JP2018166054A - 正極およびこれを用いたリチウムイオン二次電池 - Google Patents

正極およびこれを用いたリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】高温における発熱量が低下し、安全性に優れた正極およびリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。【解決手段】層状構造のリチウム含有遷移金属複合酸化物からなる正極活物質と、リチウム含有リン酸ジルコニウム化合物とを含むことを特徴とする正極。【選択図】図1

Description

本発明はリチウムイオン二次電池用正極およびこれを用いたリチウムイオン二次電池に関する。
近年、携帯端末やラップトップPC等、移動情報端末の小型化、高性能化が進むにつれ、その電源となる二次電池も高エネルギー密度化、高安全化が求められている。
特に、正極活物質として層状構造のリチウム含有遷移金属複合酸化物を用いたリチウムイオン二次電池は、従来の電池と比較して電池の高エネルギー密度化が可能であるため、現在では広く普及している。しかしながら、現在のリチウムイオン二次電池は、昨今の移動情報端末の要求を完全に満たしていることはといい難く、さらなる高エネルギー密度化、高安全化が望まれている。
層状構造のリチウム含有遷移金属複合酸化物を用いたリチウムイオン二次電池の課題の一つとして、高温における安全性が挙げられる。高温において、リチウムイオン二次電池の電解液に含まれるフッ化水素酸(HF)が正極活物質である層状構造のリチウム含有遷移金属複合酸化物と反応し、正極活物質が不安定化することで、発熱につながる。この課題を解決するため、様々な方法が試みられている。
例えば特許文献1には、リチウムニッケル複合酸化物の添加元素、製造方法を規定し、熱的安定性を向上させる製造方法が挙げられている。
特開2007−273108号公報
しかしながら、従来技術の方法では特性は満足されず、更なる安全性の改善が求められている。
本発明者らは鋭意研究の結果、層状構造のリチウム含有遷移金属複合酸化物は、特に高温においてHFが存在すると結晶構造が不安定になりやすく、発熱が発生することを見出した。
本発明は上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、安全性に優れた正極およびリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る正極は、リチウム含有遷移金属複合酸化物を有する正極活物質と、組成式(1)で表されるリチウム含有リン酸ジルコニウム化合物とを含み、前記リチウム含有遷移金属複合酸化物は層状構造を有することを特徴とする。
LiZr(PO・・・(1)
(ただし、0.5≦a≦2、1≦b≦2、2≦c≦3を満たす)
これによれば、HFの存在下、高温においても、リチウム含有リン酸ジルコニウム化合物がHFと反応し、正極活物質とHFとの反応を抑制できる。また、リチウム含有リン酸ジルコニウム化合物の存在により、層状構造のリチウム含有遷移金属複合酸化物の結晶構造が安定化され、高温における発熱量が低下し、安全性に優れた正極を提供することができる。
上記リチウム含有遷移金属複合酸化物は、組成式(2)で表される正極活物質を含有することが好ましい。
LiNiCoMn・・・(2)
〔ただし、Mは、Al、Si、Zr、Ti、Fe、Mg、Nb、BaおよびVからなる群から選ばれる少なくとも1種を示し、2.0≦(e+f+g+h+i)≦2.2、0<e≦1.3、0≦f≦1.0、0≦g≦1.0、0≦h≦0.7、0≦i≦0.2である。〕
これによれば、特に組成式(2)で表される正極活物質を使用した際に、リチウム含有リン酸ジルコニウム化合物がHFと反応することにより、結晶構造の安定化効果が特に発揮され、高温における発熱量が低下し、安全性に優れた正極を提供することができる。
上記正極は、リチウム含有リン酸ジルコニウム化合物は、正極活物質に対しする含有量が0.1重量%以上10.0重量%以下であることが好ましい。
これによれば、混合量として好適であり、高温における発熱量を低下させる効果が高まり、安全性に優れた正極を提供することができる。
本発明によれば、安全性に優れた正極およびリチウムイオン二次電池を提供することができる。
本実施形態の正極を備えるリチウムイオン二次電池の模式断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに以下に記載した構成要素は、適宜組み合わせることができる。なお、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
(正極材料)
本実施形態の正極は、層状構造のリチウム含有遷移金属複合酸化物からなる正極活物質と、リチウム含有リン酸ジルコニウム化合物とを含む。
(正極活物質)
本実施形態の層状構造のリチウム含有遷移金属複合酸化物からなる正極活物質は、例えば層状岩塩型リチウム複合酸化物が挙げられる。具体的な例としては、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物等が挙げられる。リチウムニッケル酸化物はLiNiOの他、LiNi0.5Co0.2Mn0.3やLiNi0.80Co0.15Al0.05など、Niの一部をCo、Al、Mnなどの元素で置換したものを含む。リチウムマンガン酸化物は、LiMnO、LiMnOとLiMO(M=Mn、Ni、Co)とのLiを過剰にした固溶体を含むものである。その中でも、正極活物質はリチウムコバルト酸化物またはリチウムニッケル酸化物のいずれかを含むことが好ましく、リチウムニッケル酸化物がより好ましい。これら正極活物質は内部にMg,Tiなどの異種元素をドープしてあってもよい。また、Al,Tiなどの異種元素を表面にコートしてあってもよい。
正極活物質は、組成式(2)で表される化合物からなることが好ましい
LiNiCoMn・・・(2)
〔ただし、Mは、Al、Si、Zr、Ti、Fe、Mg、Nb、BaおよびVからなる群から選ばれる少なくとも1種を示し、2.0≦(e+f+g+h+i)≦2.2、0<e≦1.3、0≦f≦1.0、0≦g≦1.0、0≦h≦0.7、0≦i≦0.2である。〕
さらに、組成式(1)において、0.8≦f≦1.0の範囲であればより好ましい。Ni比率が高い活物質においては、高温において、HFの影響による構造の不安定化がより顕著になるためと推測される。
正極活物質は二次粒子を形成していることが好ましい。その平均二次粒子径は、5μm以上、30μm以下であることが好ましい。平均二次粒子径が5μmより小さいと、電極とした際の電極密度が小さくなる傾向にあり、30μmより大きいと、平坦な電極シートの作製が困難になる傾向にある。
正極活物質の二次粒子を形成している一次粒子の平均粒子径は0.05μm以上、5.00μm以下であることが好ましい。このような正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池では、高容量のものが得られる。二次粒子を形成している一次粒子の平均粒子径が0.05μmより大きい活物質を用いると、粉体の取扱いが容易になる傾向があり、5.00μmより小さい活物質を用いると、容量が損なわれない傾向がある。より好ましくは、平均一時粒子径は0.1μm以上、1.0μm以下である。
ただし、正極活物質は一次粒子であってもよく、その場合は一次粒子の平均粒子径は5μm以上、30μm以下であることが好ましい。
本実施形態に係る正極活物質は、上記組成式(2)で表される化合物を主成分として含有することが好ましい。主成分とは正極活物質のうち60%以上であることを示し、好ましくは80%以上である。
(正極活物質の製造方法)
正極活物質の合成方法は、特に限定するものでなく、固相反応法、溶液からの析出を経てそれを焼成する方法、噴霧燃焼法、溶融塩法等種々の方法によって合成することができる。一例として固相反応法によって製造する場合、リチウム源となるLiOH・HO、LiCO等と、各金属源としての各金属の水酸化物、酸化物等とを、目的とする正極活物質母材の組成に応じた割合でそれぞれ混合し、酸素気流中あるいは空気中において、700〜1000℃程度の温度で、10〜20時間程度の時間焼成することにより合成することができる。
(リチウム含有リン酸ジルコニウム化合物)
本実施形態のリチウム含有リン酸ジルコニウム化合物は、組成式(1)で表される。
LiZr(PO・・・(1)
(ただし、0.5≦a≦2、1≦b≦2、2≦c≦3を満たす)
このような化合物を有することで、正極活物質である層状構造のリチウム含有遷移金属複合酸化物とHFとの反応を防ぐことができ、結晶構造が安定化され、高温における発熱量が低下し、安全性に優れた正極を提供することができる。
さらに、LiZr(PO、LiZr(PO等の組成のリチウム含有リン酸ジルコニウム化合物を含有することが、より好ましい。
また、リチウム含有リン酸ジルコニウム化合物は、副成分として、Ti、Hf、Mg、Ca、B、Al、Si等の元素が少量含まれていてもよい。
正極活物質に対するリチウム含有リン酸ジルコニウム化合物は、0.1〜10.0重量%であることが好ましく、1.0〜7.0重量%であることがより好ましい。これにより、高温時の発熱量の低減効果がより向上する。
リチウム含有リン酸ジルコニウム化合物は正極活物質の表面に被覆されていてもよい。この場合、正極活物質表面を反応場にして、ゾルゲルなどの方法で反応的に形成させてもよいし、別に固溶法で作成しておいたリチウム含有リン酸ジルコニウム化合物をボールミル・メカニカルミリングなどの物理的、せん断応力を用いた物理化学的な方法で表面に被覆させてもよい。
リチウム含有リン酸ジルコニウム化合物の組成は、例えばICP発光分光法や、走査型電子顕微鏡または透過型電子顕微鏡に付属のエネルギー分散型X線分光装置を用い、点分析を行う事で確認することができる。
(正極)
本実施形態に係る正極20は正極集電体22上に、正極活物質、リチウム含有リン酸ジルコニウム化合物、必要に応じて添加される導電材およびバインダーとからなる正極合剤層24が形成されたものである。
正極集電体22は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミ、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。
バインダーは、活物質同士を結合すると共に、活物質と集電体22とを結合している。バインダーは、上述の結合が可能なものであればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂が挙げられる。
また、上記の他に、バインダーとして、例えば、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFPTFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴムを用いてもよい。
更に、上記の他に、バインダーとして、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリアミド、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム等を用いてもよい。また、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物等の熱可塑性エラストマー状高分子を用いてもよい。更に、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン・α−オレフィン(炭素数2〜12)共重合体等を用いてもよい。
また、バインダーとして電子伝導性の導電性高分子やイオン伝導性の導電性高分子を用いてもよい。電子伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン等が挙げられる。この場合は、バインダーが導電助剤粒子の機能も発揮するので導電助剤を添加しなくてもよい。
イオン伝導性の導電性高分子としては、例えば、リチウムイオン等のイオンの伝導性を有するものを使用することができ、例えば、高分子化合物(ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系高分子化合物、ポリエーテル化合物の架橋体高分子、ポリエピクロルヒドリン、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリビニルピロリドン、ポリビニリデンカーボネート、ポリアクリロニトリル等)のモノマーと、LiClO、LiBF、LiPF、LiAsF、LiCl、LiBr、Li(CFSON、LiN(CSO等のリチウム塩又はリチウムを主体とするアルカリ金属塩と、を複合化させたもの等が挙げられる。複合化に使用する重合開始剤としては、例えば、上記のモノマーに適合する光重合開始剤または熱重合開始剤が挙げられる。
導電助剤も、正極合剤層24の導電性を良好にするものであれば特に限定されず、公知の導電助剤を使用できる。例えば、黒鉛、カーボンブラック等の炭素材料や、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。
正極合剤層24中のバインダーの含有量は特に限定されないが、活物質、導電助剤及びバインダーの質量の和を基準にして、1重量%〜15重量%であることが好ましく、1重量%〜8重量%であることがより好ましい。活物質とバインダーの含有量を上記範囲とすることにより、得られた電極活物質層24において、バインダーの量が少なすぎて強固な活物質層を形成できなくなる傾向を抑制できる。また、電気容量に寄与しないバインダーの量が多くなり、十分な体積エネルギー密度を得ることが困難となる傾向も抑制できる。
正極活物質層24中の導電助剤の含有量も特に限定されないが、添加する場合には通常、活物質に対して0.5重量%〜20重量%であることが好ましく、1重量%〜12重量%とすることがより好ましい。
リチウム含有リン酸ジルコニウム化合物は、正極合剤層24中に、均一に分散されていることが好ましい。
(負極)
本実施形態に係る負極30は負極集電体32上に、負極活物質、必要に応じて添加される導電材およびバインダーとからなる負極合剤層34が形成されたものである。
負極集電体32は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミ、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。
負極合剤層34は、負極活物質、バインダー、及び、必要に応じた量の導電助剤から主に構成されるものである。負極活物質は、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入、又は、リチウムイオンと、そのリチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、ClO )とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることができれば特に限定されず、公知のリチウムイオン2次電池に用いられている負極活物質を使用することができる。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ、メソカーボンファイバー(MCF)、コークス類、ガラス状炭素、有機化合物焼成体等の炭素材料、Al、Si、Sn等のリチウムと化合することができる金属、SiO、SnO等の酸化物を主体とする非晶質の化合物、チタン酸リチウム(LiTi12)、等が挙げられる。
バインダー及び導電助剤には、上述した正極20に用いる材料と同様の材料を用いることができる。また、バインダー及び導電助剤の含有量も、上述した正極20における含有量と同様の含有量を採用すればよい。
正極20、負極30は、公知の方法により作製できる。例えば、活物質、バインダー、溶媒、及び、導電助剤を含む塗料を集電体上に塗布し、集電体上に塗布された塗料中の溶媒を除去することにより製造することができる。
(セパレータ)
また、セパレータ10は、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなる多孔質フィルムの単層体、積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いは、セルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が使用できる。
(電解質)
電解質は、正極合剤層24、負極合剤層34、及び、電池用セパレータ10の内部に含有させるものである。電解質としては、特に限定されず、例えば、本実施形態では、リチウム塩を含む電解質溶液(電解質水溶液、有機溶媒を使用する電解質溶液)を使用することができる。ただし、電解質水溶液は電気化学的に分解電圧が低いことにより、充電時の耐用電圧が低く制限されるので、有機溶媒を使用する電解質溶液(非水電解質溶液)であることが好ましい。
電解質溶液としては、リチウム塩を非水溶媒(有機溶媒)に溶解したものが好適に使用される。リチウム塩としては、例えば、LiPF、LiClO、LiBF、LiAsF、LiCFSO、LiCFCFSO、LiC(CFSO、LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(CFCFCO)、LiBOB等の塩が使用できる。なお、これらの塩は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、及び、ジエチルカーボネート等が好ましく挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で混合して使用してもよい。
ケース50は、その内部に積層体30及び電解液を密封するものである。ケース50は、電解液の外部への漏出や、外部からのリチウムイオン二次電池100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されず、例えば、金属ラミネートフィルムを利用できる。
リード60,62は、アルミニウム、等の導電材料から形成されている。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
(実施例1)
(正極の作成)
正極活物質としてLiNi0.80Co0.15Al0.05を90重量%、導電助剤としてカーボンブラックを5重量%、バインダーとしてPVDFを5重量%の割合で混合したものをN−メチル−2−ピロリドンを溶媒として用いて分散し、リチウム含有リン酸ジルコニウムとしてLiZr(POを、正極活物質に対して1重量%添加することで正極用塗料を調製した。正極用塗料を集電体であるアルミニウム箔(厚み22μm)にドクターブレード法で塗布後、110℃で乾燥し、圧延した。これにより、正極合剤層及び集電体から構成される正極を得た。その際正極には、外部引き出し端子を溶接するために電極用塗料を塗布しない部分を設けておいた。
(負極の作成)
負極活物質として天然黒鉛粉末を90重量%、PVDFを10重量%の割合で混合したものを、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として用いて分散することで負極用塗料を調製した。負極用塗料を集電体である銅箔(厚み15μm)にドクターブレード法で塗布後、110℃で乾燥し、圧延した。これにより、負極合剤層及び集電体から構成される負極を得た。その際負極には、外部引き出し端子を溶接するために電極用塗料を塗布しない部分を設けておいた。
(リチウムイオン二次電池の作製)
作製した正極、負極及びセパレータ(ポリオレフィン製の微多孔質膜)を所定の寸法に切断し、セパレータを挟んで正極、負極を積層した。正極、負極には、それぞれ、外部引き出し端子としてアルミニウムリード(幅4mm、長さ40mm、厚み80μm)、ニッケルリード(幅4mm、長さ40mm、厚み80μm)を超音波溶接した。この外部引き出し端子に、無水マレイン酸をグラフト化したポリプロピレン(PP)を巻き付け熱接着させた。正極、負極、セパレータを積層した電池要素を封入する電池外装体として、PET(ポリエチレンテレフタレート)層、Al層およびPP(ポリプロピレン)層から構成されるアルミニウムラミネート材料を用いた。PET層の厚さは12μm、Al層の厚さは40μm、PP層の厚さは50μmである。この外装体の中に電池要素を入れ電解液として、エチレンカーボンネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の混合溶媒にLiPFを濃度1M(mol/L)で溶解させたものを用いた。混合溶媒におけるECとDECとの体積比は、EC:DEC=3:7とした。外装体を真空ヒートシールし、実施例1のリチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例2)
リチウム含有リン酸ジルコニウムとしてLiZr(POを用いたことを除き、実施例1と同様に実施例2のリチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例3)
正極活物質として、LiNi0.75Co0.22Al0.03を用いたことを除き、実施例1と同様に実施例3のリチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例4)
正極活物質として、LiN1/3Co1/3Mn1/3を用いたことを除き、実施例1と同様に実施例4のリチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例5)
正極活物質として、LiCoOを用いたことを除き、実施例1と同様に実施例5のリチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例6)
リチウム含有リン酸ジルコニウムの添加量を0.1%としたことを除き、実施例1と同様に実施例6のリチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例7)
リチウム含有リン酸ジルコニウムの添加量を0.05%としたことを除き、実施例1と同様に実施例7のリチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例8)
リチウム含有リン酸ジルコニウムの添加量を10%としたことを除き、実施例1と同様に実施例8のリチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例9)
リチウム含有リン酸ジルコニウムの添加量を12%としたことを除き、実施例1と同様に実施例9のリチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例1)
リチウム含有リン酸ジルコニウムを添加しなかったことを除き、実施例1と同様に比較例1のリチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例2)
リチウム含有リン酸ジルコニウムを添加しなかったことを除き、実施例3と同様に比較例2のリチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例3)
リチウム含有リン酸ジルコニウムを添加しなかったことを除き、実施例4と同様に比較例3のリチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例4)
リチウム含有リン酸ジルコニウムを添加しなかったことを除き、実施例5と同様に比較例4のリチウムイオン二次電池を作製した。
(高温保存試験)
実施例1のリチウムイオン二次電池を25℃環境にて所定の条件で初期充放電した後、再度充電を行った。この時、充電では、上限充電電圧を4.3V(VS.Li/Li)、放電では下限放電電圧を2.8V(VS.Li/Li)とし、充放電レート0.2C、充電時は電圧が上限充電電圧に達し、かつ、充電電流が1/20Cまで減衰するまで充電した。1C充電とは、1時間の定電流充電によって満充電となる電流によって行う充電のことで、0.2C充電とは、その1/5倍の電流によって行う充電である。満充電状態となったリチウムイオン二次電池を、恒温槽に入れ、100℃まで毎分2℃の速度で昇温し、恒温槽が100℃に達してから1時間保持した。その際のリチウムイオン二次電池表面温度を測定し、最高到達温度、リチウム含有リン酸ジルコニウム添加による最高到達温度変化(T1)を測定、計算した。
実施例1〜7、及び比較例1〜4のリチウムイオン二次電池において高温保存試験を行った結果を表1に示す。
Figure 2018166054
組成式(1)で示されたリチウム含有リン酸ジルコニウムを含有する実施例1〜8は、含有しない比較例1〜4と比較し、高温保存時の発熱が抑制されていることを示している。
また、リチウムを含有したリン酸ジルコニウムの添加量を1〜10%の範囲とした場合、より発熱抑制の効果が高まることを示している。
以上の結果、本発明の実施によれば、高温保存試験において発熱量を抑制したリチウムイオン二次電池用正極およびこれを用いたリチウムイオン二次電池が得られることがわかった。
本発明に係る、高温保存試験において発熱量を抑制したリチウムイオン二次電池用正極およびこれを用いたリチウムイオン二次電池が得られる。これは、携帯電子機器の電源として好適に用いられ、電気自動車や家庭および産業用蓄電池としても用いられる。
10…正極、12…正極集電体、14…正極活物質層、18…セパレータ、20…負極、22…負極集電体、24…負極活物質層、30…積層体、50…外装体、62…正極リード、60…負極リード、100…リチウムイオン二次電池


Claims (4)

  1. リチウム含有遷移金属複合酸化物を有する正極活物質と、組成式(1)で表されるリチウム含有リン酸ジルコニウム化合物とを含み、前記リチウム含有遷移金属複合酸化物は層状構造を有する、正極。
    LiZr(PO・・・(1)
    (式中、0.5≦a≦2、1≦b≦2、2≦c≦3を満たす)
  2. 前記リチウム含有遷移金属複合酸化物は、組成式(2)で表される化合物を含有する、請求項1に記載の正極。
    LiNiCoMn(M)・・・(2)
    (ただし、Mは、Al、Si、Zr、Ti、Fe、Mg、Nb、BaおよびVからなる群から選ばれる少なくとも1種を示し、2.0≦(e+f+g+h+i)≦2.2、0<e≦1.3、0≦f≦1.0、0≦g≦1.0、0≦h≦0.7、0≦i≦0.2である。)
  3. 前記リチウム含有リン酸ジルコニウム化合物は、前記正極活物質に対する含有量が0.1重量%以上10.0重量%以下である、請求項1または2に記載の正極。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の正極を含むリチウムイオン二次電池。
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