JP2002225075A - インモールドコーティング射出成形品の製造方法および射出成形品 - Google Patents

インモールドコーティング射出成形品の製造方法および射出成形品

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JP2002225075A
JP2002225075A JP2001028599A JP2001028599A JP2002225075A JP 2002225075 A JP2002225075 A JP 2002225075A JP 2001028599 A JP2001028599 A JP 2001028599A JP 2001028599 A JP2001028599 A JP 2001028599A JP 2002225075 A JP2002225075 A JP 2002225075A
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mold
molded article
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ozone
coating
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Hideo Akimoto
英郎 秋元
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Grand Polymer Co Ltd
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Grand Polymer Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/16Making multilayered or multicoloured articles
    • B29C45/1679Making multilayered or multicoloured articles applying surface layers onto injection-moulded substrates inside the mould cavity, e.g. in-mould coating [IMC]

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 官能基を有しないポリオレフィン樹脂を主原
料とする射出成形品に対しても、接着性に優れたコーテ
ィング層を射出成形と同時に成形金型内で効率よく形成
することができ、しかも外観良好な射出成形品を得るこ
とができるインモールドコーティング射出成形品の製造
方法を提案する。 【解決手段】 射出装置7で溶融したポリプロピレン樹
脂組成物8をキャビティ3内に射出充填し、その後冷
却、固化して一次成形品10を得る(b)。次に、一次
成形品10と可動型1との間に二次空間11を形成し、
オゾン含有ガス12をオゾンインジェクタ4から注入
し、オゾン含有ガス12中のオゾンと一次成形品10と
を接触させる(c)。オゾン含有ガス12を排出した後
(d)、コーティング材インジェクタ5から二次空間1
1にコーティング材13を注入し(e)、硬化させる
(f)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリオレフィン樹脂
を主原料とするインモールドコーティング射出成形品の
製造方法および射出成形品、特にポリプロピレン樹脂を
主原料とするインモールドコーティング射出成形品の製
造方法および射出成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン樹脂は工業的に広く利用
されている。特にポリオレフィン樹脂は塩素を含んでお
らず、焼却しても有害なガスが発生せず、またリサイク
ルも可能であるため、環境に優しい材料として自動車や
建築材料用途を中心に使用されている。
【0003】自動車用途に用いられるポリオレフィン樹
脂からなる部品は外観が重要視されるため一般にコーテ
ィング(塗装)したもの、あるいは表皮材を張り合せた
積層体などが使用されている。しかし、近年環境問題か
ら溶剤を大量に使用するコーティング工程を省略するこ
とができ、あるいは表皮材の張り合せを省略することが
でき、しかも外観が良好なポリオレフィン樹脂からなる
成形品が要求されている。
【0004】最近そのような環境問題に対応できる技術
の一つとして、合成樹脂部品に対して、樹脂の成形と同
時に、成形金型内で樹脂成形品にコーティング材を型内
コーティングする方法(以下、インモールドコーティン
グという場合がある)が提案されている(例えば、特開
平8−332655号)。
【0005】しかし従来のインモールドコーティング成
形方法において、成形品の原料としてポリオレフィン樹
脂を使用した場合、ポリオレフィン樹脂は官能基を有し
ないためインモールドコーティングするコーティング材
との接着性に劣り、このため折角コーティングしても実
用時の加熱冷却や応力でコーティング材がポリオレフィ
ン樹脂成形品から剥離して浮き上がる場合があるという
問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、官能
基を有しないポリオレフィン樹脂を主原料とする射出成
形品に対しても、接着性に優れたコーティング層を射出
成形と同時に成形金型内で効率よく形成することがで
き、しかも外観良好な射出成形品を得ることができるイ
ンモールドコーティング射出成形品の製造方法および射
出成形品を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は次のインモール
ドコーティング射出成形品の製造方法および射出成形品
である。 (1) ポリオレフィン樹脂を主原料とする射出成形品
を金型内でコーティングしてインモールドコーティング
射出成形品を製造するインモールドコーティング射出成
形品の製造方法において、加熱溶融したポリオレフィン
樹脂を主成分とする原料を、雄型および雌型から形成さ
れるキャビティに射出して一次成形品を成形する一次成
形工程と、雄型と雌型とを離間させて金型と一次成形品
との間に空間を形成し、この空間にオゾン含有ガスを供
給して一次成形品の表面に接触させるオゾン接触工程
と、金型からオゾン含有ガスを排出する排ガス工程と、
金型と一次成形品との間に形成される空間にコーティン
グ材を注入して一次成形品にコーティングした後、コー
ティング材を硬化させるコーティング工程とを含むイン
モールドコーティング射出成形品の製造方法。 (2) ポリオレフィン樹脂がポリプロピレン樹脂であ
る上記(1)記載の製造方法。 (3) 上記(1)または(2)記載の製造方法から製
造されるインモールドコーティング射出成形品。
【0008】本発明のインモールドコーティング射出成
形品の製造方法では、成形品の原料としてポリオレフィ
ン樹脂を主成分とする原料を使用する。この原料として
は、ポリオレフィン樹脂のみを使用することもできる
し、他の樹脂、ゴムおよび添加剤などが配合されたポリ
オレフィン樹脂組成物を使用することもでき、射出成形
可能なものが制限なく使用できる。
【0009】本発明で使用するポリオレフィン樹脂はα
−オレフィンを主な単量体成分とする単独重合体または
共重合体であって、射出成形可能な樹脂であれば、特に
制限なく使用することができる。上記α−オレフィンと
しては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペン
テン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペ
ンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、
1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘ
キサデセン、1−オクタデセンなどの炭素数2〜20、
好ましくは2〜10のα−オレフィンがあげられる。こ
れらのα−オレフィンは1種単独で使用することもでき
るし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0010】本発明で用いるポリオレフィン樹脂の具体
的なものとしては、公知のポリエチレン樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂、ポリブテン−1、ポリ4−メチル−1−ペ
ンテン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ア
クリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エ
ステル共重合体、アイオノマー等があげられる。これら
の中ではコストパフォーマンス、機械的強度、成形性の
観点からポリエチレン樹脂およびポリプロピレン樹脂が
好ましく、特にポリプロピレン樹脂が好ましい。
【0011】ポリエチレン樹脂としては高密度ポリエチ
レン、中密度ポリエチレンまたは低密度ポリエチレのい
ずれも好ましく使用できる。ポリエチレン樹脂はエチレ
ンの単独重合体、ランダム共重合体またはブロック共重
合体のいずれも好ましく使用できる。
【0012】ポリプロピレン樹脂としてはプロピレンの
単独重合体、およびプロピレンとプロピレン以外の炭素
数2〜10のα−オレフィンとの共重合体などがあげら
れる。共重合体の場合には、コモノマー含量が10モル
%以下、好ましくは5モル%以下であることが望まし
い。コモノマーとしてはエチレン、1−ブテン、1−ペ
ンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−
ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテ
ン、1−デセンなどがあげられる。これらの中ではエチ
レンが好ましい。ポリプロピレン樹脂は単独重合体、ラ
ンダム共重合体またはブロック共重合体のいずれも好ま
しく使用できる。
【0013】ポリプロピレン樹脂は1種単独で使用する
こともできるし、2種以上を組み合せて使用することも
でき、成形品の用途や厚さに応じて単独重合体、ランダ
ム共重合体、ブロック共重合体の中から適宜に組み合せ
た配合物とし、目的とする機械的強度を保持しつつ、発
泡成形時の結晶化速度を調節しながら発泡成形を行うこ
ともできる。特に、高結晶性ポリプロピレン樹脂を用い
た場合には、ランダム共重合体の配合によって結晶化速
度を調整することができる。
【0014】本発明で使用するポリプロピレン樹脂など
のポリオレフィン樹脂は公知の方法で製造することがで
きる。例えば、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび
電子供与体を含む固体触媒成分(a)、有機アルミニウ
ム(b)および電子供与体(c)からなる触媒系の存在
下に、単量体を重合することにより製造することができ
る。
【0015】本発明で使用する成形品の原料には、本発
明の目的を損なわない範囲で、オレフィン系エラストマ
ーを配合することができる。オレフィン系エラストマー
としては炭素数2〜20、好ましくは2〜10のα−オ
レフィンを主単量体とする共重合体からなる無定形の弾
性共重合体が制限なく使用できる。α−オレフィンの具
体的なものとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1
−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデ
セン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンなどがあげ
られる。これらのα−オレフィンは一種単独で使用する
こともできるし、二種以上を併用することもできる。
【0016】オレフィン系エラストマーの具体的なもの
としては、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・
ブテン共重合体、エチレン・ヘキセン共重合体、エチレ
ン・オクテン共重合体、エチレン・デセン共重合体等の
エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・ブテ
ン共重合体、プロピレン・ブテン・エチレン共重合体な
どがあげられる。
【0017】オレフィン系エラストマーは1種単独で使
用することもできるし、2種以上を組み合せて使用する
こともできる。オレフィン系エラストマーを配合するこ
とにより、耐衝撃性に優れた成形品が得られる。
【0018】オレフィン系エラストマーは、公知の方法
で得ることができ、通常遷移金属触媒の存在下に単量体
を気相または液相下で共重合して得ることができる。製
造のための触媒や重合方法などには特に制約はなく、例
えばチーグラー型触媒、フィリップス型触媒、メタロセ
ン型触媒などを使用し、気相法、溶液法、バルク重合法
などの重合方法により重合することができる。
【0019】本発明で使用する成形品の原料には、本発
明の目的を損なわない範囲で、無機充填剤を配合するこ
とができる。無機充填剤としては公知の無機充填剤が制
限なく使用でき、例えばタルク、シリカ、マイカ、炭酸
カルシウム、ガラス繊維、ガラスビーズ、硫酸バリウ
ム、水酸化マグネシウム、ワラスナイト、ケイ酸カルシ
ウム繊維、炭素繊維、マグネシウムオキシサルフェート
繊維、チタン酸カリウム繊維、酸化チタン、亜硫酸カル
シウム、ホワイトカーボン、クレー、硫酸カルシウムな
どがあげられる。無機充填剤は1種単独で使用すること
もできるし、2種以上を組み合せて使用することもでき
る。無機充填剤を配合することにより、剛性が高く、寸
法精度に優れた成形品が得られる。
【0020】本発明で使用する成形品の原料には、本発
明の目的を損なわない範囲で、ポリオレフィン樹脂以外
の樹脂;前記オレフィン系エラストマー以外の共重合体
ゴム、共役ジエンゴム等のゴム状重合体などを適宜配合
することができる。また必要に応じて各種添加剤を加え
ることもできる。添加剤としては、核剤、酸化防止剤、
塩酸吸収剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、光安定剤、紫外
線吸収剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇
剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、分散剤、
銅害防止剤、中和剤、発泡剤、可塑剤、気泡防止剤、架
橋剤、過酸化物などの流れ性改良剤、ウェルド強度改良
剤、天然油、合成油、ワックスなどの公知の添加剤があ
げられる。
【0021】成形品の原料に配合する前記オレフィン系
エラストマー、無機充填剤、樹脂、ゴム状重合体および
各種添加剤は単独で配合することもできるし、任意に組
み合せて配合することもできる。
【0022】本発明で使用する成形品の原料、すなわち
ポリオレフィン樹脂またはポリオレフィン樹脂組成物、
特にポリプロピレン樹脂またはポリプロピレン樹脂組成
物は、ASTM D 1238により230℃、2.1
6kg荷重下で測定されるメルトフローレート(MF
R)が1〜200g/10min、好ましくは2〜15
0g/10minであるのが望ましい。MFRが上記範
囲にある場合、高速射出が可能であるほか、剛性と耐衝
撃性とのバランスを調整しやすい。
【0023】本発明で使用するコーティング材は、公知
のコーティング材(塗料)が使用でき、特に制限されな
い。例えば、多官能アクリレート樹脂、多官能メタクリ
レート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシアクリ
レートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマーな
どの過酸化物架橋剤によって硬化が可能なバインダー成
分を主体とする一液型コーティング材や、エポキシ樹脂
/ポリアミン硬化系、ポリオール樹脂/ポリイソシアネ
ート硬化系などの、金型注入直前に主剤/硬化剤を混合
する二液型コーティング材等があげられる。
【0024】本発明では前記原料を下記の特性を有する
射出成形装置を用いて溶融混練し、射出成形して射出成
形品を製造するとともに、金型内でコーティングする。
この成形で用いられる射出成形装置および金型は、下記
の特性を具備している。 1)キャビティの内容積を変えることができる。 2)オゾン含有ガスをキャビティ内に導入でき、また排
出できる。 3)コーティング材をキャビティ内に注入できる。
【0025】本発明で使用するオゾン含有ガスとしては
オゾンガスを使用することもできるが、オゾンガスが空
気、窒素、炭酸ガス、酸素等のオゾンのキャリアーガス
により希釈されているオゾン含有ガスを使用するのが好
ましい。オゾン含有ガス中のオゾンの濃度は、通常0.
5〜300g/m3程度、好ましくは1〜200g/m3
であるのが好ましい。
【0026】オゾン含有ガスは公知のオゾン発生装置を
使用して得ることができる。オゾン発生装置としては、
例えば(i)空気中の水分を電気分解してオゾンを得る
装置、(ii)空気中の酸素を放電処理してオゾンを得る
装置、(iii)純粋酸素を放電処理してオゾンを得る装
置などを用いることができる。
【0027】本発明の製造方法において、一次成形工程
では、加熱溶融した前記成形品の原料をキャビティ内に
射出して一次成形品を成形する。この射出成形は、従来
の射出成形と同じ方法で行うことができる。
【0028】オゾン接触工程では、雄型および/または
雌型を移動させて雄型と雌型とを相対的に離間させ、こ
れにより金型と一次成形品との間に空間を形成する。そ
して、この空間にオゾン含有ガスを供給し、オゾンと一
次成形品とを接触させる。金型の移動(空間の形成)は
オゾン含有ガスを供給(注入)しながら行うこともでき
る。オゾンと一次成形品との接触時間は1〜300秒
間、好ましくは10〜100秒間であるのが望ましい。
【0029】このようなオゾン接触処理により、一次成
形品の表面がオゾンにより酸化されて活性化される。こ
のため、官能基を有しないポリオレフィン樹脂を成形品
の原料として使用しても、成形品とコーティング材との
接着性が向上し、接着性(密着性)に優れたコーティン
グ層(塗膜)を形成させることができる。
【0030】排ガス工程では、空気で置換するか、減圧
するか、または可動型を移動させてキャビティクリアラ
ンスを縮小するなどの方法により、オゾン接触工程で用
いたオゾン含有ガスを金型から排出する。排出したオゾ
ン含有ガスは通常の処理方法で処理することができる。
【0031】コーティング工程では、金型と一次成形品
との間に形成された空間に前記コーティング材を注入
し、一次成形品の表面に均一に広げてコーティングした
後、コーティング材硬化させてコーティング層を形成す
る。前記排ガス工程終了後に金型と一次成形品との間に
コーティング材を注入する空間が十分確保されていない
場合、例えば可動型を移動させてキャビティクリアラン
スを縮小してオゾン含有ガスを排出した場合は、金型を
移動させてコーティング材の注入に必要な空間を確保し
た後コーティング材を注入する。コーティング工程によ
り、成形品の表面に接着性に優れたコーティングが施さ
れた射出成形品が得られる。コーティング層の厚さは1
μm〜3mm、好ましくは10μm〜1mm、さらに好
ましくは10μm〜100μmであるのが望ましい。
【0032】このようにして得られるインモールドコー
ティング射出成形品はコーティング層と基材であるポリ
オレフィン樹脂層とは接着性が優れており、冷熱サイク
ル試験でも剥離しにくい。しかも金型外塗装に比べて、
金型内面がコーティング層に良好に転写されるので、鏡
面やシボ面が良好な塗膜が形成され、外観に優れた成形
品が得られる。
【0033】本発明のインモールドコーティング射出成
形品は、前記インモールドコーティング射出成形品の製
造方法により得られるインモールドコーティング射出成
形品である。
【0034】本発明のインモールドコーティング射出成
形品はドアトリム、インストルメントパネル等の自動車
内装部品;サイドプロテクトモール、バンパー、ソフト
フェイシャ、マッドガード等の自動車外装部品;家電用
ハウジング、事務用品、日用雑貨、台所用品、建材用
品、スポーツ用品など、種々の分野において利用するこ
とができる。
【0035】
【発明の効果】本発明のインモールドコーティング射出
成形品の製造方法は、金型内でオゾン含有ガスと射出成
形品とを接触させた後、コーティング材を金型に注入し
てコーティング層を形成しているので、官能基を有しな
いポリオレフィン樹脂を主原料とする射出成形品に対し
て、接着性に優れたコーティング層を射出成形と同時に
成形金型内で形成させることができ、しかも外観良好な
射出成形品を効率よく製造することができる。本発明の
インモールドコーティング射出成形品は、上記製造方法
から得られるインモールドコーティング射出成形品であ
るので、官能基を有しないポリオレフィン樹脂を主原料
とする射出成形品に対して、接着性に優れたコーティン
グ層が形成させており、しかも外観良好である。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の製造方法の一例を
図面を用いて説明する。図1は本発明のインモールドコ
ーティング射出成形品の製造方法の一例を示す工程推移
図であり、金型および装置の模式的垂直断面図として図
示されている。図1の(a)はポリプロピレン樹脂組成
物の射出開始前、(b)は射出終了、(c)はオゾン含
有ガス充填終了、(d)はオゾン含有ガス排出終了、
(e)はコーティング材注入、(f)はコーティング材
硬化の時点を示している。製造工程は(a)、(b)、
(c)、(d)、(e)、(f)の順に推移する。
【0037】図1において、1は雌型の可動型、2は雄
型の固定型であり、これらが射出成形用金型を構成して
いる。可動型1は固定型2に対して左右方向に移動させ
ることができ、可動型1を固定型2に押圧して金型内部
にキャビティ3を形成するように構成されている。また
金型はキャビティ容積を変化させても充填されたポリプ
ロピレン樹脂組成物が漏れないようないわゆるシェアエ
ッジ構造になっている。
【0038】可動型1にはオゾン含有ガスをキャビティ
3に供給するオゾンインジェクタ4およびコーティング
材をキャビティ3に注入するコーティング材インジェク
タ5が設けられている。オゾンインジェクタ4は耐腐食
性金属製またはテフロン(登録商標)等の耐オソン性を
有する導管を通じて金型外部に設置されたオゾン発生装
置に連絡しており、オゾン含有ガスをキャビティ3に供
給できるように構成されているが、導管およびオゾン発
生装置の図示は省略されている。
【0039】またコーティング材インジェクタ5は、フ
レキシブルチューブを介して金型外部に設置されたコー
ティング材吐出ポンプに連絡しており、コーティング材
タンクに貯蔵されたコーティング材を吐出ポンプを駆動
してキャビティ3に注入できるように構成されている
が、フレキシブルチューブ、コーティング材吐出ポンプ
およびコーティング材タンクの図示は省略されている。
7は射出装置、8は成形品の原料となるポリプロピレン
樹脂組成物、9はスプルーである。
【0040】図1の装置でインモールドコーティング射
出成形品を製造するには、まず図1の(a)の状態から
可動型1を前進させて金型を閉じる。次に射出装置7で
溶融したポリプロピレン樹脂組成物8をスプルー9から
キャビティ3内に射出充填し、その後冷却、固化して一
次成形品10を得る(図1の(b)、一次成形工程)。
【0041】射出するポリプロピレン樹脂組成物8の樹
脂温度は170〜270℃、好ましくは180〜260
℃であるのが望ましい。また成形型内圧力は5〜20M
Pa、好ましくは10〜15MPaであるのが望まし
い。
【0042】次に可動型1を移動させて一次成形品10
と可動型1とを離間させ、一次成形品10と可動型1と
の間に二次空間11を形成する。この二次空間11に、
オゾン濃度が0.5〜300g/m3、好ましくは1〜
200g/m3のオゾン含有ガス12をオゾンインジェ
クタ4から注入し、オゾン含有ガス12中のオゾンと一
次成形品10とを接触させる(図1の(c)、オゾン接
触工程)。このオゾン含有ガス12の注入は可動型1の
移動動作と同時に行うと、型開動作が円滑に行えるため
好ましい。オゾン含有ガス12の二次空間11への注入
量は二次空間11の容積に見合った量である。例えば、
投影面積が1m2の成形品において、可動型1の移動距
離が2mmの場合は、2 liter程度供給すればよい。
【0043】オゾン含有ガス12と一次成形品10との
接触時間は1〜300秒間、好ましくは10〜100秒
間であるのが望ましい。このオゾン接触工程により、オ
ゾン含有ガス12に晒された一次成形品10の表面が酸
化反応により活性化され、次の工程でコーティングされ
るコーティング材との優れた接着性が付与される。
【0044】上記接触時間経過後、可動型1を移動させ
てキャビティクリアランスを縮小することにより、オゾ
ン含有ガス12をシェアエッジ部に設けられた排気孔
(図示せず)を通して排出する(図1の(d)、排ガス
工程)。排出されたオゾン含有ガス12は通常の処理方
法で処理すればよい。
【0045】次に可動型1を移動させて二次空間11を
形成し、この二次空間11にコーティング材インジェク
タ5からコーティング材13を厚さが1μm〜3mm、
好ましくは10μm〜1mm、さらに好ましくは10μ
m〜100μmとなるように注入し(図1の(e)、コ
ーティング工程)、可動型1を前進させて型締めし、コ
ーティング材13を均一に広げた後、硬化させる(図1
の(f)、コーティング工程)。これにより、一次成形
品10の表面にコーティング材13がコーティングされ
たインモールドコーティング射出成形品14を得ること
ができる。
【0046】より具体的には、例えば初期の成形型クリ
アランスを1.0mmにして、ポリプロピレン樹脂組成
物8の一部をキャビティ3に射出して一次成形品10を
成形した後、成形型クリアランスを2.0mmまで後退
させながらオゾン含有ガス12を二次空間11に供給す
る。20秒間その状態で放置し、次いで可動型1を1.
9mm前進させるとともにオゾン含有ガス12を排出す
る。次にコーティング材13として熱硬化性アクリル樹
脂をコーティング材インジェクタ5から供給し、可動型
1を前進させて型締めし、コーティング材13を均一に
広げた後、30秒間その状態で放置して硬化させる。そ
の後、型を開き成形品を取り出し、インモールドコーテ
ィング射出成形品14を得る。
【0047】このようにして得られたインモールドコー
ティング射出成形品14はコーティング層と基材である
ポリプロピレン樹脂組成物層とは接着性が優れており、
冷熱サイクル試験でも剥離しにくい。
【0048】図1では、成形品の原料としてポリプロピ
レン樹脂組成物8を用いた場合を例にして説明している
が、ポリプロピレン樹脂組成物8の代わりに他の原料を
用いることもできる。また図1では、オゾンインジェク
タ4およびコーティング材インジェクタ5は1個ずつ図
示されているが、2個以上設けることもできる。また設
ける位置も任意の場所に変更可能である。オゾンインジ
ェクタ4は排気を兼ねる構造にすることもでき、この場
合オゾン含有ガス12をオゾンインジェクタ4から排出
することもできる。また図1では、可動型1を移動させ
て金型を閉じることによりオゾン含有ガス12を二次空
間11から排出しているが、二次空間12を保持した状
態で空気で置換するか、または減圧することにより排出
することもできる。
【0049】
【実施例】実施例1、2および比較例1 図1の方法で得たインモールドコーティング射出成形品
について、コーティング層とポリプロピレン樹脂組成物
層との接着性を試験した。なお、成形品原料としてはブ
ロックポリプロピレン樹脂90重量部およびタルク10
重量部を含むポリプロピレン樹脂組成物を用いた。コー
ティング材としては多官能アクリル樹脂混合物および過
酸化物を含む硬化型アクリル樹脂塗料を用いた。成形条
件および結果を表1に示す。
【0050】
【表1】 *1 塗膜密着性:塗装面上の1辺25mmの正方形に
縦横11本ずつの切り込みを入れて100個の桝目を作
り、その上に粘着テープを貼り付けた。その後粘着テー
プを剥がし、塗膜面上に残った桝目の数を数えた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のインモールドコーティング射出
成形品の製造方法の一例を示す工程推移図であり、
(a)はポリプロピレン樹脂組成物の射出開始前、
(b)は射出終了、(c)はオゾン含有ガス充填終了、
(d)はオゾン含有ガス排出終了、(e)はコーティン
グ材注入、(f)はコーティング材硬化の時点を示して
いる。
【符号の説明】 1 可動型 2 固定型 3 キャビティ 4 オゾンインジェクタ 5 コーティング材インジェクタ5 7 射出装置 8 ポリプロピレン樹脂組成物 9 スプルー 10 一次成形品 11 二次空間 12 オゾン含有ガス 13 コーティング材 14 インモールドコーティング射出成形品

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン樹脂を主原料とする射出
    成形品を金型内でコーティングしてインモールドコーテ
    ィング射出成形品を製造するインモールドコーティング
    射出成形品の製造方法において、 加熱溶融したポリオレフィン樹脂を主成分とする原料
    を、雄型および雌型から形成されるキャビティに射出し
    て一次成形品を成形する一次成形工程と、 雄型と雌型とを離間させて金型と一次成形品との間に空
    間を形成し、この空間にオゾン含有ガスを供給して一次
    成形品の表面に接触させるオゾン接触工程と、金型から
    オゾン含有ガスを排出する排ガス工程と、 金型と一次成形品との間に形成される空間にコーティン
    グ材を注入して一次成形品にコーティングした後、コー
    ティング材を硬化させるコーティング工程とを含むイン
    モールドコーティング射出成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン樹脂がポリプロピレン樹
    脂である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の製造方法から製
    造されるインモールドコーティング射出成形品。
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