JP2006206751A - 光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 高い光拡散性と光透過性とを有し、かつ成形品の色相に優れ、特に直下型バックライトモジュールに設置した場合に高い輝度を示す光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 (A)芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部、および(B)JIS K7120に準拠した熱重量測定(TGA)において1%重量減少温度が400〜500℃であるポリオルガノシルセスキオキサン粒子(B成分)0.005〜20重量部からなる光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、およびその光拡散板。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に関する。更に詳しくは、高い光拡散性を有し、かつ直下型バックライト用光拡散板に使用したときに高い輝度を発揮する光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に関する。
従来より各種照明カバー、透過型ディスプレイ用の光拡散板、自動車メーター用の拡散板、および各種銘板などの光拡散性が要求される用途に、芳香族ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、および塩化ビニル樹脂などの透明性樹脂に有機物や無機物の光拡散剤を分散させた材料が広く用いられている。この様な透明性樹脂の中で、芳香族ポリカーボネート樹脂は機械的特性、耐熱性、および耐候性に優れている上、高い光線透過率を備えた樹脂であることから、幅広く使用されている。
光拡散剤としては、架橋アクリル系粒子、架橋シリコーン系粒子および架橋スチレン系粒子などの架橋構造を有する有機系粒子が挙げられる。また光拡散剤として、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化チタン、および弗化カルシウムなどの無機系粒子あるいはガラス短繊維などの無機系繊維も利用されている。特に有機系粒子は無機系粒子に比べて成形品の表面平滑性に優れているおり高度な成形品外観を達成できるため、幅広い用途に適用可能である。
また光拡散剤を分散させた材料の用途としては、例えば、ポリカーボネート樹脂においては電灯カバー、メーター、看板(特に内照式)、樹脂窓ガラス、画像読取装置、並びに表示装置用の光拡散板(例えば、液晶表示装置におけるバックライトモジュールに使用される光拡散板、およびプロジェクターテレビの如き投影型表示装置のスクリーンに使用される光拡散板などに代表される)などが例示される。光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなる成形品は、良好な光拡散機能を有し、かつ従来のアクリル樹脂に比較して耐熱性や寸法安定性に優れる点で有利である。
前記用途のいずれにおいてもより均一でかつ高い光透過性が求められている。中でもバックライトモジュールに使用される光拡散板、特に光源が光拡散板に正対して配列された直下型のバックライトモジュールに使用される光拡散板おいては、均質でかつ高い輝度が求められている。光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は前記の特徴から、より大型の液晶表示装置に適しているが、かかる大型装置ほどより高い輝度が求められる。
芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリメチルシルセスキオキサンに代表される高分子微粒子、ヒンダードフェノール化合物を除く熱安定剤、紫外線吸収剤、および蛍光増白剤からなる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物から形成された直下型バックライト用光拡散板は公知である(特許文献1参照)。更にかかる文献では、良好な輝度の光拡散板が得られる理由として、該樹脂組成物の構成は高分子微粒子の熱安定性に起因する芳香族ポリカーボネートの変質を抑制すること、並びに特に特定の安定剤の使用においては安定剤による光吸収を抑制することが推察されている。しかしながら、該文献は更なる輝度の向上に関して、十分に開示しているとはいい難かった。
一方で、ポリオルガノシルセスキオキサン粒子の製造方法としては、各種の方法が公知である。オルガノトリアルコキシシランを有機酸の存在下で加水分解して得たオルガノシラントリオールまたはその部分縮合物を、アルカリの水溶液または該水溶液と有機溶媒との混合液中で重縮合反応させる方法は公知である(特許文献2参照)。かかる粒子は、微小粒径であって、その粒径分布が単分散となることが特徴である。
オルガノトリアルコキシシランおよび/またはその部分加水分解縮合物を反応溶液中で加水分解縮合させててポリオルガノシルセスキオキサン粒子を製造するにあたり、該反応溶液中にポリビニルアルコールの如き高分子分散剤を存在させる製造方法は公知である(特許文献3参照)。かかる発明は粒径の揃った微粒子を高濃度で効率よく製造することを特徴とする。
WO04/111692号パンフレット 特開平1−217039号公報 特開2003−342370号公報
本発明の目的は、高い光拡散性と光透過性とを有し、かつ成形品の色相に優れ、特に直下型バックライトモジュールに設置した場合に高い輝度を示す光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を提供することにある。本発明者は、前記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、芳香族ポリカーボネート樹脂と重量減少開始温度が特定温度範囲であるポリオルガノシルセスキオキサン粒子を配合した光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が、射出成形あるいは押出成形された成形品の色相に優れることを見出し、本発明に到達した。
本発明によれば、前記本発明の課題は、(1)(A)芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部、および(B)JIS K7120に準拠した熱重量測定(TGA)において1%重量減少温度が400〜500℃であるポリオルガノシルセスキオキサン粒子(B成分)0.005〜20重量部からなる光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物により達成される。即ち、本発明の要旨は、従来よりもはるかに高い重量減少温度を有するポリオルガノシルセスキオキサン粒子を芳香族ポリカーボネート樹脂に配合し、その結果前記課題を達成したことにある。従来光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物において汎用されているポリオルガノシルセスキオキサン粒子としては、トスパール120(商品名、ジーイー東芝シリコーン(株)製)が代表的である。かかるトスパール120の1%重量減少温度の345℃に比較して、本発明のポリオルガノシルセスキオキサン粒子のそれははるかに高い。また、本発明の他の利点として、従来汎用されたポリオルガノシルセスキオキサン粒子を利用しその改善をすることにより、樹脂組成物の改良がなされている点がある。これは従来から蓄積された成形品を製造する際の条件やノウハウ、および不良が生じた場合の原因に関する知見を有効利用できることを意味し、実用上大変重要である。
ポリオルガノシルセスキオキサンの特性により輝度に差の生じる原因は、縮合反応できず残存したアルコキシ基の量にあると推察される。かかるアルコキシ基が溶融加工時にポリカーボネート樹脂と副反応を生ずることにより、透過光量、色相および輝度に悪影響を及ぼしていると考えられる。一方、ポリオルガノシルセスキオキサンは溶剤に不溶な架橋構造体であるため詳細な分析を簡便に行うことは困難であり、更に残存するアルコキシ基も微量である。したがって、TGA1%重量減少温度は、ポリオルガノシルセスキオキサンを特定するに有用な指標であるといえる。尚、本発明におけるTGA1%重量減少温度の測定は、JIS K7120に準拠し、TGA測定装置を用いて、窒素ガス雰囲気中、23℃から900℃までの温度範囲、および20℃/分の昇温速度からなる測定条件の下でなされる。かかる重量減少挙動において、1%の重量減少が認められる温度がTGA1%重量減少温度とされる。
本発明の好適な態様の1つは、(2)前記B成分は、ポリメチルシルセスキオキサン粒子である前記構成(1)の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物である。
本発明の好適な態様の1つは、(3)A成分の芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、更に(C)リン系安定剤(C成分)0.0001〜1重量部、および/または(D)ヒンダードフェノール系化合物(D成分)0.001〜1重量部を配合してなる前記構成(1)〜(2)の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物である。
かかる安定剤の配合によって、特に芳香族ポリカーボネート樹脂自体の熱安定性が改良され、更に良好な輝度を有する光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が提供される。前記C成分およびD成分はそれぞれ単独でまたは二種以上を組み合わせて配合することができる。特にC成分を必須成分として含有することが好ましい。
本発明の好適な態様の1つは、(4)A成分の芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、更に(E)蛍光増白剤(E成分)0.0005〜0.5重量部および/または(F)紫外線吸収剤(F成分)0.001〜0.5重量部を配合してなる前記構成(1)〜(3)の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物である。
かかる成分の配合によって、輝度が向上するか、またはその長期使用における色相変化の少ない光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が提供される。E成分およびF成分はそれぞれ単独でまたは二種以上を組み合わせて配合することができる。特にC成分と共に、E成分およびF成分を共に配合することが好ましい。
本発明の好適な態様の1つは、(5)前記構成(1)〜(4)の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物より形成された光拡散板である。更に好適な態様は、(6)前記構成(1)〜(4)の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物より形成された直下型バックライト用光拡散板である。本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、直下型バックライト用光拡散板に特に好適に利用できる。
以下、本発明の詳細について説明する。
<A成分について>
本発明のA成分は樹脂組成物の主成分となる芳香族ポリカーボネート樹脂である。代表的な芳香族ポリカーボネート樹脂(以下、単に「ポリカーボネート」と称することがある)は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを反応させて得られるものであり、反応の方法としては界面重縮合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法及び環状カーボネート化合物の開環重合法等を挙げることができる。
前記二価フェノールの具体例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ビフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称“ビスフェノールA”)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等が挙げられる。これらの中でも、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン、特にビスフェノールA(以下“BPA”と略称することがある)が汎用されている。
本発明では、汎用のポリカーボネートであるビスフェノールA系のポリカーボネート以外にも、他の二価フェノール類を用いて製造した特殊なポリカーボネ−トをA成分として使用することが可能である。
例えば、二価フェノール成分の一部又は全部として、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(以下“BPM”と略称することがある)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(以下“Bis−TMC”と略称することがある)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン及び9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(以下“BCF”と略称することがある)を用いたポリカーボネ−ト(単独重合体又は共重合体)は、吸水による寸法変化や形態安定性の要求が特に厳しい用途に適当である。これらのBPA以外の二価フェノールは、該ポリカーボネートを構成する二価フェノール成分全体の5モル%以上、特に10モル%以上、使用するのが好ましい。
殊に、高剛性かつより良好な耐加水分解性が要求される場合には、樹脂組成物を構成するA成分が次の(1)〜(3)の共重合ポリカーボネートであるのが特に好適である。
(1)該ポリカーボネートを構成する二価フェノール成分100モル%中、BPMが20〜80モル%(より好適には40〜75モル%、さらに好適には45〜65モル%)であり、かつBCFが20〜80モル%(より好適には25〜60モル%、さらに好適には35〜55モル%)である共重合ポリカーボネート。
(2)該ポリカーボネートを構成する二価フェノール成分100モル%中、BPAが10〜95モル%(より好適には50〜90モル%、さらに好適には60〜85モル%)であり、かつBCFが5〜90モル%(より好適には10〜50モル%、さらに好適には15〜40モル%)である共重合ポリカーボネート。
(3)該ポリカーボネートを構成する二価フェノール成分100モル%中、BPMが20〜80モル%(より好適には40〜75モル%、さらに好適には45〜65モル%)であり、かつBis−TMCが20〜80モル%(より好適には25〜60モル%、さらに好適には35〜55モル%)である共重合ポリカーボネート。
これらの特殊なポリカーボネートは、単独で用いてもよく、2種以上を適宜混合して使用してもよい。また、これらを汎用されているビスフェノールA型のポリカーボネートと混合して使用することもできる。
これらの特殊なポリカーボネートの製法及び特性については、例えば、特開平6−172508号公報、特開平8−27370号公報、特開2001−55435号公報及び特開2002−117580号公報等に詳しく記載されている。
なお、上述した各種のポリカーボネートの中でも、共重合組成等を調整して、吸水率及びTg(ガラス転移温度)を下記の範囲内にしたものは、ポリマー自体の耐加水分解性が良好で、かつ成形後の低反り性においても格段に優れているため、形態安定性が要求される分野では特に好適である。
(i)吸水率が0.05〜0.15%、好ましくは0.06〜0.13%であり、かつTgが120〜180℃であるポリカーボネート、あるいは
(ii)Tgが160〜250℃、好ましくは170〜230℃であり、かつ吸水率が0.10〜0.30%、好ましくは0.13〜0.30%、より好ましくは0.14〜0.27%であるポリカーボネート。
ここで、ポリカーボネートの吸水率は、直径45mm、厚み3.0mmの円板状試験片を用い、ISO62−1980に準拠して23℃の水中に24時間浸漬した後の水分率を測定した値である。また、Tg(ガラス転移温度)は、JIS K7121に準拠した示差走査熱量計(DSC)測定により求められる値である。
一方、カーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カーボネートエステル又はハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネート又は二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
このような二価フェノールとカーボネート前駆体とから界面重合法によってポリカーボネートを製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールが酸化するのを防止するための酸化防止剤等を使用してもよい。また、ポリカーボネートは3官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネートであってもよい。ここで使用される3官能以上の多官能性芳香族化合物としては、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン等が挙げられる。
分岐ポリカーボネートを生ずる多官能性化合物を含む場合、その量は、ポリカーボネート全量中、0.001〜1モル%、好ましくは0.005〜0.9モル%、特に好ましくは0.01〜0.8モル%である。また、特に溶融エステル交換法の場合、副反応として分岐構造が生ずる場合があるが、かかる分岐構造量についても、ポリカーボネート全量中、0.001〜1モル%、好ましくは0.005〜0.9モル%、特に好ましくは0.01〜0.8モル%であるものが好ましい。なお、かかる分岐構造の割合についてはH−NMR測定により算出することが可能である。
また、本発明のポリカーボネートは、芳香族もしくは脂肪族(脂環式を含む)の2官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート、2官能性アルコール(脂環式を含む)を共重合した共重合ポリカーボネート並びにかかる2官能性カルボン酸及び2官能性アルコールを共に共重合したポリエステルカーボネートであってもよい。また、得られたポリカーボネートの2種以上をブレンドした混合物でも差し支えない。
ここで用いる脂肪族の2官能性のカルボン酸は、α,ω−ジカルボン酸が好ましい。脂肪族の2官能性のカルボン酸としては、例えば、セバシン酸(デカン二酸)、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、オクタデカン二酸、イコサン二酸等の直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸及びシクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸が好ましく挙げられる。2官能性アルコールとしては、脂環族ジオールがより好適であり、例えばシクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、トリシクロデカンジメタノール等が例示される。
さらに、本発明では、A成分として、ポリオルガノシロキサン単位を共重合した、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の使用も可能である。
A成分のポリカーボネートは、上述した二価フェノールの異なるポリカーボネート、分岐成分を含有するポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体等の各種ポリカーボネートの2種以上を混合したものであってもよい。さらに、製造法の異なるポリカーボネート、末端停止剤の異なるポリカーボネート等を2種以上混合したものを使用することもできる。
ポリカーボネートの重合反応において、界面重縮合法による反応は、通常、二価フェノールとホスゲンとの反応であり、酸結合剤及び有機溶媒の存在下に反応させる。酸結合剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物又はピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促進のために、例えば、トリエチルアミン、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド等の3級アミン、4級アンモニウム化合物、4級ホスホニウム化合物等の触媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常0〜40℃、反応時間は10分〜5時間程度、反応中のpHは9以上に保つのが好ましい。
また、かかる重合反応においては、通常、末端停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フェノール類を使用することができる。単官能フェノール類としては、例えば、フェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノール等の単官能フェノール類を用いるのが好ましい。さらに、単官能フェノール類としては、デシルフェノール、ドデシルフェノール、テトラデシルフェノール、ヘキサデシルフェノール、オクタデシルフェノール、エイコシルフェノール、ドコシルフェノール及びトリアコンチルフェノール等の炭素数10以上の長鎖アルキル基で核置換された単官能フェノールを挙げることができ、該フェノールは流動性の向上及び耐加水分解性の向上に効果がある。かかる末端停止剤は単独で使用しても2種以上併用してもよい。
溶融エステル交換法による反応は、通常、二価フェノールとカーボネートエステルとのエステル交換反応であり、不活性ガスの存在下に二価フェノールとカーボネートエステルとを加熱しながら混合して、生成するアルコール又はフェノールを留出させる方法により行われる。反応温度は、生成するアルコール又はフェノールの沸点等により異なるが、殆どの場合120〜350℃の範囲である。反応後期には反応系を1.33×10〜13.3Pa程度に減圧して生成するアルコール又はフェノールの留出を容易にさせる。反応時間は、通常、1〜4時間程度である。
前記カーボネートエステルとしては、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜10のアリール基、アラルキル基あるいは炭素原子数1〜4のアルキル基等のエステルが挙げられ、中でもジフェニルカーボネートが好ましい。
また、重合速度を速めるために重合触媒を用いることができる。かかる重合触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、二価フェノールのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属化合物;水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩基性化合物等を用いることができる。さらに、アルカリ(土類)金属のアルコキシド類、アルカリ(土類)金属の有機酸塩類、ホウ素化合物類、ゲルマニウム化合物類、アンチモン化合物類、チタン化合物類、ジルコニウム化合物類等のエステル化反応、エステル交換反応に使用される触媒を用いることができる。これらの触媒は単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。触媒の使用量は、原料の二価フェノール1モルに対し、好ましくは1×10−9〜1×10−5当量、より好ましくは1×10−8〜5×10−6当量の範囲で選ばれる。
溶融エステル交換法による反応では、生成ポリカーボネートのフェノール性末端基を減少する目的で、重縮反応の後期あるいは終了後に、例えば、2−クロロフェニルフェニルカーボネート、2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネート、2−エトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネート等の化合物を加えることができる。
さらに、溶融エステル交換法では触媒の活性を中和する失活剤を用いることが好ましい。かかる失活剤の量としては、残存する触媒1モルに対して0.5〜50モルの割合で用いるのが好ましい。また、重合後のポリカーボネートに対し、0.01〜500ppmの割合、より好ましくは0.01〜300ppm、特に好ましくは0.01〜100ppmの割合で使用するのが適当である。好ましい失活剤の例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等のホスホニウム塩、テトラエチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート等のアンモニウム塩が挙げられる。
A成分の芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は限定されない。しかしながら、粘度平均分子量は、10,000未満であると強度等が低下し、50,000を超えると成形加工特性が低下するようになるので、10,000〜50,000の範囲が好ましく、12,000〜30,000の範囲がより好ましく、15,000〜28,000の範囲がさらに好ましい。この場合、成形性等が維持される範囲内で、粘度平均分子量が前記範囲外であるポリカーボネートを混合することも可能である。例えば、粘度平均分子量が50,000を超える高分子量のポリカーボネート成分を配合することも可能である。
本発明でいう粘度平均分子量は、まず、次式にて算出される比粘度(ηSP)を20℃で塩化メチレン100mlに芳香族ポリカーボネート0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求め、
比粘度(ηSP)=(t−t)/t
[tは塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
求められた比粘度(ηSP)から次の数式により粘度平均分子量Mを算出する。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−40.83
c=0.7
尚、A成分を使用した光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物における粘度平均分子量の算出は次の要領で行なわれる。すなわち、該組成物を、その20〜30倍重量の塩化メチレンと混合し、組成物中の可溶分を溶解させる。かかる可溶分をセライト濾過により採取する。その後得られた溶液中の溶媒を除去する。溶媒除去後の固体を十分に乾燥し、塩化メチレンに溶解する成分の固体を得る。かかる固体0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液から、前記と同様にして20℃における比粘度を求め、該比粘度から前記と同様にして粘度平均分子量Mを算出する。
<B成分について>
本発明のB成分は、JIS K7120に準拠した熱重量測定(TGA)において1%重量減少温度が400〜500℃であるポリオルガノシルセスキオキサン粒子である。かかる重量減少温度の下限は、好ましくは430℃、より好ましくは450℃、特に好ましくは460℃である。好ましい重量減少温度の上限は490℃である。
B成分のポリオルガノシルセスキオキサンは、前記TGA1%重量減少温度の条件を満足するのであれば、特に製造方法は限定されるものではない。一般にポリオルガノシルセスキオキサンは、オルガノアルコキシシランの加水分解縮合によって製造される。かかる縮合反応において、残留するアルコキシ基を減少し、即ち縮合度を高くし、一方で目的の粒径が得られるように反応条件は適宜調整される。
汎用されるポリオルガノシルセスキオキサン粒子の製造方法は、オルガノアルコキシシランと、アンモニア水溶液とを2相界面の維持が可能な攪拌速度において反応させる方法である。しかしながら、かかる方法では縮合度を高めるためpHを挙げて反応を活性化すると、得られる粒径が小さくなりやすい。その結果光拡散粒子として有効な粒径が得られない。即ち、有効な粒径のためには反応系内のpHを低めにせざるを得ず、その結果残留のアルコキシ基の更なる減少が困難となりやすい。
したがって、オルガノアルコキシシランの加水分解縮合によりB成分を製造する方法のうち、より好適な方法は、一旦アルコキシシラン部分を加水分解してシラノールとすることによりアルコキシ基を実質的に消失させ、その後かかるシラノールにアルカリを加えて加水分解縮合反応させる方法である。即ちかかる方法は、オルガノアルコキシシランを有機酸の如き酸の存在下で加水分解し、得られたオルガノシラノールまたはその加水分解縮合物を、アルカリの水溶液または該水溶液と有機溶媒との混合液中で重縮合反応させる方法(方法−1とする)である。かかる製造方法の詳細は、例えば特開平1−217039号公報にその基本的な内容が記載され、より好ましい粒径の粒子の製造方法は、例えば特開平10−45914号公報に記載されている。粒径の調整は、主としてかかるアルカリの水溶液のpHの調整によって行うことができる。小さい粒子を得ようとすればpHを高く、大きい粒子を得ようとすればpHを低くすることで粒子径の制御が可能となる。反応液内にアルカリを添加することにより、縮合反応はpH7.6〜13の範囲、好ましくは9.7〜12の範囲で進行される。縮合反応は通常アルカリ添加後0.5〜10時間、好ましくは0.5〜5時間の範囲で行われ、縮合物が熟成される。かかる熟成は粒子の会合を防止するため、弱い攪拌下または静置下で行われることが好ましい。
方法−1における酸は有機酸および無機酸のいずれであってもよいが、好ましくは有機酸である。有機酸としては蟻酸、酢酸、シュウ酸およびクエン酸などが例示される。またアルカリ水溶液に利用されるアルカリ性物質としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、アンモニア、並びにモノメチルアミンおよびジメチルアミンなどの有機アミン類が例示され、中でもアンモニアが好ましい。方法−1における有機溶媒としては、水可溶性のものが好ましく、メタノールおよびエタノールなどのアルコール類、エチレングリコールの如きグリコール類、アセトン、ジエチルエーテルの如きエーテル類、並びにテトラヒドロフランなどを例示することができる。
オルガノアルコキシシランの加水分解縮合によって本発明のB成分を製造する際、反応液中に界面活性剤が含有されていてもよい。かかる界面活性剤としては特にノニオン系界面活性剤が好ましい。更にB成分をオルガノアルコキシシランの加水分解縮合によって製造する際には、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドンなどの水溶性ポリマーを含有することができる。かかるポリマーは、その保護コロイド効果によって生成するポリオルガノシルセスキオキサン粒子同士の凝集を効率的に抑制し、反応速度や該粒子濃度を高めることができる。その結果ポリオルガノシルセスキオキサン粒子がより効率的に製造できる。かかるポリマーの重合度は好ましくは100〜3,000、より好ましくは200〜1,500の範囲である。またかかるポリマーの添加量は、反応液中好ましくは5×10−5〜5重量%の範囲、より好ましく0.005〜0.5重量%の範囲である。
オルガノアルコキシシランの加水分解縮合によってB成分を製造する際、反応液の温度は、水の凝固点である0℃から常圧で水の沸点である100℃の範囲から選ぶことができ、また加圧下にて100℃以上でも可能であるが、好ましくは15〜80℃の範囲である。また反応は常圧で行われることが好ましい。製造されたポリオルガノシルセスキオキサン粒子は、この後濾過により分離され、水洗浄あるいは有機溶剤洗浄される。その後更に酸性物質を添加して中和後、同様に濾過による分離並びに水洗あるいは有機溶剤洗浄して乾燥される。得られた粒子は、そのままで使用することも、更に解砕して粒子を得ることもできる。
B成分の平均粒径は、好ましくは0.1〜20μm、より好ましく0.3〜6μm、更に好ましくは1〜3μmである。かかる平均粒径は、レーザー回折・散乱法で求められる粒度の積算分布の50%値(D50)で表されるものである。粒子径の分布は単一であっても複数であってもよい。即ち平均粒径の異なる2種以上の光拡散剤を組み合わせることが可能である。しかしながらより好ましい光拡散剤は、その粒径分布の狭いものである。「粒径標準偏差σ/平均粒子径D×100(%)」で表される変動係数は、好ましくは20%以内、より好ましくは10%以内、更に好ましくは7%以内である。下限は1%が適切である。光拡散剤の形状は、光拡散性の観点から球状に近いものが好ましく、真球状に近い形態であるほどより好ましい。真球状に近いとは、より具体的には長径と短径の比が1.1以内の形状をいう。尚、かかる球状には楕円球を含む。
本発明のポリオルガノシルセスキオキサン粒子は、R−SiO3/2(Rは一価の有機基)で示される3官能性シロキサン単位(以下単に“T単位”と称する)が、1〜4官能性シロキサン単位の合計100モル%中90モル%以上であるものをいう。T単位の割合はより好ましくは95モル%以上、更に好ましくは実質的に100モル%である。
ポリオルガノシルセスキオキサンに結合する有機基としては、炭素数1〜18のアルキル基、フェニル基、トリル基、およびキシリル基の如きアリール基、β−フェニルエチル基およびβ−フェニルプロピル基の如きアラルキル基、並びにシクロヘキシル基などが例示される。更にビニル基、γ−グリシドキシプロピル基、およびγ−メタクリロキシプロピル基などに代表される反応性基を含有することもできる。
炭素数1〜18のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、デシル基、ドデシル基、およびオクタデシル基などが例示される。より好ましくアルキル基は炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜10のアルキル基である。特にメチル基が好適である。
したがって、オルガノアルコキシシランの加水分解縮合によって本発明のB成分を製造する際、該オルガノアルコキシシランとしては、アルキルトリアルコキシシランが好適であり、特にメチルトリメトキシシランが最も好適である。尚、前記ポリオルガノシルセスキオキサンに結合する有機基を2種以上組み合わせ使用することができる。更に多段縮合を行うことより、B成分は、異なるオルガノアルコキシシランが縮合して形成された多層構造を有することもできる。
<B成分の含有量>
B成分の含有量は、100重量部のA成分を基準として0.005〜20重量部、好ましくは0.01〜10重量部、特に好ましくは0.1〜5重量部である。0.005重量部未満で十分な光拡散性が得られず、20重量部を超えると光線透過率が不十分となるので好ましくない。
<C成分について>
本発明のC成分は、各種のリン系安定剤である。かかるリン系安定剤の配合の主たる目的は、樹脂組成物の成形加工時の熱安定性を向上させ、良好な色相の拡散光を得る点にある。かかるリン系安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステル、並びに第3級ホスフィンなどが例示される。
具体的にはホスファイト化合物としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(ジエチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−iso−プロピルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−n−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス{2,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル}ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、およびジシクロヘキシルペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられる。
更に他のホスファイト化合物としては二価フェノール類と反応し環状構造を有するものも使用できる。例えば、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、および2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイトなどが例示される。
ホスフェート化合物としては、トリブチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクロルフェニルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルクレジルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、およびジイソプロピルホスフェートなどが例示され、好ましくはトリフェニルホスフェート、トリメチルホスフェートである。
ホスホナイト化合物としては、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、およびビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト等があげられ、テトラキス(ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトが好ましく、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、およびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトがより好ましい。かかるホスホナイト化合物は前記アルキル基が2以上置換したアリール基を有するホスファイト化合物との併用可能であり好ましい。
ホスホネイト化合物としては、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、およびベンゼンホスホン酸ジプロピル等が挙げられる。
第3級ホスフィンとしては、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリアミルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン、ジフェニルオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリナフチルホスフィン、およびジフェニルベンジルホスフィンなどが例示される。特に好ましい第3級ホスフィンは、トリフェニルホスフィンである。
前記リン系安定剤は、1種のみならず2種以上を混合して用いることができる。前記リン系安定剤の中でも、ホスファイト化合物またはホスホナイト化合物が好ましい。最も好ましいホスファイト化合物は、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトである。ホスホナイト化合物としては、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトおよびこれらの混合物が好ましく、これらの混合物が最も好ましい。両者の重量割合(前者/後者)は、好ましくは90/10〜70/30の範囲、より好ましくは85/15〜75/25の範囲である。またこれらとホスフェート化合物との併用も好ましい態様である。
C成分の配合量は、100重量部のA成分を基準として、好ましくは0.0001〜1重量部であり、より好ましくは0.01〜1重量部であり、更に好ましくは0.02〜0.5重量部である。0.0001重量部未満では耐溶融変色性が得られず、1重量部を超えると本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が変質を起こすようになる。
<D成分について>
本発明のD成分は、ヒンダードフェノール系安定剤である。かかるヒンダードフェノール系安定剤の配合の主たる目的は、光拡散性樹脂組成物の成形加工時の熱安定性、耐熱老化性、および耐紫外線性を向上させることである。かかるヒンダードフェノール系安定剤としては、例えば、α−トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン、シナピルアルコール、ビタミンE、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−tert−ブチル−6−(3’−tert−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネートジエチルエステル、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−ジメチレン−ビス(6−α−メチル−ベンジル−p−クレゾール)2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−ブチリデン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、1,6−へキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[2−tert−ブチル−4−メチル6−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフタレート、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1,−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、4,4’−ジ−チオビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−トリ−チオビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2−チオジエチレンビス−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、N,N’−ヘキサメチレンビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス2[3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチルイソシアヌレート、およびテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどが例示される。これらの中でもオクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(代表的市販品としてCIBA SPECILATY CHEMICALS社製:Irganox1076(商品名))が好ましい。前記のヒンダードフェノール系酸化防止剤はいずれも入手容易であり、これらは単独でまたは2種以上を組合せて使用することができる。
D成分の配合量は、100重量部のA成分を基準として好ましくは0.001〜1重量部であり、より好ましくは0.005〜0.8重量部、更に好ましくは0.01〜0.5重量部である。この配合量が0.001重量部未満では耐溶融変色性や耐乾熱変色性が得られず、1重量部を超えると輝度が低下する。
<E成分について>
本発明のE成分は、蛍光増白剤である。かかる蛍光増白剤の主たる目的は、拡散光の輝度を向上させ、また拡散光の色相を調節する。蛍光増白剤は、光線の紫外部のエネルギーを吸収し、このエネルギーを可視部に放射する作用を有するものである。蛍光増白剤としては公知のビスベンゾオキサゾール、クマリンおよびビス(スチリル)ビフェニルなどが利用できる。中でもクマリン系蛍光増白剤が好ましい。クマリン系蛍光増白剤としては、トリアジン−フェニルクマリン、ベンゾトリアゾール−フェニルクマリン、およびナフトトリアゾール−フェニルクマリンなどが例示される。E成分の配合量は、100重量部のA成分を基準として0.0005〜0.5重量部であり、より好ましくは0.0005〜0.3重量部である。0.5重量部を超えても該組成物の色調の改良効果は小さい。
<F成分について>
本発明のF成分は、紫外線吸収剤である。紫外線吸収剤の配合は屋外での使用や強い光源の下で使用される場合により好ましい。本発明の紫外線吸収剤としては、具体的に、ベンゾフェノン系では、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシトリハイドライドレイトベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−ソジウムスルホキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン等があげられ、ベンゾトリアゾール系では、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−クミル−6−ベンゾトリアゾールフェニル)、2,2’−p−フェニレンビス(1,3−ベンゾオキサジン−4−オン)、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾールがあげられ、その他2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)の如き環状イミノエステル系紫外線吸収剤、1,3−ビス−[(2’−シアノ−3’,3’−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル)プロパンの如きシアノアクリレート系紫外線吸収剤、並びにトリアジン系紫外線吸収剤が挙げられ、これらは紫外線吸収性単量体からの重合体でもよく、これらを1種もしくは2種以上併用することができる。かかる紫外線吸収剤は、100重量部のA成分を基準として、好ましくは0.001〜2重量部、より好ましくは0.05〜1重量部である。
<その他成分について>
本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂には、更に慣用の他の添加剤を本発明の効果が発揮される範囲で配合することも可能である。例えば難燃剤、光安定剤、離型剤、滴下防止剤、難燃助剤、染料、顔料、蓄光顔料、蛍光増白剤以外の蛍光染料、帯電防止剤、流動改質剤、結晶核剤、無機および有機の抗菌剤、光触媒系防汚剤(微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛など)、グラフトゴムに代表される衝撃改質剤、赤外線吸収剤、並びにフォトクロミック剤などを配合することができる。
難燃剤の配合は、より強い光源下で使用される場合に好ましいことが多い。本発明の難燃剤としては、テトラブロムビスフェノールA、テトラブロムビスフェノールAのオリゴマー、ブロム化ビスフェノール系エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノール系フェノキシ樹脂、ブロム化ビスフェノール系ポリカーボネート、ブロム化ポリスチレン、ブロム化架橋ポリスチレン、ブロム化ポリフェニレンエーテル、ポリジブロムフェニレンエーテル、デカブロモジフェニルオキサイドビスフェノール縮合物および含ハロゲンリン酸エステルに代表されるハロゲン系難燃剤;モノホスフェート化合物としてトリフェニルホスフェート、縮合リン酸エステルとしてレゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、およびビスフェノールAビス(ジキシレニルホスフェート)、その他ペンタエリスリトールジフェニルジホスフェートなどに代表される有機リン酸エステル系難燃剤;ポリリン酸アンモニウム塩、リン酸アルミニウム、リン酸ジルコニウムなどの無機系リン酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの無機金属化合物の水和物、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化アンチモンなどに代表される無機系難燃剤;パーフルオロブタンスルホン酸カリウム、パーフルオロブタンスルホン酸カルシウム、パーフルオロブタンスルホン酸セシウム、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸カリウム、β−ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物に代表される有機アルカリ(土類)金属塩系難燃剤;フェニル基を含有する(ポリ)オルガノシロキサン化合物、および(ポリ)オルガノシロキサンとポリカーボネート樹脂の共重合体;フェノキシホスファゼンオリゴマーや環状フェノキシホスファゼンオリゴマーに代表されるホスファゼン系難燃剤などを挙げることができる。
難燃助剤としては、アンチモン酸ナトリウム、三酸化アンチモン等が挙げられ、滴下防止剤としてはフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン等を代表的に挙げることができる。更にかかるポリテトラフルオロエチレンは、配合時の形態として分散液状、分散液と他のポリマーとを共凝固等することにより得られた被覆状物等であり微分散形態が可能であるものが好ましい。難燃剤、難燃助剤、および滴下防止剤の配合量は、通常100重量部のA成分を基準として0.01〜10重量部が好ましい。
本発明で好ましく使用される離型剤は、その90%重量以上が一価アルコールと一価脂肪酸のエステルおよび/または多価アルコールと脂肪酸のエステルからなる離型剤である。かかるエステルは、炭素原子数1〜20の一価または多価アルコールと炭素原子数5〜30の飽和脂肪酸とのエステルであることが好ましい。かかる一価または多価アルコールと飽和脂肪酸とのエステルとしては、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、2−エチルヘキシルステアレート、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ソルビタンジステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールジステアレート等が挙げられ、単独あるいは二種以上の混合物で用いることができる。なかでも、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリルステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレートが好ましく用いられる。かかる離型剤を使用する場合は、その配合量は目的に応じて種々をとることが可能であるが、100重量部のA成分を基準として0.02〜1重量部が好ましい。
更に本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物には、アンスラキノン系染料、ペリレン系染料、クマリン系染料、チオインジゴ系染料、チオキサントン系染料などに代表され、緑色、黄色、および赤色などを発する、蛍光増白剤以外の蛍光染料、並びに紺青等のフェロシアン化物、ペリノン系染料、キノリン系染料、キナクリドン系染料、ジオキサジン系染料、イソインドリノン系染料、およびフタロシアニン系染料等に代表される有機系染料を配合することができ、これらは100重量部のA成分を基準として0.0001〜2重量部が好ましい。
光安定剤としては、特にヒンダードアミン系の光安定剤を挙げることができ、具体的にはビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2n−ブチルマロネート、1,2,3,4−ブタンカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールとトリデシルアルコールとの縮合物、1,2,3,4−ブタンジカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとトリデシルアルコールとの縮合物、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ{[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミノ]}、ポリ{[6−モルフォリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミノ]}、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンと2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−クロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物、ポリメチルプロピル3−オキシ−[4−(2,2,6,6−テトラメチル)ピペリジニル]シロキサンなどを挙げることができる。かかる光安定剤は1種もしくは2種以上を併用することができる。
<樹脂組成物の製造方法について>
本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の製造に当たっては、その製造方法は特に限定されるものではない。しかしながら本発明の樹脂組成物の好ましい製造方法は押出機を用いて各成分を溶融混練する方法である。かかる方法はポリオルガノシルセスキオキサン粒子の良好な分散を達成する。
押出機としては特に二軸押出機が好適である。その代表的な例としては、ZSK(Werner & Pfleiderer社製、商品名)を挙げることができる。かかるZSKタイプの二軸押出機においてそのスクリューは、完全噛合い型であり、スクリューは長さとピッチの異なる各種のスクリューセグメント、および幅の異なる各種のニーディングディスク(またそれに相当する混練用セグメント)からなるものである。
二軸押出機においてより好ましい態様は次の通りである。スクリュー形状は1条、2条、および3条のネジスクリューを使用することができ、特に溶融樹脂の搬送能力やせん断混練能力の両方の適用範囲が広い2条ネジスクリューが好ましく使用できる。二軸押出機におけるスクリューの長さ(L)と直径(D)との比(L/D)は、20〜45が好ましく、更に28〜42が好ましい。L/Dが大きい方が均質な分散が達成されやすい一方、大きすぎる場合には熱劣化により樹脂の分解が起こりやすい。スクリューには混練性を上げるためのニーディングディスクセグメント(またはそれに相当する混練セグメント)から構成された混練ゾーンを1個所以上有することが必要であり、1〜3箇所有することが好ましい。
更に押出機としては、原料中の水分や、溶融混練樹脂から発生する揮発ガスを脱気できるベントを有するものが好ましく使用できる。ベントからは発生水分や揮発ガスを効率よく押出機外部へ排出するための真空ポンプが好ましく設置される。また押出原料中に混入した異物などを除去するためのスクリーンを押出機ダイス部前のゾーンに設置し、異物を樹脂組成物から取り除くことも可能である。かかるスクリーンとしては金網、スクリーンチェンジャー、焼結金属プレート(ディスクフィルターなど)などを挙げることができる。
更にB成分、C成分、D成分、E成分、F成分、およびその他添加剤(以下の例示において単に“添加剤”と称する)の押出機への供給方法は特に限定されないが、以下の方法が代表的に例示される。(i)添加剤をA成分の樹脂とは独立して押出機中に供給する方法。(ii)添加剤とA成分の樹脂粉末とをスーパーミキサーなどの混合機を用いて予備混合した後、押出機に供給する方法。(iii)添加剤とA成分の樹脂とを予め溶融混練してマスターペレット化する方法。
前記方法(ii)の1つは、必要な原材料を全て予備混合して押出機に供給する方法である。また方法(ii)の他の方法は、添加剤が高濃度に配合されたマスター剤を作成し、該マスター剤を独立にまたは残りの樹脂と更に予備混合した後、押出機に供給する方法である。尚、該マスター剤は、粉末形態および該粉末を圧縮造粒などした形態のいずれも選択できる。また他の予備混合の手段は、例えばナウターミキサー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、メカノケミカル装置、および押出混合機などがあるが、スーパーミキサーのような高速撹拌型の混合機が好ましい。更に他の予備混合の方法は、例えば樹脂と添加剤を溶媒中に均一分散させた溶液とした後、該溶媒を除去する方法である。
押出機より押出された樹脂は、直接切断してペレット化するか、またはストランドを形成した後かかるストランドをペレタイザーで切断してペレット化される。更に外部の埃などの影響を低減する必要がある場合には、押出機周囲の雰囲気を清浄化することが好ましい。更にかかるペレットの製造においては、光学ディスク用ポリカーボネート樹脂や光学用環状ポリオレフィン樹脂やにおいて既に提案されている様々な方法を用いて、ペレットの形状分布の狭小化、ミスカット物の低減、運送または輸送時に発生する微小粉の低減、並びにストランドやペレット内部に発生する気泡(真空気泡)の低減を適宜を行うことができる。これらの処方により成形のハイサイクル化、およびシルバーの如き不良発生割合の低減を行うことができる。またペレットの形状は、円柱、角柱、および球状など一般的な形状を取り得るが、より好適には円柱である。かかる円柱の直径は好ましくは1〜5mm、より好ましくは1.5〜4mm、さらに好ましくは2〜3.3mmである。一方、円柱の長さは好ましくは1〜30mm、より好ましくは2〜5mm、さらに好ましくは2.5〜3.5mmである。
<本発明の樹脂組成物からなる成形品について>
前記の如く得られた本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は通常前記の如く製造されたペレットを射出成形して各種製品を製造することができる。更にペレットを経由することなく、押出機で溶融混練された樹脂を直接シート、フィルム、異型押出成形品、ダイレクトブロー成形品、および射出成形品にすることも可能である。
かかる射出成形においては、通常の成形方法だけでなく、適宜目的に応じて、射出圧縮成形、射出プレス成形、ガスアシスト射出成形、発泡成形(超臨界流体の注入によるものを含む)、インサート成形、インモールドコーティング成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形、二色成形、サンドイッチ成形、および超高速射出成形などの射出成形法を用いて成形品を得ることができる。これら各種成形法の利点は既に広く知られるところである。また成形はコールドランナー方式およびホットランナー方式のいずれも選択することができる。
また本発明の樹脂組成物は、押出成形により各種異形押出成形品、シート、およびフィルムなどの形で利用することもできる。またシート、フィルムの成形にはインフレーション法や、カレンダー法、キャスティング法なども使用可能である。さらに特定の延伸操作をかけることにより熱収縮チューブとして成形することも可能である。また本発明の樹脂組成物を回転成形やブロー成形などにより成形品とすることも可能である。
これにより優れた色相の拡散光を有する光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の成形品が提供される。即ち、本発明によれば、100重量部のA成分を基準として、0.005〜20重量%のB成分、およびその他添加剤を含有してなる光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を溶融成形してなる成形品が提供される。
<光拡散板について>
本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、光透過性、色相および輝度に優れると共に、熱安定性にも優れる。したがって面積の大きな光拡散板に適している。より好適な用途として表面積500〜50,000cmである光拡散板が挙げられる。光拡散版の好ましい表面積は1,000〜25,000cmであり、好ましい厚みは0.3〜3mmである。
したがって、本発明によれば、前記の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなり、かかる面積を有し、光透過性、色相および輝度に優れた光拡散板が提供される。
本発明によれば、さらに好適な態様として、前記光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなり、面積500〜50,000cm(より好適には1,000〜25,000cm)の表示装置用光拡散板が提供される。表示装置用光拡散板としては、液晶表示装置のバックライトモジュールに使用される光拡散板およびプロジェクターテレビの如き投影型表示装置のスクリーンに使用される光拡散板が例示される。中でも直下型バックライト用光拡散板が好ましい。バックライトモジュールは各種の光源が使用でき冷陰極管、白色LED、並びに赤色、緑色および青色の3色が配列されたLEDアレイが使用される。
本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなる光拡散板は、その表面がフレネルレンズ形状、シリンドリカルレンズ形状、輝点ドット形状、およびプリズム形状等の表面凹凸形状を有するものであってもよく、またかかる形状を別途他の材料によって積層した積層板とすることも可能である。本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に直接フレネルレンズ形状やシリンドリカルレンズ形状を付与する場合、かかる樹脂組成物を用いて射出成形、圧縮成形、および押出成形等の成形方法により所望の形状に成形することができる。さらに、射出成形、圧縮成形、および押出成形により表面に凹凸を形成する方法としては、(1)金型キャビティ表面や転写ロール表面にかかる形状に対応する凹凸が設けられ、かかる凹凸が樹脂成形品表面に転写される方法、および(2)かかる形状に対応する凹凸が設けられた別材料が金型キャビティ内にインサートされるか、または押出時に積層され、樹脂成形品と一体化された後、かかる別材料が除去されて樹脂成形品表面に凹凸が設けられる方法などが例示される。
また、場合によっては、かかるスクリーンは光輝性顔料を含む層を積層することにより、その表面凹凸によるレンズを省略することも可能である。さらに、本発明に係る表示装置用光拡散板は、その光源側(観察者とは反対の面)に光源からの光の反射を防止するため各種の光反射防止膜を形成することができる。
<他の用途について>
さらに、本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、前述した光拡散板のほかにも、各種電子・電気機器、OA機器、車両用外装部品、車両用内装部品、機械部品、その他農業資材、漁業資材、搬送容器、包装容器および雑貨等の各種用途に有用である。表示装置用の光拡散板以外の用途としては、例えば、電灯カバー、メーター、看板(特に内照式)、樹脂窓ガラス、画像読取装置、車輌用屋根材、船舶用屋根材、住宅用屋根材および太陽電池カバーなどが例示される。
更に本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなる成形品には、各種の表面処理を行うことが可能である。ここでいう表面処理とは、蒸着(物理蒸着、化学蒸着など)、メッキ(電気メッキ、無電解メッキ、溶融メッキなど)、塗装、コーティング、および印刷(転写型ラミネートを含む)などの樹脂成形品の表層上に新たな層を形成させるものであり、通常樹脂に用いられる方法が適用できる。表面処理としては、具体的には、ハードコート、撥水・撥油コート、紫外線吸収コート、赤外線吸収コート、並びにメタライジング(蒸着など)などの各種の表面処理が例示される。ハードコートは屋外使用時に好ましくかつ必要とされる表面処理である。
本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、従来にない優れた色相の拡散光を呈する樹脂組成物である。更に良好な熱安定性を有することから大型の表示装置用の光拡散板(例えば、液晶表示装置等バックライトモジュールに使用される光拡散板、プロジェクターテレビ等投影型表示装置のスクリーンに使用される光拡散板等)として特に好適である。また、かかる特性は、表示装置用の光拡散板以外にも、例えば、電灯カバー、メーター、看板(特に内照式)、樹脂窓ガラス、画像読取装置、車輌用屋根材、車両用内装部品(かかる部品は、車両内装照明用カバーが代表的である)、船舶用屋根材、住宅用屋根材、太陽電池カバー、各種電子・電気機器、OA機器、車両部品、機械部品、その他農業資材、漁業資材、搬送容器、包装容器および雑貨を含む幅広い分野において有用であり、その奏する産業的価値は極めて高いと言うことができる。
本発明者が現在最良と考える本発明の形態は、前記の各要件の好ましい範囲を集約したものとなるが、例えば、その代表例を下記の実施例中に記載する。もちろん本発明はこれらの形態に限定されるものではない。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明する。なお、評価は下記の方法によった。
(1)拡散光の色相:カラーマシン(日本電色工業(株)製Z−1001DP)によりC光源透過法にて測定したb値で示した。
(2)分散度:一辺50mm、厚み2mmの試験片を使用し、日本電色工業(株)製の分散度測定計を使用して測定した。測定方法の概略を図1に示す。尚、分散度とは図1において光線を上方から垂直に試験片面に当てたときγ=0度のときの透過光量を100とした場合、その透過光量が50になるときのγの角度(度)を分散度として示した。
(3)平均輝度:15型直下型バックライトユニットに150×150×2mmtの試験片を組み込み、試験片の9点の輝度(cd/m)をトプコン(株)製の輝度計BM−7で測定し、その平均値を平均輝度とした。評価装置の概略を図2及び図3に示した。
(4)全光線透過率:JIS K−7361に従い、村上色彩技術研究所製の反射・透過率計HR−100にて測定を実施した。
(5)ポリメチルシルセスキオキサン粒子のTGA1%重量減少温度:TA−instruments社製のHi−Res TGA2950 Thermogravimetric Analyzerを使用し、23℃よりN雰囲気下において20℃/minで昇温させ900℃まで昇温して重量減少曲線を得た。かかるデータから試料の減量が仕込み重量の1重量%となった時の温度をTGA1%重量減少温度として測定した。
[実施例1〜2、および比較例1〜4]
樹脂100重量部に、表1記載の各種添加剤を各配合量で配合し、ブレンダーにて混合した後、ベント式二軸押出機((株)日本製鋼所製:TEX30α(完全かみ合い、同方向回転、2条ネジスクリュー))を用いて溶融混練しペレットを得た。原料にポリカーボネート樹脂パウダーを使用する場合は、添加剤はそれぞれ配合量の10倍の濃度となるようポリカーボネート樹脂パウダーとの予備混合物をヘンシェルミキサーを用いて作成した後、ブレンダーによる全体の混合を行った。押出条件は吐出量20kg/h、スクリュー回転数150rpm、ベントの真空度3kPaであり、また押出温度は第1供給口からダイス部分まで280℃とした。
得られたペレットを120℃で5時間、熱風循環式乾燥機にて乾燥した後、射出成形機を用いて、シリンダー温度280℃および金型温度80℃、並びに射速20mm/secの条件で、長さ150mmおよび幅150mmかつ厚さが2mm、表面の算術平均粗さ(Ra)が0.03μmの平滑平板状の試験片を成形した。射出成形機は東芝機械(株)製:IS150EN−5Yを使用した。得られた成形板の各評価結果を表1に示した。
なお、表1中記号表記の各成分の内容は下記の通りである。
(A成分)
PC:ビスフェノールAおよび末端停止剤としてp−tert−ブチルフェノール、並びにホスゲンから界面重縮合法で合成した直鎖状芳香族ポリカーボネート樹脂パウダー(帝人化成(株)製:パンライトL−1250WP(商品名)、粘度平均分子量23,700)
(B成分)
下記のB−1〜B−3はいずれも平均粒径が約2μmであり、またその粒径分布もほぼ同等である。
B−1:TGA測定による1%重量減少温度が481℃であるポリメチルシルセスキオキサン粒子(日興リカ(株)製:MSP−S020(商品名)、平均粒径:2.1μm)
B−2:TGA測定による1%重量減少温度が345℃であるポリメチルシルセスキオキサン粒子(ジーイー東芝シリコーン(株)製:トスパール120(商品名)、平均粒子径1.8μm)
B−3:TGA測定による1%重量減少温度が285℃であるポリメチルシルセスキオキサン粒子(信越化学工業(株)製:KMP−590(商品名)、平均粒子径2.2μm)
(C成分)
PEP:ペンタエリスリトールジホスファイト系酸化防止剤(旭電化工業(株)製:アデカスタブ PEP−8(商品名))
(D成分)
IRG:ヒンダードフェノール系酸化防止剤(CIBA SPECILATY CHEMICALS社製:Irganox1076(商品名)
(E成分)
PSR:クマリン系蛍光増白剤(ハッコールケミカル(株)製:ハッコールPSR−B(商品名))
(F成分)
UVA:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ケミプロ化成(株)製:ケミソーブ79(商品名))
Figure 2006206751
前記表1から明らかなように、本発明の光拡散性樹脂組成物は優れた拡散光の色相を有し、直下型バックライトに組み込んだ場合の輝度に優れることが分かる。即ち、該樹脂組成物は各種の光拡散板や光拡散成形品に好適な特性を有することが分かる。また、配合されるポリオルガノスルセスキオキサン粒子のTGA1%重量減少温度が高いほど、良好な輝度を発揮する傾向が認められる。
図1は、本発明における分散度の測定方法を示す概略図である。 図2は、本発明評価装置の断面簡略図である。 図3は、本発明評価装置の平面簡略図である。
符号の説明
A 試験片(平板状)
B 光源
γ 拡散光角度
1 試験片
2 白色反射樹脂板
3〜10 光源(冷陰極管)
11〜19 測定点

Claims (6)

  1. (A)芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部、および(B)JIS K7120に準拠した熱重量測定(TGA)において1%重量減少温度が400〜500℃であるポリオルガノシルセスキオキサン粒子(B成分)0.005〜20重量部からなる光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 前記B成分は、ポリメチルシルセスキオキサン粒子である請求項1に記載の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  3. A成分の芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、更に(C)リン系安定剤(C成分)0.0001〜1重量部、および/または(D)ヒンダードフェノール系化合物(D成分)0.001〜1重量部を配合してなる請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  4. A成分の芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、更に(E)蛍光増白剤(E成分)0.0005〜0.5重量部および/または(F)紫外線吸収剤(F成分)0.001〜2重量部を配合してなる請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 前記請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物より形成された光拡散板。
  6. 前記請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物より形成された直下型バックライト用光拡散板。
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