JP3527575B2 - 二層成形品の製造方法及びそれに用いる金型 - Google Patents

二層成形品の製造方法及びそれに用いる金型

Info

Publication number
JP3527575B2
JP3527575B2 JP24405095A JP24405095A JP3527575B2 JP 3527575 B2 JP3527575 B2 JP 3527575B2 JP 24405095 A JP24405095 A JP 24405095A JP 24405095 A JP24405095 A JP 24405095A JP 3527575 B2 JP3527575 B2 JP 3527575B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
mold
molten resin
resin
injection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP24405095A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0985779A (ja
Inventor
知和 阿部
義昭 齋藤
悟士 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Petrochemical Co Ltd filed Critical Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority to JP24405095A priority Critical patent/JP3527575B2/ja
Publication of JPH0985779A publication Critical patent/JPH0985779A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3527575B2 publication Critical patent/JP3527575B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/16Making multilayered or multicoloured articles
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/16Making multilayered or multicoloured articles
    • B29C2045/167Making multilayered or multicoloured articles injecting the second layer through the first layer

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂の二層
成形品の製造方法及びそれに用いる金型に関するもの
で、自動車の内外装品、家具、椅子、及び建築資材等を
製造する際に適用できるものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂の成形品においては、意匠
性の向上、クッション性・ソフトタッチ性等の質感の付
与、あるいは耐候性や耐傷付き性の付与等が要望され、
また、同時に製品のコストの大幅な低減も強く要望され
ている。そこで、成形品の表面にのみ機能性を有する高
価格な材料を使用し、その基材には、低価格な材料、例
えばリサイクル材、未着色材料等、及び高強度であるが
外観が良好でない材料、例えば、繊維充填材、低光沢材
料等、を使用する積層成形品が注目され、これを低加工
コストで成形するための種々の成形方法が開示されてい
る。
【0003】特公平5−83058号には、プレス成形
用金型の中に予め表皮材を装着しておき、その裏面側に
樹脂を供給して、圧縮賦形して、成形品を得る方法が開
示されているが、これに使用可能な表皮材は限定され、
そのコストも高く、複雑な形状では表皮の破れやしわが
発生する。特開昭64−22516号には、芯材となる
成形品を予め別の金型で成形しておき、これを被覆用の
金型に設置し、被覆材となる樹脂を射出成形する方法が
開示されているが、成形が2工程となり、加工コストが
高くなる。また、非常に高価な金型が2組必要となり、
経費が嵩む等の問題がある。
【0004】特開昭52−72762号には、2筒式の
射出ユニットを有する射出成形装置を使用して、2種類
の材料を合流させる1点のゲートからキャビティ内に射
出し、充填させる二層構造の成形品の製造方法が開示さ
れているが、2種類の材料を1点のゲートから同時に射
出するため、2種類の材料同志が混合し、表面側に芯材
が露出する等の不良が発生し易く、2層構造品の安定製
造が困難である。
【0005】特開平7−112450号には、芯材とな
る部分を射出成形した後、金型コアを若干後退させて、
表皮材を新たに射出し、表皮材を積層する方法が開示さ
れているが、金型コアを後退させる方向には後退量に相
当する量だけキャビティが拡大するが、その垂直方向に
は拡大されず、製品の形状に伴う角度によって、その拡
大量が変化し、表皮材の厚みが均一にならず、適用でき
る成形品の形状が制限される。実質的に200μm以下
の膜厚の表皮材にしか適用できないと考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、1組の金型
を用いた1工程の成形加工で二層成形品を成形する方法
及びそれを用いる金型であって、二層成形品の厚みの制
御範囲が広く、大型の成形品や薄肉の成形品まで適用可
能で、また、そりや充填不良のない二層成形品を製造す
ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めの本発明は、以下に示す二層成形品の製造方法及びそ
れに用いる金型を特徴とするものである。 (1)熱可塑性樹脂からなる二層成形品の射出成形にお
いて、第1層の樹脂層の厚みに相当するだけ金型が開い
た状態で第1層の溶融樹脂の射出を開始した後、第1層
の溶融樹脂が流動可能な状態で、さらに金型を開きなが
ら第1層の溶融樹脂と隣接する位置に第2層の溶融樹脂
の射出を開始し、成形品の厚み相当に開いた金型のキャ
ビティ内を満たすまで第1層及び第2層の溶融樹脂の射
出を継続させることを特徴とする二層成形品の製造方法
である。 (2)熱可塑性樹脂からなる二層成形品の射出成形にお
いて、第1層の樹脂層の厚みに相当するだけ金型が開い
た状態で第1層の溶融樹脂の射出を開始した後、第1層
の溶融樹脂が流動可能な状態で、さらに金型を開きなが
ら、第1層の溶融樹脂と隣接する位置に第2層の溶融樹
脂の射出を開始し、第1層及び第2層の溶融樹脂の射出
を継続させながら、成形品の厚みに圧縮代を加えた量ま
で金型を開き、キャビティ内に第1層及び第2層の溶融
樹脂の射出が完了する直前ないし直後に金型の型締めを
開始し、これらの溶融樹脂を成形品の厚みになるまでキ
ャビティ内に展延させて圧縮・賦形することを特徴とす
る二層成形品の製造方法である。 (3)上記(1)または(2)に記載の二層成形品の製
造方法において、第1層の溶融樹脂の射出が開始される
とき、第2層の溶融樹脂を射出するゲート先端が可動金
型の表面と接した状態であることを特徴とするものであ
る。 (4)上記(1)ないし(3)に記載の二層成形品の製
造方法において、第1層の溶融樹脂が基材であり、第2
層の溶融樹脂が表皮材であることを特徴とするものであ
る。 (5)キャビティ内に2種類の樹脂を別々に射出注入で
きるゲートを備えた二層成形品用の金型において、第1
層の樹脂層の厚みに相当するだけ金型が開いた状態で、
第2層の溶融樹脂を射出するゲートの先端が可動金型側
の表面と接し、第1層の溶融樹脂の当該ゲートへの進入
を防止できる構造であることを特徴とする二層成形品用
の金型である。 (6)上記(5)記載の二層成形品用の金型において、
2種類の樹脂を別々に射出するゲートが二重管構造であ
ることを特徴とするものである。
【0008】ところで、本発明における第1層の樹脂層
の厚みに相当するだけ金型が開いた状態とは、成形品中
で第1層の樹脂層が占める厚さだけ金型が開いた状態、
または、成形過程における圧縮や展延により生ずる可能
性のある第1層の樹脂層の薄肉化を考慮して、前記厚さ
よりも幾分大き目に金型が開いた状態を意味する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明では、次のような樹脂、金
型、成形機及び成形方法を採用することができる。本発
明で対象とする基材となる樹脂としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS、ポリカー
ボネート、ポリアミド等の熱可塑性樹脂、及び、これら
の熱可塑性樹脂にタルク、マイカ、ガラス繊維、炭素繊
維等の充填材を含有したもの等が採用でき、特にポリプ
ロピレン(フィラーや繊維充填材を含有したものを含
む)を採用するのが好ましい。
【0010】表皮材となる樹脂としては、オレフィン系
エラストマー、塩化ビニル樹脂等の柔軟性のある材料、
耐電防止剤等の機能性のある添加剤を含んだ材料、アク
リル樹脂等の表面硬度の高い材料及び着色された材料等
が採用できる。金型は、成形品の形状に応じたキャビテ
ィを有する金型であって、2種類の溶融樹脂を個々にキ
ャビティ内に射出するゲートを有する。この金型を型締
めした状態のキャビティは金型の移動方向に第1層の樹
脂層の厚みに相当するだけ開いた状態にある。成形品の
第2層の溶融樹脂のゲートの先端は、第1層の溶融樹脂
を射出する時点で、第1層の溶融樹脂が進入しない構造
にするとよい。例えば、成形品の第1層の樹脂の厚みに
相当するだけ第2層の樹脂のゲートの先端がキャビティ
内に突き出し、可動金型表面に接する構造が好ましい。
【0011】2種類の溶融樹脂を射出するゲートは、異
なる位置に設けた別個のゲートであってもよいが、二重
管タイプのゲートであってもよい。この二重管タイプの
ゲートは中心側が成形品の第2層の樹脂用であり、外周
側が第1層の樹脂用である。その先端は前述のように突
き出し、可動金型表面に接する構造が好ましい。また、
第2層の樹脂のゲート先端の突き出し量は、第1層の樹
脂層の厚み等に応じて、調整できる構造が好ましい。
【0012】ゲート部には、溶融樹脂の逆流がないよう
に油圧や空気圧で開閉が可能なバルブゲートを設置した
り、ヒーターにより温調し、ゲート部の溶融樹脂の固化
を制御するホットチップを設置したりするのもよい。さ
らに、第2層をキャビティ内に射出する際、金型を後退
させ、開く必要があるため、摺動面をインロー合わせに
した構造等のバリ防止構造を有する金型が好ましい。
【0013】成形機としては、樹脂の可塑化と射出機能
を有する2系列の射出装置を別々に制御でき、また、樹
脂充填の途中においても金型の後退動作が可能な機能を
有する必要がある。射出圧縮成形を行う場合は、さらに
多段圧縮等の制御が可能な機能を有する必要がある。こ
の射出装置は、通常のインラインスクリュー式、プリプ
ラ式または小型に設計された円錐型スクリュー式の装置
を採用できる。
【0014】ところで、表皮材には意匠性の向上等が要
求されることから、表皮材が可動金型表面に接する層と
なるように成形するのが一般的である。また、前述の金
型構造から第1層の樹脂層には第2樹脂のゲートの跡が
残りやすいことからも、第2層の樹脂層を表皮材とする
のが好ましい。上記2系列の射出装置から射出される樹
脂量は成形品の大きさ、形状及び層厚みによるが、少な
くとも、二層状態が成形品の外縁まで保持される量であ
り、その状態が保持できるように射出条件を調整する必
要がある。また、表皮材となる樹脂が成形品の外縁で基
材側へ回り込むように調整するのが好ましい。
【0015】主に小型で板状の二層成形品を本発明の製
造方法で成形する場合は、次のような成形手順が採用で
きる。 (1)金型の移動方向に第1層の樹脂層の厚みに相当す
るだけキャビティが開いた状態になるまで、射出成形機
の金型を締める。 (2)第1層の溶融樹脂をキャビティ内に射出を開始
し、充填が始まり、第2層の溶融樹脂のゲート周辺にも
充填される。前述のように第2層の溶融樹脂のゲート先
端が突き出した金型の場合は、この時点で、第2層の溶
融樹脂のゲートの先端は、可動金型に接しており、第1
層の溶融樹脂がこのゲートへ進入することはなく、溶融
樹脂の混合がない。 (3)第1層の射出開始後、僅かに遅れて、第1層の溶
融樹脂が流動可能な状態で、成形品の厚みになるまで、
可動金型を後退させ、キャビティを拡大しながら、第2
層の溶融樹脂を該樹脂用ゲートから射出を開始する。こ
れにより、第2層の溶融樹脂は、表面に固化層が形成さ
れた第1層の溶融状態の樹脂と可動金型の間に進入しな
がら流動する。このように固化層の上を第2層の溶融樹
脂が流動するため、第1層の樹脂との混合もなく、流れ
ムラも起こりにくい。この状態のキャビティは、成形品
に相当するものである。 (4)第1層と第2層の溶融樹脂の射出が継続し、二層
構造を維持しながらキャビティ内を流動する。両射出装
置が所定の射出量を射出し、キャビティ内が完全に充填
されることで射出は完了する。 (5)保圧された金型内で十分冷却・固化したら、金型
を開いて二層成形品を取り出す。
【0016】また、大型や薄肉の二層成形品を本発明の
製造方法で成形する場合は、次のような成形手順も採用
できる。 (1)金型の移動方向に第1層の樹脂層の厚みに相当す
るだけキャビティが開いた状態になるまで、射出成形機
の金型を締める。実際には、溶融樹脂の流動や展延等に
よる多少の変動があるので、二層成形品の層厚みから型
開きを再調整する必要もある。前述のように第2層の溶
融樹脂のゲート先端が突き出した金型の場合は、同時
に、ゲートの先端の突き出し量を調整する。 (2)第1層の溶融樹脂をキャビティ内に射出を開始
し、充填が始まり、第2層の溶融樹脂のゲート周辺にも
充填される。前述のように第2層の溶融樹脂のゲート先
端が突き出した金型の場合は、この時点で、第2層の溶
融樹脂のゲートの先端は、可動金型表面に接しており、
第1層の溶融樹脂がこのゲートへ進入することはなく、
溶融樹脂の混合がない。 (3)第1層の射出開始後、僅かに遅れて、第1層の溶
融樹脂が流動可能な状態で、可動金型を成形品の厚みに
圧縮代を加えた量になるまで後退させながら、第2層の
溶融樹脂を該樹脂用ゲートから射出を開始する。これに
より、第2層の溶融樹脂は、表面に固化層が形成された
第1層の溶融状態の樹脂と可動金型との間に進入しなが
ら流動する。なお、固化層が形成される効果は、前述と
同様である。 (4)第1層と第2層の溶融樹脂の射出が継続し、二層
構造を維持しながらキャビティ内を流動する。両射出装
置が所定の射出量を射出完了直前ないし完了直後に可動
金型の型締めを開始する。 (5)通常の射出圧縮成形と同様に金型を閉塞すること
で、溶融状態の樹脂は二層構造を維持しながらキャビテ
ィ内をプレス流動し、キャビティ内に充填される。この
状態のキャビティは、成形品に相当するものである。 (6)保圧された金型内で十分冷却・固化したら、金型
を開いて二層成形品を取り出す。
【0017】以下に本発明の一実施形態を図面に基づい
て説明する。図1に示す金型1は、図中右側の雄型の固
定金型2と、左側の雌型の可動金型4とに分割され、ま
た、インロー構造6を有するものである。固定金型2
は、図示しない射出成形機本体に固定された金型であ
る。固定金型2には、2台の射出装置7、10からそれ
ぞれ射出される溶融樹脂をキャビティ19内に導入する
充填孔としてのマニホールド13、16が固定金型を貫
通するように設けられ、それらのゲート15、18は固
定金型2の中央付近の異なる位置に2個設けられてい
る。マニホールド入口14、17には、射出装置のノズ
ル9、12が当接されている。これらのノズル9、12
は、溶融樹脂の射出が完了すると自動的に閉鎖するシャ
ットオフノズルとなっている。これにより、射出完了後
に、ノズル9、12が閉じ、型締めによる圧力で、マニ
ホールド13、16からノズル9、12に向かって溶融
樹脂が逆流しないようになっている。
【0018】第1層用のゲート15は通常の固定金型表
面3の面に充填孔が開いたものであるが、第2層用のゲ
ート18は、固定金型表面3の面より、二層成形品の第
1層の樹脂厚み分ゲートの先端が突き出した構造となっ
ている。その突き出したゲート18の外径は2〜5mm
φ、内径は0.5〜3.5mmφの程度である。また、
この先端は金型1を完全に型締めした状態では可動金型
表面5に当接し、第1層の溶融樹脂の射出時に、溶融樹
脂がその先端部に進入しない構造となっている。
【0019】金型のインロー構造6は、第2層の樹脂の
厚みと圧縮代の金型開閉動作量を考慮して、齧りや樹脂
漏れがないようになっている。可動金型4は、前述の射
出成形機に移動可能に設けられている。可動金型表面5
は金型1を閉鎖すると固定金型表面3とでキャビティ1
9を形成するものである。この金型1を完全に型締めし
たときのキャビティ19は、金型の移動方向に第1層の
樹脂層の厚みに相当するだけ開いている。
【0020】可動金型4の図中左方には、図示しない型
締装置が配置され、この型締装置により、可動金型4を
移動して金型が閉鎖されるようになっている。この型締
装置は、可動金型4を固定金型2に向かって圧縮するも
のであり、その圧縮力は、最大圧縮力の0〜100%の
範囲で連続的に調整できるようになっている。この型締
装置を駆動することにより、キャビティ19の内部に充
填した溶融樹脂を展延させるとともに、展延完了後には
溶融樹脂に内圧が与えられるようになっている。
【0021】また、溶融樹脂充填の途中においても金型
の後退動作が可能で、多段圧縮等の制御が可能な装置で
ある。固定金型2及び可動金型4には、一般的な金型と
同様に図示しない冷却用の冷却媒体の流路が貫通してお
り、この冷却媒体は別に設置された温度調節装置で温度
制御されている。
【0022】以上のような固定金型2に第1層樹脂用の
ゲート15と第2層樹脂用のゲート18が別々に設けら
れた2点注入方式ではなく、図4に示すように二重管ゲ
ートの1点注入方式も、前述のように本発明の目的を達
成するために採用できる。この1点注入方式では、二重
管ゲートの外周側に第1層の溶融樹脂20が供給され、
中央側に第2層の溶融樹脂21が供給される。二重管ゲ
ートの第1層樹脂用のゲート22は固定金型表面3にあ
り、第2層樹脂用のゲート23は、二層成形品の第1層
の樹脂厚み分ゲートの先端が突き出した構造となってい
る。その突き出したゲート23の外径は2〜5mmφ、
内径は0.5〜3.5mmφの程度である。また、この
先端は金型1を完全に型締めした状態では可動金型表面
5に当接し、第1層の樹脂の射出時に、樹脂がその先端
部に進入しない構造となっている。
【0023】成形は、次のような手順により行われる。
まず、図1に示すように金型1を完全に型締めしたとこ
ろに、射出装置7からゲート15を通って、第1層の溶
融樹脂をキャビティ19内に射出を開始し、充填が始ま
り、第2層の溶融樹脂のゲート18周辺にも充填され
る。この時、第2層の溶融樹脂のゲート18の先端は、
可動金型表面3に接触しており、第1層の溶融樹脂がこ
のゲート18へ進入することはなく、溶融樹脂の混合が
ない。
【0024】次に、図2に示すように、可動金型4を成
形品の厚みに圧縮代を加えた量になるまで後退させなが
ら、第2層の溶融樹脂を該樹脂用ゲート18から射出を
開始する。これにより、第2層の溶融樹脂21が、表面
に固化層が形成された第1層の溶融状態の樹脂20と可
動金型表面5の間に進入しながら流動する。第1層と第
2層の溶融樹脂の射出が継続し、二層構造を維持しなが
らキャビティ19内に流動が進み、両射出装置の射出が
完了直前ないし直後に可動金型4の型締めを開始し、通
常の射出圧縮成形と同様に金型1を閉塞することで、図
3に示すように溶融状態の樹脂をプレス流動させ、キャ
ビティ19内に充填される。
【0025】これらの樹脂は、二層構造を維持しながら
キャビティ19内で展延されており、保圧された金型1
で十分冷却・固化した後、金型1を開いて二層成形品と
して取り出す。前述の実施形態では、次のような効果も
ある。第1層及び第2層の樹脂の厚みは、金型の設計及
び可動金型の移動量により制御可能で、その適用範囲が
広い。また、図5のような椀型の成形品の外縁やボス・
リブ部等の凹凸のある部分では、図3に示すように射出
完了時またはプレス流動時にキャビティ19内に充填さ
れるため、可動金型の移動方向と平行な面部分でも、二
層構造を維持した溶融樹脂がそのキャビティ部分に充填
されていくこととなる。そのため、この部分の第2層の
樹脂の厚みは可動金型の移動量に依存しないので、第2
層の樹脂の厚みが薄くなり、第1層の樹脂が表面に現れ
てしまうことがない。
【0026】また、射出圧縮成形で成形する場合は、型
締めにより、圧縮・賦形することで、成形品の残留応力
が低減した後、金型から取り出すので、成形品のそり・
変形のないものが成形しやすい。
【0027】
【実施例】次いで、本発明の効果を具体的な実施例に基
づいて説明する。 〔実施例1〕成形品の第1層の基材となる樹脂として
は、ポリプロピレン(出光石油化学製、商品名:出光ポ
リプロ、グレード:J−762H(MI=10))、第
2層の表皮材となる樹脂としては、熱可塑性エラストマ
ー(トクヤマ製、商品名:P.E.R.、グレード:M
352E(MI=20))を採用した。MIの測定は、
JIS K−7210に準拠する(試験荷重:2.16
kgf、試験温度:230°C、単位:g/10分)。
【0028】金型としては、図5に示す自動車ハンドル
用ホーンパッド(縦310×横220×高さ55mm、
平均肉厚4mm)成形用の図1〜3に示した金型1に相
当する金型を使用した。ゲートは1点注入方式(二重管
ゲート)を採用した。型締めした金型のキャビティは、
金型の移動方向に第1層の基材層の厚みに相当するだけ
開いており、第2層の表皮材用のゲート先端は可動金型
表面に当接している。
【0029】成形機としては、東芝機械製IS200C
Nに型圧縮装置を付加したもので、第1層用の射出装置
7は東芝機械製IS200CNに付属した射出装置で、
第2層用の射出装置10は金型に取り付けた東芝機械製
の小型可塑化射出装置である。
【0030】この成形機の成形条件は、次に示す条件が
採用された。 a)第1層用の射出装置の成形温度 240度C b)第1層用の射出装置の射出時間 3秒 c)第2層用の射出装置の成形温度 220度C d)第2層用の射出装置の射出時間 2.5秒 (射出遅延時間:第1層の射出開始後 0.5秒) e)金型温度 40度C f)可動金型の後退量 3mm g)可動金型後退開始 第1層の射出開始後 0.7秒後 h)圧縮開始 第1層の射出開始後 2.8秒後 i)圧縮力 100t j)冷却時間 40秒 基材層が剛性のあるブロックポリプロピレンで、表皮材
層がエラストマーである、たわみ・変形のない自動車ハ
ンドル用ホーンパッドが得られた。基材層と表皮材層の
厚みはそれぞれ2mmであった。基材が表皮材層側には
み出したところはなかった。
【0031】〔比較例1〕第1層と第2層の射出は同時
に行い、また、移動金型の位置はキャビティが成形品の
厚み方向に4mmの空間を保つように、以下の条件で成
形した。 a)第1層用の射出装置の成形温度 240度C b)第1層用の射出装置の射出時間 3秒 c)第2層用の射出装置の成形温度 220度C d)第2層用の射出装置の射出時間 2.5秒 e)金型温度 40度C f)圧縮力 100t g)冷却時間 40秒 成形品である自動車ハンドル用ホーンパッドのゲート直
下の表皮材層側に基材が混じっており、完全な二層成形
品とはならなかった。
【0032】
【発明の効果】本発明では、1組の金型を用いた1工程
の成形加工で二層成形品を成形する方法において、前述
のように金型のキャビティ内に第1層の溶融樹脂を射出
開始後、前記第1層の溶融樹脂が流動可能な状態で、さ
らに金型を開きながら第2層の溶融樹脂を射出を開始
し、前記第1層及び第2層の溶融樹脂の射出を継続させ
ることを特徴とする方法を採用することで、二層成形品
の厚みの制御範囲が広く、大型の成形品や薄肉の成形品
においても、二層の流れムラがなく、その層厚み変動が
小さいものを製造でき、また、そりや充填不良のないも
のを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】型閉鎖、基材充填開始時の溶融樹脂の射出状態
を示す金型及び射出装置の概念図である。
【図2】型後退、表皮材充填開始時の溶融樹脂の射出状
態を示す金型及び射出装置の概念図である。
【図3】圧縮・賦形時の溶融樹脂の射出状態を示す金型
及び射出装置の概念図である。
【図4】1点注入方式の2重管ゲートの概念図である。
【図5】自動車ハンドル用ホーンパッドの概略図及び一
部断面図である。
【符号の説明】
1.金型 2.固定金型 3.固定金型表面 4.可動金型 5.可動金型表面 6.インロー構造 7.第1層樹脂用の射出装置 8.第1層樹脂用の射出装置のスクリュー 9.第1層樹脂用の射出装置のノズル 10.第2層樹脂用の射出装置 11.第2層樹脂用の射出装置のスクリュー 12.第2層樹脂用の射出装置のノズル 13.第1層樹脂用のマニホールド 14.第1層樹脂用のマニホールド入口 15.第1層樹脂用のゲート 16.第2層樹脂用のマニホールド 17.第2層樹脂用のマニホールド入口 18.第2層樹脂用のゲート 19.キャビティ 20.第1層の溶融樹脂 21.第2層の溶融樹脂 22.二重管ゲートの第1層樹脂用のゲート 23.二重管ゲートの第2層樹脂用のゲート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−53917(JP,A) 特開 昭61−64416(JP,A) 特開 昭61−242818(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/00 - 45/84

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂からなる二層成形品の射出
    成形において、第1層の樹脂層の厚みに相当するだけ金
    型が開いた状態で第1層の溶融樹脂の射出を開始した
    後、第1層の溶融樹脂が流動可能な状態で、さらに金型
    を開きながら第1層の溶融樹脂と隣接する位置に第2層
    の溶融樹脂の射出を開始し、成形品の厚み相当に開いた
    金型のキャビティ内を満たすまで第1層及び第2層の溶
    融樹脂の射出を継続させることを特徴とする二層成形品
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂からなる二層成形品の射出
    成形において、第1層の樹脂層の厚みに相当するだけ金
    型が開いた状態で第1層の溶融樹脂の射出を開始した
    後、第1層の溶融樹脂が流動可能な状態で、さらに金型
    を開きながら第1層の溶融樹脂と隣接する位置に第2層
    の溶融樹脂の射出を開始し、第1層及び第2層の溶融樹
    脂の射出を継続させながら、成形品の厚みに圧縮代を加
    えた量まで金型を開き、キャビティ内に第1層及び第2
    層の溶融樹脂の射出が完了する直前ないし直後に金型の
    型締めを開始し、これらの溶融樹脂を成形品の厚みにな
    るまでキャビティ内に展延させて圧縮・賦形することを
    特徴とする二層成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】 第1層の溶融樹脂の射出が開始されると
    き、第2層の溶融樹脂を射出するゲート先端が可動金型
    の表面と接した状態である請求項1または2に記載の二
    層成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】 第1層の溶融樹脂が基材であり、第2層
    の溶融樹脂が表皮材である請求項1ないし3のいずれか
    に記載の二層成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】 キャビティ内に2種類の樹脂を別々に射
    出注入できるゲートを備えた二層成形品用の金型におい
    て、第1層の樹脂層の厚みに相当するだけ金型が開いた
    状態で、第2層の溶融樹脂を射出するゲートの先端が可
    動金型側の表面と接し、第1層の溶融樹脂の当該ゲート
    への進入を防止できる構造であることを特徴とする二層
    成形品用の金型。
  6. 【請求項6】 2種類の樹脂を別々に射出するゲートが
    二重管構造である請求項5記載の金型。
JP24405095A 1995-09-22 1995-09-22 二層成形品の製造方法及びそれに用いる金型 Expired - Fee Related JP3527575B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24405095A JP3527575B2 (ja) 1995-09-22 1995-09-22 二層成形品の製造方法及びそれに用いる金型

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24405095A JP3527575B2 (ja) 1995-09-22 1995-09-22 二層成形品の製造方法及びそれに用いる金型

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0985779A JPH0985779A (ja) 1997-03-31
JP3527575B2 true JP3527575B2 (ja) 2004-05-17

Family

ID=17112987

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24405095A Expired - Fee Related JP3527575B2 (ja) 1995-09-22 1995-09-22 二層成形品の製造方法及びそれに用いる金型

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3527575B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4750323B2 (ja) * 2001-06-20 2011-08-17 株式会社コーワ 掃除機用床ノズルの回転ロータ
JP2004204736A (ja) * 2002-12-24 2004-07-22 Denso Corp 内燃機関の吸気装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0985779A (ja) 1997-03-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100339289B1 (ko) 열가소성수지성형체의제조방법
US5885515A (en) Blow molding process
US6739856B2 (en) Equipment for hot moulding of articles made of thermoplastic material
US5558883A (en) Mold design and process for producing a multilayer part by injection process molding
JPH11123740A (ja) フイルムで被覆された製品の成形方法
US6197245B1 (en) Process for producing hollow resin molded article
JPH07195414A (ja) 2層発泡射出成形装置
JP3527575B2 (ja) 二層成形品の製造方法及びそれに用いる金型
JP2001287237A (ja) 貼合成形品の射出成形方法
JP3274942B2 (ja) 複合成形方法及び射出成形機
JPH04249118A (ja) 自動車用内装部品の製造方法
JP2001334549A (ja) 複合成形品の製造方法および複合成形品
JP3524966B2 (ja) 樹脂成形用金型装置
JP3626246B2 (ja) 積層成形品の成形方法
JP3805423B2 (ja) 部分加飾を有する樹脂成形品の射出成形方法
JP3357229B2 (ja) 積層成形品および自動車用空調機の気流制御弁の製造方法
JP3574174B2 (ja) 複層成形体の成形方法
JP3318460B2 (ja) 積層成形品の製造方法
JP3524984B2 (ja) 複合型樹脂成形品の製造方法及び樹脂成形用金型装置
WO2000035651A1 (fr) Stratifie moule et son procede de production
JP3548243B2 (ja) 複合型熱可塑性樹脂成形品及び複合型熱可塑性樹脂成形品の製造方法
JPH11198175A (ja) 表皮付樹脂成形品の製造方法および表皮付樹脂成形品
JP2689831B2 (ja) スタンピング成形方法
JPH1134064A (ja) 表皮材付き樹脂成形品及びその製造方法
EP0884156B1 (en) Process for producing thermoplastic resin hollow molded articles

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20040202

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20040210

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20040220

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees