JP2007090599A - 熱可塑性樹脂発泡積層シートの製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂発泡積層シートの製造方法 Download PDF

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Akira Hanada
暁 花田
Yoshinori Omura
吉典 大村
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Abstract

【課題】外観良好な熱可塑性樹脂発泡積層シートの製造方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂発泡層(A)を含むシート(1)と、特定の非発泡熱可塑性樹脂層(C)を含むシート(2)とを、接着性樹脂層(B)を介して積層し、前記非発泡熱可塑性樹脂層(C)が一方の表層である熱可塑性樹脂発泡積層シートを製造する方法であって、以下の工程を含む熱可塑性樹脂発泡積層シートの製造方法。
(工程1)熱可塑性樹脂発泡層(A)を含むシート(1)、接着性樹脂層(B)、特定の非発泡熱可塑性樹脂層(C)を含むシート(2)を、シート(1)/(B)/シート(2)の順に重ね、少なくとも一対のロールの間に供給する工程
(工程2)前記非発泡熱可塑性樹脂層(C)に接するロールの熱により、前記接着性樹脂層(B)を溶融させるとともに、シート(1)、接着性樹脂層(B)およびシート(2)をロールにて圧着し積層一体化する工程
【選択図】図1

Description

本発明は熱可塑性樹脂発泡積層シートの製造方法に関する。
熱可塑性樹脂樹脂発泡シートは軽量性、耐熱性、剛性に優れることから、食品容器、建築材、自動車内装材など幅広い用途で使用されている。このような用途においては成形品表面への機能性付与のため、発泡シート表面に高透明性の非発泡熱可塑性樹脂層が積層されてなる熱可塑性樹脂発泡積層シートとして使用することが多い。非発泡樹脂層と発泡層からなる熱可塑性樹脂発泡積層シートを製造する方法としては、発泡層と非発泡樹脂層を共押出成形する方法が知られている(特許文献1)。
特開平10−329253号公報
しかしながら共押出により外観良好な熱可塑性樹脂発泡積層シートを製造する場合には、発泡層を構成する樹脂と非発泡層を構成する樹脂の種類や流動性が制限されるという問題があった。
本発明は、熱可塑性樹脂発泡層と非発泡熱可塑性樹脂層とを接着性樹脂層を介して積層されてなる熱可塑性樹脂発泡積層シートの製造方法を提供するものである。
すなわち本発明の一態様は、熱可塑性樹脂発泡層(A)を含むシート(1)と、ヘイズ値が10%以下であって厚さが0.01〜5mmである非発泡熱可塑性樹脂層(C)が少なくとも一方の表層であるシート(2)とを、接着性樹脂層(B)を介して積層し、前記非発泡熱可塑性樹脂層(C)が一方の表層である熱可塑性樹脂発泡積層シートの製造方法であって、下記の工程を含む方法である。
(工程1)下記(i)、(ii)または(iii)から選ばれる2枚のシートを用い、該シート(1)および/またはシート(2)に積層されてなる接着性樹脂層(B)に熱風を照射して溶融する工程
(i)熱可塑性樹脂発泡層(A)を含み、かつ接着性樹脂層(B)が一方の表層であるシート(1)と、ヘイズ値が10%以下であって厚さが0.01〜5mmである非発泡熱可塑性樹脂層(C)が少なくとも一方の表層であるシート(2)
(ii)熱可塑性樹脂発泡層(A)を含むシート(1)と、ヘイズ値が10%以下であって厚さが0.01〜5mmである非発泡熱可塑性樹脂層(C)が一方の表層であり、他方の表層が接着性樹脂層(B)であるシート(2)
(iii)熱可塑性樹脂発泡層(A)を含み、かつ接着性樹脂層(B)が一方の表層であるシート(1)と、ヘイズ値が10%以下であって厚さが0.01〜5mmである非発泡熱可塑性樹脂層(C)が一方の表層であり、他方の表層が接着性樹脂層(B)であるシート(2)
(工程2)工程1で溶融した接着性樹脂層(B)を介してシート(1)およびシート(2)が積層され、かつシート(2)の非発泡熱可塑性樹脂層(C)が一方の表層となるようにして、前記シート(1)およびシート(2)を少なくとも一対のロールの間に供給し、該ロールにて圧着する工程
本発明の他の態様は、熱可塑性樹脂発泡層(A)を含むシート(1)と、ヘイズ値が10%以下であって厚さが0.01〜5mmである非発泡熱可塑性樹脂層(C)が少なくとも一方の表層であるシート(2)とを、接着性樹脂層(B)を介して積層し、前記非発泡熱可塑性樹脂層(C)が一方の表層である熱可塑性樹脂発泡積層シートを製造する方法であって、以下の工程を含む熱可塑性樹脂発泡積層シートの製造方法である。
(工程1) 熱可塑性樹脂発泡層(A)を含むシート(1)、接着性樹脂層(B)、ヘイズ値が10%以下であって厚さが0.01〜5mmである非発泡熱可塑性樹脂層(C)が少なくとの一方の表層であるシート(2)を、前記非発泡熱可塑性樹脂層(C)が一方の表層となるようにしてシート(1)/(B)/シート(2)の順に重ね、少なくとも一対のロールの間に供給する工程
(工程2)前記非発泡熱可塑性樹脂層(C)に接するロールの熱により、前記接着性樹脂層(B)を溶融させるとともに、シート(1)、接着性樹脂層(B)およびシート(2)をロールにて圧着し積層一体化する工程
本発明の熱可塑性樹脂発泡積層シートの製造方法によれば、積層される熱可塑性樹脂発泡層(A)および非発泡熱可塑性樹脂(C)を構成する樹脂の種類や流動性が限定されることなく、外観良好な熱可塑性樹脂発泡積層シートを製造することができる。
本発明では、熱可塑性樹脂発泡層(A)を含むシート(1)と、ヘイズ値が10%以下であって厚さが0.01〜5mmである非発泡熱可塑性樹脂層が少なくとも一方の表層であるシート(2)とを用いる。具体的には、以下の(i)、(ii)または(iii)から選ばれるいずれかの組合せのシート(1)およびシート(2)を用いる。
(i)熱可塑性樹脂発泡層(A)を含み、かつ接着性樹脂層(B)が一方の表層であるシート(1)と、ヘイズ値が10%以下であって厚さが0.01〜5mmである非発泡熱可塑性樹脂層(C)が少なくとも一方の表層であるシート(2)
(ii)熱可塑性樹脂発泡層(A)を含むシート(1)と、ヘイズ値が10%以下であって厚さが0.01〜5mmである非発泡熱可塑性樹脂層(C)が一方の表層であり、他方の表層が接着性樹脂層(B)であるシート(2)
(iii)熱可塑性樹脂発泡層(A)を含み、かつ接着性樹脂層(B)が一方の表層であるシート(1)と、ヘイズ値が10%以下であって厚さが0.01〜5mmである非発泡熱可塑性樹脂層(C)が一方の表層であり、他方の表層が接着性樹脂層(B)であるシート(2)
シート(1)に含まれる熱可塑性樹脂発泡層(A)の発泡倍率や厚みは特に限定されるものではないが、通常、発泡倍率2〜10倍、厚さ1〜10mmである。また、シート(2)に含まれる非発泡熱可塑性樹脂層(C)はJIS K7105に準拠して求められるヘイズ値が10%以下であり、厚さ0.01〜5mmのものである。このような非発泡熱可塑性樹脂層(C)を有するシート(2)を使用することにより外観に優れる発泡積層シートを得ることができる。
本発明で用いる熱可塑性樹脂発泡層(A)を有するシート(1)は、前記(ii)の場合には熱可塑性樹脂発泡層(A)のみからなる単層発泡シートであってもよく、熱可塑性樹脂発泡層(A)以外の発泡層や非発泡層を有していてもよい。前記(i)または(iii)の場合、シート(1)は熱可塑性樹脂発泡層(A)を含み、かつ接着性樹脂層(B)が一方の表層であればよく、熱可塑性樹脂発泡層(A)および接着性樹脂層(B)以外の発泡層や非発泡層を有する多層発泡シートであってもよい。非発泡層を有する場合はシートの剛性を高める効果から発泡層の表面に非発泡層を有する構成のシートが好ましく用いられる。またシートの軽量性と剛性のバランスからは熱可塑性樹脂発泡層(A)とそれ以外の層の重量比は、熱可塑性樹脂発泡層(A)/それ以外の層=50/50〜100/0のものが好ましく用いられ、60/40〜90/10のものがより好ましく用いられる。
本発明で用いるヘイズ値が10%以下であって厚さが0.01〜5mmである非発泡熱可塑性樹脂層(C)を有するシート(2)は、非発泡熱可塑性樹脂層(C)が少なくとも一方の表層であればよい。前記(i)の場合、シート(2)は非発泡熱可塑性樹脂層(C)のみからなる単層シートであってもよいし、非発泡熱可塑性樹脂層(C)以外の非発泡樹脂層を有する多層シートであってもよい。前記(ii)または(iii)の場合、シート(2)は、一方の表層が非発泡熱可塑性樹脂層(C)であり、他方の表層が接着性樹脂層(B)であればよく、前記非発泡熱可塑性樹脂層(C)と接着性樹脂層(B)との間に、他の非発泡層を有していてもよい。本発明の製造法により得られる熱可塑性樹脂発泡積層シートの外観を向上させる観点からは、シート(2)は着色層などを含む多層シートであることが好ましい。このような着色層の例としては単色、木目調およびその他のデザインを印刷した印刷層、平均粒径が1〜200μm、より好ましくは平均粒径0.5〜10μmの球状、板状またはリン片状のチタン、マイカ、アルミニウム等の微粒子を1〜40wt%含有させた微粒子含有層などが挙げられる。粒子の平均粒径は球状粒子においては平均直径を示し、板状、リン片状粒子においては平均長径を示す。特に非発泡熱可塑性樹脂層(C)と微粒子含有層を積層することにより、深みがあり、かつ表面硬度にも優れるメタリック調シートが得られる。微粒子含有層として樹脂に無機系着色剤のアルミニウム、銅、金、銀などからなる金属微粒子を配合する場合には、樹脂の変性や劣化を防止するための金属不活性剤や、金属微粒子の凝集を防止するための凝集防止剤を配合することが好ましい。非発泡熱可塑性樹脂層(C)とそれ以外の樹脂層の重量比は非発泡熱可塑性樹脂層(C)/それ以外の樹脂層=50/50〜90/10のものが好ましく用いられる。
本発明で用いる熱可塑性樹脂発泡層(A)と非発泡熱可塑性樹脂層(C)を構成する樹脂は同じでもよく、異なっていてもよい。これらのシートを構成する熱可塑性樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン等の炭素原子数が2〜6のオレフィンモノマーを単独重合して得られるホモポリマーや、炭素原子数が2〜10のオレフィンモノマーから選択される2種類以上のモノマーを共重合して得られるオレフィン共重合体などのオレフィン系樹脂、エチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エステル系樹脂、アミド系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、アイオノマー樹脂などがあげられる。これらの樹脂は単独で使用してもよく、複数の樹脂を併用してもよい。
本発明における熱可塑性樹脂発泡層(A)としては、成形性、耐油性、コストなどの観点からオレフィン系樹脂から構成される発泡層が好ましく用いられ、特に剛性、耐熱性などの観点からプロピレン系樹脂から構成される発泡層が特に好ましく用いられる。
プロピレン系樹脂としては、プロピレンホモポリマーや、プロピレン由来の構成単位を50モル%以上含むプロピレン系共重合体をあげることができる。共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体のいずれでもよい。好ましく用いられるプロピレン系共重合体の例としては、エチレンまたは炭素原子数4〜10のα−オレフィンとプロピレンとの共重合体を挙げることができる。炭素原子数4〜10のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、4−メチルペンテン−1、1−ヘキセンおよび1−オクテンが挙げられる。プロピレン系共重合体中のプロピレン以外のモノマー由来の構成単位の含有量は、エチレンについては15モル%以下、炭素原子数4〜10のα−オレフィンについては30モル%以下であることが好ましい。プロピレン系樹脂は1種類でもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
熱可塑性樹脂発泡層(A)を構成する材料として、長鎖分岐プロピレン系樹脂や重量平均分子量が1×105以上の高分子量プロピレン系樹脂を50重量%以上用いることにより、微細な気泡を有するプロピレン系樹脂発泡層を得ることができる。さらにこのようなプロピレン系樹脂の中でも、シートリサイクル時にゲルを生じにくいことから非架橋のプロピレン系樹脂が好ましく使用される。
ここで長鎖分岐プロピレン系樹脂とは、分岐度指数[A]が0.20≦[A]≦0.98を満たすプロピレン系樹脂を指す。
分岐度指数[A]が0.20≦[A]≦0.98を満たす長鎖分岐プロピレン系樹脂の例としては、バゼル社製のプロピレンPF−814が挙げられる。
分岐度指数とは、重合体における長鎖分岐の程度を示すものであり、下記の式において定義される数値である。
分岐度指数 [A] =〔η〕Br/〔η〕Lin
ここで〔η〕Brは、長鎖分岐を有するプロピレン系樹脂の固有粘度であり、〔η〕Linは、該長鎖分岐を有するプロピレン系樹脂と同じモノマー単位および同じ重量平均分子量を有する、直鎖プロピレン系樹脂の固有粘度である。
固有粘度は極限粘度数とも呼ばれ、重合体の溶液粘度を増強する能力の尺度である。固有粘度は特にポリマー分子の分子量と、分岐度に依存する。したがって、長鎖分岐を有するポリマーの固有粘度と、該長鎖分岐を有するポリマーと同じ重量平均分子量の直鎖ポリマーの固有粘度とを比較することにより、該長鎖分岐を有するポリマーの分岐度の尺度とすることができる。プロピレン系樹脂の固有粘度の測定方法は、エリオット等[J.Appl.Polym.Sci.,14,2947−2963(1970)]により開示されているような従来知られている方法により測定することができ、例えば、プロピレン系樹脂をテトラリン又はオルトジクロロベンゼンに溶解し、135℃で固有粘度を測定することが可能である。
プロピレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、通常用いられる種々の方法で測定できるが、M.L.McConnelによって、American Laboratory,May,63−75(1978)に発表されている方法、即ち、低角度レーザー光散乱強度測定法が特に好ましく用いられる。
重量平均分子量が1×105以上の高分子量プロピレン系樹脂を重合する方法の例としては、特開平11−228629号公報に記載されたように、まず高分子量成分を重合した後に続いて低分子量成分を重合する方法などがあげられる。
長鎖分岐プロピレン系樹脂または高分子量プロピレン系樹脂の中でも、融点+30℃付近において下記の条件で測定した一軸溶融伸張粘度比η5/η0.1が5以上であるプロピレン系樹脂が好ましく、より好ましくは10以上の樹脂である。一軸溶融伸張粘度比とは、伸張ひずみ速度1sec-1で、一軸伸張粘度測定装置(例としてレオメトリックス社製一軸伸張粘度測定装置などがあげられる)などの装置を用いて測定される値であり、歪み開始から0.1秒後の一軸溶融伸長粘度をη0.1とし、5秒後の一軸溶融伸張粘度をη5とする。このような一軸伸張粘度特性を有するプロピレン系樹脂を使用することによって、より微細な気泡を有する発泡層を製造することができる。
熱可塑性樹脂発泡層(A)を形成するために使用される発泡剤は、いわゆる化学発泡剤および物理発泡剤のいずれでもよく、これらを併用してもよい。上記化学発泡剤としては、例えば分解されて窒素ガスを発生する熱分解型発泡剤(アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p−トルエンスルホニルヒドラジド、p,p’−オキシ−ビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)など)、分解されて炭酸ガスを発生する熱分解型無機発泡剤(炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムなど)など公知の熱分解型発泡性化合物が挙げられる。物理発泡剤としては、具体的にはプロパン、ブタン、水、炭酸ガス等があげられる。シート加熱時に2次発泡による変形を生じにくいことやや、発火性や引火性が低いことから、水や炭酸ガス等が好適に用いられる。発泡剤の使用量は所望の発泡倍率が得られるように、用いる発泡剤や樹脂の種類に応じて適宜選択されるものであり、通常熱可塑性樹脂100重量に対して発泡剤0.5〜20重量部である。
本発明で用いる熱可塑性樹脂発泡層(A)を有するシート(1)の製造方法は特に限定するものではないが、フラットダイ(Tダイ)やサーキュラーダイを用いた発泡押出成形により得られたシートが好ましく、フラットダイやサーキュラーダイから溶融した樹脂を発泡させながら押出し、ロールやマンドレル等に沿わせて延伸、冷却を行なう方法が特に好ましく用いられる。発泡層(A)を押出成形により製造する場合には、溶融した樹脂をダイから押出し冷却固化させた後に延伸を行なうこともできる。シート(1)が多層構成である場合には熱可塑性樹脂発泡層(A)とその他の層の発泡共押出成形によりシート(1)を得ることもできるし、いったん熱可塑性樹脂発泡層(A)を有する単層または多層のシートを製造した後にさらに他の層を押出ラミや熱ラミなどの方法でラミネーションすることでシート(1)を得ることもできる。
本発明で用いる非発泡熱可塑性樹脂層(C)は、熱可塑性樹脂発泡層(A)の加飾、補強、保護など、積層する目的に応じて、該層(C)を構成する樹脂の種類や厚み等を選択することができる。非発泡熱可塑性樹脂層(C)を構成する樹脂としては、熱可塑性樹脂発泡層(A)を構成する樹脂として例示したような樹脂を用いることができ、成形性、剛性、外観などの観点からオレフィン系樹脂やアクリル系樹脂が好ましく用いられ、とりわけプロピレン系樹脂やポリメタクリル酸メチルが好ましく用いられる。
本発明で用いる非熱可塑性樹脂層(C)を有するシート(2)の製造方法も特に限定するものではなく、フラットダイ(Tダイ)やサーキュラーダイを用いた押出成形により得られたシートが好ましく、特に表面平滑性や厚み均一性などにも優れたシート(2)を得るためには、フラットダイから溶融した樹脂を押出し、ロールに沿わせて急冷、延伸を行なう方法が特に好ましく用いられる。シート(2)を押出成形により製造する場合には、溶融した樹脂をダイから押出し冷却固化させた後に延伸を行なうこともできる。シート(2)が多層構成である場合には非発泡熱可塑性樹脂層(C)とその他の層を非発泡熱可塑性樹脂層(C)が少なくとも一方の表層になるような共押出成形によりシート(2)を得ることもできるし、一端非発泡熱可塑性樹脂層(C)を有する単層または多層のシートを製造した後にさらに他の層を押出ラミや熱ラミなどの方法でラミネーションすることでシート(2)を得ることもできる。
本発明における接着性樹脂層(B)とは、熱風照射やロール接触により加熱することで溶融し、熱可塑性樹脂発泡層(A)を含むシートと非発泡熱可塑性樹脂層(B)を含むシートとの間に介在させて圧着することにより、前記発泡層(A)を含むシートと非発泡熱可塑性樹脂層(B)とを積層一体化できる層である。接着性樹脂層(B)の厚みは各層の接着強度が良好な積層シートが得られればよく、0.005〜0.1mmであるものが好ましい。接着性樹脂層(B)を構成する樹脂としては、オレフィン系樹脂やその変性物が好ましく用いられる。オレフィン系樹脂としてはエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン等の炭素原子数が2〜6のオレフィンモノマーを単独重合して得られるホモポリマーや、炭素原子数が2〜10のオレフィンモノマーから選択される2種類以上のモノマーを共重合して得られるオレフィン共重合体などを用いることができ、その中でも融点が低く成形性にも優れることから、プロピレンとエチレンおよび/またはブテンを0.5〜10重量%共重合したプロピレン系樹脂が好ましく用いられる。その他にも、炭素原子数が2〜10のオレフィンモノマーから選択される2種類以上のモノマーを共重合して得られるオレフィン共重合体であって、JIS K7122に準拠して測定される示差走査熱量測定において結晶融解熱量が1J/g以上のピーク及び結晶化熱量が1J/g以上のピ−クのいずれのピークも有せず、かつ該オレフィン共重合体の分子量分布(Mw/Mn)が3以下であるようなオレフィン共重合体や、該オレフィン共重合体とこれ以外のオレフィン系樹脂との混合物なども好ましく用いることができる。オレフィン系樹脂の変性物としては、(1)不飽和カルボン酸またはその無水物、エポキシ基含有ビニルモノマー、不飽和カルボン酸エステル、ビニルエステルからなる群より選ばれる一種以上のモノマーと、オレフィンモノマーとの共重合体や、(2)不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフト化した酸変性オレフィン系重合体が挙げられる。(1)の具体例としては、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体金属架橋物、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体、およびエチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。(2)の具体例としては、不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフト化した酸変性オレフィン系重合体の例としては、無水マレイン酸グラフト変性エチレン系重合体、無水マレイン酸グラフト変性プロピレン系重合体などが挙げられる。接着性樹脂層(B)を構成する樹脂は、熱可塑性樹脂発泡層(A)や非発泡熱可塑性樹脂層(C)、およびシート(1)やシート(2)を構成するその他の樹脂よりも融点や軟化点の低いものが好ましく用いられる。
本発明で用いる接着性樹脂層(B)の製造方法も特に限定するものではないが、本発明の製造方法において接着性樹脂層(B)を単層のシートとして使用する場合には、接着性樹脂層(B)からなるシートをフラットダイ(Tダイ)やサーキュラーダイを用いた押出成形により得ることが好ましい。また接着性樹脂層(B)がシート(1)および/またはシート(2)の表層である場合には、シート(1)やシート(2)の製造時に接着性樹脂層(B)が表層になるような共押出成形や押出ラミネーションをすることもできるし、予め製造した接着性樹脂層(B)からなるシートを、別に製造した熱可塑性樹脂発泡層(A)を含むシートや非発泡熱可塑性樹脂層(C)が少なくとも一方の表層であるシートと熱ラミやサンドラミをすることよりシート(1)やシート(2)を得ることもできる。
熱可塑性樹脂発泡層(A)は添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、充填剤(フィラー)、着色剤、金属不活性剤、凝集防止剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、剥離剤、流動性付与剤、滑剤などがあげられる。これらの中でもシートの剛性を向上させる充填材や外観を向上させる着色剤が好ましく用いられる。充填剤の例としては、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維、タルク、クレー、シリカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム等の無機粒子等があげられる。
接着性樹脂層(B)や非発泡熱可塑性樹脂層(C)にはその特徴を妨げることがあるので多量の添加剤を含有するのは好ましくないが、成形性向上のため、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤などを含有することが好ましい。
本発明では、前記したような熱可塑性樹脂発泡層(A)、接着性樹脂層(B)、非発泡熱可塑性樹脂層(C)とを、以下の方法で積層することにより、熱可塑性樹脂発泡積層シートを得ることができる。
本発明の第一の態様は、以下の工程を含む方法である。
(工程1)下記(i)、(ii)または(iii)から選ばれる2枚のシートを用い、該シート(1)および/またはシート(2)に積層されてなる接着性樹脂層(B)に熱風を照射して溶融する工程
(i)熱可塑性樹脂発泡層(A)を含み、かつ接着性樹脂層(B)が一方の表層であるシート(1)と、ヘイズ値が10%以下であって厚さが0.01〜5mmである非発泡熱可塑性樹脂層(C)が少なくとも一方の表層であるシート(2)
(ii)熱可塑性樹脂発泡層(A)を含むシート(1)と、ヘイズ値が10%以下であって厚さが0.01〜5mmである非発泡熱可塑性樹脂層(C)が一方の表層であり、他方の表層が接着性樹脂層(B)であるシート(2)
(iii)熱可塑性樹脂発泡層(A)を含み、かつ接着性樹脂層(B)が一方の表層であるシート(1)と、ヘイズ値が10%以下であって厚さが0.01〜5mmである非発泡熱可塑性樹脂層(C)が一方の表層であり、他方の表層が接着性樹脂層(B)であるシート(2)
(工程2)工程1で溶融した接着性樹脂層(B)を介してシート(1)およびシート(2)が積層され、かつシート(2)の非発泡熱可塑性樹脂層(C)が一方の表層となるようにして、前記シート(1)およびシート(2)を少なくとも一対のロールの間に供給し、該ロールにて圧着する工程
本発明の第一の態様では、前記工程1において(i)、(ii)または(iii)から選ばれる2枚のシートを用い、シート(1)および/またはシート(2)に積層されてなる接着性樹脂層(B)に熱風を照射して溶融させる。接着性樹脂層(B)を熱可塑性樹脂発泡層(A)や非発泡熱可塑性樹脂層(C)に積層する方法としては、熱可塑性樹脂発泡層(A)や非発泡熱可塑性樹脂層(C)を有するシートを製造する時に接着性樹脂層(B)を共押出することで積層化してもよいし、別々に製造した、熱可塑性樹脂発泡層(A)や非発泡熱可塑性樹脂層(C)を有するシートと接着性樹脂層(B)を有するシートを重ねて熱や圧着などの方法により積層することができる。接着性樹脂層(B)は熱可塑性樹脂発泡層(A)と非発泡熱可塑性樹脂層(C)のどちらか一方の表面に積層されていてもよいし、両方の表面に積層されていてもよい。接着性樹脂層(B)を溶融させるための熱風は、シート(1)やシート(2)に変形や変色を生じず接着性樹脂層(B)が溶融する程度、すなわち接着性樹脂層(B)が結晶性樹脂から構成されている場合には、接着性樹脂層(B)が該樹脂の融点以上、非晶性樹脂から構成されている場合には、接着性樹脂層(B)が該樹脂のガラス転移温度以上となるように照射すればよい。シート表面をこのように加熱するための熱風照射条件は、通常、シート表面において風速10〜50m/secであり、かつシート表面温度150〜250℃である。熱風を照射する方法の例としては、ヒーターの熱をファンからの送風により熱風としたものを送る熱風発生装置を配管およびエアノズル(エアナイフ)に接続し、熱郛発生装置内で発生した熱風を配管を通じエアナイフなどの出口からシート表面に照射する方法が例としてあげられる。
第一の態様の前記工程2では、少なくとも一対のロールの間に、工程1で溶融させた接着性樹脂層(B)を介してシート(1)およびシート(2)が積層され、かつシート(2)の非発泡熱可塑性樹脂層(C)が一方の表層となるように、前記ロールにて圧着する。前記工程2では、ロール間距離が、シート(1)、接着性樹脂層(B)、シート(2)の厚みの合計の70〜98%となるように配置された一対のロールの間を、シート(1)、接着性樹脂層(B)、およびシート(2)を0.5〜20m/minで移動させながら前記一対のロールにより圧着することが好ましい。ロールにより圧着する際の圧力は0.1〜3MPaであることが好ましく、0.5〜2MPaであることが特に好ましい。
本発明の第二の態様は、以下の工程を含む方法である。
(工程1) 熱可塑性樹脂発泡層(A)を含むシート(1)、接着性樹脂層(B)、ヘイズ値が10%以下であって厚さが0.01〜5mmである非発泡熱可塑性樹脂層(C)が少なくとの一方の表層であるシート(2)を、前記非発泡熱可塑性樹脂層(C)が一方の表層となるようにしてシート(1)/(B)/シート(2)の順に重ね、少なくとも一対のロールの間に供給する工程
(工程2)前記非発泡熱可塑性樹脂層(C)に接するロールの熱により、前記接着性樹脂層(B)を溶融させるとともに、シート(1)、接着性樹脂層(B)およびシート(2)をロールにて圧着し積層一体化する工程
本発明の第二の態様では、前記工程1においてシート(1)、接着性樹脂層(B)、およびシート(2)を、非発泡熱可塑性樹脂層(C)が一方の表層になるようにしてシート(1)/(B)/シート(2)の順に重ね、少なくとも一対のロール間に供給する。ロール間は、シート(1)とシート(2)の合計厚みの70〜98%に設定することが好ましい。
第二の態様の前記工程2では、シート(1)/(B)/シート(2)の順に重ねた状態で、非発泡熱可塑性樹脂層(C)に接するロールの熱により接着性樹脂層(B)を溶融させると共に前記ロールにて圧着する。熱ロールは、シート(1)やシート(2)に変形や変色を生じず接着性樹脂(B)が溶融する程度、すなわち接着性樹脂層(B)が結晶性樹脂から構成されている場合には、接着性樹脂層(B)が該樹脂の融点以上、非晶性樹脂から構成されている場合には、接着性樹脂層(B)が該樹脂のガラス転移温度以上となるような温度に設定すればよい。シート表面をこのように加熱するための熱ロール温度は、通常、150〜250℃である。熱ロールは、ステンレス製のロール内部に熱媒を循環させることによりロール表面を均一な温度に維持できる熱ロールを用いることが好ましく、シートと接触させた時に溶融したシート表面がロールに融着しないように、ロール表面をテフロン(登録商標)処理したものが好ましく用いられる。前記のように設定したロール間を、シート(1)およびシート(2)を0.5〜20m/minで移動させながら前記一対のロールにより圧着することが好ましい。ロールにより圧着する際の圧力は0.1〜3MPaであることが好ましく、0.3〜1MPaであることが特に好ましい。
また、熱可塑性樹脂発泡層(A)を含むシートと、ヘイズ値が10%以下であって厚さが0.01〜5mmである非発泡熱可塑性樹脂層(C)が少なくとも一方の表層であるシートとの間に、接着性樹脂層(B)のみからなるシートまたは両表層が前記接着性樹脂層(B)からなる多層シートを介在させて、前記熱可塑性樹脂発泡層(A)を含むシートと、ヘイズ値が10%以下であって厚さが0.01〜5mmである非発泡熱可塑性樹脂層(C)が少なくとも一方の表層であるシートとを積層して熱可塑性樹脂発泡積層シートを製造することもできる。この場合には、熱可塑性樹脂発泡層(A)を含むシート(a)、接着性樹脂層(B)のみからなるシート(b)または両表層が前記接着性樹脂層(B)からなる多層シート(b’)、ヘイズ値が10%以下であって厚さが0.01〜5mmである非発泡熱可塑性樹脂層(C)が少なくとも一方の表層であるシート(c)を、シート(a)/シート(b)または多層シート(b’)/シート(c)の順に重ねて少なくとも一対のロール間に供給し、非発泡熱可塑性樹脂層(C)に接するロールの熱により接着性樹脂層(B)を溶融させると共に前記ロールにて圧着する。ロールの温度、表面処理、圧着する圧力等の好ましい製造条件については第二の態様と同様である。
本発明により得られる熱可塑性樹脂発泡積層シートは、自動車材、包装材料、建築材料、家電製品などに使用することができる。発泡シートの特徴である軽量性および高剛性と、非発泡熱可塑性樹脂シートの特徴である加飾性および表面硬度を併せ持つことから、とりわけ自動車材として好ましく用いることができる。特に自動車材の中でも、ドアトリム、コンソール、ピラーカバー、トランクリッド、テールゲートパネルといった部位や、グリルガード、ラジエーターグリル、マッドガード、スパッツ、フロントフェンダー、リアフェンダー、サイドモール、ロッカーモール、フューエルリッド、ライセンスガーニッシュ、バンパー、エンジンカバーなどに使用することができる。このような自動車材においても、本発明の非発泡熱可塑性樹脂層(C)としてプロピレン系樹脂やメタクリル酸メチル製を原料とするヘイズ20%以下の透明シート、木目調等の印刷を施した印刷シート、無機粒子配合の加飾シートを積層した熱可塑性樹脂発泡積層シートは、コンソール、グリルガード、ラジエーターグリル、マッドガード、フロントフェンダー、リアフェンダー、サイドモール、ロッカーモール、バンパーなどとして好ましく用いられる。また熱可塑性樹脂発泡層(A)や非発泡熱可塑性樹脂層(C)に無機繊維などの充填剤、着色剤、光安定剤、紫外線吸収剤等を配合した材料は、ドアトリム、テールゲートパネル、グリルガード、フロントフェンダー、リアフェンダー、サイドモール、バンパーなどに好ましく用いられる。
本発明により得られる熱可塑性樹脂発泡積層シートを自動車材やその他包装材料、建築材料、家電製品などに使用する場合は、熱可塑性樹脂発泡積層シートのまま使用することもできるが、真空成形、圧空成形、プレス成形などの二次成形により形状を付与し、成形品として使用することが多い。積層シートを真空成形、圧空成形、プレス成形などの二次成形すると同時またはその後に、積層シートに溶融樹脂を供給し成形品片側の全面あるいは一部に樹脂製基材層やリブを形成することで成形品強度を向上させたり、ボス、フック、クリップ他部材との接続機能を付与することにより成形品の機能を向上させることもできる。
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明は実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
接着性樹脂層として厚さ0.05mmのポリプロピレン樹脂(住友化学製ポリプロピレンAS171L)層(1)を表面に有し、さらに熱可塑性樹脂発泡層としてポリプロピレン発泡層(2)を有する総発泡倍率3倍、総厚み3mmの発泡シート(住化プラステック製 商品名スミセラー発泡PPシート)と、非発泡熱可塑性樹脂層として、ポリプロピレン(住友化学製ノーブレン H501N)100重量部と造核剤(旭電化工業製アデカスタブNA−21)0.2重量部を配合して押出成形して得られたヘイズ値8%、厚さ0.1mmの非発泡ポリプロピレン樹脂層(3)からなる非発泡ポリプロピレンシートを用いた。発泡シート表面のポリプロピレン樹脂層(1)に熱風供給源(4)より温度250℃、風速15m/secの熱風を照射して表面を溶融させ、溶融させたプロピレン樹脂層(1)が非発泡ポリプロピレン樹脂層(3)と対向するようにシートを重ねて、ロール間距離2.9mm、ロールニップ圧0.05MPaの一対のロール(5)間にライン速度1m/minで供給し、発泡シートと非発泡ポリプロピレンシートとが積層されてなる熱可塑性樹脂発泡積層シートを製造した。得られた熱可塑性樹脂発泡積層シートは、外観良好であった。
前記熱可塑性樹脂発泡積層シートを、押出機を備えた真空成形機(佐藤鉄工製VAIM0301)のクランプ枠に固定した状態で近赤外ヒーターにより発泡シート表面が180℃になるように加熱し軟化させた。加熱軟化させた発泡積層シートを、クランプ枠で固定した状態で、ドアトリムの表面形状を有する成形型Aと、ドアトリムの反表面側形状を有しリブ形成用の凹部と凹部に通ずる樹脂通路を備えた成形型Bとの間に、非発泡ポリプロピレンシート面が成形型A側になるようにして供給した。成形型Bは型表面が60℃になるよう温度調整して用いた。
次に成形型Aと成形型Bを型閉めし、成形型Aの表面から真空吸引することにより熱可塑性樹脂発泡積層シートをドアトリム形状に賦形した。成形型Bの凹部の開口部を前記熱可塑性樹脂発泡積層シートで塞いだ状態で、成形型B内の樹脂通路を通じて、220℃の溶融状熱可塑性樹脂(住友化学製ポリプロピレン、ノーブレンAX568、MI=65g/min)を3g/secで成形型凹部に供給し、前記凹部を溶融状熱可塑性樹脂で充填した。真空成形機の側壁部に設置してある冷却ファンより送風を行い成形品を冷却した後、型開きして成形品を取り出した。不要な端部を切断しリブを有するドアトリムを得た。得られたリブを有するドアトリムの表面は、光沢に優れていた。
[実施例2]
接着性樹脂層として厚さ0.05mmの変性オレフィン系樹脂(三井化学製アドマーSF751)層(6)を表面に有し、さらに熱可塑性樹脂発泡層としてポリプロピレン発泡層(7)を有する総発泡倍率3倍、総厚み3mmの発泡シート(住化プラステック製 商品名スミセラー発泡PPシート)を、非発泡熱可塑性樹脂層として、ヘイズ値5%、厚さtc=0.125mmの非発泡アクリル樹脂層(8)を有する非発泡アクリルシート(住友化学製 商品名テクノロイDV0108−125−X)を用いた。表面温度110℃、ロール間距離2.9mm、ロールニップ圧0.05MPaに設定した一対のロール(9)間に、前記発泡シートと非発泡アクリルシートを重ねてライン速度1m/minで供給し、ロールの熱により変性オレフィン系樹脂層(6)を溶融させて非発泡アクリルシートと圧着し、発泡シートと非発泡アクリルシートとが積層されてなる熱可塑性樹脂発泡積層シートを製造した。
得られた熱可塑性樹脂発泡シートを用いて実施例1を同様にドアトリム成形を実施したところ、ドアトリム表面の意匠や光沢に優れた外観良好な成形品が得られた。
本発明の熱可塑性樹脂発泡積層シートの製造方法の第一の態様の概略図 本発明の熱可塑性樹脂発泡積層シートの製造方法の第二の態様の概略図
符号の説明
1 ポリプロピレン樹脂層
2 ポリプロピレン発泡層
3 非発泡ポリプロピレン樹脂層
4 熱風供給源
5 ロール
6 変性オレフィン系樹脂層
7 ポリプロピレン発泡層
8 非発泡アクリル樹脂層
9 ロール

Claims (2)

  1. 熱可塑性樹脂発泡層(A)を含むシート(1)と、ヘイズ値が10%以下であって厚さが0.01〜5mmである非発泡熱可塑性樹脂層(C)が少なくとも一方の表層であるシート(2)とを、接着性樹脂層(B)を介して積層し、前記非発泡熱可塑性樹脂層(C)が一方の表層である熱可塑性樹脂発泡積層シートを製造する方法であって、以下の工程を含む熱可塑性樹脂発泡積層シートの製造方法。
    (工程1)下記(i)、(ii)または(iii)から選ばれる2枚のシートを用い、該シート(1)および/またはシート(2)に積層されてなる接着性樹脂層(B)に熱風を照射して溶融する工程
    (i)熱可塑性樹脂発泡層(A)を含み、かつ接着性樹脂層(B)が一方の表層であるシート(1)と、ヘイズ値が10%以下であって厚さが0.01〜5mmである非発泡熱可塑性樹脂層(C)が少なくとも一方の表層であるシート(2)
    (ii)熱可塑性樹脂発泡層(A)を含むシート(1)と、ヘイズ値が10%以下であって厚さが0.01〜5mmである非発泡熱可塑性樹脂層(C)が一方の表層であり、他方の表層が接着性樹脂層(B)であるシート(2)
    (iii)熱可塑性樹脂発泡層(A)を含み、かつ接着性樹脂層(B)が一方の表層であるシート(1)と、ヘイズ値が10%以下であって厚さが0.01〜5mmである非発泡熱可塑性樹脂層(C)が一方の表層であり、他方の表層が接着性樹脂層(B)であるシート(2)
    (工程2)工程1で溶融した接着性樹脂層(B)を介してシート(1)およびシート(2)が積層され、かつシート(2)の非発泡熱可塑性樹脂層(C)が一方の表層となるようにして、前記シート(1)およびシート(2)を少なくとも一対のロールの間に供給し、該ロールにて圧着する工程
  2. 熱可塑性樹脂発泡層(A)を含むシート(1)と、ヘイズ値が10%以下であって厚さが0.01〜5mmである非発泡熱可塑性樹脂層(C)が少なくとも一方の表層であるシート(2)とを、接着性樹脂層(B)を介して積層し、前記非発泡熱可塑性樹脂層(C)が一方の表層である熱可塑性樹脂発泡積層シートを製造する方法であって、以下の工程を含む熱可塑性樹脂発泡積層シートの製造方法。
    (工程1) 熱可塑性樹脂発泡層(A)を含むシート(1)、接着性樹脂層(B)、ヘイズ値が10%以下であって厚さが0.01〜5mmである非発泡熱可塑性樹脂層(C)が少なくとの一方の表層であるシート(2)を、前記非発泡熱可塑性樹脂層(C)が一方の表層となるようにしてシート(1)/(B)/シート(2)の順に重ね、少なくとも一対のロールの間に供給する工程
    (工程2)前記非発泡熱可塑性樹脂層(C)に接するロールの熱により、前記接着性樹脂層(B)を溶融させるとともに、シート(1)、接着性樹脂層(B)およびシート(2)をロールにて圧着し積層一体化する工程
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