WO2001006584A1 - Binder composition for lithium ion secondary battery electrodes and use thereof - Google Patents

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Claims

明 細 書 :次電池電極用バインダ一組成物およびその利用 技 術 分 野 本発明はリチウムイオン二次電池電極に用いられるバインダ一組成物、 そのス ラリー、 該スラリーから製造される電極、 および該電極を用いて製造されるリチ '二次電池に関する。 背 景 技 術 近年、 ノート型パソコン、 携帯電話、 P D Aなどの携帯端末の普及が著しい。 これら携帯端末の電源に用いられている二次電池には、 リチウムィオン二次電池 (以下、 単に 「電池」 ということがある) が多用されている。 携帯端末は、 より 快適な携帯性を求め、 小型化、 薄型化、 軽量化、 高性能化が急速に進んだ。 その 結果、 携帯端末は様々な場で利用されている。 携帯端末の利用範囲の増大に伴つ て、 電池に対しても、 携帯端末に対するのと同様に小型化、 薄型化、 軽量化、 高 性能化の要求がされている。 上記の要求に応えるために、 電極、 電解液、 その他の電池部材の改良が検討さ れている。 とりわけ、 電極については、 活物質ゃ集電体の検討の他、 活物質を集 電体に保持するためのバインダーに関する検討がなされている。 通常、 このバイ ンダーを水や有機液体と混合してバインダ一組成物となし、 当該組成物と活物質 および必要に応じて導電性材料などを混合してスラリーとなし、 これを集電体に 塗布、 乾燥して電極が製造される。 こうしたバインダー組成物のバインダー成分 として種々の重合体を含むものが提案されている。 特に、 最近は、 容量が高く、 充放電の繰り返しによるその容量低下の小さい二 次電池用の電極の製造に適したバインダー組成物の開発が急務となっている。 例えば、 特開平 8— 2 8 7 9 1 5号公報には、 バインダー成分として、 アタリ ル酸エステルもしくはメタクリル酸エステル、 アタリロニトリルおよび酸成分を 有するビュルモノマーからなる共重合体を用いて正極および Zまたは負極を作成 することによって、 容量が高く、 充放電サイクル特性が改善されたリチウムィォ ン二次電池が得られることが記載されている。 しかしながら、 発明者らが検討したところ、 前記公報記載の共重合体バインダ 一を用いて製造したリチウムィオン二次電池でも、 充放電サイクル特性を充分満 足するものでないこと、 すなわち、 初期容量は良好であるが、 充放電の繰り返し による容量の低下が大きいことが判明した。 発 明 の 開 示 上記のような従来技術の状況に鑑み、 本発明の目的は、 容量が高く、 充放電サ ィクル特性が一層改善されたリチウムイオン二次電池の製造に適したバインダー 組成物を提供することにある。 発明者らは、 種々の重合体バインダーを用いて電極を製造し、 バインダーがリ チウムイオン二次電池の特性に与える影響について検討を重ねた結果、 アクリル 酸もしくはメタクリル酸の (ポリ) エチレングリコールエステルの重合体をバイ ンダ一に用いて電極を製造すると、 容量が高く、 高レート充放電サイクル、 低温 充放電サイクルなどを含め充放電サイクル特性が全般に一層改善されたリチウム ィオン二次電池が得られることを見出し、 本発明を完成するに到つた。 かく して本発明によれば、 第一の発明として、 下記一般式 (1 ) : 一 [一 C H2— C (R 1 ) 一]一 I ( 1 ) C O O [ C H (R3 ) - C H (R4 ) 一 0]n— R2 (式中、 R 1は水素、 炭素数 1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基、 またはハ ロゲンであり、 R2は炭素数 1〜2 0の直鎖、 分岐もしくは環状のアルキル基、 または炭素数 6〜 3 0のァリール基であり、 R3および R4は水素またはメチル基 であり [ただし、 R3と R4が同時にメチル基になることはない] 、 nは 1〜5 0 の整数である。 ) で表される構造単位を有する重合体が液状媒体に分散されてな ることを特徴とするリチウムィオン二次電池電極用バインダー組成物が提供され る。 第二の発明として、 第一の発明である上記のバインダー組成物と活物質とを含 有することを特徴とするリチウムイオン二次電池電極用スラリ一が提供される。 第三の発明として、 第二の発明である上記のスラリーを集電体上に塗布し、 乾 燥することによって形成されたことを特徴とするリチウムイオン二次電池用電極 が提供される。 さらに、 第四の発明として、 正極および負極の少なくとも一方が、 第三の発明 である上記の電極からなることを特徴とするリチウムィオン二次電池が提供され る。 発明を実施するための最良の形態 以下、 本発明のバインダー組成物、 そのスラリー、 該スラリーから製造される 電極、 および該電極を用いて製造されるリチウムィオン二次電池について順次説 明する。
1. バインダー組成物
本発明のバインダー組成物は、 上記一般式 (1) で表される構造単位を有する 重合体が液状媒体に分散されてなる液状分散体である。 一般式 (1) において、 R1は水素、 炭素数 1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基、 およびハロゲンか ら選ばれる。 アルキル基の具体例としてはメチル、 ェチル、 プロピル、 イソプロ ピル、 n—ブチルおよびイソブチルなどが挙げられ、 ハロゲンの具体例としては 塩素、 臭素などが挙げられる。 R1は、 好ましくは水素またはメチル基である。 R2は炭素数 1〜 20、 好ましくは 1〜 1 5の直鎖、 分岐もしくは環状のアルキ ル基、 または炭素数 6〜30、 好ましくは 6〜20のァリール基である。 R2の 具体例としてはメチル、 ェチル、 ブチル、 フエ-ルおよびノニルフエニルなどが 挙げられ、 これらの中でもメチル基が好ましい。 R3および R4は水素またはメチ ル基であるが、 R3と R4が同時にメチル基になることはない。 nは 1〜50、 好 ましくは 2〜 30、 より好ましくは 5〜 25の整数である。
上記一般式 (1) で表される構造単位を有する重合体は、 下記一般式 (2) :
CH2 =CR'
COO[CH (R3) 一 CH (R4) —〇]n - R2 (2) (式中、 R R2、 R3および R4は前述のとおりである) で表わされるエチレン 系不飽和モノカルボン酸エステル単量体の重合によって得られる。 このエチレン 系不飽和モノカルボン酸エステル単量体の具体例としては、 メ トキシポリエチレ ングリコールメタクリ レート、 ェトキシポリエチレングリコールメタクリ レート 、 メ トキシポリエチレングリコールアタリ レート、 エトキシポリエチレングリコ ールァクリ レート、 メ トキシジエチレングリコールメタクリ レート、 エトキシジ エチレングリコーノレァクリ レート、 メ トキシジプロピレンダリコーノレメタクリ レ ート、 メ トキシジプロピレングリコールアタリ レート、 メ トキシェチノレメタクリ レート、 メ トキシェチルアタリ レート、 2—エトキシェチルメタクリ レート、 2 一エトキシェチルアタリレート、 ブトキシェチルメタタリレート、 ブトキシェチ ルァクリ レート、 フエノキシェチルメタクリ レートおよびフエノキシェチルァク リレートなどが挙げられる。 これらのエチレン系不飽和モノカルボン酸エステル 単量体は単独でまたは 2種以上を組合せて用いることができる。
上記一般式 (1 ) で表される構造単位を有する重合体は、 該構造単位のみから なる単独重合体であってもよいが、 一般式 (1 ) で表される構造単位の他に、 一 般式 (1 ) で表される構造単位以外の非極性の (メタ) アクリル酸エステル単位 、 および極性単量体単位を有する共重合体であることが好ましい。
一般式 (1 ) で表される構造単位以外の非極性の (メタ) アクリル酸エステル 構造単位を導入することによつて重合体の集電体との密着性や柔軟性を高めるこ とができる。 そのような (メタ) アクリル酸エステル構造単位は下記式 (3 ) で 表わされる。
一 [一 C H 2— C (R 5) 一]一
I ( 3 )
C O O R 6
(式中、 R 5は水素またはメチル基であり、 R 6は炭素数 1〜 2 0、 好ましくは 1 〜 1 2のアルキル基である。 )
式 (3 ) で表わされる (メタ) アクリル酸エステル構造単位を導入するために 共重合されるァクリル酸アルキル単量体およびメタクリル酸アルキル単量体の具 体例としては、 メチルアタリ レート、 ェチルアタリ レート、 プロピルァクリ レ一 ト イソプロピルアタリ レート、 n—ブチノレアタリ レート、 イソブチノレアクリ レ ート、 n—ァミルアタリ レート、 イソアミルアタリ レート、 n—へキシルアタリ レート、 2—ェチルへキシルァクリ レートおよびラウリルァクリ レートなどのァ ルキルァクリ レート ; ならびにメチルメタクリ レート、 ェチルメタクリ レート、 プロピルメタクリ レート、 イソプロピルメタクリ レート、 n _ブチルメタクリ レ ート、 イソブチルメタクリ レート、 n—ァミルメタタリ レート、 イソアミルメタ クリ レート、 n _へキシノレメタクリ レート、 2 _ェチルへキシルメタクリ レート 、 ジメチルアミノエチルメタクリレート、 ジェチルアミノエチルメタタリレート およびラゥリルメタクリレートなどのアルキルメタクリレートが挙げられる。 こ れらのァクリル酸アルキルおよびメタクリル酸アルキルは単独でまたは 2種以上 を組合せて用いることができる。
極性単量体構造単位を導入することによって重合体の液状分散媒、 特に有機分 散媒への分散性が向上する。 極性単量体の具体例としては、 アクリロニトリルお よびメタクリロニトリルなどのシァノ基含有モノエチレン性不飽和単量体; 2— ヒ ドロキシェチノレメタクリ レート、 2 —ヒ ドロキシェチノレアタリ レート、 2—ヒ ドロキシプロピルメタタリ レート、 2—ヒ ドロキシプロピルアタリ レート、 ジメ チルアミノエチルメタクリ レートおよびジェチルアミノエチルメタクリ レートな どの水酸基、 アミノ基またはアルキルアミノ基などの置換基を有する炭素数 1 〜 2 0、 好ましくは炭素数 1 〜 1 2のアルキル基を有する (メタ) アクリル酸アル キル;ならびにァクリル酸、 メタクリル酸およびクロトン酸などのエチレン性不 飽和モノカルボン酸単量体などが挙げられる。 これらの極性単量体も単独でまた は 2種以上を組合せて用いることができる。
通常、 上記の共重合体は、 前記式 (1 ) で表される構造単位 0 . :! 〜 1 0 0重 量%、 好ましくは 0 . 5〜 6 0重量%、 より好ましくは 0 . 5〜 5 0重量%、 前 記式 (3 ) で表わされる (メタ) アタリレート単位 0〜 9 9 . 9重量%、 好まし くは 1 0〜 9 5重量0 /0、 より好ましくは 3 0〜 9 0重量%、 および極性単量体単 位 0〜 5 0重量0 /0、 好ましくは 0 . 1 〜 3 0重量%、 より好ましくは 0 . 5〜 2 0重量。 /0からなる。
本発明のバインダー組成物中の上記重合体の含有量は、 通常、 組成物重量に基 づき 0 . 2〜 8 0重量0 /0、 好ましくは 0 . 5〜 7 0重量%、 より好ましくは 0 . 5〜60重量%である。
重合体に架橋構造をもたせるため、 上記構造単位以外に、 多官能エチレン性不 飽和単量体由来の構造単位を導入することができる。 このような構造単位を与え る単量体としては、 ジビュルべンゼンなどのジビニル化合物、 ジエチレングリコ 一ルジメタクリレート、 エチレンダリコールジメタクリレートなどのジメタクリ ル酸エステル; トリメチロールプロパントリメタタリレートなどのトリメタクリ ル酸エステノレ ;ポリエチレングリコールジァクリレート、 1, 3—ブチレングリ コールジァクリレートなどのジァクリル酸エステル; トリメチロールプロパント リアクリレートなどのトリアクリル酸エステルが挙げられる。 これらの架橋性単 量体は単独でまたは 2種以上を組合せて用いることができる。 架橋構造を与える 単量体の単位の量は、 重合体を構成する全構造単位に対して、 20重量%以下、 通常、 0. 1〜20重量。 /0、 好ましくは 0. 5〜15重量%、 より好ましくは 1 〜10重量%である。 また、 重合体製造後に架橋せしめてもよい。 重合体中に架 橋構造単位が存在すると、 充放電サイクル特性、 特に高温での充放電サイクル特 性がより安定し、 耐電解液性が増大するので好ましい。
本発明において上記重合体の液状分散体の調製に用いる液状媒体は、 重合体の 分散がよいものであれば格別限定されることはなく、 通常、 常圧における沸点が 80〜350°C、 好ましくは 100〜300°Cの分散媒から選ばれる。 好ましい 分散媒としては下記のものが例示される (分散媒名の後の ( ) 内の数字は常圧 での沸点 (単位で) であり、 小数点以下は四捨五入または切り捨てられた値であ る) 。 水 (100) 、 n—ドデカン (216) 、 デカヒ ドロナフタレン (189 〜191) およびテトラリン (207) などの炭化水素類; 2—ェチル— 1—へ キサノ一ル (184) および 1ーノナノール (214) などのアルコール類;ホ ロン (197) 、 ァセトフエノン (202) およびイソホロン (215) などの ケトン類;酢酸べンジル (213) 、 酪酸ィソペンチル (184) 、 γ—ブチ口 ラタ トン (204) 、 乳酸メチル (143) 、 轧酸ェチル (154) および乳酸 ブチル (185) などのエステル類; ο—トルイジン (200) 、 m—トルイジ ン (204) および p—トルイジン (201) などのアミン類; N—メチル一 2 —ピロリ ドン (202) 、 N, N—ジメチルァセトアミ ド (194) およびジメ チルホルムアミ ド (1 5 3 ) などのアミ ド類;ならびにジメチルスルホキシド ( 1 8 9 ) およびスルホラン (2 8 7 ) などのスルホキシド .スルホン類などの有 機分散媒が挙げられる。
本発明のバインダー組成物中の重合体は、 通常、 粒子形状で液状分散媒中に分 散している。 重合体粒子の存在は、 透過型電子顕微鏡法や光学顕微鏡法などによ つて容易に確認できる。 重合体粒子の体積平均粒径は、 0 . Ο Ο Ι μ η!〜 l mm 、 好ましくは 0 . 0 1 !〜 5 0 0 μ πιである。 体積平均粒径はコールターカウ ンターやマイクロ トラックを用いて測定することができる。
本発明のバインダ一組成物を得る方法は特に制限されないが、 製造効率の良さ などから、 重合体を水に分散してなるラテックス、 およびラテックスの水を前述 の有機分散媒で置換したものが好ましい。 分散媒の置換方法としては、 ラテック スに有機分散媒を加えた後、 分散媒中の水分を蒸留法、 分別濾過法、 分散媒相転 換法などにより除去する方法など力 S採られる。
ラテックスなどの製造方法は特に制限されず、 乳化重合法、 懸濁重合法などに よって製造することができる。 例えば、 「実験化学講座」 第 2 8卷、 (発行元: 丸善 (株) 、 日本化学会編) に記載された方法、 すなわち、 攪拌機および加熱装 置付きの密閉容器に水、 分散剤や乳化剤、 架橋剤などの添加剤、 開始剤およびモ ノマーを所定の組成になるように加え、 攪拌してモノマーなどを水に懸濁または 乳化させ、 攪拌しながら温度を上昇させて重合を開始する方法などによって、 重 合体が水に分散したラテックスを得ることができる。 このほか、 分散重合法によ つて直接本発明のバインダ一組成物を製造することもできる。 乳化剤や分散剤、 重合開始剤などはこれらの重合法にぉレ、て一般的に用いられるものであり、 その 使用量も一般に使用される量でよい。 また重合に際しては、 シード粒子を使用す ること (シード重合) もできる。
重合温度および重合時間は、 重合法や使用する重合開始剤の種類などにより任 意に選択できるが、 通常、 重合温度は約 3 0 °C以上、 重合時間は 0 . 5〜3 0時 間程度である。 アミン類などの添加剤を重合助剤として用いることもできる。 さらにこれらの方法によって得られるラテックスに、 アルカリ金属 (L i、 N a、 K、 R b、 C s ) 水酸化物、 アンモニア、 有機アミン化合物 (エタノールァ ミン、 ジェチルァミンなど) などが溶解している塩基性水溶液を加えて p H 5〜 1 0、 好ましくは 5〜 9の範囲になるように調整することができる。 なかでも、 アルカリ金属水酸化物による p H調整は、 集電体と活物質との結着性 (ピール強 度) を向上させるため好ましい。
上述した重合体は、 2種以上の重合体からなる複合重合体粒子であつてもよい 。 複合重合体粒子は、 少なくとも 1種のモノマー成分を常法により重合し、 引き 続き、 他の少なくとも 1種のモノマー成分を添加し、 常法により重合させる方法
(二段重合法) などによって得ることができる。 このような二段重合法により得 られる重合体を用いると特に優れた電池特性が得られる。
複合重合体粒子は、 通常、 異形構造をとるが、 この異形構造とは、 通常ラテツ クスの分野でコアシェル構造、 複合構造、 局在構造、 だるま状構造、 いいだこ状 構造、 ラズベリー状構造などと言われる構造 ( 「接着」 3 4巻1号第1 3〜2 3 頁記載、 特に第 1 7頁記載の図 6参照) を指す。
本発明のバインダー組成物中の重合体がバインダーとして機能するためには、 当該重合体が電解液に溶解し難いものであることが重要である。 このため、 バイ ンダ一組成物中の重合体は、 対電解液ゲル含有率 (以下、 単に 「ゲル含有率」 と レヽう) 、 5 0〜: 1 0 0 %、 好ましくは 6 0〜: 1 0 0 %、 より好ましくは 7 0〜 1 0 0 %であることが望ましい。 ここで、 ゲル含有率は、 エチレンカーボネート Zジェチルカーボネート = 5 0 / 5 0 ( 2 0 °Cでの体積比) の組成の混合溶媒に L i P F6が 1モル リットルの割合で溶解した溶液からなる電解液に対する重 合体の不溶分百分率として算出される値である (測定法は後記) 。
また、 本発明のバインダー組成物は、 重合体が液状媒体に分散している (好ま しくは粒子の形状で分散している) ことが、 良好な電極を得るために重要である 。 この観点から、 バインダー組成物の調製に用いる液状媒体に対する重合体のゲ ル含有率も 5 0〜 1 0 0 %、 好ましくは 6 0〜 1 0 0 %、 より好ましくは 7 0〜 1 0 0 %であることが、 充放電サイクル特性、 初期放電容量および保存特性の点 から望ましい。 このゲル含有率は、 対液状媒体ゲル含有率であり、 バインダー組 成物を形成している媒体に対する重合体粒子の不溶分百分率で表される。
また、 本発明のバインダー組成物には、 該組成物を含むスラリーを集電体に塗 布する場合においてスラリ一の塗料性を向上させるため、 粘度調整剤や流動化剤 などの添加剤を含有せしめることができる。 これらの添加剤としては、 カルボキ シメチルセノレロース、 メチルセルロース、 ヒ ドロキシプロピルセルロースなどの セルロース類、 およびこれらのアンモニゥム塩およびアルカリ金属塩、 ポリ (メ タ) アクリル酸ナトリウムなどのポリアクリル酸塩、 ポリビニルアルコール、 ポ リエチレンォキシド、 ポリビニルピロリ ドン、 (メタ) アクリル酸または (メタ ) アタリル酸塩とビニルアルコールの共重合体、 無水マレイン酸またはマレイン 酸もしくはフマル酸とビニルアルコールの共重合体、 変性ポリビニルアルコール 、 変性ポリ (メタ) アクリル酸、 ポリエチレングリコール、 エチレンービニルァ ルコール共重合体および酢酸ビュル重合体などが挙げられる。 これらの添加剤の 使用割合は、 必要に応じて自由に選択することができる。
さらに、 本発明のバインダー組成物には、 上述した重合体以外の重合体が含ま れていてもよい。 これらの重合体は、 一般に電池電極用バインダーとして知られ ている重合体であればよく、 その使用量は、 上述した式 (1 ) で表わされる構造 単位を含む重合体 1重量部に対して 5重量部以下が好ましい。
2 . 電池電極用スラリー
本発明のリチウムイオン二次電池電極用スラリーは、 上記のバインダー組成物 と活物質とを含有することを特徴としており、 上述した本発明のバインダー組成 物に活物質および必要に応じて種々の添加剤を混合して得られるものである。
(活物質)
活物質は、 通常のリチウムイオン二次電池用電極の製造に使用されるものであ れば、 いずれであっても用いることができる。
負極活物質としては、 アモルファスカーボン、 ハードカーボン、 グラフアイ ト 、 天然黒鉛、 M CMB、 ピッチ系炭素繊維などの炭素質材料、 ポリアセンなどの 導電性高分子、 複合金属酸化物やその他の金属酸化物などが挙げられる。
正極活物質としては、 C u 2 V23、 非晶質 V2〇一 P 2 05、 M o Oい V2 05 、 V6 01 3などの遷移金属酸化物や L i C o 02、 L i N i Oい L i M n〇2、 L i M n 24などのリチウム含有複合金属酸化物などが例示される。 さらに、 ポリ
\ ポリ一 p—フエ二レンなどの導電性高分子など有機系化合物を用レ、 10
ることもできる。
本発明の電池電極用スラリー中の活物質の量は特に制限されないが、 通常、 重 合体 (バインダー組成物の固形分) に対して重量基準で 1〜1, 0 0 0倍、 好ま しくは 2〜 5 0 0倍、 より好ましくは 3〜5 0 0倍、 とりわけ好ましくは 5〜3 0 0倍になるように配合する。 活物質量が少なすぎると、 集電体に形成された活 物質層に不活性な部分が多くなり、 電極としての機能が不十分になることがある 。 また、 活物質量が多すぎると活物質が集電体に十分固定されず脱落しやすくな る。 なお、 電極用スラリーに分散媒である水や有機分散媒を追加して集電体に塗 布しゃすい濃度に調節して使用することもできる。
(添加剤)
必要に応じて、 本発明のスラリーにはバインダー組成物に添加したものと同じ 粘度調整剤や流動化剤を添加してもよく、 さらに、 グラフアイ ト、 活性炭などの カーボンや金属粉のような導電材などを添加することができる。
3 . リチウムイオン二次電池電極
本発明のリチウムイオン二次電池用電極は、 上記のスラリーを用いて製造され たことを特徴とする。 すなわち、 上記のスラリーを金属箔などの集電体に塗布し 、 乾燥して集電体表面に活物質を固定することによって製造される。 本発明のリ チウムイオン二次電池用電極は、 正極および負極のいずれであってもよい。
集電体は、 導電性材料からなるものであれば特に制限されないが、 通常、 鉄、 銅、 アルミニウム、 ニッケル、 ステンレスなどの金属製のものである。 形状も特 に制限されないが、 通常、 厚さ 0 . 0 0 1〜0 . 5 mm程度のシート状のもので ある。
スラリーの集電体への塗布方法は特に制限されない。 例えば、 ドクターブレー ド法、 ディップ法、 リバースロール法、 ダイレク トロール法、 グラビア法、 ェク ストル一ジョン法、 浸潰、 ハケ塗りなどによって塗布される。 塗布する量も特に 制限されないが、 水や有機分散媒を乾燥などの方法によって除去した後に形成さ れる活物質層の厚さが 0 . 0 0 5〜5 mm、 好ましくは 0 . 0 1〜2 mmになる 量が一般的である。 乾燥方法も特に制限されず、 例えば温風、 熱風、 低湿風によ る乾燥、 真空乾燥、 (遠) 赤外線や電子線などの照射による乾燥が挙げられる。 乾燥条件は、 通常は応力集中によって活物質層に亀裂が入ったり、 活物質層が集 電体から剥離しない程度の速度範囲の中で、 できるだけ早く水や有機分散媒が除 去できるように調整する。
さらに、 乾燥後の集電体をプレスすることにより電極の活物質の密度を高めて もよレ、。 プレス方法としては、 金型プレスやロールプレスなどによる方法が挙げ られる。
4 . リチウムイオン二次電池
本発明のリチウムイオン二次電池は、 電解液と本発明のリチウムイオン二次電 池用電極を含み、 必要に応じてセパレーターなどの部品を用いて、 常法に従って 製造されるものである。 具体的には、 例えば、 正極と負極とをセパレータを介し て重ね合わせ、 電池形状に応じて巻く、 または折るなどして、 電池容器に入れ、 電解液を注入して封口する。 電池の形状は、 コイン型、 ボタン型、 シート型、 円 筒型、 角形、 扁平型など何れであってもよい。
電解液は、 通常リチウムイオン二次電池に用いられるものであれば、 液状、 ゲ ル状などいずれでもよく、 負極活物質、 正極活物質の種類に応じて電池としての 機能を発揮するものを選択すればよレ、。
電解質としては、 例えば、 従来より公知のリチウム塩がいずれも使用でき、 具 体例としては、 L i C l〇4、 L i B F6、 L i P F6、 L i C F 3 S〇3、 L i C F 3 C〇2などが挙げられる。 ポリマー電解質を用いることもできる。
この電解質を溶解させる溶媒 (電解液溶媒) は特に限定されるものではない。 具体例としてはプロピレン力—ボネート、 エチレンカーボネート、 ブチレンカー ボネー ト、 ジメチノレカーボネー トおよびジェチノレカーボネー トなどのカーボネー ト類; Ύ一プチロラクトンなどのラク トン類; トリメ トキシメタン、 1 , 2—ジ メ トキシェタン、 ジェチルェ一テル、 2—エトキシェタン、 テトラヒ ドロフラン および 2—メチルテトラヒ ドロフランなどのェ一テル類; ジメチルスルホキシド などのスルホキシド類; 1, 3—ジォキソランおよび 4ーメチルー 1 , 3—ジォ キソランなどのォキソラン類;ァセトニトリルおよび二トロメタンなどの含窒素 類;ギ酸メチル、 酢酸メチル、 酢酸ェチル、 酢酸ブチル、 プロピオン酸メチルぉ よびプロピオン酸ェチルなどの有機酸エステル類; リン酸トリエステルや、 炭酸 ジメチル、 炭酸ジェチルおよび炭酸ジプロピルのような炭酸ジエステルなどの無 機酸エステル類;ジグライム類; トリグライム類;スルホラン類; 3—メチルー
2—ォキサゾリジノンなどのォキサゾリジノン類;ならびに 1 , 3—プロパンス ノレトン、 1 , 4—ブタンスルトンおよびナフタスルトンなどのスルトン類などが 挙げられる。 これらは単独または二種以上の混合溶媒として使用できる。
以下に、 実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、 本発明はこれに限定さ れるものではない。 なお、 実施例における部おょび%は、 特に断りがない限り重 量基準である。
実施例および比較例中の重合体のゲル含有率および電池性能の評価条件は以下 のとおりである。
(重合体のゲル含有率)
電解液に溶解しない重合体の割合をゲル含有率とする。
ラテツクスまたは重合体粒子分散液を約 0. 1 mm厚の重合体膜ができるよう にガラス板に塗布した後、 1 20 °Cで 24時間風乾し、 さらに 1 20 °Cで 2時間 真空乾燥した後 (得られる重合体膜の重量を D 1とする) 、 得られた膜を 200 メッシュ S US金網で作った籠にいれ、 エチレンカーボネート ジェチルカーボ ネート = 50/5 0 (20 °Cでの体積比) 混合液に L i P F6力 S 1モル/リット ルの濃度で溶解した溶液に浸漬し、 60°Cで 48時間加熱処理を行い、 200メ ッシュ金網で濾過して、 金網上に残留した不溶分を 1 20°C、 2時間真空乾燥さ せたものの重量 (D 2) を測定する。 ゲル含有率は、 次式に従って算出される。 ゲル含有率 (%) = (D 2/D 1 ) X 1 00
電池性能 (充放電サイクル特性)
(1) 常温充放電サイクル特性
下記の方法で製造したコイン型電池を用い、 金属リチウムを対極として、 2 5 °Cで充放電レートを 0. 1 Cとし、 4. 2 Vまで充電し 3 Vまで放電する定電流 条件下に 5サイクル終了時、 1 0サイクル終了時および 50サイクル終了時に放 電容量 (正極活物質当たりの容量) を測定する。
(2) 高レート充放電サイクル特性
充放電レートを 1 Cとした他は、 上記 (1) と同様に 5サイクル終了時および 10サイクル終了時に放電容量を測定する。
(3) 低温充放電サイクル特性
雰囲気温度を一 10°Cとした他は上記 (1) と同様に 5サイクル終了時および 10サイクル終了時に放電容量を測定する。
コイン型電池の製造
正極スラリーをアルミニウム箔 (厚さ 20/_tm) に、 また負極スラリーを銅箔 (厚さ 1 8 μπι) にそれぞれドクターブレード法によって均一に塗布し、 1 20 °Cで 1 5分間乾;^で乾燥した後、 さらに真空乾 «にて 5mmHg、 120°C で 2時間減圧乾燥した。 その後、 塗膜された金属箔を室温に戻し、 これを 2軸の ロールプレスによって活物質密度が正極 3. S gZcm3、 負極 1. 3 g/cm3 となるように圧縮した。 この電極を直径 1 5mmの円形に切り抜いた。 外装容器 底面に正極のアルミニウム箔を溶接し、 直径 18mm、 厚さ 25 μπιの円形ポリ プロピレン製多孔膜からなるセパレーター、 負極の銅箔およびエキスパンドメタ ルをこの順番で積層して、 ポリプロピレン製パッキンを設置したステンレス銅製 のコイン型外装容器 (直径 2 Omm、 高さ 1. 8 mm、 ステンレス鋼厚さ 0. 2 5 mm) 中に活物質が互いに対向するように収納した。 この容器中に電解液を空 気が残らないように注入し、 外装容器に厚さ 0. 2mmのステンレス鋼のキヤッ プをかぶせ、 これを前記ポリプロピレン製パッキンを介して固定し、 電池缶を封 止して、 直径 20mm、 厚さ約 2 mmのコイン型電池を製造した。 電解液として は、 エチレンカーボネート / ジェチルカーボネート = 50 50 (20°Cでの体 積比) 混合液に L i P Fe力; 1モルノリットルの濃度で溶解した溶液を用いた。
実施例 1
(重合体粒子の製造)
攪拌機付き反応容器に、 2—ェチルへキシルァクリレート 300部、 メ トキシ ポリエチレンダリコールメタクリ レート 200部、 架橋剤としてトリエチレング リコールジメタクリ レート 15部、 分散剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナ トリウム 5部、 イオン交換水 1000部および重合開始剤として過硫酸力リウム 5部を入れ、 十分撹拌した後、 80°Cに加温し重合した。 モノマー消費量が 99 . 0%になった時点で冷却して反応を止め、 ϋΗ値 8を有する重合体粒子 aのラ テックスを得た。
重合体のゲノレ含有率は 94 %であった。
(バインダ一組成物の製造)
重合体粒子 aのラテックスに、 カルボキシメチルセルロースの N a塩を重合体 粒子 aの固形分に対して 1 : 1 (重量比) となるように添カ卩し、 バインダー組成 物 Aを得た。
(正極の製造)
コバルト酸リチウム 90部に、 アセチレンブラック 5部、 バインダー組成物 A を 5部 (固形分) 加え、 十分に混合して正極用スラリーを得た。 このスラリーを アルミニウム箔に塗布、 乾燥し、 得られたフィルムをロールプレスして厚さ 12 5 μ mの正極 Αを得た。
(電池性能の評価)
常温充放電サイクル特性を測定したところ、 5サイクル終了時で 125mAh /g、 10サイクル終了時で 12 lmAhZg 50サイクルで 1 18 m A h / gと電気容量の低下は極めて小さく、 常温充放電サイクル特性に優れていた。 高レート充放電サイクル特性を評価したところ、 放電容量は 5サイクル終了時 で 105mAh/g、 10サイクル終了時で 95mAh/gと電気容量の低下は 小さかった。
- 10 °Cで低温充放電サイクル特性を評価したところ、 放電容量は 5サイクル 終了時で 105mAhZg、 10サイクル終了時で 97mAh/gと電気容量の 低下は小さかった。
実施例 2
(重合体粒子の製造)
攪拌機付き反応容器に、 2—ェチルへキシルアタリレート 270部、 メ トキシ ポリエチレングリコールメタクリ レート 200部、 アクリロニトリル 6部、 架橋 剤としてトリエチレンダリコールジメタクリレート 6部、 分散剤としてドデシル ベンゼンスルホン酸ナトリウム 15部、 イオン交換水 700部、 重合開始剤とし て過硫酸カリウム 15部を入れ、 十分撹拌した後、 80°Cに加温し重合した。 モ ノマー消費量が 99. 8%になった時点で冷却し反応を止め、 pH値 8を有する 15
重合体粒子 bのラテックスを得た。
重合体のゲル含有率は 91%であった。
(バインダー組成物の製造、 負極の製造、 電池性能の評価)
重合体粒子 bのラテックスに、 カルボキシメチルセルロースの N a塩を重合体 粒子 bの固形分に対して 1 : 1となるように添加し、 バインダ一組成物 Bを得た 。 天然黒鉛 96部にバインダー組成物 B 4部を加えて負極用スラリーを得た。 こ のスラリーを銅箔に塗布、 乾燥、 ロールプレスして厚さ 80 inの負極 Bを得た 。 負極 Bと、 実施例 1と同じ正極 Aとから電池を作製した。 充放電サイクル特性 を評価したところ、 下記結果を得た。
•常温充放電サイクル特性: 5サイクル終了時で 128mAhZg、 10サイク ル終了時で 126mAhZg、 50サイクルで 1 18mAhZgと電気容量の低 下は極めて小さかった。
•高レート充放電サイクル特性: 5サイクル終了時で 11 OmAhZg、 10サ ィクル終了時で 102mAhZg。
•低温充放電サイクル特性: 5サイクル終了時で 101mA h/g、 10サイク ル終了時で 96mAhZg。
実施例 3
(バインダー組成物の製造)
実施例 2で得た重合体粒子 bのラテックス 100部に対して有機溶媒である N 一メチル—2—ピロリ ドン 300部を加えた。 該混合溶液を攪拌しながら真空ポ ンプにて減圧し、 80°Cに加熱して、 水分を除去し固形分濃度 8%の重合体粒子 bの N—メチルー 2—ピロリ ドン分散体を得た。
該分散体に、 エチレン一ビュルアルコール共重合体 (エチレン含量 40%) を 重合体粒子の固形分に対して重量比で 1 : 1の割合で添加し、 バインダー組成物 Cを作製した。
(電池性能の評価)
バインダ一組成物 Aに代えてバインダ一組成物 Cを用いた他は実施例 1と同様 に電池を作製した。 充放電サイクル特性を評価したところ、 下記結果を得た。 '常温充放電サイクル特性: 5サイクル終了時で 132mAhZg、 10サイク ル終了時で 13 OmAhZg 50サイクルで 128mAhZgと電気容量の低 下は極めて小さかった。
•高レート充放電サイクル特性: 5サイクル終了時で 127mAhZg、 10サ ィクル終了時で 123mAhZg。
•低温充放電サイクル特性: 5サイクル終了時で 120mAh/g、 10サイク ル終了時で 1 1 eniAhZgo
比較例 1
(重合体粒子の製造)
攪拌機付き反応容器に、 アクリロニトリル 160部、 2—ェチルへキシルァク リ レート 70部、 スチレン 700部、 架橋剤としてジビュルベンゼン 0. 5部、 分散剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 6部、 イオン交換水 700 部、 重合開始剤として過硫酸カリウム 6部を入れ、 十分撹拌した後、 80°Cに加 温し重合した。 モノマー消費量が 99. 1 %になった時点で冷却して反応を止め 、 重合体粒子 dのラテックスを得た。
重合体のゲル含有率は 85%であった。
(バインダー組成物の製造、 電池性能の評価)
重合体粒子 dのラテックスに、 カルボキシメチルセルロースの N a塩を重合体 粒子 dの固形分に対して 1 : 1となるように添カ卩し、 バインダー組成物 Dを得た 。 バインダー組成物 Aに代えてバインダー組成物 Dを用いた他は実施例 1と同様 に電池を作製した。 充放電サイクル特性を評価したところ、 下記結果を得た。 '常温充放電サイクル特性: 5サイクル終了時で 118mAhZg、 10サイク ル終了時で 66mAh/g, 50サイクルで 12mAhZgと電気容量の低下は 極めて大きかった。
比較例 2
(重合体粒子の製造)
攪拌機付き反応容器に、 アクリロニトリル 300部、 2—ェチルへキシルァク リレート 250部、 スチレン 50部、 分散剤としてドデシルベンゼンスルホン酸 ナトリウム 6部、 イオン交換水 700部、 重合開始剤として過硫酸カリウム 6部 を入れ、 十分撹拌した後、 80°Cに加温し重合した。 モノマー消費量が 9 8 . 8 %になった時点で冷却して反応を止め、 重合体粒子 eのラテックスを得た。
重合体のゲノレ含有率は 1 3 %であった。
(バインダ一組成物の製造、 電池性能の評価)
重合体粒子 eのラテックスに、 カルボキシメチルセルロースの N a塩を重合体 粒子 eの固形分に対して 1 : 1となるように添加し、 バインダー組成物 Eを得た 。 バインダ一組成物 Aに代えてバインダ一組成物 Eを用いた他は実施例 1と同様 に電池を作製した。 充放電サイクル特性を評価したところ、 下記結果を得た。 '常温充放電サイクル特性: 5サイクル終了時で 3 8 mA h Z g 、 1 0サイクル 終了時で 1 6 mA h Z gであった。 産業上の利用可能性
本発明のバインダー組成物を用いて製造される電極を用いてリチウムイオン二 次電池を作製すると、 容量が大きく、 低温充放電サイクル特性、 高レート充放電 特性を含め、 充放電サイクルが全般に一段と改善されたリチウムィオン二次電池 を得ることができる。
請 求 の 範 囲
1. 下記一般式 ( 1 ) :
一 [_CH2— C (R1) -]-
I (1)
COO[CH (R3) -CH (R4) 一 0]n— R2 (式中、 R1は水素、 炭素数 1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基、 またはハ ロゲンであり、 R2は炭素数 1〜20の直鎖、 分岐もしくは環状のアルキル基、 または炭素数 6〜 30のァリール基であり、 R3および R4は水素またはメチル基 であり [ただし、 R3と R4が同時にメチル基になることはない] 、 nは 1〜50 の整数である。 ) で表される構造単位を有する重合体が液状媒体に分散されてな ることを特徴とするリチウムィオン二次電池電極用バインダ一組成物。
2. 該重合体は、 式 (1) で表わされる構造単位 0. :!〜 100重量%、 下記式 (3) で表わされる (メタ) アクリル酸エステル構造単位 0〜99. 9重 量%、 極性単量体単位 0〜50重量%および架橋性単量体単位 0〜20重量%か らなる請求の範囲第 1項記載のバインダ一組成物。
一 [一 CH2— C (R5) -]-
I (3)
COOR6
(式中、 R 5は水素またはメチル基であり、 R6は炭素数 1〜20のアルキル基 である。 )
3. 極性単量体がシァノ基含有モノエチレン性不飽和単量体、 水酸基、 ァ ミノ基およびアルキルアミノ基の中から選ばれた置換基を有する炭素数 1〜20 のアルキル基を有する (メタ) アクリル酸アルキル、 およびエチレン性不飽和モ ノカルボン酸単量体の中から選ばれた少くとも一種である請求の範囲第 2項記載 のバインダ一組成物。
4. 該重合体の含有量が、 バインダー組成物重量に基づき、 0. 2〜80 重量%の範囲である請求の範囲第 1項〜第 3項のいずれかに記載のバインダー組 成物。
5 . 液状媒体は、 常圧における沸点が 8 0〜 3 5 0 °Cである分散媒である 請求の範囲第 1項〜第 4項のいずれかに記載のバインダ一組成物。
6 · 該重合体の対電解液ゲル含有率が 5 0〜 1 0 0 %であり、 また該重合 体の対液状媒体ゲル含有率が 5 0〜 1 0 0 %である請求の範囲第 1項〜第 5項の いずれかに記載のバインダ一組成物。
7 . 請求の範囲第 1項〜第 6項のいずれかに記載のバインダ一組成物と活 物質とを含有することを特徴とするリチウムィオン二次電池電極用スラリー。
8 . 活物質の量が、 バインダー組成物の固形分重量に基づき重量基準で 1 〜1, 0 0 0倍の範囲である請求の範囲第 7項記載の電極用スラリー。
9 . 請求の範囲第 8項記載のスラリーを集電体上に塗布し、 乾燥すること によつて形成されたことを特徴とするリチウムィオン二次電池用電極。
1 0 . 厚さが 0 . 0 0 5〜 5 mmの活物質の層を有する請求の範囲第 9項記 載の電極。
1 1 . 正極および負極の少なくとも一方が請求の範囲第 9項または第 1 0項 記載の電極からなることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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