JP2009035712A - プロピレン系重合体組成物 - Google Patents

プロピレン系重合体組成物 Download PDF

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JP2009035712A
JP2009035712A JP2008074154A JP2008074154A JP2009035712A JP 2009035712 A JP2009035712 A JP 2009035712A JP 2008074154 A JP2008074154 A JP 2008074154A JP 2008074154 A JP2008074154 A JP 2008074154A JP 2009035712 A JP2009035712 A JP 2009035712A
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Yoshihiro Tomono
義博 伴野
Kenji Matsuoka
健二 松岡
Hiroyuki Tsuruta
浩之 鶴田
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Abstract

【課題】発色性が良好で優れたメタリック調外観が得られるポリプロピレン系樹脂材料を
提供すること。メタリック塗装処理をすることなくメタリック調外観が得られる。
【解決手段】メタロセン触媒の作用により得られるプロピレン系重合体であって、板厚2
mmの成形品としたときの、受光角度0°における光線透過率が5%以上のプロピレン系
重合体100重量部に対して、光輝剤0.01〜10重量部を含有することを特徴とする
プロピレン系重合体組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、プロピレン系重合体組成物に関する。詳しくは特定のプロピレン系重合体を
ベース樹脂として、これに光輝剤と、要すれば更に着色剤を含有させて、発色性が良好で
、優れたメタリック調外観が得られるプロピレン系重合体組成物に関する。
ポリプロピレン樹脂は、比較的安価で優れた特性を有することから、自動車部品、家電
部品、事務用品、衛生用品、スポーツ用品、建築用品、装飾用品など多岐の分野にわたっ
て使用されているが、メタリック調外観が求められる自動車部品などでは、メタリック調
の塗料を用いて塗装処理を施されている。しかし、塗装処理には多くの工程や労力と高価
な設備、塗料などの費用がかかり、部品単価が増大しコストアップの要因となっている。
現在では、製造工程の簡略化や環境負荷の低減を考慮して、無塗装で良好なメタリック調
外観を示すポリプロピレン樹脂成形品およびポリプロピレン樹脂材料が求められている。
無塗装化に対応する材料として、ポリプロピレン樹脂に顔料と光輝剤を練り込んだ樹脂
組成物が提案されている。しかしながら、顔料と光輝剤を単に練り込むだけでは、成形品
のメタリック感、質感は塗装処理品に及ばない。
さらに、光輝剤を練り込んだポリプロピレン樹脂材料は、ウエルドラインやフローマー
クなどの成形不良が目立ちやすくなる傾向があることから、バンパー、インスツルメント
パネルなどの大型部品では自動車向け部品へ使用することは困難な状況にあった。
優れたメタリック外観を得る方法として、光輝剤を含有するポリプロピレン系樹脂組成
物をキャビティ内表面に断熱層を設けた金型を用いて射出成形する方法が提案されている
(特許文献1参照)。しかしながら、特殊な断熱層を設けた射出成形金型を用いる関係上
、金型を冷却するために時間を要し、成形サイクルが長くなるという欠点があった。
また、結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体又はこれに等重量以下の結晶性プ
ロピレン単独重合体を加えた樹脂組成物をベースとし、特定のアルミニウムフレークを光
輝剤として配合した自動車部品用組成物が提案されている(特許文献2参照)。この組成
物は、結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体を主体とし、更に必須成分として無
機充填材及びエラストマー性重合体を含んでおり、耐衝撃性に充分優れるものの、透明性
、光輝性に改善すべき問題があった。特に深みのある高輝感が得られ難い。
また、キシレン可溶分20重量%以下のポリプロピレン樹脂に平均長径5μm以上の光
輝剤を配合した樹脂組成物が知られている(特許文献3参照)。これによれば、該樹脂組
成物を原料とした成形体は、その表面に厚さ25μm以上の透明なクリアー層を有してお
り、該クリアー層よりも内部に光輝剤が分散されるので高いメタリック感、光沢感がある
とされるが、キシレン可溶分と光輝剤の平均長径の制御のみでは未だ満足できるレベルに
至っていない。
また、エチレン含量2〜15重量%でロックウエル硬度85以上の結晶性エチレン・プ
ロピレンブロック共重合体75〜50重量%と、エチレン含量80〜95重量%のエチレ
ン−α−オレフィン共重合体25〜50重量%を基本成分とし、これに光輝剤、無機系顔
料、有機系顔料から選択される着色剤を配合してなる高光沢、高耐衝撃性樹脂組成物が知
られている(特許文献4参照)。しかしながら、結晶性エチレン・プロピレンブロック共
重合体を主体としており透明性において更に改善すべき課題があった。
また、ポリプロピレン樹脂に光輝剤、金属不活性剤、無機充填材を配合した光輝剤含有
樹脂組成物が知られており、金属不活性剤による耐熱性向上が特徴の一つとされる(特許
文献5参照)。ポリプロピレンについては特定のスウェル比を有することの重要性が述べ
られているが、具体例としては、エチレン・プロピレンブロック共重合体のみで光輝性、
メタリック調についての技術開示は詳しくない。
特開2000−313747号公報 特開2004−83608号公報 特開平8−239527号公報 特開平8−239549号公報 特開2006−137888号公報
そこで本発明は、発色性が良好で優れたメタリック調外観が得られるポリプロピレン系
樹脂材料を提供することを目的とする。
即ち、本発明の要旨は、メタロセン触媒の作用により得られるプロピレン系重合体であ
って、板厚2mmの成形品としたときの、受光角度0°における光線透過率が5%以上の
プロピレン系重合体100重量部に対して、光輝剤0.01〜10重量部を含有すること
を特徴とするプロピレン系重合体組成物に存する。
また、本発明の他の要旨は、メタロセン触媒が、(A)下記一般式(I)で表される遷
移金属化合物
Figure 2009035712
(式中、A1 及びA2 は共役五員環配位子(同一化合物内においてA1 及びA2は同一で
も異なっていてもよい)を示し、Qは2つの共役五員環配位子を任意の位置で架橋する結
合性基を示し、Mは周期表第4〜6族から選ばれる金属原子を示し、X及びYは水素原子
、ハロゲン原子、炭化水素基、アミノ基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、
窒素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基又はケイ素含有炭化水素基を示す。)
(B)アルミニウムオキシ化合物、成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換す
ることが可能なイオン性化合物、ルイス酸、珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物、無機
珪酸塩、からなる群より選ばれる一種以上の物質、及び(C)有機アルミニウム化合物
の接触物であることを特徴とする前記のプロピレン系重合体組成物に存する。
また、本発明の他の要旨は、プロピレン系重合体が、プロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体である前記のプロピレン系重合体組成物に存する。
また、本発明の他の要旨は、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体が、エチレ
ン含有量1〜5重量%のプロピレン・エチレンランダム共重合体である前記のプロピレン
系重合体組成物に存する。
また、本発明の他の要旨は、プロピレン系重合体の融解熱量(ΔHm)が、70〜90
mJ/mgである前記のプロピレン系重合体組成物に存する。
また、本発明の他の要旨は、プロピレン系重合体の融点(TM)が、115〜150℃
である前記のプロピレン系重合体組成物に存する。
また、本発明の他の要旨は、プロピレン系重合体は、融点(TM)と融解熱量(ΔHm
)との関係が式(II)を満たすことを特徴とする前記のプロピレン系重合体組成物に存す
る。
ΔHm>1.16×TM−78 (II)
また、本発明の他の要旨は、プロピレン系重合体のメルトフローレート(MFR)が、
1〜80g/10分である前記のプロピレン系重合体組成物に存する。
また、本発明の他の要旨は、光輝剤の平均粒径が5〜200μmである前記のプロピレ
ン系重合体組成物に存する。
また、本発明の他の要旨は、プロピレン系重合体100重量部に対して、黒色系、白色
系、青色系、赤色系、黄色系、緑色系着色剤からなる群から選ばれる少なくとも一種の着
色剤0.01〜10重量部を含有することを特徴とする前記のプロピレン系重合体組成物
に存する。
また、本発明の他の要旨は、前記のいずれか一項に記載のプロピレン系重合体組成物か
らなる成形体に存する。
本発明のプロピレン系重合体組成物を構成するベースは、メタロセン触媒の作用により
得られるものであり、基本的に透明性に優れている。光輝剤を配合して重合体組成物とし
射出成形等により成形品としたものは、発色性が良好で優れたメタリック調外観が得られ
るので各種の自動車部品用用途に有効である。
本発明のプロピレン系重合体組成物を構成するプロピレン系重合体としては、プロピレ
ン単独重合体、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体、プロピレン・α−オレフ
ィンランダム共重合体等のプロピレン・α−オレフィン共重合体などが挙げられる。なか
でも、プロピレン単独重合体、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体が好ましく
、とりわけプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体が好ましい。プロピレン・α−
オレフィンランダム共重合体は、プロピレンから得られる構造単位が100〜90モル%
(ただし100モル%を除く)、好ましくは99〜92モル%、α−オレフィンから得ら
れる構造単位が0〜10モル%(ただし0モル%を除く)、好ましくは1〜8モル%の割
合で含有されていることが好ましい。上記プロピレンと共重合されるコモノマーのα−オ
レフィンとしては、エチレン及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィンなどが挙げられ
、具体的には、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4
−メチルペンテン−1等を挙げることができる。α−オレフィンは2種以上を併用するこ
ともできる。コモノマーの構造単位が上記範囲内にあると、実用上良好な剛性を保つこと
ができる。好ましくは、エチレン含有量1〜5重量%、特に2〜4重量%のプロピレン・
エチレンランダム共重合体である。
プロピレン系重合体中のプロピレンから得られる構造単位、及び、エチレン及び/又は
炭素数4〜20のα−オレフィンから得られる構造単位は、13C−NMR(核磁気共鳴法
)を用いて測定される値である。具体的には、日本電子社製FT−NMRの270MHz
の装置により測定される値である。
本発明において、上記のプロピレン系重合体はメタロセン触媒の作用により得られるも
のが選択的に使用される。メタロセン触媒としては、具体的には、(A)下記一般式(I
)で表される遷移金属化合物
Figure 2009035712
(式中、A1 及びA2 は共役五員環配位子(同一化合物内においてA1 及びA2は同一で
も異なっていてもよい)を示し、Qは2つの共役五員環配位子を任意の位置で架橋する結
合性基を示し、Mは周期表第4〜6族から選ばれる金属原子を示し、X及びYは水素原子
、ハロゲン原子、炭化水素基、アミノ基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、
窒素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基又はケイ素含有炭化水素基を示す。)に、(B
)アルミニウムオキシ化合物、成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換するこ
とが可能なイオン性化合物、ルイス酸、珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物、無機珪酸
塩、からなる群より選ばれる一種以上の物質、及び(C)有機アルミニウム化合物を接触
させて得られる触媒物が使用される。
(A)遷移金属化合物
前記一般式(I)中、A1 及びA2 は、共役五員環配位子(同一化合物内においてA1
及びA2 は同一でも異なっていてもよい)を示し、好ましくはそのうち少なくとも一方は
、共役五員環配位子上の隣接した置換基が結合し五員環の2原子を含めて7〜10員の縮
合環を有する。そして、A1 及びA2 の共役五員環配位子は、結合性基Qに結合していな
い炭素に置換基を有していてもよい。上記の共役五員環配位子の典型例としては、例えば
、シクロペンタジエニル基を挙げることが出来る。このシクロペンタジエニル基は、水素
原子を4個有するもの[C54−]であってもよく、また、上記した通り、その水素原
子の幾つかが置換基で置換されているものであってもよい。
上記の置換基の1つの具体例は、炭素数が通常1〜20、好ましくは1〜15の炭化水
素基である。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシ
ル基、オクチル基、フェニル基、ナフチル基、ブテニル基、ブタジエニル基、トリフェニ
ルカルビル基などが挙げられる。上記の炭化水素基は、一価の基としてシクロペンタジエ
ニル基と結合していてもよく、その置換基の末端で2種が結合して縮合環を形成してもよ
い。縮合環を形成したシクロペンタジエニル基の典型例としては、インデン、フルオレン
、アズレン等の化合物やその誘導体である。
具体的には、シクロペンタジエニル、n−ブチル−シクロペンタジエニル、インデニル
、2−メチル−インデニル、2−メチル−4−フェニルインデニル、テトラヒドロインデ
ニル、2−メチル−テトラヒドロインデニル、2−メチルベンゾインデニル、2,4−ジ
メチルアズレニル、2−メチル−4−フェニルアズレニル、2−メチル−4−ナフチルア
ズレニル、2−エチル−4−ナフチルアズレニル、2−エチル−4−フェニルアズレニル
、2−メチル−4−(4ークロロフェニル)アズレニル等が挙げられる。
炭化水素基以外の置換基としては、珪素、酸素、窒素、燐、硼素、硫黄などの原子を含
有する炭化水素残が挙げられる。その典型例としては、メトキシ基、エトキシ基、フェノ
キシ基、フリル基、トリメチルシリル基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ピラ
ゾリル基、インドリル基、カルバゾリル基、ジメチルフォスフィノ基、ジフェニルフォス
フィノ基、ジフェニル硼素基、ジメトキシ硼素基、チエニル基などが挙げられる。その他
の置換基としては、ハロゲン原子又はハロゲン含有炭化水素基などが挙げられる。その典
型的例としては、塩素、臭素、沃素、フッ素、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル
基、フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。成分(A)とし
て使用する遷移金属化合物は、A1 及びA2 のうち少なくとも一方が、共役五員環配位子
上の隣接した置換基が結合し五員環の2原子を含めて7〜10員の縮合環を有するものが
好ましい。すなわち、A1及びA2のどちらか一方は、少なくとも共役五員環の隣接する炭
素2原子を含めた7〜10の縮合環を形成しているものが好ましい。
Qは2つの共役五員環配位子を任意の位置で架橋する結合性基を示す。すなわち、Qは
、2価の結合性基であり、A1とA2とを架橋する。Qの種類は特に制限されないが、その
具体例としては、(イ)炭素数が通常1〜20、好ましくは1〜12の2価の炭化水素基
またはハロゲン化炭化水素基、具体的には、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリー
レン等の不飽和炭化水素基、ハロアルキレン基、ハロシクロアルキレン基、(ロ)無置換
または炭素数が通常1〜20、好ましくは1〜12の炭化水素基またはハロゲン化炭化水
素基を置換基として有するシリレン基またはオリゴシリレン基、(ハ)無置換または炭素
数が通常1〜20の炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を置換基として有するゲルミ
レン基や、リン、窒素、ホウ素あるいはアルミニウムを含む炭化水素基などが挙げられる
。これらの中では、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、炭化水素基を置
換基として有するシリレン基またはゲルミレン基が好ましい。
Mは、周期表第4〜6族から選ばれる遷移金属原子を示し、好ましくは、チタン、ジル
コニウム又はハフニウムの4族遷移金属、更に好ましくは、ジルコニウム又はハフニウム
である。X及びYは、それぞれ独立して、Mと結合した水素原子、ハロゲン原子、炭化水
素基、アミノ基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、リ
ン含有炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基を示す。上記の各炭化水素基における炭素
数は、通常1〜20、好ましくは1〜12である。これらの中では、水素原子、塩素原子
、メチル基、イソブチル基、フェニル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基及びトリ
メチルシリル基、ビス(トリメチルシリル)メチル基等のケイ素含有炭化水素基が好まし
い。
(B)成分としては、アルミニウムオキシ化合物、成分(A)と反応して成分(A)を
カチオンに変換することが可能なイオン性化合物、ルイス酸、珪酸塩を除くイオン交換性
層状化合物、無機珪酸塩、からなる群より選ばれる一種以上の物質を用いる。
(C)成分としては、下記一般式で表される有機アルミニウム化合物が好適に使用され
る。
AlRa3-a
(式中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、Pは、水素、ハロゲン、アルコキシ基または
シロキシ基を示し、aは0より大きく3以下の数を示す。)有機アルミニウム化合物の具
体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミ
ニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニ
ウムモノクロライド、ジエチルアルミニウムモノメトキシド等のハロゲン又はアルコキシ
含有アルキルアルミニウムが挙げられる。これらの中では、トリアルキルアルミニウムが
好ましい。また、成分(C)として、メチルアルミノキサン等のアルミノキサン類なども
使用できる。(尚、成分(B)がアルミノキサンの場合は成分(C)の例示としてアルミ
ノキサンは除く。)
本発明のプロピレン系重合体の製造は、メタロセン触媒の存在下、プロピレン及び必要
に応じてα−オレフィンを(共)重合して得られる。重合反応は、溶媒を使用する溶液重
合の他、バルク重合、気相重合、溶融重合であってもよい。重合方式は、連続重合、回分
式重合のいずれであってもよい。
本発明のプロピレン系重合体は、その光線透過率が5%以上、好ましくは10%以上、
更に好ましくは15%以上のものである。光線透過率の数値は本発明において最も重要な
技術的側面を有する。光線透過率が5%未満では高輝感が損なわれる。一方上限値は大き
いほど、つまり100%に近いほど外観は良いが製造上の制限もあり、現実的には上限値
60〜80%程度が採用される。
この光線透過率の測定には、プロピレン系重合体の試料を射出成形にて成形温度220
℃、金型温度は40℃で成形してなる板厚2mmの平板を用いる。金型表面は鏡面(ペー
パー#1000研磨の後、約10μmの硬質クロームメッキを施し、更にバフ研磨#30
00により鏡面仕上げ)となっており、金型の材質は、大同特殊鋼社製、プリハードン鋼
「NAK80」であり、硬度はHRC40である。
光源としてC光源(国際照明委員会で定めた標準の光C)(ハロゲンランプ)を使用し
、測定平板の真上より投光(投光角度0°)し、受光角度が0°における光線透過率とし
て測定されるものであり、全光線透過率(いわゆるヘイズ)とは異なるものである。まっ
すぐ(サンプル平板の成形品表面に対して直角)の透過光のみを用いた透過率であり、散
乱透過光を測定対象としていないので高輝感との対応関係に優れている。具体的には、変
角光度計(例えば、日本電色工業社製 GC 5000L)を用いて測定することができ
る。
また、本発明のプロピレン系重合体は剛性や耐熱性を考慮すると、結晶化度の指標であ
る融解熱量(ΔHm:結晶を融解するエネルギー)は70〜90mJ/mgが好ましく、72〜80mJ/mgがより好ましい。ΔHmがこの範囲にあるものは、剛性や耐熱性が優れるが、上記未満では剛性や耐熱性が低下する、一方、それを超える場合は製造が困難である。なお、融解熱量の測定は、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ社製DSC6200)を使用し、シート状にしたサンプル片を5mgアルミパンに詰め、50℃から一旦200℃まで昇温速度100℃/分で昇温し、5分間保持した後に、10℃/分で40℃まで降温して結晶化させ1分間保持した後、10℃/分で200℃まで昇温させた時の融解熱として求めたものである。
また、本発明のプロピレン系重合体は耐熱性や剛性を考慮すると、融点(TM)は12
0〜140℃が好ましく、125〜135℃がより好ましい。この融点は、共重合モノマ
ーの含有量の増減などにより調節可能である。なお、融点は示差走査熱量計(セイコーイ
ンスツルメンツ社製DSC6200)を使用し、シート状にしたサンプル片を5mgアル
ミパンに詰め、50℃から一旦200℃まで昇温速度100℃/分で昇温し、5分間保持
した後に、10℃/分で40℃まで降温して結晶化させ1分間保持した後、10℃/分で
200℃まで昇温させた時の融解最大ピーク温度(℃)として求めた。また、融解熱量(
ΔHm)、融点(TM)とも光輝剤を含まない状態のプロピレン系重合体を対象として測
定されたものである。
また、本発明のプロピレン系重合体において、上記の融解熱量(ΔHm)と融点(TM
)との関係が、下記式(II)を満たすことが好ましい。更に好ましくは、下記式(III)を
満足するものであり、これが満足されることにより高輝感(メタリッ感がより強調され良
くなる感覚)に深みを与える効果がある。
ΔHm>1.16×TM−78 (II)
ΔHm>1.05×TM−61 (III)
本発明のプロピレン系重合体は、そのメルトフローレート(MFR)が、1〜80g/
10分、特に7〜40g/10分であることが好ましい。MFRが上記範囲を上回ると衝
撃強度が不足する傾向があり、MFRが上記範囲を下回ると成形不良となる傾向がある。
なお、MFRは、JIS−K7210(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定し
たものである。
本発明のプロピレン系重合体は、重量平均分子量(Mw)として、通常5万〜80万、
分子量分布(Mw/Mn)が4未満、特に2〜3.5であることが好ましい。分子量分布
(Mw/Mn)が上記未満のものは事実上、製造が困難であり、一方、この範囲を超過す
るとウエルド外観が低下する傾向にある。なお、上記分子量分布(Mw/Mn)はGPC
装置を用いて測定される値である。具体的には、WATERS社製150−C、ALC/
GPCにより測定される値である。
本発明のプロピレン系重合体は、温度上昇溶離分別(TREF:Temperature Rising E
lution Fraction)によって得られる溶出曲線において、溶出重合体の積算重量が50%
となる時の溶出温度(T50)が75〜120℃、特に80〜120℃の範囲内にあること
が好ましい。この温度は、平均溶出温度(T50)と呼ばれる。T50が上記範囲未満である
と分子量が低すぎるか、又は融点が低すぎるために、剛性不足の原因となる。また、上記
範囲を超過すると分子量が高すぎるか、融点が高すぎて、成形が困難となる。なお、温度
上昇溶離分別(TREF)とは、一度高温でポリマーを完全に溶解させた後に冷却し、不
活性担体表面に薄いポリマー層を生成させ、次に、温度を連続又は段階的に昇温して、溶
出した成分を回収し、その濃度を連続的に検出して、その溶出量と溶出温度によって描か
れるグラフ(溶出曲線)を用いる分析法であり、ポリマーの組成分布を測定することがで
きる。その測定の詳細は、Journal of Applied Polymer Science、第26巻、第4217
〜4231頁(1981年)に記載される装置及び方法による。
また、本発明のプロピレン系重合体は、溶出分散度(σ)は、9以下、特に8以下のも
のが好ましい。溶出分散度(σ)が上記範囲を超過すると、結晶性を阻害する立体規則性
の悪い成分やコモノマー組成の大きく異なる部分が増加し、剛性と透明性に問題がある。
なお、溶出分散度(σ)は、TREFによって得られる溶出曲線において、下記式(IV
)の様に、溶出重合体の積算重量が15.9%となる時の温度(T15.9)と溶出重合体が
84.1%となる時の温度(T84.1)の温度差を示すものである。
σ=T84.1−T15.9 (IV)
本発明における光輝剤としては、プロピレン系重合体に混合した際、着色剤と共存、ま
たは単独で金属感(メタリック調)を発現する性質を有する物質が該当する。具体的には
、アルミニウム等の金属フレーク;アルミニウム箔、蒸着アルミニウム箔等の金属箔;天
然または合成雲母に酸化チタン、酸化鉄などの金属酸化物をコートしたパールマイカ、金
属酸化物の皮膜層の厚みを変化させ基材と皮膜の屈折率差を利用し、反射光の干渉を発色
に利用する干渉マイカ、酸化鉄などの有色酸化物で被覆した着色マイカ等;銅粉、亜鉛粉
、フロンズ粉、ステンレス粉、アルミニウム粉等の金属粉;金属、合金又はその酸化物(
具体的には金、銀、銀合金、真鍮、ブロンズ、チタン、二酸化チタンなど)を被覆したガ
ラスフレーク等が挙げられる。好ましくは、金属フレーク、パールマイカ、干渉マイカ、
及び金属被覆したガラスフレークであり、より好ましくはアルミニウムフレークである。
光輝剤の形状としては、フレーク状、粉状などがあるが、特にフレーク状であるものが
好ましい。さらにその平均粒径が5〜200μm、特に40〜90μmであることが好ま
しい。光輝剤の平均粒径が5μm未満では、高輝感が不充分であり、平均粒径が200μ
mを超えると、逆に高輝感がなくなり、高級な質感が損なわれる場合がある。又衝撃性能
も低下するので好ましくない。なお、光輝剤の平均粒径の測定はレーザー回折式粒度分布
測定装置を用いて行われる。
本発明において、光輝剤の配合量は、プロピレン系重合体100重量部あたり、0.0
1〜10重量部、好ましくは0.1〜3重量部、特に0.2〜2.0重量部含んでいる。
そうでないと金属感が損なわれる恐れがある。光輝剤はプロピレン系重合体に直接配合す
ることもできるが、光輝剤の取り扱いや配合の操作性からマスターバッチの形態で使用す
ることが好ましい。例えば、ポリエチレンワックス、ポリエチレン等をマトリックス成分
としたアルミニウムフレーク含有量20〜80重量%のマスターバッチを利用できる。光
輝剤の配合量が上記範囲未満ではメタリック調外観の発現が不十分である。また、光輝剤
の配合量が上記範囲を超えると光輝剤の添加効果が飽和するうえに機械的物性が低下する
本発明において、光輝剤を含有するプロピレン系重合体組成物は、光輝剤に由来するそ
れ固有の色相を示すが、用途に応じて適宜に着色剤を使用することができる。係る着色剤
としては、黒色系のカーボンブラック、鉄黒;白色系の酸化チタン、亜鉛華、リトボン、
鉛白;青色系の紺青、群青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、インダンスレンブ
ルーRS、ファーストスカイブルーレーキ、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレ
ーキ;赤色系の弁柄、鉛炭、モリブデンレッド、カドミウムレッド、レーキレッドC、レ
ーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、リソールレッド、パーマネントレッド4R、
ウォッチングレッド、チオインジゴレッド、アリザリンレッド、キナクリドンレッド、ロ
ーダミンレーキ、オレンジレーキ、ベンズイミダゾロンレッド、ピラゾロンレッド、縮合
アゾレッド、ペリレンレッド、パーマネントカーミンFB、キナクリドンマゼンダ;黄色
系の黄鉛、カドミウムイエロー、チタンイエロー、鉄黄、イソインドリノンイエロー、ベ
ンジジンイエロー、ファーストイエロー、フラボンスロンイエロー、ナフトールイエロー
、キノリンイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、HRイエロー、縮合アゾイエロー;
緑色系のクロムグリーン、酸化クロム、ギネグリーン、スピネルグリーン、フタロシアニ
ングリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーン、アシッドグリーンレーキ、マ
ラカイトグリーンレーキ;橙色系のクロムオレンジ、カドミウムオレンジ、ベンズイミダ
ゾロンオレンジ、ペリノンオレンジ;茶系の亜鉛フェライト;紫色系のマンガン紫、コバ
ルト紫、紫弁柄、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、ジオキサジン
バイオレット等を挙げることができる。
プロピレン系重合体組成物における上記着色剤の配合量は、プロピレン系重合体100
重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜3.0重量部、より好まし
くは0.1〜2.0重量部である。着色剤の配合量が上記範囲未満では隠蔽性不足と調色
が難しい。また、着色材の配合量が上記範囲を超えると物性が低下する。
本発明のプロピレン系重合体組成物はその他の任意成分として、無機充填材、エラスト
マー(ゴム成分)、変性ポリオレフィン、他のポリプロピレン樹脂、各種添加剤成分を含
有することができる。
無機充填材としては、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、シリカ、酸化チタン、水酸
化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭
酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、ゼオライト、繊維状チタン酸カ
リウム、繊維状マグネシウムオキサルフェート、繊維状ホウ酸アルミニウムなどのウィス
カー類及び炭素繊維、ガラス繊維等が挙げられる。これらの中でも炭酸カルシウム、タル
ク、マイカ、ガラス繊維を用いるのが好ましい。
エラストマー(ゴム成分)としては、エチレン・プロピレン共重合ゴム(EPM)、エ
チレン・1−ブテン共重合ゴム、エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合ゴム、エチレ
ン・プロピレン・非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)、エチレン・1−ブテン・非共役
ジエン共重合ゴム、エチレン・プロピレン・1−ブテン・非共役ジエン共重合ゴム、その
他のエチレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合ゴム等のポリオレフィン系ゴ
ム、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合ゴ
ムの水添物(SEBS:スチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合ゴム)、
スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合ゴムの水添物(SEPS:スチレン・エ
チレン・プロピレン・スチレンブロック共重合ゴム)等のスチレン系ゴムを挙げることが
できる。
変性ポリオレフィンとは、官能性をもつオレフィン系樹脂である。官能性を付与するこ
とで、光輝剤、無機充填材、特にガラス繊維とプロピレン系樹脂との親和性が改善され機
械的物性が向上する。オレフィン系樹脂としては、本発明の主体となるプロピレン系重合
体以外のもので、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・α−オレフィンランダム共
重合体等が挙げられ、好ましくはポリプロピレンが挙げられる。かかるオレフィン系樹脂
に官能基を有する化合物を反応させて変性することにより、官能性を付与することができ
る。
官能基としては、カルボキシル基、ヒドロキシル基等が挙げられる。かかる官能基を有
する化合物としては、不飽和カルボン酸又はその誘導体が挙げられる。不飽和カルボン酸
としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シト
ラコン酸、これらの酸無水物が挙げられる。特に無水マレイン酸等が用いられる。これら
の不飽和カルボン酸又はその誘導体による酸変性率としては、好ましくは0.1〜10重
量%である。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、或いは、更に性能の向上をはかるために、各
種添加剤成分を適宜配合することができる。具体的には、酸化防止剤、帯電防止剤、光安
定剤、紫外線吸収剤、核剤、難燃剤、分散剤、発泡剤などを挙げることができる。
本発明のプロピレン系重合体組成物は、上記した各配合成分を上記配合割合で配合・混
合し、溶融混練することにより製造することができる。この際、重合体組成物の製造に係
る公知の方法を用いることができる。例えば、溶融混練は、一軸押出機、二軸押出機、バ
ンバリーミキサー、ロールミキサー、ブラベンダープラストグラフ、ニーダー等の通常の
混練機を用いて混練・造粒することができる。この場合、各成分の分散を良好にすること
ができる混練・造粒方法を選択することが好ましく、通常は二軸押出機を用いて行われる
。この混練・造粒の際には、上記各成分の配合物を同時に混練してもよく、また性能向上
をはかるべく各成分を分割して混練する、すなわち、例えば、先ずポリプロピレン樹脂の
一部又は全部と熱可塑性エラストマーとを混練し、その後に残りの成分を混練・造粒する
といった方法を採用することもできる。また、マスターバッチを用いる混合法も有効に利
用できる。
本発明のプロピレン系重合体組成物を用いて、各種成形法によって目的とする成形体と
することができる。たとえば、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法などにより、それ
ぞれ射出成形体、押出成形体、ブロー成形体などにすることができる。射出成形法では金
型の転写性が優れる理由により、より優れたメタリック調が発現されるので、射出成形体
が好ましい。本発明の成形体は外装部品、内装部品、ランプハウジング等の自動車部品な
どの用途に使用することができる。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に
限定されるものではない。なお、以下の実施例における物性の測定方法は下記の通りであ
る。
1.融解熱量(ΔHm):本文記載の方法
2.融点(TM):本文記載の方法
3.メルトフローレート(MFR):本文記載の方法
4.光線透過率:
プロピレン系重合体組成物を射出成形にて板厚2mmの平板を成形温度220℃、金型
温度は40℃で、成形した試験片について、変角光度計(日本電色工業社製 GC 50
00L)を用いて投光角度0°(試験片に対して法線方向)、受光角度0°で測定した。
なお、この際の組成物中には酸化防止剤0.05重量%は配合しているものの、光輝剤、
着色剤、無機充填材は含まれておらず、試験片の成形条件は以下の通りである。
成形機:東芝機械社製、射出成形機IS170
型締め力:170トン
金型:100mm×358mm×2.0mm平板、鏡面仕上げ(硬質クロムメッキ後、
バフ研磨:研磨剤#3000)
シリンダー温度:185/220/220/210℃(ノズル)
金型温度:40℃
充填時間:4秒
射出圧力:80MPa
保圧圧力:60MPa
背圧:1.2MPa(ゲージ圧)
冷却時間:20秒
5.高輝感(メタリック調外観):
光輝剤を含むプロピレン系重合体組成物の試験片を用いて、目視にてキラキラ感を評価
した。試験片は射出成形により製造した。詳細については後述する。
判断基準 ○:深みのあるキラキラ感
×:キラキラ感少ない
6.ウエルド外観:
上記5で用いたものと同一の試験片を用いて、目視にてウエルドラインの目立ちやすさ
を評価した。
判断基準 ○:ウエルドラインが目立ちにくい
△:ウエルドラインがやや目立つ
×:ウエルドラインが明確に見える
[実施例1〜3,比較例1〜3]
1.原料プロピレン系重合体の調達
市販品の中から、メタロセン触媒又はチーグラー触媒を用いて製造された各種の材料を
選択して使用した。各材料(PP−1,2,3,4)の一般名称、物性、販売者名及び商
品名を表1に示す。また、各材料について、その融解熱量(ΔHm)及び融点(TM)に
基づいて、式(II)及び式(III)
ΔHm>1.16×TM−78 (II)
ΔHm>1.05×TM−61 (III)
の右辺値を計算し、ΔHmとの大小関係を比較することにより、式(II)及び式(III)の充
足性を判定した。各材料(PP−1,2,3,4)の判定結果を表2に示した。表2中、
○は充足、×は未充足を示す。
2.光輝剤、着色剤、無機充填材として、下記を使用した。
(1)光輝剤
東洋アルミニウム社製、メタリックマスターバッチ、TPK178GK−M(アルミニウ
ム含量20重量%)、平均粒径60μm
(2)着色剤
黒色顔料:三菱化学社製、カーボンブラック#30、粒子径30nm
(3)無機充填材
タルク:日本タルク社製、ミクロンエースC−3
3.試験片の製造
上記各原材料を表3に示す割合で、配合したプロピレン系重合体組成物に対して、更に
、プロピレン系重合体100重量部あたり、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(商品名
「IRGANOX1010FP」、チバスペシャルティケミカルズ社製)0.10重量部
、リン系酸化防止剤(商品名「IRGAFOS168」、チバスペシャルティケミカルズ
社製)0.05重量部、ステアリン酸カルシウム(商品名「カルシウム・ステアレート」
、日東化成工業社製)0.05重量部をそれぞれ配合し、ヘンシェルミキサーにて予備混
合した。次いで、二軸押出機を用いて樹脂温度210℃で溶融混練を行い、ポリプロピレ
ン重合体組成物を得た。該重合体組成物を用いて射出成形により試験片(板厚2.5mm
)を得た。
成形機:東芝機械社製、射出成形機IS170
型締め力:170トン
金型:100mm×358mm×2.5mm平板、鏡面仕上げ(硬質クロムメッキ後、
バフ研磨:研磨剤#3000)、ゲートより6mm位置に短辺方向に33mm×1.5m
mの開孔部有り。
シリンダー温度:185/220/220/210℃(ノズル)
金型温度:40℃
充填時間:4秒
射出圧力:80MPa
保圧圧力:60MPa
背圧:1.2MPa(ゲージ圧)
4.試験片による評価
上記試験片(板厚2.5mm)を用いて、高輝感及びウエルド外観を評価した。結果を
表3に示した。実施例1〜3においてはいずれも、得られた試験片には深みのあるキラキ
ラ感があり高輝感は良好であり、かつウエルドラインが目立ちにくく、外観は良好であっ
た。一方、比較例1〜3においては、キラキラ感少なく、高輝感に劣るものであった。
Figure 2009035712
Figure 2009035712
Figure 2009035712

Claims (11)

  1. メタロセン触媒の作用により得られるプロピレン系重合体であって、板厚2mmの成形
    品としたときの、受光角度0°における光線透過率が5%以上のプロピレン系重合体10
    0重量部に対して、光輝剤0.01〜10重量部を含有することを特徴とするプロピレン
    系重合体組成物。
  2. メタロセン触媒が、(A)下記一般式(I)で表される遷移金属化合物
    Figure 2009035712
    (式中、A1 及びA2 は共役五員環配位子(同一化合物内においてA1 及びA2は同一で
    も異なっていてもよい)を示し、Qは2つの共役五員環配位子を任意の位置で架橋する結
    合性基を示し、Mは周期表第4〜6族から選ばれる金属原子を示し、X及びYは水素原子
    、ハロゲン原子、炭化水素基、アミノ基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、
    窒素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基又はケイ素含有炭化水素基を示す。)
    (B)アルミニウムオキシ化合物、成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換す
    ることが可能なイオン性化合物、ルイス酸、珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物、無機
    珪酸塩、からなる群より選ばれる一種以上の物質、及び(C)有機アルミニウム化合物
    の接触物であることを特徴とする請求項1に記載のプロピレン系重合体組成物。
  3. プロピレン系重合体が、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体である請求項1
    又は2に記載のプロピレン系重合体組成物。
  4. プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体が、エチレン含有量1〜5重量%のプロ
    ピレン・エチレンランダム共重合体である請求項3に記載のプロピレン系重合体組成物。
  5. プロピレン系重合体の融解熱量(ΔHm)が、70〜90mJ/mgである請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロピレン系重合体組成物。
  6. プロピレン系重合体の融点(TM)が、115〜150℃である請求項1〜5のいずれ
    か一項に記載のプロピレン系重合体組成物。
  7. プロピレン系重合体は、融点(TM)と融解熱量(ΔHm)との関係が式(II)を満た
    すことを特徴とする請求項5又は6に記載のプロピレン系重合体組成物。
    ΔHm>1.16×TM−78 (II)
  8. プロピレン系重合体のメルトフローレート(MFR)が、1〜80g/10分である請
    求項1〜7のいずれか一項に記載のプロピレン系重合体組成物。
  9. 光輝剤の平均粒径が5〜200μmである請求項1〜8のいずれか一項に記載のプロピ
    レン系重合体組成物。
  10. プロピレン系重合体100重量部に対して、黒色系、白色系、青色系、赤色系、黄色系
    、緑色系着色剤からなる群から選ばれる少なくとも一種の着色剤0.01〜10重量部を
    含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のプロピレン系重合体組成
    物。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のプロピレン系重合体組成物からなる成形体。
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