明 細 書 光学成形品用着色マスタ一ペレツトおよび着色された光ディスク基板 発明の詳細な説明
発明の属する技術分野
本発明は、 着色された光学成形品を得るための着色マスターペレツトに関する ものである。 さらに詳しくは意匠性に優れ、 且つその種類や用途を瞬時に判断す ることができる着色された光学成形品を得るための着色マスタ一ペレツトに関す る。 すなわち退色現象、 色ムラおよび色スジが少なく、 その上電気特性 (例えば 情報の書き込みおよび読み取り特性) の優れた着色した光学成形品を得ることが 可能な着色マスターペレツトに関する。
本明細書において、 "着色マスターペレット'' とは、 着色剤を含有するペレツ トであって、 透明 (着色剤を含有しない) ペレットと混合して溶融成形し、 着色 光学成形品を得るためのペレツトを意味する。 従って着色マスターペレツトは、 それ自体を溶融成形して着色光学成形品を得る目的のためには使用されない。 ま た "着色マスタ一組成物" とは、 着色剤を含有する樹脂組成物であって、 着色マ スターペレツトの成形に使用される樹脂組成物をいう。
さらに "全着ペレット" とは、 着色剤を含むペレットであって、 それ自体を溶 融成形して (透明ペレットと混合しないで溶融成形して) 着色光学成形品を得る ために使用するペレツトをいう。 従来の技術
従来光記録媒体に着色を行う方法としては、 全着ペレツトを用いた特開平 1一 1 0 2 5 0 5号公報には、 特定染料からなるオレンジ色の光記録媒体が、 特開平 2 - 3 3 7 4 2号公報および特開平 8— 1 2 4 2 1 2号公報には黒色の光記録媒 体が提案されている。 また、 特開平 7— 2 6 2 6 0 6号公報には、 極低濃度の着 色マスタ一ペレットを用いた着色光ディスクが提案されている。 ここで "極低濃
度" とは、 着色剤の含有割合が極めて少ない濃度を意味する。
一方、 特公平 6— 1 8 8 9 0号公報にはペレツト中の微粉末量をコントロール することで光ディスク製造時のシルバ一発生を抑える方法が記載されている。 ま た、 特開平 1 1— 3 4 2 5 1 0号公報には微粉末含量の少ないペレットを用いた 光ディスクの電気特性が良好であることが記載されている。
しかしながら、 光学用成形品を得るための着色濃度が比較的高い着色マスター ペレツ卜では、 透明ペレット、 全着ペレットや極低濃度の着色マスタ一ペレット より着色ペレツトの分級および微粉末の影響が大きく、 透明ペレツ卜と混合して 光ディスク等の光学用成形品を成形した時、 退色現象、 色ムラおよび色スジの発 生、 電気特性の低下等が起こる新たな課題が発生した。
一方、 上記公報記載の透明ペレット、 全着ペレットや極低濃度の着色マスタ一 ペレツトでは、 着色マス夕一ペレツト化による上記課題を解決するには十分なも のではなかった。 発明が解決しょうとする課題
本発明は、 意匠性に優れ、 且つその種類、 用途などが瞬時に判断しうる着色光 ディスク基板等の光学成形品を成形した際に退色現象、 色ムラ、 色スジ等が少な く、 また電気特性の良好な着色光学成形品を得ることができる着色マスタ一ぺレ ットに関する。 特にレーザー光によって光学的に情報信号の読み取りを行う光デ イスクを得るのに適した着色マスターペレツトを提供することを目的とするもの である。 本発明者らはかかる目的を達成するため鋭意研究した結果、 特定の要件 を満足する着色マスターペレツトが本発明の目的を達成できるものであることを 見出し、 本発明を完成するに至った。
すなわち、 本発明者らの研究によれば、 着色マスターペレットを透明ペレット と混合して溶融成形し光学成形品を製造した場合、 色ムラおよび色スジの発生の 原因並びに情報信号の書き込みと読み取りの信頼性の低下の原因について解析し た。 その結果、 着色マスタ一ペレット中の個々のペレットにおける着色剤の濃度 のバラツキが 1つの原因であることおよびその個々のペレツトにおける着色剤の
濃度のバラツキを一定水準以下とすることにより、 色ムラおよび色スジの発生が 極めて抑制でき、 かつ情報信号の書き込みと読み取りの信頼性が高度に保持され た着色光学成形品が得られることが判明した。
さらに本発明者らの研究によれば、 個々のペレツト間の着色剤の濃度のバラッ キを一定水準以下とした着色マスターペレットを得るとともに、 さらに下記 (1) 〜 (2) の要件のいずれかを満足する着色マスターペレットは、 着色光学 成形品、 殊に着色光ディスク基板を得るための極めて優れた特性を有することが 判明した。
(1) ペレットの所望する形状よりも、 粒径が 2. 0mm以下、 特に 1. 0mm 以下の小さい形状の粉体の含有量が一定割合以下であること。
(2) ペレット中に包含される異物の個数が少ないこと。 課題を解決するための手段
本発明は、 前記知見に基いて到達されたものであり、 本発明によれば、 着色剤 (B成分) を含有する透明な熱可塑性樹脂 (A成分) よりなる着色組成物より形 成された着色マスターペレツトであって、 個々のペレツ卜における着色剤の濃度 を吸光度で表して、 その平均値を Xとしたとき、 0. 5X〜: L. 5Xの範囲を満 足する着色剤濃度を有するペレツトの数の割合が少なくとも 90 %である光学成 形品のための着色マスターペレツトが提供される。
本発明でいう光学成形品とは、 レンズ、 光カード、 光ファイバ一、光ディスク 等であり、 特に光ディスクが好適である。 かかる光ディスクとは、 いわゆるレ一 ザ光の照射により情報の記録 ·再生をおこなう光ディスクである。 具体的な例と しては、 デジタルオーディオディスク (いわゆるコンパクトディスク: CD)、 CD-ROM, 光学式ビデオディスク (いわゆるレーザディスク) や DVD— R OM、 デジタルビデオディスク (DVD— v i de o)、 DVD-R, CD-R, MO、 MD— MO、 PD、 DVD— RAM等の各種再生専用型ディスク、 追記型 ディスク、 光磁気ディスク、 相変化ディスク等が実用化されている。 本発明の着 色マスタ一ペレトは、 特に DVD— ROM、 DVD— v i de o、 DVD-R,
D VD—RAM等で代表される高密度光ディスクであるデジタルバーサタイルデ イスクの製造に有用であり適している。 さらに C D—Rおよび D VD— Rに最も 好適である。
本発明の A成分である熱可塑性樹脂としては、 芳香族ポリ力一ポネート樹脂、 非晶性ポリオレフイン樹脂、 アクリル樹脂、 水添ポリスチレン樹脂、 非晶性ポリ エステル樹脂、 非晶性ポリアリレート樹脂などから選択される熱可塑性樹脂を好 ましく挙げることができ、 より好ましくは芳香族ポリカーボネート樹旨、 または 非晶性ポリオレフイン樹脂である。 非晶性ポリオレフイン樹脂としては、 三井化 学 (株) 製の A P O樹脂、 J S (株) 製のアートン、 日本ゼオン (株) 製のゼ ォネックス、 ゼォノア、 ダウ社の H P S樹脂等を挙げることができる。 特に芳香 族ポリカーボネート樹脂が好ましい。
以下に本発明の A成分として好適な芳香族ポリ力一ポネート樹脂の詳細につい て説明する。 本発明で使用する芳香族ポリカーボネート樹脂とは、 通常二価フエ ノールと力一ポネ一ト前駆体とを界面重縮合法、 溶融エステル交換法で反応させ て得られたものの他、 カーボネートプレボリマーを固相エステル交換法により重 合させたもの、 または環状カーボネート化合物の開環重合法により重合させて得 られるものである。
ここで使用される二価フエノールの代表的な例としては、 ハイドロキノン、 レ ゾルシノール、 4, 4 ' —ジヒドロキシジフエニル、 ビス (4—ヒドロキシフエ ニル) メタン、 ビス { (4ーヒドロキシ一 3, 5—ジメチル) フエ二ル} メタン、 1 , 1—ビス (4—ヒドロキシフエニル) ェタン、 1, 1—ビス (4—ヒドロキ シフエ二ル) 一 1一フエニルェタン、 2, 2—ビス (4—ヒドロキシフエニル) プロパン (通称ビスフエノール A)、 2 , 2—ビス { (4ーヒドロキシー 3—メチ ル) フエ二ル} プロパン、 2, 2—ビス { ( 4ーヒドロキシ一 3, 5—ジメチ ル) フエ二ル} プロパン、 2, 2—ビス { ( 3—イソプロピル— 4—ヒドロキ シ) フエ二ル} プロパン、 2 , 2—ビス { ( 4—ヒドロキシー 3—フエニル) フ ェニル } プロパン、 2, 2—ビス (4—ヒドロキシフエニル) ブタン、 2, 2— ビス (4—ヒドロキシフエニル) —3—メチルブタン、 2 , 2—ビス (4—ヒド
ロキシフエ二レ) 一3, 3—ジメチ Λ ^ブタン、 2, 4—ビス (4ーヒドロキシフ ェニル) 一 2—メチルブタン、 2, 2—ビス (4—ヒドロキシフエ二レ) ペン夕 ン、 2, 2 -ビス (4—ヒドロキシフエニル) 一 4—メチリレペンタン、 1, 1一 ビス (4—ヒドロキシフエニル) シクロへキサン、 1, 1一ビス (4ーヒドロキ シフエ二ル) 一4—イソプロピルシクロへキサン、 1, 1—ビス (4—ヒドロキ シフエ二ル) 一 3, 3, 5—トリメチルシクロへキサン、 9, 9—ビス (4—ヒ ドロキシフエニル) フルオレン、 9, 9—ビス {(4—ヒドロキシ一 3—メチ ル) フエ二ル} フルオレン、 ひ, 一ビス (4ーヒドロキシフエニル) 一 o— ジイソプロピルベンゼン、 , ひ, 一ビス (4—ヒドロキシフエニル) 一 m—ジ イソプロピルベンゼン、 a, a —ビス (4—ヒドロキシフエニル) 一 p—ジィ ソプロピルベンゼン、 1, 3—ビス (4—ヒドロキシフエニル) —5, 7—ジメ チルァダマンタン、 4, 4' ージヒドロキシジフエニルスルホン、 4, 4, —ジ ヒドロキシジフエニルスルホキシド、 4, 4' ージヒドロキシジフエニルスルフ イド、 4, 4' —ジヒドロキシジフエ二ルケトン、 4, 4' —ジヒドロキシジフ ェニルエーテルおよび 4, 4, —ジヒドロキシジフエニルエステル等が挙げられ、 これらは単独または 2種以上を混合して使用できる。
なかでもビスフエノール A、 2, 2—ビス {(4—ヒドロキシ— 3—メチル) フエ二ル} プロパン、 2, 2—ビス (4ーヒドロキシフエニル) ブタン、 2, 2 —ビス (4—ヒドロキシフエニル) 一 3—メチルブタン、 2, 2—ビス (4—ヒ ドロキシフエニル) 一 3, 3—ジメチルブタン、 2, 2—ビス (4—ヒドロキシ フエ二レ) 一4—メチルペンタン、 1, 1一ビス (4—ヒドロキシフエニル) - 3, 3, 5—トリメチルシクロへキサンおよび a, —ビス (4—ヒドロキシ フエニル) —m—ジイソプロピルベンゼンからなる群より選ばれた少なくとも 1 種のビスフエノ一ルょり得られる単独重合体または共重合体が好ましく、 特に、 ビスフエノール Aの単独重合体および 1, 1—ビス (4—ヒドロキシフエニル) —3, 3, 5—トリメチルシクロへキサンとビスフエノール A、 2, 2—ビス {(4ーヒドロキシー 3—メチル) フエ二ル} プロパンまたは α, ' —ビス (4—ヒドロキシフエニル) 一 m—ジイソプロピルベンゼンとの共重合体が好ま
しく使用され、 特にビスフエノール Aの単独重合体、 または 1, 1—ビス (4— ヒドロキシフエニル) 一 3, 3 , 5—トリメチルシクロへキサンと α ' —ビ ス (4ーヒドロキシフエニル) —m—ジイソプロピルベンゼンとの共重合体が好 ましい。
カーボネート前駆体としては力ルポニル八ライド、 力一ポネートエステルまた はハロホルメート等が使用され、 具体的にはホスゲン、 ジフエ二ルカ一ポネート または二価フエノールのジハロホルメート等が挙げられる。
上記二価フエノールとカーボネート前駆体を界面重縮合法または溶融エステル 交換法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、 必要に 応じて触媒、 末端停止剤、 二価フエノールの酸化防止剤等を使用してもよい。 ま たポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐 ポリカーボネート榭脂であっても、 芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を 共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、 また、 得られたポリ カーボネート樹脂の 2種以上を混合した混合物であってもよい。
三官能以上の多官能性芳香族化合物としては、 フロロダルシン、 フロログルシ ド、 または 4, 6—ジメチル一 2, 4 , 6—トリス (4—ヒドロキジフエニル) ヘプテン一 2、 2 , 4 , 6—トリメチレー 2, 4 , 6—トリス (4—ヒドロキシ フエ二レ) ヘプタン、 1, 3 , 5—トリス (4—ヒドロキシフエ二レ) ベンゼン、 1 , 1 , 1ートリス (4ーヒドロキシフエニル) ェタン、 1, 1 , 1—トリス ( 3 , 5—ジメチル一 4—ヒドロキシフエニル) ェタン、 2 , 6—ビス (2—ヒ ドロキシー 5—メチルベンジル) 一4一メチルフエノール、 4一 { 4— [ 1, 1 —ビス (4ーヒドロキシフエニル) ェチル] ベンゼン } - , α—ジメチルベン ジルフエノール等のトリスフエノ一ル、 テトラ (4ーヒドロキシフエニル) メタ ン、 ビス (2 , 4—ジヒドロキシフエニル) ケトン、 1, 4—ビス (4, 4ージ ヒドロキシトリフエニルメチル) ベンゼン、 またはトリメリット酸、 ピロメリッ ト酸、 ベンゾフエノンテトラカルボン酸およびこれらの酸クロライド等が挙げら れ、 中でも 1 , 1 , 1—トリス (4—ヒドロキシフエニル) ェタン、 1, 1 , 1 —トリス (3 , 5—ジメチルー 4—ヒドロキシフエニル) ェタンが好ましく、 特
に 1, 1, 1—トリス (4—ヒドロキシフエニル) ェタンが好ましい。
かかる分岐ポリ力一ポネ一ト樹脂を生ずる多官能性化合物を含む場合、 かかる 割合は、 芳香族ポリカーボネート全量中、 0. 0 0 1〜1モル%、 好ましくは 0 . 0 0 5〜0. 5モル%、 特に好ましくは 0. 0 1〜0. 3モル%である。 また特 に溶融エステル交換法の場合、 副反応として分岐構造が生ずる場合があるが、 か かる分岐構造量についても、 芳香族ポリカーボネート全量中、 0. 0 0 1〜1モ ル%、 好ましくは 0. 0 0 5〜0. 5モル%、 特に好ましくは 0. 0 1〜0. 3 モル%であるものが好ましい。 なお、 かかる割合については 1H— NMR測定に より算出することが可能である。
界面重縮合法による反応は、 通常二価フエノールとホスゲンとの反応であり、 酸結合剤および有機溶媒の存在下に反応させる。 酸結合剤としては、 例えば水酸 化ナトリゥム、 水酸化力リゥム等のアル力リ金属水酸化物またはピリジン等のァ ミン化合物が用いられる。 有機溶媒としては、 例えば塩化メチレン、 クロ口ベン ゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。 また、 反応促進のために例えばトリ ェチルァミン、 テトラ一 n—プチルアンモニゥムブロマイド、 テトラ— n—プチ ルホスホニゥムブロマイド等の第三級ァミン、 第四級アンモニゥム化合物、 第四 級ホスホニゥム化合物等の触媒を用いることもできる。 その際、 反応温度は通常 0〜 4 0 °C、 反応時間は 1 0分〜 5時間程度、 反応中の p Hは 9以上に保つのが 好ましい。
また、 かかる重合反応において、 通常末端停止剤が使用される。 かかる末端停 止剤として単官能フエノ一ル類を使用することができる。 単官能フエノ一ル類は 末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用され、 また得られたポリカー ポネート樹脂は、 末端が単官能フエノール類に基づく基によって封鎖されている ので、 そうでないものと比べて熱安定性に優れている。 かかる単官能フエノール 類としては、 一般にはフエノールまたは低級アルキル置換フエノールであって、 下記一般式 ( 1 ) で表される単官能フエノ一ル類を示すことができる。
(式中、 Aは水素原子または炭素数 1 9の直鎖または分岐のアルキル基あるい はフエニル基置換アルキル基であり、 rは 1 5、 好ましくは 1 3の整数であ る。)
上記単官能フエノール類の具体例としては、 例えばフエノール、 p _ t e r t 一ブチルフエノール、 p—クミルフエノ一ルおよぴィソォクチルフエノ一ルが挙 げられる。
また、 他の単官能フエノール類としては、 長鎖のアルキル基あるいは脂肪族ポ リエステル基を置換基として有するフエノール類または安息香酸ク口ライド類、 もしくは長鎖のアルキルカルボン酸クロライド類も示すことができる。 これらの なかでは、 下記一般式 ( 2 ) および (3 ) で表される長鎖のアルキル基を置換基 として有するフエノ一ル類が好ましく使用される。
(式中、 Xは一 R— C O— Ο—または一 R— 0— C〇一である、 ここで Rは単結 合または炭素数 1 1 0、 好ましくは 1 5の二価の脂肪族炭化水素基を示し、 nは 1 0 5 0の整数を示す。)
かかる一般式 ( 2 ) の置換フエノール類としては nが 1 0 3 0、 特に 1 0 2 6のものが好ましく、 その具体例としては例えばデシルフエノール、 ドデシル フエノ一ル、 テトラデシルフエノール、 へキサデシルフエノール、 ォクタデシル
フエノール、 エイコシルフェノール、 ドコシルフエノ一ルおよびトリアコンチル フエノ一ル等を挙げることができる。
また、 一般式 ( 3 ) の置換フエノール類としては Xが一 R— C O— O—であり、 Rが単結合である化合物が適当であり、 nが 1 0〜3 0、 特に 1 0〜2 6のもの が好適であって、 その具体例としては例えばヒドロキシ安息香酸デシル、 ヒドロ キシ安息香酸ドデシル、 ヒドロキシ安息香酸テトラデシル、 ヒドロキシ安息香酸 へキサデシル、 ヒドロキシ安息香酸エイコシル、 ヒドロキシ安息香酸ドコシルぉ よびヒドロキシ安息香酸トリアコンチルが挙げられる。
末端停止剤は、 得られたポリカーボネート樹脂の全末端に対して少くとも 5モ ル%、 好ましくは少くとも 1 0モル%末端に導入されることが望ましい。 より好 ましくは全末端に対して末端停止剤が 8 0モル%以上導入されること、 すなわち 二価フエノールに由来する末端の水酸基 (OH基) が 2 0モル%以下であること がより好ましく、 特に好ましくは全末端に対して末端停止剤が 9 0モル%以上導 入されること、 すなわち〇H基が 1 0モル%以下の場合である。 また、 末端停止 剤は単独でまたは 2種以上混合して使用してもよい。
溶融エステル交換法による反応は、 通常二価フエノールとカーボネートエステ ルとのエステル交換反応であり、 不活性ガスの存在下に二価フエノールとカーボ ネートエステルとを加熱しながら混合して、 生成するアルコールまたはフエノー ルを留出させる方法により行われる。 反応温度は生成するアルコールまたはフエ ノールの沸点等により異なるが、 通常 1 2 0〜3 5 0 の範囲である。 反応後期 には系を 1 . 3 3 X 1 0 3〜1 3 . 3 P a程度に減圧して生成するアルコールま たはフエノールの留出を容易にさせる。 反応時間は通常 1〜4時間程度である。 カーボネートエステルとしては、 置換されていてもよい炭素数 6〜1 0のァリ ール基、 ァラルキル基あるいは炭素数 1〜4のアルキル基などのエステルが挙げ られる。 具体的にはジフエ二ルカ一ボネート、 ビス (クロ口フエニル) カーボネ —ト、 ジナフチルカ一ポネート、 ビス (ジフエニル) カーボネート、 ジメチルカ —ポネート、 ジェチルカ一ポネ一ト、 ジブチルカ一ポネートなどが挙げられ、 な かでもジフエ二ルカ一ポネートが好ましい。
また、 重合速度を速めるために重合触媒を用いることができ、 かかる重合触媒 としては、 例えば水酸化ナトリウム、 水酸ィ匕カリウム、 二価フエノールのナトリ ゥム塩、 カリウム塩等のアルカリ金属化合物、 水酸ィ匕カルシウム、 7J酸化バリゥ ム、 水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物、 テトラメチルアンモニゥ ムヒドロキシド、 テトラエチルアンモニゥムヒドロキシド、 トリメチルァミン、 トリエチルアミン等の含窒素塩基性化合物、 アル力リ金属やアル力リ土類金属の アルコキシド類、 アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩類、 亜鉛化合物類、 ホウ素化合物類、 アルミニウム化合物類、 珪素化合物類、 ゲルマニウム化合物類、 有機スズ化合物類、 鉛化合物類、 オスミウム化合物類、 アンチモン化合物類マン ガン化合物類、 チタン化合物類、 ジルコニウム化合物類などの通常エステル化反 応、 エステル交換反応に使用される触媒を用いることができる。 触媒は単独で使 用してもよいし、 2種以上を組み合わせて使用してもよい。 これらの重合触媒の 使用量は、 原料の二価フエノール 1モルに対し、 好ましくは 1 X 1 0 _ 8〜1 X 1 0—3当量、 より好ましくは I X 1 0— 7〜5 X 1 0— 4当量の範囲で選ばれる。 また、 かかる重合反応において、 フエノ一ル性の末端基を減少するために、 重 縮反応の後期あるいは終了後に、 例えばビス (クロ口フエニル) カーボネート、 ビス (プロモフエ二リレ) 力一ポネート、 ビス (ニトロフエニル) カーポネ一卜、 ビス (フエエルフェニル) カーボネート、 クロ口フエニルフエ二ルカ一ポネート、 ブロモフエニルフエニルカーボネート、 ニトロフエエルフェニルカーボネート、 フエニルフエニルカーボネート、 メトキシカルボニルフエエルフェ二ルカーポネ 一卜およびエトキシカルポニルフエエルフェ二ルカーポネート等の化合物を加え ることが好ましい。 なかでも 2—クロ口フエニルフエ二ルカ一ポネート、 2—メ トキシカフレポニルフエエルフェ二ルカーポネートおよび 2—エトキシカルボニル フエニルフェニルカ一ポネ一トが好ましく、 特に 2—メトキシカルボニルフエ二 ルフエ二ルカーポネートが好ましく使用される。
さらにかかる重合反応において触媒の活性を中和する失活剤を用いることが好 ましい。 この失活剤の具体例としては、 例えばベンゼンスルホン酸、 P—トルェ ンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸メチル、 ベンゼンスルホン酸ェチル、 ベンゼ
ンスルホン酸ブチル、 ベンゼンスルホン酸ォクチル、 ベンゼンスルホン酸フエ二 ル、 p—トルエンスルホン酸メチル、 p—トルエンスルホン酸ェチル、 p—トル エンスルホン酸プチル、 p -トルエンスルホン酸ォクチル、 p—トルエンスルホ ン酸フエニルなどのスルホン酸エステル;さらに、 トリフルォロメタンスルホン 酸、 ナフ夕レンスルホン酸、 スルホン化ポリスチレン、 アクリル酸メチル -スル ホン化スチレン共重合体、 ドデシルベンゼンスルホン酸— 2—フエニル一 2—プ 口ピル、 ドデシルベンゼンスルホン酸— 2—フエ二ルー 2—プチル、 ォクチルス ルホン酸テトラブチルホスホニゥム塩、 デシルスルホン酸テトラブチルホスホニ ゥム塩、 ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニゥム塩、 ドデシルベンゼンス ルホン酸テトラエチルホスホニゥム塩、 ドデシルベンゼンスルホン酸テトラプチ ルホスホニゥム塩、 ドデシルベンゼンスルホン酸テトラへキシルホスホニゥム塩、 ドデシルベンゼンスルホン酸テトラオクチルホスホニゥム塩、 デシルアンモニゥ ムブチルサルフェート、 デシルアンモニゥムデシルサルフェート、 ドデシルアン モニゥムメチルサルフェート、 ドデシルアンモニゥムェチルサルフェート、 ドデ シルメチルアンモニゥムメチルサルフェート、 ドデシルジメチルアンモニゥムテ トラデシルサルフエ一ト、 テトラデシルジメチルァンモニゥムメチルサルフエー ト、 テトラメチルアンモニゥムへキシルサルフェート、 デシルトリメチルアンモ ニゥムへキサデシルサルフェート、 テトラプチルアンモニゥムドデシルペンジル サルフェート、 テトラェチルアンモニゥムドデシルペンジルサルフエ一ト、 テト ラメチルアンモニゥムドデシルペンジルサルフエ一ト等の化合物を挙げることが できるが、 これらに限定されない。 これらの化合物を二種以上併用することもで きる。
失活剤の中でもホスホニゥム塩もしくはアンモニゥム塩型のものが好ましい。 かかる失活剤の量としては、 残存する触媒 1モルに対して 0 . 5〜 5 0モルの割 合で用いるのが好ましく、 また重合後のポリカーボネート樹脂に対し、 0 . 0 1
〜5 0 0 p p mの割合、 より好ましくは 0 . 0 1〜3 0 0 p pm、 特に好ましく は 0 . 0 1〜: L O O p p mの割合で使用する。
ポリ力一ポネート樹脂の分子量は、 粘度平均分子量 (M) で 1 0 , 0 0 0〜2
2, 000が好ましく、 12, 000〜20, 000がより好ましく、 13, 0 00〜18, 000がさらに好ましく、 13, 500〜16, 500が特に好ま しい。 かかる粘度平均分子量を有する芳香族ポリ力一ポネート樹脂は光学用材料 として十分な強度が得られ、 また成形時の溶融流動が良好であり、 成形歪みが発 生せず好ましい。 また、 芳香族ポリ力一ポネート樹脂の 2種以上を混合しても差 し支えない。 本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン 10 Omlにポリ力一 ボネート樹脂 0. 7 gを 20°Cで溶解した溶液から求めた比粘度 (TJ sp) を次 式に挿入して求める。
[7]] +0. 45X [7)]
2c (但し [7}] は極限粘度)
[77] =1. 23X 10- 4Μ0· 83
c = 0. 7
また本発明の A成分には熱安定剤を含むことが好ましく、 特により好ましくは リン系の安定剤を含有する場合である。 かかるリン系安定剤としては、 ホスファ イト系、 ホスホナイト系、 およびホスフェート系のいずれも使用可能である。 本発明におけるホスファイト系安定剤としては、 さまざまなものを用いること ができる。 具体的には例えば一般式 (4)
P -0一 R (4)
[式中 R1は、 水素または炭素数 1〜20のアルキル基、 炭素数 6〜20のァリ ール基ないしアルカリール基、 炭素数?〜 30のァラルキル基、 またはこれらの ハロ、 アルキ^/チォ (アルキル基は炭素数 1〜30) またはヒドロキシ置換基を 示し、 3個の R1は互いに同一または互いに異なるのいずれの場合も選択でき、 また 2価フエノール類から誘導されることにより環状構造も選択できる。] で表 わされるホスフアイト化合物である。
また、 一般式 (4) においてより好ましい態様としては、 以下の一般式 (5)
[式中 R2および R3は、 水素または炭素数 1〜20のアルキル基、 炭素数 6〜 20のァリール基ないしアルキルァリール基、 炭素数?〜 30のァラルキル基を 示し、 R2および R3は同時に水素ではなく、 互いに同一または互いに異なるの いずれの場合も選択できる。] で表わされるホスフアイト化合物を挙げることが できる。
また、 一般式 (6)
[式中 R4、 R5はそれぞれ水素、 炭素数 1〜20のアルキル基、 炭素数 6〜2 0のァリール基ないしアルキルァリール基、 炭素数 7〜 30のァラルキル基、 炭 素数 4〜 20のシクロアルキル基、 炭素数 15〜25の 2— (4一ォキシフエ二 ル) プロピル置換ァリール基を示す。 なお、 シクロアルキル基およびァリール基 は、 アルキル基で置換されていないもの、 またはアルキル基で置換されているも ののいずれも選択できる。] で表わされるホスフアイト化合物を挙げることがで さる。
また、 一般式 (7)
(7)
[式中 R
6、 R
7は炭素数 12〜15のアルキル基である。 なお、 R
6および R
7 は互いに同一または互いに異なるのいずれの場合も選択できる。] で表わされる ホスフアイト化合物を挙げることができる。
ホスホナイト系安定剤としては下記一般式 (8) で表わされるホスホナイト化 合物、 および下記一般式 (9) で表わされるホスホナイト化合物を挙げることが できる。
(8)
[式中、 Ar1, Ar 2は炭素数 6〜20のァリール基ないしアルキルァリール 基、 または炭素数 15〜25の 2— (4—ォキシフエニル) プロピル置換ァリー ル基を示し、 4つの Ar 1は互いに同一、 または互いに異なるのいずれも選択で きる。 または 2つの A r 2は互いに同一、 または互いに異なるのいずれも選択で ぎる。]
本発明においては、 上記ホスフアイト化合物およびホスホナイト化合物のうち、 より好ましいリン系の安定剤として、 上記一般式 (5) で示されるホスファイト 化合物 (E1成分)、 および上記一般式 (8) (E2成分) および上記一般式 (9) (E3成分) で示されるホスホナイト化合物を挙げることができ、 これら は 1種もしくは 2種以上を併用することができ、 より好ましくは上記一般式 (5) で示されるホスファイト化合物をかかる E成分 100重量%中、 少なくと も 5重量%含む場合である。
上記一般式 (4) に対応するホスファイト化合物における好ましい具体例とし ては、 ジフエ二ルイソォクチルホスファイト、 2, 2 ' —メチレンビス (4, 6
—ジ一 t e r t—プチルフエニル) ォクチルホスフアイト、 ジフエニルモノ (ト リデシル) ホスファイト、 フエニルジイソデシルホスファイト、 フエニルジ (ト リデシル) ホスファイトが挙げられる。 より好ましい上記一般式 ( 5 ) に対応す る好ましい具体例としては、 トリフエニルホスファイト、 トリス (ジメチルフエ ニル) ホスファイト、 トリス (ジェチルフエニル) ホスファイト、 トリス (ジ— i s 0—プロピルフエニル) ホスファイト、 トリス (ジ—n—ブチルフエニル) ホスファイト、 トリス (2, 4—ジ一 t e r t—ブチルフエニル) ホスファイト、 トリス (2, 6—ジ— t e r t一ブチルフエニル) ホスフアイト等が挙げられ、 トリス (ジアルキル置換フエニル) ホスファイトが好ましく、 トリス (ジ一 t e r t一プチルフエ二ル) ホスファイトがより好ましく、 トリス (2 , 4—ジ— t e r t—プチルフエニル) ホスファイトが特に好ましい。 上記ホスファイト化合 物は 1種、 または 2種以上を併用することができる。
上記一般式 ( 6 ) に対応するホスファイト化合物における好ましい具体例とし ては、 ジステアリルペン夕エリスリト一ルジホスファイト、 ビス (2, 4—ジ一 t e r t一ブチルフエニル) ペン夕エリスリトールジホスフアイト、 ビス (2, 6—ジー t e r t—ブチルー 4—メチルフエニル) ペンタエリスリトールジホス ファイト、 フエ二ルビスフエノ一ル Aペンタエリスリトールジホスファイト、 ジ シクロへキシルペン夕エリスリトールジホスフアイトなどが挙げられ、 好ましく はジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、 ビス (2, 4ージ— t e r t—ブチルフエニル) ペン夕エリスリトールジホスファイト、 ビス (2, 6 - ジ— t e r t—プチル— 4—メチルフエニル) ペン夕エリスリトールジホスファ イトを挙げることができる。 かかるホスファイト化合物は 1種、 または 2種以上 を併用することができる。
上記一般式 ( 7 ) に対応するホスファイト化合物における好ましい具体例とし ては、 4, 4 ' —イソプロピリデンジフエノールジトリデシルホスファイトを挙 げることができる。
上記一般式 ( 8 ) に対応するホスホナイト化合物における好ましい具体例とし ては、 テトラキス (2, 4—ジー i s o—プロピルフエニル) ー4, 4 ' —ビフ
ェニレンジホスホナイト、 テ卜ラキス (2, 4—ジ一 n—ブチルフエ二レ) 一 4, 4' ービフエ二レンジホスホナイト、 テトラキス (2, 4—ジ— t e r t—ブチ ルフエニル) 一4, 4, —ビフエ二レンジホスホナイト、 テトラキス (2, 4- ジ一 t e r t—プチルフエ二ル) —4, 3, 一ビフエ二レンジホスホナイト、 テ トラキス (2, 4—ジ一 t e r t—ブチルフエニル) -3, 3' ービフエ二レン ジホスホナイト、 テトラキス (2, 6—ジー i s o—プロピルフエニル) —4, 4' —ビフエ二レンジホスホナイト、 テトラキス (2, 6—ジ— n—ブチルフエ 二レ) 一 4, 4' —ビフエ二レンジホスホナイト、 テトラキス (2, 6—ジ一 t e r t—ブチルフエ二レ) -4, 4' —ビフエ二レンジホスホナイト、 テトラキ ス (2, 6—ジー t e r t—ブチルフエニル) 一4, 3 ' ーピフエ二レンジホス ホナイト、 テトラキス (2, 6—ジー t e r t—ブチルフエニル) 一 3, 3' — ピフエ二レンジホスホナイト等が挙げられ、 テトラキス (ジ— t e r t—プチル フエ二 Jレ) 一ビフエ二レンジホスホナイトが、好ましく、 テトラキス (2, 4ージ - t e r t—プチルフエニル) —ビフエ二レンジホスホナイトがより好ましい。 このテトラキス (2, 4—ジー t e r t—ブチルフエニル) 一ビフエ二レンジホ スホナイトは、 2種以上の混合物が好ましく、 具体的にはテトラキス (2, 4— ジ一 t e r t—プチルフエ二ル) 一4, 4' —ビフエ二レンジホスホナイト (E 2— 1成分)、 テトラキス (2, 4ージ— t e r t—プチルフエ二ル) —4, 3' —ビフエ二レンジホスホナイト (E 2— 2成分) および、 テトラキス (2, 4ージ一 t e r t—ブチルフエニル) 一3, 3' ービフエ二レンジホスホナイト (E2— 3成分) の 1種もしくは 2種以上を併用して使用可能であるが、 好まし くはかかる 3種の混合物である。 また、 3種の混合物の場合その混合比は、 E2 一 1成分、 E 2— 2成分および E 2-3成分を重量比で 100 : 37〜 64 : 4 〜14の範囲が好ましく、 100 : 40〜60 : 5〜11の範囲がより好ましレ 上記一般式 (9) に対応するホスホナイト化合物の好ましい具体例としては、 ビス (2, 4—ジ一 i s 0—プロピルフエニル) 一4—フエ二ルーフェニルホス ホナイト、 ビス (2, 4—ジ— η—ブチルフェニ^/) —3—フエ二ルーフェニル ホスホナイト、 ビス (2, 4—ジ— t e r t—ブチルフエニル) —4一フエニル
一フエニルホスホナイト、 ビス (2, 4ージ一 t e r t—プチルフエ二ル) 一3 一フエ二ルーフェニルホスホナイトビス (2 , 6—ジ一 i s o—プロピルフエ二 ル) 一4一フエ二ルーフェニルホスホナイト、 ビス (2, 6—ジー n—ブチルフ ェニル) 一 3—フエニル—フエニルホスホナイト、 ビス (2, 6—ジ— t e r t 一ブチルフエニル) —4—フエニル—フエニルホスホナイト、 ビス (2 , 6—ジ - t e r t—プチルフエニル) 一 3—フエニル—フエニルホスホナイト等が挙げ られ、 ビス (ジ一 t e r t—ブチルフエニル) —フエニル一フエニルホスホナイ トが好ましく、 ビス (2 , 4—ジ一 t e r t—ブチルフエニル) 一フエ二ルーフ ェニルホスホナイトがより好ましい。 このビス (2 , 4—ジ一 t e r t—ブチレ フエニル) 一フエニル—フエニルホスホナイトは、 2種以上の混合物が好ましく、 具体的にはビス (2 , 4—ジ一 t e r t—ブチルフエニル) —4一フエ二ルーフ ェニルホスホナイト (E 3—1成分) および、 ビス (2, 4—ジー t e r t—ブ チルフエニル) 一 3—フエ二ルーフェニルホスホナイト (E 3— 2成分) の 1種 もしくは 2種を併用して使用可能であるが、 好ましくはかかる 2種の混合物であ る。 また、 2種の混合物の場合その混合比は、 重量比で 5 : 1〜4の範囲が好ま しく、 5 : 2〜3の範囲がより好ましい。
一方ホスフェート系安定剤としては、 トリブチルホスフェート、 トリメチルホ スフエ一ト、 トリクレジルホスフェート、 トリフエニルホスフェート、 トリクロ ルフエニルホスフェート、 トリェチルホスフェート、 ジフエニルクレジルホスフ エート、 ジフエニルモノオルソキセニルホスフェート、 トリブトキシェチルホス フェート、 ジブチルホスフェート、 ジォクチルホスフェート、 ジイソプロピルホ スフェートなどを挙げることができ、 好ましくはトリメチルホスフェートである。 上記熱安定剤は、 A成分 1 0 0重量部あたり、 0 . 0 0 0 1〜0 . 1重量部で 含まれることが好ましく、 より好ましくは 0. 0 0 0 5〜0 . 0 5重量部、 さら に好ましくは 0 . 0 0 1〜0. 0 3重量部である。
また本発明の着色組成物には、 離型剤を含むことができる。 殊に A成分がポリ 力一ポネ一ト樹脂である場合には、 離型剤として高級脂肪酸エステルを使用する ことが好ましい。 かかる高級脂肪酸エステルとしては、 炭素数 1 0〜3 4の脂肪
族飽和一価カルボン酸と一価または二価以上の多価アルコールとのエステルを挙 げることができる。 かかる脂肪族飽和一価カルボン酸としては、 力プリン酸、 ゥ ンデカン酸、 ラウリン酸、 トリデカン酸、 ミリスチン酸、 ペン夕デカン酸、 パル ミチン酸、 マ一ガリン酸、 ステアリン酸、 ノナデカン酸、 ァラキシン酸、 ベヘン 酸、 およびモンタン酸などが挙げられる。
さらに、 好ましくは、 炭素数 10〜24、 さらに好ましくは炭素数 16〜22 の脂肪族飽和一価カルボン酸と二価以上の多価アルコールとの部分エステルを挙 げることができる。 DVDでは極めて高温での成形が必要とされるが、 かかる部 分エステルは高温時の成形における特に蛍光染料の特性の低下を抑制することが 可能となる。 二価以上の多価アルコールとしては、 例えばエチレングリコール、 グリセリン、 ペン夕エリスリト一ルなどを挙げることができる。 特に好ましくは ステアリン酸とダリセリンの部分エステルであり、 これらは例えば理研ビ夕ミン
(株) よりリケマール S—10 OAという商品名で市販されており、 巿場から容 易に入手できる。 かかる離型剤の組成割合としては、 A成分 100重量部に対し て、 0. 005〜0. 5重量部が好ましく、 より好ましくは 0. 01〜0. 2重 量部である。
本発明の B成分として使用される着色剤としては、 ペリレン系染料、 クマリン 系染料、 チォインジゴ系染料、 アンスラキノン系染料、 チォキサントン系染料、 紺青等のフエロシアン化物、 ペリノン系染料、 キノリン系染料、 キナクリドン系 染料、 ジォキサジン系染料、 イソインドリノン系染料、 フタロシアニン系染料等 の有機系色剤やカーボンブラックが挙げられ、 これらの中でも透明性の有機系色 剤が好ましい。 さらに好ましくは、 アンスラキノン系染料、 ペリノン系染料、 キ ノリン系染料、 ペリレン系染料、 クマリン系染料、 チォインジゴ系染料を挙げる ことができる。
B成分の染料の具体例としては、 C I So l ven t Re d 52、 C I So l ven t Red 149、 C I So l ven t Re d 150、 C I So l ven t Red 191、 C I So l ven t Re d 151、 C I So l ven t B l ue 94、 C I So l ven t B l ue 9
7、 CI So l vent Vi o l e t 13、 CI So l vent V i o 1 e t 14、 CI So l vent Green 3、 CI S o 1 v e n t Gr een 28として知られるアンスラキノン系染料、 C I Va t 〇 range 9、 C I Va t Orange 2、 CI Va t O r ang e 4として知られるピランスロン類アンスラキノン系染料、 イソジペンザンス ロン類アンスラキノン系染料、 C I Vat Or ange 1、 CI Va t Ye 1 1 ow 4として知られるジベンズピレンキノン類アンスラキノン系染料 などを挙げることができる。 チォインジゴ系染料としては C I Va t Red 2、 CI Va t Red 41、 CI Vat Red 47などを挙げるこ とができる。 ペリレン系染料としては、 CI Va t Red 15、 CI V a t Oran e 7、 および B AS F社製 LUMOGENシリーズとして F Or ange 240、 F Re d 305, F Ye l l owO 83, F R ed 339などを挙げることができる。 クマリン系染料としては、 パイエル社製 MACROLEX F luore s en t Ye l l ow 10 GN (CI S o l vent Ye 1 1 owl 60 : 1)、 MACROLEX F l uore s c ent Red G、 キノリン系染料としては、 C I So l vent Ye 1 1 ow 33、 CI So l vent Ye l l ow 157, C I So l vent Ye l l ow 54、 CI Di spe r s e Ye l l ow 16 0などを挙げることができる。 ペリノン系染料としては、 CI So l ven t Red 135、 CI So l ven t Red 179、 CI So l ven t Or ange 60、 フタロシアニン系染料としては C I P i gment B lue 15 : 3、 CI P i gment Gr een 7、 CI P i gm e n t Green 36などを挙げることができる。 これらは 1種または 2種 以上を併用でき、 目的に応じた着色を行うことが可能である。
前記した着色剤 (染料) に関して、 色を黄、 青、 赤および緑に区分してその具 体例を示すと下記のとおりである。
(1) 黄色系染料
黄色系染料の具体例としては、 CI So l vent Ye l l ow 33、
CI So l ven t Ye l l ow 157, CI So l vent Ye 1 l ow 98、 CI Di spe r s e Ye l l ow 54、 CI D i s p e r s e Ye l l ow 160として知られるキノリン系染料。 C I So l ven t Gr e en 3として知られるペリレン系染料。 C I Va t Ye 1 1 ow 4として知られるジベンズピレンキノン類アンスラキノン系染料。 S o l vent Ye 1 1 ow 160 : 1として知られるクマリン系染料。 さらに BAS F社製 LUMOGENシリーズの F Ye 1 1 owO 83として知られる ペリレン系染料などを挙げられる。
好ましい具体例としては、 C I So l vent Ye l l ow 33、 CI So l vent Ye l l ow 157, CI So l vent Ye 1 1 ow 98、 CI D i s e r s e Ye l l ow 54、 C I Di spe r s e Ye l l ow 160, CI So l vent Green 5 C I Va t Ye 1 1 ow 4、 CI So l ven t Y e 1 1 o w 160 : 1および B A S F社製 LUMOGENシリーズの F Ye l l owO 83からなる群から選択 される。
(2) 青色系染料
青色系染料の具体例としては C I So l ven t B l ue 87、 C I So lvent B l ue 94、 CI So l vent B lue 97、 CI So l ven t Vi o l e t 13、 C I So l ven t Vi o l e t 14として知られるアンスラキノン系染料。 さらに C I P i gmen t B 1 tie 15、 CI P i gment B lue 15— 1、 CI P i gmen t B l e 15 : 3として知られるフタロシアニン系染料などを挙げられる。 また、 CI D i s pe r s e Vi o l e t 28も例示できる。
好ましい具体例は、 CI So l vent B lue 87、 CI So l v e n t B l ue 94, CI So lvent Bl ue 97、 CI So l vent Vi o l e t 13、 CI So l vent Vi o l e t 14お よび C I Di s e r s e Vi o l e t 28からなる群から選択される。
(3) 赤色系染料
赤色系染料の具体例として、 CI So l ven t Red 22、 CI S o 1 v e n t Red 52、 CI So l ven t Red 149, C I So l vent Red 150, CI So lven t Red 151, C I So l vent Red 168, CI So l vent Red 191、 CI So l vent Red 207として知られるアンスラキノン系染料。 C I Vat Or ange 9, C I Vat Or ange 2、 CI V a t Orange 4として知られるピランスロン類アンスラキノン系染料、 イソジペンザンスロン類アンスラキノン系染料、 C I Va t Or ange 1として知られるジベンズピレンキノン類アンスラキノン系染料。 CI So l ven t Red 135、 CI So l vent Red 179、 CI S o l ven t Orange 60として知られるペリノン系染料。 CI Va t Red 2、 CI Vat Red 41、 CI Va t Red 47と して知られるチォインジゴ系染料。 MACROLEX F l uore s cen t Red Gとして知られるクマリン系染料。 CI Vat Red 15、 CI Vat Orange 7、 および BASF社製 LUMOGENシリーズの F Orange 240、 F Red 305、 F R e d 339として知られるペリ レン系染料などを挙げることができる。
好ましい具体例は、 CI So l vent Red 22、 CI So l ve n t Red 52、 CI So l vent Red 149, C I S o 1 v ent Red 150、 CI So l vent Red 151、 CI So 1 v e n t Red 168, C I So l ven t Red 191, C I So l vent Red 207. CI So lvent Red 135、 C I So l ven t Red 179、 CI Va t Red 2、 CI Va t Red 41、 CI Vat Red 47、 CI So lvent Or a n g e 55、 CI So lvent Or an e 60、 CI So l v ent Oran e 63、 CI Va t Orange 1、 CI Va t Orange 2、 CI Va t Or an e 4、 CI Va t O r an g e 9、 パイエル社製 MACROLEX F l uo r e s c en t Red
G、 BASF社製 LUMOGENシリーズの F Red 305、 F Red 339および F Oran e 240からなる群から選択される。
(4) 緑色系染料
.緑色系染料の具体例としては、 CI So lvent Green 3、 CI So l ven t Green 20、 CI So l vent Green 28 として知られるアンスラキノン系染料。 C I P i gment Gr een 7、 CI P i gment Green 36として知られるフタロシアニン系染料 などを挙げることができる。
好ましい具体例は、 CI So lvent Green 3、 CI So 1 v ent Gr een 20および CI So l vent Green 28から なる群から選択される。
本発明のマスターペレツトにおいて黒色に着色されたペレットを得るためには、 前記染料の中から、 緑色染料と赤色染料を組合せるかまたは青色染料と黄色染料 の組合せを使用すればよい。 すなわち、 黒色マスターペレットを得るために、 好 ましい具体例は、 (i) CI So l vent Gre en 3、 C I So l vent Green 20および CI So l vent Gr een 28か らなる群から選択された緑色染料および (ii) C I So l ven t Red 22、 C I So l ven t Red 52、 C I So l ven t Red 151、 CI So lven t Red 168、 CI So lvent Re d 191、 CI So l ven t Red 207、 CI So l ven t Red 135, CI So l vent Red 179、 CI So lven t Orange 60からなる群から選択された赤色染料の組合せである。 黒色マスターペレットを得るための、 他の好ましい具体例は、 (i) CI S o lvent B l ue 87、 CI So l vent B lue 94、 C I So l ven t B l ue 97、 CI So lvent Vi o l e t 13、 CI So l vent Vi o l e t 14および C I D i spe r s e V i o 1 e t 28からなる群から選択された青色染料および (ii) C I So l ven t Ye l l ow 33、 CI So l vent Ye l l ow 157、
CI So l vent Ye l l ow 98、 CI Di spe r s e Ye 1 l ow 54、 CI Di spe r s e Ye l l ow 160からなる群から 選択された黄色染料の組合せである。
着色剤は十分に均一な分散を達成するため粒径の細かいものが好ましく、 より 好ましくは 50 im以下の粒径を有するものであり、 かかる着色剤は各種フィル ターによる選別により得ることができる。
本発明の着色マスターペレツトにおける B成分の割合としては、 好ましくは着 色組成物 100重量%中、 B成分が 0. 005〜10重量%である。 かかる範囲 においては、 光記録媒体にした場合に十分な彩度を有し、 意匠性に富んだ着色が 可能であると共に、 光ディスク基板等の光学成形品を成形した際に電気特性の良 好な光学成形品が得られる。 B成分の割合としてより好ましくは 0. 01〜10 重量%であり、 特に好ましくは 0. 05〜5重量%でぁる。
本発明の着色マスターペレットの形 ¾ ^は、 成形用の着色マスターペレット、 特 に光学用成形材料のための着色マスターペレツトとして使用されているものであ れば、 大きさおよび形は特に制限されない。 しかし、 長さが 2. 0〜3. 3mm, 好ましくは 2. 1〜3. 1mmでありかつ断面における長径の長さが 2. 5〜3. 5mm, 好ましくは 2. 7〜3. 3 mmのものが有利である。 また断面の形状は、 円形、 楕円形あるいは矩形のいずれでもよいが、 円形または楕円形が望ましい。 楕円形の場合、 断面における長径 Z短径の比が 1. 2〜1. 8、·好ましくは 1. 3〜1. 7の楕円形の断面形状を有するものが好ましい。 本発明の着色マスタ一 ペレットは、 後述するように、 透明ペレットと混合して成形し、 着色光学成形品 を得るために使用される。 その際の透明ペレットの形と大きさは、 前記着色マス 夕一ペレツトの形状において説明した範囲である。 成形の際の好ましい態様は、 着色マスターペレットと透明ペレツトの形状は、 大略同じであることが有利であ る。
本発明の着色マスターペレットは、 個々のペレットにおける着色剤 (B成分) の濃度のバラツキが極めて少ない点に特徴を有している。 すなわち、 本発明の着 色マスタ一ペレツトは、 個々のペレツトにおける着色剤の濃度を吸光度で表して、
その平均値を Xとしたとき、 0. 5X〜1. 5 Xの範囲を満足するペレットの数 の割合が、 少なくとも 90 %、 好ましくは少なくとも 95%である。 その濃度の バラツキは、 個々のペレツトを後述するように溶媒に溶解して得られた溶液の吸 光度のパラツキで表される。
本発明の着色マス夕一ペレットの好ましい態様は、 個々のペレットにおける着 色剤の濃度を吸光度で表してその平均値を Xとしたとき、 0. 6X〜1. 3Xの 範囲を満足するペレットの数の割合が、 少なくとも 90 %、 望ましくは少なくと も 95%である。
本発明の着色マスターペレツトの最も好ましい態様は、 個々のペレツトにおけ る着色剤の濃度を吸光度で表して、 その平均値を Xとしたとき、 0. 7X〜; L. 2Xの範囲、 特に 0. 9X〜1. IXの範囲を満足する着色剤濃度を有するペレ ットの数の割合が、 少なくとも 93 %、 望ましくは少なくとも 95 %である。 さらに本発明の着色マスターペレツトはその製造については各種の方法を取る ことができる。 (1) 着色剤を熱可塑性樹脂に均一に混合した後溶融混練する方 法、 (2) 単独または複数の着色剤を樹脂に高濃度に添加し、 ヘンシェルミキサ 一などの混合機を使用してドライブレンドした着色マスター組成物を得たのち、 残りの熱可塑性樹脂などとさらに混合して溶融混練する方法、 (3) 着色剤を独 立して押出機などの溶融混練機に供給し樹脂と溶融混練する方法、 (4) 着色剤 を有機溶媒に溶解した後、 溶液を、 溶融樹脂混練機に直接供給する方法 (この場 合着色剤溶液はフィルタ一濾過するのが好ましい)、 (5) 前記 (4) の着色剤溶 液を高濃度に樹脂に添加してヘンシェルミキサーなどの混合機により着色マスタ 一組成物を作成後、 残りの樹脂成分と溶融混練する方法、 (6) 前記 (5) の着 色マスター組成物を独立して押出機などの溶融樹脂混練機に供給し溶融混練する 方法、 (7) 着色剤の溶液と熱可塑性樹脂溶液を混合して (この場合溶液はフィ ルター濾過するのが好ましい)、 スプレードライヤーなどで溶媒を除去した粉末 を得、 次いで溶融押出しする方法、 (8) 着色剤溶液と熱可塑性樹脂溶液との混 合溶液を直接押出機などの溶融混線機に供給しペレットを得る方法を挙げること ができる。 これらの方法は、 適宜改変して実施することができる。 またこれらの
方法の実施に当っては、 使用する着色剤が、 大きな粒子を含まないように細かく 粉砕し、 また大きな粒子が存在する楊合にはふるいを使用して分級しておくこと が望ましい。 また着色剤を觀旨と混合混練する際、 着色剤が棚旨中に良好にかつ 均一に分散するように、 混練機の種類および条件を選択すべきである。
本発明者らの研究によれば、 本発明の目的とする着色マスタ一ペレットを得る 工業的に有利な方法として、 前記 ( 2 ) の改良法が見出された。 この改良法によ れぱ、 着色剤の粉末と着色剤を含まない熱可塑性樹脂の粉末とを均一にドライブ レンドして着色マスター組成物 (粉体混合物) を得、 この組成物を着色剤を含ま ない熱可塑性榭脂の粉末またはペレットと混合して溶融混練することにより、 目 的とする着色マスターペレットを得ることもできる。 この方法は、 前記した他の 方法に比較して、 工業的に有利にかつ良好な品質の着色マスターペレツトを得る ことができる。
前記改良法は、 熱可塑性樹脂 (A成分) が芳香族ポリカーボネート樹 J3旨である 着色マスタ一ペレットを得るのに適している。 前記改良法を、 芳香族ポリ力一ポ ネート樹脂 (P C) の粉末を使用して実施する場合について以下説明する。 着色 剤を含有しないポリ力一ポネート樹脂粉末 ("P C粉末" という) は、 平均粒径 が 0. 1 0〜0. 5 5 mm, 好ましくは 0. 1 5〜0. 5 mm、 特に好ましくは 0. 2 5〜0 . 4 0 mmの範囲が適当である。
この P C粉末と着色剤と混合して着色マスター組成物 (粉末状) を得る場合の 混合比は、 例えば P C粉末 4 0〜 9 9 . 9重量%および着色剤 0. 1〜6 0重 量%の範囲、 好ましくは P C粉末 6 0〜9 9重量%および着色剤 1〜4 0重量% の範囲、 特に好ましくは P C粉末 7 0〜9 5重量%および着色剤 5〜3 0重量% の範囲が適当である。
前記の割合で P C粉末および着色剤粉末を均一に混合して粉末状の着色マスタ 一組成物が得られる。 着色マスタ一組成物と透明 P Cペレツトまたは P C粉末を 混合し溶融成形して本発明の着色マスタ一ペレツトを得 ことができる。 ここで
"透明 P Cペレツト" とは着色剤を含まないポリカーボネート樹脂ペレツトをい
、
その際、 着色マスタ一組成物と透明 P Cペレツトまたは P C粉末との混合比は、 混合物中における着色剤と樹脂の割合が本発明の着色マスターペレツトに規定さ れた範囲となるように選択すればよい。 その混合比は、 目的とする着色マスタ一 ペレツト中の着色剤の含有量、 着色マスター組成物中の着色剤の含有量および着 色剤の種類などを考慮して好適範囲を決定すればよい。 すなわち、 着色マスター 組成物と透明 P Cペレツトまたは P C粉末を混合して本発明の着色マスターペレ ットを得る。 この際、 着色マスター組成物と、 透明 P Cペレットまたは P C粉末 との混合比は前者 0 . 5〜 5 0重量%および後者 5 0〜9 9. 5重量%の範囲が 望ましい。 好ましい混合比は前者 1〜2ひ重量%および後者 8 0〜9 9重量%の 範囲であり、 特に好ましい範囲は前者 2〜1 0重量%および後者 9 0〜9 8重 量%の範囲である。 本発明の光学成形品を得る場合、 着色マスタ一ペレットと透 明 P Cペレツトの割合は、 前者 3〜5 0重量%および後者 5 0〜9 7重量%の範 囲が望ましい。 好ましい混合比は、 前者 5〜3 0重量%および後者 7 0〜9 5重 量%の範囲であり、 特に好ましい範囲は、 前者 1 0〜2 5重量%および後者 7 5 〜9 0重量%の範囲である。
本発明者らの研究によれば、 着色マスターペレット中に、 ペレットの製造時 (主としてストランドの切断時) に発生する小さい細片が含有すると、 その着色 マスタ一ぺレツトを使用して光ディスクのような光学成形品を成形した場合に、 単なるシルバー現像と違って着色組成物に基づく固有の色ムラおよび色スジが発 生し、 また電気特性に支障のある成形品が得られることがわかった。 このペレツ トの細片の大きさと量は光学成形品の品質に影響を与えるので、 ペレツトの細片 は、 一定以下に発生しないように制御するかあるいはふるいなどの手段で除去す ることが望ましい。
すなわち、 本発明者らの研究によれば、 着色マスターペレットと同じ着色組成 物より形成された粒径が 2 . O mm以下の粉末の含有量が 5重量%以下、 好まし くは 3重量%以下である着色マス夕一ペレツトが提供される。 ここで粉末の粒径 とは、 最も長い部分の長径の長さをいう。 粒径が 2 . O mm以下の粉末の含有量 が 1重量%以下の場合、 より好ましく、 最も好ましいのは 0 . 5重量%以下であ
る。
本発明の好ましい着色マスターペレツトはその中に含まれる大きさが 1. 0 m m以下の粉末の含有量は 5 O O pm以下、 好ましくは 3 0 0 p pm以下、 最も 好ましくは 1 0 0 p pm以下が有利である。
本発明の特に好ましい着色マスタ一ペレットは、 その中に含まれる大きさが 0. 5 mm以下の粉末の含有量は 2 O O p pm以下、 好ましくは 1 O O p pm以下、 最も好ましくは 5 0 p pm以下が有利である。
本発明の着色マス夕一ペレツトは、 前述したように個々のペレツト間における 着色剤の濃度のパラツキを一定範囲とし、 ペレツト中に含まれる着色剤からなる 一定の大きさの粒子の含有割合を制御しかつペレツトの細片を制御することによ り、 色ムラおよび色スジの発生が極めて少なく、 しかも電気特性の優れた光学成 形品を得ることができる。
本発明の粉末含有量の少ない着色マスターペレツトを製造する 1つの手段は、 ペレツトの製造時におけるストランドのカッティング条件を調整して粉末の発生 量を極力抑えることである。 例えば樹脂組成物を押出機で押し出してストランド とし、 これをカッターで切断してペレットを得る場合に、 ペレットの断面形状は 円形または楕円形で凹凸が少ないものであることが望まれる。 この断面形状の凹 凸を減少させるためにストランドの冷却はストランドの周囲をできる限り均一な 温度で冷却するのが望ましく、 その際カッター切断時のストランドの温度が好ま しくは 1 1 0〜1 4 0 °C、 より好ましくは 1 2 0〜1 3 0 °Cとなるように冷却す ることが望ましい。 かくしてストランドのねじれを僅少化することができ、 切断 面における表面の凹凸を可及的に少なくすることが可能となる。
またカツ夕一切断時に、 一旦発生した粉末は、 ふるいを使用して分離除去する かあるいは風力を使用した重力分級機で分離除去することができる。
前述したように本発明の着色剤マスタ一ペレットは、 最も一般的な溶融押出さ れたストランドをカツトする方法により得ることができる。 したがってその形状 としては基本的に円柱状である。 角柱状などの形状も可能であるが、 円柱状では ストランドの均一な冷却が可能であり、 ペレタイザ一でのいわゆるミスカツトゃ
二度切りな が抑制できる。 したがってより均一な形状のペレツトを得るのに適 している。
さらに本発明の着色剤マスタ一ぺレットはその長さが 4 mm以上である巨大べ レツトがペレツト 2 0 g当たり平均 1偭未満の条件を満足するものが好ましい。 かかる長さが一定値以上の巨大ペレツトの存在は、 成形時のスクリユーかみ込み において不安定要因となる。 特に成形サイクルが極端に短い光記録媒体の分野で はかかる不安定要因は、 樹脂の不均一な混合を招きやすい。 したがって通常の無 着色の場合には問題にならなかったペレツトの存在も、 着色された光記録媒体な どの光学用樹脂成形品では色ムラや光学特性の不均一といった不具合を招く。 上記の長さが 4mm以上である巨大ペレットは、 好ましくは 1 0 0 g当たり 1 個未満、 さらには 5 0 0 g当たり 1個未満であることが好ましい。
かかるペレットの長さの測定は、 各種の方法を取ることができる。 例えば、 ぺ レツトを 1個ずつ光センサーや音波センサーなどを通過させ、 そこから得られる 情報を元に長さを測定する方法を取ることができる。 またはペレツトを画像処理 する方法によりその長さを算出する方法なども挙げられる。
一方、 力 る特定以上の長さの巨大ペレットを極力低減するためには、 ストラ ンドを安定して切断することが必要である。 そのためには以下の要因に配慮して ペレツトの製造を行う必要がある。 ①ペレタイザ一のカッター刃の摩耗および固 定刃と回転刃とのクリアランスに配慮し、 それらに起因する切断ミスを防ぐ。 ② ストランドの温度を安定させ、 ストランドの硬さがほぼ一定の状態で切断を行い 切断ミスを防ぐ。 ③一定の速度でペレタイザ一にストランドを引き込むため、 引 き込みロールの速度が安定し、 またロールが十分なトルクを有しているペレタイ ザ一を使用する。 ④ストランドの太さが安定するよう、 押出機ダイス部分の設計 に配慮し、 場合によってはギアポンプを介在させるなどして吐出量を安定させ、 ストランドの太さを安定させる。 太さのバラツキはストランド間でのロールの圧 着力のバラツキを生じ、 それによりストランドの引き込み速度が変動するからで ある。 ⑤ロ一ルとカッ夕一刃の距離を近接させて力ッ夕一刃のせん断力でストラ ンドが大きく変形するのを防ぐ。 その他、 上記の基本操作に比較してコスト的な
問題が生じるが、 選別機で粗篩いされたペレットを、 光学センサ一などで 1個ず つの長さを検知し特定長さ以上のものを選別する方法も挙げることができる。 本発明の着色マスタ一ペレツトは、 特定の大きさの異物の含有量が少ないもの が、 高温高湿環境下においても偏光性欠陥 (白色欠点) を生ずることがなく、 記 録の読み取りエラーが少なく、 信頼性の高い光学成形品 (例えば光ディスク) を 得るために適している。
本発明において 「異物」 とは原料から熱可塑性樹脂 (例えば芳香族ポリカーボ ネート樹脂) を製造し、 さらに光学成形品を成形するまでのあらゆる工程におい て種々の工程において混入する汚染物質のことであり、 例えば使用原料 (モノマ 一、溶剤、 安定剤、 離型剤等の添加剤、 着色剤など) に含まれる不純物やダスト、 製造設備に付着しているダストまたは成形過程で発生する炭化物など塩化メチレ ンに不溶な全ての成分を示す。
本発明の着色マスターペレツトは、 ペレツト 1 k g当り粒径 2 0 0 m以上の 異物が 1個以下含有しているものである。 好ましくはペレツト 1 k g当り; &径 1 0 0 m以上の異物が 3 0 0個以下、 さらに好ましくはペレット 1 k g当り粒径 5 以上の異物が 5 0 0個以下である。 また微少な異物の量に関して、 粒径 0 . 5 im以上の異物が 1 0 , 0 0 0個 Zg以下が好ましい。
異物の少ない熱可塑性樹脂を得るには、 昇華、 再結晶等で精製された不純物の 少ない原料 (モノマー、 溶剤、 安定剤、 離型剤等の添加剤、 着色剤などを使用し たり、 前述した従来公知の常法 (溶液重合法、 溶融重合法など) により製造した 後、 溶液状態において濾過処理をしたり、 造粒 (脱溶媒) 後の粒状原料を例えば 加熱条件下でァセトンなどの貧溶媒で洗浄したりして低分子量成分や未反応成分 等の不純物や異物を除去する。 さらに射出成形に供するためのペレツト状樹脂を 得る押出工程 (ペレツト化工程) では溶融状態の時に濾過精度 1 0 mの焼結金 属フィルターを通すなどして異物を除去したりする。 必要により、 例えばリン系 等の酸化防止剤などの添加剤を加えることも異物発生を抑止できる。 いずれにし ても射出成形前の原料樹脂は異物、 不純物、 溶媒などの含有量を極力低くしてお くことが必要である。
本発明の着色マスターペレツトは、 個々のペレツト間における着色剤の濃度の バラツキが極めて少ないペレツトである。 言い換えると本発明の着色マスターぺ レットは、 着色剤が均質にかつ良好に分散したペレットである。 その上本発明の 着色マスタ一ペレットは、 ペレットの細片 (粉末) の含有量が極めて少なくかつ 異物の含有量も極めて少ない。
かかる本発明による高品質の着色マスターペレツトは、 着色剤を含まない透明 の熱可塑性樹脂ペレット ("透明ペレット" という) と混合して溶融成形するこ とにより、 色ムラおよび色スジの発生が少なく、 電気特性の良好な着色した光学 成形品 (例えば光ディスク) を得ることができる。
着色マスターペレツトと透明ペレツトとの混合割合は特に制限されない。 好適 な混合割合は、 両者の合計を 1 0 0重量%としたとき、 着色マスターペレット 3 〜5 0重量%、 好ましくは 5〜3 0重量%、 特に好ましくは 1 0〜2 5重量%の 範囲であり、 透明ペレット 9 7〜5 0重量%、 好ましくは 9 5〜7 0重量%、 特 に好ましくは 9 0〜7 5重量%の範囲である。
着色マスターペレットと混合される透明ペレットの大きさおよび形状は、 前記 した着色マスターペレットと同じ範囲から選択されるのが好ましぐ 最も好まし い態様は、 両ペレットはほぼ同じ形状および大きさを有することである。 また透 明ペレットは、 その細片および異物の含有量は、 着色マスタ一ペレットにおいて 説明したと同じ範囲で少ないことが好適である。
本発明の着色マスタ一ペレットと透明ペレツトから光学成形品を得る方法とし ては従来公知の種々の方法が使用でき、 例えば射出成形、 押出成形、 圧縮成形な どの方法で所望の形状に成形することができる。 本発明は着色された光ディスク、 特に着色 C D— Rおよび着色 D VD— R等のディスク形状の光記録媒体の他、 光 力一ドなどの板状成形体にも好適なものであり、 その他光記録媒体機能を有する 貼り合わせ型記録媒体各種の態様において好適なものである。 これら光記録媒体 は、 各種ビデオソフト用、 コンピュータ一ソフト用、 ゲーム機ソフト用に好適な ものである。
さらに本発明の着色マスターペレツトは、 前記したように着色剤の濃度のバラ
ツキが極めて少ないので、 それ自体で、 つまり透明ペレットと混合しないで成形 して光学成形品を得ることもできる。 かかる光学成形品としては、 着色光デイス ク、 具体的には着色 C D— Rおよび着色 D VD-Rが例示できる。 発明の実施の形態
以下に、 実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、 本発明はこれら実施例 によって何ら限定されるものではない。 また、 実施例中の 「部」 は特に断りのな い限り重量部を意味する。 光ディスク共通の評価項目および方法は以下の通りで ある。
(1) 色ムラの測定
表 2記載のブレンドペレットを用い射出成形機 [住友重機 (株) S 480Z1 50] でシリンダ一温度 350で、 金型温度 120 °Cで長さ 50 mmX幅 90 mmx厚さ 0. 6 mmの色ムラ評価成形板を連続成形で 100枚作成した。 この 100枚の成形板を分光光度計 (da t aco l or社 SF500) を 用いて、 D65光源 (相闋色温度 6504K) 下での、 L* (明度)、 a* (赤 味から緑味にかけての色度)、 b* (黄味から青味にかけての色度) を測定し、 その最大値と最小値より求められた値を (i) 式に挿入して、 その色差 (ΔΕ *) を求め、 3段階評価した。 ΔΕ* (色差) の値が 0に近いほど色相が安定し ていることになる。
O: ΔΕ*≤0. 5
△: 0. 5<ΔΕ*<1. 0
X: ΔΕ*≥1. 0
ΔΕ *=v (L * ax-L *min) 2+ (a *max- a *min 2 + (b *max-b *min) 2 ( i )
L *max、 a *max, b * max:成形板 100枚中の最大値
L *min、 a *min、 b *min:成形板 100枚中の最小値
(2) 色スジの測定
色ムラ評価成形板 100枚の中から成形 1ショット目〜 10ショット目までの 10枚について、 その外観を目視にて観察し、 3段階評価した。
〇:色スジが全くないもの
△:色スジが 1個所あるもの
X:色スジが 2個所以上あるもの
(3) 光ディスクの外観観察
上記で得られた光ディスクについて、 その外観観察を目視にて行った。
(4) BLERの測定
下記のプレンドペレットを用い射出成形機 (住友重機 (株) 製 DI SK3MI I I) で厚み 1. 2mm、 12 Omm φの A 1付基板に成形し、 この基板の BL ERを BLER測定機 (SONY製 · CDp 1 ay e r co t ro l un i t CDS— 3000) により測定した。 なお、 表 4の C1AVEとは C 1エラ 一 (C 1コードで訂正出来るランダムエラ一) の 1秒間あたりの平均値である。
(5) 光線透過特性
光線透過率測定用試験片は、 得られたぺレットを射出成形機 [住友重機械工業 S480/150] でシリンダー温度 350°C、 金型温度 120°Cで長さ 50m mx幅 9 OmmX厚さ 0. 6 mmの透過率評価用成形板を作成した。
この成形板を日立製作所 (株) 製自記分光光度計 U— 3200型を用いて、 光 線透過特' f生を測定し、 ① 350 nm〜400 nmの各波長における最大光線透過 率、 ② 400 ηπ!〜 650 nmにおける最小光線透過率、 ③ 650 nmにおける 光線透過率を求めた。
(6) 粉末量の測定
着色マス夕一ペレット 5 kgを秤量した後、 ペレットを円形振動篩機 (徳寿ェ 作所製 · TM- 70-2 S) に 20分間かけ、 2. 0 mm以下、 1. 0 mm以下 および 0. 5 mm以下の粉末を分離する。 この粉末の重量を測定し、 ppm単位 で表わした。
(7) 着色剤マスタ一ペレットの長さの測定
表 1に示す各着色剤マスターペレツトから 500 gをサンプリングした。 かか
るペレツトは、 ペレツト 1個ずつが半円筒状の溝を刻んだベルト上に乗って運ば れるようにした。 ベルト上のペレツトは上および横に設置された CCDカメラよ り画像を入力し、 その画像解析により各ペレットの長さおよび径を測定した。 か かる CCDカメラはそれぞれ 3個設けられ、 それらから記録されたデ一夕の 3点 の平均値をペレツトの長さおよび径として算出した。
(8) 異物含有量の測定
200 m以上の異物は、 該ペレットの一定量を予め 0. 05 / mのフィルタ 一で濾過した塩化メチレンに溶解させ、 目開き 200 mのフィルタ一により濾 過し、 フィルター上の残存物の個数を数えて計測した。 その数を樹脂 l kg当た りに換算して表示した。
また、 0. 5 m以上の異物は、 上記の溶液をレーザー光を利用した光散乱/ 光遮断方式による液体微粒子カウンタ一 (HI AC, ROYCO社製) に通液し 測定した。
(9) 長期信頼性試験
ディスク用成形機 [住友重機械工業 (株) 製 D I SK 3M III] により成 形された光ディスク用基板 (直径 120mm、 厚さし 2mm) を、 温度 80° (:、 相対湿度 85%に制御した恒温恒湿槽に 1, 000時間放置した後、 基板中の大 きさ 20 m以上の白色欠点数 (偏光性欠陥) を数えた。 これを 25枚の光学式 ディスク基板についておこない、 その平均値を求め、 これを白点個数とした。 (10) 基板貼合せ試験
紫外線硬化型接着剤をスピンコート塗布、 紫外線照射により硬ィ匕させ、 データ 基板 2枚を貼合せてた DVDディスクを得た。 次いでその接着性を以下の手法に より評価した。
〇:手ではがすことはできず、 十分な接着力を有する
X:手ではがすことができる
(11) 吸光度の測定方法
まず 120°Cで 5時間乾燥した各種着色マスタ一ペレツトを稃量し、 その 1粒 (約 20mg) をメスフラスコに分取秤量し、 クロ口ホルムで適当に希釈溶解
(例えば 1 0 0、 2 0 0、 3 0 0、 5 0 0、 1 0 0 0、 1 5 0 0倍等) する。 こ の溶液を光路長 1 0 mmの石英セルを用いて (株) 日立製作所製 U— 3 2 0 0 形 自記分光光度計で、 波長 4 0 0 ηπ!〜 7 0 0 nmの光線透過率を測定する。 その時の最大吸収波長を λ max とする。 λ maxの光線透過率が 3 5〜 7 0 %の 範囲になるクロ口ホルムの希釈倍率を Aとする。 この希釈倍率 Aで着色ペレット 1 0 0個を上記と同様な方法で吸光度を測定した。 因みに実施例 N、 〇、 Pおよ び Qのそれぞれの着色剤の濃度の吸光度は次のとおりであった。
実施例 Nの着色剤マスターペレツトの測定した結果は、 希釈倍率 1 5 0 0倍で λ max= 4 7 7 n mの吸光度が平均 0. 2 5 2であった。
実施例〇の着色剤マスターペレツトの測定した結果は、 希釈倍率 7 0 0倍で λ max= 4 7 8 n mの吸光度が平均 0. 3 0 9であった。
実施例 Pの着色剤マスターペレツトの測定した結果は、 希釈倍率 3 0 0倍で λ max= 4 6 0 n mの吸光度が平均 0. 3 8 7であった。
実施例 Qの着色剤マスタ一ペレツトの測定した結果は、 希釈倍率 2 5 0倍で入 max= 6 3 4 nmの吸光度が平均 0 . 1 9 5であった。
なお表 1記載の各成分を示す記号および項目は下記の通りである。
熱可塑性樹脂 (A成分)
P C - 1
粘度平均分子量が 1 5, 2 0 0のァミン触媒を用いないホスゲン法により得ら れたビスフエノール Aポリカーボネート樹脂パウダー (末端停止剤として P— t e r t —ブチルフエノールを使用)。 このパウダーの平均粒径は 0 . 3 3 mmで あった。
P C - 2
粘度平均分子量が 1 4, 8 0 0のァミン触媒を用いてホスゲン法により得られ た、 全芳香族ジヒドロキシ成分のうち、 1 , 1 _ビス (4ーヒドロキシフエ二 ル) ー3, 3 , 5—トリメチルシクロへキサン [ビスフエノール TMC] が 4 5 モル%、 4 , 4, 一 (m—フエ二レンジイソプロピリデン) ジフエノ一ル [ビス フエノール M] が 5 5モル%である芳香族ポリカーボネート共重合体パウダー
(末端停止剤として p— t e r t一ブチルフエノールを使用) PC— 3
末端水酸基濃度 34モレ%、 粘度平均分子量が 15, 300のエステル交換触 媒として原料ビスフエノ一ル A 1モルに対してビスフエノ一ル Aの 2ナトリウム 塩を 2 X I 0一7モルを用いた溶融エステル交換法により得られたビスフエノー ル Aポリカーボネート樹脂ペレツト
着色剤 (B成分)
赤染料— 1 :ぺリノン系赤染料、 有本化学 (株) 製 P l a s t Re d 83
70
赤染料一 2 :ペリレン系蛍光赤染料、 BASF社製 Lumog e n F Re d 305
赤染料一 3 :クマリン系蛍光赤染料、 パイエル社製 Mac r o l ex F l u o r e s c en t Re d G
赤染料一 4 :チォインジゴ系蛍光赤染料、 有本化学 (株) 製 P l a s t Re d D 54
赤染料— 5 :ペリノン系赤染料、 紀和化学 (株) 製 Kp P l a s t Red HG
赤染料一 6 :ペリノン系赤染料、 紀和化学 (株) 製 Kp P l a s t Red H2G
黄染料— 1 :キノリン系黄染料、 有本化学 (株) 製 P l a s t Ye l l ow
8010
黄染料一 2 :クマリン系蛍光黄染料、 バイエル社製 Mac r o 1 ex F l u o r e s c en t Ye l l ow 10GN
黄染料一 3 :キノリン系黄染料、 有本化学 (株) 製 P l a s t Ye l l ow 8050
緑染料:アンスラキノン系緑染料、 有本化学 (株) 製 O i l Gr e en 5 602
青染料:アンスラキノン系青染料、 バイエル社製 Mac r 01 ex B l ue
RR
他の添加剤成分
ST : トリス (2, 4—ジ— t e r t—プチルフエ二ルホスフアイト)、 日本チ パガィギー (株) 製 I rga f os l 68
L1 :グリセリンモノステアレート、 理研ビタミン (株) 製リケマ一レ S— 10 OA
実施例 A〜R, 1〜 25および比較例 A, B, 1〜 3
ぐ着色マスターペレツトおよび透明ペレツトの製造 >
着色マスターペレツト A〜Rは、 まず表 1記載の着色剤成分および添加剤成分 の含有量が 10重量%の割合となるよう、 A成分のポリカーボネート樹脂パウダ 一で希釈し、 ヘンシェルミキサーで均一に混合し着色マスター組成物および添加 剤マスター組成物を得る。 次にマスタ一組成物を表 1の組成割合となるよう残り の樹脂成分と混合し、 タンブラ一で均一に混合した。 その後、 径 30πιπιφのべ ント付き 2軸押出機 [(株) 神戸製鋼所 ΚΤΧ— 30] でベントから真空排気さ せながらシリンダー温度 280°Cで溶融混練し押し出しペレツト化 (ペレツト形 状:径 2. 7mmX長さ 3. 0 mm) した。 押出機のダイス部分には、 フィル 夕一を設置し、 5 m以上の異物が lgあたり 20個以下となるようにした。 ま た上記の機器はすべてフィルターを通した清浄な空気が循環する 101. 8 k P aの雰囲気下に置き、 冷却用の水はイオン交換水を使用した。 .
なお、 着色剤マスターペレット A〜Qは、 冷却方法としてストランドを冷却水 を流した波板の上に通して冷却する方法 (波板冷却方法) を用い、 カッターで切 断した直後のペレツト温度は 132でとした。 このペレツトを矩形の導管中に落 下させながらイオン化空気を向流に流してペレットに付着している粉末を分離除 去した。
着色マス夕一ペレット Xは、 表 1記載の着色剤成分、 添加剤成分、 A成分の熱 可塑成樹脂を表 1の組成割合となるよう直接タンブラ一のみで混合した。 その後、 径 3 Οπιπιφのベント付き 2軸押出機 [(株) 神戸製鋼所 ΚΤΧ—30] でベン トから真空排気させながらシリンダー温度 280°Cで溶融混練し押し出しペレツ
ト化した。 この時、 押出機のダイス部分には、 フィルタ一を設置しなかった。 ま た上記の機器冷却用の水は水道水を使用した。
なお、 着色マスターペレット Xは、 冷却方法としてストランドを 2 7での水浴 に 5秒間通して冷却する方法を用い、 カッターで切断した直後のペレツト温度は 8 3 °Cとし、 イオン化空気による微粉末除去を行わなかった。
また、 別に希釈用の着色剤成分を含まない透明ペレット (ペレット形状:径 2 .
7 mmX長さ 3 . 0 mm) を上記着色マスターペレット A〜Qと同様な条件で 製造した。
着色マスター
A B c D E F G H I J κ し Ν 0 Ρ Q X ペレツ卜種類
PC- 1 重量部 98.29 98.31 98.31 98.91 98.91 98.91 98.91 99.71 98.91 98.91 99.61 15.39 98.44 99.41 99.86 99.81 99.81
A成分 PC— 2 II 98.29
P C— 3 II 82.9
赤染料— 1 II 1 1 1 1
赤染料一 2 II 0.05
赤染料— 3 II 0.1
赤染料— 4 II 0.85
赤染料— 5 II 1 1
B成分 赤染料— 6 II 1 1 0.93 0.5
黄染料一 1 II 0.02 1 0.02 0.02
黄染料— 2 II 0.3
黄染料— 3 II 0.2 0.05
綠染料 II 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.54
青染料 II 1 0.1 0.1 その他 S T II 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 成分 し 1 II 0.08 0.08 0.08 0.08 0.08 0.08 0.08 0.08 0.08 0.08 0.08 0.08 0.08 0.08 0.08 0.08 0.08 0.08
表 2 奎施例 Aま施例 Β 宝施例 C き *ίε例 E tie F 卖 例 G 施例 H 卖施例 1 ¾施例 J 着色マス 裡¾¾ し
ターペレ
ブレント'量 20 20 20 20 20 ッ卜 重量部 20 20 20 20 20
成形ペレツ卜 PC— 1 80 80 80 80 δ 0 80 80 80 80 80 透明ペレ
PC— 2
、j、 卜
PC— 3
0.9Χ〜1·1Χ 99 99 98 100 1 00 1 00 98 97 98 97 ペレットの 0·6Χ〜1·3Χ Ί 00 1 00 100 1 00 1 00 100 1 00 99 1 00 99 吸光度の 0.5Χ〜Ι.5Χ 100 100 1 00 100 100 100 100 1 00 1 00 1 00 バラツキ
0.5Χ〜1.5Χ
の範囲外
0.5mm以下 ppm 34 35 35 27 28 28 36 36 35 48 着色 粉末含有
マスターペレ 1.0mm以下 ppm 50 55 53 44 44 46 58 58 56 72 量
-y卜 2.0匪以下 重量% 0. 2 0. 2 0. 2 0. 2 0. 2 0. 2 0. 3 0. 4 0. 3 0. 5 の! Iftt 長さ 4mm以上のペレットの 個 Z20
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 個数 g
平均ペレット長 mm 3.0 3.0 3.0 3.0 3.0 3.0 3.0 3.0 3.0 3.0 平均ペレット径 mm 2.7 2.7 2.7 2.7 2.7 2.7 2.7 2.7 2.7 2.7
200/imJ ± 個/ Kg 0. 5 0. 5 0. 5 0. 4 0. 4 0. 4 0. 4 0. 4 0. 4 0. 4 異物
個 Zg 8200 8000 8100 7400 7200 7300 7300 7400 7400 6900
表 3 実施例 実施例し 実施例 M実施例 N実施例。実施例 P実施例 Q実施例 R比較例 A比較例 B 着色マス 種類 κ L M |sj 0 p Q A X タ一ペレ
ノ卜 0 八
ッ卜
成形ペレツ卜 PC— 1 80 80 80 80 80 90 80 1 00 透明ペレ
PC— 2 „ 80
ッ卜
PC— 3 80
0·9Χ〜1.1Χ 96 99 9 Θ 99 1 00 98 98 99 30 ― ペレツ卜の 0·6Χ〜,.3Χ 99 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 61 一 吸光度の 0.5Χ〜1.5Χ 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 84 バラツキ
0·5Χ〜1·5Χ
1 6 の範囲外
0.5隨以下 ppm 45 38 32 34 28 35 35 34 270 着色 粉末含有
マスターペレ 醒以下 pm 60 58 50 50 44 58 56 50 440
量
2.0誦以下 重量% 0. 4 0. 4 0, 2 0. 2 0. 2 0. 2 0, 2 0. 2 6. 3 の特性 長さ 4mm以上のペレットの 個 20
0 0 0 0 0 0 0 0 3 個数 g
平均ペレット長 mm 3.0 3,0 3.0 3.0 3.0 3.0 3.0 3.0 3.1 平均ペレット径 mm 2.7 2.7 2.7 Z.7 2.7 2.7 2,7 2.7 2.7
200^m以上 個/ Kg 0. 3 0, 5 0. 5 0. 5 0. 4 0. 4 0. 5 1. 3 異物
0.5 imJ ± 個/ g 6100 8300 8100 8200 7200 7400 6900 8200 21200
く CDディスクの製造 >
表 2、 表 3記載の成形ペレットを用いて射出成形機、 住友重機械工業製 D I S K3 M I I Iに CD専用の金型を取り付け、 この金型にピットの入ったニヅ ケル製の CD用スタンパーを装着し、 成形材料を自動搬送にて成形機のホッパー に投入し、 シリンダー温度 340°C, 金型温度 75°C、 射出速度 10 OmmZs e c、 保持圧力 3920 k P aの条件で直径 120 mm、 肉厚 1. 2 mmの基板 を成形し、 この基板を用いて CDディスクを得た。 これらの CDディスクの評価 結果を表 4に示す。
表 4 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 ¾¾s例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 纖例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 比較例比較例 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 1 2 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 雄例 実施例 実施例比較例 比較例 成形へ'レット mmm
A B C D E F G H 1 J K し N 0 P Q R A B 色厶ラ o 〇 〇 〇 o 〇 〇 〇 〇 〇 o o 〇 o 〇 O 〇 〇 X 色スジ o o 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 o 〇 〇 〇 o 〇 〇 〇 〇 Δ 鮮明な鮮明な
外観 黒 赤 赤 赤 黄 黄 青 黒 黒 赤 黄 黒 透明 赤 黄色
CI AVE 0.56 0.57 0.56 0.51 0.5 0.5 0.61 0.51 0.58 0.65 0.62 0.61 0.56 0.58 0.5 0.4 0.55 0.51 4.96 白色欠点 0. 4 0. 4 0. 4 0. 3 0. 3 0. 3 0. 3 0. 3 0. 3 0. 3 0. 2 0. 4 0. 4 0. 4 0. 4 0. 3 0. 4 0. 5 1. 2
く CD— Rディスクの製造 >
表 2記載の成形べレットを用 基板を成形し、 これに色素系記録層 を形成して CD— Rディスクを作成した れらの CD— Rディスクの評価結果 を表 5に示す。 表 5
さらに、 CD— Rディスクの記録面にガラスを通して日光が当たる様にし、 書 込み ·読出しに異常が起る日数を調べる耐候性試験を行った結果、 比較例に対し て実施例は倍以上の耐候性を有していた。
<DVDディスクの製造 >
表 2、 表 3記載の成形ペレットを用 て、 射出成形機、 住友重機械工業製 D I SK3 M I I Iに DVD専用の金型を取り付け、 この金型にアドレス信号な どの情報の入ったニッケル製の DVD用スタンパ一を装着し、 成形材料を自動搬 送にて成形機のホッパーに投入し、 シリンダ一温度 380 :、 金型温度 115°C、 射出速度 30 Omm/s e c、 保持圧力 392 OkPaの条件で直径 12 Omm、 肉厚 0. 6 mmの DVD基板を成形し、 この基板を用いて DVDディスクを得た。 これらの DVDディスクの評価結果を表 6に示す。
表 6 例 24 実施例 25 成形ペレツ卜 実施例」 実施例 色厶ラ 〇 〇 色スジ 〇 〇
350〜400nmの最大透過率 6 0 6 4
(%) 400〜650nmの最小透過率 1 0 7
650nmの透過率 9 0 9 0
D V D貼り合わせ 〇 〇