JP3980878B2 - 一体成形パレット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、フォークリフトのフォークを挿入するためのフォーク挿入孔を備え、瓦等の積載物を運搬するために使用される一体成形パレットに関するものである。より詳しくは、合成樹脂により一体成形されるとともに、フォーク挿入孔内へのフォークの挿脱により桁間に架設された桟が破壊され難くなるように構成された一体成形パレットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種のパレットとしては、合成樹脂により直方体状に一体成形された片面使用4方差しの合成樹脂製パレットが知られている。この合成樹脂製パレットは、各コーナ部に隅部桁が立設されているうえ、縦横に隣接する隅部桁間の中央、すなわちパレットの各側部中央位置に中間桁が立設され、さらに対向する中間桁間の中央、すなわちパレットの中心部に中央桁が立設されている。さらに、これら隣接する桁の上下端部間には、水平方向に延びる上下一対の上部桟及び下部桟が架設されており、それら桁及び桟によりフォーク挿入孔が形成されるようになっている。
【0003】
隣接する隅部桁と中間桁との間には、フォーク挿入孔の開口部を構成する上下一対の側部上部桟及び側部下部桟が設けられ、上型、下型及びスライドコアからなる成形用金型によって一体成形されるようになっている。一方、隣接する中間桁と中央桁との間には、フォーク挿入孔を構成する上下一対の中央部上部桟及び中央部下部桟が設けられている。これら中央部上部桟及び中央部下部桟は、上下に重なり合わない位置に形成されており、上型と下型とからなる上下一対の成形用金型により一体成形することができるように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来のパレットでは、フォークリフト又はハンドリフトのフォークをフォーク挿入孔内に挿入する際に、フォークの先端又はハンドリフトの車輪が、外部からは目視し難い中央部下部桟に勢いよくぶつかってしまいやすかった。このため、中央部下部桟の端部と桁の外壁との間の接合部に強い衝撃力が加わって破壊されやすく、パレットの寿命を著しく短縮してしまう結果となるケースが極めて多かった。
【0005】
この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、極めて簡単な構成で、軽量化を図りつつ、フォーク挿入孔内へのフォークの挿脱による桟の破壊を容易に防止することができるように構成された一体成形パレットを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の一体成形パレットの発明は、四角筒状に形成された中央桁及び中間桁を備えるとともに、上部桟及び下部桟により、中央桁と、その中央桁に隣接する中間桁との間を連結してフォーク挿入孔を形成させるように構成した、上下金型によって一体成形された一体成形パレットであって、前記中央桁の内部に桁内を分割しながら補強するように構成された桁内仕切板を設けるとともに、前記隣接する桁間を複数の下部桟からなる下部デッキにより連結するとともに、その下部デッキを構成する下部桟のうち最も高さが低い下部桟の端部と、中央桁の外壁とが接合する接合部を肉厚に形成し、前記接合部が形成される下部桟は、中央桁から該中央桁の内側へは延設されることなく中間桁の外壁へ向けてのみ延設されることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
図2に示すように、一体成形パレット11は、合成樹脂により直方体状(平面正方形状)に一体形成されているうえ、片面使用4方差しの構成となっている。すなわち、このパレット11には、フォークリフト及びハンドリフトのフォークを挿入するためのフォーク挿入孔12が合計4個(2対)設けられている。さらに、このパレット11の上端面には、水平方向に略格子状に延びる多数のリブにより四角板状に形成された上面デッキ13が設けられている。そして、このパレット11は、前記上面デッキ13上に図示しない載置物を載置した状態で、その一側部に開口された左右一対のフォーク挿入孔12内にフォークリフト又はハンドリフトのフォークを挿入して運搬するように構成されている。
【0013】
図1及び図2に示すように、パレット11の各コーナ部には、四角筒状に形成された隅部桁21が立設されている。隣接する隅部桁21間の中央位置、すなわちパレット11の各側部中央には、四角筒状に形成された中間桁22が立設されている。対向する各一対の中間桁22の中央位置、すなわちパレット11の中央(中心部)には、四角筒状に形成された中央桁23が立設されている。これら隅部桁21、中間桁22及び中央桁23は、パレット11においてフォーク挿入孔12を開口させつつ、上面デッキ13を所定高さに支持している。
【0014】
図3(a)に示すように、中間桁22は、四角筒状に形成されているうえ、その内部には中間桁22の対向する側部間を縦横に繋ぐ桁内仕切板としての一対の中間桁内仕切板26が設けられている。これら中間桁内仕切板26は、中間桁22の各側部内側面中央位置から突設されているうえ、その上下端縁は中間桁22の上下端面に沿って延設されている。そして、これら中間桁内仕切板26により、中間桁22の内部は平面十字状に仕切られている。
【0015】
図3(b)に示すように、中央桁23は、四角筒状に形成されているうえ、その内部には中央桁23の対向する側部間を縦横に繋ぐ桁内仕切板としての一対の中央桁内仕切板27が設けられている。これら中央桁内仕切板27は、中央桁23の各側部内側面中央位置から突設されているうえ、その上下端縁は中央桁23の上下端面に沿って延設されている。そして、この中央桁23の内部は、中央桁内仕切板27によって平面十字状に仕切られている。
【0016】
図1及び図2に示すように、隅部桁21と中間桁22との間には、両桁21,22の上端部間を連結するように水平方向に延びる複数の側部上部桟31(図中では9本)が架設されており、上面デッキ13の側部(周縁部)を構成している。これら側部上部桟31の下方位置には、両桁21,22の下端部間を連結するように水平方向に延びる複数の側部下部桟32(図中では8本)が架設されており、両桁21,22の下端部間を連結する長四角板状(側断面台形状)の下部周縁デッキ33を形成している。そして、これら隅部桁21、中間桁22、側部上部桟31及び側部下部桟32により、パレット11の各側部にはフォーク挿入孔12の開口部を構成するフォーク挿入口12aが形成されている。
【0017】
中間桁22と中央桁23との間には、両桁22,23の上端部間を連結するように水平方向に延びる上部桟としての複数の中央部上部桟36(図中では8本)が架設されている。隣接する2本の中央部上部桟36の上端部間には、水平方向に延びる水平部36aが架設されており、それら水平部36aによって上面デッキ13の中央部を構成している。これら中央部上部桟36の下方位置には、両桁22,23の下端部間を連結するように水平方向に延びる下部桟としての複数の中央部下部桟37(図中では7本)が架設されており、両桁22,23の下端部間を連結する長四角板状(側断面台形状)の下部中央デッキ38を形成している。これら中央部上部桟36及び中央部下部桟37は、いずれも鉛直方向に延びる長四角板状に形成されているうえ、平面から見たとき両桁22,23間を最短距離で結ぶ直線に沿って互いに平行に延びるように架設されている。
【0018】
そして、これら中間桁22、中央桁23、中央部上部桟36及び中央部下部桟37により、パレット11の中央部には、前記フォーク挿入口12aから水平方向に延びるフォーク挿入孔12が形成されている。また、このパレット11の下面には、隣接する桁21,22,23間を縦横に繋ぐ下部周縁デッキ33及び下部中央デッキ38により、底面格子状(田字状)に形成された下面デッキのデッキ面が形成されている。
【0019】
図1(b)に示すように、中間桁22と中央桁23との間を繋ぐ下部中央デッキ38の両側部(外側部)は、その中央部と比べて低くなる側断面台形状に形成されている。すなわち、この下部中央デッキ38は、中央部に設けられた5本の中央部下部桟37の高さよりも両側部に設けられた左右一対の中央部下部桟37aの高さが低くなるように構成されている。さらに、前記中央部下部桟37aの上端縁と、その中央部下部桟37aに内方側に隣接する中央部下部桟37cの上端縁との間には、内方側ほど高くなるテーパ形状に形成された連結板としての傾斜板41が架設されており、ハンドリフトの車輪が下部中央デッキ38を円滑に乗り越えられるようになっている。
【0020】
一方、下部中央デッキ38の中央部に位置する3本の中央部下部桟37の上端部には、水平方向に延びる水平部37bが架設されており、それら中央部下部桟37の強度を高めるとともに、ハンドリフトの車輪が滑らかに下部中央デッキ38上を乗り越えられるようになっている。また、下部中央デッキ38の両側部に位置する各一対の中央部下部桟37a,37cの対向する側面間には、中央部下部桟37の長手方向と直交するとともに鉛直方向に延びるように設けられた連結リブ42が架設されており、下部中央デッキ38の強度を高めることができるように構成されている。
【0021】
図3(a)及び(b)に示すように、前記下部中央デッキ38の両側部(外側部)に設けられた左右一対の中央部下部桟37aの両端部には、中間桁22又は中央桁23の外壁下端部と接合する位置に平断面略L字状に形成された肉厚部43が設けられている。この肉厚部43は、ハンドリフトの車輪等により下部中央デッキ38の外側方から内側方へ向かって加えられる衝撃に対し、中央部下部桟37aの変形及び破壊を防止してパレット11を補強することができるように構成されている。この肉厚部43は、中央部下部桟37aの両端縁に沿って上下方向に延びるように延設されているうえ、底面から見たとき中央部下部桟37aの端部内側面と桁22,23の外側面との間を滑らかに繋ぐように接合している。
【0022】
さらに、この肉厚部43の外面は、平断面円弧状に切り欠かれるように形成されている。前記肉厚部43の平断面円弧状に形成された外面を構成する円弧の半径としては、好ましくは4〜10mm、より好ましくは4〜6mm、最も好ましくは5mm程度である。この肉厚部43の外面を半径4mm未満の平断面円弧状に形成した場合には、肉厚部43を構成する合成樹脂量が少ないことから、中央部下部桟37aの端部と桁22,23の外壁との間の接合部を十分に補強することができない。逆に肉厚部43の外面を半径10mmを越える平断面円弧状に形成した場合には、射出成形後の肉厚部43にヒケが生じたり、肉厚部43が肉団子状の塊となってしまったりする等の金型成形上の不具合が発生するおそれがある。
【0023】
次に、上記一体成形パレット11の作用について説明する。
このパレット11は、図1(a)に示されるように、中央部上部桟36と中央部下部桟37とが上下に重なり合わない位置に設けられており、フォーク挿入口12aの上下端部を構成する側部上部桟31及び側部下部桟32を除いて、上型と下型とからなる上下一対の成形用金型を用いて射出成形することができる。なお、側部上部桟31及び側部下部桟32の成形においては、前記上型及び下型に加えて別途スライドコアが用いられる。
【0024】
さて、このパレット11は、その一側部に開口された左右一対のフォーク挿入口12aからフォーク挿入孔12内へとフォークリフト又はハンドリフトの左右一対のフォークを挿入した後、それらフォークを所定高さに持ち上げて運搬される。このとき、外部からは目視し難いことから、前記フォークの先端が下部中央デッキ38の中央部下部桟37aの外側面に勢いよくぶつかってしまうケースが多い。また、ハンドリフトを用いる場合には、重量の大きなハンドリフトの車輪を地面と下部中央デッキ38との間の段差を乗り越えさせるためにハンドリフトを強い力で勢いよく押す必要があり、必然的にハンドリフトの車輪が中央部下部桟37aの外側面に勢いよくぶつかってしまう。
【0025】
このとき、前記中央部下部桟37aは、フォークの先端又はハンドリフトの車輪から加えられる一過性の強い衝撃を受ける。一方、中間桁22及び中央桁23は、いずれも内部に桁内仕切板26,27が設けられることにより分割補強されており、それらの壁面が前記衝撃を吸収する作用はほとんどない。このため、前記衝撃は、中央部下部桟37aの端部と桁22,23の壁面との境に位置する接合部に集中的に伝えられ、桁22,23の外壁から中央部下部桟37aをもぎ取って分離させようとする。しかしながら、前記中央部下部桟37aの両端部に設けられた肉厚部43は、前記中央部下部桟37aに伝えられた衝撃力を受ける最も弱い根元位置を補強するように設けられていることから、桁22,23の壁面から中央部下部桟37aがもぎ取られるのを防止するように作用する。
【0026】
また、この作用は、フォーク挿入孔12内からフォークを抜き出す際にも全く同様に働く。一方、前記肉厚部43は、冬季に頻発する樹脂成形品に対するクラックの発生についても極めて効果的に防止し、中央部下部桟37aの根元にひびが入るのを防止してパレット11を長期間に渡って不具合なく使用することを可能にする。
【0027】
次に、上記実施形態によって発揮される効果について説明する。
・ 実施形態の一体成形パレット11は、合成樹脂により一体成形されるとともに、四角筒状に形成された中央桁23及び中間桁22を備えている。さらに、中央部上部桟36及び中央部下部桟37により、中央桁23とその中央桁23に隣接する中間桁22との間を連結してフォーク挿入孔12を形成させるように構成されている。加えて、中央桁23の内部には桁23内を分割しながら補強するように構成された中央桁内仕切板27が設けられているうえ、中央部下部桟37aの一端部と中央桁23の外壁とが接合する一方の接合部が肉厚となるように形成されている。
【0028】
このため、このパレット11は、強度的に最も弱い中央部下部桟37aの端部を肉厚に成形するのみの極めて簡単な構成を付加することにより、フォーク挿入孔12内へのフォークの挿脱時に頻発する中央部下部桟37aの破壊を容易に防止することができる。さらに、前記中央部下部桟37aの端部を肉厚にする際に必要となる合成樹脂の増加量は極めて少量であることから、パレット11の軽量化を十分に図ることが可能である。
【0029】
加えて、このパレット11では、前記中央部下部桟37aの他端部と中間桁22の外壁とが接合する他方の接合部も肉厚となるように形成されていることから、強度的に最も弱い中央部下部桟37a全体の強度を容易に高めることができる。
【0030】
・ このパレット11は、中央部下部桟37aの一端部と中央桁23の外壁とが接合する一方の接合部を、中央部下部桟37aの一端縁に沿って上下方向に延びる平断面略L字状に形成された肉厚部43により構成するとともに、その肉厚部43の外面を半径4〜10mmの平断面円弧状に切り欠くように形成されている。このため、パレット11の射出成形時における成形不良を著しく低減させつつ、フォークの先端又はハンドリフトの車輪によって中央部下部桟37aに加えられる衝撃に対し、極めて頑強に受け止めることができる。
【0031】
特に、樹脂成形品(パレット)の分野においては、壁面と垂直に延びるように突設されたリブの基端部(根元)外面は、半径が2〜3mm程度の平断面円弧状に切り欠かれるように形成されるのが一般的である。つまり、半径3mm以下の平断面円弧状に切り欠かれた基端部を有するリブであっても、様々な方向から加えられる衝撃や荷重に対し必要かつ十分な強度を発揮することができることから、本実施形態の肉厚部43はその強度をはるかに上回る過剰な程の高い強度を発揮するものである。
【0032】
加えて、このパレット11では、中央部下部桟37aの他端部と中間桁22の外壁とが接合する他方の接合部にも、中央部下部桟37aの他端縁に沿って上下方向に延びる平断面略L字状に形成された肉厚部43が形成されている。さらに、前記肉厚部43の外面が半径4〜10mmの平断面円弧状に切り欠くように形成されている。このため、強度的に最も弱い中央部下部桟37a全体の強度を容易に高めることができる。
【0033】
・ このパレット11は、隣接する桁22,23間を複数の中央部下部桟37からなる下部中央デッキ38により連結するとともに、その下部中央デッキ38の両側部(外側部)に位置する中央部下部桟37aの一端部と、中央桁23の外壁とが接合する一方の接合部に肉厚部43が設けられている。このため、フォークの先端又はハンドリフトの車輪が最も頻繁にかつ勢いよくぶつかる前記中央部下部桟37aが肉厚部43により補強されていることから、極めて簡単な構成で、軽量化を図りつつ、フォーク挿入孔12内へのフォークの挿脱による中央部下部桟37aの破壊を容易に防止することができる。従って、下部中央デッキ38の破壊を容易に防止することができるうえ、パレット11の寿命を延命させることが容易である。
【0034】
さらに、このパレット11では、前記中央部下部桟37aの他端部と中間桁22の外壁とが接合する他方の接合部も肉厚となるように形成されていることから、強度的に最も弱い中央部下部桟37a全体の強度を容易に高めることができる。
【0035】
・ このパレット11は、隣接する桁22,23間を複数の中央部下部桟37からなる下部中央デッキ38により連結するとともに、四角筒状に形成された中央桁23のコーナ部に最も近くに位置する中央部下部桟37aの一端部と、中央桁23の外壁とが接合する一方の接合部に肉厚部43が設けられている。このため、フォークの先端又はハンドリフトの車輪が最も頻繁にかつ勢いよくぶつかる前記中央部下部桟37aが肉厚部43により補強されていることから、極めて簡単な構成で、軽量化を図りつつ、フォーク挿入孔12内へのフォークの挿脱による中央部下部桟37aの破壊を容易に防止することができる。従って、下部中央デッキ38の破壊を容易に防止することができるうえ、パレット11の寿命を延命させることが容易である。
【0036】
さらに、このパレット11では、前記中央部下部桟37aの他端部と中間桁22の外壁とが接合する他方の接合部も肉厚となるように形成されていることから、強度的に最も弱い中央部下部桟37a全体の強度を容易に高めることができる。
【0037】
・ このパレット11は、隣接する桁22,23間を複数の中央部下部桟37からなる下部中央デッキ38により連結するとともに、その下部中央デッキ38を構成する中央部下部桟37のうち最も高さが低い中央部下部桟37aの一端部と、中央桁23の外壁とが接合する一方の接合部に肉厚部43が設けられている。このため、フォークの先端又はハンドリフトの車輪が最も頻繁にかつ勢いよくぶつかる前記中央部下部桟37aが肉厚部43により補強されていることから、極めて簡単な構成で、軽量化を図りつつ、フォーク挿入孔12内へのフォークの挿脱による中央部下部桟37aの破壊を容易に防止することができる。従って、下部中央デッキ38の破壊を容易に防止することができるうえ、パレット11の寿命を延命させることが容易である。
【0038】
さらに、このパレット11では、前記中央部下部桟37aの他端部と中間桁22の外壁とが接合する他方の接合部も肉厚となるように形成されていることから、強度的に最も弱い中央部下部桟37a全体の強度を容易に高めることができる。
【0039】
なお、本実施形態は次のように変更して具体化することも可能である。
・ パレット11を両面使用2方差し、片面使用2方差し又は両面使用4方差しの構成としてもよい。なお、前記2方差しの構成とする場合には、パレット11の上面デッキ13の下端部には、いずれも同方向に平行に延びる平面長方形状に形成された3本の桁が設けられ、平断面「川」字状に形成される。そして、前記上面デッキ13の中央部に位置する中央桁23の中央部と、両側部に位置する隅部桁としての左右一対の隅部桁の中央部とを、中央桁23と直交方向に延びる中央部上部桟36及び中央部下部桟37によって架設するように構成される。さらに、前記中央部下部桟37の端部と、中央桁23の外壁とが接合する接合部に上記肉厚部43が設けられるように構成され、好ましくは前記中央部下部桟37の両端部と、中央桁23及び前記隅部桁の外壁とが接合する対向する一対の接合部に肉厚部43が設けられるように構成される。
【0040】
・ 肉厚部43を例えば平断面三角形状に形成してもよい。
・ 中央部下部桟37aの一端部に一対の肉厚部43を設けること。すなわち、下部中央デッキ38の外側部に位置する中央部下部桟37aの一端部内側面に設けられた上記肉厚部43に加え、図3(b)の右下に2点差線で示されるように同中央部下部桟37aの一端部外側面にも肉厚部43aを設けること。このように構成した場合、中央部下部桟37aの強度をより一層高めることができる。
【0041】
・ 肉厚部43を下部中央デッキ38の中央部に位置する中央部下部桟37の一端部又は両端部に設けてもよい。なおこのとき、中央部下部桟37aに設けられた肉厚部43を省略しても構わない。
【0042】
すなわち、例えば、図3(b)に示されるように、中央部下部桟37aに隣接する中央部下部桟37c、又はその中央部下部桟37cの内側方に隣接する中央部下部桟37dの一端部又は両端部に肉厚部43を設けてもよい。また、両中央部下部桟37dの間に位置する中央部下部桟37の一端部又は両端部に肉厚部43を設けても構わない。
【0043】
特に、前記中央部下部桟37aの両端部及び中央部下部桟37cの両端部に肉厚部43を設けるのが好ましい。このように構成した場合には、フォーク又はハンドリフトの車輪によって加えられる衝撃を、前記傾斜板41及び連結リブ42を介して、前記2本の中央部下部桟37a,37cと、それら中央部下部桟37a,37cの両端部の肉厚部43とにより一体的に受け止めることができる。
【0044】
・ 肉厚部43を、パレット11の中央部に位置する側部下部桟32(パレット11の外側縁に沿って延びる(最も外端部に位置する)側部下部桟32を除く)に設けてもよい。また、肉厚部43を、パレット11の中央部に位置する側部上部桟31(パレット11の外側縁に沿って延びる(最も外端部に位置する)側部上部桟31を除く)に設けても構わない。また、肉厚部43を中央部上部桟36に設けても構わない。
【0045】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記桁内仕切板の両側部を桁の壁面に接合させるとともに、同桁内仕切板の上下端部を桁の上下端部まで延びるように形成したことを特徴とする請求項1に記載の一体成形パレット。このように構成した場合、桁内仕切板が上面デッキから下部デッキまで到達する高いリブによって構成されていることから、桁の強度を著しく高めることができる。
【0046】
・ 前記桁内仕切板の両側部を桁の対向する壁面に接合させるとともに、同桁内仕切板の上下端部を桁の上下端部まで延びるように形成したことを特徴とする請求項1に記載の一体成形パレット。このように構成した場合、桁内仕切板が上面デッキから下部デッキまで到達するとともに、桁の対向する壁面に接合されていることから、桁の強度を著しく高めることができる。
【0047】
・ 前記中央桁に隣接する桁の内部に、桁内を分割しながら補強するように構成された桁内仕切板を設けたことを特徴とする請求項1に記載の一体成形パレット。
【0048】
・ 前記下部桟の両端部と桁の外壁とが接合する対向する一対の接合部を肉厚に形成したことを特徴とする請求項1に記載の一体成形パレット。
【0049】
・ 前記中央桁に隣接する桁の内部に、桁内を分割しながら補強するように構成された桁内仕切板を設けるとともに、前記下部桟の両端部と桁の外壁とが接合する対向する一対の接合部を肉厚に形成したことを特徴とする請求項1に記載の一体成形パレット。
【0050】
・ 前記端部が肉厚に形成された下部桟と、その下部桟に隣接する下部桟との間に連結板を設けたことを特徴とする請求項1に記載の一体成形パレット。
【0051】
・ 前記最も高さが低い下部桟の上端縁から、その下部桟に隣接する下部桟の上端縁に向かって斜め上方に延びる傾斜板を設けたことを特徴とする請求項1に記載の一体成形パレット。
【0052】
・ 前記端部が肉厚に形成された下部桟の一側面と、その下部桟に隣接する下部桟の対向する側面との間に連結リブを設けたことを特徴とする請求項1に記載の一体成形パレット。
【0053】
・ 前記上部桟の上面に載置物を載置するための上面デッキを設けるとともに、フォーク挿入孔を4個設け、片面使用4方差しの構成としたことを特徴とする請求項1に記載の一体成形パレット。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明の一体成形パレットによれば、極めて簡単な構成で、軽量化を図りつつ、フォーク挿入孔内へのフォークの挿脱による桟の破壊を容易に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は実施形態の一体成形パレットの一部を示す底面図、(b)は図1(a)の1b−1b線から見た一体成形パレットを示す側断面図。
【図2】 実施形態の一体成形パレットを示す斜視図。
【図3】 (a)は実施形態の一体成形パレットの中間桁を示す底面図、(b)は同じく中央桁を示す底面図。
【符号の説明】
11…一体成形パレット、12…フォーク挿入孔、22…中間桁、23…中央桁、27…桁内仕切板としての中央桁内仕切板、36…上部桟としての中央部上部桟、37,37a,37c,37d…下部桟としての中央部下部桟、38…下部デッキとしての下部中央デッキ、43,43a…肉厚部。
Claims (1)
- 四角筒状に形成された中央桁及び中間桁を備えるとともに、
上部桟及び下部桟により、中央桁と、その中央桁に隣接する中間桁との間を連結してフォーク挿入孔を形成させるように構成した、上下金型によって一体成形された一体成形パレットであって、
前記中央桁の内部に桁内を分割しながら補強するように構成された桁内仕切板を設けるとともに、
前記隣接する桁間を複数の下部桟からなる下部デッキにより連結するとともに、
その下部デッキを構成する下部桟のうち最も高さが低い下部桟の端部と、中央桁の外壁とが接合する接合部を肉厚に形成し、前記接合部が形成される下部桟は、中央桁から該中央桁の内側へは延設されることなく中間桁の外壁へ向けてのみ延設されることを特徴とする一体成形パレット。
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