JPH10138324A - 自動車外装用ブロー成形品およびブロー成形方法 - Google Patents

自動車外装用ブロー成形品およびブロー成形方法

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JPH10138324A
JPH10138324A JP30025596A JP30025596A JPH10138324A JP H10138324 A JPH10138324 A JP H10138324A JP 30025596 A JP30025596 A JP 30025596A JP 30025596 A JP30025596 A JP 30025596A JP H10138324 A JPH10138324 A JP H10138324A
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JP
Japan
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blow
mold
molded product
layer
homopolypropylene
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Application number
JP30025596A
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Satoshi Matsuura
浦 智 松
Takaaki Azuma
妻 孝 明 我
Masayoshi Shudo
藤 將 由 周
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Grand Polymer Co Ltd
Original Assignee
Grand Polymer Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面塗装を必要としないほど表面光沢性に優
れ、かつ成形品表面にシワ、筋あるいは凸凹などがなく
外観に優れた自動車外装用ブロー成形品およびこのよう
なブロー成形品を得ることができるブロー成形法を提供
する。 【解決手段】 ポリプロピレンからなり、表面光沢度が
75%以上である自動車外装用ブロー成形品。このブロ
ー成形品は、基材層と表面層とを有する積層構造である
ことが好ましく、具体的に好ましくは基材層がMFR
0.01〜10g/10分のプロピレンブロック共重合体
からなり、表面層がMFR0.01〜30g/10分のホ
モポリプロピレンとホモポリプロピレン100重量部に
対して0.01〜10重量部の量の着色材との組成物か
らなることが好ましい。上記のブロー成形品は金型温度
を少なくとも一時的に140℃以上にすることにより得
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、表面光沢性および外観に
優れ、無塗装状態でも商品価値の高いポリプロピレン系
自動車外装用ブロー成形品およびブロー成形方法に関す
る。
【0002】
【発明の技術的背景】従来からポリプロピレン系樹脂
は、剛性などの機械的強度に優れ、表面光沢性にも優れ
ており、種々の成形法により成形され、各種用途に広く
利用されている。たとえばこのような用途として、バン
パー、サイドモール、スポイラー、バンパースカート、
サイドマットガードなどの自動車外装部品が挙げられる
が、このような大型成形品はブロー成形により得ること
ができる。
【0003】ところでこのようなポリプロピレン成形品
は、成形したままでは表面光沢性などが不足して所望す
る風合が得られないことが多く、外観向上のために通常
成形品表面に塗装が施されている。
【0004】ポリプロピレン成形品の表面に塗装を施す
際には、ポリプロピレンの塗料との密着性を改良する必
要があるため、通常ポリプロピレンに塗料との密着性が
良好な他の成分を添加してポリプロピレン組成物を形成
したり、またポリプロピレン成形品の表面に予めプライ
マーを塗布したり、プラズマ処理などの処理を施したり
している。
【0005】このように従来のポリプロピレン成形品
は、通常、工数の嵩む塗装工程により表面塗装を施すこ
とにより風合いを出し、その商品価値を高めている。こ
のためもし表面塗装を必要としないほど表面光沢性に優
れたポリプロピレンのブロー成形品が出現すれば、その
産業的価値は大きい。
【0006】本発明者は特に自動車外装用途に好適なポ
リプロピレンのブロー成形品について研究したところ、
ブロー成形時の型閉め開始から型開きしてブロー成形品
を取り出す迄の間に、金型を少なくとも一時的に140
℃以上の温度にすることにより、75%以上という高い
表面光沢度を有し、塗装を必ずしも必要とせずそのまま
で製品として利用しうるポリプロピレンブロー成形品を
得ることができることを見出して本発明を完成するに至
った。
【0007】なお塗装不要な自動車外装用ブロー成形品
として、特開平8−119043号公報には積層ブロー
成形体が提案されており、その表面層を光沢度87〜9
2%の高結晶性PPホモポリマーで形成することが記載
されている。しかしながら本発明者らの研究によれば該
公報に示される成形条件(金型温度)でブロー成形する
ことにより成形品の表面層光沢度は75%未満であるこ
とが認められている。
【0008】
【発明の目的】本発明は、表面塗装を必要としないほど
表面光沢性に優れ、かつ成形品表面にシワ、筋あるいは
凸凹などがなく外観に優れた自動車外装用ブロー成形品
およびこのようなブロー成形品を得ることができるブロ
ー成形法を提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明に係る自動車外装用ブロー成形品
は、ポリプロピレンからなり、表面光沢度(JIS Z
8741;入射角60°で測定)が75%以上であるこ
とを特徴としている。
【0010】このような自動車外装用ブロー成形品とし
ては、具体的に基材層と表面層とからなる積層構造を有
し、基材層がプロピレンブロック共重合体からなり、表
面層がホモポリプロピレンと着色材との組成物からな
り、かつ表面層の表面光沢度が75%以上であるブロー
成形品が好ましい。
【0011】上記積層構造の自動車外装用ブロー成形品
では、基材層は、MFR(メルトフローレート:AST
M D1238;230℃、2.16kg荷重下で測定)
0.01〜10g/10分のプロピレンブロック共重合体
からなり、かつ表面層は、MFR0.01〜30g/10
分のホモポリプロピレンと、かつ該ホモポリプロピレン
100重量部に対して着色材を0.01〜10重量部の
量で含有する組成物からなることが好ましい。
【0012】本発明に係るブロー成形法は、ポリプロピ
レンを押出成形してパリソンを形成し、次いで該パリソ
ンに気体を吹き込みプリブロー成形しながら、あるいは
プリブロー成形した後、金型の型閉めを行なってブロー
成形するか、あるいはプロピレンブロック共重合体を内
層とし、ホモポリプロピレンと着色材との組成物を外層
として共押出成形して2層パリソンを形成し、次いで該
パリソンに気体を吹き込みプリブロー成形しながら、あ
るいはプリブロー成形した後、金型の型閉めを行なって
ブロー成形するに際して、型閉め開始から型開きしてブ
ロー成形品を取り出す迄の間に、金型を少なくとも一時
的に140℃以上の温度にすることを特徴としている。
【0013】上記のようなブロー成形法によれば、表面
光沢度が75%以上であるブロー成形品を得ることがで
きる。
【0014】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る自動車外装用
ブロー成形品およびブロー成形方法について具体的に説
明する。
【0015】本発明に係る自動車外装用ブロー成形品
は、表面光沢度(グロス)(JISZ8741;入射角
60°で測定)が75%以上、好ましくは80%以上、
さらに好ましくは85%以上のポリプロピレン系ブロー
成形品である。
【0016】このようなブロー成形品は後述するような
ブロー成形法によって得ることができるが、従来ポリプ
ロピレン系ブロー成形品でこのような高い表面光沢度を
有するものは知られていない。
【0017】上記のような自動車外装用ブロー成形品を
形成するポリプロピレンとしては、公知の種々のポリプ
ロピレンを広く用いることができ、またその製造触媒、
製造方法なども限定されるものではないが、たとえばホ
モポリプロピレンあるいはプロピレンと少量たとえば1
0モル%以下の他のα−オレフィンとの共重合体を用い
ることができる。この共重合体は、プロピレン系ランダ
ム共重合体であっても、プロピレンブロック共重合体で
あってもよい。
【0018】他のα−オレフィンとしてはエチレン、1-
ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オク
テン、1-デセン、1-ドデセン、1-ヘキサデセン、4-メチ
ル-1-ペンテンなどが挙げられる。
【0019】プロピレンブロック共重合体としては、具
体的にホモポリプロピレン成分とエチレン・プロピレン
共重合体成分とからなるプロピレンブロック共重合体が
挙げられ、このエチレン・プロピレン共重合体成分は、
エチレンおよびプロピレン以外の上記α−オレフィンか
ら誘導される構成単位などを含有していてもよい。
【0020】このようなポリプロピレンの望ましい態様
として、3-メチル-1-ブテン重合体を少量たとえば1ppm
〜3重量%の量で含有するポリプロピレンが挙げられ
る。3-メチル-1-ブテン重合体は、たとえば特開平2−
272045号公報に開示されているように、ハロゲン
含有マグネシウム、ハロゲン含有チタンとともに、多価
カルボン酸エステルなどの電子供与体とからなる固体状
チタン触媒成分と、有機アルミニウム化合物触媒成分、
さらに必要に応じて電子供与体とからなる重合触媒の存
在下に3-メチル-1-ブテンを重合させることにより調製
することができる。
【0021】このような3-メチル-1-ブテン重合体を含
有するポリプロピレンは、予め上記のような重合触媒の
存在下に、3-メチル-1-ブテンを重合させ、次いで必要
に応じて触媒成分を追加して、3-メチル-1-ブテン重合
体の存在下に、プロピレンを重合させるかあるいはプロ
ピレンと少量のエチレンなどのコモノマーを共重合させ
ることにより調製することができる。このようにして得
られるポリプロピレンは、微細な3-メチル-1-ブテン重
合体がポリプロピレン中に極めて良好に分散した構造を
有しており、優れた機械特性を有している。
【0022】また本発明では、メタロセン触媒を用いて
製造されたポリプロピレンも好ましく用いられる。上記
のようなポリプロピレンは、MFRが、0.01〜10
g/10分好ましくは0.05〜3g/10分であることが
望ましい。本明細書において、MFR(メルトフローレ
ート)は、ASTM D1238に準拠して230℃、
2.16kg荷重下で測定される値である。
【0023】またポリプロピレンは、融点(DSC法で
測定)が150〜167℃であることが望ましい。本発
明に係る自動車外装用ブロー成形品は、上記のようなポ
リプロピレンとともに着色材を含有していてもよい。
【0024】着色剤としては、染料、顔料など着色剤と
して公知のものを広く用いることができるが、特に公知
の有機顔料および無機顔料が用いられる。具体的には、
アゾ顔料、ニトロソ顔料、塩基性染料、酸性染料、媒染
染料などのレーキ、フタロシアニン顔料、有機蛍光顔料
などの有機顔料、アルミニウム粉、酸化チタン、亜鉛
華、沈降性シリカ、カーボンブラック、カドミウム赤、
群青、べんがらなどの無機顔料が挙げられる。これらを
2種以上組合わせて用いることもできる。
【0025】本発明に係る自動車外装用ブロー成形品
は、上記のようなポリプロピレンからなり、単層からな
っていてもよく、また基材層と表面層とを有する積層構
造からなっていてもよい。
【0026】積層構造を有するブロー成形品では、上記
のようなポリプロピレンのうちでも、基材層がプロピレ
ンブロック共重合体からなり、表面層がホモポリプロピ
レンと着色材との組成物からなることが好ましい。
【0027】この基材層を形成するプロピレンブロック
共重合体のMFRは、0.01〜10g/10分、好まし
くは0.05〜3g/10分であることが望ましい。また
表面層を形成するホモポリプロピレンと着色材との組成
物は、着色材をホモポリプロピレン100重量部に対し
て0.01〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部の
量で含有していることが望ましい。
【0028】このホモポリプロピレンのMFRは、0.
01〜30g/10分、好ましくは0.05〜10g/10
分であることが望ましく、上記基体層を形成するプロピ
レンブロック共重合体のMFRよりも高いことが好まし
い。
【0029】またホモポリプロピレンのロックウエル硬
度(JIS K7110)は、85〜95であり、結晶
化度は55%以上であることが望ましい。このような積
層構造のブロー成形品では、表面層の表面光沢度が上記
のように75%以上、好ましくは80%以上、さらに好
ましくは85%以上である。
【0030】また積層構造のブロー成形品では、基体層
の厚みは通常1〜5mm程度であり、表面層の厚みは通
常100μm〜1mm程度であることが望ましい。単層
構造のブロー成形品の厚みは、1〜5mm程度であるこ
とが望ましい。
【0031】本発明に係る自動車外装用ブロー成形品中
には、必要に応じて一般的にポリオレフィン成形品に配
合されることがある添加剤が含有されていてもよい。こ
のような添加剤としては、たとえば酸化防止剤、耐候安
定剤、紫外線吸収剤、難燃剤などが挙げられる。
【0032】また本発明に係るブロー成形品は、本発明
の目的を損なわない範囲であれば、無機充填材、滑剤な
どを適宜含有していてもよく、ブロー成形品が積層構造
であるときには、これらは特に基体層中に含まれている
ことが好ましい。
【0033】無機充填材としては、タルク、炭酸カルシ
ウム、マイカ、カオリン、硫酸バリウム、ガラス繊維な
どが挙げられる。滑剤としては、ステアリン酸、12-ヒ
ドロキシステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸などの
高級カルボン酸のアミド、イミド、ブチルアルコールな
どとのエステル、マグネシウム、カルシウム、アルミニ
ウム、リチウムなどの金属塩、ホスフェートエステル、
ポリエチレングリコール、パラフィンワックス、ポリエ
チレンワックス、ポリプロピレンワックスなどが挙げら
れる。
【0034】本発明に係る自動車外装用ブロー成形品
は、表面塗装を必要としないほど表面光沢性に優れてい
る。また機械的強度にも優れている。特にブロー成形品
が上記のような組合わせのポリプロピレン系樹脂同士の
積層構造を有していると、各層は堅固に一体化成形され
るので、機械的強度特に衝撃強度および剛性いずれにも
優れ、耐ドア衝突性などに優れている。また成形品は、
表面光沢性、表面硬度(傷つき性)、耐薬品性(耐ガソ
リン性)、耐洗車性などに優れる。
【0035】このような自動車外装用ブロー成形品とし
ては、具体的にスポイラー、バンパー、サイドモール、
バンパースカート、サイドマットガードなどが挙げられ
る。上記のような本発明に係る自動車外装用ブロー成形
品は、下記のようなブロー成形法によりポリプロピレン
を所望形状にブロー成形することにより製造することが
できる。
【0036】ブロー成形方法 本発明では、ブロー成形時の金型温度を特定温度にする
以外は公知のブロー成形方法と同様にブロー成形するこ
とができる。すなわち本発明では、ポリプロピレンを押
出成形してパリソンを形成し、次いで該パリソンに気体
を吹き込みプリブロー成形しながら、あるいはプリブロ
ー成形した後、金型の型閉めを行なってブロー成形する
か、あるいはプロピレンブロック共重合体を内層とし、
ホモポリプロピレンと着色材との組成物を外層として共
押出成形して2層パリソンを形成し、次いで該パリソン
に気体を吹き込みプリブロー成形しながら、あるいはプ
リブロー成形した後、金型の型閉めを行なってブロー成
形するに際して、型閉め開始から型開きしてブロー成形
品を取り出す迄の間に、金型を少なくとも一時的に14
0℃以上好ましくは155℃以上の温度にしている。
【0037】外層となる組成物は、押出成形前に予めホ
モポリプロピレンと着色材とをホモポリプロピレンの軟
化点以上好ましくは融点以上の温度で均一混練して形成
されることが望ましい。
【0038】また各層が、滑剤、充填材、添加剤などを
適宜含有する場合にも、押出成形前に予めホモポリプロ
ピレンあるいはプロピレンブロック共重合体とこれら成
分とを均一混練しておくことが望ましい。
【0039】ポリプロピレンの押出成形あるいは共押出
成形によるパリソンの形成は、通常樹脂温度:190〜
230℃、ダイ温度:190〜230℃の条件で行われ
る。このようにして2層パリソンを形成する際には、外
層(表面層)ホモポリプロピレンのMFRが大きくて
も、MFRの小さい内層(基体層)プロピレンブロック
共重合体に保持されてドローダウンが発生しにくい。ま
た外層ホモポリプロピレンが大きいと、ダイラインなど
の筋を発生しにくい。
【0040】次いで得られた単層または積層パリソン
に、気体を吹き込みプリブロー成形しながら、あるいは
プリブロー成形した後、金型の型閉めを行なってブロー
成形する。
【0041】本発明では、この型閉め開始から型開きし
てブロー成形品を取り出す迄の間に、金型を少なくとも
一時的に140℃以上好ましくは155℃以上の温度に
するが、この温度はさらに好ましくは160〜180℃
特に好ましくは165〜175℃であり、その保持時間
は具体的に0.1〜30秒好ましくは0.1〜20秒さら
に好ましくは0.1〜10秒であることが望ましい。こ
の保持時間は、型閉め開始から型開きする迄のすべて間
に相当していてもよいが、型閉め開始から型開きする迄
の間の一時期であることが好ましい。
【0042】上記のように本発明では、ブロー成形時の
金型を少なくとも一時的に140℃以上の温度にすれば
よい。より具体的には、さらに金型温度をブロー成形時
に常に140℃以上の温度に保っておいてもよいが、た
とえば金型温度を、型閉め開始時には140℃未満と
し、次いで140℃以上として型開きすることが好まし
く、また型閉め開始時には140℃未満とし、次いで1
40℃以上とした後、再び140℃未満とした後型開き
することが好ましい。
【0043】パリソンのプリブロー成形およびブロー成
形は、上記金型温度とすること以外は公知の方法にした
がって行うことができ、たとえば下記のような条件で行
うことができる。
【0044】エア抜き孔:30〜70mmピッチ、0.
3〜1.0mmφ、 樹脂温度:190〜230℃、 ブロー気体圧:100〜1000kPa、 吹き込み気体:空気、窒素など。
【0045】このような本発明によれば、前述したよう
な表面光沢度75%以上のブロー成形品を得ることがで
きる。また優れた金型転写性でブロー成形品を得ること
ができるが、特に筋、シワ、表面凹凸などがなく、外観
に優れたブロー成形品を得ることができる。
【0046】このように得られるブロー成形品は、塗装
をせずそのままでも自動車外装用ブロー成形製品として
使用することができるが、さらにフレーム処理などを加
えて光沢を増大させたり、塗装を施してもよい。
【0047】
【発明の効果】本発明に係る自動車外装用ブロー成形品
は、塗装を施さなくとも風合いがあって商品価値が高く
そのままで利用することができる。したがって塗装工程
を必要としないので、経済性に優れている。
【0048】また本発明に係る自動車外装用ブロー成形
品は、耐ドア衝突性などの機械的強度に優れるととも
に、表面光沢性、表面硬度(傷つき性)、耐薬品性(耐
ガソリン性)、耐洗車性などにも優れている。本発明に
係るブロー成形方法によれば、このようなブロー成形品
を得ることができる。
【0049】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0050】
【実施例1〜8】ホモポリプロピレン(MFR0.5g
/10分)100重量部と、着色材(アルミニウム粉およ
び青色顔料)5重量部とからなる組成物を外層とし、プ
ロピレンブロック共重合体(MFR0.5g/10分)1
00重量部と、タルク20重量部とからなる組成物を内
層として、樹脂温度210℃で2層積層パリソンを押出
成形した。
【0051】パリソン内に空気を吹き込んでプリブロー
を行った後、パリソンを分割金型に挟んで型閉めし、空
気を吹き込んで下記の条件でブロー成形を行った。型閉
め開始から型開きしてブロー成形品を取り出す迄の間、
金型温度を表1に示すような温度に設定した。
【0052】金型キャビティ面鏡面度:#1500 エア抜き孔:50mmピッチ、0.3mmφ、 ブロー成形時の樹脂温度:210℃、 吹き込み空気圧:490kPa、 得られた成形品の外観評価を表1に示す。測定条件は下
記の通りである。
【0053】 外観:○…外観を損なうようなシワ、筋、凸凹傷がな
い。 △…外観を損なうようなシワ、筋、凸凹傷が見られる。 ×…外観を損なうようなシワ、筋、凸凹傷の発生が著し
い。
【0054】 目視光沢:○…目視判断で成形品全体にわり均一でかつ
綺麗な光沢がある。 △…目視判断で光沢があるものの、濁りが見られる。 ×…目視判断で光沢がない。
【0055】表面光沢度:JIS Z8741に準拠し
て、グロスメータ(変角光沢計VG−1D型、日本電色
製)を用いて入射角60°で測定した。試料に入射角6
0°で平行光線を当て、正反射光線の光量を測定して鏡
面光沢度を100としたときの百分率(%)で表した。
【0056】
【比較例1〜4】表1に示すような金型温度でブロー成
形を行った以外は、実施例1と同様にしてブロー成形品
を得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【実施例9〜12】ホモポリプロピレン(MFR0.5
g/10分)100重量部と、着色材(アルミニウム粉お
よび青色顔料)5重量部とからなる組成物を外層とし、
プロピレンブロック共重合体(MFR0.5g/10分)
100重量部と、タルク20重量部とからなる組成物を
内層として、樹脂温度210℃で2層積層パリソンを押
出成形した。
【0059】パリソン内に空気を吹き込んでプリブロー
を行った後、パリソンを分割金型に挟んで型閉めし、空
気を吹き込んでブロー成形を行った。型閉め開始から型
開きしてブロー成形品を取り出す迄の間、金型温度を表
1に示すような温度に設定した。実施例1と同様に評価
した結果を表2に示す。
【0060】
【比較例5〜8】表2に示すような金型温度でブロー成
形を行った以外は、実施例8と同様にしてブロー成形品
を得た。実施例1と同様に評価した結果を表2に示す。
【0061】
【表2】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 22:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレンからなり、表面光沢度(J
    IS Z8741;入射角60°で測定)が75%以上
    であることを特徴とする自動車外装用ブロー成形品。
  2. 【請求項2】基材層と表面層とを有する積層構造の自動
    車外装用ブロー成形品であって、 基材層がプロピレンブロック共重合体からなり、 表面層がホモポリプロピレンと着色材との組成物からな
    り、かつ表面層の表面光沢度(JIS Z8741;入
    射角60°で測定)が75%以上であることを特徴とす
    る自動車外装用ブロー成形品。
  3. 【請求項3】基材層が、MFR(メルトフローレート:
    ASTM D1238;230℃、2.16kg荷重下で
    測定)0.01〜10g/10分のプロピレンブロック共
    重合体からなり、かつ表面層が、MFR0.01〜30
    g/10分のホモポリプロピレンと、かつ該ホモポリプロ
    ピレン100重量部に対して着色材を0.01〜10重
    量部の量で含有する組成物からなることを特徴とする請
    求項2に記載の自動車外装用ブロー成形品。
  4. 【請求項4】ポリプロピレンを押出成形してパリソンを
    形成し、次いで該パリソンに気体を吹き込みプリブロー
    成形しながら、あるいはプリブロー成形した後、金型の
    型閉めを行なってブロー成形するに際して、 型閉め開始から型開きしてブロー成形品を取り出す迄の
    間に、金型を少なくとも一時的に140℃以上の温度に
    することを特徴とするブロー成形方法。
  5. 【請求項5】プロピレンブロック共重合体を内層とし、
    ホモポリプロピレンと着色材との組成物を外層として共
    押出成形して2層パリソンを形成し、次いで該パリソン
    に気体を吹き込みプリブロー成形しながら、あるいはプ
    リブロー成形した後、金型の型閉めを行なってブロー成
    形するに際して、 型閉め開始から型開きしてブロー成形品を取り出す迄の
    間に、金型を少なくとも一時的に140℃以上の温度に
    することを特徴とするブロー成形方法。
  6. 【請求項6】請求項4または5に記載のブロー成形方法
    で得られるブロー成形品の表面光沢度(JIS Z87
    41;入射角60°で測定)が75%以上であることを
    特徴とする請求項4または5に記載のブロー成形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6759003B1 (en) 1999-06-24 2004-07-06 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Blow molding method, blow molded product and blow molding mold
JP2010149508A (ja) * 2008-11-20 2010-07-08 Japan Polypropylene Corp 多層ブロー成形品

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