WO2003007408A1

WO2003007408A1 - Procede de revetement de separateur de pile a combustible avec un materiau d'etancheite

Info

Publication number: WO2003007408A1
Application number: PCT/JP2002/007061
Authority: WO
Inventors: Akiyoshi Machida
Original assignee: Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha
Priority date: 2001-07-11
Filing date: 2002-07-11
Publication date: 2003-01-23
Also published as: EP1804321A1; CA2451111C; DE60227581D1; EP1416555A4; US20040170756A1; KR20040013141A; EP1416555B1; KR100900945B1; DE60223036T2; DE60223036D1; CA2451111A1; EP1804321B1; US7501147B2; CN1276534C; EP1416555A1; CN1528026A

Description

明細書燃料電池用セパレータのシ一ル材塗布方法技術分野

本発明は、一般に、燃料電池の製造に関し、特に、セパレ一夕へのシール材塗布品質を高めることによってそのシール性を向上させ、もって燃料電池の品質低下を防止する燃料電池用セパレ一タのシ一ル材塗布方法に関する。

背景技術

燃料電池は、水の電気分解の逆の原理を利用し、水素と酸素とを反応させて水を得る過程で電気を得ることができる電池である。一般に、燃料ガスを水素に置き換え、空気や酸化剤ガスを酸素に置き換える。

このような燃料電池としては、例えば、日本公開特許第 2 0 0 0 - 1 2 3 8 4 8号公報「燃料電池」が知られている。この燃料電池は図 2 2に分解斜視図で示されるセルを有している。

図 2 2に示されるように、電解質膜 2 0 1にァノ一ド側電極 2 0 2及びカソード側電極 2 0 3を添わせ、これらをガスケット 2 0 4 , 2 0 5を介して第 1セパレー夕 2 0 6及び第 2セパレー夕 0 7で挟むことで単位燃料電池セル（セルモジュール） 2 0 0を構成する。

詳細には、第 1セパレー夕 2 0 6の面 2 0 6 aに燃料ガスの流路となる第 1流路 2 0 8が形成され、第 2セパレータ 2 0 7の面 2 0 7 aに酸化剤ガスの流路となる第 2流路 2 0 9が形成され、各々中央の電解質膜 2 0 1 に燃料ガスと酸化剤ガスとを臨ませる構造である。

図 2 2に示される 1個のセルモジュール 2 0 0で得る電気出力はごく小さいので、このようなセルモジュール 2 0 0を多数個積層することで、所望の電気出力を得る。従って、第 1 '第 2セパレー夕 2 0 6 , 2 0 7は隣りのセルに燃料ガスや酸化剤ガスが洩れないように分離することから「セパレー夕」と呼ばれる。第 1セパレ一夕 2 0 6は面 2 0 6 aに燃料ガスのための流路 2 0 8を備え、第 2セパレータ 2 0 7は面 2 0 7 aに酸化剤ガスのための流路 2 0 9を備えるが、ガスを効果的にァノ一ド側電極 2 0 2及び力ソード側電極 2 0 3に接触させる必要があり、そのために、流路 2 0 8， 2 0 9はごく浅い溝を多数本設ける必要がおる。

第 1及び第 2セパレ一夕 2 0 6 , 2 0 7は、流路 2 0 8 , 2 0 9に燃料ガス又は酸化剤ガスを供給するため、一端部にそれぞれ燃料ガス供給孔部 2 1 0 a、酸化剤ガス供給孔部 2 1 1 aを備え、他端部にそれぞれ燃料ガス排出孔部 2 1 0 b、酸化剤ガス排出孔部 2 1 1 bを備え、また、冷却水を通すための冷却水供給孔部 2 1 2 aを一端部に備え、冷却水排出孔部 2 1 2 bを他端部に備える。

本発明者は、製造に手間とコス卜がかかるガスケッ卜 2 0 4 , 2 0 5に代えて、液状のシール材をセパレー夕に塗布し、 2枚のセパレー夕で電解質膜及び電極からなる膜/電極接合体を挟んむセルモジュールの製造を種々試みた。この過程で 1つの課題が発生した。この課題を、シール材の塗り始め部分の概略図である図 2 3 A及び図 2 3 Bに基づいて以下に説明する。

図 2 3 Aに示されるように、ノズル 2 2 1からシール材 2 2 2を吐出しながらノズル 2 2 1を白抜き矢印の方向に移動させることによってセパレ一タ 2 2 3にシール材 2 2 2を塗り始める時に、セパレ一タ 2 2 3とシール材 2 2 2の塗り始め部分 2 2 4との密着が十分でないため、塗り始め部分 2 2 4の先端がめくれることがある。

また、図 2 3 Bに示されるように、シール材 2 2 2の塗り始め時の白抜き矢印方向へのノズル移動速度が適当でないため、シール材 2 2 2の塗り始め部分 2 2 4が切れて欠肉部 2 2 5が生じることがある。

このように、シール材 2 2 2の塗り始め部分 2 2 4のシール材塗布品質を損ねると、シール性が低下するとともに、シール材 2 2 2の塗り始め部分 2 2 4から後の塗布部分のシル材塗布品質にも影響を与える。

さらに別の課題も発生した。この別の課題を、シール材を断面で示す図 2 4 A 〜図 2 4 Cに基づいて説明する。

図 2 4 Aの（a ) に示されるように、シール材 2 2 2をセパレ一タ 2 2 3に塗布した。このシール材 2 2 2は高さ h 1 を有する。

次に、図 2 4 Aの（b ) に示されるように、セパレータ 2 2 3に、図示せぬ膜 /電極接合体及び別のセパレー夕 2 3 3を積層し、シール材 2 2 2を高さ h 2になるまで潰した。この潰したシール材 2 2 2の高さ h 2は、セパレ一タ 2 2 3 , 2 3 3間に挟み込まれる電解質膜と電極の厚さによって決まる。換言すれば、セパレ一夕 2 2 3， 2 3 3間に電解質膜と電極があるので、シール材 2 2 2を更に押し潰して拡げることはできない。図中、 d 1はシール材 2 2 2の潰し代を示す。これに対して、図 2 4日の（a ) に示されるように、セパレ一夕 2 2 3に、図 2 4 Aの（a ) のシール材 2 2 2とは断面における高さが異なるシ—ル材 2 3 5 を塗布した。シール材 2 3 5の高さ h 3は、シール材 2 2 2の高さ h 1よりも大きくした。

次に、図 2 4 Bの（b ) に示されるように、セパレ一夕 2 2 3に、図示せぬ膜 /電極接合体及び別のセパレ一夕 2 3 3を積層し、シール材 2 3 5を、図 2 4 A の（b ) のシール材 2 2 2の高さ h 2と同じ高さになるまで潰した。この場合、シール材 2 3 5の潰し代は d 2となる。

このようにシール材 2 3 5の潰し代を d 2とすると、図 2 4 Aの（a ) のシ一ル材 2 2 2の高さ h 1 が、図 2 4 Bの（a ) のシール材 2 3 5の高さ h 3よりも小さくなり、潰し代 d 1 が潰し代 d 2より小さくなる。この結果、シール材 2 2 2では、潰し圧が不十分となり、良好なシール性を得ることが難しい。

そこで、塗布時のシール材の高さを大きくするため、図 2 4 Aの（a ) のシ一ル材 2 2 2の断面と縦横比（高さと幅の比）を同一にし、高さを、図 2 4 Bの（a ) のシ一ル材 2 3 5の高さ h 3と同一にした、図 2 4 Cの（a ) に示されるようなシール材 2 3 7を採用し、図 2 4 Bの（ b ) のシール材 2 3 5の高さと同一の高さ h 2までそのシール材 2 3 7を図 2 4 Cの（b ) のごとく潰した。

図 2 4 B及び図 2 4 Cから分かるように、シール材 2 3 5は幅 w 1を有し、潰した後のシール材 2 3 5は幅 w 2を有する。これに対し、シール材 2 3 7の幅 w 3は、シ一ル材 2 3 5の幅 w 1よりも大きくなり、潰した後のシール材 2 3 7の幅 w 4も、潰したシール材 2 3 5の幅 w 2より大きくなる。潰した後のシール材 2 3 7の幅 w 4がこのように大きくなり過ぎると、積層したセパレ一夕 2 2 3とセパレ一夕 2 3 3との間の所定範囲からシール材 2 3 7が食み出してシール品質を損ねたり、シール材 2 3 7が膜 ^ /電極接合体の電極に付着して燃料電池の出力に影響を及ぼしたりすることがあり、燃料電池の品質低下を招く。

発明の開示

本発明の目的は、燃料電池用セパレ一夕のシール材の塗り始め部分でのシール材塗布品質を高めることによってシール性を向上させ、また、塗布したシール材の幅に対する高さを大きくすることによってシール性を高め、もって燃料電池の品質低下を防止することにある。

本発明は、第 1の面において、ガス通路及び水通路を有するセパレー夕と、このセパレー夕のガス通路及び水通路の周囲に液状のシ一ル材を塗布するためのシール材塗布装置とを用意するステップと、シール材の塗り始め部分で、シール材塗布装置に設けたノズル部を塗り始め部分以外の部分よりもセパレ一タに接近させるステップと、シール材の塗り始め部分で、ノズル部を塗り始め部分以外の部分よりも下げた水平移動速度で移動させるステップと、から成る燃料電池用セパレ一タのシ一ル材塗布方法を提供する。

ノズル部をセパレ一タに接近させることにより、吐出するシール材をセパレ一タに押付ける押付け力を大きくすることができ、シール材をセパレ一夕に密着させることができる。従って、例えば、塗り始め部分の先端部のめくれを防止することができる。また、ノズル部の水平移動速度を下げることで、シール材をより均一な厚さに塗布することができ、例えば、シール材の欠肉を防止することができる。このように、ノズル部をセパレ一夕に接近させ、ノズル部の水平移動速度を下げることにより、シール材の塗り始め部分のシール材塗布品質を高め、シ一ル性を向上させることができる。

好ましくは、ノズル部をセパレー夕に接近させるステップは、シール材の吐出開始から所定時間ノズル部を停止させるステップを含む。シ—ル材の吐出開始から所定時間ノズル部を停止させることで、吐出するシール材をセパレ一タに時間を掛けて押し付けて密着させることができ、シール材の塗布品質をより高め、シール性をより向上させることができる。

本発明は、第 2の面において、ガス通路及び水通路を有するセパレ一夕と、このセパレ一タのガス通路及び水通路の周囲に液状のシ一ル材を塗布するためのシ一ル材塗布装置とを用意するステップと、シ一ル材塗布時にシ一ル材塗布装置を鉛直線に対して所定角度傾けるステップと、から成る燃料電池用セパレ一夕のシール材塗布方法を提供する。

シール材塗布装置を鉛直線に対して所定角度傾けた状態でシール材を塗布することにより、シール材の幅に対する高さを大きくすることができ、シール材を塗布したセパレ一夕に膜電極接合体及び別のセパレータを積層する際に、シール材の潰し代を大きくすることができて、シール性を高めることができる。また、シール材を潰した後のシール材の幅を抑えることができ、積層時のセパレ一夕間からのシール材の食み出しや、シール材の電極への付着を無〈すことができ、燃料電池の品質低下を防止することができる。

好ましくは、シール材塗布ステップは、シール材塗布装置のノズル部を固定し、セパレータを移動装置で移動することによって実施する。シール材塗布装置側に、シール材塗布装置を移動させるための構造を付設する必要がなく、シール材塗布装置側を簡単な構造にすることができる。

図面の簡単な説明

図 1は、本発明に係る燃料電池用セパレー夕のシール塗布積層装置の正面図であり；

図 2は、本発明に係るシール材塗布ステーションの要部拡大正面図であり；図 3は、図 2の 3矢視図であり；

図 4は、図 3の 4— 4線断面図であり；

図 5は、本発明に係るセパレ一夕の平面図であり；

図 6は、本発明に係るシール材塗布ガンによるシール材の吐出動作を示す作用図であり；

図 7 A〜図 7 Gは、本発明に係るシール材塗布ガンのノズル部の移動及びシ一ル材の塗布動作を順次説明する作用図であり；

図 8は、本発明に係るシール材塗布ガンによるシール材の吸引動作を示す作用図であり；

図 9は、本発明に係るシール材塗布方法のフロー図であり；

図 1 0は、本発明に係る燃料電池用セパレ一夕の他のシール塗布積層装置の正面図であり；図 1 1は、本発明に係る他のシール材塗布ステーションの要部拡大正面図であり；

図 1 2は、図 1 1の 1 2矢視図であり；

図 1 3は、本発明に係るセパレ一夕載置テーブルの斜視図であり；

図 1 4 A及び図 1 4 Bは、本発明に係るシール材塗布ガンでのシール塗布要領を説明する作用図であり、図 1 4 Aはシール材塗布ガン及び監視カメラの要部拡大図、図 1 4 Bは図 1 4 Aの B— B線断面図であり；

図 1 5 〜図 1 5 Cは、本発明に係るセパレー夕の他のシール材塗布方法の初期の工程を順次示す作用図であり；

図 1 6 〜図1 6 Cは、本発明に係るセパレー夕の他のシール材塗布方法の中期の工程を順次示す作用図であり；

図 1 7 〜図1 7 Cは、本発明に係るセパレ—夕の他のシール材塗布方法の後期の工程を順次示す作用図であり；

図 1 8は、本発明に係る監視カメラの視野を説明する説明図であり；図 1 9は、本発明に係るシール材の塗布状況監視中のフロー図であり；図 2 0は、本発明に係るシール材の高さ及び幅の規格を示すグラフであり；図 2 1は、本発明に係るシール材塗布ガンの傾斜角度とァスぺク卜比との関係を示すグラフであり；

図 2 2は、従来の燃料電池用セルの分解斜視図であり；

図 2 3は、従来のシール材塗布要領の説明図であり；そして

図 2 4 A〜図 2 4 Cは、従来のシール材塗布方法における課題を説明するためのシール材断面図である。

発明を実施するための最良の形態

図 1 に示されるように、シール塗布積層装置 1 0は、セパレ一タにシ一ル材を塗布するシール材塗布ステーション 1 1 と、シ一ル材を塗布したセパレ一夕に膜

/電極接合体を積層する積層ステーション 1 2とを備える。なお、 1 3はシール材塗布ステーション 1 1へセパレータを投入する投入ステーション、 1 4は奠 / 電極接合体を卜リミングする卜リミングステーションである。

膜ノ電極接合体は、高分子化合物からなる高分子電解質膜の両面に、力—ボンペーパーからなるァノ一ド側電極及びカソード側電極をそれぞれ貼り合わせたものである。

図 2に示されるように、シール材塗布ステーション 1 1は、ベース部 2 1 に取付けたセパレー夕載置台 2 2と、ベース部 2 1に取付けたアーム部 2 3と、このァ一厶部 2 3に取付けたシール材塗布装置としてのシール材塗布ガン 2 4と、このシール材塗布ガン 2 4の先端に接近させて配置した非接触式センサ 2 5とからなる。

シール材塗布ガン 2 4は、シール材を蓄えるとともに交換可能としたシ一ル材力一卜リッジ 2 7と、このシール材カ一卜リツジ 2 7に取付けたシ一ル材供給ホ —ス 2 8と、このシール材供給ホース 2 8の先端を連結したシール材押出し部 3 1 と、このシール材押出し部 3 1 を駆動する電動モータ 3 2と、シール材を吐出するためにシール材押出し部 3 1の先端に取付けたノズル部 3 3とからなる。なお、 3 4はシール材塗布ガン 2 4を左右方向（X— X方向）に移動させる左右移動装置、 3 5はシール材塗布ガン 2 4を鉛直方向（z — z方向）に移動させる鉛直移動装置である。

非接触式センサ 2 5は、ノズル部 3 3のほぼ下方のセパレー夕面に、例えばレ —ザを照射することで、シール材をセパレ一夕に塗布中に、既に塗布したシール材を非接触の状態で検知するものであり、後述する制御装置は、この非接触式センサ 2 5からの信号に基づいて、上記した左右移動装置 3 4、鉛直移動装置 3 5 及び後述する前後移動装置を駆動して、シール材塗布ガン 2 4の水平移動や昇降を制御する。

シール材塗布ガン 2 4のシール材押出し部 3 1は、後述するように、螺旋状の溝を設けたスクリュ一をシリンダ内に挿入したものであり、電動モータ 3 2でスクリュ一を回転させることで、シール材カ一卜リッジ 2 7内のシール材をシール材供給ホース 2 8を介して吸引するとともに、シリンダ内壁とスクリユーの溝との間でシール材を押出し、ノズル部 3 3から吐出させる。また、シール材押出し部 3 1は、後述するように、スクリユーを上記とは逆に回転させることで、シリンダ内壁とスクリユーとの間でシ一ル材を押し上げ、ノズル部 3 3から吸引する。図 3は、シール材塗布ガン 2 4の後部に背板 3 6を取付け、この背板 3 6の下端からステ— 3 7， 3 7 (奥側のステー 3 7は不図示）を斜め下方に延ばし、これらのステ— 3 7， 3 7の先端に非接触式センサ 2 5を取付けたことを示す。なお、 3 8はシール塗布ガン 2 4を前後方向（y— y方向）に移動させるためにァー厶部 2 3の下部に設けた前後移動装置、 3 9は電動モータ 3 2、左右移動装置 3 4及び鉛直移動装置 3 5の駆動を制御する制御装置である。

非接触式センサ 2 5は、先端をノズル部 3 3の下方に向けたものである。

図 4は、シール材塗布ガン 2 4のシール材押出し部 3 1に第 1 シリンダ部 4 1 及び第 2シリンダ部 4 2を設け、これらの第 1 シリンダ部 4 1及び第 2シリンダ部 4 2にそれぞれ第 1スクリユー 4 3及び第 2スクリュー 4 4を挿入したシール材押出し軸 4 5を電動モータ 3 2 (図 3参照）の出力軸に連結することを示す。ここで、 4 7は第 2シリンダ部 4 2と一体に形成したケース部、 4 8はシール材押出し軸 4 5を支持するためにケース部 4 7に設けた軸受部、 5 1はシール材供給ホース 2 8に連通させるためにケース部 4 7に形成したシール材導入室、 5 2はジョイント、 5 3 , 5 3はホースバンドである。

図 5は、セパレー夕 5 7に図示せぬガス通路及び水通路を形成し、これらのガス通路及び水通路の周囲にシール材塗布溝 5 8を設け、このシール材塗布溝 5 8 にシール材 6 1 を塗布した状態を示す。

シール材塗布溝 5 8は、幅が他の部分より大きな拡張部 6 2を備えた平面視環状の溝であり、拡張部 6 2の溝幅を w 5とし、拡張部 6 2以外の溝幅を w 6とすると、 w 5 > w 6である。

シール材 6 1 は、シール溝 5 8の拡張部 6 2に直線状の塗り始め部分 6 3を塗布し、この塗り始め部分 6 3から順に、第 1曲線部 6 4、第 1直線部 6 5、第 2 曲線部 6 6、第 2直線部 6 7、第 3曲線部 6 8を塗布し、この第 3曲線部 6 8に続く直線状の塗り終わり部分 7 1 を拡張部 6 2に塗布したものである。

ここで、 7 2はシール材 6 1を塗布せずにシール材塗布ガン 2 4を水平移動する移動経路、 8 0〜8 8はシール材 6 1の各部を塗布する際にシール材塗布ガン 2 4の移動の始点又は終点とするために、図 5において、シール材塗布溝 5 8上に設けた架空の点、 9 1は第 1曲線部 6 4上の点、 9 2は第 1直線部 6 5上の点、 9 3は第 2曲線部 6 6上の点、 9 4は第 2直線部 6 7上の点、 9 5は第 3曲線部 6 8上の点である。

次にシール材塗布方法について説明する。

図 6に示されるように、シール材 6 1の塗布を開始するには、電動モータを作動させることで、シール材押出し軸 4 5を白抜き矢印の方向へ回転させる。ここでの電動モー夕及びシール材押出し軸 4 5の回転方向を正方向とする（正回転と ¾ o ) o

これにより、シール材カートリヅジからシール材供給ホース 2 8を通じてシ一ル材導入室 5 1内に吸引したシール材 6 1 を、矢印に示すように、第 1シリンダ部 4 1 と第 1スクリュ一 4 3の溝との間及び第 2シリンダ部 4 2と第 2スクリュ —4 4の溝との間から下方へ押出し、ノズル部 3 3から外部に吐出させ、セパレ —夕 5 7に塗布する。

図 7 Aに示されるように、ノズル部 3 3の先端をセパレー夕 5 7から所定距離 L 1 だけ離して配置する。

図 7 Bにおいて、ノズル部 3 3を図 7 Aの位置から所定距離 L 2だけ下降させ、シール材の塗布を開始する。

図 7 Cにおいて、シール材 6 1の塗布を開始してから所定時間 t 1経過するまで一旦ノズル部 3 3を停止させてシール材 6 1 をセパレ一タ 5 7に十分に密着させる。

そして、上記所定時間 t 1経過後、ノズル部 3 3を水平移動速度 V 1で移動させながら図 7 Aの高さまで上昇させる。

図 7 Dにおいて、ノズル部 3 3が図 7 Aに示した高さまで上昇したらノズル部 3 3を水平移動速度 V 2 ( v 2 > v 1である。）に増速して移動させながらセパレータ 5 7にシール材 6 1 を塗布する。このときには非接触式センサからレーザ 7 4をセパレー夕 5 7に照射している。

図 7 Eにおいて、レーザ 7 4がシール材 6 1の塗り始め部分 6 3に当たって非接触式センサが塗り始め部分 6 3を検知すると、図 7 Fにおいて、シール材塗布ガンはシール材吸引動作を行いながら（詳細は後述する。）水平移動速度 V 3 ( V 3 < v 2である。）で水平移動するため、ノズル部 3 3からのシール材 6 1の吐出量が減少し、図 7 Gに示すように、やがてノズル部 3 3からのシール材 6 1の吐出は止まる。ノズル部 3 3が図 5に示した点 8 7まで移動したら、電動モータを停止させ、シ一ル材塗布ガンのシ一ル材吸弓 I動作を終了してシ一ル材の塗布を終了し、この点 8 7からノズル部 3 3を点 8 8まで水平移動速度 V 3で移動して、セパレ一夕 5 7へのシール材 6 1の塗布工程を完了する。

図 7 Eにおいて、非接触式センサがシール材 6 1の塗り始め部分 6 3を検知すると、この検知信号に基づいて制御装置は、電動モ一夕を、図 6で示した回転方向に対して逆回転させ、図 8に示すようにシール材押出し軸 4 5を白抜き矢印の方向に回転させる。即ち、電動モータ及びシール材押出し軸 4 5の回転方向を逆方向とする（逆回転とする）。

これにより、第 1シリンダ部 4 1 と第 1スクリュー 4 3の溝との間のシール材 6 1及び第 2シリンダ部 4 2と第 2スクリユー 4 4の溝との間のシール材 6 1 を矢印のように上方に移動させ、ノズル部 3 3内のシール材 6 1 を吸引する。

従って、ノズル部 3 3からのシール材 6 1の吐出量は減少し、やがてノズル部 3 3からのシール材 6 1の吐出は止まる。

図 9では本発明に係るシ一ル材塗布方法のフ口一図を示し、図 7で説明したシール材塗布方法を再度説明する。なお、 S T X Xはステップ番号を示す。

S T 0 1…シール材塗布ガンのノズル部をセパレ一夕から所定距離 L 1だけ離して配置する。

S T 0 2…ノズル部を所定距離 L 2だけ下降させる。

S T 0 3…ノズル部を停止させた状態でノズル部からシール材の吐出を開始し、セパレー夕へのシール材の塗布を開始する。

S T 0 4…シ一ル材の吐出開始後、所定時間 t 1が経過したかどうか判断する。所定時間 t 1が経過していない（N O ) 場合は、 S T 0 4を再度実行する。所定時間 t 1が経過した（Y E S ) 場合は、 S T 0 5に進む。

S T 0 5…ノズル部を水平移動速度 V 1で移動させながら元の高さまで上昇させる。

S T 0 6 'ノズル部を水平移動速度 V 2に増速して移動させながらシール材を塗布する。

S T 0 7 'シ一ル材の塗り始め部分と塗り終わり部分との交差位置で電動モ一夕を逆回転させ、シール材の吸引を開始する。これと同時に、ノズル部の水平移動速度 V 2を水平移動速度 V 3に減速する。

S T 0 8…シール材の吸引を終了して、シール材の塗布を終了する。

S T 0 9…ノズル部を退避位置まで移動させる。

これで、セパレー夕へのシール材の塗布は完了する。

図 1 0に示されるように、シール塗布積層装置 1 2 0は、セパレ一夕にシール材を塗布するシール材塗布ステーション 1 2 1 と、前述の積層ステーション 1 2 とを備え、シール材塗布ステーション 1 2 1は、セパレ一夕にシ一ル材を塗布するときに、シール材塗布ガン 2 4を鉛直線に対して所定角度傾けるとともに、シ —ル材塗布ガン 2 4を移動させずに、セパレ一タを移動させるものである。

図 1 1に示されるように、シール材塗布ステーション 1 2 1は、ベース部 2 1 に取付けた移動装置としてのセパレ一タ載置テーブル 1 2 2と、アーム部 2 3と、シール材塗布ガン 2 4と、このシール材塗布ガン 2 4の先端に近接させて配置した監視カメラ 1 2 5とからなる。

監視カメラ 1 2 5は、ノズル部 3 3の下方近くが視野に入るようにしたものであり、シール材をセパレー夕に塗布中に、既に塗布したシール材の塗布状況、特にシール材の外形寸法を監視するものである。この監視の結果、シール材の外形寸法が所定範囲を外れた場合には、図示せぬ制御装置が、この監視カメラ 1 2 5 からの信号に基づいてシール材の塗布及びセパレ一タ載置テーブル 1 2 2の駆動を停止する。

監視カメラ 1 2 5の向きは、常に一定の方向になるように固定し、必要に応じて微調整できるようにするが、これに限らず、後述するブラケット 1 3 6と監視カメラ 1 2 5とをボールジョィン卜等の自在継手で連結し、ブラケヅ卜 1 3 6に取付けた駆動モータで監視カメラ 1 2 5の向きを変更できるようにしてもよい。この場合、監視カメラ 1 2 5の視野にシール材が入るように、図示せぬ制御装置が監視カメラ 1 2 5からの信号に基づいて上記の駆動モ一夕の作動を制御する o

図 1 2は、シール材塗布ガン 2 4の後部に背板 3 6を取付け、この背板 3 6の下端からブラケヅ卜 1 3 6を延ばし、このブラケヅ卜 1 3 6の先端に監視カメラ 1 2 5を取付け、この監視カメラ 1 2 5をシール材塗布ガン 2 4のノズル部 3 3 の手前に配置（図 1 1では監視カメラ 1 2 5はノズル部 3 3の向って左横に配置。）したことを示す。

ここで、 1 3 7は一端をァ一厶部 2 3に取付けるとともに他端に背板 3 6をスイング軸 1 3 8を中心にスイング自在に取付けたガン支持部、 1 3 9はシール材塗布ガン 2 4をスィング軸 1 3 8を中心に傾斜させるための傾斜装置である。図 1 3に示されるように、セパレー夕載置テ一プル 1 2 2は、ベ一ス部 2 1に回転可能に取付けた回転板 1 4 1 と、この回転板 1 4 1にレール 1 4 2 , 1 4 2 を介してスライド可能に取付けた第 1スライド板 1 4 3と、この第 1スライド板 1 4 3にレール 1 4 4 , 1 4 4を介してスライド可能に取付けた第 2スライド板 1 4 5と、回転板 1 4 1 を回転させる電動モータ 1 4 6と、第 1スライド板 1 4 3を移動させるために回転板 1 4 1に取付けた第 1 シリンダ 1 4 7と、第 2スラィド板 1 4 5を移動させるために第 1スライド板 1 4 3に取付けた第 2シリンダ 1 4 8と、電動モ一夕 1 4 6を駆動させる電動モータ駆動装置 1 5 1 と、第 1 シリンダ 1 4 7を駆動させる第 1シリンダ駆動装置 1 5 2と、第 2シリンダ 1 4 8 を駆動させる第 2シリンダ駆動装置 1 5 3と、これらの電動モ一夕駆動装置 1 5 1 、第 1 ·第 2シリンダ駆動装置 1 5 2 , 1 5 3の駆動を制御する制御装置 1 5 4と、この制御装置 1 5 4に第 1 ■第 2スライド板 1 4 3 , 1 4 5の移動量及び移動速度、回転板 1 4 1の回転角度及び回転角速度のデータを入力するための入力装置 1 5 5とからなる。

即ち、セパレ一夕載置テーブル 1 2 2は、第 2スライド板 1 4 5を矢印で示した X— X方向、 y— y方向に移動することができるとともに r— r方向に回転することができるようにしたものである。

以上に述べたシ一ル材塗布ガン 2 4によるセパレー夕へのシール材塗布方法を次に説明する。

図 1 4 Aに示されるように、まず、前述の傾斜装置 1 3 9 (図 1 1参照）を作動させ、シール材塗布ガン 2 4を鉛直線 1 5 6に対して所定角度 0だけ傾斜させる。このとき、シール材塗布ガン 2 4の傾斜に伴って監視カメラ 1 2 5も一体的に傾斜する。ここで示した鉛直線 1 5 6は、図 1 3に示した電動モ一夕 1 4 6の出力軸 1 4 D aを通る泉である。

この状態で、図 1 3に示したセパレータ載置テーブル 1 2 2の第 2スライド板 1 4 5に必要に応じて X方向の移動、 y方向の移動及び「方向の回転を行わせながらシール材塗布ガン 2 4のノズル部 3 3からシール材 6 1 を吐出し、セパレ一夕 5 7、詳しくは後述するシール材塗布溝 5 8 (図 5参照）にシール材 6 1を塗布する。

上記したシール材塗布ガン 2 4は、このシール材塗布ガン 2 4の上部側を、セパレ一タ 5 7の移動方向（図の左方）に対して反対の方向（図の右方）に傾斜させた。

図 1 4 Bは、セパレ一夕 5 7に塗布したシール材 6 1の外形寸法を示す。 Hはシール材 6 1の高さ、 Wはシール材 6 1の幅であり、シ一ル材 6 1の断面形状を翼の断面形状に見立てると、シール材 6 1の高さ Hは翼高さ、シール材 6 1の幅は翼弦長に対応する。

このとき、翼高さと翼弦長との比 H ZWをァスぺク卜比と呼ぶ。

本発明では、後述するように、上記ァスぺク卜比 H /Wを所定値範囲になるように、図 1 4 Aに示したシール材塗布ガン 2 4の傾斜角度 0を設定した。

以上に述べたセパレ一夕の他のシール材塗布方法を次に説明する。

図 1 5 〜図 1 5 Cにおいて、セパレ一夕の他のシール材塗布方法の初期のェ程を再度図 5を用いて順次説明する。但し、ここでは、 7 2はシール材 6 1を塗布しない状態でセパレ一タ 5 7を移動させた場合のシール材塗布ガンのノズル部 3 3 (図 1 1参照）の軌跡、 8 0 ~ 8 8はシール材 6 1 を塗布する際、図 1 3に示したセパレ一タ載置テーブル 1 2 2の第 2スライド板 1 4 5における X方向の移動、 y方向の移動及び回転の起点又は終点とするために、図 5において、シ一ル材塗布溝 5 8上に設けた架空の点（これらの点は、図に示す X軸、 y軸からなる直交座標をとつたときに、図 1 3に示した制御装置 1 5 4のメモリに X , y座標として記憶させたものである。）である。なお、ここでは、シール材塗布ガンのノズル部先端の真下に、 X軸及び y軸からなる直交座標の原点をとる。この原点は図 5に示した直交座標の原点と一致する。図 1 3に示したセパレ一夕載置テーブル 1 2 2の第 2スライド板 1 4 5にセパレ一タ 5 7 (図 5参照）を位置決めした状態から、図 1 5 Aは、第 2スライド板を X方向及び y方向に移動させるとともに回転させ、シ一ル材塗布ガンのノズル部先端の真下に、シール材塗布溝 5 8上の点 8 0を配置し、且つ監視カメラの視野 1 9 7を、これから塗布する塗り始め部分 6 3の延長線上に配置したことを示す。即ち、平面視で点 8 0と視野 1 9 7とは X軸上にある。

まず、この状態から、第 2スライド板を X方向へ移動させながら、シール材塗布溝 5 8にシール材を塗布し始める。なお、以降は、監視カメラの視野 1 9 7内に塗布済みのシール材が入るように第 2スライド板の X方向移動、 y方向移動、回転を適宜行いながら、シール材の塗布を実施する。

図 1 5 Bはノズル部の真下までシール材塗布溝 5 8上の点 8 1 を移動させ、シ —ル材 6 1の塗り始め部分 6 3を直線状に塗布した状態を示す。

図 1 5 Cは、ノズル部の真下までシール材塗布溝 5 8上の点 9 1を移動させ、シール材 6 1の第 1曲線部 6 4を塗布中の状態を示す。

図 1 6八〜図 1 6 Cにおいて、セパレ一夕の他のシール材塗布方法の中期のェ程を順次説明する。

図 1 6 Aは、シール材 6 1の第 1曲線部 6 4の塗布を終了した後に、ノズル部の真下までシール材塗布溝 5 8上の点 9 2を移動させ、シール材 6 1の第 1直線部 6 5を塗布中の状態を示す。

図 1 6 Bは、シール材 6 1の第 1直線部 6 5の塗布を終了した後に、ノズル部の真下までシール材 6 1上の点 9 3を移動させ、シール材 6 1の第 2曲線部 6 6 を塗布中の状態を示す。

図 1 6 Cは、シール材 6 1の第 2曲線部 6 6の塗布を終了した後に、ノズル部の真下までシール材 6 1上の点 9 4を移動させ、シール材 6 1の第 2直線部 6 7 を塗布中の状態を示す。

図 1 7八〜図 1 7 Cにおいて、セパレー夕の他のシール材塗布方法の後期のェ程を順次説明する。

図 1 7 Aは、シール材 6 1の第 2直線部 6 7の塗布を終了した後に、ノズル部の真下までシール材 6 1上の点 9 5を移動させ、シール材 6 1の第 3曲線部 6 8 を塗布中の状態を示す。

図 1 7 Bは、シール材 6 1の第 3曲線部 6 8の塗布を終了した後に、ノズル部の真下までシール材 6 1上の点 8 7を移動させ、シール材 6 1の塗り終わり部分 7 1 を塗布した状態を示す。これで、シール材 6 1の塗布を終了する

図 1 7 0は図 1 7 Bの状態から、軌跡 7 2となる部分がノズル部の真下に沿うように第 2スライド板を移動して、ノズル部の真下に点 8 8を移動させた状態を示す。

図 1 8は、監視カメラの視野 1 9 7にシ一ル材 6 1が入るようにし、塗布済みのシール材 6 1の幅 Wが所定範囲にあるか否かを確認する状態を示す。なお、図中に示す想像線は、シール材 6 1の長手方向に垂直な断面を示す横断面図である。シール材 6 1の外形寸法としては、図に示した幅 Wと高さ Hとがあるが、ノズル部からの吐出量、セパレー夕の移動速度、セパレータ面とノズル部とのクリアランス、シール材の粘度が一定である場合、シール材の幅 Wが変化すれば、高さ Hは幅 Wに応じて変化するため、幅 Wのみを確認しておけば、シール材 6 1の塗布状況が異常かどうかを確認することができる。

図 1 9では本発明に係るシール材の塗布状況監視中のフロー図を示す。なお、 S T X Xはステップ番号を示す。

s τ 1 1…シール材の塗布状況の確認を開始する。

S T 1 2…シ一ル材に異常が発生したかどうか判断する。

シール材に異常が発生しなかった（N O ) 場合、再度 S T 1 2を実行する。シール材に異常が発生した（Y E S ) 場合、 S T 1 3に進む。

異常が発生したとは、例えば、シール材を塗布中に、例えば、塗布量が少なくなって欠肉を起こし、幅 W (図 1 8参照）が所定範囲を下回ったり、また、塗布量が多くなつて幅 Wが所定範囲を上回った場合のことである。

S T 1 3…シール材塗布ガンの作動を停止して、シール材吐出を停止するとともに、セパレータ載置テーブルの駆動を停止して、この異常事態に対処する。次にシ一ル材塗布ガン 2 4の傾斜角度を求める方法を説明する。

まず、塗布したシ一ル材の高さ及び幅の規格について説明する。

図 2 0のグラフでは、縦軸はシール材高さ H (単位は m m、図 1 4 B参照）、横軸はシール材幅 W (単位は mm、図 1 4 B参照）を表す。

シール材の高さ Hの規格は 1 . 0〜1 . 2mmであり、幅 Wの規格は 1 . 1 5 ~1 . 3mmであり、グラフ中に太い実線で示した四角形の内側が高さ H及び幅 Wの両方の規格を満たす範囲である。

上記した四角形の範囲内の高さ Hとこれに対応する幅 Wとから、 A二 HZWの式より無数のァスぺク卜比 Aが得られる。

ァスぺク卜比 Aは、 H = A ■ Wと表すときに、グラフの原点と四角形の範囲にある点とを結ぶ直線の傾きであるから、例えば、四角形の範囲にある点 Bと原点とを結んで直線 Cを引くと、この直線 C上ではァスぺク卜比 Aは一定となる。この直線 Cと四角形の範囲との関係を見てみると、幅 Wが直線 C上で点 Bから W= 1 . 3まで変化するときには、高さ Hは直線 C上で規格（ 1 . 0〜1 . 2 ) 内を変化する。

また、幅 Wが直線 C上で点 Bから W= 1 . 1 5まで変化するときには、高さ H は直線 C上で規格を下回る（ 1 . 0未満となる）。

また例えば、四角形の範囲にある点 Dと原点とを結んで直線 Eを引くと、この直線 E上ではァスぺクト比 Aは一定となる。

この直線 Eと四角形の範囲との関係を見てみると、幅 Wが直線 E上で点 Dから W= 1 . 1 5まで変化するときには、高さ Hは直線 E上で規格内（1 . 0〜1 . 2) を変化する。

また、幅 Wが直線 E上で点 Dから W= 1 . 3まで変化するときには、高さ Hは直線 E上で規格を上回る（ 1 . 2を越える）。

以上のことから、四角形の左下隅の点 F (この点 Fの座標は（ 1 . 1 5， 1 . 0) である。）と原点とを結ぶ直線 G、及び四角形の右上隅の点 J (この点 Jの座標は（ 1 . 3 , 1 . 2 ) である。）と原点とを結ぶ直線 Kを引けば、これらの直線 G及び直線 K上、更にはこれらの両直線 G, Kの間に引くことができる直線上では、高さ Hの規格及び幅 Wの規格の両方を満たすことが分かる。

直線 Gは！ H= ( 1 . 0/1 . 1 5 ) - Wと表すことができるから、ァスぺク卜比 Aは A= 1 . 0/1 . 1 5 = 0. 87となる。

また、直線 Kは H= ( 1 . 2/1 . 3) . Wと表すことができるから、ァスぺク卜比 Aは A= 1 . 2/1. 3 = 0. 92となる。

従って、アスペクト比 Aが 0. 87≤Α≤0· 92を満たせば、シール材高さ Η及びシール材幅 Wの両方の規格を满たすことができる。

以上で求めたァスぺク卜比の範囲のシール材外形寸法を得るために、本発明者は、表 1に示す各条件、特にシール塗布ガンにおけるノズル部の鉛直線に対する傾斜角度 Θを変化させてシール材を塗布し、それぞれのシール材のァスぺクト比を求めた。

表 1

表 1において、ァスぺク卜比を求める各条件、結果及び判定を順に説明する。比較例 1 ：

塗布速度 V、即ち第 2スライド板の移動速度を 20 m/s e cとし、シール材塗布ガンの電動モータの回転数 Nを 39 r pmとし、シール材塗布ガンのノズル部の傾斜角度 0を 0° (即ち、鉛直線に対して傾斜させない）としたときに、シ —ル材高さ Hは 1 . 03 mm、シール材幅 Wは 1 . 27 mm、アスペクト比 Aは 0. 81となり、前述のアスペクト比 Aの範囲である 0. 87^Α≤0· 92を満たさないため、判定は X (不合格）である。

実施例 1 ：

塗布速度 Vを 2'Om/s e cとし、電動モータの回転数 Nを 39 r pmとし、ノズル部の傾斜角度 0を 1 0° としたときに、シール材高さ Hは 1. 07mm、シール材幅 Wは 1 . 22 mm、アスペクト比 Aは 0. 88となり、前述のァスぺク卜比 Aの範囲である 0. 87≤A≤0. 92を満たすため、判定は〇（合格）であ。

実施例 2 ：

塗布速度 Vを 2 Om/s e cとし、電動モータの回転数 Nを 39 r pmとし、ノズル部の傾斜角度 Θを 20° としたときに、シール材高さ Hは 1. 08mm、シ一ル材幅 Wは 1 . 1 8 mm、アスペクト比 Aは 0. 92となり、前述のァスぺクト比 Aの範囲である 0. 8 92を満たすため、判定は〇（合格）

(ϊ'ある。

比較例 2 ：

塗布速度 Vを 2 Om/s e cとし、電動モータの回転数 Nを 39 r pmとし、ノズル部の傾斜角度 0を 30° としたときに、シール材高さ Hは 1. 1 4mm、シール材幅 Wは 1 . 1 7 mm、アスペクト比 Aは 0. 97となり、前述のァスぺク卜比 Aの範囲である 0. 87≤A≤0. 92を満たさないため、判定は X (不合格）である。

以上より、アスペクト比 Aを 0. 87≤A≤0. 92とするためのシール材塗布ガンのノズル部の傾斜角度 0は、 1 0° ≤0≤20° となる。

図 21のグラフでは、縦軸はァスぺク卜比 A、横軸はシ一ル材塗布ガンの傾斜角度 0 (単位は。であり、図 1 4 A参照）を表す。

表 1に示した実施例 1、実施例 2、比較例 1及び比較例 2のそれぞれの傾斜角度 0に対するァスぺク卜比 Aをプロッ卜すると、シール材塗布ガンの傾斜角度 0 が大きくなるにつれて、ァスぺク卜比 Aはほぼ直線的に増加する傾向にある。このような増加傾向と図 20で求めたァスぺク卜比とから、シール塗布ガンの傾斜角度 0を、シール材の高さ Hの規格及び幅 Wの規格を満たしつつ大きくする、例えば、実施例 1のァスぺク卜比よりも実施例 2のァスぺク卜比を採用することで、ァスぺク卜比 Aを大きくすることができる。

尚、図 7 B及び図 7 Cでは、所定距離 L 2だけセパレ一夕に接近させた状態から、ノズル部 33を水平移動速度 V 1で移動させながら元も高さ L 1 まで上昇させたが、これに限らず、まず、ノズル部 33を水平移動速度 V 1で水平に移動させ、次に元も位置まで上昇させたり、あるいは、ノズル部 33を元の位置まで上昇させ、次にノズル部 33を水平移動速度 V 1で水平に移動させてもよい。また、図 1 3では、セパレ一タ載置テーブル 1 2 2の第 1スライド板 1 4 3の移動及び第 2スライド板 1 4 5の移動を第 1 シリンダ 1 4 7及び第 2シリンダ 1 4 8で行うようにしたが、これに限らず、第 1スライド板及び第 2スライド板にそれぞれ長尺のねじをねじ結合し、このねじを電動モータ等で回転させたり、第 1スライド板及び第 2スライド板に固定したボルトにねじ結合したナツ卜を電動モータ等で回転させるようにしてもよい。

産業上の利用可能性

上述したように、本発明によるシール材塗布方法では、シール材の塗り始め部分において、シール材塗布装置に設けたノズル部を塗り始め部分以外の部分よりもセパレ—夕に接近させ、ノズル部を塗り始め部分以外の部分よりも遅い水平移動速度で移動させる。これにより、吐出するシール材をセパレ一夕に密着させることができるので、シール材をより均一な厚さに塗布することができ、シール材の塗り始め部分のシ一ル材塗布品質、ひいてはシール性をより高めることができる。従って、本発明は燃料電池の製造に有用である。

Claims

請求の範囲

1 . ガス通路及び水通路を有するセパレ—夕と、前記セパレー夕の前記ガス通路及び水通路の周囲に液状のシール材を塗布するためのシール材塗布装置とを用意するステップと、

前記シール材の塗り始め部分において、前記シール材塗布装置に設けたノズル部を前記塗り始め部分以外の部分よりもセパレー夕に接近させるステップと、前記シール材塗り始め部分において、前記ノズル部を前記塗り始め部分以外の部分よりも遅い水平移動速度で移動させるステップと、

から成ることを特徴とする、燃料電池用セパレー夕のシール材塗布方法。

2 . 前記ノズル部をセパレ一夕に接近させるステップは、該シール材の吐出開始から所定時間ノズル部を停止させるステップを含むことを特徴とする、請求項 1 に記載のシ一ル材塗布方法。

3 . ガス通路及び水通路を有するセパレー夕と、前記ガス通路及び水通路の周囲に液状のシール材を塗布するためのシール材塗布装置を用意するステップと、該シール材を前記ガス通路及び水通通路の周囲に塗布する際に前記シール材塗布装置を鉛直線に対して所定角度傾けるステップと、

から成ることを特徴とする、燃料電池用セパレータのシ一ル材塗布方法。

4 . 前記シール材塗布ステップは、前記シール材塗布装置のノズル部を固定し、前記セパレ一タを移動装置で移動することによって行われることを特徴とする、請求項 3に記載のシール材塗布方法。