WO2001092122A1

WO2001092122A1 - Palette de resine synthetique

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Publication number: WO2001092122A1
Application number: PCT/JP2001/004598
Authority: WO
Inventors: Junro Sugihara; Soshi Yamamoto
Original assignee: Dainippon Ink And Chemicals, Inc.
Priority date: 2000-05-31
Filing date: 2001-05-31
Publication date: 2001-12-06
Also published as: CA2410435A1; DE60138104D1; EP1302404A1; EP1302404A4; CN1437547A; US6986309B2; CA2410435C; US20040134391A1; AU2001262679A1; EP1302404B1; CN1214951C

Description

明細書合成樹脂製パレツト技術分野

本発明は、種々の物品を運搬および保管する際などに使用される合成樹脂製パレツトに関する。背景技術

物品を運搬および保管する際には、従来、木材製のパレットが使用されていたが、最近では、木材よりも軽く、劣化しにくく、木材特有の毛羽立ちがない利点から、合成樹脂製パレットも普及しつつある。特に、上下両面を一体に射出成形した一体成形型パレットは、生産効率が高いことから、広汎な分野で木材製パレットに代わって使用されている。

の種の合成樹脂製パレットは、例えば図 2 3に示すように、矩形状の上面板状部 2 0 0およぴ下面板状部 2 0 2と、上面板状部 2 0 0およぴ下面板状部 2 0 2を連結する複数の桁部 2 0 4とを有し、これら桁部 2 0 4の間に一対のフォーク揷入口 2 0 6が互いに平行に形成されている。図 2 3の例では、 2つの側面にのみフォーク揷入口 2 0 6が形成されているが、 4つの側面全てに一対のフォーク揷入口が形成されたものもある。

上面板状部 2 0 0はデッキボードと呼ばれ、図 2 4に示すように、水平に延ぴる多数の桟部 2 0 8を有し、下面板状部 2 0 2も同様に、水平に延びる多数の桟部 2 1 2を有する。上面板状部 2 0 0を形成する桟部 2 0 8と、下面板状部 2 0 2を形成する桟部 2 1 2とが交互にずれて配置されているため、その間に多数の穴が開いた状態となっている。桟部 2 0 8 , 2 1 2は、一般に断面が U字状または T字状に形成され、上面板状部 2 0 0およぴ下面板状部 2 0 2の強度を高めるように工夫されている。

桁部 2 0 4は、多数の垂直壁 2 1 0を縦横に組み合わせて形成されたものあり、桟部 2 0 8 , 2 1 2を連結している。垂直壁 2 1 0の曲がりを防ぐために、垂直壁 2 1 0に沿って所々に補強リブ 2 4が形成され、桟部 2 0 8 , 2 1 2同士を連結している。

図 2 5は、このような一体成形型パレットの成型方法の一例として、特公昭 4 9一 5 8 2号公報に記載された方法を示している。この図に示すように、桟部 2 0 8， 2 1 2同士は水平方向にずれているため、複雑なスライドコアを多用しなくても、上型 2 1 6と下型 2 1 8の間で比較的単純に成形できる。また、上下部を分割して成形し、両者を接合してパレットを形成する場合に比べ、手間のかかる接合工程が不要である。このため、一体成形型パレットの生産効率は高い。しかし、パレットの両端を支持した状態でパレットに荷重がかかった場合、上記合成樹脂製パレツトでは、フォーク挿入口 2 0 6の四隅には特に大きい曲げ応力がかかるため、フォーク揷入口 2 0 6が平行四辺形に変形しやすく、木製パレットに比べてパレツト全体が撓みやすいという問題があった。発明の開示

本発明は、特にフォーク揷入口の周囲の剛性を高めることにより、パレット全体の強度を高めることができ、しかも生産効率が高い合成樹脂製パレツトを提供することを目的としている。

上記目的を達成するため、本発明の合成樹脂製パレットは、互いに平行に配置された上面板状部およぴ下面板状部と、前記上面板状部および下面板状部を連結する複数の桁部とを有し、桁部の間にフォーク挿入口が形成された合成樹脂製パレットであって、前記フォーク揷入口に対応して、前記フォーク揷入口のフォーク揷入方向と直交する断面を囲む補強枠が形成され、この補強枠の少なくとも一部の内部には中空部が形成されている。

本発明によれば、すくなくともその一部が中空構造にされた補強枠でフォーク揷入口を囲んだことにより、荷重がかかった際にフォーク挿入口の断面形状が歪むことを抑制でき、これにより合成樹脂製パレットの剛性を高めることができる。前記補強枠は、前記上面板状部に沿って形成された上部水平桟と、前記下面板状部に沿つて形成された下部水平桟と、これら上部水平桟ぉよび下部水平桟を連結する一対の垂直桟どを有し、前記上部水平桟、前記下部水平桟、および前記一対の垂直桟のうち少なくとも 3つが相互に連通する中空部を有していてもよい。前記上部水平桟、前記下部水平桟、および前記一対の垂直桟のうち、内部に中空部を有していない部分は、内部に中空部を有している部分に比べて厚さが小さくされていてもよレ、。具体的には、内部に中空部を有していない部分の幅は、内部に中空部を有している部分の幅の 1 0〜5 0 %であることが好ましい。

前記上部水平桟、前記下部水平桟、および前記一対の垂直桟は全て、相互に連通する中空部を有していてもよい。

前記捕強枠の外面には前記中空部に連通するガス導入口が形成されており、前記上面板状部または前記下面板状部には、このガス導入口を塞ぐ滑り止め部材が取り付けられていてもよい。この場合、ガス導入口からの雨水の浸入などを防止 'できる。図面の龠単な説明

図 1は、本発明の第 1実施例の合成樹脂製パレツトを示す平面図である。

図 2は、第 1実施例の合成樹脂製パレツトの底面図である。

図 3は、第 1実施例の合成樹脂製パレツトの正面図である。

図 4は、第 1実施例の合成樹脂製パレツ卜の側面図である。

図 5は、図 1中の線 A— Aに沿った断面図である。

図 6は、図 1中の線 B— Bに沿った断面図である。

図 7は、第 1実施例の合成樹脂製パレツトの製造方法の一例を示す断面図である。

図 8は、第 1実施例の合成樹脂製パレツトにおける滑り止めシールの固定構造を示す断面図である。

図 9は、本発明の第 2実施例の合成樹脂製パレツトを示す平面図である。

図 1 0は、第 2実施例の合成樹脂製パレツトをフォーク挿入口に対し平行に切つた断面図である。

図 1 1.は、第 2実施例の合成樹脂製パレットにおける補強枠の断面図である。図 1 2は、第 2実施例の合成樹脂製パレツトにおける補強枠の底面図である。図 1 3は、変形例の補強枠の底面図である。図 1 4は、変形例の補強枠の底面図である。

図 1 5は、本発明の第 3実施例の合成樹脂製パレツトを示す平面図である。図 1 6は、本発明の第 2実施例における補強枠の配置を示す斜視図である。図 1 7は、本発明の第 3実施例における補強枠の配置を示す斜視図である。図 1 8および図 1 9は、本発明の変形例を示す斜視図である。

図 2 0〜図 2 2は、補強枠の他の実施例を示す斜視図である。

図 2 3は、合成樹脂製パレツ卜の外観を示す斜視図である。

図 2 4は、従来の合成樹脂製パレツトの要部の斜視図である。

図 2 5は、従来の合成樹脂製パレツトの製造方法を示す断面図である。

図 2 6〜図 3 1は、強度試験に用いた試験片の断面図である。発明を実施するための最良の形態

以下、図面を参照しつつ、本発明に係る合成樹脂製パレットの好適な実施例について説明する。ただし、本発明は以下の各実施例に限定されるものではなく、例えばこれら実施例の構成要素同士を適宜組み合わせてもよレ、。第 1実施例

図 1〜図 6は本発明の合成樹脂製パレットの第 1実施例を示し、図 1は平面図、図 2は底面図、図 3は正面図、図 4は側面図、図 5は図 1中の線 A— Aに沿った断面図、図 6は,锒 B— Bに沿った断面図である。

この実施例の合成樹脂製パレットは、全体として箱形をなし、互いに平行に配置された正方形状の上面板状部 1および下面板状部 2と、上面板状部 1およぴ下面板状部 2を連結する桁部 3 , 4 , 5とを有する。桁部 3は上面板状部 1および下面板状部 2の四隅に形成され、桁部 4はパレツトの四辺の中央部に形成され、桁部 5はパレツトの中央部に形成されている。桁部はいずれも多数の垂直壁により構成されている。

パレツトの四方の側面には、それぞれ一対の矩形状をなすフォーク挿入口 6が桁部 3、 4の間に形成され、さらに桁部 4， 5の間を通ってパレット全体を水平方向に貫通している。これにより、この実施例のパレットには、四辺のいずれの方向からも 2本のフォークを揷入できる。ただし、本発明の合成樹脂製パレットはこの構成に限定されず、対向する 2辺のみにフォーク揷入口 6が形成されていてもよいし（図 1 8参照）、桁部およびフォーク揷入口の位置および数も、適宜変更してよい。

本発明の特徴は、図 6に示すように、 4つのフォーク挿入口 6のそれぞれに対し、フォーク挿入口 6のフォーク挿入方向と直交する断面を囲む矩形状の補強枠 7 0が複数形成され、これら補強枠 7 0の内部には、補強枠 7 0の全周に亘つて中空部 7 0 ' が形成されていることにある。

この実施例では、各フォーク揷入口 6の両端開口部の近傍、すなわち、四隅の桁部 3と辺中央部の桁部 4との間に、それぞれ 2つの補強枠 7 0が形成されている。このようにフォーク挿入口 6の両端近傍に補強枠 7 0を形成した場合には、フォーク揷入口 6にフォークを挿入した際に、特に力の掛かるフォークの先端部と根本部からの荷重を補強枠 7 0で支えることができるので、フォーク挿入口 6 の中央部のみに補強枠 7 0を形成する構成よりも好ましい。ただし、本発明はこの構成に限定されない。補強枠 7 0の形成位置は必要に応じて任意に変更してよレ、。 1つのフォーク挿入口 6あたりの補強枠 7 0の個数も特に制限されないが、フォーク揷入口 6の全長に応じて、例えば 1〜6個設ければよい。

この実施例の捕強枠 7 0は、上面板状部 1に形成された上部水平桟 7 1と、下面板状部 2に形成された下部水平桟 7 2と、四隅の桁部 3に沿って垂直に延びる垂直桟 7 3と、辺中央部の桁部 4に沿って垂直に延びる垂直桟 7 4とにより形成されている。そして、上部水平桟 7 1、下部水平桟 7 2、垂直桟 7 3、 7 4の内部に形成された中空部 7 0 ' は、互いに連通している。

中空部 7 0 ' は、合成樹脂製パレットを射出成形した直後に、例えば上部水平桟 7 1の中央部から高圧ガスを吹き込むことにより、桟 7 1〜7 4の内部で樹脂が固化していく過程で生じる体積減少に相当する空洞を形成したものである。これによりヒケによる表面の荒れや成形精度の低下も防ぐことができるし、固化しにくい断面中央部を中空にすることにより、桟 7 1〜7 4の固化時間を短縮する効果も得られる。

桟 7 1〜7 4を、内部に中空部 7 0 ' を有する角筒状に形成したことにより、従来の断面 U字状または断面 T字状の桟に比して、生産効率を低下させることなく、かつ、パレットの重量をそれほど増大させることもなく、フォーク揷入口 6 の周囲の強度を大幅に高めることができる。よって、パレットに大荷重がかかつた場合にも、フォーク挿入口 6が平行四辺形状に変形しにくく、パレットの橈みを抑制することが可能となる。

この実施例の上部水平桟 7 1および下部水平桟 7 2は断面が矩形状であり、寸法は限定されないが、一般的には、水平方向の幅が 1 5〜5 O mm、鉛直方向の厚さが 1 5〜4 0 mmとすることが好ましい。

垂直桟 7 3および垂直桟 7 4も、断面が角型であり、フォーク挿入方向の幅は上部水平桟 7 1および下部水平桟 7 2の幅と等しく、フォーク揷入方向と直交する方向の厚さを 1 0〜3 O mmとすることが好ましい。

図 1に示すように、上面板状部 1には、四隅の桁部 3およぴ辺中央部の桁部 4 の間に、上部水平桟 7 1と平行に延びる桟 1 1が形成されるとともに、フォーク挿入方向に延びる桟 1 2が形成され、上部水平桟 7 1および桟 1 1と、桟 1 2とが格子状に交差している。各格子の間には多数の開口部が形成されている。

図 5に示すように、下面板状部 2には、四隅の桁部 3および辺中央部の桁部 4 の間に、下部水平桟 7 2の上端に沿って、フォークおよびパレットトラックの挿入が円滑に行えるように、水平板状部 2 1が形成されている。さらに、水平板状部 2 1の両側縁には、下方に傾斜した傾斜面 2 2と、下段板状部 2 3上に設けられたリブ 2 4によって下方に傾斜した傾斜辺 2 4，とが形成されている。下面板状部 2にこのような水平板状部 2 1、傾斜面 2 2、傾斜辺 2 4，を形成することにより、パレットトラックのフォークをフォーク揷入口 6に出し入れさせる際の操作性を向上させることができる。

水平板状部 2 1の裏面には、図 5に示すように、下部水平桟 7 2と平行に延びた桟 2 5が形成されるとともに、フォーク挿入方向に延びた桟 2 6が形成され、下部水平桟 7 2および桟 2 5と桟 2 6とは格子状に交差している。

四隅の桁部 3の内部には、図 6に示すように、上面板状部 1に上部水平桟 7 1 と連続した桟 3 1が形成され、下面板状部 2には、桟 3 1と上下に重なり合わない位置で、桟 3 1と同方向に延びる桟 3 2が形成されている。辺中央部の桁部 4の内部において、上面板状部 1には'、図 1に示すように、上部水平桟 7 1と連続した桟 4 1が形成されている。図 2に示すように、下面板状部 2には、桟 4 1と上下に重なり合わない位置で、桟 4 1と同方向に延びた桟 4 2が形成されている。

パレツト中央の桁部 5の内部には、上面板状部 1に対向する桁壁の間で桟 5 1 aが形成されるとともに、下面板状部 2に桟 5 1 aと上下に重なり合わない位置で桟 5 1 aと同方向に延びた桟 5 2 aが形成されている。また、桁壁と仕切壁 5 3との間で桟 5 1 bが形成されるとともに、下面板状部 2に桟 5 1 bと上下に重なり合わない位置で桟 5 1 と同方向に延びた桟 5 2 bが形成されている。

辺中央部の桁部 4とパレット中央の桁部 5との間には、上面板状部 1に辺中央部の桁部 4とパレット中央の桁部 5とを連結する桟 1 7が形成され、かつ下面板状部 2には、桟 1 7と上下に重なり合わない位置で、辺中央部の桁部 4とパレツト中央の桁部 5とを連結する桟 2 7が形成されている。

なお、辺中央部の桁部 4とパレツト中央の桁部 5とを連結する左右両端の桟 2 7にリブ 2 8を設け、このリブ 2 8によって傾斜辺 2 8 'を形成することにより、ハンドリフターのフォークをフォーク揷入口 6に出し入れする際の操作性を向上させることができる。

上面板状部において辺中央部の桁部 4とパレツト中央の桁部 5とを連結する桟 1 7は、パレツト中央の桁部 5内に形成された桟 5 1 aまたは 5 1 bと連続している。また、.下面板状部 2において辺中央部の桁部 4とパレツト中央の桁部 5とを連結する桟 2 7は、パレツト中央の桁部 5内に形成された桟 5 2 aまたは 5 2 bと連続している。

フォーク揷入口 6が交差する部分において、上面板状部 1には、前記交差する部分の周辺を囲んだ角型周辺部 1 8が形成され、この角型周辺部 1 8の内側には、縦横に交差した多数の桟からなる格子状桟 1 9が形成されている。下面板状部 2 には、格子状桟 1 9と対向する位置に、格子状桟 1 9とほぼ同寸法の矩形状の開口部がそれぞれ形成されている。

合成樹脂製パレツトの上面板状部 1において、上部水平桟 7 1の上には、合成樹脂製の滑止テープ 8 1が貼られている。このような滑止テープ 8 1を設けることにより、合成樹脂製パレット上に物品を載せて運搬する際に、物品が合成樹月旨製パレット上で滑り難くすることができる。上部水平桟 7 1と、桟 3 1およぴ桟 4 1との上にそれぞれ滑止テープ 8 1を設けてもよい。

図 8は、滑止テープ 8 1の取り付け構造の一例を示している。上部水平桟 7 1 の上には、滑止テープ 8 1の幅よりもわずかに大きい幅の浅い凹部 8 1 aが形成され、この凹部 8 1 aの中に滑止テープ 8 1が接着されている。接着方法としては、接着面を加熱溶融させて互いに圧着させる方法が好適である。

凹部 8 1 aの深さは滑止テープ 8 1の厚さ（例えば 2 mm) よりも小さく（例えば l mm程度）とされており、滑止テープ 8 1のずれを防ぎつつ、滑止テープ 8 1による滑り止め効果が得られるようになつている。また、滑止テープ 8 1は中空部 7 0 ' のガス吹き込み孔 7 0 aを塞ぐ効果も果たしている。ガス吹き込み孔 7 0 aが開口したままでは、雨水等が中空部 7 0，に侵入するおそれがある。滑止テープ 8 1と同様に、合成樹脂製パレツトの下面板状部 2の下面には、下部水平桟 7 2の下面に滑止テープ 8 2が貼られている。これにより、合成樹脂製パレツト上に物品を載せて積み重ねた場合に、下段の物品上に載せた上段の合成樹脂製パレツトが下段の物品上で滑ることが抑制できる。

滑止テープ 8 1、 8 2の材質としては、例えば、エチレン一酢酸ビュル共重合体、ポリオレフイン系エラストマ一等を拳げることができる。

本発明の合成樹脂製パレットは、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂によって形成するこ,とができ、合成樹脂中に着色剤、充填剤等の添加剤を適宜に添加してもよレ、。本発明の特徴である補強枠も、合成樹脂製パレット本体と同じ材質で形成されている。勿論、パレット材質として、ポリエチレンやポリプロピレンより強度の高い合成樹脂を用いてもよい。

本発明の合成樹脂製パレツトは、金型内に溶融合成樹脂を射出する射出成形法により成形することができる。金型内に溶融合成樹脂を射出する際に、金型内に射出した溶融合成樹脂中にガスを注入することにより、上部水平桟 7 1、 7 2および垂直桟 7 3、 7 4の内部に中空部 7 0，を形成することができる。これによつて、肉厚が大きいにも拘わらず、ヒケによる成形歪みが小さく、しかもその表面が平滑な直交水平桟 7 1 , 7 2および垂直桟 7 3 , 7 4を成形できる。なお、捕強枠 7 0の全周に亘つて中空部 7 0 ' を形成するために、図 7に示すように、射出成形金型の内部に、ガス吹き込み孔 7 0 aの反対側に樹脂溜まり 7 2 aを形成し、この樹脂溜まり 7 2 aへ樹脂が捨てタブ 7 2 bとして流れ出るようにしてもよレ、。こうすることにより、補強枠 7 0の全周に亘つて中空部 7 0 ' を形成することが容易になる。

この実施例の合成樹脂製パレットは、ハンドリフタ一で運搬できるように、フオーク挿入口 6が交差する部分の下方において、下面板状部 2に大きな開口部が設けられ、上面板状部 1にのみ物品を載せることができる片面使用型とされているが、本発明は、上面板状部 1および下面板状部 2の何れにも物品を載せることができる両面使用型合成樹脂製パレットに適用することもできる。また、この実施例はフォークを四方から差し込む四方差し型とされているが、本発明はフォークを二方から差し込む二方差し型の合成樹脂製パレットにも適用できる。

捕強枠 7 0は、フォーク挿入口と対応する形状を有していればよく、その形状は特に限定されない。し力し、断面を矩形状としたほうが製造の容易さや補強効果の程度の点では好ましい。

以上説明したように、上記実施例の合成樹脂製パレットは、フォーク挿入口 6 を取り囲む中空の補強枠 7 0を形成したことにより、合成樹脂製パレツトの自重を大きくすることなく、フォーク揷入口 6付近の強度を大きくすることができる。また、本実施例の合成樹脂製パレットは、荷重に対して変形し難く、大きな強度を有する補強枠 7 0の上部水平桟 7 1 , 7 2上に滑止テープ 8 1、 8 2が設けられているから、合成樹脂製パレット上に物品を載せて運搬したり、合成樹脂製パレット上に物品を載せて多段に積み重ねる場合に、優れた滑止効果を発揮する。さらに、本実施例の合成樹脂製パレットにおいては、上部水平桟 7 1、 7 2の内部に中空部 7 0 ' を形成することにより、肉厚であるにも拘わらず成形歪みを小さくして上部水平桟 7 1、 7 2の表面を平滑にすることができ、これによつて上部水平桟 7 1、 7 2の上に設けた滑止テープ 8 1、 8 2の表面が平滑となり、滑止効果を一層良好にすることができる。第 2実施例 . 次に、図 9〜図 1 2は本発明の第 2実施例を示し、第 1実施例の各部と対応する箇所には同一符号を付して説明を省略する。

第 1実施例では、図 6に示すように補強枠 7 0の全周に亘つて中空部 7 0 ' 力 S 形成されていたが、この実施例では、図 1 1に示すように補強枠 7 0の一部にのみ中空部 7 0 ' が形成されていることが生な相違点である。

第 2実施例の補強枠 7 0は、図 1 0およぴ図 1 1に示すように、フォーク挿入口 6の四方を取り囲む上部水平桟 7 1、垂直桟 7 3 , 7 4、およぴ下部水平桟 7 2 cを有する。この実施例では、下部水平桟 7 2 cの両端部のみが中空となっており、垂直桟 7 3 , 7 4の各中空部とつながつている。これにより、補強枠 7 0 の 4つの角部は全て強度の高い中空構造となっている。

一方、下部水平桟 7 2 cの両端を除く部分は中実構造とされ、さらに上部水平桟 7 1および垂直桟 7 3 , 7 4に比べて、図 1 0および図 1 2に示すように、フオーク揷入方向における幅が小さくされている。この実施例では、図 1 2に示すように下部水平桟 7 2 cは補強枠 7 0の幅方向の片側に沿って形成されているが、この構成に限定されず、図 1 3に示すように下部水平桟 7 2 cを補強枠 7 0の中心線に沿つて形成してもよい。

また、図 1 2および図 1 3に示す例では、下部水平桟 7 2 cの垂直桟 7 3， 7 4と交差する両端部は厚肉にされているが、図 1 4に示すように、下部水平桟 7 2 cの両端部を薄肉にしてもよい。

下部水平桟 7 2 cの中央部の幅 W 2と、上部水平桟 7 1の幅 W 1との比率 W 2 /W 1は、 0 . 3〜0 . 8であることが好ましく、より好ましくは 0 . 4〜0 . 6である。この範囲であれば、強度と成型のしゃすさのバランスが良好である。この第 2実施例によれば、補強枠 7 0の全周に亘つて中空部 7 0，を形成する必要が無くなるので、高いガス圧を用いたり、図 7に示すような湯溜まりを使用することなく、容易に補強枠 7 0を射出成形することができる。

また、補強枠 7 0の 4つの角部は剛性の高い中空構造にされているので、下部水平桟 7 2 cの中央部が中実構造であっても強度上の遜色はない。

さらに、幅広の上部水平桟 7 1は物品载置面となっているので、滑止テープ 8 1、 8 2を貼りやすい上、中空構造の強度を有効に生かすことができる。なお、第 2実施形態では、上部水平桟 7 1および垂直桟 7 3 , 7 4が中空構造であったが、下部水平桟 7 2 cと垂直桟 7 3， 7 4を中空構造として、上部水平桟 7 1の幅を小さくしてもよいし、さらに、ガス吹き込み孔を垂直桟 7 3， 7 4 のいずれかに設けることにより、上部水平桟 7 1と、垂直桟 7 3， 7 4のいずれか一方と、下部水平桟 7 2 cとを中空構造にしてもよい。

また、第 2実施例では、下部水平桟 7 2 cの両端部まで中空部 7 0 ' が達していたが、中空部 7 0 ' は垂直桟 7 3 , 7 4の中間までとしてもよレ、。その場合、中空部の形成されていない中実構造部分は、前述したように幅を小さくすることが好ましい。第 3実施例

次に、図 1 5は本発明の第 3実施例を示し、第 1実施例および第 2実施例の各部と対応する箇所には、同一符号を付して説明を省略する。

第 1実施例および第 2実施例では、四隅の桁部 3と、辺中央部の桁部 4との間のみに補強枠 7 0が形成されていたが、この第 3実施例では、辺中央部の桁部 4 とパレット中央の桁部 ₅との間にもそれぞれ、補強枠 7 0が形成されていることを特徴としている。これら追加された補強枠 7 0の構造は、第 1実施例の補強枠 7 0、または第 2実施例の補強枠 7 0のいずれかと同様の構造を有している。一部の補強枠 7 0は第 1実施例と同じ構造で、他の補強枠 7 0は第 2実施例と同じ構造であってもよい。

第 1実施例および第 2実施例では、図 1 6に示すように補強枠 7 0が配置されていたのに対し、第 3実施例では、図 1 7に示すように補強枠 7 0の個数が 2倍となるので、その分、フォーク揷入口 6の周辺部分の変形を防止し、合成樹脂製パレツトの強度を高めることが可能である。

図 1 6および図 1 7は四方差し型のパレットであったが、二方差し型のパレットであれば、図 1 8およぴ図 1 9に示すように補強枠 7 0を配置すればよい。第 4実施例

図 2 0は、本発明の第 4実施例の補強枠 7 0を示す一部破断した斜視図である。第 1実施例および第 2実施例では、補強枠 7 0が同一平面上に揃った上部水平桟 7 1、垂直桟 7 3， 7 4および下部水平桟 7 2 (または 7 2 c ) とから構成されていたが、そのような構成であると、射出成形する際にスライドコアを用いる必要が生じる。

そこで、この第 4実施例では、上部水平桟 7 1と下部水平桟 7 2 cを鉛直方向に見て互い違いに配置することにより、スライドコアを使用しなくても捕強枠 7 0が成形可能とされている。これにより、成形効率をさらに上げることができる。すなわち、上部水平桟 7 1の中央部から吹き込まれたガスは、垂直壁の一部である垂直桟 7 3 , 7 4を通って、上部水平桟 7 1と鉛直方向に互い違いに配置された下部水平桟 7 2 (または 7 2 c ) へ流れて、下部水平桟 7 2 (または 7 2 c ) の少なくとも両端部が中空構造にされる。

図 2 0の例では、垂直桟 7 3 , 7 4の厚さが垂直壁と同じであるが、図 2 1および図 2 2 (図 2 1中の C一 C線視斜視図）に示すように、垂直壁よりも厚肉にすることも可能である。このように肉厚を大きくすれば、補強枠 7 0内に中空部 7 0 ' を形成することが容易になり、垂直桟 7 3 , 7 4の強度も大きくなる。図 2 0〜図 2 2のような構造は、特に、第 3実施例において、辺中央部の桁部 4とパレツト中央の桁部 5との間に補強枠 7 0を形成する際に有益である。フォーク揷入口 6の開口端から遠い位置ほど、スライドコア等を使用しにくくなるからである。

実験 1

図 2 6〜図 3 1に示す断面形状の棒材をポリプロピレンで成形し、断面 2次モーメントを測定して曲げ強度を比較した。その結果を表 1に示す。

表 1の結果から、図 2 7に示すように中空構造とした場合、中空でない図 2 6 の場合に比較して殆ど強度が低下せず、図 28および図 29に示すような従来構造に比して強度が大幅に向上できることがわかった _π

実際に、補強枠 70を有する合成樹脂製パレットを成型し、中空の上部水平桟 71から長さ 20 Ommの試験片 1.を 2本切り出した。

一方、補強枠 70の代わりに断面 U字状の桟を有し、他は同一寸法である従来の合成樹脂製パレットから、前記断面 U字状の桟を 2本切り出し、試験片 2とした。

試験片 1の寸法は、長さ 200 mm、左右幅 36. 0 mm、上下幅 35. 0 m m、肉厚 4. 0 mmであった。試験片 2の寸法も、長さ 200 mm,左右幅 36. 0mm、上下幅 35. 0mm、肉厚 4. 0mmであった。

両試験片 1 , 2の両端を支持し、中央部に 200 k g f の荷重をかけた場合の橈み量（mm) と、中央部を 5 mm変位させるのに要した負荷（k g f ) を測定した。結果を表 2に示す。上段は 1本目、下段は 2本目の結果である。表 2

み里 5 mm変形負荷（k g f )

(本発明品） 3. 5 269

3. 8 255

(従来品） 5. 2 1 93

5. 7 1 80 表 2に示すように、試験片 1では試験片 2に比べて、曲げ強度が 35〜 40 % 向上していた。したがってノレツト全体としても大幅な強度向上が見込まれる。産業上の利用の可能性本発明は、物品の運搬や保管に使用される合成樹脂製パレットにおいて、フォ -ク挿入口を取り囲むように少なくとも一部が中空構造の補強枠を形成したことにより、特にフォーク揷入口の周囲の剛性を高めることができ、パレット全体の強度を高めることが可能である。しかも、補強枠の少なくとも一部を中空構造としたことにより、強度の向上率に比してパレットの重量を増すことが少なく、生産効率も高められる。

Claims

請求の範囲

1 . 互いに平行に配置された上面板状部および下面板状部と、前記上面板状部および下面板状部を連結する複数の桁部とを有し、これら

桁部の間にフォーク挿入口が形成された合成樹脂製パレットであって、

前記フォーク揷入口に対応して、前記フォーク挿入口のフォーク挿入方向と直交する断面を囲む捕強枠が形成され、この補強枠の少なくとも一部の内部には中空部が形成されている。

2 . 請求項 1の合成樹脂製パレットであって、前記補強枠は、前記上面板状部に沿って形成された上部水平桟と、前記下面板状部に沿って形成された下部水平桟と、これら上部水平桟および下部水平桟を連結する一対の垂直桟とを有し、前記上部水平桟、前記下部水平桟、および前記一対の垂直桟のうち少なくとも 3つが相互に連通する中空部を有する。

3 .請求項 2の合成樹脂製パレツトであって、前記上部水平桟、前記下部水平桟、および前記一対の垂直桟のうち、内部に中空部を有していない部分は、内部に中空部を有している部分に比べて幅が小さレ、。

4 .請求項 2の合成樹脂製パレツトであって、前記上部水平桟、前記下部水平桟、および前記一対の垂直桟は全て、相互に連通する中空部を有している。

5 . 請求項 1の合成樹脂製パレットであって、前記補強枠の外面には前記中空部に連通するガス導入口が形成されており、前記上面板状部または前記下面板状部には、このガス導入口を塞ぐ滑り止め部材が取り付けられている。