JPS6013780Y2 - 合成樹脂製パレツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、荷物を載置してフォークリフト等で運搬する
ときに使用する合成樹脂製パレットに関するものである
。

従来、合成樹脂製パレットは、その軽量化、原価低減な
どの目的から、パレット自体を中空構造にすると共に、
強度の低下を防ぐため中空構造の内部に多数の補強リブ
を設けていた。

そのひとつに、合成樹脂製パレット全体が射出成形によ
って、一体成形されたものがある。

このパレットには次のような欠点がある。

すなわち、中空構造の内部に形成された補強リブは、金
型の抜き方向にのみ設けられているため、強度が縦横に
均衡していない。

また、金型の抜き方向の両端に中空構造の断面が現われ
汚物等が蓄積される欠点があった。

更に、本形式のパレットにおいて最も問題になるのは、
成形品の表面に比べ内部の冷却が困難であるため、所望
の強度を有する肉厚部や複雑な形状を成形し難いという
ことである。

他の合成樹脂製パレットは、射出成形によりデツキボー
ド部材と桁部材を別々に成形腰デツキボード部材とその
周縁に接合される桁部材と一体になった中空ビーム部と
で構成するものである。

この場合、第４図に示されるように、中空ビーム部の内
部に垂直のリブ５′を設けているため、リブ５′は互い
に補強力が働かなくなって、荷重がかかった場合、鎖線
で示すようにフォークリフトのフォーク挿入路７′の中
央に位置する部分が変形し全体がたわむ欠点があった。

本考案は、上述の諸欠点を解消し、軽量にすると共に強
度的に優れたパレットを提供しようとする目的から考案
されたものである。

すなわち、本考案に係るパパレットは、デッキボード部
材および桁面材を別々に底形して熱溶着によって一体に
結合して構成されたパレットにおいて、角柱形中空の相
部形成用短柱８間のフォーク挿入路７の入口部の上方に
該フォーク挿入路７と直交する方向に上下の平行な帯板
３，４からなる中空ビーム部２を設け、該中空ビーム部
２内部の相部形成用短柱８付近にジグザグ状の補強リブ
５を帯板３，４に結合して、補強リブ５を帯板３．４と
一体に設けて前記中空ビーム部２内に複数個の三角柱形
あるいは台柱形の区室６を形成し、前記中空ビーム部２
を蓋板９で帯板３，４および補強リブ５が結合されるこ
とにより、実質的に中空ビーム部２が完全に密閉されて
いることを特徴とする合成樹脂製パレットである。

なお、結合されたパレットＰのデツキボード部材１は、
格子状、その他適当な構造に形成される軽量な角板であ
る。

相部形成用短柱８はフォーク挿入路７を間にはさんで、
中空ビーム部２の両端にそれぞれ連成される柱形体であ
る。

上記の如くなる本考案のパレットは、中空ビーム部２が
上述の構造であるため、上下の帯板３゜４と、これを結
ぶ補強リブ５が互いに補強しあい、区室６群の変形が起
らぬように働くとともに、この中空ビーム部２が蓋板９
により、実質的に完全に密閉された構造、すなわち、蓋
板９で帯板３，４と補強リブ５が結合して一体となるよ
うに中空ビーム部２が実質的に完全に密閉されている構
造になっているから、この効果が更に高められる。

この結果、曲げ応力が働いた時、これに十分に抗し得て
変形を起さず、パレットの耐負荷強度を向上させる。

中空ビーム部２の内部に形成される区室６は、必ずしも
すべて三角柱形または台柱形の区室６を形成する必要は
ない。

しかしながら、中空ビーム部２と相部形成用短柱８とが
結合される部分、特に、中央の相部形成用短柱８と、こ
の相部形成用短柱８の両側にある中空ビーム部２，２と
の結合される付根Ｂの部分においては、前記区室６は三
角形または台形に形成されることが必要である。

すなわち、合成樹脂製パレットＰのデツキボード部１を
構成する中空ビーム部２の変形は中央の桁面形成用短柱
８とこの桁面形成用短柱８の両側にある中空ビーム部２
，２との付根Ｂの部分（第６図参照において特に大きく
、この部分の変形を小さくすることが、合成樹脂製パレ
ットＰ全体の変形を小さくする上で効果的であるからで
ある。

そして、本考案では、特に中空ビーム部２の上記付根Ｂ
の部分に三角形または台形の区室６を形成することによ
り、合成樹脂製パレットＰのデツキボード部１に荷重が
かかつても、上記付根Ｂの部分が補強されているために
、荷重に耐えられて変形することがなく、上記合成樹脂
製パレットＰは変形がない。

また、本考案のパレットは、中空ビーム部２が蓋板９に
より実質的に完全に密閉されているため、中空ビーム部
２内に汚物が侵入しないので衛生的であるばかりでなく
、清掃が簡単となり、パレットＰの管理が容易となる。

また、中空ビーム部２が蓋板９により、密閉されている
構成、すなわち、帯板３，４とジグザグ状の補強リブ５
が蓋板９により結合しているので、荷重の曲げ応力に対
抗する力が一層強くなり、強力な曲げ応力が働いでも、
これに十分抗し得てパレットが変形を起さなくなり、パ
レットの耐負荷強度が向上する。

本考案のパレットにおいては、上記構造の中空ビーム部
２をパレットの全周にわたって設ける必要もないし、す
べてのフォーク挿入路７の入口部に設ける必要もない。

たとえば、第１図に示すように、フォーク１０，１０が
矢印Ａ、 Ａ方向に進行して、パレットのビーム部２に
おいて、フォーク挿入路７の入口部からフォーク１０．
１０が進入するのであるが、このフォーク挿入路７にの
みこの挿入路７と直交するように設けるだけでも良い。

中空ビーム部２を上下にデツキボードを有するいわゆる
両面パレットに設ける場合、第２Ａ図および第３図のよ
うに、フォーク挿入路７の入口下部に、中空ビーム部２
と同様の構造の中空ビーム部２′を前者と同じように連
成しても良い。

また、中空ビーム部２は、第２Ｂ図の如き、上部のデツ
キボード部１と相部形成用短柱８とを有するパレット、
いわゆるパレットスキッドにも適用される。

本考案のパレットを作成するにあって、中空ビーム部２
を三方が開いた形として底形したのち、他の部材、すな
わちデツキボード部１を接合して、外面が蓋板９にて閉
鎖された中空部となし得るので、容易に底形できること
になると共に、射出成形用の金型が複雑にならないから
金型製作費を低減することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す平面図、第２Ａ図は同正
面図、第２Ｂ図は他の実施例を示す正面図、第３図は第
２Ａ図の要部を拡大して示す切欠断面図、第４図は従来
例を示す切欠横断面図、第５図は第２Ａ図の５−５線に
よる側面断面の拡大図、第６図は従来のパレットにおい
てデツキボードの変形状態を示す切欠図、第７図は本考
案のパレットの斜視図である。 １：デツキボード部、２：中空ビーム部、３゜４：帯板
、５：補強リブ、６：区室、７：フォーク挿入路、８：
相部形成用短柱、９：蓋板、Ｐ：パレット、１０；フォ
ーク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. デツキボード部材および桁部材を別々に底形して熱溶着
   によって一体に結合して構成されたパレットにおいて、
   角柱形中空の桁面形成用短柱８間のフォーク挿入路７の
   入口部の上方に該フォーク挿入路７と直交する方向に上
   下の平行な帯板３゜４からなる中空ビーム部２を設け、
   該中空ビーム部２内部の桁面形成用短柱８付近にジグザ
   グ状の補強リブ５を帯板３，４に結合して、補強リブ５
   を帯板３，４と一体に設けて前記中空ビーム部内に複数
   個の三角柱形あるいは台柱形の区室６を形成し、前記中
   空ビーム部２を蓋板９で帯板３，４および補強リブ５が
   結合されることにより、実質的に中空ビーム部２が完全
   に密閉されていることを特徴とする合成樹脂製パレット
   。