JP3442556B2 - 芳香族ポリカーボネート樹脂およびその製造方法 - Google Patents

芳香族ポリカーボネート樹脂およびその製造方法

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JP3442556B2 JP32144595A JP32144595A JP3442556B2 JP 3442556 B2 JP3442556 B2 JP 3442556B2 JP 32144595 A JP32144595 A JP 32144595A JP 32144595 A JP32144595 A JP 32144595A JP 3442556 B2 JP3442556 B2 JP 3442556B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香族ポリカーボ
ネート樹脂に関する。さらに詳しくは成形性および熱安
定性の改善された芳香族ポリカーボネート樹脂ならびに
複屈折、耐加水分解性および耐記録膜腐食性に優れたそ
れからの成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパンにカーボネート前駆体物質を反応させ
て得られるポリカーボネート樹脂は透明性、耐熱性、機
械的特性、寸法安定性が優れているがゆえにエンジニア
リングプラスチックとして多くの分野に広く使用されて
いる。特に透明性に優れることから光学材料としての用
途も多い。しかしながら、かかるポリカーボネート樹脂
はベンゼン環の光学異方性から光弾性定数が大きく、従
って成形品の複屈折が大きい欠点があり、この改善が求
められている。
【0003】特開平2−88634号公報には、特定構
造のジヒドロキシジフェニルアルカンおよびそれからの
新規な芳香族ポリカーボネートについて記載されてい
る。この公報に開示されている代表的例は、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサンを全ジヒドロキシ成分の100〜2モル
%使用した芳香族ポリカーボネートである。具体的に
は、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサンを100〜30モル%の
割合で使用したホモ・またはコ・ポリカーボネートが示
され、コポリマーの場合の共重合成分としては、ビスフ
ェノールAが30、50、65または70モル%使用さ
れている。
【0004】上記公報には、得られた前記芳香族ポリカ
ーボネートは、従来のポリカーボネートの用途、例えば
電気分野、被覆および透明板ガラスの分野において使用
され、高い耐熱性において優れていることが開示されて
いる。しかしながら、かかる芳香族ポリカーボネート
は、溶融流動性が悪く良好な成形品が得られ難い。ま
た、他の種々の共重合体に関する記載はあるが、その具
体的事例は示されていない。
【0005】また、ポリカーボネート樹脂に残存してい
る塩素化合物およびアルカリ金属またはアルカリ土類金
属を含有する化合物は、ポリカーボネート樹脂の熱安定
性を低下させ、光学用成形品の記録膜を腐食するなどの
欠点を有するため、これらの化合物の除去が望まれてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光学
用材料に適した芳香族ポリカーボネート樹脂の優れた透
明性、機械物性を保持しつつ、成形性および熱安定性を
向上した芳香族ポリカーボネート樹脂ならびに複屈折、
耐加水分解性および耐記録膜腐食性に優れたそれからの
成形品を提供することにある。本発明者はこの目的を達
成せんとして鋭意研究を重ねた結果、特定の2種の二価
フェノールを使用することにより得られた芳香族ポリカ
ーボネート樹脂であって、その樹脂は塩素化合物および
アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含有する化合物
が特定量以下である芳香族ポリカーボネート樹脂が光学
用材料として好適であることを見出し、本発明に到達し
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、全芳香族ジヒドロキシ成分の少なくとも80モル%
が(a)1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン(成分a)および
(b)4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデ
ン)ジフェノール(成分b)であり、且つ成分aと成分
bの割合がモル比で99:1〜20:80の範囲で構成
された芳香族ポリカーボネート樹脂であって、その樹脂
は(1)塩素化合物の含有量が塩素原子に換算して5p
pm以下であり、且つ(2)アルカリ金属またはアルカ
リ土類金属を含有する化合物の含有量がそれらを金属原
子に換算して合計で1ppm以下、である芳香族ポリカ
ーボネート樹脂が提供される。
【0008】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂は、
それを構成する芳香族ジヒドロキシ成分として、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン(成分a)および4,4’−(m−
フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(成分
b)が全芳香族ジヒドロキシ成分の少なくとも80モル
%、好ましくは少なくとも90モル%であるのが有利で
あり、典型的には、成分aおよび成分bによって実質的
に形成された芳香族ポリカーボネート樹脂であるのが望
ましい。この成分aおよび成分bの割合が80モル%未
満の場合、本発明の目的である光学用材料として不満足
な性質となり好ましくない。
【0009】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂にお
いて、成分aと成分bとの割合がモル比で99:1〜2
0:80の範囲であり、80:20〜20:80の範囲
が好ましく、80:20〜30:70の範囲がさらに好
ましい。成分aの割合が99モル%より多く、成分bの
割合が1モル%より少なくなると、得られた樹脂の溶融
流動性が悪く成形不良を生じ、光学的に良好な成形品が
得られ難くなる。また成分aの割合が20モル%より少
なく、成分bの割合が80モル%より多くなると、得ら
れた樹脂の光弾性定数が大きくなり、またガラス転移温
度も低下する傾向にあるので好ましくない。
【0010】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂にお
いて、成分aおよび成分bが全芳香族ジヒドロキシ成分
の少なくとも80モル%、好ましくは少なくとも90モ
ル%を占めることが望ましいが、他のジヒドロキシ成分
(成分c)を全芳香族ジヒドロキシ成分当り20モル%
以下、好ましくは10モル%以下含有していても特に差
支えない。
【0011】かかる成分cとしては、通常芳香族ポリカ
ーボネートのジヒドロキシ成分として使用されている、
成分aおよび成分b以外の成分であればよく、例えばハ
イドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ビフェノー
ル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,
2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フ
ェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ペンタン、4,4’−(p−フェニレンジイソ
プロピリデン)ジフェノール、9,9−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサンな
どが挙げられ、なかでも2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロパンおよび9,9−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)フルオレンが好ましい。
【0012】芳香族ポリカーボネート樹脂はそのポリマ
ー0.7gを100mlの塩化メチレンに溶解し、20
℃で測定した比粘度が0.2〜0.5のものが好ましく、
0.25〜0.4の範囲のものがより好ましい。比粘度が
0.2未満では成形品が脆くなり、0.5より高くなると
溶融流動性が悪く、成形不良を生じ、光学的に良好な成
形品が得られ難くなる。
【0013】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂は、
ASTM D−0570によって測定した吸水率が0.2重
量%以下であることが好ましく、0.18量%以下であ
ることがより好ましい。吸水率が0.2重量%を超える
と、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂が好適に用い
られる光ディスク基板の表面上に金属膜を形成させた光
ディスクが吸水によって反りを生じ易くなり、トラッキ
ングエラーを起こし易くなるので好ましくない。特に好
ましい吸水率は0.15重量%以下である。
【0014】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂は、
オリゴマー含量が10%以下であることが好ましく、7
%以下がより好ましく、特に5%以下が好ましい。この
オリゴマー含量の値は下記方法およびカラムを使用して
測定された値である。すなわち、東ソー(株)製、TS
KgelG2000HXLとG3000HXLカラム各
1本づつ直列に繋いで溶離液としてクロロホルムを用
い、流量0.7ml/分で安定化した後、該芳香族ポリ
カーボネート樹脂のクロロホルム溶液を注入する方法で
測定したGPCチャートのリテンションタイムが19分
以降のオリゴマーピーク面積の合計の全ピーク面積に対
する割合がオリゴマー含量であり、この値が10%以下
であることが好ましく、7%以下であることがより好ま
しい。オリゴマー含量が7%、殊に10%を越えると、
成形時に金型表面を汚染することがあるので望ましくな
く、その汚染はオリゴマー含量が多くなる程顕著になる
傾向がある。一方、オリゴマーは芳香族ポリカーボネー
ト樹脂の製造過程で生じるものであり、完全に零(0)
にすることはできない。
【0015】オリゴマーは、前記した含量以下であれば
よく、その値を満足する限り、少割合含有されていても
差支えない。0.1%以上、より好ましくは0.15%以
上の少割合の含量でオリゴマーが存在すると、それ以下
のものと比べて溶融流動性が向上する。そのため、特に
好ましくはオリゴマー含量は0.15〜4%の範囲であ
る。
【0016】芳香族ポリカーボネート樹脂中のオリゴマ
ー含量を前記範囲に制御するには、大量のオリゴマーが
樹脂中に含まれないように重合を充分に完結することが
必要であり、また触媒および重合条件を適宣選択するこ
とが要求される。もしオリゴマー含量が前記範囲を越え
ている場合には、例えばオリゴマーを抽出などの手段に
より除去する処置が採用される。この抽出は芳香族ポリ
カーボネート樹脂の溶液(例えば塩化メチレン溶液)
を、その樹脂の貧溶剤または非溶剤(例えばアセトンま
たはメタノール)中に滴下する方法、或いはその樹脂を
貧溶媒または非溶媒に浸漬して、オリゴマーを抽出する
方法などの手段によって実施することができる。
【0017】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂は、
光学的材料、殊に光ディスク基板として好適に使用され
るため、その中に未溶解粒子が或る一定量以上存在しな
いことが望ましい。
【0018】すなわち、かかる芳香族ポリカーボネート
樹脂は、その20gを塩化メチレン1Lに溶解した溶液
をハイアックロイコ社製液体パーティクルカウンターモ
デル4100を用いたレーザーセンサー法にて、散乱光
をラテックス粒子の散乱光に換算する方法で求めた径
0.5μm以上の未溶解粒子が、該芳香族ポリカーボネ
ート樹脂1g当り25,000個以下、且つ1μm以上
の未溶解粒子が500個以下であることが好ましい。
0.5μm以上の未溶解粒子が25,000個を超える
か、または1μm以上の未溶解粒子が500個を超える
と光ディスクに書き込まれた情報ピットに悪影響を及ぼ
しエラーレートが大きくなるので好ましくない。さらに
好ましくは、0.5μm以上の未溶解粒子が20,000
個以下、且つ1μm以上の未溶解粒子が200個以下で
ある。また、10μm以上の未溶解粒子は実質的に存在
すべきでない。
【0019】芳香族ポリカーボネート樹脂中における未
溶解粒子の量を前記範囲とするためには、重合過程およ
び造粒過程において、未溶解粒子が混入しないか或いは
除去し得る手段を採用すべきである。そのような手段と
しては、例えば操作をクリーンルームで行うこと、未溶
解粒子の除去装置の付いた造粒装置を使用すること(具
体的例としては、軸受け部に異物取り出し口を有する隔
離室を設けたニーダーなど)或いは摺動部分に樹脂粒子
が触れない構造の装置(例えばスプレードライヤー形式
の造粒機)で造粒することなどがある。また、未溶解粒
子を除去する他の手段として、樹脂の溶液を目開きの小
さいフィルター(0.5〜1μm)によりろ過する方法
或いは樹脂を溶融して後、金属フィルター(10〜40
μm)により固体粒子を除去する方法などが採用され
る。
【0020】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂は、
通常の芳香族ポリカーボネート樹脂を製造するそれ自体
公知の反応手段、例えば芳香族ジヒドロキシ成分にホス
ゲンや炭酸ジエステルなどのカーボネート前駆物質を反
応させる方法により製造される。次にこれらの製造方法
について基本的な手段を簡単に説明する。
【0021】カーボネート前駆物質として、例えばホス
ゲンを使用する反応では、通常酸結合剤および溶媒の存
在下に反応を行う。酸結合剤としては、例えば水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物
またはピリジンなどのアミン化合物が用いられる。溶媒
としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼンなどの
ハロゲン化炭化水素が用いられる。また反応促進のため
に例えば第三級アミンまたは第四級アンモニウム塩など
の触媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常
0〜40℃であり、反応時間は数分〜5時間である。
【0022】カーボネート前駆物質として炭酸ジエステ
ルを用いるエステル交換反応は、不活性ガス雰囲気下所
定割合の芳香族ジヒドロキシ成分を炭酸ジエステルと加
熱しながら攪拌して、生成するアルコールまたはフェノ
ール類を留出させる方法により行われる。反応温度は生
成するアルコールまたはフェノール類の沸点などにより
異なるが、通常120〜300℃の範囲である。反応は
その初期から減圧にして生成するアルコールまたはフェ
ノール類を留出させながら反応を完結させる。また反応
を促進するために通常エステル交換反応に使用される触
媒を使用することもできる。前記エステル交換反応に使
用される炭酸ジエステルとしては、例えばジフェニルカ
ーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニ
ル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカ
ーボネート、ジブチルカーボネートなどが挙げられる。
これらのうち特にジフェニルカーボネートが好ましい。
【0023】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂は、
前記したように芳香族ジヒドロキシ成分として、成分a
と成分b、必要であれば成分cの混合物を使用し、それ
自体公知のポリカーボネート形成の反応に従って製造す
ることができる。
【0024】その重合反応において、末端停止剤として
通常使用される単官能フェノール類を使用することがで
きる。殊にカーボネート前駆物質としてホスゲンを使用
する反応の場合、単官能フェノール類は末端停止剤とし
て分子量調節のために一般的に使用され、また得られた
芳香族ポリカーボネート樹脂は、末端が単官能フェノー
ル類に基づく基によって封鎖されているので、そうでな
いものと比べて熱安定性に優れている。
【0025】かかる単官能フェノール類としては、芳香
族ポリカーボネート樹脂の末端停止剤として使用される
ものであればよく、一般にはフェノール或いは低級アル
キル置換フェノールであって、下記一般式で表される単
官能フェノール類を示すことができる。
【0026】
【化1】
【0027】[式中、Aは水素原子または炭素数1〜
9、好ましくは1〜8の脂肪族炭化水素基を示し、rは
1〜5、好ましくは1〜3の整数を示す。] 前記単官能フェノール類の具体例としては、例えばフェ
ノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミル
フェノールおよびイソオクチルフェノールが挙げられ
る。
【0028】また、他の単官能フェノール類としては、
長鎖のアルキル基或いは脂肪族ポリエステル基を置換基
として有するフェノール類または安息香酸クロライド
類、もしくは長鎖のアルキルカルボン酸クロライド類を
使用することができ、これらを用いて芳香族ポリカーボ
ネート樹脂の末端を封鎖すると、これらは末端停止剤ま
たは分子量調節剤として機能するのみならず、樹脂の溶
融流動性が改良され、成形加工が容易となるばかりでな
く、基板としての物性も改良される。特に樹脂の吸水率
を低くする効果があり、好ましく使用される。これらは
下記一般式[I−a]〜[I−h]で表される。
【0029】
【化2】
【0030】[各式中、Xは−R−O−、−R−CO−
O−または−R−O−CO−である、ここでRは単結合
または炭素数1〜10、好ましくは1〜5の二価の脂肪
族炭化水素基を示し、Tは単結合または上記Xと同様の
結合を示し、nは10〜50の整数を示す。Qはハロゲ
ン原子または炭素数1〜10、好ましくは1〜5の一価
の脂肪族炭化水素基を示し、pは0〜4の整数を示し、
Yは炭素数1〜10、好ましくは1〜5の二価の脂肪族
炭化水素基を示し、W1は水素原子、−CO−R1、−C
O−O−R2またはR3である、ここでR1、R2およびR
3は、それぞれ炭素数1〜10、好ましくは1〜5の一
価の脂肪族炭化水素基、炭素数4〜8、好ましくは5〜
6の一価の脂環族炭化水素基または炭素数6〜15、好
ましくは6〜12の一価の芳香族炭化水素基を示す。l
は4〜20、好ましくは5〜10の整数を示し、mは1
〜100、好ましくは3〜60、特に好ましくは4〜5
0の整数を示し、Zは単結合または炭素数1〜10、好
ましくは1〜5の二価の脂肪族炭化水素基を示し、W2
は水素原子、炭素数1〜10、好ましくは1〜5の一価
の脂肪族炭化水素基、炭素数4〜8、好ましくは5〜6
の一価の脂環族炭化水素基または炭素数6〜15、好ま
しくは6〜12の一価の芳香族炭化水素基を示す。]
【0031】これらのうち好ましいのは、[I−a]お
よび[I−b]の置換フェノール類である。この[I−
a]の置換フェノール類としては、nが10〜30、特
に10〜26のものが好ましく、その具体例としては、
例えばデシルフェノール、ドデシルフェノール、テトラ
デシルフェノール、ヘキサデシルフェノール、オクタデ
シルフェノール、エイコシルフェノール、ドコシルフェ
ノールおよびトリアコンチルフェノールなどを挙げるこ
とができる。
【0032】また、[I−b]の置換フェノール類とし
てはXが−R−CO−O−であり、Rが単結合である化
合物が適当であり、nが10〜30、特に10〜26の
ものが好適であって、その具体例としては、例えばヒド
ロキシ安息香酸デシル、ヒドロキシ安息香酸ドデシル、
ヒドロキシ安息香酸テトラデシル、ヒドロキシ安息香酸
ヘキサデシル、ヒドロキシ安息香酸エイコシル、ヒドロ
キシ安息香酸ドコシルおよびヒドロキシ安息香酸トリア
コンチルが挙げられる。
【0033】前記一般式[I−a]〜[I−g]で示さ
れる置換フェノール類または置換安息香酸クロライドに
おいて置換基の位置は、p位またはo位が一般的に好ま
しく、その両者の混合物が好ましい。
【0034】前記単官能フェノール類は、得られた芳香
族ポリカーボネート樹脂の全末端に対して少なくとも5
モル%、好ましくは少なくとも10モル%末端に導入さ
れることが望ましく、また単官能フェノール類は単独で
もしくは2種以上混合して使用してもよい。
【0035】また、本発明の芳香族ポリカーボネート樹
脂において、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが、全芳香族ヒ
ドロキシ成分の80モル%以上である場合は、樹脂の流
動性が低下することがあり、そのため前記一般式[I−
a]〜[I−g]で示される置換フェノール類または置
換安息香酸クロライド類を末端停止剤として使用するこ
とが好ましい。
【0036】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂は、
その光弾性定数の値が60×10-1 3cm2/dyn以
下、好ましくは50×10-13cm2/dyn以下のもの
が有利に利用される。光弾性定数の値が前記値よりも大
きい場合、光学用材料、殊に光ディスクとして適さなく
なる。芳香族ポリカーボネート樹脂は、そのガラス転移
点が120℃以上が好ましく、130℃以上がより好ま
しく、145℃以上がさらに好ましい。ガラス転移点が
低くなると光学用材料、殊にディスク基板としての耐熱
性が不足する。
【0037】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂は、
全光線透過率が少なくとも85%、好ましくは少なくと
も90%であることが望ましい。全光線透過率が85%
よりも低くなると、光学用材料、殊に光ディスク基板と
して不適当であり好ましくない。また、芳香族ポリカー
ボネート樹脂の斜め入射複屈折位相差の値が60nm以
下、好ましくは40nm以下であるのが適当である。こ
の斜め入射複屈折位相差の値が60nmを越えると、光
ディスク基板として使用した場合記録の読み取りに支障
を来すことになり不適当である。また芳香族ポリカーボ
ネート樹脂の流動性はMFRの値で25g/10分以上
が好ましく、30g/10分以上がより好ましく、45
g/10分以上がさらに好ましい。溶融流動性が低くな
ると成形性に劣り光学的に良好な成形品が得られ難くな
る。
【0038】また、本発明の芳香族ポリカーボネート樹
脂は、(1)塩素化合物の含有量が塩素原子に換算して
5ppm以下であり、且つ(2)アルカリ金属またはア
ルカリ土類金属を含有する化合物の含有量がそれらの金
属原子に換算して合計で1ppm以下であることを満足
する。かかる塩素化合物としては、カーボネート前駆物
質として使用されるホスゲン、溶媒として使用される塩
化メチレンなどの塩素系溶媒、またはこれらに起因する
塩素化合物、例えばNaCl、CCl4などを挙げるこ
とができる。ただし、原料としての芳香族ジヒドロキシ
成分および末端停止剤として使用される単官能フェノー
ルなどのベンゼン環に置換した塩素を含有する化合物は
この塩素化合物に含まれない。従って、これら原料を使
用しない場合は、前記溶媒、前駆体、それらに起因する
塩素化合物は、芳香族ポリカーボネート樹脂中の全ての
塩素化合物を塩素に換算して算出する簡便法によりその
量を測定することができる。
【0039】塩素化合物の含有量は、芳香族ポリカーボ
ネート樹脂に対して塩素原子に換算して5ppm以下で
あり、3ppm以下が好ましく、1ppm以下がより好
ましい。塩素化合物の含有量が5ppmより多くなる
と、芳香族ポリカーボネート樹脂の熱安定性が低下し、
成形時に成形金型が腐食され易く、また光ディスク基板
として用いた場合、その金属膜の腐食が起こり易くなり
好ましくない。ここで云う塩素化合物の含有量は、芳香
族ポリカーボネート樹脂を三菱化学(株)製塩素イオウ
分析装置TSX10型を用いて燃焼法により通常測定す
ることができる(なお、上記核置換された塩素を含有す
る場合は別法で分析し、これを差し引いた値とする)。
【0040】一方、かかるアルカリ金属またはアルカリ
土類金属を含有する化合物とは、その水溶液または抽出
水が中性または塩基性を示すものである。例えばナトリ
ウム、カリウムの硝酸塩、硫酸塩、酸化物、水酸化物、
炭酸塩、脂肪酸塩、芳香族ジヒドロキシ化合物の塩なら
びにカルシウム、バリウムの硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、
酸化物または水酸化物、さらにアルカリ金属またはアル
カリ土類金属のハロゲン化物、例えばNaCl、KC
l、CaCl2、BaCl2、NaBr、KBr、CaB
2、BaBr2などを挙げることができる。さらにアル
カリ金属またはアルカリ土類金属を含有するガラス、雲
母、ゼオライトも含まれる。
【0041】アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含
有する化合物の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂
に対してこれらを金属原子に換算して合計で1ppm以
下であり、0.8ppm以下が好ましく、0.5ppm以
下がより好ましい。この含有量が1ppmより多くなる
と、成形時や湿熱環境下などにおいて、樹脂の着色や加
水分解を生じ易くなり好ましくない。ここで云うアルカ
リ金属またはアルカリ土類金属を含有する化合物の含有
量は、芳香族ポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液
100mlに純水100mlを加えホモミキサーで十分
に攪拌した後、その水相をダイオネックス(株)製イオ
ンクロマトグラフ分析装置2000ISpを用いて測定
される。
【0042】一般に芳香族ポリカーボネート樹脂の製造
方法は前述の如くホスゲン法とエステル交換法に大別さ
れる。ホスゲン法は、ハロゲン化炭化水素系溶媒の存在
下で芳香族ジヒドロキシ成分とホスゲンとを反応せしめ
る方法であって、その際過剰の塩基、例えば水酸化ナト
リウム若しくは水酸化カリウムの水溶液または水酸化カ
ルシウムが反応によって生成する塩酸の捕捉剤として使
用される。その結果として、反応生成混合物中には、ア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属のハロゲン化物、炭
酸塩、水酸化物などが含有される。これらの生成物は、
十分な水洗によってある程度除去されるが、前記範囲を
満足するまで除去することは困難である。ポリカーボネ
ート樹脂の溶液をイオン交換樹脂で処理する方法も提案
されている(例えば特開昭60−238319号公報)
が、この方法を採用しても、芳香族ポリカーボネート樹
脂溶液中には、微量の水が溶解ないしは分散しており、
従って極微量のアルカリ金属またはアルカリ土類金属を
含有する化合物が芳香族ポリカーボネート樹脂溶液中に
残存することは避けられない。
【0043】また、エステル交換法は、芳香族ジヒドロ
キシ成分と炭酸ジフェニルとのエステル交換反応による
もので、一般に、二価フェノールのアルカリ金属塩が触
媒として度々使用される。この触媒に起因して、生成す
る芳香族ポリカーボネート樹脂中には、アルカリ金属塩
およびアルカリ金属炭酸塩が含有される。従って、これ
らを除去するためには、芳香族ポリカーボネート樹脂を
一旦ハロゲン化炭化水素系溶媒に溶解した後、ホスゲン
法と同様に処理することになるが、事情は全く同様であ
る。
【0044】本発明において、アルカリ金属またはアル
カリ土類金属を含有する化合物の含有量がそれらを金属
原子に換算して合計で1ppm以下を達成するために
は、芳香族ポリカーボネート樹脂の有機溶剤溶液と水と
を混合し、分散相を形成させ、次いで遠心分離により芳
香族ポリカーボネート樹脂の有機溶剤溶液を得る方法
(例えば特公平6−39523号公報参照)が好ましく
採用される。
【0045】かかる芳香族ポリカーボネート樹脂の有機
溶剤溶液中の芳香族ポリカーボネート樹脂含有量は4〜
25重量%が好ましく、6〜15重量%がより好まし
い。また、使用する水の量は、芳香族ポリカーボネート
樹脂の有機溶剤溶液と水との合計容積量を100重量%
としたときに、水の容量が5〜95容量%が好ましく、
15〜85容量%がより好ましい。また、前記化合物の
水相中への抽出効率を高めるためには、かかる分散相中
への液滴粒径が100μm以下となることが好ましく、
50μm以下がより好ましく、これは激しく混合・攪拌
することにより達成される。
【0046】かかる分散相を形成するために使用する機
器としては、特に制限はなく、さまざまな形式のものが
適宜使用される。具体的には、例えばスルーザーミキサ
ー、スタティックミキサー、静止型管内混合機などの静
止型ミキサーを好適に使用でき、オリフィスミキサー、
攪拌槽なども運転条件を選定することによって使用可能
である。ここで、静止型ミキサーとは、液体分割作用を
有するコンパクトなエレメントを配管中に挿入し、短い
滞留時間で上記の粒子径のような微細な分散液滴粒子を
形成することができる装置を言う。
【0047】上記所望の分散液滴径を有する分散相を形
成させるためのこの静止型ミキサーの運転条件として
は、用いる装置の型式などによって異なるので一概に規
定できないが、例えば管内速度を0.5m/秒以上と
し、エレメント数を分散液滴径を前記所定の値の範囲と
するのに必要な数、例えば通常5〜16エレメントとす
るのが好適である。
【0048】かかる方法の方式としては、特に制限はな
く、連続法、回分法あるいは半連続法のいずれも可能で
あるが、生産性、操作性などの点から連続法を好適に使
用することができる。
【0049】このようにして分散相の形成が施された混
合液は、次いで遠心分離処理を施される。この遠心分離
処理に用いる装置としては、300G以上の遠心力、好
ましくは700G以上の遠心力の発生が可能であれば特
に制限はなく、強力なエマルジョンに対して高遠心力に
より油中の水分を飽和量近くまで分離可能な装置であれ
ば様々なものを使用することができ、特に抽出分離が可
能な遠心抽出機などを好適に使用することができる。こ
の遠心分離処理の方式としても、連続法、回分法、半連
続法のいずれの方式も適用できるが、連続法が特に好適
に採用できる。
【0050】また、かかる分散相の形成と、遠心分離処
理を同一装置で連続して行うこともでき、より好ましく
採用される。具体的には、多孔板付遠心抽出機((株)
日立製作所製ウルトレックスEP−02、川崎エンジニ
アリング(株)製KCC遠心抽出機)などが挙げられ
る。
【0051】かかる抽出、遠心分離操作により得られた
芳香族ポリカーボネート樹脂の有機溶剤溶液は、それ自
体公知の脱溶媒処理を施して芳香族ポリカーボネート樹
脂と有機溶剤とに分離される。そして得られた芳香族ポ
リカーボネート樹脂は、次いで押出機によりペレット化
される。
【0052】本発明において、塩素化合物の含有量が塩
素原子に換算して5ppm以下を達成するためには、1
以上の減圧ベント口を有する押出機の圧縮溶融部から最
遠のベント口までの間で水を注入添加する溶融押出方法
(特公平7−2364号公報参照)が好ましく採用され
る。使用される押出機は、通常使用されるベント付押出
機であって、ベント口は1個でも2個以上でも差し支え
ないが、圧縮溶融部から最遠のベント口までの間に注水
孔を有することが必要であり、また注水個所は2ケ所以
上でもよい。注水孔とそれに最も近い吐出口側のベント
口迄の距離は、その間で樹脂と水分がよく混合されるこ
とが必要であり、スクリューの形状や回転速度などによ
って混合状態が変化するので、実験によって定めること
が望ましい。また、単軸押出機に比べ、二軸押出機が好
ましい。
【0053】注入する水の量は、芳香族ポリカーボネー
ト樹脂100重量部当り0.1〜5重量部、より好まし
くは0.3〜2重量部である。0.1重量部未満では本発
明の効果が得られ難く、5重量部を超えるときは芳香族
ポリカーボネート樹脂の分子量低下が著しくなるので適
当でない。
【0054】本発明方法の実施においては、芳香族ポリ
カーボネート樹脂はホッパーから押出機の供給部に連続
的に供給される。芳香族ポリカーボネート樹脂はスクリ
ューの回転に従って圧縮され、シリンダーからの加熱と
内部摩擦熱によって溶融し、シリンダーとスクリューの
間を充満して回転するスクリューによって混練されなが
ら吐出口側に進行する。この途中で注水孔から水が連続
的又は脈動的に注入される。供給側も吐出側も樹脂が充
満しているので注入された水は、全て溶融した芳香族ポ
リカーボネート樹脂と混合される。そして、減圧、好ま
しくは150Torr以下に維持されているベント部に
達して水分は急激に蒸発除去され、前進する芳香族ポリ
カーボネート樹脂は吐出口から連続的に吐出される。
【0055】本発明において、前記した芳香族ポリカー
ボネート樹脂の有機溶剤溶液と水とを混合し、分散相を
形成させ、次いで遠心分離により芳香族ポリカーボネー
ト樹脂の有機溶剤溶液を得、しかる後脱溶媒する方法と
1以上の減圧ベント口を有する押出機の圧縮溶融部から
最遠のベント口までの間で水を注入添加する溶融押出方
法とを共に使用することが好ましい。
【0056】かくして得られた芳香族ポリカーボネート
樹脂は、乾燥した後に成形されるが、これらの工程にお
いても、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含有す
る化合物の混入に対しては十分に注意することが必要で
ある。従って、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を
含有する化合物を乾燥剤として使用しないことが望まし
く、例えば乾燥設備において乾燥剤として合成ゼオライ
トを使用した場合、循環熱風によって合成ゼオライトの
微粉が運搬されて、芳香族ポリカーボネート樹脂に付着
し、その成形品中のアルカリ金属またはアルカリ土類金
属を含有する化合物の含有量が増加する恐れがある。
【0057】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂に
は、必要に応じて燐系熱安定剤を加えることができる。
燐系熱安定剤としては、亜燐酸エステルおよび燐酸エス
テルが好ましく使用される。亜燐酸エステルとしては、
例えばトリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニ
ルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチ
ルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、
トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファ
イト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチル
モノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニ
ルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、
モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフ
ェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブ
チル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホ
スファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−ter
t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノ
ニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタ
エリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエ
リスリトールジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ
−tert−ブチルフェニル)−4,4−ジフェニレン
ホスホナイトなどの亜燐酸のトリエステル、ジエステ
ル、モノエステルが挙げられる。これらのうち、トリス
ノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t
ert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリル
ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましい。
【0058】一方、熱安定剤として使用される燐酸エス
テルとしては、例えばトリブチルホスフェート、トリメ
チルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフ
ェニルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェ
ニルクレジルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセ
ニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、
ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイ
ソプロピルホスフェートなどが挙げられ、なかでもトリ
メチルホスフェート、トリフェニルホスフェートが好ま
しい。
【0059】前記燐系熱安定剤は、単独で使用してもよ
く、また二種以上を組合せて使用してもよい。燐系熱安
定剤は、芳香族ポリカーボネート樹脂に基づいて0.0
001〜0.05重量%の範囲で使用するのが適当であ
る。
【0060】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂に
は、酸化防止の目的で通常知られた酸化防止剤を添加す
ることができる。その例としてはフェノール系酸化防止
剤を示すことができ、具体的には例えばトリエチレング
リコール−ビス(3−(3−tert−ブチル−5−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、
1,6−ヘキサンジオール−ビス(3−(3,5−ジ−t
ert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリ
ス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)ベンゼン、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシン
ナマイド)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、ト
リス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)イソシアヌレート、3,9−ビス{1,1−ジ
メチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エ
チル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)
ウンデカンなどが挙げられる。これら酸化防止剤の好ま
しい添加量の範囲は芳香族ポリカーボネート樹脂に対し
て、0.0001〜0.05重量%である。
【0061】さらに本発明の芳香族ポリカーボネート樹
脂には、必要に応じて一価または多価アルコールの高級
脂肪酸エステルを加えることもできる。この一価または
多価アルコールの高級脂肪酸エステルを配合することに
より、前記芳香族ポリカーボネート樹脂の成形時の金型
からの離型性が改良され、ディスク基板の成形において
は、離型荷重が少なく離型不良によるディスク基板の変
形、ピットずれを防止できる。また、芳香族ポリカーボ
ネート樹脂の熱安定性が向上し、さらに溶融流動性が改
善される利点もある。かかる高級脂肪酸エステルとして
は、炭素原子数1〜20の一価または多価アルコールと
炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステルま
たは全エステルであるのが好ましい。
【0062】また、かかる一価または多価アルコールと
飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルとして
は、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸モノソ
ルビテート、ベヘニン酸モノグリセリド、ペンタエリス
リトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテト
ラステアレート、プロピレングリコールモノステアレー
ト、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテー
ト、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロ
ピルパルミテート、2−エチルヘキシルステアレートな
どが挙げられ、なかでもステアリン酸モノグリセリド、
ペンタエリスリトールテトラステアレートが好ましく用
いられる。
【0063】かかるアルコールと高級脂肪酸とのエステ
ルの配合量は、該芳香族ポリカーボネート樹脂に対して
0.01〜2重量%であり、0.015〜0.5重量%が
好ましく、0.02〜0.2重量%がより好ましい。配合
量が0.01重量%未満では上記効果が得られず、2重
量%を越えると金型表面の汚れの原因となるので好まし
くない。
【0064】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂に
は、さらに光安定剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤などの
添加剤を透明性を損なわない範囲で加えることができ
る。また、他のポリカーボネート樹脂、熱可塑性樹脂を
本発明の目的を損なわない範囲で少割合添加することも
できる。
【0065】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂を製
造するには、任意の方法で行うことができる。例えばタ
ンブラー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバ
リーミキサー、混練ロール、押出機などで混合する方法
が適宜用いられる。この芳香族ポリカーボネート樹脂
は、例えば射出成形法、圧縮成形法、押出成形法、溶液
キャスティング法など任意の方法により成形される。
【0066】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂は、
成形性および熱安定性に優れているので種々の成形品と
して利用することができる。殊に光学ディスク、光学レ
ンズ、液晶パネル、光カード、シート、フィルム、光フ
ァイバー、コネクター、蒸着プラスチック反射鏡、ディ
スプレーなどの光学部品の構造材料または機能材料用途
に適した光学用成形品として有利に使用することができ
る。これらのうち、光ディスク基板として特に有利に使
用することができる。
【0067】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明す
る。なお実施例中の部は重量部であり、%は重量%であ
る。なお、評価は下記の方法によった。比粘度 :ポリマー0.7gを100mlの塩化メチレン
に溶解し20℃の温度で測定した。ガラス転移点(Tg) :デュポン社製910型DSCに
より測定した。流動性(MFR) :JIS K−7210に準拠して、
東洋精機製セミオートメルトインデクサーを用いて、2
80℃、荷重2.16kgで10分間に流出したポリマ
ー量(g)で示した。オリゴマー含量 :東ソー製GPCカラムTSKgelG
2000HXLとTSKgelG3000HXLを用
い、溶離液としてクロロホルムを流量0.7ml/分で
流しながら試料50mgをクロロホルム5mlに溶解し
た溶液を20μl注入する方法で求めたGPCチャート
のリテンションタイムが19分以降のオリゴマー成分の
ピーク面積の全ピーク面積に対する割合を%で示した。吸水率 :ASTM D−0570によって測定した。
【0068】塩化メチレン未溶解粒子:該芳香族ポリカ
ーボネート樹脂20gを塩化メチレン1Lに溶解した溶
液をハイアックロイコ社製液体パーティクルカウンター
モデル4100を用いたレーザーセンサー法にて散乱光
をラテックス粒子の散乱光に換算する方法で求めた。全光線透過率 :ASTM D−1003に準拠して日本
電色シグマ80を用いて測定した。光弾性定数 :理研計器(株)製の光弾性測定装置PA−
150により測定した。斜め入射複屈折位相差 :オーク製エリプソメータADR
−200B自動複屈折測定装置を用い、入射角30度で
測定した。
【0069】塩素化合物の含有量:三菱化学(株)製の
塩素イオウ分析装置TSX10型を用いて、燃焼法によ
り測定した。アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含有する化合物
の含有量 :芳香族ポリカーボネート樹脂20gを溶解し
た塩化メチレン溶液100mlに水100mlを加えホ
モミキサーで十分に攪拌後、水相をダイオネックス
(株)製のイオンクロマトグラフ分析装置2000IS
pを用いて測定した。欠陥数 :120mmφ、1.2mm厚みに成形したディ
スク基板50枚を80℃、85%RHの条件下1,00
0時間放置した後に顕微鏡を用いて観察し、1枚当りの
欠陥数を算出した。
【0070】実施例1 温度計、攪拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水
929.2部、48%水酸化ナトリウム水溶液61.3部
を入れ、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン(以下“ビスフェノ
ールTMC”と略称することがある)39部、4,4’
−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール
(以下“ビスフェノールM”と略称することがある)4
3.6部およびハイドロサルファイト0.17部を溶解し
た後、p−tert−ブチルフェノール1.51部と塩
化メチレン637.9部を加えトリエチルアミン0.09
部を添加した後攪拌下15〜25℃でホスゲン32.4
部を40分を要して吹き込んだ。ホスゲン吹き込み終了
後、48%水酸化ナトリウム水溶液15.6部を加え、
28〜33℃で1時間攪拌して反応を終了した。反応終
了後、生成物を多孔板付遠心抽出機((株)日立製作所
製ウルトレックスEP−02)にて、イオン交換水流量
1,000ml/min、反応生成物流量1,500ml
/minで3,500r.p.m.の条件で遠心分離したの
ち、塩化メチレン相を塩酸酸性にして、さらに同様の条
件にて遠心分離操作を繰り返し、水相の導電率がイオン
交換水と殆ど同じになったところで、軸受け部に異物取
り出し口を有する隔離室を設けたニーダーにて塩化メチ
レンを蒸発して、ビスフェノールTMCとビスフェノー
ルMの比がモル比で50:50である無色のポリマー8
6.4部を得た(収率97%)。このポリマーの比粘度
は0.286、オリゴマー含量は2.3%、Tgは147
℃、MFRは70g/10分であった。また吸水率は
0.15重量%であった。
【0071】このポリマーにトリス(ノニルフェニル)
ホスファイトを0.003%、トリメチルホスフェート
を0.005%、ステアリン酸モノグリセリド0.045
%加え、3ベント式の30mmφ二軸押出機にて、ベン
ト口とベント口の中間部分2ケ所から、かかるポリマー
100重量部に対して、それぞれ0.5重量部のイオン
交換水を注入しながら、10〜60Torrの減圧でベ
ントを引きながら吐出量10kg/hで押出しペレット
化した。得られたペレットの塩素化合物の含有量は0.
6ppm、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含有
する化合物(以下、“アルカリ(土類)金属を含有する
化合物”と略称する)の含有量は0.2ppmであっ
た。
【0072】このペレットを住友重機製DISK5Ml
llを用いて120mmφ、1.2mm厚みのディスク
基板に射出成形した。このものの塩化メチレン未溶解粒
子は0.5μm以上が15,000個/g、1μm以上が
190個/gであった。また全光線透過率は89%、光
弾性定数は40×10-13cm2/dyn、斜め入射複屈
折位相差は21nmであった。また、このディスク基板
50枚を、80℃、85%RHの条件下1,000時間
放置した後の1枚当りのディスク基板表面の欠陥数を表
1に示した。さらにこのディスク基板に金属膜、保護膜
を被覆したディスクについても同様に処理して表面状態
を観察した結果を表1に示した。
【0073】実施例2 実施例1の1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを31.2部、4,
4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノ
ールを52.2部とした以外は実施例1と同様にして、
ビスフェノールTMCとビスフェノールMの比がモル比
で40:60であるポリマー86.4部を得た(収率9
6%)。このポリマーの比粘度は0.292、オリゴマ
ー含量は2.8%、Tgは135℃、MFRは90g/
10分であった。また吸水率は0.12重量%であっ
た。
【0074】このポリマーに実施例1と同様の添加剤を
加え、実施例1と同様の条件で押出しペレット化した。
得られたペレットの塩素化合物の含有量は0.3pp
m、アルカリ(土類)金属を含有する化合物の含有量は
0.1ppmであった。
【0075】このペレットを実施例1と同様にディスク
基板を成形し、評価したところ、このものの塩化メチレ
ン未溶解粒子は0.5μm以上が13,000個/g、1
μm以上が140個/gであった。また全光線透過率は
89%、光弾性定数は38×10-13cm2/dyn、斜
め入射複屈折位相差は22nmであった。また、実施例
1と同様の条件下で処理した後のディスク基板表面の欠
陥数と金属膜、保護膜を被覆したディスクの表面状態の
結果を表1に示した。
【0076】実施例3 実施例1と同様の装置にイオン交換水802部と48%
水酸化ナトリウム水溶液71.7部を仕込み、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサン64部、4,4’−(m−フェニレンジ
イソプロピリデン)ジフェノール3.8部およびハイド
ロサルファイト0.14部を溶解した後、塩化メチレン
550.3部を加え、攪拌下15〜25℃でホスゲン2
8部を約40分を要して吹き込んだ。ホスゲン吹き込み
終了後、炭素原子数17〜29(平均23)のアルキル
フェノール(オルソ置換体70%とパラ置換体30%の
混合物)4.9部、48%水酸化ナトリウム水溶液9部
および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン0.6部を48%水酸
化ナトリウム水溶液0.2部とイオン交換水2部の混合
液に溶解した溶液を加え乳化後、トリエチルアミン0.
08部を加えて28〜33℃で約1時間攪拌して反応を
終了した。反応終了後、生成物を実施例1と同様に精製
し、ビスフェノールTMCとビスフェノールMの比がモ
ル比で95:5のポリマーを得た。このポリマーの比粘
度は0.274、オリゴマー含量は2.8%、Tgは17
8℃、MFRは32g/10分であった。また吸水率は
0.19重量%であった。
【0077】このポリマーに実施例1と同様の添加剤を
加え、実施例1と同様の条件で押出しペレット化した。
得られたペレットの塩素化合物の含有量は0.5pp
m、アルカリ(土類)金属を含有する化合物の含有量は
0.3ppmであった。このペレットを実施例1と同様
にディスク基板を成形し、評価したところ、塩化メチレ
ン未溶解粒子は0.5μm以上が16,000個/g、1
μm以上が185個/gであった。また全光線透過率は
89%、光弾性定数は35×10-13cm2/dyn、斜
め入射複屈折位相差は25nmであった。また、実施例
1と同様の条件下で処理した後のディスク基板表面の欠
陥数と金属膜、保護膜を被覆したディスクの表面状態の
結果を表1に示した。
【0078】比較例1 実施例1において、反応終了後の生成物を、静置して水
相と塩化メチレン相とを分離した後、塩酸酸性にして、
分液して塩化メチレン相を取り出した。この塩化メチレ
ン相にこれと同量の水を加え、激しく攪拌した後、静置
分離し塩化メチレン相を取り出し、また水を加えて水洗
を行うという操作を繰り返し、水相の導電率がイオン交
換水と殆ど同じになったところで、軸受け部に異物取り
出し口を有する隔離室を設けたニーダーにて塩化メチレ
ンを蒸発してポリマーを得た。このポリマーの比粘度は
0.286、オリゴマー含量は2.3%、Tgは147
℃、MFRは70g/10分であった。また吸水率は
0.15重量%であった。
【0079】このポリマーに実施例1と同様の添加剤を
加え、実施例1と同様の条件で押出機にて、イオン交換
水を注入しないこと以外は同様の条件で押出しペレット
化した。得られたペレットの塩素化合物の含有量は25
ppmであり、アルカリ(土類)金属を含有する化合物
の含有量は1.6ppmであった。
【0080】このペレットを実施例1と同様にディスク
基板を成形し、評価したところ、塩化メチレン未溶解粒
子は0.5μm以上が15,000個/g、1μm以上が
190個/gであった。また全光線透過率は89%、光
弾性定数は40×10-13cm2/dyn、斜め入射複屈
折位相差は21nmであった。また、実施例1と同様の
条件下で処理した後のディスク基板表面の欠陥数と金属
膜、保護膜を被覆したディスクの表面状態の結果を表1
に示した。欠陥数は多く、金属膜に腐食が発生してい
た。
【0081】比較例2 比較例1で得られたペレットを、除湿剤として合成ゼオ
ライト(商品名:モレキュラーシーブ タイプ4A)を
用いた除湿タイプのホッパードライヤーで120℃、6
時間乾燥した。このペレットの塩素化合物の含有量は2
8ppmであり、アルカリ(土類)金属を含有する化合
物の含有量は15ppmであった。
【0082】このペレットを実施例1と同様にディスク
基板を成形し、評価したところ、塩化メチレン未溶解粒
子は0.5μm以上が15,000個/g、1μm以上が
190個/gであった。また全光線透過率は89%、光
弾性定数は40×10-13cm2/dyn、斜め入射複屈
折位相差は21nmであった。また、実施例1と同様の
条件下で処理した後のディスク基板表面の欠陥数と金属
膜、保護膜を被覆したディスクの表面状態の結果を表1
に示した。欠陥数が非常に多かった。
【0083】
【表1】
【0084】
【発明の効果】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂
は、成形性および熱安定性に優れ、かつ低複屈折で耐加
水分解性および耐記録膜腐食性に優れた成形品を与える
ので、光学ディスク、光学レンズ、光カードなどの各種
光学用成形品として好適に用いられる。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全芳香族ジヒドロキシ成分の少なくとも
    80モル%が(a)1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
    ニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(成分
    a)および(b)4,4’−(m−フェニレンジイソプ
    ロピリデン)ジフェノール(成分b)であり、且つ成分
    aと成分bの割合がモル比で99:1〜20:80の範
    囲で構成された芳香族ポリカーボネート樹脂であって、
    その樹脂は(1)塩素化合物の含有量が塩素原子に換算
    して5ppm以下であり、且つ(2)アルカリ金属また
    はアルカリ土類金属を含有する化合物の含有量がそれら
    を金属原子に換算して合計で1ppm以下、である芳香
    族ポリカーボネート樹脂。
  2. 【請求項2】 成分aと成分bの割合がモル比で80:
    20〜20:80である請求項1記載の芳香族ポリカー
    ボネート樹脂。
  3. 【請求項3】 該芳香族ポリカーボネート樹脂は、その
    0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液の2
    0℃において測定された比粘度が0.2〜0.5の範囲で
    ある請求項1記載の芳香族ポリカーボネート樹脂。
  4. 【請求項4】 該芳香族ポリカーボネート樹脂は、本文
    に定義された吸水率が0.2重量%以下である請求項1
    記載の芳香族ポリカーボネート樹脂。
  5. 【請求項5】 該芳香族ポリカーボネート樹脂は、本文
    に定義された方法によって測定されたオリゴマー含量が
    10%以下である請求項1記載の芳香族ポリカーボネー
    ト樹脂。
  6. 【請求項6】 該芳香族ポリカーボネート樹脂は、その
    塩化メチレン溶液中で測定された未溶解粒子がポリカー
    ボネート共重合体1g当り粒子換算直径0.5μm以上
    のものが25,000個以下、且つ1μm以上のものが
    500個以下である請求項1記載の芳香族ポリカーボネ
    ート樹脂。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の芳香族ポリカーボネート
    樹脂を得る方法において、芳香族ポリカーボネート樹脂
    の有機溶剤溶液を水と共に多孔板付遠心抽出機に導入し
    て、遠心分離により芳香族ポリカーボネート樹脂の有機
    溶剤溶液を得、しかる後脱溶媒する方法。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の芳香族ポリカーボネート
    樹脂を得る方法において、1以上の減圧ベント口を有す
    る押出機の圧縮溶融部から最遠のベント口までの間で、
    芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部当り0.1〜
    5重量部の水を注入添加する溶融押出方法。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の芳香族ポリカーボネート
    樹脂より形成された光学用材料。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の芳香族ポリカーボネー
    ト樹脂より形成された光ディスク基板。
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