JP3245169U - ネスティングラック、及びネスティングラックを組み合わせた収納用長尺構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】背面側からの物品の出し入れを容易にできる逆ネスティングラックを提供する。【解決手段】複数の支柱2と、支柱2を下端部で連結する連結枠3と、物品を支持可能な支持部1と、を備えるネスティングラックXであって、連結枠3は、左右方向に伸びる左右連結梁32を有し、左右連結梁32は、その下面が設置面と同一平面上に設けられており、上下方向の厚みが、物品の搬送に使用されるパレットにおける載置板の厚み以下である。【選択図】図1
Description
本考案は、倉庫等において物品を保管する際に用いられるネスティングラックに関する。
物流業界において、ドライバーの労働に係る制度の改善、及びそれに伴う輸送量の減少、所謂「2024年問題」は深刻であり、少ない人員、少ない車両で効率よく物品を運搬することが求められるようになる。これに対しネスティングラックは、上下の積み重ねによってトラックの荷台の空間を無駄なく使用できるようにして、トラック一台当たりの輸送量を増やすという解決策を提供する。
ここで、ネスティングラックとは、複数の支柱を連結枠によって相互に接続し、籠若しくは箱状に形成されるラックであって、このうち、下方と前方が開放されて上部に格子状の支持部(載置棚)が設けられる構成のものは、一般的に「逆ネスティングラック」と呼称される。
このような逆ネスティングラックの構成は、例えば特許文献1に示されており、非使用時には一つのネスティングラックに、同形状のネスティングラックを上方から被せるようにして重ね合わせることにより収納(ネスティング)し、使用時には、複数のネスティングラックを並列に並べて、或いは上下に積み重ねて収納空間を形成する。特に上下(鉛直方向)に積み上げて使用する際には、下段のラックの上部に設けられる物品の支持部と、上段のラックの下部に設けられる連結枠、すなわち梁とが接触、又は近接する状態となる。
また、逆ネスティングラックの搬送を行う際には、支持部をフォークリフトの爪で持ち上げる。特にネスティングの際には、下段に連結枠がない方をフォークリフトの爪先端側にして持ち上げるため、全ての作業を同様の向きから行うことが望ましい。換言すれば、フォークリフトが逆ネスティングラックの背面からアプローチできる条件を整えることが好ましい。これは、支持部に物品が載置されている場合でも同様である。
ネスティングラックに収容、或いは支持される物品は、フォークリフトでの搬送を想定し、パレットに載せられている。このとき、特許文献1に開示される従来の逆ネスティングラックを使用すると、上下方向にラックを重ねたときに、前述した上段のラックの背面側の梁がパレットの穴(差込口)を塞いでしまう(図6(b))。このため、パレット、もとい物品の搬送においては、フォークリフトが逆ネスティングラックの正面からアプローチしなければならない。その一方で、ネスティングされた状態から逆ネスティングラックを取り出す際には、フォークリフトが逆ネスティングラックの背面からアプローチしなければならない。このように、従来の逆ネスティングラックは、作業内容によってフォークリフトの向きや位置を変える必要があり、非効率であった。
本考案は、上記の課題に鑑み、背面側からの物品の出し入れを容易にできる逆ネスティングラックを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本願考案は、複数の支柱と、該支柱を下端部で連結する連結枠と、物品を支持可能な支持部と、を備えるネスティングラックであって、該連結枠は、左右方向に伸びる左右連結梁を有し、該左右連結梁は、その下面が設置面と同一平面上に設けられており、上下方向の厚みが、物品の搬送に使用されるパレットにおける載置板の厚み以下である。
このような構成によって、フォークリフトによる背面側からの物品の出し入れを容易にできる。
このような構成によって、フォークリフトによる背面側からの物品の出し入れを容易にできる。
本考案の好ましい形態では、該支柱、および該連結枠は、当接部を有する。
このような構成によって、複数のネスティングラックを容易に並べたり、重ねたりできる。
このような構成によって、複数のネスティングラックを容易に並べたり、重ねたりできる。
本考案の好ましい形態では、該支持部は、該支柱の上端部に接続されている。
このような構成によって、複数のネスティングラックを上下に積み重ねた場合にも、フォークリフトによる背面側からの物品の出し入れを容易にする。
このような構成によって、複数のネスティングラックを上下に積み重ねた場合にも、フォークリフトによる背面側からの物品の出し入れを容易にする。
本考案の好ましい形態では、該支持部は、前後方向、若しくは該左右方向の少なくとも何れかの中央に、桟を有する。
このような構成によって、多様な形状、又は材料のパレットに対応することができる。
このような構成によって、多様な形状、又は材料のパレットに対応することができる。
本考案の好ましい形態では、該ネスティングラックが、前後方向に接続された、収納用長尺構造体である。
このような構成によって、複数のネスティングラックを跨ぐ長尺物を収納することができる。
このような構成によって、複数のネスティングラックを跨ぐ長尺物を収納することができる。
上記課題を解決する本考案は、背面側からの物品の出し入れを容易にできる逆ネスティングラックを提供する。
以下、図面を用いて、本考案の実施形態に係るネスティングラックについて説明する。説明は、実施形態の構成、実施の方法、他の実施例の順に詳述する。
なお、以下に示す各実施形態は本考案の一例であり、本考案を以下の各実施形態に限定するものではない。
なお、以下に示す各実施形態は本考案の一例であり、本考案を以下の各実施形態に限定するものではない。
≪本考案の実施形態≫
本実施形態に係るネスティングラックXは、図1に示すように、物品を載置して支持する支持部1と、支持部1を支える支柱2と、支柱2を連結する連結枠3と、を備え、箱型に構成される。
なお、以下の説明で用いられる「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」の各方向は、図1、図2、図3に示す各軸に基づく。
本実施形態に係るネスティングラックXは、図1に示すように、物品を載置して支持する支持部1と、支持部1を支える支柱2と、支柱2を連結する連結枠3と、を備え、箱型に構成される。
なお、以下の説明で用いられる「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」の各方向は、図1、図2、図3に示す各軸に基づく。
また、図面において、図1はネスティングラックXの斜視図、図2はネスティングラックXの背面図、図3はネスティングラックXの平面図、図4はネスティングラックXに載置又は収納されるパレットYの概略図で、図4(a)は斜視図、図4(b)は正面図(背面でも同様)、図4(c)は右側面図(左側面でも同様)を示す。
更に、図5はネスティングラックXを上下方向に積み上げ、パレットYを収納した場合の使用状態の斜視図、図6(a)は図5と同様の使用状態の側面図、図6(b)は先行技術におけるパレットYと逆ネスティングラックの一部を示す拡大図、図6(c)は本実施形態に係るネスティングラックXとパレットYの一部を示し、図6(b)と比較可能な拡大図、図7(a)及び図7(b)は、ネスティングラックXをフォークリフトで搬送して設置し、そこにパレットYを収納する使用状態を示す模式図である。また、図8(a)はネスティングラックXを前後方向に背面同士を合わせて接続した使用状態を示す側面図、図8(b)は図8(a)の領域A内における拡大図である。
更に、図5はネスティングラックXを上下方向に積み上げ、パレットYを収納した場合の使用状態の斜視図、図6(a)は図5と同様の使用状態の側面図、図6(b)は先行技術におけるパレットYと逆ネスティングラックの一部を示す拡大図、図6(c)は本実施形態に係るネスティングラックXとパレットYの一部を示し、図6(b)と比較可能な拡大図、図7(a)及び図7(b)は、ネスティングラックXをフォークリフトで搬送して設置し、そこにパレットYを収納する使用状態を示す模式図である。また、図8(a)はネスティングラックXを前後方向に背面同士を合わせて接続した使用状態を示す側面図、図8(b)は図8(a)の領域A内における拡大図である。
支持部1は、ネスティングラックXの上部に設けられ、ネスティングラックXを平面視したとき(図3)に外形が略長方形をなす部分であり、物品を載置して支持する。また、支持部1は、外形をなす外枠11と、外枠11の内部に配され、前後及び左右方向に井桁を組んで物品を支持する前後桟12、及び左右桟13、を有し、必要に応じて中央桟14を有する。
図1に示すように、支持部1は、支柱2の上端部に接続されて設けられる。このような構成によって、図5に示すように、複数のネスティングラックXを上下方向に積み重ねたとき、下段側の支持部1と、上段側の連結枠3との隙間がなくなり、支持部1に物品を収納、又は取出す際に、連結枠3が邪魔になりにくく、作業がしやすくなる。
外枠11は、図1に示すように矩形断面の角柱状の部材が4本接続されて略長方形をなし、支持部1の概形を形成する。また、好ましくは外枠11が正方形をなす構成である。このような構成によって、複数のネスティングラックXを90度ずつ回転させ並列に並べて使用できる。
前後桟12、及び左右桟13は、外枠11に囲まれた内部において、外枠11のうち2本を繋ぐように、それぞれ前後方向と左右方向に接続される、矩形断面の角柱状の部材であり、井桁を組んで、支持部1で物品を支持できるようにする。好ましくは、前後桟12、及び左右桟13の上面と、外枠11の上面とが全て面一の構成である。このような構成によって、段差による物品の大きさの制限をなくせるほか、角を減らすことで応力集中を避け、支持する物品の荷重を分散しやすくなる。
中央桟14は、かつ支持部1の左右方向の中間若しくは前後方向の中間において、外枠11の何れか1辺に平行に設けられる、矩形断面の角柱状の部材(桟)である。図1、図3では、一例として中央桟14が、支持部1の左右方向の中間において、2本の前後桟12と平行に設けられる形態を示している。このような構成によって、支持部1の1辺に対し最大長さが半分以下である等の小さい物品を収納する場合でも、安定して支持することができる。
ここで、ネスティングラックXに収納する物品は、搬送を容易にするためにフォークリフト用のパレットYに載置され一体となっていることが多い。このパレットYは、図4に示すように、上下にデッキボードY1、すなわち物品を載せる載置板を備え、そのデッキボードY1の間にフォークリフトの爪を入れるための爪受部Y2を備える構成が一般的である。このようなパレットYの場合には中央桟14は必ずしも必須ではないが、デッキボードY1が片側のみに設けられているスキッドパレットや、耐久性が低く最低限の強度で製造されたワンウェイパレットを用いる場合は、支持部1が中央桟14を有することで、安定かつ安全に物品を支持することができる。
支柱2は、その上端部において支持部1に接続され、上下方向に伸びる矩形断面の角柱状の部材であり、ネスティングラックXの高さを決定する。また、支柱2は、左右で一対の前側支柱21と、同様に左右で一対の後側支柱22と、を有し、左右方向における双方の位置の差によってネスティングを可能にする。
図1に示すように、前側支柱21は、支持部1の左右の側面における最も前側に接続され、後側支柱22は、支持部1の下面における最も後方の左右寄り角部に接続される。このような構成によって、ネスティングラックXは前方が広く、後方が狭い構成となるため、ネスティングラックXを同じネスティングラックXの上から被せるように重ねて収納すること(ネスティング)が可能となる。
前側支柱21は、上端部から更に上方向に突き出す突出部211を有する。突出部211は、前側支柱21の上端面から上方向に向かって窄まる形状に設けられる突起であり、特に支持部1の上面と同一平面上に前側支柱21の上端面が設けられ、そこから突出する構成が好ましい。また、前側支柱21は、下端面に椀状或いは錐形に開けられた凹部である受け部を有し、突出部211を嵌入して受け止める。このような構成によって、図6に示すように、複数のネスティングラックXを上下方向に積み重ねる場合に、ネスティングラックX同士がずれ動かないように固定する。
また、突出部211の形状は、図1、図2、図3、図6、図7に示すように四角錐が好ましいが、三角錐、円錐、半分の楕円球、錐台など、他の形状であってもよい。
また、突出部211の形状は、図1、図2、図3、図6、図7に示すように四角錐が好ましいが、三角錐、円錐、半分の楕円球、錐台など、他の形状であってもよい。
後側支柱22は、その上端部に誘導板221を有する。誘導板221は、後側支柱22の後面側において、その上端部に接続され、そこから支持部1の上面より上にはみ出すように設けられる薄板状の当接部であり、図6に示すように複数のネスティングラックXを上下方向に積み重ねる場合に、上段のネスティングラックXの後方がずれないように抑える。また、ネスティングラックX同士の位置合わせ(即ち載置の際の上段ラックの誘導)にも用いられるほか、ネスティングラックXの背面に更にネスティングラックXを接触させて並列する場合に、当接部として支持部1や支柱2を保護する。
誘導板221は、支持部1の上面の高さに合わせて、自身の板厚の分だけ後方に出っ張る段差を設ける構成が好ましい。このような構成によって、ネスティングラックXの後面下部に薄板が設けられる場合にも対応できるほか、複数のネスティングラックXを上下方向に積み重ねる場合に、僅かな位置ずれであれば上段のネスティングラックXを受け止めることができる。
誘導板221は、支持部1よりも左右方向外側には張り出さない形状に設けられる。換言すれば、誘導板221は、左右方向について外側の面が、支持部1の左右方向の外面と同一平面上か、若しくはそれよりも左右方向内側に設けられる。このような構成によって、前側支柱21と左右方向において重複せず、ネスティングが可能となる。
また、誘導板221は、後側支柱22よりも左右方向内側に張り出す構成が好ましい。このような構成によって、誘導板221と後側支柱22、及び支持部1とが接続される面積を増やし、誘導板221の上部をより安定させることができる。
但し、誘導板221が左右方向内側に張り出す長さは、後側支柱22の左右方向の幅の半分程度が好ましい。このような構成によって、2枚の誘導板221の間の距離が狭くなり過ぎず、支持部1に物品を収納するのを阻害しない。
但し、誘導板221が左右方向内側に張り出す長さは、後側支柱22の左右方向の幅の半分程度が好ましい。このような構成によって、2枚の誘導板221の間の距離が狭くなり過ぎず、支持部1に物品を収納するのを阻害しない。
連結枠3は、図1に示すように、柱状又は板状の部材によって支柱2の下端部同士を左右と後方の三方で連結し、ネスティングラックXの下方の形状を決定する部分である。また、連結枠3は、前後連結枠31と、左右連結枠32と、を有する。
前後連結枠31は、前側支柱21と後側支柱22を、左側同士と右側同士のそれぞれで接続する、一対の角柱状の部材である。また、前後連結枠31は、前側支柱21の後面に接続され、後側支柱22とはそれぞれ左右方向の外側に接続される。これにより、支持部1の左右方向の側面よりも外側に前後連結枠31が設けられる構成となり、ネスティングが可能となる。
前後連結枠31は、その上面に載置部311を設ける。載置部311は、前後連結枠31の上面の、特に前側支柱21側に設けられる、上下方向の高さをもつ部材であり、図1には、一例として前後連結枠31と略同じ断面の短い角柱部材で設けられている。このような構成によって、前側支柱21と前後連結枠31とで形成される内角の補強となるほか、ネスティングラックX同士のネスティングの際に、上から被せたネスティングラックXの前側支柱21が、下のネスティングラックXの載置部311に載置され支えられる。
前後連結枠31は、後方の端部に当接板312を設ける。当接板312は、前後連結枠31の後端面から後側支柱22の後面にまたがって接続される平板状の当接部であり、前後連結枠31の上面からはみ出す高さを有する。このような構成によって、後側支柱22と前後連結枠31との接続部を補強するほか、複数のネスティングラックXを並列若しくは積み重ねる際に、支柱2を保護する。
当接板312が前後連結枠31の上面からはみ出す高さと、載置部311の上下方向の高さと、は同一となるように設けられる。このような構成によって、ネスティングラックX同士のネスティングの際に、上側のネスティングラックXは、下側のネスティングラックXの載置部311及び当接板312によって支持される。このとき、2つのネスティングラックXの支持部1の隙間が載置部311の高さの分だけ空いた状態となるため、ネスティングラックXを1つずつ搬送するとき、支持部1同士の隙間にフォークリフトの爪を挿入して、容易にネスティングラックXを持ち上げることができる。
左右連結枠32は、2本の後側支柱22の下端同士を接続する薄板(帯状)の部材であり、2本の後側支柱22の左右方向の幅と合わせて、支持部1の左右方向長さと略同一の長さに設けられる。また、左右連結枠32の下面は、図2、図6(a)に示すように、ネスティングラックXの下面、換言すればネスティングラックXが設置される設置面Gと同一平面上に設けられる。このような構成によって、最小限の部材でネスティングラックXの後方を形成することができる。また、支持部1が支柱2の上端部に接続される構成であることと合わせると、図6(a)に示すように、複数のネスティングラックXを積み重ねた際に、支持部1の上面と、左右連結枠32の下面が面接触する。
左右連結枠32の上下方向の厚みは、パレットYのデッキボードY1の厚み(板厚)以下に定められる。このような構成によって、ネスティングラックXの後方からでも、収納された物品をフォークリフトで容易に持ち上げ、搬送することができる。
左右連結枠32の上下方向の厚みについては、具体的な数値を設定する場合、20mm以下が好ましく、より好ましくは15mm以下、さらに好ましくは10mm以下である。この詳細は、以下にて説明する。
左右連結枠32の上下方向の厚みについては、具体的な数値を設定する場合、20mm以下が好ましく、より好ましくは15mm以下、さらに好ましくは10mm以下である。この詳細は、以下にて説明する。
ここで、図4(b)、図4(c)には、パレットYの各部の構成を示す。図4(b)に示すように、一般的なパレットYは、前述の通り上下にデッキボードY1を備え、そのデッキボードY1の間にフォークリフトの爪を入れるための爪受部Y2を備える。また、爪受部Y2は、その高さを決定する複数の桁部Y21と、フォークリフトの爪を挿入可能な差込口Y22と、を有する。また、デッキボードY1、及び爪受部Y2の上下方向の厚みは、JIS等の規格に合わせて定められる。
さらに、図6(b)、図6(c)には、左右連結枠32の上下方向の厚みと、パレットYとの寸法上の関係を示す。特に図6(b)は従来の逆ネスティングラックを積み重ね、パレットYを収納した際の後方部の連結梁付近の拡大図であり、図6(c)は本実施形態に係るネスティングラックXを積み重ね、パレットYを収納した際の左右連結枠32付近、すなわち図6(a)の〇で示す領域内の拡大図である。
ここにおいて、図6(c)内では、左右連結枠32は斜線部で示しており、図6(b)内では、従来の逆ネスティングラックのうち、本実施形態の左右連結枠32と対応する接続梁を斜線部で示している。
ここにおいて、図6(c)内では、左右連結枠32は斜線部で示しており、図6(b)内では、従来の逆ネスティングラックのうち、本実施形態の左右連結枠32と対応する接続梁を斜線部で示している。
図6(b)に示す従来の逆ネスティングラックでは、斜線部で示した連結梁は略正方形断面の角柱であり、その上下方向の高さによりパレットYの爪受部Y2の一部と重複している。これによりフォークリフトの爪を差込口Y22に挿入するのに十分な開口高さが確保できない。一方、図6(c)に示す本実施形態に係るネスティングラックXでは、左右連結枠32が薄板であるため、差込口Y22に重複せず、フォークリフトの爪を容易に差し込むことができる。
ここで、物流によく用いられる(物品の搬送に使用される)パレットYは、JIS規格(例えばJIS Z 0601)に基づいて寸法が決められており、デッキボードY1の板厚は、規格によって凡そ20mm~30mm前後に設定されていることが多い。このため、左右連結枠32の厚みは、図6(c)のように差込口Y22と干渉しない範囲、例えば前述の通り20mm以下等に設定される。
さらに、左右連結枠32の上下方向の厚みは、車輪が乗り越えることができる範囲で設定されることが好ましく、例として、10mm以下、より好ましくは6mm程度とする構成である。
このような構成によって、ネスティングラックX、及びパレットYの搬送に、ハンドリフトを使用する場合において、ハンドリフトの車輪が左右連結枠32を乗り越えることができる。これに加え、左右連結枠32事態の強度を保つことができる。
このような構成によって、ネスティングラックX、及びパレットYの搬送に、ハンドリフトを使用する場合において、ハンドリフトの車輪が左右連結枠32を乗り越えることができる。これに加え、左右連結枠32事態の強度を保つことができる。
このような左右連結枠32の構成によって、ネスティングラックXの前後に関係なくパレットYを容易に出し入れし、物品をフォークリフトで搬送することができる。また、ネスティングラックXの前後を考慮する必要がないため、フォークリフトでネスティングラックXを持ち上げたり、設置したりする際に、ネスティングラックXの前側と後側を行き来して回り込む必要もなくなり、作業の自由度を向上し、効率化することができる。
以上のように、ネスティングラックXは、後側からパレットYを出し入れ可能とするため、2本の後側支柱22の左右方向内側面間の距離は、パレットYの最長辺よりも長く空けて設けられる。特に既存の逆ネスティングラックよりも、ネスティングラックXは、全体が左右方向に支柱2の幅の2倍程度長くなるように構成されるのが好ましい。
以下、図面を用いて、本考案の実施の方法について詳述する。また、以下に示す実施の方法は一例であり、実施の方法はこれに限られず、順番は前後してもよい。
≪実施の方法≫
図5に示すように、本実施形態に係るネスティングラックXは、上部に設けられた支持部1に物品を載置し、必要に応じてさらに2つ目以降のネスティングラックXを積み上げて使用できる。
これにおいて、まず使用者は、フォークリフトを操縦してネスティングラックXを所望の位置に設置し、必要ならばその内部に物品を収納する。続いて使用者は、2つ目のネスティングラックXをフォークリフトで搬送し、1つ目のネスティングラックXの上に、突出部211と受け部を合わせて積み重ねる。さらに使用者は、下段のネスティングラックXの支持部1に、新たな物品を収納する。
図5に示すように、本実施形態に係るネスティングラックXは、上部に設けられた支持部1に物品を載置し、必要に応じてさらに2つ目以降のネスティングラックXを積み上げて使用できる。
これにおいて、まず使用者は、フォークリフトを操縦してネスティングラックXを所望の位置に設置し、必要ならばその内部に物品を収納する。続いて使用者は、2つ目のネスティングラックXをフォークリフトで搬送し、1つ目のネスティングラックXの上に、突出部211と受け部を合わせて積み重ねる。さらに使用者は、下段のネスティングラックXの支持部1に、新たな物品を収納する。
このとき、全ての作業がネスティングラックXの前側(正面)からできるとは限らず、図7(a)、図7(b)に示すように、ネスティングラックXの後側からフォークリフトでアプローチして作業する場合もある。このとき、左右連結枠32が所定の厚み以下であるため、物品と一体に設けられるパレットYも、ネスティングラックXの後側からフォークリフトで出し入れすることができる。
このほかの使用方法として、ネスティングされた状態の複数のネスティングラックXから、最上部のものを引き出して搬送する場合が想定される。このとき、使用者がフォークリフトでアプローチするのはネスティングラックXの後側(背面)となる。このため、左右連結枠32が薄板であって、パレットYの差込口Y22を塞がない構成により、ネスティングラックXの設置及び物品の搬送を同一方向からすることができる。
このような使用方法は、特に図7(a)、図7(b)に示すように、ネスティングラックXを壁際に設置する場合に有効となる。使用者は左右連結枠32の位置を考慮する必要がないため、後側からフォークリフトでネスティングラックXを持ち上げたまま壁に近づいてネスティングラックXの前側を壁に向けて設置することができ、更に、そこに物品(パレットY)を収納することができる。
このように、ネスティングラックXの後側から物品の出し入れが可能なため、使用者は、ネスティングラックXの後側から物品を収納し、その後ネスティングラックXの前側から物品を出す、又はその逆の流れで作業をすることもできる。
使用者は、ネスティングラックXを前後方向に複数並列させ、収納用長尺構造体として使用することもできる。図8(a)に示すように、ネスティングラックXの後側同士を合わせるか、或いは複数のネスティングラックXを同一の向きにして前後に並べた場合、その前後方向の中央付近に左右連結枠32が配される。これにおいても、左右連結枠32が薄板であることにより、図8(b)に示すように、複数のネスティングラックXにまたがる長尺の収容物品Z(図中網掛け部分)を、左右連結枠32の上に置いて収納することができる。
X ネスティングラック
1 支持部
11 外枠
12 前後桟
13 左右桟
14 中央桟
2 支柱
21 前側支柱
211 突出部
22 後側支柱
221 誘導板
3 連結枠
31 前後連結枠
311 載置部
312 当接板
32 左右連結枠
Y パレット
Y1 デッキボード
Y2 爪受部
Y21 桁部
Y22 差込口
Z 収容物品
G 設置面
1 支持部
11 外枠
12 前後桟
13 左右桟
14 中央桟
2 支柱
21 前側支柱
211 突出部
22 後側支柱
221 誘導板
3 連結枠
31 前後連結枠
311 載置部
312 当接板
32 左右連結枠
Y パレット
Y1 デッキボード
Y2 爪受部
Y21 桁部
Y22 差込口
Z 収容物品
G 設置面
Claims (5)
- 複数の支柱と、前記支柱を下端部で連結する連結枠と、物品を支持可能な支持部と、を備えるネスティングラックであって、
前記連結枠は、左右方向に伸びる左右連結梁を有し、
前記左右連結梁は、その下面が設置面と同一平面上に設けられており、上下方向の厚みが、物品の搬送に使用されるパレットにおける載置板の厚み以下である、ネスティングラック。 - 前記支柱、および前記連結枠は、当接部を有する、
請求項1に記載のネスティングラック。 - 前記支持部は、前記支柱の上端部に接続されている、
請求項1に記載のネスティングラック。 - 前記支持部は、前後方向、若しくは前記左右方向の少なくとも何れかの中央に、桟を有する、
請求項3に記載のネスティングラック。 - 請求項1乃至3の何れかに記載のネスティングラックが、前後方向に接続された、収納用長尺構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2023003988U JP3245169U (ja) | 2023-11-02 | 2023-11-02 | ネスティングラック、及びネスティングラックを組み合わせた収納用長尺構造体 |
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JP2023003988U JP3245169U (ja) | 2023-11-02 | 2023-11-02 | ネスティングラック、及びネスティングラックを組み合わせた収納用長尺構造体 |
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Family Applications (1)
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- 2023-11-02 JP JP2023003988U patent/JP3245169U/ja active Active
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