明 細 書 ピロ一ルーィミダゾールポリアミ ドの固相合成法 ピロール-イミダゾールポリアミ ドの固相合成法 技術分野
本発明は、 近年の活発な研究により、 配列特異的に D N Aと結合させることが 出来ることが明らかとなり、 遺伝子発現の制御等に有用な化合物として注目され ているピロ一ルーイミダゾールポリアミ ドの新規な合成法に関する。 背景技術
近年の活発なゲノム解析研究により、 約 3 0億のデォキシリポ核酸 (D N A ) の連なりから構成されているヒ トゲノムの解明はほぼ終了した。 今や時代は遗伝 情報の元となる遺伝子の発見と解明、 更には個人の体質の差を左右する遺伝子の —塩基変異多型 (S N P s ) の解明へと移ってきている. この研究の中で様々な 遺伝子や遺伝情報が明らかとなっており、 それらの遺伝情報を特異的に制御する 化合物を合成することは、 新時代の創薬技術として有用な手法であると考えられ る。
本発明者らは、 D N Aの A T塩基対に富む部位に選択的に結合することが知ら れている抗生物質デイスタマイシンに着目し研究を続けてきているが、 その一環 として、 ディスタマイシンの構成単位であるピロールアミ ドとその誘導体である ィミダゾ一ルアミ ドとを組み合わせたシステマティ ックなディスタマイシン誘導 体の合成を行い、 得られた化合物の生化学的な検討を行っている。 そして、 その 結果として、 本発明者らは、 これらの化合物は D N Aのある特定部位に対して選 択的に結合できる化合物であり、 その選択性はピロールアミ ド (P y ) とイミダ ゾールアミ ド ( I m) の順序により決定できることを明らかにした。
更に本発明者らは、 合成したピロ一ルーィミダゾ一ルポリアミ ドを用いて既存 の癌細胞に対する細胞毒性試験を行うシステマティ ックなスクリーニング法を見 出した。 この手法は、 ヒ トゲノム計画の中で明らかにされるであろう、 ある特定 の癌細胞に特有の D N A配列を標的とする化合物群の一斉簡易スクリーニング法
である。 構成単位であるピロ一ルーィミダゾールアミ ドが 8アミ ド存在する場合、 その組み合わせは 2 5 6種類に及ぶ. それらの化合物を同時にスクリ一ニングす ることで、 システマティックに細胞毒性を有する化合物を選択できる。 無数の組 み合わせの D N A選択的化合物ピロ一ルーィミダゾールポリアミ ドから、 その標 的遺伝子に合わせて唯一の有用物質を導き出すことが出来禧るようになる画期的 なシステムであり、 この発明に対して本発明者らは既に特許出願を行なっている (特開 2 0 0 1 — 1 3 6 9 7 4号公報) 。
ピロ一ル―ィミダゾ一ルポリアミ ドの合成は、 これまで液相法により行ってい たが、 この方法は他種類の合成に不向きであった。
一方、 ピロール—ィミダゾ一ルポリアミ ドの固相合成法は米国力リフォルニァ 工科大学のダーバン教授により t — B 0 C法が開発されているが (J.Am. Chem. So , 1996, 118, 6141- 6146) 、 反応条件が厳しいため長鎖ピロ一ル—イミダゾ一ルポ リアミ ドの合成は困難であり、 また、 応用性にも乏しい。 更に市販の蛋白 (ぺプ チド) 合成機を利用した合成法ではないため蛋白質 (ペプチド) の導入も容易で はない。 また、 末端に力ルポキシル基を有するポリアミ ドの合成が難しく、 末端 をカルボン酸残基として固相から切り出す効率も悪いため、 得られた長鎖ピロ一 ルーィミダゾールポリアミ ドを直接修飾して新たな反応性を持たせることも困難 である。
また、 スペインのマスカレナス教授や米国力リフォルニァ大学ブル一ス教授に よりポリピロールの Fm o c合成法も報告されているが (Tetrahedron Lett. , 19 99, 40, 3621-3624 ; J.Am. Chem. So , 2001, 123, 2469-2477) 、 ィミダゾ一ルアミ ド を導入できていないため D Ν Αの配列を正確に識別することができない。 発明の開示
本発明は、 上記した如き状況に鑑みなされたもので、 より長いピロ一ルーイミ ダゾ一ルポリアミ ドを簡便に合成することが出来、 蛋白質 (ペプチド) の導入も 容易なピロ一ルーイミダゾ一ルポリアミ ドの製造法であって、 固相担体から切り 出すことが可能なカルボン酸残基を末端に有し、 種々の官能基を直接導入するこ とが可能で、 D N Aの配列を正確に識別することができるピロ一ルーィミダゾー
ルポリアミ ドを効率よく製造することが出来る該ポリアミ ドの製造法を提供する ことを目的とする。 本発明は、 ペプチド合成機を使用し、 固相 F m o c法による自動合成法により 合成することを特徴とする、 ピロール一ィミダゾ一ルポリアミ ドの合成法の発明 である。
また、 本発明は、 末端にカルボキシル基を有するピロ一ルーイミダゾ一ルポリ アミ ドの発明である。
更に、 本発明は、 上記ピロ一ルーイミダゾ一ルポリアミ ドの末端のカルボキシ ル基に D N Aアルキル化剤を導入してなるピロ一ル―ィミダゾールポリアミ ドの 発明である。
更にまた、 本発明は、 D N Aアルキル化剤を導入した上記ピロ一ルーイミダゾ ールポリアミ ドを用いることを特徴とする、 配列特異的 D N Aアルキル化方法の 発明である。
また、 本発明は、 末端にカルボキシル基を有する F I T C (フルォレセィンィ ソチオシァネート) ーピロール—イミダゾ一ルポリアミ ドコンジュゲートの発明 である。
即ち、 本発明者らは、 より長いピロール—イミダゾ一ルポリアミ ドを簡便に合 成する手法として固相 F m o c法 ( F m o c = 9—フルォレニルメトキシカルボ ニル) による自動合成法を開発した。 無数の組み合わせのピロ一ルーイミダゾー ルポリアミ ドを固相 F m o c法によるコンビナトリアル自動合成手法と、 上で述 ベた本発明者らが開発したスクリ一ニング法を組み合わせることにより、 生理活 性をもつピロ一ル—イミダゾ一ルポリアミ ドを素早く選択することが出来る。 ま た、 本発明の方法によれば末端をカルボン酸残基として固相担体から切り出すこ とが可能なため、 様々な官能基をピロール—ィミダゾ一ルポリアミ ドに導入する ことが可能である。 例えば、 D N Aに対してアルキル化能をもつデュオカルマイ シン、 ピロ口べンゾジァゼピン、 ブレオマイシン、 Xンジィン化合物、 ナイ トロ ジェンマスタード、 またそれらの誘導体を導入することが可能である。 また、 こ の手法は市販の蛋白 (ペプチド) 合成機を利用した自動合成であるため、 天然に
存在する蛋白質とピロ一ルーイミダゾ一ルポリアミ ドとのコンジュゲート、 更に は非天然蛋白質とのコンジユゲー卜の合成をも自動合成法で可能とする合成手法 なのである。 更にまた、 Fm 0 c法は t一 B 0 C法に比べて反応条件が緩和なた め、 蛋白質以外の有機化合物の中でも酸性条件で不安定な官能基を持つ化合物の 導入も可能であり、 その応用は幅広い。 例えば、 ピロ一ル―ィミダゾ一ルポリァ ミドと DNAや RNAとのコンジュゲート、 それらの誘導体とのコンジュゲート を自動合成することも可能である。
先に述べた如く、 従来の方法は、 例えば液相法は他種類の合成に不向きであり , また、 t — B O C法は、 反応条件が Fm o c法に比べて厳しいため長鎖ピロール —イミダゾールポリアミ ドの合成は困難であり、 また、 応用性にも乏しい、 更に は市販の蛋白合成機を利用した合成ではないため蛋白質の導入も容易ではない、 また、 末端をカルボン酸残基として固相から切り出すのが難しいため、 得られた 長鎖ピロ一ルーィミダゾ一ルポリアミ ドを直接修飾して新たな反応性を持たせる ことも困難である等の問題点を有しており、 更に、 ポリピロ一ルの F m o c合成 法も、 イミダゾールアミ ドを導入できていないため D N Aの配列を正確に識別す ることができない等、 何れも問題点を有しているが、 本発明者らが開発した手法 はこれらの問題点を全て解決した画期的な手法である。 図面の簡単な説明
第 1図は、 実施例 4の ( 1 ) の D N Aアルキル化実験における、 DNAアルキ ル化剤の D N Aに対する反応性を 4 5 0 m e rの DNAフラグメントを用いてポ リアクリルアミ ドゲル電気泳動法で解析した結果を示す。
第 2図は、 実施例 4の (2) の D N Aアルキル化実験における、 DNAアルキ ル化剤の D N Aに対する反応性を 4 5 0 m e rの DNAフラグメントを用いてポ リアクリルァミ ドゲル電気泳動法で解析した結果を示す。
第 3図は、 実施例 4の ( 3) の D N Aアルキル化実験における、 DNAアルキ ル化剤の D N Aに対する反応性を 4 5 0 m e rの DNAフラグメントを用いてポ リアクリルアミ ドゲル電気泳動法で解析した結果を示す。
発明を実施するための最良の形態
本発明の合成法によれば、 末端にカルボキシル基を有するピロ一ル—イミダゾ —ルポリアミ ドを簡便に且つ効率的に合成することが出来る。
末端にカルボキシル基を有するピロ一ルーィミダゾールポリアミ ドの具体例と しては、 例えば、 末端に i3—ァラニン残基を有するピロ一ルーイミダゾ一ルポリ アミ ドゃ末端に r 一アミノ酪酸残基を有するピロ一ルーィミダゾ一ルポリアミ ド 等が挙げられる。
末端に βーァラ ン残基を有するピロール—ィミダゾ一ルポリアミ ド或いは末 端にァーアミノ酪酸残基を有するピロ一ル―ィミダゾールポリアミ ドは、 例えば, F m o cでアミノ基を保護したアミノピロ一ルカルボン酸類と、 F m o cでアミ ノ基を保護したアミノイミダゾールカルボン酸類と、 F m o cでアミノ基を保護 した i3—ァラニン又は F m o cでアミノ基を保護したァ一ァミノ酪酸を担持した 固相担体を用い、 ペプチド合成機を使用して固相 F m o c法による自動合成法に より合成することが出来る。
ァミノピロ一ルカルボン酸類の具体例としては、 例えば、 4—アミノー 2 —ピ ロールカルボン酸、 4—ァミノ一 1 一メチル一 2 —ピロ一ルカルボン酸、 4 - 7 ミノー 1 —ェチルー 2 —ピロ一ルカルボン酸、 4 一アミノー 1—プロピル一 2— ピロ一ルカルボン酸、 4 —ァミノ— 1—プチルー 2 —ピロ一ルカルボン酸等が挙 げられ、 ァミノイミダゾールカルボン酸類の具体例としては、 例えば、 4—アミ ノー 2 —イミダゾールカルボン酸、 4ーァミノ— 1 ーメチルー 2—イミダゾ一ル カルボン酸、 4—アミノー 1 一ェチル— 2 —イミダゾールカルボン酸、 4 一アミ ノー 1 —プロピル— 2ーィミダゾ一ルカルボン酸、 4 一アミノー 1 一プチルー 2 —イミダゾールカルボン酸等が挙げられる。
F m o cでアミノ基を保護したァミノピロ一ルカルボン酸類及び F m o cでァ ミノ基を保護したアミノイミダゾールカルボン酸類の合成法を N—メチルピロ一 ル又は N—メチルイミダゾールを出発原料として用いた場合を例にして反応スキ ームで示すと以下の如くなる。 なお、 参考までに、 F m o cでアミノ基を保護し たァ—アミノ酪酸の合成法の反応スキームも以下に併せて示す。
- 9
SLLlO/ZOdT/lDd C89000/C0 OAV
なお、 上記合成法の詳細については後記実施例の記載参照。
本発明におけるペプチド合成機での固相合成法は、 通常、 HATU' [0— ( 7 ーァゾベンゾトリアゾ一ルー 1一ィル) — 1, 1, 3 , 3—テトラメチルゥロニ ゥム へキサフルォロホスフェート] /D I EA (N, N—ジイソプロピルェチル ァミン) 系で行われる。
ペプチド合成機としては、 例えば、 Continuous Flow法を採用した Appl ied Bio systems社のぺプチド合成機 Pioneer等が用いられる。
本発明に係るピロ一ル―ィミダゾールポリアミ ドの固相合成法を反応スキーム で示すと以下の如くなる。
i) 2 0 %ピぺリジン/ DMF溶液、 ii)モノマーユニッ ト、 HATU/D I EA iii) 2 0 %ピぺリジン/ DMF溶液、 iv)モノマ一ユニッ ト、 HATU/D I EA V) 2 0 %ピぺリジン/ DM F溶液、 vi) 5 %無水酢酸、 5 %ピリジン/ DM F液 vii)取り出し、 減圧乾燥、 viii) 9 5 %T FA (トリフルォロ酢酸) , 2.5 %T I S (トリイソプロビルシラン) , 2. 5 %水。
なお、 上記合成法の詳細については後記実施例の記載参照。
本発明の方法によれば末端をカルボン酸残基として固相担体から切り出すこと が可能なため、 様々な官能基をピロ一ルーィミダゾールポリアミ ドに導入するこ とが可能であるが、 例えば D Ν Αァルキル化剤を導入する場合を例にして記すと 以下の如くなる。
即ち、 固相担体から切り出したカルボン酸末端に対して、 例えば、 DNAアル キル化剤の DU— 8 6 ( 2—メチルー 3—メ トキシカルボニル— A環ピロ一ルー DUMA) の活性中心である A環部 (D u 8 6 ) を導入する場合、 先ず、 カルボ ン酸末端を有するピロ一ル―ィミダゾ一ルポリアミ ドを例えば DM F等の溶媒に 溶解し、 この溶液に室温下、 カルボエルジイミダゾ一ル (CD I ) を加え、 同温 で一晩撹拌した後、 溶媒を減圧下留去し、 残查をジェチルエーテル等で適宜洗浄 し、 ィミダゾールエステル体を得る。
D u 8 6を DMF等の溶媒に溶解し、 この溶液に冷却下 (例えば一 1 5°C) 、 水素化ナトリウムを加え、 3 0分程度撹拌した後、 この溶液に、 上で得られたィ ミダゾ一ルエステルの DM F溶液を滴下し、 同温度でー晚撹拌する。 これにリ ン 酸ナトリウムバッファ一 (p H 6. 8 6) 等を加えて p Hを調整した後、 減圧下 溶媒を留去し、 得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ一及び HP L C等による精製を行ない、 カップリ ング体 (D N Aアルキル化剤を導入したピ 口一ルーイミダゾ一ルポリアミ ド) を得る。
かく して得られた、 DN Aアルキル化剤を導入したピロ一ルーィミダゾ一ルポ リアミ ドを用いることにより、 配列特異的 DN Aアルキル化が可能となる。 なお、 上記合成法の詳細については後記実施例の記載参照。
F I TC (フルォレセインイソチオシァネート) は古くから抗体の蛍光標識試 薬として知られている。 今回本発明者らが開発した Fmo c法によるピロ一ルー
ィミダゾールポリァミ ド合成の発展として、 F I T Cをピロ一ルーィミダゾ一ル ポリアミ ドに導入してコンジユゲー卜を合成することも可能である。 得られてく るコンジユゲートは、 特定の DNA配列を認識出来る蛍光標識試薬として用いる ことが出来、 がんを含めた遗伝病に関係する DNA配列を容易に識別出来る。 こ れは、 ピロ一ルーイミダゾールポリアミ ドを用いた治療を行なう前段階に利用出 来るだけでなく、 診断薬としての利用も可能である。
合成は先に示したピロ一ルーイミダゾールポリアミ ドの固相合成法と同じ手法、 即ち、 Continuous Flow法を採用した Appl ied Bi osys t emsのペプチド合成機 P i one er等を用いて固相 Fmo c法による自動合成法により合成することが出来る。 なお、 上記合成法の詳細については後記実施例の記載参照。 実施例
以下、 実施例により本発明をより具体的に説明するが、 本発明はこれら実施例 により何ら限定されるものではない。 実施例 1 モノマーユニッ トの合成 (上記 [化 1 ] の反応スキーム参照)
固相合成に用いるモノマーュニッ ト J^、 1 2及び 1 4は次に示した方法によ り合成した。 また、 ]3-ァラニンの Fmo c保護体は市販されているものを用いた なお、 反応及び精製に用いた試薬、 溶媒は市販のものを用いた。 匪 Rは日本 電子 JNM- A 5 0 0を使用した。
試薬の略号は以下のように用いた。 ジメチルホルムアミ ド (DMF) 、 ジイソ プロピルェチルァミン (D I EA) , トリイソプロビルシラン (T I S ) 、 トリ フルォロ酢酸 (T FA) 、 カルボニルジイミダゾ一ル (CD I ) 、 4ージメチル アミノビリジン ( D M A P ) 。
(1 ) 1—メチリレ— 2—卜リク口ロアセチルピロ一ル( )の合成
トリクロロアセチルクロリ ド(2 0 0.0 g, 1.1 0 mo 1)の塩化メチレン(6 0 0 ml)溶液中に丄 (9 0.3 g, 1.1 0 mo 1)の塩化メチレン( 2 0 0 ml)溶液を 3時間 かけて滴下した。 この際に、 窒素ガスを溶液中に噴霧し、 反応の際に発生する塩
化水素を除去した。 一晩撹拌した後、 溶媒を減圧下留去した。 残査をシリカゲル カラムクロマトグラフィーに付し、 酢酸ェチルーへキサン(1 : 1 0 , v/v)溶出部 より トリクロロアセチル体 (1 8 9. 7 g, 7 6 «を得た。
'H-NMR (CDCls) (5: 3.9 5 ( 3 H, s), 6.2 0 ( 1 H, s), 6.9 5 ( 1 H, s), 7. 8 ( 1 H, s); 13C-腿 R (CDCls) δ: 3 8. 5 , 9 6.3, 1 0 8.9, 1 2 1.8, 1 2 4.0 , 1 3 3.6, 1 7 2.9 ; IR (KBr) v: 1 6 5 7 , 1 4 0 4, 1 3 6 3, 1 3 34, 1 1 0 2 , 1 0 6 9 , 8 4 5 , 8 0 8 , 7 4 5 , 6 9 0 cm—
(2 ) 1 -メチル -4 -ニトロ- 2 -トリクロロアセチルピロ一ル(互)の合成
3.(4 5.2 g, 0.2 0 0 mo 1)の無水酢酸(2 0 0 ml)溶液を— 4 0°Cに冷却し、 . 同温下発煙硝酸(1 8.5ml, 0.3 6 Omol)を滴下した。 室温で 2時間撹拌した後. イソプロパノ一ルを加え、 析出した固体をろ取し、 ニトロ体 (2 7.2 g)を得た。 更にろ液を減圧下留去し、 得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ 一に付し、 酢酸ェチル—へキサン(1 : 1 0 , v/v)溶出部より更に (1 0. 7 g)を 得た。 (総収率 7 0%)
^-NMR (CDCls) δ: 4.0 6 (3Η, s), 7. 7 2 ( 1 H, s), 7.9 3 ( 1 H, s) ; 13C-NMR (CDCls) δ 3 9.7, 9 4.8 , 1 1 7. 5 , 1 2 1.4, 1 3 0.2, 1 3 5.3, 1 7 3. 6 ; IR (KBr) v: 1 6 9 8 , 1 40 6 , 1 3 2 5, 1 2 2 6, 1 1 8 5 , 1 1 1 2, 9 9 8 , 8 5 7 , 8 1 0, 7 5 2, 7 1 6, 6 8 3 cm" 1
( 3 ) 1 -メチル -4 -二トロ- 2 -トリクロロアセチルイミダゾ一ル( )の合成
トリクロロアセチルクロリ ド( 3 6.3 g, 0.2 0 mol)の塩化メチレン( 1 2 0 m 1)溶液中に! _ ( 1 6.4 g, 0.2 0 mol)の塩化メチレン(8 0 ml)溶液を 2時間かけ て滴下した。 4時間撹拌した後、 氷冷下トリエチルァミン (2 0.2 g, 0.2 0m ol) を滴下した。 溶媒を減圧下留去した後、 残査をシリカゲルカラムクロマトグ ラフィ一に付し、 酢酸ェチルーへキサン( 1 : 1, v/v)溶出部より トリクロロアセ チル体 A (2 3.2 g, 5 1%)を得た。
'H-NMR (CDCla) δ 4.0 3 ( 3 H, s) , 7. 1 4 ( 1 H, s) ' 7.3 2 ( 1 H, s); 13C-龍 R (CDC13) δ : 3 7. 1 , 9 4.8, 1 2 8. 5, 1 3 0. 5, 1 3 6. 1 , 1 7 2.3 ; IR (KBr)レ : 1 6 5 7 , 1 5 1 8, 1 4 6 6 , 1 4 0 8 , 1 3 5 2 , 1 3 1 3, 1 2 7 8 , 8 1 0 , 7 7 9 1。
無水酢酸(2 0 0 ml)溶液を氷冷し、 同温下発煙硝酸( 1 8.5 ml, 0.3 6 0 mo 1)を滴下した。 更に同温下で濃硫酸(0.5ml)を加え、 同温で (34.0 g, 0. 1 5 0 mol)を少量づっ 2時間かけて加えた後、 室温で一晩撹拌した。 溶媒を減圧 下留去し、 得られた残査をクロ口ホルムで洗浄して (1 6.0g)を得た。 同様の 操作を二度繰り返して更に (8.6 g)を得た。 (総収率 6 0%)
^-NMR (CDCla) (5: 4. 1 0 (3 H, s), 7. 9 0 ( 1 H, s); 13C-NMR (CDCI3) d: 3 8.2, 9 3. 5, 1 2 6.0, 1 3 3.6 , 1 4 5. 8, 1 7 2.8 ; IR (KBr) レ : 1 7 0 9, 1 54 1, 1 5 1 4, 1 4 9 1, 1 4 6 4, 1 344, 1 3 1 7 , 1 1 3 5, 1 0 2 3, 1 0 0 0, 8 1 6, 74 3, 6 3 8 cm -1。
(4 ) メチル 4 -ニトロ- 1 -メチルピロ一ル- 2 -カルボン酸エステル(丄)の合成 5_(3 2.4 g, 0.1 2 mol)のメタノール(1 40 ml)溶液中に D M A P (0. 5 0 g, 4. 5 5 mmol)を加えた、 4 0分撹拌した。 その後沈殿をろ別し、 メタノールで 洗浄し丄 (1 8. 9g)を得た。 ろ液は溶媒を減圧下留去した後、 同様の操作を繰り 返し、 更に 1 (2.3 g)を得た。 (総収率 9 7 %)
^- MR (CDC ) δ 3.8 4 ( 3 Η, s), 3. 9 7 ( 3 H, s), 7.3 9 ( 1 H, d, J= 2.0 Hz), 7. 5 7 ( 1 H, d, /- 2.0 Hz); IR (KBr) v: 1 7 1 1 , 1 5 4 1, 1 5 1 0, 1 4 2 5 , 1 3 1 5 , 1 2 5 7 , 1 1 9 5, 1 1 1 8 , 1 0 8 9, 7 5 2 CUT
(5) メチル 4-二ト口- 1 -メチルイミダゾ一ル- 2 -カルボン酸エステル(_§_)の合 成
6_(7 0.0 g, 2 5 6腿 ol)のメタノール(5 0 0 ml)溶液中にをに D M A P (0. 5 0 0 g, 4. 5 5 mmol)を加えた後、 2時間撹拌した。 その後沈殿をろ別し、 ジェ チルエーテルで洗浄し 8を得た。 ろ液は減圧下留去した後、 同様の操作を 2回繰
り返し、 (4 6. 0 g, 9 7 %)を得た。
Ή-NMR (CDCla) δ: 3. 9 6 ( 3 H, s)' 4. 1 0 (3 H, s), 7. 8 2 ( 1 H, s); 13C-NMR (CDCh) δ 3 7. 0, 5 2. 8 , 1 2 4. 2 , 1 3 4. 6 , 1 4 5. 8 , 1 5 8.4 ; IR (KBr) v: 1 7 2 9, 1 6 4 3 , 1 4 9 7 , 1 4 6 0 , 1 3 7 7, 1 3 5 0 , 1 3 1 3 , 1 2 6 5 , 1 1 4 7 , 1 1 2 9 , 9 9 8 , 8 4 5, 8 1 4, 6 5 6 cm-1。
(6 ) 1 -メチル -4-アミノピロール- 2 -カルボン酸メチルエステル塩酸塩 ( )の 合成
7_( 1 5. 3 g, 8 3. 0 mmol)をメタノールとジクロロメタン(1 5 Oml, 1 : 2, v/v)混合溶媒に溶解し、 1 0 %パラジウム炭素(3 g)を加え懸濁させ、 水素雰囲気 下で 2 日間撹拌した。 その後、 セライ トに通してろ過してパラジウム炭素を除去 し、 ろ液に 1 0 %塩酸を加えた。 生じた沈殿をろ別し、 (4. 7 1 g)を得た。 更 にろ液を減圧下留去した後、 酢酸ェチルーメタノールで再結晶を行い (6. 8 6 g)を得た。 (総収量 1 1. 6 g, 7 3 %)
^-NMR (DMS0-d6) δ: 3. 7 4 ( 3 Η, s) , 3. 8 5 (3 Η, s), 6. 8 0 ( 1 Η, s), 7.
2 5 (1 Η, s), 1 0. 0 7 (3H,br) ; ESI MS: /e calcd for Cyl oNa (M-HC1
+H) 1 5 4. 1, found 1 5 4. 1。
(7 ) 1 -メチル -4 -ァミノイミダゾール- 2 -カルボン酸メチルエステル塩酸塩 (1 0 )の合成
8.(2 0. 0 g, 1 0 8 mmol)のジクロロメタン(3 0 0 ml)溶液に 1 0 ¾パラジウム 炭素(5 g)を加え懸濁させ、 水素雰囲気下で 1 日間撹拌した。 その後セライ トに通 してろ過してパラジウム炭素を除去し、 ろ液に 1 0 %塩酸を加え酸性にした。 沈殿 物をろ取し、 (1 9. 8 g, 9 6 %)を得た。
- NMR (DMSO-de) δ: 3. 8 3 ( 3 Η, s) , 3. 9 3 ( 3 H, s), 7. 3 7 ( 1 H, s) , 9. 9 6 (3H, br. s) ; ESI MS: m/e calcd for C6H9N 302 (M-HC1+H) 1 5 6. 1 , found 1 5 6. 1。
(8 ) 4 - [(9 -フルォレニルメ トキシカルボニル)ァミノ]- 1 -メチル -2 -ピロール カルボン酸 (1 1)の合成
( 1 0 . 9 g, 5 7. 2 mmol)を蒸留水(8 0 ml)に溶解させ、 水酸化ナトリウム (9. 2 g)を加えた。 一晩撹拌した後、 1 N 塩酸で中和し、 減圧下留去した。 残査 を水とエチレングリコールジメチルェ一テルの混合溶媒(1 0 0 ml, 1 : 1 , v/v) に溶解し、 次の反応に用いた。 この溶液に、 炭酸ナトリウム(5. 3 g)を溶解させ た後、 9 -フルォレニルメチルクロロホ一メート(1 7 . 8 g, 6 8. 6 mmol)加えた。 一晩撹拌した後、 沈殿をろ別し、 ϋ ( 1 2 . 3 g, 3 4. 1誦 ol)を得た。 更にろ 液を 1 M炭酸ナトリゥム水溶液とジェチルエーテルの混合溶液(1 : 1 , v/v)に加え た。 沈殿はろ別し、 更に 1 1 (3. 4 g)を得た。 水層は 1 0 %塩酸で酸性にした後、 酢酸ェチルで抽出した。 その有機層を減圧下留去し、 へキサン一ジォキサンで再 結晶し、 H ( 1 . 6 g)を得た。 (総収量 1 7. 3 g, 8 4 %)
^- MR (DMSO-de) <5 : 3. 7 7 ( 3 H, s), 4. 2 7 ( 1 H, t, /= 6. 0 Hz), 4.
4 3 (2 H, d, 7-6. 0 Hz), 6 . 6 0 ( 1 H, s), 7 . 0 2 ( 1 H, s), 7 . 3 2 (2 H, t, 1= 7 . 5 Hz) , 7 . 4 1 ( 2 H, t, 7 . 5 Hz) , 7. 7 0 ( 2 H, d, /= 7.
5 Hz), 7. 8 9 (2 H, d, /= 7 . 5 Hz), 9. 0 ( 1 H, s); 13C-NMR (DMSO-de) δ: 3 6 . 1 , 4 6. 7 , 6 5 . 4 , 1 0 7 . 6 , 1 1 8. 8 , 1 1 9 . 9, 1 2 0 . 1 , 1 2 2 . 4 , 1 2 5. 0 , 1 2 7 . 1 , 1 2 7 . 6 , 1 4 0 . 8, 1 4 3. 8 , 1 5 3. 3, 1 6 1 . 8。 '
(9 ) 4 - [( 9 -フルォレニルメ トキシカルボニル)ァミノ]- 1 -メチル -2 -イミダゾ —ルカルボン酸(1 2)の合成
1 0 (8. 2 4 g, 4 1 . 9 mmol)を蒸留水(6 0 ml)に溶解させ、 水酸化ナトリウム
(4. 2 g)を加えた。 一晩撹拌した後、 1 N 塩酸で中和し、 減圧下留去した。 残査 を水とエチレングリコールジメチルエーテルの混合溶媒(2 0 0 ml, 1 : 1 , v/v) に溶解し、 次の反応に用いた。 この溶液に、 炭酸水素ナトリウム(1 4. 1 g)を溶 解させた後、 9 -フルォレニルメチルスクシンィミジルカルボナ一ト(1 6 . 9 g, 5 0 . l mmol)を加えた。 ー晚撹拌した後、 沈殿をろ別し、 ( 1 0 . 8 g, 2 9. 7 mmol)を得た。 更にろ液を 1 0 % 塩酸で酸性にした後、 生じた沈殿をろ別し、 そ
の沈殿を酢酸ェチルで洗浄して ( 1 . 2 g, 3. 3 0 mmol)を得た。 (総収量 1 2. 0 g, 7 9 %)
^-NMR (DMSO-de) δ : 3. 8 7 ( 3 Η, s), 4. 2 7 (1 Η, t, 7 =6. 0 Hz), 4. 5 1 (2H, d, 7 =6. 0 Hz), 6. 8 0 ( 1 H, s) , 7. 3 2 ( 2 H, t, 7 =7. 5 H z), 7.4 1 (2 H, t, 7 =7. 5 Hz), 7. 7 0 ( 2 H, d, 7 -7. 5 Hz), 7. 8 9 (2H, d, / = 7. 5Hz), 9. 5 0 ( 1 H, s); 13C-NMR (DMS0-d6) δ 3 5.4, 4 6. 5 , 6 6. 1, 1 1 3.4 , 1 2 0. 1, 1 2 5.4 , 1 2 7. 1 , 1 2 7. 7, 1 3 2. 0 4, 1 3 7.4, 1 4 0. 7, 1 3. 7 , 1 5 3. 3, 1 5 9. 9 ;
MSスペク トルはメチルエステルに変換して測定した。 HRMS (EI+) : m/e calcd for C21H19N3O4 ( ) as methyl ester 3 7 7. 1 3 7 6 , found 3 7 7. 1 3 8 0。
(1 0 ) 4 -(9 -フルォレニルメ トキシカルボニル)ァミノ酪酸 (14)の合成
1 3 (5. 0 g, 4 8. 5睡 1)を、 水とエチレングリコールジメチルェ一テルの混 合溶媒(2 0 0 ml, 1 : 1 , v/v)に溶解させた後、 9 -フルォレニルメチルスクシン ィミジルカルポナ一ト(1 6. 4g, 4 8. 6mmol)を加えた。 更に炭酸ナトリゥム (1 0 g, 9 4. 4匪 ol)を加え、 一晩撹拌した。 生じた沈殿をろ別し、 (1 0. 3 g)を得た。 更にろ液を 1 N塩酸で酸性にした後、 生じた沈殿をろ別し、 UL (4 4g)を得た。 (総収量 1 4. 7 g, 9 4 %)
^-NMR (DMSO-de) δ : 1. 6 1 ( 2 Η, t, J= 7. 0 Hz) , 2. 1 9 ( 2 H, t, /= 7. 0 Hz) , 2. 9 8, (2H, dd, /= 1 3. 0 , 6. 0 Hz) , 4. 2 0 ( 1 H, t, /= 6. 5 Hz), 4. 2 8 (2H, d, /= 6. 5 Hz), 7. 3 2 (2 H, t, /= 7. 5 Hz) , 7.4 0 (2H, t, 7=7. 5 Hz), 7. 6 7 ( 2 H, d, /- 7. 5 Hz), 7. 8 7 ( 2 H, d, /= 7. 5 Hz), 1 1. 0 (1H, br. s) ; MSスペクトルはメチルエステルに変換して測定 した。 HRMS (EI+): m/e calcd for C19H19NO4 as methyl ester 3 3 9. 1 4 7 1, found 3 3 9. 1 4 7 5。 実施例 2 ピロ一ルーイミダゾ一ルポリアミ ドの固相合成 (上記 [化 2 ] の反応 スキーム参照)
実施例 1で得られた化合物 , 1 2 , 1 4並びに市販品の ]3-ァラニン Fmo c保護体を用いて、 各種ピロ一ルーイミダゾ一ルポリアミ ドの合成を行った。 合成プロ 卜コールを表 1に示す。
表 1
: ~~合成ステップ
1 ,脱保護― 2(J%ピぺリジン/ DMF 5^
2,洗浄 メタノール 50秒
3,縮合 HATU^ IEA 60分 .
4,洗浄 メタノール 40秒
5, .保護 無水酢酸/ピリジン 10分
— 6,切出 95%TFA, 2.5% TIS, 2.5% 水 30分
固相合成は Continuous F.l ow法を採用した Appl i ed Bi osys t ems社のペプチド合成 機 Pioneerを用いて行った。 固相担体は Fmo c— j3—ァラニンがプレロードされ た市販の Wang resinを用いた。 また、 HATU、 D I E A及びモノマーユニッ ト は、 固相担体の活性末端に対して 4当量用いた。 合成前に固相担体を DM Fに 3 0分膨潤させた後、 Pioneerの合成力ラムに詰めた。 合成はまず、 担体にプレ口一 ドされている /3—ァラニンの Fmo c基を、 2 0 %ピぺリジンの DMF溶液で 5 分間処理することにより脱保護した。 その後、 担体をメタノールで 5 0秒間洗浄 し、 導入したいモノマーユニッ ト、 H ATU及び D I E Aをカラムに通し、 6 0 分間サイクルさせた後、 メタノールで再度 4 0秒間洗浄した。 この脱保護、 伸長 というサイクルを一サイクルとして、 モノマーュニッ トを目的とするポリアミ ド の配列通りに順に縮合させた。 その後、 脱保護を同様に行った後、 5 %無水酢酸、 5 %ピリジンの DM F溶液でァセチル化を行った。 反応終了後、 固相担体を力ラ ムから取り出し、 減圧乾燥を行った後、 5 0m 1 のナスフラスコ中に移し、 9 5 %T FA、 2. 5 %T I S、 2. 5 %水を 5 m 1加えて 3 0分間撹拌し、 担体か ら切り出しを行った。 精製は 0. 1 %T F A水溶液とァセトニトリルを用いた H P L Cにより行った。
得られたピロ一ルーイミダゾールポリアミ ドの構造式と収率及び各種スぺク 卜 ルデータ等を以下に示す。
なお、 以下の記載において、 Im は 1 -メチル - 4 -ァミノイミダゾール- 2 -カル ボン酸残基を、 Py は 1 -メチル -4 -ァミノピロ一ル- 2 -カルボン酸残基を、 Ac は
ァセチル基を、 ァ—butyl はァ一ァミノ酪酸残基を、 ]3— ala— C00H は 3—ァラ ニンをそれぞれ表す。
Ac-Im— Py- i3 - ala- COOH : 収率 1 9 % ; JH NMR (CD30D) 6: 2. 1 5 ( 3 H, s), 2. 6 3 (2 H, t, /= 6. 5 Hz), 3. 6 0 (2 H, t, 7-6. 5 Hz), 3. 9 0 (3 H, s), 4. 0 4 (3 H, s), 6. 7 1 ( 1 H, d, / = 1. 5 Hz) , 7. 2 4 ( 1 H, d, / = 1. 5 Hz), 7. 3 5 (1H, s), 4 つのプロトン(3 NHs and 1 CO OH) は CD3 OD に変えたことにより検出されなかった。 ; ESI MS m/e calcd for C16H2105N6 (M+H) 3 7 7. 2 , found 3 7 7. 2。
Ac-Py-Py-Py-j8 -al a-COOH : 収率 1 8 % ;
lR NMR (CDsOD) δ: 2. 0 7 ( 3 H, s), 2. 6 0 (2H, t, =7. 0 Hz), 3. 5 5 ( 2 H, t, /- 7. 0 Hz), 3. 8 7 (3 H, s), 3. 8 9 (3H, s), 3. 9 0 ( 3 H, s), 6. 7 6 ( 1 H, s), 6. 8 2 (1 H, s), 6. 9 1 (1 H, s), 7. 1 1 ( 3 H, s), 7. 1 8 ( 2 H, s), 5つのプ 口トン(4 NHs and 1 CO OH) は Cl OD に変えたことにより検出されなかった。 ; ESI MS /e calcd for
SOBNT (M+H) 4 9 8. 2 , found 4 9 8. 3。
Im-Im-j3 -ala-Py-Py-i3 -ala-COOH : 収率 3 1 % ; :H NMR (CD30D) d: 2. 5 9 (2H, t, 7=7. 0 Hz), 2. 6 2 ( 2 H, t, /- 7. 0 Hz), 3. 5 4 ( 2 H, t, J=
7. 0 Hz), 3. 6 7 (2 H, t, /= 7. 0 Hz), 3. 8 3 ( 3 H, s), 3. 8 6 ( 3 H, s), 4. 0 1 ( 3 H, s), 4. 1 1 ( 3 H, s), 6. 7 4 ( 1 H, d, 7 =2. 0 Hz),
6. 7 9 ( 1 H, d, 7 =2. 0 Hz), 7. 1 3 ( 1 H, d, / = 2. 0 Hz) , '7. 1 4 (1
H, d, / =2. 0Hz), 7. '5 1 ( 1 H, s) , 7. 5 4 ( 1 H, s), 7. 6 2 ( 1 H, s), 6つのプロトン(5 NHs and 1 COOH) は CD30D に,変えたことにより検出されな かった。 ; ESI MS m/e calcd for C29H34O7 11 (M+H) 6 3 6. 3 , found 6 3 6.
3„
Ac-Py-Py-Py-/3 -ala-Py-Py-Py- ]3 -ala-COOH : 収率 1 8 % ; 'Ή. NMR (CD3OD) δ : 2. 0 6 (3 H, s), 2. 5 9 ( 2 H, t, /= 7. 0 Hz), 2. 6 2 ( 2 H, t, /- 7. 0 Hz), 3. 5 5 (2 H, t, /= 7. 0 Hz), 3. 6 3 ( 2 H, t, /= 7. 0 Hz), 3. 8 5 (3H, s), 3. 8 6 (6 H, s), 3. 8 7 ( 3 H, s), 3. 8 8 ( 3 H, s), 3. 8 9 (3 H, s), 6. 7 5 (1 H, d, J=2. 0 Hz), 6. 7 6 ( 1 H, d, 7 =2. 0 Hz),
6. 8 1 (1 H, d, / = 2. 0 Hz), 6. 8 3 ( 1 H, d, / - 2. 0 Hz), 6. 8 8 (1 H, d, 7 =2. 0 Hz), 6. 8 9 ( 1 H, d, /= 2. 0 Hz), 7. 1 1 ( 1 H, d, /= 2. 0 Hz), 7. 1 4-7. 1 6 (4H, m) , 7. 1 7 ( 1 H, d, /= 2. 0 Hz) , 9つのプロト ン(8 NHs and 1 CO OH) は CD3OD に変えたことにより検出されなかった。 ; ESI
MS m/e calcd for C44H5i01oN1 4 (M+H) 9 3 5.4, found 9 3 5.4。
- QZ -
SLLlO/ZOdt/Ud C89000/C0 OAV
Ac-Im-Py-Py-r -butyl-Py-Py-j3 -ala-COOH : 収率 1 8¾ ; Ή NM (CDsOD) δ: 1. 7 8 (2 H, t, /-7. 5 Hz), 2.0 1 ( 3 H, s), 2. 2 7 ( 2 H, t, /= 7.5 Hz), 3.2 1 (2 H, dd, /= 7. 5 , 1 2. 5 Hz), 3. 7 9 (3 H, s), 3.8 0 ( 3 H, s), 3.8 2 (3 H, s), 3.8 3 (3 H, s), 3.84 (3 H, s) , 3. 9 4 (3 H, s), 6. 8 4 ( 1 H, d, 1. 5), 6.8 6 ( 1 H, d, /= 1.5 ) , 6.8 9 ( 1 H, d, /= 1. 5), 7. 02 (1 H, d, =1. 5), 7. 1 2 ( 1 H, d, ゾ =1. 5), 7. 1 6-7. 1
7 (3 H, m), 7.2 2 ( 1 H, d, /= 1. 5 ) , 7.2 6 ( 1 H, d, =1.5), 7.4 1 ( 1 H, s), 7.9 9 ( 1 H, t, /= 6. 5 ) , 8.0 3 ( 1 H, t, /= 6. 5 ) , 9.8 1
( 1 H, s), 9.8 7 ( 1 H, s), 9.8 8 ( 2 H, s), 9. 9 3 ( 1 H, s), 1 0.2 1 ( 1 H, s), 3つのプロ トン(N- CH2 - CH2 _C00, and COOH)は検出されなかった。 (重なったため); ESI MS ffl/e calcd for C38H48( 3N9 (M+H) 8 2 8.3, found
8 2 8.3。
-
Ac-Im-Py-Py-r -butyl-Py-Py-Py-y3 -ala-COOH : 収率 1 0 % ; lE 丽 R ( SO-d 6) (5 : 1. 7 8 (2 H, t, /= 7. 5 Hz), 2. 0 1 ( 3 H, s), 2. 2 7 (2 H, t, J = 7. 5 Hz), 3. 2 1 (2 H, dd, /= 1 2. 5 , 7. 5 Hz), 3. 7 9 ( 3 H, s), 3.
8 0 (6H, s), 3. 8 2 ( 3 H, s), 3. 8 3 ( 3 H, s) , 3. 8 5 (3 H, s), 3.
9 4 (3H, s), 6 . 8 4 ( 1 H, d, J=2. 0 Hz), 6. 8 6 ( 1 H, d, =2. 0 H z), 6. 8 9 ( 1 H, d, / =2. 0 Hz) , 7. 0 2 ( 1 H, d, / =2.0 Hz), 7. 1 2
( 1 H, d, J = 2. 0- Hz), 7. 1 6 -7. 1 7 ( 2 H, m) , 7. 2 2 ( 1 Η,· d, 1 =2. 0 Hz), 7. 2 6 ( 1 H, d, / = 2. 0 Hz), 7. 9 9 ( 1 H, t, =6. 0 Hz), 8. 0 3 (1 H, t, / = 6 . OHz), 9. 8 1 ( 1 H, s), 9. 8 7 ( 2 H, s), 9. 8 8 (2 H, s), 9. 9 3 ( 1 H, s), 1 0. 2 1 ( 1 H, s), 4つのプロ トン(N— - Cg2-C 2 - CO 0) は DMSO溶媒のピークの一つがォ一バーラップするため確認できない。 ESI M S ffl/e calcd for C 01 o i5 (M+H) 9 5 0.4 , found 9 5 0. 3。 実施例 3 ピロ一ルーィミダゾ一ルポリアミ ドのカルボン酸末端への DN Aアル キル化剤の導入
DN Aアルキル化剤である DU— 8 6の售造式及び DU— 8 6の活性中心であ る A環部 (D u 8 6 ) の構i式を以下に示す。
2—メチル一3—メトキシカルポ二ルー A環ピロ一ルー DUMA ( D U - 86 )
COOCH3
Du86 (15) 固相担体から切り出したカルボン酸末端に対して、 DN Aアルキル化剤である DU— 8 6の活性中心である A環部 (D u 8 6 ) ϋを導入した。 操作手順は以 下の通りである。
実施例 2で得られた、 カルボン酸末端を有するピロ一ル—イミダゾールポリァ ミ ド ( 0. 0 5mmo l ) の DMF ( 1. 5 m L ) 溶液に室温下、 カルボニルジ ィミダゾ一ル (CD I、 24. 3 mg, 0. 1 5 mm o 1 ) ¾加え、 同温で一晚 撹拌した。 溶媒を減圧下留去し、 残査をジェチルエーテルで 2回洗浄し、 イミダ ゾールエステル体 ( 3 0— 7 0 %) を得た。
1 5 (6. 2 m g , 0. 0 2 4 mm o 1 ) の DMF ( 2 m L ) 溶液を一 1 5 °C に冷却し、 6 0 %水素化ナトリウム (2 : 0 m g , 0. 0 5 mm o 1 ) を加え、 同温下 3 0分撹拌した。 その溶液に、 上で得られたイミダゾ一ルエステル (0. 0 2 4 mmo 1 ) の DMF ( 1. 5mL) 溶液を滴下し、 同温度で一晩撹拌した。 リン酸ナトリウムバッファー (pH 6. 8 6) を加えた後、 減圧下溶媒を留去し た。 得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、 更に、 HP L Cによる精製を行ない、 カップリング体 ( 2 0— 5 0 %) を得た。
得られたイミダゾ一ルエステル体及びカツプリング体の構造式と得量、 収率及 び各種スペク トルデータ等を以下に示す。
なお、 以下の記載において、 Im'はイミダゾリル基を表し、 ala - COは /3— ァラニン残基を表し、 c, Im, Py 及びァー butylは前記と同じ。
Ac-Im-Py- 3 -ala-CO-Ii.' : 5 . 6 mg (4 5 ¾) ; JH NMR (DMSO-ds) δ : 2. 0 1 ( 3 H, s), 3 . 7 8 (3H, s), 3 . 9 2 ( 3 H, s), 6 . 9 3 ( 1 H, d, /= 1. 5 H z), 7 . 0 6 ( 1 H, s), 7. 2 1 ( 1 H, d, /= 1 . 5 Hz) , 7. 4 0 .( 1 H, s), 7 .
7 2 ( 1 H, s), 8. 1 4 (1 H, t, /= 5 . 5 Hz), 8 . 4 2 ( 1 H, s), 9 . 9 2 ( 1 H, s), 1 0. 2 3 ( 1 H, s), 4つのプロ トン(N- Cg2- C 2- COO) は DMSO溶媒のピー クがオーバ一ラップするため確認できない。 ; ESI MS Bi/e calcd for Ci 9Η 4Ν (M+H) 4 2 7 . 2 , found 4 2 7. 2。
Ac-Im-Py-j3 -ala-C0-Du86 : 0 . 5 6 mg ( 9 ¾) ; NMR (DMS0-d
6) <3 : 1 . 2 8 ( 1 H, s), 2. 0 1 (3 H, s) , 2. 0 9 ( 1 H, s), 2 . 4 5 ( 3 H, s), 3. 3 8 -3. 4 4 (2 H, m), 3. 7 0 -3. 7 5 ( 1 H, m) , 3. 7 1 (3 H, s), 3. 8 0 ( 3 H, s) , 3 . 9 2 (3 H, s), 4. 0 8 ( 2 H, s), 6. 9 3 ( 2 H, s), 7. 2 2 ( 1 H, s), 7 . 4 0 (1 H, s), 8 . 0 3 ( 1 H, t, /= 5 . 5 Hz), 9 . 8 9 ( 1 H, s), 1 0 . 2 2 ( 1 H, s), 1 2 . 3 5 ( 1 H, S), 2·つのプロ トン(N- CH
2 - Cg
2- CO 0) は DMSO溶媒のピークの一つがオーバーラップするため確認できない。 ; ESI M S m/e calcd for CsoHsnO Ns (M+H) 6 1 7 . 2 , found 6 1 7 . 3。
Im-Im- /3 -ala-Py-Py-^ -ala-CO-Im' : 6. 3 mg (7 4 ; Ή NMR (DMSO-de) δ : 3. 4 9 (2H, q, 6. 5 Hz) , 3. 5 3 ( 2 H, q, J=6. 5 Hz), 3. 7 8 (3 H, s), 3. 8 3 (3H, s), 3. 9 6 ( 3 H, s), 4. 0 0 (3 H, s), 6. 8 3 (1 H, s), 6. 8 5 ( 1 H, s), 7. 0 5 ( 1 H, s), 7. 0 6 ( 1 H, s), 7. 1 5 (2 H, s), 7.4 6 (1 H, s), 7. 7 1 ( 1 H, s), 8. 0 9 ( 1 H, s), 8. 2 3 (1 H, s), 8.4 2 (1 H, s), 8. 6 1 ( 1 H, s), 9. 7 5 ( 1 H, s) , 9. 8 4 (1 H, s), 9. 8 9 (1 H, s), 4つのプロ トン (2 o f N-CH2- C 2 s)は DMSO溶媒のピ —クの一つがオーバ一ラップするため確認できない。
- 28 -
Im - Im-j8 - ala - Py - Py - j3 - ala - CO - Du86 : 0. 1 0 mg ( 3 ¾) ; ^ NMR (CDsOD) δ : 1. 0 4-1. 0 6 (1 H, m), 2. 0 8 -2. 1 2 ( 1 H, m) , 2. 5 0 ( 3 H, s), 2 5 8 -2. 6 6 (4H, m) , 3. 5 6 (2 H, m), 3. 6 7 (2 H, m) , 3. 7 0 -3. 7 5 (1 H, m), 3. 7 7 ( 3 H, s) , . 3. 8 4 ( 3 H, s), 3. 8 7 ( 3 H, s) ' 4. 0 1 (3 H, s), 4. 0 2 -4. 0 5 ( 2 H, m) , 4. 0 5 ( 3 H, s), 6. 7 4 ( 1 H, s), 6. 8 1 ( 1 H, s), 7. 0 5 ( 1 H, s), 7. 1 4 ( 2 H, s), 7. 2 5 ( 1 H, s), 7. 4 7 ( 1 H, s), 7. 8 8 ( 1 H, s), 6つのプロ トン (6 Ms)は CD30D に 変えたことにより検出されなかった。 ; ESI MS m/e calcd for C42H4609N13 (M+ H) 8 7 6. 3 , found 8 7 6.4。
Ac-Im-Py-Py- r -butyl-Py-Py- β -ala-C0-Im' : 2 2. 5 mg ( 6 8 ¾) ; 'Έ. NMR (DMS0-d
e) δ 1 . 7 2 -1. 7 8 ( 2 H, m) , 2. 0 1 ( 3 H, s), 2. 2 3 -2. 2 9 (2 H, m) , 3. 5 0— 3. 5 6 (2 H, m), 3. 7 7 ( 3 H, s), 3. 8 0 ( 3 H, s) , 3. 8 1 (3 H, s), 3. 8 4 ( 3 H, s), 3. 9 4 ( 3 H, s), 6. 8 2 ( 2 H, s), 6. 8 9 (1 H, s), 7. 0 3 (1 H, s) , 7. 0 6 ( 1 H, s), 7. 1 2 ( 1 H, s), 7. 1 6 (1 H, s), 7. 2 6 ( 1 H, s), 7.4 1 ( 1 H, s) , 7. 6 8 ( 1 H, s), 7. 7 1 ( 1 H, s), 8. 0 0 -8. 0 4 (1 H, m) , 8. 0 4-8. 1 0 ( 1 H, m), 8. 4 2 (1H, s), 9. 8 0 (1 H, s), 9. 8 2 ( 1 H, s), 9. 8 7 ( 1 H, s) ' 9. 9 3 (1H, s), 1 0. 2 1 (1 H, s), 4つのプロ トン (N-CH
2- C旦
2 and N- C|
2-C H
2)は DMSO溶媒のピ一クの一つがオーバーラップするため確認できない。
Ac-Im-Py-Py-r -butyl-Py-Py-jS -ala-C0-Du86 : 0. 7 0 m g (HP L C精製後 7 %) ; lE NMR (DMS0-d6) δ : 1. 0 4-1. 0 6 (1H, m) , 2. 0 8-2. 1 2 · (1H, m), 2. 5 8 -2. 6 6 (4H, m), 3. 5 6 (2H, m) , 3. 6 7 (2H, ID), 3. 7 7 (3H, s), 3. 8 4 (3H, s), 3. 8 7 (3H, s) , 4. 0 1 ( 3H, s) , 4. 0 2 -4. 0 5 (2H, m), 4. 0 5 (3H, s), 6. 7 4 (1H, s), 6. 8 1 (1H, s), 7. 0 5 (1H, s), 7. 1 4 (1H, s), 7.4 7 (1H, s), 7. 8 8 (ΊΗ, s), 6ゥのプ 口トン (N-C 2-Cg2 and N-CH2-CH2-CH2) は CD30D に変えたことにより検出されな かった。 ; ESI MS m/e calcd for CS2Hs80ii iS (M+H) 1 0 6 8.3, found 1 0 6 8.4。 実施例 4 DN Aアルキル化剤を導入したピロ一ルーィミダゾールポリアミドに よる配列特異的 D N Aアルキル化
( 1 ) 上で合成した Ac- Im- Py- j3- ala-CO- Du86を用いて D N Aアルキル化実験を行 なった。 その結果を第 1図に示す。
第 1図から明らかなように、 本化合物は、 5 '— T AAA— 3 'を認識して、 3 '-末端のアデニンをアルキル化していることが分かった。
( 2 ) また同様の実験を Im- Im- j3 - ala- Py- Py-j8 _ala- CO- Du86を用いて行なつた。 その結果を第 2図に示す。 この場合、 2つのイミダゾ一ル部が D N A中のグァニ ンを認識し、 配列特異的な D N Aアルキル化が起こることが明らかとなった。 即 ち、 本化合物は 5 ' — G G A G A A A— 3 'を認識して、 3 '-末端のアデニンをァ ルキル化していることが明らかとなつた。
これらの結果からも、 本発明者らが開発したピロ一ルーイミダゾールポリァミ ドの F m o c法による自動合成法を用いることで、 D N Aを配列選択的にアルキ ル化する化合物が容易に得られることが明らかとなった。 この技術により、 がん 細胞種特有の D N Aをターゲッ トとする薬物の開発、 即ち、 副作用のない杭がん 剤の開発の進展が大いに期待される。
( 3 ) 次に、 同様の実験を Ac- Im-Py- Py-r- buty卜 Py- Py-β- ala- Du86を用いて行つ た。 この化合物は、 ピロ一ルーイミダゾ一ルポリアミ ド部位が自らヘアピン構造 を取り、 一分子で D N Aの 2本鎖の両側を認識できうる。 ヘアピン化合物は D N Aに結合する際に P y— P yペアが A Tまたは T Aを I m— P yペアが G Cを P y一 I mペアが C Gを選択的に認識して結合するというダーバン則に従うことが 知られているが、 この化合物は /3—ァラニンペア— I mという新たな分子認識の 組み合わせを含んでいるので、 新たな分子認識ル一ルの発見の可能性があり、 D N Aアルキル化実験を行なって確認した。 その結果を第 3図に示す (D NA : P U C 1 8 ΠΙ 7 0 η M、 試薬濃度 : 1 0 n M〜 5 0 0 n M, 5サンプル、 反応条件: リン酸ナトリウム緩衝液 ( 1 . 4 6 mM) 3 7 V, 8時間) 。
第 3図から明らかなように、 この化合物の場合はヘアピン構造を取りながら一 つの規則に従って D NAをアルキル化していることが分かった。 即ち、 ァー b u t y 1 ヘアピンカーブ部位は A Tに、 P y— P yペアが A Τまたは Τ Αを認識し. D u 8 6が Aまたは Gをアルキル化した。 この際に、 新たな分子認識ペアである j3—ァラニンペア一 I mペアは、 選択的に C Gペアを認識し、 配列特異的なアル キル化に重大な寄与をしていることが明らかとなった。 この発見は今まで報告の ない新たな発見である。
この結果、 Ac - Im - Py- Py -buty卜 Py -: Py - - ala - Du86は 5 '一(A/T) (A/T) (A
/T) C (A/G) - 3 '部位を認識し、 3 '-末端のアデニンを選択的にアルキル化し ていると分かった。 先にも述べたように、 末端が /3—ァラニンカルボン酸基を持 つピロ一ルーィミダゾ一ルポリアミ ドの合成は本発明者らが今回発見したぺプチ ド合成機を用いる手法により容易に調製できる。 この発見により、 本発明の合成 手法は、 新たな D N A認識性化合物の合成に寄与するところが極めて犬なる発明 であるということが明らかとなった。 実施例 5 F I T Cーピロール—イミダゾ一ルポリアミ ドコンジュゲートの固相合 成
合成は先に示したピロ一ルーイミダゾ一ルポリアミ ドの固相合成法と同じ手法、 即ち、 Continuous Flow法を採用した Appl ied Biosystemsのペプチド合成機 Pione erを用いて行った。 固相担体は Fmo c— ァラニンがプレロードされた巿販 の Wang resinを用いた。 また、 HATU、 D I EA、 F I T C及びモノマーュニ ッ トは、 固相担体の活性末端に対して 4当量用いた。 反応終了後、 固相担体を力 ラムから取り出し、 減圧乾燥を行った後、 5 0 m lのナスフラスコ中に移し、 9 5 %T FA、 2. 5 %T I S、 2. 5 % 水を 5m l加えて 3 0分撹拌し、 担体 から切り出しを行った。 精製は、 0. 1 %TFA水溶液とァセトニトリルを用い た H P L Cにより行った。
得られた F I T C—ピロ一ルーイミダゾールポリアミ ドコンジュゲ一トの構造式 と収率及び各種スぺク トルデータ等を以下に示す。
FITC-Py— Py-j3 -ala-COOH : 収率 1 4% ; XH NMR (DMSO- d6) d : 3. 7 9 (3 H, s), 3. 8 7 (3H, s), 6. 5 4 -6. 6 2 ( 5 H, m) , 6. 6 6 ( 1 H, s), 6. 6 7 ( 1 H,' s), 6. 8 3 ( 1 H, s) , 6. 9 7 1 H, s) , 7. 1 7 ( 1 H, d, 7=8. 0 Hz), 7. 1 8 (1 H, d, 1=1. 5 Hz), 7. 2 4 ( 1 H, br. s), 7. 8 2 ( 1 H, dd' .ゾ =8. 0, 1. 5 Hz), 7. 8 0 ( 1 H, t, /= 6. OHz), 8. 2 1 ( 1 H, s), 9 , 8 2 ( 1 H, s), 9. 8 5 ( 1 H, s), 1 0. 0 9 ( 2 H, s), 1 2. 2 0 ( 1 H, br. s'), 4つのプロ トン(N- Cg2-Cg2-COO) は DMSO溶媒のピークがオーバーラップする ため確認できない。 ; ESI MS ffl/e calcd for Ca eHs xOeNsS (M+H) 7 2 3. 2, fo und 7 2 3. 2。 産業上の利用可能性
本発明の方法によれば末端をカルボン酸残基として固相担体から切り出すこと が可能なため、 様々な官能基をピロ一ル―ィミダゾ一ルポリアミ ドに導入するこ とが可能である。 例えば、 D N Aに対してアルキル化能をもつデュオカルマイシ ン、 ピロ口べンゾジァゼピン、 ブレオマイシン、 ェンジイン化合物、 ナイ トロジ エンマスタード、 またそれらの誘導体を導入することが可能である。 即ち、 本発 明の方法を用いることで、 D N Aを配列選択的にアルキル化する化合物が容易に
得られることが明らかとなった。 この技術により、 がん細胞種特有の D N Aを夕 —ゲッ トとする薬物の開発、 即ち、 副作用のない杭がん剤の開発の進展が期待で きる。 また、 本発明の方法によれば、 天然に存在する蛋白質とピロ一ルーイミダ ゾールポリアミ ドとのコンジュゲート、 更には非天然蛋白質とのコンジュゲ一ト の合成をも可能とする。 更にまた、 F m 0 c法は t— B O C法に比べて反応条件 が緩和なため、 蛋白質以外の有機化合物の中でも酸性条件で不安定な官能基を持 つ化合物の導入も可能であり、 その応用は幅広い。 例えば、 ピロ一ルーイミダゾ —ルポリアミ ドと D N Aや R N Aとのコンジュゲート、 それらの誘導体とのコン ジュゲートを自動合成することも可能である。
また、 F I T Cをピロール—イミダゾールポリアミ ドに導入してコンジユゲー トを合成することも可能であり、 得られてくるコンジュゲ一トは、 特定の D N A 配列を認識出来る蛍光標識試薬として用いることが出来、 がんを含めた遺伝病に 関係する D N A配列を容易に識別出来る。 これは、 ピロ一ルーイミダゾ一ルポリ アミ ドを用いた治療を行なう前段階に利用出来るだけでなく、 診断薬としての利 用も可能である。