WO2000030165A1

WO2000030165A1 - Procede et dispositif d'elimination d'un film de photoresine

Info

Publication number: WO2000030165A1
Application number: PCT/JP1999/006324
Authority: WO
Inventors: Seiji Noda; Masaki Kuzumoto; Izumi Oya; Makoto Miyamoto
Original assignee: Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha
Priority date: 1998-11-13
Filing date: 1999-11-12
Publication date: 2000-05-25
Also published as: KR20010034087A; US20020115025A1; DE69936131D1; EP1049142B1; US6517998B1; DE69936131T2; EP1049142A4; EP1049142A1; US7965372B2; KR20030024727A; JP3869566B2; KR100514598B1; JP2000150349A; TW451335B; DE69936131T9

Description

明細書フォトレジスト膜除去方法および装置技術分野

本発明は、有機物被膜の除去方法、特に半導体装置等のリソグラフィー工程に使用されている有機高分子化合物であるフォトレジスト膜の除去方法およびその装置に関するものである。

背景技術

フォトレジスト材料は、一般に、集積回路、トランジスタ、液晶あるいはダイォード等の半導体の製造プロセスにおいて、微細なパターンを形成するためのフォトリソグラフィー工程および Zまたはそれに後続する電極パターンを形成するためのエツチング工程で使用されている。

例えば、シリコン基板等の半導体基板（特に、シリコン基板はゥエーハと呼ばれる。 ) 上に所望のパターンでシリコン酸ィ匕膜を形成する場合、先ず、基板表面に酸化膜を形成し、清浄化した後、その酸化膜上にパターンに適したフォトレジスト材料を塗布し、フォトレジスト被膜を形成する。次に、所望のパターンに対応したフォトマスクをフォトレジスト被膜上に配し、露光する。次いで、現像ェ程に付すことにより、所望のパターンのフォトレジスト膜が得られる。その後、エッチング工程において、得られたフォトレジスト膜パターンに従って酸化膜を除去する。最後に、フォトレジスト膜を取り除いた後、ゥエーハ表面の清浄化を行うことにより、所望の酸化膜パターンが形成される。

上記エッチング工程において、ゥェ一ハ表面から不要なフォトレジスト膜を除去する方法としては、 ①酸素ガスプラズマによる方法；および②種々の酸化剤を用いた方法が知られている。

酸素ガスプラズマによる方法（①）は、一般に、真空および高電圧下に酸素ガスを注入することにより、酸素ガスプラズマを発生させ、そのガスプラズマとフオトレジスト膜との反応により、フォトレジスト膜を分解し、除去するものである。しかしながら、この方法では、酸素ガスプラズマを発生させるために高価な発生装置が必要であること、および前記プラズマ中に存在する荷電粒子により、素子を含むゥエーハ自体がダメージを受けること等の問題があった。

フォトレジスト材料を分解するための種々の酸化剤を用いる方法（②）としては、熱濃硫酸あるいは熱濃硫酸と過酸化水素との混合液を酸化剤として用いる方法が既知である。

しかしながら、熱濃硫酸を用いる場合、濃硫酸を 1 5 0 °C程度まで加熱する必要があるため、非常に危険性が高いという不利益がある。

熱濃硫酸と過酸化水素との混合液は、以下のスキームに従って酸化分解物質を放出する。先ず、 1 4 0 °C付近に加熱した熱硫酸に過酸化水素を添加する。この際、式：

H ₂ S 0₄ + H _z 0₂ ^ H ₂ S O _s + H ₂0 (1)

H ₂0₂ → O + H ₂0 (2)

により、ペルォキソ硫酸（H ₂ S 0 ₅ :—般に、カロ酸とも呼ばれる）と酸素原子（O) が発生する。これら両者の強い酸化性により、有機フォトレジスト膜が灰化処理されて無機物質と化し、剥離除去されるものである。

しかしながら、上記の 2式から分かるように、この方法では、熱硫酸に過酸化水素を添加する度に水が生成して硫酸媒体を希釈するため、混合後の熱濃硫酸の濃度が経時的に低下するという問題があった。また、この方法は、前者と同様に、高温の濃硫酸の使用および過酸化水素との混合時に発熱が生じることなど、非常に危険性の高い方法であること、さらにはクリーンルーム内で強い換気が必要であるため空調設備費用が高いこと等の不利益があった。

上記 »_L酸等以外のフォトレジスト膜酸化分解剤としては、 1 0 6液と呼ばれる非水混和性のフォトレジスト膜除去専用液（ジメチルスルホキシド 3 0 %：モノエタノールアミン 7 0 %) 等も開発されているが、これらは、前記熱濃硫酸や硫酸/過酸化水素混合液に比べて酸化分解性が低レ、こと、および非水混和性であるために廃液処理が困難であることなどの問題点を有してヽた。

上記①および②に関する問題点を克服する方法として、酸化剤としてオゾンガス酸系を用いるフォトレジスト膜除去方法が提案されている（特開昭 57 - 180132号公報等）。前記特開昭 57- 180132号公報に記載の方法は、オゾン含有ガスを熱硫酸中でパブリングさせて、基板または絶縁物層上に被覆した有機物質

(いわゆる、レジスト膜）あるいは無機物質を剥離する方法であり、その方法に使用する洗浄装置（断面図：図 9 ) も開示されている。

図 9に示す前記公報記載の洗浄装置は、ヒーター 11上に設置された石英容器 7 内部には、約 1 1 0 °Cに加熱された熱濃硫酸 5が満たされ、かつ複数個のガス噴射孔 3を有する石英送気管 112が装備されている。石英容器 7外部のガス導入管 111 から供給された原料ガス（通常、酸素ガス）をオゾン発生器 1によりオゾン化酸素に変換し、それを石英送気管 112を通じて熱濃硫酸 5を中に噴出することにより、オゾンガスと濃硫酸が反応し、ペルォキソ硫酸と酸素原子が生成される。これらの強い酸化性により、熱濃硫酸中に浸漬された処理基板 8 (これは基板カセット 9 により保持されている）表面のフォトレジスト膜を除去する。

この公報に記載の方法では、酸化分解時に水が発生しないため、硫酸濃度が変化しないことから、硫酸の交換頻度を低減できることを特徴としているが、濃硫酸を多量に使用するため、原料コストが高いという問題点もあった。また、この方法および装置では、高温の濃硫酸を使用するため、従来法と同様に、作業上の危険性が高く、かつオゾン化酸素のバブリングにより酸化剤の蒸気が発生するため、非常に強い換気が必要であった。

したがって、本発明は、従来既知のフォトレジスト膜除去方法や装置における上記問題点を解決するために、原料の使用量や換気設備のためのコストが低減でき、環境に優しくかつフォトレジスト膜の除去速度の向上したフォトレジスト膜除去方法おょぴそれに使用する装置を提供することを目的とする。

用語の定義

本発明において使用する「オゾン化ガス J とは、特定の量のオゾンガスを含有する酸素を含むガスをいう。また、ここにおいて、「密閉された系」は、熱力学的には開いた系（open system) であるが、導入された気体および液体並びに本発明のフォトレジスト膜の除去工程において発生するガスまたは蒸気等が、作業中に、そのままの形態で系外へ放出 ·飛散しないものを意味する。

発明の開示

本発明は、第 1の態様として、密閉された系内において、基板表面上に塗布されたフォトレジスト膜に、該フォトレジスト膜と対向して配置されたフォトレジスト膜除去剤供給板から、オゾン化ガスおよびフォトレジスト膜除去溶液を含むフォトレジスト膜除去剤を均等にかつ連続的または断続的に供給して該フォトレジスト膜を除去する方法を提供する。本発明で使用されるオゾン化ガスは、ォゾンガスを全体の少なくとも 5モル⁰ /₀、好ましくは 5〜100モル％の量で含有する。本発明の方法では、基板上のフォトレジスト膜表面とフォトレジスト膜除去剤供給板との間の距離は、 l〜5 mmであってよい。両者の距離を前記の範囲とすることで、本発明の方法によるフォトレジスト膜の除去速度をより高めることができる。

本発明の方法では、オゾン化ガスとフォトレジスト膜除去溶液を別個にまたは混合して供給できる。また、オゾン化ガスは、：！〜 5気圧の高圧ガスの状態で供給され得る。

本発明において好適なフォトレジスト膜除去溶液は、飽和アルコール、ケトン、カルボン酸を含むオゾンとの反応性の乏しい有機溶媒から選択できる。

本発明の方法では、使用するフォトレジスト膜除去溶液の温度および基板上から 5 mm以上離れた点における温度が基板表面の温度よりも低く設定することが好ましい。

本発明では、オゾン化ガスは連続して供給し、フォトレジスト膜除去溶液は断続的に供給するのが最も好ましい。

さらに、本発明の方法は、フォトレジスト膜除去剤供給板と基板との間に電界を生じさせる手段を含んでもよい。この手段により、フォトレジスト膜除去溶液が微粒化し得る。

本発明の第 2の態様は、オゾン発生器および排気処理装置を装備した反応槽内に、フォトレジスト膜を表面に有する基板を固定する基板ステージおよび前記基板ステージと対向して配置されたフォトレジスト膜除去剤供給板を含むフォトレジスト膜除去装置に関する。フォトレジスト膜除去剤として使用されるオゾンィ匕ガスおよぴフォトレジスト膜除去溶液は、フォトレジスト膜除去剤供給板に設けられた同一または別個の供給口から連続的または断続的に基板表面に供給することができる。本発明の装置において、反応槽は、ステンレス鋼またはテフロン被覆されたステンレス鋼、テフロン樹脂、セラミックまたはテフロン被覆されたセラミックまたはそれらの組み合わせから構成され得る。

この装置において、使用されるオゾン化ガスは、オゾンガスを全体の少なくとも 5モル。 /₀、好ましくは 5〜100モル。 /₀の量で含有する。

また、オゾン化ガスとフォトレジスト膜除去溶液を予め混合してフォトレジスト膜除去剤として使用することもでき、この場合、好ましくは、オゾン化ガスとフォトレジスト膜除去溶液を予め混合してからフォトレジスト膜除去剤供給板の供給口へ供給する。

本発明の装置において、フォトレジスト膜表面とフォトレジスト膜除去剤供給板との距離は、 l〜5 mmの間である。この装置は、基板ステージを加熱する手段および Zまたはフォトレジスト膜除去溶液を冷却する手段を含んでいてよい。これらを駆使することにより、使用されるフォトレジスト膜除去溶液の温度および基板上から 5 mm以上離れた点における温度を基板表面の温度よりも低く設定することができる。

本発明の装置には、基板ステージを加熱する手段および Zまたはフォトレジスト膜除去溶液を冷却する手段が含まれていてもよい。

本発明の装置に導入されるオゾン化ガスは、 1〜 5気圧の高圧ガスの状態であることが好ましい。

本発明の装置において使用するのに好適なフォトレジスト膜除去溶液は、飽和アルコール、ケトン、カルボン酸を含むオゾンとの反応性の乏しい有機溶媒から選択さ;^寻る。

本発明の装置には、フォトレジスト膜除去剤供給板と基板との間に電界を生じさせる手段も含み得る。

図面の簡単な説明

図 1は、実施の形態 1に係る本発明のフォトレジスト膜除去装置（A 1 ) を表す模式的な断面図である。

図 2は、本発明の方法における、フォトレジスト膜除去溶液膜厚に対する最大除去速度を表すグラフである。図 3は、本発明の方法における、フォトレジスト膜とフォトレジスト膜除去剤供給板との間の距離（δ ) に対する最大除去速度およびその基板面內での均一度を表すグラフである。

図 4は、実施の形態 2に係る、フォトレジスト膜とフォトレジスト膜除去剤供給板との間に電界を発生できる本発明のフォトレジスト膜除去装置（Α 2 ) を表す模式的な断面図である。

図 5は、実施の形態 3に係る本発明のフォトレジスト膜除去装置（A 3 ) を表す模式的な断面図である。

図 6は、実施の形態 4に係る、オゾン化ガス—フォトレジスト膜除去溶液混合系を供給する本発明のフォトレジスト膜除去装置（Α 4 ) を表す模式的な断面図である。

図 7は、実施の形態 4に係る、オゾン化ガスーフォトレジスト膜除去溶液混合系を供給する本発明のフォトレジスト膜除去装置（Α 5 ) を表す模式的な断面図である。

図 8は、実施の形態 5に係る本発明のフォトレジスト膜除去装置（Α 6 ) を表す模式的な断面図である。

図 9は、特開昭 57- 180132号に記載のオゾン含有ガスを熱硫酸中でバブリングさせて、基板または絶縁物層上に被覆したフォトレジスト膜を剥離する方法に使用する洗浄装匱を表す模式的な断面図である。

発明を実施するための最良の形態

本発明の方法およびそれに使用する装置を、以下の各実施の形態に従ってより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、当該分野において既知の技術により、容易に変更できるものと解されるべきである。

実施の形態 1

図 1は、本発明の方法に使用される装置の一態様を表す。これは、フォトレジスト膜を表面に有する基板を 1枚ずつ挿入して処理する装置（当該分野では、通常「枚葉処理装置」と呼ばれる）の一例である。

本発明において除去されるフォトレジスト膜とは、半導体素子製造工程において使用される有機高分子化合物を含有するレジスト材料から形成される被膜であり、熱により変性した被膜や高濃度のドーピングにより表面が変質された被膜、さらにはエッチング工程において無機物質が表面に付着した被膜も包含する。上記フォトレジスト膜を表面に有する基板は、半導体素子の製造に通常使用されるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、シリコンゥエーハ、液晶表示素子用ガラス基板、電子基板用ガラスエポキシ基板等が挙げられる。

図 1によれば、本発明の装置（A 1 ) は、反応槽 6で密閉された空間内に、基板 8を固定しかつその重心を中心とした軸回転が可能な基板ステージ 40、および基板ステージ 40と対向して配置されたガス Z溶液供給板 30を装備している。

基板ステージ 40内部には基板を加熱できる加熱手段 41を具備している。基板ステージ 40の回転および加熱は、反応槽 6下方に配置した制御装置 42によって制御できる。

ガス Z溶液供給板 30には、中央にオゾン化ガス供給管 31を、およびオゾン化ガス供給管 31周辺にフォトレジスト膜除去溶液溜め 32を設け、さらに前記溶液溜め 32下方には、フォトレジスト膜除去溶液噴射孔 33が設けられている。

ここで、オゾン化ガスは、原料ガスである酸素を含むガスを供給管 111から供給し、オゾン発生器 1を介して酸素を含むガスの少なくとも 5モル％、好ましくは 5モル。/。〜 1 0 0モル％までをオゾン化することにより得られる。

オゾン化ガス中に含まれるオゾンガスの量は、高いほどフォトレジスト膜除去速度が高くなるが、この量は処理する基板の大きさおよびフォトレジストの種類等に依存して変化してよい。オゾン発生器へ導入される酸素を含むガスの供給量は、必要とされるオゾン化ガス導入量およびその後の基板へのオゾン化ガス供給量に依存して変化してよい。

図 1の装置（A 1 ) では、オゾン化ガスは、所定の圧力に調節されて、供給管 112および 31を介して基板 8に向かって供給される。

本発明で使用できるフォトレジスト膜除去溶液は、純水；硫酸、塩酸、硝酸、酢酸、過酸化水素等の酸性水溶液；水酸化アンモ-ゥム等のアルカリ性水溶液；ァセトン等のケトン類およびィソプロパノール等のアルコール類を含む有機溶媒；およびそれらの混合物から成るオゾンとの反応性の乏しい群より選択できる。廃液処理等の問題点から、純水を使用するのが最も望ましいが、フォトレジスト膜除去速度を向上させたり、高濃度イオンドープ後の変質膜または基板上の汚染物質を除去使用とする場合は、純水以外の溶媒または前記溶媒の混合液を使用してよい。

フォトレジスト膜除去溶液は、供給管 114を介して反応層 6中のフォトレジスト膜除去溶液溜め 32へ導入され、必要に応じて、下方の噴射孔 33から基板 8に向けて噴出される。

図 1に表す装置（A 1 ) を用いたフォトレジスト膜の除去プロセスを以下に説明する。

まず、基板を基板ステージ 40に固定する。その後、オゾン化ガスおよびフォトレジスト膜除去溶液をそれぞれ、供給管 31および噴射孔 33から基板 8に向けて供給する。供給管 31から供給されるオゾン化ガスおよび溶液は、基板 8中央から端部に向かって広がって、全フォトレジスト膜と接触する。

オゾン化ガスと接触した基板表面のフォトレジスト膜は酸化分解されて、先ず低分子量化される。それと同時に、フォトレジスト膜上に、フォトレジスト膜除去溶液の被膜が形成される。低分子量化されたフォトレジスト膜は、このフォトレジスト膜除去溶液被膜中に溶解され、更なる溶液の供給と共に洗い流されることにより、基板表面からフォトレジスト膜を除去することができる。

本発明にかかる図 1の装置（A 1 ) おいて、オゾン化ガスは、定圧の高圧ガスとして、基板中央部に相当する位置から供給する。

本発明者らは、供給されるオゾン化ガスの圧力とフォトレジスト膜除去速度との間に相関関係があることを見出した。それによると、圧力が増大すると、前記除去速度はほぼ比例的に改善されることが分かった。従って、本発明では、ォゾン化ガスを、使用する装置の信頼性や安全性を考慮して、好ましくは 1 〜 5気圧の範囲の定圧の高圧ガスとして使用する。

さらに、本発明では、オゾン化ガスを連続的に供給することが好ましい。ォゾン化ガスを連続的に供給することにより、オゾン化ガス中のオゾンガスが基板各部でフォトレジスト膜と接触して酸化分解反応を生じ、消費されても、基板全体において均一なオゾンガス供給量を維持することが可能となり、結果として、均一なフォトレジスト膜除去が達成できる。オゾン化ガス中のオゾンガスは、フォトレジスト膜の除去反応でのみ消費されることが望ましいが、オゾンガスは反応性が高いためにフォトレジスト膜以外の材料（例えば、反応槽内壁や装置部品等）と反応して消費されることがある。このようなオゾンガスの無駄な消費を回避するために、より好ましくは、反応槽ゃ装置部品をステンレス鋼またはテフロン被覆されたステンレス鋼、テフロン樹脂、セラミックまたはテフロン被覆されたセラミックまたはそれらの組み合わせから構成する。

上記オゾン化ガスの供給と共に、フォトレジスト膜除去溶液を、ガス Z溶液供給板 30に設けられた複数のフォトレジスト膜除去溶液噴射孔 33から供給する。有効なフォトレジスト膜除去を達成するために、前記噴射孔 33は、直径約 1 讓以下のものを、基板面積当たり 1 0個以上設けることが望ましい。

前述の如く、フォトレジスト膜除去溶液を供給すると、フォトレジスト膜表面に厚い溶液の被膜の生成が観察される。図 2に、この溶液の膜厚 (mm) と最大フォトレジスト膜除去速度との関係を示す。ここで、溶液の膜厚は、目視観察により測定したものである。図 2より、溶液の膜厚が l mm以下において、十分なフォトレジスト膜除去速度が得られることが分かる。これは、フォトレジスト膜上に形成される溶液被膜が薄レ、ほど、オゾンガスが浸透し易いためであると考えられる。

しかしながら、膜厚 l mm以下の溶液の薄膜は、連続供給では形成し難いため、本発明では、フォトレジスト膜除去溶液を、好ましくは、断続的（最も好ましくは、：！〜 360秒置き）に供給する。

本発明者らは、前記装置において、オゾン化ガス供給管 31を含むガス Z溶液供給板 30と基板 8表面との距離（図 1中、 δで表す）力フォトレジスト膜除去速度を大きく左右することも見出した。

図 3に、前記距離 (mm) に対するフォトレジスト膜の最大除去速度および基板上での除去速度の面内均一度の変化を示す。図 3より、最大除去速度は、距離が狭いほど高く、その面内均一度は、広いほど高いことが分かる。このことは、図 1を参照すると、ガス溶液供給板 30と基板 8表面との距離が短かくなるほど、その間隙中を流動するオゾン化ガスの流速が速くなり、基板表面上への見かけのオゾンガス供給量が増加するため膜の酸化分解速度も高くなるが、狭すぎると基板表面上でォゾン化ガスの流れが不均一となる場所が存在し得るためであると考えられる。

以上の点を考慮して、ガス Z溶液供給板 30と基板 8表面との距離（δ ) は、約：!〜 5 mmの範囲に設定することが好ましい。

本発明の方法によるフォトレジスト膜除去をより高い効率で行なうために、基板を加熱してもよレ、。基板 8の加熱は、基板ステージ 40内部に具備された加熱手段 41により行なう（図 1 ) 。加熱手段 41は、反応槽 6下方に配置された制御装置 42により、その温度を調節できる。

基板の加熱温度が高いほど、フォトレジスト膜とオゾンガスとの酸化分解反応は促進されるが、高すぎると、加熱によって基板がダメージを受けることがある。そのため、基板の加熱温度は、使用される基板の種類によって変えてよいが、シリコンゥエーハでは通常、約 300°C以下、およびガラス基板では、約 100°C以下に設定することが好ましい。

上記のような基板の加熱により、オゾンガスの分解も促進されて、酸化反応性の高い酸素原子の放出を高め、フォトレジスト膜の分解除去速度を加速できる力その反面、基板付近の温度上昇により、オゾン化ガス供給管の温度も上昇し得る。それにより、供給管内部でオゾンガスが熱分解して、基板表面へ活性な酸素原子が到達できないことがある。

そのため、本発明の装置（A l、図 1 ) では、使用するフォトレジスト膜除去溶液の温度を冷却機 115で低下させて溶液溜め 32に導入することで、溶液溜め 32 と隣接するオゾン化ガス供給管 31を冷却し、基板 8表面付近以外でのオゾンガスの熱分解を阻止できる。

本発明では、オゾン化ガスおよびフォトレジスト膜除去溶液の基板全面への供給をより容易にするために、図 1中の基板ステージ ⁴0の回転により、基板の重心を中心として軸回転させてもよい。基板ステージ 40の回転は、制御装置 42によつて、任意の速度に制御できる。

本発明の装置（A 1 ) において、操作中、供給された余剰のフォトレジスト膜除去溶液 5は、反応槽 6底部に回収された後、再循環してよい。回収された溶液は、フィルター（図示せず）等を介して溶液中のフォトレジスト膜残渣等を取り除いた後、冷却機 115およぴポンプ 4から供給管 114を通じて再使用することが可能である。

本発明の装置では、余剰のオゾン化ガスは、オゾン化ガス排出管 112'を通じて排オゾン処理器 13へ導入され、残存するオゾンガスを酸素に戻した後、大気に排出されるため、過剰なオゾンガスによる環境汚染も防止できる（図 1参照）。本発明によれば、密閉容器中で膜の除去作業を行うため、有害なガスが大気中に飛散せずかつ大規模な換気設備が不要である。また、作業後にフォトレジスト膜除去溶液を循環するため、原料コストの削滅も可能である。

実施の形態 2

本発明によれば、供給されるフォトレジスト膜除去溶液の被膜を薄くすることにより、フォトレジスト膜の除去速度を大幅に向上できることを説明したが、前記溶液の被膜を薄くする手段としては、実施の形態 1に記載の如く溶液を断続的に供給すること以外に、図 4に示すように、ガス Z溶液供給板 30と基板との間に電界を形成してもよい。

図 4には、供給板 30と基板ステージ 40上の基板 8との間に電界を生じさせる手段を含む装置（A 2 ) の一例を示す。装置（A 2 ) において、ガス/溶液供給板 30には数 k V以上の高電圧を印加することが可能であり、基板ステージ 40は接地されている。フォトレジスト膜除去溶液は、連続的または断続的に、好ましくは断続的に供給する。ガス Z溶液供給板 30への高電圧の印加は、フォトレジスト膜除去溶液を噴射孔 33から供給する時に行なうのが望ましい。

フォトレジスト膜除去溶液を供給する際に供給板 30と基板 8との間で電界が生じると、噴射孔 33から噴出された溶液が、電界の作用により小さな粒状と化して飛散する。粒状の溶液は、基板表面のフォトレジスト膜上に付着すると、非常に薄い被膜を形成し得る。溶液の被膜を非常に薄く形成することにより、オゾンガスとの酸化分解反応速度が促進され、結果として、フォトレジスト膜除去速度も向上する。

ここで、図 4に示す電界を生じさせる手段は、単なる一例であって、本発明はこれに限定されるものではない。また、図 4の装置（A 2 ) において、上記に特記した手段、部品および機能以外は、実施の形態 1に記載の装置（A 1 ) と同様であってよい。

実施の形態 3

本発明の方法に使用する装置において、実施の形態 1および 2では、基板中央部の供給管 31からオゾン化ガスを、および前記供給管 31の周辺の噴射孔 33からフォトレジスト膜除去溶液を供給する装置（図 1および 2に示す A 1および A 2 ) について説明したが、必要に応じてオゾン化ガスおよびフォトレジスト膜除去溶液の供給位置を入れ替えてもよい。

例えば、図 5に示す装置（A 3 ) のように、基板中央部の供給管 31からフォトレジスト膜除去溶液を、および前記供給管 31の周辺に配置した噴射孔 33からォゾン化ガスを供給してもよい。

この場合も、オゾン化ガスは連続的に、フォトレジスト膜除去溶液は断続的に供給することが望ましいが、オゾン化ガスの形成条件およびフォトレジスト膜除去溶液種は、実施の形態 1に記載のものと同じであってよい。

この実施の形態 3で使用する装置は、上記の供給にかかる手段および条件以外は全て実施の形態 1と同様であってよい。

実施の形態 4

本発明では、オゾン化ガスとフォトレジスト膜除去溶液を別個にまたは混合して反応槽へ供給できる。実施の形態 1〜 3は、オゾン化ガスとフォトレジスト膜除去溶液を別個に供給する方法および装置について説明した。この実施の形態 4 では、オゾン化ガスおよびフォトレジスト膜除去溶液の基板全面への供給をより容易にするために、オゾン化ガスとフォトレジスト膜除去溶液を混合して反応槽へ供給する方法およびそのための装置について説明する（図 6および 7 ) 。

図 6および図 7の装置（A 4および A 5 ) では、オゾン発生器 1で生成されたオゾン化ガスを供給管 111を介してェジェクタ一 2に送気すると同時に、フオトレジスト膜除去溶液も供給管 114を通じてェジェクター2に導入する。ェジェクタ一 2においてオゾン化ガスとフォトレジスト膜除去溶液を混合した後、そのオゾン化ガス混入液を供給管 112を介して、供給板 30，（図 6 ) または 31' (図 7 ) へ供給する。すなわち、図 6の装置（A 4 ) では、供給板 30'内に実施の形態 1の装置（A l ) と同様の溶液溜め 32 'および噴射孔 33'が具備されており、この噴射孔 33'からオゾン化ガス混入液を基板に向けて噴出できる。また、図 7の装置（A 5 ) では、基板中央部に相当する位置に配置された供給管 31 'から直接オゾン化ガス混入液を供給することができる。

この実施の形態 4において、フォトレジスト膜除去溶液中へのオゾン化ガスの混入の濃度、特に有効なオゾン化ガス混入濃度は、オゾン化ガス中のオゾンガス含有量および使用される溶液種によって変化してよく、例えば、溶液が純水である場合、好ましくは飽和状態であって、 2 0 °Cにおいて、約 1 0〜2 0 0 p p m の範囲であり得る。

この実施の形態 4の方法および装置においても、フォトレジスト膜の除去速度を高めるために、オゾン化ガスは連続的に、またフォトレジスト膜除去溶液は断続的に供給することが望ましい。すなわち、本発明の装置（A 4および A 5 ) では、例えば、オゾン化ガス混入液とオゾン化ガスを含まないレジスト除去溶液を交互に基板表面へ供給することができる。

図 6および 7のいずれの装置も、溶液の基板全体への拡散を容易にするために、実施の形態 1と同様に、基板を重心を中心とした軸回転が可能である。

この実施の形態 4において特記した以外の装置や機能および条件などについては、実施の形態 1に記載したものと同様であってよい。

実施の形態 5

本発明において、実施の形態 1〜3に示した装置の更なる改良として、オゾン発生器 1から供給されるオゾン化ガスの量が十分大量に確保できる場合、本発明の装置（A 6 ) は、図 8に示すように、オゾン化ガス供給管 31の先端開口部が、基板 8に向けてラッパ状の形であってもよい。

オゾン化ガス供給管 31の先端開口部は、例えば、基板の半径（または長尺方向の長さ）を rとすると、約 l Z rの勾配で基板に向かって放射線状に徐々に広がつていてよい。放射線状の広がりは、例えばラッパ状のように曲面部を有していてもよい。

このような構造とすることで、基板全体へのオゾン化ガスをより均一にかつより効率良く供給することができる。この実施の形態 5において、フォトレジスト膜除去溶液を基板 8に噴射する噴射孔（図示せず）は、前記先端開口部に沿って設けることができる。

発明の効果

本発明の方法によれば、密閉された系内でフォトレジスト膜の除去作業を行ない、さらにはフォトレジスト膜除去溶液を循環できることから、換気設備のためのコストや原料のコストを顕著に低減することができる。また、排気装置を具備しているため、余剰のオゾンガスの排出による環境汚染も防止できる。

本発明によれば、

①オゾン化ガスおよびフォトレジスト膜除去溶液をフォトレジスト膜に対して均等にかつ連続的または断続的に供給すること；

②フォトレジスト膜を酸化分解するためのオゾンガスを通常よりも大量に含有するオゾン化ガスを使用すること；

③基板表面上に塗布されたフォトレジスト膜表面と、それと対向して配置されたフォトレジスト膜除去剤供給板との距離を最も有効な範囲（特に、 l〜5 m m) に設定すること；および

④オゾン化ガスを 1〜 5気圧の高圧ガスの状態で供給すること

が可能となることから、フォトレジストの除去速度が従来の方法に比べて数段向上し得る。

本発明では、オゾン化ガスとフォトレジスト膜除去溶液を別個にまたは混合して供給することもでき、いずれの場合もオゾン化ガスは連続的におよびフオトレジスト膜除去溶液は断続的（すなわち、間欠的）に供給できることから、フォトレジストの除去速度をより一層高めることが可能である。

さらに、本発明の第 2の態様である装置は、オゾンガスと反応しない素材から構成されているため、オゾン化ガスは、フォトレジスト膜の除去にのみ有効に消費され得る。

本発明の装置において、フォトレジスト膜除去剤として使用されるオゾン化ガスおよびフォトレジスト膜除去溶液は、フォトレジスト膜除去剤供給板に設けられた同一または別個の供給口から連続的または断続的に基板表面に供給することができる。使用されるオゾン化ガスは、オゾンガスを全体の少なくとも 5モル⁰ /₀、好ましくは 5〜 100モル。 /oの量で含有する。

本発明の装置では、オゾン化ガスとフォトレジスト膜除去溶液を予め混合してからフォトレジスト膜に作用させることで、膜の除去速度をより高めることがでさる。

本発明の装置は、基板ステージを加熱する手段および Zまたはフォトレジスト膜除去溶液を冷却する手段を含むことから、使用されるフォトレジスト膜除去溶液の温度および基板上から 5 mm以上離れた点における温度を基板表面の温度よりも低く設定することができ、膜の除去速度をさらに向上することができる。本発明の装置は、オゾン化ガスを 1〜 5気圧の高圧ガスの状態で供給できるため、十分な量のオゾンガスをフォトレジスト膜と作用させることが可能である。また、本発明で使用される好適なフォトレジスト膜除去溶液は、汎用のものから選択できる。

さらに、本発明によれば、フォトレジスト膜除去剤供給板と基板との間に電界を生じさせてフォトレジスト膜除去溶液を微粒化する手段を本発明の装置に組み込むことができ、それによりオゾンの酸化分解速度を促進し、結果としてより高い膜の除去速度が得られる。

Claims

請求の範囲

1 . 密閉された系内において、基板表面上に塗布されたフォトレジスト膜に、該フォトレジスト膜と対向して配置されたフォトレジスト膜除去剤供給板から、オゾン化ガスおよびフォトレジスト膜除去溶液を含むフォトレジスト膜除去剤を均等にかつ連続的または断続的に供給して該フォトレジスト膜を除去する方法。

2 . オゾン化ガスが、オゾンガスを少なくとも 5モル％含有することを特徴とする請求項 1記載の方法。

3 . フォトレジスト膜表面とフォトレジスト膜除去剤供給板との間の距離が 1 〜 5 mmの間であることを特徴とする請求項 1記載の方法。

4 . オゾン化ガスとフォトレジスト膜除去溶液を別個にまたは混合して供給する請求項 1記載の方法。

5 . オゾン化ガスを 1〜 5気圧の高圧ガスの状態で供給する請求項 1記載の方法。

6 . フォトレジスト膜除去溶液が、飽和アルコール、ケトン、カルボン酸を含むォゾンとの反応性の乏しレ、有機溶媒から選択されたものである請求項 1記載の方法。

7 . フォトレジスト膜除去溶液の温度および基板上から 5 mm以上離れた点における温度が基板表面の温度よりも低いことを特徴とする請求項 1記載の方法。

8 . オゾン化ガスを連続して供給しかつフォトレジスト膜除去溶液を断続的に供給することを特徴とする請求項 1記載の方法。

9 . フォトレジスト膜除去剤供給板と基板との間に電界を生じさせることでフォトレジスト膜除去溶液を微粒化する手段を含む請求項 1記載の方法。

1 0 . オゾン発生器および排気処理装置を装備した反応槽内に、フォトレジスト膜を表面に有する基板を固定する基板ステージおよび前記基板ステージと対向して配置されたフォトレジスト膜除去剤供給板を含む請求項 1記載の方法に使用するためのフォトレジスト膜除去装置であって、フォトレジスト膜除去剤としてのオゾン化ガスおよびフォトレジスト膜除去溶液を、フォトレジスト膜除去剤供給板に設けられた同一または別個の供給口から連続的または断続的に基板表面に供給することを特徴とするフォトレジスト膜除去装置。

1 1 . 反応装置がステンレス鋼またはテフロン被覆されたステンレス鋼、テフロン樹脂、セラミックまたはテフロン被覆されたセラミックまたはそれらの組み合わせから構成されていることを特徴とする請求項 1 0記載のフォトレジスト膜除去装置。

1 2 . オゾン化ガスが、オゾンガスを少なくとも 5モル％含有することを特徴とする請求項 1 0記載のフォトレジスト膜除去装置。

1 3 . オゾン化ガスとフォトレジスト膜除去溶液を予め混合してから供給する請求項 1 0記載のフォトレジスト膜除去装置。

1 4 . フォトレジスト膜表面とフォトレジスト膜除去剤供給板との距離が 1〜 5 m mの間であることを特徴とする請求項 1 0記載のフォトレジスト膜除去装置。

1 5 . 基板ステージを加熱する手段および /またはフォトレジスト膜除去溶液を冷却する手段を含む請求項 1 0記載のフォトレジスト膜除去装置。

1 6 . オゾン化ガスが 1〜 5気圧の高圧ガスの状態で供給されることを特徴とする請求項 1 0記載のフォトレジスト膜除去装置。

1 7 . フォトレジスト膜除去溶液が、飽和アルコール、ケトン、カルボン酸を含むオゾンとの反応性の乏しレ、有機溶媒から選択されたものである請求項 1 0記載のフォトレジスト膜除去装置。

1 8 . フォトレジスト膜除去剤供給板と基板との間に電界を生じさせる手段を含む請求項 1 0記載のフォトレジスト膜除去装置。