JP5996329B2 - 基板処理装置、および基板処理方法 - Google Patents

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本発明は、基板を回転させつつ、その基板に処理液を供給してエッチング処理などの化学処理を行う基板処理装置および基板処理方法に関する。処理の対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、太陽電池用基板などの基板が含まれる。
半導体ウエハ等の基板の一連の処理工程においては、基板の表面(「上面」)に金属やフォトレジスト等の薄膜を形成するための成膜工程を複数工程有しているが、この成膜工程では基板の裏面(「下面」)あるいは基板表面の周縁部にも成膜されることがある。しかしながら、一般的には基板において成膜が必要なのは基板表面の中央部の回路形成領域のみであり、基板の裏面あるいは基板表面の周縁部に成膜されてしまうと、成膜工程の後工程において、他の装置との接触により基板表面の周縁部に形成された薄膜が剥がれたりすることがあり、これが原因となって歩留まりの低下や基板処理装置自体のトラブルが起こることがある。
そこで、略水平状態に保持した基板を回転させながら基板の周縁部に予め温度調整された処理液を供給して基板表面の周縁部に形成された薄膜を除去する、いわゆるベベルエッチング処理を行う装置が提案されている。
例えば、特許文献1に記載された装置は、略水平状態に保持した基板を回転させながら、基板の下面のうち中央部分に対向する形状のノズルから基板下面にエッチング液を供給し、遠心力の作用により周縁部に広がったエッチング液を基板の上面の周縁部に回り込ませることで基板上面のうち周縁部のエッチング処理を行う。
また、特許文献2に記載された装置は、基板の上方に基板表面と対向する遮断部材を有し、基板を略水平面内にて回転させながら遮断部材の周縁部に配置されたノズルから、基板上面の周縁部に向けて処理液を供給して基板上面のうち周縁部のエッチング処理を行う。
この種の技術においては、基板上のできるだけ広い面積をデバイスとして有効に活用するために、基板上面の周縁部(「端部」)におけるエッチング幅をできるだけ小さく、かつ均一にすることが求められる。特に半導体デバイス製造の技術分野においては、半導体ウエハの大口径化に伴って増加するウエハ周縁部のロスを抑えるため、従来2〜3mmであったエッチング幅を、例えば、1mm以下にまで減少させることが望まれる。
特開2004−6672号公報 特開2008−47629号公報
特許文献1の装置によりエッチング幅を小さくするための手法としては、基板上面への処理液の回り込み量を少なくするために処理液の供給量を少なくし基板の回転速度を高めることが考えられる。この手法によれば、平均的なエッチング幅を小さくすることはできるものの、周縁部への処理液の回り込み量の制御が困難となって局所的に大きくエッチングされる部分が出現するなど、エッチング幅の均一性が悪化する。また、周縁部と、周縁部における処理液との温度が低下してエッチングレートが低下するといった問題もある。
特許文献2の装置によりエッチング幅を小さくするためには、周縁部に供給する処理液の供給量を少なくする必要がある。しかしながら、処理液の液量の減少と、該減少による配管中での処理液の温度の低下とによって、基板の周縁部におけるエッチングレートが低下するといった問題がある。
そしてこれらは、エッチング液を用いたエッチング処理に限らず、温度が高いほど反応速度が速くなる処理液を用いて基板の化学処理を行う処理一般に生じる問題である。
本発明は、こうした問題を解決するためになされたもので、略水平状態に保持した基板を回転させながら、基板の周縁部に温度が高いほど反応速度が速くなる処理液を供給して基板の周縁部の化学処理(エッチング処理など)を行う装置において、化学処理幅(エッチング幅など)の均一性と処理効率(エッチングレートなど)とのそれぞれの悪化を抑制しつつ化学処理幅を細くできる技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、第1の態様に係る基板処理装置は、温度が高いほど反応速度が速くなる処理液を用いて基板の化学処理を行う基板処理装置であって、基板を略水平姿勢にて保持する基板保持部と、前記基板保持に保持された前記基板を略水平面内にて回転させる回転部と、前記基板の周縁部の回転軌跡における異なる複数の位置にそれぞれ対向するように配置されて、前記複数の位置において前記周縁部をそれぞれ加熱する複数の加熱部と、前記複数の加熱部によって加熱された前記周縁部に上方から処理液を供給して前記周縁部の化学処理を行う周縁処理部とを備え、前記複数の加熱部のそれぞれは、前記複数の位置のうち対向する位置に規定される目標領域に当たるように、加熱された流体を供給し、前記加熱された流体は、前記基板の前記周縁部に存在する物質に対して化学反応性を持たない素材の流体であり、前記目標領域のうち一部は前記周縁部の前記回転軌跡と重なるとともに、他の部分は前記基板の外側にはみ出している。
の態様に係る基板処理装置は、第1の態様に係る基板処理装置であって、前記複数の加熱部のそれぞれは、前記加熱された流体としての加熱用の水蒸気を前記目標領域に噴射して前記周縁部を加熱する。
の態様に係る基板処理装置は、第の態様に係る基板処理装置であって、前記水蒸気が、過熱水蒸気である。
の態様に係る基板処理装置は、第または第の態様に係る基板処理装置であって、前記複数の加熱部は、前記基板の内側から外側に向かう斜め下向き方向の噴射経路に沿って前記水蒸気を前記周縁部にそれぞれ噴射する。
の態様に係る基板処理装置は、第から第の何れか1つの態様に係る基板処理装置であって、前記基板の上面のうち前記基板の前記周縁部の回転軌跡で囲まれた範囲内に規定された所定の噴射目標領域に向けて前記基板の上方から気体を噴射することにより、前記噴射目標領域から前記基板の前記周縁部に向かって流れる気体流を基板上に生成させる気体噴射部をさらに備える。
第6の態様に係る基板処理装置は、第1の態様に係る基板処理装置であって、前記複数の加熱部に対応して設けられた複数の気体噴射部と、前記複数の加熱部と前記複数の気体噴射部とのうち互いに対応する加熱部と気体噴射部とを一体的に位置調整可能にそれぞれ保持する複数の保持部と、をさらに備え、前記複数の気体噴射部のそれぞれは、前記基板の上面のうち前記基板の前記周縁部の回転軌跡で囲まれた範囲における前記周縁部側の部分にそれぞれ規定された複数の噴射目標領域のうち対向する噴射目標領域に当たるように前記対向する噴射目標領域の上方から気体を噴射することにより、前記対向する噴射目標領域から前記基板の前記周縁部に向かって流れる気体流を基板上に生成させ、前記互いに対応する加熱部と気体噴射部とについて、前記対向する噴射目標領域が前記目標領域よりも前記基板の中心側に位置する。
第7の態様に係る基板処理装置は、第6の態様に係る基板処理装置であって、前記複数の気体噴射部のそれぞれは、前記基板の内側から外側に向かう斜め下向き方向の噴射経路に沿って前記気体を噴射する。
第8の態様に係る基板処理装置は、第6または第7の態様に係る基板処理装置であって、前記複数の気体噴射部のそれぞれは、基板の周方向に沿って細長い円弧状の開口から前記気体を噴射する。
の態様に係る基板処理方法は、温度が高いほど反応速度が速くなる処理液を用いて基板の化学処理を行う基板処理方法であって、基板を略水平姿勢にて保持して略水平面内にて回転させる回転ステップと、前記回転ステップと並行して、前記基板の周縁部の回転軌跡における異なる複数の位置において前記周縁部をそれぞれ加熱する加熱ステップと、
前記加熱ステップにおいて加熱された前記周縁部に上方から処理液を供給して前記周縁部の化学処理を行う周縁処理ステップとを備え、前記加熱ステップは、前記複数の位置にそれぞれ規定される各目標領域に当たるように、加熱された流体を供給するステップであり、前記加熱された流体は、前記基板の前記周縁部に存在する物質に対して化学反応性を持たない素材の流体であり、前記各目標領域のうち一部は前記周縁部の前記回転軌跡と重なるとともに、他の部分は前記基板の外側にはみ出している。
本発明によれば、基板の周縁部の回転軌跡における異なる複数の位置において周縁部がそれぞれ加熱されて、周縁部に上方から処理液が供給されるので、周縁部における径方向の加熱幅が細い場合でも周縁部の温度低下が抑制される。そして、処理液の液量が少ないとしても、基板上面の周縁部のうち加熱部により加熱された細幅の領域における処理液の反応速度の低下を抑制して処理液の反応性を上げることができる。従って、化学処理幅の均一性と処理効率とのそれぞれの悪化を抑制しつつ化学処理幅を細くできる。
実施形態に係る基板処理装置の概略構成の一例を模式的に示す図である。 基板の表面に対するノズルユニットの配置を模式的に示す上面図である。 ノズルユニットの構成の一例を示す側面図である。 ノズルユニットの構成の一例を示す側面図である。 ノズルユニットの構成の一例を示す側面図である。 水蒸気の噴射目標領域と基板の周縁部との位置関係の一例を示す図である。 比較技術を示す図である。 加熱部の有無による基板上の温度分布の違いをグラフで例示する図である。 加熱部の有無による基板上のエッチング幅の違い一例を示す図である。 基板の断面図の一例を示す図である。 図10の基板のエッチング処理後の断面図の一例を示す図である。 比較技術を示す図である。 実施形態における基板処理の流れの一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図面では同様な構成および機能を有する部分に同じ符号が付され、下記説明では重複説明が省略される。また、各図面は模式的に示されたものであり、例えば、各図面における表示物のサイズおよび位置関係等は必ずしも正確に図示されたものではない。
<実施形態について>
<1.基板処理装置の構成>
図1は実施形態に係る基板処理装置100の概略構成の一例を模式的に示す図である。この基板処理装置100は、温度が高いほど反応速度が速くなる処理液を用いて基板の化学処理を行う。具体的には、基板処理装置100は、化学処理用の処理液としてエッチング液を用いて半導体ウエハ等の基板Wの表面(「上面」とも称する)S1のうち基板の周縁部(「表面周縁部」とも称する)S3のエッチング処理を行って、表面周縁部S3に形成されている薄膜(不要物)の除去を行う。表面周縁部S3は、基板Wの表面S1のうち基板Wの周端縁から、例えば、幅0.5〜3.0mmの環状の領域である。なお、表面S1と反対側の裏面S2は、「下面」とも称される。基板Wの表面形状は略円形であり、基板Wの表面S1とはデバイスパターンが形成されるデバイス形成面を意味している。
なお、エッチング処理に用いられるエッチング液に限らず、化学的な処理液の多くは、温度が上昇するに伴って反応速度が速くなるという一般的なアレニウスの式に従う。つまり、多くの処理液が、「温度が高いほど反応速度が速くなる処理液」に属する。
図10は、基板Wの断面図の一例を示す図である。図10に示されるように基板Wの中心層11は、シリコン(Si)により構成されている。中心層11の上に熱酸化膜(Th−SiO)、もしくはHf(ハフニューム)または酸化Hfなどの電気を通さない絶縁膜が、下膜12として成膜されている。そして、下膜12の上に、TiN膜またはTaN膜などのバリアメタル膜、もしくはAl膜、W膜、NiSi膜、またはCu膜などのメタル膜が、上膜13として成膜されている。基板Wにおいては、表面周縁部S3のうち周端縁側の領域(処理領域)における上膜13がエッチング処理により除去される。基板Wとして、例えば、中心層11の上に下膜12のみが成膜された基板が採用され、表面周縁部の処理領域における下膜12が除去されてもよい。
図1に示されるように、基板処理装置100は、表面S1を上方に向けた状態で基板Wを略水平姿勢に保持して回転させるスピンチャック(「基板保持部」)111を備えている。スピンチャック111は、円筒状の回転支軸113がモータを含むチャック回転機構(「回転部」)154の回転軸に連結されており、チャック回転機構154の駆動により回転軸a1(鉛直軸)回りに、すなわち略水平面内にて回転可能となっている。
回転支軸113の上端部には、円盤状のスピンベース115がネジなどの締結部品によって一体的に連結されている。したがって、装置全体を制御する制御部151からの動作指令に応じてチャック回転機構154が作動することによりスピンベース115が回転軸a1回りに回転する。また、制御部151はチャック回転機構154を制御して回転速度を調整する。制御部151は、例えば、CPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することなどにより実現される。
スピンベース115の周縁部付近には、基板Wの周縁部を把持するための複数個のチャックピン117が立設されている。チャックピン117は、円形の基板Wを確実に保持するために3個以上設けてあればよく、スピンベース115の周縁部に沿って等角度間隔で配置されている。チャックピン117のそれぞれは、基板Wの周縁部を下方から支持する基板支持部と、基板支持部に支持された基板Wの外周端面を押圧して基板Wを保持する基板保持部とを備えている。各チャックピン117は、基板保持部が基板Wの外周端面を押圧する押圧状態と、基板保持部が基板Wの外周端面から離れる解放状態との間を切り替え可能に構成されている。
スピンベース115に対して基板Wが受渡しされる際には、複数個のチャックピン117を解放状態とし、基板Wに対してエッチング処理を行う際には、複数個のチャックピン117を押圧状態とする。押圧状態とすることによって、複数個のチャックピン117は基板Wの周縁部を把持してその基板Wをスピンベース115から所定間隔を隔てて略水平姿勢に保持することができる。これにより、基板Wはその表面(パターン形成面)S1を上方に向け、裏面S2を下方に向けた状態で支持される。なお、基板を保持する手段としてはチャックピンによるものに限らず、裏面S2を吸引して基板Wを支持する真空チャックを用いてもよい。
このように基板Wを保持したスピンチャック111をチャック回転機構154により回転駆動することで基板Wを所定の回転速度で回転させながら、後述する処理液供給ノズル126から基板の表面S1の表面周縁部S3に対し処理液が供給されて、所定の化学処理(エッチング処理)が施される。
図2は、基板Wの表面S1に対するノズルユニット120(160)の配置を模式的に示す上面図である。図示の都合上、ノズルユニット120(160)のサイズは、基板Wに対して実際よりも大きく表示されている。図3、図4は、ノズルユニット120の構成の一例を示す側面図である。図5は、ノズルユニット160の構成の一例を示す側面図である。
図1、図2に示されるように、スピンチャック111に保持された基板Wの側方には、モータを備えたノズル回転機構155、156が設けられており、ノズル回転機構155、156の動作は、制御部151により制御される。ノズル回転機構155(156)には、剛性のある管状の配管アーム180(190)がノズル回転機構155(156)を回転中心として略水平面内にて旋回可能に取付けられている。
配管アーム180(190)の一端は、ノズル回転機構155(156)を貫通してその下面に達しており、他端は、配管アーム180(190)がノズル回転機構155(156)により旋回されることによって基板Wの表面周縁部S3の上方に位置決め可能である。該他端には、ノズルユニット120(160)が取付けられている。スピンベース115に対する基板Wの受渡しなどの際には、配管アーム180(190)が旋回されてノズルユニット120(160)が基板Wの搬入経路上から退避される。また、エッチング処理やリンス処理などを行う際のノズルユニット120(160)の位置(処理位置)がサーボ制御により正確に調整されることにより、加熱される表面周縁部S3の幅や、エッチング幅などが調整される。
図2〜図4に示されるように、ノズルユニット120は、水蒸気噴射ノズル125を有する加熱部121と、処理液供給ノズル126およびリンス液供給ノズル127を有する処理液吐出部(「周縁処理部」)122と、窒素ガス噴射ノズル128を有する窒素ガス噴出部124とを備えて構成されている。水蒸気噴射ノズル125、処理液供給ノズル126、リンス液供給ノズル127および窒素ガス噴射ノズル128には、配管181〜184がそれぞれ接続されている。配管181〜184は、それぞれ、ノズルユニット120の内部を経て、配管アーム180の内部を通され、ノズル回転機構155の下面の下方まで配設されている。
また、図5に示されるように、ノズルユニット160は、水蒸気噴射ノズル165を有する加熱部161と、窒素ガス噴射ノズル168を有する窒素ガス噴出部164とを備えて構成されている。水蒸気噴射ノズル165および窒素ガス噴射ノズル168には、配管191、194がそれぞれ接続されている。配管191、194は、それぞれ、ノズルユニット160の内部を経て、配管アーム190の内部を通され、ノズル回転機構156の下面の下方まで配設されている。図2〜図5に示されるように、加熱部121および161は、基板Wの周縁部の回転軌跡における互いに異なる2つの位置に対してそれぞれ対向するように配置されている。
図1に示されるように、基板処理装置100の外部の水蒸気供給源131は、配管385と連通接続されている。配管385のうち基板処理装置100における配管の途中部には、ヒーター139と開閉バルブ175とが設けられている。なお、配管385は、開閉バルブ175よりも下流側(スピンチャック111側)で2つに分岐している。分岐した配管385の一方は、配管181(図3)と連通接続され、他方は、配管191(図5)と連通接続されている。
ヒーター139は、制御部151の制御に応じて配管385内を通過する水蒸気を加熱する。水蒸気供給源131においては、純水などが加熱されることにより基板Wの周縁部を加熱するための水蒸気が生成される。生成された加熱用の水蒸気は、ヒーター139によって、例えば、100℃よりも高温の過熱水蒸気として供給される。
水蒸気供給源131からは、例えば、110℃の過熱水蒸気がヒーター139に供給され、ヒーター139により加熱された直後の過熱水蒸気の温度は、好ましくは、例えば、140℃〜160℃などに設定される。表面周縁部S3に供給される水蒸気は、ノズルユニット120(160)に供給される経路中で冷却され、さらに表面周縁部S3の加熱時にも表面周縁部S3に熱を奪われて冷却される。しかしながら、このような高温の過熱水蒸気は、水蒸気噴射ノズル125(165)から噴射されて表面周縁部S3の加熱に供された後においてもなお高温に保たれ得る。そして、表面周縁部S3における加熱用の水蒸気51(図3、図5)のミスト化が抑制される。従って、水蒸気51が凝縮したミストによる基板Wの非処理領域への付着が抑制される。
また、該高温の過熱水蒸気が用いられれば、例えば、100℃までの温度の飽和水蒸気が加熱部121(161)に供給される場合に比べて基板Wの表面周縁部S3をより高温にすることができ、エッチングレートをより上げることができる。なお、図3(図5)に示されるように、加熱用の水蒸気51は、基板Wの内側から外側に向かう斜め下向き方向の噴射経路に沿って水蒸気噴射ノズル125(165)から表面周縁部S3に噴射される。これによっても、水蒸気51が凝縮したミストが基板W側に戻ることによる表面S1の非処理領域へのミストの付着が抑制される。
開閉バルブ175は、制御部151により制御されたバルブ制御機構152によって開閉制御される。バルブ制御機構152が、必要に応じて開閉バルブ175を開くことにより、加熱部121(161)に水蒸気供給源131から供給された加熱用の水蒸気51が、加熱部121(161)の水蒸気噴射ノズル125(165)から表面周縁部S3に噴射される。そして、表面周縁部S3が加熱される。
上述したように、本実施形態に係る基板処理装置100は、基板Wの周縁部の回転軌跡における互いに異なる2つの位置に対してそれぞれ対向するように配置された2つの加熱部121、161を備えており、これらの加熱部から基板Wの表面周縁部S3に加熱用の水蒸気を噴射して表面周縁部S3を加熱する。なお、基板処理装置100が、これらの加熱部と同様の加熱部を3以上備えることによって表面周縁部S3を加熱しても良い。すなわち、基板処理装置100は、基板Wの周縁部の回転軌跡における異なる複数の位置にそれぞれ対向するように配置されて、当該複数の位置において基板Wの周縁部をそれぞれ加熱する複数の加熱部を備える。
ここで、加熱用の水蒸気、すなわち加熱用の流体としては、基板の周縁部に存在する物質に対して化学反応性を持たない素材の流体であれば、水蒸気以外の流体が採用されても良い。また、基板処理装置100の加熱部が、レーザ光や、ハロゲンランプなどのランプから照射される光を表面周縁部S3に照射して、表面周縁部S3を加熱してもよい。すなわち、基板Wの周縁部に対して加熱された流体を供給して当該周縁部を加熱する熱流体供給部、および基板Wの周縁部に対して光を照射して当該周縁部を加熱する光照射部のうち少なくとも一方を含むことによって、基板処理装置100の複数の加熱部が実現されても良い。
図6は、加熱部121、161からそれぞれ噴射される水蒸気の噴射目標領域71a、71bと基板の表面周縁部S3との位置関係の一例を示す図である。図6に示されるように、加熱部121、161からそれぞれ噴射される加熱用の水蒸気は、表面周縁部S3に掠って当たるように噴射されて、空間的にその一部が表面周縁部S3に当てられる。幅31は、加熱用の水蒸気が表面周縁部S3に当たる基板の径方向の幅である。加熱された流体に代えて、加熱用の光が加熱部から照射される場合にも、同様に、空間的にその一部が基板Wの表面周縁部S3に当てられる。
換言すれば、基板処理装置100の加熱部121、161は、加熱用の水蒸気などの熱媒体を噴射し熱媒体の流束の断面の一部を基板Wの周縁部に当てることによって周縁部を加熱する熱流体供給部、および光を照射して当該光の光線束の断面の一部を基板Wの周縁部に当てることによって周縁部をそれぞれ加熱する光照射部のうち少なくとも一方を含んで実現される。
例えば、図7に示される噴射目標領域72a、72bのように、噴射された加熱用の流体等の全てが、表面周縁部S3に当てられる場合には、加熱用の流体等が表面周縁部S3に当たる基板の径方向の幅32は、図6に示される幅31のように、加熱用の流体等の一部が表面周縁部S3に当てられる場合の幅に比べて広くなってしまいエッチング幅も広くなる。
対して、基板処理装置100によれば、複数の加熱部からそれぞれ噴射される加熱された流体(照射される光)は、空間的にその一部が基板Wの表面周縁部S3に当てられる。これにより、表面周縁部S3を効率よく加熱しつつ、表面周縁部S3の加熱幅をより狭くすることができる。温度が高いほど反応速度が速くなるエッチング液(処理液)が用いられる場合には、表面周縁部S3の加熱幅を狭くすることによってエッチング幅(化学処理幅)を狭くすることが出来る。そして、表面周縁部S3に加熱用の水蒸気が噴射される場合には、エッチング幅を、例えば、0.5mm〜1mm程度にまで減少させることができる。
なお、ハロゲンランプから照射される光と比較すると加熱用の水蒸気の持つ熱量の方が大きいため、加熱部121、161から加熱用の水蒸気が噴射される場合には、ハロゲンランプなどから照射される光によって表面周縁部S3が加熱される場合に比べて効率良く表面周縁部S3を加熱することが出来る。また、光が用いられる場合と異なり、加熱部にガラスが不要となる。このため、処理液として、例えば、HF液が用いられる場合でも長期間の連続使用が可能となる。
また、図1に示されるように、基板処理装置100には、貯留されたエッチング液(処理液)を供給する処理液供給源132と、貯留されたリンス液を供給するリンス液供給源133も設けられている。エッチング液としては、例えば、SC1(ammonia-hydrogen peroxide mixture:アンモニア過酸化水素水)、SC2(hydrochloric acid/hydrogen peroxide mixture:塩酸過酸化水素水)、またはHF(フッ酸)などが採用される。なお、他の製造装置内部や搬送系におけるウエハとの接触部分、あるいはウエハを保持するFOUP/FOSBの内側などに、MoやCoなどのメタル成分が付着すると、汚染原因となる。このため、付着したメタル成分を除去することを目的として、例えば、SC2が、ウエハのベベル部や裏面の洗浄に用いられる。このように、処理液供給源132に貯留される処理液が、エッチング以外の目的のためにウエハに供給される場合もある。
リンス液供給源133が供給するリンス液としては、純水(DIW:脱イオン水)などが採用される。リンス液として機能水や温水が採用されてもよい。
処理液吐出部122の処理液供給ノズル126と接続された配管182は、処理液供給源132から配設された配管383と連通接続されており、配管383の途中部には開閉バルブ173が設けられている。処理液吐出部122のリンス液供給ノズル127と接続された配管183は、リンス液供給源133から配設された配管384と連通接続されている。配管384の途中部には、開閉バルブ174が設けられている。
開閉バルブ173、174は、制御部151により制御されたバルブ制御機構152によって開閉制御されており、バルブ制御機構152が、必要に応じて開閉バルブ173と開閉バルブ174とを選択的に開く。
開閉バルブ173が開かれれば、処理液供給源132から供給された処理液52(図3)が、処理液吐出部122の処理液供給ノズル126から吐出されて表面周縁部S3に供給される。すなわち、処理液吐出部122は、複数の加熱部によって加熱された基板Wの周縁部に上方から処理液52を供給して周縁部の化学処理(エッチング処理)を行う。表面周縁部S3に供給される処理液の流量は、例えば、毎分10ml〜100ml程度の少流量に設定される。
また、開閉バルブ174が開かれればリンス液供給源133から供給されたリンス液53(図4)が、処理液吐出部122のリンス液供給ノズル127から吐出されて表面周縁部S3に供給される。これにより、基板Wの周縁部のリンス処理が行われる。
図8は、基板Wの表面周縁部S3を加熱する加熱部121(161)の有無による基板W上の温度分布の違いをグラフで例示する図である。グラフ81は、比較のために基板Wの裏面S2側に設けられた図示省略の円盤状ノズルから、所定の回転速度で回転している基板Wの裏面S2に向けて処理液が吐出された場合の基板Wの表面S1上の温度分布の一例を示している。裏面S2に吐出される処理液は、予め、例えば、90℃などに温度調整されており、遠心力の作用によって基板Wの周縁部にまで供給される。グラフ82は、グラフ81と同様に裏面S2に処理液が供給され、さらに加熱部121(161)により表面周縁部S3の加熱が行われた場合の基板Wの表面S1上の温度分布の一例を示している。
図8の各グラフに示されるように、基板Wの中心部から離れるにつれて基板Wの回転によって処理液の温度が低下し、表面S1上の温度も低下するが、加熱部121(161)による表面周縁部S3の加熱も行われた場合には、グラフ82に示されるように、表面周縁部S3部分の温度を高くすることが出来る。水蒸気は、空間的にその一部が表面周縁部S3の周端縁に当たるように噴射されるため、グラフ82に示されるように、表面周縁部S3のうち周端縁から、例えば、幅1mm以下の細幅の領域を、基板Wの表面S1の他の領域に比べて高温にすることが出来る。
図9は、基板の表面周縁部S3を加熱する加熱部121(161)および表面周縁部S3に処理液を供給する処理液吐出部122の動作の有無による図10に例示された基板Wの表面S1上のエッチング幅の違いを示す図である。図示の都合上、各エッチング幅は実際よりも大きく記載されている。
略円形の境界41は、加熱部121(161)による表面周縁部S3の加熱が行われつつ、処理液供給ノズル126から表面周縁部S3に処理液が供給された場合において、エッチングされた領域と、回転軸a1側のエッチングされなかった非処理領域との境界の一例を示している。また、図11は、この場合のエッチング処理後の基板Wの断面図の一例を示す図である。なお、基板Wの裏面S2には、処理液は供給されていない。幅21(図9、図11)は、境界41上の一つの点におけるエッチング幅を示している。エッチング幅21は、例えば、0.5〜1.0mm程度になり、そのばらつきは、例えば、エッチング幅21の平均値の1/10以下程度に抑えられる。
境界42は、比較のために基板Wの裏面S2側に設けられた図示省略の円盤状ノズルから、回転している基板Wの裏面S2に吐出された処理液によって表面周縁部S3のエッチング処理が行われた場合の基板Wの表面S1におけるエッチングされた領域と、非処理領域との境界の一例を示している。図12は、この場合のエッチング処理後の基板Wの断面図の一例を示す図である。表面周縁部S3は、裏面S2に吐出された処理液に遠心力が作用することで、処理液が基板Wの周縁部に広がり、さらに表面周縁部S3にまで回り込むことによってエッチングされている。加熱部121(161)による表面周縁部S3の加熱と、処理液吐出部122による表面周縁部S3への処理液の供給とは行われていない。
幅22は、境界42上の一つの点におけるエッチング幅を示している。遠心力の作用によって処理液が表面周縁部S3に回り込む量の制御が困難であるために、境界42の形状は、略円形の境界41に比べて大きく波打っており、エッチング幅22は、例えば、2〜3mm程度であり、エッチング幅21に比べて大きくなる。また、エッチング幅22のばらつきも、エッチング幅21のばらつきに比べて大きくなる。
図9、図11、および図12に示されるように、加熱部121(161)による加熱と、処理液吐出部122による処理液の供給とが行われた場合には、裏面S2側からの処理液の回り込みによるエッチング処理が行われる場合に比べて、表面周縁部S3におけるエッチング幅は小さく、また、エッチング幅のばらつきも小さくなる。
上述したように、基板処理装置100では、基板Wの周縁部の回転軌跡における異なる複数の位置において周縁部がそれぞれ加熱されて、周縁部に上方から処理液が供給されるので、周縁部における基板Wの径方向の加熱幅が細い場合でも周縁部の温度低下が抑制される。このため、周縁部に供給される処理液の液量が少ないとしても、基板上面の周縁部のうち加熱部により加熱された細幅の領域における処理液の反応速度の低下を抑制して処理液の反応性を上げることができる。従って、化学処理幅の均一性と処理効率とのそれぞれの悪化を抑制しつつ化学処理幅を細くできる。
なお、図2に示されるように、基板Wの表面周縁部S3の回転軌跡の所定の位置(第1位置)において加熱部121からの水蒸気51(図)が表面周縁部S3に噴射される。そして、当該回転軌跡に沿って当該所定の位置の後方に位置する他の所定の位置(第2位置)において処理液吐出部122からの処理液52が表面周縁部S3に供給される。従って、加熱部121によって加熱された表面周縁部S3の部位には、加熱された直後に、処理液吐出部122から処理液52が供給される。そして、当該部位のエッチング処理が行われる。このように、加熱部121によって加熱された表面周縁部S3の温度降下が抑制されつつ表面周縁部S3のエッチング処理が行われるので、エッチングレートが向上する。
なお、複数の加熱部121、161が第1位置の近傍において互いに近接していれば、図2に示されるように複数の加熱部が離間している場合に比べて、第2位置において処理液吐出部122から処理液が供給される部位の温度をさらに効率よく上げることが出来きる。従って、複数の加熱部121、161が第1位置の近傍において互いに近接するとしても本発明の有用性を損なうものではない。
また、図1に示されるように、基板処理装置100の外部には窒素ガス供給源134が設けられている。そして、図3〜図5に示されるように、基板処理装置100の窒素ガス噴出部124(164)(「気体噴射部」)に接続された配管184(194)には、窒素ガス供給源134から配管381を介して窒素ガスが供給される。基板処理装置100における配管381の途中部にはバルブ制御機構152により開閉制御される開閉バルブ171が設けられている。配管381は、開閉バルブ175よりも下流側(スピンチャック111側)で2つに分岐している。分岐した配管381のうち一方は、配管184と連通接続され、他方は、配管194と連通接続されている。
制御部151がバルブ制御機構152を介して開閉バルブ171を開くことにより、窒素ガス供給源134から窒素ガス噴出部124(164)に窒素ガスが供給される。窒素ガス噴出部124(164)は、例えば、基板Wの周方向に沿って細長い円弧状の断面形状を有して構成される。窒素ガス噴射ノズル128(168)は、窒素ガス噴出部124(164)の下面において基板Wの周方向に細長い円弧状の開口を有する噴射ノズル、若しくは、窒素ガス噴出部124(164)の下面において所定の間隔で設けられた円筒状の複数の噴射ノズルなどによって構成される。窒素ガス噴出部124(164)に供給された窒素ガスは、窒素ガス噴射ノズル128(168)から窒素ガスG1(パージ用ガス)として回転している基板Wの表面S1に噴出される。
より詳細には、窒素ガスG1は、基板Wの表面S1のうち表面周縁部S3の回転軌跡で囲まれた範囲内に規定された所定の噴射目標領域に向けて基板Wの上方の窒素ガス噴射ノズル128(168)から噴射される。そして、表面S1に噴射された窒素ガスG1は、噴射目標領域から基板Wの表面周縁部S3に向かって流れる気体流となる。窒素ガスG1による当該気体流によって、加熱部121(161)から表面周縁部S3に噴射された水蒸気51が凝縮したミストや、処理液吐出部122の処理液供給ノズル126から吐出された処理液52などが基板Wの表面S1のうちエッチング処理が行われない非処理領域に付着することが抑制される。従って、ミストの付着による非処理領域の劣化を抑制しつつ、基板Wの周縁部の加熱に十分な量の水蒸気を供給することができる。
また、リンス処理が終了した後の基板Wの表面S1の乾燥処理においても、窒素ガス噴射ノズル128(168)から供給される窒素ガスG1によって、基板Wの乾燥が促進されるとともに、基板Wの高速回転により作用する遠心力によって表面周縁部S3から基板外に振り切られたリンス液が基板Wに戻って表面S1の非処理領域に付着することも抑制される。なお、基板処理装置100が窒素ガス供給源134、窒素ガス噴出部124、164を備えていないとしても、エッチング幅の均一性とエッチングレートとのそれぞれの悪化を抑制しつつエッチング幅を細くできるので、本発明の有用性を損なうものではない。
<2.基板処理装置の動作>
図13は、実施形態に係る基板処理装置100による基板処理の流れの一例を示すフローチャートである。処理の開始前には、各開閉バルブは、いずれも閉じられており、スピンチャック111は静止している。また、ノズルユニット120、160は、基板Wの搬入経路上以外の待機位置に位置決めされている。まず、図示省略の基板搬送ロボットにより1枚の基板Wが、スピンチャック111が設置された図示省略の処理室(チャンバー)内に搬入されてスピンチャック111に載置され、チャックピン117により保持される(ステップS110)。
続いて、ノズルユニット120、160が基板Wの表面周縁部S3の上方の所定位置に位置決めされる。そして、開閉バルブ171が開かれて、窒素ガス噴出部124および164は、窒素ガス供給源134から供給された窒素ガスを窒素ガスG1(パージ用ガス)として基板Wの表面周縁部S3に向けて噴射する(ステップS120)。
続いて、制御部151がチャック回転機構154を制御することにより、スピンチャック111の回転速度が、例えば、50rpm〜800rpmの所定の高速の回転速度になるように、スピンチャック111の回転が開始される(ステップS130)。その後、開閉バルブ175が開かれることにより、水蒸気供給源131で生成されてヒーター139により加熱された加熱用の水蒸気が、ノズルユニット120、160に供給される。ノズルユニット120、160は、水蒸気噴射ノズル125、165から表面周縁部S3の周端縁側の細幅領域に向けて加熱用の水蒸気の噴射を開始することにより(ステップS140)、表面周縁部S3の加熱を開始する。水蒸気噴射ノズル125、165から噴射される加熱用の水蒸気は、空間的にその一部が表面周縁部S3に当たるように噴射される。
続いて、基板Wの表面周縁部S3のエッチング処理が行われる(ステップS150)。具体的には、開閉バルブ173が開かれて処理液供給源132からノズルユニット120の処理液吐出部122に処理液が供給されて処理液供給ノズル126から加熱された表面周縁部S3の周端縁側の細幅領域に吐出される。そして、吐出された処理液によって基板Wの表面周縁部S3のエッチング処理が行われる。
所定の時間が経過して表面周縁部S3のエッチング処理が完了すると、開閉バルブ173が閉じられて基板Wへの処理液の供給が停止される。そして、開閉バルブ175が閉じられて、加熱用の水蒸気の噴射が停止される(ステップS160)。
続いて、基板Wの表面周縁部S3のリンス処理が行われる(ステップS170)。具体的には、開閉バルブ174が開かれてリンス液供給源133からリンス液の供給が開始される。そして、処理液吐出部122のリンス液供給ノズル127から表面周縁部S3にリンス液が吐出されて表面周縁部S3のリンス処理が行われる。所定時間が経過して表面周縁部S3のリンス処理が完了すると、開閉バルブ174が閉じられてリンス液の供給が停止される。
続いて、スピンチャック111の回転速度が、1000rpm〜1500rpmの高回転速度に設定された状態でスピンチャック111の回転が所定の時間継続される。これにより、表面周縁部S3に残留しているリンス液が遠心力の作用によって基板Wの外に振り切られて基板Wの表面S1の乾燥処理(スピン乾燥)が行われる(ステップS180)。なお、スピン乾燥の際には、窒素ガス噴出部124、164の窒素ガス噴射ノズル128、168から表面周縁部S3への窒素ガスG1の供給は継続される。これにより、表面周縁部S3に付着しているリンス液の乾燥が促進されるとともに、振り切られたリンス液が基板W側に戻って表面S1の非処理領域に付着することが抑制される。
乾燥処理の開始から所定の時間が経過すると、スピンチャック111の回転が停止されて乾燥処理が終了される(ステップS190)。続いて、開閉バルブ171が閉じられて窒素ガス噴出部124、164からの窒素ガスG1(パージ用ガス)の噴射が停止される(ステップS200)。
窒素ガス噴出部124、164からのガスの噴射が停止されると、制御部151はノズル回転機構155、156を制御してノズルユニット120、160を待機位置に移動させる。その後、図示省略の搬送ロボットによって処理済みの基板Wがスピンチャック111から取り外されて処理室外へ搬出され(ステップS210)、基板処理装置100による基板処理が終了する。
以上のように構成された本実施形態に係る基板処理装置によれば、基板Wの周縁部の回転軌跡における異なる複数の位置において周縁部がそれぞれ加熱されて、周縁部に上方から処理液が供給される。これにより、周縁部における径方向の加熱幅が細い場合でも周縁部の温度低下が抑制される。そして、周縁部に供給される処理液の液量が少ないとしても、基板Wの表面S1の周縁部のうち加熱部により加熱された周端縁側の細幅の領域における処理液の反応速度の低下を抑制して処理液の反応性を上げることができる。従って、化学処理幅(エッチング幅)の均一性と処理効率とのそれぞれの悪化を抑制しつつ化学処理幅を細くできる。
また、以上のように構成された本実施形態に係る基板処理装置によれば、基板Wの周縁部に存在する物質に対して化学反応性を持たない素材の加熱された流体を当該周縁部に対して供給して当該周縁部を加熱する熱流体供給部、および基板Wの周縁部に対して光を照射して当該周縁部を加熱する光照射部のうち少なくとも一方を含むことによって、複数の加熱部が実現される。そして、当該加熱された流体と光とは、空間的にその一部が基板Wの周縁部に当てられる。従って、表面周縁部S3を効率よく加熱しつつ、表面周縁部S3の加熱幅をより狭くすることができるので、温度が高いほど反応速度が速くなるエッチング液(処理液)が用いられる場合には、表面周縁部S3の加熱幅を狭くすることによってエッチング幅(化学処理幅)を狭くすることが出来る。
また、以上のように構成された本実施形態に係る基板処理装置によれば、加熱用の流体として加熱用の水蒸気が複数の加熱部のそれぞれから基板Wの周縁部に噴射されて、周縁部が加熱される。従って、ハロゲンランプなどから照射される光によって表面周縁部S3が加熱される場合に比べて効率良く表面周縁部S3を加熱することが出来る。また、光が用いられる場合と異なり、加熱部にガラスが不要となる。このため、ガラスに対する反応性を有する処理液が用いられる場合でも長期間の連続使用が可能となる。
また、以上のように構成された本実施形態に係る基板処理装置によれば、加熱用の水蒸気として、高温の過熱水蒸気が用いられるので、水蒸気噴射ノズルから噴射されて表面周縁部S3の加熱に供された後においてもなお水蒸気が高温に保たれて、周縁部におけるミスト化が抑制される。従って、水蒸気が凝縮したミストによる基板Wの非処理領域への付着が抑制される。また、このように高温の過熱水蒸気が用いられれば、例えば、100℃までの温度の飽和水蒸気が加熱処理に用いられる場合に比べて基板Wの表面周縁部をより高温にすることができ、エッチングレートをより上げることができる。
また、以上のように構成された本実施形態に係る基板処理装置によれば、加熱用の水蒸気は、基板Wの内側から外側に向かう斜め下向き方向の噴射経路に沿って各水蒸気噴射ノズルから周縁部に噴射される。これにより、基板Wの表面周縁部から基板の外側に向かう水蒸気の気体流が生成されるので、水蒸気が凝縮したミストが基板W側に戻ることによる基板表面の非処理領域へのミストの付着が抑制される。
また、以上のように構成された本実施形態に係る基板処理装置によれば、基板Wの表面のうち基板の表面周縁部の回転軌跡で囲まれた範囲内に規定された所定の噴射目標領域に向けて基板Wの上方から気体(窒素ガスG1)を噴射させて、当該噴射目標領域から基板Wの表面周縁部に向かって流れる気体流を基板W上に生成させる。これにより、水蒸気が凝縮したミストやミスト状の処理液による基板Wの表面における非処理領域への付着が抑制される。従って、ミストの付着による非処理領域の劣化を抑制しつつ、基板Wの周縁部の加熱に十分な量の水蒸気を供給することができる。
本発明は詳細に示され記述されたが、上記の記述は全ての態様において例示であって限定的ではない。したがって、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。例えば、窒素ガス供給源134から窒素ガス噴出部124(164)に窒素ガスG1を供給する配管381に窒素ガス加熱部がさらに設けられて、加熱された窒素ガスG1が基板Wの表面周縁部S3に供給されても良い。加熱された窒素ガスG1が供給されれば、エッチングレートをさらに向上させることができる。また、例えば、窒素ガス供給源134や水蒸気供給源131が基板処理装置100内に設けられても良い。窒素ガス供給源134による窒素ガスの供給に代えて、乾燥空気などの乾燥気体や窒素ガス以外の不活性ガスが供給される構成が採用されてもよい。また、ノズルユニット120、160における各ノズル等は、基板Wに対して一体的に移動されるが、それぞれ個別に移動可能に構成されても良い。
100 基板処理装置
111 スピンチャック(基板保持部)
120,160 ノズルユニット
121,161 加熱部
122 処理液吐出部(周縁処理部)
125,165 水蒸気噴射ノズル
126 処理液供給ノズル
127 リンス液供給ノズル
154 チャック回転機構(回転部)
155,156 ノズル回転機構
51 水蒸気
52 処理液
53 リンス液
G1 窒素ガス
S1 表面(上面)
S2 裏面(下面)
S3 表面周縁部
W 基板

Claims (9)

  1. 温度が高いほど反応速度が速くなる処理液を用いて基板の化学処理を行う基板処理装置であって、
    基板を略水平姿勢にて保持する基板保持部と、
    前記基板保持に保持された前記基板を略水平面内にて回転させる回転部と、
    前記基板の周縁部の回転軌跡における異なる複数の位置にそれぞれ対向するように配置されて、前記複数の位置において前記周縁部をそれぞれ加熱する複数の加熱部と、
    前記複数の加熱部によって加熱された前記周縁部に上方から処理液を供給して前記周縁部の化学処理を行う周縁処理部と、
    を備え
    前記複数の加熱部のそれぞれは、
    前記複数の位置のうち対向する位置に規定される目標領域に当たるように、加熱された流体を供給し、
    前記加熱された流体は、前記基板の前記周縁部に存在する物質に対して化学反応性を持たない素材の流体であり、
    前記目標領域のうち一部は前記周縁部の前記回転軌跡と重なるとともに、他の部分は前記基板の外側にはみ出している基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置であって、
    前記複数の加熱部のそれぞれは、
    記加熱された流体としての加熱用の水蒸気を前記目標領域に噴射して前記周縁部を加熱する基板処理装置。
  3. 請求項に記載の基板処理装置であって、
    前記水蒸気が、過熱水蒸気である基板処理装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の基板処理装置であって、
    前記複数の加熱部は、
    前記基板の内側から外側に向かう斜め下向き方向の噴射経路に沿って前記水蒸気を前記周縁部にそれぞれ噴射する基板処理装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れか1つの請求項に記載の基板処理装置であって、
    前記基板の上面のうち前記基板の前記周縁部の回転軌跡で囲まれた範囲内に規定された所定の噴射目標領域に向けて前記基板の上方から気体を噴射することにより、前記噴射目標領域から前記基板の前記周縁部に向かって流れる気体流を基板上に生成させる気体噴射部、
    をさらに備える基板処理装置。
  6. 請求項に記載の基板処理装置であって、
    前記複数の加熱部に対応して設けられた複数の気体噴射部と、
    前記複数の加熱部と前記複数の気体噴射部とのうち互いに対応する加熱部と気体噴射部とを一体的に位置調整可能にそれぞれ保持する複数の保持部と、
    をさらに備え、
    前記複数の気体噴射部のそれぞれは、
    前記基板の上面のうち前記基板の前記周縁部の回転軌跡で囲まれた範囲における前記周縁部側の部分それぞれ規定された複数の噴射目標領域のうち対向する噴射目標領域に当たるように前記対向する噴射目標領域の上方から気体を噴射することにより、前記対向する噴射目標領域から前記基板の前記周縁部に向かって流れる気体流を基板上に生成させ
    前記互いに対応する加熱部と気体噴射部とについて、前記対向する噴射目標領域が前記目標領域よりも前記基板の中心側に位置する基板処理装置。
  7. 請求項6に記載の基板処理装置であって、
    前記複数の気体噴射部のそれぞれは、
    前記基板の内側から外側に向かう斜め下向き方向の噴射経路に沿って前記気体を噴射する基板処理装置
  8. 請求項6または請求項7に記載の基板処理装置であって、
    前記複数の気体噴射部のそれぞれは、
    基板の周方向に沿って細長い円弧状の開口から前記気体を噴射する基板処理装置。
  9. 温度が高いほど反応速度が速くなる処理液を用いて基板の化学処理を行う基板処理方法であって、
    基板を略水平姿勢にて保持して略水平面内にて回転させる回転ステップと、
    前記回転ステップと並行して、前記基板の周縁部の回転軌跡における異なる複数の位置において前記周縁部をそれぞれ加熱する加熱ステップと、
    前記加熱ステップにおいて加熱された前記周縁部に上方から処理液を供給して前記周縁部の化学処理を行う周縁処理ステップと、
    を備え、
    前記加熱ステップは、前記複数の位置にそれぞれ規定される各目標領域に当たるように、加熱された流体を供給するステップであり、
    前記加熱された流体は、前記基板の前記周縁部に存在する物質に対して化学反応性を持たない素材の流体であり、
    前記各目標領域のうち一部は前記周縁部の前記回転軌跡と重なるとともに、他の部分は前記基板の外側にはみ出している基板処理方法。
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