WO2002006144A1 - Systeme de transfert de feuilles de papier et enregistreur - Google Patents

Description

明 細 書 用紙処理装置およぴ記録装置 技術分野

本発明は、 力ットシ一ト等の用紙を印刷機構で印刷する記録装置およびそれに 適した用紙処理装置に関するものである。 背景技術

近年、 B 5サイズのノートブックコンピュータや P D A等のポケットに入るサ ィズのコンピュータ等の携帯可能なコンピュータが普及してきている。 これらの コンピュータは、 携帯電話や P H Sを用いてインターネットに接続して多種多様 の情報を取得したり、 メールの送受信を行えるようになつている。 また、 P H S や携帯電話でも様々なコンテンツをダウンロードできたり、 メールの送受信がで きるものが登場してきている。 さらには、 上記のコンピュータや携帯電話等のモ バイル型の機器を用いて電子決済を行おうとする試みもある。

このようなモパイル型の機器を様々な用途に使用していこうとする中で、 機器 に取り込んだ電子メールを含む情報を手軽にプリントアウトできるようにするこ とも非常に重要である。 このため、 携帯電話などのモパイル用の機器のァクセサ リーの 1つとして非常に薄いカードタイプのプリンタが要望されている。

薄いカードタイプのプリンタには、 厚みがあるロール紙よりも、 A 6、 A 7あ るいは A 8サイズなどのカツトシートに印刷するタイプが適しており、 そのよう なプリンタには、 収納部にセットされた用紙を印刷へッドに向けて給紙するため のピックアップローラを備えている。 そして、 このピックアップローラに対し加 圧パネにより加圧されたボトムプレートがカットシート （用紙） を押し付け、 ピックァップローラが回転すると、 このローラと用紙との間に適当な摩擦力が発 生し、 用紙が印刷へッドの側に給紙される。

し力 しながら、 プリンタをより薄く全体が 5 mm程度のプリンタを実現しよう とすると幾つかの解決すべき問題がある。 まず、 プリンタを薄くしょうとすると 各部品をコンパクトにする必要があり、 たとえば、 ピックアップローラの直径を 検討すると、 通常のプリンタでは 2 O mm程度なのに対し 2 mm程度にする必要 がある。 ピックアップローラの直径が小さくなると、 全体は剛体構造ではなく柔 軟構造となり精度の確保が困難となる。 また構造が小さいため今までは問題とな らないわずかな紙の癖や傷、 温度あるいは湿度の変化による紙質の変化などの影 響を敏感に受けるようになり、 信頼性の高いものにならない。

たとえばピックアップローラの直径が小さくなると用紙との接触面積が小さく なる。 したがって、 用紙を紙送りするために必要な力を得ることが難しくなる。 ピックアップローラに用紙を押し付ける力 （圧力） を上げることにより紙送り力 を確保することも可能であるが、 圧力を上げれば剛性の少ない可撓"生のピック アップローラはさらに湾曲しやすく、 圧力を高くすることはできない。

また、 上述したように、 ピックアップローラに用紙をボトムプレートにより加 圧している力 薄型のプリンタを実現するにはボトムプレートおよび加圧用のバ ネを収納するスペースを確保することが困難であり、 これらが省略できることが 望ましい。 し力、しながら、 ピックアップローラに用紙を押し付けられないと紙送 りに必要な力が得られない。

何らかの機構によりピックアップローラに用紙を押し付けられたとしても、 ピックアップローラの剛性が低いので、 撓みやすく、 改善策をとつたとしても基 本的には普通の機械と比較すると十分な紙送り力を得ることが難しい。 したがつ て、 小径のピックアップローラを用いた装置は繊細となり、 用紙の紙癖、 傷、 紙 質の変化などの影響を受けやすくなる。 給紙機構は精度よく作ることが要求され るが、 上記のように装置は柔軟構造であるから精度を確保することが難しい。 こ のため、 給紙中の用紙に紙癖があると、 正しい姿勢で用紙を紙送りできにくく、 紙送りミスが発生することがある。

また、 この他の問題としてモータの動力がある。 ピックアップローラに用紙を 押し付ける従来の方法では、 紙供給後はプラテンによって紙が送られ、 逆にピッ クアップローラは紙で回されることになりプラテンの負荷となる。 ことによる摩 擦力が逆に負荷になってしまい、 モータはプラテンの回転とピックアップローラ の回転負荷をうける。 すなわち、 ピックアップローラの回転負荷は紙供給後は不 要のものである。 5 mm程度の厚みのプリンタに収納できるモータのサイズは限 られており、 負荷が增大するとモータのサイズが大きくなり薄いプリンタを実現 することが難しくなる。 したがって、 紙を供給した後のピックアップローラの負 荷を取り除くことが望ましい。

さらに、 厚みが 5 mm程度のプリンタで、 数十枚の用紙を収納できるスペース を確保するとピックアップローラは 2 mni程度になる。 ボトムプレートを用いず に用紙をピックアップローラに押し付けようとしてピックアップローラの方を動 かすようにすると、 最後の用紙まで確実にピックァップするためには用紙の厚み 方向に十分なストロークでピックアップローラを動かせる機構が必要になり、 そ れを薄いプリンタに収めなければならない。

このように、 5 mm程度の非常に薄いプリンタを実現するには、 ピックアップ ローラに関し上記のような幾つかの解決すべき課題がある。 そこで、 本発明にお いては、 これらの課題を解決し、 ピックアップローラと用紙が適切な状態で接触 して確実に給紙することができる記録装置を提供することを目的としている。 そ して、 携帯電話などのモパイル機器の 1つのアクセサリ一として使用できる、 非 常に薄い、 例えば、 5 mm程度の厚さの記録装置を提供することを目的としてい る。 また、 薄くコンパクトであっても、 品質の高い印刷を行える記録装置を提供 することも本発明の目的としている。 発明の開示

本発明においては、 用紙を収納可能な収納部と、 この収納部から用紙を紙送り 手段に供給する紙供給手段とを有する用紙処理装置であって、 紙供給手段として、 紙送り方向に直交する紙幅方向に延びたピックアップローラと、 このピックアツ プローラと平行に延び、 ピックアップローラを回転駆動するためのドライブシャ フトと、 このドライブシャフトからピックアップローラに動力を伝達する複数の 動力伝達手段とを備え、 さらに、 これらの複数の動力伝達手段を少なくともピッ クアップローラの両端に配置すると共に、 ドライブシャフトとピックアップロー ラを連結する歯車列と、 ピックアップローラを揺動するアームとを具備する用紙 処理装置を提供する。 このアームは、 歯車列のいずれかの軸を中心として旋回し、 先端にピックアップローラの回転軸が取り付けられ、 アームの旋回の中心とピッ クアップローラの回転軸の間は歯車列 （輪列） の少なくとも一部を構成する複数 個の歯車で連結されている。 さらに、 アームは、 アームと偶数個の歯車の間また はピックアップローラの回転軸との間に回転に伴う摩擦を発生させる摩擦負荷発 生手段を具備している。 また、 ドライブシャフトとピックアップローラの歯車に 係合する部分は回転位相ずれ防止用のために Dカツトなどの異形軸とする。

また、 本発明においては、 印刷ヘッドと、 この印刷ヘッドにより印刷される際 の用紙の紙送り速度を制御可能な紙送り手段と、 上記の用紙処理装置を有する記 録装置を提供する。

本発明の用紙処理装置では、 ドライブシャフトが回転すると、 動力伝達手段の 歯車列を介してピックアップローラが紙送り方向に相当する方向に回転すると共 に、 アームのピックアップローラを支持する側に設けられた摩擦負荷発生手段に よってピックアップローラは用紙に接触する方向に旋回する。 そして、 ピック アップローラが用紙に接触して紙送り力が生ずると、 その反力により、 アームに 支持されたピックアップローラは用紙に押し付けられる。 したがって、 動力伝達 手段により、 ピックアップローラを用紙に加圧し、 用紙との間に給紙に必要な摩 擦力を発生させることができるので、 ボトムプレートおよび加圧バネを用いずに 用紙を印刷へッドに給紙することが可能となる。

さらに、 このアームを備えた動力伝達手段によりピックアップローラを駆動す る紙供給手段あるいは方式は、 ピックアップローラが用紙の厚み方向に動くので、 厚み方向のストロークを確保しやすい。 したがって、 ボトムプレートを用いなく ても、 小径のピックアップローラを用いて最後の一枚まで確実に給紙することが できる。 ストロークを大きくするには、 ドライブシャフトに繋がった駆動歯車と、 ピックアップローラに繋がつた従動歯車を直結するのではなく、 これらを連結す る 1つまたは複数の中間歯車を設けておくことが望ましい。 中間歯車を設けるこ とにより、 駆動歯車および従動歯車の径を大きくしないでピックアップローラの 回転軸が旋回する径を大きくできる。

動力伝達手段が収納部の外側に配置されているのであれば、 収納部の厚みを大 きくせずに、 また、 用紙を収鈉するスペースを犠牲にしないで中間歯車の径を大 きくすることができる。 したがって、 この中間歯車の回転軸を中心にアームが旋 回するように取り付けることにより大きなストロークを確保できる。 この場合、 中間歯車と従動歯車が、 アームの旋回の中心とピックアップローラの回転軸との 間を連結する偶数個の歯車に相当する。 一方、 動力伝達手段が収納部の内側に配 置されている場合は、 中間歯車の径を大きくすると収納部のスペースが犠牲にな る。 したがって、 アームは駆動歯車の回転軸、 すなわち、 ドライブシャフトを中 心に旋回するようにして、 そのアームに従動歯車と同じ、 あるいはそれ以下の径 の中間歯車を偶数個設けて動力を伝達することで収納部のスペースを犠牲にしな いで大きなストロークを確保することができる。

さらに、 このアームを備えた動力伝達手段によりピックアップローラを駆動す る紙供給手段あるいは方式は、 ピックアップローラにより給紙した後、 プラテン ローラなどの紙送り手段により印刷へッドの近傍で用紙を紙送りするときにピッ クアップローラが負荷になることを防止することができる。 紙送り手段の紙送り 速度を紙供給手段の紙送り速度、 すなわち、 ピックアップローラによる紙送り速 度より早くすることにより、 用紙にはピックアップローラによる紙送り力が作用 しなくなる。 その結果、 ピックアップローラを用紙に押し付ける反力も働かなく なるので、 ピックアップローラを用紙に加圧する力は作用しなくなり、 ピック アップローラはから回りし、 給紙した後、 プラテンローラなどの紙送り手段によ り用紙が紙送りされる際の抵抗にならない。 したがって、 紙送り手段で用紙を紙 送りする負荷が小さくなり、 モータ動力が削減できるので、 超小型のモータで紙 送りすることが可能となる。 このため、 モータも含めて 5 mm程度という極めて 薄い記録装置に収めることができる。

このように、 紙供給手段のピックアップローラを支持するためにアームを備え た動力伝達手段を採用することにより非常に薄い用紙処理装置および記録装置を 実現するための上記の課題の幾つかを解決することができる。 さらに、 本発明に おいては、 小径で接触面積が小さく、 また、 剛性の小さな柔構造のピックアップ ローラで用紙に均一に紙送りするための十分な力を得るために、 ピックアップ ローラを用紙幅の少なくとも 5 0 %に接触するように長く して接触面積を稼ぐと 共に、 少なくともピックアップローラの両端を動力伝達手段で支持して橈みを防 止し、 そして、 ピックアップローラの両端に動力伝達手段を設置できるように ピックアップローラと平行にドライブシャフトを設けるようにしている。

さらに、 小径で長いピックアップローラを採用し、 その両端で駆動した場合、 ピックアップローラ自体は剛性が小さいので、 両端の動力伝達手段同士でドライ ブシャフトの回転と同期が取れない状態になると、 ピックアップローラの両端で 紙送り量が変動し、 用紙の紙送り方向が狂ったり、 ピックアップローラが撓んだ りする原因となる。 このため、 本発明においては、 ドライブシャフトとピック ァップローラ間は厳密に回転位相をあわせ回転力で柔軟構造を補強し、 精度を向 上させる方法をとつている。 すなわちピックァップローラの軸およびドライブ シャフトのうち、 少なくとも動力伝達手段の歯車列を構成する歯車が係合する部 分は D字形断面などの非円形の異形軸として全歯車が回転位相がずれるのを厳密 に防止している。 また、 複数の動力伝達機構が常に同位相で駆動されるので、 用 紙に紙癖があっても、 ピックアップローラと収納室底面で用紙を挟みこんで紙癖 を修正しその影響を受けることなく、 正しい姿勢で用紙を印刷機構の側に紙送り できる。

したがって、 本発明の用/紙処理装置では、 ピックアップローラを延長してその 少なくとも両端をアームを備えた動力伝達手段で支持することにより、 ボトムプ レートを省略すると共に、 小径で可撓性のピックアップローラを適切な姿勢で用 紙に広く接触させて十分な紙送り力を確保し、 用紙の厚み方向のストロークも確 保し、 さらに、 プラテンローラなどの紙送り手段で紙送りするときにピックアツ プローラが負荷になるのを防止できるようにしている。 このため、 2 mm程度と 非常に小径のピックァップローラを採用し、 5 mm程度の薄い用紙処理装置にお いて用紙を収納するのに十分なスペースを確保でき、 さらに、 最後の一枚まで確 実に、 紙詰まりを起こさないように用紙をピックアップして供給することができ る。 したがって、 本発明により、 全体が非常に薄く、 そして確実に用紙を供給す ることができる用紙処理装置を提供できる。 このため、 携帯電話などのモパイル 機器のアクセサリーとして、 あるいはそれらの機器に組み込んで使用できる全体 が非常に薄く、 そして確実に、 高品質の印刷が可能な記録装置を提供できる。 さらに、 ドライブシャフトの両端以外に、 あるいはそれらに加えて、 ドライブ シャフトの中間に、 すなわち、 収納部の内側の少なくとも 1つの位置で支持する 軸受けを設けることにより、 小径のドライブシャフトが橈むのを防止できる。 ま た、 ピックアップローラを支持する機能を兼ねた動力伝達手段をピックアップ ローラの両端以外にあるいは加えて、 ピックアップローラの中間に 1つあるいは 複数設けても良く、 ピックアップローラの撓みあるいは歪みを防止して圧力を加 えやすい構成にすることができる。

また、 収納部に複数枚の用紙を直にセットしても良く、 また、 複数枚の用紙が 収納された用紙カセットをセットできる用紙処理装置および記録装置も本発明に 含まれる。 特に、 ピックアップローラと対峙する位置にカセットから突き出た舌 状の下敷きが配置されるサイズあるいは形状の収納部とすることにより、 下敷き が突き出た用紙カセットを使用することが可能となり、 最後の一枚まで条件を変 えずにピックアップできる。 このため、 用紙を最後まで確実に供給可能な用紙処 理装置を提供できる。

また、 本発明の用紙処理装置は非常に薄くなるので、 多段に積み重ねて、 複数 種類あるいは複数サイズの用紙を供給する場合にも適している。 すなわち、 本発 明には、 複数の収納部と、 それぞれの収納部から用紙を供給する複数の紙供給手 段とを有する用紙処理装置および記録装置も含まれる。 特に、 これら複数の収納 部が多段に積み重ねられているマルチトレイには本発明の用紙収納装置が適して いる。 図面の簡単な説明

図 1は、 本発明にかかるプリンタの概略の断面構成図である。

図 2は、 本例のプリンタの用紙処理装置を示す図であり、 この用紙処理装置の 収納部に用紙カートリッジがセットされる前の状態を示す斜視図である。

図 3は、 用紙処理装置の収納部に用紙カートリツジをセットした状態を示す斜 視図である。

図 4 ( a ) は、 本例の動力伝達機構の概略構成を示す断面図であり、 図 4 ( b ) はその平面図である。

図 5は、 本例の動力伝達機構の動作とピックアップローラの動きを示す図であ る。

図 6は、 用紙処理装置の異なる例を示す斜視図である。

図 7 ( a ) は用紙処理装置のさらに異なる例を示す斜視図であり、 図 7 ( b ) は、 その用紙処理装置のピックァップローラの周辺を取り出して拡大して示す斜 視図である。

図 8は、 収納部が多段に積み重ねられた用紙処理装置の一例を示す図である。 発明を実施するための最良の形態

以下に図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。 図 1 ( a ) および ( b ) に本発明にかかるプリンタ 1の概略構成を断面で示してある。 本例のプリ ンタ 1は、 全体が A 7サイズ （7 4 mm X 1 0 5 mm) 程度の薄い方形のハウジ ング 5を有しており、 その厚みは約 5 mm程度で、 ポータブルタイプのプリンタ として非常に適したサイズになっている。 ハウジング 5の後方 1 bは、 A 8サイ ズ ( 5 2 mm X 7 4 mm) の感熱式の力ットシ一ト (サーマノレシ一トあるいは サーマルぺーパ) 3を複数枚収納でき、 それらから一枚づつシートをピックァッ プして供給する用紙処理の区画であり、 この区画が用紙処理部あるいは用紙処理 装置 2である。 前方 l aは、 用紙処理部 2から給紙されたサーマルシート 3を印 刷する印刷機構 4が配置された区画となっている。 本例の印刷機構 4は、 サーマ ルシ一ト 3に印刷するサーマルへッド 6と、 このサーマルへッド 6にサーマノレ シート 3を押し付けながら紙送りするプラテンローラ 7とを備えている。 した がって、 用紙処理部 2から供給された用紙 3は、 プラテンローラ 7を紙送り手段 としてサーマ/レへッド 6とプラテンローラ 7との間を通って印刷され、 前方 1 a に設けられた排出口 8から外部に排紙される。

図 2および図 3にプリンタ 1に採用されている用紙処理装置 2の概要を斜視図 を用いて示してある。 この用紙処理装置 2は、 プリンタに対し用紙を保持し、 プ リンタからのオーダにより用紙を供給する、 用紙収納装置あるいは用紙供給装置 である。 図 2は用紙カセットがセットされる前の状態を示し、 図 3は用紙カセッ トがセットされた状態を示している。 本例の用紙処理装置 2は、 サーマルシート 3を保持する収納部 1 5と、 この収納部 1 5に保持された用紙を一枚ずつピック アップして給紙する紙供給手段 1 9とを備えている。 プリンタ 1では、 ハウジン グ 5が用紙処理装置 2と一体になつており、 ハウジング 5の一部がサーマルシー ト 3を支持する収納部 1 5のベース 1 1と、 この収納部 1 5を覆うアッパーケー ス 1 2を構成し、 サーマルシート 3を外界から保護できる構成になっている。 さ らに、 ベース 1 1から側壁 1 7および 1 8が立脚しており、 これらにより紙供給 手段 1 9としての機構が支持されると共にこれらの壁の内部に収納部 1 5として の領域が確保されている。 さらに、 収納部 1 5には、 後方 l bから A 8サイズ ( 5 2 mm X 7 4 mm) のカットシート 3を複数枚収納した用紙力ートリツジ (用紙カセット） 9を所定の位置に所定の状態でセットできるように底面となる ベース 1 1に一条のガイド突起 4 1が形成されている。

用紙処理装置 2の紙供給手段 1 9は、 側壁 1 7から 1 8に延びたピックアップ ローラ 2 1と、 これと平行に配置されたドライブシャフト 2 2と、 側壁 1 7およ び 1 8の外側に配置された動力伝達機構 4 2 aおよび 4 2 bを備えている。 ピッ クアップローラ 2 1は、 収納部 1 5の紙送り側、 すなわち、 印刷機構 4の側に配 置されており、 紙送り方向 Pに直交する紙幅方向 Wに延び、 収納部 1 5に用紙力 セット 9がセットされたときに用紙カセット 9の開口 9 aに露出したサーマル シート 3の最上位のものに接するようになつている。 本例の用紙カセット 9は開 口 9 aの下敷きとなるように、 本体 9 cから先端 9 dの方向に向かって舌状の部 材 9 bが突き出ており、 サーマルシート 3の最後の数枚はピックアップローラ 2 1と舌状の部材 9 bに挟まれて紙送りされるようになっている。 特に、 サーマル シート 3の最後の一枚が紙製あるいは紙と同等の摩擦係数を備えた舌状の下敷き となる部材 9 bの上を滑るようになっているので、 摩擦係数が他の用紙を同じ環 境になる。 このため、 最後の用紙が、 その上の用紙と共に給紙されてしまったり、 最後の一枚がピックアップできなくなったりすることはなく、 最後の一枚まで確 実に給紙することができる。

本例のピックアップローラ 2 1は、 薄いプリンタ 1に収納できるように小径で あり、 例えば、 直径 2 mm程度の非常に細いローラが用いられている。 このピッ クアップローラ 2 1が接触したサーマルシート 3がローラ 2 1の回転によって収 納部 1 5の前壁 1 6に当たると、 最上位のサーマルシート 3だけが分離され、 前 方 1 aに位置する印刷機構 4にピックアップローラ 2 1の回転速度に比例した紙 送り速度 S 2で送られる。 そして、 サーマルシート 3の先端がプラテンローラ 7 とサーマルへッド 6に挟まれると、 サーマルシート 3はプラテンローラ 7からの 力を受けてプラテンローラ 2 1の回転速度に比例した紙送り速度 S 1で紙送りさ れ、 サーマルヘッド 6によって所望の印刷が行われる。

このピックアップローラ 2 1と並歹に、 紙幅方向 Wに延びたドライブシャフト 2 2は、 ピックアップローラ 2 1に回転動力を伝達するための部材であり、 不図 示のモータから適当な歯車機構を介して駆動されるようになっている。 そして、 ドライブシャフト 2 2からは動力伝達機構 4 2 aおよび 4 2 bを介してピック アップローラ 2 1の両端に動力が伝達され、 ピックアップローラ 2 1が回転する _c 本例では、 2個の動力伝達機構 4 2 aおよび 4 2 bがいずれも側壁 1 7および 1 8の外側、 すなわち、 収納部 1 5の外側に位置しており、 動力伝達機構 4 2 aお よび 4 2 bは、 収納部 1 5のスペースを用いないで設置できるようになつている _c これらの動力伝達機構 4 2 aおよび 4 2 bは左右対称ではあるが同一の構成のた め、 以下では一方の動力伝達機構 4 2 aを代表して説明する。

図 4 ( a ) および （b ) に動力伝達機構 4 2 aのさらに詳しい構成を断面およ び側面を用いて示してある。 図 2から図 4に示すように、 動力伝達機構 4 2 aは ピックアップローラ 2 1のシャフト 2 1 aの一方の端 2 1 eに配置され、 ドライ ブシャフト 2 2とピックアップローラ 2 1を連結する歯車列 （輪列） 2 5と、 ピックアップローラ 2 1を揺動するアーム 3 0と、 このアーム 3 0とピックアツ プローラ 2 1の回転軸 2 1 aとの間に回転に伴う摩擦力を発生するための摩擦負 荷発生手段としてのフェルト 4 5とを備えている。

歯車列 2 5は、 ドライブシャフト 2 2に連結され、 このシャフト 2 2によって 馬区動される駆動歯車 2 7と、 ピックアップローラ 2 1のローラ軸 2 1 aに連結さ れ、 ピックアップローラ 2 1を駆動する従動歯車 2 8と、 これらの歯車 2 7およ び 2 8を連結している 1つの中間歯車 2 9とを備えている。 ドライブシャフト 2 2およびピックアップローラ 2 1のローラ軸 2 1 aは共にベース 1 1の側壁 1 7 および 1 8を貫通して収納部 1 5の外側に突き出ており、 これらの突き出た部分 4 6および 4 7に歯車 2 7および 2 8が固定されている。 一方、 中間歯茧 2 9は 側壁 1 7に取付けられた軸 3 2を中心に回転するようになっており、 さらに、 こ の軸 3 2にアーム 3 0の一方の端 3 0 aが旋回可能に取付けられている。

したがって、 アーム 3 0は歯車列 2 5を構成する中間歯車 2 9の軸 3 2を中心 として旋回する。 また、 アーム 3 0の他方の端 3 0 bにはピックアップローラ 2 1の回転軸 2 1 aが取り付けられている。 このため、 本例のプリンタ 1では、 アーム 3 0の軸 3 2とピックアップローラ 2 1の回転軸 2 1 aとの間は中間歯車 2 9と従動歯車 2 8の 2つの歯車 （偶数個の歯車） によって連結されている。 駆 動歯車 2 7をドライブシャフト 2 2に取り付ける部分 （歯車に係合する部分） 4 6および従動歯車 2 8をピックアップローラの軸 2 1 aに取り付ける部分 （歯車 に係合する部分） 4 7は、 図 4 ( b ) に示すように D字形にカットされた異形軸 とされている。 このため、 これらの歯車 2 7および 2 8がそれぞれの軸 2 2およ ぴ 2 1 aに滑らないように固定されており、 これらの部分 4 6および 4 7は歯車

2 7および 2 8の回転位相ずれを完全に防止し、 厳密に同期した状態で動かすよ うにする役割を担っている。

また、 図 4 ( a ) に示すように、 本例のアーム 3 0のピックアップローラ 2 1 を支持する側 3 0 bには、 ピックアップローラ 2 1が回転したときに適当な摩擦 力が発生するようにフェルト 4 5が従動歯車 2 8とアーム 3 0との間に挟まれる ように設置されている。 このため、 ピックアップローラ 2 1の回転力を、 アーム

3 0を軸 3 2を中心に旋回させる力として利用することが可能であり、 ピック アップローラ 2 1を回転させることによりアーム 3 0を旋回させ、 ピックアップ ローラ 2 1を旋回させることができる。 本例では、 用紙収納スペース 1 5の厚み を考慮し、 厚み方向に所定のストロークだけピックアップローラ 2 1が旋回でき るように、 側壁 1 7および 1 8には曲線状のガイド溝 3 5が形成されている。 図 5に、 本例の動力伝達機構 4 2 aによりピックアップローラ 2 1を駆動して サーマルシート 3を供給する様子を示してある。 図 5 ( a ) および （b ) に示す ように、 ドライブシャフト 2 2を時計回り方向に回転させると、 駆動歯車 2 7が 時計方向に回転し、 中間歯車 2 9が反時計方向に回転し、 従動歯車 2 8が時計方 向に回転する。 従動歯車 2 8とアーム 3 0との間に摩擦力を発生するフェルト 4 5が挟まれているので、 アーム 3 0のピックアップローラ 2 1の側 3 0 bを反時 計方向に旋回する力 Yが生じ、 また、 アーム 3 0の他方の側 3 0 aは中間歯車 2 9と共通の軸 3 2に取付けられ、 反時計方向に旋回しやすい状態にある。 した がって、 アーム 3 0のピックアップローラ 2 1の側 3 0 bは反時計方向に旋回し、 ピックアップローラ 2 1をサーマルシート 3の方向に動かす。

ピックアップローラ 2 1がサーマルシート 3に接触すると、 ピックアップロー ラ 2 1は時計方向に回転駆動されているので、 接触したサーマルシート 3に対し、 それを紙送り方向 Pに送る力 Xが作用する。 一方、 ピックアップローラ自身には、 その力 Xの反力 Zとして反対側の力が働く。 ピックアップローラ 2 1はアーム 3 0により軸 3 2を中心に旋回できるように支持されているので、 反力 Zはアーム 3 0をさらに反時計方向に旋回する力として作用し、 その結果、 ピックアップ ローラ 2 1をサーマルシート 3の方向に加圧する力 Fを得ることができる。 した がって、 本例の紙供給手段 1 9においては、 ドライブシャフト 2 2がモータに よって駆動されると、 ピックアップローラ 2 1が紙送りする方向に回転すると共 に、 アーム 3 0がピックアップローラ 2 1をサーマルシート 3に押し付ける方向 に動き、 さらに、 ピックアップローラ 2 1が紙送りを開始するとその反力がピッ クアップローラ 2 1をサーマルシート 3の側に引き込む力となって作用する。 そ の結果、 ピックアップローラ 2 1をサーマルシ一ト 3に強力に押し付けることが 可能となり、 ピックアップローラ 2 1とカットシート 3との間には給紙に必要な 摩擦力が得られる。 したがって、 本例のプリンタ 1では、 ピックアップローラ 2 1が回転駆動した反動でピックアップローラ自身をサーマルシート 3に押し付け る力が働くので、 ボトムプレートや加圧パネを使用しなくても、 ピックアップ ローラ 2 1で確実にシート 3を印刷機構 4の側に紙送りすることができる。

また、 図 5 ( c ) および （d ) に示すように、 本例のプリンタ 1においては、 カツトシ一ト 3の枚数が少なくなつてもピックアップローラ 2 1を回転すると フェルトを用いた摩擦負荷発生手段 4 5によりアーム 3 0のピックアップローラ 2 1の側 3 0 bがサーマルシート 3の方向に旋回し、 ピックアップローラ 2 1が サーマルシート 3に接触する。 そして、 ピックアップローラ 2 1がサーマルシー ト 3にいつたん接してサーマルシート 3を駆動する力 Xが発生すると、 その力の 反力 Zによって、 上述したようにピックアップローラ 2 1がサーマルシート 3に 押し付けられる。 このため、 常にカットシート 3はローラ 2 1によって適当な力 で押し付けられる。 このため、 用紙カートリッジ 9に収納されているカツトシ一 ト 3を、 その枚数に関わらず、 常にピックアップローラ 2 1は給紙に必要な摩擦 力が得られるように加圧され、 常に十分な力で力ットシート 3を印刷機構 4の側 に送り出すことができる。

このように、 本例の紙供給手段 1 9においては、 ピックアップローラ 2 1を アーム 3 0を備えた動力伝達機構 4 2 aおよび 4 2 bにより支持し、 動力を伝達 するようにしているので、 ボトムプレートや加圧用のパネを用いずにピックァッ プローラ 2 1を確実にサーマルシート 3に押し付けることができる。 したがって、 ボトムプレートあるいは加圧用のバネを収納するスペースは不要であり、 5 mm 程度と非常に薄いプリンタ 1のハウジング 5の厚みをサーマルシート 3を収納す るために有効に利用することができる。 さらに、 ピックアップローラ 2 1を回転 することによりアーム 3 0が用紙の方向に旋回するので、 最後のサーマ シート 3まで確実にピックァップすることができる。

そして、 本例では動力伝達機構 4 2 aおよび 4 2 bを収納部 1 5の外側に配置 することにより収納スペースを犠牲にしないで径の大きな中間歯車 2 9を利用で きる。 したがって、 ドライブシャフト 2 2とピックアップローラ 2 1との間を開 けて、 旋回半径が長く、 用紙収納部 1 5の厚み方向のストロークを大きくするこ とができるアーム 3 0を取り付けることができるようになつている。 このため、 直径が 2 mm程度と非常に細いピックアップローラ 2 1を採用し、 5 mm程度の 厚みのプリンタ 1において 3 mm程度をサーマルシート 3の収納スペース 1 5と し、 数 1 0枚程度の十分な用紙を収納可能にすると共に、 収納スペース 1 5に収 納された最後のサーマルシート 3も確実に紙送りできる。

さらに、 用紙収納部 1 5は、 舌状の部材 9 bが紙送り方向に飛び出た紙カセッ ト 9にサーマルシート 3を収納できるサイズとなっている。 このため、 上述した ように、 摩擦係数が用紙と同様の舌状の下敷き部材 9 bを備えたカセット 9を セットすることにより、 さらに確実に最後の 1枚の用紙まで有効に活用できる。 また、 アーム 3 0を使用した本例の動力伝達機構 4 2 aおよび 4 2 bでピック アップローラ 2 1に動力を伝達し、 ピックアップローラ 2 1の紙送り力 Xの反力 Zを用いてピックアップローラ 2 1をサーマルシート 3に押し付ける加圧力 Fを 得て、 紙送りに必要な摩擦力を得るようにしている。 このため、 紙送り力 Xが働 かない状態になれば、 反力 Zも発生せず、 加圧力 Fも発生しない。 プリンタ 1の 紙送り手段であるプラテンローラ 7の紙送り速度 S 1を、 用紙処理装置 2の紙送 り速度 S 2より速くなるように設定すると、 プラテンローラ 7に引っ張られてい るサーマ^^ン一ト 3には紙送り力 Xが発生しない状態になるので、 反力 Zおよび 加圧力 Fも発生しない。 したがって、 本例の用紙処理装置 2においては、 図 1 ( b ) に示すように、 ピックアップローラ 2 1によって紙送りされたカツトシ一 ト 3がプラテンローラ 7によって紙送りされる段階になると、 ピックアップロー ラ 2 1はカツトシート 3の表面で空回りしているだけの状態になり摩擦力はほと んど発生しない。 このため、 プラテンローラ 7で紙送りするときにサーマルシー ト 3がピックアップローラ 2 1で引っ張られるような現象は発生せず、 プラテン ローラ 7で紙送りするときにピックアップローラ 2 1に起因する負荷をほとんど あるいは完全になくすことができる。 したがって、 この用紙処理装置 2を採用す ることにより、 プラテンローラ 7による紙送りの負荷を小さくなり、 駆動モータ として従来よりもさらにトルクの小さなモータを使用できる。

発生トルクの小さなモータはサイズがコンパクトになるので、 本例のように 5 mm程度と非常に薄いプリンタ 1に、 そのサイズに合ったモータを內蔵すること が可能となる。 また、 トルクを小さくすることによりモータの消費電力を低くす ることも可能となる。 したがって、 バッテリーをプリンタ 1に搭載する場合も バッテリーを小型化でき、 バッテリーも含めたプリンタを薄くコンパクトにする ことが可能となる。 あるいは、 バッテリーの消費時間を大幅に延ばし、 さらに携 帯型プリンタとして使い勝手の良いプリンタを提供することが可能となる。 また、 本例のプリンタ 1においては、 プラテンローラ 7により紙送りされてい るときにピックアップローラ 2 1をカツトシ一ト 3に加圧する力 Fを抑制するこ とができるので、 カットシート 3の表面が光るようになってしまう不具合 （てか り） も防止できる。 この現象は、 サーマルシート 3をピックアップローラ 2 1が 加圧された状態でピックアップローラ 2 1の紙送り速度よりも速く引っ張られる ときに発生する。 これに対し、 本例のプリンタ 1ではピックアップローラ 2 1の 速度より速くサーマルシート 3が引っ張られると加圧力 Fが発生しないので、 そ れに伴うこのような現象も防止できる。 このため、 サーマルシート 3を用いて高 品質の印刷ができるプリンタを提供できる。

このように、 アーム 3 0によりピックアップローラ 2 1を支持した本例の紙供 給手段 1 9は、 薄い領域で用紙を収納するスペースを十分に確保でき、 最後の一 枚まで確実に紙送りできると共に、 さらに、 モータも小型化できるなど薄型のプ リンタ 1に適したものになっている。 そして、 接触する部分をシート 3の紙幅方 向 Wに長くし接触面積を増やし、 小径でも十分な紙送り力が得られるようにする と共に、 ピックアップローラ 2 1の両端 2 1 eを動力伝達機構 4 2 aおよび 4 2 bで支持することにより撓みや歪みを防止しているので、 ピックアップローラ 2 1の径を 2 mm程度と非常に細くできる。

すなわち、 図 2および図 3に示すように、 ピックアップローラ 2 1が、 カット シート 3の紙幅方向 Wにほぼいっぱいに延びており、 カットシート 3の紙幅全体 にピックアップローラ 2 1が接触するようになっている。 したがって、 小径の ローラ 2 1でもサーマルシート 3との接触面積は十分であり、 それほど大きな力 でピックアップローラ 2 1がサーマルシート 3に押し付けられなくても所定の紙 送り力を得ることができる。 したがって、 ピックアップローラ 1 2を押し付ける 圧力を小径のピックアップローラ 2 1の橈みや歪みを抑制できる最小限に抑えて 十分な紙送り力を得ることができる。

また、 紙幅方向 Wに接触する面積を確保することにより、 サーマルシート 3の 全体に一様に紙送り力を加え易くなる。 このため、 サーマルシート 3を所定の紙 送り方向 Pに正しく給紙することが可能となり、 サーマルシート 3の紙送り方向 Wが歪んで紙詰まりが発生するのを防止できる。 特に、 薄型のプリンタ 1では、 紙送り経路などに余裕はほとんどなく、 所定の方向に正しく紙送りすることが重 要であり、 ピックアップローラ 2 1の有効な長さを延ばすことはこの点でも有効 である。 また、 本例のように小径のピックアップローラ 2 1は柔構造であり、 サーマルシート 3のちよつとした凹凸やその他の要因によって橈んだり歪んだり し易いが、 ピックアップローラ 2 1がサ一マルシート 3に接触する長さを長くし ておくことにより、 ピックアップローラ 2 1が多少変形して接触不良となる個所 が多少発生したとしても、 その影響を最小限に止め、 高い信頼性で確実にサーマ ルシート 3を紙送りできる。

従来のプリンタでは、 ピックアップローラの直径が 2 O mm程度あるいはそれ 以上であり、 生は非常に高く、 強い力で押し付けることができる。 したがって、 用紙に接触する長さは短くて良く、 長くすると逆に、 後述するような位相差など によって紙送り方向が歪む要因ともなる。 しかしながら、 本例のプリンタ 1にお いては、 ピックアップローラ 2 1が 2 mm程度と非常に小径であり、 このような 設計はできない。 したがって、 接触面積を大きくするためにピックアップローラ 2 1では、 逆に、 ピックアップローラ 2 1を長くして紙幅全体で均等な紙送り力 を得ることによって、 多少の撓みや紙癖などに対しても正しい姿勢でサーマル シート 3を送れるようにしている。 このため、 ピックアップローラ 2 1の有効長 は長い方が望ましく、 少なくとも紙幅の 5 0 %にはローラ 2 1が接触するように 設計することにより、 サーマルシート 3の送り方向が歪まないように十分な力で 紙送りすることができる。

このように小径で長いピックアップローラ 2 1を採用することにより、 5 mm 程度と薄いプリンタ 1でも確実にサーマルシ一ト 3を送れるようにしているが、 十分な紙送り力を得るためにはピックアップローラ 2 1をある程度の力では加圧 する必要があり、 2 mm程度と小径で長い可撓性のピックアップローラ 2 1はや はり撓み、 歪みさらにはねじれなどの変形による影響が出やすい。 そして、 ピッ クアップローラ 2 1が変形してしまうと、 有効長を長くして変形に耐えやすい構 成ではあるがやはり紙送りの信頼性が低下してしまう。

特に、 本例の紙供給手段 1 9では、 上述したように、 スペースをセーブするた めにボトムプレートを除き、 さらに、 十分なストロークを確保するためにアーム 3 0によりピックアップローラ 2 1が旋回できる構成としている。 したがって、 側壁 1 7および 1 8に直にピックアップローラ 2 1を取り付けることができない _c そこで、 本例では、 アーム 3 0を備えた動力伝達機構 4 2 aおよび 4 2 bにより. ピックアップローラ 2 1の両端 2 1 eを支持すると共に、 両端 2 1 _eで同時に ピックアップローラ 2 1を駆動するようにしている。 さらに、 両端で同期を取つ て確実にピックアップローラ 2 1を駆動するために、 両端 2 1 eに共通した駆動 力を加えることができるドライブシャフト 2 2をピックアップローラ 2 1と平行 に配置し、 さらに、 動力伝達機構 4 2 aおよび 4 2 bには歯車の組み合わせを採 用し、 上述したようにシャフト 2 2および 2 1に駆動歯車 2 7および従動歯車 2 8をそれぞれ係合させる部分を D力ットの回転位相ずれ防止用の異形軸 4 6およ び 4 7にしている。 したがって、 ドライブシャフト 2 2を駆動することにより、 紙送りを開始するときや、 紙に皺があるときなどのように紙送り方向が変わりや すい状況のときでも、 位相差を発生させずにピックアップローラ 2 1の両端 2 1 eを駆動することが可能であり、 ピックアップローラ 2 1のねじりや歪みを防止 し、 所定の方向に確実に用紙を搬送することができる。 それと共に、 両端 2 1 e で支持することによりアーム 3 0で旋回できる構成を維持しながらピックアップ ローラ 2 1の撓みや歪みも防止し、 確実に紙送り力が得られ、 紙送りの方向も正 しく維持できるようにしている。

このように、 アーム 3 0を備えた動力伝達機構 4 2 aおよび 4 2 bで非常に細 く可撓性のピックアップローラ 2 1を支持すると共に回転力を伝達することによ り、 ピックアップローラ 2 1を撓ませることなくカットシート 3に対して十分な 力で押し付けることが可能であり、 確実に正しい姿勢で力ットシート 3を印刷機 構 4の側に紙送りできる。 このため、 小径のピックアップローラを採用して、 ボ トムプレートおよび加圧パネを省くことが可能なので、 プリンタを薄くし易く、 薄くても十分な量のシート 3を収納することができる。 したがって、 本例のプリ ンタ 1により厚さ 5 mm程度あるいはそれ以下の全体が非常に薄いカード型のプ リンタを実現することが可能であり、 携帯電話などのモバイル機器に組み込んだ り、 それらに取付けたり、 さらには、 それらと共に持ち歩くことができる超小型 のプリンタを提供することが可能となる。

上述したプリンタ 1では、 動力伝達機構 4 2 aおよび 4 2 bの歯車列 2 5に中 間歯車 2 9を設けて、 アーム 3 0の旋回範囲を広くし、 ピックアップローラ 2 1 の厚み方向の移動範囲 （ストローク） を広げるようにしている。 そして、 径の大 きな中間歯車 2 9が収納スペース 1 5の邪魔にならないように収納スペース 1 5 の外側、 本例では、 側壁 1 7および 1 8の外側に動力伝達機構 4 2 aおよび 4 2 bを配置している。 したがって、 ストロークを大きく確保できる反面、 ピック アップローラ 2 1の軸 2 1 aをサーマルシート 3の紙幅を超えて側壁 1 7および 1 8の外側に伸ばす必要があり、 スパンが長くなるので撓み易い方向になる。 こ れに対して、 動力伝達機構 4 2 aおよび 4 2 bを収納部 1 5の近傍あるいは収納 部 1 5の内部に設けることも可能である。 そのような用紙処理部 2の一例を図 6 に示してある。

図 6に示した用紙処理装置 2においても、 ピックアップローラ 2 1の両端 2 1 _aがアーム 3 0を備えた動力伝達機構 4 3 aおよび 4 3 bにより支持されている。 しかしながら、 本例の動力伝達手段 4 3 aおよび 4 3 bの歯車列 2 5はドライブ シャフト 2 2に繋がった駆動歯車 2 7とピックアップローラ 2 1に繋がった従動 歯車 2 8により構成され、 これらの歯車 2 7および 2 8が直に連結されている。 また、 アーム 3 0の旋回中心は、 駆動歯車 2 7の旋回中心、 すなわちドライブ シャフト 2 2になっており、 ピックアップローラ 2 1はドライブシャフト 2 2を 中心にアーム 3に両端 2 1 eを支持された旋回可能となっている。 したがって、 アーム 3 0が旋回する軸 （中心） 3 2とピックアップローラ 2 1との回転軸 2 1 a との間は、 駆動歯車 2 7および従動歯車 2 8の 2つの歯車 （偶数個） の歯車に よって連結されている。

本例の動力伝達手段 4 3 aおよび 4 3 bもフェルトなどの摩擦負荷発生手段が 従動歯車 2 8とアーム 3 0のピックアップローラ側との間に設けられており、 ピックアップローラ 2 1が駆動されると上述した動力伝達機構 4 2 aおよび 4 2 bと同様の動きをする。 すなわち、 動力伝達手段 4 3 aを側方から見たときに、 ドライブシャフト 2 2を反時計方向に駆動すると、 動力伝達手段 4 3 aの歯車列 2 5によりピックアップローラ 2 1が時計方向、 すなわち紙送り方向に回転する: ピックアップローラ 2 1が時計方向に回転すると、 アーム 3 0にそのピックップ ローラ側を反時計方向に旋回するモーメントが発生する。 本例のプリンタの動力 伝達機構 4 3 aでは、 このアーム 3 0の旋回中心となっているドライブシャフト 2 2もアーム 3 0の旋回方向の反時計方向に回転しているので、 摩擦負荷発生手 段により発生したモーメントによりアーム 3 0はサーマルシート 3に接触する方 向に旋回する。 そして、 ローラ 2 1がサーマルシート 3に接触して紙送り力が発 生すると、 その反力によつてピックアップローラ 2 1はさらにサーマノレシ一ト 3 に押し付けられて安定した力が発揮される。 反対側の動力伝達機構 4 3 bにおい ても同様である。 '

この用紙処理装置 2の紙供給手段 1 9では、 動力伝達手段 4 3 aおよび 4 3 b が収納部 1 5の領域内に配置することにより、 ピックアップローラ 2 1がサーマ ルシート 3に接触する有効長さを確保しながら、 ピックアップローラ 2 1の全長 を短くできる。 したがって、 ピックアップローラ 2 1の橈みなどをより少なくで きる構成であり、 また、 側壁 1 7および 1 8の外側に動力伝達機構を配置しなく て良いので、 側方の構成が簡略化される。 したがって、 用紙処理部 2をよりコン パクトに纏めることができ、 さらに薄くコンパクトなプリンタに適している。 ま た、 この構成であっても、 ドライブシャフト 2 2やピックアップローラの軸 2 1 aを Dカツトあるいは四角形などの非円形の異形軸にすることにより歯車のすべ りを防止して確実に同期させることができる。

また、 駆動歯車 2 7と従動歯車 2 8とが直結しているので、 動力をより確実に 伝達しやすい。 その一方で、 アーム 3 0の厚み方向のストローク Yを大きくしょ うとすると駆動歯車 2 7の径を大きくする必要があり、 収納部 1 5のスペースを 消費してしまう可能性がある。 そのような場合には、 図 7に示すように、 アーム 3 0に中間歯車を取付けることにより、 駆動歯車 2 7の径を大きくしないでスト ロークを確保することが可能である。

図 7 ( a ) は、 本発明の用紙処理装置 2のさらに異なった例を示してあり、 図 7 ( b ) は、 その紙供給手段 1 9の構成を抜き出して示してある。 本例の紙供給 手段 1 9も、 ピックアップローラ 2 1と、 これを,駆動するためのドライブシャフ ト 2 2とを備えている。 さらに本例においては 3つの動力伝達機構 4 4 a、 4 4 bおよび 4 4 cを設けてドライブシャフト 2 2からピックアップローラ 2 1に動 力を伝達している。 これらの動力伝達機構 4 4 a、 4 4 bおよび 4 4 cのうち、 動力伝達機構 4 4 aおよび 4 4 bは上記と同様にピックアップローラ 2 1の両端 2 1 eに配置され、 他の 1つの動力伝達機構 4 4 cはピックアップローラ 2 1の 中央に配置されており、 これら 3つの動力伝達機構により本例のピックアップ ローラ 2 1はドライブシャフト 2 2から支持され、 動力が伝達されるようになつ ている。 この用紙処理装置 2においても、 各々の動力伝達機構の構成は同じなので、 給 紙側から見て右端の動力伝達機構 4 4 aを例に説明する。 動力伝達機構 4 4 aは、 上記と同様に、 ドライブシャフト 2 2とピックアップローラ 2 1を接続し、 ドラ イブシャフト 2 2を中心として旋回するアーム 3 0と、 ドライブシャフト 2 2と ピックアップローラ 2 1を連結する歯車列 2 5を備えている。 歯車列 2 5は、 駆 動歯車 2 7と従動歯車 2 8との間に 2つの中間歯車 2 9 aおよび 2 9 bが配置さ れており、 これらの中間歯車 2 9 aおよび 2 9 bはアーム 3 0に取付けられてい る。 このため、 アーム 3 0が旋回する中心 3 2とピックアップローラ 2 1の回転 軸 2 1 aとの間は、 駆動歯車 2 7、 従動歯車 2 8、 中間歯車 2 9 aおよび 2 9 b の合計 4ケ、 すなわち、 偶数個の歯車によって連結されている。 また、 動力伝達 機構 4 4 aは、 アーム 3 0のピックアップローラ 2 1の側 3 0 bに、 フェルトな どを用いて従動歯車 2 8が回転すると摩擦力が発生する摩擦負荷発生手段 4 5が 設けられている。 摩擦負荷発生手段は中間歯車 2 9 aおよび 2 9 bとアーム 3 0 との間に設けることも可能である。 動力伝達機構 4 4 aも上述した動力伝達機構 4 2 aおよび 4 2 bと同様に動作し、 ドライブシャフト 2 2を反時計方向に駆動 すると、 中間歯車 2 9 aおよび 2 9 bがそれぞれ時計方向および反時計方向に回 転し、 ピックアップローラ 2 1が時計方向に回って紙送りする。 その際、 摩擦を 発生する手段 4 5により、 ドライブシャフト 2 2の回転方向と同様にアーム 3 0 を反時計方向に旋回するモーメントが発生するのでピックアップローラ 2 1は サ一マルシート 3の方向に動いて接触し、 さらに接触すると押し付ける力が働い て確実にサーマルシート 3を紙送りすることができる。

そして、 本例の動力伝達機構 4 4 aでは、 歯車列 2 5に 2つの中間歯車 2 9 a および 2 9 bを設けているので、 駆動歯車 2 7あるいは従動歯車 2 8の径を大き くしなくても、 ドライブシャフト 2 2とピックアップローラ 2 1との間隔を広げ ることができる。 したがって、 収納部 1 5の厚み方向のスペースを犠牲にしない でピックアップローラ 2 1の厚み方向のストロークを大きくすることが可能であ る。 また、 複数の中間歯車を設けることによってストロークを大きくできるので、 中間歯車の径を大きくする必要はない。 したがって、 本例の構成を採用しても収 納部 1 5のスペースを中間歯車で消費してしまうことがないので、 中間歯車を収 納部 1 5の外側に配置しなくても良い。 し力 しながら、 アーム 3 0の旋回方向と ドライブシャフト 2 2の回転方向が一致していることが望ましく、 さらに、 ピッ クアップローラ 2 1は紙送り方向、 すなわち時計方向に回転する必要がある。 し たがって、 これらの回転方向を維持するために中間歯車 2 9は 2つあるいは偶数 個設ける必要がある。 このため、 駆動歯車 2 7および従動歯車 2 8と、 偶数個の 中間歯車を設けることになり、 アーム 3 0の旋回方向を用紙 3の方向に向けよう とすると、 その中心 3 2とピックアップローラ 2 1の回転軸 2 1 aとの間を連結 する歯車の個数は、 必然的に偶数個になる。

また、 本例の紙供給手段 1 9においては、 側壁 1 7および 1 8の間の収納部 1 5の空間でドライブシャフト 2 2の中間を支持する軸受け 2 3を設けている。 こ の軸受け 2 3は、 コ字形になって先端 2 3 aが 2つに分かれており、 それぞれが ドライブシャフト 2 2の中間を支持する。 したがって、 本例では、 ドライブシャ フト 2 2が側壁 1 7および 1 8の 2箇所に加え、 それらの中間の 2箇所でも支持 されており、 合計 4点で支持されるので、 非常に歪みゃ撓みが発生し難い。 この ため、 さらに小径のドライブシャフトを採用しても、 十分に歪みや撓みを防止し てさらに精度良く確実に紙送りすることができる。 特に、 薄型のプリンタで、 用 紙サイズが大きい場合、 たとえば、 A 6サイズあるいはそれ以上のサイズに印刷 するものはドライブシャフト 2 2が長くなるので、 歪みゃ撓みが発生しやすい。 したがって、 このようにシャフトの中間を支持して歪みや撓みを防止することが 望ましい。

さらに、 本例においては、 ピックアップローラ 2 1も両端に加え中央で動力伝 達機構 4 4 cにより支持され、 また、 ドライブされている。 したがって、 両端だ けで支持されている場合に比べてピックアップローラ 2 1に歪みゃ撓みが生じに くく、 ピックアップローラ 2 1をさらに小径にして用紙保持部 （収納部） 1 5の スペースを有効活用することが可能となる。 また、 ピックアップローラ 2 1の中 間に動力伝達機構を設けて回転駆動することにより、 ピックアップローラ 2 1の ねじれや、 サーマルシート 3の歪みなどによって紙送り方向が偏心することも防 止することが可能であり、 より確実に用紙を紙送りすることができる。 さらに、 両端に加えて中間を 1つ以上同時に駆動する場合は、 それらの回転の位相を維持 することはさらに重要になる。 このため、 本例では、 ローラやプーリーなどと異 なり、 すべりが発生する可能性のない歯車を動力伝達機構として用いている。 さ らに、 軸を Dカツトなどの異形軸として歯車がドライブシャフトに対しても滑ら ないようにして、 歯車の回転位相ずれの発生も防止している。

また、 薄型でサイズの大きな用紙に対応したプリンタでは、 ドライブシャフト 2 2と共にピックアップローラ 2 1も長くする必要があるので、 本例のように ピックアップローラ 2 1の中間を支持して撓みや歪みを防止することは非常に有 用である。 そして、 本例のように、 アーム 3 0に中間歯車 2 9を支持した方式で あると、 用紙を保持するスペース 1 5を犠牲にすることなく配置できる。 した がって、 ピックアップローラ 2 1の長手方向に適当なピッチで複数の動力伝達機 構を設けることができる。 また、 ピックアップローラ 2 1を支持するすべての アーム 3 0に歯車列 2 5を設ける必要はなく、 アーム 3 0だけを複数配置して歪 みや撓みを抑制することも可能である。

しかしながら、 より確実に用紙 （サーマルシート） を正しい姿勢で紙送りでき るようにするには、 すべてのアーム 3 0に歯車列 2 5を設けてピックアップロー ラ 2 1を駆動することが望ましい。 本例の紙供給手段 1 9では、 ピックアップ ローラ 2 1が回転することによりピックアップローラ自身の力でピックアップ ローラ 2 1を用紙に押し付けるようにしているので、 ピックアップローラが回転 さえしていればピックアップローラ 2 1を用紙に押し付ける力が発生する。 この ため、 ピックアップローラ 2 1が用紙に接触しているすべての場所で均等にピッ クアップローラを押し付けることができるので、 プリンタの薄いスペース内で確 実に用紙を供給できるのであるが、 ピックアップローラ 2 1の回転にアンバラン スが発生すると、 ピックアップローラ 2 1を用紙に押し付ける力にもアンバラン スが発生するので用紙を送る方向が偏心したりする要因になる。

ピックアップローラ 2 1の中間に 1つまたは複数の動力伝達機構を設けると、 ピックアップローラ 2 1の中間で軸 2 1 aを露出させることになるので、 ローラ の用紙に接触する部分が複数に分断される。 本例では 2つのローラ部 2 1 bおよ び 2 1 cを備えた状態になる。 プラテンローラは分割すると用紙を均等に加圧で きないので、 印字品質が劣化する要因となるが、 ピックアップローラ 2 1は全面 で用紙を加圧する必要はなく、 用紙に対し均等な力を加えて正しい姿勢で用紙を 紙送りできれば良いので、 このように複数に分断されることは問題ない。

以上に説明した用紙処理装置 2は、 アーム 3 0を備えた動力伝達機構を介して ピックアップローラ 2 1を回転駆動する紙供給手段 1 9を採用しており、 それ自 身でボトムプレートやパネなどを用いずにピックアップローラ 2 1を用紙に押し 付けて一枚ずつ紙送りすることができる。 また、 アーム 3 0を旋回することによ り薄いプリンタのハウジング内に十分な収納部 1 5としてのスペースを確保する ごとが可能であり、 最後の一枚までサーマルシート 3を紙送りすることができる。 そして、 紙送りする力の反力でピックアップローラ 2 1が押し付けられるので、 プラテンローラ 7などの印刷へッド 6の近傍の紙送り速度を決定する機構の紙送 り速度をピックアップローラ 2 1の紙送り速度よりも速くすることにより簡単に ピックアップローラ 2 1の負荷を無くすことが可能であり、 紙送り用のモータを 負荷を下げることができる。 したがって、 本例の紙供給手段はこれらの点で薄く コンパクトなプリンタ 1を実現するために好適なものである。

さらに、 薄いプリンタ 1を実現するためには長さに対して小径なピックアップ ローラ 2 1を採用する必要があるが、 それに伴う接触面積の低下はピックアップ ローラ 2 1の有効長を十分に確保することでカバーできる。 一方、 有効長を長く することによる撓みや歪みの問題は、 ピックアップローラ 2 1の両端 2 1 eを上 述したような動力伝達手段で支持することによって低減している。 そして、 本例 のピックアップローラ 2 1は、 自らが回転することにより自ら押し付け力を発揮 するので、 同期を取って回転させることにより均一な押し付け力を確保すること が容易であり、 撓みや歪みの問題の少ない構成になっている。 したがって、 小径 で可撓性のピックアップローラ 2 1を用いて偏心せずに用紙を確実に送ることが できる。

このため、 本発明の紙供給手段により、 薄いプリンタあるいは用紙処理装置の 内部スペースを有効に活用することができ、 小径で可撓性のピックアップローラ 2 1でサーマルシート 3を確実に給紙することができる。 このため、 本発明によ り、 単体で非常に薄いカードタイプあるいはノートタイプのプリンタに適した用 紙処理装置が実現され、 収納性、 携帯性などにおいて従来のプリンタとは全く異 なった商品イメージのプリンタを提供することが可能となる。 また、 本発明にか かるプリンタは非常に薄く実現できるので、 これを携帯電話、 P D A等のモバイ ル機器、 デスクトップ型またはノート型のコンピュータ、 レジ、 カーナビ等の 様々な機器に内蔵させることも容易となる。 さらに、 これらの機器にアタッチし たり、 これらの機器のアクセサリの 1つとして提供することも可能である。

なお、 上述したように、 サーマルシート 3は、 舌付の紙カセットあるいは用紙 カートリッジ 9に収納された状態で収納部 1 5に設置することが望ましいが、 複 数の用紙を収納部 1, 5に直にセットする形態であっても良い。 また、 用紙カート リッジをプリンタ本体に対し抜き差しするような形態のプリンタとすることも可 能である。 さらに、 上記では薄く携帯に適したプリンタに採用された例を説明し ているが、 上記の A 6サイズ （1 0 5 m;m X 1 4 8 mm) 以下などの小判の用紙 に限定されず、 A 5サイズ （1 4 8 mm X 2 1 O mm) より大きな用紙を取り扱 う用紙処理装置においても本発明を適用することが可能である。 そして、 単にホ ストからの印刷情報を打ち出すものに限らず、 ファックス、 コピー機あるいは力 メラなどの機能を組み込んだ多種多様な記録装置に本発明を適用することができ る。

また、 サーマルタイプのプリンタを例に説明したが、 インクジエツトプリンタ やレーザプリンタに対しても本発明を適用できる。 特に、 サーマルタイプのプリ ンタにおいては、 インクやトナーなどの消耗品が不要であり、 さらに、 印刷機構 も他のタイプに比べて非常に小さく構成できるので、 薄いプリンタとして適して いる。 したがって、 本発明と組み合わせて 5 mm程度まで薄いプリンタを実現す るのに適した構成である。 さらに、 プラテンローラの例を上記では説明している 力 薄型のプリンタ 1においては、 プラテンローラも小径となり強度的な問題が 発生する可能性がある。 その場合は、 プラテンを回転しないタイプに置き換えて 剛性を上げ、 サーマルへッド 6で印刷されたサーマルシート 3を引き出す位置に. 紙送り手段としての紙送り用のローラ （排紙機構） を設けることも有効である。 さらに、 本発明の用紙処理装置 2は非常に薄く構成できるので、 これらを多段 に配置して複数種類の用紙をセットできるコンパク トサイズのマルチトレイを提 供することも可能である。 図 8に、 その一例を示してある。 このマルチトレィ状 の用紙処理装置 2は、 2つの収納部 1 5 aおよび 1 5 bが上下に組み合わされて おり、 それぞれの収納部 1 5 aおよび 1 5 bに紙供給手段 1 9 aおよび 1 9 b力 S 取り付けられている。 これらの紙供給手段 1 9 aおよび 1 9 bは、 上述したよう にピックアップローラ 2 1とドライブシャフト 2 2と動力伝達機構 4 2とを有す るものである。 したがって、 給供給手段 1 9 aまたは 1 9 bを選択することによ り、 各々の収納部 1 5 aおよび 1 5 bに収納された用紙 3 aおよび 3 bのいずれ かを選択して、 前壁 1 6 aおよび 1 6 bにより一枚づっ分離して同じ位置から出 力することができる。

この用紙処理装置 2は 2段であるが、 3段以上のマルチトレイを構成すること も可能である。 そして、 このマルチトレイ式の用紙処理装置 2においては、 それ ぞれの収納部に、 サイズが異なる用紙、 紙質が異なる用紙、 フォーマットが異な る用紙などを収納しておくことにより、 駆動する紙供給手段 1 9を選択するだけ で所望の用紙を選択して印刷機構 4に供給し、 印刷することができる。 複数の収 納部を平面的に配置することも可能であるが、 本発明の用紙処理装置は薄く構成 できるので、 従来のトレイと同じ厚みで多段に配置することが可能である。 した がって、 本発明を採用することにより、 プリンタの厚みや、 用紙を収納する部分 の厚みを大きくしなくても、 複数の用紙をハンドリングできるプリンタを提供す ることが可能となる。 産業上の利用の可能性

以上説明したように、 本発明の用 ft処理装置およびそれを用いた記録装置では、 小径で有効長の長いピックァップローラを用いながら簡易な構成で、 収納部の用 紙を一枚ずつ確実に印刷へッドの側に送り出せるようにしている。 したがって、 非常に薄い用紙処理装置を提供することが可能となり、 携帯電話、 P DA等のモ バイノレ機器などと共に使用するのに適した全体が薄いカード型あるいはノート型 の記録装置を提供できる。 また、 収納部を多段に配置することにより、 コンパク トなマルチトレイを提供することも可能となるなど、 用紙を取り扱う多方面の装 置に応用することができる。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 用紙を収納可能な収納部と、 この収納部から用紙を供給する紙供給手段と を有する用紙処理装置であって、

前記紙供給手段は、 紙送り方向に直交する紙幅方向に延びたピックアップロー ラと、

このピックアップローラと平行に延び、 該ピックアップローラを回転駆動する ためのドライブシャフトと、

このドライブシャフトから前記ピックアップローラに動力を伝達する複数の動 力伝達手段とを備え、

これら動力伝達手段は、 少なくとも前記ピックアップローラの両端に配置され、 前記ドライブシャフトと前記ピックアップローラを連結する歯車列と、

前記歯車列のいずれかの歯車の軸を中心として旋回し、 先端に前記ピックアツ プローラの回転軸が取り付けられ、 前記旋回の中心と前記ピックアップローラの 回転軸の間が前記歯車列の少なくとも一部を構成する偶数個の歯車で連結されて いるアームと、

前記ァームと前記偶数個の歯車の間または前記ピックアップローラの回転軸と の間に回転に伴う摩擦を発生させる摩擦負荷発生手段とを具備し、

前記ドライブシャフトと前記ピックアップローラの歯車に係合する部分は異形 軸となっている、 用紙処理装置。

2 . 前記ピックアップローラは、 前記収納部にセットされた用紙の紙幅の少な くとも 5 0 %に接触可能なサイズである、 請求項 1の用紙処理装置。 3 . 前記歯車列は、 前記ドライブシャフトに駆動される駆動歯車と、 前記ピッ クアップローラを駆動する従動歯車と、 これらの駆動歯車と従動歯車を連結する 中間歯車とを具備する、 請求項 1の用紙処理装置。

4 . 前記動力伝達手段は前記収納部の外側に配置されており、 前記アームは前記中間歯車の軸を中心に旋回し、

前記偶数個の歯車は前記中間歯車および前記従動歯車である、 請求項 3の用紙

5 . 前記動力伝達手段は前記収納部の内側に配置されており、 前記アームは前 記ドライブシャフトを中心として旋回し、 前記中間歯車は前記アームに支持され た偶数個の歯車を具備する、 請求項 3の用紙処理装置。

6 . 前記ドライブシャフトを前記収納部の内側の少なくとも 1つの位置で支持 する軸受けを有する、 請求項 1の用紙処理装置。

7 . 複数の前記収納部と、 それぞれの前記収納部から用紙を供給する複数の紙 供給手段とを有する、 請求項 1の用紙処理装置。 8 . 前記複数の収納部は多段に積み重ねられている、 請求項 7の用紙処理装置。

9 . 前記収納部には、 複数の用紙が収められ、 舌状に突き出た下敷き付の用紙 カセットをセット可能である、 請求項 1の用紙処理装置。 1 0 . 印刷ヘッドと、 この印刷ヘッドにより印刷される際の用紙の紙送り速度 を制御可能な紙送り手段と、 用紙を収納可能な収納部と、 この収納部から用紙を 前記紙送り手段に供給する紙供給手段とを有する記録装置であって、

前記紙供給手段は、 紙送り方向に直交する紙幅方向に延びたピックアップ口一 ラと、

このピックアップローラと平行に延び、 該ピックアップローラを回転駆動する ためのドライブシャフトと、

このドライブシャフトから前記ピックアップローラに動力を伝達する複数の動 力伝達手段とを備え、

これらの動力伝達手段は、 少なくとも前記ピックアップローラの両端に配置さ れ、 前記ドライブシャフトと前記ピックアップローラを連結する歯車列と、 前記歯車列のいずれかの歯車の軸を中心として旋回し、 先端に前記ピックアツ プローラの回転軸が取り付けられ、 前記旋回の中心と前記ピックアップローラの 回転軸の間が前記歯車列の少なくとも一部を構成する偶数個の歯車で連結されて いるアームと、

このアームと前記偶数個の歯車の間または前記ピックアップローラの回転軸と の間に回転に伴う摩擦を発生させる摩擦負荷発生手段とを具備し、

前記ドライブシャフトと前記ピックアップローラの歯車に係合する部分は異形 軸となっている、 記録装置。

1 1 . 前記ピックアップローラは、 前記収納部にセットされた用紙の紙幅の少 なくとも 5 0 %に接触可能なサイズである、 請求項 1 0の記録装置。

1 2 . 前記紙送り手段の紙送り速度が、 前記紙供給手段の紙送り速度より速い、 請求項 1 0の記録装置。

1 3 . 前記歯車列は、 前記ドライブシャフトに駆動される駆動歯車と、 前記 ピックアップローラを駆動する従動歯車と、 これらの駆動歯車と従動歯車を連結 する中間歯車とを具備する、 請求項 1 0の記録装置。

4. 前記動力伝達手段は前記収納部の外側に配置されており、

前記アームは前記中間歯車の軸を中心に旋回し、

前記偶数個の歯車は前記中間歯車および前記従動歯車である、 請求項 1 3の記

1 5 . 前記動力伝達手段は前記収納部の内側に配置されており、 前記アームは 前記ドライブシャフトを中心として旋回し、 前記中間歯車は前記アームに支持さ れた偶数個の歯車を具備する、 請求項 1 3の記録装置。

16. 前記ドライブシャフトを前記収納部の内側の少なくとも 1つの位置で支 持する軸受けを有する、 請求項 10の記録装置。

1 7. 複数の前記収納部と、 それぞれの前記収納部から用紙を供給する複数の 紙供給手段とを有する、 請求項 10の記録装置。

18. 前記複数の収納部は多段に積み重ねられている、 請求項 17の記録装置。

19. 前記収納部には、 複数の用紙が収められ、 舌状に突き出た下敷き付の用 紙カセットをセット可能である、 請求項 10の記録装置。