1 . 4 ≤ ( D謂ノ DN50) ≤ 2 ( 1 )
4 ≤ ( DN50/DN10) ≤ 2 ( 2 )
1 4 ≤ ( D C9o/D C5o) ≤ 2 ( 3 )
1 · 4 ≤ ( D C50/D clo) ≤ 2 ( 4 )
1 . 5 ≤ ( DN50/D C5o) ≤ 2 . 5 ( 5 ) 伹し、 前記 D NIO、 前記 D N50、 前記 D N90 は、 L i X i y C o ZM wO 2 粒子の体積累積頻度が 1 0 %、 5 0 °ノ 9 0 %の粒径を示 し、 前記 D C10、 前記 D C50、 前記 D c90 は L i aC o b M c O 2 粒子の体積累積頻度が 1 0 %、 5 0 %
9 0 %の粒径を示す。
図面の簡単な説明
図 1 は、 本発明に係わる非水電解質二次電池の一例である 薄型非水電解質二次電池を示す断面図。
図 2 は、 図 1 の A部を示す拡大断面図。
図 3 は、 本発明に係わる非水電解質二次電池の一例である 角形非水電解質二次電池を示す断面図。
発明を実施するための最良の形態
本発明に係る非水電解質二次電池の一例について説明する 本発明に係る非水電解質二次電池は、 容器と、 容器内に収 納され、 かつ正極及び負極を含む電極群と、 前記電極群に保 持される非水電解質と を具備する。
この二次電池においては、 正極と負極の間にセパレータを
配置しても良い し、 セパ レータの代わり にゲル状または固体 状の非水電解質層を用いる こ と も可能である。
以下、 正極、 負極、 セパ レータ、 非水電解質おょぴ容器に ついて説明する。
1 ) 正極
この正極は、 集電体と、 前記集電体の片面も しく は両面に 担持され、 かつ正極活物質を含有する正極層 と を含む。
正極活物質は、 下記 ( A ) 式で表わされる酸化物粒子及び 下記 ( B〉 式で表わされる酸化物粒子を含む。 前記正極活物 質中の前記 (A ) 式で表わされる酸化物粒子の割合は 5 0重 量%を超える。
L i XN i y C o ZM wO 2 ( A )
L i aC o b M c 02 ( B )
但し、 前記 Mは、 M n、 B、 A l 及び S n よ り なる群力 ら 選択される 1種類以上の元素であ り 、 前記モル比 x、 y、 z w、 a 、 b 、 c は、 それぞれ、 0 . 9 5 x ≤ l . 0 5 、 0 7 ≤ y ≤ 0 . 9 5 、 0 . 0 5 ≤ z ≤ 0 . 3 、 0 ≤ w ≤ 0 . 1 0 . 9 5 ≤ y + z + w ≤ l . 0 5 、 0 . 9 5 ≤ a ≤ 1 . 0 5 0 . 9 5 ≤ b ≤ 1 . 0 5、 0 ≤ c ≤ 0 . 0 5 、 0 . 9 5 ≤ b + c ≤ 1 . 0 5 を示す。
また、 こ の正極活物質は、 下記 ( 1 ) 〜 ( 5 ) 式を満足す る。
4 ≤ ( D謂 Z D N50) ≤ 2 ( 1 )
4 ≤ ( D N50/ D N10) ≤ 2 ( 2 )
≤ ( D C90 D C50) ≤ 2 ( 3 )
1 · ≤ ( Ό C50/ Ό C l 0) ≤ 2 ( 4 )
1 · 5 ≤ ( D N50/ D C5o) ≤ . 5 ( 5 )
伹し、 前記 D N10 は、 前記し i XN i yC o zMw02 粒子の 体積累積頻度 1 0 %粒径を示 し、 前記 D N50 は、 前記し i x N i y C o zMwO 2 粒子の体積累積頻度 5 0 %粒径を示 し、 前記 D N90 は、 前記 L i XN i yC o zMwO 2 粒子の体積累積 頻度 9 0 %粒径を示す。 一方、 前記 D ciO は、 前記 L i a C o b M c O 2 粒子の体積累積頻度 1 0 %粒径を示し、 前記 D C50 は、 前記 L i a C o b M c 0 2 粒子の体積累積頻度 5 0 %粒径を示 し、 前記 D C90 は、 前記 L i a C o b M c 02 粒子の体積累積頻度 9 0 %粒径を示す。
{ L i XN i y C o zMwO 2 粒子 (以下、 ニ ッケル系粒子と 称す) }
( L i )
リ チウムのモル比 X を前記範囲に規定する のは、 以下に説 明する理由によ る も のである。 モル比 X を 0 . 9 5未満にす る と、 充放電反応に寄与する L i イオンが減少して放電容量 が低下する。 一方、 モル比 X力 1 . 0 5 を超える と、 N i サ ィ トへの L i イオンの混入が生じるため、 放電容量が低下す る。 また、 結晶構造の変化によって反応性が低下するため、 放電電圧が低下する。 モル比 X のさ らに好ま しい範囲は、 0 . 9 7 ≤ X ≤ 1 . 0 3 である。
( N i )
ニ ッケルのモル比 y を前記範囲に規定する のは、 以下に説 明する理由によ る ものである。 モル比 y を 0 . 7未満にする
と、 L i C o 〇 2 によ る放電容量に近い特性と なるため、 ェ ネルギー密度向上を達成し難く なる。 一方、 モル比 yが 0 . 9 5 を超える と、 放電容量が大き く なるも のの、 充放電サイ クルに伴い結晶構造の分解が起こ りやすく なる。 モル比 y の さ らに好ま しい範囲は、 0 . 7 5 y 0 . 9 である。
( C o )
コ バル ト のモル比 z を前記範囲に規定する のは、 以下に説 明する理由によ る ものである。 モル比 z を 0 . 0 5未満にす る と、 N i 層のスタ ツキングが乱れやすく 、 充放電サイ クル に伴い結晶構造の分解が起こ り やすい。 一方、 モル比 z が 0 . 3 を超える と、 C o層のスタ ツキングを整える (結晶性を高 く する) ために合成温度を 8 5 0 °C以上にする必要があるが、 合成温度を高く する と、 N i — Oの結合が切れて脱酸素反応 が生じ、 R 3 m構造からの逸脱が起こ り 、 放電容量が低下す る。 モル比 z のさ らに好ま しい範囲は、 0 . 1 ≤ z ≤ 0 . 2 5 である。
(元素 M)
元素 Mは、 充放電サイ クルによ る分解を抑制する効果を奏 し、 結晶の構造を支える柱と なる こ と が可能である。 また、 元素 Mの添加によ り 、 反応界面での非水電解質の分解を抑制 する こ と も可能である。 伹し、 モル比 wが 0 . 1 を超える と、 リ チウムイオンサイ トへニッケルが混入しやすく なるため、 結晶構造が変化し大電流の放電が困難となる恐れがある こ と 力、ら、 モル比 wは 0 . 1 以下にする こ とが望ま しい。 モル比 wの よ り 好ま しい範囲は O w O . 0 7 で、 さ らに好ま し
い範囲は 0 ≤ w ≤ 0 . 0 5 で、 最も好ま しレ、範囲は 0 w≤ 0 . 0 3 である。 元素 Mの添加効果を十分に得るために、 モ ル比 wの下限値は 0 . 0 0 1 にする こ とが好ま しい。
元素 Mの中でも S nが好ま しい。 元素 Mと して S n を用い る と、 高温環境下での充放電サイ クル寿命を向上する こ とが でき る。 これは、 正極の表面に E C由来の保護被膜が形成さ れる反応が促進され、 高温環境下 ( 4 5 °C付近) での正極と γ —プチルラク ト ンと の反応が抑制されるためである と推測 される。 なお、 L i xN i yC o zS n w02 粒子は、 L i xN i yC o zO 2 と L i 2 S n O 3 との混合物である。
また、 元素 Mと して A 1 または M n を用いる と、 L i xN i yC o zMwO 2 粒子の結晶構造の安定性が高く なるため、 長期サイ クルに亘つて充放電を安定して行な う こ とができ、 充放電サイ クル寿命をよ り 向上する こ とができる。
モル比 y、 z 、 wの合計 ( y + z + w ) を前記範囲に規定 する理由を説明する。 ( y + z + w ) を 0 . 9 5未満にする と、 粒子中の L i 比率が高く なるため、 充放電反応に寄与し ない不純物が生成し、 放電容量が低下する。 一方、 ( y + z + w ) が 1 . 0 5 を超える と、 反応に寄与する L i 量が減少 するため、 放電容量が低下する。
( D N90Z D N50) と ( D N50Z D N10) のそれぞれを 1 .
4 ~ 2 の範囲内に限定するのは、 以下に説明する理由による ものである。 ( D N90/ D N50) と ( D NSOZ D NIO) が 1 で ある と は、 エッケル系粒子の粒度分布が単分散である こ と を 意味する。 ( D N90/ D N50) および ( D N50/ DNi0) 力 S 1 .
4未満である と、 ニッケル系粒子の粒度分布が狭いため、 正 極の活物質充填量が不足して高容量を得られなく なる。
一方、 ( D N90/ D N50) が 2 を超えるニ ッケル系粒子に は、 大粒径の粒子が多く含まれている。 大粒径の粒子は、 リ チウムの吸蔵 ·放出に伴 う膨張収縮が大きいため、 微粉化の 進行が速い。 よ って、 ( D N90Z D N50) 力 S 2 を超える と 、 ニッケル系粒子の微粉化が進み、 長寿命を得られなく なる。
また、 ( D N50_ D N10) が 2 を超える - ッケル系粒子に は、 微小粒子が多く 含まれている。 このよ う なニッケル系粒 子は、 非水電解質に対する反応性が高いため、 非水電解質の 酸化分解が進み、 充放電サイ クル寿命が低下する。
( DN90/DN50) および ( DN50ZDN10) それぞれの さ らに好ま しい範囲は、 1 . 5 〜 1 . 9 である。
正極活物質中のエッケル系粒子の含有量を 5 0重量%よ り も多く するのは、 以下に説明する理由によ る ものである。 正 極活物質中のニ ッケル系粒子の含有量を 5 0重量%以下にす る と、 単位重量当 り の放電容量 (比容量) が低下する。 但し、 ニッケル系粒子の含有量が 9 0重量%を超える と、 高い放電 電圧と優れた大電流充放電特性が得られな く なる恐れがある ため、 ニッケル系粒子の含有量は、 5 0重量%よ り 多く 、 9 0重量%以下の範囲内にする こ と が望ま しい。
さ らに好ま しい範囲は、 5 0 〜 8 0重量%である。
{ L i aC o b M c 〇 2 粒子 (以下、 コバル ト系粒子と称 す) }
リ チウムのモル比 a を前記範囲に規定する のは、 以下に説
明する理由によ る ものである。 モル比 a を 0 . 9 5未満にす る と 、 充放電反応に寄与する L i イオンが減少するため、 放 電容量が低下する。 一方、 モル比 a が 1 . 0 5 を超える と、 L i C o O 2 構造と は異なる不純物が生成するため、 放電容 量が低下する。 モル比 a のさ らに好ま しい範囲は、 0 . 9 7 ≤ a ≤ 1 . 0 3 である。
( C o )
コ バル ト のモル比 b を前記範囲に規定する のは、 以下に説 明する理由によ る ものである。 モル比 b を 0 . 9 5未満にす る と、 相対的に ( a / b ) 比が大き く なるため、 充放電反応 に寄与する L i イオンが減少 し、 放電容量が低下する。 一方、 モル比 b 力 S 1 . 0 5 を超える と、 相対的に ( a Z b ) 比が小 さ く なるため、 充放電に関与しない不純物が生成 して放電容 量が低下する。 モル比 b のさ らに好ま しい範囲は、 0 . 9 7 ≤ b ≤ 1 . 0 3 である。
(元素 M)
元素 Mは、 非水電解質の分解反応を抑制も しく は制御 した り 、 充放電サイ クルによる結晶構造の分解を抑制するための 構造強化の役割をなす。 また、 充放電に対して元素 Mの価数 が変化しない場合、 結晶構造が強化されるため、 サイ クル特 性が向上される。 但し、 モル比 c 力 S 0 . 0 5 を超える と、 相 対的に C o 量が低下し、 電池反応に関与する L i 量が不足す るため、 放電容量が低下する。 よって、 モル比 c は 0 . 0 5 以下にする こ と が望ま しい。 モル比 c のさ らに好ま しい範囲 は、 0 . 0 0 1 ≤ c ≤ 0 . 0 3 である。
元素 Mの中でも S nが好ま しい。 元素 Mと して S n を用い る と 、 高温環境下での充放電サイ クル寿命を向上する こ とが でき る。 これは、 正極の表面に E C由来の保護被膜が形成さ れる反応が促進され、 高温環境下 ( 4 5 °C付近) での正極と y —プチルラク ト ン と の反応が抑制されるためである と推測 される。 なお、 L i aC o b S n c 02 粒子は、 L i aC 。 b O 2 と L i 2S n O 3 との混合物である。
モル比 b 、 c の合計 ( b + c ) を前記範囲に規定する理由 を説明する。 ( b + c ) を 0 . 9 5未満にする と、 粒子中の L i 比率が高く なるため、 充放電反応に寄与しない不純物が 生成し、 放電容量が低下する。 一方、 ( b + c ) が 1 . 0 5 を超える と、 反応に寄与する L i 量が減少するため、 放電容 量が低下する。
( D C90/ D C50) と ( D C50Z D C10) のそれぞれを 1 . 4 ~ 2 の範囲内に限定するのは、 以下に説明する理由による ものである。 ( D c90Z D C5O) と ( D C50/ D C10) が 1 で ある と は、 コバル ト系粒子の粒度分布が単分散である こ と を 意味する。 ( D c90Z D C50) および ( D C50Z D ciO) が 1 4未満である と、 コバル ト系粒子の粒度分布が狭いため、 正 極の活物質充填量が不足して高容量を得られなく なる。
一方、 ( D C9o D C5o) が 2 を超える コバル ト 系粒子に は、 大粒径の粒子が多く 含まれている。 このよ う なコバル ト 系粒子は、 リ チウム拡散速度が遅いため、 大電流充放電特性 の低下を招 く 。
また、 ( D C50/ D C10) が 2 を超える コバル ト 系粒子に
は、 微小粒子が多く 含まれている。 このよ う なコバル ト系粒 子は、 非水電解質と の反応性が高いため、 非水電解質の酸化 分解が進み、 充放電サイ ク ル寿命が低下する。
( D C90/ D C50) および ( D C50/ D ciO) それぞれの さ らに好ま しい範囲は、 1 . 5 〜 1 . 9 である。
コバル ト系粒子の D C50 は、 0 . 2 ;α ιη以上、 3 0 μ πι以 下の範囲内である こ と が好ま しい。 これは次のよ う な理由に よる ものである。 D C50 を 0 . 未満にする と、 コバル ト系粒子の結晶成長が不充分と なって充分な放電容量を得ら れな く なる恐れがある。 一方、 D C50 力 3 0 μ π を超える と、 正極の製造時に、 均一な正極表面を得る こ と が困難になるほ か、 粒子径が大きいために体積当 り の表面積が少なく なって 反応性が低下する。 D C50 のよ り 好ま しい範囲は、 Ι μ πι以 上、 1 5 μ πι以下である。
前述したエッケル系粒子及びコ バル ト系粒子が体積累積頻 度 1 0 %、 5 0 %、 9 0 %について前述した ( 1 ) 〜 ( 4 ) の関係を満た した際に、 粒径 D ( D Ν5θ/ D C50) を 1 . 5 〜 2 . 5 の範囲内に規定する理由 につ い て説明する。 ( D N50, D C50) が 1 以上、 1 · 5未満である と 、 ニ ッケル系 粒子の粒度分布と コバル ト系粒子の粒度分布の類似性が高い ため、 エ ッケル系粒子の リ チウム吸蔵 · 放出に伴 う膨張収縮 をコバル ト系粒子で抑制する こ とが困難にな り 、 充放電サイ クル寿命が低下する。 また、 コバル ト系粒子は、 平均放電電 圧をニッケル系粒子よ り も高く する こ とができ、 かつ放電初 期力 ら リ チ ウ ムの吸蔵 ·放出を容易に行 う こ と ができ る。
( D N50/ D C50) 力 S 1 よ り 小さい場合には、 コ バル ト 系粒 子の粒度分布がニ ッ ケル系粒子の粒度分布よ り も大粒径側に 存在するため、 コ バル ト系粒子の リ チウム拡散速度が損なわ れ、 大電流充放電特性が劣化する。
( D N50Z D C50) が 2 . 5 を超える と 、 ニ ッ ケル系粒子 の粒度分布がコバル ト系粒子の粒度分布よ り も著しく 大粒径 側に位置するため、 ニ ッケル系粒子の反応性と コバル ト系粒 子の反応性の差が顕著になる。 その結果、 正極において充放 電反応が不均一に生じやすく なるため、 充放電サイ ク ル寿命 が低下する。 また、 かかる正極活物質を用いてペース ト を調 製する と、 ペース ト の分散性あるいは塗工性が損なわれるた め、 品質の安定した正極を得る こ とが困難になる。 ( D N50 / D c5o) のよ り 好ま しい範囲は、 1 . 6 〜 2 . 4である。
正極活物質には、 ニ ッケル系粒子と コバル ト系粒子をそれ ぞれ 1種類ずつ用いても良いが、 ニッケル系粒子と して組成 の異なる 2種類以上を用いても、 も しく はコ バル ト系粒子と して組成の異なる 2種類以上を用いても良い。
前記正極は、 例えば、 以下の ( i ) 〜 ( i i i ) に説明する方 法で作製される。
(i) 正極活物質、 導電剤および結着剤を適当 な溶媒に懸 濁させ、 得られた合剤ス ラ リ ーを集電体に塗布し、 乾燥した 後、 プ レスを施し、 所望の大き さ に裁断する こ と によって正 極を得る。 この時、 集電体の片面当 り のス ラ リ ーの塗布量を 1 0 0 〜 4 0 0 g /m2 の範囲内にする こ と が好ま しい。
(ii) 正極活物質、 導電剤および結着剤を混練し、 得られ
た混合物をペ レ ッ ト状に成型した後、 得られたペ レ ッ ト を集 電体に圧着する こ と によ り 正極を得る。
(iii) 正極活物質、 導電剤および結着剤を混練 し、 得 ら れた混合物をシー ト状に成型した後、 得られたシー ト を集電 体に圧着する こ と によ り 正極を得る。
前記導電剤と しては、 例えば、 アセチレンブラ ックゃケッ チェ ンブラ ック などのカーボンブラ ック、 黒鉛等を挙げる こ とができ る。
前記結着剤と しては、 例えば、 ポリ フ ッ化ビ- リ デン ( P V d F ) 、 モノ マー成分と してフ ッ化ビユ リ デン ( V d F ) 、 テ ト ラ フルォロ エチ レン ( T F E ) 、 へキサフルォロ プロ ピ レン (H F P ) 、 ク ロ 口 ト リ フルォロエチ レン ( C T F E ) 、 パー フノレオ ロ ア ノレキノレ ビ -ノレエーテノレ ( P F A ) 、 エチ レ ン を含む共重合体あるいは三元共重合体等を用いる こ とができ る。
正極活物質、 導電剤および結着剤の配合割合は、 正極活物 質 8 0 〜 9 5重量%、 導電剤 3 〜 1 0重量%、 結着剤 2 〜 1 0重量%の範囲である こ と が好ま しい。
前記集電体と しては、 例えばアルミ ニウム箔、 ステ ン レス 箔、 チタ ン箔を用いる こ とができ るが、 引張り 強度、 電気化 学的な安定性および捲回時の柔軟性等を考慮する とアルミ 二 ゥム箔が最も好ま しい。 この時の箔の厚さは 1 O z m以上、 3 0 μ m以下である こ とが好ま しい。 集電体は箔状である他 にもパンチ ドメ タル、 エキスパン ドメ タル等の有孔集電体を 使用 しても良い。
2 ) 負極
こ の負極は、 集電体と、 前記集電体の片面も しく は両面に 担持される負極層 と を含む。
負極層には、 リ チウムイオンまたはリ チウム原子を吸蔵 · 放出する化合物が含まれる。 かかる化合物と しては、 例えば、 導電性高分子 (例えば、 ポ リ アセ タ ール、 ポ リ アセチ レ ン、 ポリ ピロールなど) 、 有機物焼結体のよ う な炭素材料な どを 挙げる こ と ができ る。
前記炭素材料は、 原料の種類や焼結法によ り 特性を調節す る こ とができ る。 炭素材料の具体例と しては、 黒鉛系炭素材 料、 黒鉛結晶部と非晶部が混在したよ う な炭素材料、 結晶層 の積層に規則性のない乱層構造を取る炭素材料な どを挙げる こ と ができ る。
前記負極は、 例えば、 以下の (I ) 〜 (I I I ) に説明する方 法で作製される。
( I ) リ チウムイ オ ンま たは リ チウム原子を吸蔵 · 放出す る化合物と結着剤と を適当な溶媒に懸濁させ、 得られた合剤 ス ラ リ ーを集電体に塗布し、 乾燥した後、 プ レスを施し、 所 望の大き さ に裁断する こ と によって負極を得る。 この時、 集 電体の片面当 り のス ラ リ ーの塗布量を 5 0 〜 2 0 0 g / m 2 の範囲内にする こ とが好ま しい。
( I I ) リ チウムイ オンまたは リ チウム原子を吸蔵 ■ 放出す る化合物と結着剤と を混練し、 得られた混合物をペ レ ッ ト状 に成型した後、 得られたペ レ ッ ト を集電体に圧着する こ と に よ り負極を得る。
(III) リ チウ ムイ オンま たは リ チウム原子を吸蔵 ■ 放出 する化合物と結着剤 と を混練し、 得られた混合物をシー ト状 に成型した後、 得られたシー ト を集電体に圧着する こ と によ り負極を得る。
前記結着剤と しては、 前述した正極で説明 したのと 同様な ものを挙げる こ とができる。
前記負極の集電体と しては、 例えば銅箔、 ニ ッケル箔等を 用いる こ と ができる。 電気化学的な安定性および柔軟性を考 慮する と、 銅箔がも っ と も好ま しい。 この時の箔の厚さ はと しては 8 m以上、 2 Ο μ ιη以下である こ と が好ま しい。 集 電体は箔状である他にもパンチ ドメ タル、 エキスパン ドメ タ ル等の有孔集電体を使用 しても良い。
3 ) 非水電解質
非水電解質には、 実質的に液状またはゲル状の形態を有す る ものを使用する こ と ができ る。 液状非水電解質は、 非水溶 媒と、 非水溶媒に溶解される電解質と を含む。 一方、 ゲル状 非水電解質は、 液状非水電解質と、 液状非水電解質をゲル化 させるゲル化剤 と を含むものである。 ゲル化剤と しては、 例 えば、 ポ リ エチレンオキサイ ド、 ポリ アク リ ロニ ト リ ル等を 挙げる こ と ができ る。
前記非水溶媒と しては、 例えば、 プロ ピ レンカーボネー ト ( P C ) 、 エチ レンカーボネー ト ( E C ) 、 ェチルメ チルカ ーボネー ト ( E M C ) 、 ジメ チルカーボネー 1、 ( D M C ) 、 ジェチルカーボネー ト ( D E C ) 、 ジエ ト キシェタ ン ( D E E ) 、 γ —プチルラ ク ト ン ( γ — B L ) 、 テ ト ラ ヒ ドロ フラ
ン ( T H F ) 、 2 — メ チルテ ト ラ ヒ ド ロ フ ラ ン ( 2 — M e T H F ) 、 1 , 3 —ジォキソラ ン、 1 , 3 —ジメ ト キシプロパ ン等を挙げる こ とができ る。 使用する非水溶媒の種類は、 1 種類または 2種類以上にする こ と ができ る。
前記電解質と しては、 例えば、 過塩素酸リ チウム ( L i C 1 O 4) 、 四フ ッ化ホウ酸リ チウム ( L i B F 4 ) 、 六フ ッ 化砒素 リ チウム ( L i A s F 6 ) 、 ト リ フルォロ メ タ ンス ルホン酸リ チウム ( L i C F 3 S O 3 ) 、 ビス ト リ フルォ ロ メ チルス ルホ ニルイ ミ ド リ チ ウ ム [ ( L i N ( C F 3 S O 2 ) 2 ] 、 L i N ( C 2 F 5 S O 2) 2、 四塩化アルミ ニ ゥ ム リ チウムなどの リ チウム塩を挙げる こ とができ る。 使用す る電解質の種類は、 1 種類または 2種類以上にする こ と がで さる。
前記電解質の前記非水溶媒に対する溶解量は、 0 . 5 〜 1 . 5 モル/ L の範囲内にする こ と が望ま しい。
4 ) セノヽ0 レ一 タ
こ のセパ レータは、 多孔質シー トから形成される。
前記多孔質シー ト は、 例えば、 多孔質フ ィ ルム、 も し く は 不織布を用いる こ とができ る。 前記多孔質シー トは、 例えば、 ポリ オレ フイ ンおよびセルロ ースカゝら選ばれる少なく と も 1 種類の材料からなる こ とが好ま しい。 前記ポリ オレフイ ンと しては、 例えば、 ポ リ エチ レン、 ポ リ プロ ピ レ ンをあげる こ とができ る。 中でも、 ポリ エチレンか、 あるいはポリ プロ ピ レン、 または両者からなる多孔質フ ィ ルムは、 二次電池の安 全性を向上でき るため好ま しい。
5 ) 容器
容器の形状は、 例えば、 有底円筒形、 有底角筒形、 袋状、 カ ップ状等にする こ と ができ る。
前記容器は、 例えば、 樹脂、 樹脂層を含むシー ト、 金属板、 金属フィ ルム等から形成する こ と ができ る。
前記樹脂と しては、 例えば、 ポ リ エチレンやポ リ プロ ピレ ンのよ う なポリ オレフイ ン、 ナイ ロ ン等をあげる こ と ができ る。
前記シー ト に含まれる樹脂層は、 た と えば、 ポ リ エチレン、 ポリ プロ ピレン、 ナイ ロ ン等から形成する こ とができ る。 前 記シー ト と しては金属層 と、 前記金属層の両面に配置された 保護層とが一体化されたシー ト を用いる こ と が好ま しい。 前 記金属層は、 例えば、 アルミ ニウム、 ステンレス、 鉄、 銅、 ニッケル等から形成される。 中でも、 軽量で、 水分を遮断す る機能が高いアルミ ニウムが好ま しい。 前記金属層は、 1種 類の金属から形成しても よいが、 2種類以上の金属を一体化 させたものから形成しても よい。 前記 2つの保護層の う ち、 外部と接する保護層は前記金属層の損傷を防止する役割をな す。 この外部保護層は、 1 種類の樹脂層、 も しく は 2種類以 上の樹脂層から形成される。 一方、 内部保護層は、 前記金属 層が非水電解質によ り 腐食される のを防止する役割を担 う。 この内部保護相は、 1 種類の樹脂層、 も しく は 2種類以上の 樹脂層から形成される。 また、 かかる内部保護層の表面に熱 可塑性樹脂を配する こ とができ る。
前記金属板おょぴ前記金属フ ィ ルムは、 例えば、 鉄、 ステ
ン レス、 アル ミ ニ ウ ム力 ら形成する こ と ができ る 。
本発明に係わる非水電解質二次電池の一例である薄型非水 電解質二次電池を図 1 および図 2 を参照に して説明する。
図 1 は本発明に係わる非水電解質二次電池の一例である薄 型非水電解質二次電池を示す断面図、 図 2 は図 1 の A部を示 す拡大断面図である。 図 1 に示すよ う に、 容器 1 内には、 電 極群 2が収納されている。 前記電極群 2 は、 正極、 セパ レー タおよび負極からなる積層物が扁平形状に捲回された構造を 有する。 前記積層物は、 図 2 に示すよ う に、 (図の下側か ら) セパ レータ 3 、 正極層 4 と正極集電体 5 と正極層 4 と を 備えた正極 6 、 セパ レータ 3 、 負極層 7 と負極集電体 8 と負 極層 7 と を備えた負極 9 、 セパ レータ 3 、 正極層 4 と正極集 電体 5 と正極層 4 と を備えた正極 6 、 セパ レータ 3、 負極層 7 と負極集電体 8 と を備えた負極 9 がこ の順番に積層された されたものからなる。 帯状正極リ ー ド 1 0 は、 一端が前記正 極群 2の前記正極集電体 5 に接続され、 かつ、 他端が前記容 器 1 から延出されている。 一方、 帯状の負極リ ー ド 1 1 は、 一端が前記負極群 2 の前記負極集電体 8 に接続され、 かつ、 他端が前記容器 1 から延出されている。
なお、 前述した図 1 、 図 2 においては正極と負極がセパ レ ータ を介在させて扁平形状に捲回された電極群を用いたが、 正極と負極をセパレータを介在させて折り たたむこ と による 電極群や、 正極と負極をセパ レータを介在させて積層 した電 極群などを使用 しても よい。
また、 本発明を角形非水電解質二次電池に適用 した例を図
3 に示す。
図 3 に示すよ う に、 例えばアルミ ェゥムのよ う な金属製の 有底矩形筒状容器 1 2 内には、 電極群 1 3 が収納されている。 電極群 1 3 は、 正極 1 4、 セパレータ 1 5及び負極 1 6 力 こ の順序で積層され、 扁平状に捲回されたものである。 中央付 近に開口部を有するスぺーサ 1 7 は、 電極群 1 3 の上方に配 置されている。
非水電解質は、 電極群 1 3 に保持されている。 防爆機構 1 8 a を備え、 かつ中央付近に円形孔が開口 されている封口板 1 8 b は、 容器 1 2 の開口部にレーザ溶接されている。 負極 端子 1 9 は、 封口板 1 8 b の円形孔にハーメ チックシールを 介して配置されている。 負極 1 6 から引き出された負極タブ 2 0 は、 負極端子 1 9 の下端に溶接されている。 一方、 正極 タブ (図示しない) は、 正極端子を兼ねる容器 1 2 に接続さ れている。
以上説明 した本発明に係る非水電解質二次電池の正極活物 質は、 L i aC o b M c 02 粒子 ( コ ノ ル ト系粒子) と 、 5 0重量0 /0を超える L i xN i yC o zMw02 粒子 (ニッケル系 粒子) と を含有し、 かつ前述した ( 1 ) 〜 ( 5 ) 式を満足す る。
こ の よ う な二次電池によれば、 高い放電電圧と優れた大電 流充放電特性を確保しつつ、 正極活物質充填密度と充放電サ イ タル寿命と を向上する こ とができ る。
すなわち、 正極活物質中のニ ッケル系粒子の含有量を 5 0 重量%よ り も多く する こ と によって、 単位重量当 り の放電容
量 (比容量) を向上する こ とができ る。
また、 ニ ッケル系粒子の ( D N90/ D N50) を 1 . 4 〜 2 の範囲内にする こ と によって、 ニ ッケル系粒子の う ち、 リ チ ゥムの吸蔵放出に伴う膨張収縮が極端に大きい粒子を少なく する こ と ができ る。 一方、 コバル ト 系粒子の ( D C90/ D C5o) を 1 . 4〜 2 の範囲内にする こ と によって、 正極活物 質において高い リ チウム拡散速度を確保する こ とができ る。
ニ ッケル系粒子の ( D N50/ D N10) と コバル ト系粒子の ( D C5o/ D C10) と を 1 . 4 〜 2 の範囲内にする こ と に よ つて、 正極活物質の非水電解質に対する反応性を低く する こ とができ るため、 非水電解質の酸化分解を抑制する こ と がで き る。
さ らに、 ( D N50/ D C50) を 1 . 5 〜 2 . 5 の範囲内に する こ と によって、 正極活物質の粒度分布に適度な幅を持た せる こ と ができ るため、 正極活物質の充填密度を向上する こ とができ る。 同時に、 ニッケル系粒子の リ チウム吸蔵 · 放出 に伴 う膨張収縮を、 よ り膨張収縮度合いが小さいコバル ト系 粒子によって抑える こ とができ るため、 ニ ッケル系粒子の微 粉化を抑制する こ とができ る。
従って、 本願発明によれば、 放電電圧、 比容量、 大電流充 放電特性、 活物質'充填密度および充放電サイ クル寿命を同時 に満足する非水電解質二次電池を実現する こ とができ る。
以下、 本発明の実施例を図面を参照 して詳細に説明する。 く正極の比容量 (mA h Z g ) の測定 >
まず、 コバル ト系粒子である L i C o O 2 粒子と、 エッケ
ル系粒子である L i N i 0.81 C o o.19O 2 粒子と を下記表 1 に示す重量比で混合し、 試料 1 〜 7 を用意した。
試料 1 〜 7 を活物質と して用いて作用極を作製した。 すな わち、 ポリ テ ト ラフルォロエチレン ( P T F E ) 0 . 0 3重 量部、 アセチ レ ンブラ ッ ク (A B ) 0 . 0 6 重量部、 活物質 1 重量部をメ ノ ゥ乳鉢で混練し、 ロ ー ラ ープ レス でシー ト化 した後、 ニ ッケル製の網に圧着し、 活物質約 0 . 0 5 g を含 有する 1 c m X l c mの作用極を作製した。
L i 箔をニッケル製の網に圧着して 2 c m X 2 c mの対極 および 0 . 5 c m X 0 . 5 c mの参照極を作製した。 ガラス フィルターを介在させて作用極と対極を対向させて配置し、 参照極を対極と作用極に接触しないよ う に配置してセルを作 製した。
金属性ワイヤーを介 して通電できるガラス容器に前記セル を接続し、 前記セルが浸潰するまで非水電解液 (エチ レ ン力 ーポネー ト ( E C ) と γ —プチルラク ト ンが体積比で 1 : 2 で混合された非水溶媒に L i B F 4 を 1 . 5 m o 1 / L溶解 させたもの) を満た した後、 封止 した。 作業は、 露点一 8 0 °Cのグローブボック ス内部でおこなった。
充電は 1 m Aの定電流で 4 . 2 5 Vまで充電し、 4 . 2 5 Vに達した時点から 4 . 2 5 Vの定電圧で充電した。 定電流 充電と定電圧充電の時間の合計を 2 0時間と した。 放電は 1 . O m Aでおこない 3 . 0 Vに達するまでの放電量を放電容量 と した。 放電容量を作用極中の活物質重量で割った値を比容 量 (m A h / g ) と して、 下記表 1 に示す。 また、 表 1 には、
1 g の L i C o O 2 の放電容量と 同様の放電容量が得られる 試料 1 〜 7 の重量も合わせて示す。
コ ノヽノレ ト系 子 ニッケノレ糸; Ik子 放電谷直 1 g の L1C0O2 の
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匕 1し otJ J g¾r -β. レ ί≡
LiJ io.81し ο0· 19°2') 奴 ¾ "直 と |Bj 寺の
放電容量となる
(重量% ) (重量% ) (mAh/g) 試料重量 ( g )
試料 1 0 1 0 0 1 9 0 0 . 7 8 9
試料 2 1 0 9 0 1 8 6 0 . 8 0 6
t 試料 3 3 0 7 0 1 7 8 0 . 8 4 3
試料 4 4 0 6 0 1 7 4 0 . 8 6 2
試料 5 5 0 5 0 1 7 0 0 . 8 8 2
試料 6 6 0 4 0 1 6 6 0 . 9 0 4
試料 7 1 0 0 0 1 5 0 1
表 1 から明 らかなよ う に、 ニッケル系粒子の配合量が 5 0 重量。/。よ り も多い試料 1 〜 4 は、 放電容量 (m A h / g ) を 試料 5 〜 7 に比較して高く する こ とができ、 また、 L i C o O 2 (試料 7 ) に比較 して少ない量で高い放電容量が得られ る こ とがわかる。
以下の実施例では、 コバル ト系粒子とニ ッケル系粒子との 混合比の違いによる比容量差に起因する影響を少なく するた めに、 負極の塗布量を一定と して、 正極活物質の混合比に合 わせて正極塗布量 (正極活物質含有量) を変化させて電池作 製をおこなった。
〈実施例 1 〉
ぐ正極の作製 >
コバル ト系粒子と して、 体積累積頻度 1 0 %粒径 D c i 0 が 1 . 9 μ mで、 体積累積頻度 5 0 °/0粒径 D C50 力 S 3 . 3 μ で、 体積累積頻度 9 0 %粒径 D C90 力 s 5 . の L i C o
02 粒子を用意した。 また、 ニ ッケル系粒子と して、 体積累 積頻度 1 0 °/。粒径 D N10 が 4 i mで、 体積累積頻度 5 0 %粒 径 D N50 が 7 mで、 体積累積頻度 9 0 %粒径 D Ν90 が 1 1 . 6 μ ιηの L i N i 0. 81 c o 0. 19〇 2粒子を用意した。
( D N5oZ D Nio) 、 ( D Ν9θ/ D Ν5θ) 、 ^ ^ C50/ CIO) 、 ( D C90/ D C50) および ( D N50Z D C50) を下記 表 2 に示す。
体積累積頻度 1 0 %、 5 0 %、 9 0 %粒径は、 以下に説明 する方法で測定した。 すなわち、 レーザー回折 · 散乱法によ り 二 ッケル系粒子と コバル ト系粒子それぞれについての粒径
と各粒度区間での粒子の占有体積を測定する。 粒度区間の体 積を累積して全体の 1 0 %となった時の粒径を体積累積頻度 1 0 °/0粒径と し、 5 0 %の時の粒径を体積累積頻度 5 0 %粒 径と し、 9 0 %の時の粒径を体積累積頻度 9 0 %粒径とする。
まず、 N—メ チルピロ リ ドン 2 5重量部にポリ フ ツイ匕ビ- リ デン (呉羽化学工業製商品名 : # 1 1 0 0 ) 3 重量部を溶 解させた。 上記 L i C o 〇 2 粒子を 8 . 9 重量部と上記 L i N i o.81 C o o.19° 2 粒子を 8 0 . 1 重量部と を混合したも のを正極活物質と し、 この正極活物質と導電性材料であるグ ラフ アイ ト (ロ ンザ社製商品名 : K S 6 ) 8重量部と をポリ フ ッ化ビニ リ デン溶液に添加し、 ディ ゾルバーおよびビ一ズ ミルを用いて攪拌混合し、 正極スラ リ ーを調製した。 このス ラ リ ーを厚み 1 5 μ ηιのアルミ ニウム箔の両面にダイ コータ 一を用いて一定間隔を開けて塗布し、 乾燥した後に一定線圧 ( k g f / c m ) でプレス し、 ス リ ッ トする こ と によ り 、 リ 一ル状正極を得た。 正極層の厚さから活物質の単位体積当た り の密度 (活物質密度 : g Z c m 3) を算出 し、 その結果を 下記表 3 に示す。
なお、 表 2 には、 L i N i 0.81 C ο ο.19θ 2 粒子の重量比 率 WN (重量% ) と L i C o 〇 2 粒子の重量比率 WC (重 量% ) と を併記する。
<負極の作製 >
メ ソフ ェーズピッチ系炭素繊維粉末 (ぺ ト 力社製) 1 0 0 重量部に対して、 グラ フアイ ト粉末 (ロ ンザ社製商品名 : K S 1 5 ) を 1 0重量部添加 して混合し、 さ らにスチレン/プ
タジェンラ テ ッ ク ス (旭化成工業社製商品名 L 1 5 7 1 、 固 形分が 4 8重量% ) 4 . 2重量部と、 增粘材と してカルボキ シメ チルセルロ ース (第一工業製薬製商品名 B S H 1 2 ) の 水溶液 (固形分 1 重量% ) 1 3 0重量部と、 蒸留水 2 0重量 部と を加えて混合し、 ス ラ リ ーを調製した。
厚さが Ι Ο μ ιηの銅箔の両面に、 こ のス ラ リ ーをダイ コー ターによって、 一定間隔を開けて塗布 し、 乾燥した後にプ レ ス し、 ス リ ッ トする こ と によ り 、 リ ール状負極を得た。
<非水電解液の調製 >
エチ レ ンカーボネー ト ( E C ) と y — ブチルラ タ ト ン ( G B L ) が体積比で 1 : 2 で混合された非水溶媒に L i B F 4 を 1 . 5 モル Z L溶解する こ と によ り 非水電解液を得た。
<電池の組み立て >
あ らかじめ正極の集電体タブと して厚さ 1 0 0 μ πι、 長さ 7 O mmのアルミ ニウム リ ボンが所定の位置に超音波溶接さ れ、 かつ短絡防止のためのポリ イ ミ ド製保護テープが溶接部 位に貼付された前記正極、 ポ リ プロ ピ レン製セパ レータ、 お ょぴあら力 じめ負極の集電タブと して厚さ 1 0 0 μ πι長さ 7 0 m mのニ ッケルリ ボンが所定の位置に超音波溶接され、 か つ短絡防止の為にポリ イ ミ ド製保護テープが溶接部位に貼付 された前記負極をそれぞれこの順序で積層 した後、 扁平状に 捲回 し、 9 0 °Cで 3 0秒間プ レス して電極群を作製した。
一方、 アル ミ ニ ウ ム箔の電極群側をポ リ エチ レ ン、 外側を ナイ ロ ンでそれぞれ被覆した厚さ 0 . 1 m mの ラ ミネ一 ト フ イ ルムにカ ップ成型を施すこ と によ り 形成した容器を用意し
た。
前記電極群および前記電解液を前記容器内に収納し、 ヒ ー トシールを施すこ と によ り 薄型非水電解質二次電池 (幅 3 5 m m、 長さ 6 2 m m ) を組みたてた。 注液工程から密封工程 までは、 A r 雰囲気下で露点一 8 0 °Cに制御されたグロ一ブ ボックス内にておこなった。
〈実施例 2〉
正極中の L i C o O 2 粒子の配合量を 2 6 . 7重量部に し、 かっ i N i o.81 C o o.19O 2 粒子の配合量を 6 2 . 3重量 部にする こ と以外は、 前述した実施例 1 で説明 したのと 同様 に して薄型非水電解質二次電池を製造した。
〈実施例 3〉
正極中の L i C o 02 粒子の配合量を 3 5 . 6重量部に し、 かっし i N i 0.81 C o o.19O 2 粒子の配合量を 5 3 . 4重量 部にする こ と以外は、 前述 した実施例 1 で説明 したの と 同様 に して薄型非水電解質二次電池を製造した。
〈実施例 4〉
ニ ッケル系粒子と して、 DN10 カ 5 . 3 / mで、 DN50 力 S 7 . 7 μ mで、 D N90 力 Ι μ πιの L i N i o.8i C o 0.1902 粒子を用いる と共に、 正極中の L i C o O 2 粒子の 配合量を 2 6 . 7重量部に し、 かっし i N i 0.8lC o 0. ι90 2 粒子の配合量を 6 2 . 3重量部にする こ と以外は、 前述し た実施例 1 で説明 したの と 同様に して薄型非水電解質二次電 池を製造した。
〈実施例 5〉
ニッケル系粒子と して、 D N10 力 S 3 . 3 μ πιで、 D N50 力 S 6 . 5 μ mで、 D ^TQO 力 S i 2 . 5 z mの L i N i o.8l C o 0 1902 粒子を用いる と共に、 正極中の L i C o O 2 粒子の 配合量を 2 6 . 7重量部に し、 力 つ L i N i o.8l C o 0. i90 2 粒子の配合量を 6 2 . 3重量部にする こ と以外は、 前述し た実施例 1 で説明 したのと 同様に して薄型非水電解質二次電 池を製造した。
〈実施例 6〉
コバル ト系粒子と して、 D C10 2 · 7 μ mで、 D C50 が 3 . 9 μ mで、 D C90 力 S 5 . の L i C o 〇 2 粒子を用 いる と共に、 正極中の L i C o O 2 粒子の配合量を 2 6 . 7 重量部に し、 かっ し i N i o.81 c o o. 19〇 2 粒子の配合量を 6 2 . 3 重量部にする こ と以外は、 前述した実施例 1 で説明 したのと 同様に して薄型非水電解質二次電池を製造した。
〈実施例 7〉
コバル ト系粒子と して、 D C10 力 1 . 6 μ mで、 D C50 が 3 μ mで、 D a0 力 5 . 7 / mの L i C o 02 粒子を用レヽる と共に、 正極中の L i C o O 2 粒子の配合量を 2 6 . 7重量 部に し、 かっ し i N i 0.81 C ° 0. 19θ 2 粒子の配合量を 6 2 . 3重量部にする こ と以外は、 前述 した実施例 1 で説明 したの と同様に して薄型非水電解質二次電池を製造した。
〈実施例 8〉
ニ ッケル系粒子と して、 D Ni0 力 S 4 . 7 / mで、 D N50 力 S 8 jii mで、 D N90 力 S l 3 . 6 μ m. (D L i N I O.81 C O Q. 1Q O 2 粒子を用いる と共に、 正極中の L i C 0 O 2 粒子の配合量
を 2 6 . 7 重量部に し、 力 つ L i N i o.81 C ο 0. ΙθΟ 2 粒子 の配合量を 6 2 . 3重量部にする こ と以外は、 前述した実施 例 1 で説明 したのと 同様に して薄型非水電解質二次電池を製 造した。
〈実施例 9〉
ニ ッケル系粒子と して、 D N10 ;^ 2 . 9 Ζ ΙΠで、 D N50 ;^ 5 . 2 /X mで、 D SJQO 力 9 μ m ( L i N i 0.81 C o Q. 19 O 2 粒子を用いる と共に、 正極中の L i C o O 2 粒子の配合 量を 2 6 . 7重量部に し、 力 つ L i N i 0.81 C 0 0. 19O 2 粒 子の配合量を 6 2 . 3重量部にする こ と以外は、 前述 した実 施例 1 で説明 したの と同様に して薄型非水電解質二次電池を 製造した。
(実施例 1 0 )
コバル ト系粒子と して、 D C10 力 S 1 . 9 μ ιηで、 D C50 カ 3 . 3 β mで、 D ro0 力 5 . 7 μ πιの L i C o o. 97 S n o. 03 Ο 2 粒子 ( L i C 0 O 2 1 0 0 重量部と した際に 3 . 1 重量 部の L i 2 S n 03 を含む混合物) を用い、 正極中の L i C 0 0.97 S n 0.03O 2 粒子の配合量を 2 6 . 7重量部に し、 力 つ L i N i 0.81 C o 0. 19θ 2 粒子の配合量を 6 2 . 3 重量部 にする こ と以外は、 前述した実施例 1 で説明 したのと 同様に して薄型非水電解質二次電池を製造した。
(実施例 1 1 )
エ ッケノレ系粒子と して、 D Nio カ 4 i mで、 D N50 力 7 mで、 D N90 力、 1 1 . 6 μ πιの L i N i o.78 C o o. is S n 0.03 O 2 粒子 ( L i N i 0.81 C o 0< 1902 1 0 0 重量部 と し
た際に 3 . 1 重量部の L i 2 S n 〇 3 を含む混合物) を用い る と共に、 正極中の L i C o O 2 粒子の配合量を 2 6 . 7重 量部に し、 力 つ L i N i 0.78 C o 0< 18 S n 0.03© 2 粒子の配 合量を 6 2 . 3重量部にする こ と以外は、 前述した実施例 1 で説明 したのと 同様に して薄型非水電解質二次電池を製造し た。
(実施例 1 2 )
ニ ッケル系粒子と して、 DN10 力 4 μ πιで、 DN50 力 7 mで、 D N90 力 § 1 1 . の L i N i o.76 C o 0. 18A l 0.06θ 2 粒子を用いる こ と以外は、 前述した実施例 1 で説明 したのと 同様に して薄型非水電解質二次電池を製造した。
(実施例 1 3 )
ニ ッケル系粒子と して、 D Ν10 力 S 4 μ mで、 D N50 力 S 7 mで、 D N90 力 S l 1 . 6 μ ηιの L i N i 0.76 c ° 0.18 M n 0.06O 2 粒子を用いる こ と以外は、 前述した実施例 1 で説明 したのと 同様に して薄型非水電解質二次電池を製造した。
〈比較例 1 〉
正極活物質と して、 DN10 が 4 μ πιで、 DN50 力 S 7 mで、 D N90 力 S l 1 . 6 μ ιηの L i N i o.81 c o 0 19O 2 粒子のみ を用いる こ と以外は、 前述 した実施例 1 で説明 したの と 同様 に して薄型非水電解質二次電池を製造した。
〈比較例 2〉
正極中の L i C o 02 粒子の配合量を 5 3 . 4重量部に し、 かっし i N i 0.81 C o 0. 19 O 2 粒子の配合量を 3 5 . 6 重量 部にする こ と以外は、 前述 した実施例 1 で説明 したの と 同様
に して薄型非水電解質二次電池を製造した。
〈比較例 3〉
コ バル ト系粒子と して、 D C 10 力 S 2 . 7 mで、 D C50 力 S 3 . 4 μ mで、 D n9o 力 S 4 . の L i C o 〇 2 粒子を用 いる と共に、 正極中の L i C o O 2 粒子の配合量を 2 6 . 7 重量部に し、 かっ i N i 0.81 C o o. lgO 2 粒子の配合量を 6 2 . 3 重量部にする こ と以外は、 前述した実施例 1 で説明 したのと 同様に して薄型非水電解質二次電池を製造した。 <比較例 4 >
コバル ト系粒子と して、 D C10 力 S 1 . 5 μ mで、 D C50 力 s 3 . 5 μ mで、 D ego 力 s 8 . 4 /i mの L i C o 02 粒子を用 いる と共に、 正極中の L i C o O 2 粒子の配合量を 2 6 . 7 重量部に し、 かっ i N i o.81 C o o. 19O 2 粒子の配合量を 6 2 . 3 重量部にする こ と以外は、 前述した実施例 1 で説明 したのと 同様に して薄型非水電解質二次電池を製造した。 〈比較例 5〉
コバル ト系粒子と して、 D C 10 力 S 3 . 8 μ mで、 D C50 が 6 . 1 μ mで、 D C90 力 s l の L i C o O 2 粒子を用い る と共に、 正極中の L i C 0 O 2 粒子の配合量を 2 6 . 7重 量部に し、 かっ し i N i 0.81 C 0 0. 1902 粒子の配合量を 6 2 . 3重量部にする こ と以外は、 前述した実施例 1 で説明 し たの と 同様に して薄型非水電解質二次電池を製造した。
〈比較例 6〉
コ バル ト系粒子と して、 D c 0 力 S 1 . 5 mで、 D C50 力 S 2 . 6 μ mで、 D ego 力 s 4 . の L i C o 〇 2 粒子を用
いる と共に、 正極中の L i C o O 2 粒子の配合量を 2 6 . 7 重量部に し、 かっ i N i 0.81 C o 0.19θ 2 粒子の配合量を 6 2 . 3 重量部にする こ と以外は、 前述した実施例 1 で説明 したのと 同様に して薄型非水電解質二次電池を製造した。 〈比較例 7〉
正極活物質と して、 D cio 力 S l . で、 D c50 力 S 3 . 3 μ mで、 D ego 力 S 5 . の L i C o 〇 2 粒子のみを用 いる こ と以外は、 前述した実施例 1 で説明 したの と 同様に し て薄型非水電解質二次電池を製造した。
得られた実施例 1 〜 1 3及び比較例 1 〜 7 の二次電池につ いて、 以下に説明する方法で 0 . 2 C容量、 1 C容量、 電池 厚さ、 平均放電電圧、 エネルギー密度およびサイ クル寿命を 測定し、 その結果を下記表 3 に示す。
ぐ定格容量 >
組みたて られた二次電池に、 2 0 °Cで 4 . 2 Vまで 1 4 0 m A ( 0 . 2 C m A相当) の定電流で、 さ らに 4 . 2 Vに到 達した後は定電圧で合計 1 2時間初充電を施 した。 3 . 0 V まで 1 4 O m Aの定電流で放電した時の放電容量を測定し、 0 . 2 C放電における定格容量と し、 その結果を下記表 3 に 示す。
< 1 . 0 C放電容量 >
充電を 4 . 2 Vまで定電流 1 4 0 m Aでおこなった後、 さ らに 4 . 2 Vの定電圧で合計 1 2 時間の充電をおこない、 次 いで 3 . 0 Vまで l C m A ( 7 0 O m A) の定電流で放電し た時の放電容量を測定し、 1 . 0 C放電における容量と し、
その結果を下記表 3 に示す。
く電池厚み測定 · エネルギー密度 >
充電を 4 . 2 Vまで定電流 1 4 O m Aでおこなった後、 さ らに 4 . 2 Vの定電圧で合計 1 2時間の充電をおこない、 4 . 2 V時点での電池の厚みを測定した。 平均電圧は 0 . 2 C m A ( 1 4 0 m A ) で 3 . O Vまで放電曲線の積分値から求め た。 体積エネルギー密度は正極および負極の集電タブを除い た電池の幅 ( 3 5 m m ) 、 長さ ( 6 2 mm ) 、 測定した電池 厚さおよび平均電圧から求めた。 結果を表 3 に示す。
くサイ クル寿命〉
充電を 4 . 2 Vまで定電流 1 C ( 7 0 O m A ) でおこない、 さ らに 4 . 2 Vに到達した後は定電圧で合計 3 時間充電をお こない、 放電については 3 . 0 Vまで 1 Cで行った。 放電容 量が 1 サイ クル目 の放電容量の 8 0 %に到達したサイ クル数 を測定し、 その結果をサイ クル寿命と して下記表 3 に示す。
表 2
重量比
wN: wc Dp c n/Dp l n Dpnn/Dp en 丄、 tj
(重量。/。)
実施例 1 90 10 1. 75 1. 66 1. 7 1. 73 2. 13 実施例 2 70 30 1. 75 1. 66 1. 7 1. 73 2. 13 実施例 3 60 40 1. 75 1. 66 1. 7 1. 73 2. 13 実施例 4 70 30 1. 45 1. 44 1. 7 1. 73 2. 33 実施例 5 70 30 1. 71 1. 93 1. 7 1. 73 1. 97 実施例 6 70 30 1. 75 1. 66 1. 45 1. 48 1. 78 実施例 7 70 30 1. 75 1. 66 1. 89 1. 93 2. 37 実施例 8 70 30 1. 69 1. 69 1. 7 1. 73 2. 43 実施例 9 70 30 1. 78 1. 72 1. 7 1. 73 1. 57 実施例 10 70 30 1. 75 1. 66 1. 7 1. 73 2. 13 実施例 11 70 30 1. 75 1. 66 1. 7 1. 73 2. 13 実施例 12 90 10 1. 75 1. 66 1. 7 1. 73 2. 13 実施例 13 90 10 1. 75 1. 66 1. 7 1. 73 2. 13 比較例 1 100 : 0 1. 75 1. 66
比較例 2 40: 60 1. 75 1. 66 1. 7 1. 73 2. 13 比較例 3 70: 30 1. 75 1. 66 1. 28 1. 25 2. 05 比較例 4 70: 30 1. 75 1. 66 2. 34 2. 4 1. 98 比較例 5 70: 30 1. 75 1. 66 1. 62 1. 65 1. 15 比較例 6 70: 30 1. 75 1. 66 1. 77 1. 73 2. 68 比較例 7 0: 100 1. 7 1. 73
表 3
活物質密度 0.2C容量 1C容量 電池厚さ 平均電圧 ェネルキ、、 サイ ク ル寿命
、 g/cmつ (mAh) (mAh) 、 m m ) (V) ( Wh/L)
実施例 1 3.2 710 675 3.75 3.74 326 490
実施例 2 3.27 718 686 3.79 3.77 329 634
実施例 3 3.23 706 678 3.83 3.79 322 560
実施例 4 3.21 709 677 3.79 3.77 325 536
実施例 5 3.26 710 678 3.79 3.77 325 542
実施例 6 3.24 715 683 3.79 3.77 328 521
実施例 7 3.27 703 671 3.78 3.77 323 555
実施例 8 3.29 706 674 3.78 3.77 324 564
C
実施例 9 3.22 711 679 3.79 3.77 326 528 55 実施例 10 3.27 710 681 3.78 3.78 327 601
実施例 11 3.27 703 674 3.78 3.79 325 617
実施例 12 3.2 700 670 3.75 3.72 320 612
実施例 13 3.21 700 672 3.75 3.73 321 620
比較例 1 2.99 708 648 3.77 3.68 318 180
比較例 2 3.05 709 651 3.92 3.8 317 320
比較例 3 2.96 707 659 3.86 3.73 315 410
比較例 4 3. 17 705 643 3.83 3.75 318 266
比較例 5 2.88 705 658 3.84 3.75 317 253
比較例 6 3. 14 706 644 3.83 3.75 319 211
比較例 7 2.98 703 682 4 3.81 309 430
表 2、 表 3 から明 らかなよ う に、 実施例 1 〜 1 3 の二次電 池は、 活物質密度、 エネルギー密度おょぴ充放電サイ クル寿 命が比較例 1 〜 7 と比較して高いこ と がわかる。
これに対し、 リ チウムニッケルコ バル ト複合酸化物のみを 正極活物質と して用いる比較例 1 の二次電池は、 充放電サイ クル寿命が著しく 低かった。 正極活物質中の リ チウムニッケ ルコ バル ト複合酸化物の含有量が 5 0重量。/。以下である比較 例 2 の二次電池と、 リ チウムコ バル ト複合酸化物のみを活物 質と して用いる比較例 7 の二次電池は、 放電時の平均作動電 圧が高く なる も のの、 充放電サイ クル寿命が短く なった。
( D C50/ D C10) と ( D C90Z D C50) が 1 · 4 〜 2 の範 囲を外れる比較例 3 、 4 の二次電池と 、 ( D N50/ D C50) が 1 . 5 〜 2 . 5 の範囲を外れる比較例 5 , 6 の二次電池は、 活物質密度、 1 C容量、 エネルギー密度及び充放電サイ ク ル 寿命のいずれもが実施例 1 〜 1 3 に比較して低かった。
なお、 前述した実施例においては、 L i C o O 2 粒子と L i N i o.81 c o o.19θ 2 粒子の 2種類からなる正極活物質に 適用 した例を説明 したが、 正極活物質と しては、 充放電サイ ク ル寿命を改善でき る限 り 、 L i C o O 2 粒子 と L i N i 0.81 C ο ο. 1902粒子に L i M n 2〇4のよ う な他の種類の粒 子を混合させた 3種類以上の粒子からなる ものを用いる こ と ができる。
また、 前述した実施例においては、 薄型非水電解質二次電 池および角形非水電解質二次電池に適用 した例を説明 したが - 円筒形非水電解質二次電池、 コイ ン型非水電解質二次電池に
も同様に適用する こ とができ る。
産業上の利用可能性
以上詳述したよ う に本発明によれば、 充放電サイ クル寿命 が向上された非水電解質二次電池を提供する こ と ができ る。