JP2000273185A - ポリカーボネート樹脂パウダー - Google Patents

ポリカーボネート樹脂パウダー

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JP2000273185A
JP2000273185A JP11077568A JP7756899A JP2000273185A JP 2000273185 A JP2000273185 A JP 2000273185A JP 11077568 A JP11077568 A JP 11077568A JP 7756899 A JP7756899 A JP 7756899A JP 2000273185 A JP2000273185 A JP 2000273185A
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powder
polycarbonate resin
sieve
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bis
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JP11077568A
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English (en)
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Yoji Ohira
洋二 大平
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Teijin Ltd
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Teijin Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少量添加剤の均一分散性が優れると共に、良
好な押出性を有しているパウダーを提供する。 【解決手段】 平均粒径が0.2〜0.9mmであり、
パウダー全体を100重量%とした時、ASTM篩い7
番を通過しないパウダーが1重量%以下、ASTM篩い
14番を通過しない粒子が10〜30重量%であり、か
つ、ASTM篩い140番を通過する粒子が4〜15重
量%であるポリカーボネート樹脂パウダー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリカーボネート
樹脂組成物ペレットをポリカーボネート樹脂パウダーお
よび配合添加剤のブレンドおよび押出加工により製造す
る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、透明性、耐衝
撃性に優れ、耐熱性が高く、電気的性質にも優れること
から、多くの分野で広く利用されている。
【0003】このポリカーボネート樹脂に機能性を持た
せるための樹脂改良方法として、ポリマー骨格そのもの
を改良する方法と押出加工前に添加剤を配合する方法が
あげられる。比較的容易に実施できる改良方法は後者で
あり、後者は、さらに押出加工時に連続的に添加剤を添
加する方法と、あらかじめポリカーボネート樹脂と添加
剤とをブレンダーで混合した後、混合パウダーを押し出
し加工をする方法(ここでは、「パウダーブレンド法」
と略称する)とに分けられる。
【0004】押出加工時に連続的に添加剤を添加する方
法は、添加剤の融点や粒径を綿密に考慮しておく必要が
あるのに対して、パウダーブレンド法は、添加剤の種類
や性状にかかわりなく比較的容易に実施可能である。
【0005】少量の添加剤をより確実に均一分散させた
ポリカーボネート樹脂組成物の押出ペレットあるいは押
出シートを得るのには、パウダーブレンド法が用いられ
ることが多い。つまり、ポリカーボネート樹脂パウダー
を添加剤とともにバッチ式でブレンドしてこれを押出ペ
レット化あるいはシート化する方法である。
【0006】少量添加剤の混合分散効率をあげて、ブレ
ンド・押出加工における生産効率を向上させるために
は、例えば、添加剤をより短時間で均一にブレンドでき
る技術を見いだす必要があり、同時に、ブレンドパウダ
ーの単位時間あたりの押出量を低下させないようにする
必要もある。
【0007】一般に、ポリカーボネート樹脂パウダーの
粒径が大きいものに比べると、粒径が小さい方が、添加
剤が少量であってもブレンダー内で均一に分散混合され
やすい。ところが、ポリカーボネート樹脂パウダーの粒
径が小さいものを押し出した場合には、押出機のスクリ
ューに対するパウダーのかみこみ性が悪くなり、すべり
現象をおこし、押出効率は低下する。反対にパウダー粒
径が大きいと押出機のスクリューに対するかみこみ性が
向上し、押出効率は向上するが、少量添加剤はブレンダ
ー内で均一に混合分散できない。
【0008】現在まで、ブレンド効率と押出効率を両立
させる技術は知られていなかった。ポリカーボネート樹
脂製品の多様化により、樹脂加工性の効率アップが求め
られており、それを達成するためにはブレンド効率と押
出効率を同時に向上させる技術が必要である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ポリカーボネート樹脂
組成物における「シートやペレットへの押出加工性の効
率を向上すること」が本発明の目的であり、具体的に
は、「ポリカーボネート樹脂パウダーに対し、少量添加
剤、たとえば、着色剤をブレンドする際に、より効率的
に混合分散させる方法」と同時に「その混合パウダーを
より効率的に押出加工する方法」を提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】我々は、目的を達成する
ために鋭意検討した結果、特定の粒度分布を有するポリ
カーボネート樹脂パウダーを使用することで、「少量添
加剤の均一混合分散」と「押出加工」が同時に効率よく
行えることを見いだした。
【0011】すなわち、本発明は、平均粒径が0.2〜
0.9mmであり、パウダー全体を100重量%とした
時、ASTM篩い7番を通過しないパウダーが1重量%
以下、ASTM篩い14番を通過しない粒子が10〜3
0重量%であり、かつ、ASTM篩い140番を通過す
る粒子が4〜15重量%であるポリカーボネート樹脂パ
ウダーである。
【0012】本発明における平均粒子径は、公知の方法
で測定した値である。かかる平均粒径は0.2〜0.9
mmであり、0.3〜0.7mmが好ましい。
【0013】本発明におけるASTM篩い7番を通過し
ない粒子とはASTMで規定された7番の篩いを用いて
通常の篩いわけ操作を行った場合に、篩い上に残る粒子
である。その範囲は1重量%以下であり、好ましくは
0.8重量%以下である。
【0014】本発明におけるASTM篩い14番を通過
しない粒子とは、ASTMで規定された14番の篩いを
用いて通常の篩いわけ操作を行った場合に、篩い上に残
る粒子である。その範囲は10〜30重量%であり、好
ましくは14〜30重量%である。
【0015】本発明におけるASTM篩い140番を通
過する粒子とは、ASTMで規定された140番の篩い
を用いて、通常の篩いわけ操作を行った場合に、篩い下
に通過する粒子である。その範囲は4〜15重量%であ
り、好ましくは6〜15重量%である。
【0016】本発明におけるASTM篩い14番を通過
しない粒子の割合が大きくなりすぎると、ブレンド際の
優れた「少量添加剤の混合分散効率」を保つことができ
ないため本発明の目的を達成することができない。一
方、ASTM篩い番号14を通過しない粒子の割合が小
さくなりすぎると、優れた押出加工性を保つことができ
ないため本発明の目的を達成することができない。
【0017】本発明におけるASTM篩い140番を通
過する粒子の割合が大きくなりすぎると、優れた押出加
工性を保つことができないため本発明の目的を達成する
ことができない。また、取扱い中、パウダーが飛散して
作業環境を汚染しやすくなる。
【0018】一方、ASTM篩い140番を通過する粒
子の割合が小さくなりすぎると、ブレンドの際の優れた
「少量添加剤の混合分散効率」を保つことができないた
め本発明の目的を達成することができない。
【0019】本発明のペレット化前のブレンド組成中の
添加剤量は0.5重量%以下が好ましく、効果の発現が
顕著であるのは添加剤量が0.01重量%(100pp
m)以下であり、さらに効果の発現が顕著であるのは添
加量が重量で1ppm以下である。
【0020】本発明における粒度分布を規定したポリカ
ーボネート樹脂パウダーは、任意の方法で製造すること
ができる。例えば、溶液法における重合反応終了後の造
粒条件により制御する方法、パウダーの粉砕条件によっ
て制御する方法、あらかじめ粒径幅毎に粒子を分別して
おいたパウダーを混合して所定の粒度分布をもたせる方
法などがある。
【0021】本発明の目的対象とする添加剤とは、紫外
線吸収剤、ブルーイング剤、安定剤(熱安定剤、酸化防
止剤)、離型剤、難燃剤、着色剤(顔料、染料等)等で
ある。本発明が対象とする添加剤の性状は固体(細粒パ
ウダー、顆粒パウダー)あるいは液体であるが、より好
ましい添加剤性状は、細粒パウダーである。
【0022】本発明のポリカーボネート樹脂において配
合添加剤をブレンドするには、任意の方法が採用され
る。例えばタンブラー、V型ブレンダー、スーパーミキ
サー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロ
ール、押出機等で混合する方法が適宜用いられる。こう
して得られるポリカーボネート樹脂は、溶融押出機でペ
レットやシートへ押出加工される。
【0023】添加剤のブレンドにあたっては、一段階で
実施してもよいが、二段階以上に分けて実施した方がよ
い。二段階に分けて実施する方法には、例えば、ベース
のポリカーボネート樹脂パウダーの一部と配合添加剤と
をブレンドした後、つまり、配合添加剤をポリカーボネ
ート樹脂パウダーで希釈してマスターブレンドとした
後、これを用いて本ブレンド(最終ブレンド)を行う方
法がある。
【0024】一段でブレンドを行う場合、本発明のパウ
ダーを用いれば、より短時間に配合添加剤の均一分散が
可能である。
【0025】二段でブレンドを行う場合、本発明のパウ
ダーを用いれば、より短時間に、より高い希釈率で配合
添加剤が均一分散したマスターを製造することが可能と
なり、高希釈率の添加剤マスターを使用すれば、本ブレ
ンド(最終ブレンド)においても短時間で効率よく行う
ことが出来る。この二段でのブレンドは、ペレット化前
のブレンド組成中の添加剤量が0.5重量%以下のもの
に好ましく適用される。
【0026】本発明で好ましく使用する燐系熱安定剤は
例えばトリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニ
ルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチ
ルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、
トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファ
イト、ジデシル−モノフェニルホスファイト、ジオクチ
ル−モノフェニルホスファイト、ジイソプロピル−モノ
フェニルホスファイト、モノブチル−ジフェニルホスフ
ァイト、モノデシル−ジフェニルホスファイト、モノオ
クチル−ジフェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ−
tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリス
リトール−ジ−ホスファイト、2,2−メチレンビス
(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホ
スファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリト
ール−ジ−ホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert
−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスフ
ァイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフ
ェニル)−4,4−ジフェニレンホスホナイト等の亜リ
ン酸のトリエステル、又はエステル部をアルキル基、フ
ェニル基、アルキルアリール基等で置換したジエステ
ル、モノエステルであり、またトリメチルホスフェート
等の燐酸エステル、亜燐酸があげられる。これらは単独
で使用しても又は二種以上併用してもよい。なかでもト
リスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ
−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキ
ス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4
−ジフェニレンホスホナイト、トリメチルホスフェー
ト、亜燐酸が好ましい。かかる燐系熱安定剤の配合量
は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.0
005〜0.1重量部、より好ましくは0.001〜
0.05重量部である。
【0027】本発明で好ましく使用される紫外線吸収剤
は、具体的に、ベンゾフェノン系では、2,4−ジヒド
ロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベン
ゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホ
キシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−
5−スルホキシトリハイドライドレイトベンゾフェノ
ン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフ
ェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキ
シベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′
−ジメトキシ−5−ソジウムスルホキシベンゾフェノ
ン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メト
キシフェニル)メタン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデ
シルオキシベンソフェノン、2−ヒドロキシ−4−メト
キシ−2′−カルボキシベンゾフェノン等があげられ、
ベンゾトリアゾール系では、2−(2−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒ
ドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミル
フェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒ
ドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2′−メチ
レンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチ
ル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フ
ェノール]、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−te
rt−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2
−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒド
ロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert
−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−
ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2,2´−メチレンビス
(4−クミル−6−ベンゾトリアゾールフェニル)、
2,2´−p−フェニレンビス(1,3−ベンゾオキサ
ジン−4−オン)、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,
4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−
メチルフェニル]ベンゾトリアゾールがあげられ、これ
らを単独あるいは2種以上の混合物で用いることが出来
る。好ましくは、2−(2−ヒドロキシ−5−tert
−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−
ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)フェニルベン
ゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert
−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾール、2,2′−メチレンビス[4−(1,1,
3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾト
リアゾール−2−イル)フェノール]である。
【0028】本発明で好ましく使用する離型剤の配合量
は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.0
05〜1重量部であり、好ましくは0.01〜0.5で
ある。
【0029】本発明で好ましく使用する離型剤とは、射
出成形材料で用いられる離型剤を意味しており、その9
0%重量以上が一価アルコールと一価脂肪酸のエステル
および/または多価アルコールと脂肪酸のフルエステル
からなる離型剤である。
【0030】本発明で配合される離型剤の中に遊離の脂
肪酸や遊離のアルコール、あるいは、多価アルコールの
部分エステルが存在すると本発明の目的を達成すること
ができない場合がある。
【0031】本発明で好ましく使用する離型剤であると
ころの一価または多価アルコールの高級脂肪酸フルエス
テルは、炭素原子数1〜20の一価または多価アルコー
ルと炭素原子数5〜30の飽和脂肪酸とのフルエステル
であることが好ましい。かかる一価または多価アルコー
ルと飽和脂肪酸とのフルエステルとしては、ステアリル
ステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステア
レート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテー
ト、2−エチルヘキシルステアレート、ステアリン酸モ
ノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ソルビタ
ンジステアレート、ペンタエリスリトールテトラステア
レート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、
プロピレングリコールジステアレート等が挙げられ、単
独あるいは二種以上の混合物で用いることができる。な
かでも、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリルステ
アレート、ペンタエリスリトールテトラステアレートが
好ましく用いられる。
【0032】本発明で好ましく用いるブルーイング剤の
配合量は、樹脂組成物全体の0.05〜10ppmであ
り、好ましくは、0.1〜3ppmである。配合量が多
すぎるとシート製品等の成形品の青みが強くなって視感
透明度が低下する。少なすぎると黄色味を低減し自然な
透明感を付与するというブルーイング剤の効果が発現し
ない。
【0033】具体的なブルーイング剤としては、例えば
一般名Solvent Violet13[CA.No
(カラーインデックスNo)60725;商標名 バイ
エル社製「マクロレックスバイオレットB」、三菱化学
(株)製「ダイアレジンブルーG」、住友化学工業
(株)製「スミプラストバイオレットB」]、一般名S
olvent Violet31[CA.No6821
0;商標名 三菱化学(株)製「ダイアレジンバイオレ
ットD」]、一般名Solvent Violet33
[CA.No60725;商標名 三菱化学(株)製
「ダイアレジンブルーJ」]、一般名Solvent
Blue94[CA.No61500;商標名三菱化学
(株)製「ダイアレジンブルーN」]、一般名Solv
ent Violet36[CA.No68210;商
標名 バイエル社製「マクロレックスバイオレット3
R」]、一般名Solvent Blue97[商標名
バイエル社製「マクロレックスブルーRR」]および
一般名Solvent Blue45[CA.No61
110;商標名 サンド社製「テトラゾールブルーRL
S」]、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社のマクロ
レックスバイオレットやトリアゾールブルーRLS等が
あげられ、特に、マクロレックスバイオレットやトリア
ゾールブルーRLSが好ましい。
【0034】本発明のポリカーボネート樹脂の分子量
は、粘度平均分子量(M)で14,000〜45,00
0が好ましい。かかる粘度平均分子量を有するポリカー
ボネート樹脂は、押し出し加工時や成形加工時において
良好な流動性を保ちながら、同時に得られたシートや成
形品に関しても一定の機械的強度を有するので好まし
い。
【0035】本発明でいう粘度平均分子量は、塩化メチ
レン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20
℃で溶解した溶液を用いて測定された比粘度(ηSP)を
次式に挿入して求めるMを指す。 ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]
は極限粘度) [η]=1.23×10-40.83 c=0.7
【0036】本発明で使用されるポリカーボネート樹脂
は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法ま
たは溶融法で反応させて得られるものであるが、特に溶
液法で反応させて得られるものを対象とする。
【0037】ここで使用される二価フェノールの代表的
な例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(通称ビスフェノールA)、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチ
ル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、α,α’−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベン
ゼン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、4,
4−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
スルホン等が挙げられる。
【0038】なかでも、ビスフェノールA、2,2−ビ
ス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル
ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選
ばれた少なくとも1種の二価フェノールより得られる単
独重合体または共重合体が好ましく、特に、ビスフェノ
ールAの単独重合体および1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
とビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ
−3−メチル)フェニル}プロパンまたはα,α’−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベ
ンゼンとの共重合体が好ましく使用される。更に、ビス
フェノールAの単独重合体が最も好ましい。
【0039】カーボネート前駆体としてはカルボニルハ
ライド、カーボネートエステル又はハロホルメート等が
使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネー
ト又は二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられ
る。
【0040】上記二価フェノールとカーボネート前駆体
を溶液法又は溶融法によって反応させてポリカーボネー
ト樹脂を製造するに当っては、二価フェノールは単独又
は2種以上を使用することができ、必要に応じて触媒、
末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用して
もよい。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官
能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹
脂であってもよく、芳香族又は脂肪族、好ましくは炭素
数8以上の芳香族又は脂肪族の二官能性カルボン酸を共
重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよ
く、更に2種以上のポリカーボネート樹脂の混合物であ
ってもよい。
【0041】溶液法による反応は、通常二価フェノール
とホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機溶媒の
存在下に反応させる。酸結合剤としては、例えば水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物
又はピリジンやトリエチルアミン等のアミン化合物が用
いられる。有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、ク
ロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。ま
た、反応促進のために例えば第三級アミンや第四級アン
モニウム塩等の触媒を用いることもできる。その際、反
応温度は通常0〜40℃であり、反応時間は数分〜5時
間程度である。
【0042】溶融法による反応は、通常二価フェノール
とジフェニルカーボネートとのエステル交換反応であ
り、不活性ガスの存在下に二価フェノールとジフェニル
カーボネートを混合し、減圧下通常120〜350℃で
反応させる。減圧度は段階的に変化させ、最終的には1
mmHg以下にして生成したフェノール類を系外に除去
させる。反応時間は通常1〜4時間程度である。
【0043】また、重合反応において、末端停止剤とし
て単官能フェノール類を使用することができる。カーボ
ネート前駆物質としてホスゲンを使用する反応の場合、
単官能フェノール類は末端停止剤として分子量調節のた
めに一般的に使用され、また得られたポリカーボネート
樹脂は、末端が単官能フェノール類に基づく基によって
封鎖されているので、そうでないものと比べて熱安定性
に優れている。カーボネート前駆物質としてジフェニル
カーボネートを使用するエステル交換反応の場合も同様
に熱安定性の向上のため好ましく使用できる。かかる単
官能フェノール類としては、ポリカーボネートの末端停
止剤として使用されるものであればよく、一般にはフェ
ノール又は低級アルキル置換フェノールであって、下記
一般式(1)で表される単官能フェノール類を示すこと
ができる。
【0044】
【化1】
【0045】[式中、Aは水素原子または炭素数1〜9
の直鎖または分岐アルキル基あるいはフェニル基置換ア
ルキル基であり、rは1〜5、好ましくは1〜3の整数
である。]
【0046】前記単官能フェノール類の具体例として
は、例えばフェノール、p−tert−ブチルフェノー
ル、p−クミルフェノールおよびイソオクチルフェノー
ルが挙げられる。
【0047】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を更に説明す
る。なお、評価は下記の方法によった。
【0048】(1)平均粒径 パウダーをASTM篩い7番、14番、25番、35
番、45番、60番、100番、140番、200番を
使用して篩い分けした後、重量を基準として累積粒度分
布グラフを作成し、累積重量が50%になるところの粒
径を求め、これを平均粒径とした。 (2)パウダーの粒度分布 パウダーをASTM篩い7番で篩い分け操作を行い、篩
い上に残った粒子を大粒子1(重量%)、ASTM篩い
14番で篩い分け操作を行い、篩い上に残った粒子を大
粒子2(重量%)、ASTM篩い140番で篩い分け操
作を行い、篩いを通過した粒子を微細粒子(重量%)と
した。
【0049】(3)分散性評価 得られるペレットについて、押出し開始から30分経過
後、10分おきに10回採取し、ペレットb値を測定し
た。さらに、ペレットb値に関する「最大値と最小値と
の差」によりブルーイング剤の分散性を評価した。この
「最大値と最小値との差」が小さいほど分散性が良いこ
とを意味する。ペレットのb値は、日本電色(株)製色
差計を用いて測定した。なお、b値とは、色質指数の一
つであり、値が小さい(マイナス値で絶対値が大きい)
ほど青色が強いことを意味する。 (4)押出加工効率 ブレンドした25Kgのパウダーを単軸30mmφの押
出機により、樹脂温度280℃で押出加工し、押出開始
から押出終了までに「押出に要した時間」により、押出
加工効率を評価した。「押出に要した時間」が短いほ
ど、押出加工効率が良いことを意味する。
【0050】[実施例1〜3]ビスフェノールA、p−
tert−ブチルフェノール(末端停止剤)とホスゲン
から通常の方法により得られた粘度平均分子量23,7
00を有する粉粒状ポリカーボネート樹脂を得た。造粒
温度および造粒時間を変化させて様々な粒度分布を有す
るポリカーボネートパウダーを得た。多くのロットの中
から、表1に示した粒度分布をもつパウダーを選択し、
このパウダー25kgに対しブルーイング剤(トリアゾ
ールブルーRLS、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ
社製)0.2g(8ppm)を加えた後、タンブラーで
3分間ブレンドし、マスターブレンドを得た。更に、マ
スターブレンドに使用したパウダーと同じ平均粒径と粒
度分布を有するパウダー23.75Kgとこのマスター
ブレンド1.25Kgとを加えた後、タンブラーで3分
間本ブレンド(ブルーイング剤:0.4ppm)した。
ブレンドしたパウダーは単軸30mmφの押出機によ
り、樹脂温度280℃で押出加工を行ってペレット化し
た。なお、評価結果を表1に示す。
【0051】[比較例1〜2]パウダー25kgに対し
ブルーイング剤(トリアゾールブルーRLS、チバ・ス
ペシャリティ・ケミカルズ社製)0.01g(0.4p
pm)を加えた後、タンブラーで3分間ブレンドして直
接単軸30mmφの押出機により、樹脂温度280℃で
押出加工を行ってペレット化した以外は、実施例1と同
様な操作を行った。なお、評価結果を表1に示す。
【0052】実施例のポリカーボネート樹脂パウダー
は、ブルーイング剤の均一分散性と押出加工効率がいず
れも優れていることがわかる。それに対して、比較例の
ポリカーボネート樹脂パウダーは、「ブルーイング剤の
優れた分散性」と「優れた押出加工効率」との両立がで
きないことがわかる。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】特定の粒度分布を有するポリカーボネー
ト樹脂パウダーは、少量添加剤の均一分散性が優れると
共に、良好な押出性を有しているため、パウダーブレン
ドおよび押出加工における生産性向上に極めて有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F070 AA50 AC45 AE04 FA01 FA03 FB03 FB06 FC05 FC07 4J029 AA09 AB01 AB04 BB10A BB12A BB12B BB12C BB13A BB13B BD09A BD09B BH02 DB07 DB13 FA07 HA01 HC01 HC02 HC03 HC05A JA091 JB192 JC031 JC231 JF031 JF041 KD09 KE05 KE09 KH08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が0.2〜0.9mmであり、
    パウダー全体を100重量%とした時、ASTM篩い7
    番を通過しないパウダーが1重量%以下、ASTM篩い
    14番を通過しない粒子が10〜30重量%であり、か
    つ、ASTM篩い140番を通過する粒子が4〜15重
    量%であるポリカーボネート樹脂パウダー。
  2. 【請求項2】 ASTM篩い14番を通過しない粒子が
    14〜30重量%であり、ASTM篩い140番を通過
    する粒子が6〜15重量%である請求項1記載のポリカ
    ーボネート樹脂パウダー。
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