JPH08183086A - 多層中空成形品の製造方法 - Google Patents

多層中空成形品の製造方法

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JPH08183086A
JPH08183086A JP34031194A JP34031194A JPH08183086A JP H08183086 A JPH08183086 A JP H08183086A JP 34031194 A JP34031194 A JP 34031194A JP 34031194 A JP34031194 A JP 34031194A JP H08183086 A JPH08183086 A JP H08183086A
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JP
Japan
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weight
layer
polymer composition
molded article
olefin polymer
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JP34031194A
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English (en)
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Hirohisa Ishii
弘久 石井
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Publication date
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、プロピレン重合体を用いた成型品の
耐衝撃性、剛性及び耐熱性等の優れた特性を生かしなが
ら、ピンチオフ強度並びに表面の平滑性、光沢性及び耐
傷性を改善した多層成形品の製造方法を提供することに
ある。 【構成】多層ブロー成形法において、表面層に特定のプ
ロピレン・α−オレフィン共重合体又はプロピレン単独
重合体99.2〜99.95重量%及び造核剤0.05
〜0.8重量%を配合したオレフィン重合体組成物、並
びに内層に特定のエチレン・α−オレフィン共重合体が
5〜30重量%、プロピレン単独重合体が70〜95重
量%より成るオレフィン重合体組成物90〜70重量%
及びフィラー10〜30重量%を配合したオレフィン重
合体組成物から成る溶融パリソン、並びに特定の金型を
用いることを特徴とする多層中空成形品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多層ブロー成形法を用
いた多層中空成型品の製造方法に関し、詳しくはオレフ
ィン重合体組成物を用い、耐傷性、光沢性、表面平滑性
等の外観、耐衝撃性、剛性に極めて優れた多層中空成形
品が得られ、成形性の優れる製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プロピレン重合体は、その成型品が剛
性、耐衝撃性、耐熱性等の数多くの優れた特性を有する
ことから、ブロー成形法により得られた中空成形品とし
て数多く使用されている。しかしながら、従来のプロピ
レン重合体を用いたブロー成型法により得られた成型品
の表面は、自動車外板部品のスポイラー等が求める好外
観の要求を満たすものではなく、該成形品外観の表面平
滑性及び光沢性の大幅改善がきわめて重要な課題であっ
た。成型品の外観を向上させる方法として例えば特開平
2−215529号公報に記載されているように成型品
を多層構造とし、該成型品の表面層にエチレン・プロピ
レン共重合体を用いることによって、中空成型品表面の
光沢性を向上させることが知られている。
【0003】しかし、該成形品を得る成型法であるブロ
ー成形法では、溶融パリソンが空気圧(一般には0.0
49〜0.098MPa)で膨張させられ、金型に押し
つけられることによって成形される。この際に金型壁面
に押しつけられる圧力は、射出成形の場合の圧力(0.
98〜2.94MPa)に比べると極度に低い。この理
由により、表面平滑性及び光沢性の向上を求めて金型壁
面を鏡面仕上げすると、パリソンと金型壁面との間に存
在する空気が逃げ切れずに中空成形品の表面に「あば
た」や「しわ」を発生させるから期待に反して逆に表面
平滑性及び光沢性は低下する。この「あばた」や「し
わ」をさけるためブロー成形用金型にはその金型壁面全
体にサンドブラストをかけて、エアーの逃げ路付けを行
う。しかし、プロピレン・α−オレフィン共重合体を表
面層に用いた多層構造を持つ成型品は、成型時に金型表
面の粗面化を忠実に転写する。従って、サンドブラスト
をかけられた金型壁面に制約されて表面平滑性及び光沢
性の向上が限界に達してしまう。
【0004】この他にブロー成形法により得られた成型
品の外観は射出法により得られた成形品に比べるとダイ
ライン、ウエルドライン及びサメ肌等の表面の表面平滑
性が低下する現象が目に付く。塗装を行う前に金属製成
型品表面の表面平滑性を向上させる方法として、バフ掛
け等があるが、ポリプロピレンのようにガラス転移温度
が低く、軟化しやすいプラスチックを用いた成型品にバ
フ掛けを行うと、表面の表面平滑性及び光沢性は低下し
てしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、プロピレン
重合体を用いた成型品の耐衝撃性、剛性及び耐熱性等の
優れた特性を生かしながら、ピンチオフ強度並びに表面
の平滑性、光沢性及び耐傷性を改善した多層成形品の製
造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を有
する。 (1)多層ブロー成形法において、表面層に結晶融点
(Tm)が135〜160℃、メルトフローレート(2
30℃;21.18N)が0.5〜30g/10mi
n、密度が0.895〜0.900g/cm3のプロピ
レン・α−オレフィン共重合体〔A〕又は結晶融点(T
m)が160〜167℃、メルトフローレート〔230
℃;21.18N〕が0.5〜30g/10min、密
度が0.900〜0.905g/cm3プロピレン単独
重合体〔B〕99.2〜99.95重量%及び造核剤
〔C〕0.05〜0.8重量%を配合したオレフィン重
合体組成物〔D〕、並びに内層にα−オレフィン含有量
が20〜70重量%のエチレン・α−オレフィン共重合
体〔E〕が5〜30重量%、プロピレン単独重合体
〔F〕が70〜95重量%より成るメルトフローレート
(230℃;21.18N)が0.1〜3g/10mi
n、結晶融点(Tm)が150〜167℃のオレフィン
重合体組成物〔G〕90〜70重量%及びフィラー
〔H〕10〜30重量%を配合したオレフィン重合体組
成物〔I〕から成る溶融パリソン、並びに300メッシ
ュ以上の研磨材で鏡面仕上げしたキャビティーの表面及
びエアベントを持つ金型、100メッシュ以上の研磨材
で仕上げした後80〜200メッシュの研磨材でサンド
ブラストした後ガラスビーズブラスト仕上げしたキャビ
ティーの表面を持つ金型、又は100メッシュ以上の研
磨材で仕上げした後80〜200メッシュの研磨材でサ
ンドブラストした後ガラスビーズブラスト仕上げしたキ
ャビティーの表面及びエアベントを持つ金型を用いるこ
とを特徴とする多層中空成形品の製造方法。
【0007】(2)多層ブロー成形法において、表面層
に前記第1項記載のオレフィン重合体組成物〔D〕98
〜80重量%及び密度が0.890〜0.925g/c
3、メルトフローレート(190℃;21.18N)
が0.5〜30g/10min、結晶融点(Tm)が1
10〜125℃の直鎖状低密度ポリエチレン〔K〕2〜
20重量%を配合したオレフィン重合体組成物〔L〕、
並びに内層に前記第1項記載のオレフィン重合体組成物
〔I〕から成る溶融パリソン、並びに前記第1項記載の
金型〔J〕を用いることを特徴とする多層中空成形品の
製造方法。
【0008】(3)多層ブロー成形法において、表面層
に前記第1項記載のオレフィン重合体組成物〔D〕又は
前記第2項記載のオレフィン重合体組成物〔L〕、並び
に内層に前記第1項記載のオレフィン重合体組成物
〔I〕95〜85重量%及び密度が0.945〜0.9
70g/cm3、メルトフローレート(190℃;2
1.18N)が0.01〜0.3g/10min、結晶
融点(Tm)が125〜135℃の高密度ポリエチレン
〔M〕5〜15重量%を配合したオレフィン重合体組成
物〔N〕から成る溶融パリソン、並びに前記第1項記載
の金型〔J〕を用いることを特徴とする多層中空成形品
の製造方法。
【0009】(4)前記第1項、第2項又は第3記載の
多層中空成形品の製造方法により得られた多層中空成型
品の表面を溶融状態に成るまで加熱することを特徴とす
る多層中空成形品の製造方法。 (5)前記第1項、第2項、第3項又は第4項記載の多
層中空成形品の製造方法により得られた多層中空成型品
が自動車用スポイラーである多層中空容器の製造方法。
【0010】以下具体的に説明する。本発明に用いる多
層ブロー成型法とは、複数の押出機でオレフィン重合体
を溶融押し出しし、ダイ内で積層し円筒状パリソン形状
を成形後、ブロー成形用の金型で挟み、溶融状態下で空
気を送り込んで金型のキャビティー形状に中空成形する
ダイレクトブロー成型法が例示できる。
【0011】本発明に用いるプロピレン・α−オレフィ
ン共重合体〔A〕とは、結晶融点(Tm)が135〜1
60℃、好ましくは140〜160℃であり、メルトフ
ローレート(以下MFRと略記することがある。)(2
30℃;21.18N)が0.5〜30g/10mi
n、好ましくは1.0〜15g/10min、更に好ま
しくは1.5〜10g/10minであり、密度が0.
895〜0.900g/cm3のプロピレン・α−オレ
フィン共重合体である。結晶融点(Tm)が135℃を
大きく下回るプロピレン・α−オレフィン共重合体を用
る製造方法は、得られた多層中空成型品の表面硬度が低
く耐傷性に優れず、本発明の製造方法としては好ましく
ない。該プロピレン・α−オレフィン共重合体(A)の
製造方法は、プロピレンを主成分としエチレン、1−ブ
テン等のα−オレフィンとランダムに共重合させること
によって得られる。もちろんプロピレン、エチレン及び
1−ブテンを共重合させたエチレン・プロピレン・1−
ブテン共重合体であってもよい。該共重合は、配位化合
物系触媒と有機アルミニウム化合物等の有機金属化合物
の助触媒とを組み合わせた触媒を用いた公知公用のスラ
リー重合又は気相重合を例示できる。
【0012】本発明に用いるプロピレン単独重合体
〔B〕とは、結晶融点(Tm)が160〜167℃であ
り、MFR(230℃;21.18N)が0.5〜30
g/10min、好ましくは1.0〜15g/10mi
n、更に好ましくは1.5〜10g/10minであ
り、密度が0.900〜0.905g/cm3のプロピ
レン単独重合体である。該プロピレン単独重合体〔B〕
の製造方法は、配位化合物系触媒と有機アルミニウム化
合物等の有機金属化合物の助触媒とを組み合わせた触媒
を用いた公知公用のスラリー重合又は気相重合によりプ
ロピレンを単独重合する方法が例示できる。
【0013】本発明に於ける結晶融点(Tm)とは走査
型差動熱量計(DSC)を用いて窒素気流中で10mg
の試料を20℃/minの速度で昇温させて観測される
結晶の融解に伴う吸熱カーブのピーク温度を示す。該ピ
ークが複数個観測される場合には最大面積を占めるピー
クのピーク温度とする。
【0014】本発明に用いる造核剤〔C〕としては、ベ
ンジリデンソルビトール及びその誘導体、4−三級ブチ
ル安息香酸アルミニウム、4−三級ブチル安息香酸ナト
リウム、環状燐酸エステル塩基性多価金属塩並びに有機
カルボン酸アルカリ金属塩等が例示でき、その中でもベ
ンジリデンソルビトール及びその誘導体が得られる多層
中空容器の表面平滑性の点で好ましい。該造核剤〔C〕
の配合量は、オレフィン重合体組成物〔D〕に対して
0.1〜0.8重量%、好ましくは0.05〜0.8重
量%、更に好ましくは0.1〜0.4重量%である。該
ベンジリデンソルビトール及びその誘導体としては、1
・3,2・4−ジベンジリデンソルビトール、1・3−
ベンジリデン−2・4−p−メチルベンジリデンソルビ
トール、1・3−ベンジリデン−2・4−p−エチルベ
ンジリデンソルビトール、1・3−p−メチルベンジリ
デン−2・4−ベンジリデンソルビトール、1・3−p
−エチルベンジリデン−2・4−ベンジリデンソルビト
ール、1・3−p−メチルベンジリデン−2・4−p−
エチルベンジリデンソルビトール、1・3−p−エチル
ベンジリデン−2・4−p−メチルベンジリデンソルビ
トール、1・3,2・4−ジ(p−メチルベンジリデ
ン)ソルビトール、1・3,2・4−ジ(p−エチルベ
ンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ジ(p−
n−プロピルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2
・4−ジ(p−i−プロピルベンジリデン)ソルビトー
ル、1・3,2・4−ジ(p−n−ブチルベンジリデ
ン)ソルビトール、1・3,2・4−ジ(p−s−ブチ
ルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ジ
(p−t−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1・
3,2・4−ジ(2’,4’−ジメチルベンジリデン)
ソルビトール、1・3,2・4−ジ(p−メトキシベン
ジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ジ(p−エ
トキシベンジリデン)ソルビトール、1・3−ベンジリ
デン−2・4−p−クロルベンジリデンソルビトール、
1・3−p−クロルベンジリデン−2・4−p−メチル
ベンジリデンソルビトール、1・3−p−クロルベンジ
リデン−2・4−p−エチルベンジリデンソルビトー
ル、1・3−p−メチルベンジリデン−2・4−p−ク
ロルベンジリデンソルビトール、1・3−p−エチルベ
ンジリデン−2・4−p−クロルベンジリデンソルビト
ール、及び1・3,2・4−ジ(p−クロルベンジリデ
ン)ソルビトール等を例示でき、特に1・3,2・4−
ジベンジリデンソルビトール、1・3,2・4−ジ(p
−メチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4
−ジ(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1・3
−p−クロルベンジリデン−2・4−p−メチルベンジ
リデンソルビトール及び1・3,2・4−ジ(p−クロ
ルベンジリデン)ソルビトールが好ましい。これらの化
合物の単独使用はもち論のこと、2種以上の化合物を併
用することもできる。
【0015】本発明に用いるエチレン・α−オレフィン
共重合体〔E〕とはα−オレフィン含有量が20〜70
重量%のエチレン・α−オレフィン共重合体であり、好
ましくはプロピレン含有量が20〜60重量%のエチレ
ン・プロピレン共重合体である。該エチレン・α−オレ
フィン共重合体〔E〕の製造方法は、エチレンを主成分
としプロピレン、1−ブテン等のα−オレフィンと共重
合させる方法が例示できる。該共重合は、バナジウム系
触媒又はチタン系触媒の存在下における公知公用のスラ
リー重合又は気相重合等を例示できる。
【0016】本発明に用いるプロピレン単独重合体
〔F〕は、プロピレンの単独重合体であり、好ましくは
結晶融点(Tm)が160〜167℃、密度が0.89
5〜0.900g/cm3のプロピレン単独重合体であ
る。該プロピレン単独重合体〔F〕の製造方法は、配位
化合物系触媒と有機アルミニウム化合物等の有機金属化
合物の助触媒とを組み合わせた触媒を用いた公知公用の
スラリー重合又は気相重合によりプロピレンを単独重合
する方法を例示できる。
【0017】本発明に用いるオレフィン重合体組成物
〔G〕はエチレン・α−オレフィン共重合体〔E〕が5
〜30重量%、プロピレン単独重合体〔F〕が70〜9
5重量%より成るMFR(230℃;21.18N)が
0.1〜3g/10min、好ましくは0.3〜1.5
g/10min、結晶融点(Tm)が160〜167℃
のオレフィン重合体組成物である。該オレフィン重合体
組成物〔G〕の製造方法は、エチレン・α−オレフィン
共重合体〔E〕を重合して、続いてプロピレン単独重合
体〔F〕を重合する方法、個別に重合したエチレン・α
−オレフィン共重合体〔E〕及びプロピレン単独重合体
〔F〕をタンブラーミキサー、スパーミキサー等で配合
する方法、該配合した後に溶融混練する方法等が例示で
きる。
【0018】本発明に用いるフィラー〔H〕としては、
タルク、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウィスカ
ー、マイカ及びガラス繊維等が例示でき、これらを単独
又は併用しても良い。該フィラーの配合量は、オレフィ
ン重合体組成物〔I〕に対して、10〜30重量%であ
り、好ましくは10〜25重量%である。
【0019】該タルクとしては比表面積17,000c
2/g以上で平均粒径が5μm以下、好ましくは耐衝
撃性の点で2μm以下であり、10μmを越える粒径成
分が5重量%以下、好ましくは耐衝撃性の点で1重量%
以下のタルクが例示できる。該炭酸カルシウムとしては
比表面積が8,000cm2/g以上で平均粒径が3μ
m以下で10μmを越える粒径成分が5重量%以下であ
る炭酸カルシウムが例示できる。該チタン酸カリウムウ
ィスカーとしては平均繊維径0.2〜1.5μm及び平均
繊維長10〜50μmのウィスカーが例示できる。該マ
イカとしては平均フレーク径が200〜40μm及びア
スペクト比が30〜70のマイカが例示できる。該ガラ
ス繊維としては平均繊維径4〜13μm及び繊維長3〜
6mmのガラス繊維が例示できる。更に該フィラーは未
処理のフィラー又は補強効果を増す為にシラン処理した
フィラーも例示できる。
【0020】本発明に用いる金型は、300メッシュ以
上の研磨材で鏡面仕上げしたキャビティーの表面及びエ
アベントを持つ金型、100メッシュ以上の研磨材で仕
上げした後80〜200メッシュの研磨材でサンドブラ
ストした後ガラスビーズブラスト仕上げしたキャビティ
ーの表面を持つ金型、又は100メッシュ以上の研磨材
で仕上げした後80〜200メッシュの研磨材でサンド
ブラストした後ガラスビーズブラスト仕上げしたキャビ
ティーの表面及びエアベントを持つ金型である。該エア
ベントは、穴径が0.4mm以下、好ましくは0.2m
m以下び微細な穴が例示できる。
【0021】本発明に用いる直鎖状低密度ポリエチレン
〔K〕としては密度が0.890〜0.925g/cm
3、好ましくは0.895〜0.920g/cm3であ
り、メルトフローレート(190℃;21.18N)が
0.5〜30g/10min、好ましくは1〜15g/
10minであり、結晶融点(Tm)が110〜125
℃、好ましくは113〜120℃の直鎖状低密度ポリエ
チレンである。該直鎖状低密度ポリエチレン〔K〕の製
造方法は、エチレンを主成分とし1−ブテン、1−ヘキ
セン等のα−オレフィンの1種以上とランダムに共重合
させることによって得られる。該直鎖状低密度ポリエチ
レンの配合量は、オレフィン重合体組成物〔L〕に対し
て2〜20重量%、好ましくは3〜10重量%、更に好
ましくは3〜8重量%である。該直鎖状低密度ポリエチ
レンの配合量が20重量%を大きく超えるオレフィン重
合体組成物を用いる製造方法により得られた多層中空成
型品は、耐傷性が劣り本発明には適しない。
【0022】本発明に用いる高密度ポリエチレン〔M〕
としては密度が0.945〜0.970g/cm3であ
り、MFR(190℃;21.18N)が0.01〜
0.3g/10min、好ましくは0.01〜0.1g
/10minであり、結晶融点(Tm)が125〜13
5℃の高密度ポリエチレンである。MFR(190℃;
21.18N)が0.01重量%を大きく下回る高密度
ポリエチレンを用いる製造方法は、オレフィン重合体組
成物〔I〕との配合が困難な点、及び0.3重量%を大
きく超える高密度ポリエチレンを用いる製造方法は、多
層ブロー成形における溶融パリソンの耐ドローダウン性
が優れず、本発明の製造方法には適しない。該高密度ポ
リエチレンの配合量は、多層ブロー成形時の溶融パリソ
ンの耐ドローウン性の点及び得られる多層中空成型品の
耐衝撃性(ピンチオフ強度)の点でオレフィン重合体組
成物〔N〕に対して5〜15重量%、好ましくは8〜1
2重量%である。
【0023】本発明には、オレフィン重合体組成物
〔D〕及びオレフィン重合体組成物〔L〕に直鎖状低密
度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチ
レン、酸化防止剤、耐候剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤、着色剤、フィラ−等の公知の各種配合剤、水素添加
石油樹脂又はエラストマー等の公知の熱可塑性樹脂を本
発明の目的を損なわない範囲で配合した組成物を、表面
層に用いた溶融パリソンを用いることができる。
【0024】本発明には、オレフィン重合体組成物
〔I〕及びオレフィン重合体組成物〔N〕に直鎖状低密
度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、酸化防止剤、耐
候剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤等の公知の各
種配合剤、水素添加石油樹脂又はエラストマー等の公知
の熱可塑性樹脂、再生材を本発明の目的を損なわない範
囲で配合した組成物を、内層に用いた溶融パリソンを用
いることができる。
【0025】本発明で用いられる溶融パリソンの表面層
及び内層の間に、再生材、ポリアミド系樹脂等を用いた
中間層及び接着性を改良するための接着層を本発明の目
的を損なわない範囲で設けることができる。
【0026】本発明で用いられるオレフィン重合体組成
物〔D〕、オレフィン重合体組成物〔G〕、オレフィン
重合体組成物〔I〕、オレフィン重合体組成物〔L〕及
びオレフィン重合体組成物〔N〕の配合方法は、ヘンシ
ェルミキサー(商品名)等の高速攪拌機付混合機並びに
リボンブレンダー及びタンブラーミキサー等の通常の配
合装置により配合する方法が例示できる。溶融混練を必
要とする場合には、通常の単軸押出機又は二軸押出機等
を用いてペレット化する方法が例示できる。
【0027】本発明で用いられる多層中空成形品の表面
を溶融状態に成るまで加熱することは、該多層中空成形
品の内層を変形させずに表面層を溶融状態に成るまで加
熱させることである。内層を変形させない点で加熱は高
温で短時間が好ましく、又溶融状態になった後は直ちに
冷却することが好ましい。該加熱は火炎、熱風及び赤外
線放射等が例示できる。加熱条件は、およそ950℃の
酸化炎を多層成形品の5〜10cmの位置から0.1〜
0.8秒ほど照射することが例示される。該条件では本
発明で用いる多層成形品の表面層は溶融しその後表面が
平滑になり、本発明で用いる内層は殆ど熱の影響を受け
ず変形は生じないことが例示できる。また、多層成形品
の表面層に用いたオレフィン重合体組成物〔D〕又はオ
レフィン重合体組成物〔L〕の結晶融点に対して10〜
50℃高い温度のオーブンで25秒〜120秒加熱する
ことも例示できる。
【0028】本発明に用いる溶融パリソンは、表面層の
厚みが該溶融パリソンの1〜20%、好ましくは3〜1
5%以下であることが例示できる。本発明で得られる多
層中空成型品の表面に塗装することもできる。該塗装と
は、ポリプロピレン用の塗料をスプレー方式で塗装する
方法、好ましくはポリプロピレン用のプライマーを塗布
乾燥し、2液タイプのウレタン系塗料を塗布乾燥したの
ち80℃で40分間焼き付ける方法が例示できる。
【0029】
【実施例】以下に実施例、比較例によって本発明を更に
具体的に説明するが、本発明はこれらの具体例により制
約されるものではない。なお以下の実施、比較例で用い
た特性の評価方法は下記の方法で行った。 (1)結晶融点(本文中の略号Tm):走査型差動熱量
計(略称:DSC)を用いて窒素雰囲気下で10mgの
試料を昇温速度20℃/分で室温(23℃)より測定
し、結晶の融解に伴なう吸熱カーブのピーク温度(単位
℃)で表わす。 (2)密度:JIS K7112(1980)試験条件
D法(密度勾配管法)に基づいて測定した(単位g/c
3)。
【0030】(3)比重:JIS K7112(198
0)試験条件A法(水中置換法)に基づいて測定した。 (4)MFR[230℃;21.18N](略号「MF
R−」):JIS K7210(1976)の試験条
件14(230℃;21.18N)に基づいて測定し
た。(単位g/10min) (5)MFR[190℃;21.18N](略号「MF
R−」):JIS K7210(1976)の試験条
件14(190℃;21.18N)に基づいて測定値し
た。(単位g/10min) (6)光沢性はJIS K7105の試験条件(60度
鏡面光沢度)のに基づいて光沢度を測定し、光沢性の指
標とした(単位:%)。
【0031】(7)表面平滑性:成形品から一定の位置
(2〜3m)にある蛍光灯を点灯させ、その蛍光灯の鮮
映性を目視にて判定すし、表面平滑性の指標とした。 E:特に優れている。 G:優れている。 F:やや劣る。 N:劣る。
【0032】(8)成形性:多層ブロー成形における溶
融パリソンのドローダウン性を、目視にて判断する。 E:ドローダウンが見られず、問題なく成形できる。 G:僅かにドローダウンが見られるが、問題なく成形で
きる。 F:ドローダウンが生じ、得られる多層中空成形品の厚
みが変動する。 N:ドローダウンが明らかに生じ、成形不可能。 (9)耐傷性:多層中空成形品同士を擦り合わせた痕を
目視判断する。 E:傷が殆ど認められない。 G:僅かに傷が発生するが実用上問題ない。 N:傷が目立つ。
【0033】(10)ピンチオフ強度:多層中空成型品
の底部のピンチオフ部から、幅10mmの短冊状試験片
を切り出し、引張試験器により引張降伏強さを測定し
た。その結果を標準品と比較評価し、ピンチオフ強度の
指標とした。(標準品:多層中空成型品の胴部から、幅
10mm、厚みがピンチオフ部と同一の短冊状試験片を
切り出し、引張試験器により引張降伏強さを測定す
る。) E:標準品に比べ80%超えるの強度。 G:標準品に比べ80〜60%の強度。 N:標準品に比べ60%未満の強度。
【0034】下記の実施例及び比較例に於いて用いる重
合体、化合物及びフィラーは下記の通り略記する。 PP:MFR−が3g/10min、結晶融点が1
65℃、密度が0.901g/cm3のプロピレン単独
重合体。 PP:MFR−が2g/10min、結晶融点が1
45℃、密度が0.898g/cm3のプロピレン・エ
チレン共重合体。 PP:MFR−が1.5g/10min、結晶融点
が140℃、密度が0.898g/cm3のプロピレン
・エチレン共重合体。 PP:MFR−が4.5g/10min、結晶融点
が155℃、密度が0.899g/cm3のプロピレン
・エチレン共重合体。
【0035】PP:エチレン含有量が59重量%及び
プロピレン含有量が41重量%のエチレン・プロピレン
共重合体を12.7重量%並びにプロピレン単独重合体
を87.3%より成る、MFR−が0.6g/10m
in、結晶融点が162℃。密度が0.902g/cm
3のオレフィン重合体組成物。 PP:MFR−が0.5g/10min、結晶融点
が165℃。密度が0.902g/cm3のプロピレン
単独重合体。 PP:MFR−が1.6g/10min、密度が
0.87g/cm3のエチレン含有量が78重量%及び
プロピレン含有量が22重量%のエチレン・プロピレン
共重合体。
【0036】PE:MFR−が0.025g/10
min、結晶融点が132℃。密度が0.950g/c
3の高密度ポリエチレン。 PE:MFR−が5g/10min、結晶融点が1
15℃。密度が0.900g/cm3の直鎖状低密度ポ
リエチレン。 PE:MFR−が0.8g/10min、結晶融点
が120℃。密度が0.920g/cm3の直鎖状低密
度ポリエチレン。 NC:1・3,2・4−ジベンジリデンソルビトー
ル。 NC:ビス(p−t−安息香酸ブチル)ヒドロキシア
ルミニウム。 NC:1・3,2・4−ビス(P−メチルベンジリデ
ン)ソルビトール。
【0037】タルク:平均粒径1.3μmのタルク。 金型:350メッシュの研磨材で鏡面仕上げしたキャ
ビティーの表面及び穴径が0.3mmのエアベントを持
ち、キャビティーの容積が100×200×30mmの
金型。エアベントはキャビティーの表面には5000m
2に1つの割合、面と面との稜線には50mmの間隔
に1つの割合及び8つの角に設けてある。 金型:100メッシュの研磨材で仕上げした後、10
0メッシュの研磨材でサンドブラストした後ガラスビー
ズブラスト仕上げしたキャビティーの表面を持ち、キャ
ビティーの容積が100×200×30mmの成形品金
型。 金型:100メッシュの研磨材で仕上げした後、10
0メッシュの研磨材でサンドブラストした後ガラスビー
ズブラスト仕上げしたキャビティーの表面及びエアベン
トを持ち、キャビティーの容積がが100×200×3
0mmの成形品金型。エアベントはキャビティーの表面
には5000mm2に1つの割合、面と面との稜線には
50mmの間隔に1つの割合及び8つの角に設けてあ
る。 金型:350メッシュ以上の研磨材で鏡面仕上げした
キャビティーの表面及びキャビティーの容積が100×
200×30mmの成形品金型。
【0038】(実施例1〜6、比較例1,2)PPを
100重量部、NCを0.3重量部、テトラキス〔メ
チレン(3.5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒ
ドロキシシンナメイト)〕メタンを0.05重量部、ト
リス(2.4ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト
を0.05重量部及びカルシウムステアレートを0.0
5重量部を配合しヘンシェルミキサーで均一混合し23
0℃の押出機により溶融混練りし、冷却カットしてペレ
ット状とし組成物を得た。(以下、組成物と略記す
る。)
【0039】PPを100重量部、NCを0.3重
量部、テトラキス〔メチレン(3.5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシ−ヒドロキシシンナメイト)〕メタン
を0.05重量部、トリス(2.4ジ−t−ブチルフェ
ニル)フォスファイトを0.05重量部及びカルシウム
ステアレートを0.05重量部を配合しヘンシェルミキ
サーで均一混合し230℃の押出機により溶融混練り
し、冷却カットしてペレット状とし組成物を得た。(以
下、組成物と略記する。)
【0040】PPを100重量部、タルクを15重量
部、テトラキス〔メチレン(3.5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシ−ヒドロキシシンナメイト)〕メタンを
0.05重量部、トリス(2.4ジ−t−ブチルフェニ
ル)フォスファイトを0.05重量部及びカルシウムス
テアレートを0.05重量部を配合しヘンシェルミキサ
ーで均一混合し230℃の押出機により溶融混練りし、
冷却カットしてペレット状とし組成物を得た。(以下、
組成物と略記する。)この組成物のMFR−は
0.8g/10min、結晶融点が162℃であった。
【0041】多層ブロー成形機の表面層用押出機に後述
の表1に示すように組成物又組成物を供給し、内層
用押出機に組成物を供給して、押出温度210℃にお
いて2層溶融パリソンを押出し、表1に示す金型を用い
て外寸が100×200×30mm、平均厚みは2.2
mm、表面層の厚みが150μm、内層の厚みが2.0
5mmの多層中空成型品を成形した。この製造方法の成
形性及びこの多層中空成型品の特性を表1に示した。
【0042】表1にから明かなように、実施例1〜6の
製造方法は成形性に優れ、更に得られた多層中空成型品
の、ピンチオフ強度、耐傷性、光沢性、表面平滑性も優
れることがわかる。比較例1,2は、エアベントを持た
ず、350メッシュ以上の研磨材で鏡面仕上げしたキャ
ビティーの表面を持つ金型を用いた製造方法である。こ
の製造方法で得られる多層中空成型品の表面平滑性が劣
ることがわかる。
【0043】(実施例7〜10、比較例3,4)PP
、PP、NC、NCを後述の表2に示す重量
部、テトラキス〔メチレン(3.5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシ−ヒドロキシシンナメイト)〕メタンを
0.05重量部、トリス(2.4ジ−t−ブチルフェニ
ル)フォスファイトを0.05重量部及びカルシウムス
テアレートを0.05重量部を配合しヘンシェルミキサ
ーで均一混合し230℃の押出機により溶融混練りし、
冷却カットしてペレット状とし、多層ブロー成型機の表
面層用押出機に供給した。内層用押出機に組成物を供
給し、押出温度210℃において2層溶融パリソンを押
出し、金型を用いて外寸が100×200×30m
m、平均厚みは2.2mm、表面層の厚みが150μ
m、内層の厚みが2.05mmの多層中空成型品を成形
した。この製造方法の成形性及びこの多層中空成型品の
特性を表2に示した。
【0044】表2にから明かなように、実施例7〜10
の製造方法は成形性に優れ、更に得られた多層中空成型
品の、ピンチオフ強度、耐傷性、光沢性、表面平滑性も
優れることがわかる。比較例3,4は、造核剤を配合し
ない組成物を表層用押出機に供給する製造方法である。
この製造方法で得られる多層中空成型品の光沢性、表面
平滑性が劣ることがわかる。
【0045】(実施例11〜13、比較例5)PPを
100重量部、NCを0.2重量部、テトラキス〔メ
チレン(3.5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒ
ドロキシシンナメイト)〕メタンを0.05重量部、ト
リス(2.4ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト
を0.05重量部及びカルシウムステアレートを0.0
5重量部を配合しヘンシェルミキサーで均一混合し23
0℃の押出機により溶融混練りし、冷却カットしてペレ
ット状とし組成物を得た。(以下、組成物と略記す
る。)
【0046】PP、PP、PP、PE、タルク
を後述の表3に示す重量部、テトラキス〔メチレン
(3.5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロキ
シシンナメイト)〕メタンを0.05重量部、トリス
(2.4ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトを
0.05重量部及びカルシウムステアレートを0.05
重量部を配合しヘンシェルミキサーで均一混合し230
℃の押出機により溶融混練りし、冷却カットしてペレッ
ト状とし、多層ブロー成型機の内層用押出機に供給し、
組成物を表面層用押出機に供給し、押出温度210℃
において2層溶融パリソンを押出し、金型を用いて外
寸が100×200×30mm、平均厚みは2.2m
m、表面層の厚みが150μm、内層の厚みが2.05
mmの多層中空成型品を成形した。実施例13は更にこ
の多層中空成型品を加熱オーブンを用い190℃にて加
熱処理を行った。得られた多層中空成型品の特性を表3
に示した。
【0047】表3から明かなように、実施例11、12
の製造方法は成形性に優れ、更に得られた多層中空成型
品のピンチオフ強度、耐傷性、光沢性、表面平滑性も優
れることがわかる。実施例13の製造方法は成形性に優
れ、得られた多層中空成型品のピンチオフ強度、耐傷性
が優れ、光沢性、表面平滑性は極めて優れることがわか
る。比較例5は、高密ポリエチレンが約25重量%配合
された組成物を内層用押出機に共有する製造方法であ
る。この製造方法で得られる多層中空成型品のピンチオ
フ強度が劣ることがわかる。
【0048】(実施例14〜17)PP、PE、P
E、NCを後述の表4に示す重量部、テトラキス
〔メチレン(3.5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
−ヒドロキシシンナメイト)〕メタンを0.05重量
部、トリス(2.4ジ−t−ブチルフェニル)フォスフ
ァイトを0.05重量部及びカルシウムステアレートを
0.05重量部を配合しヘンシェルミキサーで均一混合
し230℃の押出機により溶融混練りし、冷却カットし
てペレット状とし、多層ブロー成型機の表面層用押出機
に供給した。内層用押出機に組成物を供給し、押出温
度210℃において2層溶融パリソンを押出し、金型
を用いて外寸が100×200×30mm、平均厚みは
2.2mm、表面層の厚みが150μm、内層の厚みが
2.05mmの多層中空成型品を成形した。この製造方
法の成形性及びこの多層中空成型品の特性を表4に示し
た。表4から明かなように、実施例14〜17の製造方
法は成形性に優れ、更に得られた多層中空成型品のピン
チオフ強度、耐傷性、光沢性、表面平滑性も優れること
がわかる。
【0049】(実施例18)PPを100重量部、シ
アニンブルーを0.05重量部、チタンホワイトを0.
5重量部、テトラキス〔メチレン(3.5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシ−ヒドロキシシンナメイト)〕メ
タンを0.05重量部、トリス(2.4ジ−t−ブチル
フェニル)フォスファイトを0.05重量部及びカルシ
ウムステアレートを0.05重量部を配合しヘンシェル
ミキサーで均一混合し230℃の押出機により溶融混練
りし、冷却カットしてペレット状とし組成物を得た。
(以下、組成物と略記する。) 表面層、中間層、内層用の押出機を持つ多層ブロー成型
機を用いて、表面層用の押出機に組成物を、中間層用
の押出機に組成物を内層用の押出機に組成物を供給
し、押出温度210℃において3層溶融パリソンを押出
し、金型を用いて金型を用いて外寸が100×20
0×30mm、平均厚みは2.2mm、表面層の厚みが
200μm、中間層が200μm、内層の厚みが1,8
mmの多層中空成型品を成形した。この多層中空成型品
の特性はピンチオフ強度がG、耐傷性がE、光沢性が6
0%、表面平滑性がGであり、この製造方法の成型性が
Gであった。実施例18の製造方法は成形性に優れ、更
に得られた多層中空成型品の、ピンチオフ強度、耐傷
性、光沢性、表面平滑性も優れることがわかる。
【0050】(実施例19)表面層、中間層、内層用の
押出機を持つ多層ブロー成型機を用いて、表面層用の押
出機に組成物を、中間層用の押出機に組成物を内層
用の押出機に組成物を供給し、押出温度210℃にお
いて3層溶融パリソンを押出し、金型を用いて度21
0℃において3層溶融パリソンを押出し、金型を用い
て外寸が100×200×30mm、平均厚みは2.2
mm、表面層の厚みが200μm、中間層が200μ
m、内層の厚みが1,8mmの多層中空成型品を成形し
た。この多層中空成型品の特性はピンチオフ強度がG、
耐傷性がG、光沢性が72%、表面平滑性がGであり、
この製造方法の成型性がGであった。実施例18の製造
方法は成形性に優れ、更に得られた多層中空成型品の、
ピンチオフ強度、耐傷性、光沢性、表面平滑性も優れる
ことがわかる。
【0051】
【発明の効果】本発明の製造方法で得られた多層中空成
形品は、耐熱剛性、剛性を有し、更に従来のブロー成形
法により得られた中空成形品に比べて、外観(耐傷性、
光沢性、表面平滑性)が極めて優れる。従って、容器、
工業製品に有用であり、特に自動車のエアースポイラー
等に極めて有用である。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/32 103 // B29K 23:00 103:00 B29L 22:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多層ブロー成形法において、表面層に結晶
    融点(Tm)が135〜160℃、メルトフローレート
    (230℃;21.18N)が0.5〜30g/10m
    in、密度が0.895〜0.900g/cm3のプロ
    ピレン・α−オレフィン共重合体〔A〕又は結晶融点
    (Tm)が160〜167℃、メルトフローレート〔2
    30℃;21.18N〕が0.5〜30g/10mi
    n、密度が0.900〜0.905g/cm3プロピレ
    ン単独重合体〔B〕99.2〜99.95重量%及び造
    核剤〔C〕0.05〜0.8重量%を配合したオレフィ
    ン重合体組成物〔D〕、並びに内層にα−オレフィン含
    有量が20〜70重量%のエチレン・α−オレフィン共
    重合体〔E〕が5〜30重量%、プロピレン単独重合体
    〔F〕が70〜95重量%より成るメルトフローレート
    (230℃;21.18N)が0.1〜3g/10mi
    n、結晶融点(Tm)が150〜167℃のオレフィン
    重合体組成物〔G〕90〜70重量%及びフィラー
    〔H〕10〜30重量%を配合したオレフィン重合体組
    成物〔I〕から成る溶融パリソン、並びに300メッシ
    ュ以上の研磨材で鏡面仕上げしたキャビティーの表面及
    びエアベントを持つ金型、100メッシュ以上の研磨材
    で仕上げした後80〜200メッシュの研磨材でサンド
    ブラストした後ガラスビーズブラスト仕上げしたキャビ
    ティーの表面を持つ金型、又は100メッシュ以上の研
    磨材で仕上げした後80〜200メッシュの研磨材でサ
    ンドブラストした後ガラスビーズブラスト仕上げしたキ
    ャビティーの表面及びエアベントを持つ金型を用いるこ
    とを特徴とする多層中空成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】多層ブロー成形法において、表面層に請求
    項1記載のオレフィン重合体組成物〔D〕98〜80重
    量%及び密度が0.890〜0.925g/cm3、メル
    トフローレート(190℃;21.18N)が0.5〜
    30g/10min、結晶融点(Tm)が110〜12
    5℃の直鎖状低密度ポリエチレン〔K〕2〜20重量%
    を配合したオレフィン重合体組成物〔L〕、並びに内層
    に請求項1記載のオレフィン重合体組成物〔I〕から成
    る溶融パリソン、並びに請求項1記載の金型〔J〕を用
    いることを特徴とする多層中空成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】多層ブロー成形法において、表面層に請求
    項1記載のオレフィン重合体組成物〔D〕又は請求項2
    記載のオレフィン重合体組成物〔L〕、並びに内層に請
    求項1記載のオレフィン重合体組成物〔I〕95〜85
    重量%及び密度が0.945〜0.970g/cm3
    メルトフローレート(190℃;21.18N)が0.
    01〜0.3g/10min、結晶融点(Tm)が12
    5〜135℃の高密度ポリエチレン〔M〕5〜15重量
    %を配合したオレフィン重合体組成物〔N〕から成る溶
    融パリソン、並びに請求項1記載の金型〔J〕を用いる
    ことを特徴とする多層中空成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3記載の多層中空成形品
    の製造方法により得られた多層中空成型品の表面を溶融
    状態に成るまで加熱することを特徴とする多層中空成形
    品の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3又は4記載の多層中空成
    形品の製造方法により得られた多層中空成型品が自動車
    用スポイラーである多層中空容器の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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US8075301B2 (en) * 2007-01-11 2011-12-13 Ems-Chemie Ag Suction blowmold for producing extrusion suction-blowmolded plastic molded parts

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