JP2015197614A - 光拡散透過性膜材 - Google Patents

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Abstract

【課題】天井照明や壁照明、エレベータかごなどの天井照明、照明器具のシェード材、カバー材、及びプロジェクター投影用の映写スクリーンなど、用途や使用環境を選ばずに、基材織物の透光濃淡ムラの欠点などを緩和し、美麗な発光外観を演出する(LED)照明カバー用膜材で特に不燃性膜材の提供。【解決手段】本発明の光拡散透過性膜材は、マルチフィラメント糸条を編織要素とする布帛を基布として、この基布の1面以上にエラストマー組成物により形成された光拡散性被覆層を有する光線透過性の可撓性複合シートにおいて、光拡散性被覆層をアンカー層及びトップ層とで構成し、アンカー層とトップ層とのヘイズ(JIS K7136)差の絶対値1〜20を有し、かつ布帛の表裏面が編織組織による規則的立体凹凸の高低差0.5μm〜25μmとして、アンカー層のみが規則的立体凹凸の凹部を充填するようにする。【選択図】図1

Description

本発明は、ホテル、イベントホール、商業施設、遊戯施設、公共施設、駅・空港内施設、地下街通路などの天井照明や壁照明、エレベータかごなどの天井照明、照明器具のシェード材、カバー材、及びプロジェクター投影用の映写スクリーンなど、各種光源カバーに用いられる光拡散透過性かつ可撓性の膜材に関する。
本出願人は最近、ガラス織物を基材とする不燃膜材で、膜材を光源に翳した時に、織物の糸筋や織組織の陰影や濃淡ムラの欠点を緩和し、美麗な発光外観を演出する照明カバー用膜材として、ガラス織物を基材として、この基材の片面に不定形・乱反射粒子であるアスペクト比1〜1.25、長さ1〜20μmの破砕ガラス粉を特定量で含有する光拡散性樹脂被覆層を設けた光源カバー用、光天井用の不燃膜材(特許文献1,2)を提案した。このシートでは不定形な破砕ガラス粉を含有することで、確かに光拡散効果はキラキラした輝きの大きいものではあるが、キラキラした外観が逆に目障りとなる用途が存在するなど、使用環境が限られたものであった。そこで新たな課題として、用途や使用環境を選ばずに、織物の糸筋や織組織の陰影や濃淡ムラの欠点を緩和し、美麗な発光外観を演出するような照明カバー用膜材の開発を行った。
特開2013−140245号公報 特開2013−140706号公報
本発明は、ホテル、イベントホール、商業施設、遊戯施設、公共施設、駅・空港内施設、地下街通路などの天井照明や壁照明、エレベータかごなどの天井照明、照明器具のシェード材、カバー材、及びプロジェクター投影用の映写スクリーンなど、用途や使用環境を選ばずに、織物の糸筋や織組織の陰影や濃淡ムラの欠点を緩和し、美麗な発光外観を演出するような(LED)照明カバー用膜材を提供するものである。
本発明は上記課題を解決するために検討を重ねた結果、マルチフィラメント糸条を編織要素とする布帛を基布として、この基布の1面以上にエラストマー組成物により形成された光拡散性被覆層を有する光線透過性の可撓性複合シートにおいて、光拡散性被覆層をアンカー層及びトップ層との積層構造とし、このアンカー層とトップ層とのヘイズ(曇価)差の絶対値を特定範囲とし、かつ布帛の表裏面を編織組織による規則的立体凹凸とし、その立体凹凸の高低差が特定範囲であり、しかもアンカー層のみがこの規則的立体凹凸における凹部を充填していることによって、凹部を充填するアンカー層用エラストマーの形状及び光学的性質(ヘイズ)により、この部分の光透過効果、光散乱効果、及び光屈折効果などが特異的となり、総じて光拡散性被覆層が優れた光拡散効果及び光透過効果を発現するようになって、それにより得られる膜材が、用途や使用環境を選ばずに、織物の糸筋や織組織の陰影や濃淡ムラの欠点を緩和し、美麗な発光外観を演出するような(LED)照明カバー用膜材が得られることを見出して本発明を完成させるに至った。
本発明の光拡散透過性膜材は、マルチフィラメント糸条を編織要素とする布帛を基布として、この基布の1面以上にエラストマー組成物により形成された光拡散性被覆層を有する全光線透過率(JIS K7375)が35〜65%の可撓性複合シートであって、前記光拡散性被覆層がアンカー層及びトップ層との積層構造を成し、前記アンカー層とトップ層とのヘイズ(JIS K7136)差の絶対値1〜20を有し、かつ前記布帛の表裏面が編織組織による規則的立体凹凸を有し、この立体凹凸の高低差が0.5μm〜25μmであり、しかも前記アンカー層のみが前記規則的立体凹凸の凹部を充填していることが好ましい。このようにアンカー層のみがこの規則的立体凹凸における凹部を完全に充填していることによって、凹部を充填するアンカー層用エラストマーの断面形状及びその光学的性質(ヘイズ)が局部的に規則性を持って特異化し、この部分の光透過効果、光散乱効果、及び光屈折効果などが特徴的となり、さらにトップ層とのヘイズ差、及び光学的特性の差異による相乗効果により、膜材全体として光拡散性被覆層が優れた光拡散効果及び光透過効果を発現するようになり、それによって得られる膜材が、用途や使用環境を選ばずに、織物の糸筋や織組織の陰影や濃淡ムラの欠点を緩和し、美麗な発光外観を演出するような(LED)照明カバー用膜材を得ることができる。
本発明の光拡散透過性膜材は、1)前記アンカー層または前記トップ層の何れか一方に光拡散剤を含有するか、2)もしくは前記アンカー層及び前記トップ層の両方に光拡散剤を含有し、各々当該光拡散剤の種類及び/または各々の含有濃度を異にすることによってヘイズ差を設けることが好ましい。これによって用途や使用環境を選ばずに、織物の糸筋や織組織の陰影や濃淡ムラの欠点を緩和し、美麗な発光外観を演出するような(LED)照明カバー用膜材を得ることを可能とする。
本発明の光拡散透過性膜材は、前記光拡散剤の少なくとも1種が、オルガノポリシロキサン硬化物粒子であり、ポリメチルシルセスキオキサン、含フッ素シルセスキオキサンポリマー、以下INCI命名による(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/(PEG−10/15))クロスポリマー、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、(PEG−15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー、(ジメチコン/ポリグリセリン−3)クロスポリマー、(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン−3)クロスポリマー、(ジメチコン/ビス−イソブチルPPG−20)クロスポリマー、及びこれらのオルガノポリシロキサン硬化物粒子にシリコーンオイルを吸着させた粒子、から選ばれた1種または2種以上であることが好ましい。これによって用途や使用環境を選ばずに、織物の糸筋や織組織の陰影や濃淡ムラの欠点を緩和し、美麗な発光外観を演出するような(LED)照明カバー用膜材を得ることを可能とする。
本発明の光拡散透過性膜材は、前記トップ層が、酸化チタン、過酸化チタン(ペルオキソチタン酸)、酸化亜鉛、酸化錫、チタン酸ストロンチウム、酸化タングステン、酸化ビスマス、酸化鉄、及びこれらの酸化物に、銀、プラチナ、金、銅、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、及び遷移金属イオンの1種以上をドーピングした物質、から選ばれた少なくとも1種以上の光触媒物質を含有することが好ましい。これによって照明カバー用膜材の表面に付着や帯電吸着した煤塵汚れや臭気分子を光触媒作用による有機物分解作用で初期分解し、汚れの拭き取り除去性を高くしたり、消臭効果を発現することを可能とする。
本発明の光拡散透過性膜材は、前記マルチフィラメント糸条が、ガラス繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、及びセラミック繊維から選ばれた1種以上の無機繊維糸条であることが好ましい。これによって平成12年に改正施行された建築基準法の燃焼試験(ASTM−E1354のコーンカロリーメーター燃焼試験)に適合し、公共施設やオフィスビルなどの天井照明や壁照明、さらには鉄道車両やエレベータかごなどの天井照明など、利用者の多い閉鎖空間での使用を可能とし、より火災や防災対策の信頼性を高くする。
本発明の光拡散透過性膜材は、前記マルチフィラメント糸条を編織要素とする布帛が、モンモリロナイト、スメクタイト、及びフッ素雲母から選ばれた1種以上の層状鉱物で処理されていることが好ましい。これによって、(ASTM−E1354の燃焼試験)燃焼時に層状鉱物が体積膨張して布帛の隙間を埋め、布帛の隙間からの燃焼ガスの漏出を抑止するので、膜材の反対側への煙の拡散が効果的に遮断されるようになるので、公共施設やオフィスビルなどの天井照明や壁照明、さらには鉄道車両やエレベータかごなどの天井照明など、利用者の多い閉鎖空間での使用を可能とし、より火災や防災対策の信頼性を高くする。
本発明の光拡散透過性膜材は、光拡散透過性かつ可撓性を有し、用途や使用環境を選ばずに、織物の糸筋や織組織の陰影や濃淡ムラの欠点を緩和し、美麗な発光外観を演出するような(不燃特性を有し、特にLED光源に適した)照明カバー用膜材が得られるので、ホテル、イベントホール、商業施設、遊戯施設、公共施設、駅・空港内施設、地下街通路などの天井照明や壁照明、及びエレベータかごなどの天井照明など利用客の多い場所で使用する大型の光源カバーとしての使用はもちろん、さらには照明器具のシェード材、カバー材、プロジェクター投影用の映写スクリーンなどにも使用でき、これらの用途において火災対策や防災対策の信頼性をより高くすることができる。
本発明の光拡散透過性膜材の断面の一例を模式的に示す図 本発明の光拡散透過性膜材の断面の一例を模式的に示す図 本発明の光拡散透過性膜材の断面の一例を模式的に示す図
本発明の光拡散透過性膜材は、マルチフィラメント糸条を編織要素とする布帛を基布として、この基布の1面以上にエラストマー組成物により形成された光拡散性被覆層を有する全光線透過率(JIS K7375)が35〜65%の可撓性複合シートであって、光拡散性被覆層がアンカー層及びトップ層との積層構造を成し、アンカー層とトップ層とのヘイズ(JIS K7136)差の絶対値1〜20を有し、かつ布帛の表裏面が編織組織による規則的立体凹凸を有し、この立体凹凸の高低差が0.5μm〜25μmであり、しかもアンカー層のみが規則的立体凹凸の凹部を充填していることによって、光拡散透過性かつ可撓性を有し、用途や使用環境を選ばずに、織物の糸筋や織組織の陰影や濃淡ムラの欠点を緩和し、美麗な発光外観を演出することができる。そして本発明の光拡散透過性膜材の使用方法は、光拡散性被覆層を基布の片面のみに設けたものである場合には、この光拡散性被覆層面側を外観面側として装着し、光拡散性被覆層を基布の両面に設けたものである場合には、外観面側を何れの面側としても構わない。このとき光源カバーとして露出する側の面の最外層(トップ層)には煤塵汚れ除去性や不快臭などの消臭を補助しうる物質(例えば光触媒物質で特に可視光応答型の無機酸化物粒子)を含有することができる。
本発明の光拡散透過性膜材の基布に使用するマルチフィラメント糸条を編織要素とする布帛は、平成12年に改正施行された建築基準法の燃焼試験(ASTM−E1354のコーンカロリーメーター燃焼試験)に適合する不燃性を有し、公共施設やオフィスビルなどの天井照明や壁照明、さらには鉄道車両やエレベータかごなどの天井照明など、利用者の多い閉鎖空間で使用する場合には、ガラス繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、及びセラミック繊維から選ばれた1種以上の繊維糸条から形成されたものが好ましく、布帛は織布、または編布が用いられる。特に建築基準法に適合する不燃性を必要としない場合には、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、芳香族ヘテロ環ポリマー繊維などの合成繊維を使用してもよい。織布には、平織、綾織、繻子織、模紗織など汎用の織布が挙げられるが、特に織組織が、経糸打込:20〜100本/1インチ、緯糸打込:20〜100本/1インチの織布が好ましい。これらの布帛は表裏面が編織組織による規則的立体凹凸を有していることが好ましく、この規則的凹凸の繰り返し単位は、織組織の糸打込み密度に比例し、特に経糸打込及び緯糸打込の糸本数密度が多いほど、膜材を光源に翳した時に布帛の織組織の陰影を際立たせない効果を得る。凹凸の高低差の絶対値は0.5μm〜25μm、特に1μm〜10μmが好ましい。このような効果は経緯糸条の交絡間に形成される空隙率を0〜5%の織密度とすることによっても達成できる。空隙率が5%を越えると、光源カバー用膜材を光源に翳した時に、空隙部の光線透過率のみが大きくなり、それによって布帛の織組織の陰影が際立ち、光源カバーの外観を悪くすることがある。空隙率は布帛の特定の面積単位(例えば1インチ幅×1インチ長の四角形)内に含む、経緯糸条の交絡間に形成された多数の微細空隙の総和による面積占有率であり、空隙率は先ず布帛の特定の面積単位内に含む経糸条及び緯糸条の占める面積率を求め、これを100%から差し引いた値(%)で求めてもよい。布帛と光拡散性被覆層との接着性を向上させる目的で布帛全体に公知のシランカップリング剤による表面改質処理を1〜5質量%濃度の溶液による含浸処理で施すことが好ましい。
布帛を構成する、特に無機繊維糸条としてのガラス繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、及びセラミック繊維は、各々フィラメント直径3〜13μmに溶融紡糸され、50〜500本集束して得たストランドに0〜5回/インチの撚りを掛けた単糸で、特に撚数が0の無撚糸で断面形状が扁平のフラットヤーンが最も好ましい。ガラス繊維としてはEガラス(無アルカリガラス)を使用したもの、シリカ繊維としてはシリカ(SiO)を主成分として95質量%以上含み、副成分として酸化ホウ素(B)を2.5〜5質量%含むものが挙げられる。アルミナ繊維としてはアルミナ(Al)を65〜75質量%とシリカ(SiO)を25〜35質量%、とを主成分とするもので、副成分として酸化ホウ素(B)を2.5〜10質量%含むものが挙げられる。セラミック繊維としては本発明において具体的に、チタン酸カリウム繊維、チタニア繊維、シリカ−チタニア繊維、窒化ホウ素繊維、ジルコニア繊維、シラザン−窒化ケイ素繊維、アルミナ−ボリア−シリカ繊維から選ばれた1種以上である。無撚のマルチフィラメントフラットヤーンを用いることで光透過ムラを無くすると同時に糸幅が広い利点により布帛の空隙率を0に近付けることができるので、光源カバー用膜材を光源に翳した時に、布帛の織組織の陰影を際立たせない効果をより高く設定することができる。ストランドの撚数が5回/インチを越えて大きくなるとマルチフィラメントが捻れて出来る螺旋ウェーブに光屈折が干渉することで捻れ部分の光透過陰影が際立って光源カバーの外観を悪くすることがある。また、これらのストランド2本、または3本を1〜5回/インチで撚り合わせた合撚糸なども使用でき、布帛の表裏面に形成され、編織組織による規則的立体凹凸の度合いをより顕著とする。本発明の光拡散透過性膜材に使用する有機または無機繊維糸条の繊度は、150〜1800dtex、特に300〜1350dtexのマルチフィラメント糸条が好ましい。
上記の布帛には、モンモリロナイト、スメクタイト、及びフッ素雲母から選ばれた1種以上の層状鉱物による下処理がなされ、布帛を構成するマルチフィラメント糸条、及び糸条−糸条間には平均粒子径0.1〜30μmの上記層状鉱物粒子が埋填されていることが燃焼試験(ASTM−E1354に規定のコーンカロリーメーター試験法)において有効である。この手段によって、加熱時に層状鉱物が体積膨張して布帛の隙間を埋め、布帛の隙間からの燃焼ガスの漏出を抑止するので、煙の拡散を効果的に遮断することができるようになる。フッ素雲母はNa四珪素雲母を有機交換処理した平均粒子径10〜30μmのフッ素四珪素雲母が使用できる。モンモリロナイトは、(Al2−yMg)Si10(OH)・(M1/2 2+nHO式で表される平均粒子径0.1〜2.0μmの2八面体型含水層状珪酸塩鉱物が使用できる。(y=0.2〜0.6、M=交換性陽イオンNa, K, Ca, Mg, Hなど、n=層間水の量)スメクタイトは、シリカ四面体(四配位)とアルミ八面体(六配位)が交互に層状となる構造であり、シリカ/アルミが2:1の比率のもので、これらの平均粒子径は0.1〜2.0μmである。これらの層状鉱物による布帛への処理は、水中分散した層状鉱物水溶液を用いて布帛に含浸後、乾燥することによって行い、布帛の質量に対し、3〜12質量%の付着率とすることが好ましい。この層状鉱物水溶液には布帛と層状鉱物との密着性を向上するためにシランカップリング剤、もしくは有機チタネート化合物を層状鉱物に対して1〜10質量%併用することが好ましい。
布帛の1面以上に形成する光拡散性被覆層は、エラストマー組成物溶液によるディッピィング法(布帛全体を溶液中に含浸)、またはコーティング法、グラビアコート法などの公知の塗工方法によって形成される。エラストマー組成物は、軟質ポリ塩化ビニル樹脂(フタル酸エステルなどの公知の可塑剤を含有)、塩化ビニル系共重合体樹脂(アクリル酸系モノマー、酢酸ビニル系モノマー、ウレタン系モノマーを共重合成分として構造の一部に含有)、ウレタン系共重合体樹脂、ポリエステル系共重合体樹脂、スチレン系共重合体樹脂、ポリオレフィン系共重合体樹脂、軟質フッ素系共重合体樹脂、及びシリコーン系共重合体樹脂(シリコーンエラストマー)などが挙げられ、特に平成12年に改正施行された建築基準法の燃焼試験(ASTM−E1354のコーンカロリーメーター燃焼試験)に適合する不燃性を有し、公共施設やオフィスビルなどの天井照明や壁照明、さらには鉄道車両やエレベータかごなどの天井照明など、利用者の多い閉鎖空間で使用する場合には、シリコーンエラストマーが好ましい。また、これらエラストマーによる光拡散性被覆層はアンカー層及びトップ層との積層構造を成し、アンカー層とトップ層とのヘイズ(JIS K7136)差の絶対値が1〜20の範囲を有し、かつ布帛の表裏面に有する規則的立体凹凸の凹部がアンカー層のエラストマー組成物で充填されていることが好ましい。アンカー層とトップ層の各々を構成するエラストマー組成物は互いに同一とすることが積層構造の界面密着性の観点で好ましい。そしてアンカー層とトップ層とのヘイズ(JIS K7136)差の絶対値を1〜20とする手段には、1)アンカー層またはトップ層の何れか一方に光拡散剤を含有するか、2)もしくはアンカー層及びトップ層の両方に光拡散剤を含有し、各々当該光拡散剤の種類及び/または各々の含有濃度を異にすることが好ましい。このようにアンカー層のみがこの規則的立体凹凸における凹部を完全に充填していることによって、凹部を充填するアンカー層用エラストマーの断面形状及びその光学的性質(ヘイズ)が局部的に規則性を持って特異化し、この部分の光透過効果、光散乱効果、及び光屈折効果などが特徴的となり、さらにトップ層とのヘイズ差、及び光学的特性の差異による相乗効果により、膜材全体として光拡散性被覆層が優れた光拡散効果及び光透過効果を発現するようになり、それによって得られる膜材が、用途や使用環境を選ばずに、織物の糸筋や織組織の陰影や濃淡ムラの欠点を緩和し、美麗な発光外観を演出するような照明カバー用膜材を得ることができる。
本発明に使用するのに好ましいシリコーンエラストマーを詳しく説明すると、シリコーンエラストマーには、付加反応硬化型シリコーンエラストマー、縮合反応硬化型シリコーンエラストマー、ラジカル(パーオキサイド架橋)反応硬化型シリコーンエラストマーが使用でき、特にトルエン等で希釈してコーティングが可能で、しかも低温硬化ができる付加反応硬化型シリコーンエラストマーが好ましい。付加反応硬化型シリコーンエラストマーは、2種類のオルガノポリシロキサン中の官能基が付加反応により結合して架橋しエラストマー化したもので、これらは例えば、ビニル基やヘキセニル基のような脂肪族不飽和基を含有するオルガノポリシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサンおよび白金族化合物系触媒からなるシリコーンエラストマーが挙げられる。脂肪族不飽和基含有オルガノポリシロキサンとしては、両末端ビニルジメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ビニルジメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、両末端ビニルメチルフェニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体が挙げられる。オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサンが挙げられ、これらの付加反応硬化型シリコーンエラストマーは加熱によって硬化可能であり、硬化物中にはシリカ、炭酸カルシウムなどの充填剤、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウム、錫酸亜鉛、ヒドロキシ錫酸亜鉛、クリストバライトなど光拡散透過効果を有し、かつ燃焼時にガラス質の燃焼ガス遮蔽層を形成可能な無機難燃剤、酸化チタンなどの無機顔料、光源カバーの青味付目的に少量の有機顔料(シアニンブルー)、蛍光増白剤などを含有することができる。
縮合反応硬化型シリコーンエラストマーは、2種類のオルガノポリシロキサン中の官能基、またはオルガノポリシロキサンとシリカやシラン等のケイ素化合物中の官能基が縮合反応により結合して架橋しエラストマー化したものである。縮合反応硬化型シリコーンエラストマーとしては、両末端シラノール基封鎖ジオルガノポリシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサンおよび有機酸の重金属塩等の縮合反応触媒からなる組成物が挙げられる。両末端シラノール基封鎖ジオルガノポリシロキサンとしては、両末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、両末端シラノール基封鎖メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ポリシロキサンが挙げられる。このジオルガノポリシロキサンは末端シラノール基の一部をアルコキシ化したものでもよい。架橋剤として作用するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサンが挙げられる。縮合反応触媒には、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ラウリン酸錫、オクテン酸鉛、オクテン酸亜鉛などが使用できる。また本発明に用いるシリコーンエラストマーは水性オルガノポリシロキサンエマルジョンにコロイダルシリカを含む組成物を用い、水分を除去したものであってもよい。
ラジカル反応硬化型シリコーンエラストマー組成物としては、オルガノポリシロキサン、補強性充填剤および有機過酸化物からなる組成物が挙げられる。オルガノポリシロキサンとしては、両末端がトリメチルシロキシ基、ジメチルビニルシロキシ基、メチルフェニルビニルシロキシ基またはシラノール基で封鎖され、主鎖がジメチルポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体などが挙げられる。有機過酸化物は、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどである。
これら上述した各種エラストマー組成物(特にシリコーンエラストマー)による光拡散性被覆層の形成厚さ、すなわちアンカー層及びトップ層において、アンカー層は布帛(基布)の全体または一部に含浸し、かつ被覆する形態が好ましく、アンカー層としての被覆部分は1〜50μm、特に2〜20μmの膜厚が好ましい。また、トップ層は同一(同種)のエラストマーにより、アンカー層全体を均一、または不均一に被覆する1〜50μm、特に2〜20μmの膜厚が好ましい。
上記により形成された光拡散性被覆層を構成するアンカー層、及びトップ層は、各々個別の光学特性(ヘイズ、光拡散性、屈折率)を有する。これらは例えば、1)アンカー層またはトップ層の何れか一方に光拡散剤を含有することでヘイズ差(JIS K7136のヘイズ差の絶対値が1〜20の範囲)を設けること、2)アンカー層及びトップ層の両方に光拡散剤を含有し、各々これら光拡散剤の種類及び/または各々の含有濃度を異にすることでヘイズ差(JIS K7136のヘイズ差の絶対値が1〜20の範囲)を設けることが挙げられる。光拡散剤としては、白色顔料、光輝性金属フレーク、光輝性金属パウダー、パール顔料、ガラスビーズ、ガラス粒子、樹脂ビーズ、及び球状樹脂粒子から選ばれた少なくとも一種の粒子、またはフレークが挙げられる。白色顔料は、二酸化チタンや酸化亜鉛などの白色顔料の他、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムなどの無機物粒子が挙げられる。光輝性金属フレーク及び光輝性金属パウダーは、アルミフレーク、ステンレスフレーク、アルミパウダーなどの他、樹脂製あるいはガラス製のフレークやパウダーの表面にアルミ、銀、ニッケルなどの金属をメッキ法や蒸着法により薄膜被覆したフレークやパウダーが挙げられる。パール顔料は、雲母に金属酸化物(例えば酸化チタンや酸化鉄)をコートした光干渉性フレークが挙げられる。ガラスビーズは、中空ガラスビーズ、中実ガラスビーズ、ガラス粒子は、ガラス粉末、ガラスビーズ破砕体が挙げられる。樹脂ビーズは、架橋アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、架橋ポリスチレン系樹脂、架橋ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、エポキシ系樹脂などからなる樹脂ビーズ、または球状樹脂粒子が挙げられる。上記したこれらの光拡散剤の平均粒子径は、0.1〜50μmが好ましく、白色顔料、光輝性金属パウダー、ガラスビーズ、ガラス粒子、樹脂ビーズ、及び球状樹脂粒子のアスペクト比は1〜6が好ましく、特に光輝性金属フレーク、及びパール顔料においてのアスペクト比は6〜60が好ましい。またアンカー層、及び/またはトップ層に対する光拡散剤の含有量はエラストマー100質量部に対して光拡散剤を0.1〜25質量部、特に1〜10質量部が好ましい。
また、上述した光拡散剤としてのシリコーン系樹脂による樹脂ビーズ、または球状樹脂粒子として、オルガノポリシロキサン硬化物粒子が好ましく、これらは具体的に、ポリメチルシルセスキオキサン、含フッ素シルセスキオキサンポリマー、以下INCI命名による(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/(PEG−10/15))クロスポリマー、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、(PEG−15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー、(ジメチコン/ポリグリセリン−3)クロスポリマー、(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン−3)クロスポリマー、(ジメチコン/ビス−イソブチルPPG−20)クロスポリマー、及びこれらのオルガノポリシロキサン硬化物粒子にシリコーンオイルを吸着させた粒子、から選ばれた1種または2種以上で、粒子径0.1〜5μm、特に0.5〜3.5μmの範囲のものが好ましい。クロスポリマーとはシリコーンゴム粒子の表面にシリコーン樹脂硬化物で被覆してなる複合粒子である。またINCI命名とは化粧品原料の国際命名法(International Nomenclature of Cosmetic Ingredients)である。
またオルガノポリシロキサン硬化物粒子は架橋有機シリコーン微粒子であり、シロキサン単位(RSiO3/2)nで表される三次元網目構造に架橋したポリオルガノシルセスキオキサン硬化物であることが好ましい。オルガノポリシロキサン硬化物粒子はシロキサン結合を主骨格としてケイ素原子に有機置換基を有するものであり、シロキサン単位の酸素原子の1個または2個を水酸基またはアルコキシ基に置換したシロキサン単位が特に好ましい。オルガノポリシロキサン硬化物粒子のケイ素原子に置換する有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルカン基、フェニル基などのアリール基、ベンジル基などのアラルキル基などの他、カルボキシル基、カルボニル基、エステル基、エーテル基などが挙げられる。このようなオルガノポリシロキサン硬化物粒子は、3官能性のアルコキシシランなどを水中で加水分解と縮合反応(ゾル−ゲル法)によってシロキサン結合を成長させながら3次元架橋した粒子を形成させる方法で製造される。本発明においてオルガノポリシロキサン硬化物粒子はポリオルガノシルセスキオキサン硬化物微粒子を単独使用するか、ポリオルガノシルセスキオキサン硬化物微粒子を主体とし、これに上記クロスポリマーをブレンド併用することが好ましい。
またオルガノポリシロキサン硬化物には後処理でシリコーンオイルを3〜15質量%吸着したものも使用することができる。特にシリコーンオイルを吸着したオルガノポリシロキサン硬化物粒子を使用することによって、膜材表面に経時的に滲み出た微量のシリコーンオイル成分が膜材表面を覆うことにより、その上に蓄積した煤塵汚れと膜材との間に介在する剥離剤として作用し、その結果煤塵汚れの拭取除去を効果的に容易とする。シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、ポリジメチルシロキサンジオール、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのストレートシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、フルオロアルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アルキル・ポリエーテル変性シリコーンオイル、メタクリル酸変性シリコーンオイルなどの変性シリコーンオイルが挙げられ、なかでもアルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイルが好ましい。
上記トップ層には必要に応じて、酸化チタン、過酸化チタン(ペルオキソチタン酸)、酸化亜鉛、酸化錫、チタン酸ストロンチウム、酸化タングステン、酸化ビスマス、酸化鉄、及びこれらの酸化物に、銀、プラチナ、金、銅、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、及び遷移金属イオンの1種以上をドーピングした物質、から選ばれた少なくとも1種以上の光触媒物質を1〜25質量%含有し、特に波長400nmから800nmの可視光を吸収して活性を示す可視光応答型光触媒を含有することが好ましい。これによって付着した煤塵汚れの一部を光触媒作用による有機物分解効果で、より拭取除去を容易とする他、室内の消臭効果も同時附帯する。またトップ層には、1次粒子径3〜150nmのシリカ(酸化ケイ素)ゾル、アルミナ(酸化アルミニウム)ゾル、ジルコニア(酸化ジルコニウム)ゾル、セリア(酸化セリウム)ゾル、及び複合酸化物(酸化亜鉛−五酸化アンチモン複合または酸化スズ−五酸化アンチモン複合)ゾルなどの無機コロイド物質を1〜25質量%含むことができ、これによって帯電防止性を同時附帯し、膜材に付着する煤塵の除去を容易とする。
本発明の光拡散透過性膜材は、全光線透過率(JIS K7375)が35〜65%、好ましくは40〜55%の光拡散透過性を有するシートである。全光線透過率が35%未満だと光源カバーや光天井膜に用いた時に、(LED)光源の輝度に対する照度が低くなり照明効果が非効率となる。一方、全光線透過率が65%を越えると(LED)光源カバーや光天井膜に用いた時に、光源の存在及び輪郭が顕わとなることで照明装置の外観を損なうことがある。本発明の光拡散透過性膜材は光源カバーや光天井膜に用いる場合、膜材の何れの面を光源に対向させて装着してもその効果に遜色はない。また必要に応じて光源に対向させる面側に、文字、絵柄、模様、写真などの隠し意匠を部分的、または全面に施すことにより、光源の点灯時に隠し意匠が膜材を透過して膜材表面に行灯表示することも可能である。隠し意匠は光透過性のインクを用いての印刷によって施すことが好ましいが、光半透過性の白インクで和紙柄を濃淡印刷することで、和紙行灯調の光拡散透過性膜材を得ることができる。
光拡散透過性膜材は具体的に、建造物の天井埋込型ベースライトハウジング(例えば、蛍光灯1〜6本装着:器幅15〜45cm×器長80〜150cm)全面を、照明光源と膜材を3〜20cmの距離で被覆する膜材で、被覆は平面装着に限定されず、湾曲状の立体装着であっても良い。またその膜材端部にはフラット状の支持フレーム、または横断面が半円弧状あるいは多角形状の立体支持フレームが設けられ、支持フレームには蛍光灯ハウジングとの着脱を自在とする嵌合部材を有するものである。また具体的に、天井に多数の照明ハウジングが天井埋込型または天井装着型で配置された状態で、これら照明ハウジングを膜材で一括被覆してなる光天井膜であり、このような大面積膜材は1〜3m幅の膜材原反を縫製または接着により接合すること、または1〜3m幅の膜材原反を支持フレームに組み込み、支持フレーム同士のメカニカルな接合によって大型化され、照明光源と膜材は3〜20cmの距離とする。天井の形状は平面状に限定されず、湾曲状であっても良い。また本発明の光拡散透過性膜材はエレベータかごの天井部や、建造物に付帯する外付型の内照看板用光源カバーとして用いることもできる。また本発明の光拡散透過性膜材は任意の立体デザインを施して、卓上型またはスタンド型のランプシェードとして用いることもできる。また本発明の光拡散透過性膜材に適する光源は、白熱電球、ハロゲンランプ、ロングバー型蛍光管、サークル型蛍光管、ボール内蔵蛍光管、ロングバー型LED蛍光管、ボール内蔵LED蛍光管、サークル型LED蛍光管、多数のLEDを任意に配置した発光体、及び有機EL素子など光源の種類、形態に係らず良好な光拡散透過性を発現するが、特に多数のLEDユニットで構成され、各々が点光源として配置されるLED光源に対して有効で、特にLED光源のホットスポット(光源位置が見た目に露わとなること)防止に対して効果的である。
建築基準法において不燃特性(コーンカロリーメーター試験:ASTM−E1354、またはISO 5660−1)は、電気ヒーターによる輻射熱を、試験体に向けて50kW/mで照射した時に、加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m以下であり、かつ加熱開始後20分間、10秒以上継続して最高発熱速度が200kW/mを超えない燃焼要件を有するものである。
本発明の光拡散透過性膜材(1)について図1〜図3により説明する。図1はマルチフィラメント糸条を編織要素として、編織組織による規則的立体凹凸(2−1)を表裏に有する布帛(2)を基布として、布帛(2)の片面にエラストマー組成物により形成された光拡散性被覆層(3)を有し、この光拡散性被覆層(3)がアンカー層(3−1)及びトップ層(3−2)との積層構造を成し、アンカー層(3−1)のみが規則的立体凹凸(2−1)の凹部(2−1−1)を充填しているものである。図2は図1において、アンカー層(3−1)のみが光拡散剤(4)を含有し、このアンカー層(3−1)のみが規則的立体凹凸(2−1)の凹部(2−1−1)を充填しているものである。図3は図1において、トップ層(3−2)のみが光拡散剤(4)を含有し、光拡散剤(4)を含有しないアンカー層(3−1)のみが規則的立体凹凸(2−1)の凹部(2−1−1)を充填しているものである。
[不燃性評価]
A)コーンカロリーメーター試験(ASTM−E1354)
タテ・ヨコ約100mmの正方形で厚さ50mmまでの大きさで表面が平坦な供試膜 材とし、放射熱50KW/mで10分間行う。試験は、供試膜材3枚の最大発熱速度の平均値と各供試膜材の最大発熱速度の差が10%未満であることを確認し、10%未満の場合は当該3枚の供試膜材のデータを採用する。10%以上となる場合には、更に供試膜材3枚の試験を行い、これらの供試膜材6枚のうち、最大発熱速度の最大値と最小値を除く4枚の供試膜材のデータを採用する。燃焼判定は、試験時間中に計測された総発熱量(MJ/m)及び最大発熱速度(KW/m)並びに着火時間(秒)で行う。
着火時間(秒)は、試験片から炎が確認されてから10秒以上炎が存在した場合を着火とみなし、試験開始から最初に着火が確認されるまでの時間とする。
(a)総発熱量:8MJ/m以下を適合
(b)発熱速度:10秒以上継続して200kW/mを超えないものを適合
(c)外観観察:直径0.5mmを超えるピンホール陥没痕の発生がないものを適合
[煤塵除去性評価]
A)屋外曝露
傾斜角30度の屋外暴露台に供試膜材を1ヶ月間展張固定し、表面に付着した煤塵汚れをワイピングクロス(商品名ザヴィーナ:KBセーレン社製)で拭き取り、煤塵の除去性を下記のように判定した。(埼玉県草加市にて平成25年12月に実施)
1: 除去性に優れている(膜材の外観が初期レベルに戻った)
2: 拭き取りを繰り返しても煤塵汚れがうっすらと残ったまま変わらない
3: 拭き取りを繰り返しても煤塵汚れが落ちず、拭いた痕跡が見苦しい
B)ダートチャンバー
直径20cm×高さ25cmの筒状密閉容器内の内壁に供試膜材片を貼付け、複写機用カーボントナー1gと乾燥川砂50gを投入し、筒状密閉容器を横にした状態で1対の回転ロール(互いに反回り)上で、60回/分の回転速度で10分間筒状密閉容器を回転させた後、膜材片を取り出し、表面に付着した煤塵汚れをワイピングクロス(商品名ザヴィ ーナ:KBセーレン社製)で拭き取り、煤塵の除去性を下記のように判定した。
1: 除去性に優れている(膜材の外観が初期レベルに戻った)
2: 拭き取りを繰り返しても煤塵汚れがうっすらと残ったまま変わらない
3: 拭き取りを繰り返しても煤塵汚れが落ちず、拭いた痕跡が見苦しい
[光源カバーの評価]
実施例及び比較例で作成した膜材を用いて天井埋込型LEDハウジング(住友3M社製品番:SL1100:全光束120ルーメンの白色LEDモジュール:42mmL×52mmW×11mmHサイズを1mハウジングに20個配置)全面をフラットに覆い、LEDと膜材の距離を2.5cmとした。LED点灯状態で膜材光透過外観を膜材表面からの距離50cmの位置で目視観察し、A).LED(光源)の視認性、B).光拡散性の良否を目視評価した。膜材のハウジング装着は含浸被覆層側を外に露出する面とする装着での評価とした。
A)蛍光管(光源)のホットスポット視認性
1:十分な照度を有し、しかもLED(光源)の存在が視認できない
2:十分な照度を有するが、LED(光源)の位置が朧に視認できる
3:十分な照度を有するが、LED(光源)の位置が明確に視認できる
4:LED(光源)の存在が視認できないが、照度が不十分である
B)光拡散性
1:十分な照度を有し、しかも光拡散性に優れる
2:十分な照度を有するが、やや光拡散性に劣りやや陰影濃淡がある
3:十分な照度を有するが、光拡散性に劣り陰影濃淡がある
4:照度が不十分である
[実施例1]
Eガラスによる直径9μmのフィラメントを400本集束した繊度67.5texのフラットヤーン単糸を経糸及び緯糸として、経糸打ち込み密度44本/インチ、緯糸打ち込み密度33本/インチの織組織による空隙率0%、その織組織の立体凹凸高低差が3μmのガラス平織布帛(質量210g/m)を基材(1)として、この基材(1)の片面に光拡散性被覆層の一部として、〈配合1〉によるアンカー層をナイフコーティング法(電気炉内で180℃×3分間の熱処理硬化工程含む)により32g/mの付着量で設けた。このアンカー層は実質的にガラス平織布帛の片面表面に含浸固化するものである。次にこのアンカー層の表面に〈配合2〉によるトップ層をアンカー層と同様のナイフコーティング法により24g/mの付着量で設け、このアンカー層とトップ層との積重体を光拡散性被覆層とした。得られた膜材は、厚さ0.32mm、質量266g/m、全光線透過率が38.8%、アンカー層とトップ層とのヘイズ差の絶対値は6.5であった。
〈配合1〉アンカー層形成用エラストマー組成物
商品名:シラスコンRTV4086A:東レ・ダウコーニング社製 50質量部
(2液付加反応硬化型シリコーン樹脂:有効成分100%)
商品名:シラスコンRTV4086B:東レ・ダウコーニング社製 50質量部
(2液付加反応硬化型シリコーン樹脂:有効成分100%)
商品名:SRX212触媒:東レ・ダウコーニング社製 1質量部
商品名:KMP−590:光拡散剤:信越シリコーン社製 10質量部
(シロキサン結合が(CH3SiO3/2で表される、三次元架橋した
ポリメチルシルセスキオキサン球状粒子:粒子径2.0μm)
トルエン(希釈剤) 100質量部
〈配合2〉トップ層形成用エラストマー組成物
商品名:シラスコンRTV4086A:東レ・ダウコーニング社製 50質量部
(2液付加反応硬化型シリコーン樹脂:有効成分100%)
商品名:シラスコンRTV4086B:東レ・ダウコーニング社製 50質量部
(2液付加反応硬化型シリコーン樹脂:有効成分100%)
商品名:SRX212触媒:東レ・ダウコーニング社製 1質量部
酸化タングステン(可視光応答型光触媒)微粒子 2質量部
酸化銅(光触媒ドープ剤)微粒子 0.5質量部
トルエン(希釈剤) 100質量部
[実施例2]
実施例1の膜材設計において、アンカー層形成用エラストマー組成物に〈配合2〉を用い、トップ層形成用エラストマー組成物に〈配合1〉を用いた以外は実施例1と同様とし、厚さ0.32mm、質量266g/m、全光線透過率が40.2%、アンカー層とトップ層とのヘイズ差の絶対値が6.5の膜材を得た。
[実施例3]
実施例1の膜材設計において、アンカー層形成用エラストマー組成物に下記〈配合3〉を用いた以外は実施例1と同様とし、厚さ0.32mm、質量266g/m、全光線透過率が36.4%、アンカー層とトップ層とのヘイズ差の絶対値が8.3の膜材を得た。
〈配合3〉アンカー層形成用エラストマー組成物
商品名:シラスコンRTV4086A:東レ・ダウコーニング社製 50質量部
(2液付加反応硬化型シリコーン樹脂:有効成分100%)
商品名:シラスコンRTV4086B:東レ・ダウコーニング社製 50質量部
(2液付加反応硬化型シリコーン樹脂:有効成分100%)
商品名:SRX212触媒:東レ・ダウコーニング社製 1質量部
光拡散剤として酸化チタン粒子(ルチル型):粒子径0.1μm 2質量部
トルエン(希釈剤) 100質量部
[実施例4]
実施例1の膜材設計において、アンカー層形成用エラストマー組成物に下記〈配合4〉を用いた以外は実施例1と同様とし、厚さ0.32mm、質量266g/m、全光線透過率が39.3%、アンカー層とトップ層とのヘイズ差の絶対値が5.2の膜材を得た。
〈配合4〉アンカー層形成用エラストマー組成物
商品名:シラスコンRTV4086A:東レ・ダウコーニング社製 50質量部
(2液付加反応硬化型シリコーン樹脂:有効成分100%)
商品名:シラスコンRTV4086B:東レ・ダウコーニング社製 50質量部
(2液付加反応硬化型シリコーン樹脂:有効成分100%)
商品名:SRX212触媒:東レ・ダウコーニング社製 1質量部
光拡散剤として炭酸カルシウム:粒子径0.1μm 2質量部
トルエン(希釈剤) 100質量部
[実施例5]
実施例1の基材(1)を下記〈配合5〉の層状鉱物含有下処理液浴に浸し、これを引き上げると同時にピックアップ率40質量%にゴムマングル圧搾し、次いで180℃の熱風炉内で2分間乾燥して層状鉱物処理された質量214g/mのガラス繊維布帛:基材(2)を得た。ガラス繊維布帛を基材(2)に変更した以外は実施例1と同一として、厚さ0.32mm、質量270g/m、全光線透過率37.5%、アンカー層とトップ層とのヘイズ差の絶対値6.5の膜材を得た。
〈配合5:層状鉱物含有下処理液〉
商品名:ナノフィル2:ズードケミー触媒社製モンモリロナイト 15質量部
(平均粒子径8μm、分散粒子径100〜500nmの層状鉱物)
商品名:KBM403:信越化学工業社製シランカップリング剤 3質量部
(γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン:有効成分100%)
希釈水 82質量部
[実施例6]
実施例2の基材(1)を基材(2)に変更した以外は実施例2と同一として、厚さ0.32mm、質量270g/m、全光線透過率が39.1%、アンカー層とトップ層とのヘイズ差の絶対値6.5の膜材を得た。
[実施例7]
実施例3の基材(1)を基材(2)に変更した以外は実施例3と同一として、厚さ0.32mm、質量270g/m、全光線透過率が35.0%、アンカー層とトップ層とのヘイズ差の絶対値は8.3の膜材を得た。
[実施例8]
実施例4の基材(1)を基材(2)に変更した以外は実施例4と同一として、厚さ0.32mm、質量270g/m、全光線透過率が38.3%、アンカー層とトップ層とのヘイズ差の絶対値は5.2の膜材を得た。
実施例1〜8の膜材は、天井照明や壁照明、鉄道車両やエレベータかごなどの天井照明、照明器具のシェード材、カバー材、及びプロジェクター投影用の映写スクリーンなどに用いた時に十分な照度を有して光拡散性に優れ、またLED(光源)の存在(ホットスポット)が視認されることのない、各種光源カバーとして良好なものである。特に全光線透過率(JIS K7375)が35〜65%を有し、膜材の光拡散性被覆層がアンカー層及びトップ層との積層構造を成していて、アンカー層とトップ層とのヘイズ(JIS K7136)差の絶対値が1〜20の範囲であり、しかも膜材の布帛の表裏面が編織組織による規則的立体凹凸を有していて、この立体凹凸の高低差が0.5μm〜25μmで、さらにアンカー層のみが規則的立体凹凸の凹部を充填していることによって、この凹部を充填するアンカー層用エラストマー(特にシリコーンエラストマー組成物)の断面形状及びその光学的性質(ヘイズ)が局部的に規則性を持って特異化し、この部分の光透過効果、光散乱効果、及び光屈折効果などが特徴的となり、さらにトップ層とのヘイズ差、及び光学的特性の差異による相乗効果により、膜材全体として光拡散性被覆層が優れた光拡散効果及び光透過効果を発現するようになり、それによって得られる膜材が、用途や使用環境を選ばずに、織物の糸筋や織組織の陰影や濃淡ムラの欠点を緩和し、美麗な発光外観を演出することができる。そしてさらにこれらの膜材はコーンカロリーメーター試験(ASTM−E1354)の不燃性に適合するため、特に公共施設やオフィスビルなどの天井照明や壁照明など天井照明に用いる光源カバーとして最適なものであった。また光拡散性被覆層におけるトップ層には光触媒物質を含むこと、特に可視光応答型光触媒物質(酸化銅をドープ剤とする酸化タングステン)を含有することで、照明点灯時に光源から発する可視光線によって励起された光触媒物質の酸化還元反応が起こり、付着した煤塵汚れ(例えば埃、黴、花粉、調理で揮散した油、煙草のヤニなどの蓄積汚れ)の分解を促し、それによって煤塵汚れの除去性をより高くすることが可能となるのみならず、照明カバー(または光天井用膜材)露出面に漂い接触する臭気(体臭、動物臭、食品臭、煙草臭、化学物質臭など)ppm濃度を1時間で約1/4濃度に低減させる消臭効果も有するものであった。また実施例5〜8の膜材は、モンモリロナイトによる層状鉱物で処理されたガラスクロスを使用することによって、(ASTM−E1354の燃焼試験)燃焼時に層状鉱物が体積膨張して布帛(ガラスクロス)の隙間を埋め、布帛(ガラスクロス)の隙間からの燃焼ガスの漏出を抑止するので、膜材の反対側への煙の拡散が効果的に遮断されるようになるので、公共施設やオフィスビルなどの天井照明や壁照明、さらには鉄道車両やエレベータかごなどの天井照明など、利用者の多い閉鎖空間での使用を可能とし、より火災や防災対策の信頼性を高くすることが期待されるものである。
[比較例1]
実施例1において、〈配合1〉アンカー層形成用エラストマー組成物に含むオルガノポリシロキサン硬化物粒子(平均粒子径2.0μmのポリメチルシルセスキオキサン球状粒子)10質量部を省略した以外は実施例1と同様にして、厚さが0.32mm、質量260g/m、全光線透過率が44.8%、アンカー層とトップ層とのヘイズ差の絶対値は0.3の膜材を得た。比較例1で得た膜材はアンカー層にオルガノポリシロキサン硬化物粒子を含まないため、光源カバーに使用した時に光拡散性に劣り、光源位置(ホットスポット)が露わとなるため外観上、見苦しいものであった。
[比較例2]
実施例1において、光拡散性被覆層を〈配合1〉によるアンカー層のみとした以外は実施例1と同様にして、厚さが0.29mm、質量233g/m、全光線透過率が51.1%の膜材を得た。比較例2で得た膜材はトップ層を含まないためトップ層とアンカー層とのヘイズ差を発現せず、そのため光源カバーに使用した時に光拡散性に劣り、さらには膜材の表面凹凸が顕著となることで煤塵汚れなどの微細粒子の凹部への侵入沈着を許し、拭き取りによる煤塵汚れ付着除去性にも劣り、経時的に見苦しい外観に移行するものであった。
[比較例3]
実施例1において、光拡散性被覆層を〈配合2〉によるトップ層のみとした以外は実施例1と同様にして、厚さが0.29mm、質量233g/m、全光線透過率が57.6%の膜材を得た。比較例3で得た膜材はアンカー層を含まないため、トップ層とアンカー層とのヘイズ差を発現せず、そのため光源カバーに使用した時に光拡散性に劣り、さらには膜材の表面凹凸が顕著となることで煤塵汚れなどの微細粒子の凹部への侵入沈着を許し、拭き取りによる煤塵汚れ付着除去性にも劣り、経時的に見苦しい外観に移行するものであった。
[比較例4]
実施例1で用いた基材(1)を次の基材(3)に変更した以外は実施例1と同様として、厚さ0.32mm、質量243g/m、全光線透過率が43.7%、アンカー層とトップ層とのヘイズ差の絶対値が5.1の膜材を得た。比較例4で得た膜材は、基材(3)に特定の立体凹凸を有さず、その立体凹凸の高低差が0.2μm程度で、アンカー層はこの僅かな立体凹凸の凹部を充填するのみに留まるため、アンカー層の立体特異的な規則的形状を構成できないことにより例えトップ層とアンカー層を有し、ヘイズ差を発現したとしても光源カバーに使用した時の光拡散性には劣るものであった。
〈基材(3)〉
Eガラスによる直径9μmのフィラメントを400本集束した繊度67.5texのフラットヤーン単糸を経糸及び緯糸として、経糸打ち込み密度44本/インチ、緯糸打ち込み密度33本/インチの織組織による空隙率0%、鏡面エンボスロールによる熱プレスを施し、その織組織の立体凹凸高低差を0.2μm程度の平滑形態とするガラス平織布帛(質量210g/m
本発明によれば、光拡散透過性かつ可撓性を有し、用途や使用環境を選ばずに、織物の糸筋や織組織の陰影や濃淡ムラの欠点を緩和しながら美麗な発光外観を演出し、しかも平成12年に改正施行された建築基準法の燃焼試験(ASTM−E1354に規定のコーンカロリーメーター試験法)に適合する不燃特性を有する膜材が得られるので、ホテル、イベントホール、商業施設、遊戯施設、公共施設、駅・空港内施設、地下街通路などの(LED)天井照明や壁照明、及びエレベータかごなどの(LED)天井照明など利用客の多い場所で使用する大型の光源カバーとしての使用はもちろん、さらにはLED照明器具のシェード材、カバー材、プロジェクター投影用の映写スクリーンなどにも使用でき、これらの用途において火災対策や防災対策の信頼性をより高くすることができる。
1:光拡散透過性膜材
2:布帛(基布)
2−1:編織組織による規則的立体凹凸
2−1−1:規則的立体凹凸の凹部
3:光拡散性被覆層
3−1:アンカー層
3−2:トップ層
4:光拡散剤
5:光源(LED)

Claims (6)

  1. マルチフィラメント糸条を編織要素とする布帛を基布として、この基布の1面以上にエラストマー組成物により形成された光拡散性被覆層を有する全光線透過率(JIS K7375)が35〜65%の可撓性複合シートであって、前記光拡散性被覆層がアンカー層及びトップ層との積層構造を成し、前記アンカー層とトップ層とのヘイズ(JIS K7136)差の絶対値1〜20を有し、かつ前記布帛の表裏面が編織組織による規則的立体凹凸を有し、この立体凹凸の高低差0.5μm〜25μmであり、しかも前記アンカー層のみが規則的立体凹凸の凹部を充填していることを特徴とする光拡散透過性膜材。
  2. 1)前記アンカー層または前記トップ層の何れか一方に光拡散剤を含有するか、2)もしくは前記アンカー層及び前記トップ層の両方に光拡散剤を含有し、各々当該光拡散剤の種類及び/または各々の含有濃度を異にする請求項1に記載の光拡散透過性膜材。
  3. 前記光拡散剤の少なくとも1種が、オルガノポリシロキサン硬化物粒子であり、ポリメチルシルセスキオキサン、含フッ素シルセスキオキサンポリマー、以下INCI命名による(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/(PEG−10/15))クロスポリマー、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、(PEG−15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー、(ジメチコン/ポリグリセリン−3)クロスポリマー、(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン−3)クロスポリマー、(ジメチコン/ビス−イソブチルPPG−20)クロスポリマー、及びこれらのオルガノポリシロキサン硬化物粒子にシリコーンオイルを吸着させた粒子、から選ばれた1種または2種以上である請求項2に記載の光拡散透過性膜材。
  4. 前記トップ層が、酸化チタン、過酸化チタン(ペルオキソチタン酸)、酸化亜鉛、酸化錫、チタン酸ストロンチウム、酸化タングステン、酸化ビスマス、酸化鉄、及びこれらの酸化物に、銀、プラチナ、金、銅、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、及び遷移金属イオンの1種以上をドーピングした物質、から選ばれた少なくとも1種以上の光触媒物質を含有する請求項1〜3の何れか1項に記載の光拡散透過性膜材。
  5. 前記マルチフィラメント糸条が、ガラス繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、及びセラミック繊維から選ばれた1種以上の無機繊維糸条である請求項1〜4の何れか1項に記載の光拡散透過性膜材。
  6. 前記マルチフィラメント糸条を編織要素とする布帛が、モンモリロナイト、スメクタイト、及びフッ素雲母から選ばれた1種以上の層状鉱物で処理されている請求項1〜5の何れか1項に記載の光拡散透過性膜材。
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