JP5552653B2 - 基板の処理装置および基板の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は半導体用ウェハやガラス基板のような基板を処理する装置および基板の処理方法に関する。
従来の半導体用ウェハやガラス基板などの基板の処理装置は、ガスの供給部および排気部を有する処理チャンバと、前記処理チャンバ内に配置され、被処理基板を回転可能および上下動可能に保持する保持部材と、前記被処理基板にエッチング液を供給してエッチング処理を行うためのエッチング液供給ノズルを備えている。処理チャンバ内に被処理基板(例えばウェハ)を回転可能および上下動可能に保持し、前記被処理基板を回転させながら、常温または加温したエッチング液を供給して例えばウェハ表面の酸化膜をエッチングする。ウェハが回転する間に、供給ノズルを半径方向にスキャンさせることも可能である。この後、ウェハを同一のチャンバ内または別のチャンバに移して純水でリンス処理を行い、回転またはエアナイフなどの乾燥手段で乾燥させている。
特開2009−224514号公報 特開平07−074140号公報 特開2000−119874号公報
しかしながら、従来の処理装置、処理方法ではエッチング液によるエッチング時に被処理基板表面内で温度差が生じる。具体的には被処理基板を回転させるため、被処理基板の中心の温度が最も高く、外周縁ほど温度が下がる。その結果、エッチングが温度依存性を有するため、被処理基板の中心のエッチング量が最も大きく、外周縁ほどエッチング量が少なくなる、被処理基板面内でのエッチング量にばらつきが生じる。また、この傾向はエッチング速度を高める目的でエッチング液を加温する程、顕著になる。
本発明は、被処理基板のエッチング時において被処理基板のエッチング量の面内均一性を向上させることが可能な基板の処理装置および処理方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第1態様によると、ガスの供給部および排気部を有する処理チャンバ;
前記処理チャンバ内に配置され、被処理基板を回転可能に保持する保持部材;
前記処理チャンバに供給するガスの温度調整を行うための第1温度調整器;
前記被処理基板の表面にエッチング液を供給してエッチング処理を行うための第1エッチング液供給部材;
前記被処理基板の裏面にエッチング液を供給してエッチング処理を行うための第2エッチング液供給部材;
本発明の第2態様によると、処理チャンバ内に被処理基板を回転可能に保持する工程と、前記被処理基板を回転させながら、前記被処理基板の表裏面にエッチング液を供給してエッチング処理を行う工程とを含み、
前記エッチング処理は、前記処理チャンバ内の温度が前記エッチング液の温度より高く、かつそれらの温度差を一定にした条件で行うことを特徴とする基板の処理方法が提供される。
本発明によれば、被処理基板のエッチング時において被処理基板のエッチング量の面内均一性を向上させることが可能な基板の処理装置および処理方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る基板の処理装置を示す概略図である。 本発明の第2実施形態に係る基板の処理装置を示す概略図である。 チャンバ温度を一定にし、エッチング液の温度を変化させたときのウェハの半径方向の温度分布を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る基板の処理装置を示す概略図である。
矩形状の処理チャンバ1内の底部には、例えば円柱状ブロック2が回転可能および上下動可能に配置されている。円筒状回転軸3は、ブロック2に軸着され、図示しないモータにより回転される。吸着チャック4は、ブロック2上に設けられ、被処理基板、例えば半導体ウェハを吸着、保持する。円筒状で上部付近を内側に屈曲した内側カップ5、外側カップ6は、円柱状ブロック2を囲むように同心円状にチャンバ1底部に立設されている。なお、円柱状ブロック2と内側カップ5間の環状空間はエッチング時に回転するウェハ41表面から飛散されたエッチング液を回収する領域として機能し、この環状空間に排出されたエッチング液はチャンバ1底部に接続した回収ライン7を通して回収される。内側カップ5と外側カップ6間の環状空間は、リンス処理時に回転するウェハ41表面から飛散された純水を受け取る受液部として機能し、この環状空間に排出された純水はチャンバ1底部に接続した排液ライン8を通して排出される。
第1温度調整器9は、ガス(例えば空気)の加温に加えて加湿機能を兼ね備える。第1温度調整器9は、処理チャンバ1上部のHEPAフィルタ10に供給ライン11を通して接続され、チャンバ1内の空気の一部が返還ライン12を通して循環され、チャンバ1内の空気の加温・加湿の調整を行う。第1温度調整器9は、既存の空調機、例えば水冷式精密空調機を用いることができる。加温調整は、チャンバ1内に挿入された第1温度センサ13で空気の温度を検出し、この検出信号を図示しない制御器にフィードバックさせ、制御器で検出温度と設定温度とを比較し、その比較結果に基づいて制御信号を第1温度調整器9に出力し、第1温度調整器9のヒータ(または冷却系)による空気の温度を制御することによりなされる。加湿調整は、チャンバ1内に挿入された湿度センサ14で空気の湿度を検出し、この検出信号を図示しない制御器にフィードバックさせ、制御器で検出湿度と設定湿度とを比較し、その比較結果に基づいて制御信号を第1温度調整器9に出力し、第1温度調整器9の加湿器による空気の湿度を制御することによりなされる。
エッチング液吐出ノズル15は、処理チャンバ1内に吸着チャック4に保持されるウェハの中央上方に位置するように配置されている。吐出ノズル15は、ウェハの半径方向にスキャンさせることが可能である。エッチング液タンク16は、第1供給ライン17を通して吐出ノズル15に接続されている。エッチング液は、フッ酸系またはフッ化水素酸系のものを用いることができる。また、タンク16は第2供給ライン18および主ライン19を通して円筒状回転軸3に接続されている。第2供給ライン18にはバルブ20が介装されている。なお、タンク16近傍に位置する第1、第2の供給ライン17,18部分にはそれぞれ図示しないポンプが介装されている。第2温度調整器21は、タンク16に循環ライン22,23を通して接続され、タンク16内のエッチング液の温度調整を行う。第2温度調整器21は、例えば既存の空冷、水冷のペルチェ式循環液温調整器を用いることができる。温度調整は、タンク16内のエッチング液に挿入された第2温度センサ24でエッチング液の温度を検出し、この検出信号を図示しない制御器にフィードバックさせ、制御器で検出温度と設定温度とを比較し、その比較結果に基づいて制御信号を第2温度調整器21に出力し、第2温度調整器21のヒータ(または冷却系)によるエッチング液の温度を制御することによりなされる。
純水吐出ノズル25は、処理チャンバ1内に吸着チャック4に保持されるウェハの中央上方に位置するように配置されている。吐出ノズル25は、ウェハの半径方向にスキャンさせることが可能である。純水タンク26は、第1供給ライン27を通して吐出ノズル25に接続されている。また、タンク26は第2供給ライン28および主ライン19を通して円筒状回転軸3に接続されている。第2供給ライン28にはバルブ29が介挿されている。なお、タンク26近傍に位置する第1、第2の供給ライン27,28部分にはそれぞれ図示しないポンプが介装されている。第3温度調整器30は、タンク26に循環ライン31,32を通して接続され、タンク26内の純水の温度調整を行う。第3温度調整器30は、例えば既存の空冷、水冷のペルチェ式循環液温調整器を用いることができる。温度調整は、タンク26内の純水に挿入された第3温度センサ33で純水の温度を検出し、この検出信号を図示しない制御器にフィードバックさせ、制御器で検出温度と設定温度とを比較し、その比較結果に基づいて制御信号を第3温度調整器30に出力し、第3温度調整器30のヒータ(または冷却系)による純水の温度を制御することによりなされる。
乾燥気体(例えば乾燥窒素)の吹付けノズル34は、処理チャンバ1内に吸着チャック4に保持されるウェハの中央上方に位置すると共に、傾斜するように配置されている。乾燥気体供給ライン35は、外部からチャンバ1内に延出され、吹付けノズル34に接続されている。
次に、前述した処理装置を用いて第1実施形態に係る基板の処理方法を説明する。
まず、被処理基板、例えば半導体ウェハ41を処理チャンバ1内のブロック2の吸着チャック4に回転可能および上下動可能に保持する。加湿機能を兼ね備える第1温度調整器9を作動して加温・加湿空気を供給ライン11、HEPAフィルタ10を通してチャンバ1内に供給し、チャンバ1内の空気の一部を返還ライン12を通して第1温度調整器9に戻す。
このとき、チャンバ1内の温度を第1温度調整器9、第1温度センサ13および制御器(図示せず)により前述したように制御すると共に、エッチング液タンク16内のエッチング液を第2温度調整器21、第2温度センサ24および制御器(図示せず)により前述したように制御し、チャンバ1内の温度がエッチング液の温度より高く、かつそれらの温度差を一定になるように設定する。チャンバ1内の温度は、エッチング液の温度に依存して制御され、例えばエッチング液の温度を22〜24℃の範囲にした場合には、チャンバ1内の温度はエッチング液の温度より1.5〜8℃高い温度に設定し、かつそれらの温度差を一定になるように制御する。また、エッチング速度を高めるためにエッチング液の温度を25℃以上、好ましくは27〜35℃の範囲にした場合には、チャンバ1内の温度はこの温度より1〜15℃高い温度に設定し、かつそれらの温度差を一定になるように制御する。なお、チャンバ1内の温度とエッチング液の温度の差が小さいとウェハ面内でのエッチングの均一性を向上することが困難になる。
また、チャンバ1内の湿度は第1温度調整器9、湿度センサ14および制御器(図示せず)により前述した手法で例えば90〜100%に制御することが好ましい。
次いで、回転軸3でブロック2を回転させて吸着チャック4に保持されたウェハ41を回転すると共に、図示しないポンプを駆動し、エッチング液タンク16から前述したチャンバ1内の温度と所定の温度差に制御したエッチング液を第1供給ライン17を通して吐出ノズル15からウェハ41に向けて吐出し、ウェハ41表面の酸化膜をエッチング除去する。このとき、エッチング液吐出ノズル15をウェハ41の半径方向にスキャンさせる。回転するウェハ41表面から飛散されたエッチング液は、円柱状ブロック2と内側カップ5間の環状空間に排出され、チャンバ1底部に接続した回収ライン7を通して回収される。
このようなエッチングにおいて、チャンバ1内の温度がエッチング液の温度より高く、かつそれらの温度差を一定になるように設定することによって、ウェハ41表面で蒸発潜熱が奪われる過程で発生する温度分布(ウェハ41の中心と外周縁の間の温度差)を緩和し、ウェハ41面内でのエッチングの均一性を向上できる。
特に、加温したエッチング液を用いてエッチング速度を上げる際に、ウェハ41表面で蒸発潜熱が奪われる過程で発生する温度分布が顕著になるが、チャンバ1内の温度がエッチング液の温度より高く、かつそれらの温度差を一定になるように設定することによって、前記温度分布を効果的に緩和し、ウェハ41面内でのエッチングの均一性を向上できる。
ただし、チャンバ1内の温度を上げた場合はウェハ41表面でのエッチング液の水分蒸発(気化)も同時に速くなる。このため、チャンバ1内の加温だけでなく湿度も上げることによって、エッチング液の水分蒸発を抑制してウェハ41表面のエッチング液濃度を一定にできる。その結果、エッチング速度を向上してスループットを高めることができると同時に、ウェハ41面内でのエッチングの均一性をより向上できる。
なお、ウェハ41のエッチングにおいて純水側の第2供給ライン28のバルブ29を閉じ、エッチング液側の第2供給ライン18のバルブ20を開き、図示しないポンプを作動してエッチング液タンク16から前述したチャンバ1内の温度と所定の温度差に制御したエッチング液を第2供給ライン18および主ライン19を通して円筒状回転軸3に供給し、その先端からウェハ41裏面にエッチング液を吐出してもよい。このようなウェハ41裏面へのエッチング液の供給は、ウェハ41表面に吐出したエッチング液が裏面側に回り込むのを防止して、不必要なウェハ41裏面外周縁のエッチングを回避する。
次いで、ウェハ41表面(場合によってウェは41裏面)へのエッチング液の供給を停止する。ブロック2を上方に移動し、吸着チャック4に保持されたウェハ41をエッチング時より上方に位置させる。回転軸3およびブロック2によるウェハ41の回転を続行しながら、図示しないポンプを作動し、純水タンク26から純水を第1供給ライン27を通して純水吐出ノズル25からウェハ41に向けて吐出し、ウェハ41表面をリンス処理する。回転するウェハ41表面から飛散された純水は、ウェハ41をエッチング時より上方に位置させたために、内側カップ5と外側カップ6間の環状空間に排出され、チャンバ1底部に接続した排液ライン8を通して排出される。
このようなリンス処理において、純水タンク26内の純水を第3温度調整器30、第3温度センサ33および制御器(図示せず)により前述したように制御し、純水の温度を前記エッチング液の温度と同じかまたはそれより高く設定する。すなわち、エッチング処理に続いて行う純水によるリンス処理において、ウェハ41表面が残留するエッチング液により過渡的にエッチングされる。純水の温度がエッチング液の温度より低いと、リンス処理初期のウェハ41表面に残留するエッチング液が冷却して面内での温度の不均一化が起こり、過渡的なエッチングにばらつきが生じる。前述したように純水の温度をエッチング液の温度と同じかまたはそれより高く設定することによって、リンス処理初期のウェハ41表面に残留するエッチング液の冷却を防止して面内での温度を均一に保持し、過渡的なエッチングを均一に進行させることを可能になる。
なお、ウェハ41のリンス処理においてエッチング液側の第2供給ライン18のバルブ20を閉じ、純水側の第2供給ライン28のバルブ29を開き、図示しないポンプを作動して純水タンク26から前述したようにエッチング液の温度と同じかまたはそれより高い温度の純水を第2供給ライン28および主ライン19を通して円筒状回転軸3に供給し、その先端からウェハ41裏面に純水を吐出してもよい。このようにエッチング液の温度と同じかまたはそれより高い温度の純水をウェハ41裏面に吐出することによって、リンス処理初期のウェハ41表面に残留するエッチング液がウェハ41の裏面側からも冷却するのを防止して面内での温度を均一に保持し、過渡的なエッチングをより一層均一に進行させることを可能になる。
次いで、純水の供給を停止し、回転軸3およびブロック2によるウェハ41の回転を続行しながら、乾燥気体(例えば乾燥窒素)を乾燥気体供給ライン35を通して吹付けノズル34から回転するウェハ41に向けて吹付けウェハ41を乾燥する。
このようにウェハ41表面に乾燥気体を吹付けることによって、ウェハ41近傍での湿度を大幅に下げることができるため、乾燥速度を高めて乾燥時間を短縮できる。
以上説明した第1実施形態によれば、被処理基板のエッチングにおいて被処理基板の面内での温度分布、つまり被処理基板の中心と外周縁の間の温度ばらつき、を緩和して被処理基板の面内の均一性を向上できる。
また、エッチング液の温度を上げることによってエッチング速度を高めることができる。このとき、エッチング液の温度の上昇に伴ってチャンバ内の温度も上げる。チャンバ内温度を上げると、被処理基板表面でのエッチング液の水分蒸発(気化)も同時に速くなる。このため、チャンバ内の加温だけでなく湿度も上げることによって、エッチング液の水分蒸発を抑制して被処理基板表面のエッチング液濃度を一定にできる。その結果、エッチング速度を向上してスループットを高めることができると同時に、被処理基板面内でのエッチングの均一性をより向上できる。
さらに、エッチング液の温度を上げた場合、これに伴ってリンス時に用いる純水の温度をエッチング液の温度と同じかまたはそれより高く設定することによって、リンス処理初期の被処理基板表面に残留するエッチング液の冷却を防止して面内での温度を均一に保持し、過渡的なエッチングを均一に進行させることを可能になる。
(第2実施形態)
図2は、第2実施形態に係る基板の処理装置を示す概略図である。なお、図2において図1と同様な部材は同符号を付して説明を省略する。
第2実施形態に係る基板の処理装置は、図1に示す基板の処理装置の加湿機能を兼ね備える第1温度調整器9の代わりにヒータ36を内蔵した例えば厚さ5〜10mmの円盤状でポリテトラフルオロエチレンからなる遮蔽部材37が処理チャンバ1内に配置している。すなわち、遮蔽部材37は被処理基板であるウェハ41と同じ寸法でウェハ41と対峙し、かつウェハ41の上方に上下動可能、つまりウェハ41に対して離接可能に配置されている。遮蔽部材37に内蔵したヒータ36は、温度調整器である第2温度調整器21のヒータ(または冷却系)によるエッチング液タンク16内のエッチング液の温度と同等もしくはそれ以上の温度になるように図示しない制御器で制御される。
なお、遮蔽部材37は吐出ノズル15,25が挿通する貫通穴がそれぞれ開口され、かつ貫通穴の内面には環状絶縁材(図示せず)がそれぞれ設けられている。また、吹付けノズル34は、処理チャンバ1内に水平方向および上下方向に移動可能に配置されている。このような吹付けノズル34は、遮蔽部材37が上方に移動させて乾燥気体(例えば乾燥窒素)の吹付ける際、ウェハ41と遮蔽部材37の間に位置される。
次に、前述した処理装置を用いて第2実施形態に係る基板の処理方法を説明する。
まず、被処理基板、例えば半導体ウェハ41を処理チャンバ1内のブロック2の吸着チャック4に回転可能および上下動可能に保持する。
このとき、遮蔽部材37を下降させてウェハ41に近接させ、そのヒータ36の加熱温度を制御すると共に、エッチング液タンク16内のエッチング液を第2温度調整器21、第2温度センサ24および制御器(図示せず)により第1実施形態と同様に制御し、ヒータ36の温度がエッチング液の温度と同等になるように設定する。
次いで、回転軸3でブロック2を回転させて吸着チャック4に保持されたウェハ41を回転すると共に、図示しないポンプを駆動し、エッチング液タンク16からエッチング液を第1供給ライン17を通して吐出ノズル15からウェハ41に向けて吐出し、ウェハ41表面の酸化膜をエッチング除去する。このとき、エッチング液吐出ノズル15をウェハ41の半径方向にスキャンさせる。回転するウェハ41表面から飛散されたエッチング液は、円柱状ブロック2と内側カップ5間の環状空間に排出され、チャンバ1底部に接続した回収ライン7を通して回収される。
このようなエッチングにおいて、遮蔽部材37のヒータ36による加熱温度がエッチング液の温度と同等に設定することによって、ウェハ41表面で蒸発潜熱が奪われるのを防いで、ウェハ41内の温度分布(ウェハ41の中心と外周縁の間に温度差)の発生を回避できる。その結果、ウェハ41面内でのエッチングの均一性を向上できる。
この後、第1実施形態と同様に純水によるウェハ41のリンス処理、乾燥窒素の吹き付けによる乾燥を行う。
以上説明した第2実施形態によれば、被処理基板のエッチングにおいて被処理基板の面内での温度分布、つまり被処理基板の中心と外周縁の間の温度ばらつき、を回避して被処理基板の面内の均一性を向上できる。
なお、第1、第2の実施形態では被処理基板として半導体ウェハを用いたが、ガラス基板も用いることができる。
以下、本発明の実施例を前述した処理装置を参照して説明する。
(例1〜例3)
図1に示す処理装置において、処理チャンバ1内の回転軸3でブロック2を回転させて吸着チャック4に保持されたウェハ41にエッチング液を模擬した純水を吐出ノズル15から吐出するにあたり、以下の条件に設定したときウェハの中心から外周縁に亘っての温度分布を測定した。なお、ウェハの温度分布はウェハの半径方向に埋め込んだ温度検出チップで測定した。
ウェハ41の半径:150mm、
ウェハ41の回転速度:500rpm、
エッチング液の吐出量:1.5〜2.0L/分、
チャンバ1内の温度:24.1℃、
純水の温度:22.5℃、24.5℃および26.5℃、
1ウェハあたりの純水の吐出時間:20秒。
結果を図3に示す。図3において、例1はエッチング液の温度を22.5℃に制御したときの温度分布を示し、例2はエッチング液の温度を24.5℃に制御したときの温度分布を示し、例3はエッチング液の温度を26.5℃に制御したときの温度分布を示す。
図3から明らかなようにエッチング液の温度(22.5℃)よりチャンバ1内の温度を高く(24.1℃)設定した例1では、エッチング液の温度(24.5℃、26.5℃)よりチャンバ1内の温度を低く(24.1℃)設定した例2、例3に比べてウェハ面内の温度を均一にできることがわかる。
また、前記条件下(純水の代わりに濃度3wt%のフッ化水素アンモニウム水溶液とフッ化アンモニウム水溶液34wt%、界面活性剤0.1wt%以下、他は純水からなるエッチング液を使用)でのウェハの直径方向のエッチング量を測定した。ウェハの異なる4つの直径方向のエッチング量を測定し、エッチング開始から20秒後のエッチング量の平均値、およびウェハの直径方向のエッチング量の差を最大エッチング量で除し、100を掛けた値を4回の平均値(%)として算出し、ウェハの面内のエッチング均一性を求めた。なお、エッチング量はエッチング前後のウェハの熱酸化膜の膜厚を光干渉分光エリプソ装置にて測定して求めた。その結果を下記表1に示す。
Figure 0005552653
前記表1から明らかなようにエッチング液の温度(22.5℃)よりチャンバ1内の温度を高く(24.1℃)設定した例1では、エッチング液の温度(24.5℃、26.5℃)よりチャンバ1内の温度を低く(24.1℃)設定した例2、例3に比べてウェハ面内のウェハの面内のエッチング均一性を向上できることがわかる。
1…処理チャンバ、3…回転軸、4…吸着チャック、9…加湿機能を兼ね備えた第1温度調整器、15…エッチング液吐出ノズル、16…エッチング液タンク、21…第2温度調整器、25…純水吐出ノズル、26…純水タンク、30…第3温度調整器、34…吹付けノズル、36…ヒータ、37…遮蔽部材、41…半導体ウェハ。

Claims (13)

  1. ガスの供給部および排気部を有する処理チャンバ;
    前記処理チャンバ内に配置され、被処理基板を回転可能に保持する保持部材;
    前記処理チャンバに供給するガスの温度調整を行うための第1温度調整器;
    前記被処理基板の表面にエッチング液を供給してエッチング処理を行うための第1エッチング液供給部材;
    前記被処理基板の裏面にエッチング液を供給してエッチング処理を行うための第2エッチング液供給部材;
    前記第1、第2のエッチング液供給部材と前記処理チャンバの外部で接続されたエッチング液供給タンク;
    前記タンク内のエッチング液の温度調整を行うための第2温度調整器;および
    前記第1、第2の温度調整器によるガスの温度調整およびエッチング液の温度調整を前記処理チャンバ内の温度が前記タンク内の前記エッチング液の温度より高く、かつそれらの温度差を一定になるように制御するための制御機構;
    を具備したことを特徴とする基板の処理装置。
  2. 前記第1温度調整器は空調機であることを特徴とする請求項1記載の基板の処理装置。
  3. 前記処理チャンバ内を加湿するための加湿機構をさらに備えることを特徴とする請求項1または2記載の基板の処理装置。
  4. 前記第1温度調整器は加湿機能を兼ね備えることを特徴とする請求項3記載の基板の処理装置。
  5. 前記被処理基板の表面に純水を供給してリンス処理を行うための第1純水供給部材と、前記第1純水供給部材と前記処理チャンバの外部で接続された純水供給タンクと、前記タンク内の純水の温度を前記エッチング液温度と同じかまたはそれより高く調整するための第3温度調整器とをさらに備えることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載の基板の処理装置。
  6. 前記被処理基板の裏面に純水を供給してリンス処理を行うための第2純水供給部材をさらに備え、前記第2純水供給部材は前記純水供給タンクと前記処理チャンバの外部で接続されることを特徴とする請求項5記載の基板の処理装置。
  7. 前記被処理基板に乾燥気体を吹き付けるための乾燥気体吹き付け部材をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし6いずれか1項記載の基板の処理装置。
  8. 処理チャンバ内に被処理基板を回転可能に保持する工程と、前記被処理基板を回転させながら、前記被処理基板の表裏面にエッチング液を供給してエッチング処理を行う工程とを含み、
    前記エッチング処理は、前記処理チャンバ内の温度が前記エッチング液の温度より高く、かつそれらの温度差を一定にした条件で行うことを特徴とする基板の処理方法。
  9. 前記エッチング処理は前記エッチング液を加温して行うことを特徴とする請求項8記載の基板の処理方法。
  10. 前記エッチング処理は前記処理チャンバ内を加湿して行うことを特徴とする請求項8または9記載の基板の処理方法。
  11. 前記エッチング処理後に前記被処理基板の表面に前記エッチング液の温度と同じかまたはそれより高い温度の純水を供給してリンス処理を行う工程をさらに含むことを特徴とする請求項8ないし10いずれか1項記載の基板の処理方法。
  12. 前記エッチング処理後に前記被処理基板の裏面に前記エッチング液の温度と同じかまたはそれより高い温度の純水を供給してリンス処理を行う工程をさらに含むことを特徴とする請求項11記載の基板の処理方法。
  13. 前記リンス処理後に前記被処理基板に乾燥気体を吹き付ける工程をさらに含むことを特徴とする請求項11または12記載の基板の処理方法。
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