JPH1148409A - 自動車用積層成形体 - Google Patents

自動車用積層成形体

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JPH1148409A
JPH1148409A JP21223397A JP21223397A JPH1148409A JP H1148409 A JPH1148409 A JP H1148409A JP 21223397 A JP21223397 A JP 21223397A JP 21223397 A JP21223397 A JP 21223397A JP H1148409 A JPH1148409 A JP H1148409A
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JP
Japan
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component
thermoplastic elastomer
weight
ethylene
molding
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Application number
JP21223397A
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English (en)
Inventor
Tatsumi Tsuji
龍 美 辻
Ryoichi Ito
藤 良 一 伊
Kazuo Yajima
島 和 男 矢
Masahiro Terada
田 昌 浩 寺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPON PORIKEMU KK
Mitsubishi Chemical Corp
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
NIPPON PORIKEMU KK
Mitsubishi Chemical Corp
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベタツキ感が無く、強度が強く、耐傷付き性
と成形加工性に優れ、かつ、剛性の高いオレフィン系樹
脂層と軟質な熱可塑性エラストマー層とが強固に融着さ
れた自動車用積層成形体を提供する。 【解決手段】 結晶性オレフィン系樹脂成形体(I)の
表面に、下記の割合で配合された成分(A)、成分
(B)、成分(C)及び成分(D)を含有する熱可塑性
エラストマー組成物を射出成形して、熱可塑性エラスト
マー組成物からなる表皮材層(II)を融着させたことを
特徴とする、自動車用積層成形体。 成分(A): スチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物 20〜50重量% 成分(B): エチレン・オクテン共重合体ゴム 5〜25重量% 成分(C): 結晶性ポリオレフィン系樹脂 5〜20重量% 成分(D): 炭化水素系ゴム用軟化剤 20〜70重量%

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベタツキ感が無
く、強度が強く、耐傷付き性と成形加工性に優れ、か
つ、剛性の高いオレフィン系樹脂層と軟質な熱可塑性エ
ラストマー層とが強固に融着された自動車用積層成形体
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、硬質のオレフィン系樹脂層(芯材
層)と、軟質の熱可塑性エラストマー層(表皮材層)と
からなる自動車用積層成形体は、芯材層として結晶性ポ
リプロピレンを用い、表皮材層としてスチレンポリマー
とポリブタジエンポリマーとのブロックコポリマー、エ
チレンポリマーとプロピレンポリマーとのブロックコポ
リマー、共役ジエンがイソプレン単独又はイソプレンと
ブタジエンの混合物であるスチレン・共役ジエンブロッ
ク共重合体の水素添加物からなるスチレン系熱可塑性エ
ラストマーを用いたものが提案されている(特開平2一
139232号、特開平8一99331号、特開平8一
66990号各公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この様な軟質
の表皮材は、材料強度が弱い為に、耐傷付き性が劣り、
しかも、フローマークや離型時に表皮材層やスプルー、
ゲート部が破壊するといった成形不良に関する問題があ
った。従って、本発明は、表面のベタツキが無く、強度
が強く、耐傷付き性に優れ、しかも成形加工性に優れた
自動車用積層成形体を提供することを目的とするもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の自動
車用積層成形体は、結晶性オレフィン系樹脂成形体
(I)の表面に、下記の割合で配合された成分(A)、
成分(B)、成分(C)及び成分(D)を含有する熱可
塑性エラストマー組成物を射出成形して、熱可塑性エラ
ストマー組成物からなる表皮材層(II)を融着させたこ
とを特徴とするものである。 成分(A): スチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物 20〜50重量% 成分(B): エチレン・オクテン共重合体ゴム 5〜25重量% 成分(C): 結晶性ポリオレフィン系樹脂 5〜20重量% 成分(D): 炭化水素系ゴム用軟化剤 20〜70重量%
【0005】
【作用】芯材となる結晶性オレフィン系樹脂成形体
(I)との熱融着性を改良するために表皮材層(II)を
構成する素材に結晶性オレフィン系樹脂(C)を配合す
ると共に、表皮材層(II)の強度を向上させるためにエ
チレン・オクテン共重合体ゴム(B)を配合した熱可塑
性エラストマー組成物を用いたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
[I] 結晶性オレフィン系樹脂成形体(I):芯材 (1) 素材樹脂 (a) 結晶性オレフィン系樹脂 基材または芯材となる結晶性オレフィン系樹脂成形体用
の素材樹脂として使用される結晶性オレフィン系樹脂
は、JIS一K7203による曲げ弾性率が3,000
kg/cm2 以上、好ましくは4,000〜70,00
0kg/cm2 、特に好ましくは5,000〜50,0
00kg/cm2 、結晶化度が15〜80%のオレフィ
ン系樹脂が用いられる。具体的には、エチレン系樹脂、
プロピレン系樹脂、ポリブテン−1樹脂等を挙げること
ができる。エチレン系樹脂としては、高圧法低密度ポリ
エチレン(分岐状エチレン重合体)、直鎖状低密度ポリ
エチレンや中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等
を挙げることができる。また、プロピレン系樹脂として
は、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレンラン
ダム共重合体、又は、プロピレン・エチレンブロック共
重合体等を挙げることができる。これらのプロピレン系
樹脂は、単独或いは2種以上の混合物であっても良い。
使用する結晶性オレフィン系樹脂は、単独で用いても、
複数種のオレフィン系樹脂の混合物であっても良い。
【0007】(b) 他の配合材 また、この結晶性オレフィン系樹脂は、必要により、エ
チレン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・ブテンー
1共重合体ゴム、エチレン・へキセンー1共重合体ゴ
ム、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴ
ム、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、スチレン・イ
ソプレン共重合体ゴム、ポリブタジエン等のエラストマ
ーを50重量%未満の割合で含有していても良い。更
に、酸化チタン、炭酸カルシウム、焼成クレイ、タルク
や炭酸カルシウム、マイカ等のフィラー、酸化防止剤、
熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、潤
滑剤、防曇剤、スリップ剤、分散剤、着色剤、防菌剤、
蛍光増白剤等といった各種添加剤とのコンパウンド物で
あっても良い。
【0008】(2) 形 状 結晶性オレフィン系樹脂成形体(I)は、結晶性オレフ
ィン系樹脂又は結晶性オレフィン系樹脂コンパウンド
を、押出成形、射出成形、プレス成形等の各種成形方法
よってシート状、或いは、凹凸を有する各種形状の成形
体にすることができる。この結晶性オレフィン系樹脂成
形体(I)を使用することにより、積層成形体の剛性や
硬さをより一層高めることができる。
【0009】[II] 熱可塑性エラストマー組成物(表皮
材層(II)) 上記結晶性オレフィン系樹脂成形体(I)の表面に、表
皮材層(II)として射出成形される熱可塑性エラストマ
ー組成物としては、下記の割合で配合された成分
(A)、成分(B)、成分(C)及び成分(D)を含有
するものである。 成分(A): スチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物 20〜50重量% 成分(B): エチレン・オクテン共重合体ゴム 5〜25重量% 成分(C): 結晶性ポリオレフィン系樹脂 5〜20重量% 成分(D): 炭化水素系ゴム用軟化剤 20〜70重量%
【0010】(1) 構成成分 (a) スチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加
物(成分(A)) 上記熱可塑性エラストマー組成物の構成成分であるスチ
レン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物として
は、その共役ジエンがイソプレン単独又はイソプレンと
ブタジエンの混合物からなる重合体ブロックであり、具
体的には、スチレン・イソプレン・スチレンブロツク共
重合体の水素添加物(以下、単に「水添S−I一S」と
略記することがある。)、或いは、スチレン・イソプレ
ン・ブタジエン・スチレンブロツク共重合体の水素添加
物(以下、単に「水添S−BI−S」と略記することが
ある。)を挙げることができる。これらスチレン・共役
ジエンブロック共重合体の水素添加物は、重量平均分子
量が50,000〜500,000、好ましくは60,
000〜400,000、特に好ましくは70,000
〜300,000、スチレン含量が5〜50重量%、好
ましくは8〜45重量%、特に好ましくは10〜40重
量%、1,2−ミクロ構造が20%未満、好ましくは1
5%未満、水素添加率が95%以上、好ましくは97〜
100%のブロック共重合体を用いることが重要であ
る。ここで「重量平均分子量」とは、ゲル浸透クロマト
グラフィー(GPC)により、次の条件で測定したポリ
スチレン換算の重量平均分子量である。
【0011】(測定条件) 機 器:150CAIJC/GPC(MILLIPOR
E社製) カラム:AD80M/S(昭和電工(株)製)3本 溶 媒:o−ジクロロベンゼン 温 度:140℃ 流 速:1ml/分 注入量:200ml 濃 度:2mg/ml(酸化防止剤2,6一ジーt一ブ
チルー4−メチルフェノールを0.2重量%添加。濃度
検出はFOXBORO社製「赤外分光光度計MIRAN
lA」により波長3.424mで測定。) 上記スチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加
物の重量平均分子量が500,000を超えるものは成
形性に劣るものであり、50,000未満のものはゴム
弾性、機械的強度の劣るものである。これらスチレン・
共役ジエンブロック共重合体の水素添加物の製造方法と
しては、次のものがある。例えば、S一I一Sについて
は、特公昭40一23798号公報に記載された方法に
より、リチウム触媒を用いて不活性溶媒中でスチレン・
共役ジエンブロック共重合体を合成し、次いで、例え
ば、水添S−I−Sについては、特公昭42一8704
号、特公昭43−6636号、特開昭59一13320
3号、特開昭60−79005号各公報に記載された方
法により、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下に水素
添加する方法等を挙げることができる。また、水添S−
BI一Sについては、例えば、特開平3−188114
号公報に記載された方法により合成することができる。
【0012】(b) エチレン・オクテン共重合体ゴム(成
分(B)) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物の構成成分として
用いられるエチレン・オクテン共重合体ゴムとしては、
エチレンとオクテンとを水素の共存下に、可溶性バナジ
ウム化合物と有機アルミニウム化合物とから形成される
触媒、メタロセン系化合物とアルキルアルミノキサン等
の助触媒とからなる触媒等を用いて、連続的に共重合さ
せて得られるものである。これらエチレン・オクテン共
重合体ゴムは、一般にエチレン含量が50〜95重量
%、好ましくは55〜90重量%、オクテン含量が50
〜5重量%、好ましくは45〜10重量%、メルトフロ
ーレート(JIS−K6758、230℃、5kg荷
重)が0.05〜100g/10分、好ましくは0.1
〜90g/10分の共重合体ゴムを用いる。上記エチレ
ン・オクテン共重合体ゴムのエチレン含量が上記範囲未
満のものは材料強度が低下する傾向があり、一方、エチ
レン含量が上記範囲を超えるものは、硬度が高くソフト
感と柔軟性が低下する傾向がある。また、メルトフロー
レートが上記範囲未満のものは流動性が低下し成形不良
となる傾向があり、一方、メルトフローレートが上記範
囲を超えるもは、材料強度が低下することから好ましく
ない。
【0013】(c) 結晶性ポリオレフィン系樹脂(成分
(C)) 木発明の熱可塑性エラストマー組成物の構成成分として
用いられる結晶性オレフィン系樹脂としては、プロピレ
ン系樹脂、エチレン系樹脂、結晶性ポリブテンー1樹
脂、或いは、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン
(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン(メタ)アクリ
ル酸エステル共重合体等のエチレン系共重合体樹脂等を
挙げることができる。これら結晶性オレフィン系樹脂の
中では、プロピレン系樹脂を用いることが好ましく、中
でも、メルトフローレート(JIS−K6758、23
0℃、2,16kg荷重)が0.01〜200g/10
分、好ましくは0.05〜150g/10分、特に好ま
しくは0.1〜130g/10分、X線解析法による結
晶化度が35%以上、好ましくは40〜80%の範囲内
であるプロピレン系樹脂を用いることが好適である。上
記プロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合
体、プロピレンを主成分とする共重合体樹脂で、具体的
には、プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピ
レン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・エチレ
ン・ブテンー1ランダム共重合体等を挙げることができ
る。メルトフローレートが上記範囲末満のものを用いた
場合は、射出成形性と熱融着性が低下し、得られる積層
射出成形体の外観、特にフローマークの発生、及び、前
記結晶性オレフィン系樹脂層(I)との熱融着性の低下
が著しくなる傾向がある。一方、メルトフローレートが
上記範囲を超えるものを用いた場合は、材料強度が低下
する傾向にあることから、熱融着部の剥離強度が低下し
て、積層成形体が層間剥離し易くなる傾向がある。
【0014】(d) 炭化水素系ゴム用軟化剤(成分
(D)) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物の構成成分として
用いられる炭化水素系ゴム用軟化剤としては、一般に重
量平均分子量が300〜2,000、好ましくは500
〜1,500のものを用いることが好ましい。この様な
炭化水素系ゴム用軟化剤は、芳香族環、ナフテン環及び
パラフィンの三者を組み合わせた混合物であって、パラ
フィン鎖炭素数が全炭素中の50重量%以上を占めるも
のがパラフィン系オイルと呼ばれ、ナフテン環炭素数が
30〜45重量%のものがナフテン系オイルと呼ばれて
区分されている。これらの中ではパラフィン系オイルを
用いることが耐候性の点より好ましい。パラフィン系オ
イルとしては、40℃の動粘度が0〜800cst(セ
ンチストークス)、好ましくは50〜600cst、流
動点が0〜一40℃、好ましくは0〜−30℃、及び、
引火点(COC)が200〜400℃、好ましくは20
0〜350℃のオイルが好適に使用される。
【0015】(2) 配合割合 熱可塑性エラストマー組成物において用いられる上記成
分(A)、成分(B)、成分(C)、及び成分(D)の
配合割合は以下に示す通りである。 成分(A):スチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物 20〜50重量%、 好ましくは25〜45重量%、 成分(B):エチレン・オクテン共重合体ゴム 5〜25重量%、 好ましくは7〜20重量%、 成分(C):結晶性ポリオレフィン系樹脂 5〜20重量%、 好ましくは5〜15重量%、 成分(D):炭化水素系ゴム用軟化剤 20〜70重量%、 好ましくは25〜65重量%、 成分(A)が上記範囲未満では表皮材層(II)の圧縮永
久歪み(ゴム弾性)と軟質性(ソフト感)に乏しく、逆
に上記範囲を超えると芯材(I)との融着性に劣る。
(B)成分が上記範囲未満では材料強度が弱く傷付き性
と成形加工性に劣り、一方、上記範囲を超えると芯材と
の融者性に劣り、ベタツキが生じてくる。(C)成分が
上記範囲未満では芯材との融着性に劣り、逆に上記範囲
を超えると圧縮永久歪み(ゴム弾性)、軟質性(ソフト
感)に劣る。(D)成分が上記範囲未満では流動性に劣
り射出成形が困難となる。逆に上記範囲を超えるとベタ
ツキが生じて好ましくない。
【0016】(3) 任意成分無機フィラ一 上記熱可塑性エラストマー組成物には、必要により酸化
チタン、タルク、焼成クレイ、炭酸カルシウム、マイ
カ、ガラス繊維、ガラスバルーン、炭素繊維等の無機フ
ィラ一が配合される。好ましい無機フィラーとしては比
表面層が37,000cm2/g以上、好ましくは4
0,000cm2/g以上、長さが実質的に15μm以
下、好ましくは10μm以下、平均粒径が0.8〜3.
0μm、好ましくは0.8〜2.5μm、且つ平均アス
ペクト比が5以上、好ましくは6以上のタルク、比表面
積が50,000cm2/g以下、好ましくは40,0
00cm2/g以下、且つ平均粒径が5μm以下、好ま
しくは4μm以下の炭酸カルシウムが好適である。無機
フィラーは熱可塑性エラストマー100重量部当たり0
〜100重量部配合することができる。無機フィラーを
配合することにより、硬度、密度、光沢の調整をするこ
とができる。
【0017】発泡剤 後記射出成形の際、熱可塑性エラストマー組成物に発泡
剤を配合し、射出成形してもよい。かかる発泡剤として
は、窒素ガス、炭酸ガス;ブタン、ペンタン等の炭化水
素系ガス等の物理発泡剤、炭酸塩(重炭酸ナトリウム)
等の無機系化学発泡剤やアゾジカルボン酸アミド(AD
CA)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4
´一オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、有
機酸塩(クエン酸モノナトリウム)等の有機系化学発泡
剤を挙げることができる。これらの中では重炭酸ナトリ
ウムに代表される無機発泡剤、アゾジカルボン酸アミド
(ADCA)、或いは、それらの混合系を用いることが
外観性と発泡性の点より好ましい。発泡剤は、有機系と
無機系の発泡剤を20重量%含有するマスターバッチ
と、アゾジカルボン酸アミドを20重量%含有するマス
ターバッチとが好適に使用される。発泡剤マスターバッ
チの配合量は、成分(A)、成分(B)、成分(C)及
び成分(D)の和の熱可塑性エラストマー組成物100
重量部に対して、0.5〜10重量部、好ましくは1〜
8重量部にて配合するのが好適である。発泡剤は、ソフ
ト感のある発泡積層体を得るためには重要であり、上記
範囲未満のものは発泡性が低く、ソフト感のある発泡体
が得られ難い傾向がある。また、上記範囲を超えるもの
は発泡性が過大なことから射出成形時の外観性、冷却性
が低く、更に得られる発泡体の気泡が大きく、破れ易い
傾向がある。
【0018】その他の任意成分 また、その他の任意成分としては、顔料、分散剤、耐候
剤、紫外線吸収剤、滑剤、潤滑剤、スリップ剤、防曇
剤、防菌剤、可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、熱安定
剤、架橋剤等が配合される。
【0019】[III] 射出成形 射出成形は、予め成形された硬質の結晶性オレフィン系
樹脂成形体(I)を金型内に置き、この表面に表皮材層
(II)としての熱可塑性エラストマー組成物を射出成形
して自動車用積層成形体を得る。この表皮材層(II)と
しての熱可塑性エラストマー組成物の射出成形条件とし
ては、一般に100〜300℃、好ましくはl50〜2
80℃の成形温度、50〜1,000kg/cm2 、好
ましくは100〜800kg/cm2 の射出圧力で成形
される。自動車用積層成形体の製造方法には、インサー
ト射出成形法、二色射出成形法、エアバック射出成形
法、サンドイッチ射出成形法、射出圧縮成形法、ショー
トショット発泡成形法、金型拡大発泡成形法等の各種射
出成形法を用いることができる。
【0020】上記射出成形法のうち、インサート射出成
形法とは、予め芯材(結晶性オレフィン系樹脂成形体)
射出成形し、賦形された成形品(I)を金型内にインサ
ートした後、該成形品との金型キャビティの空隙に表皮
材層(II)となる熱可塑性エラストマーを射出成形する
方法である。また、上記エアバック射出成形法とは、一
台の射出成形機と一個の金型を用いて、結晶性オレフィ
ン系樹脂を射出成形した後に、金型のキャビティ容積を
拡大させ、該成形品(I)と金型のキャビティとの間の
空隙に表皮材層(II)となる熱可塑性エラストマー組成
物を射出成形する成形方法である。また、金型拡大発泡
射出成形法とは、二層成形の射出が完了した後、発泡ガ
スによる熱可塑性エラストマーの膨張で金型壁面との接
触を保ちながら移動型をキャビテイが拡大するよう移動
させ、移動型を予め設定した基準肉厚位置で停止させて
成形する方法である。これらの成形方法は、目的に応じ
てそれぞれ単独でも、複数種類を併用して成形すること
もできる。
【0021】インサート射出成形法、二色射出成形法又
はコアバック射出成形法において、好ましい芯材の結晶
性オレフィン系樹脂は、前記のプロピレン系材料であ
る。この好ましい芯材は、JIS−K7203による曲
げ弾性率が3,000kg/cm2 以上、好ましくは
4,000〜70,000kg/cm2 、特に好ましく
は5,000〜50,000kg/cm2 のものであ
る。曲げ弾性率が上記範囲未満のものでは、自動車内装
部品に必要とされる剛性、強度等の機械的特性、耐熱
性、耐久性を満たせない場合がある。この射出成形体に
おける芯材層の肉厚は用途にもよるが、自動車内装部品
に必要とされる剛性、強度等の機械的特性、耐熱性、耐
久性を考慮すると0.5〜6mmである。また、芯材の
成形は、通常の射出成形法を用いたものでもよく、射出
圧縮成形法、ガスインジェクション成形法によるもので
もよい。芯材の結晶性オレフィン系樹脂の射出成形条件
としては、一般に成形温度が100〜300℃、好まし
くは150〜280℃、射出圧力が50〜1,000k
g/cm2 、好ましくは100〜800kg/cm2
成形される。
【0022】また、射出成形時に発生する製品の非有効
部(バリ)やゲートランナー、スプルー部をリサイクル
することもできる。具体的には、表皮材のみからなるラ
ンナー、スプルー類等を表皮材に、芯材のみ、又は、芯
材と表皮材からなるランナー、スプル一類や不良成形品
等を芯材にリサイクルして使用することができる。自動
車用積層成形体は、硬質な芯材層の結晶性オレフィン系
樹脂成形体(I)と軟質の表層材の熱可塑性エラストマ
ー射出成形体(II)とが強固に融着したものである。こ
の自動車用積層成形体における芯材層(I)の肉厚は用
途にもよるが、自動車内装部品に必要とされる剛性、強
度等の機械的特性、耐熱性、耐久性を考慮すると0.5
〜6mmである。また、表層材(I)の肉厚は、ソフト
感、芯材層と表皮材層との融着強度の面から1〜5mm
が好ましい。芯材層(I)は剛性が高く(曲げ弾性率
3,000〜70,000kg/cm2)形状の保持に
寄与する。表皮材層(II)は軟質を示し、JIS−K6
301によるJIS一A硬度30〜90を示すことが重
要である。この自動車用積層成形体はインスツルメント
パネル、センターパネル、センターコンソールボック
ス、ドアトリム、ピラー、アシストグリップ、ハンド
ル、エアバッグカバ一の自動車内装部品、モール等の自
動車外装部品等に使用することができる。
【0023】
【実施例】以下に示す実施例及び比較例によって、本発
明を更に具体的に説明する。 [I] 原材料 原材料としては以下に示すものを使用した。 (1) 芯材層(I): 結晶性オレフィン系樹脂
【0024】
【表1】
【0025】 (2) 表皮材層(II): 熱可塑性エラストマー組成物 (a) 成分(A): スチレン・共役ジエンブロック共重
合体の水素添加物(A)
【0026】
【表2】
【0027】(b) 成分(B): エチレン・α−オレフ
ィン共重合体ゴム
【0028】
【表3】
【0029】(c) 成分(C): 結晶性ポリオレフィン
系樹脂
【0030】
【表4】
【0031】(d) 成分(D): 炭化水素系ゴム用軟化
【0032】
【表5】
【0033】(e) 成分(E): 無機フィラー
【0034】
【表6】
【0035】(f) 成分(F): 発泡剤
【0036】
【表7】
【0037】[II] 評価方法 各種評価は、以下に示す方法によって行った。 (1) 成形加工性 積層射出成形体にて著しいフローマークや表皮層の破
壊、及び、スプルー、ゲート切れのない場合に成形加工
性を良好とし、そうでないものを不良とした。 (2) 剥離強度 積層成形体より打ち抜いた、幅25mm、長さ100m
mの積層成形体の短冊状試験片を用い、表皮材層と芯材
層を180度方向に、引張速度200mm/分で引張試
験を行い、表皮材層/芯材層の融着界面の剥離強度(k
g/25mm幅)を測定し、その剥離強度が2.5kg
/25mm幅以上を良好とし、2.5kg/25mm幅
末満を不良とした。
【0038】(3) ベタツキ性 積層成形体の表皮層表面のベタツキの有無を5人のモニ
ターにて、下記の5ランクにて評価した。モニター5人
の合計点が18点以上を○、18点以下を×とした。 5 ベタツキが全くない。 4 ベタツキが殆どない。 3 ベタツキが若干ある。 2 ベタツキがある。 1 非常にベタツキがある。 (4) 傷付き性 積層成形体より打ち抜いた、縦5Omm、横50mmの
積層成形体の試験片を用い、表皮材層に先端25R、剪
断角度22度の切り刃にて0.5rpmの回転速度で引
き掻き((株)束洋精機製作所製テーバー式スクラッチ
テスター)、表皮材層の表面に生じた傷跡を7倍の拡大
鏡と肉視で観察し、傷のないもの、及び、目立ちの少な
いものを良好とし、著しく傷が付いて目立つものを不良
とした。
【0039】(5) JIS−A硬度[−] 前述の熱可塑性エラストマー組成物ペレットを、インラ
インスクリュータイプ射出成形機(東芝機械(株)製射
出成形機IS90B)にて、射出圧力500kg/cm
2 、射出温度210℃、金型温度40℃にて成形して、
横120mm、縦80mm、厚み2mmのシートを得
た。これを用い、JIS一K6301に準拠して、測定
した。 (6) ソフト性 上記JIS−A硬度が90未満のものを○、90以上の
ものを×とした。 (7) 引張強度[kg/cm2 ] 上記シートの引張強度をJIS一K6301に準拠して
測定した。 (8) 圧縮永久歪み[%] 上記シートの圧縮永久歪みをJIS一K6301に準拠
して70℃、22時間で測定し、50%未満を○、50
%以上を×とした。
【0040】[III] 実施例1〜8及び比較例1〜12 表8〜表12に示す成分(A)〜(F)の混合物に、更
に、フェノール系酸化防止剤(チバ・ガイギー(株)製
「イルガノックス1010」)0.1重量部を配合し、
L/D=33、シリンダー径45mmの二軸押出機にて
200℃の温度で混練し、これをダイよりストランド状
に押し出し、これをカッテイングして熱可塑性エラスト
マー組成物のペレットを得た。次に、(株)高橋精機工
業所製KS一2C一680(商品名)二色成形機を用い
て、表8〜表12に示す芯材用の結晶性オレフィン系樹
脂を220℃の温度、圧力400kg/cm2 で、40
℃の型温の金型に射出成形して、肉厚2mmの自動車内
装積層成形体用の芯材層を形成し、次いで220℃、圧
力400kg/cm2 の条件で前述の熱可塑性エラスト
マー組成物のペレットを前記型内に射出成形し、芯材層
の表面に肉厚2mmの熱可塑性エラストマー組成物の表
皮材層を形成させ、芯材層と表皮材層が融着した自動車
内装用積層成形体を得た。この自動車内装用積層成形体
について評価を行い、以下に示す結果が得られた。
【0041】
【表8】
【0042】
【表9】
【0043】
【表10】
【0044】
【表11】
【0045】
【表12】
【0046】[IV] 実施例9〜11 表13に示す成分(A)〜(E)を混合し、これに更
に、フェノール系酸化防止剤(チバ・ガイギー(株)製
「イルガノックス1010」)0.1重量部を配合し、
L/D=33、シリンダー径45mmの二軸押出機にて
温度200℃設定で溶融混練し、これをダイよりストラ
ンド状に押し出し、カッテイングしてペレットを得た。
このペレットに表13に示す成分(F)(発泡剤)を混
合し、発泡性熱可塑性エラストマー組成物を調製した。
そして、実施例1と同様にして積層成形体を2色成形を
施し、更に型内のキャビティを若干拡げた後、冷却が完
全に行われたところで金型を開き、自動車用積層成形体
を得た。この自動車内装用積層成形体について評価を行
い、以下に示す結果が得られた。
【0047】
【表13】
【0048】
【発明の効果】本発明の自動車用積層成形体は、成形体
にベタツキ感がなく、強度が強く、耐傷付き性と成形加
工性に優れ、かつ、剛性の高い結晶性オレフイン系樹脂
層(芯材層)と、軟質な熱可塑性エラストマー層(表皮
材層)とが熱融着により強固に融着されたものであり、
自動車用積層成形体として優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 23:20 23:16) (C08L 53/02 23:20 23:16) (72)発明者 伊 藤 良 一 三重県四日市市東邦町1番地 日本ポリケ ム株式会社四日市技術センター内 (72)発明者 矢 島 和 男 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 寺 田 昌 浩 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性オレフィン系樹脂成形体(I)の表
    面に、下記の割合で配合された成分(A)、成分
    (B)、成分(C)及び成分(D)を含有する熱可塑性
    エラストマー組成物を射出成形して、熱可塑性エラスト
    マー組成物からなる表皮材層(II)を融着させたことを
    特徴とする、自動車用積層成形体。 成分(A): スチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物 20〜50重量% 成分(B): エチレン・オクテン共重合体ゴム 5〜25重量% 成分(C): 結晶性ポリオレフィン系樹脂 5〜20重量% 成分(D): 炭化水素系ゴム用軟化剤 20〜70重量%
  2. 【請求項2】表皮材層(II)のJIS−A硬度が30〜
    90であることを特徴とする請求項1に記載の自動車用
    積層体。
  3. 【請求項3】結晶性オレフィン系樹脂体がエチレン、ま
    たはプロピレンの単独重合体、及び両者の共重合体より
    成ることを特徴とする請求項1に記載の自動車用積層
    体。
  4. 【請求項4】表皮材層の肉厚が1〜5mmであることを特
    徴とする請求項1に記載の自動車用積層体。
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