JP2005136439A - 基板処理方法 - Google Patents

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清治 野田
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Hideo Horibe
英夫 堀邊
Tatsuo Kataoka
辰雄 片岡
Tetsushi Oishi
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Abstract

【課題】基板に供給された湿潤オゾン含有ガスのオゾン量と蒸気量との比率を制御することにより、処理速度の飛躍的な向上を図ることができる基板処理方法および装置を提供する。
【解決手段】処理液により湿潤した湿潤オゾン含有ガスを処理室1内の基板2の表面の被処理物に基板2の表面と対向して設けられたヘッダ5を通じて供給して被処理物を処理する基板処理装置であって、湿潤オゾン含有ガスは、処理室1とは別の空間内において、基板2の温度における飽和蒸気量より多い処理液の蒸気を含み、湿潤オゾン含有ガスの温度が基板温度より5℃〜15℃高くなるように制御されている。また、基板2とヘッダ5との間隔を1mm〜20mmである。
【選択図】図1

Description

この発明は、IC、LSI等に代表される半導体やLCD、プリント基板などの製造工程をはじめとした微細加工工程における例えばフォトレジスト膜や付着した好ましくない有機化合物あるいは無機化合物などの被処理物を除去する等の基板処理方法に関するものである。
IC、LSI等に代表される半導体装置の製造工程をはじめとした微細加工工程においては、シリコン等の半導体基板やガラス基板等に、感光性の有機高分子化合物を塗布し、所定の回路等のパターンを形成したフォトマスクを介して紫外線等で露光した後にフォトレジストを現像して、基板上にフォトレジストのパターンを形成し、フォトレジストの形成されていない基板上にCVD、スパッタリング等で成膜を行ったり、薬剤によるエッチング、RIE(反応性イオンエッチング)、不純物の元素の加熱による拡散やイオン注入を行っている。そして、一連の処理が終了した基板上のフォトレジストの膜は化学的な処理によって除去されるが、LSI等の製造工程では、一般にこのようなフォトレジストを塗布して各種の処理を施した後に行うフォトレジスト膜を除去する操作は、1回にとどまらず数回行われる。
フォトレジスト膜の除去は各種の方法が採用されているが、フォトレジスト膜の除去が不完全であるとその後の工程に悪影響を与えるためにフォトレジスト膜を完全に除去することが必要である。特に、最近のように半導体装置の集積度が高まり、形成される半導体装置の回路の線幅が細くなると、フォトレジスト膜の残渣の影響は集積度の低い場合に比べて大きな問題となるので完全に除去することが求められており、通常は薬液による湿式法あるいは酸素プラズマ等を使用する乾式法によって行われている。
フォトレジスト膜の湿式による除去方法では、通常は硫酸が使用されており、硫酸の酸化能力を高めるために過酸化水素を混合することが行われている。同様にLCD製造工程では、専用の106液(ジメチルスルホキシド30%、モノエタノールアミン70%)などが使用される。また、プリント基板のスミアの除去には過マンガン酸などの薬液が利用される。これら薬液を使用してフォトレジスト膜や好ましくない付着物の除去を行う場合には、除去を行った後に付着している薬液を除去し、さらに残渣あるいはその他の付着物を除去するために超純水等で洗浄することが広く行われている。
しかしながら、これらの方法では高価で環境負荷の大きい薬液を大量に使用する必要があり、代替の処理方法の開発が急務となっている。そこで、環境に優しい基板処理方法としてオゾンガスを用いて有機物などの好ましくない付着物を除去する方法が提案されている。その中で、除去速度を大幅に改善することができる極めて有望な基板処理方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この方法は、湿潤のオゾンガスを用いて除去速度を高速化するものである。装置の構成を図27に示す。
この図において、処理室1内に設けられた基台3に基板2が設置されており、また、処理室1には処理室1内の気体を排出する排気管13が設けられており、排気管13にはオゾン分解装置40が連結されている。オゾン含有ガスによる処理に先立って、処理室1内を密閉して排気管13から処理室1内のガスを吸引除去する。処理室1の基台3は回転軸に取り付けられており、オゾン含有気体による処理の際には基板2を回転し、処理が均一に行われる構造を有している。
オゾンガス発生器6には酸素貯槽43から酸素が供給され、オゾンガス発生器6で発生したオゾン含有ガスは加湿器7において、超純水と接触して湿潤となり、オゾン含有気体送気管8から処理室1内へ供給されてヘツダ5に設けた孔24から基板2の被処理物に作用する。ヘッダ5は、石英、フッ素樹脂等から形成されており、基板2の表面に均一にオゾン含有気体を供給可能なように、多孔板あるいは気体が通過できる多孔性の焼結体から形成されている。
処理室1内から排出される気体中のオゾンは、オゾン分解装置40によって分解されて排出される。処理室1には基板2を洗浄するための超純水供給ノズル25が設けられており、処理の終了した基板2面を超純水によって洗浄する。処理の終了後に処理室1の内部を窒素等の気体によって置換し処理室1から基板2を取り出して乾燥する。処理室1の内部には極めて反応性が大きな湿潤なオゾンが供給されるので、処理室1の内面および処理室1内部の装置類の表面は石英、あるいはフッ素樹脂等で構成されている。
特開平5−152270号公報
この基板処理方法は、同公報によれば、湿潤オゾンを用いることでフォトレジスト膜の除去速度が大幅に改善され、室温でも約0.2μm/分の除去速度が得られると記載されている。
しかし、これに対し従来の硫酸と過酸化水素水の混合液や専用の106液を用いた場合の除去速度は1μm/分以上であり、上述の湿潤オゾン含有ガスによる基板処理方法を実用化するには、さらなる除去速度の改善が必要不可欠な条件であり、現在のところ実用化された例がない。
一般に、化学反応では温度上昇とともに反応速度が速くなる。したがって、基板温度を上げることにより、実用的な除去速度を得ようとする取り組みが考えられる。
しかし、上記公報の段落0017にも明記されているように、湿潤オゾン含有ガスを供給する上述の従来の方法では、基板を加熱しても除去速度を高速化することはできなかった。
この発明は、上記のような従来のものの問題点を解決するためになされたものであり、基板に供給された湿潤オゾン含有ガスのオゾン量と蒸気量との比率を制御することにより、処理速度の飛躍的な向上を図ることができる基板処理方法を提供することを目的とするものである。
この発明に係る基板処理方法は、処理液により湿潤した湿潤オゾン含有ガスを処理室内の基板表面の被処理物に、前記基板表面と対向して設けられたヘッダを通じて供給して被処理物を処理する湿潤オゾン含有ガスによる処理工程を備えた基板処理方法であって、前記湿潤オゾン含有ガスは、前記処理室とは別の空間内において、前記基板温度における飽和蒸気量より多い処理液の蒸気を含み、前記湿潤オゾン含有ガスの温度が基板温度より5℃〜15℃高くなるように制御されており、また前記基板と前記ヘッダとの間隔を1mm〜20mmとしたものである。
この発明に係る基板処理方法によれば、反応に最適な水分量を基板に与えることができるため、基板の処理速度を向上させることができる。また、湿潤オゾン含有ガスの温度が基板温度より5℃〜15℃高くなるように制御されているので、基板の処理速度をより速めることができる。さらに、基板とヘッダとの間隔を1mm〜20mmとしたので、ヘッダを通じて導入された湿潤オゾン含有ガスによって、予め水洗処理で導入され基板の表面に残留した過剰な水分が効率的に吹き飛ばされ、水膜による酸化反応の阻害を防ぐことができる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による基板処理装置の構成を模式的に示す構成図である。処理室1内に収容した基板2は、基台3に付属した平板ヒータ4上に置かれている。基板2上にはガスの流れを制御して湿潤オゾン含有ガスを基板2の処理面に均一に供給するためのヘッダ5を設置しており、ヘッダ5には図示していないが例えば温水を流通したり、あるいはヒータ等の加熱機構が設けられている。また、オゾン含有ガスを発生させるためのオゾンガス発生器6、オゾン含有ガスを加湿するための加湿器7、加湿したオゾン含有ガスを送るための送気管8、送気管加熱用のリボンヒータ81、基板2をオゾン処理した後洗浄するための純水タンク9、送水のためのポンプ10、オゾン含有ガスを排気するための排気管13、排気量を調整する為の流量調整バルブ14が設けられている。加湿器7は、例えば図7(a)で示すようなバブリングボトル20に溜めた処理液26中にオゾン含有ガスをバブリングする構成のものが用いられ、処理液26を加熱する機構が備えられている。なお、各部材のオゾン含有ガスに直接曝される部分には耐オゾン性の高い材料、例えば石英ガラスやフッ素樹脂等が用いられている。なお、図示していないが、排気管13にはオゾン分解装置が結合されている。
基板処理方法は、まず、基板2を、平板ヒータ4を用いて所定の温度まで加熱する。また、加湿器7の処理液26、送気管8、ヘッダ5も予め加熱し基板温度の設定値以上の温度に安定化させておく。基板2の温度が安定した時点で、オゾン含有ガスを加湿器7内を通過させて湿度を混入させた湿潤オゾン含有ガスを基板2の表面の被処理物(以下、基板の処理面または単に基板と略すこともある)に供給する。ここで、後にも詳述するが、オゾン含有ガスは、加湿器7内を通過するときに、オゾン含有ガスと処理液との接触時間を調整することにより、その温度における飽和蒸気量相当の蒸気を含ませるようにしている。そして、所定時間の処理によって被処理物が分解された後は、湿潤オゾン含有ガスの供給を停止し、ポンプ10および純水タンク9を用いて基板2の表面をリンスし、分解物等を除去する。次いで、窒素ボンベ11より窒素ガスを供給して基板2の乾燥を行う。
次に、具体的な実施例を基に本実施の形態1をさらに詳細に説明する。
実施例1.
まず実施例1について説明する。表面を清浄化した基板2(ガラス基板上にCr膜400nm成膜済み)に、ポジ型フォトレジスト(東京応化工業(株)製:TFR−B)をスピンコーターによって塗布してポストベークを120℃で3分行うことで、被処理物として厚さが約1550nmのフォトレジスト膜を形成した。図1において、10cm×10cmの大きさの基板2のフォトレジスト膜を上向きにして処理室1内の平板ヒータ4上に設置し、68℃まで加熱させた。送気管8およびヘッダ5も80℃に加熱し、それぞれの温度が安定した後、80℃に加熱した純水中を通過させて加湿器7で加湿した湿潤オゾン含有ガス(オゾン濃度:200g/Nm3)を1.25l/分の供給量で供給した。湿潤オゾン含有ガス中の湿度は80℃における飽和蒸気量となるように調整した。
そして、1分間の湿潤オゾン含有ガスによる基板処理(以下、オゾン処理ということもある。)後、300ml/分の流量で80℃の純水を基板2に供給し、分解したフォトレジストを除去した。同様の条件で基板2の温度を62℃、72℃、78℃、82℃と変えて、フォトレジスト膜の除去速度を検証した。
この実施例1の結果を図2に示す。図2から分かるように湿潤オゾン含有ガスの温度が80℃の場合、湿潤オゾン含有ガスの温度より12℃低い基板温度68℃において1.25μm/分の最も早い除去速度が得られ、従来の特開平5−152270号公報に開示された方法が約0.2μm/分であったのと比べると、数倍高い除去速度であった。また、基板温度が62℃〜82℃の範囲において、従来の方法よりもはるかに高い除去速度が得られた。
この実施例によって、基板2を室温より高い温度に保持すると共に、基板2の処理面すなわちフォトレジスト膜に供給する湿潤オゾン含有ガスの温度を基板2と同等程度あるいはそれ以上となるように制御することにより、フォトレジスト膜の除去速度を高められることが証明された。
特に、図2から明らかなように、湿潤オゾン含有ガスの温度より12℃低い基板温度68℃において、1.25μm/分の最も早い除去速度が得られたことから、湿潤オゾン含有ガス中の蒸気量が基板温度における飽和蒸気量より多い蒸気を含む場合に、フォトレジスト膜の除去速度を高め得ることが証明された。
実施例2.
次に、実施例2について説明する。この実施例2は先の実施例1において、湿潤オゾン含有ガスの温度を95℃としたものである。この実施例2についても実施例1と同じく基板温度と除去速度との関係を検討した。表1にこの実施例2の結果を示す。
この表1から分かるように、湿潤オゾン含有ガスの温度より9℃低い基板温度86℃において、1.36μm/分の最も早い除去速度が得られた。
Figure 2005136439
上記実施例1およびこの実施例2の結果は、除去速度の高速化の実現と共に非常に重要な発見を与えた。
すなわち、湿潤オゾン含有ガスの温度に対して、除去処理に最適な基板温度が存在するということであり、最も早い除去速度を与える基板温度は、湿潤オゾン含有ガスよりも約10℃程度低い温度であった。熱化学反応論的には基板温度が高い方が除去速度は高くなるが、実施例1および実施例2の場合には最適な温度差が存在した。この現象について以下で詳しく説明する。
ここで基板2と湿潤オゾン含有ガスとの温度差を利用したフォトレジスト膜の除去プロセスを詳細に説明する。オゾンガスのみを基板2に供給した場合には、フォトレジストの成分を二酸化炭素や水蒸気などのガス状の極めて小さい分子にまで酸化させる必要があるので、除去速度は非常に遅い。
これに対し、オゾン分子によってある程度まで低分子化させて水によって洗い流す方法が最もよい方法としてこれまで知られていた。例えば、オゾン分子を水の中に強制的に溶解させたオゾン水処理方法や、回転する基板の処理面に対してオゾンガスと水を交互に作用させ、回転によって基板上の水膜厚を制御する方法などである。
しかし、これらの方法でも期待したほどには除去速度の向上はみられなかった。
そこでこの発明者らはオゾンとフォトレジストとの反応機構において、フォトレジストの酸化にはオゾン分子と水分子の両方が必要なことを明らかにした。オゾンと水のどちらかが大過剰に存在したものではなく、かつ、均一に混合された系でフォトレジストに供給することが非常に重要であることが分かった。
上記公報にはそのメカニズムは記載されていなかったが、この公報に開示された湿潤オゾンを用いるフォトレジスト除去方法は、反応に適切な水分量を与える方法としては極めて理にかなった有効な方法であった。
また、一般に化学反応は温度上昇とともに反応速度が速くなるが、上記公報には、この公報に開示された湿潤オゾン供給方法では、基板温度を高くしてもフォトレジストの除去速度が改善されないことが明記されており、この発明者らも同様の現象を確認した。これは、以下の原因によるものであることをこの発明者らは初めて明らかにした。
すなわち、上記公報に開示されている方法では、
(1)高温下で高速に反応を起すためには、常温時よりも多量の水分が必要であること、(2)常温の水を潜らせたオゾンガスでは高温の基板に十分な湿度を与えることができないこと、
に起因することを発見した。
また、この発見により、水の結露現象を利用した新しい水分供給方法を見出したわけである。高温の湿潤オゾン含有ガスよりも低い温度に基板温度を設定すると、湿潤オゾン含有ガス中の水分は結露現象によって基板上に付着する。ただし、その温度差を適切に条件設定する必要があることを、図3を用いて説明する。なお、図3において、15はオゾン分子、16は水分子、17はフォトレジスト分子である。
(1) 湿潤オゾン含有ガスの温度が基板の温度に比べて高すぎる場合
具体的には、図2においては、基板2の温度が、62℃より低く、かつ、湿潤オゾン含有ガスの温度より低く、また、湿潤オゾン含有ガスと基板との温度差が18℃以上ある場合に相当する。この場合は、図3(a)に示すように、水分子16のフォトレジスト分子17上への結露量が多くなり過ぎる為に、フォトレジスト分子17の膜全面が水膜で覆われ、この水膜によりオゾン分子15のフォトレジスト分子17への到達が阻害され、フォトレジスト分子17の酸化が進行しにくくなる。
(2) 湿潤オゾン含有ガスの温度が基板の温度に比べて低すぎる場合
具体的には、図2においては、基板2の温度が、82℃より高く、かつ、湿潤オゾン含有ガスの温度より高い場合に相当する。この場合は、図3(b)に示すように、水分子16はフォトレジスト分子17の膜全面に結露することができない。そのため、オゾン分子15のみが基板2に供給されることになり、あたかも乾燥オゾン処理のようになってしまう。したがって、フォトレジスト分子17の酸化はほとんど進行しない。
(3) 湿潤オゾン含有ガスと基板との温度差が適切な場合
具体的には、図2においては、基板2の温度が、65℃〜75℃の範囲で湿潤オゾン含有ガスの温度より低く、湿潤オゾン含有ガスと基板との温度差が5℃〜15℃の範囲場合に相当する。この場合は、図3(c)に示すように水分子16の基板2の表面への結露量が最適となり、オゾン分子15もフォトレジスト分子17の膜全面に作用することができるので、フォトレジスト分子17の酸化が多く起こる。そして、この酸化したフォトレジスト分子19を大量の水で洗うことによって、高速でのフォトレジスト除去が可能となる。
なお、図2において、基板温度が62℃〜65℃の範囲は水分量がやや多すぎる状態、また、基板温度が75℃〜82℃の範囲は水分量がやや少なすぎる状態であるものの、反応温度が室温に比べて高いことにより、これら範囲においては、反応速度が向上したものと考えられ、除去速度が特開平5−152270号公報の場合よりもはるかに向上しており、十分な除去速度が得られた。
以上のごとく、この発明は、オゾン分子15と水分子16の共存によるフォトレジスト分子17の酸化反応を明らかにすることによって、基板温度と湿潤オゾン含有ガス温度との差を利用した水の供給量制御というこれまでのオゾン処理方法と全く異なる概念での水供給方法を見出したものである。
上記概念を装置化する場合、極めて重要な点があるため、ここに明記しておく。
図1において、加湿器7で基板2の温度よりも高い温度の湿潤オゾン含有ガスを生成しても、湿潤オゾン含有ガスを送気する送気管8、あるいは、基板2に噴射するためのヘッダ5が基板2の温度よりも低くなっていると、十分な効果を発揮することができない。
すなわち、送気管8の温度が低い場合には、送気管8内で結露して十分な水分を基板2に供給することもできない。
また、ヘッダ5の温度が低いとヘッダ5部分で結露現象が起こり、十分な水分を基板2の処理面に供給することができないだけでなく、結露した水滴が基板2上に落下することもあり得る。基板2上に水滴の形で部分的に必要以上の水分が付着すると、その水膜が抵抗となって、オゾンガスが十分に基板2の処理面に供給されず、その部分のフォトレジストが残渣として残ることがある。したがって、オゾン含有ガスを湿潤させた後は、基板2に噴射するまで、基板2と同程度あるいはそれ以上の温度で保持しておくことが肝要である。
すなわち、湿潤オゾン含有ガス、送気管8、ヘッダ5の温度をほぼ一定に制御し、かつ、基板2の温度と同程度あるいはそれ以上の温度、望ましくは基板2より数℃〜十数℃程度、具体的一例として5℃〜15℃高く保っておくことが有効である。
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2による基板処理装置の要部の構成を模式的に示す説明図である。この実施の形態2では、処理室1内の石英ガラス製のヘッダ5の上方に赤外線ヒータ12を設置し、赤外線ヒータ12を用いて基板2を加熱する構成とした。他の構成については図1と同様としている。
実施例3.
ここで、実施例によりこの実施の形態を具体的に説明する。
まず、表面を清浄化した基板2(ガラス基板上にCr膜を400nm成膜済み)にポジ型フォトレジスト(東京応化工業(株)製:TFR−B)をスピンコーターによって塗布し、ポストベークを120℃で3分行うことで被処理物として厚さが約1550nmのフォトレジスト膜を形成した。
次に、図4において、10cm×10cmの大きさの基板2のフォトレジスト膜を上向きにして処理室1内の基台3上に設置し、赤外線ヒータ12によって基板2を68℃まで加熱させた。送気管8およびヘッダ5も80℃に加熱し、それぞれの処理面温度が安定した後、オゾン含有ガスを80℃に加熱した純水中に通過させて加湿し、湿潤オゾン含有ガス(オゾン濃度:200g/Nm3)を生成する。そして、この湿潤オゾン含有ガスを1.25l/分の供給量で供給した。なお、湿潤オゾン含有ガス中の湿度は80℃における飽和水蒸気量となるように調整した。
また、1分間のオゾン処理後、300ml/分の流量で80℃の純水を基板2に供給し、分解したフォトレジストを除去した。同様の条件で基板2の温度を変えて、フォトレジスト膜の除去速度を検証した。この実施例3の処理結果は図2とほぼ同様であった。
また、基板2の加熱を基板2の上部および下部どちらから行っても同様の結果が得られることを確認した。
実施の形態3.
図5は、この発明の実施の形態3による基板処理装置の要部の構成を模式的に示す説明図である。
この実施の形態では、基台3がモータ32により回転するように構成されている。また、この図において、27はスペーサ、31は回転軸、32はモータ、33はモータ32の回転を制御するコントローラ、40はオゾン分解装置であり、他の構成は図1と同様である。
この実施の形態における基板処理方法は、オゾン含有ガスを加湿器7内に通過させて湿度を混入させ、これにより得られた湿潤オゾン含有ガスを基板2に所定時間供給する。
また、湿潤オゾン含有ガスの供給時間は、被処理物が全て分解される時間より短い時間とする。そして、所定時間の処理によって被処理物の一部が分解された後は、湿潤オゾン含有ガスの供給を停止し、ポンプ10および純水タンク9を用いて基板2の表面を洗浄して、分解物等を除去する。上記の湿潤オゾン含有ガスによる処理工程と、洗浄工程とを複数回繰り返す。次いで窒素ボンベ11より窒素ガスを供給して基板2の乾燥を行う。
このように、湿潤オゾン含有ガスによる処理工程を複数回に分け、処理工程と洗浄工程とを複数回繰り返すことにより、一度の処理工程を長時間行う場合に比べて処理速度を大きくすることができ、基板の処理面全面にわたって均質にかつ高速に処理することが可能となる。
なお、実施の形態1および2で説明したのと同様に、上記基板処理は、基板2を室温より高い温度に保持すると共に、基板2の処理面に供給する湿潤オゾン含有ガスの温度を基板2と同等程度あるいはそれ以上となるように制御して行うことにより、さらに処理速度を向上させることができるのは言うまでもない。
また、本実施の形態は図1や図4に示したような基板2を回転させないタイプの基板処理装置にも適用でき、同様の効果が得られることは言うまでもない。
次に、この実施の形態3による効果を検証するための実施例について説明する。
実施例4.
まず、表面を清浄化した基板(ガラス基板上にCr膜を400nm成膜済み)にポジ型フォトレジスト(東京応化工業(株)製:TFR−B)をスピンコーターによって塗布して、ポストベークを120℃で3分行うことで約1550nmのフォトレジスト膜を形成した。
次に、フォトレジスト膜を形成した基板2を図5のように基台3に固定して、回転数250rpmで回転した。濃度約170g/Nm3、流量3l/分に設定したオゾン含有ガスは、加湿器7によって、約2.7%の湿度を含有させた。この実施例での加湿器7は、ボトル内に水を入れたものであり、オゾン含有ガスを純水中に一度くぐらせることによって、湿度を同伴するようにしている。また、スペーサ27により、基板2とヘッダ5との間隔を2.3mmとした。そして、この湿潤オゾン含有ガスをヘッダ5から基板2に15秒間供給してオゾン処理し、その後はポンプ10によって純水を4cc/秒で10秒間供給して洗浄を行った。同様の条件で湿潤オゾン含有ガスの供給時間を30秒、1分、3分、5分と変えて、各オゾン処理時間に対する水洗の前後でのフォトレジスト膜の厚さを測定した。この実施例4の結果を表2に示す。なお、基板2や湿潤オゾン含有ガスを加熱することなく、これらの処理は全て室温で行ったが、基板2や送気管8やヘッダ5を加熱した場合にはさらに良好な結果が得られる。
Figure 2005136439
表2に示されるように、いずれの処理時間においても水洗前では、フォトレジスト膜厚に大きな変化は見られなかったが、その表面は変色し、べとべとしていた。その度合いは処理時間が長い程顕著であり、湿潤オゾンによって分解されていることが分かった。また、これらの水洗後では、処理時間に依存してフォトレジスト膜厚の減少が見られた。したがって、湿潤オゾン処理でフォトレジストを分解し、その後の水洗で分解物を取り除くことにより、フォトレジストを除去できることが、この実施例によって証明された。
また、表2の平均除去速度の項を見て分かるように、処理速度は処理時間が長くなるに従い遅くなる傾向が見られた。これはフォトレジスト上部から反応が進行しており、処理時間が長くなるほど、上部で反応したフォトレジストがオゾンガスの侵入を妨害し、湿潤オゾンガスがフォトレジスト下部に作用し難くなっていることを反映している。
実施例5.
実施例5は、実施例4で得られたフォトレジスト剥離速度をさらに向上させるために、繰返し実験を行ったものである。
まず、実施例4と同条件で作製したフォトレジスト膜を形成した基板を、図5のように基台3に固定して、回転数250rpmで回転させた。濃度約170g/Nm3、流量3l/分に設定したオゾン含有ガスは、加湿器7によって、約2.7%の湿度を含有させた。基板2の処理面とヘッダ5下部との間隔は2.3mmとした。オゾン処理の繰返し効果を検証するために、図6にタイムチャートで示す2種類の実験を行った。
図6(a)は、この実施例のものであり、図6(b)は、参考例である。
なお、この参考例は、後記するようにオゾン処理を繰り返さないものであり、前述の実施例4−4に近いものである。この実施例では、ヘッダ5から湿潤オゾン含有ガスを1分間供給、その後にポンプ10によって純水を4cc/秒で10秒間供給することを1サイクルとして、これを3回繰り返した。また、参考例では、ヘッダ5から湿潤オゾン含有ガスを3分間供給後、純水を4cc/秒で30秒間供給した。したがって、実施例5および参考例においては、湿潤オゾンガスおよび水の総供給量は互いに同じということになる。
次に、実施例5および参考例それぞれについてオゾン処理を行った後のフォトレジスト膜厚を表3に示す。なお、基板2や湿潤オゾン含有ガスを加熱することなく、これらの処理は全て室温で行ったが、基板2や送気管8やヘッダ5を加熱した場合にはさらに良好な結果が得られる。
Figure 2005136439
表3からも分かるように、オゾン処理と洗浄の繰返し処理であるこの実施例による処理の方が、参考例に比し剥離速度が大きかった。
また、表3の実施例5の剥離速度と表2の実施例4−2、4−3の剥離速度とが同等であることから、実施例5の場合はオゾン処理の総時間が3分の場合でも、実施例4で見られたような、剥離速度が頭打ちになる傾向は見られなかった。
この実施例5によって、湿潤オゾン含有ガスによる処理と水洗処理とを一定時間毎に繰り返し行うことで、さらに剥離速度を向上できることが証明された。
なお、この実施例では、繰返し時の湿潤オゾン含有ガスの供給時間を1分、水洗処理を4cc/秒で10秒としたが、湿潤オゾン含有ガスの供給時間をそれぞれ30秒,45秒,1.5分とし、その後水洗処理を4cc/秒で10秒というサイクルを3回繰返した場合にも、それぞれの処理時間に対応する1回の長時間処理よりも剥離速度は大きかった。
また、水洗処理で導入した純水が基板表面に残留することによって水膜が形成されると、引き続く湿潤オゾン含有ガスによるフォトレジストの酸化反応を阻害する可能性があるが、この実施の形態の場合では図5における基板2の処理面とヘッダ5との間隔を2.3mmと非常に短く設定しているため、続いて導入される湿潤オゾン含有ガスによって、水洗処理で導入された過剰な水分が効率的に吹き飛ばされ、水膜による酸化反応の阻害を防ぐことができたことも効果の1つとして挙げることができる。
なお、基板2の処理面とヘッダ5との間隔は、2.3mmに限定されないが、基板2の回転速度やヘッダ5からの湿潤オゾン含有ガスの噴出速度などとの兼ね合いもあり、1mm〜20mm程度に設定することが好ましい。
また、実施例5ではオゾン処理と水洗処理の時間はそれぞれ各繰返しで同じとしたが、各繰返し毎に違えてもよく、この場合も同様の効果が得られる。
実施の形態4.
図7はこの発明の実施の形態4による基板処理装置の要部の構成を模式的に示す説明図であり、この図において、20はバブリングボトル、21は超音波発振子、22は超音波発振子制御器、23はホットプレート、26は処理液であり、例えば純水である。
図7(a)、(b)、(c)はそれぞれ加湿器の構成が異なり、他の構成はそれぞれ実施の形態1の場合と同じである。
図7(a)は、オゾン含有ガスをバブリングボトル20内に所要量入れた純水26にバブリングさせることによって、湿潤オゾン含有ガスを生成する構成の加湿器を用いた場合を示し、図7(b)は、超音波発振子21をガラス製のバブリングボトル20の下部に設置し、超音波発振子制御器22の出力を調整することにより気相中に水分子を追い出し、オゾン含有ガスと接触させることにより湿潤オゾン含有ガスを生成する構成の加湿器を用いた場合を示し、図7(c)は、ホットプレート23を用いてバブリングボトル20内の純水を任意の温度に加熱し、気相中に水分子を追い出し、オゾン含有ガスと接触させることにより湿潤オゾン含有ガスを生成する構成の加湿器を用いた場合を示している。
実施例6.
次に、この実施の形態4を実施例6に基づきさらに説明する。
実施例6は、上記3種類の構成による加湿方法について、前記実施例4の場合と同様に、基板2の回転数:250rpm、オゾン濃度:約170g/Nm3、オゾン含有ガス流量:3l/分、絶対湿度:約2.7%、基板2の処理面とヘッダ5との間隔:2.3mmとし、湿潤オゾン含有ガスによる処理を1分、水洗処理を4cc/秒で10秒の条件で検討したものである。この実施例6の結果を表4に示す。なお、基板2や送気管8やヘッダ5を加熱することなく、これらの処理を室温で行ったが、基板2や送気管8やヘッダ5を加熱した場合にはさらに良好な結果が得られる。
Figure 2005136439
表4に示されるように、何れの加湿器構成においても平均除去速度に差はみられなかった。これはオゾン含有ガスの加湿時には湿度が異なったとしても、送気管8を通る間に、送気管8の温度に相当する飽和水蒸気量以上の水分が結露現象により液体化して管部に付着したりするためと考えられる。したがって、何れの加湿方法においても、基板2に到達する水分量は、常に雰囲気温度すなわち送気管8やヘッダ5の温度における飽和水蒸気量であり、何れの加湿方法も湿潤オゾン含有ガスの生成に有効であることが証明された。また、基板2に供給される水分量は送気管8やヘッダ5の温度に大きく依存することが明らかになった。その意味でも送気管8やヘッダ5の温度を高く保つことが必要であることが分かる。
比較例1.
比較例1は、湿潤オゾンの効果をさらに明らかにするために、加湿器7を通さない乾燥オゾンガスを用いて同様の実験を行ったものである。
まず、表面を清浄化したガラス基板(表面にCr膜を400nm成膜済み)にポジ型フォトレジスト(東京応化工業(株)製:TFR−B)をスピンコーターによって塗布して、ポストベークを120℃で3分行うことで約1550nmのフォトレジスト膜を形成した。
次に、フォトレジスト膜を形成した基板2を図5のように基台3に固定して、回転数250rpmで回転した。基板2とヘッダ5との間隔は2.3mmとした。濃度約170g/Nm3、流量3l/分に設定したオゾン含有ガス(露点:−50℃)をヘッダ5から基板2に1分間供給し、その後はポンプ10によって純水を4cc/秒で10秒間供給して洗浄を行った。なお、基板2等を加熱することなく、上記処理は室温で行った。
また、同様の条件でオゾン含有ガスの供給時間を3分、5分と変えて各オゾン処理時間に対する、洗浄の前後でのフォトレジスト膜の厚さを測定した。この比較例毎の結果を表5に示す。
Figure 2005136439
表5から分かるように、フォトレジスト膜厚の減少量は水洗後においても処理時間に依存せず、ほとんど減少しなかった。したがって、この比較例によって乾燥オゾンではフォトレジストの酸化分解が進行し難いことが証明された。
表4および表5において、湿潤オゾン含有ガスと乾燥オゾン含有ガスとでは、フォトレジスト剥離速度において明らかな違いがみられた。
そこで、表4の実施例6−1と表5の比較例1−1について、水洗後の水の分析を行った。総有機物量を比較するためにTOC(Total Organic Carbon)測定、イオン性化合物を比較する為にイオンクロマト分析を行った。表6にその結果を示す。
Figure 2005136439
この表6から分かるように、湿潤オゾン含有ガスによる処理(実施例6−1の処理)後の水のTOC分析値は高い値を示しており、フォトレジスト分解物が多く含まれる。イオンクロマト分析でも同様に総検出量は剥離(除去)量に依存して湿潤オゾン含有ガス処理後の水洗水の方が大きかった。検出されたイオンはいずれもカルボン酸類であった。これは有機物とオゾンとの反応における最終生成物として知られている。湿潤オゾン含有ガスとフォトレジストとの反応により生成した分子であって、かつ、イオンクロマト分析で検出されたそれらの有機カルボン酸の総濃度と、TOC濃度とがほぼ等しかったことから、湿潤オゾンとフォトレジスト分子とが反応して生成されたものの殆どがカルボン酸類で示される有機酸であることが分かった。
一方、乾燥オゾン処理(参考例の処理)後の水洗水には有機物が殆ど含まれていなかった。この結果は、フォトレジストの酸化反応に水分子の存在が必要不可欠であることを示すものといえる。
すなわち、これまでオゾンによるフォトレジスト剥離は、オゾン分子によるフォトレジストの酸化、酸化分解した断片化フォトレジスト分子の水による溶解・除去と考えられていた。
しかし、この実施例で得られた結果により、オゾンによるフォトレジスト膜の除去処理は、オゾンと水分子によるフォトレジストのオゾン酸化と加水分解、および分解した断片化フォトレジスト分子の水への溶解・除去という反応機構で進行することが明らかとなった。
実施の形態5.
これまで小型の基板の場合を中心に説明したが、LCD用基板などサイズの大きな板では基板を回転して処理する方法はあまり実用的でない。
図8はこの発明の実施の形態5による基板処理装置の構成を模式的に示す説明図であり、特にLCDなどの大型基板の処理に有効な処理装置の構成を示している。この基板処理装置は、基板2の予備加熱部51、オゾン処理部(オゾン処理槽)52、水洗部53、乾燥部54から構成される。基板2はローラ55によって一方向に装置の中を例えば連続的に搬送され、基板2上のフォトレジスト膜が除去される。なお、搬送は連続的でなく、各処理が終わる毎に段階的に行われてもよい。
予備加熱部51はあらかじめ基板2を加熱しておく部分であり、図9のように構成されている。
図9において、61は送風機、62はヒータ、63はフィルタ、64は送風ダクト、65は熱風噴射ヘッダ、66は温度検出器、67はコントローラである。ヒータ62で加熱した温風を送風機61により送風ダクト64を介して基板2に噴射し、加熱する。なお、基板2にごみ等が付着しないように送風回路にはフィルタ63が設置されている。また、加熱時に基板2が表裏面の熱膨張の差により反らないように、熱風は基板2の表面と裏面の両方に設けられた熱風噴射ヘッダ65から噴射される。基板2のサイズが730mm×920mmの場合、ヒータ容量3kW、ガス流量20m3/分、ガス温度100℃で基板2に空気等のガスを噴射することで約30秒程度で基板2を所定の温度(例えば80℃)に昇温することができた。あまり速く基板2の温度を上げると、ガラス板の歪みや歪みに起因するワレが発生するので、昇温時間は20秒以上に設定することが望ましい。また、ガス温度の制御には、ヒータ62のガス出口温度を温度計66で計測し、ガス温度が一定になるようにコントローラ67でヒータ62の電圧を調整することで実施した。
なお、温風を用いなくても例えば温水中に基板2を浸漬することによっても予備加熱は可能である。しかし、この場合、加熱後の基板2を完全に乾燥させる必要がある。基板2が完全に乾いていないと、次段での湿潤オゾン処理のとき水滴の部分が処理できなくなるからである。装置コスト、装置の大きさから考えると温風による加熱のほうが有利である。もちろんランプ加熱等でも同様に有効である。
オゾン処理部52には長さが基板2の幅(すなわち基板の移動方向と直交する方向の長さ)に相当するスリット状の細長い開口をもつ直線状ノズル56が設けられており、このスリット状ノズル56から湿潤オゾン含有ガスを基板2に噴射し、基板2上のフォトレジストを除去する。また、オゾン処理部52にはガスガイド57が設けられており、ノズル56から噴射された湿潤オゾン含有ガスは矢印のように流れて基板2の処理に有効に用いられる。スリットの開口幅は0.1mm〜1mmの範囲が有効であった。ただし、あまり開口幅を小さく設定すると、開口幅のバラツキによって噴射する湿潤オゾン含有ガス量が場所的に変化し、フォトレジストの除去性能にバラツキを生じることが明らかになった。この装置では、スリットの開口幅のバラツキは全域に渡って±50%、望ましくは±10%以下の精度に保っておく必要がある。
また、高温の湿潤オゾン含有ガスがノズル56部に到達したとき、ノズル56部の温度が低いと、そこで結露し、基板2への供給水分量が不足したり、結露した水分が基板2上に水滴として落下する恐れがあるので、ノズル56部を湿潤オゾンのガス温度と同程度以上に高く設定しておく必要がある。
また、同様にローラ55等のオゾン処理部52全体を湿潤オゾンガス温度程度に昇温できるような加熱手段を配設しておくと、結露の問題も無く、基板2が冷えることもないため有効である。
また、図示していないが、オゾン含有ガスを加湿する加湿器や加湿器とノズル56をつなぐ送気管にも加熱手段が設けられている。
また、オゾン処理部52のオゾンに曝される部分には、石英ガラスやフッ素樹脂等の耐オゾン性の材料が用いられている。
水洗部53には、図示していないが、基板2に対してその上下から洗浄液を噴射する洗浄液噴射ノズルが設けられており、オゾン処理部52でオゾン処理された基板2を洗浄できるように構成されている。
また、乾燥部54には、図示していないが、基板2に対してその上下から窒素ガスを噴射する窒素ガス噴射ノズルが設けられており、洗浄部53で洗浄された基板2を乾燥できるように構成されている。
実施の形態6.
この発明の実施の形態6は、先の実施の形態5に記載した基板処理装置を用いるものであって、この基板処理装置に用いられる湿潤オゾン含有ガス噴射ノズルを図10に記載のように構成したものである。
図10(a)はこのノズルの断面図、図10(b)は同じくこのノズルの側面図である。この実施の形態では、湿潤オゾンガス噴射ノズル121はスリット幅を調整できるように構成されており、フォトレジスト除去性能の均質化に有効である。
図10において、121は流量調整ノズル、122は流量調整用ネジ、123は湿潤オゾン含有ガス供給口、124は保温水供給口、125は直線状ノズル部である。125aはノズル部125に設けられた可動板であり、例えばアルマイト処理された薄いアルミニウム板が用いられ、一部が溶接等によりノズル部125に接合されている。
湿潤オゾン含有ガスは供給口123から導入され、ノズル部125から噴射される。ノズル121には複数の流量調整用ネジ122が設けられており、このネジ122を調整することにより可動板125aを移動させてノズル部125の開口幅を変化し、全域に渡って均質なガス流量が得られるよう調整することができる。
また、ノズル121内部に保温水供給口124から保温水を流すことにより、湿潤オゾン含有ガス中の蒸気が基板2に到達する前にノズル部125で結露してフォトレジスト除去性能が低下することを防止している。
実施の形態7.
この発明の実施の形態7を発案するに際しては、より安価なノズルを提供するために、スリット型ノズルに代えてホール型ノズルの試験を実施した。
図11は、一般的なホール型ノズルの作用を説明する図である。この図において、130はホール型ノズル、131は湿潤オゾンを噴射するためのホール、132は湿潤オゾン含有ガス供給口である。このように、ノズルを複数個の穴(ホール)131で形成することにより、高精度にかつ、安価にノズルを製作することができる。
一方、最適なホール131間のピッチpは、ノズル130と基板2間の距離dに依存し、概略p≒dを満たすことで、良好なフォトレジスト除去特性が得られた。
しかし、微細に見ると、図11に示すように、ホール131の直下ではフォトレジストが除去されやすく、ホール131間では除去されにくいことが確認された。これは同じく図11に示すように、ホール131直下では、ガス流のため余分な水分が除去されるが、ホール131間では、逆にホール131直下で除去された水分が溜まるために、水分過剰の状態になり、フォトレジストの除去作用が低下することが判明した。
上記課題を解決し、さらに高性能のフォトレジスト除去を実現したのが、この発明の実施の形態7であり、この実施の形態7に係るノズルの構成を図12を用いて説明する。なお、この実施の形態7も基板処理装置全体の構成は実施の形態5に記載したものと同様のものである。
図12に示すように、基板2の進行方向に対しホール型のノズル140、141を2列直列に配設し、1列目のノズル140のホールとホールとの中央部に2列目のノズル141のホールを配設し、ホールを千鳥状に配置している。
このように構成することにより、基板2をノズル140,141に対して相対的に移動させた場合、前列のノズルではホール間に水分が蓄積されるが、次列のノズルでは前列のノズルにより蓄積された水分が除去され、基板2上の水分厚みが均質化され、フォトレジストの除去性能が改善される。この場合、両ノズル140と141の間隔が近すぎると効果は小さく、両ノズル140と141間の距離xは5mm以上、望ましくは20mm以上に設定すると効果的である。この場合も最適なホール間のピッチpはノズル140,141と基板2間の距離dに対し、概略p≒dを満たすときであった。
もちろんノズルを3列以上の直列に配設し、さらにホールの位置を各列のノズルが重ならないように配置すれば効果はより高くなることはいうまでもない。
以上説明したように、湿潤オゾン含有ガスの供給手段として、基板2の処理面の幅方向(すなわち、基板2のノズル140,141に対する相対移動方向と直行する方向)に複数個の孔が一列に並んだ列状孔(ホール140,141)を、列に直交する方向すなわち基板の相対移動方向の隣接する列間で孔が重ならないように複数列備えたガス分散板を用い、このガス分散板および基板2の少なくとも一方を列状孔(ホール140,141)の列と直交する方向に移動させるように構成することにより、安価で高精度に製作することができるホール型のガス分散板を用いて、処理効率を低下させることなく基板処理をすることが可能となる。
実施の形態8.
図13はこの発明の実施の形態8に係る傾斜型ノズルの作用を説明する図であり、この実施の形態では、上記各実施の形態5〜8において、湿潤オゾン含有ガスを噴射するノズルの構成を、基板2の進行方向(すなわち、基板2のノズル140,141に対する相対移動方向)に対してある程度の角度θを持たせて湿潤オゾン含有ガスを噴射するように、傾斜型としたものである。
基板2に対して垂直方向にガスを噴射するより、図13に示すように、基板2の進行方向に対してある程度の角度θを持たせて噴射するほうがフォトレジスト除去性能が改善されることを確認した。傾斜角度θは10度から30度の範囲で良好な結果が得られた。これは、湿潤オゾン含有ガスの基板2への衝突時に、ガスの噴射速度に基板2の進行速度が加算され、フォトレジストの除去性能が改善されたためと考えられる。
実施の形態9.
図14はこの発明の実施の形態9による基板処理装置の構成を模式的に示す説明図である。
この図において、58は高圧紫外線ランプである。図14に示すように、基板の予備加熱部51などに高圧紫外線ランプを設置し、オゾン処理を施す前に波長350nm付近の紫外光を放射する高圧紫外線ランプを設置しておくとフォトレジストの除去速度が改善される。
通常のフォトレジストでは末端にアジド基が存在し、このアジド基の処理のためにオゾンガスが消費される。しかし、紫外線を前もって照射しておくことで、このアジド基は分解処理され、オゾン消費量の低減、処理速度の高速化が実現できることを見出した。
なお、アジド基を処理するためには紫外線であれば波長に関係無く、エネルギー的には十分であるが、あまり短い波長の紫外線ではフォトレジスト表面だけで吸収されて、フォトレジスト材料の内部まで浸透しにくいため、300nm以上の比較的長い波長の光を用いたほうがフォトレジスト全体を処理できて有効である。
実施の形態10.
図15はこの発明の実施の形態10による基板処理装置の構成を模式的に示す説明図である。図15において、59は波長250nm付近の紫外光を放射する低圧水銀ランプであり、本実施の形態では、ガスガイド57を紫外光を透過する石英ガラスで形成し、ノズル56から噴射された湿潤オゾン含有ガスに対してガスガイド57の上方から波長250nm付近の紫外光を照射するように構成している。波長250nm付近の紫外光はオゾンを分解し、オゾンよりも酸化分解力の強い酸素ラジカルを生成する。この酸素ラジカルにより、フォトレジストの残り(残渣)を分解できるとともに、排ガス中のオゾン濃度を低める効果がある。
実施の形態11.
洗浄は、通常、室温の洗浄液例えば純水で実施するが、ここで温水を用いると、さらにフォトレジストの除去速度を改善することができる。実施の形態11は洗浄液として温水を用いたものである。
図16は、この実施の形態11による基板処理方法を説明するための図であり、室温の純水と70℃の純水で洗浄したときの溶解物の組成を示している。
図16において、(a)は湿潤酸素ガスを噴射したのち室温の純水で洗浄した場合について、(b)は79℃の湿潤オゾン含有ガスを噴射したのち室温の純水で洗浄した場合について、(c)は79℃の湿潤オゾン含有ガスを噴射したのち85℃の純水で洗浄した場合について、(d)は室温の湿潤オゾンを噴射したのち室温の純水で洗浄した場合について、それぞれ処理水中の有機酸の成分および濃度をこの発明者らが実験により測定した結果を示している。
この図より、(c)の場合のように温水で洗浄することにより、除去速度は速くなり、また、溶融物にはシュウ酸などのより高次の有機酸の比率が増加していることが分かる。すなわち、温水で洗浄することにより、有機酸の水中への溶解度が高くなり、高次の有機酸でも溶解除去されるために、フォトレジストの除去速度が速くなるといえる。
実施の形態12.
上記各実施の形態では、洗浄液として純水を用いる場合について説明したが、低分子化されたフォトレジスト分子を溶解しやすい溶液を用いればさらにフォトレジストの除去速度は改善される。実施の形態12はこのような観点からなされたものである。
この実施の形態11における洗浄液としては、オゾンと反応後のフォトレジスト膜を溶解しやすい溶液が好ましく、純水、超純水;硫酸、塩酸、硝酸、酢酸、過酸化水素等の酸性水溶液;水酸化アンモニウム等のアルカリ性水溶液;アセトン等のケトン類およびイソプロパノール等のアルコール類を含む有機溶媒;並びにそれらの混合物からなる群より選択できる。
特に、半導体製造プロセスにおいて、高濃度(例えば1015個/cm2)にイオンをドープした場合やエッチング後に固まった残渣などの除去には、洗浄液として上記酸性水溶液、アルカリ性水溶液、ケトン類、アルコール類などの薬液を微量添加することは有用である。
実施の形態13.
実施の形態12で示したようなオゾンと反応後のフォトレジスト膜を溶解しやすい溶液はもちろん洗浄時に用いるだけでなく、オゾン含有ガスを湿潤させるための処理液として用いてもよい。
実施の形態13はこのような観点からなされたものである。具体的には、例えば、図7においてバブリングボトル20に上記実施の形態12で示したような溶液を処理液として入れればよい。この場合、実施の形態12に比べて使用する溶液の量を少なくすることができ、より有効である。
実施の形態14.
次に、図17を用いてこの実施の形態14による基板処理方法を、液晶(LCD)のフォトレジスト除去プロセスに適用した場合の処理工程の例を用いて、従来の一般的なLCDのフォトレジスト除去工程と比較して説明する。
従来の一般的なLCDのフォトレジスト除去工程は、図17(b)に示すように、2回の106液による洗浄工程71、バブルジェット(登録商標)による洗浄工程72、超音波印加による水洗浄工程73、超純水による最終洗浄(ファイナルリンス)工程74、回転乾燥(スピンドライ)工程75と6段の洗浄工程からなる。また、この従来一般のLCDのフォトレジスト除去工程では、次の製造工程に移るためには、薬液(106液)の完全除去と基板表面の改質(濡れ性改善)のための前処理洗浄工程が必要になる。
この工程は、図17(c)に示すように、紫外線処理工程76、ブラシ洗浄工程77、バブルジェット(登録商標)洗浄工程72、超音波水洗浄工程73、回転乾燥工程75からなる。したがって、上記従来一般の除去方法は、フォトレジスト除去と前処理洗浄のために11段もの工程を必要とし、それらに対応した処理槽も必要となるため、コストアップやフットプリント(装置敷地面積)の増大を招いていた。
これに対して、この発明の実施の形態14による基板処理方法は、図17(a)に示すように、予備加熱部51、湿潤オゾン含有ガスによるオゾン処理部52、アクアナイフによる水洗部53、エアナイフによる乾燥部54によるそれぞれを基本工程とするものである。アクアナイフ、エアナイフはそれぞれ水、空気を基板に噴射して基板を洗浄、乾燥させるものである。
また、除去しにくいフォトレジストの場合は、さらに湿潤オゾン含有ガスによるオゾン処理部52、アクアナイフによる水洗部53、エアナイフによる乾燥部54によるそれぞれの各工程を直列に追加すればよい。この場合、水洗乾燥後の基板温度の低下を防ぐため前段の水洗部53、乾燥部54には温水および温風を用いたほうが効果的である。
この発明者らは、この実施の形態によれば、薬液(106液)を全く使用せずに、従来(6槽)と同等程度の処理槽数(7槽)でフォトレジスト除去プロセスが実現できることを確認した。純度が高く高価な薬液(106液)を用いることがなく、ランニングコストは大幅に低減でき、さらに環境負荷も小さい基板処理方法および基板処理装置が実現できた。
なお、ここでは湿潤オゾン含有ガスによる処理部52、アクアナイフによる水洗部53、エアナイフによる乾燥部54による各工程を2回繰り返す場合について示したが、除去しやすい処理対象の場合には1回でもよいし、また、除去し難い対象の場合には3回以上繰り返し処理を行ってもよい。
さらに、湿潤オゾンには紫外線照射と同様に表面改質効果があり、湿潤オゾン処理を実施すると、従来行っていた前処理洗浄が全く不要であることが判明した。
すなわち、図17(a)に示した本実施の形態による基板処理方法によれば、従来のフォトレジスト除去工程だけでなく、次のステップである前処理洗浄工程も同時に実現できることが分かった。これにより処理槽数も大幅に低減でき、フットプリント、インシャルコスト等の大幅低減が実現できた。
実施の形態15.
以上の各実施の形態は、基板2の処理面に供給される湿潤オゾン含有ガスからの蒸気量(水分量)を処理時間内において意図的に変化させるものではなく、一定とすることを前提としているが、この発明者らはさらに研究を続けたところ、このように湿潤オゾン含有ガスから基板2の処理面に供給される蒸気量(水分量)を一定にして処理する方法においては、さらに改良する余地のあることを見出した。実施の形態15はこの知見に基づくものであり、まず、このような改良の余地のある点について述べる。
前述の実施例1において、その最適条件である基板2の温度68℃、温度80℃で処理を続けたところ、処理工程の初期においては平均速度1,25μm/分で高速にフォトレジスト膜を除去できるものの、処理工程途中からは基板2上に直径1mm前後の粒状の残膜が残り、処理時間を増大しても、この粒状の残膜はなかなか除去できないことが明らかになった。
そこで、この残膜成分を分析した結果、もとのフォトレジスト成分と同様であり、この粒状残膜についてはオゾンによる酸化処理が全く成されていないことが判明した。その後基板2の処理面の結露状態やフォトレジストの除去過程を詳細に調べた結果、この粒状残膜は図18に示すようなプロセスで発生することが明らかになった。
なお、図18(a)は、処理開始後間もない初期段階の基板表面における処理液の集合状態を示し、図18(b)は、処理後半の基板表面における処理液の集合状態を示す。
また、図18において、31,32はそれぞれ基板2の処理面に付けられたCrなどの下地およびフォトレジスト膜を示し、33は水分子を示す。湿潤ガスと基板2の温度差を用いて基板2の処理面に湿度を与える方法では、図18(a)に示すように、液体の表面張力などで基板2の処理面で処理液が球状に集まる部分(液球34)が生成される。この部分では処理液の厚みが1mm程度以上と厚くなり、この処理液層がオゾンのフォトレジストへの接触を阻害し、フォトレジストの除去速度が極端に低下する。一方液球34が発生しなかった部分では、オゾンによるフォトレジストの酸化分解と処理液による加水分解が良好に働き、極めて早い速度でフォトレジストが分解される。
このようにして処理液の液球34のない部分のフォトレジストが除去され、液球34の下の部分のフォトレジストが粒状残膜35として残ったものと考えられる。
また、さらに処理が進み、フォトレジスト成分が完全に除去され、下地31が表面に露出すると(図18(b)参照)、通常下地31は疎水性のため、この部分の処理液がはじかれ、親水性である粒状残膜35の表面をさらに多量の処理液が覆うことになる。このような状態になると厚い処理液層を通してオゾンが供給されることになり、全く除去反応が進まなくなる。
実施の形態15は、このような研究を踏まえ、実施の形態1をさらに改良するためになされたもので、処理開始直後には,必要量の蒸気を含む湿潤オゾン含有ガスを基板2に供給して高速に大半のフォトレジストを除去し、処理が進行するにつれ、湿潤オゾン含有ガスから基板2の処理面へ供給される蒸気量を低減するようにしたものである。
実施の形態15は、このような方法を取ることにより、粒状残膜へ過剰な蒸気の供給を防ぎ、高速に粒状残膜を除去することに成功した。
なお、粒状残膜の残り方によっては、処理の最終段階では完全に乾燥状態のオゾン含有ガスを供給した方が効果がある場合も見られた。いずれにせよ、湿潤オゾン含有ガスによる処理が進むにつれ、この湿潤オゾン含有ガスから基板2の処理面に供給される蒸気量を低減することにより、粒状残膜の処理時間が早くなり、フォトレジストを完全に除去するために必要な時間を激減することができた。
図19は、実施の形態15による基板2の処理方法の温度設定条件を示したものである。図19に示すように、処理の初期には基板2の温度と湿潤オゾン含有ガス温度とに適度な差(たとえば5℃程度)を与えておき、基板2の処理面に供給される蒸気量、すなわち基板2を覆う処理液量を適度なものとして、高速にフォトレジストを酸化分解する。処理が進むにつれ基板2の処理面を覆う処理液量が増大するため、基板2の温度を上昇させて、基板2の処理面に供給される蒸気量、すなわち基板2を覆う処理液量を制限する。さらに、処理が最終段階にさしかかり粒状残膜が発生する状態になる前に、基板2の温度をさらに上昇させて基板2の処理面に供給される蒸気量、すなわち基板2の処理面を覆う処理液量をさらに低減する。最終的には、湿潤オゾン含有ガスの温度は、(除去対象材料や下地31の種類によって必ずしも必要とは限らないが)基板2の温度よりも高くした方がフォトレジストの除去効果が高くなる。
また、基板2の温度は、図19に示すように処理時間の経過につれスムーズに変化させる必要はなく、図20に示すように段階的に変化させても同様の効果がある。
実施の形態16.
実施の形態16は、上記実施の形態17,18の処理方法をLCDなどの大型の基板2の処理に有効な処理装置に発展させたものであり、この装置を図21に示す。
図21において、基板処理装置は、基板2の予備加熱部51、オゾン処理部52、水洗部53、乾燥部54などから構成される。基板2は,ローラ55によって一方方向に装置の中を例えば連続的に搬送され、基板2の処理面のフォトレジスト膜が除去される。なお、搬送は連続的ではなく、各処理が終わる毎に搬送させてもよい。なお、予備加熱部51は予め基板2を加熱しておく部分である。また、オゾン処理部(オゾン処理槽)52には長さが基板2の幅(すなわち、基板2の移動方向と直交する方向の長さ)に相当する細長い開口を持つ直線状ノズル56が設けられており、このスリット状ノズルから湿潤オゾン含有ガスを基板2に噴射し、基板2の処理面のフォトレジストを除去する。また、オゾン処理部52にはガスガイド57が設けられており、ノズルから噴射された湿潤オゾン含有ガスは矢印のように流れて基板2の処理に有効に用いられる。さらに、ガスガイド57の上部には基板2を加熱するためのヒータ58が設置されている。
そして、それぞれのヒータ58の設定温度を調整して図21の下部に示すように基板2の温度を制御した。
なお、図19および図20では、横軸は処理時間としていたが図21のようなライン型の装置では位置xの関数として変換することができる。すなわち、基板2の搬送速度をvとおくと、x=vtと表すことができる。図中に示すように基板2を一定温度で処理した場合に比較して半分以下の時間で全面のフォトレジストを完全に除去することができた。
実施の形態17.
実施の形態15、16では、処理の進行とともに基板2の温度を上昇させていたが、この実施の形態17では、処理の進行とともに湿潤オゾン含有ガスの温度を低下させることによりこの湿潤オゾン含有ガスに含まれる蒸気量を低減させるようにして、基板2の処理面に供給される蒸気量、すなわち基板2の処理面を覆う処理液量を低減させたものである。
図22にこの実施の形態による基板処理方法の温度設定条件を示す。横軸は処理時間、縦軸は基板2および湿潤オゾン含有ガスの各温度をそれぞれ示す。
図22に示すように、処理の初期には基板2の温度と湿潤オゾン含有ガスの温度に適度な差(例えば10℃程度)を与えておき、適度な湿度のもと高速にフォトレジストを酸化分解する。そして、処理が進むにつれ基板2の処理面を覆う処理液量が増大するため、湿潤オゾン含有ガスの温度を低下して同伴蒸気量を制限する。さらに、処理が最終段階にさしかかり粒状残膜が発生する状態になる前に、湿潤オゾン含有ガスの温度をさらに低下して供給する蒸気量を低減する。基本原理は実施の形態15と同じである。
実施の形態18.
実施の形態18は、原理的には前述の実施の形態16と同じであるが、図23に示すように複数のオゾン処理部52を使用する場合において、オゾン処理部52毎に段階的に温度を変化させるとともに、後段のオゾン処理部52ほど基板2の温度を高く設定することにより、粒状残膜の対策を可能としたものである。
この場合、低分子化されたレジスト成分が処理液中に蓄積されていくため、オゾン処理部52の後段に水洗工程を導入することが好ましい。
実施の形態19.
実施の形態19は、原理的には前述の実施の形態17と同じであるが、図24に示すように複数のオゾン処理部52を使用する場合において、後段ほど湿潤オゾン含有ガスの温度を低く設定することにより、前記実施の形態18と同様の効果を奏するようにしたものである。
この場合、最終段のオゾン処理部52では、湿潤ガスを供給せずに乾燥ガスを供給した方がレジスト除去性能が優れる場合もある。
実施の形態20.
前述の各実施の形態1〜19においては、オゾン処理部52で処理基板の処理面を上にセットし、処理面の上方から湿潤オゾン含有ガスを噴射していたが、この実施の形態20は、図25に示すように処理面を下向きにセットし、湿潤オゾン含有ガスを下方から基板2に噴射するようにしたものである。
このようにすると図18に示した液球34が発生しにくく、基板2や湿潤オゾン含有ガスの温度制御幅を大きくすることができるので、安価な装置を提供することができる。
実施の形態21.
この発明の基本的発想は、オゾンガスを用いた有機物などの除去において、有機酸を溶かしこむだけの必要最小限の処理液を含み、オゾンガスのフォトレジストへの供給の抵抗にならない程度に処理液の膜厚を薄くすることが重要であることを見出したことにある。そして、この具体化方法として飽和蒸気量を多くした湿潤オゾン含有ガスを用いる方法について述べてきたが、この実施の形態21では新たな方法について開示する。
図26は、この発明の実施の形態21による基板処理装置の要部の構成を示す図である。本実施の形態による装置は、密閉された空間である処理室1内に基板2を固定する基台3、およびその基台3と対向して設置された処理剤供給板すなわちヘッダ5を装備している。ヘッダ5には、処理剤供給孔が複数個設けられており、それらの供給孔より基板2の処理面にオゾン含有ガスおよび処理液(フォトレジスト除去液)を供給する。ヘッダ5と基板2との間隔は0.1mm〜1mmである。
図26では、オゾン含有ガスと処理液をエジェクタ100で混合してからヘッダ5に導入するように構成しているが、別々に導入してもよく、さらにオゾン含有ガスと処理液とを別々の供給孔から基板2の処理面に供給してもよい。
次に、図26で示した本実施の形態による装置を用いたフォトレジスト膜の除去プロセスを説明する前に、基板を回転させるタイプの一般的な基板処理装置によるフォトレジスト膜の除去プロセスについて以下に説明する。
まず、基板を基板ステージに固定し、基板を所定の回転数で回転させる。その後、オゾン含有ガスおよび処理液をヘッダから基板に向けて供給する。このとき、オゾンと基板上のフォトレジスト膜が反応し、フォトレジスト膜は酸化分解されるとともに、処理液中の水分と反応して加水分解され、低分子量化される。低分子量化されたフォトレジスト膜は、処理液中に溶解され、処理液とともに基板表面から除去される。したがって、処理液は、オゾンと反応後のフォトレジスト膜を溶解しやすい溶液が好ましく、純水、超純水;硫酸、塩酸、硝酸、酢酸、過酸化水素等の酸性水溶液;水酸化アンモニウム等のアルカリ性水溶液;アセトン等のケトン類、イソプロパノール等のアルコール類を含む有機溶媒、並びにそれらの混合物からなる群より選択することができる。
特に、前述のように、半導体製造プロセスにおいて、高濃度(例えば1015個/cm2)にイオンをドープした場合やエッチング後に固まった残渣などの除去には、上記酸性水溶液、アルカリ性水溶液、ケトン類、アルコール類などの薬液の微量添加は有用である。
また、フォトレジスト膜を高速で除去するためには、オゾン含有ガスを連続的に供給し、かつ処理液を間欠的に供給することが望ましい。何故なら、処理液を連続的に供給すると、フォトレジスト膜表面が処理液の膜で覆われてしまい、オゾンがフォトレジスト膜表面に到達することが困難になり、フォトレジスト膜除去速度が低下してしまう。
これに対し、処理液を間欠的に供給すると、フォトレジスト膜除去液は基板の回転とガス流とによってフォトレジスト膜表面から取り除かれ、オゾンが効率的にフォトレジスト膜表面に到達し、反応することができる。
一方、フォトレジスト膜除去液の供給量および供給頻度が少ないと、フォトレジスト膜表面が乾燥し、加水分解に必要な水分やオゾンと反応後の低分子量化されたフォトレジスト膜成分を溶解させるのに必要なフォトレジスト膜除去液が不足するため、フォトレジスト膜の除去速度が低下する。
したがって、フォトレジスト膜を高速で除去するためには、フォトレジスト膜上に最適な量のフォトレジスト膜除去液を供給する必要がある。
また、フォトレジスト膜除去速度を向上させるためには、フォトレジスト膜の加水分解および溶解に必要な量のフォトレジスト膜除去液を供給するとともに、フォトレジスト膜表面に効率よくオゾンを供給する必要がある。
しかしながら、この要件を満たすためには、オゾン含有ガス流量、回転数、処理液の供給頻度、処理液の供給量という多くのパラメータの最適化を行わなければならない。また、フォトレジスト膜を均一に速く除去しようとすると、基板が回転しているので、基板上の径方向の位置が外側になればなるほど遠心力が大きくなり、その位置における処理液の滞留時間が短くなる。このため、処理液供給孔を径方向に配置し、かつ、その流量を調整する必要がある。
この実施の形態22は、このような問題に対し、基板2と処理剤を供給するヘッダ5との間隔を0.1mm〜1mmと狭くすることにより、最適化のパラメータを低減するようにしたものである。
すなわち、基板2とヘッダ5との間隔を0.1mm〜1mmと非常に狭くすると、基板2とヘッダ5との間に形成されるオゾン含有ガスおよび処理液の通路が狭くなるので、処理液はオゾン含有ガスによって基板2の外側に押し出される。そのため、フォトレジスト膜表面に処理液の液膜が形成されることがなく、オゾン含有ガスは効率的にフォトレジスト表面に接触することができる。このように、オゾン含有ガスによって処理液が基板2の外側に押し出されるので、基板2を回転させる必要がなく、また、オゾン含有ガスおよび処理液をともに連続的に供給することもできる。したがって、フォトレジスト膜除去速度を向上させるためのパラメータは、基板2とヘッダ5との間隔、オゾン含有ガスの流量、および処理液の流量となり、少なくなる。
この基板2とヘッダ5との間隔が1mmより大きい場合には、フォトレジスト膜表面に接触することなく系外に排気されるオゾン分子が多くなったが、基板2とヘッダ5との間隔を0.1mm〜1mmと狭くすることにより、オゾン分子がフォトレジスト膜に接触する確立が高くなり、オゾン含有ガスを効率よく反応させることができた。
なお、本実施の形態によるフォトレジスト膜の除去処理は、基板2や処理液の温度を室温より高くして行うことが好ましく、この場合には、処理速度がさらに向上する。
実施の形態22.
これまでの実施の形態1〜21ではフォトレジスト膜の除去についてのみ説明してきたが、この発明は、基本的にはオゾンを用いた基板処理、すなわち、オゾンを用いた酸化反応制御に関わるものであり、主に有機物の分解に有効なものである。
この発明の実施の形態22は、このようなフォトレジスト膜の除去以外の分野へ応用したものである。この応用例としては、半導体基板や液晶基板の洗浄、プリント配線板のデスミア処理、実装基板の洗浄、精密部品の脱脂洗浄などを掲げることができる。さらには、金属の酸化処理に関わる分野やプリント配線板の黒化処理など従来金属含有薬液を用いていた分野においても有効である。
このような応用分野の一例をさらに具体的に説明する。
携帯電話用など広い分野で使われている多層構造のビルドアップ基板では、レーザで止まり穴(ビアホール)をあけ、その穴に無電解めっきを施すことで、上下層を電気的につなぐ導通穴を形成する、いわゆるレーザビア法が一般に使用されている。ところが穴あけ過程において、母材(ガラスエポキシなど)の有機物が穴内に残り、めっきの接着強度を落としたり、ひどいときには層間の導通を阻害することになり、大きな問題となっている。この有機物の残りかすをスミアと呼び、この残りかすを除去する工程をデスミア工程と呼んでいる。
従来は、一般に過マンガン酸ソーダなどの環境負荷の大きい薬液を用いてデスミアを行っている。しかし、廃液処理が問題であること、過マンガン酸の粘度が高く、小さい径の穴内のデスミアが困難なことから代替プロセスとしてオゾンが有望視されている。
実施例7.
以下実施例により本実施の形態をさらに説明する。実施例7は上述のデスミア工程に、実施の形態1で説明したのと同じような処理を施したものである。
すなわち、基板温度を60℃とし、基板温度より20℃程度高い湿潤オゾン含有ガスを基板に噴射した。そして、この場合が最も速い速度でデスミアを実現できることが分かった。また、この実施例7より、基板と湿潤オゾン含有ガスとの最適な温度差は、これまでのフォトレジスト除去のプロセスにおいては10℃程度であったが、上記デスミアの場合は、この温度差よりも高い温度差が適していることが分かった。これはガラスエポキシ基板への水分の膨潤効果によるところが大きいと考えられる。
なお、湿潤しない乾燥したオゾンガスを基板に噴射した場合は、ほとんどデスミアはできなかった。
また、径の小さい穴のデスミアも可能で、ノズルで湿潤オゾン含有ガスを高速に吹き付けることで、径50μm、深さ100μmの穴の底のデスミアも可能であった。このように湿潤オゾン含有ガスを用いることで、従来の薬液では成し得なかった領域、すなわち短径、高アスペクト比の穴のデスミアが実現できたことは意義が大きい。
以上のように、この発明の基板処理方法は、処理液により湿潤した湿潤オゾン含有ガスを処理室内の基板表面の被処理物に、前記基板表面と対向して設けられたヘッダを通じて供給して被処理物を処理する湿潤オゾン含有ガスによる処理工程を備えた基板処理方法であって、前記湿潤オゾン含有ガスは、前記処理室とは別の空間において、前記基板温度における飽和蒸気量より多い処理液の蒸気を含むので、反応に最適な水分量を基板に与えることができるため、基板の処理速度を向上させることができる。
また、前記湿潤オゾン含有ガスの温度が基板温度より5℃〜15℃高くなるように制御されているので、基板の処理速度をより速めることができる。
また、前記基板と前記ヘッダとの間隔を1mm〜20mmとしたので、前記ヘッダを通じて導入された前記湿潤オゾン含有ガスによって、予め水洗処理で導入され前記基板の表面に残留した過剰な水分が効率的に吹き飛ばされ、水膜による酸化反応の阻害を防ぐことができる。
また、この発明の基板処理方法では、基板を室温より高い温度に保持するので、基板の処理速度を向上させることができる。
また、この発明の基板処理方法では、湿潤オゾン含有ガスによる処理工程の後に、基板を純水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、およびケトンまたはアルコールを含む有機溶媒のうちの少なくとも1つを含む洗浄液で洗浄する洗浄工程を備えたので、基板の処理速度をより速めることができる。
また、この発明の基板処理方法では、洗浄液は室温より温度が高いので、基板の処理速度をより速めることができる。
また、この発明の基板処理方法では、湿潤オゾン含有ガスによる処理工程と洗浄工程とを複数回繰り返すので、基板の処理速度をより速めることができる。
この発明の実施の形態1による基板処理装置の構成を模式的に示す図である。 この発明の実施の形態1に係り、湿潤オゾン含有ガス温度80℃における基板温度と剥離速度の関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係りフォトレジストの剥離メカニズムを説明する図であって、(a)は湿潤オゾン含有ガスの温度が基板の温度に比べて低い場合であり、(b)は、湿潤オゾン含有ガス温度が基板の温度に比べて低すぎる場合であり、(c)は湿潤オゾン含有ガスと基板との温度差が適切な場合である。 この発明の実施の形態2による基板処理装置の要部の構成を模式的に示す図である。 この発明の実施の形態3による基板処理装置の要部の構成を模式的に示す図である。 この発明の実施の形態3による基板処理方法を説明する図であって、(a)は実施例5についてのタイムチャートであり、(b)は参考例についてのタイムチャートである。 この発明の実施の形態4による基板処理装置の要部の構成を模式的に示す図であって、(a)はバブリングボトル応用の加湿器を用いた例を示し、(b)は超音波応用の加湿器を用いた例を示し、(c)はホットプレート応用の加湿器を用いた例を示す。 この発明の実施の形態5による基板処理装置の構成を模式的に示す図である。 この発明の実施の形態5に係る基板の予備加熱部の構成を説明する図である。 この発明の実施の形態6に係る湿潤オゾン含有ガス噴射ノズルの構成を説明する図であり、(a)は断面図、(b)は側面図である。 この発明の実施の形態7に係り、一般的なホール型ノズルの作用を説明する図である。 この発明の実施の形態7に係るホール型ノズルの構成を説明する図である。 この発明の実施の形態8に係る傾斜型ノズルの作用を説明する図である この発明の実施の形態9による基板処理装置の構成を模式的に示す図である。 この発明の実施の形態10による基板処理装置の構成を模式的に示す図である。 この発明の実施の形態11による基板処理方法を説明するための図である。 この発明の実施の形態14による基板処理方法を、従来の一般的なLCDのフォトレジスト除去工程と比較して説明する図であり、(a)は実施の形態14の基板処理方法の説明図であり、(b)は従来のフォトレジスト除去工程図であり、(c)はフォトレジスト除去工程から次の工程に移る前の前処理工程を示す。 この発明の実施の形態15に係り粒状残膜の発生メカニズムを説明する図であり、(a)は処理工程初期の基板表面における処理液の状態を説明する図であり、(b)は処理工程後半の基板表面における処理液の状態を説明する図である。 この発明の実施の形態15に係り基板温度と湿潤オゾン含有ガス温度との関係を説明する図である。 この発明の実施の形態15に係る他の例の基板温度と湿潤オゾン含有ガス温度との関係を説明する図である。 この発明の実施の形態16による基板処理装置の構成を模式的に示す図である。 この発明の実施の形態17に係り基板温度と湿潤オゾン含有ガス温度との関係を説明する図である。 この発明の実施の形態18による基板処理装置の構成を模式的に示す図である。 この発明の実施の形態19による基板処理装置の構成を模式的に示す図である。 この発明の実施の形態20による基板処理装置の構成を模式的に示す図である。 この発明の実施の形態21による基板処理装置の要部の構成を示す図である。 従来の湿潤オゾンによる基板処理装置の構成を示す図である。
符号の説明
1 処理室、2 基板、3 基台、4 平板ヒータ、5 ヘッダ、6 オゾンガス発生器、7 加湿器、8 送気管、9 純水タンク、10 ポンプ、11 窒素ガスボンベ、12 赤外線ヒータ、13 排気管、15 オゾン分子、16 水分子、17 フォトレジスト分子、19 酸化したフォトレジスト分子、20 バブリングボトル、21 超音波発振子、22 超音波発振子制御器、23 ホットプレート、24 孔、25 純水供給ノズル、26 処理液、27 スペーサ、31 下地、32 レジスト膜、33 水分子、34 液球、35 粒状残膜、40 オゾン分解装置、43 酸素貯槽、51 予備加熱部、52 オゾン処理部、53 水洗部、54 乾燥部、55 ローラ、56 直線状ノズル、57 ガスガイド、58 高圧紫外線ランプ、59 低圧水銀ランプ、61 送風機、62 ヒータ、63 フィルタ、64 送風ダクト、65 ヘッダ、66 温度検出器、67 コントローラ、81 リボンヒータ、100 エジェクタ、121 流量調整ノズル、122 流量調整用ネジ、123,132 湿潤オゾン含有ガス供給口、124 保温水供給口、125 直線状ノズル部、125a 可動板、130 ホール型ノズル、131 穴、140,141 ノズル。

Claims (5)

  1. 処理液により湿潤した湿潤オゾン含有ガスを処理室内の基板表面の被処理物に、前記基板表面と対向して設けられたヘッダを通じて供給して被処理物を処理する湿潤オゾン含有ガスによる処理工程を備えた基板処理方法であって、前記湿潤オゾン含有ガスは、前記処理室とは別の空間内において、前記基板温度における飽和蒸気量より多い処理液の蒸気を含み、前記湿潤オゾン含有ガスの温度が基板温度より5℃〜15℃高くなるように制御されており、また前記基板と前記ヘッダとの間隔を1mm〜20mmとしたことを特徴とする基板処理方法。
  2. 前記基板を室温より高い温度に保持することを特徴とする請求項1記載の基板処理方法。
  3. 前記湿潤オゾン含有ガスによる処理工程の後に、前記基板を純水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、およびケトンまたはアルコールを含む有機溶媒のうちの少なくとも1つを含む洗浄液で洗浄する洗浄工程を備えたことを特徴とする請求項2記載の基板処理方法。
  4. 前記洗浄液は室温より温度が高いことを特徴とする請求項3記載の基板処理方法。
  5. 前記湿潤オゾン含有ガスによる処理工程と前記洗浄工程とを複数回繰り返すことを特徴とする請求項3または4記載の基板処理方法。
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