WO1999065032A1

WO1999065032A1 - Cartouche de bande magnetique

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Publication number: WO1999065032A1
Application number: PCT/JP1999/002963
Authority: WO
Inventors: Kiyoo Morita; Daisuke Takahashi; Hideaki Shiga; Seiji Tsuyuki; Yusuke Ishihara
Original assignee: Fuji Photo Film Co., Ltd.
Priority date: 1998-06-08
Filing date: 1999-06-03
Publication date: 1999-12-16
Also published as: US20060169818A1; US6760192B2; CN1170287C; KR20010071437A; US6680818B1; US20040164200A1; EP1098321B1; US6687086B2; EP1098321A4; US20060273487A1; EP1903571A1; DE69940513D1; CN1312941A; EP1098321A1; US20020153442A1; US6654204B2; US20020158161A1; KR100394325B1; US20020153443A1; US7097126B2

Description

明糸 m 秦

磁気テープ力一トリヅジ技術分里予

本発明は、磁気テープカートリッジに関し、特に力一卜リッジケース内に磁気テープが卷装された単一のリールを回転可能に収容してなる磁気テープ力一卜リッジにおいて、上記リールを不使用時に回転制止状態とするリール回転制止手段の構造に関するものである。

背景技術

従来、コンピュータ等の外部記憶装置に用いられる記録媒体として使用されている磁気テープカートリッジには、単一のリールに磁気テープを卷装し、このリ

—ルを力一トリッジケース内に回転可能に収容したタイプのものが知られているこの磁気テープはコンピュータ等のデ一夕保存用として用いられ、重要な情報が記憶されているため、テープジャミング等のトラブルが発生しないように、また保管時等の不使用時には不用意に磁気テープが引き出されないように、上記リ一ルの回転を拘束するリール回転制止手段が設置されている。

上記リ一ル回転制止手段は、リールの一部に係合してその回転を拘束する制止部材を備え、カートリッジを外部記憶装置等のドライブに装填した際には、上記制止部材をドライブ側回転駆動手段によるリールのチヤッキング動作に応じて制止状態を解除するように設けている。

しかして、前述のリール回転制止手段の動作の信頼性向上、カートリッジケ一ス内への塵埃の侵入防止等の要求から、このリール回転制止手段をリールの回転を拘束する制止部材と、この制止部材を制止方向に付勢する付勢部材と、ドライブ側回転駆動手段のチヤッキング動作に応じて移動し前記制止部材を解除方向に移動させる解除部材とに分離した構造に設けることが考えられる。

つまり、不使用状態においては、制止部材によってリールが不用意に回転しないように拘束して磁気テープの引き出しが行われないようにしているが、カートリッジをドライブに装填して回転駆動手段によってリールのチヤッキングが行われると、その動作に連 (系して解除部材が移動して前記制止部材を解除作勋する。この状態においてはリールは回転可能となり、磁気テープの引き出し及び巻き取りが行える。

そして、上記のような機構において、ドライブ側回転駆動手段によるチヤツキング動作に伴う解除部材の解除移動のための押圧位置は、中心部の 1個所で行うより外周部の複数位置で行う方が安定した解除作動が行える点で好適である。その際、前記リールにドライブ側回転駆動手段の駆動ギヤと嚙合するリールギヤを設け、解除部材の一部に形成した押上部を上記リールギヤに設けた揷通孔を通して先端が前記駆動ギヤに当接するように設け、ドライブ側回転駆動手段のチヤッキング動作時に上記駆動ギヤで押圧部を押圧して解除部材を解除作動するように設けることが構造の簡素化を図ることなどで有利である。

しかし、上記のようにリールギヤを貫通して揷通孔を開口することは、リールギヤと駆動ギヤとの嚙み合いが低減することになり、確実なリ一ルの駆動を行う上では問題となる。係る点から揷通孔を小さくすると、この挿通孔に揷入させている解除部材の一部の形状も小さくなって、駆動ギヤの歯の先端が正確に当接して確実な押圧作動を得る上で不安定となる可能性がある。

また、上記のように解除部材の一部に押上部を形成し、これをリールの揷通孔に挿通させて摺動させるように設けた場合に、解除部材は付勢部材の付勢力を受けて撓み変形を生じ、前記押上部に対して傾くような力が作用し、外面の一部が揷通孔の内面に押し付けられて摩擦抵抗が大きくなつて、前記押上部と挿通孔の摺動が阻害され、解除部材による制止部材の解除が確実に行えなくなる可能性がある。

本発明は上記点に鑑みなされたもので、リール回転制止手段の解除部材の確実な解除動作が行えるようにした磁気テープカートリッジを提供せんとするものである。

発明の閧示

上記課題を解決した本発明の磁気テープカートリッジは、磁気テープを巻装した単一のリールをカートリッジケース内に回転可能に収容し、使用時に前記リールの回転を許容し、不使用時に前記リールの回転を拘束するリール回転制止手段を備えたものにおいて、前記リール回転制止手段は、前記リールに対して接離可能に移動してリールの回転を拘束する制止部材と、該制止部材を制止方向に付勢する付勢部材と、前記リールと一体に回転してドライブ側回転駆動手段のチヤッキング動作に応じて移動し前記制止部材を解除方向に移動させる解除部材とを有し、前記リールにドライブ側回転駆動手段の駆動ギヤと嚙合するリールギヤを設け、前記解除部材の一部に形成した押上部を前記リールギヤに設けた揷通孔を通して先端が前記駆動ギヤに当接可能に設けてなり、前記揷通孔をリールギヤの歯先と歯先間に開口したことを特徴とするものである。

また、前記解除部材の駆動ギヤと当接する先端面に、駆動ギヤの歯先が係合可能な凹部を形成するのが好ましい。

上記のような磁気テープカートリッジによれば、リール回転制止手段のリールギヤに設ける揷通孔をリールギヤの歯先と歯先間に開口させたことにより、小さい揷通孔でもリールギヤに嚙合する駆動ギヤの歯先が上記挿通孔を通して突出する解除部材の押圧部に確実に当接して押圧することができ、解除部材の移動が安定して行えることに伴って制止部材を所定の移動量で確実に解除作動させることができ、リール回転制止手段の動作信頼性を確保することができるものである。さらに、本発明の他の磁気テープカートリッジは、リールにドライブ側回転駆動手段の駆動ギヤと嚙合するリールギヤを設け、解除部材の一部に形成した押上部を前記リールギヤに設けた揷通孔を通して先端が前記駆動ギヤに当接可能に設けるについて、前記押上部と前記挿通孔とを接触面積を低減する微小突起を介して接触させたことを特徴とするものである。

上記のような磁気テープカートリッジによれば、リール回転制止手段の解除部材に設けた押上部とリールに設けた揷通孔を接触面積を低減する微小突起を介して接触させたことにより、両者の摩擦抵抗が低減し、解除部材に撓み変形が生じてもドライブ側回転駆動手段のチヤッキング動作に応じて押上部の移動が安定して行え、制止部材を所定の移動量で確実に解除作動させることができると共に制止状態への移動も確保でき、リール回転制止手段の動作信頼性を確保することができるものである。

前記挿通孔が開口された両端のリールギヤの歯先を、平坦形状、曲面状又は面取り斜面状に除去するのが好適である。

他の磁気テープ力一卜リッジは、前記解除部材を金属板の板金プレスによって形成してなることを特徴とするものである。

また他の磁気テープカートリッジは、前記リールに、前記解除部材の押上部を前記挿通孔に挿入する際に、該解除部材の一部を挿入方向に案内するガイド部材を設けたことを特徴とするものである。

さらに他の磁気テープカー卜リッジは、前記解除部材を略三角形状の板状基部の各頂点近傍に押上部を設けてなることを特徴とするものである。その際、解除部材の板状基部は高剛性樹脂材料で前記押上部と共に一体成形する一方、前記基部の前記制止部材の下面中心部と接触する上面中心部には、低摩擦特性を有する別部材で形成した摺動接触部を一体に固着するのが好適である。

他の磁気テープカートリッジは、前記制止部材及び解除部材の回転中心近傍に、射出成形用のゲート跡が設けられたことを特徴とするものである。その際、押上部を有し射出成形で形成される解除部材において、前記押上部の内部に該押上部が肉薄となるような穴部を形成するのが好適である。

また他の磁気テープカートリッジは、前記リールギヤが、歯先エッジ部が曲面に形成されている駆動ギヤと嚙合して回転駆動されることを特徴とするものである。

さらに他の磁気テープカートリッジは、前記リールギヤの歯先エッジ部が曲面に形成されていることを特徴とするものである。

他の磁気テープカートリッジは、前記リールが底面に金属製のリールプレートがィンサート成形されてなり、該リールがゲートの外周にリールプレートの内周面を保持する保持部材が配設された成形金型で成形されたことを特徴とするものである。

また他の磁気テープカートリッジは、前記リールがリールギヤの内周側に金属製のリールブレートがィンサー卜成形されてなり、該リールが前記リールギヤを成形するギヤ部金型と前記リールプレートとの干渉防止を図る手段が設けられた成形金型で成形されたことを特徴とするものである。

さらに他の磁気テープカー卜リッジは、前記リールが金属製のリールプレートがインサート成形されてなり、該リールプレー卜の外周面の外側には、リール底壁との間に周潢状の間隙を形成し、さらに外側に前記リールギヤを形成したことを特徴とするものである。

他の磁気テープ力一トリツジは、前記リールが金属製のリ一ルプレー卜がインサ一ト成形されてなり、該リ一ルプレー卜のリール底壁と接する面に補強用リブを形成したことを特徴とするものである。

また他の磁気テープ力一トリッジは、前記リールが金属製のリールプレートがィンサー卜成形されてなり、該リールプレートの接するリール底壁に凹部を形成したことを特徴とするものである。

さらに他の磁気テープ力一トリヅジは、前記リールがリールハブと上フランジ部とが接着で接合されてなり、該上フランジ部には前記リールハブの内周面に嵌合する鍔部を設け、該鍔部とフランジ面とにまたがって環状凸部を形成し、該璟状凸部の端面'と鍔部の外周面を接着面として前記リールハブに接着してなることを特徴とするものである。

図面の簡単な説明

図 1は、本発明の一つの実施の形態による磁気テープ力一トリッジの不使用状態における断面正面図、

図 2は、図 1の磁気テープカー卜リッジの要部の分解斜視図、

図 3は、図 1の磁気テープ力一卜リッジの使用状態における要部断面図、図 4は、図 1におけるリ一ルの揷通孔と解除部材の押上部の部分の縦断面図、図 5 Aは、解除部材の押上部の他の実施の形態を示すチヤッキング動作前の要部断面図、

図 5 Bは、図 5 Aのチヤッキング動作後における要部断面図、

図 6は、リールギヤの他の実施の形態を示す要部断面図、

図 7は、解除部材の他の実施の形態を示す斜視図、

図 8は、解除部材のさらに他の実施の形態を示す斜視図、

図 9 Aは、リールの揷通孔と解除部材の押上部の部分の他の実施の形態を示す横断面図、

図 9 Bは、リールの揷通孔と解除部材の押上部の部分のさらに他の実施の形態を示す横断面図、

図 1 0 Aは、リ一ルの揷通孔と解除部材の押上部の部分の他の実施の形態を示す横断面図、

図 1 0 Bは、リールの揷通孔と解除部材の押上部の部分のさらに他の実施の形態を示す橫断面図、

図 1 1は、他の実施の形態による磁気テープ力一卜リッジの不使用状態における断面正面図、

図 1 2は、図 1 1の磁気テープ力一トリッジの要部の分解斜視図、

図 1 3は、図 1 1の磁気テープカートリッジの使用状態における要部断面図、図 1 4は、図 1 1のリールと解除部材の組み付け状態を示す断面平面図、図 1 5は、図 1 1のリ一ルの要部拡大平面図、

図 1 6は、図 1 1のリールと解除部材の要部断面図、

図 1 7は、他の実施の形態による磁気テープカートリッジの不使用状態における断面正面図、

図 1 8は、図 1 7の磁気テープカートリッジの要部の分解斜視図、

図 1 9は、図 1 7の磁気テープカー卜リッジの使用状態における要部断面図、図 2 0は、図 1 9において解除部材の上面と制止部材の下面との間で切断した要部平面図、

図 2 1は、解除部材の中心部分の断面拡大図、

図 2 2は、他の実施の形態における解除部材の中心部分の断面拡大図、図 2 3は、さらに他の実施の形態による磁気テープカートリッジの不使用状態における断面正面図、

図 2 4は、図 2 3の磁気テープカートリッジの要部の分解斜視図、

図 2 5は、図 2 3の磁気テープカートリッジの使用状態における断面図、図 2 6 Aは、制止部材の射出成形状態を示す断面図、

図 2 6 Bは、図 2 6 Aの A部拡大図、

図 2 7 Aは、解除部材の射出成形状態を示す断面図、

図 2 7 Bは、図 2 7 Aの B部拡大図、

図 2 8は、解除部材の他の射出成型状態を示す断面図、図 2 9は、他の実施の形態による磁気テープカー卜リッジの不使用状態における断面正面図、

図 3 0は、図 2 9の磁気テープカー卜リッジの要部の分解斜視図、

図 3 1は、図 2 9の磁気テープカートリッジの使用状態における要部断面図、図 3 2は、図 3 1において解除部材の上面と制止部材の下面との間で切断した要部平面図、

図 3 3は、解除部材の押上部固着構造を示す要部断面側面図、

図 3 4 Aは、解除部材の他の押上部固着構造を示す要部断面側面図、図 3 4 Bは、解除部材のさらに他の押上部固着構造を示す要部断面側面図、図 3 5は、他の実施の形態における解除部材の押上部先端部を示す断面図、図 3 6は、駆動ギヤの要部平面図、

図 3 7 Aは、図 3 6の歯先形状例を示す斜視図、

図 3 7 Bは、図 3 6の他の歯先形状例を示す斜視図、

図 3 8は、リールギヤを示すリールの要部底面図、

図 3 9は、リールギヤを示すリールの要部断面正面図、

図 4 O Aは、他の実施の形態におけるリールの要部底面図、

図 4 0 Bは、図 4 0 Aに示すリールの射出成形状態の断面図、

図 4 1 Aは、他の実施の形態におけるリールの要部底面図、

図 4 1 Bは、図 4 1 Aに示すリールの射出成形状態の断面図、

図 4 2はリールプレー卜の固定構造の他の実施形態を示す射出成形状態の断面図、

図 4 3は、リ一ルプレー卜の固定構造のさらに他の実施形態を示す射出成形状態の断面図、

図 4 4 Aは、リールプレー卜の他の形態を示す正面図、

図 4 4 Bは、図 4 4 Aの断面図、

図 4 4 Cは、図 4 4 Aの他の断面図、

図 4 5 Aは、リールプレー卜のさらに他の形態を示す正面図、

図 4 5 Bは、図 4 5 Aの断面図、

図 4 6 Aは、リールプレー卜の他の形態を示す正面図、図 4 6 Bは、図 4 6 Aの断面図、

図 4 7 Aは、リ一ルプレー卜のさらに他の形態を示す正面図、

図 4 7 Bは、図 4 7 Aの断面図、

図 4 8 Aは、リ一ルプレー卜の他の形態を示す正面図、

図 4 8 Bは、図 4 8 Aの断面図、

図 4 9は、リールのリ一ルプレートとリ一ルギヤとの他の形態を示す断面図、図 5 0は、リ一ルプレー卜とリールギヤとのさらに他の形態を示す断面図、図 5 1は、リールプレートとリールギヤとの他の形態を示す断面図、図 5 2は、リールプレー卜とリールギヤとのさらに他の形態を示す断面図、図 5 3 Aは、他の実施の形態におけるリールの要部底面図、

図 5 3 Bは、図 5 3 Aに示すリールの射出成形状態の断面図、

図 5 4は、リ一ルプレー卜の他の実施の形態を示す平面図、

図 5 5は、リールの他の実施の形態を示す平面図、

図 5 6は、他の実施の形態によるリールの断面図、

図 5 7は、図 5 6の要部拡大図、

図 5 8は、他の実施の形態によるリールの断面図、

図 5 9は、図 5 8の要部拡大図である。

発明を実施するための最良の形態以下、図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。図 1は一つの実施の形態における磁気テープカートリッジの不使用状態における断面図、図 2は要部の分解斜視図、図 3は使用状態における要部断面図である。

磁気テープカートリッジ 1は、単一のリール 2に磁気テープ（図示省略）を卷装し、上ケース 3 1と中心部に開口 3 2 aが設けられた下ケース 3 2とがビス等により締結されてなるカートリッジケース 3内に、上記リール 2を回動可能に収容して構成されている。また、上記磁気テープカートリッジ 1は、使用時に前記リール 2の回転を許容し、不使用時に前記リ一ル 2の回転を拘束するリール回転制止手段 1 0を備えている。

前記リール 2は、磁気テープが外周に巻回される有底円筒状のリールハブ 2 1 と、このリールハブ 2 1の上下端外周からそれそれ径方向に円盤状に張り出した下フランジ部 2 2及び上フランジ部 2 3とからなり、リールハブ 2 1と下フランジ部 2 2とが合成樹脂により一体成形され、上フランジ部 2 3と冽えば超音波溶着により結合されている。上記リールハブ 2 1は中心側下部が底壁 2 1 aにより閉じられ、該底壁 2 1 aの下面外周部にはリール 2を回転駆動するリールギヤ 2 4が環状に刻設され、このリールギヤ 2 4より内周側にはマグネット式吸引用の環状金属板によるリールプレー卜 2 5が取り付けられる。そして、上記リール 2 のリールギヤ 2 4及びリ一ルプレート 2 5がカー卜リッジケース 3の底面の開口 3 2 aに臨むように配置されている。なお、リール 2は後述の付勢部材 5により下方に付勢される。

また、ドライブ側回転駆動手段 1 1は、回転シャフト 1 2の上端面に円環状の駆動ギヤ 1 3とマグネット（図示せず）を備え、そのチヤッキング動作は図示せぬドライブ側のバケツ卜に装填された磁気テープカートリッジ 1が回転シャフト 1 2に対して下降し、駆動ギヤ 1 3が前記リールギヤ 2 4に嚙合すると共に、マグネットにより上記リールプレート 2 5を吸引して嚙合状態を保持する。

次に、前記リール回転制止手段 1 0の機構を説明する。このリール回転制止手段 1 0は、前記リール 2に対して接離可能に上下方向に移動する制止部材 4と、該制止部材 4を制止方向に付勢する付勢部材 5と、前記制止部材 4を解除方向に移動させる合成樹脂成形品の解除部材 6とを有している。

前記リール 2の底壁 2 1 aには、前記リールギヤ 2 4の部分を上下方向に貫通する 3個の揷通孔 2 6が円周上で等間隔に配設され、さらに、底壁 2 l aの上面には上記揷通孔 2 6と異なる位相位置に 3個の係止突起 2 7が円周上で等間隔に立設され、この係止突起 2 7の先端部はギヤ歯形状に形成されている。なお、上記揷通孔 2 6及び係止突起 2 7は 3個以上配置してもよく、係止突起 2 7の先端部は複数のギヤ歯形状としてもよい。図 2に示すリール 2は、底壁 2 1 aの部分のみ切除した状態で示している。

前記制止部材 4は、円盤部 4 1が前記リール 2のリールハブ 2 1内にその底壁 2 1 aと対向して配置され、この円盤部 4 1の下面外周部には円環状に制止用ギャ 4 2が刻設され、この制止用ギヤ 4 2には前記係止突起 2 7の先端部が嚙合可能である。また、前記円 SS部 4 1の下面中心部は凸面状に突出形成され、後述の解除部材 6の円盤部 6 1の上面中心部に接触する。

さらに、前記制止部材 4の円盤部 4 1の上面には突起部 4 4が上方に延びて形成され、この突起部 4 4には上下方向に延びる十字形状の係止溝 4 5が設けられている。一方、カー卜リッジケース 3の上ケース 3 1の内面には上記係止溝 4 5 に挿入される回り止め突起 3 3が立設されている。そして、係止溝 4 5と回り止め突起 3 3の係合で、制止部材 4が回転しない状態で上下方向に移動可能に設置されている。なお、前記係止溝 4 5と回り止め突起 3とは一文字形状に設けてもよく、また、制止部材 4に回り止め突起を上ケース 3 1に係止溝を形成するようにしてもよい。

前記制止部材 4の突起部 4 4より外周側の円盤部 4 1上面と上ケース 3 1の回り止め突起 3 3の外周側内面との間にはコイルスプリングによる付勢部材 5が縮装されて、制止部材 4を下方に制止用ギヤ 4 2と係止突起 2 7とが係合する制止方向に付勢している。

また、前記解除部材 6は、前記制止部材 4とリールハブ 2 1の底壁 2 l aとの間に上下移動可能に介装され、中心側の円盤部 6 1の外周の 3個所にアーム部 6 2が半径方向に延びて形成され、該アーム部 6 2の先端下面には上下方向に延びる角棒状の押上部 6 3がそれそれ設けられている。各押上部 6 3は、前記リールハブ 2 1に開口された挿通孔 2 6にそれぞれ出没移動可能に挿通され、その先端はリールハブ 2 1下面のリールギヤ 2 4の歯部に臨んで位置する。その際、前記係止突起 2 7は各アーム部 6 2の間に位置する。なお、上記押上部 6 3は丸棒状に形成してもよい。

前記解除部材 6の最下降位置（図 1 ) では、押上部 6 3の下端面はリ.ールギヤ 2 4の略歯先位置となり、上記リールギヤ 2 4にドライブ側回転駆動手段 1 1のチヤッキング動作により駆動ギヤ 1 3が嚙合するのに応じて解除部材 6が押圧され所定のストローク量で押し上げられるようになつている（図 3 ) 。また、この解除部材 6は、押上部 6 3の挿通孔 2 6への嵌合によりリール 2と一体に回転する。また、前記付勢部材 5によって前記制止部材 4は、その下面中央の凸面部先端が上記解除部材 6の上面に当接するように ί寸勢されるものであり、両者は摺動接触する。そして、前記リール 2におけるリールギヤ 2 4に貫通形成される揷通孔 2 6は、図 4に示すように、リールギヤ 2 4の隣接する歯先 2 4 aと歯先 2 4 a間に 1ビツチの幅で開口されている。つまり、この揷通孔 2 6に揷通された解除部材 6の押上部 6 3の中心がリールギヤ 2 4の歯溝の中心となり、このリールギヤ 2 4と嚙合する駆動ギヤ 1 3の歯先と合致するように開口されている。

前記挿通孔 2 6の開口幅は、リールギヤ 2 4の 1ピッチ又は 2ピッチ程度に設けるものである。

なお、前記制止部材 4と解除部材 6の少なくとも一方を、二硫化モリブデン、ポリテトラフルォロエチレン、黒鉛（グラフアイ卜）、チタン酸カリウムゥイス力、シリコーン（各種グレードのジメチルポリシロキサン及びその変性物）等の滑剤を含有する合成樹脂で成形して、その滑り性を改善してもよい。また、上記の滑剤と共に、ォレイン酸アミド滑剤、エル力酸アミド系滑剤、ステアリン酸ァミド系滑剤、ビス脂肪酸アミド系滑剤、非イオン界面活性剤系滑剤、炭化水素系滑剤、脂肪酸系滑剤、エステル系滑剤、アルコール系滑剤、金属石けんなどの滑剤を添加してもよい。さらに、合成樹脂としては、 P C (ポリカーボネート）、 P O M (ポリオキシメチレン）、グラスファイバー含有 A B S (ァクリロ二トリルブタジエンスチレン）、 P P S、ナイロン 6又はナイロン 6 6などの脂肪族系ポリアミド、芳香族ポリアミド、超高分子量ポリエチレン、ァイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリスチレン、ポリイミド又はポリアミドィミド又はポリエーテルィミドなどのィミド基を有する耐摩耗性に優れた樹脂を使用するのが好適である。これにより、両者の摺動接触部分の摩擦及び摩耗が低減して、駆動抵抗の減少による安定したリール 2の回転が行えると共に、摩耗粉の発生を抑制して記録再生性能の信頼性を確保することができる。

前記リール回転制止手段 1 0の作用を説明すれば、図 1は磁気テープ力一トリッジ 1の保管状態等の不使用時であり、この状態では、付勢部材 5の付勢力によつて制止部材 4、解除部材 6並びにリール 2は力一トリッジケース 3の下ケース 3 2側に移動しており、下ケース 3 2中心部の開口 3 2 aはリール 2によって閉塞される。解除部材 6は下面がリールハブ 2 1の底壁 2 1 a上面に当接した最下降状態にあり、その押上部 6 3は先端部がリールギヤ 2 4の歯先位置に一致するように突出しており、解除部材 6の上面に当接している制止部材 4も下降位置にあり、その制止用ギヤ 4 2にリール 2の係止突起 2 7の先端部が係合してリール 2の不使用時における回転が拘束され、磁気テープの引き出しを阻止する。

—方、磁気テープ力一トリッジ 1をドライブに装填した図 3のカートリッジ使用時は、ドライブ側回転駆動手段 1 1の回転シャフト 1 2がリール 2の底面に対して接近し、チヤッキング動作によって駆動ギヤ 1 3がリールギヤ 2 4に嚙合しリール 2を若干上方に移動させて保持すると、上記駆動ギヤ 1 3の歯先が解除部材 6の押上部 6 3の先端に当接してこれを押し上げる。これに伴い、解除部材 6 が付勢部材 5の付勢力に抗して上方へ移動し、この解除部材 6と一体に制止部材 4も上方の解除方向へ移動する。これにより制止用ギヤ 4 2と係止突起 2 7の係合が解除され、リール 2が回転自在とされる。そして、記録再生装置のドライブによって磁気テープが引き出され又は巻き取りが行われる。

上記解除状態においては、解除部材 6は押上部 6 3がリールギヤ 2 4の歯先 2 4 a間に開口する挿通孔 2 6内においてその先端が駆動ギヤ 1 3の歯先に確実に当接した状態となって押圧され、その押上移動が直線的に安定して行え、制止部材 4を所期のストローク量で移動させて制止用ギヤ 4 2と係止突起 2 7との係合を確実に解除できる。

次に、図 5 A及び図 5 Bは他の実施の形態を示し、解除部材 6の押上部 6 3の先端部形状が異なる他は前例と同様に形成されている。

前記押上部 6 3は、前記と同様にリールギヤ 2 4の歯先 2 4 a間に開口した挿通孔 2 6に揷通され、ドライブ側回転駆動手段 1 1の駆動ギヤ 1 3と当接する先端面の中心部には、駆動ギヤ 1 3の歯先が係合可能な凹部 6 3 aが形成されている。

前記押上部 6 3の凹部 6 3 aの駆動ギヤ 1 3との係合深さ hは、リールギヤ 2 4と駆動ギヤ 1 3との嚙合深さを H、前記制止用ギヤ 4 1と係止突起 2 7の嚙合深さ（つまり解除高さ）を D (図示せず）としたとき、押上部 6 3の有効押上高さ H— hが解除高さ Dより十分大きい、 H— h》Dとなる寸法に設定し、解除作動を確保する必要がある。

本例の押上部 6 3は先端面に凹部 6 3 aを有することにより、図 5 Aの不使用時からドライブ ί刖回転駆動手段 1 1のチヤッキング勁作によって、図 5 Βのように駆動ギヤ 1 3の歯先が押上部 6 3の凹部 6 3 aに係合して、駆動ギヤ 1 3の上昇初期から解除部材 6の確実な押し上げ作動が得られる。

図 6はリールギヤ 2 4の他の実施の形態を示すもので、前記揷通孔 2 6が開口された両端のリールギヤ 2 4の ϋ先 2 4 aの先端が平坦に除去されている。この先端除去形状は平坦形状に代えて、曲面状に除去する R形状又は面取り斜面に除去する C形状としてもよい。

上記挿通孔 2 6の開口端におけるリールギヤ 2 4の歯先 2 4 aは、そのままではエッジ状に先鋭となるのを、上記のように低く除去することで成形金型の形成が容易となると共に、成形性が向上する。

次に、図 7及び図 8はそれそれ前記解除部材 6の他の実施の形態を示すもので、解除部材 6を金属板の板金プレスによって形成してなる例である。

' すなわち、図 7では、金属板を解除部材 6の円盤部 6 1 , アーム部 6 2及び押上部 6 3の展開形状に打ち抜き、アーム部 6 2の先端延長部を下方に折り曲げて押上部 6 3を形成すると共に、さらに先端部を内側に折り曲げて当接部 6 3 bを形成してなるものである。なお、当接部 6 3 bは折り曲げることなく押上部 6 3 の板厚で形成してもよい。

また、図 8の例では、アーム部 6 2の先端に側部から下方に折り曲げた押上部 6 3を連接し、さらに先端部を折り曲げて当接部 6 3 bを形成したものである。上記板金プレスによる解除部材 6は、剛性の確保が容易となり、合成樹脂成形品では剛性不足となるような厚みに設計することが可能で、解除部材 6の薄肉化によるリール回転制止手段 1 0の設置スペースの確保が容易となると共に、リールギヤ 2 4における揷通孔 2 6の小形化に伴うリール 2のドライブ側回転駆動手段 1 1との嚙合面積の増大が図れる。

次に、図 9 A及び図 9 Bは前記揷通孔 2 6と押上部 6 3の他の実施の形態を示すものであり、前記リール 2におけるリールギヤ 2 4に貫通形成される揷通孔 2 6の内周面と、前記解除部材 6の押上部 6 3の外周面とは、いずれかの表面に設けられた接触面積を低減する微小突起を介して接触するように構成されている。まず、図 9 Aの例では、押上部 6 3は角棒状で表面は平滑であり、揷通孔 2 6 の内面に微小突起 2 6 aが押上部 6 3の移 j方向に沿う縦方向に形成されている _c また、図 9 Bの例では、揷通孔 2 6は角孔で内面は平滑であり、角棒状の押上部 6 3の表面に微小突起 6 3 dがその移動方向に沿う縦方向に形成されている。上記微小突起 2 6 a， 6 3 dは高さが数 10〃m程度であり、図面では誇張して示している。

さらに、図 1 0 A及び図 1 0 Bには、前記押上部 6 3が丸棒状に形成された他の実施の形態を示し、角孔状に形成された挿通孔 2 6の内面に接触面積を低減する微小突起が設けられている。

つまり、図 1 0 Aの ί列では、丸棒状の押上部 6 3の表面は平滑であり、揷通孔 2 6の内面に各面で複数の微小突起 2 6 aが押上部 6 3の移動方向に沿う縦方向に形成されている。また、図 1 0 Bの例では、丸棒状の押上部 6 3の表面は平滑であり、揷通孔 2 6の内面に各面の中心部に微小突起 2 6 aが押上部 6 3の移動方向に沿う縦方向に形成されている。なお、丸棒状の押上部 6 3の表面に接触面積を低減する微小突起を設けるようにしてもよく、また、揷通孔 2 6は丸孔状に形成してもよい。

本例では、前記リール回転制止手段 1 0の制止状態から解除状態への移動又は解除状態から制止状態への移動において、前記解除部材 6の押上部 6 3の外周面とリール 2の挿通孔 2 6の内周面とは、接触面積を低減する微小突起 2 6 a又は 6 3 dを介して接触していることで、その摩擦抵抗が小さくなり、安定して確実な押上部 6 3の移動が行われる。

次に、図 1 1は他の実施の形態における磁気テープカートリッジの不使用状態における断面図、図 1 2は要部の分解斜視図、図 1 3は使用状態における要部断面図である。

本実施形態の磁気テープカー卜リヅジ 1におけるリール 2、カー卜リヅジケ一ス 3、リール回転制止手段 1 0などの基本的構造及びその作動は前述の実施の形態と同様に構成され、同一構成部品には同一符号を付してその説明を省略する。なお、リール 2の底壁 2 1 aの上面には揷通孔 2 6と異なる位相位置に 3組 6 (ISの係止突起 2 7が円周上で等間隔に立設され、この係止突起 2 7の先端部が複数のギヤ歯形状に形成されている。なお、上記揷通孔 2 6及び係止突起 2 7は 3 個或いは 3組以上配置してもよく、係止突起 2 7の先端部は単一のギヤ歯形状としてもよい。図 1 2に示すリール 2は、底壁 2 1 aの部分のみ切除した状態で示している。

また、リール回転制止手段 1 0の解除部材 6は、略三角形状の板状基部 6 1の各頂点近傍下面に上下方向に延びる円柱状の押上部 6 3がそれそれ設けられている。係止突起 2 7は各押上部 6 3の間で板状基部 6 1の外側に位匱する。なお、上記押上部 6 3は角柱状、楕円柱状等に形成してもよい。

そして、前記リール 2には、解除部材 6の押上部 6 3を揷通孔 2 6に挿入する際に、解除部材 6の一部を挿入方向に案内するガイド部材 2 8が設置されている。前記ガイド部材 2 8は、図 1 4〜図 1 6に示すように、リールギヤ 2 4に貫通形成される挿通孔 2 6の近傍におけるリール 2のリールハブ 2 1の内壁に、前記解除部材 6の略三角形状の板状基部 6 1の各頂部の両角部を案内する上下方向（押上部 6 3の挿入方向）に延びる 2つのガイドリブで形成されている。

このガイド部材 2 8 (ガイドリブ）の高さ H I (図 1 6参照）は、押上部 6 3 を揷通孔 2 6の上方から挿入する際に、押上部 6 3の下端部が揷通孔 2 6の上開口端に到達する前に板状基部 6 1の案内を行うように、押上部 6 3の高さ h 1より大きく形成されている。また前記揷通孔 2 6の上端開口部の周縁はテ一パ面 2 6 bに形成され、押上部 6 3の先端を誘い込むように設けられている。

上記解除部材 6の各押上部 6 3が各挿通孔 2 6の上方となるように板状基部 6 1の各頂部の位置を前記ガイド部材 2 8により位置決めした後、この解除部材 6 の保持を解放して落下させると、ガイド部材 2 8の挿入方向の案内によって押上部 6 3は挿入方向に移動して挿通孔 2 6に挿入し、リール 2に対する解除部材 6 の組み立てを行うものである。

なお、前記磁気テープカートリッジ 1の組み立ては、下ケース 3 2を上向きに置き、これにリール 2を載置し、続いて解除部材 6を前述のガイド部材 2 8によつて案内しつつ組み付け、その上に制止部材 4、付勢部材 5を載置した後に、上ケース 3 1を載置し、その後、上下を逆にして下ケース 3 2側からビス締結を行つて組み付けを完了するものである。

なお、本実施形態においては、ガイド部材 2 8をリールハブ 2 1の内壁に形成している力その配設位置はこれに限らず、制止部材 4と干渉しない位置において前記解除部材 6の一部を押上部 6 3の挿入方向に案内するように、リール 2の底壁 2 1 aにガイド部材 2 8を突設するようにしてもよい。また、前記揷通孔 2 6はリールギヤ 2 4より内周側に設けてもよい。

上記のような本実施形態によれば、ガイド部材 2 8をリール 2に設けたことにより、解除部材 6の押上部 6 3をリール 2の挿通孔 2 6に挿入する際の押上部 6 3の位置決め及び挿入方向への移動案内を行ってリール 2と解除部材 6との組み付けを容易に行うことができ、全体としての磁気テープ力一トリッジ 1の組み立てが効率良く行える。

特にリ一ル 2に設けたリ一ルギヤ 2 4に開口する挿通孔 2 6に解除部材 6の押上部 6 3を通して先端を駆動ギヤ 1 3に当接可能とし、この揷通孔 2 6の近傍におけるリール 2の内壁に、押上部 6 3の挿入方向に延びるガイドリブによるガイド部材 2 8を設けると、制止部材 4等の他部品と千渉することなくガイド部材 2 8を形成することができると共に、組み付け時の解除部材 6の案内が挿通孔 2 6 の近傍において良好に行える。

次に、図 1 7は他の実施の形態における磁気テープカートリッジの不使用状態における断面図、図 1 8は要部の分解斜視図、図 1 9は使用状態における要部断面図、図 2 0は組込み状態の解除部材の平面図である。

本実施形態の磁気テープ力一卜リッジ 1におけるリール 2、カートリッジケース 3、リール回転制止手段 1 0などの基本的構造及びその作動は前述の実施の形態と同様に構成され、同一構成部品には同一符号を付してその説明を省略する。前記リ一ル回転制止手段 1 0の解除部材 6は、略三角形状の板状基部 6 1の各頂点近傍下面には上下方向に延びる円柱状の押上部 6 3 (脚部）が設けられ、前記基部 6 1は高剛性樹脂材料で押上部 6 3と共に一体成形される一方、その上面中心部には制止部材 4の下面中心部と接触する摺動接触部 6 4が低摩擦特性を有する別部材で形成され、一体に固着されている。前記制止部材 4は、円盤部 4 1 の下面中心部は凸面状に突出形成され、前記摺動接触部 6 4に圧接する。

上記摺動接触部材 6 4は、図 2 1に示すように、円盤ブロック状の樹脂成形品で設けられ、その上面が前記基部 6 1の上面より突出した状態で、基部 6 1の凹部内に固着されている。

前記解除部材 6の基部 6 1を成形する高剛性樹脂としては、冽えば、 P C (ポリカーボネイト）又はこれにグラスファイバ一を添加したもの、 A B S樹脂にグラスファイバーを添加したものなどがあげられる。また、前記摺動接触部 6 4の低摩擦特性の材料としては、 P O M (ポリオキシメチレン）、ナイロンに二硫化モリブデンを添加したもの、 P T F E (ポリテ卜ラフルォロエチレン）などがあげられる。

また、図 2 2は前記解除部材 6の摺動接触部 6 4の他の実施形態を示し、この摺動接触部 6 4はテープ状に形成した低摩擦特性を有する別部材を、前記基部 6 1の平坦な中心位置に固着してなるものである。

そして、前記リール回転制止手段 1 0の解除状態においては、解除部材 6は先端の押上部 6 3が駆動ギヤ 1 3によって上向きに押圧される一方、制止部材 4を介して付勢部材 5の付勢力が下向きに作用し、基部 6 1の橈み変形が発生しやすいが、この基部 6 1を高剛性樹脂で成形していることで撓み変形が小さくなり、押上部 6 3が挿通孔 2 6に片当たりすることなく、その出没移動が直線的に安定して行え、制止部材 4を所期のストローク量で移動させて制止用ギヤ 4 1と係止突起 2 7との係合を確実に解除できる。また、解除部材 6の厚みを薄くすることが可能で、移動のストローク量を十分に確保できる。

一方、前記記録再生装置のドライブによって磁気テープが引き出され又は巻き取りによってリール 2が回転すると、該リール 2と一体に解除部材 6は回転するが、制止部材 4はカートリッジケース 3側と一体に固定状態にあって回転せず、解除部材 6はその低摩擦特性の摺動接触部 6 4を介して制止部材 4に対して低摩擦及び低摩耗状態で回転摺動する。これにより、リール 2の回転抵抗が低減し、耐摩耗性が高くなることで摩耗粉の発生も低減できる。

上記のような本実施形態によれば、解除部材 6の基部 6 1を高剛性樹脂材料で成形すると共に、前記制止部材 4との摺動接触部 6 4を低摩擦特性を有する別部材で形成したことにより、解除部材 6の剛性が向上してその橈み変形が低減し、解除部材 6の移動が安定して行えることに伴って制止部材 4を所定の移動量で確実に解除作動させることができ、リール回転制止手段 1 0の動作信頼性を確保することができると共に、両者の摺動接触部分の摩擦及び摩耗が低減して、駆動抵抗の減少による安定したリール 2の回転が行え、摩耗粉の発生を抑制して記録再生性能の信頼性を確保することができ、量産にも適したものとなる。

つまり、前記解除部材 6は高剛性と低摩擦特性とが要求されるが、一体の樹脂成形品で設けるについて両者の要求を満足する樹脂材料がなく、あっても特殊で高価な材料であり、量産品には適さない。

次に、図 2 3は他の実施の形態における磁気テープ力一卜リッジの不使用状態における断面図、図 2 4は要部の分解斜視図、図 2 5は使用状態における断面図である。

本実施形態の磁気テープカートリッジ 1におけるリール 2、力一トリッジケ一ス 3、リール回転制止手段 1 0などの基本的構造及びその作動は前述の実施の形態と同様に構成され、同一部品には同一符号を付してその説明を省略する。図 2 6 Aはリール回転制止手段 1 0の制止部材 4を射出成形する状態を示す図であり、図 2 6 Bは図 2 6 Aの要部 A拡大図である。制止部材 4は、固定金型 7 1及び可動金型 7 2により形成される空間内にランナ 7 3からゲートを通して樹脂を射出することにより成形される。この際、制止部材 4における解除部材 6と摺動する面とは反対側の面のリール 2の回転中心位置に形成された凸部 4 3にランナ 7 3が接続し、成形後成形品を取り出すために可動金型 7 2が移動するときに、ランナ 7 3が制止部材 4から切り離されて、この凸部 4 3にゲート跡 4 6が形成される。

図 2 7 Aは解除部材 6を射出成形する状態を示す図であり、図 2 7 Bは図 2 7 Aの要部 B拡大図である。解除部材 6は、固定金型 7 4及び可動金 ¾Τ7 5により形成される空間内にランナ 7 6からゲートを通して樹脂を射出することにより成形される。この際、解除部材 6における制止部材 4と摺動する面とは反対側の面のリール 2の回転中心位置にランナ 7 6が接続し、成形後成形品を取り出すために可動金型 7 5が移動するときに、ランナ 7 6が解除部材 6から切り離されて、ここにゲート跡 6 7が形成される。

このように、制止部材 4及び解除部材 6の互いに摺動する面におけるリール 2 の回転中心近傍に射出成形用のゲート跡 4 6， 6 7を設けることにより、制止部材 4と解除部材 6とが摺動する際に、制止部材 4と解除部材 6との摺動抵抗が大きくなることがなくなり、また摩耗粉が発生することもなくなる。また、回転中心近傍にゲート跡 4 6， 6 7を設けているため、金型 7 1， 7 2 , 7 4 , 7 5内における樹脂の流れは略均一となり、これにより制止部材 4及び解除部材 6の寸法精度が悪化することがなくなるとともに、外観及び強度的にも良好に制止部材 4及び解除部材 6を製造することができる。

なお、上記実施形態においては、制止部材 4及び解除部材 6におけるリール 2 の回転中心位置にゲート跡 4 6 , 6 7を形成しているが、制止部材 4及び解除部材 6の摺動面とは反対側の面に形成されていれば、回転中心位置から若干ずれていても問題はないものである。

また、上記実施形態においては、制止部材 4及び解除部材 6の双方において、摺動面とは反対側の面にゲート跡 4 6， 6 7を形成しているが、制止部材 4及び解除部材 6のいずれか一方においてのみ摺動面とは反対側の面にゲート跡を形成してもよい。

さらに、上記実施形態においては、図 2 7 Aに示すように解除部材 6を射出成形しているが、解除部材 6の押上部 6 3は揷通孔 2 6に挿入されて移動するため、板状基部 6 1に対して垂直に立設される必要がある。しかしながら、解除部材 6 を射出成形する際に生じる樹脂のひけにより、板状基部 6 1が反ってしまい押上部 6 1を精度よく形成することができなくなるおそれがある。また、図 2 7 Aに示すように、固定金型 7 4側にゲ一ト跡 6 7及び 3本の押上部 6 3が形成されるため、解除部材 6と固定金型 7 4との摺動抵抗が大きくなり、固定金型 7 4と可動金型 7 5とを開く際に、解除部材 6が固定金型 7 4側に取られてしまい、成型品を金型 7 4 , 7 5からスムーズに取り出すことができないという問題がある。このため、図 2 8に示すように、解除部材 6の可動金型 7 5に対向する側における押上部 6 3と対応する位置に、押上部 6 3が肉薄となるような穴部 6 aを形成することが好ましい。すなわち、可動金型 7 5の押上部 6 3と対応する位置にビン状の凸部 7 5 aを形成し、解除部材 6を射出成型する際に解除部材 6に穴部 6 aを形成すればよい。ここで、解除部材 6における押上部 6 3に対応する位置はゲートから離れた位置にあるため、樹脂が固化する際に収縮が大きいものである。したがって、金型 7 4 , 7 5内において解除部材 6が固化する際に、穴部 6 aが収縮して可動金型 7 5の凸部 7 5 aのホールド力が生じることとなる。これにより、金型 7 4 , 7 5を解除する際に、解除部材 6が固定金型 7 4に取られてしまうことを防止して、金型 7 4 , 7 5の解除ひいては成型品の取り出しをスムーズに行うことができる。

また、押上部 6 3を均一な肉厚とすることにより樹脂のひけを防止でき、これにより成型時における押上部 6 3の倒れを防止でき、その結果押上部 6 3の寸法精度を向上させることができる。

上記のような本実施形態によれば、解除部材 6及び/又は制止部材 4の互いに摺動する側とは反対側におけるリール 2の回転中心近傍に射出成形用のゲー卜跡 6 7 , 4 6を設けたため、ゲ一卜跡の凹凸により解除部材 6と制止部材 4との摺動抵抗が大きくなることがなくなり、また摩耗粉が発生することもなくなる。また、リール 2の回転中心近傍にゲート跡を設けているため、金型内における樹脂の流れは略均一となり、これにより解除部材 6及び/又は制止部材 4の寸法精度が悪化することがなくなるとともに、外観及び強度的にも良好な解除部材 6及び /又は制止部材 4を製造することができる。

次に、図 2 9は他の実施の形態における磁気テープ力一卜リッジの不使用状態における断面図、図 3 0は要部の分解斜視図、図 3 1は使用状態における要部断面図、図 3 2は組込み状態の解除部材の平面図である。

本実施形態の磁気テープカートリヅジ 1におけるリール 2、カートリツジケ一ス 3、リール回転制止手段 1 0などの基本構造及びその作動は前述の実施の形態と同様に構成され、同一構成部品には同一符号を付してその説明を省略する。前記リ一ル回転制止手段 1 0の解除部材 6は、略三角形状の金属製の板状基部 6 1の各頂点近傍下面に、上下方向に延びる円柱状の押上部 6 3 (脚部）が設けられている。

上記押上部 6 3は金属加工品又は樹脂成形品で形成され、図 3 3に示すように、先端角部にはエツジが形成されないように面取り形状に設けられる。この押上部 6 3の上端部には棒状ネジによる取付部 6 3 f が設けられ、該取付部 6 3 f が前記基部 6 1の各頂部に形成されたネジ孔 6 1 aに螺合されて固着されている。また、図 3 4 A及び図 3 4 Bは前記解除部材 6の押上部 6 3の基部 6 1への固着構造の他の実施形態を示している。図 3 4 Aでは、樹脂製押上部 6 3の上端部にはスナップ状の取付部 6 3 gがー体成形され、該取付部 6 3 gが前記基部 6 1 の各頂部に形成された段付き取付孔 6 1 bに挿入係止されて固着される。また、図 3 4 Bでは、樹脂製押上部 6 3の上端部には金属クリップ状の取付部 6 3 hがインサート成形で設けられ、該取付部 6 3 hが前記基部 6 1の各頂部に形成された取付孔 6 1 cに挿入係止されて固着される。

その他、上記基部 6 1への押上部 6 3の固着は、圧入、かしめ（熱、溶着）、焼きばめなどの公知の方法が採用可能である。なお、前記押上部 6 3における取付部 6 3 f 〜 6 3 hは、金属製押上部では切削加工で又は別部品を固着して形成し、樹脂製押上部では樹脂製取付部を一体成形で設けるか溶着等で固着し、又は、金属製取付部をィンサート成形で設けるのが好適である。

次に、図 3 5は、樹脂製押上部 6 3の場合に、その先端部の前記駆動ギヤ 1 3 との接触面に金属材 6 3 kを固着したものであり、金属製の駆動ギヤ 1 3との接触における耐摩耗性を向上している。上記金属材 6 3 kは、金属板（金属箔）の貼着、インサート成形等により設けられる。

前記リール回転制止手段 1 0の解除状態においては、解除部材 6は先端の押上部 6 3が駆動ギヤ 1 3によって上向きに押圧される一方、制止部材 4を介して付勢部材 5の付勢力が下向きに作用し、基部 6 1の橈み変形が発生しやすいが、この基部 6 1を金属製としていることで撓み変形が小さくなり、押上部 6 3も別部材で精度よく取り付けることができ揷通孔 2 6に片当たりすることなく、その出没移動が直線的に安定して行え、制止部材 4を所期のストローク量で移動させて制止用ギヤ 4 1と係止突起 2 7との係合を確実に解除できる。また、解除部材 6 の厚みを薄くすることが可能で、移動のストローク量を十分に確保でき、しかも、押上部 6 3と駆動ギヤ 1 3との当接がスムーズに行えエッジ部に引っ掛かることがない。

なお、前記駆動ギヤ 1 3は金属製で、その歯先が先鋭に形成されていると上記押上部 6 3の先端との当接において、押上部 6 3の摩耗により耐久性の点で不利となることから、図 3 6及び図 3 7 A , 図 3 7 Bに示すように、駆動ギヤ 1 3の歯先エツジ部を曲面に形成するのが好ましい。

図 3 6及び図 3 7 A , 図 3 7 Bは、駆動ギヤ 1 3の金属加工がしゃすい形状として、駆動ギヤ 1 3の歯先部 1 3 aは、外周部では先端が平坦で内周側では先端が尖ると共に高さが低くなり、歯の側面角度が両側で異なり、歯溝部 1 3 bが広く形成されているが、図 3 7 Aの形態では、先鋭となる内周側の歯先部 1 3 a先端を R面の面取りによる曲面に設けて、この駆動ギヤ 1 3と嚙合するリールギヤ 2 4及び前記解除部材 6の押上部 6 3先端に対する当接におけるダメージを軽減している。同様に図 3 7 Bの形態では、歯先部 1 3 aの外周側の平坦部先端についても内周側と同様に R面の面取りによる曲面に設けた例である。

さらに、前記リール 2に形成するリールギヤ 2 4についても、上記の駆動ギヤ 1 3と同様のギヤ形状の場合には、同様に歯先先端を R面の面取り形状による曲面に設けてもよい。

また、図 3 8及び図 3 9は前記リールギヤ 2 4のギヤ形状例を示すものであり、歯先部 2 4 aの頂部を内外周共に平坦な平面で形成し、先鋭部が形成されないようにしている。このリールギヤ 2 4の歯の側面角度は両側で異なり、歯溝部 '2 4 bが広く且つ深く形成され、歯先部 2 4 aの平坦面は内外周で略同じ幅に形成されている。これにより、樹脂成形品によるリールギヤ 2 4の強度が増大し、金属製の駆動ギヤ 1 3との嚙合における歯欠けの発生を防止できる。なお、駆動ギヤ 1 3についても、上記のような歯先部の頂部を平坦とした形状に設けてもよい。上記のような本実施形態によれば、解除部材 6の基部 6 1を金属製とする一方、押上部 6 3を別体に形成し前記基部 9 1に固着したことにより、解除部材 6の寸法精度が向上すると共に剛性が向上してその橈み変形が低減し、押上部 6 3の揷通孔 2 6での摺動も確保でき、解除部材 6の移動が安定して行えることに伴って制止部材 4を所定の移動量で確実に解除作動させることができ、リール回転制止手段 1 0の動作信頼性を確保することができる。

また、押上部 6 3の少なくとも先端部を金属製とすると、この押上部先端への押圧作動に対する耐久性が向上する。

次に、リール及びその製造方法に関する実施の形態を説明する。図 4 O Aはリール 2の底面中央のリールプレート 2 5 (金属プレー卜）部分の底面図を、図 4 0 Bはその成形状態の断面図を示している。

リールプレー卜 2 5は中央穴 2 5 aを有する円環状に形成され、リール 2の底壁 2 1 aにィンサー卜成形された状態では、中央穴 2 5 aの部分は底壁 2 1 aの樹脂で閉塞され、外周側にはリールギヤ 2 4がプレート面より突出して設けられる。

リール 2の射出成形は、図 4 0 Bに示すように、固定金型 7 1及び可動金型 7 2により形成されるキヤビティ内にゲ一トブッシュ 7 7のゲート 7 7 aを通して樹脂を射出することにより成形される。固定金型 7 1には中心部に前記ゲートブヅシュ 7 7が配設され、このゲ一トブッシュ 7 7の外周に前記リールプレート 2 5の内周面を保持する保持部材 7 8が配設されている。保持部材 7 8は管状でその先端にはリング状突起 7 8 aが設けられ、このリング状突起 7 8 aの外周面にリールプレート 2 5の中央穴 2 5 a内周面を嵌挿して、このリールプレート 2 5 を金型 7 1の所定位置の内面にプレート面を密着させた状態で保持し、可動金型 7 2を閉じて樹脂が射出される。

成形後のリール 2においては、リールプレート 2 5の中央穴 2 5 aを閉塞する底壁 2 1 aの部分には、上記保持部材 7 8のリング状突起 7 8 aの保持跡 2 1 b が凹状のリング溝として形成される。また、その中心部にはゲート跡 2 1 cが形成される。

上記のような保持部材 7 8によってリールプレート 2 5の中央穴 2 5 a内周面を保持してィンサート成形を行うと、樹脂の流入に伴ってリールプレート 2 5が移動してずれるのを防止でき、リール 2の所定位置にリールプレート 2 5を固着できる。また、保持部材 7 8を固定金型 7 1及びゲ一トブッシュ 7 7と別部材としていることで、磨耗時には部品交換のみで対応可能となる。

図 4 1 Aはリールプレート 2 5の保持構造の他の実施の形態を、図 4 1 Bはその成形状態を示し、固定金型 7 1に設けたリールプレート保持用の保持部材 7 8 の先端部をビン構造とした例である。

つまり、保持部材 7 8は管状で、その先端には 3本以上（図では 3本）の保持ビン 7 8 bが突設され、この保持ピン 7 8 bの外周面がリールプレート 2 5の中央穴 2 5 aの内周面に当接してこのリールプレー卜 2 5を金型 7 1の所定位置の内面にプレート面を密着させた状態で保持し、可動金型 7 2を閉じてゲー卜 7 7 aから樹脂を射出してインサ一ト成形する。

成形後のリール 2においては、一体化されたリ一ルプレー卜 2 5の中央穴 2 5 aの内側の底壁 2 l aには、 3つの凹状の保持跡 2 I dが形成され、中心部にゲート跡 2 1 cが形成される。この保持ピン 7 8 bによる保持では、保持ビン 7 8 bをリールプレー卜 2 5より突出させてもゲー卜 Ί 7 aから射出された樹脂の流動への影響は少ないことから、保持ピン 7 8 bの突出量を大きくしてリールプレ —ト 2 5の保持機能を高めてもよい。

次に、図 4 2は成形金型の他の実施の形態を示し、固定金型 7 1に載置したリ —ルプレート 2 5を、可動金型 7 2に設けたスプリング 8 0で付勢した可動ビン 7 9によって押圧固定し、この固定状態で樹脂を射出してインサート成形するものである。

これにより、射出時の樹脂の流れによりリールプレート 2 5が移動するのを防止して所定位置にリールプレート 2 5を取り付けたリール 2の成形が行えると共に、可動ピン 7 9によりリール底壁 2 1 aにはピン穴が形成されるがリールプレート 2 5により閉塞され防塵性は確保できる。なお、前記図 4 0 B又は図 4 1 B に示した保持部材 7 8によるリールブレート 2 5の保持に加えて、上記可動ビン 7 9による押圧固定を行うようにしてもよい。

図 4 3はリールプレー卜 2 5の固定に関するさらに他の実施の形態を示し、磁力によってリールプレー卜 2 5を固定金型 7 1の所定位置に保持する例である。つまり、固定金型 7 1のゲートブッシュ 7 7の外周部に磁石 8 1を金型表面と面一に配設し、この磁石 8 1の磁力によってリールプレー卜 2 5を吸着保持し、ィンサ一ト成形を行うものである。

次に、リール 2の底壁 2 1 aに対する固着力を高めるリールプレー卜 2 5の各種形態を示す。

図 4 4 Aに示すリールプレート 2 5の形態は、中央穴 2 5 aを有すると共に、その平面部に 3個の固着用穴 2 5 bを開口し、外周部、中央穴 2 5 aの内周部及び固着用穴 2 5 bの内周部のそれぞれ半周に、図 4 4 Bのようなテーパ部 2 5 c、又は図 4 4 Cのような段部 2 5 dを形成してなる。上記のようなリールプレー卜 2 5は図 4 4 Aに示す面を固定金型 7 1の内面に密着させてィンサ一ト成形し、テ一パ部 2 5 c又は段部 2 5 dにも樹脂を充填してリールプレート 2 5の固着力を高めリール 2からの離脱を防止する。また、固着用穴 2 5 bの開口によりさらに高い固着力を得ている。

図 4 5 A及び図 4 5 Bに示すリールプレート 2 5の形態は、中央穴 2 5 a及び固着用穴 2 5 b ( 3個）が開口されると共に、その外周部、中央穴 2 5 aの内周部及び固着用穴 2 5 bの内周部のそれそれ全周に、テ一パ部 2 5 cを形成してなる。

図 4 6 A及び図 4 6 Bに示すリールプレート 2 5の形態は、中央穴 2 5 a及び固着用穴 2 5 b ( 6個）が開口され、この固着用穴 2 5 bの内周部のそれそれ全周にテ一パ部 2 5 cを形成するものであるが、その半数でテ一パ部 2 5 cの向きを逆にして、表裏対称形状として互換性をもたせている。これにより、金型 7 1 へのリールプレート 2 5のセッ卜が表裏を選択する必要がなくなり、作業性が向上する。

図 4 7 A及び図 4 7 Bに示すリールプレート 2 5の形態は、外周面に環状に凹溝 2 5 eを形成している。この凹溝 2 5 e内への樹脂の充填により固着力が増大する。

図 4 8 A及び図 4 8 Bに示すリールプレート 2 5の形態は、樹脂との接触面に、アンダーカツト形状の固着用凹部 2 5 f を形成している。この固着用凹部 2 5 f のアンダー力ッ卜部への樹脂の充填により固着力が増大する。

なお、前述のようにリールプレー卜 2 5に固着用穴 2 5 bが開口している場合には、射出成形用のゲ一卜位置をこの固着用穴 2 5 bの部分に設けるようにしてもよい。

次に、図 4 9〜図 5 2は、リールプレート 2 5とその外周に形成するリールギャ 2 4との各種形態を示し、金型 7 1より成形後のリール 2を離型する際の、リールギヤ 2 4を成形するギヤ部金型とリールプレー卜 2 5との干渉防止を図っている。

図 4 9の形態は、リールプレート 2 5の外周面とリールギヤ 2 4の内周端との間に半径方向にクリアランス（樹脂が充填される）を形成して、離型時のリールプレート 2 5とギヤ部金型との干渉防止を行っている。

図 5 0の形態は、リ一ルプレー卜 2 5の外周端の高さ位置とリールギヤ 2 4の歯底部の高さとの間に高さ方向にクリアランスを形成して、前述の干渉防止を行つている。

図 5 1の形態は、リールプレー卜 2 5の外周面を傾斜形状として、このリールプレート 2 5の外周角部とリールギヤ 2 4の歯底部との間にクリアランスを形成して、前述の干涉防止を行っている。

図 5 2の形態は、リールギヤ 2 4の歯底部を成形するギヤ部金型の内端部を面取りして、リールプレート 2 5の外周端との間にクリアランスを形成して、前述の干渉防止を行っている。

上記のような本実施形態によれば、リール 2の底面に中央穴 2 5 aを有する円環状のリールプレート 2 5をィンサー卜成形するについて、リールプレート 2 5 の中央穴 2 5 aを樹脂で閉塞したリール底壁 2 1 aに、リールプレート 2 5を保持した金型の保持部材 7 8による凹状の保持跡 2 l b又は 2 I dを形成したことにより、インサート成形時におけるリールプレート 2 5の保持が確実に行え、射出成形時の樹脂圧及び流動によってリールプレート 2 5が移動することなく所望のィンサ一ト成形が行えると共に、成形後のリール 2におけるリ一ルプレート 2 5は突出することなく他部品との干渉が防止でき、また、その中央穴 2 5 aが閉塞されて防塵性の確保が容易に行える。

また、前記成形方法によれば、インサート成形時に金型に設けた可動ビン 7 9 又は磁力によってリールプレート 2 5を保持することにより、成形後のリール 2 に貫通孔を形成することなく確実に金型へのリールプレート 2 5の保持が行え、リール 2の所定位置にリールブレー卜 2 5を一体に成形することができる。

次に、リールプレート 2 5のインサート成形部の他の態様を示す。図 5 3 Aは、リール 2の底面中央のリールプレー卜 2 5 (金属プレー卜）部分の底面図を、図 5 3 Bはその成形状態の断面図を示している。

前記リールプレー卜 2 5は中央穴 2 5 aを有する円環状に形成され、リール 2 の底壁 2 1 aにインサ一卜成形された状態では、中央穴 2 5 aの部分は底壁 2 1 aの樹脂で閉塞され、外周面 2 5 gの外側にはこれを囲繞するリール底壁 2 1 a との間に周溝状の間隙 2 1 f が形成され、さらに外側にはリ一ルギヤ 2 4が設けられる。

リール 2の射出成形は、図 5 3 Bに示すように、固定金型 7 1及び可動金型 7 2により形成されるキヤビティ内にゲ一卜 7 1 bを通して樹脂を射出することにより成形される。固定金型 7 1には前記リールプレート 2 5の外周面 2 5 gを保持するリング状突起 7 1 aが設けられ、このリング状突起 7 1 aの内周面にリールプレー卜 2 5の外周面 2 5 gを嵌挿して、このリ一ルプレート 2 5を金型 7 1 の所定位置の内面に保持し、可動金型 7 2を閉じて樹脂が射出される。

成形後のリール 2においては、リ一ルプレート 2 5の外周面 2 5 gの底壁 2 1 aの部分には、上記リング状突起 7 1 aの保持跡による周溝状の間隙 2 I f が凹状に形成される。また、その中央穴 2 5 aを閉塞した底壁 2 1 aの中心部にはゲート跡 2 1 cが形成される。

上記のようなリング状突起 7 1 aによってリールプレート 2 5の外周面 2 5 を保持してインサート成形を行うと、樹脂の流入に伴ってリールプレー卜 2 5が移動してずれるのを防止でき、リール 2の所定位置にリールプレート 2 5を固着できる。また、インサート成形後の樹脂の収縮に伴う収縮力は前記間隙 2 1 fの形成により、リ一ルプレー卜 2 5の外周面 2 5 gには作用せず、リールプレート 2 5の変形が抑制できる。

図 5 4はリールプレート 2 5の他の実施の形態を示し、このリールプレート 2 5のリール底壁 2 1 aと接する上面に補強用リブ 2 5 hが形成されている。この補強用リブ 2 5 hは、プレート面から突出する放射方向のリブと璟状のリブとで形成されている。なお、リール 2の底面に露出するリールプレート 2 5の下面には補強用リブはなく平坦に設けられる。また、上記補強用リブ 2 5 hの形態は必要とされる強度に応じて適宜設計変更される。

このようなリールプレート 2 5は前述のような固定金型 7 1 (リング状突起 7 1 aはなくてもよい）に保持された状態でリール 2と一体にィンサ一ト成形される。

図 5 4の形態によれば、補強用リブ 2 5 hの形成によりリールプレート 2 5の曲げ強度が増大し、インサ一卜成形後のリール底壁 2 l aを形成する樹脂の収縮力がリールプレート 2 5に作用しても、その変形が抑制される。

次に、図 5 5はリール 2の他の実施の形態を示す平面図である。リールハブ 2 1の底壁 2 1 aの底面には前述のようにリ一ルプレー卜 2 5がィンサ一卜成形により固着されている。そして、前記リールプレート 2 5の上面に接するリール 2 の底壁 2 1 aには、凹部 2 9が形成されてリールプレート 2 5の上面に接する樹脂が部分的に除去されている。つまり、上記凹部 2 9の部分においては底壁 2 1 aは開口状態となって凹部 2 9の底面にリールプレート 2 5の上面が露出するように、前記可動金型 7 2の表面がリールプレート 2 5に接した状態で成形されている。

なお、上記凹部 2 9の形成において、リール底壁 2 1 aの中心部に前記ゲート 7 1 bが位置することで、このゲート部分から射出された樹脂がリール 2の各部に均等に流動するように、特に放射方向の流動を阻害しないように間隔をもって凹部 2 9を形成する必要がある。また、上記凹部 2 9はリール底壁 2 1 aの肉厚を簿くするように形成してもよい。

図 5 5の形態によれば、リールプレート 2 5に接するリール底壁 2 1 aに凹部 2 9を形成したことにより、リ一ルプレート 2 5に接触する樹脂量が低減してィンサー卜成形後の樹脂収縮力が小さくなり、リールプレート 2 5の変形が抑制できる。

上記のような本実施の形態によれば、リール 2の底面にマグネッ卜吸引用のリ —ルプレート 2 5を一体にィンサ一ト成形するについて、リ一ルプレー卜 2 5の外周面とこれを囲繞するリール底壁 2 1 aとの間に間隙を形成したことにより、ィンサ一ト成形後の樹脂の収縮時にはリ一ルプレート 2 5の外周面からの中心方向への収縮力が作用せず、リールプレート 2 5の変形が抑制でき、マグネッ卜との均等なクリアランスが確保できる。また、上記リ一ルプレー卜 2 5の外周への間隙 2 1 f の形成に伴い、この間隙 2 1 f に対応する金型の突起 7 1 aによりリ一ルプレート 2 5を保持することで、ィンサー卜成形時におけるリールプレート 2 5の位置決めが確実に行え、射出成形時の樹脂圧及び流動によってリールプレート 2 5が移動することなく所望のィンサ一卜成形が行える。

また、リ一ルプレート 2 5のリール底壁 2 1 aに接する面に補強用リブ 2 5 h を設けたものでは、このリールプレー卜 2 5の強度が増大してィンサ一卜成形後の樹脂の収縮時における収縮力によるリールプレー卜 2 5の変形が抑制でき、マグネッ卜との均等なクリアランスが確保できる。

ざらに、リールプレート 2 5に接するリール 2の底壁 2 1 aを部分的に除去したものでは、ィンサート成形後の樹脂の収縮時におけるリールプレート面を中心方向に引っ張るような収縮力が低減して、リールプレート 2 5の変形が抑制でき、マグネッ卜との均等なクリァランスが確保できる。

次に、テープリールの形成に関する実施の形態を示す。図 5 6はリールの断面図、図 5 7は要部の拡大図である。

リール 1は、磁気テープが外周面 2 1 gに卷回される円筒状のリールハブ 2 1 と、このリールハブ 2 1の一方の端部（図で下方）の外周から径方向に円盤状に張り出した下フランジ部 2 2とが合成樹脂により一体成形され、上記リ一ルハブ 2 1の他方の端部に合成樹脂により別体成形された円盤状の上フランジ部 2 3が接着剤により固着されてなる。

上記リールハブ 2 1の内周側部分には円盤状の底壁 2 1 aが連接され、この底壁 2 1 aの外側面にはリール 1を回転駆動するためのリールギヤ 2 4が環状に刻設され、さらに、このリールギヤ 2 4より内周側にはマグネット式吸引用の環状金属板によるリールプレート 2 5が成形時にィンサ一卜されている。

さらに、上記リールハブ 2 1の上フランジ部 2 3が固着される端面には、図 5 7に示すように、内周面 2 1 h側の部分が低くなるように環状に凹設された段部

5 6が形成されている。そして、このリールハブ 2 1における段部 5 6の端面 5

6 a及びハブ内周面 2 1 hの端部が接着面となる。

一方、前記上フランジ部 2 3は中央に円形状の開口を有し、この開口の周縁にはフランジ面 2 3 aに直交する方向に突出する鍔部 5 7が形成され、図 5 7に示すように、この鍔部 5 7とフランジ面 2 3 aとの連接角部には、前記リールハブ 2 1の段部 5 6に嵌合する環状凸部 5 8が形成されている。そして、この上フランジ部 2 3における環状凸部 5 8の端面 5 8 a (フランジ面 2 3 aと平行面）及び鍔部 5 7の外周面 5 7 aが接着面となる。

前記リールハブ 2 1と上フランジ部 2 3との接着は、リールハブ 2 1の接着面及び/又は上フランジ部 2 3の接着面に接着剤をディスペンサー等の供給手段により所定量供給し、両者を位置決めしつつ、上フランジ部 2 3の鍔部 5 7をリールハブ 2 1の内周面 2 1 hに嵌挿すると共に環状凸部 5 8を段部 5 6に嵌合して組み付け、フランジ鍔部 5 7の外周面 5 7 aとリールハブ 2 1の内周面 2 1 hとをリールハブ 2 1の回転軸に平行な面（ 1〜1 0 ° 程度傾斜してもよい）で接合すると共に、環状凸部 5 8の端面 5 8 aと段部 5 6の端面 5 6 aとをリールハブ 2 1の回転軸に直交する面で接合する。

上記接着剤としては、各種接着剤が使用可能であるが、光硬化型接着剤、特に紫外線硬化型接着剤又は可視光硬化型接着剤を使用するのが好ましく、この光硬化型接着剤の場合には、接着剤を接着面に塗布して接合した後に光線（紫外線、可視光線）を所定時間（例えば 5秒間）照射して硬化させて、接着工程を終了するものである。

上記紫外線硬化型接着剤は、例えば、官能基としてァクリロイル基を 1〜数個もち、紫外線により光重合モノマーなどとラジカル重合反応を起こし架橋、重合する組成を有する公知のものを使用する。例えば、スリーボンド社製のスリーボンド 3 0 6 2 , 3 0 5 5， 3 0 6 5など、東亜合成社製のァロンタイ卜 B U— 1 3 0 U , B U - 2 3 0 U , B U— 2 4 9 Uなどが挙げられ、嫌気硬化或いはブライマ一硬化などの付与硬化性を備えた紫外線硬化型接着剤でもよい。これらは、波長が 2 0 0〜4 0 0 n mの紫外線照射により、数秒〜数十秒で硬化する。この場合、前記上フランジ部 2 3又はリールハブ 2 1は P C (ポリカーボネイト）、 P S (ポリスチレン）等の透明樹脂で成形するのが好ましいが、紫外線照射後に接着面を組み合わせるタイプの接着剤もあるので必ずしも透明である必要はない。また、可視光硬化型接着剤としては、東亜合成社製のァロンタイ卜 V L— 1 3 0 3， V L - 2 3 0 2 , V L— 5 3 0 3などが挙げられる。これらは、半透明のものや、若干色の付いた上フランジ部 2 3又はリールハブ 2 1でも接着可能である

なお、上記実施の形態において、接着剤による接着強度を高めるために、必要に応じて、リールハブ 2 1の段部 5 6の端面 5 6 aと上フランジ部 2 3における環状凸部 5 8の端面 5 8 aとの接着部分及び/又はハブ内周面 2 1 hの端部と上フランジ部 2 3における鍔部 5 7の外周面 5 7 aとの接着部分における両接着面の少なくとも一方を粗面化する。この接着面の粗面化は、リールハブ 2 1又は上フランジ部 2 3の成形型における接着面成形部分の表面を粗面加工することで得られ、その表面粗さは R z で 1 m以上とするのが好ましい。

この実施形態によれば、リールハブ 2 1と上フランジ部 2 3とを接着剤により接合してなることで、上フランジ部 2 3に変形を生じることなく、全周で均等に接着することができ、成形精度に対応した寸法精度で固着後のリール 1が形成でき、上フランジ部 2 3はリールハプ 2 1の回転軸に対して垂直に固着でき、このリール 1を回転して磁気テープを繰り出し又は巻き取る際に上フランジ部 2 3の回転振れが小さく、走行する磁気テープの幅方向の変動も小さく良好な位置精度となり、記録再生特性への影響も小さく高密度化にも対応可能となる。

また、前記リールハブ 2 1と上フランジ部 2 3との接着は、リールハブ 2 1の外周面 2 1 gから離れると共に段部 5 6より内周側の位置で行うことで、接着剤が接着面から上記外周面 2 1 gの部分にはみ出すのが防止でき、この外周面 2 1 gに卷回する磁気テープへの影響を排除できる。

さらに、接着面を粗面化すると、接着剤の付着面積が増大して接着強度が高まり、より強くリールハブ 2 1と上フランジ部 2 3との接着が行え、巻きテンションの増大にも接着面積を拡大することなく耐え得る。

なお、上記実施の形態では、直交する 2面で接着して高い接着強度を得るようにしているが、少なくとも鍔部外周面 5 7 aとハブ内周面 2 1 hとの接着が必要である。

図 5 8及び図 5 9は他の実施の形態のリール 2を示すものであり、接着部の形状が異なり、その他は図 5 6と同様に設けられている。

リールハブ 2 1の上フランジ部 2 3が固着される端面には、図 5 9に示すように、外周面 2 1 g側の部分が低くなるように環状に凹部 5 9が形成され、この凹部 5 9の端面 5 9 a及び周面 5 9 bが接着面となる。一方、上フランジ部 2 3は、中央に円形状の開口が形成された円盤状であり、図 5 9に示すように、内周端面 2 3 b及び内側フランジ面 2 3 aの内周部が接着面となる。

前記リールハブ 2 1 と上フランジ部 2 3との接着は、リールハブ 2 1の接着面及び/又は上フランジ部 2 3の接着面に接着剤をディスペンサー等の供給手段により所定量供給し、両者を位置決めしつつ、上フランジ部 2 3の内周部をリールハブ 2 1の凹部 5 9に嵌合して組み付け、上フランジ部 2 3の内周端面 2 3 とリールハブ 2 1の凹部周面 5 9 bとを、リールハブ 2 1の回転軸に略平行な面で接着すると共に、リールハブ 2 1の凹部端面 5 9 aと内周側フランジ面 2 3 aとを、リールハブ 2 1の回転軸に直交する面で接着する。

なお、この実施の形態においても、必要に応じて、リールハブ 2 1の凹部端面 5 9 aと上フランジ部 2 3の内周側フランジ面 2 3 aとの接着部分及び/又はリ —ルハブ 2 1の凹部周面 5 9 bと上フランジ部 2 3の内周端面 2 3 bとの接着部分における両接着面の少なくとも一方を粗面化して、接着剤による接着強度を高めるようにしてもよい。

この実施形態によれば、前例同様に、リールハブ 2 1と上フランジ部 2 3とを接着剤により接合してなることで、上フランジ部 2 3に変形を生じることなく、全周で均等に接着することができ、上フランジ部 2 3の回転振れが小さく、走行する磁気テープの幅方向の変動も小さく高密度化にも対応可能となる。

また、前記リールハブ 2 1と上フランジ部 2 3とを直交する 2面で接着したことで高い接着強度を得るようにしている。さらにリールハブ 2 1の凹部 5 9に段部を形成するようにしてもよい。

なお、両実施の形態において、その接着面は全周に連続して設けるほか、部分的に溝部を有する不連続な形状に形成してもよく、この場合には、余剰の接着剤が溝部内に流入して接着面より外部に接着剤がはみ出すのをより一層防止できる。上記のような本実施の形態によれば、外周面 2 1 gにテープを巻回する円筒状のリールハブ 2 1の端部に円盤状の上フランジ部 2 3を接着剤により固着したことにより、上フランジ部 2 3を回転軸に対して直角にかつ変形を生じない状態に固着して良好な寸法精度を得ることができ、巻回したテープの幅方向の振れを小さくして、樹脂成形品であっても記録密度及び記録精度の向上に対して十分に対応可能となる。

前記接着剤として光硬化型接着剤、特に紫外線硬化型接着剤を使用すると、硬化時間の短縮により量産化、工程の簡素化が図れる。さらに、接着剤を用いることで、超音波溶着では溶着することができないいわ- ゆる溶着性のない樹脂同士のリールハブ 2 1 と上フランジ部 2 3の組み合わせとすることも可能である。また、超音波溶着では溶着面の確保のために一体成形するリールハブ 2 1と下フランジ部 2 2との肉厚の不均一によるリールハブ 2 1の平面度、下フランジ部 2 2の円筒度が低下するのを、均等な肉厚による成形が可能となり、リールハブ 2 1の成形精度の向上が図れ、より高精度なリール 2が得られる。

Claims

言齊 > <. op ^.

( 1 ) 磁気テープを卷装した単一のリールをカー卜リッジケース内に回転可能に収容し、使用時に前記リールの回転を許容し、不使用時に前記リールの回転を拘束するリール回転制止手段を備えた磁気テープカートリッジにおいて、

前記リール回転制止手段は、前記リールに対して接離可能に移動してリールの回転を拘束する制止部材と、該制止部材を制止方向に付勢する付勢部材と、前記リールと一体に回転してドライブ側回転駆動手段のチヤッキング動作に応じて移動し前記制止部材を解除方向に移動させる解除部材とを有し、

前記リールにドライブ側回転駆動手段の駆動ギヤと嚙合するリールギヤを設け、前記解除部材の一部に形成した押上部を、前記リールギヤに設けた揷通孔を通して先端が前記駆動ギヤに当接可能に設けてなり、

前記揷通孔をリールギヤの歯先と歯先間に開口したことを特徴とする磁気テープカ一トリッジ。

( 2 ) 前記解除部材の駆動ギヤと当接する先端面に、駆動ギヤの歯先が係合可能な凹部を形成したことを特徴とする請求項 1に記載の磁気テープ力一トリッジ。

( 3 ) 磁気テープを卷装した単一のリールをカートリッジケース内に回転可能に収容し、使用時に前記リールの回転を許容し、不使用時に前記リールの回転を拘束するリール回転制止手段を備えた磁気テープ力一トリッジにおいて、

前記押上部と前記揷通孔とを接触面積を低減する微小突起を介して接触させたことを特徴とする磁気テープ力一トリッジ。

( 4 ) 前記挿通孔が開口された両端のリールギヤの歯先を、平坦形状、曲面状又は面取り斜面状に除去していることを特徴とする請求項 1、 2又は 3に記載の磁気テープ力一卜リッジ。

( 5 ) 磁気テープを卷装した単一のリールをカートリッジケース内に回転可能に収容し、使用時に前記リールの回転を許容し、不使用時に前記リールの回転を拘束するリール回転制止手段を備えた磁気テープカートリッジにおいて、

前記リール回転制止手段は、前記リールに対して接離可能に移動してリ一ルの回転を拘束する制止部材と、該制止部材を制止方向に付勢する付勢部材と、前記リールと一体に回転してドライブ側回転駆動手段のチヤッキング動作に応じて移動し前記制止部材を解除方向に移動させる解除部材とを有し、

前記解除部材を、金属板の板金プレスによって形成してなることを特徴とする磁気テープカートリッジ。

( 6 ) 磁気テープを卷装した単一のリールをカートリッジケース内に回転可能に収容し、使用時に前記リールの回転を許容し、不使用時に前記リールの回転を拘束するリール回転制止手段を備えた磁気テープ力一トリッジにおいて、

前記リール回転制止手段は、前記リ一ルに対して接離可能に移動してリールの回転を拘束する制止部材と、該制止部材を制止方向に付勢する付勢部材と、前記リールと一体に回転してドライブ側回転駆動手段のチヤッキング動作に応じて移動し前記制止部材を解除方向に移動させる解除部材とを有し、

前記リールには、前記解除部材の押上部を前記揷通孔に挿入する際に、該解除部材の一部を挿入方向に案内するガイド部材を設けたことを特徴とする磁気テ一プカ一トリッジ。

( 7 ) 磁気テープを卷装した単一のリールを力一卜リッジケース内に回転可能に収容し、使用時に前記リールの回転を許容し、不使用時に前記リールの回転を拘束するリール回転制止手段を備えた磁気テープカー卜リッジにおいて、前記リール回転制止手段は、前記リールに対して接離可能に移動してリールの回転を拘束する制止部材と、該制止部材を制止方向に付勢する ί寸勢部材と、前記リールと一体に回転してドライブ側回転駆動手段のチヤツキング動作に応じて移動し前記制止部材を解除方向に移動させる解除部材とを有し、

前記解除部材は略三角形状の板状基部の各頂点近傍に押上部を設けたことを特徴とする磁気テープカートリッジ。

( 8 ) 前記解除部材の板状基部は高剛性樹脂材料で前記押上部と共に一体成形する一方、前記基部の前記制止部材の下面中心部と接触する上面中心部には、低摩擦特性を有する別部材で形成した摺動接触部を一体に固着したことを特徴とする請求項 7に記載の磁気テープ力一トリッジ。

( 9 ) 磁気テープを卷装した単一のリールをカートリッジケース内に回転可能に収容し、使用時に前記リールの回転を許容し、不使用時に前記リールの回転を拘束するリール回転制止手段を備えた磁気テープカー卜リッジにおいて、

前記制止部材及び解除部材の回転中心近傍に、射出成形用のゲー卜跡が設けられたことを特徴とする磁気テープ力一トリッジ。

( 1 0 ) 押上部を有し射出成形で形成される解除部材において、前記押上部の内部に該押上部が肉薄となるような穴部を形成したことを特徴とする請求項 9に記載の磁気テープカー卜リッジ。 ( 1 1 ) 磁気テープを巻装した単一のリールをカー卜リッジケース内に回転可能に収容し、使用時に前記リールの回転を許容し、不使用時に前記リールの回転を拘束するリール回転制止手段を備えた磁気テープカー卜リッジにおいて、前記リ一ル回転制止手段は、前記リ一ルに対して接離可能に移動してリールの回転を拘束する制止部材と、該制止部材を制止方向に付勢する付勢部材と、前記リールと一体に回転してドライブ側回転駆動手段のチヤッキング動作に応じて移動し前記制止部材を解除方向に移動させる解除部材とを有し、

前記リールギヤは、歯先エッジ部が曲面に形成されている駆動ギヤと嚙合して回転駆動されることを特徴とする磁気テープカー卜リッジ。

( 1 2 ) 磁気テープを卷装した単一のリールをカートリッジケース内に回転可能に収容し、使用時に前記リールの回転を許容し、不使用時に前記リールの回転を拘束するリール回転制止手段を備えた磁気テープカートリッジにおいて、前記リ一ル回転制止手段は、前記リ一ルに対して接離可能に移動してリ一ルの回転を拘束する制止部材と、該制止部材を制止方向に付勢する付勢部材と、前記リールと一体に回転してドライブ側回転駆動手段のチヤッキング動作に応じて移動し前記制止部材を解除方向に移動させる解除部材とを有し、

前記リールギヤの歯先エツジ部が曲面に形成されていることを特徴とする磁気テ一プカ一卜リッジ。

( 1 3 ) 磁気テープを巻装した単一のリールをカートリッジケース内に回転可能に収容し、使用時に前記リールの回転を許容し、不使用時に前記リールの回転を拘束するリール回転制止手段を備えた磁気テープカートリッジにおいて、前記リール回転制止手段は、前記リールに対して接離可能に移動してリールの回転を拘束する制止部材と、該制止部材を制止方向に付勢する付勢部材と、前記リ一ルと一体に回転してドライブ側回転駆動手段のチャッキング動作に応じて移動し前記制止部材を解除方向に移動させる解除部材とを有し、

前記リールにドライブ側回転駆動手段の駆動ギヤと嚙合するリールギヤを設け、前記解除部材の一部に形成した押上部を、前記リールギヤに設けた揷通孔を通して先端が前記駆動ギャに当接可能に設けてなり、

前記リールは底面に金属製のリールプレートがィンサ一ト成形されてなり、該リールがゲー卜の外周にリ一ルプレー卜の内周面を保持する保持部材が配設された成形金型で成形されたことを特徴とする磁気テープカートリッジ。

( 1 4 ) 磁気テープを卷装した単一のリールを力一トリヅジケース内に回転可能に収容し、使用時に前記リールの回転を許容し、不使用時に前記リールの回転を拘束するリール回転制止手段を備えた磁気テープカートリッジにおいて、前記リ一ル回転制止手段は、前記リ一ルに対して接離可能に移動してリ一ルの回転を拘束する制止部材と、該制止部材を制止方向に付勢する付勢部材と、前記リールと一体に回転してドライブ側回転駆動手段のチャッキング動作に応じて移動し前記制止部材を解除方向に移動させる解除部材とを有し、

前記リールはリールギヤの内周側に金属製のリ一ルプレートがィンサート成形されてなり、該リールが前記リールギヤを成形するギヤ部金型と前記リ一ルプレ一卜との干渉防止を図る手段が設けられた成形金型で成形されたことを特徴とする磁気テープカートリッジ。

( 1 5 ) 磁気テープを巻装した単一のリールを力一トリヅジケース内に回転可能に収容し、使用時に前記リールの回転を許容し、不使用時に前記リールの回転を拘束するリール回転制止手段を備えた磁気テープカー卜リッジにおいて、前記リ一ル回転制止手段は、前記リールに対して接離可能に移動してリールの回転を拘束する制止部材と、該制止部材を制止方向に付勢する付勢部材と、前記リールと一体に回転してドライブ側回転駆動手段のチヤッキング動作に応じて移動し前記制止部材を解除方向に移動させる解除部材とを有し、前記リールにドライブ側回転駆動手段の駆動ギヤと嚙合するリールギヤを設け前記解除部材の一部に形成した押上部を、前記リールギヤに設けた揷通孔を通して先端が前記駆動ギヤに当接可能に設けてなり、

前記リールは金属製のリールプレートがインサート成形されてなり、該リールプレートの外周面の外側には、リール底壁との間に周溝状の間隙を形成し、さらに外側に前記リールギヤを形成したことを特徴とする磁気テープカートリッジ。

( 1 6 ) 磁気テープを巻装した単一のリールをカー卜リッジケース内に回転可能に収容し、使用時に前記リールの回転を許容し、不使用時に前記リールの回転を拘束するリール回転制止手段を備えた磁気テープ力一トリッジにおいて、前記リール回転制止手段は、前記リールに対して接離可能に移動してリールの回転を拘束する制止部材と、該制止部材を制止方向に付勢する付勢部材と、前記リールと一体に回転してドライブ側回転駆動手段のチヤッキング動作に応じて移動し前記制止部材を解除方向に移動させる解除部材とを有し、

前記リールは金属製のリールプレー卜がィンサート成形されてなり、該リ一ルプレー卜のリール底壁と接する面に補強用リブを形成したことを特徴とする磁気テープ力一トリッン。

( 1 7 ) 磁気テープを巻装した単一のリールをカートリッジケース内に回転可能に収容し、使用時に前記リールの回転を許容し、不使用時に前記リールの回転を拘束するリール回転制止手段を備えた磁気テープ力一卜リッジにおいて、前記リ一ル回転制止手段は、前記リ一ルに対して接離可能に移動してリールの回転を拘束する制止部材と、該制止部材を制止方向に付勢する付勢部材と、前記リールと一体に回転してドライブ側回転駆動手段のチヤッキング動作に応じて移動し前記制止部材を解除方向に移動させる解除部材とを有し、

前記リールにドライブ側回転駆動手段の駆動ギヤと嚙合するリールギヤを設け、前記解除部材の一部に形成した押上部を、前記リールギヤに設けた揷通孔を通して先端が前記駆動ギヤに当接可能に設けてなり、前記リールは金属製のリールプレートがィンサート成形されてなり、該リールプレートの接するリール底壁に凹部を形成したことを特徴とする磁気テープ力一トリッジ。

( 1 8 ) 磁気テープを巻装した単一のリールをカートリッジケース内に回転可能に収容し、使用時に前記リールの回転を許容し、不使用時に前記リールの回転を拘束するリール回転制止手を備えた磁気テープカートリッジにおいて、前記リ一ル回転制止手段は、前記リ一ルに対して接離可能に移動してリールの回転を拘束する制止部材と、該制止部材を制止方向に付勢する付勢部材と、前記リールと一体に回転してドライブ側回転駆動手段のチヤッキング動作に応じて移動し前記制止部材を解除方向に移動させる解除部材とを有し、

前記リールにドライブ側回転駆動手段の駆動ギヤと嚙合するリールギヤを設け、前記解除部材の一部に形成した押上部を、前記リールギヤに設けた挿通孔を通して先端が前記駆動ギヤに当接可能に設けてなり、

前記リールはリールハブと上フランジ部とが接着で接合されてなり、該上フランジ部には前記リールハブの内周面に嵌合する鍔部を設け、該鍔部とフランジ面とにまたがって環状凸部を形成し、該環状凸部の端面と鍔部の外周面を接着面として前記リールハブに接着してなることを特徴とする磁気テープカートリヅジ。