JP4787038B2 - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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この発明は、基板を蒸気によって処理する基板処理装置および基板処理方法に関する。処理の対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板などが含まれる。
ふっ酸等の蒸気を用いた基板処理装置は、たとえば、下記特許文献1,2に開示されている。これらの基板処理装置は、基板を上面に保持して加熱するホットプレートと、このホットプレートに保持された基板に対向配置されたパンチングプレートを介してふっ酸蒸気を供給するふっ酸蒸気供給機構と、ホットプレートを取り囲む空間を形成するベローズと、このベローズ内の空間を排気する排気機構とを備えている。
ベローズは、上下に収縮するように配置されており、その上端がパンチングプレートに当接した伸張状態と、その上端がホットプレートの上面よりも下に下降した退避状態とに伸縮可能とされている。ベローズを伸張状態とすると、このベローズとパンチングプレートとによって囲まれた閉空間が形成される。そして、この閉空間内で基板表面にふっ酸蒸気が供給されることにより、このふっ酸蒸気による基板処理が進行する。一方、ベローズを退避状態とすることにより、基板搬送ロボットによって、ホットプレート上に未処理の基板を置いたり、ホットプレート上の処理済み基板を搬出したりすることができる。
ふっ酸蒸気による基板処理の例は、基板表面のレジスト残渣(ポリマー)を除去するポリマー除去処理(特許文献1)、基板上の薄膜のエッチング処理(特許文献2)などである。
特開2003−174018号公報 特開2003−174009号公報
しかし、前述の特許文献1,2に開示された基板処理装置の構成では、ふっ酸蒸気による処理が行えるのみであり、同じ処理チャンバ(処理ユニット)内でリンス処理等の液処理や乾燥処理を行うことができない。したがって、ふっ酸蒸気による処理後の基板は、基板搬送ロボットによって他の処理チャンバ(処理ユニット)へと搬入して、リンス処理および乾燥処理を行う必要がある。そのため、スループットを高めることができない。たとえば、前述のようなふっ酸蒸気処理ユニットを2つ設け、水洗・乾燥処理ユニットを2つ設けて4チャンバ構成の基板処理装置を構成する場合、ふっ酸蒸気処理ユニットによる処理が全体の処理を律速し、スループットの向上を妨げる。この問題は、ふっ酸蒸気処理ユニットを増設すれば緩和されるが、この場合には、基板処理装置全体の占有面積(フットプリント)が大きくなるという新たな課題が生じる。
また、ふっ酸以外の種類の薬液を用いた連続処理、すなわち、2種類以上の薬液を用いた連続処理を行うこともできない。そのため、適用可能な処理の種類が極めて限定されるという問題もあり、汎用性の点で有利な構成とはなっていない。
そこで、この発明の目的は、蒸気による基板処理および処理液による基板処理を同一処理チャンバ(処理ユニット)内で行うことができるようにして、基板処理のスループットを高めたり、可能な処理の種類を増やしたりすることができる基板処理装置および基板処理方法を提供することである。
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板(W)を保持して回転させる基板保持回転機構(21)と、この基板保持回転機構に保持された基板の表面に対向するとともに、前記基板対向面に複数の蒸気吹き出し孔(37)が形成された基板対向面(36)を有する遮断部材(30)と、この遮断部材を前記基板保持回転機構に保持された基板に対して、相対的に接近/離反させる遮断部材位置変更機構(31)と、前記遮断部材を前記基板保持回転機構に保持された基板の表面にほぼ直交する回転軸線まわりに回転させる遮断部材回転機構(32)と、前記遮断部材に対して蒸気を供給し、前記蒸気吹き出し孔から吹き出させる蒸気供給機構(40,95)と、前記基板保持回転機構に保持された基板の表面に処理液を供給する処理液ノズル(35,75)と、前記遮断部材が前記基板保持回転機構による基板保持位置の近傍の所定の処理位置にあるときに、この遮断部材とともに当該基板を取り囲む実質的な閉空間を形成する包囲部材(69)と、この包囲部材によって囲まれた空間を排気する排気手段(60,62,65)とを含む、基板処理装置である。なお、括弧内の英数字は後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
この構成によれば、基板保持回転機構によって保持された基板に対して、相対的に接近/離反する遮断部材の基板対向面から基板に向けて蒸気を供給することができる。遮断部材は、基板に接近した所定の処理位置にあるときに、包囲部材とともに実質的な閉空間を形成し、この閉空間内で、基板の近傍から蒸気を供給することができる。これにより、遮断部材によって制限された基板表面付近の狭空間内において、蒸気によって基板を効率的に処理することができる。包囲部材によって囲まれた空間は、排気手段によって排気されるようになっているので、基板表面に対して次々と新しい活性な蒸気を供給することができる。蒸気を供給する際、基板保持回転機構によって基板を回転させれば、基板面内における処理の均一性を向上できる。また、この発明では、遮断部材が基板に沿って回転されるので、基板表面に対して均一に蒸気を供給でき、面内均一性の向上された基板処理が可能になる。
一方、基板保持回転機構に保持された基板に対して、処理液ノズルから処理液を供給することができる。これにより、1つの処理チャンバ(処理ユニット)内で、蒸気による処理だけでなく、処理液による処理をも行うことができる。この際、基板保持回転機構によって基板を回転させることにより、処理液を基板の全域に行き渡らせることができる。
そして、処理液によって基板を処理した後には、基板保持回転機構によって基板を所定の乾燥回転速度で回転させることにより、基板表面の液成分を振り切ることができる。
また、遮断部材を基板保持回転機構から相対的に離隔させることにより、遮断部材と基板との間の大きな空間を確保できるので、基板の搬入/搬出を行うことができ、さらには、その空間内で処理液ノズルを移動させることができる。
前記処理液ノズルは、遮断部材とともに保持されていてもよく、遮断部材とは別に保持されていてもよい。また、処理液ノズルの種類は、処理液を連続的に吐出するストレートノズルであってもよいし、処理液と気体とを混合して液滴噴流を形成し、この液滴噴流を基板に向けて供給する二流体スプレーノズルであってもよい。また、処理液ノズルは、基板に処理液を供給している期間中、処理液の基板上における着液位置が固定される固定ノズルであってもよいし、着液位置が基板上で変化する移動ノズルであってもよい。
前記蒸気は、薬液を含む蒸気や、ケミカルガスを含む蒸気であってもよい。上記薬液は、ふっ酸、硝酸、酢酸、塩酸および硫酸などの酸を含む薬液であってもよい。また、前記薬液はアンモニア等のアルカリを含む薬液であってもよい。さらに、前記薬液は、これらの酸またはアルカリに、過酸化水素水やオゾン等の酸化剤、またはメタノール等の有機溶剤を加えた混合液であってもよい。さらに、前記薬液は、ポリマー除去用有機溶剤混合液(ポリマー除去液)であってもよい。なお、薬液を含む蒸気とは、薬液そのものの蒸気(薬液蒸気)であってもよいし、この薬液蒸気を不活性ガスなどのキャリアガス中に混合させたものであってもよい。
また、前記ケミカルガスは、無水ふっ酸ガス、アンモニアガス、塩化水素ガス、二酸化窒素ガス、およびSOガスのうちのいずれか1つを含むガス、あるいはこれらのうちの2以上のガスの混合ガスであってもよい。なお、ケミカルガスを含む蒸気とは、ケミカルガスと水蒸気とが混合されたものであってもよいし、ケミカルガスとメタノール、イソプロピルアルコールその他の有機溶剤の蒸気とが混合されたものであってもよく、また、これらをさらに不活性ガスなどのキャリアガス中に混合させたものであってもよい。
蒸気を用いたプロセスでは、薬液またはケミカルガスの消費量が少ないので、コストを著しく抑制することができる。
請求項2記載の発明は、前記遮断部材位置変更機構に取り付けられており、前記遮断部材の側方および上方を覆う密閉部材(80)をさらに含む、請求項1記載の基板処理装置である。
請求項3に記載されているように、蒸気供給機構から供給される蒸気は、ふっ酸、イソプロピルアルコールまたはオゾンを含む蒸気であってもよい。たとえば、ふっ酸を含む蒸気を用いることによって、洗浄処理、エッチング処理またはポリマー除去処理を行うことができる。また、イソプロピルアルコールを含む蒸気を乾燥工程において用いることによって、基板表面の液成分を速やかに排除できる。さらに、オゾンを含む蒸気を用いることによって、酸化処理を行うことができ、たとえば、基板の表面に酸化膜を形成することができる。
請求項4記載の発明は、前記基板保持回転機構は、この基板保持回転機構に保持される基板の前記遮断部材とは反対側の表面に対向し、当該基板を加熱するホットプレート(22,23)を含むものである、請求項1〜3のいずれかに記載の基板処理装置である。
この構成によれば、ホットプレートによって基板を加熱(室温以上の温度に加熱)することができるので、基板の温度を蒸気による処理や処理液による処理に適した温度に制御することができる。これにより、基板処理を良好な温度条件下で進行させることができる。
請求項5記載の発明は、前記包囲部材は、前記基板保持回転機構に保持された基板から、その回転に伴って外方向へ飛び出す処理液を受け止める飛散防止部材(70)を含むものである、請求項1〜4のいずれかに記載の基板処理装置である。
この構成によれば、遠心力によって回転半径外方側に振り切られる処理液が飛散防止部材によって受け止められるので、基板処理装置内(処理チャンバ内)の各部が処理液で汚染されることを抑制または防止できる。また、処理液が飛散防止部材(包囲部材)に受け止められて流下した際に、包囲部材の内壁に付着している蒸気成分を洗い流すことができる。
請求項6記載の発明は、前記基板保持回転機構に保持された基板から流下する処理液を排液する排液機構(60,61,64)をさらに含む、請求項1〜5のいずれかに記載の基板処理装置である。
この構成によれば、基板から流下したり飛散したりした処理液を包囲部材外に排液することができるので、清浄な環境中で基板を処理できる。排液された処理液は、回収して再利用するようにしてもよいし、廃棄することとしてもよい。
請求項7記載の発明は、前記遮断部材回転機構によって前記遮断部材を回転させた状態で、前記蒸気供給機構によって前記蒸気吹き出し口から蒸気を吹き出させる制御手段(91)をさらに含む、請求項1〜6のいずれかに記載の基板処理装置である。
請求項記載の発明は、基板保持回転機構(21)によって基板(W)を保持して回転させる基板保持回転工程と、前記基板保持回転機構に保持された基板の表面に対向する基板対向面(36)を有する遮断部材(30)を、前記基板に接近した所定の処理位置に配置し、前記基板保持回転機構を取り囲む包囲部材(69)とともに、当該基板を取り囲む実質的な閉空間を形成する工程と、前記基板保持回転工程と並行して、前記閉空間が形成された状態で、前記遮断部材の前記基板対向面に形成された複数の蒸気吹き出し孔(37)から前記基板の表面に向けて蒸気を吹き出させる蒸気吹き出し工程と、前記蒸気吹き出し工程と並行して、前記基板保持回転機構に保持された基板の表面にほぼ直交する回転軸線まわりに前記遮断部材を回転させる工程と、前記蒸気吹き出し工程と並行して、前記閉空間を排気する排気工程と、前記基板保持回転機構に保持された基板に処理液を供給する処理液供給工程とを含む、基板処理方法である。この方法により、請求項1の発明に関連して説明した効果を奏することができる。むろん、この方法の発明に関しても、基板処理装置の発明の場合と同様の変形を施すことができる。
たとえば、請求項9に記載されているように、前記閉空間を形成する工程は、前記遮断部材を前記基板保持回転機構に保持された基板に対して相対的に接近/離反させる遮断部材位置変更機構に取り付けられた密閉部材によって前記遮断部材の側方および上方を覆う工程を含む工程であってもよい。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を説明するための図解的な平面図である。この基板処理装置は、半導体ウエハや液晶表示装置用ガラス基板に代表される基板Wに対して蒸気や処理液などによる処理を施すための枚葉式の装置である。
この基板処理装置は、基板Wに対して処理を施す基板処理部1と、この基板処理部1に結合されたインデクサ部2と、処理流体(液体または気体)の供給/排出のための構成を収容した処理流体ボックス3,4とを備えている。
インデクサ部2は、基板Wを収容するためのカセットC(複数枚の基板Wを密閉した状態で収納するFOUP(Front Opening Unified Pod)、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッド、OC(Open Cassette)など)を複数個保持することができるカセット保持部6と、このカセット保持部6に保持されたカセットCにアクセスして、未処理の基板WをカセットCから取り出したり、処理済の基板WをカセットCに収納したりするためのインデクサロボット7とを備えている。各カセットCは、複数枚の基板Wを微小な間隔をあけて上下方向に積層して保持するための複数段の棚(図示せず)を備えており、各段の棚に1枚ずつ基板Wを保持することができるようになっている。
基板処理部1は、平面視においてほぼ中央に配置された基板搬送ロボット10と、基板搬送ロボット10を取り囲むように配置された複数個(この実施形態では4個)の処理ユニット(処理チャンバ)11,12,13,14とを備えている。
基板搬送ロボット10は、インデクサロボット7から未処理の基板Wを受け取ることができ、かつ処理済の基板Wをインデクサロボット7に受け渡すことができる。また、基板搬送ロボット10は、処理ユニット11〜14にアクセスすることができ、これらとの間で相互に基板Wの受け渡しを行うことができるようになっている。
より具体的には、たとえば、基板搬送ロボット10は、当該基板処理装置のフレームに固定された基台部と、この基台部に対して昇降可能に取り付けられた昇降ベースと、この昇降ベースに対して鉛直軸線回りの回転が可能であるように取り付けられた回転ベースと、この回転ベースに取り付けられた一対の基板保持ハンドとを備えている。一対の基板保持ハンドは、それぞれ、上記回転ベースの回転軸線に対して近接/離反する方向に進退可能に構成されている。このような構成により、基板搬送ロボット10は、インデクサロボット7、処理ユニット11〜14のいずれかに対して基板保持ハンドを向け、その状態で基板保持ハンドを進退させることができ、これによって、基板Wの受け渡しを行うことができる。
インデクサロボット7は、いずれかのカセットCから未処理の基板Wを取り出して基板搬送ロボット10に受け渡すとともに、基板搬送ロボット10から処理済みの基板Wを受け取ってカセットCに収容するように動作する。処理済みの基板Wは、当該基板Wが未処理の状態のときに収容されていたカセットCに収容されてもよいし、未処理の基板Wを収容するカセットCと処理済みの基板Wを収容するカセットCとを分けておいて、未処理の状態のときに収容されていたカセットCとは別のカセットCに処理済みの基板Wが収容されるようにしてもよい。
複数の処理ユニット11〜14は、この実施形態では、共通の構成を有し、同じ処理を実行する。そこで、以下では、処理ユニット11の構成について説明する。
図2は処理ユニット11の図解的な断面図である。処理ユニット11は、基板Wを水平に保持するとともに基板Wの中心を通る鉛直な回転軸の周りで基板Wを回転させるための基板保持回転機構としてのスピンチャック21を備えている。スピンチャック21は、チャック回転駆動機構(この実施形態では中空型モータ)24によって回転される回転軸25の上端に円盤状のスピンベース22を固定して構成されている。このスピンベース22上に、基板Wが、吸着方式または挟持部材による挟持方式によって保持されるようになっている。スピンベース22の内部には、加熱手段としてのヒータ23が埋設されている。このヒータ23に通電することによって、スピンベース22は、その上面に保持された基板Wを加熱するためのホットプレートとして機能する。
スピンチャック21の上方には、中心部に開口を有する円盤状の遮断板30が水平に設けられている。遮断板30は、スピンチャック21の上方に配置されたアーム28の先端付近に鉛直下方向に設けられた中空の支持軸29の下端に設けられている。アーム28には、遮断板昇降駆動機構31および遮断板回転駆動機構32が接続されている。遮断板昇降駆動機構31は、アーム28を上下動させることにより、スピンチャック21に保持された基板Wの上面に接近した処理位置と、この処理位置よりも上方に退避した退避位置との間で、遮断板30を上下動させる。遮断板回転駆動機構32は、支持軸29に回転力を与え、これにより、遮断板30を支持軸29まわりに、すなわち、スピンチャック21に保持された基板Wの表面にほぼ直交する回転軸線まわりに、回転させる。回転方向は、基板Wの回転方向と同方向であってもよいし、逆方向であってもよい。
支持軸29内には、処理液供給管35が非回転状態に設けられている。この処理液供給管35には、処理液供給源からの処理液(薬液または純水その他のリンス液)が処理液バルブ39を介して供給されるようになっている。処理液供給管35の下端は、遮断板30の中心部に形成された開口内に位置し、スピンチャック21に保持された基板Wの上面中央に対向する処理液吐出口をなしている。
支持軸29の内壁と処理液供給管35との間の空間は、蒸気通路34を形成している。この蒸気通路34は、遮断板30の内部に形成された蒸気室33に連通している。すなわち、遮断板30は、中空構造の円盤状体で構成されており、その内方の空間が蒸気室33を形成している。遮断板30の下面は、スピンチャック21に保持された基板Wの上面に上方から対向する基板対向面36を形成している。この基板対向面36には、蒸気室33と連通する複数(多数)の蒸気吹き出し孔37が形成されている。すなわち、遮断板30の下板部38は、多数の蒸気吹き出し孔37が形成されたパンチングプレートの形態を有している。
蒸気通路34には、蒸気供給源40からの蒸気が供給されるようになっている。蒸気通路34および蒸気供給源40は、遮断板30に蒸気を供給して、蒸気吹き出し孔37から吹き出させる蒸気供給機構を形成している。蒸気供給源40は、薬液を密閉状態で貯留する薬液蒸気発生容器41を備えている。薬液蒸気発生容器41には、薬液(たとえばふっ酸水溶液)42の液面の上方の空間43に、キャリアガスとしての窒素ガス(不活性ガス)を供給する窒素ガス供給配管44が接続されている。また、この空間43は、蒸気バルブ45を介して、蒸気通路34へと薬液蒸気を導くための蒸気供給配管46に接続することができるようになっている。蒸気供給配管46には、窒素ガス供給源47からの窒素ガスが、流量コントローラ(MFC)48および窒素ガスバルブ49を介して供給されるようになっている。また、窒素ガス供給源47からの窒素ガスは、流量コントローラ50および窒素ガスバルブ51を介して、窒素ガス供給配管44に与えられるようになっている。
薬液蒸気発生容器41内に貯留される薬液42は、いわゆる擬似共弗組成となる濃度(たとえば、ふっ酸水溶液の場合、1気圧、室温(20℃)のもとで、約39.6%)に調製されている。たとえば、擬似共弗組成のふっ酸水溶液は、水とふっ化水素との蒸発速度が等しく、そのため、蒸気バルブ45から蒸気供給配管46等を介して遮断板30に蒸気が導かれることによって薬液蒸気発生容器41内の薬液42が減少したとしても、遮断板30に導かれる薬液蒸気の濃度は不変に保持される。
スピンチャック21は、処理カップ55内に収容されている。処理カップ55の内側には、筒状の仕切壁56が設けられている。また、スピンチャック21の周囲を取り囲むように、基板Wの処理に用いられた処理液を排液するとともに処理カップ55内の雰囲気を排気するための排液・排気空間57が形成されている。さらに、排液・排気空間57を取り囲むように、処理カップ55と仕切壁56との間には、基板Wの処理に用いられた処理液を回収するための回収液空間58が形成されている。
排液・排気空間57には、気液分離ボックス60へ処理液および排気を導くための排液管61および排気管62が接続され、回収液空間58には、回収処理装置(図示せず)へ処理液を導くための回収管63が接続されている。気液分離ボックス60は、排液および排気を分離し、それらをそれぞれ排液管64および排気管65へと導く。排液管64は、排液処理装置(図示せず)へ処理液を導く。排気管65は、排気源66へと排気を導く。排気源66は、一般には、工場の排気ユーティリティである。
処理カップ55の内側には、基板Wに向けて吐出された処理液が飛散することを防止する飛散防止部材としてのスプラッシュガード70が上下動可能に設けられている。このスプラッシュガード70は、回転軸25に対して回転対称な略円筒形状の遮蔽壁であり、上部に開口部70bを有する。処理カップ55およびスプラッシュガード70は、スピンチャック21に保持された基板Wを取り囲む包囲部材としての処理容器69を形成している。
スプラッシュガード70の上端部の内側には、断面く字状の排液案内溝71が環状に形成されている。また、スプラッシュガード70の下端部の内側には、外側下方に傾斜する傾斜面からなる回収液案内部72が形成されている。回収液案内部72の上端付近には、処理カップ55の仕切壁56を受け入れるための仕切壁収納溝73が形成されている。
このスプラッシュガード70には、ボールねじ機構等で構成されたスプラッシュガード昇降駆動機構74が接続されている。スプラッシュガード昇降駆動機構74は、スプラッシュガード70を、回収液案内部72がスピンチャック21に保持された基板Wの外周端面に対向する回収位置(図示せず)と、排液案内溝71がスピンチャック21に保持された基板Wの外周端面に対向する排液位置(図2に示す位置)との間で上下動させる。
たとえば、スプラッシュガード70が回収位置にある場合には、基板Wから外方へ飛散した処理液が回収液案内部72により回収液空間58に導かれ、回収管63を通して回収される。一方、スプラッシュガード70が排液位置にある場合には、基板Wから外方へ飛散した処理液が、排液案内溝71により排液・排気空間57に導かれ、排液管61を通して排液される。スプラッシュガード70がいずれの位置にある場合でも、処理容器69内の雰囲気は、排気管62を通して排気される。
スピンチャック21に保持された基板Wに処理液を供給するために、処理液ノズル75が設けられている。この処理液ノズル75は、ノズル移動機構77によって、スプラッシュガード70の上面70aおよび遮断板30の基板対向面36との間を通って、スピンチャック21の上方の空間に対して、進退されるようになっている。より具体的には、遮断板30がスピンチャック21から上方に退避した退避位置にあるときに、処理液ノズル75をスピンチャック21の上方の空間へと進出させることができる。また、処理液ノズル75をスピンチャック21の上方の空間から退避させた状態のときに、スピンチャック21に保持された基板Wに近接した処理位置まで、遮断板30を下降させることができる。
処理液ノズル75には、処理液供給源からの処理液(薬液またはリンス液(純水など))が、処理液バルブ78を介して供給されるようになっている。処理液ノズル75は、たとえば、処理液と気体とを混合することによって処理液の液滴噴流を形成し、これを基板W上面に吹き付ける二流体スプレーノズルである。この場合、処理液ノズル75には、気体供給源からの気体(たとえば窒素等の不活性ガス)が気体バルブ79を介して供給される。二流体スプレーノズルは、ケーシング内部で処理液および気体を混合する内部混合型のものであってもよいし、ケーシングから処理液および気体を吐出し、ケーシング外で処理液および気体を混合させる外部混合型のものであってもよい。
アーム28には、遮断板30を上方および側方から取り囲むスカート状の密閉部材80が取り付けられている。この密閉部材80は、中空円錐台形状に形成されており、その上端縁80aがアーム28の下面に固定されているとともに、下縁部80bはスプラッシュガード70の上面70aに平行になっている。この下縁部80bには、スプラッシュガード70の上面70aに密接するシール部材81(たとえばOリング)が配置されている。
遮断板昇降駆動機構31によって遮断板30を下降させることにより、シール部材81を介して密閉部材80をスプラッシュガード70の上面70aに押し付けることができる。この状態では、スピンチャック21、基板Wおよび遮断板30は、処理容器69および密閉部材80によって包囲された密閉空間に置かれる。これにより、基板Wは、遮断板30の基板対向面36から供給される蒸気によって、効率的に処理されることになる。むろん、このときには、処理液ノズル75は、密閉部材80の外方に退避させられている。
図3は、前述の基板処理装置の制御系の構成を説明するためのブロック図である。基板処理装置においては、メイン制御部90が、インデクサロボット7、基板搬送ロボット10および複数の処理ユニット11〜14と接続されている。メイン制御部90は、インデクサロボット7および基板搬送ロボット10による基板搬送動作を制御するとともに、処理ユニット11〜14との間で、処理条件や基板処理の進行状況等を表す各種のデータを授受する。
処理ユニット11には、ローカル制御部91が設けられている。ローカル制御部91は、ヒータ23、チャック回転駆動機構24、遮断板昇降駆動機構31、遮断板回転駆動機構32、スプラッシュガード昇降駆動機構74およびノズル移動機構77の動作を制御し、バルブ39,45,49,51,78,79の開閉を制御し、流量コントローラ48,50の動作を制御する。
他の処理ユニット12〜14の制御系の構成も同様である。
インデクサロボット7は、メイン制御部90によって制御されることにより、未処理の1枚の基板WをカセットCから搬出して基板搬送ロボット10に受け渡すとともに、処理済みの基板Wを基板搬送ロボット10から受け取ってカセットCに搬入するように動作する。基板搬送ロボット10は、メイン制御部90によって制御されることにより、インデクサロボット7から受け取った未処理の基板Wを処理ユニット11〜14に搬入するとともに、処理済みの基板Wを処理ユニット11〜14から受け取ってインデクサロボット7に受け渡すように動作する。メイン制御部90は、処理ユニット11〜14のローカル制御部91との通信を介して、各処理ユニット11〜14における基板処理状況を監視する。そして、メイン制御部90は、未処理の新たな基板Wを処理可能な状態にあるいずれかの処理ユニット11〜14を特定し、その処理ユニットに対して未処理基板Wが搬入されるように、基板搬送ロボット10の動作を制御し、処理ユニット11〜14における基板待機時間を最短化して、最大効率での基板処理を図る。
図4は、処理ユニット11〜14における処理の一例を説明するためのフローチャートであり、ポリマー除去処理を行う場合の例が示されている。この場合の処理対象の基板Wは、ドライエッチングやアッシング後のレジスト残渣(ポリマー)が表面に残留している状態の基板である。この場合、たとえば、薬液蒸気発生容器41内には、擬似共弗組成のふっ酸水溶液が薬液42として貯留される。また、処理液ノズル75には、たとえば、前述の二流体スプレーノズルが用いられる。この場合、たとえば、処理液としては純水(脱イオン水)を用い、気体としては窒素等の不活性ガスを用いればよい。
まず、基板搬送ロボット10によって未処理の基板Wが搬入され、スピンチャック21に保持される(ステップS1)。この際には、遮断板30はスピンチャック21の上方に遠く離隔した退避位置にある。また、このとき、処理液ノズル75はスプラッシュガード70外に待機させられている。また、スプラッシュガード70は、排液案内溝71を基板Wの周端面に対向させた排液位置(図2の位置)よりもさらに下方にあり、スプラッシュガード70の上面70aよりも上方にスピンチャック21の基板保持位置が位置している。これにより、基板搬送ロボット10とスピンチャック21との間での基板Wの受け渡しをスムーズに行える。
この状態から、ローカル制御部91は、ヒータ23への通電を行い、スピンベース22を昇温させ、これにより、基板Wを所定の設定温度(たとえば約60℃)に加熱する(ステップS2)。また、ローカル制御部91は、スプラッシュガード昇降駆動機構74を制御し、スプラッシュガード70を排液位置(図2の位置)に導く(ステップS3)。さらに、ローカル制御部91は、遮断板昇降駆動機構31を制御して、遮断板30を基板Wの上面に接近した処理位置まで下降させる(ステップS4)。これにより、密閉部材80の下縁部80bがスプラッシュガード70の上面70aに密接し、基板Wを包囲する密閉空間が形成される。
次に、ローカル制御部91は、チャック回転駆動機構24および遮断板回転駆動機構32を制御して、スピンチャック21および遮断板30を同方向または逆方向に回転させる(ステップS5)。好ましい回転速度は、たとえば、スピンチャック21が100〜150rpm程度、遮断板30が100rpm以下である。また、ローカル制御部91は、窒素ガスバルブ49,51および蒸気バルブ45を開く。これにより、蒸気供給配管46および蒸気通路34を通って、遮断板30内の蒸気室33へとふっ酸蒸気が供給され、このふっ酸蒸気が、基板対向面36に形成された多数の蒸気吹き出し孔37から基板Wに向けて吹き出される(ステップS6)。処理位置にある遮断板30の基板対向面36と基板Wとの間は、たとえば、間隔が2〜30mm、たとえば10mm程度の狭空間であり、しかも、前述のとおり、基板Wは密閉空間に置かれているため、基板W上ではふっ酸蒸気によるポリマー除去処理が効率的に進行する。さらに、ホットプレートとして機能するスピンベース22によって基板Wが所定温度に保たれることによって、より効率的な処理が可能となり、また、ポリマーの選択比も高くなる。また、基板Wおよび遮断板30が回転しているため、基板W表面の各部に対して均一な処理を施すことができる。
処理容器69内の空間は、排気管62等を介して常時排気されている。したがって、処理容器69内では、基板W付近から排気管62へと向かう気流が形成されていて、基板Wの上面に対しては、遮断板30からの新たな(活性な)ふっ酸蒸気が常時供給される。
こうして、所定時間に渡ってふっ酸蒸気による基板Wの処理が行われると(ステップS7)、次に、ローカル制御部91は、窒素ガスバルブ49,51および蒸気バルブ45を閉じて、蒸気の供給を停止する(ステップS8)。さらに、ローカル制御部91は、遮断板回転駆動機構32を制御して遮断板30の回転を停止させ、遮断板昇降駆動機構31を制御して、遮断板30を基板Wから上方に離隔した退避位置へと退避させる(ステップS9)。これにより、遮断板30および密閉部材80が上昇し、遮断板30と基板Wとの間に、処理液ノズル75が入り込むことができる空間が確保される。
次に、ローカル制御部91は、ノズル移動機構77を制御して処理液ノズル75(二流体スプレーノズル)を基板W上に移動させるとともに、処理液バルブ78および気体バルブ79を開き、液滴噴流の供給を開始させる(ステップS10)。ローカル制御部91は、処理液ノズル75から供給される液滴噴流の基板W上における到達位置(着液位置)が基板Wの回転中心から周縁部に至る範囲で変化するようにノズル移動機構77を制御する。これにより、基板Wの上面の全域が、液滴噴流によって走査され、基板W上に残留しているポリマーが、液滴噴流による物理的洗浄によって取り除かれる。また、このステップS10において、基板Wの上面に供給された処理液(液滴噴流)は、基板Wの遠心力によって回転半径外方側に振り切られてスプラッシュガード70によって受け止められるとともに、その際にスプラッシュガード70を流下する処理液によって、スプラッシュガード70の内壁に付着しているふっ酸蒸気が洗い流される。
二流体スプレーノズルによる所定時間の洗浄処理の後(ステップS11)、ローカル制御部91は、処理液バルブ78および気体バルブ79を閉じて処理液ノズル75からの液滴噴流の吐出を停止させ、さらに、ノズル移動機構77を制御して、処理液ノズル75をスプラッシュガード70よりも外方の退避位置に導く(ステップS12)。
さらに、ローカル制御部91は、処理液バルブ39を開いて、遮断板30に挿通された処理液供給管35から、基板W上面の回転中心にむけてリンス液(脱イオン水)を供給させる(ステップS13)。また、ローカル制御部91は、遮断板昇降駆動機構31を制御して遮断板30を基板W上面に接近した処理位置に導くとともに、遮断板回転駆動機構32を制御して、遮断板30を基板Wと同方向または逆方向に回転させる(ステップS14)。また、ローカル制御部91は、窒素ガスバルブ49を開くことにより、遮断板30の蒸気吹き出し孔37から、基板Wの上面に向けて不活性ガスとしての窒素ガスを吹き出させる(ステップS15)。こうして、窒素ガス雰囲気中で、基板W表面のリンス処理が行われる。
所定時間のリンス期間が終了すると(ステップS16)、ローカル制御部91は、処理液バルブ39を閉じて、リンス液の供給を停止する(ステップS17)。さらに、ローカル制御部91は、チャック回転駆動機構24を制御することにより、基板Wの回転速度を所定の乾燥回転速度(たとえば、1500〜3000rpm)まで加速する。これにより、基板W表面の液成分を遠心力によって振り切る乾燥処理が行われる(ステップS18)。
所定時間の乾燥処理の後(ステップS19)、ローカル制御部91は、チャック回転駆動機構24および遮断板回転駆動機構32を制御して、スピンチャック21および遮断板30の回転を停止させ(ステップS20)、さらに、遮断板昇降駆動機構31を制御して、遮断板30を上方の退避位置まで上昇させる(ステップS21)。さらに、ローカル制御部91は、スプラッシュガード昇降駆動機構74を制御することにより、スプラッシュガード70を下降させ、その上面70aが基板よりも下方に位置する状態とする。この状態で、基板搬送ロボット10により、処理済みの基板Wがスピンチャック21から払い出される(ステップS22)。
このようにして、ふっ酸蒸気を用いたポリマー除去処理、二流体スプレーノズルを用いた物理洗浄処理、リンス液によるリンス処理、および高速回転による振り切り乾燥処理を1つの処理ユニット内(すなわち、1つの処理チャンバ内)で完結させることができる。
以上のように、この実施形態によれば、処理容器69内に配置されたスピンチャック21の上方に上下動可能に設けられた遮断板30から蒸気を供給する構成により、遮断板30を基板Wに接近させて蒸気による基板処理を行うことができるとともに、遮断板30を基板Wの上面から上方に離隔した位置に退避させて、処理液ノズル75からの処理液によって基板Wを処理できる。こうして、1つの処理ユニットで、蒸気による処理、処理液による処理およびスピンチャック21の高速回転による振り切り乾燥処理を行うことができる。これにより、図1に示すように、蒸気処理を行う処理ユニット11〜14のほかに、水洗・乾燥処理のための別の処理ユニットを設ける必要がなくなる。その結果、処理ユニット間での基板Wの搬送回数を少なくできるから、複数枚の基板Wを効率よく処理することができ、生産性を高めることができる。
一方、水洗・乾燥処理に比較して蒸気処理の方が長時間を要するため、蒸気処理が全体の基板処理工程を律速する。そのため、2つの蒸気処理ユニットと2つの水洗・乾燥処理ユニットとを備える従来技術の基板処理装置では、蒸気処理を2つの処理ユニットで並行して行うことができるにすぎないから、水洗・乾燥処理ユニットでの待ち時間が生じ、生産効率が悪くなる。
これに対して、前述の実施形態の構成では、4つの処理ユニットで並行して蒸気処理を行わせることができる。これにより、複数枚の基板を効率的に処理することができ、従来装置に比較して、生産性を著しく向上することができる。しかも、基板処理装置の専有面積を大きくする必要もない。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、さらに他の形態で実施することも可能である。たとえば、前述の実施形態では、ふっ酸蒸気の供給に二流体スプレーノズルによる物理洗浄を併用して基板W上のポリマーを除去する処理を例にとったが、二流体スプレーノズルによる物理洗浄の併用は必ずしも必要ではない。この場合、ローカル制御部91は、遮断板30からふっ酸蒸気を吹き出させる工程の後、遮断板30を処理位置に保持し、ふっ酸蒸気の供給を停止するとともに、窒素ガスを蒸気通路34から基板Wに向けて供給させる。この状態で、ローカル制御部91は、処理液バルブ39を開いて、処理液供給管35からリンス液を基板W上面の回転中心付近に向けて供給させてリンス工程を行い、その後に、リンス液の供給を停止させるとともにスピンチャック21の回転速度を乾燥回転速度まで加速して乾燥工程を行う。
むろん、ポリマー除去処理以外の基板処理に対してもこの発明を適用することができる。たとえば、ふっ酸蒸気を用いて基板W表面の複数種の薄膜のうちの特定の薄膜のみを選択的にエッチングする処理は、前述のポリマー除去処理と同様にして行うことができる。
また、基板W(たとえばシリコン基板)の表面に酸化膜を形成し、この酸化膜をエッチングすることにより基板表面の異物を除去する洗浄処理にも、この発明を適用することができる。
この場合には、たとえば、図2に二点鎖線で示すように、ふっ酸蒸気を供給するための蒸気供給源40の他に、オゾン蒸気(オゾンを含む蒸気)を供給するための第2の蒸気供給源95を設け、この第2の蒸気供給源95からの蒸気の供給をローカル制御部91で制御する構成とすればよい。ローカル制御部91は、遮断板30を基板Wの表面に接近した処理位置に制御し、スピンチャック21および遮断板30を回転させた状態で、まず、第2の蒸気供給源95からの蒸気を蒸気通路34に供給する。これにより、遮断板30の基板対向面36に形成された多数の蒸気吹き出し孔37からオゾン蒸気が基板Wの上面に供給される。これにより、基板Wの表面に酸化膜が形成される。この後に、ローカル制御部91は、第2の蒸気供給源95からの蒸気の供給を停止させ、代わって、第1の蒸気供給源40からのふっ酸蒸気を蒸気通路34に供給させる。これにより、遮断板30から基板Wの上面にふっ酸蒸気が供給され、このふっ酸蒸気によって、基板W表面の酸化膜がエッチング除去される。このとき、酸化膜とともに、基板W上の異物がリフトオフされる。オゾン蒸気による酸化膜形成工程およびふっ酸蒸気による酸化膜エッチング工程は、各一回実行されてもよいし、必要に応じて、複数回繰り返し実行されてもよい。
その後は、ローカル制御部91は、第1および第2の蒸気供給源40,95からの蒸気の供給を停止させるとともに、処理液バルブ39を開いて、処理液供給管35からリンス液を吐出させることにより、リンス工程を実行する。そして、一定時間のリンス処理後は、処理液バルブ39を閉じてリンス液の供給を停止するとともに、スピンチャック21を高速回転させて振り切り乾燥工程を実行する。
ヒータ23は、オゾン蒸気供給工程では通電されて基板Wを加熱する一方で、ふっ酸蒸気供給工程では通電を停止して水分の蒸発を防ぐように、ローカル制御部91によって制御されることが好ましい。
酸化膜形成工程は、オゾン蒸気の供給の代わりに、オゾン水の供給によって行うこともできる。この場合、オゾン水の供給は、たとえば、図2に示すように、オゾン水供給源からのオゾン水をオゾン水バルブ96を介して処理液供給管35に供給できるようにし、オゾン水バルブ96の開閉をローカル制御部91によって制御するようにすればよい。むろん、オゾン水の供給は、処理液ノズル75から行うようにしてもよい。この場合、処理液ノズル75は、通常のストレートノズルの形態のものであってもよい。
さらに、前述の実施形態の構成は、IPA(イソプロピルアルコール)蒸気を用いた基板処理のために応用することもできる。IPA蒸気を用いた基板処理工程は、たとえば、処理液ノズル75から薬液を基板Wに供給する薬液処理工程と、その後に、処理液ノズル75または処理液供給管35から基板Wにリンス液を供給するリンス工程と、その後に、遮断板30から基板WにIPA蒸気を供給しながらスピンチャック21を高速回転させて基板Wを乾燥させるIPA蒸気併用乾燥工程とを含む。このような工程により、基板W上の液成分をIPAとともに速やかに蒸発させることができるので、基板Wの表面にウォーターマークが形成されることを効果的に抑制できる。
また、前述の実施形態では、遮断板30の側方および上方を覆う密閉部材80が設けられているが、この密閉部材80は、必ずしも設けなくてもよい。理由は次のとおりである。すなわち、図2に示されているとおり、スピンベース22上に置かれた基板Wの周囲はスプラッシュガード70で包囲されており、基板Wの上方は遮断板30で覆われている。そのため、密閉部材80が設けられていない場合であっても、基板Wが置かれた空間は、遮断板30とスプラッシュガード70との間のわずかな隙間93を介して外部空間と連通しているのみであり、基板Wは実質的には閉空間に置かれている。しかも、処理位置にある遮断板30の基板対向面36は基板Wの表面に接近しているため、この遮断板30から蒸気が供給されるときには、基板W表面の周囲はその蒸気で満たされるので、前述の隙間93がプロセスに与える影響は少ない。
さらに、前述の実施形態では、遮断板30を上下動させることによって、スピンチャック21に保持された基板Wに対して遮断板30を接近/離隔させる構成としたが、遮断板30の高さを固定し、スピンチャック21を上下動させる構成としてもよいし、遮断板30およびスピンチャック21の両方を上下動させる構成としてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
この発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を説明するための図解的な平面図である。 前記基板処理装置に備えられた処理ユニットの図解的な断面図である。 前記基板処理装置の制御系の構成を説明するためのブロック図である。 処理ユニットにおける処理の一例を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 基板処理部
2 インデクサ部
3,4 処理流体ボックス
6 カセット保持部
7 インデクサロボット
10 基板搬送ロボット
11〜14 処理ユニット
21 スピンチャック
22 スピンベース
23 ヒータ
24 チャック回転駆動機構
25 回転軸
28 アーム
29 支持軸
30 遮断板
31 遮断板昇降駆動機構
32 遮断板回転駆動機構
33 蒸気室
34 蒸気通路
35 処理液供給管
36 基板対向面
37 蒸気吹き出し孔
38 下板部
39 処理液バルブ
40 蒸気供給源
41 薬液蒸気発生容器
42 薬液
43 空間
44 窒素ガス供給配管
45 蒸気バルブ
46 蒸気供給配管
47 窒素ガス供給源
48 流量コントローラ
49 窒素ガスバルブ
50 流量コントローラ
51 窒素ガスバルブ
55 処理カップ
56 仕切壁
57 排液・排気空間
58 回収液空間
60 気液分離ボックス
61 排液管
62 排気管
63 回収管
64 排液管
65 排気管
66 排気源
69 処理容器
70 スプラッシュガード
70a 上面
70b 開口部
71 排液案内溝
72 回収液案内部
73 仕切壁収納溝
74 スプラッシュガード昇降駆動機構
75 処理液ノズル
77 ノズル移動機構
78 処理液バルブ
79 気体バルブ
80 密閉部材
80a 上端縁
80b 下縁部
81 シール部材
90 メイン制御部
91 ローカル制御部
93 隙間
95 蒸気供給源
96 オゾン水バルブ
C カセット
W 基板

Claims (9)

  1. 基板を保持して回転させる基板保持回転機構と、
    この基板保持回転機構に保持された基板の表面に対向するとともに、複数の蒸気吹き出し孔が形成された基板対向面を有する遮断部材と、
    この遮断部材を前記基板保持回転機構に保持された基板に対して、相対的に接近/離反させる遮断部材位置変更機構と、
    前記遮断部材を前記基板保持回転機構に保持された基板の表面にほぼ直交する回転軸線まわりに回転させる遮断部材回転機構と、
    前記遮断部材に対して蒸気を供給し、前記蒸気吹き出し孔から吹き出させる蒸気供給機構と、
    前記基板保持回転機構に保持された基板の表面に処理液を供給する処理液ノズルと、
    前記遮断部材が前記基板保持回転機構による基板保持位置の近傍の所定の処理位置にあるときに、この遮断部材とともに当該基板を取り囲む実質的な閉空間を形成する包囲部材と、
    この包囲部材によって囲まれた空間を排気する排気手段とを含む、基板処理装置。
  2. 前記遮断部材位置変更機構に取り付けられており、前記遮断部材の側方および上方を覆う密閉部材をさらに含む、請求項1記載の基板処理装置。
  3. 前記蒸気供給機構は、ふっ酸、イソプロピルアルコールまたはオゾンを含む蒸気を前記遮断部材に供給するものである、請求項1または2記載の基板処理装置。
  4. 前記基板保持回転機構は、この基板保持回転機構に保持される基板の前記遮断部材とは反対側の表面に対向し、当該基板を加熱するホットプレートを含むものである、請求項1〜3のいずれかに記載の基板処理装置。
  5. 前記包囲部材は、前記基板保持回転機構に保持された基板から、その回転に伴って外方へ飛び出す処理液を受け止める飛散防止部材を含むものである、請求項1〜4のいずれかに記載の基板処理装置。
  6. 前記基板保持回転機構に保持された基板から流下する処理液を排液する排液機構をさらに含む、請求項1〜5のいずれかに記載の基板処理装置。
  7. 前記遮断部材回転機構によって前記遮断部材を回転させた状態で、前記蒸気供給機構によって前記蒸気吹き出し口から蒸気を吹き出させる制御手段をさらに含む、請求項1〜6のいずれかに記載の基板処理装置。
  8. 基板保持回転機構によって基板を保持して回転させる基板保持回転工程と、
    前記基板保持回転機構に保持された基板の表面に対向する基板対向面を有する遮断部材を、前記基板に接近した所定の処理位置に配置し、前記基板保持回転機構を取り囲む包囲部材とともに、当該基板を取り囲む実質的な閉空間を形成する工程と、
    前記基板保持回転工程と並行して、前記閉空間が形成された状態で、前記遮断部材の前記基板対向面に形成された複数の蒸気吹き出し孔から前記基板の表面に向けて蒸気を吹き出させる蒸気吹き出し工程と、
    前記蒸気吹き出し工程と並行して、前記基板保持回転機構に保持された基板の表面にほぼ直交する回転軸線まわりに前記遮断部材を回転させる工程と、
    前記蒸気吹き出し工程と並行して、前記閉空間を排気する排気工程と、
    前記基板保持回転機構に保持された基板に処理液を供給する処理液供給工程とを含む、基板処理方法。
  9. 前記閉空間を形成する工程は、前記遮断部材を前記基板保持回転機構に保持された基板に対して相対的に接近/離反させる遮断部材位置変更機構に取り付けられた密閉部材によって前記遮断部材の側方および上方を覆う工程を含む、請求項8記載の基板処理方法。
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