JP3977637B2 - パレット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、フォークリフトのフォークを挿入するためのフォーク挿入孔を備え、瓦等の載置物を運搬するために使用されるパレットに関するものである。より詳しくは、成形の際に上面デッキに形成される上面開口部の近傍位置の強度を高めることができるように構成されたパレットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種のパレットとしては、特許第3171171号公報に開示される合成樹脂製パレットが知られている。この合成樹脂製パレットは、表面部(上面デッキ)と裏面部(下面デッキ)の隅部を連結する隅部の筒状桁、表面部と裏面部の四側部の中間部を連結する中間部の筒状桁及び表面部と裏面部の中央部を連結する中央部の筒状桁を備えている。
【0003】
また、表面部及び裏面部には、隣接する筒状桁同士を連結する上部の桟及び下部の桟が形成され、当該上部の桟と、下部の桟と、隅部の筒状桁と、中間部の筒状桁とに囲まれた位置にはフォーク挿入孔が形成されている。さらに、前記隅部の筒状桁、同隅部の筒状桁の両側の中間部の筒状桁及び中央部の筒状桁を連結する下部の桟に囲まれた位置には、下面開口部が形成されている。
【0004】
前記下面開口部の開口縁部には、当該下面開口部に向かって斜め下方へ傾斜する傾斜リブが形成されている。そして、例えば紙袋に包まれた物品を合成樹脂製パレットに載置した状態で多段積みした場合、上段に位置した合成樹脂製パレットの傾斜リブにより下段の紙袋が破れる不具合を防止することができるように形成されている。
【0005】
上記合成樹脂製パレットは、当該合成樹脂製パレットの表面側を成形する上型と、裏面側を成形する下型と、フォーク挿入孔を形成すべく側方からスライド移動される二体のスライドコアとからなる二段スライド方式の金型を使用して成形される。前記スライドコアは、前記傾斜リブを成形可能とするために、二体のスライドコアより形成されている。即ち、前記傾斜リブに対応する傾斜面を備えるとともに、フォーク挿入孔の下側を成形する第1スライドコアと、同第1スライドコアを下方へ押圧するとともに、フォーク挿入孔の上側を成形する第2スライドコアとより形成されている。
【0006】
そして、二段スライド方式の金型を使用して合成樹脂製パレットを成形するには、まず、下型においてフォーク挿入孔に対応する位置に第1スライドコアを側方から挿入し、次に、第2スライドコアを挿入して第1スライドコアを下方へ押圧する。続いて、上下型を型締めして射出成形し、冷却、固化後に、型開きし、第2スライドコア、続けて第1スライドコアを別々に側方抜きすることにより合成樹脂製パレットが得られる。
【0007】
ところが、二段スライド方式の金型は、二体のスライドコアを使用しているため、金型の構造が複雑であり、製造コストが嵩むという問題があった。また、二体のスライドコアをそれぞれ別々にスライド移動させるため、合成樹脂製パレットの成形に多くの時間を要し、製造効率が悪いという問題があった。
【0008】
そこで、スライドコアを減らすことにより金型構造を簡易化して製造コストを抑えるとともに、成形時間を短縮することができる一段スライド方式の金型を使用して合成樹脂製パレットを成形する方法が採用されている。この一段スライド方式の金型は上型と、下型と、フォーク挿入孔内に挿入される一体のスライドコアとより形成されている。また、上型には上方からフォーク挿入孔内に挿入されて前記傾斜リブを成形する上型コア部が設けられている。
【0009】
そして、一段スライド方式の金型を使用して合成樹脂製パレットを成形するには、まず、下型においてフォーク挿入孔に対応する位置にスライドコアを側方から挿入し、次に、上型を移動させて上下型を型締めして射出成形する。このとき、上型コア部がフォーク挿入孔内に挿入され、その上型コア部により傾斜リブが成形される。そして、冷却、固化後に、型開きして上型コア部を上方へ抜き、一体のスライドコアを側方抜きすることにより合成樹脂製パレットが成形される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記一段スライド方式の金型を使用して成形される合成樹脂製パレットの表面部(上面デッキ)には、上型コア部をフォーク挿入孔内に挿入するために形成された上面開口部が成形されている。そのため、その表面部(上面デッキ)において、上面開口部の近傍位置における強度が低下してしまうという問題があった。
【0011】
この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、一段スライド方式の上下抜きの金型を使用することにより、金型の構造を簡易化して製造コストを抑えることができ、かつ成形時間を短縮することができるとともに、上面開口部の近傍位置の強度を高めることができるように構成されたパレットを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、合成樹脂により平面四角形状に一体成形され、上面デッキと下面デッキの隅部を連結する隅部桁、前記両デッキの四側部の中間部を連結する中間桁及び両デッキの中央部を連結する中央桁を備えるとともに、隣接する桁同士の上端部及び下端部を連結する上部桟及び下部桟を上面デッキ及び下面デッキに備え、当該上部桟、下部桟、隅部桁及び中間桁に囲まれた位置にフォーク挿入孔を形成して四方差しとし、前記隅部桁、同隅部桁の両側の中間桁及び中央桁を連結する下部桟に囲まれた下面開口部の開口縁部に同下面開口部側へ向かって斜め下方へ傾斜する傾斜リブを形成するとともに、当該傾斜リブを上下抜きの金型構造により成形するための上面開口部を前記隅部桁と前記中間桁との間及び前記中間桁と前記中央桁との間に前記上部桟に沿って形成したパレットであって、前記隅部桁と前記中間桁とを連結する側部上部桟を、前記フォーク挿入孔へのフォークの挿入方向と直交方向に延びるように形成される横リブと、前記挿入方向に延びるように形成される縦リブとにより形成し、前記側部上部桟において、前記フォークの挿入方向に対する中央側を粗リブ構造とするとともに、該粗リブ構造の前記上面開口部側及び側縁側を前記粗リブ構造よりも前記横リブ同士又は縦リブ同士の間隔が狭く形成される密リブ構造とし、前記密リブ構造を構成する少なくとも一本のリブを、前記中間桁内における上端から下端まで連続して延びる連結リブと連結したことを要旨とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
図2に示すように、パレット11は、合成樹脂により直方体状(平面正方形状)に一体形成されているうえ、片面使用4方差しの構成となっている。すなわち、このパレット11には、フォークリフト及びハンドリフトのフォークを挿入するためのフォーク挿入孔12が合計4個(2対)設けられている。
【0017】
さらに、このパレット11の上端面には、水平方向に略格子状に延びる多数のリブにより四角板状に形成された上面デッキ13が設けられ、パレット11の下端面には水平方向に略格子状に延びる多数のリブにより四角板状に形成された下面デッキ14が設けられている。
【0018】
パレット11の各コーナ部には、上面デッキ13と下面デッキ14との隅部を連結する四角筒状の隅部桁21が立設され、上面デッキ13と下面デッキ14の四側部の中央位置、即ち隣接する隅部桁21間の中央位置には、四角筒状に形成された中間桁22が立設されている。さらに、上面デッキ13と下面デッキ14の中央部、即ち対向する各一対の中間桁22の中央位置には、四角筒状に形成された中央桁23が立設されている。
【0019】
これら隅部桁21、中間桁22及び中央桁23は、パレット11においてフォーク挿入孔12を開口させつつ、上面デッキ13を下面デッキ14上に所定高さに支持している。そして、このパレット11は、前記上面デッキ13上に図示しない載置物を載置した状態で、その一側部に開口された左右一対のフォーク挿入孔12内にフォークリフト又はハンドリフトのフォークを挿入して運搬するように構成されている。前記上面デッキ13において、隅部桁21と中間桁22との間には、それぞれ上面開口部15が形成されている。各上面開口部15はパレット11を上下抜き構造の金型を使用して成形する際に形成されるものである。
【0020】
図1(a)に示すように、隅部桁21と中間桁22との間には、前記上面開口部15に沿った位置に形成され、両桁21,22の上端部間を連結するように水平方向に延びる上部桟としての側部上部桟31が架設されている。前記側部上部桟31は、上面デッキ13の側部(周縁部)を構成し、図1(b)に示すように、各側部上部桟31は前記フォーク挿入孔12を形成している。
【0021】
図1(a)、(b)及び図3(b)に示すように、前記側部上部桟31は、横リブ31aと縦リブ31bとから構成され、前記横リブ31aはパレット11の側辺の延びる方向に沿って平行に延び、フォーク挿入孔12へのフォークの挿入方向とほぼ直交方向に延びるように形成されている。また、縦リブ31bはパレット11の側辺の延びる方向に対して略垂直に延び、フォーク挿入孔12へのフォークの挿入方向とほぼ平行方向に延びるとともに、前記横リブ31aに対して略垂直に交差するように形成されている。
【0022】
図1(a)及び図6に示すように、側部上部桟31において、前記上面開口部15の近傍位置及びパレット11の側縁側の横リブ31a同士の間隔は、側部上部桟31の上面開口部15側から離れた位置、即ち側部上部桟31の中央の横リブ31a同士の間隔より狭く形成されて密リブ構造を形成している。
【0023】
また、側部上部桟31において、前記上面開口部15の近傍位置及びパレット11の側縁側を形成する縦リブ31b同士の間隔は、側部上部桟31における中央部の縦リブ31b同士の間隔より狭く形成されて密リブ構造を形成している。即ち、側部上部桟31における前記上面開口部15の近傍位置及びパレット11の側縁側位置には中央部と比較して縦リブ31bの本数が多くなっている。
【0024】
加えて、図3(a)、(b)に示すように、側部上部桟31において、最も上面開口部15側及びフォーク挿入孔12の開口側に形成された横リブ31aの下端縁はそれぞれ側部上部桟31の内方へ延設され断面L字状に形成されている。前記側部上部桟31の下方位置には、両桁21,22の下端部間を連結するように水平方向に延びる下部桟としての複数の側部下部桟32が架設されており、両桁21,22の下端部間を連結する長四角板状(側断面台形状)の下部周縁デッキ33を形成している。
【0025】
図3(b)に示すように、前記側部下部桟32において、パレット11の内方側縁部はそれぞれパレット11の内側へ向かうに連れて斜め下方へ傾斜する傾斜リブ32aが形成されている。図2に示すように、隅部桁21、中間桁22、側部上部桟31及び側部下部桟32により、パレット11の各側部にはフォーク挿入孔12の開口部を構成するフォーク挿入口12aが形成されている。
【0026】
図1(a)に示すように、中間桁22と中央桁23との間には、両桁22,23の上端部間を連結するように水平方向に延びる上部桟としての複数の中央部上部桟36が架設され、中央部上部桟36によって上面デッキ13の中央部を構成している。また、中間桁22と中央桁23との間には、中央部上部桟36の長さ方向に沿って上面開口部15が形成されている。各上面開口部15はパレット11を上下抜き構造の金型を使用して成形する際に形成されるものである。
【0027】
図3(a)、(b)に示すように、これら中央部上部桟36の下方位置には、両桁22,23の下端部間を連結するように水平方向に延びる下部桟としての複数の中央部下部桟37が架設され、下面デッキ14を形成する下部中央デッキ38を形成している。図3(b)に示すように、前記中央部下部桟37の長さ方向に沿った両側縁部は、それぞれ中央部下部桟37の外方へ向かって斜め下方へ傾斜する傾斜リブ37aが形成されている。前記傾斜リブ37aの上部には前記上面開口部15が形成されている。
【0028】
そして、これら中間桁22、中央桁23、中央部上部桟36及び中央部下部桟37により、パレット11の中央部には、前記フォーク挿入口12aから水平方向に延びるフォーク挿入孔12が形成されている。また、図3(a)に示すように、このパレット11の下面には、隣接する桁21,22,23間を縦横に繋ぐ下部周縁デッキ33及び下部中央デッキ38により、底面格子状(田字状)に形成された下面デッキ14が形成されている。
【0029】
また、下面デッキ14において、隅部桁21と同隅部桁21の両側の中間桁22との間の側部下部桟32及び中間桁22と中央桁23との間の中央部下部桟37に囲まれた位置には下面開口部14aが形成されている。そして、図3(b)に示すように、前記下面開口部14aにおいて、下面開口部14aの開口縁部には、下面開口部14aの開口側へ向かって斜め下方へ傾斜する傾斜リブ32a及び傾斜リブ37aが配置されている。
【0030】
図4(a)及び(b)に示すように、隅部桁21は、四角筒状に形成されているうえ、その内部には隅部桁21の一方のコーナから他方のコーナに向かって対角線上に延びる斜方仕切板41が設けられている。この斜方仕切板41は、パレット11のコーナ部に位置する隅部桁21の一方のコーナ内側面から隅部桁21の中央部まで延設されているうえ、その上下端縁は隅部桁21の上下端面に沿って延設されている。
【0031】
隅部桁21の中央部に位置する斜方仕切板41の一端部には、パレット11の側縁と平行に延びる連結リブとしての一対の第1仕切板42が設けられ、斜方仕切板41とともに隅部桁21内を平面Y字状に仕切っている。これら第1仕切板42の一端部は、隅部桁21の内側面と接合部42aで接合されているうえ、その上下端縁は隅部桁21の上下端面に沿って延設されている。
【0032】
さらに、図6に示すように、これら各第1仕切板42は、側部上部桟31の密リブを構成する横リブ31aの1本と平面視において同一直線上に位置するように構成されている。図4(a)、(b)に示すように、斜方仕切板41の中央部には、パレット11の側縁と平行に延びる一対の第2仕切板43が設けられている。これら第2仕切板43は、斜方仕切板41との接合部からパレット11の外側方へと延設されている以外は、前記第1仕切板42と同様の構成を有している。
【0033】
図1(b)及び図5(a)に示すように、中間桁22は、四角筒状に形成されているうえ、その内部には中間桁22の対向する側部間を縦横に繋ぐ連結リブとしての第3仕切板71及び第4仕切板72が設けられている。これら両仕切板71,72はいずれも、中間桁22の側部内側面中央位置から突設されているうえ、その上下端縁は中間桁22の上下端面に沿って延設されている。
【0034】
そして、これら両仕切板71,72により、中間桁22の内部は平面十字状に仕切られている。この第3仕切板71よりもパレット11の外方に位置する中間桁22の内部は、上記隅部桁21における仕切板41,42,43及び隅部桁21の壁面によって取り囲まれた区画内とほぼ同様の構成を有している。
【0035】
また、第3仕切板71よりもパレット11の内方に位置する中間桁22の内部は、平面又は底面から見たとき、第4仕切板72を挟んで左右対称となるように構成されている。そして、図6に示すように、第3仕切板71は、側部上部桟31の密リブを構成する横リブ31aの1本と平面視において同一直線上に位置するように連結されている。その結果、第3仕切板71と第1仕切板42とは、側部上部桟31において、前記横リブ31aにより連結されて同一直線上に位置するように形成されている。
【0036】
図5(b)に示すように、中央桁23は、四角筒状に形成されているうえ、その内部には中央桁23の対向する側部間を縦横に繋ぐ一対の第5仕切板73が設けられている。
【0037】
上記構成のパレット11はフォーク挿入口12aの上下端部を構成する側部上部桟31及び側部下部桟32を除いて、上型と下型とからなる上下一対の上下抜き構造の一段スライド方式の金型を用いて射出成形することができる。側部上部桟31及び側部下部桟32の成形においては、一体のスライドコアが用いられ、側部下部桟32及び中央部下部桟37における傾斜リブ32a,37aの成形においては、図3(b)に2点鎖線に示すように、上型に設けられた上型コア部Cが用いられる。
【0038】
次に、上記パレット11の作用について説明する。
一段スライド方式の金型を使用して合成樹脂製のパレット11を成形するには、まず、下型においてフォーク挿入孔12に対応する位置にスライドコアを側方から挿入し、次に、金型を型締めして射出成形する。このとき、図3(b)に2点鎖線に示すように、上型コア部Cがフォーク挿入孔12内に挿入され、その上型コア部Cにより傾斜リブ32a,37aが成形される。そして、冷却、固化後に、型開きして上型とともに上型コア部Cを上方へ抜き、一体のスライドコアを側方抜きすることにより合成樹脂製のパレット11が成形される。
【0039】
さて、得られたパレット11の上面デッキ13に載置物(図示せず)を載置し、フォーク挿入口12aからフォーク挿入孔12内へとフォークリフト又はハンドリフトの2本のフォークを挿入した後、それらフォークを所定高さに持ち上げてパレット11が運搬される。このとき、前記フォークの上面は、フォーク挿入孔12の上端部下面を持ち上げ、上面デッキ13上の載置物とともにパレット11を支持する。そのため、フォークリフト又はハンドリフトに近接する側部上部桟31にはフォークより及ぼされる上方への支持力が作用するとともに、載置物の荷重が作用する。
【0040】
前記支持力及び荷重が側部上部桟31の近傍位置に作用したとき、側部上部桟31よりパレット11の内方側には上面開口部15が形成されている、しかしながら、図6に示すように、上面開口部15の近傍位置には密リブ構造が形成され、その密リブ構造における横リブ31a同士及び縦リブ31b同士の間隔が中央における前記間隔より狭くなっている。そのため、側部上部桟31の中央部と比較して、密リブ構造における横リブ31a及び縦リブ31bに分散される支持力及び荷重が小さくなる。
【0041】
さらに、前記密リブ構造を形成する横リブ31aは隅部桁21と中間桁22に連結している。そのため、横リブ31aに作用した支持力及び荷重は隅部桁21及び中間桁22に分散される。そして、横リブ31aの一端側が隅部桁21の第1仕切板42と連結されているとともに、他端側が中間桁22の第3仕切板71と連結されて、横リブ31a、第1仕切板42及び第3仕切板71は平面視において同一直線上に位置している。
【0042】
そのため、隅部桁21及び中間桁22に分散された支持力及び荷重は第1仕切板42及び第3仕切板71に支持される。このとき、図4(a)に示すように、前記第1仕切板42は一端部が隅部桁21の内側面の上端から下端にかけて接合され、他端部が斜方仕切板41の上端から下端にかけて接合された状態で板状に上下方向へ延びている。さらに、図5(a)に示すように、第3仕切板71は両端部が中間桁22の相対向する内側面の上端から下端にかけて接合された状態で板状に上下方向へ延びている。
【0043】
即ち、第1仕切板42及び第3仕切板71は隅部桁21及び中間桁22において、前記支持力及び荷重等に対する強度の高い部材となっている。従って、側部上部桟31における上面開口部15側における横リブ31aは、隅部桁21及び中間桁22において、外力等に対して強度の高い部材と連結されているため、前記支持力及び荷重は確実に支持される。
【0044】
加えて、図3(a)及び図6に示すように、側部上部桟31の密リブ構造において、上面開口部15側の横リブ31aは断面L字状に形成されることにより、隣接する縦リブ31b同士が連結されている。そのため、横リブ31a及び縦リブ31bとが一体化された状態に近づき密リブ構造における外力等に対する強度がより向上される。その結果、パレット11における側部上部桟31の上面開口部15側の近傍位置の強度が高められ、その部位が前記支持力及び荷重により変形する不具合が防止される。
【0045】
次に、上記実施形態によって発揮される効果について説明する。
(1)側部上部桟31の上面開口部15の近傍位置には密リブ構造が形成され、その密リブ構造を形成する横リブ31aが中間桁22における第3仕切板71と連結されている。従って、側部上部桟31の上面開口部15近傍に作用したフォークの支持力や載置物の荷重を、密リブ構造全体に分散して支持することができ、さらに、中間桁22の第3仕切板71により支持することができる。その結果、横リブ31aが第3仕切板71と連結されていない場合と比較して、上面デッキ13における上面開口部15の近傍位置の強度を向上させることができ、同近傍位置における変形等のおそれをなくすことができる。
【0046】
(2)横リブ31aが連結された第3仕切板71は中間桁22内を仕切るべく上下方向へ連続して板状に延びている。そのため、第3仕切板71が枠状に形成されている場合と比較して、横リブ31aから伝達される支持力及び荷重をより効果的に支持することができる。
【0047】
(3)側部上部桟31において、上面開口部15側及びフォーク挿入口12a側を密リブ構造とし、中央を非密リブ構造とした。そのため、側部上部桟31全体を密リブ構造とする場合と比較して、使用される合成樹脂量を抑えることができるとともに、パレット11の重量を抑えることができる。
【0048】
(4)パレット11は一体のスライドコアを使用する一段スライド方式の金型により成形することができる。従って、二体のスライドコアを使用する二段スライド方式の金型を使用してパレット11を成形していた従来と異なり、金型の構造を簡易化して製造コストを抑えることができるとともに、パレット11の成形時間を短縮することができる。
【0049】
(5)側部上部桟31の上面開口部15側は、横リブ31a及び縦リブ31bにより密リブ構造が形成されている。そのため、側部上部桟31の上面開口部15側において、横リブ31a及び縦リブ31bの延びる方向、即ち側部上部桟31の縦横両方向に作用した支持力及び荷重を、横リブ31a及び縦リブ31bにより効果的に支持することができる。
【0050】
(6)密リブ構造を構成する横リブ31aは隅部桁21と中間桁22とを連結するように形成されている。そのため、横リブ31aに作用する支持力及び荷重を中間桁22だけでなく隅部桁21にも分散して、隅部桁21及び中間桁22により前記支持力及び荷重を効果的に支持することができ、側部上部桟31の上面開口部15側の変形等のおそれをより一層なくすことができる。
【0051】
(7)横リブ31aは隅部桁21内を仕切るべく上下に板状に延びる第1仕切板42と平面視において同一直線上に位置するように連結されている。従って、隅部桁21に分散された支持力及び荷重を隅部桁21内で強度の高い第1仕切板42に支持させることができ、側部上部桟31の上面開口部15側の変形等のおそれをより一層なくすことができる。
【0052】
(8)側部上部桟31の最も上面開口部15側の横リブ31aは断面L字状に形成され、隣接する縦リブ31b同士を連結している。従って、密リブ構造そのものの強度を高めて、前記支持力及び荷重による変形等のおそれをより一層なくすことができる。
【0053】
なお、本実施形態は次のように変更して具体化することも可能である。
・ 実施形態では、密リブ構造を横リブ31aと縦リブ31bとにより形成したが、縦リブ31bを省略して、横リブ31aのみで密リブ構造を形成してもよい。
【0054】
・ 実施形態では、密リブ構造を形成する横リブ31aと隅部桁21の第1仕切板42とを連結すべく平面視において同一直線上に位置するように形成したが、横リブ31aと第1仕切板42とが平面視において同一直線上に位置していなくてもよい。
【0055】
・ 実施形態では、隅部桁21内の連結リブとして隅部桁21内を仕切る第1仕切板42に具体化し、中間桁22内の連結リブとして中間桁22内を仕切る第3仕切板71に具体化したが、以下に示す連結リブに具体化してもよい。例えば、隅部桁21に、同隅部桁21内の上端に沿って水平に延びる桟を形成し、その桟の一端部又は両端部の下端縁から隅部桁21の内側面に沿ってほぼ鉛直方向に延びるように上部垂直リブを形成する。また、隅部桁21に、同隅部桁21内の下端に沿って水平に延びる桟を形成し、その桟の一端部又は両端部の上端縁から隅部桁21の内側面に沿ってほぼ鉛直方向に延びるように下部垂直リブを形成する。そして、前記上部垂直リブ及び下部垂直リブの対向する側面全体を互いに密着するように接合して相互に一体化して隅部桁21内を仕切る連結リブとしてもよい。
【0056】
・ 実施形態では、側部上部桟31の上面開口部15側の横リブ31aのみを断面L字状に形成したが、密リブ構造を形成する全ての横リブ31aを断面L字状に形成してもよい。又は横リブ31aを断面L字状又は断面逆L字状に形成し、相対向する横リブ31a同士の間隔を狭くしてもよい。このように構成した場合、相対向する横リブ31aと縦リブ31bとにより形成される間隙がより狭くなり、密リブ構造における強度をより一層向上させることができる。
【0057】
さらに、側部上部桟31の上面開口部15側及びフォーク挿入孔12の開口側に形成された横リブ31aの上端縁のみをそれぞれ側部上部桟31の内外両方へ延設して断面T字状に形成してもよく、横リブ31aの下端縁のみをそれぞれ側部上部桟31の内外両方へ延設して断面逆T字状に形成してもよい。
【0058】
・ 実施形態では、密リブ構造を形成する一本の横リブ31aを、第3仕切板71と連結すべく平面視において同一直線状に位置するように形成したが、
中間桁22内に第3仕切板71を二つ以上形成し、二本以上の横リブ31aと第3仕切板71とをそれぞれ連結してもよい。
【0059】
・ さらに、隅部桁21に第1仕切板42を二つ以上形成し、二本以上の横リブ31aと第3仕切板71及び第1仕切板42とを連結してもよい。
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
【0060】
(1) 前記連結リブを中間桁内を仕切るべく同中間桁内の上下方向へ連続して延びる仕切板としたことを特徴とするパレット。このように構成した場合、連結リブが中間桁の側面に沿って上下方向へ延びる枠状に形成されている場合と比較して、密リブ構造から伝達された外力等をより効果的に支持することができる。
【0061】
(2) 前記隅部桁内に同隅部桁の上端から下端まで延びる連結リブを形成し、前記密リブ構造を形成する少なくとも一本のリブを、前記隅部桁内の連結リブと連結したことを特徴とするパレット。このように構成した場合、密リブ構造を構成する少なくとも一本のリブから隅部桁に分散された上面デッキに作用する外力等を、隅部桁内で前記外力等に対する強度の高い連結リブに支持させることができ、上面開口部の近傍位置の変形をより一層防止することができる。
【0062】
(3) 前記密リブ構造を形成するリブをフォーク挿入孔内へのフォークの挿入方向とほぼ直交方向に延びるように形成したことを特徴とするパレット。このように構成した場合、密リブ構造により上面開口部の近傍位置の強度をより一層向上させることができる。
【0063】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明のパレットによれば、一段スライド方式の上下抜きの金型を使用することにより、金型の構造を簡易化して製造コストを抑えることができ、かつ成形時間を短縮することができるとともに、上面開口部の近傍位置の強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は実施形態のパレットの一部を示す平面図、(b)は図1(a)の1b−1b線から見たパレットを示す側断面図。
【図2】 実施形態のパレットを示す斜視図。
【図3】 (a)は実施形態のパレットの一部を示す底面図、(b)は図1(a)の3b−3b線から見たパレットの一部を示す側断面図。
【図4】 (a)は実施形態のパレットの隅部桁を示す平面図、(b)は同じく隅部桁を示す底面図。
【図5】 (a)は実施形態のパレットの中間桁を示す平面図、(b)は同じく中央桁を示す平面図。
【図6】 隅部桁と中間桁との間の側部上部桟を示す部分拡大平面図。
【符号の説明】
11…パレット、12…フォーク挿入孔、13…上面デッキ、14…下面デッキ、14a…下面開口部、15…上面開口部、21…隅部桁、22…中間桁、23…中央桁、31…上部桟としての側部上部桟、31a…リブとしての横リブ、31b…リブとしての縦リブ、32…下部桟としての側部下部桟、32a…傾斜リブ、36…上部桟としての中央部上部桟、37…下部桟としての中央部下部桟、37a…傾斜リブ、42…連結リブとしての第1仕切板、71…連結リブとしての第3仕切板。
Claims (1)
- 合成樹脂により平面四角形状に一体成形され、上面デッキと下面デッキの隅部を連結する隅部桁、前記両デッキの四側部の中間部を連結する中間桁及び両デッキの中央部を連結する中央桁を備えるとともに、隣接する桁同士の上端部及び下端部を連結する上部桟及び下部桟を上面デッキ及び下面デッキに備え、当該上部桟、下部桟、隅部桁及び中間桁に囲まれた位置にフォーク挿入孔を形成して四方差しとし、前記隅部桁、同隅部桁の両側の中間桁及び中央桁を連結する下部桟に囲まれた下面開口部の開口縁部に同下面開口部側へ向かって斜め下方へ傾斜する傾斜リブを形成するとともに、当該傾斜リブを上下抜きの金型構造により成形するための上面開口部を前記隅部桁と前記中間桁との間及び前記中間桁と前記中央桁との間に前記上部桟に沿って形成したパレットであって、
前記隅部桁と前記中間桁とを連結する側部上部桟を、前記フォーク挿入孔へのフォークの挿入方向と直交方向に延びるように形成される横リブと、前記挿入方向に延びるように形成される縦リブとにより形成し、前記側部上部桟において、前記フォークの挿入方向に対する中央側を粗リブ構造とするとともに、該粗リブ構造の前記上面開口部側及び側縁側を前記粗リブ構造よりも前記横リブ同士又は縦リブ同士の間隔が狭く形成される密リブ構造とし、
前記密リブ構造を構成する少なくとも一本のリブを、前記中間桁内における上端から下端まで連続して延びる連結リブと連結したことを特徴とするパレット。
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