WO2000078527A1

WO2000078527A1 - Procede de moulage par soufflage, produit moule par soufflage et moule de moulage par soufflage

Info

Publication number: WO2000078527A1
Application number: PCT/JP2000/004104
Authority: WO
Inventors: Tomoyuki Obara; Katsuhiko Tada; Sueki Sugawara; Shoichi Miura; Hirofumi Yamada; Shigekazu Kumazaki
Original assignee: Idemitsu Petrochemical Co., Ltd.; Toyota Shatai Kabushiki Kaisha
Priority date: 1999-06-24
Filing date: 2000-06-22
Publication date: 2000-12-28
Also published as: EP1116572A1; CN1314838A; KR20010072867A; US6759003B1; EP1116572A4; CN1321796C; TW469219B; JP2001001388A

Description

明細書

ブロー成形方法、ブロー成形品およびブロー成形金型技術分野

本発明は、ダイより押し出されたパリソンを金型内に導入して、型締めすることで成形品を成形するブロー成形方法、このブロー成形方法によって得られるプロ一成形品およびこのプロ一成形方法に用いられるブロー成形金型に関する。背景技術

従来より、ボトルやタンク等の樹脂製容器は、金型内に導入したパリソンの内部にガスを吹き込んで賦形するブロー成形法により成形されている。

このブロー成形においては、一般に、ダイから溶融樹脂を押し出して筒状パリソンを製造し、このパリソンを金型（割型）で挟み込んで成形を行う。

このように成形されたブロー成形品は、中空構造であるために軽量であり、また、形状や構造によっては剛性が高いので耐衝撃性および防音性に優れている。また、ブロー成形は、低圧成形が可能で製造コストが低く済む上、ブロー成形により製造された容器等は製品形状が単純な場合が多く、金型構造が簡単なことから安価に金型を作成できる。

このような利点から、近年、ブロー成形品は、自動車部品、住宅設備、建材等の工業材料の分野で広く利用されている。

そして、簡単な形状の他に、複雑で多様な形状を有する製品をブロー成形によって製造することも行われ始めている。

例えば、自動車分野では、バンパーゃスポイラ一が、住宅設備では、ドアパネル、バスュニットおよびトイレュニッ卜に取り付けられる部材が、建材では、テーブル天板および各種のパネル類などが代表例として挙げられる。ところで、プロ一成形では、図 6 に示されるように、大きく以下の 4 つの工程を経てブロー成形品が製造される。

( a ) ノリソン射出工程では、円筒状のパリソン 9 9力ブロー成形機のダイ 9 0より押し出されて、プロ一成形金型である第一金型 9 1、第二金型 9 2間に導入される。

なお、第一金型 9 1 には、金型意匠面 9 1 Aが形成され、この金型意匠面 9 1 Aには、パリソン 9 9側に突出された凸部である先当たり部 9 3 と、彫りが深く形成された凹部である成形部（ブローアップ部） 9 4 が設けられている。

( b ) 金型締め工程では、第一金型 9 1および第二金型 9 2を閉じて、パリソン 9 9 を、ブロー成形金型 9 1、 9 2の周縁に位置するランド部 (バリ部） 9 1 B、 9 2 Bでピンチする。この際、金型 9 1、 9 2が閉じられるまでは、金型 9 1、 9 2間は、外部に開口された開空間とされている。このため、金型 9 1、 9 2を閉じた際に、ノリソン 9 9の一部が、金型 9 1、 9 2の外側に膨張したりするため、ノリソン 9 9は先当り部 9 3には接触する力成形部 9 4全体には接触しない。

( c ) エア吹き込み工程でピン 9 5から空気をパリソン 9 9に吹き込むことで、パリソン 9 9を成形部 9 4全体に接触させている。

( d ) この後、ノリソン 9 9 を冷却硬化することで、ブロー成形品が得られる。ところで、上記のような工程では、先当り部 9 3および成形部 9 4に接触するパリソン 9 9の各々の部位の境界に、スジゃしわが発生したり、シボの転写状態にむらが発生して、ブロー成形品の外観が損なわれているこヒせ、本出願人の研究で判明している。すなわち、パリソン 9 9は、図 6 ( b ) の金型締め工程で先当り部 9 3に接触した後、図 6 ( c ) のエア吹き込み工程で第一金型 9 1の成形部 9 4に接触する。すなわち、先当り部 9 3に接触するパリソン 9 9の一部と、成形部 9 4に接触するパリソン 9 9の一部との間で、パリソン 9 9が金型意匠面に接触する接触部位の動きが停滞してしまう。そして、この接触部位の停滞により、前述したスジやしわが発生したり、シボの転写状態にむらが発生していた。

ところで、従来は、ブロー成形品の表面にスジやしわが発生しても、表面を塗装してそのスジやしわを隠したり、表面意匠にシボなどを用いたりすることで、スジやしわを目立たなくしていた。

しかしながら、近年、ブロー成形品に対しても、低価格化（コストダゥン）、リサイクル、溶剤規制などが求められており、このための無塗装化や鏡面外観の要求が高まっている。

このため、スジゃしわおよび転写ムラが形成されないような外観意匠性の向上や、複雑な模様をきめ細かく加飾できるように転写性を向上させて無塗装や鏡面仕上げを実現できる技術の改良がなされている。例えば、ブロー成形金型に改良を施した技術として、金型本体に断熱体が取り付けられるとともに、意匠面の背後に形成された空間に加熱された気体や冷却された液体を出し入れする成形用金型（特開平 0 7 — 1 0 8 5 3 4号公報参照）や、断熱層で被覆された金型の意匠面に、プロ一用ガスによってパリソンを押しつけた後、ノリソンを高い温度状態に維持しながら、意匠面を精度よく転写する金型を利用したブロー成形法 (特開平 0 6— 3 2 8 5 4 9号公報参照）なども提案されている。

また、ブロー成形品の材料に改良を施した技術として、特定のメルトインデックスゃ曲げ弾性率を有する熱可塑性樹脂材料を材料に使って、光沢のある平滑な表面を有するとともに、塗装の必要性がない成形品（特開平 0 8— 1 1 9 0 4 3号公報参照）や、高い表面光沢度を有するポリプロピレンを材料とした例（特開平 1 0— 1 3 8 3 2 4号公報参照）なども提案されている。

このような技術では、金型締めやエア吹き込みのタイミングなどの基本的な成形条件を変更したり、加熱および冷却などの金型温度を制御したり、あるいはベント穴やポーラス電錡を設けることで金型内のガスを効果的に排出するなどしたりして、成形品にスジやしわ、あるいは転写ムラが形成されるのを防止するものである。しかしながら、特に成形品に塗装を行わないことを目的とする多層ブロー成形においては、成形品の表層に透明感のある材料を用いた場合、ブロー成形金型を高温に加熱する、あるいは金型内のガスを効果的に排出しても、成形品にスジやしわが顕著に発生するという問題があった。さらに、成形品の表面に擬革や布目模様を施すシボ加工を必要とする成形品を製造するために、上記のような技術を採用しても、成形サイクルの都合上あまり高い温度での加工ができない場合、上記のような技術が適用できないことが検討の結果判明した。

これは、一般的に金型温度は高いほど、パリソンに対して流動性を付与することができるので、金型温度は高い程良いが、その反面、金型温度を高くしすぎると、この昇温および昇温後の冷却に時間を要することになり、成形サイクルを長くしすぎてしまい、結果的に生産効率を低下させてしまうという問題が発生することによるものである。従って、金型の温度操作以外の何らかの方法で、スジ、しわおよび転写ムラのない外観の良好な成形品を実現するプロ一成形方法が求められていた。発明の開示

そこで、本発明の目的は、外観の良好なブロー成形品およびこの成形品を製造するプロ一成形方法およびブロー成形金型を提供することにある。本発明のプロ一成形方法は、金型内に、ダイより押し出されたパリソンを導入して成形品の成形を行うブロー成形方法であって、前記金型は、前記パリソンが金型外に膨張しないようにパリソンを閉塞するパリソン閉塞手段を備え、前記金型を型開きしておき、この金型内に前記パリソンを導入し、前記パリソン閉塞手段によって、前記金型の内面（金型意匠面）に前記パリソンを接触させることなく、前記パリソンを閉塞した後、前記金型を閉じて、前記パリソンを圧縮し、この圧縮によって前記パリソンを前記金型の内面に接触させることを特徴とする。

すなわち、ノリソン閉塞手段でパリソンを閉塞する際に、ノリソン内外で所定の圧力差を確保し、閉塞した時点でパリソン内に存在していた空気のみでパリソンの張力を確保し、金型の閉鎖に伴ってパリソンを金型の内面の全体に渡って接触させることができるようにするものである < ここで、金型の内面とは主に金型意匠面である。金型意匠面は、シボや複雑な凹凸模様がある金型内面は勿論、単純な平坦面の金型内面の場合もある。成形品として取り出した時に、外から見える面に該当する金型内面を、金型意匠面と呼ぶのが通常である。このような本発明では、ダイから円筒状に金型内に押し出されたパリソンは、金型締めの前に、この金型に備えられたパリソン閉塞手段によつて、金型外に膨張することなく、金型意匠面およびパリソン閉塞手段によって囲まれる空間内に、金型意匠面に接触することなく閉じこめられる。そして、ノリソン閉塞手段によってパリソンが閉塞されることで、従来、パリソンが金型外に膨出することで失われていたパリソン内部の空気は、金型外に漏洩することなく、閉塞されたパリソン内部に閉じこめられる。従って、金型を締める段階で、パリソンが金型意匠面に接触するのに十分な量、つまり、金型を締めた際に、パリソン内の空気の圧力のみで、パリソンを金型意匠面に接触させることができる量の空気が、ノリソン内部には充満する。

そして、この状態で金型を締めると、ノリソンは金型に押圧されて、パリソン内部の空気圧が上昇する。このため、パリソンは、金型意匠面に連続的に接触するようになる。すなわち、パリソン全体が金型に接触する現象が、一続きのものとして停滞なく連続的に行われるので、成形品の表面にスジ、しわおよび転写ムラが形成されない。従って、きれいな光沢やすつきりとした透明感のある成形品を得ることができる。なお、予めパリソン内に空気等のガスを多量に封入するブロー成型技術（特公平 06- 55423号公報、特開平 07-214649号公報）がある。しかし、これらは予め封入された多量のガスにより、金型を型締めする際にパリソン表面と金型内面とを接触させるものである。つまり、ノリソンが過剰に膨張肥大し、金型の型締めに伴って金型からはみ出したり、破裂する等の虞が避けられない。本発明では、金型の型締め時には過大なガス封入を行わないので、このような問題が回避できる。

また、本究明のパリソン閉塞手段のような枠を用いる技術（特許第 30 12837号参照）もある。しかし、この技術ではパリソンの閉塞（密閉）を行わないため、ガス内圧による金型内面への押し付け効果が得ら難く、本発明のような成形性向上は期待できない。また、型締め時にパリソンの一部がはみ出易い。本発明の方法において、前記パリソン閉塞手段によってパリソンを閉塞する前に、前記パリソン内に気体を吹き込むプリブローを実施することが好ましい。

本発明では、型締め時にパリソンを金型に接触させる（押しつける）力は、型締め時のパリソン内の空気（気体）の圧力（パリソン内庄）と、パリソンおよび金型間の空間内の空気（気体）の圧力との差で発生する。ここで、ノリソン閉塞手段でパリソンを閉空間内に閉じこめた際、つまり閉塞した際、パリソン内の空気量を調整することで、ノリソン内圧を調整できるため、パリソン閉塞前にプリブローを行ってノリソン内の空気量を増加させておけば、ノ、'リソン内圧、つまりパリソンを金型意匠面に接触させる力を大きくすることができ、たとえ金型意匠面が複雑な形状であっても、型締め時にすべての金型意匠面にスムーズにパリソンを接触させることができる。

この際、プリブローを行うためのエア送出具は、パリソンに対して任意の方向から突出されるが、特に、パリソンの側方や上下方などから突出されることが好ましい。本発明の方法において、前記パリソン閉塞手段によってパリソンを閉塞した際、パリソン外面と金型の内面とで囲まれる空間を閉空間とし、この閉空間内を減圧（例えば大気圧以下、パリソン内部の圧力に対して負圧に）した後、前記金型を閉じることが好ましい。すなわち、パリソン閉塞手段がパリソンを閉塞することによって、パリソンの外面および金型意匠面によって囲まれる領域に、外部と空気の流通がない閉空間が形成される。そして、例えば、この閉空間に閉じこめられた空気（任意の気体）を外部に排出するなどして減圧を行って負圧にすることで、パリソン内部と前記閉空間との圧力差が大きくなる。その結果、この圧力差によって、パリソンを金型意匠面に接触させる（押しつける）力が発生する。従って、パリソン閉塞手段のみを使用し、前記閉空間を負圧にしない場合に比べて、パリソン内の空気圧と、前記閉空間内の空気圧との圧力差をより大きくすることができるので、プリブローなどを行わなくても、型締め時に確実にパリソンを金型意匠面に接触させることができ、外観の仕上がりのより良好な成形品を成形することができる。

さらに、プリブローと負圧とを組み合わせれば、ノリソン内の空気圧と前記閉空間内の空気圧との圧力差をより大きくすることができる。この場合、より複雑な形状をもった金型意匠面であっても、パリソンを金型意匠面に接触させることができる。本発明の製法で得られるブロー成形品は、前記金型内からパリソンを取出した後、その表面に透明な塗装のみを行うか塗装を一切行わなくても、スジゃシヮのない良好な外観を示すため、

着色性の塗装を行うための煩雑な作業を省略することができる。本発明のブロー成形品は、前記各ブロー成形方法で成形されたことを特徴とするものである。

具体的には、金型内に、ダイより押し出されたパリソンを導入して成形されたブロー成形品であって、前記金型は、前記パリソンが金型外に膨張しないように、パリソンを閉塞するパリソン閉塞手段を備え、前記金型を型開きしておき、この金型内に前記パリソンを導入し、前記パリソン閉塞手段によって、前記金型の金型の内面に前記パリソンを接触させることなく、前記パリソンを閉塞した後、前記金型を閉じて、前記パリソンを圧縮し、この圧縮によって前記パリソンを前記金型の内面に接触させて製造されたことを特徴とする。

本発明のブロー成型品では、このような製法によって、成形品の未固化体であるパリソン力金型締めされる前に、予めパリソン閉塞手段によって、金型外に膨張しない状態で、対向する金型間で閉塞される。従つて、その後の金型締め時には、凸部（先当り部）から凹部（ブローァップ部）まで連続的に意匠面に接触するようになる。すなわち、ノリソンの一部が金型外にはみ出して、パリソン内の空気圧が低下し、金型意匠面に接触できずに成形不良に終わることがなく、パリソンが確実に、かつ迅速に金型意匠面に接触するようになる。このため、接触後の冷却でも、ノリソンの収縮が均質に行われ、スジ、しわおよび転写ムラなどの成形不良を防止でき、きれいな光沢やすつきりとした透明感のある表面を持つプロ一成形品を得ることができる。本発明のブロー成形金型は、ダイより押し出されたパリソンを収容してブロー成形するブロー成形金型であって、前記ダイより押し出されたパリソンが金型外に膨張しないように、パリソン閉塞するパリソン閉塞手段を備えることを特徴とする。

このような本発明では、ダイから円筒状に金型内に押し出されたパリソンは、金型締めの前に、この金型に備えられたパリソン閉塞手段によつて、金型外に膨張することなく、金型意匠面およびパリソン閉塞手段によって囲まれる空間内に納まりながら閉塞される。そして、この状態で金型を締めると、まずパリソン側に突出した凸部 (先当り部）にパリソンが接触して押圧されるとともに、このパリソン内部の空気圧が上昇する。このため、パリソンは、前記凸部に接触した後、間断を置かずに連続的に、彫りの深い金型の凹部（ブローアップ部 ) にも接触するようになる。すなわち、パリソンが金型に接触する現象が、停滞なく連続的に行われるとともに、パリソンは、全体に渡って一様に冷却されるので、成形品の表面にスジ、しわおよび転写ムラが形成されない。従って、きれいな光沢やすつきりとした透明感のある成形品を得ることができる。本発明のブロー成形金型において、前記パリソン閉塞手段は、対向配置された各金型の周囲にそれぞれ設けられ、かつ各金型から他方の金型に向かって進退可能に設けられた枠体を備えて構成され、これらの枠体同士を当接させることで、前記枠体および前記金型によって金型外と区画される閉空間内にパリソンを閉塞可能に構成されていることが好ましい

このような本発明では、パリソンを閉塞するパリソン閉塞手段が、金型の周囲に設けられている、すなわちパリソン閉塞手段と金型とによつて形成される空間では、金型外へのパリソンの膨張を許すような隙間は形成されていないので、閉塞されたパリソンは、対向して設けられた金型間に確実に納められる。従って、型締め時のパリソンの金型外への膨張を確実に抑制することができ、ノ、'リソンを金型意匠面に確実に接触させることができる。

この際、パリソンを閉塞する枠体の動作が、前進および後退などの進退運動といった単純なものである。しかも、これら枠体は、各金型にそれそれ取り付けられているので、これら枠体のストローク量（閉塞量）は、ノリソンの半径よりも多少大きい程度に抑えられる。このため、これら枠体を作動させる作動機構の構成も簡易なものにすることができるので、パリソン閉塞手段、ひいてはこれを含んで構成されるブロー成形金型自体の構成を、簡単なものにすることができ、ブロー成形金型の製造を容易にすることができる。本発明のブロー成形金型において、当該ブロー成形金型は、金型意匠面を有する意匠側金型と、この意匠側金型に対向して配置される金型とを有し、前記パリソン閉塞手段は、前記金型から前記意匠側金型に進退可能に設けられるとともに、前記意匠側金型の周囲のランド部に、パリソンを押しつけ可能に形成された枠体を備えて構成されていてもよい。このような本発明では、パリソン閉塞手殴を、一方の金型のみに設けられた簡易な枠で構成することで、対向する金型の両方に粋が設けられている場合に比べて、枠の設置個数が 1つになり、パリソン閉塞手段を製造するコスト、ひいては、ブロー成形品のコストを低減することがでぎる。前述した片側に枠を有するブロー成形金型を用いる場合、次のようなブロー成形方法とすることが望ましい。

すなわち、前記枠体でパリソンを意匠側金型周囲のランド部に押し付け、その操作によりできる、パリソン外面と意匠側金型の金型意匠面とで囲まれた閉空間を減圧した後、又は減圧しながら、意匠側金型と、この意匠側金型に対向して配置される金型とを閉じることが望ましい。このようにすれば、ブロー成形金型を簡略化しつつ、パリソンの意匠面への確実な押し付けが行え、良好な成形性が得られる。図面の簡単な説明

図 1は本発明の第 1実施形態におけるブロー成形金型およびパリソンを示す斜視図である。

図 2は本発明に係る第 1実施形態におけるブロー成形工程を示す図である。

図 3は本発明に係る第 2実施形態におけるブロー成形金型を示す斜視図である。

図 4は本発明に係る第 2実施形態におけるブロー成形方法のうち、枠締め工程を示した断面図である。

図 5は本発明に係る第 2実施形態におけるブロー成形方法のうち、金型締め工程を示した断面図である。

図 6は本発明の従来例であるブロー成形工程を示す図である。発明を実施するための最良の形態

[第一実施形態]

以下に、本発明の第一実施形態を図面に基づいて説明する。

図 1 には、本実施形態のパリソン閉塞手投としての枠 3 1 、 3 2 を備えたブロー成形金型 1が示されている。

ブロー成形金型 1は、その上方に設けられたダイ 2から下方に供給されたパリソン 3を収容して賦形するためのものであり、型締めした状態で、成形品に対応したキヤビティが内部に形成されるようになつている。ダイ 2は、樹脂を可塑化した溶融樹脂をリング状の吐出口（図示省略 ) から下方に押し出すことで、円筒状のパリソン 3をブロー成形金型 1 に供給するものである。ブロー成形金型 1 は、図 1および図 2に示されるように、第一金型 1 0、および第二金型 2 0 と、金型 1 0、 2 0にそれそれ取り付けられた枠 3 1 、 3 2 とを含んで構成されている。第一金型 1 0および第二金型

2 0は、二つ割りの割型であり、型開きした状態でダイ 2から第一、第二金型 1 0、 2 0の間にパリソン 3が押し出されるようになつている。第一金型 1 0の内面には、ブロー成形品の外面の意匠や模様が象られた金型意匠面 1 1 と、この金型意匠面 1 1以外の面であり、金型意匠面 1 1の外周部分となるランド部 1 2 とが設けられている。

そして、この金型意匠面 1 1内には、第二金型 2 0側に突出した凸部 1 3が設けられ、この凸部 1 3の突出方向先端面、つまり、第二金型 2 0側の面が、型締めの際に最初にパリソン 3に接触する先当り部 1 3 A となっている。

また、前記凸部 1 3の上下には、先当り部 1 3 A，凹部 1 4が形成され、これら凸部 1 3および凹部 1 4によって、金型意匠面 1 1には、複雑な凹凸形状が形成されている。

また、第一金型 1 0には、一端が凹部 1 4に開口した排気路 1 5が形成されており、他端は第一金型 1 0の外部に延びて、図示されない排気装置（真空ポンプなど）に接続され、この排気路 1 5 を通じて、枠 3 1 、

3 2および金型 1 0、 2 0 とパリソン 3 との間に形成される閉空間内の空気が吸引されるようになっている。

さらに、第一金型 1 0に対向して配置される第二金型 2 0 も、ブロー成形品の側面の意匠および模様が象られた意匠面 2 1 と、第一金型 1 ◦ に接触するランド部 2 2 とが形成されている。

枠 3 1 、 3 2は、図 1 に示されるように、第一金型 1 0および第二金型 2 0にそれそれに取り付けられており、各々の金型 1 0、 2 0の外周側面を覆うように、金属製の四角枠状に形成されている。

これら枠 3 1 、 3 2は、エア一シリンダ一などの所定の進退機構が取り付けられており、空気圧もしくは油圧によって、対向する金型方向に互いに進退可能に設定されている。そして、この進退機構が作動すると、第一金型 1 0および第二金型 2 0が閉じる前に、各々の枠 3 1、 3 2が互いに接近した後、対向する面を接触させて枠 3 1、 3 2が閉じられ、これら枠 3 1、 3 2の内側に、枠 3 1、 3 2および金型 1 0、 2 0によつて区画される閉空間 3 3が形成されるようになつている。このように構成された本実施形態においては、次のような手順で成形品の成形を行う。

すなわち、図 2のパリソン射出工程（ A ) に示されるように、予め第一金型 1 0および第二金型 2 0を離間させて型開きしておくとともに、進退機構により注入ピン（図示省略）を後退させて先当り部 1 3 Aから没した状態にしておく。

そして、溶融樹脂をダイ 2の吐出口から下方に押し出して、円筒状のパリソン 3を、第一金型 1 0および第二金型 2 0間の空間に導入する。ノリソン 3をブロー成形金型 1 内に供給したら、図 2の枠締め工程（ B ) に示されるように、対向して配置された枠 3 1、 3 2 を進退機構（図示省略）によって互いに接近させて、パリソン 3の上端部および下端部をピンチするとともに、その側方の空間を枠 3 1、 3 2で区画し、双方の金型 1 0、 2 0の金型意匠面 1 1、 2 1 にはパリソン 3はまだ接触しない状態で、枠 3 1、 3 2および金型 1 0、 2 0によって形成される閉空間 3 3内にパリソン 3を閉じこめる。

この際、パリソン 3内に閉じこめられた空気量（空気圧）を調整するために、プリプロ一を行って、パリソン 3内に所要の空気量（空気圧）が確保されるまで、ダイ 2の中心に設けられた孔からパリソン 3内に空気を送出してもよい。その後、図 2の金型締め工程（ C ) に示されるように、ブロー成形金型 1の型締めを開始する。すなわち、第一金型 1 0および第二金型 2 0 が互いに接近し始めると、各金型 1 0、 2 ◦でパリソン 3が押圧され、パリソン 3内の空気圧が上昇して、ノリソン 3が凹部 1 4に向かって膨出し始める。

この際、ノリソン 3は、枠 3 1、 3 2などで閉空間 3 3内に閉塞されているため、第一金型 1 0および第二金型 2 0を互いに接近させるに従つて、パリソン 3内の空気圧も上昇し、第一金型 1 0の凸部 1 3 Aや凹部 1 4の成形面にパリソン 3が連続的に接触して、第一金型 1 0および第二金型 2 0の金型意匠面 1 1、 2 1の意匠および模様がパリソン 3に転写される。

なお、場合によっては、枠 3 1、 3 2によって囲まれた閉空間 3 3内部に存在している空気を、排気路 1 5 を通じて金型 1 0、 2 0の外部に排出して、パリソン 3の内部および外部の圧力差を大きくしてもよい。この場合、ノリソン 3内の空気量をそれほど増やさなくても、ノリソン 3を金型面 1 1、 2 1に確実に接触させることができる。

あるいは、ノリソン内圧のみでパリソンを金型内面全体に接触させた後、冷却による樹脂収縮による転写性の低下を回避する等のために、パリソン内部への追加的なブローをを小なつてもよい。

最後に、図 2の冷却工程（ D ) に示されるように、ノリソン 3を固化させてブロー成形品の製造が完了する。

なお、この冷却工程では、例えば第一金型 1 0および第二金型 2 0 に設けられた温度調節媒体を低温に切り換えて、第一金型 1 0および第二金型 2 0 を急冷したり、エアーチラ一等を用いて成型品内部から強制冷却してもよい。あるいは、ドライアイスや冷却した窒素ガス等を注入し、冷却を促進させてもよい。このような本実施形態によれば、以下に述べるような効果が得られる。 (効果 1 ) 金型締め工程（ C ) 前の枠締め工程（ B ) の段階で、枠 3 1、 3 2がパリソン 3を閉塞することで、ノリソン 3が金型 1 0、 2 0 の外部に膨み出すことのない閉空間 3 3が、枠 3 1、 3 2および金型 1 0、 2 0によって形成される。従って、ノリソン 3はこの閉空間 3 3内に閉じこめられ、ノリソン 3内にも所要量の空気が確保される。その後、金型締めを開始すると、パリソン 3が金型 1 0、 2 0の外部に膨出しないので、第一金型 1 0の凸部 1 3 Aが最初にパリソン 3に接触すると同時に、ノリソン 3内の圧力が増加し始め、第一金型 1 0の凹部 1 4にも間断を置かずに、パリソン 3を連続的に接触させることができる。従つて、冷却によるパリソンの収縮も均質に行われるため、スジ、しわおよび転写ムラなどの成形不良を回避できるとともに、きれいな光沢やすつきりとした透明感のある表面を持つブロー成形品が得られる。

(効果 2 ) 枠締め工程（ B ) の前に、パリソン 3にエア送出具を挿通させて、ノリソン 3の外部から内部に新たに気体（空気）を吹き込むことで（プリブローを行うことで）、金型締め工程（ C ) の段階で、パリソン 3が金型意匠面 1 1、 2 1の確実に接触するのに十分な力を生じさせる空気圧を、パリソン 3内部に確保する。従って、金型の意匠面に満遍なくノリソンを確実に接触させることができるので、成形不良品の数を一層減らすことができるとともに、その分生産効率を向上させることができる。

(効果 3 ) 金型締め工程（ C ) の際に、キヤビティー内に充満する空気（気体）を金型外部に排出する排気路 1 5が第一金型 1 0に設けられている。このため、この排気路 1 5 を通じて、キヤビティ一内の空気が排出されることで、キヤビティ一内の空気圧（気体の圧力）を、負圧にすることができる。従って、単に枠 3 1、 3 2のみを閉じた場合よりも、パリソン 3内外の圧力差が一層高まる。このため、ノリソン 3を金型意匠面 1 1、 2 1 に接触させるより大きな力が発生するので、特に金型意匠面 1 1、 2 1 に象られた複雑な凹凸形状や細かい模様をパリソン 3に転写させることができ、多様な成形品を得ることができる。

(効果 4 ) ノリソン閉塞手段としての枠 3 1、 3 2は、各金型 1 0、 2 0の周囲に、所定の進退機構を伴って設けられ、枠 3 1、 3 2の閉塞運動と、金型 1 0、 2 0の進退運動とが単独で行われる。従って、金型 1 0、 2 0本体に大きな加工を施さずに、進退機構および枠 3 1、 3 2 を金型 1 0、 2 0に取り付けることができるので、ブロー成形金型 1の製造を容易に行うことができる。

[第二実施形態]

図 3、図 4および図 5 には、本発明に係る第 2実施形態のブロー成形金型 1 Aが示されている。

なお、以下の実施形態および変形例において、前記実施形態と同一もしくは同様の構成部材においては、同一の符号を用い、説明を省略もしくは簡略する。

この第 2実施形態におけるブロー成形金型 1 Αが、前記第 1実施形態におけるブロー成形金型 1 と異なる点は、対向配置された金型 4 0、 5 0のうち、片側の金型 5 0のみに枠 6 0を設け、この枠 6 0を金型 4 0 のランド部 4 2に押しつけて、ノリソン 3を挟持し、ノリソン 3が金型 4 0、 5 0外に膨出しないように構成されている点である。

すなわち、一方の金型 4 0の内面には、成形品の意匠面 4 1およびこの意匠而 4 1の外周となるランド部 4 2が形成され、他方の金型 5 0には、金属製のパイプを四角枠状に組んで形成された枠 6 0がアーム 6 1 に支持されている。

なお、この枠 6 0は、他方の金型 5 0において、一方の金型 4 0のランド部に対向する位置に配置されており、図 5 に示されるように、他方の金型 5 0がー方の金型 4 0に接近する際には、他方の金型 5 0の周縁に形成された凹段部 5 1 に枠 6 0およびアーム 6 1が収納されるように設けられている。また、アーム 6 1は、エアシリンダなどで、金型 5 0 に対して進退可能に取り付けられている。このような本実施形態において、ノリソン 3を金型 4 0、 5 0間に供給した後、図 4に示されるように、他方の金型 5 0から枠 6 0が、一方の金型 4 0に向かって突出するとともに、金型 4 0を金型 5 0に接近させることで、枠 6 0および金型 4 0のランド部 4 2で、円筒状のパリソン 3の上端部および下端部をランド部 4 2 に押しっけ、パリソン 3が金型 4 0、 5 0間の領域外に膨出しないように枠 6 0が閉じられている。なお、前記第 1実施形態と同様に、枠 6 0が閉じられる工程において、閉塞されたパリソン 3内に閉じこめられた空気量が不足する場合には、ピン形状のエア送出具がパリソン 3の下方から延びて、リソン 3内に空気を吹き込めるように（プリブローできるように）されている。

さらに、ノリソン 3が枠 6 0によって閉塞された際に、ノリソン 3 とこの金型意匠面 4 1 との間に形成される空間内を閉空間にできるようにしておき、この閉空間内の空気を吸引するために、排気路 1 5の一端となる開口を一方の金型 4 0の金型意匠面 4 1 に形成しておけば、閉塞されたパリソン 3の一方の金型 4 0が対向する面が意匠面 4 1 に確実に接触できるようになる。

すなわち、枠 6 0によってパリソン 3が閉塞されるので、ノリソン 3 内の空気は外部に漏浊できなくなり、パリソン 3 自身も金型 4 0、 5 0 外に膨出できなくなる。従って、パリソン 3および意匠面 4 1間（キヤビティー）に閉じこめられた空気を排気路 1 5を通して外部に排出したり、プリプロ一したりすることで、ノリソン 3の内部および外部には、パリソン 3を金型意匠面 4 1 に十分接触させることができ、パリソン 3 内外に所定の圧力差が確保され、パリソン 3がー方の金型 4 0の意匠面 4 1 に確実に接触するようになる。このような第 2実施形態では、前記第 1実施形態で得られた効果 1 〜効果 4の他に、以下に述べるような効果が得られる。

(効果 5 ) 枠 6 0は、他方の金型 5 ◦のみに設けられているので、対向する金型 4 0の両方にパリソン閉塞手投が設けられている場合などに比べて、枠 6 0の設置個数が少なくなり（ 1つになり）、パリソン閉塞手段である枠 6 0 を製造するコスト、ひいては、ブロー成形品のコストを低減することができる。なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成などを含み、以下に示すような変形なども本発明に含まれる。

すなわち、前記第 1実施形態および第 2実施形態において、パリソン 3内外で所定の圧力差を確保するために、エア送出具によるプリブローおよび排気路 1 5による空気の外部排出が行われていたが、これらの作業は、プリブローもしくは負圧のための空気の外部排出を単独で行ってもよく、またこれらの作業を複合的に組み合わせて行ってもよい。さらに、これらの作業を省略しても構わず、この際、排気路 1 5は省略されてもよい。

さらに、前記第 1実施形態および第 2実施形態において、ノリソン閉塞手段として枠 3 1、 3 2、 6 0が用いられていたがこれに限らない。パリソン閉塞手段としては、ダイより押し出されたパリソン 3を閉塞してパリソン 3が膨出しない閉空間を形成できるものであればよく、例えば、パリソン 3の上端および下端で、各々パリソン 3を左右からピンチする装置などを用いてもよい。

そして、上記のようなブロー成形によって製造される成形品の材料としては、ポリプロピレン（P P )、ポリエチレン（ P E )、ポリスチレン (P S )、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン（AB S )、ポリ力一ボネート（P C)、ナイロンなど、およびこれらの複合材料などを用いることができる。

また、前記枠 3 1、 3 2、 6 0が互いに接近し合う移動量（ストローク）についても、ノリソン 3を閉塞した際に、パリソン 3が金型の意匠面に接触しない範囲内で任意に設定可能であり、用いるダイ 2の径およびパリソン 3の材料の種類や物性に応じて適宜設定されることが好ましい。

[実験例]

続いて、本発明の効果を具体的な成形実験例に基づいて説明する。本実験は、前記実施形態に基づいて、成形品として自動車用部品をブロー成形により製造した実施例である。

ここで、下表に示されたような、枠の有無、枠のストローク、ノリソン内の空気量、金型温度を設定して、枠を設けたことによる成形品の外親上の効果を比較実験 (表 1 )

なお、表 1 において、ノリソン内の空気量の項目は、ノリソンを閉塞した状態での空気圧を実測した結果である。また、空気量が「十分」との表示は、金型締めが完了してパリソンが金型内面全体に接触した状態でのパリソンの内圧が 1 . 5kgf/cm²以上の時に、意匠面に連続的にパリソンが接触して、スジやしわのなし、成形品が得られることが確認された。また、各実験例および比較例で使用した樹脂は、ポリプロピレン（グレード名 E- 105GM、 MT二 0 . 5〜0 . 6gハ 0分、ホモ PP樹脂）である。

(比較例 1 )

まず、比較例 1では、従来例と同様に、枠を使わず金型締め工程によつて、パリソンを閉じるとともに、金型の温度を高い状態に維持して、パリソンの賦形を行った。その結果、ノリソンは先当り部に接触した後、多少時間をおいてブローアツプ部に接触してしまうため、ノリソンを賦形して得られたブロー成形品には、スジ、しわが顕著に発生するとともに、転写ムラも発生して、成形不良となった。

(比較例 2 )

また、比較例 2では、パリソン内に閉じこめられる空気量を十分に確保した一方で、枠のストローク量を他の実施例 1 、 2、 3および比較例 1 、 3のストローク量 1 0 0 m mに比べて小さい値である、 2 0 m mとしてパリソンの賦形を行った。なお、金型温度は、 1 3 0 °Cと高い状態に維持されていた。その結果、枠を閉鎖した時点で、金型間の距離がパリソン径より小さくなるため、金型締め工程を待たずに、枠締め工程の際にパリソンが金型の意匠面に接触してしまった。従って、たとえパリソン内の空気圧が十分に確保され、十分に高い金型温度が維持されていても、スジ、しわおよび転写ムラが発生してしまい、成形不良となった。

(実験例 1 〜 3 )

しかしながら、表 1 において、実施例 1 、 2および 3では、枠を使つてパリソンを閉塞して、パリソン内外の圧力差を確保した状態で、金型の温度を変えて金型締めを行い、ノリソンの賦形を行った。この結果、金型の温度を変えてパリソンを賦形しても、枠によって閉塞されたパリソンが枠外に膨出せず、金型意匠面にパリソンが接触する力が得られるので、パリソンのスジ、しわ、および転写ムラのない良好な外観を有する成形品が得られた。

従って、外観の良好な成形品を得るためには、金型締め工程に先立つてパリソンを閉塞する枠（パリソン閉塞手段）が設けられるとともに、金型の意匠面にパリソンが接触することがないように粋がパリソンを閉塞した後、閉塞されたパリソン内に所定量の空気が確保された状態で金型締めが行われることが必要であることが確認された。産業上の利用可能性本発明は、ダイより押し出されたパリソンを金型内に導入して、型締めすることで成形品を成形するブロー成形方法、このブロー成形方法によって得られるブロー成形品およびこのブロー成形方法に用いられるブロー成形金型に関し、ボトルやタンク等の樹脂製容器の成形、バンバ一ゃスポイラ一等の自動車用部品の成形、ドアパネル、バスユニットおよびトイレユニット用部材等の住宅設備の成形、テーブル天板および各種のパネル類等の建材の成型などに利用される。

Claims

請求の範囲

1 . 金型内に、ダイより押し出されたパリソンを導入して成形品の成形を行うブロー成形方法であって、

前記金型は、前記パリソンが金型外に膨張しないようにパリソンを閉塞するパリソン閉塞手段を備え、

前記金型を型開きしておき、

この金型内に前記パリソンを導入し、

前記パリソン閉塞手段によって、前記金型の内面に前記パリソンを接触させることなく、前記パリソンを閉塞した後、

前記金型を閉じて、前記パリソンを圧縮し、この圧縮によって前記パリソンを前記金型の内面に接触させることを特徴とするブロー成形方法 ₍

2 . 請求項 1 に記載のブロー成形方法において、

前記パリソン閉塞手段によってパリソンを閉塞する前に、前記パリソン内に気体を吹き込むプリプロ一を実施することを特徴とするブロー成形方法。

3 . 請求項 1 または 2に記載のブロー成形方法において、

前記パリソン閉塞手段によってパリソンを閉塞した際、ノ、。リソン外面と金型の内面とで囲まれた空間を閉空間とし、この閉空間内を減圧した後、前記金型を閉じることを特徴とするブロー成形方法。

4 . 請求項 1〜 3のいずれかに記載のプロ一成形方法において、前記金型内からパリソンを取出した後、その表面に透明な塗装のみを行うか塗装を一切行わないことを特徴とするブロー成形方法。

5 . 請求項 1〜 4のいずれかに記載のブロー成形方法により成形されたことを特徴とするブロー成形品。

6 . ダイより押し出されたパリソンを収容してブロー成形するブロー成形金型であって、

前記ダイより押し出されたパリソンが金型外に膨張しないように、パリソンを閉塞するパリソン閉塞手段を備えることを特徴とするブロー成形金型。

7 . 請求項 6に記載のブロー成形金型において、

前記パリソン閉塞手段は、対向配置された各金型の周囲にそれそれ設けられ、かつ各金型から他方の金型に向かって進退可能に設けられた枠体を備えて構成され、

これらの枠体同士を当接させることで、前記枠体および前記金型によつて金型外と区画される閉空間内にパリソンを閉塞可能に構成されていることを特徴とするブロー成形金型。

8 . 請求項 6に記載のブロー成形金型において、

当該ブロー成形金型は、金型意匠面を有する意匠側金型と、この意匠側金型に対向して配置される金型とを有し、

前記パリソン閉塞手段は、前記対向して配置される金型から前記意匠側金型に向かって進退可能に設けられるとともに、前記意匠側金型の周囲のランド部に、パリソンを押しつけ可能に形成された枠体を備えて構成されていることを特徴とするブロー成形金型。

9 . 請求項 8の金型を用いるブロー成形方法において、その枠体でパリソンを意匠側金型周囲のランド部に押し付け、その操作によりできる、パリソン外面と意匠側金型の金型意匠面とで囲まれた閉空間を減圧した後、又は減圧しながら、意匠側金型と、この意匠側金型に対向して配置される金型とを閉じることを特徴とするブロー成形方法。