JP2008239231A - 合成樹脂製パレット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上面デッキボード1と下面デッキボードを隣接する4隅の隅桁部と隅桁部間に配設した中間桁部4bと対向する中間桁部間に配設した中央桁部とで連結した。上面デッキボード2において、中間桁部4bと中央桁部4cを桟15を設けた十字状の桟部13a、13bで連結する。桟部13aは中間桁部と中央桁部の幅に亘って形成し、その両側にチャックを挿入するための長方形状の挿入開口26を形成する。挿入開口26の裏面周囲に周囲補強リブを形成する。挿入開口に隣接して補強面29を設け、補強面29の裏面中央に補強リブを形成し、これをチャックの爪で支持する。桟15は断面逆U字状であり、その頂面15aは補強面29と面一に接続する。
【選択図】図3
Description
この合成樹脂製パレットは例えば略四角形箱状に形成され、互いに平行に配置された上面デッキボード及び下面デッキボードと、上面デッキボード及び下面デッキボードを連結する複数の桁とから概略構成されている。
桁は、四方差しパレットの場合には、対向する上面及び下面デッキボードの4つのコーナー部に隅桁、各側面における隣り合う隅桁間に中間桁、上面及び下面デッキボードの中央部に中央桁がそれぞれ配設されている。隣接する桁と桁は例えば断面I型またはΠ型の桟によって連結されている。そして、この合成樹脂製パレットの四辺をなす各側面には隅桁と中間桁の間にフォークの挿入孔がそれぞれ設けられ、これら挿入孔を通してフォークリフトやパレットトラックのフォークが挿入される。
このような合成樹脂製パレットは、ロボット等の自動移送装置に設けたチャックを用いてマガジンに積層した合成樹脂製パレットを順次把持して搬送ライン上に移送するようにしている。
本発明によれば、自動移送装置のチャックが挿入される一対の挿入開口の各周囲に周囲補強リブが設けられていると共に、これら一対の挿入開口の間隔が中間桁部または中央桁部の幅以上の長さに設定されており、しかも中間桁部と中央桁部は桟で連結されているから、一対の挿入開口の間の領域の強度が高く、自動移送装置のチャックを挿入開口に挿入して爪で係止させた状態で持ち上げても一対の挿入開口の間の部分が変形したり損傷することはなく、重量物を載置しても撓んだりしない。
従って、合成樹脂製パレットの挿入開口にチャックを挿入して持ち上げると、チャックの爪で補強面と補強リブを支持することになり、リブを裏面から爪で持ち上げるようにした従来のパレットと比較して一層強度が高くなる。
自動移送装置のチャックは進退することで挿入開口内に爪を進入させてデッキボードの裏面を支持するから、挿入開口を長方形に形成することで進退によるチャックの進入・後退のスペースを確保しながら挿入開口を最小開口面積に制限できて強度確保に寄与する。
また、桟は断面逆U字状またはU字状であり、補強面は桟の頂面または底面と面一に接続されていることが好ましく、補強面の強度を逆U字状またはU字状の桟の頂面または底面によって補強することができる。
図1及び図2に示す実施例による合成樹脂製パレット(以下、単にパレットということがある)1は全体として略四角形、例えば略長方形の箱形を呈しており、合成樹脂製パレット1の上面を形成する上面デッキボード2と、裏面を形成する下面デッキボード3と、上面デッキボード2および下面デッキボード3にそれぞれ設けられた複数の桁部4とを有している。上面デッキボード2と下面デッキボード3は対向して概略平行に配設され、上面デッキボード2及び下面デッキボード3間の四辺の領域はそれぞれ側面部5を構成する。
なお、四辺の側面部5は短辺方向の側面部5aと長辺方向の側面部5bとからなる。また、パレット1は一体成形による片面四方差しとする。
そして、対向する二側面部5、5における桁部4a、4b間に設けた各一対のフォーク挿入孔7、7は互いに連通して挿通孔8、8を構成する。そのため挿通孔8,8は、各側面部5における一対のフォーク挿入孔7,7からフォークリフトやパレットトラックのフォークを挿入するための2列の空間として平行に形成されている。各二列の挿通孔8、8は互いに略直交して連通し、平面視で略井桁形状を構成している。
パレット1の短辺側側面部5aに設けた一対のフォーク挿入孔7,7は例えばパレットトラックのフォークを挿入するためのものである。長辺側側面部5bに設けた一対のフォーク挿入孔7,7は例えばフォークリフトのフォークを挿入するためのものである。
また、上面デッキボード2には、各中間桁部4bと中央桁部4cをそれぞれ連結する桟部13が略十字状形成されている。なお、略十字状の桟部13は、短辺方向に伸びる桟部13aと長辺方向に延びる桟部13bとからなる。図3に示すように、各桟部13は挿通孔8に連通する長孔の凹陥部14aを挟んで複数本(図では4本)の桟15が平行に配列されている。各桟15は図5及び図6に示すように断面略逆U字状(逆Π状等でもよく、逆U字状にはこれを含むものとする)に形成され、その上面の幅方向中央には長孔16が所定間隔で複数穿孔されている。なお、桟15に長孔16は設けても設けなくてもよく、本実施例において長辺方向の桟部13bでは外側の2本の桟15に長孔は設けられていない。
そして図1において、リブ11、11と十字状の桟部13a、13bで囲まれた4つの略四角形の開口領域には格子状の別リブ18が形成されている。
なお、各別リブ18の周囲には桟15が四角形枠状に配列されている。
また、下面デッキボード3には、各中間桁部4bと中央桁部4cを連結する桟部21が略十字状形成されている。各桟部21は凹陥部14bを挟んで複数の(図では3本)の桟22が配列され、各桟22には頂面22aに所定間隔で孔23が穿孔されている。桟部21と下面エッジボード20とで囲まれた4つの略四角形の開口24は上面デッキボード2の別リブ18に連通する凹陥部を形成している。
そして、図3,4及び図6において、上面デッキボード2には挿入開口26の中央桁部4c側に隣接して四角形をなすリブ部18aの上面を塞ぐ補強面29が設けられ、補強面29の裏面にはその中央に補強リブ30が設けられている。補強面29は隣接する桟15の長孔16を設けた頂面15aと面一に形成されており、補強面29の強度は桟15によって補強されている。補強リブ30は周囲補強リブ27の一辺中央から挿入開口26の長手方向に延びて別リブ18のリブ部18aに連結されている
このように短辺側の桟部13aの両側に形成された一対の挿入開口26と周囲補強リブ27、補強面29と補強リブ30は、図1及び図2、図7に示すように、長辺側の桟部13bに対してその両側に線対称に2対配設されている。
先ず、例えば図示しないマガジンに積層された合成樹脂製パレット1の最上部のものに対し、図1に示すように自動移送装置の一対のチャック40、40を二対の挿入開口26、26、…の真上にそれぞれ持ち来たし、各挿入開口26、26内に降下させ、図8に示すように各チャック40をA方向に前進させる。すると、挿入開口26,26が長方形に形成されているために、爪41、41は上面デッキボード2の別リブ18に接触することなく挿入開口26,26を通過して補強板29、29と補強リブ30,30の裏面側に入り込む(図7参照)。
これと同時に押さえ板42も降下して補強板29,29の上面を押さえ込む。すると、合成樹脂製パレット1は上面デッキボード2の補強板29、29及び補強リブ30、30を押さえ板42とチャック40の爪41,41で挟み込まれて保持される。そしてチャック40を持ち上げると、合成樹脂製パレット1は爪41,41で補強板29、29と補強リブ30,30を裏面側から持ち上げられる。そのため、合成樹脂パレット1を持ち上げた際のがたつきが確実に防止できて変形等するおそればなく、自動移送装置のチャック40,40によってスムーズに搬送される。
合成樹脂製パレット1を所定位置に着座させた後は、自動移送装置の押さえ板42を上昇させると共に、補強板29及び補強リブ30の裏面からチャック40の爪41、41をB方向に後退させて上昇させれば、爪41、41は挿入開口26,26から外に退く
また、各挿入開口26をチャック40挿入時における爪41の進退軌跡に沿った空間を有する長方形に形成したために、爪41の進退を阻害することなく必要最小限の開口面積を確保できてパレット1の強度を向上できる。
図9は変形例を示すものであり、図6に示す合成樹脂製パレットの要部縦断面図に相当する図である。
図9において、桟部13の外側の桟15Aは略U字状に形成されており、桟15Aの底面15bに長孔16が設けられている。そして桟15Aの底面15bに隣接して補強面29Aが形成されている。この補強面29Aには上方即ち上部デッキボード2の載置面に向けて補強リブ30が形成されている。この構造によっても上述の実施例と同様な強度を確保できる。
また、一対の挿入開口26,26は、少なくとも桟部13で連結する中間桁部4b及び中央桁部4cの少なくとも一方の幅以上の間隔で配列されていればよく、また一対の挿入開口26,26の間に1または複数の桟15が設けられていればよく、桟15に隣接して挿入開口26が設けられていなくてもよい。
また、補強面29、29Aの裏面や表面に設ける補強リブ30は挿入開口26の長手方向に補強面29を略二等分する中央方向に形成した構成としたが、これに限定されることなく、例えば四角筒状のリブ部18aの対角線方向に設けてもよいし、挿入開口26の短辺方向に延びて形成してもよい。
なお、チャック40でパレット1を持ち上げる際、必ずしも押さえ板42はなくてもよい。また合成樹脂製パレット1の挿入開口26に対するチャックの爪41の挿脱は上下動と横移動A−Bの進退に限定されることなく、回動によって挿入開口26に挿脱させてもよい。
また、上述の実施例では、パレット1は一体成形によるものとしたが、これに限定されることなく、パレット1を桁部4の長さ方向中央でニ分割して上面デッキボード2側部分と下面デッキボード3側部分とに分割成形して、各桁部4同士を溶着することで一体化してパレット1を製作するようにしてもよい。
2 上面デッキボード
3 下面デッキボード
4 桁部
4a 隅桁部
4b 中間桁部
4c 中央桁部
13 桟部
15、15A 桟
15a 頂面
15b 底面
26 挿入開口
27 周囲補強リブ
29、29A 補強面
30 補強リブ
Claims (4)
- 互いに対向して配置された一対のデッキボードと、該一対のデッキボードを四隅の隅桁部と隣接する隅桁部間に配設された中間桁部と対向する中間桁部間に配設された中央桁部とで連結してなり、隅桁部と中間桁部との間の側面部に挿入孔が設けられてなる合成樹脂製パレットであって、
一方の前記デッキボードには前記中間桁部と中央桁部を連結する桟が設けられ、前記中間桁部または中央桁部の幅の延長領域の外側であって前記桟の両側に自動移送装置のチャックを挿入するための挿入開口がそれぞれ形成され、該挿入開口の周囲には周囲補強リブが形成されていることを特徴とする合成樹脂製パレット。 - 前記挿入開口にチャックを挿入した際に該チャックの爪で支持する前記挿入開口に隣接する部分に補強面を設けると共に、該補強面の裏面に補強リブを形成してなる請求項1に記載の合成樹脂製パレット。
- 前記挿入開口は平面視略長方形に形成されていて、前記チャックの爪の進退方向に長辺を有している請求項1または2に記載の合成樹脂製パレット。
- 前記桟は断面逆U字状またはU字状であり、前記補強面は前記桟の頂面または底面と面一に接続されている請求項1乃至3のいずれかに記載の合成樹脂製パレット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Cited By (2)
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2007
- 2007-03-29 JP JP2007086350A patent/JP2008239231A/ja active Pending
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