WO2003083213A1

WO2003083213A1 - Feuille enduite pour impression rotative offset

Info

Publication number: WO2003083213A1
Application number: PCT/JP2002/010111
Authority: WO
Inventors: Koji Okomori; Chizuru Wakai; Hirokazu Morii
Original assignee: Nippon Paper Industries, Co., Ltd.
Priority date: 2002-03-28
Filing date: 2002-09-27
Publication date: 2003-10-09
Also published as: CN1623021A; EP1489230A4; DE60238719D1; EP1489230B1; EP1489230A1; US7828933B2; CN100360741C; AU2002367821A1; ATE492686T1; US20060005933A1

Description

明細書オフセット輪転印刷用塗工紙

技術分野

本発明は、オフセット輪転印刷時の乾燥工程後に発生するひじわの発生が少なく、優れた印刷適性を備えたオフセット輪転印刷用塗工紙に関するものである。背景技術

近年、印刷物に対し、写真や図案を多用し、さらにカラ一化するなどにより、視覚的に内容を強力に伝達しょうとする（以下視覚化という）強い要望がある。一方、省資源、輸送コストなどの転から印刷物の軽量化に対しても強い要望がある。この二つの要望は相反するものであって、視覚化に適する高級グレードの塗工紙は原紙坪量、塗工量とも多く、高価であって、軽量、低価格の要望にそぐわない。そこで、低坪量、低塗工量であって、軽量、低価格のいわゆる低級グレードの塗工紙で、より上のグレードの品質を実現する技術が求められている。

さらに、塗工紙品質の重要項目のひとつに、オフセット輪転印刷の乾燥過程で発生するひじわがあげられる。オフセット輪転印刷の乾燥工程で、非画線部とインキで覆われている画線部では紙中水分の蒸発速度が異なる。非画線部は、画線部と比較して水分蒸発速度が速いため、先に収縮が始まり、画線部に流れ方向（抄紙方向のひじわが発生する。ひじわは、坪量が低い場合、顕著に発生するため、塗工紙の軽量化の大きな障害になる。

ひじわは紙中水分の蒸発速度の差に起因しているため、印刷前の塗工紙水分を低くすることがひじわ抑制には効果がある。

しかし、塗工紙水分を低くした場合、ひじわは相対的に低くなるが、十分なレベルまでには至らない。

また、特開平 1 1 3 5 0 3 9 1号公報では、ケン化度 8 5モル。/。以上であるポリビュルアルコールを原紙の両面に対し、乾燥重量で 1〜6 g /m ²となるように塗布、乾燥されてなる原紙を使用することにより収縮挙動を抑制させることも提案されている。しカゝし、 P V Aは粘度が高く塗工適性に劣るため、連続操業には不向きであり、耐ブリスター性に劣る場合があった。発明の開示

以上のような状況に鑑み、本発明は、オフセット輪転印刷時の乾燥工程後に発生するひじわの発生が少ないオフセット輪転印刷用塗工紙を提供することにある。

本発明者等は、上記課題について鋭意検討した結果、支持体上に顔料塗工層を設けた基材の顔料塗工層上に、表面サイズ剤を含有する表面層を設けることにより、オフセット輪転印刷において、ひじわの発生を抑える印刷用塗工紙を得ることができた。本発明の表面層は、ひじわの抑制に加えて、耐ブリスター性などの印刷適性を向上させるために、表面層に、表面サイズ剤とプラスチックピグメントを含有することが好ましく、更に好ましくは表面サイズ剤及びプラスチックビグメン卜の総量 1 0 0重量部当たり、表面サイズ剤が 5 0重量部以上 9 5重量部以下である。

また、本発明の表面層を設けることにより、ひじわが抑えられる理由については、以下のように考えられる。ひじわは、オフセット輪転印刷の熱風乾燥ェ程において画線部と非画線部の収縮率が異なることにより発生すると推測される。乾燥工程において紙中の水分が蒸発することにより紙の収縮が起こるが、画線部はィンキ被膜のため水分蒸発が抑制され収縮が小さくなる。これに対して塗工層の上に表面サイズ剤をクリアコートすると、非画線部においても水分蒸発が抑制されることになり、収縮率の差が小さくなるためにひじわが発生しにくくなると考えられる。

本発明では、プラスチックピグメントと表面サイズ剤を組み合わせることにより、更に耐ブリスター性、インキ着肉性などの印刷適性が向上する。

また、本発明では、原紙上の顔料及び接着剤を含有する塗工層を設けてなるオフセット輪転印刷用塗工紙において、印刷前の透気抵抗度が 8 0 0 0 0秒未満で、印刷後非画線部の透気抵抗度が印刷前に対して 8 0 0 0秒以上低下させることにより、非画線部と画線部の水分蒸発速度の差が小さくなり、ひじわの少ない優れた印刷適性を備えたオフセット輪転印刷用塗工紙を得ることができ、その製造方法によりひじわの少な、優れた印刷適正を備えたオフセット輪転印刷用塗工紙を得ることができ、前記課題が解決されることを見いだし本発明を完成した。

本発明においては、印刷前の透気抵抗度が 8 0 0 0 0秒以上の場合、オフセット輪転印刷後に透気抵抗度が 8 0 0 0秒以上低下したとしても、透気抵抗度の絶対値は高いままである。透気抵抗度が高い場合、インキがのった画線部でプリスターが発生し易くなり、オフセット輪転印刷には適さない。

また、印刷後非画線部の透気抵抗度が印刷前に対して 8 0 0 0秒以上、より好ましくは 2 0 0 0 0秒以上低くなることが重要であり、これにより、非画線部と画線部の透気抵抗度の差が小さくなり、ひじわの発生が抑えられる。

本発明において、印刷後非画線部の透気抵抗度を 8 0 0 0秒以上低下させることにより、ひじわが抑えられる理由については、必ずしも明らかでないが以下のように考えられる。すなわち、オフセット輪転印刷の乾燥時に、塗工層表面に微少なクラックが発生し、選択的に空気が抜け、非画線部の透気抵抗度が低くなり、インキがのった画線部部分の透気抵抗度も通常よりも低くなるために、非画線部と画線部の透気抵抗度の差が小さくなり、非画線部と画線部の水分蒸発速度差が小さくなることにより、ひじわの発生が抑えられると考えられる。透気抵抗度の低下が 8 0 0 0秒未満の場合、非画線部と画線部の透気抵抗度の差が大きく、ひじわを十分に抑制することは困難である。

また、非画線部と画線部の透気抵抗度の差としては、 4色重ね印刷部と非画線部で 4 0 0 0 0秒以内にすることにより、ひじわの抑制効果が顕著になる。本発明において用いる基材は、高光沢と印刷適性を両立させるために、原紙の上に顔料と接着剤を有する顔料塗工層を設けた基材でなければならない。原紙としては顔料塗工層が設けられるものであれば特に制限がなく、中質紙や上質紙、新聞紙、片艷紙、特グラビア紙などの非塗工紙を用いることができる。非塗工紙の上に顔料塗工層を設ける方法は、通常の顔料塗工紙の製造法で十分達せられるが、望まれる品質に応じて、塗料中の顔料、接着剤の種類、又は顔料と接着剤の量比を適宜変更して使用する。

本発明の塗工層に用いる顔料は、従来から用いられている、カオリン、クレ一、デラミネ一テツドクレ一、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、ケィ酸、ケィ酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料、プラスチックピグメントなどの有機顔料であり、単独又は 2種以上を併用して使用することができる。本発明においては、高光沢で印刷適性をより向上させるために、カオリンを顔料 1 0 0重量部当たり 5 0重量部以上配合することが好ましい。

本発明の顔料塗工層に用いる接着剤は、従来から用いられている、スチレン · ブタジエン系、スチレン .ァクリル系、エチレン ·酢酸ビニル系、ブタジエン · メチルメタクリレート系、齚酸ビニル ·ブチルァクリレート系等の各種共重合体及びポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸 ' メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白の蛋白質類、酸化澱粉、カチオン化澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシェチルエーテル化澱粉などのエーテル化澱粉、などの澱粉類、デキストリン、カノレボキシェチノレセノレロース、ヒドロキシェチノレセノレロース、ヒドロキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体などの通常の塗工紙用接着剤 1種類以上を適宜選択して使用する。これらの接着剤は、顔料 1 0 0重量部対して 5〜5 0重量部、より好ましくは 1 0〜 2 5重量部程度の範囲で使用される。特に、ィンキ乾燥性をより良好にするために、スチレン ·ブタジエン系共重合体ラテックスを顔料 1 0 0重量に対して、 1 3重量部以下で使用することが好ましレ、。また、必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤、印刷適性向上剤など、通常の塗工紙用塗工組成物に配合される各種助剤が適宜使用される。また、塗工適性、印刷適正を良好にするために、本発明の塗工液の固形分濃度は、 4 5〜6 5重量％に調節することが好ましい。

塗工原紙としては、一般の塗工紙に用いられる坪量が 2 5〜4 0 0 g /m ² 程度の紙べ一スや板紙べ一スの原紙が適宜用いられている。原紙の抄紙方法は、特に限定されるものではなく、トップワイヤー等を含む長網マシン、丸網マシン、二者を併用した板紙マシン、ヤンキードライヤマシン等を用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ性抄紙方式で抄紙した原紙のいずれであってもよく、勿論、メカニカルパルプを含む中質原紙及び回収古紙パルプを含む原紙も使用できる。

また、サイズプレス、ビルブレード、ゲートロールコータ、プレメタリングサイズプレスを使用して、酸化澱粉、カチオン化澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシェチルエーテル化澱粉などのエーテル化澱粉、デキストリン、ポリビュルアルコール、アルギン酸などを予備塗工した原紙や、ピグメントと接着剤を含む塗工液を 1層以上予備塗工した塗工原紙も使用可能である。

原紙を構成するパルプとしては、化学パルプ（針葉樹の晒又は未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒し又は未晒クラフトパルプ等）、機械パルプ（グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサ一モメカニカルパルプ等）、脱墨パルプ（故紙パルプ）を単独又は任意の割合で混合使用する。

原紙の p Hは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでも良い。また、紙中填料の種類も特に限定されるものではなく、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができる。必要に応じて、硫酸バンド、サイズ剤、紙力増強剤、歩留まり向上剤、着色剤、染料、消泡剤等を含有しても良い。

調整された塗工液は、ブレードコーター、バーコ一ター、口一ルコ一ター、エアナイフコータ—、リノ一スローノレコーター、カーテンコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーター等を用いて、一層もしくは二層以上を原紙上に両面塗工する。塗工量は、好ましくは片面当たり 2〜4 0 g Z m²、より好ましくは 5〜2 5 g Zm²であり、更に好ましくは 8〜2 0 g Z m²である。湿潤塗工層を乾燥させる方法としては、例えば蒸気過熱シリンダ、加熱熱風エアドライャ、ガスヒータードライヤ、電気ヒータードライヤ、赤外線ヒータ一ドライヤ等各種の方法が単独もしくは併用して用いられる。

次に表面サイズ剤、必要に応じてプラスチックピグメントを含有する塗工液を塗工し、表面層を設ける。本発明の表面層用塗工液に塗工層の表面強度を調節するための一般紙塗工用天然又は合成樹脂接着剤、塗工に際しての塗料の塗ェ適性を調節するための流動調節剤や消泡剤、力レンダーロール等のロールへの付着を減少させる離型剤、及び塗工層表面を着色するための着色剤、少量の顔料などを適宜組み合わせて混合し、表面層用塗工液としてもよい。塗工量としてもよレ、。塗工量としては、通常、片面 0 . 1 g Zm ²以上、好ましくは 0 . 3〜3 g / m ²程度の塗工量で十分である。表層用塗工液の塗工は、通常紙塗工の分野で使用されているブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコーターで行うことができる。塗工後の乾操も、通常のコート紙の製造い用いられる乾操条件で表面層とすることができる。

以上のように塗工乾操された塗工紙は、スーパ一カレンダー、高温ソフト二ップカレンダ一等で平滑化処理を行うことが好ましい。本発明の効果は、特に秤量が 2 5〜1 2 0 g Z m ² の塗工紙において優れるものである。

本発明は、原紙に顔料塗工層を設けた後、この顔料塗工層上に表面サイズ剤及び Z又はプラスチックビグメントの混合液を上塗りして表面層とするが、上塗り前に顔料塗工層をスーパーカレンダー、ダロスカレンダー、高温ソフト二ップカレンダ一等によつて平滑化処理を行なっても良い。

本発明においては、印刷前の透気抵抗度（王研式透気抵抗度）が 8 0 0 0 0 秒未満で、非画線部の透気抵抗度を印刷前と比較して 8 0 0 0秒以上低下させれば、その手法は特には限定されないが、具体的な手法には、顔料塗工前にァルギン酸 ·澱粉混合液等をクリァ塗工して原紙自体の透気抵抗度を高くする方法、顔料塗工後にさらにサイズ剤、プラスチックビグメント等の表面層をコー卜する方法、両者を組み合わせる方法等がある。発明を実施するための最良の形態

本発明において表面層に使用する表面サイズ剤は、スチレン ·ァクリル系、スチレン ' マレイン酸系、スチレン ' メタクリル酸系、ォレフィン系、ウレタン系などの共重合体の表面サイズ剤を使用することができ、単独又は併用して使用することができる。本発明のサイズ剤は、溶液タイプ、又はェマルジヨンタイプのものであり、熱風乾燥や力レンダー処理を施した後には粒子形状を有しないものである。これらの中でも、スチレン . ァクリノレ系、ォレフィン系、又はスチレン · マレイン酸系の共重合体を使用することが好ましく、特にスチレン ·ァクリル系サイズ剤を単独又は併用して用いると、より高い白紙光沢度を得ることができる。重合平均分子量としては 1 0 0 0 ~ 5 0 0 0 0 0のものを使用することが好ましい。

本発明において表面層に使用するプラスチックピグメントは、熱可塑性を示す重合体又は共重合体のェマルジヨンの粒子であって、好ましくは、ガラス転移温度が 8 0 °C以上のものであり、熱風乾燥や力レンダー処理を施した後においても粒子形状を保持しているものである。コア一シェル形の場合は、シェル部分のガラス転移温度が 8 0 °C以上のものである。 8 0 °C以上のガラス転移温度になるものであれば重合体又は共重合体を構成する単量体の種類や製造方法は問わない。好ましく使用される単量体としては、スチレン及びその誘導体、塩化ビニリデン、ァクリル酸又はメタクリル酸エステルを例示することができる。熱可塑性重合体のガラス転移温度の上限は特に限定するものではなく、主として熱可塑性重合体の製造に使用する単量体の種類や可塑剤などの添加剤で決まり、通常、上限として約 1 3 0 °C程度である。ガラス転移温度が 8 0 °C以下の重合体又は共重合体を使用すると、得られた塗工紙の光沢度が低く、カレンダ一処理時でのカレンダーロールへの付着が生じる問題がある。また、本発明の熱可塑性重合体粒子の大きさは、高光沢、表面強度の点から平均粒径 1 5 0 n m以下が好ましく、更に平均粒径 1 0 0 n m以下にすることが好ましい。本発明では、好ましくはプラスチックピグメントに表面サイズ剤を添加した混合液を表面層として顔料塗工層の上に塗布するが、本発明の目的を損なわない範囲で、本発明の表面層用塗工液に塗工層の表面強度を調節するための一般紙塗工用天然又は合成樹脂接着剤、塗工に際しての塗料の塗工適性を調節するための流動調節剤や消泡剤、力レンダーロール等のロールへの付着を減少させる離型剤、及び塗工層表面を着色するための着色剤、少量の顔料などを適宜組み合わせ混合し、表面層用塗工液としてもよい。好ましくは、プラスチックピグメントと表面サイズが固形分で 8 0〜 1 0 0重量％含有するものである。このようにして得られた表面層用塗工液を顔料塗工層の上に塗布して表面層とする。塗布量は所望の性質が得られるように適宜調節することができるが、塗工量があまり多くなると、コストが高くなるだけでなく、インク吸収性が低下しインクセットが不十分となるとともに、表面層の強度が低下するなどの好ましくない傾向があるため、あまり多量に塗工することは得策でなく、通常片面 0 . 1 g Zm ²以上、好ましくは 0 . 3〜 3 g Zm ²程度の塗工量で十分である。表面層用塗工液の塗工は、通常紙塗工の分野で使用されるブレードコーター、ローノレコーター、エアナイフコーター、 /くーコーター、グラビヤコ一ター、フレキソコーター等で行なうことができる。塗工後の乾燥も、本発明の熱可塑性重合体と表面サイズ剤を使用する場合、何等特別な条件設定は不要であり、通常のコート紙の製造に用いられる乾燥条件で最適な表面層とすることができる。このようにして得られた印刷用塗工紙は、力レンダー処理することにより、高光沢な印刷用塗工紙を得ることが可能である。カレンダー処理では、通常コート紙の平滑化処理に使用されるスーパーカレンダー、ダロスカレンダー、高温ソフトエップカレンダ一等でよく、これらを併用しても良い。本発明においては、金属ロールの温度が 100°C以上又は 1 50°C以上でカレンダー処理を行っても塗工面とカレンダーロールとの剥離性が良好である。

本発明においては、塗工紙水分を 4. 5%以下、より好ましくは 4. 0%以下にすることにより、ひじわの抑制効果が向上し、光沢発現性にも優れる。

「実施例」

以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例によつて何ら制限されるものではない。

なお、実施例中に示される部及び％は、特に断りのない限り全て固形分重量部及び固形分重量％を意味する。

〈評価方法〉

(1) ひじわ：オフセット輪転印刷の 4色重ね印刷部（インキ濃度：墨 1. 8 0、藍1. 50、紅 1. 45、黄 1. 05、 4色合計濃度 5. 80、 X— R i

1 6社製ー1 1 t e 408で測定）に発生したひじわを以下の基準で目視評価した。 ◎：ひじわがほとんど発生しない、〇：極めて軽度のひじわが発生する、 △：ひじわの発生が見られる、 X ：ひじわの発生が著しい。

(2) 耐ブリスター性：オフセット輪転印刷の 4色重ね印刷部（インキ濃度：墨 1. 80、藍 1. 50、紅 1. 45、黄 1. 05、 4色合計濃度 5. 80、 X-R i t e社製 X— R i t e 408で測定）でブリスターが発生した紙面温度を指標として評価した。

(3) 白紙光沢度： J I S P 8 142に基づいて測定した。

(4) ウエット着肉性：オフセット輪転印刷の藍単色印刷部（インキ濃度：藍 1. 50、 X— R i t e社製 X— R i t e 408で測定、印刷順番：墨→藍→ 紅→黄）におけるウエット着肉性を以下の基準で目視評価した。 ◎ :極めて良好、〇：良好、 △ ：やや劣る、 X ：劣る。

(5) 表面強度：オフセット輪転印刷の藍単色印刷部（インキ濃度：藍 1. 5 0、 X— R i t e社製 X— R i t e 408で測定、印刷順番：墨→藍→紅→黄）における表面強度（ムケ）を以下の基準で目視評価した。 ◎ :極めて良好、〇：良好、 △：やや劣る、 X ：劣る。

(6) 透気抵抗度： J . TAP P I紙パルプ試験方法 N 0. 5 (B) に準拠して印刷前白紙部、オフセット輪転印刷後の非画線部、 4色重ね印刷部（インキ濃度：墨 1. 80，藍 1. 50, 紅 1. 45，黄 1. 05、 4色合計濃度 5. 80、 X-R i t e社製 X— R i t e 408で測定）を測定した。

[実施例 1]

微粒クレー（ I MER Y S社製 DB— GRAZ E) 50部、微粒重質炭酸力ルシゥム（フアイマテック社製 FMT— 90) 50部からなる顔料に、分散剤として対顔料でポリアクリル酸ソーダ 0. 2部を添加して、セリエミキサーで分散し、固形分濃度が 70%の顔料スラリーを調整した。このようにして得られた顔料スラリーにスチレンブタジエンラテックス 10部、ヒドロキシェチルエーテル化澱粉 5部を加え、さらに水を加えて固形分濃度 64%の塗工液を得た。ヒドロキシェチルェ一テル化澱粉を片面あたり 1. 0 g/m2ゲートロールコ一ターで塗工した坪量 40. 0 g/m 2の上質紙に片面あたりの塗工量が、固形分で 1 1. 0 gZmZになるように塗工液を、 l O O OmZ分の塗工速度のブレードコーター（ジェットフアウンテン式アプリケーター）で両面塗工を行い、紙水分が 4. 0%になるように乾燥した。更に表面層を設けるために、小粒径プラスチックビグメント（ガラス転移温度 1 00°C、平均粒径 1 00 η m) 20部およびスチレン 'アクリル系表面サイズ剤（ハリマ化成社製 K— 1 2) 80部の混合液を片面あたりの塗工量が、固形分で 0. 7 g/m 2になるように、 100 OmZ分の塗工速度のブレードコーター（ジェットフアウンテン式アプリケーター）で両面塗工を行ない、紙水分が 3. 8%になるように乾燥した。

次いで、ロール表面温度 80 °C、 4二ップ、カレンダ一線圧 250 k gZ c m、通紙速度 50 OmZ分でソフトニップカレンダー処理を行い、紙水分が 3. 5%のオフセット輪転印刷用塗工紙を得た。

[実施例 2 ]

実施例 1において、顔料塗工後の紙中水分を 6. 5%、顔料塗工層の上に表面塗工層をもうけた後の紙中水分を 5. 5%、カレンダー処理後の紙中水分を 4. 8%にした以外は、実施例 1と同様の方法でオフセット輪転印刷用塗工紙を得た。

[実施例 3 ]

実施例 1において、表面層として、小粒径プラスチックピグメント 45部（ガラス転移温度 100°C、平均粒径 100 nm) およびスチレン · アクリル系表面サイズ剤 55部の混合液を片面あたりの塗工量が、固形分で 1. 0 gZm2 になるように、 1000 分の塗工速度のブレードコーター（ジェットファゥンテン式アプリケーター）で両面塗工を行なった以外は実施例 1と同様の方法でオフセット輪転印刷用塗工紙を得た。

[実施例 4]

実施例 1において力レンダ処理を行わなかった以外は、実施例 1と同様の方法でオフセット輪転印刷用塗工紙を得た。

[実施例 5]

実施例 1において小粒径プラスチックビグメント（ガラス転移温度 1 00°C、平均粒径 100 nm)を小粒径プラスチックピグメント（ガラス転移温度 90°C、平均粒径 140 nm) に変更した以外は、実施例 1と同様の方法でオフセット輪転印刷用塗ェ紙を得た。

[実施例 6]

実施例 1において、表面層として、小粒径プラスチックビグメント 2部（ガラス転移温度 1 00°C、平均粒径 100 n m) およびスチレン .アタリル系表面サイズ剤 98部の混合液を片面あたりの塗工量が、固形分で 0. 7 g/m2 になるように、 1 000 mZ分の塗工速度のブレードコーター（ジェットファゥンテン式アプリケーター）で両面塗工を行なった以外は実施例 4と同様の方法でオフセット輪転印刷用塗工紙を得た。

[実施例 7]

実施例 1において、表面層として、小粒径プラスチックピグメント 60部（ガラス点温度 1 00° (：、平均粒径 1 00 nm) およびスチレン ·ァクリル系表面サイズ剤 40部の混合液を片面あたりの塗工量が、固形分で 0. 7 gZm2になるように、 1 000 mZ分の塗工速度のブレードコーター（ジェットファゥンテン式アプリケーター）で両面塗工を行なった以外は実施例 1 と同様の方法でオフセット輪転印刷用塗工紙を得た。

[比較例 1 ]

実施例 1において、ヒドロキシェチルエーテル化澱粉混合液を片面あたり 0. 8 gZm2ゲートロールコーターで塗工した坪量 40 gZmSの上質紙を使用したこと、表面層を設けなかったこと以外は実施例 1と同様の方法でオフセット輪転印刷用塗工紙を得た。

[比較例 2]

実施例 1において、 PVAを片面あたり 3. 0 g/m 2ゲートロールコータ一で塗工した坪量 40 g/m 2の上質紙に片面あたりの塗工量が、固形分で 1 2. 0 g 1112になるように塗工液を、 1 00 Om/分の塗工速度のブレードコーター（ジェットフアウンテン式アプリケーター）で両面塗工を行い、表面層を設けなかったこと以外は実施例 1 と同様の方法でオフセット輪転印刷用塗ェ紙を得た。

以上の結果を表 1に示した。

「表 1」

表 1に示したように実施例 1〜5は、いずれもひじわの発生が抑えられ、耐ブリスター性、ゥエツト着肉性に優れた良好なオフセット輪転印刷用塗工紙を得ることができる。比較例 1は、ひじわの抑制に劣る。比較例 2は、耐ブリスター性に劣る。

「実施例 8」微粒クレー（ I MER YS社製 D B— GRAZ E) 60部及び微粒重質炭酸カルシウム（フアイマテック社製 FMT— 90) 40部からなる顔料に分散材として対顔料でポリアクリル酸ソーダ◦. 2部を添加して、セリエミキサーで分散し、固形分濃度が 70%の顔料スラリーを調整した。このようにして得られた顔料スラリーにスチレンブタジエンラテックス 10部、ヒドロキシェチルエーテル化澱粉 5部を加え、さらに水を加えて固形分濃度 64°/₀の塗工液を得た。アルギン酸とヒドロキシェチルエーテル化澱粉混合液（固形分比 1 ： 5 0) を片面当たり 2. 0 gZm²ゲートロールコーターで塗工した坪量 40. 0 gZm 2の上質紙に片面当たりの塗工量が、固形分で 1 1. O gZm²になるように塗工液を、 1000 mZ分の塗工速度のブレードコーター（ジェットファゥンテン式アプリケーター）で両面塗工を行い、紙水分が 5. 5%になるように乾燥した。さらに表面層を設けるために、小粒径プラスチックビグメント（ガラス転移温度 100°C、平均粒径 0. Ι μπι) 及びスチレン ·アクリル系表面サイズ剤の混合液（固形分比 1 : 1) を片面あたりの塗工量が、固形分で 0. 7 gZm²になるように、 100 OmZ分の塗工速度のブレードコーター（ジェットフアウンテン式アプリケーター）で両面塗工を行った。

次いで、ロール表面温度 80° C、 4エップカレンダ一線圧 200 k g/ c m、通紙速度 30 Om/分でソフトニップカレンダー処理を行いオフセット輪転印刷用塗工紙を得た。

「実施例 9」

実施例 8において、ヒドロキシェチルエーテル化澱粉を片面あたり 1. O g Zm²ゲ一トロールコーターで塗工した坪量 40. 0 gZm²の上質紙を用いたこと、表面層として、小粒径プラスチックビグメント（ガラス転移温度 100°C、平均粒径 0. 1 /im) 及びスチレン ·アクリル系表面サイズ剤の混合液（固形分比 1 : 1) を片面あたりの塗工量が、固形分で 1. O g/m²になるように. 1000 mZ分の塗工速度のブレードコーター（ジェットファゥンテン式ァプリケーター）で両面塗工を行った以外は実施例 8と同様の方法でオフセット印刷用塗工紙を得た。

「実施例 1 0」

実施例 8において、ヒドロキシェチルエーテル化澱粉を片面あたり 1. 0 g /m²ゲートロ一ルコーターで塗工した坪量 40. 0 gZm²の上質紙を用いたこと、表面層として、小粒径プラスチックビグメント（ガラス転移温度 100°C、平均粒径 0. l /zm) 及びスチレン · アクリル系表面サイズ剤の混合液（固形分比 1 : 1) を片面あたりの塗工量が固形分で 1. 5 gZm²になるように、 1000 mZ分の塗工速度のブレードコーター（ジェットファゥンテン式ァプリケーター）で両面塗工を行った以外は実施例 8と同様の方法でオフセット印刷塗工紙を得た。

「比較例 3」

実施例 8において、ヒドロキシェチルェ一テル化澱粉混合液を片面あたり 1. 0 gZm²ゲートロールコーターで塗工した坪量 40 gZm²の上質紙を使用したこと、表面層を設けなかったこと以外は実施例 6と同様の方法でオフセット印刷用塗工紙を得た。「比較例 4 J

実施例 8において、 PV Aを片面あたり 3. 0 gZm²ゲートロールコーターで塗工した坪量 40 g/m ²の上質紙に片面あたりの塗工量が、固形分で 1 2. 0 gZm²になるように塗工液を、 1 0 0 OmZ分の塗工速度のブレードコータ一（ジェットフアウンテン式アプリケーター）で両面塗工を行い、表面層を設けなかったこと以外は実施例 8と同様の方法でオフセット印刷用塗工紙を得た。以上の結果を表 2に示した。

「表 2 J

表 2に示したように実施例 8〜1 0は、ひじわ発生が抑えられ、耐ブリスタ —性に優れたオフセット輪転印刷用塗工紙を得ることができる。比較例 3はひじわの抑制に劣る。比較例 4は耐ブリスター性に劣る。

「実施例 1 1」

微粒クレー（ I M E R Y S社製 D B — G R A Z E ) 5 0部、微粒重質炭酸カルシウム（フアイマテック社製 F M T - 9 0 ) 5 0 部、オフセット輪転印刷用のゲル含量 5 5 %のスチレン一ブタジェン系共重合体ラテックス 1 0部、澱粉 4 部を有する固形分 6 4 %のコート紙用塗工液を調製した。得られた塗工液を秤量 1 2 7 g Zm²の上質コート原紙に片面の乾燥重量が 1 4 g Zm² となるように塗工速度 5 0 O m Z分のブレードコータで両面塗工、乾燥して、水分 5 . 5 %の顔料塗工層を有する上塗り用基材（顔料塗工紙）を得た。

スチレン . アクリル系表面サイズ剤（荒川化学工業社製ポリマロン N S — 1 5 — 1 ) 1 0 0 部及びポリエチレンワックスェマルジョン系離型剤 5 部よりなる固形分 3 0 %の表面層用塗工液を調整した。

得られた塗工液を前記基紙（顔料塗工紙）に片面の乾燥重量が

0 g / m となるように塗工速度 5 0 O m /分のブレードコータで両面塗工、乾燥して、水分 6 . 5 %の上塗り塗工紙を得た後、チルドロール .（ 6 5 。C ) とコットンローノレよりなるスーパーカレンダ一にて、二ップ圧 1 8 0 k g Z c m、速度 1 0 m /分で、 2 二ップ通紙してオフセット輪転印刷用塗工紙を得た。

「実施例 1 2」

実施例 1 1 の表面サイズ剤をォレフイン系サイズ剤（荒川化学工業社製；ポリマロン 4 8 2 S ) に変更した以外は、実施例 1 1 と同様にしてオフセット輪転印刷用塗工紙を得た。

「実施例 1 3」

実施例 1 1 の表面サイズ剤をスチレン · マレイン酸系サイズ剤 (ハリマ化成社製 K— 4 ) に変更した以外は、実施例 1 1 と同様にしてオフセット輪転印刷用塗工紙を得た。

「比較例 5」

表面層を設けない以外は、実施例 1 1 と同様にしてオフセット輪転印刷用塗工紙を得た。

このようにして得られたオフセット輪転印刷用塗工紙の品質評価試験結果を、表 3に示した。

「表 3」

表 3から明らかなように、本発明の輪転印刷用塗工紙は、ひじわの発生を抑えることができ、ウエット着肉性も良好であった。比較例のものは、ひじわの発生を抑えることができなかった。産業上の利用可能性

本発明により、基材に顔料塗工層を設け、その顔料塗工層の上に表面サイズ剤を含有する塗工液を塗布乾燥して表面層とすることにより、またオフセット輪転印刷時ならびにオフセット輪転印刷後の乾燥工程でひじわの発生、着肉ムラを抑えることができる。また、表面層に表面サイズ剤にプラスチックピグメントを含有することにより、ひじわの発生を抑え、耐ブリスター性や白紙光沢等に優れるオフセット輪転印刷用塗工紙を得ることができる。

Claims

請求の範囲

1 . 原紙上に顔料と接着剤を含有する塗工層を設けた顔料塗工層上に、表面サイズ剤を有する表面層を設けることを特徴とするオフセット輪転印刷用塗工紙。

2 . 原紙上に顔料と接着剤を含有する塗工層を設けた顔料塗工層上に、ブラスチックピグメン卜と表面サイズ剤を有する表面層を設けることを特徴とする請求項 1記載のオフセット輪転印刷用塗工紙。

3 . 表面層が、表面サイズ剤とプラスチックビグメントを含有し、表面サイズ剤及びプラスチックピグメントの総量 1 0 0重量部当たり表面サイズ剤が 5 0重量部以上、 9 5重量部以下であることを特徴とする請求項 1又は 2に記載のオフセット輪転印刷用塗工紙。

4 . 表面サイズ剤が、スチレン 'ァクリル系、ォレフィン系、又はスチレン ' マレイン酸系の共重合体の少なくとも一つから選択されたものであることを特徴とする請求項 1〜3のいずれかに記載のオフセット輪転印刷用塗工紙。

5 . プラスチックビグメントのガラス転移温度が 8 0 °C以上で、平均粒径が 1 5 0 n m以下であることを特徴とする請求項 1〜4のいずれかに記載のオフセット輪転印刷用塗工紙。

6 . 原紙上の顔料及び接着剤を含有する辇ェ層を設けてなるオフセット輪転印刷用塗工紙において、印刷前の透気抵抗度が 8 0 0 0 0秒未満で、印刷後非画線部の透気抵抗度が印刷前に対して 8 0 0 0秒以上低下することを特徴とするオフセット輪転印刷用塗工紙。

7 . 印刷後非画線部と 4色重ね印刷部の透気抵抗度の差が 4 0 0 0 0秒以内であることを特徴とする請求項 6記載のオフセット輪転印刷用塗工紙。