JP2009154459A - 多層ブロー成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】光沢感が良好で、耐傷付き性、耐白化性に優れた多層ブロー成形品の提供。
【解決手段】少なくとも内層及び外層からなる多層ブロー成形品であって、前記外層がメタロセン触媒を用いて製造され、MFRが2〜40g/10分、融点が100〜140℃、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.5〜4.0、昇温溶離分別(TREF)法で測定した40℃以下の可溶分(S40)が10重量%以下である、プロピレン単独重合体又はプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体から選ばれるポリプロピレン系樹脂からなることを特徴とする多層ブロー成形品。
【選択図】なし

Description

本発明は、多層ブロー成形品に関し、詳しくは、光沢感が良好で、耐傷付き性、耐白化性に優れた多層ブロー成形品に関する。
ポリプロピレン樹脂は、比較的安価で優れた特性を有することから、自動車部品、家電部品、事務用品、衛生用品、スポーツ用品、建築用品、装飾用品など多岐の分野にわたって使用されているが、高い光沢感が求められる自動車部品などでは、クリア塗装等の塗装処理を施されている。また塗装処理により、耐傷付き性も向上する。しかし、塗装処理には多くの工程や労力と高価な設備、塗料などの費用がかかり、部品単価が増大しコストアップの要因となっている。現在では、製造工程の簡略化や環境負荷の低減を考慮して、無塗装で良好な光沢感を示す成形品および成形材料が求められている。無塗装化に対応する材料として、樹脂成分と顔料成分や分散剤を特定化するものが提案されているが(例えば、特許文献1参照。)、成形品の光沢感は塗装処理品に及ばない。
さらに、成形品を多層構造にして、表面層を特定化するものが提案されている(例えば、特許文献2〜4参照。)。
特許文献2には、表面層に融点が110〜145℃、エチレン含有量が3〜10重量%、炭素数4以上のα−オレフィン含有量が0.5〜10重量%の多元系プロピレンランダム共重合体を用いる発明が記載されている。特許文献3には、表面層に6重量%以下のエチレンを含有するかまたはこれを含有せず、かつロックウエル硬度が85以上のポリプロピレン樹脂を用いる発明が記載されている。これらの発明では、より高い光沢感を得ようとすると、エチレン等のコモノマー成分を増加させることになるが、反面、耐傷付き性の低下を招くことになってしまう問題がある。
特許文献4には、表面層にプロピレンのホモポリマーおよびエチレン−プロピレンのコポリマーからなる組成物であって、コポリマーの固有粘度[η]RCが1.7〜2.8dl/g、コポリマーとホモポリマーの固有粘度比[η]RC/[η]PPが0.7〜1.2、かつコポリマーとホモポリマーの固有粘度比[η]RC/[η]PP、コポリマーとホモポリマー重量比WPP/WRCとの積([η]RC/[η]PP)×(WPP/WRC)が1.0〜3.0の範囲にあるプロピレン系組成物を用いる発明が記載されている。この発明では、ホモポリマーが存在するため耐傷付き性は向上するが、耐白化性が悪化する問題があった。
特開平2−255842号公報 特開平5−69523号公報 特開平8−127107号公報 特開平10−251465号公報
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、光沢感が良好で、耐傷付き性、耐白化性に優れた多層ブロー成形品を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、少なくとも内層及び外層からなる多層ブロー成形品の外層に、メタロセン触媒を用いて製造された特定のMFR、融点、Mw/Mn、昇温溶離分別(TREF)法で測定した40℃以下の可溶分(S40)を有するプロピレン系樹脂を用いることにより、光沢感が良好で、耐傷付き性、耐白化性に優れた多層ブロー成形品が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、少なくとも内層及び外層からなる多層ブロー成形品であって、前記外層がメタロセン触媒を用いて製造され、MFRが2〜40g/10分、融点が100〜135℃、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.5〜4.0、昇温溶離分別(TREF)法で測定した40℃以下の可溶分(S40)が10重量%以下である、プロピレン単独重合体又はプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体から選ばれるポリプロピレン系樹脂からなることを特徴とする多層ブロー成形品が提供される。
また、本発明の第2発明によれば、第1の発明において、ポリプロピレン系樹脂は、融点(Tm)と融解熱量(ΔHm)とが下記式(1)を満たすことを特徴とする多層ブロー成形品が提供される。
ΔHm>1.16Tm−78 …(1)
また、本発明の第3発明によれば、第1又は2の発明において、ポリプロピレン系樹脂は、ロックウエル硬度(Rスケール)が80以下であることを特徴とする多層ブロー成形品が提供される。
また、本発明の第4発明によれば、第1〜3のいずれかの発明の多層ブロー成形品からなる自動車用バンパーが提供される。
本発明の多層ブロー成形品は、外層に特定のプロピレン系樹脂を用いているので、光沢感が良好で、耐傷付き性、耐白化性に優れている。
本発明は、少なくとも内層及び外層からなる多層ブロー成形品であって、外層がメタロセン触媒を用いて製造され、MFRが2〜40g/10分、融点が100〜135℃、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.5〜4.0、昇温溶離分別(TREF)法で測定した40℃以下の可溶分(S40)が10重量%以下であり、さらに好ましくは、融点(Tm)と融解熱量(ΔHm)とが下記式(1)を満たし、ロックウエル硬度(Rスケール)が80以下であるプロピレン単独重合体又はプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体から選ばれるプロピレン系樹脂からなる多層ブロー成形品である。
ΔHm>1.16Tm−78 …(1)
以下、多層ブロー成形品を構成する外層および内層の構成成分、多層ブロー成形品の製造方法等について詳細に説明する。
1.外層
(1)ポリプロピレン系樹脂
本発明の多層ブロー成形品の外層に用いるポリプロピレン系樹脂は、プロピレン単独重合体又はプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体である。プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、プロピレンから得られる構造単位が100〜90重量%(ただし、100重量%を除く)、好ましくは99〜92重量%、α−オレフィンから得られる構造単位が0〜10重量%(ただし0重量%を除く)、好ましくは1〜8重量%の割合で含有されていることが好ましい。α−オレフィンとしては、エチレン及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィンなどが挙げられ、具体的には、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1等を挙げることができる。α−オレフィンは、2種以上を併用することもできる。コモノマーの構造単位が上記範囲内にあると、実用上良好な剛性を保つことができる。好ましくは、エチレン含有量1〜5重量%、特に2〜4重量%のプロピレン・エチレンランダム共重合体である。
ここで、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体中のプロピレンから得られる構造単位、及び、α−オレフィンから得られる構造単位は、13C−NMR(核磁気共鳴法)を用いて測定される値である。具体的には、日本電子社製FT−NMRの270MHzの装置により測定される値である。
また、本発明で用いるポリプロピレン系樹脂は、以下の特性を有していることが必要である。
(i)MFR
本発明で用いるポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、2〜40g/10分、好ましくは7〜35g/10分である。MFRが2g/10分未満であると光沢が低下し、40g/10分を超えるとドロ−ダウンが顕著である。
ここで、MFRは、JIS−K7210(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定する値である。
(ii)融点(Tm)
本発明で用いるポリプロピレン系樹脂の融点(Tm)は、100〜135℃、好ましくは110〜130℃である。融点が100℃未満であると成形品表面にべたつきが発生して、型開きが不良になるといった成形性が悪くなり、135℃を超えると傷付き性が低下する。融点は、共重合モノマーの含有量の増減などにより調節可能である。
ここで、融点は示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ社製DSC6200)を使用し、シート状にしたサンプル片を5mgアルミパンに詰め、50℃から一旦200℃まで昇温速度100℃/分で昇温し、5分間保持した後に、10℃/分で40℃まで降温して結晶化させ1分間保持した後、10℃/分で200℃まで昇温させた時の融解最大ピーク温度として求める値である。
(iii)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)
本発明で用いるポリプロピレン系樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、1.5〜4.0であり、好ましくは1.7〜3.5であり、さらに好ましくは2.0〜3.2であり、最も好ましくは2.3〜3.0である。(Mw/Mn)が1.5未満であると、成形性が悪化する。一方、(Mw/Mn)が4.0を超えると、高光沢感が低下する。(Mw/Mn)は、製造時の重合条件(重合温度、重合圧力)、用いる触媒の種類を変更することによって、調整することができる。
ここで、本発明において採用しているゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の測定条件は、次の通りである。
装置:ウオーターズ社製GPC 150C型
検出器:MIRAN社製 1A赤外分光光度計(測定波長、3.42μm)
カラム:昭和電工社製AD806M/S 3本(カラムの較正は東ソー製単分散ポリスチレン(A500,A2500,F1,F2,F4,F10,F20,F40,F288の各0.5mg/ml溶液)の測定を行い、溶出体積と分子量の対数値を2次式で近似した。また、試料の分子量はポリスチレンとポリプロピレンの粘度式を用いてポリプロピレンに換算した。ここでポリスチレンの粘度式の係数はα=0.723、logK=−3.967であり、ポリプロピレンはα=0.707、logK=−3.616である。
測定温度:140℃
濃度:20mg/10mL
注入量:0.2ml
溶媒:オルソジクロロベンゼン
流速:1.0ml/分
粘度式:log[η]=logK+α×logM
(iv)昇温溶離分別(TREF)法で測定した40℃以下の可溶分(S40
本発明で用いるポリプロピレン系樹脂の昇温溶離分別(TREF)法で測定した40℃以下の可溶分(S40)は、10重量%以下であり、好ましくは8重量%以下であり、より好ましくは6重量%以下であり、さらに好ましくは4重量%以下である。昇温溶離分別(TREF)法で測定した40℃以下の可溶分(S40)が10重量%より多いと耐傷付き性が低下する。40℃以下の可溶分(S40)は、製造時の重合条件(重合温度、重合圧力)、用いる触媒およびα−オレフィンの種類と量、組成を変更することによって調整することができる。
(v)TREFによる(T100−T20
本発明で用いるポリプロピレン系樹脂の昇温溶離分別(TREF)法により20重量%溶出したときの温度(T20)から100重量%溶出終了したときの温度(T100)の幅(T100−T20)は、30℃以下が好ましく、より好ましくは25℃以下、さらに好ましくは20℃以下、最も好ましくは15℃以下である。(T100−T20)が30℃以下であれば、高光沢感をいっそう高めることができる。昇温溶離分別による(T100−T20)は、製造時の重合条件(重合温度、重合圧力)、用いる触媒およびα−オレフィンの種類と量、組成を変更することによって調整することができる。
ここで、本発明において採用している昇温溶離分別(TREF)法とは、以下に示す方法である。
すなわち、試料を140℃でオルトジクロロベンゼンに溶解し溶液とする。これを140℃のTREFカラムに導入した後8℃/分の降温速度で100℃まで冷却し、引き続き4℃/分の降温速度で40℃まで冷却後、10分間保持する。その後、溶媒であるオルトジクロロベンゼンを1mL/分の流速でカラムに流し、TREFカラム中で40℃のオルトジクロロベンゼンに溶解している成分を10分間溶出させ、次に昇温速度100℃/時間にてカラムを140℃までリニアに昇温し、溶出曲線を得る。
上記条件に従って得た溶出曲線から40℃で溶出する成分の全量に対する割合(重量%)を算出する。また、20重量%溶出したときの温度(T20)から100重量%溶出終了したときの温度(T100)の幅(T100−T20)を算出する。用いるカラム、溶媒、温度等の条件は以下の通りである。
カラムサイズ:4.3mmφ×150mm
カラム充填材:100μm表面不活性処理ガラスビーズ
溶媒:オルトジクロロベンゼン
試料濃度:5mg/mL
試料注入量:0.2mL
溶媒流速:1mL/分
検出器:波長固定型赤外検出器 FOXBORO社製 MIRAN 1A
測定波長:3.42μm
(vi)ロックウエル硬度
本発明で用いるポリプロピレン系樹脂のロックウエル硬度は、80以下が好ましく、特に好ましくは70〜80である。ロックウエル硬度が80を超えると傷限界荷重が低下する。
ここで、ロックウエル硬度は、厚さ3mmの射出成形品を用いて、JIS−K−7202に準拠して測定する値である(Rスケール)。
(vii)結晶化温度(Tc)
本発明で用いるポリプロピレン系樹脂の結晶化温度(Tc)は、80〜120℃が好ましく、85〜110℃がより好ましい。結晶化温度がこの範囲にあるものは、剛性や耐熱性が優れるが、下限未満ではべたつきが発生し、ごみ等が付着しやすくなる。一方、上限を超えると高光沢性が低下しやすくなる。
ここで、結晶化温度の測定は、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ社製DSC6200)を使用し、シート状にしたサンプル片を5mgアルミパンに詰め、50℃から一旦200℃まで昇温速度100℃/分で昇温し、5分間保持した後に、10℃/分で40℃まで降温して結晶化させた時の結晶化最大ピーク温度として測定する値である。
(viii)融解熱量(ΔHm)
本発明で用いるポリプロピレン系樹脂の結晶化度の指標である融解熱量(ΔHm:結晶を融解するエネルギー)は、70〜90mJ/mgが好ましく、72〜80mJ/mgがより好ましい。ΔHmがこの範囲にあるものは、耐傷付き性が優れる。
ここで、融解熱量の測定は、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ社製DSC6200)を使用し、シート状にしたサンプル片を5mgアルミパンに詰め、50℃から一旦200℃まで昇温速度100℃/分で昇温し、5分間保持した後に、10℃/分で40℃まで降温して結晶化させ1分間保持した後、10℃/分で200℃まで昇温させた時の全融解熱として求める値である。
(ix)融解熱量(ΔHm)と融点(Tm)との関係
本発明で用いるポリプロピレン系樹脂における上記の融解熱量(ΔHm)と融点(Tm)との関係は、下記式(1)を満たすことが好ましく、より好ましくは、下記式(2)を満足するものであり、これが満足されることにより高光沢感をいっそう向上させる効果がある。
ΔHm>1.16×Tm−78 …(1)
ΔHm>1.05×Tm−61 …(2)
本発明で用いるポリプロピレン系樹脂は、メタロセン触媒を用いて製造されるプロピレン単独重合体又はプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体である。
メタロセン触媒としては、具体的には、[A]下記一般式(I)で表される遷移金属化合物に、[B]アルミニウムオキシ化合物、成分[A]と反応して成分[A]をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物、ルイス酸、珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物、無機珪酸塩、からなる群より選ばれる一種以上の物質、及び[C]有機アルミニウム化合物を接触させて得られる触媒が使用される。
Figure 2009154459
[式中、A1及びA2は、共役五員環配位子(同一化合物内においてA1及びA2は同一でも異なっていてもよい)を示し、Qは2つの共役五員環配位子を任意の位置で架橋する結合性基を示し、Mは周期表第4〜6族から選ばれる金属原子を示し、X及びYは水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アミノ基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基又はケイ素含有炭化水素基を示す。]
一般式(I)中、A1及びA2は、共役五員環配位子(同一化合物内においてA1及びA2は同一でも異なっていてもよい)を示し、好ましくはそのうち少なくとも一方は、共役五員環配位子上の隣接した置換基が結合し五員環の2原子を含めて7〜10員の縮合環を有する。そして、A1及びA2の共役五員環配位子は、結合性基Qに結合していない炭素に置換基を有していてもよい。上記の共役五員環配位子の典型例としては、例えば、シクロペンタジエニル基を挙げることが出来る。このシクロペンタジエニル基は、水素原子を4個有するもの[C−]であってもよく、また、上記した通り、その水素原子の幾つかが置換基で置換されているものであってもよい。
上記の置換基の1つの具体例は、炭素数が通常1〜20、好ましくは1〜15の炭化水素基である。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、フェニル基、ナフチル基、ブテニル基、ブタジエニル基、トリフェニルカルビル基などが挙げられる。上記の炭化水素基は、一価の基としてシクロペンタジエニル基と結合していてもよく、その置換基の末端で2種が結合して縮合環を形成してもよい。縮合環を形成したシクロペンタジエニル基の典型例としては、インデン、フルオレン、アズレン等の化合物やその誘導体である。
具体的には、シクロペンタジエニル、n−ブチルシクロペンタジエニル、インデニル、2−メチルインデニル、2−メチル−4−フェニルインデニル、テトラヒドロインデニル、2−メチルテトラヒドロインデニル、2−メチルベンゾインデニル、2,4−ジメチルアズレニル、2−メチル−4−フェニルアズレニル、2−メチル−4−ナフチルアズレニル、2−エチル−4−ナフチルアズレニル、2−エチル−4−フェニルアズレニル、2−メチル−4−(4−クロロフェニル)アズレニル等が挙げられる。
炭化水素基以外の置換基としては、珪素、酸素、窒素、燐、硼素、硫黄などの原子を含有する炭化水素残が挙げられる。その典型例としては、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、フリル基、トリメチルシリル基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ピラゾリル基、インドリル基、カルバゾリル基、ジメチルフォスフィノ基、ジフェニルフォスフィノ基、ジフェニル硼素基、ジメトキシ硼素基、チエニル基などが挙げられる。その他の置換基としては、ハロゲン原子又はハロゲン含有炭化水素基などが挙げられる。その典型的例としては、塩素、臭素、沃素、フッ素、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
成分[A]として使用する遷移金属化合物は、A1及びA2のうち少なくとも一方が、共役五員環配位子上の隣接した置換基が結合し五員環の2原子を含めて7〜10員の縮合環を有するものが好ましい。すなわち、A1及びA2のどちらか一方は、少なくとも共役五員環の隣接する炭素2原子を含めた7〜10の縮合環を形成しているものが好ましい。
Qは、2つの共役五員環配位子を任意の位置で架橋する結合性基を示す。すなわち、Qは、2価の結合性基であり、A1とA2とを架橋する。Qの種類は特に制限されないが、その具体例としては、(イ)炭素数が通常1〜20、好ましくは1〜12の2価の炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基、具体的には、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン等の不飽和炭化水素基、ハロアルキレン基、ハロシクロアルキレン基、(ロ)無置換または炭素数が通常1〜20、好ましくは1〜12の炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を置換基として有するシリレン基またはオリゴシリレン基、(ハ)無置換または炭素数が通常1〜20の炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を置換基として有するゲルミレン基や、リン、窒素、ホウ素あるいはアルミニウムを含む炭化水素基などが挙げられる。これらの中では、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、炭化水素基を置換基として有するシリレン基またはゲルミレン基が好ましい。
Mは、周期表第4〜6族から選ばれる遷移金属原子を示し、好ましくは、チタン、ジルコニウム又はハフニウムの4族遷移金属、更に好ましくは、ジルコニウム又はハフニウムである。X及びYは、それぞれ独立して、Mと結合した水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アミノ基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基を示す。上記の各炭化水素基における炭素数は、通常1〜20、好ましくは1〜12である。これらの中では、水素原子、塩素原子、メチル基、イソブチル基、フェニル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基及びトリメチルシリル基、ビス(トリメチルシリル)メチル基等のケイ素含有炭化水素基が好ましい。
[B]成分としては、アルミニウムオキシ化合物、成分[A]と反応して、成分[A]をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物、ルイス酸、珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物、無機珪酸塩、からなる群より選ばれる一種以上の物質を用いる。
[C]成分としては、下記一般式で表される有機アルミニウム化合物が好適に使用される。
AlR3−a
(式中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、Pは、水素、ハロゲン、アルコキシ基またはシロキシ基を示し、aは0より大きく3以下の数を示す。)
有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジエチルアルミニウムモノメトキシド等のハロゲン又はアルコキシ含有アルキルアルミニウムが挙げられる。これらの中では、トリアルキルアルミニウムが好ましい。
また、成分[C]として、メチルアルミノキサン等のアルミノキサン類なども使用できる。(尚、成分[B]がアルミノキサンの場合は、成分[C]の例示としてアルミノキサンは除く。)
(2)その他の成分
外層に用いるポリプロピレン系樹脂には、必要に応じて他の重合体、充填剤、添加剤等の配合成分が含まれていてもよい。
ポリプロピレン樹脂に含まれていてもよい他の重合体としては、本発明のポリプロピレン系樹脂以外のポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール、ポリビニルクロライド、ポリカーボネート等があげられる。
本発明のポリプロピレン系樹脂以外のポリオレフィンとしては、エチレン単独重合体、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン共重合体、エチレン・ヘキセン共重合体、エチレン・オクテン共重合体、エチレン・プロピレン・ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・ヘキセン共重合体、エチレン・プロピレン・オクテン共重合体、エチレン・ブテン・ヘキセン共重合体、エチレン・ブテン・オクテン共重合体、エチレン・ヘキセン・オクテン共重合体等のエチレン系重合体、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・ブテン共重合体、プロピレン・ヘキセン共重合体、プロピレン・オクテン共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン共重合体、プロピレン・エチレン・ヘキセン共重合体、プロピレン・エチレン・オクテン共重合体、プロピレン・ブテン・ヘキセン共重合体、プロピレン・ブテン・オクテン共重合体、プロピレン・ヘキセン・オクテン共重合体等のプロピレン系重合体、ブテン系重合体等が挙げられる。
ポリスチレンとしては、スチレン単独重合体、スチレンとアクリロニトリル、メタクリル酸メチル、α−メチルスチレン等との共重合体、スチレンとブタジエン、イソプレン等とのブロック共重合体若しくはランダム共重合体またはその水素添加物などが挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂に含まれていてもよい充填剤としては、タルク、マイカ、モンモリロナイト等の板状無機充填剤、短繊維ガラス繊維、長繊維ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、ゾノライト等の繊維状無機充填剤、チタン酸カリウム、マグネシウムオキシサルフェート、窒化珪素ホウ酸アルミニウム、塩基性硫酸マグネシウム、酸化亜鉛、ワラストナイト、炭酸カルシウム等の針状(ウィスカー)無機充填剤、沈降性炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の粒状無機充填剤、ガラスバルーンのようなバルン状無機充填剤、ポリエステル繊維・ケナフ・ジュート・木粉等の有機充填剤が例示される。
ポリプロピレン系樹脂に含まれていてもよい添加剤としては、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、核剤、分散剤、顔料、染料、帯電防止剤、滑剤、金属不活性剤、難燃剤、中和剤、発泡剤、架橋剤、可塑剤等が挙げられる。
2.内層
本発明の多層ブロー成形品の内層には熱可塑性樹脂が用いられる。本発明で用いる熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール、ポリビニルクロライド、ポリカーボネート等があげられる。
ポリオレフィンとしては、エチレン単独重合体、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン共重合体、エチレン・ヘキセン共重合体、エチレン・オクテン共重合体、エチレン・プロピレン・ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・ヘキセン共重合体、エチレン・プロピレン・オクテン共重合体、エチレン・ブテン・ヘキセン共重合体、エチレン・ブテン・オクテン共重合体、エチレン・ヘキセン・オクテン共重合体等のエチレン系重合体、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・ブテン共重合体、プロピレン・ヘキセン共重合体、プロピレン・オクテン共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン共重合体、プロピレン・エチレン・ヘキセン共重合体、プロピレン・エチレン・オクテン共重合体、プロピレン・ブテン・ヘキセン共重合体、プロピレン・ブテン・オクテン共重合体、プロピレン・ヘキセン・オクテン共重合体等のプロピレン系重合体、ブテン系重合体等が挙げられる。
ポリスチレンとしては、スチレン単独重合体、スチレンとアクリロニトリル、メタクリル酸メチル、α−メチルスチレン等との共重合体、スチレンとブタジエン、イソプレン等とのブロック共重合体若しくはランダム共重合体またはその水素添加物などが挙げられる。
上記の熱可塑性樹脂は、単独で用いても、二種以上を用いてもよい。
本発明の熱可塑性樹脂は、成形性を考えると、MFRは、0.01〜5g/10分が好ましく、0.05〜2g/10分がより好ましい。
ここで、MFRは、JIS−K7210に準拠して測定する値である。
また、本発明の内層に用いる熱可塑性樹脂には、必要に応じて充填剤、添加剤等の配合成分が含まれていてもよい。
熱可塑性樹脂に含まれていてもよい充填剤としては、タルク、マイカ、モンモリロナイト等の板状無機充填剤、短繊維ガラス繊維、長繊維ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、ゾノライト等の繊維状無機充填剤、チタン酸カリウム、マグネシウムオキシサルフェート、窒化珪素ホウ酸アルミニウム、塩基性硫酸マグネシウム、酸化亜鉛、ワラストナイト、炭酸カルシウム等の針状(ウィスカー)無機充填剤、沈降性炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の粒状無機充填剤、ガラスバルーンのようなバルン状無機充填剤、ポリエステル繊維・ケナフ・ジュート・木粉等の有機充填剤が例示される。
熱可塑性樹脂に含まれていてもよい添加剤としては、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、核剤、分散剤、顔料、染料、帯電防止剤、滑剤、金属不活性剤、難燃剤、中和剤、発泡剤、架橋剤、可塑剤等が挙げられる。
本発明の内層は、着色剤により着色されていることが好ましい。深みのある色調の多層ブロー成形品が得られる。
着色剤は、無機顔料、有機顔料いずれも適用することができる。
上記無機顔料としては,チタン白、酸化亜鉛、硫化亜鉛、べんがら、クロム黄、バリウム黄、群青、コバルト青、コバルト緑、カーボンブロック、及びアルミ粉、アルミフレーク、アルミ箔、パールマイカ、亜鉛粉、ブロンズ粉等の光輝材等がある。
また、上記有機顔料としては、ウォッチングレッド、パーマネントレッド、パラレッド、トルイジンマルーン、ベンジジンイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ファーストスカイブルー、ブリリアントカーミン6B等がある。
本発明の多層ブロー成形品の内層は、一層でも、二層以上の複層であってもよい。複層であれば、各層に所望の機能を付与することができるので好ましい。
本発明の内層の好ましい態様としては、着色層と基材層の二層が好ましい。外側から外層、着色層、基材層の順に積層されることになる。
本発明で好ましく用いることのできる着色層としては、前記熱可塑性樹脂と前記着色剤とを含有する熱可塑性樹脂組成物を用いることができる。外層との親和性を考慮すると、熱可塑性樹脂としては、プロピレン系重合体が好ましい。
本発明で好ましく用いることのできる基材層には、ブロー成形品として求められる剛性、耐衝撃性等の機械物性、成形性等を備えた熱可塑性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、前述のものが利用できるが、好ましくは、メルトフローレート(230℃ 21.18N)が0.05〜2g/10分、曲げ弾性率が900〜1500MPa、Mw/Mnが5〜20の結晶性プロピレン単独重合体部分と、プロピレン・エチレン共重合体部分とを有する結晶性プロピレン・エチレンブロック共重合体と、メルトフローレート(230℃ 21.18N)が0.03〜3g/10分、曲げ弾性率が1800〜2600MPa、Mw/Mnが1〜9、かつ前記結晶性プロピレン単独重合体のMw/Mnより小さいプロピレンホモポリマーと、スチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物と、無機充填剤からなるポリプロピレン樹脂組成物が好ましい。
なお、基材層には、ブロー成形品製造時に発生するバリ等の工程内リサイクル材や各種製品使用後の再生材を混ぜてもよい。
3.多層ブロー成形品
(1)層構成
本発明の多層ブロー成形品は、少なくとも外層と内層とからなり、さらに内層が着色層と基材層とからなることが好ましい。
外層の厚さは0.1mm〜1.0mmが好ましく、0.3mm〜0.6mmがより好ましい。内層の厚さは0.5mm〜3.0mmが好ましく、1.0mm〜3.5mmがより好ましい。内層が着色層と基材層とからなる場合は、厚み比は着色層:基材層=1:2〜1:10程度である。
また、本発明の多層ブロー成形品の肉厚は2mm〜4mm程度が好ましい。
本発明の多層ブロー成形品には、必要に応じてバリア層、接着層、などを設けることができる。これらの層の厚さはそれぞれ、全厚の10〜50%程度である。
バリア層には、ポリアミド、ポリビニルアルコールなどを用いることができる。接着層には、無水マレイン酸変性ポリオレフィンなどを用いることができる。
(2)製造方法
本発明の多層ブロー成形品の製造方法としては、複数の押出機と多層ダイスを用いた多層ブロー成形方法等が例示できる。具体的には、外層用の押出機にポリプロピレン系樹脂を投入し、内層用の押出機に熱可塑性樹脂を投入し、多層ダイスを介して、190〜230℃の多層溶融パリソンを押し出し、また必要に応じてプリブローを行い、60℃以下に保ったブロー成形用金型、特に金型面のエアー抜き対策を施した金型に多層溶融パリソンを保持させてその内部へエアーノズルから加圧空気(0.5〜1MPa)を吹き込んでパリソンを膨らませることによって金型内壁へ圧接し、形状が固定されるまで空気圧を印加する成形方法を例示できる。
(3)用途
本発明の多層ブロー成形品は、耐傷付き性、高光沢感に優れるため、自動車部品等に好適に用いることができる。自動車部品としては、バンパー、サイドモール、スポイラー、インストルメントパネル、ルーフ、灯体等が挙げられる。特に高品質が求められるバンパーに最適である。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例で用いた物性測定法、特性評価法、樹脂材料は以下の通りである。
1.物性測定法、特性評価法
(1)MFR:プロピレン系樹脂は、JIS K−7210−1995に準拠し、230℃、荷重21.18N荷重で測定した。
(2)重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn):上述の方法で測定した。
(3)昇温溶離分別法:上述の方法で測定した。
(4)熱測定(融点、結晶化温度、融解熱量等):示差走査型熱量計(セイコー社製DSC)を用い、上述の方法で測定した。
(5)ロックウエル硬度:JIS K−7202に準拠して測定した。
(6)光沢:JIS Z−8741に準拠して測定した。
(7)耐傷付き性:Scratch & Mar Tester(Rockwood Systems and Equipment,Inc.社製)を用いて、傷限界荷重(単位N)を求めた。なお、針の素材はステンレス鋼、先端のRは0.5mm、過重は、2,3,4.5,5,6,7,7.8,8.5,9.25,10,11.4,12.2,13,14,15,15.8,17.3,18.6,20,22.6,24.9,26.9N の22水準で行った。
耐傷付き性試験で引掻き後の試験片を光学スキャナーにてデジタル画像化し、パソコン上で画像処理を施し未受傷部と受傷部を判別する2値化を行なった。デジタル画像化する際には256色階調の白黒画像の色見本を試験片と一緒にスキャンする事で、スキャン条件の振れによる影響を排除した。傷が認められる最小荷重を傷限界荷重とした。
2.樹脂材料
外層用に用いた樹脂の一覧を表1に示した。
Figure 2009154459
(実施例1)
外層用樹脂としてPP1、着色層樹脂としてプロピレン単独重合体(日本ポリプロ製BC3)99.5重量%とアルミニウム粉顔料0.5重量%とからなる組成物、基材層樹脂としてプロピレン単独重合体(日本ポリプロ製EC9EV)80重量%とスチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS:クレイトン製G1651)10重量%とタルク(日本タルク製ミクロエ−スC31)10重量%とからなる組成物を用いて、多層ブロー成形機(IHI製IPB10BML)にて(条件成形温度:200℃)ブロー成形体を成形した。成形体の肉厚は3mmであり、各層の厚み比は、外層1(0.5mm):着色層1(0.5mm):基材層4(2mm)であった。成形体の評価結果を表2に示す。
(実施例2)
外層用樹脂としてPP1の代わりにPP2を用いたこと以外は実施例1と同様にしてブロー成形体を得た。成形体の評価結果を表2に示す。
(実施例3)
外層用樹脂としてPP1の代わりにPP3を用いたこと以外は実施例1と同様にしてブロー成形体を得た。成形体の評価結果を表2に示す。
(比較例1〜5)
外層用樹脂としてPP1の代わりにそれぞれPP4、PP5、PP6、PP7、PP8を用いたこと以外は実施例1と同様にしてブロー成形体を得た。成形体の評価結果を表2に示す。
Figure 2009154459
表2から明らかなように、本発明の多層ブロー成形体は、傷限界荷重、光沢に優れている(実施例1〜3)。一方、外層のプロピレン系樹脂の融点が高いと傷限界荷重が著しく低下する(比較例1〜5)。Mw/Mnが大きかったり、MFRが低かったりすると光沢が低下する(比較例1、3)。
本発明の多層ブロー成形品は、耐傷付き性、高光沢感に優れるため、バンパー、サイドモール、スポイラー、インストルメントパネル、ルーフ、灯体等の自動車部品等に好適に用いることができ、産業上利用可能性が大きい。

Claims (4)

  1. 少なくとも内層及び外層からなる多層ブロー成形品であって、前記外層がメタロセン触媒を用いて製造され、MFRが2〜40g/10分、融点が100〜135℃、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.5〜4.0、昇温溶離分別(TREF)法で測定した40℃以下の可溶分(S40)が10重量%以下である、プロピレン単独重合体又はプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体から選ばれるポリプロピレン系樹脂からなることを特徴とする多層ブロー成形品。
  2. ポリプロピレン系樹脂は、融点(Tm)と融解熱量(ΔHm)とが下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の多層ブロー成形品。
    ΔHm>1.16Tm−78 …(1)
  3. ポリプロピレン系樹脂は、ロックウエル硬度(Rスケール)が80以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層ブロー成形品。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層ブロー成形品からなる自動車用バンパー。
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