明 細 書 半導体ゥェ一ハの分割方法および分割装置
技術分野 本発明は、 半導体ゥェ一ハを所定のストリート (切断ライン) に沿ってレーザ ―ビームを照射し個々の半導体チップに分割する半導体ゥエー八の分割方法およ び分割装置に関する。 背景技術 当業者には周知の如く、 半導体デバイス製造工程においては、 略円板形状であ る半導体ゥェ一八の表面に格子状に配列されたストリート (切断ライン) によつ て複数の領域が区画され、 この区画された領域に I C、 L S I等の回路を形成す る。 そして、 半導体ゥェ一ハをストリートに沿って切断することによって回路が 形成された領域を分離して個々の半導体チップを製造している。 半導体ゥェ一ハ のストリートに沿った切断は、 通常、 ダイサ一と称されている切削装置によって 行われている。 この切削装置は、 被加工物である半導体ゥエーハを保持するチヤ ックテ一ブルと、 該チャックテ一ブルに保持された半導体ゥエーハを切削するた めの切断手段と、 チャックテーブルと切断手段を相対的に移動せしめる移動手段 とを具備している。 切断手段は、 高速回転せしめられる回転スピンドルと該スピ ンドルに装着された切削ブレードを含んでいる。 切削ブレードは円盤状の基台と 該基台の側面外周部に装着された環状の切れ刃からなっており、 切れ刃は例えば 粒径 3〃m程度のダイヤモンド砥粒を電铸によって基台に固定し厚さ 1 5 i m程 度に形成されている。 このような切削ブレードによって例えば厚さが 5 0 以 下の半導体ゥエーハを切削すると、 切断された半導体チップの切断面に欠けゃク ラックが発生し、 半導体チップの品質を低下させるという問題がある。
また、 近時においては、 I C、 L S I等の回路をより微細に形成するために、 シリコンゥェ一八の如き半導体ゥェ一ハ本体の表面に低誘電率絶縁体を積層せし めた形態の半導体ゥェ一ハも実用に供されている。 低誘電率絶縁体としては、 S i 02 膜 (誘電率 k =約 4. 1 ) よりも誘電率が低い (例えば k = 2. 5乃至 3 . 6程度) 材料、 例えば S i O F、 B S G ( S i O B)、 H含有ポリシロキサン (H S Q) 等の無機物系の膜、 ポリイミ ド系、 パリレン系、 テフロン系等のポリ マ一膜である有機物系の膜、 おおびびメチル含有ポリシロキサン等のポーラスシ リカ膜を挙げることができる。 このような半導体ゥエーハを上述した切削ブレ一 ドによって切削すると、 低誘電率絶縁体が著しく脆いことに起因して、 切削ブレ ―ドの破壊力によってストリ一トに隣接した領域においても表面層即ち低誘電率 絶縁体層が半導体ゥエーハ本体から剝離し、 分割された半導体チップの品質を低 下させるという問題がある。 一方、 図 9に示すように半導体ゥェ一ハ 1 0のストリート 1 0 1に沿ってレ一 ザ一ビーム L Bを照射して切断する加工方法も試みられている。 このレーザ一ビ —ムを照射して切断する方法は、 半導体ゥェ一ハ 1 0のストリート 1 0 1をレー ザ一ビーム L Bによって溶融して切断する形態であるので、 低誘電率絶縁体層が 半導体ゥエーハ本体から剝離するという問題を解消することができる。 而して、 半導体ゥェ一ハ 1 0のストリート 1 0 1に沿ってレーザービーム L B を照射する方法は、 図 9の (a ) に示すように半導体ゥェ一ハ 1 0がレーザ一ビ —ム L Bによって相当高温に加熱される。 この熱影響範囲 1 0 4は、 図 9の (a ) に示すように半導体ゥェ一ハ 1 0の表面側カ広く裏面に向かって漸次減少する 。 このため、 半導体ゥェ一ハ 1 0の表面に形成された回路 1 0 2が熱の影響で損 傷するという問題がある。 また、 半導体ゥェ一ハ 1 0のストリート 1 0 1に沿つ てレーザ一ビーム L Bを照射する方法は、 半導体ゥェ一ハ 1 0のストリート 1 0 1をレーザービーム L Bによって溶融して切断する形態であるため図 9の (b ) に示すようにデブリ 1 0 5が発生し、 このデブリが回路 1 0 2に接続されるボン ディングパッド等に付着して半導体チップの品質を低下させるという新たな問題
力生じる。 本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、 その主たる技術的課題は、 半 導体ゥェ一八の表面に形成されている回路を熱の影響で損傷することなく、 また
、 ボンディングパッド等にデブリを付着されることなくストリート沿って分割す ることができるレーザ一ビームを用いた半導体ゥェ一八の分割方法および分割装 置を提供することである。 発明の開示 上記主たる技術課題を解決するため、 本発明によれば、 表面力く格子状に配列さ れたストリートによって区画された複数の領域に回路が形成されている半導体ゥ エーハを該ストリートに沿って分割する半導体ゥェ一八の分割方法であって、 該半導体ゥェ一八の裏面から該ストリートを検出するストリート検出工程と、 該ストリ一ト検出工程によって検出された該ストリートに沿って該半導体ゥェ —八の裏面からレーザ一ビームを照射し、 該ストリー卜に沿って切断する切断ェ 程と、 を含む、
ことを特徵とする半導体ゥエー八の分割方法が提供される。 上記ストリート検出工程は、 上記半導体ゥェ一ハの裏面から赤外線を照射し、 該赤外線によって作られた像に基づいて上記ストリートを検出する。 また、 本発明によれば、 被加工物を保持するチャックテーブルと、 該チャック テーブルに保持された被加工物の分割すべき領域を検出するァライメント手段と 、 該ァライメント手段によって検出された分割すべき領域にレーザービームを照 射するレーザービーム照射手段と、 を具備する分割装置であって、
該ァライメント手段は、 該被加工物に赤外線を照射する赤外線照射手段と、 該 赤外線照射手段によって照射された赤外線を捕らえる光学系と、 該光学系によつ て捕らえられた赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子と、 該撮像素子か
らの出力信号に基づ 、て画像処理する制御手段、 とを具備している、
ことを特徴とする分割装置が提供される。 図面の簡単な説明 図 1は、 本発明に従って構成された分割装置の斜視図。
図 2は、 図 1に示す分割装置の主要構成要素を示す斜面図。
図 3は、 図 1に示す分割装置に装備されるレーザビーム加工手段の構成を簡略 に示すブロック図。
図 4は、 図 1に示す分割装置によって分割される半導体ゥエーハをフレームに 装着された保護テープに貼着した状態を示す断面図。
図 5は、 図 1に示す分割装置に装備されるァライメント手段の構成図。
図 6は、 本発明による分割方法の説明図。
図 7は、 半導体ゥェ一八の材料の光透過率を示すグラフ。
図 8は、 本発明による分割方法による切断状態を示す説明図。
図 9は、 従来のレーザビーム切断による切断状態を示す説明図。 発明を実施するための最良の形態 以下、 本発明に従つて構成された半導体ゥェ一ハの分割方法および分割装置の 好適実施形態を図示している添付図面を参照して、 更に詳細に説明する。 図 1には、 本発明に従って構成された半導体ゥエー八の分割装置の斜視図が示 されている。 図 1に示された分割装置は、 略直方体状の装置ハウジング 1を具備 している。 この装置ハウジング 1内には、 図 2に示す静止基台 2と、 該静止基台 2に矢印 Xで示す方向に移動可能に配設され被加工物を保持するチャックテープ ル機構 3と、 静止基台 2に上記矢印 Xで示す方向と直角な矢印 Yで示す方向に移 動可能に配設されたレーザ一ビームュニット支持機構 4と、 該レーザ一ビームュ ニット支持機構 4に矢印 Zで示す方向に移動可能に配設されたレーザ一ビームュ
ニット 5が配設されている。 上記チャックテーブル機構 3は、 静止基台 2上に矢印 Xで示す方向に沿って平 行に配設された一対の案内レール 3 1、 3 1と、 該案内レール 3 1、 3 1上に矢 印 Xで示す方向に移動可能に配設された第一の滑動プロック 3 2と、 該第 1の滑 動プロック 3 2上に矢印 Yで示す方向に移動可能に配設された第 2の滑動プロッ ク 3 3と、 該第 2の滑動ブロック 3 3上に円筒部材 3 4によって支持された支持 テーブル 3 5と、 被加工物保持手段としてのチャックテーブル 3 6を具備してい る。 このチヤックテーブル 3 6は多孔性材料から形成された吸着チャック 3 6 1 を具備しており、 吸着チャック 3 6 1上に被加工物である例えば円盤状の半導体 ゥェ一ハを図示しない吸引手段によって保持するようになっている。 また、 チヤ ックテ一ブル 3 6は、 円筒部材 3 4内に配設された図示しないパルスモータによ つて回転せしめられる。 上記第 1の滑動プロック 3 2は、 その下面に上記一対の案内レール 3 1、 3 1 と嵌合する一対の被案内溝 3 2 K 3 2 1が設けられているとともに、 その上面 に矢印 Yで示す方向に沿って平行に形成された一対の案内レール 3 2 2、 3 2 2 が設けられている。 このように構成された第 1の滑動ブロック 3 2は、 被案内溝 3 2 1、 3 2 1がー対の案内レール 3 1、 3 1に嵌合することにより、 一対の案 内レール 3 1、 3 1に沿って矢印 Xで示す方向に移動可能に構成される。 図示の 実施形態におけるチヤックテーブル機構 3は、 第 1の滑動プロック 3 2を一対の 案内レール 3 1、 3 1に沿って矢印 Xで示す方向に移動させるための第 1の移動 手段 3 7を具備している。 第 1の移動手段 3 7は、 上記一対の案内レール 3 1と 3 1の間に平行に酉己設された雄ネジロッド 3 7 1と、 該雄ネジロッド 3 7 1を回 転駆動するためのパルスモータ 3 7 2等の駆動源を含んでいる。 雄ネジロッド 3 7 1は、 その一端が上記静止基台 2に固定された軸受ブロック 3 7 3に回転自在 に支持されており、 その他端力く上記パルスモータ 3 7 2の出力軸に図示しない減 速装置を介して伝動連結されている。 なお、 雄ネジロッド 3 7 1は、 第 1の滑動 プロック 3 2の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブ口ックに形
成された貫通雌ネジ穴に螺合されている。 従って、 パルスモータ 3 7 2によって 雄ネジロッド 3 7 1を正転および逆転駆動することにより、 第一の滑動ブロック 3 2は案内レール 3 1、 3 1に沿って矢印 Xで示す方向に移動せしめられる。 上記第 2の滑動プロック 3 3は、 その下面に上記第 1の滑動プロック 3 2の上 面に設けられた一対の案内レール 3 2 2、 3 2 2と嵌合する一対の被案内溝 3 3 1、 3 3 1が設けられており、 この被案内溝 3 3 1、 3 3 1を一対の案内レール 3 2 2、 3 2 2に嵌合することにより、 矢印 Yで示す方向に移動可能に構成され る。 図示の実施形態におけるチヤックテーブル機構 3は、 第 2の滑動プロック 3 3を第 1の滑動ブロック 3 2に設けられた一対の案内レール 3 2 2、 3 2 2に沿 つて矢印 Yで示す方向に移動させるための第 2の移動手段 3 8を具備している。 第 2の移動手段 3 8は、 上記一対の案内レール 3 2 2と 3 2 2の間に平行に配設 された雄ネジロッド 3 8 1と、 該雄ネジロッド 3 8 1を回転駆動するためのパル スモータ 3 8 2等の駆動源を含んでいる。 雄ネジロッド 3 8 1は、 その一端が上 記第 1の滑動プロック 3 2の上面に固定された軸受ブロック 3 8 3に回転自在に 支持されており、 その他端が上記パルスモータ 3 8 2の出力軸に図示しない減速 装置を介して伝動連結されている。 なお、 雄ネジロッド 3 8 1は、 第 2の滑動ブ ロック 3 3の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブ口ックに形成 された貫通雌ネジ穴に螺合されている。 従って、 パルスモータ 3 8 2によって雄 ネジロッド 3 8 1を正転および逆転駆動することにより、 第 2の滑動ブロック 3 3は案内レーノレ 3 2 2 . 3 2 2に沿って矢印 Xで示す方向に移動せしめられる。 上記レーザービームュニット支持機構 4は、 静止基台 2上に矢印 Yで示す割り 出し送り方向に沿って平行に配設された一対の案内レール 4 1、 4 1と、 該案内 レ一ノレ 4 1、 4 1上に矢印 Yで示す方向に移動可能に配設された可動支持基台 4 2を具備している。 この可動支持基台 4 2は、 案内レール 4 1、 4 1上に移動可 能に配設された移動支持部 4 2 1と、 該移動支持部 4 2 1に取り付けられた装着 部 4 2 2とからなっている。 装着部 4 2 2は、一側面に矢印 Zで示す方向に延び る一対の案内レール 4 2 2 a、 4 2 2 aが平行に設けられている。 図示の実施形
態におけるレーザ一ビームュニット支持機構 4は、 可動支持基台 4 2を一対の案 内レール 4 1、 4 1に沿って割り出し送り方向である矢印 Yで示す方向に移動さ せるための第 3の移動手段 4 3を具備している。 第 3の駆動手段 4 3は、 上記一 対の案内レール 4 1、 1の間に平行に配設された雄ネジロッド 4 3 1と、 該雄 ねじロッド 4 3 1を回転駆動するためのパルスモータ 4 3 2等の駆動源を含んで いる。 雄ネジロッド 4 3 1は、 その一端力《上記静止基台 2に固定された図示しな い軸受ブロックに回転自在に支持されており、 その他端が上記パルスモータ 4 3 2の出力軸に図示しない減速装置を介して伝動連結されている。 なお、 雄ネジロ ッド 4 3 1は、 可動支持基台 4 2を構成する移動支持部 4 2 1の中央部下面に突 出して設けられた図示しない雌ネジブ口ックに形成された雌ネジ穴に螺合されて いる。 このため、 パルスモータ 4 3 2によって雄ネジロッド 4 3 1を正転および 逆転駆動することにより、 可動支持基台 4 2は案内レール 4 1、 4 1に沿って矢 印 Yで示す割り出し送り方向に移動せしめられる。 図示の実施形態のおけるレーザ一ビームュニット 5は、 ュニットホルダ 5 1と 、 該ュニットホルダ 5 1に取り付けられたレーザビーム加工手段 5 2を具備して いる。 ュニットホルダ 5 1は、 上記装着部 4 2 2に設けられた一対の案内レール 4 2 2 a , 4 2 2 aに摺動可能に嵌合する一対の被案内溝 5 1 a、 5 1 aが設け られており、 この被案内溝 5 1 a、 5 1 aを上記案内レール 4 2 2 a , 4 2 2 a に嵌合することにより、 矢印 Zで示す方向に移動可能に支持される。 図示の実施 形態におけるレーザ一ビームュニット 5は、 ュニッ トホルダ 5 1を一対の案内レ ール 4 2 2 a、 4 2 2 aに沿って矢印 Zで示す方向に移動させるための第 4の移 動手段 5 3を具備している。 第 4の移動手段 5 3は、 上記第 1乃至第 3の移動手 段と同様に一対案内レール 4 3 2 a、 4 3 2 aの間に配設された雄ネジロッド ( 図示せず) と、 該雄ネジロッドを回転駆動するためのパルスモータ 5 3 2等の駆 動源を含んでおり、 パルスモータ 5 3 2によって図示しない雄ネジロッドを正転 および逆転駆動することにより、 ュニットホルダ 5 1およびレーザビーム照射手 段 5 2を案内レール 4 2 2 a、 4 2 2 aに沿って矢印 Zで示す方向に移動せしめ
〜 Ί —
上記レーザビーム加工手段 5 2について、 図 2および図 3を参照して説明する 図示のレーザビーム加工手段 5 2は、 上記ュニットホルダ 5 1に固定され実質 上水平に延出する円筒形状のケーシング 5 2 1を含んでいる。 ケ一シング 5 2 1 内には図 3に示すようにレーザビーム発振手段 5 2 2とレーザビーム変調手段 5
2 3とが配設されている。 レーザビーム発振手段 5 2 2としては Y A Gレーザ発 振器或いは Y V 0 4レーザ発振器を用いることができるる。 レーザビーム変調手 段 5 2 3は繰り返し周波数設定手段 5 2 3 a、 レーザビームパルス幅設定手段 5
2 3 b、 およびレーザビーム波長設定手段 5 2 3 cを含んでいる。 レーザビーム 変調手段 5 2 3を構成する繰り返し周波数設定手段 5 2 3 a、 レーザビームパル ス幅設定手段 5 2 3 bおよびレーザビーム波長設定手段 5 2 3 cは当業者には周 知の形態のものでよく、 それ故にこれらの構成についての詳細な説明は本明細書 においては省略する。 上記ケーシング 5 2 1の先端には、 それ自体は周知の形態 でよいレーザビーム照射手段 5 2 4が装着されている。 上記レーザビーム発振手段 5 2 2が発振するレーザビ一ムはレーザビーム変調 手段 5 2 3を介してレーザビーム照射手段 5 2 4に到達する。 レーザビーム変調 手段 2 2 3における繰り返し周波数設定手段 5 2 3 aはレーザビームを所定繰り 返し周波数のパルスレーザビームにし、 レーザビームパルス幅設定手段 5 2 3 b はパルスレーザビームのパルス幅を所定幅に設定し、 そしてレーザビーム波長設 定手段 5 2 3 cはパルスレーザビームの波長を所定値に設定する。 本発明者等の 実験によれば、 パルスレーザビームのパルス幅は 1乃至 5 0 0 p s (ピコ秒) 、 であることが望ましい。 パスル幅が過大になると、 レーザビームが照射される半 導体ゥエーハが相当高温に加熱されて溶融されてしまう傾向がある。 繰り返し周 波数は 1乃至 1 0 O K H z程度力く望ましい。 また、 パルスレーザビームの波長は 2 0 0乃至 6 0 0 n m程度力望ましい。 図 1に戻って説明すると、 図示の分割装置は、 被加工物である半導体ゥェ一ハ 1 0をストツクするカセット 1 3を具備している。 このカセット 1 3は、 闵示し
ない昇降手段によって上下に移動可能に配設されたカセットテーブル 1 3 1上に 載置される。 半導体ゥェ一ハ 1 0は、 環状のフレーム 1 1に保護テープ 1 2によ つて装着されており、 フレーム 1 1に装着された状態で上記カセット 1 3に収容 される。 なお、 半導体ゥエーハ 1 0は、 図 4に示すように表面即ちストリート 1 0 1および回路 1 0 2が形成されている面が保護テープ 1 2に貼着されている。 また、 図示の分割装置は、 カセット 1 3に収納された半導体ゥェ一ハ 1 0を被加 ェ物載置領域 1 4に搬出するとともに加工終了後の半導体ゥエーハ 1 0をカセッ ト 1 3に搬入する被加工物搬出 ·搬入機構 1 5と、 被加工物載置領域 1 4に搬出 された半導体ゥェ一ハ 1 0を上記チャックテーブル 3 6上に搬送する被加工物搬 送機構 1 6と、 チヤックテーブル 3 6上で分割加工された半導体ゥェ一ハ 1 0を 洗浄する洗浄手段 1 7と、 チャックテーブル 3 6上で分割加工された半導体ゥェ —ハ 1 0を洗浄手段 1 7に搬送する洗浄搬送機構 1 8を具備している。 更に、 図 示の分割装置は、 チャックテーブル 3 6に保持された半導体ゥェ一ハ 1 0に形成 されたストリ一ト等を撮像するための顕微鏡や撮像素子で構成されるァライメン ト手段 6と、 該ァライメント手段 6によって撮像された画像等を表示する表示手 段 1 9を具備している。 次に、 上記ァライメント手段 6について図 5を参照して説明する。
図示のァライメント手段 6は、 照明装置 6 1と、 顕微鏡 6 2と、 赤外線撮像素 子 6 3と、 制御手段 6 6とから構成されている。 照明装置 6 1は、 ケース 6 1 1 と、 該ケース 6 1内に配設されたハロゲンランプ等の発光体 6 1 2と、 該発光体 6 1 2の下側に配設された熱線吸収フィルタ 6 1 3と、 該熱線吸収フィルタ 6 1 3の下側に配設された赤外線透過の狭帯域フィルタ 6 1 4と力、らなっている。 こ のように構成された照明装置 6 1は、 発光体 6 1 2力《調光器 6 1 5を介して図示 しない電源に接続され、 赤外線透過の狭帯域フィルタ 6 1 4を通して赤外線を照 射するようになっている。 上記顕微鏡 6 2は、 ケース 6 2 1と、 該ケース 6 2 1の下端に装着された対物 レンズ 6 2 2とケース 6 2 1内に配設されたハーフミラ一 6 2 3からなる光学系
と、 ハーフミラー 6 2 3の上側に配設された赤外線透過の狭帯域フィルタ 6 2 4 を具備しており、 ハーフミラ一 6 2 3と上記赤外線透過の狭帯域フィルタ 6 1 4 とがグラスファイバ一 6 4によって接続されている。 このように構成された顕微 鏡 6 2に対して、 赤外線撮像素子 6 3が光軸を一致させて取り付けられている。 赤外線撮像素子 6 3は、 上記赤外線透過の狭帯域フィルタ 6 2 4を通して入光さ れた赤外線に対応した電気信号を出力する。 この赤外線撮像素子 6 3から出力さ れた電気信号はケーブル 6 5を介してマイクロコンピュータからなる制御手段 6 6に送られ、 該制御手段 6 6は、 入力した電気信号に基づいて画像処理等の制御 処理を実行し表示手段 1 9に表示する。 なお、 上記赤外線透過の狭帯域フィルタ 6 1 4と 6 2 4は、 いずれか一方を具 備する構成にしてもよい。 また、 照明装置 6 1と顕微鏡 6 2のハーフミラ一 6 2 3とを接続するグラスファイバー 6 4は必ずしも必要ではなく、 照明装置 6 1と 顕微鏡 6 2のハーフミラー 6 2 3に赤外線を直接入射させる構成にしてもよい。 更に、 照明装置 6 1を顕微鏡 6 2から独立させて、 直接被加工物に照射する構成 としてもよい。 図示の実施形態における分割装置は以上のように構成されており、 以下その分 割処理動作について主に説明する。
半導体ゥェ一ハ 1 0は、 上述したように環状のフレーム 1 1に装着された保護 テープ 1 2に表面即ちストリート 1 0 1および回路 1 0 2力く形成されている面が 貼着されている (図 4参照) 。 このように環状のフレーム 1 1に保護テープ 1 2 を介して支持された半導体ゥェ一ハ 1 0 (以下、 単に半導体ゥエーハ 1 0という ) は、 裏面即ちストリート 1 0 1および回路 1 0 2力く形成されていない面を上側 にしてカセッ卜 1 3の所定位置に収容されている。 カセット 1 3の所定位置に収 容された半導体ゥェ一ハ 1 0は、 図示しない昇降手段によってカセットテ一ブル 1 3 1力上下動することにより搬出位置に位置付けられる。 次に、 被加工物搬出 手段 1 5力 ¾1退作動して搬出位置に位置付けられた半導体ゥエーハ 1 0を被加工 物載置領域 1 4に搬出する。 被加工物載置領域 1 4に搬出された半導体ゥェ一ハ
1 0は、 被加工物搬送手段 1 6の旋回動作によって上記チャックテーブル機構 3 を構成するチャックテーブル 3 6の吸着チャック 3 6 1上に搬送され、 該吸着チ ャック 3 6 1に吸引保持される。 このようにして半導体ゥェ一ハ 1 0を吸引保持 したチャックテーブル 3 6は、 第 1の移動手段 3 7の作動により案内レール 3 1 、 3 1に沿って移動せしめられ図 6の (a ) に示すようにァライメント手段 6の 直下に位置付けられる。 上述したようにチャックテーブル 3 6がァライメント手段 6の直下に位置付け られると、 ァライメント手段 6および図示しない制御手段によって半導体ゥェ一 ハ 1 0に形成されているストリートと、 ストリートに沿ってレーザ一ビームを照 射するレーザービームュニット 5のレーザビーム照射手段 5 2との位置合わせを 行うためのパターンマツチング等の画像処理が実行され、 レーザビーム照射位置 のァライメント力く遂行される。 このァライメントの際には、 照明装置 6 1から照 射された赤外線が顕微鏡 6 2を介してチャックテーブル 3 6上に裏面を上側に保 持されている半導体ゥェ一ハ 1 0に照射される。 ここで、 半導体ゥェ一ハ 1 0に 照射される赤外線の波長について検討する。 図 7は、 半導体ゥェ一八の材料とし て用いられるシリコン (S i ) 、 ガリウム砒素 (G a A s ) 、 インジウム (I n P) の結晶の光透過率を示すグラフであり、 横軸が光の波長で縦軸が透過率を示 している。 図 6から判るように、 上述したいずれの材料も、 波長が 1〜 1 0〃m の赤外線領域で高い透過率である。 従って、 上記ァライメント手段 6を構成する 照明装置 6 1の狭帯域フィルタ 6 1 4および顕微鏡 6 2の狭帯域フィルタ 6 2 4 は、 1 〜 1 0 mの赤外線のみを透過させる狭帯域フィルタであればよい。 上記のようにして半導体ゥェ一ハ 1 0の裏面に照射された赤外線は、 半導体ゥ エーハ 1 0の内部まで透過し、 保護テープ 1 2に貼着された半導体ゥエーハ 1 0 の表面に形成された I C、 L S I等の回路面で反射する。 この反射した赤外線に よって作られた像を対物レンズ 6 2 2とハーフミラ一 6 2 3からなる光学系で捕 らぇ、 この光学系によって捕らえられた赤外線は撮像素子 6 3によって電気信号 に変換されて制御手段 6 6に送られる。 制御手段 6 6は、 撮像素子 6 3からの信
号に基づいてパターンマッチング等の画像処理を行い、 表示手段 1 9に表示する とともに半導体ゥェ一ハ 1 0に形成されているストリートを検出し (ストリート 検出工程) 、 レーザービームを照射するレーザ一ビームュニット 5のレーザビー ム照射手段 5 2 4との位置合わせを行う。 以上のようにしてチャックテーブル 3 6上に裏面を上側に保持されている半導 体ゥエーハ 1 0に形成されているストリートを検出し、 レーザビーム照射位置の ァライメントが行われたならば、 図 6の (b ) に示すようにチャックテーブル 3 6をレーザ一ビームュニット 5のレーザビーム照射手段 5 2 4が位置する切削領 域に移動し、 切削領域において半導体ゥェ一ハ 1 0の裏面から上述のようにして 検出されたストリートに沿ってレーザビーム照射手段 5 2 4からレーザビームを 照射し、 ストリートに沿って切断する (切断工程) 。 ここで、 切断工程について説明する。
切断工程においては、 レーザビーム照射手段 5 2 4から半導体ゥェ一ハ 1 0の 所定のストリ一卜の裏面に向けてパルスレーザビームを照射しながら、 チャック テーブル 3 6、 従ってこれに保持されている半導体ゥェ一ハ 1 0を矢印 Xで示す 方向に所定の送り速度で移動せしめる。 なお、 シリコン (S i ) で形成された半 導体ゥエーハ 1 0の厚さが 5 0〃m程度の場合の加工条件としては、 波長が 3 5 5 n mで繰り返し周波数が 2 0 K H z程度、 出力 3 Wの Y A Gレーザ一を用いて 送り速度が 1 0 0 mm/秒程度が望ましい。 図 8の (a ) には、 半導体ゥエーハ 1 0の裏面から上記のようにして検出され たストリート 1 0 1にレーザビームを照射した場合の熱影響範囲 1 0 4が示され ている。 この熱影響範囲 1 0 4から判るように、 回路 1 0 2が形成されていない 裏面側が熱影響の範囲が広く回路 1 0 2が形成された表面に向かって漸次減少す るため、 半導体ゥェ一ハ 1 0の表面に形成された回路 1 0 2に熱が及ぼす影響が 少なく、 熱による回路 1 0 2の損傷を防止できる。 また、 半導体ゥェ一ハ 1 0に レーザビーム L Bを照射することにより、 図 8の (b ) に示すようにデブリ 1 0
5力発生するが、 このデブリ 1 0 5は回路 1 0 2が形成されていない裏面に付着 するので、 ボンディングパッド等に付着することがない。 上述したように所定のストリートに沿って切断工程を実行したら、 チャックテ 一ブル 3 6、 従ってこれに保持されている半導体ゥェ一ハ 1 0を矢印 Yで示す方 向にストリートの間隔だけ割り出し移動し (割り出し工程) 、 上記切断工程を遂 行する。 このようにして所定方向に延在する全てのストリートについて切断工程 と割り出し工程を遂行したならば、 チャックテーブル 3 6、 従ってこれに保持さ れている半導体ゥェ一ハ 1 0を 9 0度回動せしめて、 上記所定方向に対して垂直 に延びる各ストリートに沿って上記切断工程と割り出し工程を実行することによ り、 半導体ゥェ一ハ 1 0は個々の半導体チップに分割される。 このようにして、 半導体ゥェ一ハ 1 0を個々の半導体チップに分割したら、 半導体ゥェ一ハ 1 0を 保持しているチャックテーブル 3 6は、 最初に半導体ゥエーハ 1 0を吸引保持し た位置に戻され、 ここで半導体ゥエーハ 1 0の吸引保持を解除する。 次に、 半導 体ゥエーハ 1 0は、 洗浄搬送手段 1 8によって洗浄手段 1 7に搬送され、 ここで 洗浄される。 このようにして洗浄された半導体ゥエーハ 1 0は、 被加工物搬送手 段 1 6によって被加工物載置領域 1 4に搬出される。 そして、 半導体ゥェ一ハ 1 0は、 被加工物搬出手段 1 5によってカセット 1 3の所定位置に収納される。 なお、 上述した図示の実施形態においては、 切断工程を遂行する際に、 チヤッ クテーブル 3 6に保持された半導体ゥエーハ 1 0を移動せしめているが、 レーザ ビーム照射手段 5 2 4を移動させてもよい。 また図示の実施形態においては、 チ ャックテーブル 3 6に保持された半導体ゥエー八 1 0を矢印 Y方向に割り出し移 動する例を示したが、 レーザビーム照射手段 5 2 2を矢印 Y方向に割り出し移動 する構成にすることもできる。 しかしながら、 レーザビーム照射手段 5 2 4を移 動せしめる場合には、 振動等に起因して精度が劣化する虞があるので、 レーザビ —ム照射手段 5 2 4は静止せしめて、 チャックテーブル 3 6、 従ってこれに保持 された半導体ゥエーハ 1 0を適宜に移動せしめるの力好ましい。
産業上の利用可能性 本発明の半導体ゥ 八の分割方法および分割装置によれば、 半導体ゥ の裏面からストリートを検出し、 検出されたストリートに沿って半導体ゥェ一 の裏面からレーザービームを照射してストリートに沿って切断するようにしたの で、 半導体ゥ 八の表面に形成された回路に熱が及ぼす影響が少なく、 熱によ る回路の損傷を防止できる。 半導体ゥェ一八にレーザビームを照射することによ りデブリが発生するが、 このデブリは回路力形成されていな 、裏面に付着するの で、 ボンディングパッド等に付着することがない。