明細 : トラックポール装置およびこれを用いた電子機器 技術分野
本発明は、 電子機器のディスプレイ画面上におけるカーソルの移動を 操作するトラックポール装置およびこれを用いた電子機器に関する。 背景技術
図 5 0は従来のトラックポール装置の構成を示す斜視図である。 操作 体としてのボール 1 5 1は、 操作する人の手や指が上面に触れることに よって全方向に自由に回転できるように本体 (図示せず) に保持されて いる。 その外周には、 上面視直交方向に一対のローラ 1 5 2および 1 5 3が当接している。 ローラ 1 5 2および 1 5 3には、 回転の向きおよび 回転量を検出する手段として、 回転の向きを識別できる二信号タイプの 回転型エンコーダ 1 5 4および 1 5 5がそれぞれ連結されている。
ポール 1 5 1を手や指で回転させると、 ローラ 1 5 2および 1 5 3が 回転して、 回転型エンコーダ 1 5 4および 1 5 5がポール 1 5 1の X軸 方向および Y軸方向における回転の向きおよび回転量を検出してそれに 対応した信号を出力する。 このトラックポール装置を使用する電子機器 の回路においてこの信号を処理し、 ディスプレイ画面上のカーソル (図 示せず) が X軸方向および Y軸方向に、 検出された回転の向きおよび検 出された回転量に対応した量だけ移動する。
近年のディスプレイ画面の高精度化に伴い、 ディスプレイ画面を備え た電子機器が増加 ' 多様化して、 トラックポール装置は小型の携帯用情
報機器等にも使用されるようになりつつある。 従来のトラックポール装 置を備えたこのような電子機器では、 ボール 1 5 1が自在に回転しすぎ るために、 カーソルが目的の位置を行き過ぎたり目的の位置に保持され るべきなのに動いて細かく操作できない。 したがって、 より細かい精度 で操作できるトラックポール装置が要求されている。 またさらに、 トラ ックポール装置はディスプレイ画面上の力一ソルの位置を認識した旨の 信号を発するスィツチを備えることも求められてきている。
この要求に応えるものの一つとして、 特開平 8— 1 8 5 2 5 9号公報 に記載されたトラックポール装置が知られている。 このトラックポール 装置は、 図 5 1のように、 ローラ 1 6 2および 1 6 3に取り付けられた 回転羽 1 6 4および 1 6 5とストッパー 1 6 6および 1 6 7の組み合わ せによって、 ボール 1 6 1の回転操作時に操作者へのクリック感を生じ る。
このトラックポール装置においては、 クリック感を生じるために、 回 転羽 1 6 4および 1 6 5とス トッパー 1 6 6および 1 6 7の引つかかり によりローラ 1 6 2および 1 6 3の回転トルクが大きくなる。 その分だ け、 ポール 1 6 1の回転をローラ 1 6 2および 1 6 3に伝達する部分で ある、 ポール 1 6 1 と口一ラ 1 6 2および 1 6 3との当接部において大 きな回転トルクが伝達される必要がある。 したがって、 当接部の摩擦面 でボールが滑り易く、 明確なクリック感を発生しない。
また回転羽 1 6 4および 1 6 5とストッパー 1 6 6および 1 6 7の間. の隙間によるローラ 1 6 2および 1 6 3すなわちポール 1 6 1の回転遊 び角が大きく、 操作時にガ夕ツキを感じる。
またこの装置は構成部材数が多いので、 小型化およびコストの面で不 利である。
発明の開示
ポールの回転操作時にクリック感を生じて、 電子機器のディスプレイ 画面上におけるカーソルの移動を細かい精度で操作できるトラックポー ル装置が提供される。 そのトラックポール装置では、 ポールはローラと の当接部で滑り難く、 しかもクリック感が明確で、 ローラおよびポール の回転遊び角が小さい。、 さらにディスプレイ画面上におけるカーソル の位置の認識する旨の信号を発するスィツチを備えた低い寸法のトラッ クポール装置が提供される。
そのトラックポール装置は、 ポールをその中心位置よりも下方で複数 のローラが回転自在に支持する。 対向するローラに爪歯車が設けられ、 爪歯車の歯に弹接してローラの逆方向の回転を制止する制止爪からなる 回転方向規制部が設けられる。 爪歯車には円形外周の等角度位置に、 対 向するローラそれぞれで逆向きに傾斜した鋸歯状の歯が形成されている < また、 ローラがポールに当接 '支持する部分の断面は円形鋸歯状で、 対向する 2本のローラそれぞれでは鋸歯の向きは逆である。 各ローラに は回転量検出部が設けられる。
また、 トラックポール装置を有する電子機器において、 トラックポー ル装置の基体部が下方の配線基板に回動可能に支持される。 基体部の回 動時に押されて動作する自力復帰型のプッシュスィツチが配線基板に配 設される。 ポールを押し下げることによって基体部が下方に回動してプ ッシュスィッチを操作する。 したがって、 小さい投影面積でしかも動作 の安定したプッシュスィツチ付き卜ラックポール装置が得られる。 図面の簡単な説明
図 1は、 本発明の実施の形態 1によるトラックポール装置のケ一久部 を除いた状態の平面図である。
図 2は、 実施の形態 1によるトラックポール装置外観斜視図である。 図 3は、 実施の形態 1によるトラックポール装置のケース部を装着し た状態の図 1の P— O— P線における断面図である。
図 4は、 実施の形態 1によるトラックポール装置のケース部を装着し た状態の図 1の Q— O— Q線における断面図である。
図 5は、 実施の形態 1によるトラックポール装置のケース部を装着し た状態の図 1の R— O— R線における断面図である。
図 6は、 実施の形態 1によるトラックポール装置の図 1の 6— 6線に おける断面図である。
図 7は、 実施の形態 1によるトラックポール装置の回転スィッチ接点 の外観斜視図である。
図 8は、 実施の形態 1によるトラックポール装置の蓋板とケース部の 結合部を示す外観斜視図である。
図 9は、 本発明の実施の形態 2によるトラックポール装置のケース部 を除いた状態の平面図である。
図 1 0は、 実施の形態 2によるトラックポール装置のケース部を装着 した状態の図 9の T— O— T線における断面図である。
図 1 1は、 実施の形態 2によるトラックポール装置のケーズ部を装着 した状態の図 9の U— O— U線における断面図である。
図 1 2は、 実施の形態 2によるトラックポール装置のスィツチのカバ —を除いた状態の平面図である。
図 1 3は、 実施の形態 2によるトラックポール装置のスィツチの分解 斜視図である。
図 1 ¾は、 実施の形態 2によるトラックボ一ル装置のケ一ス部を装着 した状態においてポールを回転操作する場合の、 図 9の U— 0— U線に おける断面図である。
図 1 5は、 本発明の実施の形態 3によるトラックポール装置の断面図 である。
図 1 6は、 実施の形態 3による トラックポール装置の操作時における 断面図である。
図 1 7は、 本発明の実施の形態 4によるトラックポール装置の断面図 である。
図 1 8は、 実施の形態 4による トラックポール装置の操作時における 断面図である。
図 1 9は、 実施の形態 4による トラックポール装置の操作時における 断面図である。
図 2 0は、 本発明の実施の形態 5による トラックボール装置のケース 部を除いた状態の平面図である。
図 2 1は、 実施の形態 5による トラックポール装置の外観斜視図であ る。
図 2 2は、 図 2 1のトラックポール装置の P— O— Q線における断面 図である。
図 2 3は、 図 2 1のトラックポール装置の P—〇— R線における断面 図である。
図 2 4は、 図 2 0のトラックポール装置の 1 9— 1 9線における断面 図である。
図 2 5は、 実施の形態 5による トラックポール装置のスィツチのカバ —を除いた状態の断面図である。
図 2 ¾は、 実施の形態 5によるトラックポール装置のスィツチの分解 斜視図である。
図 2 7は、 実施の形態 5によるトラックポール装置の蓋板とケース部 の結合部を示す外観斜視図である。
図 2 8は、 ポ一ルを Θ転操作する場合の図 2 1のトラックポール装置 の P —〇一 Q線における断面図である。
図 2 9は、 ポールを回転操作する場合の図 2 1のトラックポール装置 の P— 0— R線における断面図である。
図 3, 0は、 実施の形態 5によるトラックポール装置の口一ラの当接部 の断面形状を示す。
図 3 1は、 本発明の実施の形態 6によるトラックポール装置のケ一ス 部を除いた状態の平面図である。
図 3 2は、 実施の形態 6による トラックポール装置の外観斜視図であ る。
図 3 3は、 図 3 2のトラックポール装置の U— T— V線における断面 図である。
図 3 4は、 図 3 2のトラックポール装置の U — T — W線における断面 図である。
図 3 5は、 実施の形態 6によるトラックポ一ル装置のプッシュスイツ チの正面断面図である。
図 3 6は、 図 3 5のプッシュスィッチの分解斜視図である。
図 3 7は、 ポールを押し下げ操作する場合の実施の形態 6によるトラ ックボール装置の断面図である。 ,
図 3 8は、 本発明の実施の形態 7によるトラックポール装置のケース を除いた状態の断面図である。
図 3 9は、 本発明の実施の形態 8による トラックボール装置のケニス '部を除いた状態の平面図である。
図 4 0は、 本発明の実施の形態 8によるトラックポール装置の、 図 3 2の U— T— V線と同様の切断線における断面図である。
図 4 1は、 本発明の実施の形態 8による トラックポール装置の回転ス ィツチ接点部の外観斜視図である。
図 4 2は、 本発明の実施の形態 9によるトラックポール装置の正面断 面図である。
図 4 3は、 本発明の実施の形態 9によるトラックポール装置の外観斜 視図である。
図 4 4は、 本発明の実施の形態 9によるトラックポール装置のケース 部を除いた状態の平面図である。
図 4 5は、 図 4 3のトラックポール装置の Q— Ο— Q線における断面 図である。
図 4 6は、 本発明の実施の形態 9によるトラックポール装置のケース 部と蓋板の結合部を示す外観斜視図である。
図 4 7は、.本発明の実施の形態 9によるトラックポール装置の回転口 ーラの他の製作方法を説明する外観斜視図である。
図 4 8は、 本発明の実施の形態 9によるトラックポール装置の、 他の 製作方法により製作した回転ローラの環状当接部の断面図である。
図 4 9は、 本発明の実施の形態 9によるトラックポール装置の、 他の 製作方法により製作した回転.ローラとポールの当接部分の拡大断面図で ある。
図 5 0は、 従来のトラックポール装置の構成を示す斜視図である。 図 5 1は、 従来のトラックポール装置の他の構成を示す斜視図である
発明を実施するための最良の形態
(実施の形態 1)
図 1は本発明の実施の形態 1によるトラックポール装置のケース部を 除いた状態の平面図、 図 2はその外観斜視図である。 図 3〜図.5は、 ケ 一ス部を装着したトラックポール装置の図 1の各切断線における断面図 を示し、 図 3は P— O— P線、 図 4は Q— O— Q線、 図 5は R— O— R 線における断面図である。
トラックポール装置の基体部 3 0 1は上面から見て四角形に樹脂形成 される。 基体部 3 0 1の上面の各辺の近くには、 図 1および図 3に示す ように、 四本の円形軸状の X I 口一ラ 3 0 2, XII ローラ 3 0 3およ び Y I ローラ 3 0 4 , Y II ローラ 3 0 5が、 対向する 2本ずつの 2組 が互いに直交するように配置される。 基体部 3 0 1には、 基体部と一体 にそれぞれ同じ高さに形成された 1つの口一ラに 2ケ所の支持部 3 0 6 A〜 3 0 6 D、 3 0 7 A〜 3 0 7 Dが形成される。 ローラは支持部によ り回転可能に支持されている。
ポール 3 0 8の中心よりも少し下方の外周に、 ローラ 3 0 2〜 3 0 5 それぞれの中間部に設けられた円形断面の当接部 3 0 2 A, 3 0 3 Aお よび 3 0 4A, 3 0 5 Aが当接する。 当接部はポール 3 0 8を同一平面 上で全方向に回転可能に支持する。
図 6は、 図 1の 6— 6線における断面図である。 図 6に示すように、 X I ローラ 3 0 2を支持する支持部 3 0 6 Aには、 その支持用凹部 3 0 9 A内に弾性脚部 3 0 9 Bが設けられる。 弾性脚部 3 0 9 Bは、 X I 口 ーラ 3 0 2と XII ローラ 3 0 3の対向間隔が所定の間隔よりも小さく なる方向に軽い力で加圧する。
弹性脚部 3 0 9 Bが X I ローラ 3 0 2を押す圧力は小さく、 ポール 3 0 8の自重とポール 3 0 8を回転操作する際の圧力とにより X I ローラ 3 0 2が押されると ΧΠ ローラ 3 0 3との間隔が広げられる。 そして ポ一ル 3 0 8がこれらと直交する Y I 口一ラ 3 0 4, Y II ローラ 3 0 5を含めた四本のローラに確実に当接する。
これによつて、 平行する 2組の X I ローラ 3 0 2 , XII ローラ 3 0 3および Y I ローラ 3 0 4 , Y II ローラ 3 0 5の間隔や高さが均一で なくてもポ一ル 3 0 8は四本のローラに確実に当接する。 必要に応じて. 支持部 3 0 6 Aの弾性脚部 3 0 9 Bと同様の弹性脚部を他の支持部 3 0 6 B~ 3 0 6 Dにも設けてもよい。
そして、 ローラ 3 0 2〜 3 0 5の各当接部 3 0 2 A〜 3 0 5 Aの側方 には、 図 1 と図 4に示すように、 円周の 9 0 ° 間隔に四ケ所の鋸歯状の 歯 3 0 2 B〜 3 0 5 Bを有する爪歯車 3 0 2 C〜 3 0 5 Cがそれぞれ設 けられる。 歯 3 0 4 B、 3 0 5 Bと爪歯車 3 04 C、 3 0 5 Cは図示し ない。 各歯 3 0 2 B〜3 0 5 Bには基体部 3 0 1から伸ばされた弹性金 属薄板製の制止爪 3 0 2 D〜 3 0 5 Dがそれぞれ弹接する。 鋸歯状の歯 3 0 2 B ~ 3 0 5 Bの向きは、 対向している X I ローラ 3 0 2と XII 口一ラ 3 0 3で逆である、 さらに対向している Y I ローラ 3 0 4と YII ローラ 3 0 5でも逆である。 歯車と制止爪は、 対向するローラは互いに 反対方向のみに回転するように規制する回転方向規制部 3 0 2 E〜 3 0 5 Eを形成する。
すなわち、 図 4に示すように、 ポール 3 0 8の回転により爪歯車 3 0 2 Cの鋸歯状の歯 3 0 2 Bに弾接する制止爪 3 0 2 Dは歯 3 0 2 Bの傾 斜面に沿って上る。 歯車 3 0 2 Cを有する X I ローラ 3 0 2では、 制止 爪 3 0 2 Dが歯 3 0 2 Bの先端と根元との段差分だけ落ち込む際に明確
なクリ ^ク.感を生じる。 ポール 3 0 8の回転により制止爪 3 0 3 D&歯 車 3 0 3 Cの歯 3 0 3 Bの根元部から隣接する歯の先端との段差を乗り 越えなければならない。 歯車 3 0 3 Cを有する XII ローラ 3 0 3は、 制止爪 3 0 3 Dが段差を乗り越えられないため、 回転しないように規制 される。
また、 各ローラ 3 0 2〜 3 0 5の爪歯車 3 0 2 C:〜 3 0 5 Cにはそれ ぞれ制止爪 3 0 2 D〜 3 0 5 Dが弾接しているので、 このポールの操作 時に、 ボ一ル 3 0 8が軽い力で動く ことによるガ夕ツキを生じない。 そして、 口一ラ 3 0 2〜 3 0 5の各回転方向規制部 3 0 2 E〜 3 0 5 Eの側方には、 図 1 と図 5に示すように、 回転可動接点 3 1 0〜 3 1 3 が配設される。 基体部 3 0 1からそれぞれペアとなって伸ばされた弹性 金属薄板製の弾性固定接点 3 1 4〜 3 1 7がそれぞれ可動接点 3 1 0〜 3 1 3に弾接して、 ローラの回転量検出部である回転スィツチ 3 1 8〜 3 2 1 を形成する。
図 7は回転スィッチの接点部の外観斜視図である。 回転可動接点 3 1 0〜 3 1 3の円形リング状部 3 1 0 A〜 3 1 3 Aとこれらにそれぞれ導 通した櫛歯状部 3 1 0 B〜 3 1 3 Bに、 弾性固定接点 3 1 4〜 3 1 7が それぞれ弹接する。 弹性固定接点 3 1 4は接点 3 1 4 A、 3 1 4 Bを備 える。 接点 3 1 5〜 3 1 7も同様にそれぞれ 2本の接点 3 1 5 A〜 3 1 7 Bを備える。 ローラ 3 0 2〜 3 0 5の回転により、 ペアとなった 2つ ずつの弹性固定接点 (3 1 4 A, 3 1 4 B) - ( 3 1 7 A, 3 1 7 B) それぞれの間が電気的に開閉し信号を発する。
なお、 回転可動接点 3 1 0〜 3 1 3の櫛歯状部 3 1 0 B〜 3 1 3 Bは. 爪歯車 3 0 2 C〜 3 0 5 Cの鋸歯状の歯 3 0 2 B〜 3 0 5 Bと同数の四 つ設けられ、 歯 3 0 2 B〜 3 0 5 Bと所定の角度にあるように設定され
てクリ ^ク感と同期して信号を発生する。
回転スィッチ 3 1 9、 3 2 0の出力端子 3 1 9 A, 3 1 9 B, 3 2 0 A, 3 2 0 Bは各弹性固定接点 3 1 6 A, 3 1 6 B > 3 1 7 A、 3 1 7 Bと一体の弾性金属薄板で形成されて基体部 3 0 1の下面に突出する。 図示されていないが、 回転スィッチ 3 1 8、 3 2 1も同様に出力端子 3 1 8A, 3 1 8 B, 3 2 1 A, 3 2 1 Bを備える。 トラックポ一ル装置 を使用する電子機器の配線基板に押し付けて固定するだけで、 出力端子 は配線基板に弾接接続される。
なお、 接点 3 1 6 A〜 3 1 7 Bのかわりに、 基体部 30 1の下面配置 された可撓性の接続基板 (図示せず) が配線基板に接続されてもよい。 それにより、 確実に出力端子 3 1 9 A〜 320 Bが接続され、 さらに基 体部 3 0 1が配線基板に対して回動しても接続基板が追従して接続が保 たれる。
図 2〜図 5において、 樹脂製のケース部 3 2 2と蓋板 3 23がトラッ クポ一ル装置を覆う。
ケース部 3 2 2は、 図 3〜図 5に示すように、 上端が開口部となりポ —ル 3 0 8の下部を包むように設けられた椀状部 3 2 2 Aと、 その上端 の外周から下方に伸びて下端が基体部 3 0 1に固定された周囲壁 322 Bからなる。 椀状部 32 2Aには、 ローラ 3 02〜 3 05それぞれの中 央の当接部 3 0 2 A〜3 0 5Aがポール 30 8の外周に当接する位置に 四つの貫通孔 3 22 Cが設けられる。 椀状部 3 22 Aの中央は皿状部 3 2 2 Dで、 基体部 3 0 1中央の窪み 3 0 1 A内に収容されている。 これ により、 トラックポール装置に水などがかかっても回転スィッチ 3 1 8 〜 3.2 1等は影響を受け難い。
図 8は、 トラックポール装置の蓋板とケ一ス部の結合部を示す外観斜
視図である。 蓋板 3 23は、 図 3〜図 5および図 8に示すように、 ポー ル 30 8の径ょりも少し小さい円形孔 32 3 Aを中央部に形成されたリ ング状である。 篕板 323の下面の段 32 3 B付きの 2つの脚部 32 3 Cがケース部 32 2上端面の 2つの結合孔 3 22 Eにそれぞれ掙入され る。 さらにして蓋板 323は、 捩'じることによってケ一ス部 322に着 脱可能に結合され、 通常状態において、 ポール 30 8がこのトラックポ ール装置から外れることを防止する。 蓋板 3 2 3を外すことによって、 ポ一ル 3 0 8を交換できる。
次に、 以上のように構成された本実施の形態によるトラックボール装 置の動作について説明する。
まず、 通常状態において、 蓋板 3 23の円形孔 32 3 Aから上方に突 出した操作部であるポール 3 0 8の上部に手や指で触れて、 図 3に矢印 で示すように、 ポール 30 8を左方向に回転操作する場合は、 ボール 3 0 8の外周に当接部 30 2 A〜3 0 5Aが当接している 4本のローラ 3 0 2〜 3 0 5のうち、 操作方向に直交する Y Iローラ 3 04と Y I I口 —ラ 3 0 5には回転は伝達されない。 X I ローラ 3 0 2と X I I ローラ 3 0 3の当接部 3, 0 2 Aと 303 Aの側方には、 図 4に示す、 鋸歯状の 歯 3 0 2 B、 3 0 3 Bを有する爪歯車 3 0 2 C、 3 0 3 Cとこれらに弹 接する制止爪 3 0 2 D、 3 0 3 D.とからなる回転方向規制部 30 2 E、 3 03 Eがそれぞれ設けられる。 ポール 3 0 8の左方向の回転によって, X Iローラ 30 2の歯 3 0 2 Bに弹接する制止爪 3 0 2 Dは、 歯 30 2 Bの傾斜面に沿って上る。 したがって X I ローラ 3 0 2は、 ボール 3 0 8から当接部 3 0 2 Aに伝達される回転トルクが少しずつ大きくなりな がら回転する。 そして制止爪 30 2 Dは歯 3 02 Bの先端から次の歯の 根元との段差分だけ落ち込む際に明確なクリック感を生じる。 同時に、
伝達される回転トルクは少し小さくなる。 そして再び制止爪 3 0 2 £ は 次の歯の傾斜面に沿って上り、 また次の段差分だけ落ち込むことを繰り 返す。
X I ローラ 3 0 2の回転に伴って、 X I ローラ 3 0 2の回転スィツチ 3 1 8を形成する回転可動接点 3 1 0も回転し、 円形リング状部 3 1 0 Aと櫛歯状部 3 1 0 Bに弹接するペアとなった弹性固定接点 3 1 4、 す なわち接点 3 1 4 A、 3 1 4 B間が電気的に開閉する。 これにより、 ク リック感と同期した電気信号が 1回転中に 4回発生し、 その信号は図示 しない出力端子 3 1 8 A , 3 1 8 Bを介して電子機器の回路に伝達され る。
この信号によって、 X I ローラ 3 0 2の回転数、 すなわち トラックボ —ル装置を使用する電子機器のディスプレイ画面上のカーソルの X軸正 方向または負方向への移動量が検知される。
一方、 ポール 3 0 8の左方向の回転によって、 X I I 口一ラ 3 0 3の 回転方向規制部 3 0 3 Eの歯 3 0 3 Bに弹接する制止爪 3 0 3 Dは、 歯 3 0 3 Bの根元から隣接する歯の先端との段差を乗り越えられずに段差 の根元で停止する。 したがって X I I ローラ 3 0 3は回転せず、 ポール 3 0 8は当接部 3 ひ 3 Aの間でスリップする。 したがって、 Χ Π ロー ラ 3 0 3の回転スィツチ 3 1 9は動作せず電気信号は発生しない。 この ように、
ポール 3 0 8を右方向に回転操作すると、 上記と同様に、 X I ローラ 3 0 2は回転せず X I I 口一.ラ 3 0 3が回転する。
前後方向にポール 3 0 8を回転操作すると、 X I 口一ラ 3 0 2と X I I ローラ 3 0 3に回転は伝達されないが、 Y I ローラ 3 0 4または Y I I ローラ 3 0 5に回転が伝達され、 カーソルの設定された方向である
Y軸の正または負方向への移動量がそれぞれ検知される。
さらにポール 3 0 8を斜めに回転操作すると、 X Iローラ 302また は X I I口一ラ 3 0 3の一方と Ύ Iローラ 304または Y I Iローラ 3
0 5の一方が、 ポール 3 0 8の回転方向および回転成分に応じて回転す る。 それに応じて、 X軸および Y軸それぞれの方向におけるカーソルの 設定された方向への移動量が検知される。
なお、 以上の説明において、 爪歯車 302 B〜3 0 5 Bは 90 ° 間隔 に四つの鋸歯状の歯 30 2 B〜3 0 5 Bを有し、 回転可動接点 3 1 0〜
3 1 3にはこれと同数の四つの櫛歯状部 3 1 0 B〜 3 1 3 Bが設けられ る。 すなわち各ローラ 3 0 2〜 3 0 5の 1回転中に 4回信号が発生する が、 この回数は必要に応じて増減できる。
さらに、 回転量検出部でローラの回転の向きを認識する必要がないの で、 回転量検出部の構造と出力信号の処理が容易なトラックポール装置 が得られる。
ポール 308の全表面を弾性材料からなる被膜で覆うことによって、 ポ一ル 3 0 8とローラ 3 0 2〜 3 0 5の当接部 3 0 2 A〜30 5 Aの間 の摩擦力を大きくできる。 したがつてこの部分でポールが滑り難く、 ま た静電気が発生しにくい、 操作のし易いトラックポール装置が得られる, または、 ポール 1 08の全表面に微細な凹部を形成することによって. 操作時にポール 1 0 8の上面に触れる手や指が滑り難くなり、 操作のし 易 トラックポール装置が得られる。
(実施の形態 2)
図 9は本発明の実施の形態 2による卜ラックポール装置のケース部を 除いた状態の平面図である。 図 1 0と図 1 1はケース部を装着した状態
のトラ^クポール装置の断面図である。 図 1 0は T—〇— T線にお^る 断面図、 図 1 1は U— O— U線における断面図である。
本実施の形態による卜ラックポール装置は実施の形態 1によるものと 同様に、 樹脂形成された四角形の基体部 3 24の上面に、 四本の円形軸 状の X I ローラ 3 2 5、 X I I ローラ 3 2 6、 Y I ローラ 3 2 7、 Y I I ローラ 3 2 8が、 対向する 2本ずつの 2組が互いに直交するように配 置される。 基体部 3 24には、 基体部と一体にそれぞれ同じ高さに形成 された 2ケ所ずつの支持部 3 2 9 A〜3 2 9 D、 3 3 0 A〜3 3 0 Dが 形成される。 支持部はローラを回転可能に支持する。 操作部であるポー ル 3 0 8の中心よりも少し下方の外周に上記ローラ 3 2 5〜 3 2 8それ ぞれの円形断面の当接部 3 2 5 A〜3 2 8 Aが当接して、 ポール 3 0 8 を同一平面上で全方向に回転可能に支持する。
本実施の形態のトラックポ一ル装置では、 ローラ 3 2 5〜 3 2 8の一 端部には、 各ローラの回転中心に対して 9 0 ° の角度間隔で、 それぞれ 四本のピン 3 3 1〜 3 3 4が放射状に突出する。 基体部 3 24には、 回 転量検出部としての同じ構成の四つのスィツチ 3 3 5 A〜3 3 5 Dが配 設される。 その操作用の.レパ一 3 3 6 A〜 3 3 6 Dと各ローラ 3 2 5〜 3 2 8のピン 3 3 1〜 3 3 4がそれぞれ当接 ·係合する。
スィツチはプッシュ操作タイプの自力復帰型で薄型のスィツチである ( 図 1 2はスィッチのカバ一を除いた状態の平面図、 図 1 3はスィッチ の分解斜視図である。 ローラの回転量検出部であるスィッチ 3 3 5 A〜 3 3 5 Dでは、 レパー 3 3 6の軸部 3 3 7がスィツチケ一ス 3 4 0の上 端に設けられた支持凹部 3 4 1 とカバ一 3 4 2により回動可能に支持さ れる。 可動接点 3 4 3の弾性力によりレパー 3 3 6の先端 3 3 8が上端 位置にあるように加圧される。
そして、 レバー 336の先端 338を所定の位置まで押し下げる と によって、 図 1 2に点線で示すように、 レバー 3 3 6が軸部 33 7を中 心として回動する。 そしてレパ一 3 36の下方の駆動部 3 3 9がスィッ チケース 340内に収容された弹性金属薄板製の可動接点 343を奥へ 押して弹性変形させ、 接点部 344を固定接点 345に接触させて出力 端子 346、 347間を短絡させる。 レバー 3 3 6を押す力を除くと、 可動接点 343の弾性復元力によって元の状態に復帰する。
図 1 1に示すようにスィッチ 33 5 A、 3 3 5 Bでは、 それぞれのレ パ一 33 6 A, 33 68の先端33 8 , 3 3 8 Bが、 2本ずつ対向す る X Iローラ 3 2 5と X I Iローラ 32 6の一端部に四本ずつ放射状に 突出したピン 3 3 1, 3 3 2によってポール 3 0 8から離れる方向に押 される場合のみに、 レパ一 3 36 Aまたは 3 3 6 Bが回動すなわち弾性 変位する。
スィッチ 33 5 A、 3 3 5 Bのレバ一 3 3 6 A、 3 3 6 Bが制止爪と して作用して、 ローラ 3 2 5、 32 6の回転方向を規制する回転方向規 制部を形成する。 すなわち、 対向する X. I ローラ 3 2 5と XII ローラ 326がそれぞれ異なる方向に回転する場合に、 スィッチ 3 3 5 Aと 3 3 5 Bのうちの一つが動作する。 Y Iローラ 3 2 7と Y I Iローラ 3 2 8も同様に、 それぞれ異なる方向に回転する場合に、 スィッチ 3 3 5 C と 33 5 Dのうちの一つが動作する。
また、 このトラックポール装置を覆っているケース 3 2 2および蓋板 323等他の部分の構成は、 実施の形態 1と同じである。
次に、 以上のように構成された本実施の形態による トラックポール装 置の動作について説明する。
まず、 通常状態において、 トラックポール装置の蓋板 3 23の円形孔
323 Άから上方に突出したポール 3 0 8の上部に手や指で触れて、 図 1 0に矢印で示すように、 ポール 3 08を左方向に回転操作する場合に ついて説明する。 ポール 3 0 8の外周に当接部 32 5 A〜328Aが当 接している 4本のローラ 32 5〜328の四本のローラのうち、 回転方 向に直交する Y Iローラ 3 2 7と Y I I 口一ラ 3 2 8には回転は伝達さ れない。 X Iローラ 32 5と X I I 口一ラ 32 6の一端部にはそれぞれ, 図 9および図 1 1に示すように、 放射状に四本ずつのピン 3 3 1および 3 32が突出する。 ピンは、 基体部 324に配設されたスィツチ 33 5 Aおよび 33 5 Bのレパー 336 Aおよび 3 3 6 Bと当接して上述のよ うな回転方向規制部を形成しているので、 ポ一ル 3 0 8の左方向の回転 により先端 33 8Aをポール 30 8から離れる方向に押す。 するとスィ ツチ 33 5Aのレパー 3 3 6 Aが弹性力に抗して回動して X I 口一ラ 3 2 5の回転を規制しない。 したがって図 1 4の断面図に示すように、 ポ —ル 30 8から当接部 3 2 5 Aに伝達される回転トルクが大きくなりな がら、 先端 33 8 Aが押し下げられる。 これによつて、 図 1 2により説 明したようにスィヅチ 3 3 5 Aが動作して出力端子 346 A、 347 A 間が短絡する。 '
そしてピン 3 3 1とレパー 33 6 Aとの係合が外れると、 レパ一 3 3 6 Aは可動接点の弹性復元力によって元の上端位置まで押し戻されて、 X Iローラ 32 5の次のピン 33 1にクリック感を伴って当接する。 す ると伝達される回転トルクは少し小さくなると共に、 出力端子 346 A と 347 A間は再びオープン状態となる。
このように、 X I ローラ 325の回転に伴いレバー 3 3 6 Aが弾性力 に抗する回動すなわち弹性変位 ·復帰を繰り返すことによって、 スイツ チ 33 5 Aはクリック感と同期した電気信号を X I ローラ 32 5の 1回
転中に 回発生する。 その信号はスィツチ 3 3 5 Aの出力端子 34 δ A: 347 Αを介して電子機器の回路に伝達される。
この信号によって、 X Iローラ 3 2 5の回転数、 すなわちこのトラッ クポール装置を使用する電子機器のディスプレイ画面上の力一ソルの設 定された方向である X軸正方向または負方向への移動量が検知される。
一方、 ポール 3 08の左方向回転によって、 X I I口一ラ 3 26の一 端部に突出した四本のピン 3 32は、 スィッチ 3 3 5 Bのレパー 33 6 Bの先端 3 3 8 Bを根元方向へ押す。 しかしレバー 3 3 6 Bはこの方向 には動かないのでピン 3 3 2は動かない、 すなわち X I Iローラ 32 6 は回転しないので、 ポール 3 08は当接部 32 6 Aとの間でスリップす る。 したがって、 回転スィッチ 3 3 5 Bは動作せず、 電気信号を発生し ない。
ポール 30 8を右方向に回転操作すると、 今度は X Iローラ 3 2 5が 回転せず X I I 口一ラ 3 26が回転して、 ディスプレイ画面上の力一ソ ルの X軸方向の移動量が検知される。
そしてポール 3 0 8を前後方向に回転すると、 X I ローラ 32 5と X I I口一ラ 3 2 6に回転は伝達されないが、 Y Iローラ 3 27または Y
1 Iローラ 3 2 8に回転が伝達され、 力一ソルの Y軸方向の移動量が検 知される。
さらにポール 3 0 8を斜め方向に回転すると、 X I ローラ 3 2 5また は X I I ローラ 3 2 6の一方と Y I口一ラ 3 2 7または Y I Iローラ 3
2 8の一方とが、 ポール 3 0 8の回転方向および回転成分に応じて回転 し、 X軸および Y軸それぞれの方向の移動量が検知される。
なお、 以上の説明において、 ローラ 3 2 5〜 328の一端部にはそれ ぞれ四本のピン 3 3 1〜 3 34が放射状に突出する。 すなわち各ローラ
3 2 5 3 2 8の 1回転中に 4回信号を発生するが、 この回数は必窭に 応じて増減できる。 '
以上のように本実施の形態によれば、 実施の形態 1によるものに加え て、 口一ラ 3 2 5〜3 2 8に設けられたピン 3 3 1〜3 3 4によってプ ッシュ操作タイプの自力復帰型のスィツチ 3 3 5 A〜3 3 5 Dを駆動す る。 これにより回転方向規制部と回転量検出部とがー体に形成されるた め、 コンパクトでしかも安価なトラックボール装置が得られる。
また、 実施の形態 1および 2に説明したトラックポール装置を電子機 器の操作面に装着し、 液晶表示装置等の表示手段に表示される情報をポ —ルを回転して選択し、 選択された情報に応じて動作する電子機器が得 られる。 この電子機器では表示手段上におけるカーソルや表示したい情. 報そのものなどの移動を細かい精度で操作できる。 さらに、 ポールと口 一ラの当接部で滑り難く、 明確なクリック感を発生し、 ローラおよびポ —ルの回転遊び角が小さく、 情報に応じた機能を速やかに実行できる操 作性の優れた電子機器が得られる。 (実施の形態 3 )
図 1 5は本発明の実施の形態 3によるトラックポール装置の断面図で ある。 図 1 6はその卜ラックポール装置の操作時の断面図である。
本実施の形態による卜ラックポ一ル装置は実施の形態 1によるものと 同様に、 樹脂形成された基体部 3 2 4の上面に、 四本の円形軸状のロー ラが、 対向する 2本ずつの 2組が互いに直交するように配置される。 図 1 5と図 1 6では 4本のローラのうち X I 口一ラ 3 2 5と X I I ローラ 3 2 6が示される。
本実施の形態によるトラックポール装置では、 ポール 3 0 8はケース
部 3 2 2の椀状部 3 2 2 Aの中央の皿状部 3 2 2 Dで回転容易に支持さ れる。 操作されない状態でポール 3 0 8は当接部 3 2 5 A、 3 2 6 Aに 当接せず、 ポール 3 0 8とローラ 3 2 5 、 3 2 6それぞれの当接部 3 2 5 A、 3 2 6 Aとのそれぞれの間に隙間 3 6 0 、 3 6 1が形成される。 図 1 6に示すように、 トラックポール装置の操作時には、 ポール 3 0 8は使用者の指 3 6 2に押されて、 その中心に対して押された部分と逆 の外周で当接部 3 2 6 Aと当接する。 そして、 ボール 3 0 8の回転に伴 い、 当接している当接部 3 2 6 Aが回転する。 この機構により使用者の 操作したい方向の当接部のみがポールと当接するため、 ローラは 1つの 方向にのみ回転する。
この卜ラックポール装置はローラの回転方向規制部を備えてもよい。 回転方向規制部は実施の形態 1 と 2で述べられたものでもよいが、 前述 したことから、 簡易な構造のものでもよい。 また、 回転方向規制部で回 転を規制されたローラのようなポールの回転を妨げるものがないので、 なめらかに操作される卜ラックポール装置が得られる。
(実施の形態 4 )
図 1 7は本発明の実施の形態 4によるトラックポール装置の断面図で ある。 図 1 8と図 1 9はそのトラックボール装置の操作時の断面図であ る。
本実施の形態によるトラックポール装置は実施の形態 1によるものと 同様に、 樹脂形成された基体部 3 2 4の上面に、 四本の円形軸状の口一 ラが、 対向する 2本ずつの 2組が互いに直交するように配置される。 図 1 7から図 1 9では 4本のローラのうち X I ローラ 3 2 5と X I I口一 ラ 3 2 6が示される。
本実施の形態によるトラックポール装置では、 基体部, 3 2 4上に ポ —ル 3 0 8を回転容易に支持する自己復帰型プッシュスィツチが設けら れる。 操作されない状態でポール 3 0 8は当接部 3 2 5 A、 3 2 6 Aに 当接せず、 ポール 3 0 8 と口一ラ 3 2 5 、 3 2 6の当接部 3 2 5 A、 3 2 6 Aとのそれぞれの間に隙間 3 6 0、 3 6 1が形成される。
図 1 8に示すように、 トラックポール装置の操作時には、 ポール 3 0 8は使用者の指 3 6 2に押されて、 その中心に対して押された部分と逆 の外周で当接部 3 2 6 Aと当接する。 そして、 ポール 3 0 8の回転に伴 い、 当接している当接部 3 2 6 Aが回転する。 この機構により使用者の 操作したい方向の当接部のみがポールと当接するため、 口一ラは 1つの 方向にのみ回転する。
本実施の形態によるトラックポール装置では図 1 9に示すように'、 使 用者の指 3 6 2がポール 3 0 8を下に押すことでスィツチ 3 6 3を押す ことができる。 したがって、 使用者はボール 3 0 8を回転してこのトラ ックポール装置を備えた電子機器のディスプレイ画面上の力一ソルの位 置を動かし、 そしてポール 3 0 8を押すことでスィツチ 3 6 3を押して その位置を認識した信号を電子機器に伝達できる。
このトラックボール装置はローラの回転方向規制部を備えてもよい。 回転方向規制部は実施の形態 1 と 2で述べられたものでもよいが、 前述 したことから、 簡易な構造のものでもよい。 また、 回転方向規制部で回 転を規制された口一ラのようなポールの回転を妨げるものがないので、 なめらかに操作されるトラックポール装置が得ちれる。
(実施の形態 5 )
図 2 0は本発明の実施の形態 5によるトラックポール装置のケースを
除いた状態の平面図、 図 2 1はその外観斜視図である。 図 2 2は図 2 1 P— O— Q線におけるトラックボール装置の断面図、 図 2 3は図 2 1 の P—〇一 R線におけるトラックポール装置の断面図である。
トラックポール装置の基体部 1 0 1は樹脂形成され、 上から見て四角 形形状を有する。 四角形形状の各辺それぞれの近くには図 2 0および図 2 2に示すように、 四本の略円筒状の X I ローラ 1 0 2、 XII ローラ 1 0 3および Y I ローラ 1 0 4、 Y II ローラ 1 0 5が、 対向する 2本 で構成された 2組が互いに直交するように正方形状に配置される。 4本 の口一ラは基体部 1 0 1 と一体に形成された支持部 1 0 6 A〜 1 0 6 D. 1 0 7 A〜 1 0 7 Dにより回転可能に支持されている。
そして、 図 2 0に二点鎖線で示し、 図 2 2および図 2 3に実線で示す このトラックポール装置の操作部であるボール 1 0 8の中心よりも少し 下方の外周は、 X I ローラ 1 0 2と XII ローラ 1 0 3 と Y I ローラ 1 0 4と ΥΠ ローラ 1 0 5とにそれぞれの中央に設けられた当接部 1 0 2 A、 1 0 3 A、 1 04 A、 1 0 5 Aで当接する。 口一ラはポール 1 0 8を全方向に回転可能に支持している。
X I ローラ 1 0 2〜YII ローラ 1 0 5の当接部 1 0 2 Α〜 1 0 5 Α の断面は、 図 2 2および図 2 3に示すように、 円周の 9 0 ° 間隔で四ケ 所の凹凸部を有する円形鋸歯状である。 対向している X I ローラ 1 0 2 と XII ローラ 1 0 3 とでは図 2 2に示すように、 互いに歯の向きが逆 になっている。 対向している Υ I ローラ 1 0 4と ΥΙΙ ローラ 1 0 5の 鋸歯も同様である。
これによつて、 ポール 1 0 8がローラの円形鋸歯状の凹部から凸部へ 傾斜面に沿って上る方向に回転する時は、 回転トルクが少しずつ大きく なりながら回転が伝達され、 ポール 1 0 8が凸部から次の凹部への段差
部分で落ち込む際に明確なクリック感を生じる。
対向しているローラに対しては、 ポール 1 0 8が円形鋸歯状の凹部か ら凸部へ略垂直な段差を乗り越えなければならない方向に回転する。 こ の場合、 ポール 1 0 8は略垂直の段差を乗り越えることができずに、 段 差部分の凹部で空転し、 ポール 1 0 8の回転が対向しているローラに伝 わらず、 ローラの回転が規制される。
また、 各ローラ 1 0 2〜 1 0 5の各当接部, 1 0 2 A〜 1 0 5 Aの円形 鋸歯状断面の凹部がポール 1 0 8の外周に当接しているので、 図 2 2に 示す通常状態において、 ポール 1 0 8の回転の遊び角は小さい。
また、 図 2 0の 1 9一 1 9線における断面図である図 2 4に示すよう に、 X I ローラ 1 0 2を支持する支持部 1 0 6 Aには、 支持用凹部 1 0 9 A内に弹性脚部 1 0 9 Bが設けられる。 弹性脚部 1 0 9 Bは、 X I 口 ーラ 1 0 2と XII ローラ 1 0 3 との対向間隔が所定の間隔よりも小さ くなる方向に X I ローラ 1 0 2を軽い力で加圧保持する。
弾性脚部 1 0 9 Bにより X I ローラ 1 0 2が押される力は小さいもの であって、 ボール 1 0 8の自重とポール 1 0 8を回転操作する際の圧力 とにより X I ローラ 1 0 2が押されると XII ローラ 1 0 3 との間隔が 広げられる。 したがって、 ポール 1 0 8は Y I ローラ 1 0 4, Y II 口 —ラ 1 0 5を含めた四本の口一ラに確実に当接する。 すなわち、 互いに 平行しているローラの間隔や高さにパラツキがあってもポール 1 0 8は 四本のローラに確実に当接する。 必要に応じて、 支持部 1 0 6 Aの弾性 脚部 1 0 9 Bと同様の弾性脚部を他の支持部 1 0 6 B〜 1 0 6 Dにも設 けてもよい。
ローラ 1 0 2〜 1 0 5の一端には、 図 2 0と図 2 3に示すように、 9 0 ° 間隔に四つの駆動ピン 1 1 0が突出する愿動用のカム 1 0 2 B〜 1
0 5 Bがそれぞれ設けられる。 各ローラ 1 0 2〜 1 0 5の回転に伴らて 駆動ピン 1 1 0は、 基体部 1 0 1上に装着された回転量検出部としての スィッチ 1 1 1のレバー 1 1 2を押す。 スィッチ 1 1 1は、 図 2 0に点 線でその上面を、 図 2 3にその側面を示す。 各カム 1 0 2 B~ 1 0 5 B それぞれの四つの駆動ピン 1 1 0の角度位置は、 各口 ラ 1 0 2〜 1 0 5の上記の当接部 1 0 2 A〜 1 0 5 Aの円形鋸歯状断面の四ケ所の凹凸 部の位置と同期する。
回転量検出部としてのスィツチ 1 1 1はプッシュ操作タイプの自力復 帰型で薄型のスィツチである。 図 2 5は、 スィッチ 1 1 1の力パーを除 いた状態の断面図であり、 図 2 6はその分解斜視図である。 図に示すよ うに、 スィッチケース 1 1 ,3の上端に設けられた支持凹部 1 1 3 Aと力 パー 1 1 4とはレパ一 1 1 2の軸部 1 1 2 Aを回動可能に支持する。 レ パー 1 1 2の先端 1 1 2 Bを所定の位置まで押し下げられると、 レバ一 1 1 2が軸部 1 1 2 Aを中心として回動する。 すると図 2 5に点線で示 すように、 駆動部 1 1 2 Cがスィツチケース 1 1 3内に収容された弹性 金属薄板製の可動接点 1 1 5を奥へ押して弾性変形させ、 接点部 1 1 5 Aを固定接点 1 1 6に接触させて出力端子 1 1 1 Aと 1 1 Bとを導通さ せる。 レパー 1 1 2に加える押し力を除く と、 可動接点 1 1 5の弾性復 元力によって元の状態に復帰する。
スィッチ 1 1 1の出力端子 1 1 1 A, 1 1 1 Bは弹性金属薄板で形成 されて基体部 1 0 1の下面に突出している。 このトラックポール装置は. 電子機器の配線基板に押し付けられて固定される。 その際出力端子 1 1 1 A, 1 1 1 B.が配線基板に弹接して基板と電気的に接続される。
図 2 2は、 X I ローラ 1 0 2〜Y I I ローラ 1 0 5の当接部 1 0 2 A 〜 1 0 5 Aの円形鋸歯状断面の凹部がポール 1 0 8の外周に当接した通
常状態を示す。 この通常状態において、 各ローラ 1 0 2〜 1 0 5の各力 ム 1 0 2 B〜 1 0 5 Bは、 図 2 3に示すように、 駆動ピン 1 1 0がスィ ツチ 1 1 1のレバ一 1 1 2に当たらない位置に停止している。
図 2 1〜図 2 3において、 これらの部材を覆っているケ一ス 1 1 7お よび蓋板 1 1 8は、 樹脂製である。 '
ケース 1 1 7は、 図 2 2および図 2 3に示すように、 上端が開口して ボール 1 0 8の下部を包むように設けられた椀状部 1 1 7 Aと、 その上 端面の外周から下方に伸びて下端が基体部 1 0 1に固定された周囲壁 1
1 7 Bからなる。 椀状部 1 1 7 Aには、 ローラ 1 0 2〜; L 0 5それぞれ の中央の当接部 1 0 2 A〜 1 0 5 Aがポール 1 0 8の外周に当接する位 置に四つの貫通孔 1 1 Ί Cが設けられる。 さらに、 椀状部 1 1 7 Aの中 央は皿状部 1 1 7 Dとなづて基体部 1 0 1中央の窪み 1 0 1 A内に収容 されている。 これにより、 トラックポール装置に水などがかかっても、 基体部 1 0 1上の四つのスィッチ 1 1 1は影響を受けない。
蓋板 1 1 8は、 図 2 2、 図 2 3および図 2 7の外観斜視図に示す う に、 ポール 1 0 8の上部が突出する部分の径ょりも少し小さい円形孔 1
1 8 Aを中央部に有するリング状である。 段 1 1 8 Bを有する下面の 2 つの脚部 1 1 8 Cがケース 1 1 7上端面の 2つの結合孔 1 1 7 Eにそれ ぞれ揷入される。 さらに捩じられることによって、 蓋板 1 1 8はケース 部 1 1 7に着脱可能に結合され、 通常状態において、 ボール 1 0 8がこ のトラックポール装置から外れることを防止する。 蓋板 1 1 8を外すこ とによって、 ポール 1 0 8は交換できる。
次に、 以上のように構成された本実施の形態によるトラックボール装 置の動作について説明する。
まず、 図 2 2および図 2 3に示す通常状態において、 トラックボール
装置の篕板 1 1 8の円形孔 1 1 8 Aから上方に突出した操作部とし の ポール 1 0 8の上部に手や指で触れて、 同図に矢印で示すように、 ポ一 ル 1 0 8を右方向に回転操作する場合について説明する。 ポール 1 0 8 の外周に当接部 1 0 2 A〜 1 0 5 Aが当接している X I ローラ 1 0 2〜 Y II 口一ラ 1 0 5の四本のうち、 Y I 口一ラ 1 0 4と ΥΠ 口一ラ 1 0 5に回転は伝達されない。 X I ローラ 1 0 2と XII 口一ラ 1 0 3の当 接部 1 0 2 Aと 1 0 3 Aでは、 円形鋸歯状の歯の向きが逆なので、 前述 のように、 ポ一ル 1 0 8が円形鋸歯状断面の凹部から凸部へ傾斜面に^ つて上る XII ローラ 1 0 3が回転し、 ポール 1 0 8が円形鋸歯状断面 の to部から凸部へ略垂直な段差を乗り越えなければならない X I 口一ラ 1 0 2は回転を規制され、 段差部分の凹部でポール 1 0 8が空転する。 そして、 図 2 8の断面図に示すように、 ポール 1 0 8が XII .ローラ 1 0 3を回転させながら当接部 1 0 3 Aの円形鋸歯状断面の凹部から凸 部へ傾斜面に沿って上っていくのに従って XII ローラ 1 0 3の端部の カム 1 0 3 Bが回転する。 カム 1 0 3 Bが所定の角度だけ回転すると、 図 2 9の断面図に示すように、 1つの駆動ピン 1 1 0がスィッチ 1 1 1 のレパ一 1 1 2を下方に押し下げる。 したがって図 2 5に示すように、 スィッチ 1 1 1の可動接点 1 1 5の接点部 1 1 5 Aが固定接点 1 1 6に 接触して導通する。 さらに、 XII 口 ラ 1 0 3が回転して凸部から次 の凹部へクリック感を生じながら落ち込むと、 駆動ピン 1 1 0がスイツ チ 1 1 1のレパ一 1 1 2から外れる。 するとレパー 1 1 2は可動接点 1 1 5の弹性復元力によって元の図 2 3の状態に復帰し、 可動接点 1 1 5 は固定接点' 1 1 6から外れて再び遮断状態となる。
そして、 引き続き XII ローラ 1 0 3が回転すると、 カム 1 0 3 Bの 次の駆動ピン 1 1 0が、 同様にスィッチ 1 1 1を ON · O F Fする。
この kうにして、 スィッチ 1 1 1は XII ローラ 1 0 3の 1回転 に 4回クリック感に同期して ON · OF F動作し、 その状態は出,力端子 1 1 1 A, 1 1 1 Bを介してトラックポール装置を使用する電子機器の回 路に伝達される。 これによつて XII ローラ 1 0 3の回転数すなわち、 電子機器のディスプレイ画面上の力一ソルの X軸の正または負の一方向 への移動量が検知される。
同様に、 ポ一ル 1 0 8を左方向に回転操作すると、 今度は XII 口一 ラ 1 0 3は回転が規制されて X I 口一ラ 1 0 2が回転し、 ディスプレイ 画面上の力一ソルの X軸の上記の右方向への回転操作とは逆の方向への 移動量が検知される。 そして前および後ろ方向に回転操作すると、 X I ローラ 1 0 2と XII ローラ 1 0 3にポールの回転は伝達されないが、 Y I 口一ラ 1 0 4または Y II ローラ 1 0 5に伝達され、 カーソルの Y 軸の正または負方向への移動量がそれぞれ検知される。
ポ一ル 1 0 8を斜め方向に回転させた場合には、 X I ローラ 1 0 2ま たは XII ローラ 1 0 3の一方と Y I ローラ 1 04または YII 口一ラ 1 0 5の一方とが、 その回転の XY方向成分に応じて回転し、 X軸と Y軸 それぞれの方向における力一ソルの移動量が検知される。
なお、 以上の説明において、 このトラックポール装置の X I ローラ 1 0 2〜Y II 口一ラ 1 0 5のカム 1 0 2 Β〜 1 0 5 Β'には 9 0 ° 間隔に 四つの駆動ピン 1 1 0が設けられる、 すなわち各ローラ 1 0 2〜 1 ひ 5 の 1回転中に 4回スィッチを ON -O F Fする。 ピンの個数、 すなわち スィツチの ON 'O F F動作回数は必要に応じて増減できる。
また、 以上の説明において、 X I ローラ 1 0 2〜ΥΠ ローラ 1 0 5 の当接部 1 0 2 Α〜 1 0 5 Αは円形鋸歯状断面である。 図 3 0は当接部 の断面形状を示す。 四つの凹凸部 1 1 9〜 1 2 2を設ける方向に基準円
1 2 3め中心を段差 1 2 4の寸法分だけずらせた四つの円弧 1 1 9入〜 1 2 2 Aを重ね合わせる。 各凹凸部 1 1 9〜 1 2 2の位置で隣り合う円 弧との間に所定寸法の段差 1 2 4を有するように、 各円弧 1 1 9 A〜 1 2 2 Aの外周を各ローラ 1 0 2〜 1 0 5の中心に対して一定の回転方向 に切除する。 これにより、 ローラ 1 0 2〜 1 0 5の当接部 1 0 2 A〜 1 0 5 Aが容易に形成される。 さらに、 ポール 1 0 8の回転操作方向に対 応して回転するローラには、 円形鋸歯状断面の凹部から凸部へと円弧 1 1 9 A〜 1 2 2 Aの外周に沿ってボール 1 0 8から回転トルクがほぼ一 定の大きさで非常にスムーズこ伝達される。 したがって、 操作感覚がス ムーズで動作の安定したトラックポール装置が得られる。 さらに、 回転 するローラのクリック感と停止しているローラの停止力とを隣り合う円 弧間の段差 1 2 4の大きさや傾きで調整できる。
以上のように本実施の形態によれば、 ポール 1 0 8の回転操作時にク リック感を生じ、 電子機器のディスプレイ画面上における力一ソルを細 かい精度で移動できるトラックポール装置が得られる。 さらにそのトラ ックボ一ル装置では、 ボ一ル 1 0 8はローラ 1 0 2〜 1 0 5の当接部 1 0 2 A〜 1 0 5 Aの間で滑り難く、 回転遊び角が小さい。
さらに、 ポール 1 0 8の全表面を弾性材料からなる被膜で覆うことに よって、 ポール 1 0 8と各ロ一ラ 1 0 2〜 1 0 5の当接部 1 0 2 A〜 1 0 5 Aの間の摩擦力を大きくできる。 したがって、 この部分でさらに滑 り難く、 また滑りによる静電気が発生し難い。
または、 ポール 1 0 8の全表面に微細な凹部を形成するこ'とによって, 操作時にポール 1 0 8の上面に触れる手や指が滑り難くなり、 操作のし 易い卜ラックポール装置が得られる。 '
(実施の形態 6 )
図 3 1は本発明の実施の形態 6による卜ラックポール装置のケースを 除いた状態の平面図、 図 3 2はその外観斜視図、 図 3 3は図 3 2のトラ ックポール装置の U — T — V線における断面図、 図 3 4は図 3 2のトラ ックポール装置の U— T—W線における断面図である。 実施の形態 6に よるトラックポール装置では、 それを使用する電子機器の配線基板 1 '2 5が基体部 1 2 6を回動可能に保持すると共に、 基体部 1 2 6下方の配 線基板 1 2 5上に自力復帰型のプッシュスィッチ 1 2 7が配設される。 すなわち、 上面から見て四角形の基体部 1 2 6は、 その一辺の下部の 回動支軸 1. 2 6 Aを支点として回動可能に、 配線基板 1 2 5に設けられ た保持部 1 2 5 Aにより保持されている。 基体部 1 2 6中央の丸孔 1 2 ' 6 Bに対応する配線基板 1 2 5上には自力復帰型のプッシュスィツチ 1 2 7が配設される。 スィッチ 1 2 7の上部中央には、 基体部 1 2 5に固 定されたケース部 1 2 8の椀状部 1 2 8 Aの中央下端に設けられた突出 部 1 2 8 Bが当接して、 基体部 1 2 6を回動範囲の上端位置に保つ。 基 , 体部 1 2 6には、 ポ一ル 1 0 8を全方向に回転可镩に支持する X I ロー ラ 1 0 2〜Υ Π ローラ 1 0 5 と、 ローラの回転量を検出する四つのス イッチ 1 1 1と、 ケース 1 2 8とが装着される。
基体部 1 2 6に装着された四つのスィツチ 1 1 1から導出された弹性 を有する出力端子 1 1 1 Α, 1 1 1 Βも、 配線基板 1 2 5上の複数個の 被接続接点 1 2 5 Βにそれぞれ弹接接続して基体部 1 2 6を上方に押し, 基体部 1 2 6をより安定に配置する。
自力復帰型のプッシュスィッチ 1 2 7は、 図 3 5の正面断面図と図 3 6の分解斜視図に示すように、 配線基板 1 2 5上の所定位置に金属箔等 により形成されたスィツチ固定接点 1 2 7 Αと、 その上に載せられた弹
性金属薄板製のドーム状可動接点 1 2 9と、 中央固定接点 1 .2 7 Bと、 接点 1 2 7 Bと所定の間隔をあけて対峙して覆う、 下面に粘着層を有す る可撓性の絶縁フィルム 1 3 0とを備える。 スィッチ 1 2 7は高さが低 く安価であり、 自力復帰型で動作時にクリック感を有する高性能のプッ シュスィッチである。
なお、 ドーム状可動接点 1 2 9の弹性反発力は、 通常状態およびポー ル 1 0 8の回転操作時にケース部 1 2 8下端の突出部 1 2 8 Bに押され てそのドーム形状が反転しないように、 所定の大きさ以上に設定されて いる。
なお、 この自力復帰型のプッシュスィッチ 1 2 7は、 '必ずしも配線基 板 1 2 5上で形成されたものである必要はなく、 高さの低いプッシュス イッチを配線基板 1 2 5上に装着された単体スィッチでもよい。 また、 プッシュスィッチ 1 2 7の上部中央に当接している突出部 1 2 8 Bは、 必ずしもケース部 1 2 8に設ける必要はなく基体部 1 2 6に設けてもよ い。
次に、 以上のように構成された本実施の形態によるトラックポール装 置の動作について説明する。
まず、 ポール 1 0 8の操作部である上部を回転操作して、 このトラッ クポール装置を使用する電子機器のディスプレイ画面上のカーソルの位 置を操作する際の動作は、 実施の形態 5によるものと同じであるので説 明を省略する。
次に、 ディスプレイ画面上のカーソルが所望の位置に到達した時に、 図 3 3および図 3 4に示す通常状態の位置から ール 1 0 8の上部を手 や指で押し下げると、 口一ラ 1 0 2〜 1 0 5を介してポール 1 0 8を支 持する基体部 1 2 6が回動支軸 1 2 6 Aを中心として回動し、 基体部 1
2 6に阖定されたケース部 1 2 8下端の突出部 1 2 8 Bで配線基板 Ϊ 2 5上のプッシュスィッチ 1 2 7の上部中央すなわちドーム状可動接点 1
2 9を絶縁フィルム 1 3 0を介して下方に押す。
そして、 この押し下げ力が所定の値を超えると、 ド一ム状可動接点 1 2 9はクリック感を伴いながら弹性反転して、 図 3 7の断面図に示すよ うに、 可動接点 1 2 9の中央下面が中央固定接点 1 2 7 Bに接触する。 そして、 ドーム状可動接点 1 2 9を介してスィツチ固定接点 1 2 7 Aと 中央固定接点 1 2 7 Bの間が導通する。
そして、 その導通は配線基板 1 2 5上の配線 1 2 7 Cを介して、 電子 機器の回路に、 例えばディスプレイ画面上の力一ソルの 置を認識した 信号として伝達される。
この後、 ポール 1 0 8の上部に加える押し下げ力を除くと、 プッシュ スィツチ 1 2 7のドーム状可動接点 1 2 9は自身の弾性復元力により元 のドーム形状に復帰し、 突出部 1 2 8 Bすなわちケース部 1 2 8を介し て基体部 1 2 6を上方に押し戻す方向に回動させて元の図 3 3および図
3 4の通常状態に戻す。 そしてプッシュスィッチ 1 2 7のスィッチ固定 接点 1 2 7 Aと中央固定接点 1 2 7 Bの間は再びオープンとなる。
なお、 このボ一ル 1 0 8を押し下げ操作する際に、 ローラ 1 .0 2〜 1 0 5は当接部 1 0 2 A〜 1 0 5 Aの凹部にポール 1 0 8が当接していて 回転せず、 回転量を検出する四つのスィッチ 1 1 1は動作しない。
以上のように実施の形態 6によれば、 ポール 1 0 8の回転操作時にク リック感を生じ、 ディスプレイ画面上の.力一ソルを細かい精度で移動で きるとともに、 ポール 1 0 8を押し下げることによってカーソルの位置 の認識信号を発生できる、 小さい投影面積でしかも動作の安定したプッ シュスィッチ付きトラックポール装置が実現できる。
なお: 以上の説明において、 配線基板 1 2 5は基体部 1 2 6に装奢さ れた弹性を有する出力端子 1 1 1 A、 1 1 1 Bが弹接接続される被接続 接点 1 2 5 Bを有する。 この接点 1 2 5 Bのかわりに、 基体部 1 2 6の 下面配置された可撓性の接続基板 (図示せず) が配線基板 1 2 5に接続 されてもよい。 それにより、 確実に出力端子 1 1 1 A、 1 1 1 Bが接続 され、 さらに基体部 1 2 6が配線基板 1 2 5に対して回動しても可撓性 の接続基板が追従して接続が保たれる。
(実施の形態 7 ) ,
図 3 8は本発明の実施の形態 7によるトラックポール装置の断面図で ある。 このトラックポール装置は実施の形態 6において図 3 4に示した ものに対して、 回転量検出部である四つのスィツチ 1 3 1を装着する部 材が異なっている。
すなわち、 図 3 8に示すように、 四つのスィツチ 1 3 1はこのトラッ クポール装置を使用する電子機器の配線基板 1 3 2上に、 プッシュスィ ツチ 1 2 7を囲むように装着 ·接続されている。 その位置は、 配線基板 1 3 2により回動可能に保持された基体部 1 3 3に装着されたローラ 1 0 2〜: 1 0 5のカム 1 0 2 B〜 1 0 5 Bに対応している。
なお、 上方から見たプッシュスィッチ 1 2 7および四つのスィッチ 1 3 1の配列は、 実施の形態 6において示した図 3 1 と同様であるので、 詳しい説明は省略する。
また、 実施の形態 7によるトラックポ一ル装置の動作も、 実施の形態 5 、 6と同じであるので説明を省略する。
そして、 上記のような構成とすることにより、 配線を必要とする部材 である四つのスィッチ 1 3 1およびプッシュスィッチ 1 2 7をあらかじ
めトラ ク.ポール装置を使用する電子機器の配線基板 1 3 2上に装翁で き、 ポール 1 0 8を保持した基体部 1 3 3には配線が不要である。 した がって、 組立が容易であり、 安価に電子機器に装着することができるプ ッシュスィツチ付きトラックボール装置が実現できる。
(実施の形態 8)
図 3 9は本発明の実施の形態 8によるトラックポール装置のケースを 除いた状態の平面図、 図 40はそのトラックポール装置の、 実施 < 形態 6で示した図 3 2の U— T— V線と同様の切断線における断面図である < 実施の形態 8によるトラックポール装置は、 実施の形態 5〜 7によるも. のに対して、 ポール 1 0 8を全方向に回転可能に支持する円筒状のロー ラ 1 34〜 1 3 7の回転量検出部であるスィツチの構成が異なる。
すなわち、 基体部 1 3 8に形成された支持部 1 3 9 A〜 1 3 9 Dと支 持部 140A〜 1 40 Dにより回転可能に支持された各ローラ 1 34〜 1 3 7はその一端部の外周にそれぞれ回転可動接点 1 34 B~ 1 3 7 B を有している。 ローラ 1 34から 1 3 7は実施の形態 5 ~ 7と同様に、 円形鋸歯状断面の当接部 1 34 A~ 1 3 7 Aをその中央部に有している, トラックポール装置を使用する電子機器の配線基板 14 1は実施の形 態 6および 5と同様に、 保持部 1 41 Aにより上記の基体部 1 38を回 動可能に保持すると共に、 基体部 1 38の中央部と対向した位置にプッ シュスィッチ 1 2 7を有している。 このトラックポール装置は、 ローラ 1 34〜ローラ 1 3 7の回転可動接点 1 34 B〜 1 3 7 Bに対応した位 置に、 長いアーム状の弹性固定接点 142 A~ 142 D、 弾性固定接点 1 43A〜 1 43 Dを備える。 それぞれの接点は回転可動接点 1 34 B 〜 1 3 7 Bに弹接して回転スィツチ 144A〜 144Dを形成している <
図 41は回転スィツチの接点の外観斜視図である。 回転スィッチ Ϊ 4 4 A〜 144 Dでは、 回転可動接点 1 34 B〜 1 3 7 Bは円形リング状 部 1 34 C〜 1 3 7 Cとこれらからそれぞれ突出した櫛歯状部 1 34 D - 1 3 7 Dで構成されている。 ペアである弹性固定接点 142 Aと 14 2 Bは円形リング状部, 1 34 Cと櫛歯状部 1 34 Dとにそれぞれ弹接す る。 弹性固定接点 1 45 Aと 145 B、 弾性固定接点 146 Aと 146 B、 弾性固定接点 147 Aと 147 Bをそれぞれペアで回転可動接点 1
3 5 B〜 1 3 7 Bにそれぞれ弹接する。 ローラ 1 34〜 1 3 7の回転に 伴い、 弹性固定接点 142 A〜 1 42 D、 143 A〜 143 Dの間が導 通、 遮断する。
なお、 上記の回転可動接点 1 34 B〜 1 3 7 Bの櫛歯状部 1 34 D〜 1 37 Dは、 ローラ 1 34〜 1 3 7の当接部 1 34A〜 1 3 7Aの凹凸 部と数および角度位置が合うように設定されている。
実施の形態 8によるトラックポ一ル装置はこのような構成の回転スィ ツチ 144A〜 1 44 Dを回転量検出部として使用することにより、 回 転量検出部が小型になり、 ローラ 1 34〜 1 3 7の回転に伴う導通、 遮 断が確実に出力される。 さらに、 基体部 1 38が回動してプッシュスィ ツチ 1 2 7を押す場合にも、 長いアーム状の弾性固定接点 142 A〜 1
42 D、 1 43 A〜 143 Dが撓むことにより追従して、 スィッチが誤 動作しない。
(実施の形態 9)
図 42は本発明の実施の形態 9によるトラックポ一ル装置の正面断面 図、 図 43はその外観斜視図、 図 44はそのケースを除いた状態の平面 図、 図 45は図 43のトラックボール装置の Q— O— Q線における断面
図であ ¾。 .
トラックポール装置の基体部 2 0 1は上面から見て四角形に樹脂形成 される。 その上面には、 図 4 2および図 4 4に示すように、 四角形の 2 辺それぞれの近くで辺に平行に、 互いに直角に 2つの略円筒状の Xロー ラ 2 0 2と Yローラ 2 0 3が配設される。 ローラ 2 0 2、 2 0 3は基体 部 2 0 1 と一体に形成された支持部 2 0 1 A〜 2 0 1 Cにより回転可能 に保持される。
また、 図 4 4に示すように、 基体部 2 0 1上面の X口一ラ 2 0 2と Y ローラ 2 0 3とから遠い側の中間位置には、 支持体としての第三ローラ 2 0 4が支持部 2 0 1 Dによって回転可能に保持されている。
そして、 操作部であるポール 2 0 5に対し、 その中心よりも少し下方 の外周は、 Xローラ 2 0 2と Y口一ラ 2 0 3および第三ローラ 2 0 4の それぞれの大径当接部 2 0 2 Aと 2 0 3 Aおよび 2 0 4 Aと当接する。 これらの当接部はポール 2 0 5を全方向に回転可能に支持する。
ここで、 Xローラ 2 0 2および Yローラ 2 0 3の大径当接部 2 0 2 A および 2 0 3 Aの外周は、 図 4 2、 図 4 4および図 4 5に示すように、 円周面に複数の直線状の凹部 2 0 6および 2 0 7がローラの軸に平行に 所定の角度ピッチで設けられた円周形状である。 第三ローラ 2 Q 4の大 径当接部 2 0 4 Aは滑らかな円周面を有する。 '
そして、 通常状態においてポール 2 0 5は、 各 Xローラ 2 0 2および Y口一ラ 2 0 3の各大径当接部 2 0 2 A、 2 0 3 Aの外周の複数の凹部 2 0 6および 2 0 7の 1つにはまり込んだ位置で停止している。
一方、 Xローラ 2 0 2と同軸に設けられた円形の回転軸である中径軸 部 2 0 2 Bの外周には、 円形リング状部 2 0 8 Aと櫛歯状部 2 0 8 Bか らなる可動接点 2 0 8が設けられる。 櫛歯状部 2 0 8 Bは円形リング状
部 2 0 Aに導通して大径当接部 2 0 2 Aの凹部 2 0 6に対応した ^度 ピッチで形成される。 基体部 2 0 1から伸ばされた弹性固定接点 2 0 9 の長さの異なる 3つの弾性脚部 2 0 9 A〜 2 0 9 Cが可動接点 2 0 8に 弹接して、 Xローラ 2 0 2の回転量検出部: ^ある X回転型エンコーダ 2 1 0を形成する。 Xローラ 2 0 2と同様に、 Yローラ 2 0 3と同軸に設 けられた円形の中径軸部 2 0 3 Bの外周にも、 円形リング状部 2 1 1 A と櫛歯状部 2 1 1 Bからなる可動接点 2 1 1が設けられる。 櫛歯状部 2 1 1 Bは円形リング状部 2 1 1 Aに導通して、 大径当接部 2 0 3 Aの凹 部 2 0 7に対応した角度ピッチで形成される。 基体部 2 0 1から伸ばさ れた弾性固定接点 2 1 2の長さの異なる 3つの弾性脚部 2 1 2 A〜 2 1 2 Cが可動接点 2 1 1に弹接して、 Yローラ 2 0 3の回転量検出部であ る Y回転型エンコーダ 2 1 3を形成する。
エンコーダ 2 1 0 , 2 1 3で発生する電気信号は、 弾性固定接点 2 0 9および 2 1 2と導通した弹性を有する接続端子 2 1 0 A〜 2 1 0 Cお よび 2 1 3 A〜 2 1 3 Cを介して、 トラックポール装置を使用する電子 機器の回路に伝達される。
通常状態では前述のように、 ポール 2 0 5は、 大径当接部 2 0 2 Aお よび 2 0 3 A外周の凹部 2 0 6および 2 0 7にはまり込んで停止してい る。 この通常状態において、 エンコーダ 2 1 0 , 2 1 3は電気信号を発 しない、 すなわち接続端子 2 1 0 A〜 2 1 0 Cおよび 2 1 3 A~ 2 1 3 Cはそれぞれ電気的にオープンである。
エンコーダ 2 1 0 と 2 1 3は、 可動接点 2 0 8とローラ 2 0 2、 2 0 3と同軸に設けられた回転軸である中径軸部 2 0 2 B、 2 0 3 Bの外周 に設けられるので小さく、 卜ラックポール装置をコンパク卜にする。 また、 図 4 3の外観斜視図において、 トラックボール装置の上部は樹
脂製の ース 2 1 4および蓋板 2 1 5で覆われる。
図 4 2、 図 4 5、 および図 4 6の外観斜視図に示すように、 ケース 2 1 4は上端が開口しており、 ポール 2 0 5の下部を囲むように設けられ た椀状部 2 1 4 Aと、 その上端面の外周から下方に伸びて下端が基体部 2 0 1に固定された周壁部 2 1 4 Bからなる。 椀状部 2 1 4 Aには X口 —ラ 2 0 2の大径当接部 2 0 2 Aと Yローラ 2 0 3の大径当接部 2 0 3 Aおよび第三ローラ 2 0 4の大径当接部 2 0 4 Aがポール 2 0 5の外周 に当接する位置にそれぞれ貫通孔 2 1 4 Cが設けられる。 また、 中央部 2 1 4 Dは皿状で基体部 2 0 1の中央部と僅かな間隔をあけて対峙して いる。 この卜ラックポール装置は水等がかかっても Xエンコーダ 2 1 0 や Yエンコーダ 2 1 3の接点部等は影響を受けない。
蓋板 2 1 5はポ一ル 2 0 5の径ょりも少し小さい円形孔 2 1 5 Aを中 央に有するリング状である。 段 2 1 5 Bを有する 2つの脚部 2 1 5 Cが ケース 2 1 4上端面の結合孔 2 1 4 Eにそれぞれ揷入される。 さらにね じることによって、 蓋板 2 1 5はケース 2 1 4に着脱可能に結合され、 通常状態において、 ポール 2 0 5がこのトラックポール装置から外れる ことを防止する。 蓋板 2 1 5を外すことによって、 ボール 2 0 5を交換 できる。
実施の形態 9によるトラックボール装置を電子機器に装着するために は、 基体部 2 0 1の側部.2個所に設けられた取付孔 2 0 1 Eにビス等を 通して電子機器の配線基板に押し付けて固定するだけで、 エンコーダ 2 1 0、 2 1 3の接続端子 2 1 0 A〜 2 1 0 C、 2 1 3 A〜 2 1 3 Cが被 接続接点 (図示せず) に弾接接続され、 半田付け等の接続工程は不要で ある。
次に、 実施の形態 9によるトラックポール装置の動作について説明す
る。 ,
まず、 図 4 2に示す通常状態において、 トラックポール装置の蓋板 2 1 5の円形孔 2 1 5 Αから上方に突出した操作部であるポール 2 0 5の 上部に手や指で触れて、 矢印で示すようにポール 2 0 5を回転すると、 ポ一ル 2 0 5の外周に大径当接部 2 0 2 A , 2 0 3 Aおよび 2 0 4 Aが 当接している口一ラ 2 0 2〜 2 0 4のうち、 Xローラ 2 0 2および第三 ローラ 2 0 4に回転が'伝達され、 Yローラ 2 0 3には伝達されない。 そして、 Xローラ 2 0 2が図 4 2および図 4 5に示す方向に回転する ことによって、 大径当接部 2 0 2 A外周の凹部 2 0 6 Aにはまり込むよ うに当接.していたポール 2 0 5の当接部分が凹部 2 0 6 Aから抜け出て 外周面に沿って移行し、 次の凹部 2 0 6 Bにはまり込むと共にクリック 感を生じる。
また、 ポール 2 0 5の当接部分が Xローラ 2 0 2の大径当接部 2 0 2 Aの凹部 2 0 6 Aから凹部 2 0 6 Bに移行することによって、 X回転型 エンコーダ 2 1 0の可動接点 2 0. 8が回転する。 それにより接点 2 0 8 の円形リング状部 2 0 8 Aと櫛歯状部 2 0 8 Bとに弹接する弾性固定接 点 2 0 9の弾性脚部 2 0 9 A〜 2 0 9 Cに独立したパルス信号が発生す る。 すなわち、 弾性脚部 2 0 9 A〜 2 0 9 Cの接続端子 2 1 O A , 2 1 0 B間と接続端子 2 1 0 A, 2 1 0 C間とにそれぞれ 1つずつパルス信 号が発生する。 X回転型エンコーダ 2 1 0において、 発生するパルス信 号と可動接点 2 0 .8すなわち X口一ラ 2 0 2の回転方向との関係は、 一 般の回転型エンコーダとして知られているものと同じであるので、 説明 は省略する。
そして、 ポール 2 0 5は引き続き回転する'ことによって、 ポ一ル 2 0 5と大径当接部 2 0 2 A外周の凹部 2 0 6との間で連続してクリック感
を生じ がら、 接続端子 2 1 0 A , 2 1 0 B間および 2 1 0 A , 2 1 0 C間にクリック数に対応した数のパルス信号を細かい精度で発生する。 その信号は電子機器の回路に伝達されて、 ディスプレイ画面上のカーソ ルを回転量に対応した量だけ細かい精度で X方向に移動させる。
なお、 このポール 2 0 5を右方向に回転する時に、 ポール 2 0 5の外. 周が Yローラ 2 0 3の大径当接部 2 0 3 A外周の凹部 2 0 7にはまり込 むように当接している当接を中心にポ一ル 2 0 5が回転し、 Yローラ 2 0 3を回転させない。
同様に、 ポ一ル 2 0 5を左方向に回転操作すると、 Xローラ 2 0 2が クリック感を生じながら上記の方向とは逆方向に回転して、 X回転型ェ ンコーダ 2 1 0がクリック数に対応した数のパルス信号を発生する。 また、 ポール 2 0 5を上方向または下方向に回転することによって、 Yローラ 2 0 3がクリック感を生じながら回転する。 Y回転 Sェンコ一 ダ 2 1 3の接続端子 2 1 3 A , 2 1 3 B間と 2 1 3 A , 2 1 3 C間とに クリック数に対応した数のパルス信号をそれぞれ発生し、 電子機器のデ ィスプレイ画面上のカーソルは細かい精度で Y方向に移動する。
また、 ポール 2 0 5を斜め方向に回転操作すると、 その操作方向の傾 きに対応した割合で、 Xローラ 2 0 2および Y口一ラ 2 0 3がクリック 感を生じながら回転し、 Xエンコーダ 2 1 0および Yエンコーダ 2 1 3 それぞれの接続端子 2 1 0 A〜 2 1 0 Cおよび 2 1 3 A〜 2 1 3 Cにク リック数に対応した数のパルス信号を発生する。 それにより電気機器の ディスプレイ画面上のカーソルがポール 2 0 5の回転方向の傾きに対応 した方向に、 ポール 2 0 5の回転量に対応した量だけ細かい精度で移動 する。
なお、 ポール 2 0 5を回転する際に、 第三ローラ 2 0 4は Xローラ 2
0 2お び Yローラ 2 0 3と共に回転して、 ポ一ル 2 0 5のスム一文な 回転を補佐する。
第三ローラ 2 0 4は、 Xローラ 2 0 2および Υ Π—ラ 2 0 3と共にポ' ール 2. 0 5を回転自在に支持する機能を有すればよい。 したがって、 必 ずしも回転軸を有するローラである必要はなく、 球状の滑りやすい支持 部材を用いてもよい。
さらに、 上記に説明したトラックポール装置では、 Xローラ 2 0 2お よび Yローラ 2 0 3の大径当接部 2 0 2 Aおよび 2 0 3 A両方の外周が 凹 ΰ部を有する円周形状を有する。 しかし、 トラックポール装置を使用 する電子機器における操作上の必要に応じて、 X口一ラ 2 0 2または Υ ローラ 2 0 3のいずれか一方の外周のみに凹凸部を設け、 そのローラの 回転時のみにクリック感を生じて細かい精度で操作できるようにしても よい。
また、 以上の説明において、 Xローラ 2 0 2および Υローラ 2 0 3の 大径当接部 2 0 2 Α、 2 0 3 Αの外周は.、 円周面に複数の直線状の凹部 2 0 6、 2 0 7を設けた凹凸部を有する。 このような形状の外周は、 円 周面の切削加工によって容易に形成されると共に、 凹部 2 0 6および 2 0 7の数を、 必要に応じて容易に変更できる。
図 4 7は、 本発明の実施の形態 9によるトラックポ一ル装置の回転口 —ラの他の製作方法を説明する外観斜視図である。 図 4 8は他の製作方 法により製作した回転ローラの環状当接部の断面図である。
図 4 7に示すように、 回転ローラ 2 1 6が回転軸部 2 1 7と環状当接 部 2 1 8に分けて製作される。 可動接点 2 1 7 Αを一体に有する金属軸 部 2 1 7 Bに絶縁性樹脂でァゥトサ一ト成形加工し絶縁部 2 1 7 Cを形 成して回転軸部 2 1 7は製作される。 環状当接部 2 1 8は、 図 4 8に示
すような構造を有する。 環状体 2 1 8 Bは所定の角度間隔で放射状 突 出した複数の突出部 2 1 8 Aを外周に有する金属等の剛性材料からなる, 環状体 2 1 8 Bの複数の突出部 2 1 8 Aの間に弾性を有する樹脂をイン サ一ト成形加工して埋めることにより、 断面が略半円形で軸方向に長い 凸部 2 1 8 Cを外周に突出させる。 そして、 回転軸部 2 1 7の中間段部 2 1 7 Dに環状当接部 2 1 8の中心孔 2 1 8 Dを圧入結合することによ つて、 回転口一ラ 2 1 6が完成する。
なお、 剛性材料からなる環状体 2 1 8 Bの複数の突出部 2 1 8 Aの先 端面 2 1 8 Eの幅は、 操作体であるポール 2 0 5が当接するのに必要な 角度間隔を形成するように設定される。
図 4 9は回転ローラとポールとの当接部分の拡大断面図である。 前述 のようにして形成された回転ローラ 2 1 6の環状当接部 2 1 8は、 剛性 材料からなる凹部 2 1 8 Eと、 弹性材料からなる凸部 2 1 8 Cが交互に 所定の角度間隔に設けられた凹凸部を外周に有する。 したがって、 図 4 9に示すように、 ポール 2 0 5の回転を回転ローラ 2 1 6に伝達する場 合には、 回転ローラ 2 1 6の弹性材料からなる凸部 2 1 8 Cとポール 2 0 5との大きな摩擦力により回転が滑らずに確実に伝達される。 また、 ポール 2 0 5の回転を回転ローラ 2 1 6に伝達しない場合には、 剛性材 料からなる凹部 2 1 8 E内においてボール 2 0 5は小さい摩擦力で滑る c したがってスムーズな操作で安定した動作をするトラックポール装置が 得られる。
操作体としてのポール 2 0 5の全表面を弹性材料からなる被膜で覆う これによつて、 ポール 2 0 5と Xローラ 2 0 2、 2 0 3との当接部分の 摩擦力を大きくでき、 当接部分で滑り難く安定した動作をするトラック ポール装置が得られる。
また: ボール 2 0 5の全表面に凹部 2 0 6、 2 0 7の幅よりも小 ¾い 径の微細な凹凸部を形成する。 これによつて、 ポール 2 0 5とローラ 2 0 2、 2 0 3との当接部分において、 ポール 2 0 5の回転操作時にポー ル 2 0 5の表面の凹凸部の凸部が大径部 2 0 2 A、 2 0, 3 A外周の凹部 2 0 6、 2 0 7に引つかかる。 以上により、.クリック感を生じて細かい 精度の操作ができると共に、 当接部分で滑り難く安定した動作をするト ラックポール装置が得られる。
以上のように実施の形態 9によれば、 構成部材数を増やすことなく、. ポール 2 0 5の回転時にクリック感を生じさせて細かい精度の操作がで きる卜ラックポール装置が選られる。 さらに、 ポール 2 0 5と各ローラ 2 0 2、 2 0 3との当接部分で伝達する回転トルクの大きさはクリック 感を生じることにより変化しないので、 当接部分で滑り難いトラックポ ール装置が得られる。
実施の形態 1〜 7で示したトラックポール装置を表示器を有する電子 機器に使用する際には、 実施の形態 6で示した表示器上でのカーソル位 置を認識した旨の信号を発生する機構も付けられる。 産業上の利用の可能性
本発明は、 電子'機器のディスプレイ画面上におけるカーソルの移動を 操作するトラックポール装置およびこれを用いた電子機器に関する。 本 発明によれば、 ポールの回転操作時に明確なクリック感を生じ、 電子機 器のディスプレイ画面上におけるカーソルの移動を細かい精度で操作で き、 操作時にガ夕ツキを感じさせないトラックポール装置とこれを用い た電子機器が得られる。