JPH0935583A - プッシュスイッチ付回転操作型電子部品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水平回転とプッシュスイッチ操作が単一のつ
まみで個別に操作できるプッシュスイッチ付回転操作型
電子部品を提供することを目的とする。 【構成】 回転型エンコーダ部２の自由に傾き得る操作
軸１６と円板状操作つまみ４が揺動体５を介して一体に
揺動できる構成とし、この揺動運動によって揺動体５に
設けられた舌片状の駆動部５Ｂ先端の突部２６がプッシ
ュスイッチ部３を動作させるように構成したことによ
り、一個の操作用つまみ４で回転型エンコーダ部２とプ
ッシュスイッチ部３を個別に確実に操作できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は主として各種電子機器の
リモートコントーラや携帯用電子機器に使用され、操作
つまみの水平回転操作およびプッシュ操作により駆動す
るプッシュスイッチ付回転操作型電子部品に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の電子部品を使用する機器
においては、水平回転操作するエンコーダ等の電子部品
とプッシュ操作するスイッチ等を各々個別の部品として
配置し、これらの二つの部品の各々に操作用つまみを取
り付けて操作するようにしていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般
に、リモートコントローラや携帯用電子機器は大きさを
小さくする必要があるため、操作用つまみを装着できる
場所が限られており、上記のように水平回転操作用とプ
ッシュ操作用のつまみを別々に取り付けることは機器の
小形化に対して不利であると共に、両方のつまみで関連
した機能の操作をする場合に二つのつまみを操作する必
要があり、使用上も不便であった。

【０００４】本発明は、水平回転操作とプッシュ操作が
単一のつまみで個別に操作できるプッシュスイッチ付回
転操作型電子部品を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明のプッシュスイッ
チ付回転操作型電子部品は、回転部品部の自由に傾き得
る操作軸と円板状操作つまみが揺動体を介して一体に揺
動できる構成とし、この揺動運動により揺動体に設けら
れた舌片状の駆動部がプッシュスイッチ部を動作させる
ように構成したものである。

【０００６】

【作用】この構成によれば、操作つまみの水平回転によ
り回転部品部で電気信号を発生できると共に、操作つま
みを押して傾けることによりプッシュスイッチ部を動作
させることができ、一個の操作用つまみで水平回転部品
部およびプッシュスイッチ部を各々別個に操作すること
ができる。

【０００７】

【実施例】

（実施例１）以下、本発明の第一の実施例のプッシュス
イッチ付回転操作型電子部品について、プッシュスイッ
チ付回転操作型エンコーダを例にして、図１〜図６を用
いて説明する。

【０００８】本実施例のプッシュスイッチ付回転操作型
エンコーダは、図１に示すように、成形樹脂製の基板１
に回転操作型エンコーダ部２とプッシュスイッチ部３が
並べて配され、円板状操作つまみ４は揺動体５により回
転可能に保持されると共に、揺動体５と一体に傾くこと
ができるように装着されている。

【０００９】なお、以下の説明において、回転操作型エ
ンコーダ部２はエンコーダ部２、プッシュスイッチ部３
はスイッチ部３、円板状操作つまみ４はつまみ４と省略
して説明する。

【００１０】エンコーダ部２の構成は、図２および図３
に示すように、成形樹脂で基板部１と一体に形成された
エンコーダ用円筒状筐体部６の中心に円形窪み７が設け
られると共に、三組の固定弾性接点８，９，１０が円筒
状筐体部６内に突出している。

【００１１】この固定弾性接点８，９，１０は弾性金属
薄板をプレス加工して形成後インサート成形して装着さ
れたものであり、各々基板１側面の端子８Ａ，９Ａ，１
０Ａと導通している。

【００１２】そして、円形窪み７には、円形状成形樹脂
体の上面に放射状凹凸部１１、下面にその凸部の数と同
数の放射状可動接点板１２を有する回転体１３の円筒軸
１３Ａが回転可能に嵌合しており、上面の放射状凹凸部
１１には円筒状筐体部６の上端に圧入固定された弾性金
属薄板製節度ばねの弾性脚１４先端のダボ部１４Ａが弾
接し、下面の放射状可動接点板１２には上記の固定弾性
接点８，９，１０が弾接している。

【００１３】尚、エンコーダ部２が回転動作しない通常
状態において、節度ばねの弾性脚１４先端ダボ部１４Ａ
は回転体１３上面の放射状凹凸部１１の凹部にはまり込
んでおり、この状態においてエンコーダ部２の出力信号
はＯＦＦであるように、放射状可動接点１２に固定弾性
接点８，９，１０が弾接する位置が決められている。

【００１４】そして、回転体１３の中央孔の中心には、
操作軸１６が円板部と薄肉部１５で連結して一体形成さ
れ、回転運動を伝達できると共に薄肉部１５を中心とし
て自由に傾くことができるように設定されている。

【００１５】一方、円筒状筐体部６の外周には、上記操
作軸１６の傾倒中心である薄肉連結部１５の位置に合わ
せて、エンコーダ部２とスイッチ部３の中心を結ぶ直線
に垂直な円筒状筐体部６の中心線の位置に、二ヶ所の揺
動支持用突部１７Ａ，１７Ｂが設けられている。

【００１６】そして、円筒状筐体部６の上面を覆う平板
部５Ａと、これからスイッチ部３に向かって伸ばされた
舌片状の駆動部５Ｂからなる揺動体５の平板部５Ａの両
側の平行脚部１８Ａ，１８Ｂ先端の丸孔１９Ａ，１９Ｂ
に、上記円筒状筐体部６外周の二ヶ所の突部１７Ａ，１
７Ｂがはめ込まれ、揺動体５がスイッチ部３側に傾くこ
とができるように支持している。

【００１７】また、揺動体５の平板部５Ａの中心に設け
られた円形孔２０には上方から装着された円板状つまみ
４の円筒軸２１が回転可能に保持されると共に、その中
心孔２２には前記回転体１３の操作軸１６が共回りする
ように圧入連結されている。

【００１８】更に、スイッチ部３の構成は、図２に示す
ように、基板１のスイッチ用窪み２３底面にインサート
成形にて設けられた固定接点２４Ａ，２４Ｂの上に弾性
金属薄板からなるダイアフラム状のスイッチ可動接点２
５が載せられたもので、この中央部上面に、上記揺動体
５の舌片状の駆動部５Ｂの先端突部２６が当接してい
る。

【００１９】尚、固定接点２４Ａ，２４Ｂは各々基板１
側面の接続端子２４Ｃ，２４Ｄ（図示せず）と導通して
いる。

【００２０】そして、上記揺動体５の駆動部５Ｂの先端
突部２６がスイッチ可動接点２５の中央部上面に当接し
ていることによって、揺動体５およびつまみ４は通常状
態において基板部１に対しほぼ垂直な位置を保ってい
る。

【００２１】本実施例のプッシュスイッチ付回転操作型
エンコーダは以上のように構成されるものであるが、電
子機器に装着される場合は、図４に示すように、基板１
の外周の端子８Ａ，９Ａ，１０Ａおよび２４Ｃ，２４Ｄ
を機器のプリント配線基板２７に半田付けして固定さ
れ、円板状つまみ４の外周の一部４Ａが機器の外装ケー
ス２８の隙間から外部に突出するように取付けられる。

【００２２】次に、本実施例のプッシュスイッチ付回転
操作型エンコーダの動作について説明する。

【００２３】まず、図５に示すように、エンコーダ部２
の上端に取付けられた円板状つまみ４の外装ケース２８
から突出した部分４Ａに接線方向の力を加えて回転させ
ることにより、図２および図３に示す操作軸１６および
薄肉部１５を介した回転体１３が円筒状筐体部６内の円
形窪み７を中心として回転し、回転体１３下面の放射状
可動接点板１２の上を固定弾性接点８，９，１０が弾接
して摺動し、この接触部分で円板状操作つまみ４の回転
操作に連動したパルス信号を発生する。

【００２４】この時、回転体１３上面の凹凸部１１に弾
接した節度ばね１４の弾性脚先端のダボ部１４Ａは、回
転操作前にはまり込んでいた凹部から凸部を乗り越えて
次の凹部へと節度感を出しながら移っていき、回転操作
に連動したパルス信号の数に相当する凸部を乗り越えた
位置の凹部にはまり込んで停止する。

【００２５】また、揺動体５は、その駆動部５Ｂ先端の
突部２６がスイッチ可動接点２５の上面に当接したまま
で動かない。

【００２６】そして、このパルス信号が弾性接点８，
９，１０から基板１の外周の接続端子８Ａ，９Ａ，１０
Ａを経て電子機器のプリント配線基板２８の回路に伝達
される。

【００２７】次に、図６に示すように、円板状つまみ４
の突出した部分４Ａに、つまみ４の中心とスイッチ部３
の中心を結ぶ方向（矢印Ｆ１方向）の押し力を加える
と、つまみ４および揺動体５が円筒状筐体部６外周の二
ヶ所の支持用突部１７Ａ，１７Ｂを中心として時計方向
（矢印Ｆ２方向）に少しの角度だけ回転し、これに伴っ
て揺動体５の駆動部５Ｂ先端の突部２６が下方（矢印Ｆ
３方向）に動いて、その下側に当接したスイッチ部３の
ダイアフラム状のスイッチ可動接点２５の弾性力に逆ら
ってその中心部を下方に押し下げる。

【００２８】これによりスイッチ可動接点２５が反転し
て固定接点２４Ａ，２４Ｂの間を短絡させ、その信号が
基板１外周の接続端子２４Ｃ，２４Ｄを経て電子機器の
プリント配線基板２７の回路に伝達される。

【００２９】この時、つまみ４の中心に連結された操作
軸１６もつまみ４と共に少し傾くが、薄肉連結部１５を
支点として自由に傾き得るように設定されているため、
回転体１３すなわちエンコーダ部２への影響は無い。

【００３０】この後、つまみ４に加えていた力を除く
と、スイッチ可動接点２５がその弾性復元力によって元
のダイアフラム形状に復帰しようとして駆動部５Ｂ先端
の突部２６を上方に押し上げることにより、揺動体５お
よびつまみ４が図２の状態に復帰する。

【００３１】上記の実施例では、駆動部５Ｂ先端の突部
２６がスイッチ部３のダイアフラム状のスイッチ可動接
点２５の中央部上面に当接することによって揺動体５お
よびつまみ４は基板１に対して垂直な位置を保っている
が、つまみ４の突出部分４Ａに接線方向の力を加えて回
転させる場合に、つまみ４にＦ１方向の力が加わりすぎ
ると、スイッチ部３が動作してしまう危険性がある。

【００３２】しかし、この現象を防ぐために、駆動部５
Ｂ先端の突部２６を押し戻す力、すなわちスイッチ部３
の金属薄板製ダイアフラム状のスイッチ可動接点２５の
弾性力を大きくすることは、スイッチ特性との関係があ
り難しく、このような現象を防ぐことができるプッシュ
スイッチ付回転操作型電子部品について以下に実施例２
で説明する。

【００３３】（実施例２）図７は本発明のプッシュスイ
ッチ付回転操作型電子部品の第二の実施例を示すもので
あり、上記第一の実施例のプッシュスイッチ付回転操作
型エンコーダの駆動部５Ｂの先端を押し上げる方向に付
勢するばね体２９を、スイッチ部３のダイアフラム状の
スイッチ可動接点２５とは別に追加装着するものであ
る。

【００３４】すなわち、図７に示すように、基板１のス
イッチ可動接点２５を収容した窪み２３の途中に段部２
３Ａを設け、この部分に、図８に示すような中央孔２９
Ａ付きのばね性金属薄板製の板ばね２９を挿入して駆動
部５Ｂ先端の突部２６の周囲を上方に押し上げるもので
あり、スイッチ部３のダイアフラム状のスイッチ可動接
点２５を変更することなく、駆動部５Ｂの先端を押し戻
す力を大きくしてつまみ４を回転操作する場合に、つま
み４に図６のＦ１方向の力が加わってスイッチ部３を誤
動作させることを防止できるものである。

【００３５】（実施例３）図９は本発明のプッシュスイ
ッチ付回転操作型電子部品の第三の実施例を示すもので
あり、上記第一の実施例のプッシュスイッチ付回転操作
型エンコーダにおけるエンコーダ部２の回転体１３の円
板部と操作軸１６が薄肉部１５で連結されて、操作軸１
６は薄肉連結部１５を支点として自由に傾き得るように
構成されていたものを、回転体３０の中央孔３１を六角
形等非円形孔とし、直線棒状の操作軸３２に対して、円
筒状筐体部６外周の二ヶ所の揺動支持用突部１７Ａ，１
７Ｂと同高さの位置に、上記回転体３０の非円形中央孔
３１と同形状でこの孔に軽い力で圧入できる非円形形状
のフランジ部３３を設けたもので、その上端部はつまみ
４の中心孔２２に圧入連結されると共に、下端部は基板
部１の円形窪み７の底面に当接している。

【００３６】この場合、つまみ４にＦ１方向の押し力を
加えると、つまみ４および揺動体５と共に操作軸３２が
フランジ部３３を支点として傾く。

【００３７】（実施例４）図１０は本発明のプッシュス
イッチ付回転操作型電子部品の第四の実施例を示すもの
で、回転体３０の中央孔３１を六角形等の非円形孔とす
ることは上記第三の実施例と同じであるが、直線棒状の
操作軸部３４を円板状つまみ３５と一体に形成し、この
操作軸部３４に対して、円筒状筐体部６外周の二ヶ所の
揺動支持用突部１７Ａ，１７Ｂと同高さの位置に回転体
３０の非円形中央孔３１と同形状のフランジ部３６を設
けるもので、つまみ３５にＦ１方向の押し力を加える時
の動作は第三の実施例と同様である。

【００３８】なお、以上の実施例では水平回転操作する
電子部品として回転型エンコーダを例として説明した
が、これは回転型可変抵抗器等の他の電子部品でもよい
ことは勿論である。

【００３９】

【発明の効果】以上のように本発明によると、水平回転
型部品部とプッシュスイッチ部を一個の操作つまみで個
別に操作することができるので、リモートコントローラ
や携帯用電子機器等の小形化に有利であると共に、回転
型部品部とプッシュスイッチ部を連続して操作する場合
に、つまみを操作する指を一方のつまみから離して他方
のつまみへ移す必要がないので、迅速に操作することが
できる。

【００４０】また、水平回転型部品部とプッシュスイッ
チ部を一つの基板の上に装着して、これらを一つのまと
まった部品として取扱うことができるので、回転型部品
部とプッシュスイッチ部との位置関係を正確に保つこと
ができて、プッシュ操作時の動作が確実であると共に電
子機器への装着も容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のプッシュスイッチ付回転操作型電子部
品の第一の実施例のプッシュスイッチ付回転操作型エン
コーダの斜視図

【図２】同実施例の側面断面図

【図３】同図２Ｅ−Ｅ’線における断面図

【図４】同実施例の使用機器への装着状態を示す使用機
器の側面断面図

【図５】同実施例の回転型エンコーダ部の動作を説明す
る一部切欠断面平面図

【図６】同実施例のプッシュスイッチ部の動作を説明す
る一部切欠断面側面図

【図７】第二の実施例の側面断面図

【図８】図７の要部である板ばねの斜視図

【図９】第三の実施例の側面断面図

【図１０】第四の実施例の側面断面図

【符号の説明】

１ 基板部 ２ 回転型エンコーダ部 ３ プッシュスイッチ部 ４ 円板状つまみ ５ 揺動体 ５Ａ 平板部 ５Ｂ 駆動部 ８，９，１０ 固定弾性接点 １１ 放射状凹凸部 １２ 放射状可動接点 １３ 回転体 １４ 弾性脚 １４Ａ ダボ部 １５ 薄肉連結部 １６ 操作軸 １７Ａ，１７Ｂ 揺動支持用突部 ２０ 円形孔

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松井 博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転体との連結部を支点として自由に傾
   き得る回転操作軸を有し、その筐体部外周両側に揺動支
   持部を有する回転部品および上方から操作するプッシュ
   スイッチ部を並置した基板部と、回転部品部と同心の円
   形孔を有する平板部および揺動によってプッシュスイッ
   チ部を駆動する駆動部からなり、上記揺動支持部によっ
   て揺動可能に支持された揺動体と、揺動体平板部の上部
   に回転部品と同心に配され、平板部の円形孔によって回
   転可能に保持されると共に、回転部品部の操作軸と連結
   された円形状つまみからなるプッシュスイッチ付回転操
   作型電子部品。
2. 【請求項２】 揺動体を保持する回転部品部筐体外周両
   側の支持部の中心線が、操作軸の傾倒中心点を通ると共
   に、回転部品部とプッシュスイッチ部の中心を結ぶ直線
   に垂直な回転部品部の中心線上にあり、通常状態におい
   て駆動体の先端がプッシュスイッチ部の操作部の上端に
   当接している請求項１記載のプッシュスイッチ付回転操
   作型電子部品。
3. 【請求項３】 回転部品部の操作軸が回転体と薄肉部で
   連結して一体形成された請求項１または２記載のプッシ
   ュスイッチ付回転操作型電子部品。
4. 【請求項４】 回転部品部の操作軸が回転体の非円形中
   心孔と傾倒自在に嵌合した単体軸である請求項１または
   ２記載のプッシュスイッチ付回転操作型電子部品。
5. 【請求項５】 回転部品部の操作軸が円板状つまみと一
   体に形成され、回転体の非円形中心孔と傾倒自在に嵌合
   した請求項１または２記載のプッシュスイッチ付回転操
   作型電子部品。
6. 【請求項６】 回転部品部が回転体の下面に放射状接点
   を有する回転型エンコーダであり、筐体の上部から伸ば
   された弾性脚のダボ部が回転体上面の放射状凹凸部に当
   接することにより回転体が節度感を伴って回転する構成
   とした請求項１〜５いずれか記載のプッシュスイッチ付
   回転操作型電子部品。
7. 【請求項７】 回転部品部の弾性脚のダボ部が回転体上
   面の放射状凹凸部の凹部にはまり込んだ時、エンコーダ
   部の出力信号がＯＦＦとなる請求項６記載のプッシュス
   イッチ付回転操作型電子部品。
8. 【請求項８】 駆動体先端を押し上げる方向に付勢する
   ばね体を装着した請求項１〜７いずれか記載のプッシュ
   スイッチ付回転操作型電子部品。