JP3792377B2 - ブロー成形用樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、ブロー成形におけるダイ内の樹脂の合流部分(ウエルド)の強度、耐衝撃性及びブロー成形性に優れたプロピレン重合体を主成分とするブロー成形用樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プロピレン重合体は、優れた耐熱性、機械的特性、化学的な安定性等を兼ね備えた汎用樹脂であることから、これらの物理的・化学的性質を利用して、ブロー成形用樹脂としても広く使用されている。
しかし、該プロピレン重合体の欠点としては、一般に低温耐衝撃性の不足が挙げられており、従来より、この様な欠点を解決すべく、ガラス転移温度の低いポリエチレンや軟質エラストマーを配合したプロピレン重合体組成物が知られ、これを中空成形用素材として採用することも行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そして、上記プロピレン重合体に配合するポリエチレンとしては、従来の長鎖分岐を有する高圧法低密度ポリエチレンよりも、直鎖状低密度ポリエチレンを配合する方が、プロピレン重合体の低温耐衝撃性を向上させることが知られている。
具体的には、特公昭64−11062号公報には、
[a] アイソタクチックポリプロピレン 50〜97重量%
[b] 弾性体 2〜49重量%
[c] エチレンとα−オレフィンをチーグラー型触媒系の存在下に共重合して得られた線状低密度ポリエチレン 1〜25重量%
を含むバンパー等の自動車部品として用いられる高耐衝撃性ポリプロピレン組成物が、
また、特公平5−88264号公報には、
[x] 密度0.90〜0.91g/cm3 、MFR0.1〜3.0g/10分(190℃、2160g)のポリプロピレン樹脂 70〜85重量部
[y] 密度0.915〜0.935g/cm3 、MFR0.1〜10g/10分の直鎖低密度ポリエチレン 5〜20重量部
[z] 密度0.87〜0.89g/cm3 、MFR0.1〜40g/10分のエチレン・炭素数3以上のオレフィン共重合体軟質エラストマー2〜20重量部
をブレンドしてなるポリプロピレン組成物から成形した低温耐衝撃性に優れた中空瓶が、
更に、特開平8−92438号公報には、
Figure 0003792377
からなる押出成形におけるダイ内の樹脂の合流部分の強度が改良される押出成形用樹脂組成物が開示されている。
【0004】
しかしながら、上記バンパー等の自動車部品用の高耐衝撃性ポリプロピレン組成物や、上記ポリプロピレン組成物から成形した中空瓶は、いずれも低温耐衝撃性に優れたものであるが、上記[c] 成分の線状低密度ポリエチレンや、[y] 成分の直鎖低密度ポリエチレンは、いずれもチーグラー型触媒を用いて製造された直鎖状低密度ポリエチレンが用いられている。
それ故、高耐衝撃性や低温耐衝撃性についての改良効果は良好であるが、これらチーグラー型触媒を用いて製造された直鎖状低密度ポリエチレンは、分子量分布が狭い(Q値が大きくても3.5程度のもの)ため、押出成形におけるダイ内での樹脂の流れが他の流れと合流して押し出されて成形される成形体の場合には、該押出成形時にダイ内にプロピレン重合体樹脂の合流部分(ウエルド)が生じて、この合流部分(ウエルド)の成形体の強度が著しく悪化するといった問題が発生する。
特に、この様なチーグラー型触媒を用いて製造された直鎖状低密度ポリエチレンを配合したプロピレン重合体の樹脂組成物では、これをブロー成形機にて成形すると、これらの成形方法の特徴であるダイ内でのプロピレン重合体樹脂の合流部分(ウエルド)での接着が著しく悪化するため、得られるプロピレン重合体の樹脂製品の胴部に肉厚の薄い部分が発生して、得られる成形体樹脂製品の強度を著しく低下させる。
一方、酸化クロム系フィリップス型触媒等を用いて製造されたQ値が5以上の直鎖状低密度ポリエチレンを配合したプロピレン重合体を主成分とする押出成形用樹脂組成物では、合流部分(ウエルド)の強度が優れているものの、溶融時のダイスウエルが小さくなり、溶融パリソンが変動して成形安定性に劣る欠点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
[発明の概要]
本発明者らは、上記課題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の物性のプロピレン重合体に特定の物性の直鎖状低密度ポリエチレンを2種類配合することによって、ブロー成形時におけるダイ内でのプロピレン重合体樹脂の合流部分(ウエルド)の強度、耐衝撃性及びブロー成形性に優れたブロー成形用樹脂組成物を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明のブロー成形用樹脂組成物は、下記の成分(A)〜成分(D)からなることを特徴とするものである。
Figure 0003792377
【0006】
[発明の具体的説明]
[I] 構成成分
(1) プロピレン重合体(成分(A))
本発明のブロー成形用樹脂組成物において用いられる成分(A)のプロピレン重合体としては、JIS−K7210(230℃、2.16kg荷重)により測定したメルトフローレート(MFR)が0.1〜5g/10分、好ましくは0.3〜3g/10分、特に好ましくは0.5〜2g/10分で、しかも、JIS−K7112により測定した密度が0.890〜0.915g/cm3 、好ましくは0.895〜0.910g/cm3 、特に好ましくは0.900〜0.908g/cm3 の範囲内の物性値を示すものである。
具体的には、プロピレン単独重合体、若しくは、プロピレンと5重量%以下、好ましくは0.1〜4重量%のエチレン等の他のα−オレフィン(好ましくは炭素数2〜8のα−オレフィン)との共重合体及びそれらの混合物等を挙げることができる。これらの中でもプロピレン単独重合体又はランダム共重合体を用いることが好ましい。
上記成分(A)のプロピレン重合体のMFRが上記範囲未満の場合は、押出成形時の押出量が低下する。一方、プロピレン重合体のMFRが上記範囲を超える場合は、押出成形時のドローダウンが発生する。
上記成分(A)のプロピレン重合体の密度が上記範囲未満の場合は、成形品の剛性が低下する。一方、プロピレン重合体の密度が上記範囲を超える場合は、成形品の衝撃強度が低下する。
【0007】
(2) 直鎖状低密度ポリエチレン(成分(B)及び成分(C))
本発明のブロー成形用樹脂組成物において用いられる成分(B)及び成分(C)の直鎖状低密度ポリエチレンとしては、JIS−K7210(190℃、2.16kg荷重)により測定したメルトフローレート(MFR)が0.1〜10g/10分、好ましくは0.3〜5g/10分、特に好ましくは0.5〜3g/10分で、しかも、JIS−K7112により測定した密度が0.850〜0.935g/cm3 、好ましくは0.880〜0.930g/cm3 である。
具体的には、エチレンと炭素数が3以上、好ましくは4〜9のα−オレフィン、例えば、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、2−メチルブテン−1、オクテン−1等との共重合体からなる直鎖状低密度ポリエチレンを挙げることができる。
直鎖状低密度ポリエチレンのMFRが上記範囲未満の場合は、樹脂中で分散状態が不良となり透明性が悪化する。一方、直鎖状低密度ポリエチレンのMFRが上記範囲を超える場合は、衝撃強度が低下する。また、JIS−K7111(測定温度23℃)により測定したシャルピー衝撃強度が20kg・cm/cm2 以上でないと成形品の衝撃強度が不十分となる場合がある。
また、直鎖状低密度ポリエチレンの密度が上記範囲を超える場合は、成形品の透明性が悪化する。一方、直鎖状低密度ポリエチレンの密度が上記範囲未満の場合は、成形品の剛性が低下する。また、ASTM−D747(測定温度23℃)により測定したオルゼン曲げ弾性率が5,000kg/cm2 以上、好ましくは6,500kg/cm2 以上でないと成形品の座屈強度が不十分となる場合がある。
【0008】
本発明のブロー成形用樹脂組成物においては、以下に示す様な広分子量分布の直鎖状低密度ポリエチレン(成分(B))と狭分子量分布の直鎖状低密度ポリエチレン(成分(C))との分子量分布の異なる2種類の直鎖状低密度ポリエチレンを配合することが重要である。
(a) 広分子量分布の直鎖状低密度ポリエチレン(成分(B))
上記成分(B)として用いられる広分子量分布の直鎖状低密度ポリエチレンとしては、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC:Gel Permeation Chromatography)により測定した重量平均分子量と数平均分子量の比(Q値)が5以上、好ましくは6以上、特に好ましくは6〜9の物性を有するものが用いられる。
広分子量分布直鎖状低密度ポリエチレンのQ値が上記範囲未満の場合は、ブロー成形におけるウエルド部分の状態が悪化して、本発明の効果が得られない。
特に本発明の効果を大きく奏することができる好適な広分子量分布直鎖状低密度ポリエチレンとしては、酸化クロムをシリカ・アルミナ等の無機担体等に担持させたもの、すなわち、酸化クロム系フィリップス型触媒を用いて、気相法、溶液法、スラリー法による、或いは、500kg/cm2 以上の重合圧力及び100〜350℃の重合温度で重合される高圧イオン重合法による製造プロセス等を適用して、エチレンと炭素数が3以上のα−オレフィンとを共重合して得られる直鎖状低密度ポリエチレンを挙げることができる。特に気相法による製造プロセス等を適用して得られる直鎖状低密度ポリエチレンを用いることが好適である。
【0009】
(b) 狭分子量分布の直鎖状低密度ポリエチレン(成分(C))
上記成分(C)として用いられる狭分子量分布の直鎖状低密度ポリエチレンとしては、Q値が4以下、好ましくは3以下、特に好ましくは2以下の物性を有するものが用いられる。
狭分子量分布直鎖状低密度ポリエチレンのQ値が上記範囲より大きい場合は、ブロー成形における成形安定性に劣っているので、本発明の効果が得られない。
好適な狭分子量分布直鎖状低密度ポリエチレンとしては、チーグラー型触媒、好ましくはメタロセン触媒、特に好ましくはメタロセン/アルモキサン触媒を用いて、気相法、溶液法、スラリー法、高圧イオン重合法による製造プロセス等を適用して、エチレンと炭素数が3以上のα−オレフィンとを共重合して得られる直鎖状低密度ポリエチレンを挙げることができる。
【0010】
(3) エチレンと炭素数3以上のα−オレフィン共重合体エラストマー(成分 (D))
本発明のブロー成形用樹脂組成物において用いられるエチレンと炭素数3以上のα−オレフィン共重合体とのエラストマーとしては、JIS−K7210(230℃、2.16kg荷重)により測定したメルトフローレート(MFR)が0.1〜10g/10分、好ましくは0.3〜5g/10分、特に好ましくは0.5〜3g/10分で、しかも、JIS−K7112により測定した密度が0.840〜0.900g/cm3 、好ましくは0.850〜0.890g/cm3 、特に好ましくは0.860〜0.880g/cm3 の物性を有する、エチレンと炭素数が3以上、好ましくは3〜10のα−オレフィン、例えば、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1等との共重合体エラストマーである。
エチレンと炭素数3以上のα−オレフィン共重合体エラストマーのMFRが上記範囲未満の場合は、プロピレン重合体中での分散状態が不良となり、透明性が悪化する。一方、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィン共重合体エラストマーのMFRが上記範囲を超える場合は成形品の衝撃強度が低下する。
また、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィン共重合体エラストマーの密度が上記範囲未満の場合は成形品の剛性が低下する。一方、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィン共重合体エラストマーの密度が上記範囲を超える場合は成形品の衝撃強度が低下する。
【0011】
(4) その他の配合成分(任意成分)
本発明のブロー成形用樹脂組成物には、上記必須成分に加えて、本発明の効果を著しく損なわない範囲内で各種目的に応じて他の任意の配合成分を配合することができる。
それらの付加的成分としては、通常のポリオレフィン用添加剤や配合材等として用いられる酸化防止剤、中和剤、耐候性改良剤、気泡防止剤、分散剤、帯電防止剤、滑剤、分子量調整剤(過酸化物等)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、潤滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、難燃剤、導電性付与剤、架橋剤、架橋助剤、金属不活性化剤、防菌剤、蛍光増白剤等の各種助剤、他の各種樹脂及びエラストマー、フィラー、着色剤等を挙げることができる。
【0012】
[II] 組 成(配合量)
本発明のブロー成形用樹脂組成物にて用いられる上記成分(A)〜成分(D)の配合量(組成)は、成分(A)のプロピレン重合体を50〜89重量部、好ましくは75〜89重量部、特に好ましくは70〜85重量部、成分(B)の広分子量分布直鎖状低密度ポリエチレンを5〜20重量部、好ましくは10〜20重量部、成分(C)の狭分子量分布直鎖状低密度ポリエチレン5〜20重量部、好ましくは10〜20重量部、成分(D)のエチレンと炭素数が3以上のα−オレフィンとの共重合体エラストマーを1〜15重量部、好ましくは3〜13重量部、特に好ましくは5〜10重量部の割合で配合される。
成分(A)のプロピレン重合体の配合量が上記範囲未満の場合は成形品の剛性が不足する。一方、プロピレン重合体の配合量が上記範囲を超える場合は成形品の衝撃強度が不足する。
成分(B)と成分(C)の直鎖状低密度ポリエチレンの配合量が上記範囲未満の場合は成形品の衝撃強度が不足する。一方、直鎖状低密度ポリエチレンの配合量が上記範囲を超える場合は成形品の剛性が不足する。
また、成分(B)と成分(C)の配合割合は特に規定するものではないが、ダイスウェルとウエルド強度のバランスから、好ましくはいずれか一方の成分が30〜70重量%、更に好ましくは40〜60重量%である。
成分(D)のエチレン・炭素数3以上のα−オレフィン共重合体エラストマーの配合量が上記範囲未満の場合は成形品の衝撃強度が不足する。一方、エチレン・炭素数3以上のα−オレフィン共重合体エラストマーの配合量が上記範囲を超える場合はブロー成形品の剛性が不足する。
【0013】
[III] ブロー成形用樹脂組成物の製造
上記構成成分を上記割合で配合し、機械的に混合或いは混練することにより、本発明のブロー成形用樹脂組成物を製造することができる。
上記機械的混合或いは混練に用いられる混合機或いは混練機としては、例えば、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、Vブレンダー、タンブラーミキサー、リボンブレンダー、バンバリーミキサー、ニーダーブレンダー、ブラベンダープラストグラフ、ロール、一軸押出機、二軸押出機等を挙げることができる。また、混練温度は一般に100〜300℃で行われる。
上記混合機或いは混練機を用いて所定時間混合・混練した後、通常の押出機によりペレット状に成形することが好ましい。
【0014】
[IV] ブロー成形
上記の様にして製造された本発明のブロー成形用樹脂組成物は、ブロー成形機によって各種成形体に成形される。
該ブロー成形成形機の種類には、特に制限がなく、一般のダイレクトブロー、ロータリーブロー等のダイ内で合流部分を持つブロー成形機において使用すると、その効果を発揮することができる。
ブロー成形は押出ブロー法、射出ブロー法、シートブロー法、コールドパリソン法等により成形でき、押出ブローの場合、成形温度が170〜250℃、吹込圧力2〜10kg/cm2 、ブロー比が1.2〜5.0の条件下で成形される。
特に、ブロー比が2以上のブロー成形において、本発明の効果を特別顕著に発揮することができる。
また、これらの成形は単層押出ばかりでなく、各種樹脂との多層押出成形においても広く使用することができる。
【0015】
【実施例】
以下に示す実験例によって、本発明を更に具体的に説明する。
[I] 原材料
実施例及び比較例において用いた原材料を以下に示す。
Figure 0003792377
【0016】
[II] 評価方法
実施例及び比較例における評価は、以下に示す方法で実施した。
(1) ダイスウエル測定
ブロー成形用樹脂組成物を、東洋精機キャピログラフ1Cを用いてダイスウエルを測定した。径2.09mmφ、長さ8.03mmのオリフィスで、5mm/分の速度でピストンを降下させ、210℃にて溶融した樹脂を押し出した。押し出された樹脂のストランド径(Ds )をノズル下7mmの所でレーザーで測定し、オリフィス径(D0 )で割った値(Ds /D0 )をダイスウエルとした。
その結果を表1及び表2に示す。
【0017】
(2) オルゼン曲げ弾性率・シャルピー衝撃強度・ウエルド強度の測定
このブロー成形用樹脂組成物を、熱プレス成形機にて厚さ2mmのシートに成形し、オルゼン曲げ弾性率(ASTM−D747、測定温度23℃)とシャルピー衝撃強度(JIS−K7111、測定温度23℃)を測定した。
その結果を表1及び表2に示す。
【0018】
(3) パリソン安定性の測定
ブロー成形用樹脂組成物を、(株)日本製鋼所製の径:50mm、L/D=22のスクリューで、製品2個取りの直接押出方式中空成形機を用いて、200℃の温度で溶融し、ダイヘッドから押出量15kg/hrでパリソンを押し出した。ダイヘッドより均一に、かつ鉛直なるように調整し、その後のパリソンの安定性を目視にて観察し、下記の基準で評価を行った。
その結果を表1及び表2に示す。
[パリソン安定性の評価基準]
◎:パリソンがゆれない
○:パリソンがほとんどゆれない
×:パリソンがゆれ、金型からはみ出すことがある。
【0019】
(4) ウエルド外観の測定
その後、直ちに金型を閉じ、パリソン内に5kg/cm2 の圧縮空気を吹き込んで内容量500g/cm3 の偏平型瓶(胴部高さ200mm、幅77mm、奥行45mm、目付け32g)を成形した。
この瓶について、胴部を切り取ってウエルド部分の外観を目視にて観察し、下記の基準で評価を行った。
その結果を表1及び表2に示す。
[ウエルド外観の評価基準]
◎:ウエルドのライン発生せず
○:ウエルドのライン発生するが、厚みは他の部分と同等
×:ウエルドのラインが発生し、厚みは他の部分の半分以下となる。
【0020】
[III] 実験例
実施例1
JIS−K7210により測定(230℃、2.16kg荷重)したMFRが1.0g/10分で、JIS−K7112により測定した密度が0.905g/cm3 のプロピレン単独重合体72重量部、JIS−K7210により測定(190℃、2.16kg荷重)したMFRが0.7g/10分で、JIS−K7112により測定した密度が0.920g/cm3 で、しかも、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定した重量平均分子量と数平均分子量の比(Q値)が8.3である直鎖状エチレン・ブテン−1共重合体11重量部、同様にして測定したMFRが1.0g/10分、密度が0.920g/cm3 、Q値が2.0の直鎖状エチレン・ヘキセン−1共重合体11重量部、JIS−K7210により測定(230℃、2.16kg荷重)したMFRが0.7g/10分、JIS−K7112により測定した密度が0.865g/cm3 のエチレン・プロピレン共重合体エラストマー6重量部、及び、酸化防止剤としてテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.2重量部と、中和剤としてステアリン酸カルシウム0.05重量部とを、(株)カワタ製のスーパーミキサーで3分間混合し、230℃の温度に加熱したスクリュー径50mmの押出機にて溶融混練して本発明のブロー成形用樹脂組成物を得た。
得られたブロー成形用樹脂組成物を上記評価方法によって、ダイスウエル、オルゼン曲げ弾性率・シャルピー衝撃強度・ウエルド強度、パリソン安定性、ウエルド外観について評価した結果を表1に示す。
【0021】
実施例2〜5及び比較例1〜6
各種重合体の配合割合を、表1及び表2に示す配合量に変更した以外は実施例1と同様にして実施し、評価した。その結果を表1及び表2に示す。
【0022】
【表1】
Figure 0003792377
【0023】
【表2】
Figure 0003792377
【0024】
【発明の効果】
本発明のブロー成形用樹脂組成物は、特定の物性のプロピレン重合体に特定の物性の直鎖状低密度ポリエチレンを2種類配合することによって、ブロー成形時におけるダイ内でのプロピレン重合体樹脂の合流部分(ウエルド)の強度、耐衝撃性とブロー成形性を改良することができ、成形性と製品品質のバランスに優れたブロー成形用樹脂組成物が得られる。

Claims (3)

  1. 下記の成分(A)〜成分(D)からなることを特徴とするブロー成形用樹脂組成物。
    Figure 0003792377
  2. 成分(B)の広分子量分布直鎖状低密度ポリエチレンが、酸化クロム系フィリップス型触媒を用いて製造された直鎖状低密度ポリエチレンである、請求項1に記載のブロー成形用樹脂組成物。
  3. 成分(C)の狭分子量分布直鎖状低密度ポリエチレンが、メタロセン触媒を用いて製造された直鎖状低密度ポリエチレンである、請求項1又は2に記載のブロー成形用樹脂組成物。
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