JP3852627B2 - 紫外線処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はウエハあるいはガラス基板上に塗布されたレジスト等の有機化合物被膜を紫外線とオゾンにより分解,除去を行う紫外線処理装置、特に大型基板の処理に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に半導体集積回路や液晶駆動回路の製造において露光及び現像後のレジストはマスクとして用いたエッチング工程の後、除去する方法が行われている。このレジストを除去する方法としてアッシング処理が行われる。
【0003】
従来のアッシング装置は、処理室内を真空に排気した後、反応ガスを導入し高周波電力を印加してプラズマ放電を起こさせ励起された反応ガスによってアッシング処理を行うプラズマアッシング方式が一般的である。
【0004】
このプラズマアッシング方式は活性なラジカルやイオンにより反応が促進され高速処理が可能であるがイオンが基板に衝撃を与えたり電荷量が増加したりしていわゆるプラズマダメージがあり、回路パターンの微細化が進行するとこれが問題になってくる。
【0005】
これに対し、紫外線とオゾンを用いたアッシング方式も知られている。紫外線とオゾンの作用によりレジスト等の有機化合物は次の原理で分解、除去される。
【0006】
紫外線ランプとしては波長185nm、254nmの紫外線を放射する合成石英製の低圧水銀ランプを使用する。紫外線ランプから放射される波長185nmおよび254nmの光エネルギーは、ほとんどの有機化合物の結合を切断することができ、有機化合物のフリーラジカルや励起状態の分子を生成する。
【0007】
一方、波長185nmの紫外線は大気中の酸素に吸収されるとオゾンを発生する。これとオゾン発生器によって発生したオゾンに波長254nmの紫外線が吸収されると励起酸素原子が生成する。
【0008】
この強力な酸化力を持つ励起酸素原子やオゾンの熱分解によって発生した基底状態の酸素原子が紫外線照射によって生成した有機化合物のフリーラジカルや励起状態の分子と反応してCO2 やH2 Oのような揮発性物質を生成する。これが有機化合物分解、除去するアッシングの原理である。
【0009】
大型基板の処理を目的とするアッシング装置としては特開平8−45833号のように、ローラで搬送を行いIRヒーターで基板を昇温して、次の処理室で紫外線とオゾンを作用させるものや、特開平3−46225号や特開平3−165028号に開示がある。これらは、ベルト搬送機構により基板の搬送を行い、ホットプレートやハロゲンランプによって基板を加熱するとともに、多数の吹き出し孔を通してオゾンを散布する散布機構と低圧水銀灯を一定周期で配列し、オゾンと紫外線によってレジストを分解、除去する装置である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記紫外線とオゾンを用いたアッシング方式は一般的にアッシング速度が低いという問題点があった。特開平8−45833号のようにローラで搬送を行うタイプは、基板サイズの大型化に伴い、たわみ量が増加し、ノズルからの距離によって生じる処理のバラツキの問題が生じる。基板裏面中央付近に支え用ローラを設ける手段があるが、紫外線、オゾンの作用を受ける雰囲気中では樹脂は使用できず、SUS等の耐蝕性を有する金属を用いると、基板に傷をつけるおそれがある。
【0011】
特開平3−46225号や特開平3−165028号に記載されているように多数の吹き出し孔を持つオゾン散布機構においてはオゾン散布機構の長手方向でオゾンを均一に流出させることが困難であることや、オゾン流速が孔の中央部で最大となるためオゾン濃度分布が不均一となり均一なレジスト剥離が難しい。
【0012】
基板が大型化するとノズルの数,サイズが増加し処理に要するガス量が増えるが、オゾナイザの能力には限度があり、処理能力や均斉度維持のため増設すると費用がかさむ。本発明の目的は、このような問題を解決し処理の均斉度が高くコストを低減した紫外線処理装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の紫外線処理装置は、紫外線とオゾンの作用によりレジスト等の有機化合物を分解、除去する紫外線処理装置において、オゾンのキャリアガスとしてSi除去フィルターを通した空気をオゾナイザとオゾン散布ノズル間に設けられたオゾン供給管内に導入して用いることを特徴とする。また、オゾン散布ノズルに供給する1分間当りのガス量Q2は、オゾン散布ノズルの内容積Q1より望ましくは30倍以上とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明による紫外線処理装置は、オゾンのキャリアガスとして空気を用い、全体のガス量を増加する。空気の導入によるオゾン濃度の低下はガス流速増加による効果でまかなう。空気をそのまま導入すると浮遊しているSiが紫外線とオゾンの作用により粉末状のSiX OY となり、処理装置内部や基板に付着し、歩留り悪化の原因となるので、これを防ぐために空気中のSiは予めSi除去フィルターで除去する。また、オゾン散布ノズル内容積Q1 に対し、1分間当りの供給ガス量Q2 は望ましくは30倍以上とする。このようにすることにより、ノズルから均一にガスを流出させることができ、流速が増加するので寿命の短い活性酸素の処理面への到達量が増し、従来の問題点は解消され、処理の均斉度が高くコストを低減した紫外線処理装置がえられる。
【0015】
【実施例】
本発明紫外線処理装置を一実施例に基づいて説明する。実施例の構成の模式図を図1に示す。図において1は処理を施される被処理基板であり、この被処理基板1を加熱するためのヒータを内蔵したステージ2上に載置されている。3は基板1の上に配置された、基板1に紫外線を照射するための、波長185nmと254nmの紫外線を主として放射する紫外線ランプであり、4は被処理基板1上にオゾンを吹き付けるためのオゾン散布ノズルであり、これら1〜4は処理室5内に配置されている。オゾン散布ノズル4は、処理中に揺動させるか固定しておき、ステージ2を揺動あるいは回転させるのがよい。
【0016】
6はオゾンを発生するためのオゾナイザであり、オゾン供給管によりオゾン散布ノズル4に接続されている。7はSi除去フィルターであり、空気導入口と放出口とを備え空気放出口は、オゾナイザ6とオゾン散布ノズル4間のオゾン供給管に接続され、Si除去フィルター7を通った空気がオゾナイザ6から供給されるオゾンを含んだガスに混合されてオゾン散布ノズル4より噴射されるようになっている。
【0017】
実施例なる装置を用いて、オゾナイザからのオゾン含有ガス流量とオゾン濃度を固定し、ステージ温度165℃、紫外線強度30mW/cm2 の状態でキャリア用空気流量を変えたときの、550mm×650mmの範囲での平均オゾン濃度、均斉度を表1に示す。
【0018】
【表1】
同じ条件でアクリル系ネガレジストを1.5μmの厚みで塗布した550mm×650mm×t1.1mmのガラス基板を60秒処理した結果、平均の剥離量はNO.1〜4で、0.11〜0.13μmと大差は無かったが、残膜厚の分布はNO.1は±30%,NO.2は±8%,NO.3とNO.4は±5%であった。
【0019】
【発明の効果】
以上述べたように本発明による紫外線処理装置は、オゾンのキャリアガスとして、Siを予めSi除去フィルターで除去した空気を導入し、全体のガス量を数倍に増加して、オゾン濃度は低下するが、ガス流速が増加することにより、ノズルから均一にガスを流出させることができ、流速が増加するので寿命の短い活性酸素の処理面への到達量が増し、従来の問題点は解消され、処理の均斉度が高くコストを低減した紫外線処理装置がえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明紫外線処理装置の一実施例の構成を示す模式図。
【符号の説明】
1 被処理基板
2 ステージ
3 紫外線ランプ
4 オゾン散布ノズル
5 処理室
6 オゾナイザ
7 Si除去フィルター
Claims (2)
- 紫外線とオゾンの作用によりレジスト等の有機化合物を分解、除去する紫外線処理装置において、オゾンのキャリアガスとしてSi除去フィルターを通した空気をオゾナイザとオゾン散布ノズル間に設けられたオゾン供給管内に導入して用いることを特徴とする紫外線処理装置。
- オゾン散布ノズルの内容積をQ1とし、1分間に供給するガス量をQ2としたとき、Q2≧30Q1となるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の紫外線処理装置。
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JPH09281716A JPH09281716A (ja) | 1997-10-31 |
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1996
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