JP6473592B2 - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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Description

この発明は、半導体基板、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板などの各種基板(以下、単に「基板」と記載する)の表面に対して薬液を供給してエッチング処理などの処理を施す基板処理装置および基板処理方法に関するものである。
半導体装置や液晶表示装置などの電子部品の製造工程では、基板の表面に形成されるポリシリコン層、絶縁層や金属層などの被加工層をエッチングするプロセス工程が含まれている。このエッチングプロセスでは、略水平姿勢で回転する基板の表面に薬液を供給し、遠心力を利用して基板表面の周縁部に薬液を行き渡らせることで、被加工層を有する基板表面全体に対してエッチング処理を施している。このように基板を回転させながら薬液を供給する場合、基板表面の周縁側で温度低下が発生し、基板表面の中央部と周縁部とで温度が異なることがある。そして、この温度差がエッチングプロセスにおける面内均一性を低下させる主要因のひとつとなっている。
そこで、例えば特許文献1に記載の装置では、基板の表面に純水の液膜を形成した後で、基板が収容された処理室内に基板を腐食させる腐食性のガスまたは蒸気を供給することで純水の液膜をフッ酸の液膜に変化させ、これによってエッチング処理の均一化を図っている。
特開2010−118498号公報
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、腐食性のガスまたは蒸気を処理室内に供給することでエッチング処理を行っており、次のような課題がある。まず処理室内で腐食性のガスまたは蒸気の流れが乱れるのを防止するために、ガスなどの供給前に基板や処理室内の構成を静止させる必要がある。また、エッチング処理後には、処理室内に窒素ガスを供給して処理室内の雰囲気全体を窒素ガスに置換した後でリンス処理を行う必要がある。このように処理室内の雰囲気全体を空気雰囲気(エッチング処理前)、腐食性雰囲気(エッチング処理中)、窒素ガス雰囲気(エッチング処理後)に切り替えており、これがスループット低下やランニングコスト増大の主要因のひとつとなっている。
この発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、スループット低下やランニングコスト増大を防止しつつ、薬液を用いた基板の表面に対する処理を優れた面内均一性で行うことができる基板処理技術を提供することを目的とする。
この発明の第1態様は、基板処理装置であって、基板の表面を鉛直上方に向けた状態で基板を略水平姿勢で保持して回転させる基板保持回転手段と、基板保持回転手段に保持された基板の表面と対向する基板対向部材を有する雰囲気遮断手段と、を備え、雰囲気遮断手段は、回転する基板の表面の回転中心近傍に薬液を供給する薬液供給部と、基板の表面と基板対向部材で挟まれた処理空間に薬液の蒸気を供給する薬液蒸気供給部と、基板対向部材を加熱する加熱部と、薬液供給部および加熱部を制御する制御部とを有し、基板対向部材は基板の表面の面積と略同等以上の面積を有する基板対向面を有し、制御ユニットは、薬液供給部から基板の表面に薬液の供給を開始する前に、薬液蒸気供給部から処理空間への薬液の蒸気の供給と加熱部による基板対向部材の加熱とを行うことを特徴としている。
また、この発明の第2態様は、基板処理方法であって、基板の表面を鉛直上方に向けた状態で基板を略水平姿勢で保持する第1工程と、基板の表面に基板対向部材を対向させて基板の表面全体を上方から覆うことで、基板と基板対向部材との間に処理空間を形成する第2工程と、処理空間を形成したまま基板を回転させる第3工程と、回転する基板の表面の回転中心近傍に薬液を供給して基板の表面を処理する第4工程とを備え、第4工程は、処理空間に薬液の蒸気を供給する工程と、基板対向部材を加熱する工程とを有し、薬液の供給開始前に、薬液の蒸気を供給する工程と基板対向部材を加熱する工程を開始することを特徴としている。
基板を略水平姿勢で回転させながら当該基板の表面のうち回転中心近傍に薬液を供給すると、基板の回転に伴う遠心力によって薬液が表面全体に広がり基板の表面全体を処理することができる。このとき、後で図4を参照して説明するように、基板の表面に供給された薬液の周囲の雰囲気を制御しない場合(図4中の黒菱形印参照)、薬液の気化が部分的に進行して基板温度が部分的に低下して基板面内で処理の不均一化が生じる。これに対し、本発明によれば、薬液の蒸気が供給されることで、基板の表面に供給された薬液の周囲における薬液蒸気密度が高くなり、薬液の気化が抑制される。しかも、基板対向部材が基板の表面に対向することによって基板対向部材と基板との間に処理空間が形成されるため、薬液の蒸気は処理空間内に効果的に留まって処理空間全体にわたって薬液蒸気密度を高い状態に維持することができる。ここで基板対向部材を用いるために薬液の蒸気が基板対向部材に接触して結露する可能性があるが、本発明では、基板対向部材を加熱することで薬液の結露を防止している。その結果、少ない薬液蒸気量で、しかも短時間で基板の表面に対する処理を優れた面内均一性で良好に行うことができる。
本発明にかかる基板処理装置の一実施形態を示す図である。 図1の基板処理装置の制御構成を示すブロック図である。 図1に示す基板処理装置におけるエッチング処理動作を示すフローチャートである。 シミュレーション結果を示すグラフである。 図4の結果を部分的に拡大したグラフである。
図1は、本発明にかかる基板処理装置の一実施形態を示す図である。また、図2は図1の基板処理装置の制御構成を示すブロック図である。この基板処理装置1は半導体ウエハ等の基板Wにリン酸溶液、フッ酸溶液、硝酸溶液、希硫酸溶液などの薬液を供給してエッチング処理を施す基板処理装置である。より具体的には、被加工層(図示省略)を有する基板Wの表面Wfに対して薬液を供給して被加工層をエッチングし、さらに基板Wの表面Wfを純水やDIW(deionized water;脱イオン水)等のリンス液でリンスした後、基板Wをスピン乾燥する装置である。
この基板処理装置1では、図示を省略する処理チャンバ内に、基板Wの表面Wfを上方に向けた状態で基板Wを略水平姿勢に保持して回転させるスピンチャック2と、エッチング処理を行う処理空間を周辺雰囲気から遮断する雰囲気遮断機構3とが設けられている。スピンチャック2は、回転支軸21がモータを含むチャック回転部22の回転軸に連結されており、チャック回転部22の駆動により回転中心軸AXを中心に回転可能となっている。回転支軸21の上端部には、円盤状のスピンベース23が一体的にネジなどの締結部品によって連結されている。したがって、装置全体を制御する制御ユニット4(図2)からの動作指令に応じてチャック回転部22を駆動させることによりスピンベース23が回転中心軸AXを中心に回転する。
スピンベース23の周縁部付近には、基板Wの周縁部を把持するための複数個のチャックピン24が立設されている。チャックピン24は、円形の基板Wを確実に保持するために3個以上設けてあればよく、スピンベース23の周縁部に沿って等角度間隔で配置されている。チャックピン24のそれぞれは、基板Wの周縁部を下方から支持する基板支持部と、基板支持部に支持された基板Wの外周端面を押圧して基板Wを保持する基板保持部とを備えている。各チャックピン24は、基板保持部が基板Wの外周端面を押圧する押圧状態と、基板保持部が基板Wの外周端面から離れる解放状態との間を切り替え可能に構成されている。
そして、スピンベース23に対して基板Wが受渡しされる際には、複数個のチャックピン24を解放状態とし、基板Wに対して一連の処理(エッチング処理−リンス処理−スピン乾燥処理)を行う際には、複数個のチャックピン24を押圧状態とする。押圧状態とすることによって、複数個のチャックピン24は基板Wの周縁部を把持してその基板Wをスピンベース23から所定間隔を隔て、しかも基板Wの回転中心を通る鉛直軸がスピンベース23の回転中心軸AXと一致した状態で略水平姿勢に保持することができる。これにより、基板Wはその表面(被エッチング面)Wfを上方に向け、裏面を下方に向けた状態で保持される。
スピンチャック2の上方には雰囲気遮断機構3が配置されている。雰囲気遮断機構3は、中心部に開口を有する円盤状の遮断部材31を有している。この遮断部材31は、その下面(底面)が基板Wの表面Wfと略平行に対向する基板対向面311となっており、その平面サイズは基板Wの直径と同等以上の大きさに形成されている。このため、後述するように遮断部材31をスピンチャック2に保持された基板Wの表面Wfの直上位置に位置決めすると、基板対向面311が基板Wの表面Wf全体を覆う。
遮断部材31は回転中心軸AXに沿って延設された円筒形状の外管32の下端部に略水平に取り付けられ、外管32は水平方向に延びるアーム(図示省略)によりスピンベース23の回転中心軸AX回りに回転可能に保持されている。なお、このアームには、遮断部材回転部51と遮断部材昇降部52が接続されている。
遮断部材回転部51は、制御ユニット4からの動作指令に応じて外管32を基板Wの回転中心を通る鉛直軸AX回りに回転させる。また、遮断部材回転部51は、スピンチャック2に保持された基板Wの回転に応じて基板Wと同じ回転方向でかつ略同じ回転速度で遮断部材31を回転させるように構成されている。
また、遮断部材昇降部52は、制御ユニット4からの動作指令に応じて、遮断部材31をスピンベース23に近接して対向させたり、逆に離間させることが可能となっている。具体的には、制御ユニット4は遮断部材昇降部52を作動させることで、基板処理装置1に対して基板Wを搬入出させる際には、スピンチャック2の上方の離間位置に遮断部材31を上昇させる。その一方で、基板Wに対してエッチング処理を施す際には、スピンチャック2に保持された基板Wの表面Wfのごく近傍に設定された対向位置まで遮断部材31を下降させる(図1に示す位置)。このように遮断部材31を基板Wの表面Wfに近接配置することで周辺雰囲気から遮断された処理空間SPが形成される。
外管32は中空に仕上げられ、その下方端は遮断部材31の開口に連通している。また、外管32の内部には内管33が挿通されている。この内管33は薬液やリンス液を供給する液供給管として機能する。つまり、内管33のうち基板側、つまり鉛直下方側の端部は遮断部材31の開口に連通する。一方、内管33の上方端部は、エッチング処理に適した成分の薬液を生成する薬液生成部71と開閉弁61を介して接続されるとともに、開閉弁62を介してDIW供給機構72と接続されている。そして、これら2つの開閉弁61、62のうち制御ユニット4からの開指令に応じて開閉弁61が開くと、薬液が内管33に圧送されて内管33の基板側端部に設けられるノズル開口331から基板Wの表面Wfの中央部に向かって供給される。こうして供給された薬液は基板Wの回転に伴う遠心力によって基板Wの径方向外向きに均一に広げられ薬液の液膜EFが形成される。逆に、制御ユニット4からの開指令に応じて開閉弁62が開くと、DIWが内管33に圧送されてノズル開口331から基板Wの表面Wfの中央部にリンス液として供給される。
外管32の内壁面と内管33の外壁面の隙間は、円筒状のガス供給路34を形成している。このガス供給路34は乾燥ガスや薬液蒸気を供給する気体供給管として機能する。つまり、ガス供給路34の下方端は遮断部材31の開口に連通している。また、ガス供給路34の上方端は開閉弁63を介して窒素ガス供給部73と接続されるとともに、開閉弁64を介して薬液蒸気供給部74と接続されている。窒素ガス供給部73は乾燥ガスに適した窒素ガスを生成して圧送する機能を有している。一方、薬液蒸気供給部74は薬液生成部71から送られる薬液の蒸気(以下、「薬液蒸気」という)を生成して圧送する機能を有している。例えばリン酸溶液を本発明の「薬液」として用いてエッチング処理する際には、薬液蒸気供給部74は水蒸気を薬液蒸気として生成する。なお、このように薬液の溶媒として水を用いる場合には、薬液蒸気供給部74はDIW供給機構72からDIWの供給を受けて薬液蒸気、つまり水蒸気を生成して供給するように構成してもよい。
そして、2つの開閉弁61、62のうち制御ユニット4からの開指令に応じて開閉弁63が開くと、窒素ガス供給部73から供給される窒素ガスが乾燥ガスとしてガス供給路34を介して外管32の基板側端部に設けられるノズル開口321から基板Wの回転中心の周囲に向かって供給され、上記したように遮断部材31と基板Wの表面Wfとの間に形成される処理空間SP全体に広がって行く。逆に、制御ユニット4からの開指令に応じて開閉弁64が開くと、薬液蒸気供給部74から供給される薬液蒸気がガス供給路34を介して外管32のノズル開口321から基板Wの回転中心の周囲に向かって供給され、さらに処理空間SP全体に広がって液膜EFの周囲の蒸気密度を高めて液膜EFからの薬液の気化を抑制する。
さらに、本実施形態では、遮断部材31にはヒータ35が内蔵されており、制御ユニット4からの通電を受けて遮断部材31を加熱可能となっている。このように、ヒータ35が本発明の「加熱部」の一例に相当しているが、遮断部材31を加熱する手段はこれに限定されるものではなく、例えば遮断部材31の上方位置に加熱ランプを配置し、当該加熱ランプにより遮断部材31を加熱してもよい。
スピンチャック2の回転支軸21の内部には、図1に示すように、ガス供給路211が基板Wの回転中心軸AXと一致するように設けられている。このガス供給路211の上方端は基板Wの裏面の中央部に向かって開口している。また、ガス供給路211の下方端は開閉弁65を介して窒素ガス供給部73と接続されている。このため、制御ユニット4からの開指令に応じて開閉弁65が開くと、窒素ガス供給部73から供給される窒素ガスが乾燥ガスとしてガス供給路211の上方端から基板裏面に向かって窒素ガスを供給する。
制御ユニット4は論理演算を実行する周知のCPU(Central Processing Unit)、次に説明するエッチング処理を実行するためのプログラムや初期設定等を記憶しているROM(Read Only Memory)、装置動作中の様々なデータを一時的に記憶するRAM(Random
Access Memory)等から構成されている。そして、CPUが上記プログラムにしたがって薬液蒸気供給部74を制御してノズル開口321から供給される薬液蒸気の密度(以下「薬液蒸気密度」という)を調整するとともにヒータ35を制御して遮断部材31の温度を調整する。このように、本実施形態では、制御ユニット4は、本発明の「蒸気密度調整手段」および「温度調整手段」として機能する。
次に、上記のように構成された基板処理装置1によるエッチング処理動作について説明する。図3は図1に示す基板処理装置におけるエッチング処理動作を示すフローチャートである。この基板処理装置1では、未処理の基板Wが装置内に搬入される(ステップS1)。この実施形態では、基板Wの表面Wfには、エッチング処理の対象となる被加工層が形成されており、該基板Wの表面Wfを上方に向けた状態で基板Wが装置内に搬入され、スピンチャック2に保持される。なお、基板搬入(および後で説明する基板搬出時)においては、遮断部材31を離間位置に位置決めして基板Wとの干渉を防止している。また、この段階では、開閉弁61〜65はいずれも閉成されている。
スピンチャック2に未処理の基板Wが保持されると、遮断部材昇降部52によって遮断部材31を対向位置まで降下させて基板Wの表面Wfに近接配置する(ステップS2)。これにより、基板Wの表面Wfが遮断部材31の基板対向面311に近接した状態で覆われ、基板Wと遮断部材31とで挟まれた処理空間SPが形成され、基板Wの周辺雰囲気から遮断される。これに続いて、ステップS3でチャック回転部22によるスピンチャック2の回転によって基板Wの回転を開始させる。また、当該ステップS3では、遮断部材回転部51を作動させることで、スピンチャック2に保持された基板Wの回転に応じて基板Wと同じ回転方向でかつ略同じ回転速度で遮断部材31を回転させる。
そして、上記基板Wの回転速度がエッチング処理に適した値に達すると、薬液の供給を開始してエッチング処理を実行するが、その前に処理空間SPをエッチング処理に適した加湿環境に調整する(ステップS4)。また、湿度調整と並行してヒータ35により遮断部材31を加熱して遮断部材31の温度を薬液の露点以上の温度に調整する。ここで、通電タイミングはエッチング処理内容に応じて適宜変更すればよく、遮断部材31の温度を連続的または断続的にモニターしながら当該モニター結果を制御ユニット4にフィードバックして遮断部材31の温度の安定化を図ってもよい。
こうした遮断部材31の加熱と並行し、開閉弁64を開成して薬液蒸気供給部74から供給される薬液蒸気を外管32のノズル開口321から基板Wの回転中心の周囲に向かって供給する。当該薬液蒸気は処理空間SP全体に広がって当該空間SPでの薬液の蒸気密度が高まる。このように薬液蒸気を処理空間SPに供給すると、その一部は遮断部材31と接触するが、遮断部材31の加熱を行っているので、遮断部材31と接触した薬液蒸気が接触した位置で結露するのを防止することができる。ここで、結露を確実に防止するためには、例えば遮断部材31の加熱を開始して遮断部材31の温度が薬液の露点以上となったタイミングで薬液蒸気の供給を開始してもよい。このタイミングを取得するために、遮断部材31の温度を連続的または断続的にモニターしてもよい。また、加熱時間に対する遮断部材31の昇温特性を予め計測しておき、露点以上に昇温させるための加熱時間を上記タイミングとしてもよい。
次のステップS5では、遮断部材31への薬液の結露を防止しつつ処理空間SP内の薬液の蒸気密度を調整した状態で、開閉弁61を開いてノズル開口331からの薬液の供給を開始する(ステップS5)。ノズル開口331から吐出される薬液は基板Wの表面Wfの中央部に供給される。すると、基板Wの表面Wfに供給された薬液には、基板Wの回転に伴う遠心力が作用し、基板Wの径方向外向きに均一に広げられる。これによって、基板Wの表面Wfの全面にわたって所定厚みの薬液の液膜EFが形成され、被加工層のエッチングが進行する。なお、エッチング処理を行っている間も基板Wの回転を継続させている。
こうして被加工層のエッチングが完了する(ステップS6で「YES」)と、開閉弁61、64を閉成して薬液および薬液蒸気の供給を停止するとともにヒータ35による遮断部材31の加熱を停止する(ステップS7)。それに続いて、開閉弁62を開成してDIWをリンス液として回転している基板Wの表面Wfの中央部に供給してリンス処理を行う(ステップS8)。このDIWは遠心力により径方向に広げられ、基板Wの表面Wf上の薬液およびエッチング生成物などを洗い流す。これに続いて、開閉弁62を閉成して基板Wの表面WfへのDIWの供給を停止し、基板を乾燥させる。すなわち、開閉弁63を開いて窒素ガスを乾燥ガスとして外管32のノズル開口321から処理空間SPに供給するとともに開閉弁65を開いて窒素ガスを乾燥ガスとして基板Wの裏面に供給する。また、この乾燥ガスの供給と並行して基板Wを高速度で回転させる。これにより、基板Wの表面Wfに残留するDIW(リンス液)および基板裏面に回り込んできたDIW(リンス液)を振り切り基板Wを乾燥させる(ステップS9)。こうして乾燥処理が終了すると、遮断部材昇降部52によって遮断部材31を離間位置に位置決めして基板Wとの干渉を防止する(ステップS10)。
最後に、処理済みの基板Wを搬出する(ステップS11)ことによって、1枚の基板Wに対する処理が完了する。
以上のように、本実施形態によれば、基板Wの表面Wf上に形成される薬液の液膜EFの周囲に薬液蒸気を供給している。これによって、液膜EFを構成する薬液の気化を抑制することができる。ただし、基板Wの表面Wfへの薬液供給と並行して薬液蒸気を単純に供給したのでは、供給された薬液蒸気が周辺に拡散してしまい、薬液の気化抑制効果は少なく、これを補うためには特許文献1に記載の発明と同様に大量の薬液蒸気を処理チャンバ内に供給する必要がある。これに対し、本実施形態では、遮断部材31を基板Wの表面Wfに近接配置して処理空間SPを形成し、基板Wの表面Wfに向けて供給された薬液蒸気が処理空間SP内に留まるように構成している。その結果、処理空間SP全体にわたって薬液蒸気密度を高い状態に維持し、少ない薬液蒸気量で、しかも短時間で基板Wの表面Wfに対するエッチング処理を優れた面内均一性で良好に行うことが可能となっている。その結果、高スループットおよび低ランニングコストで優れた品質のエッチング処理を行うことができる。
このような作用効果を検証するため、以下の解析条件、つまり、
(a)基板Wの直径:300[mm]、
(b)遮断部材31の直径:310[mm]、
(c)遮断部材31の温度:280[゜C]、
(d)処理空間SPの形成:有無、
(e)基板Wと遮断部材31との間隔GP(図1参照):3[mm]、
(f)薬液:リン酸溶液、
(g)ノズル開口331からの薬液の吐出流量:1[リッター/分]、
(h)薬液温度:160[゜C]、
(i)薬液蒸気密度:加湿の有無、
という9個の解析条件下において薬液蒸気を処理空間SPに供給することの効果をシミュレーションし、その結果を図4および図5にまとめた。
図4はシミュレーション結果を示すグラフであり、図5は図4の結果を部分的に拡大したグラフである。これらの図面において、横軸は回転中心軸AXからの距離[m]を示し、縦軸は基板Wの温度[゜C]を示している。ここでは、上記した解析条件のうち解析条件(d)、(i)を除くものを固定しつつ、解析条件(d)、(i)を変更して4つのパターン、
・第1パターン(図4、図5中の黒三角印)
解析条件(d):処理空間SPを形成
解析条件(i):リン酸の飽和蒸気密度の65%の水蒸気を供給して加湿
・第2パターン(図4、図5中の白三角印)
解析条件(d):処理空間SPを形成
解析条件(i):リン酸の飽和蒸気密度の40%の水蒸気を供給して加湿
・第3パターン(図4、図5中の白丸印)
解析条件(d):処理空間SPを形成
解析条件(i):加湿なし
・第4パターン(図4中の黒菱形印)
解析条件(d):処理空間SPを形成せず
解析条件(i):加湿なし
でシミュレーションを行った。
これらのシミュレーション結果から明らかなように、薬液蒸気を供給することなく、単に薬液によるエッチング処理を行う場合(第4パターン)、基板Wの温度は回転中心付近では比較的高く良好なエッチング処理が得られるものの、基板Wの周縁部に行くにしたがって基板Wの温度は低下し、周縁部では中心部より約25[゜C]も低下してエッチング処理量の不足は避けられない。ここで、遮断部材31を基板Wの表面Wfに近接配置して処理空間SPを形成する(第3パターン)と、基板Wの温度ムラを改善することができるものの、それでも温度ムラは4[゜C]もあり、必ずしも良好な結果が得られるというものではない。
これに対し、処理空間SPの形成に加えて薬液蒸気を供給する(第1パターンおよび第2パターン)と、基板Wの温度ムラを抑止することができる。例えば第2パターンと第3パターンとの比較から明らかなように、薬液の飽和蒸気密度の40%の蒸気(薬液としてリン酸溶液を用いる場合には、薬液蒸気は水蒸気である)を供給して加湿することで温度ムラを4[゜C]から2[゜C]に半減することができる。さらに、薬液蒸気密度を上昇させることで温度ムラをさらに抑制してエッチング処理の面内均一性をさらに向上させることができる。
また、上記した実施形態では、エッチング処理を行っている間、ヒータ35により遮断部材31を薬液の露点以上に昇温しているため、遮断部材31への結露を防止して結露により悪影響がエッチング処理に及ぶのを確実に防止することができる。
このように、本実施形態によれば、少ない薬液蒸気量で、しかも短時間で基板Wの表面Wfに対するエッチング処理を優れた面内均一性で良好に行うことができる。
また、上記実施形態では、図1に示すように、外管32の内部には内管33を挿通してなる同軸ノズルを用いて薬液蒸気を供給している。すなわち、外管32が内管33と同軸で内管33の外側に設けられ、内管33および外管32の基板側(鉛直下方側)の端部に設けられるノズル開口331、321からそれぞれ薬液および薬液蒸気を吐出するように構成されている。したがって、同軸ノズルを用いることは、薬液および薬液蒸気を基板Wの表面Wfに均一に供給してエッチング処理の均一性を高めることに大きく貢献している。このように、本実施形態では、内管33およびノズル開口331がそれぞれ本発明の「薬液供給部」および「第1ノズル開口」の一例に相当し、また外管32およびノズル開口321がそれぞれ本発明の「薬液蒸気供給部」および「第2ノズル開口」の一例に相当している。
さらに、上記実施形態において、スピンチャック2が本発明の「基板保持回転手段」の一例に相当している。また、雰囲気遮断機構3が本発明の「雰囲気遮断手段」の一例に相当している。また、遮断部材31が本発明の「基板対向部材」の一例に相当している。また、ステップS1、S2、S3がそれぞれ本発明の「第1工程」、「第2工程」および「第3工程」の一例に相当する。また、ステップS4ないしS7が本発明の「第4工程」の一例に相当する。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では、いわゆる同軸ノズルによって薬液および薬液蒸気を基板Wの表面Wfに供給しているが、薬液を供給する薬液蒸気供給部と、薬液蒸気を供給する薬液蒸気供給部とを分離して設け、薬液および薬液蒸気を供給するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、チャックピン24により基板Wを保持しているが、基板Wの保持方式はこれに限定されるものではなく、任意である。
この発明は、半導体ウエハ等の基板の表面にエッチング液などの薬液を供給して所定の処理を施す基板処理装置および基板処理方法に適用することができる。
1…基板処理装置
2…スピンチャック(基板保持回転手段)
3…雰囲気遮断機構(雰囲気遮断手段)
31…遮断部材(基板対向部材)
311…基板対向面
32…外管
321…(第2)ノズル開口
33…内管
331…(第1)ノズル開口
35…ヒータ(加熱部)
4…制御ユニット(蒸気密度調整手段、温度調整手段)
AX…回転中心軸
EF…液膜
SP…処理空間
W…基板
Wf…(基板の)表面

Claims (6)

  1. 基板の表面を鉛直上方に向けた状態で前記基板を略水平姿勢で保持して回転させる基板保持回転手段と、
    前記基板保持回転手段に保持された前記基板の前記表面と対向する基板対向部材を有する雰囲気遮断手段と、
    を備え、
    前記雰囲気遮断手段は、回転する前記基板の前記表面の回転中心近傍に薬液を供給する薬液供給部と、前記基板の前記表面と前記基板対向部材で挟まれた処理空間に前記薬液の蒸気を供給する薬液蒸気供給部と、前記基板対向部材を加熱する加熱部と、前記薬液供給部および前記加熱部を制御する制御ユニットとを有し、
    前記基板対向部材は前記基板の前記表面の面積と略同等以上の面積を有する基板対向面を有し、
    前記制御ユニットは、前記薬液供給部から前記基板の前記表面に薬液の供給を開始する前に、前記薬液蒸気供給部から前記処理空間への前記薬液の蒸気の供給と前記加熱部による前記基板対向部材の加熱とを行う
    ことを特徴とする基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置であって、
    前記加熱部を制御して、前記薬液蒸気供給部により前記蒸気を供給している間、前記基板対向部材の前記基板対向面の温度を前記薬液の露点以上に調整する温度調整手段を備える基板処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の基板処理装置であって、
    前記薬液供給部により前記薬液を供給している間、前記基板に供給された前記薬液の周囲における前記蒸気の密度を調整する蒸気密度調整手段を備える基板処理装置。
  4. 請求項3に記載の基板処理装置であって、
    前記蒸気密度調整手段は、前記薬液蒸気供給部から供給する前記薬液の蒸気の密度を前記薬液の飽和蒸気密度の40%以上に調整する基板処理装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の基板処理装置であって、
    前記薬液供給部は、回転する前記基板の回転中心軸に沿って延設される内管を有し、前記内管の前記基板側の端部に設けられる第1ノズル開口から前記基板の回転中心に向かって前記薬液を吐出し、
    前記薬液蒸気供給部は、前記内管と同軸で前記内管の外側に設けられる外管を有し、前記外管の前記基板側の端部に設けられる第2ノズル開口から前記基板の回転中心の周囲に向かって前記薬液の前記蒸気を吐出する基板処理装置。
  6. 基板の表面を鉛直上方に向けた状態で前記基板を略水平姿勢で保持する第1工程と、
    前記基板の前記表面に基板対向部材を対向させて前記基板の前記表面全体を上方から覆うことで、前記基板と前記基板対向部材との間に処理空間を形成する第2工程と、
    前記処理空間を形成したまま前記基板を回転させる第3工程と、
    回転する前記基板の表面の回転中心近傍に薬液を供給して前記基板の前記表面を処理する第4工程と
    を備え、
    前記第4工程は、前記処理空間に前記薬液の蒸気を供給する工程と、前記基板対向部材を加熱する工程とを有し、前記薬液の供給開始前に、前記薬液の蒸気を供給する工程と前記基板対向部材を加熱する工程を開始する
    ことを特徴とする基板処理方法。
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